JP2008064184A - スラスト針状ころ軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】1枚の板材を曲げて形成される保持器を有しながらも、潤滑条件を改善できるスラスト針状ころ軸受を提供する。
【解決手段】ポケット16hpの先行縁(X)で掻き取られた潤滑油の一部(A)は、柱部16hcを乗り越えてしまうが、残りの潤滑油(B)は溝16h6内に侵入し、溝16h6を介してポケット16hpの後行縁(Y)から、再度軌道輪16gの軌道面上に供給される(C)ようになっている。これにより、ころ16eと軌道輪16gとの間に十分な油膜を形成し、良好な潤滑条件を確保できるようになっている。同様に、保持器16hが上方に変位して、内側上面16h1と外側上面16h2とが、軌道輪16fの軌道面に当接して相対摺動した場合にも、溝16h4,16h5を介して潤滑油の供給を行える。
【選択図】図8
【解決手段】ポケット16hpの先行縁(X)で掻き取られた潤滑油の一部(A)は、柱部16hcを乗り越えてしまうが、残りの潤滑油(B)は溝16h6内に侵入し、溝16h6を介してポケット16hpの後行縁(Y)から、再度軌道輪16gの軌道面上に供給される(C)ようになっている。これにより、ころ16eと軌道輪16gとの間に十分な油膜を形成し、良好な潤滑条件を確保できるようになっている。同様に、保持器16hが上方に変位して、内側上面16h1と外側上面16h2とが、軌道輪16fの軌道面に当接して相対摺動した場合にも、溝16h4,16h5を介して潤滑油の供給を行える。
【選択図】図8
Description
本発明は、カーエアコンのコンプレッサ、自動変速機やトルクコンバータ、事務機器等に用いられると好適なスラスト針状ころ軸受に関する。
従来のカーエアコン用斜板式コンプレッサやトルクコンバータ、自動変速機等に使用されているスラスト針状ころ軸受は、コスト、耐熱性等の観点から鋼板製のプレス加工保持器が使用されることが多い。しかしながら、一般的な保持器としては色々な種類があり、樹脂製、1枚板をプレスして成形したもの、2枚のプレスされた板を合わせて保持器としたもの等があり、それぞれ使い分けがなされている。1枚のプレスされた板により形成された保持器は、低コストで軽量というメリットがあり、これを用いたスラスト針状ころ軸受の例が、特許文献1に開示されている。
特開2005−308018号公報
ところで、特許文献1に示すごときスラスト針状ころ軸受において、保持器の支持態様を、「両側レースもたせ」にするか、或いは「両側ころもたせ」にするかという問題がある。図11は、「両側レースもたせ」としたスラスト針状ころ軸受において、一つのころの軸線に直交する方向に切断して示す図である。より具体的には、2枚のレースLS1,LS2間に、ころRLと、ポケット部PでころRLを保持する保持器RTが配置されており、図11(a)においては、保持器RTがレースLS1、LS2に対して中立位置にあり、図11(b)においては、保持器RTが最も上方に変位した状態にあり、図11(c)においては、保持器RTが最も下方に変位した状態にある。
図11(b)から明らかであるが、保持器RTが最も上方に変位したときは、保持器RTの上面がレースLS1に接触するが、この状態でレースLS1,LS2が相対回転すると、レースLS1の軌道面に付着した潤滑油が、保持器RTのポケット部Pの縁で掻き取られてしまうので、ころRLの潤滑条件が悪化するという問題がある。同様に、保持器RTが最も下方に変位したときは、レースLS2の軌道面に付着した潤滑油が、保持器RTのポケット部Pの縁で掻き取られてしまうこととなる(図11(c)参照)。
このようにレースの軌道面の潤滑油が掻き取られると、ころと軌道面との間に十分な膜厚の油膜が形成されなくなり、特に、負荷が高い状態でスラスト針状ころ軸受を動作させると、軌道面にフレーキングなどの不具合が生じる恐れがある。特に近年においては、省エネの観点からスラスト針状ころ軸受を用いるユニットをより小型化、軽量化する傾向がある。従って、スラスト針状ころ軸受にも小型化が求められているため、小さなキャパシティで大きな荷重を受けなければならず、長寿命化を計ることは急務である。
このような「両側レースもたせ」の問題点は、スラスト針状ころ軸受を「両側ころもたせ」とすることにより解消できる。図12は、「両側ころもたせ」としたスラスト針状ころ軸受において、一つのころの軸線に直交する方向に切断して示す図であり、図12(a)においては、保持器RTがレースLS1、LS2に対して中立位置にあり、図12(b)においては、保持器RTが最も上方に変位した状態にあり、図12(c)においては、保持器RTが最も下方に変位した状態にある。
図12(b)から明らかであるが、保持器RTが最も上方に変位したときは、ポケット部Pの下部がころRLの表面に当たり、保持器RTの上面はレースLS1に接触しないため、レースLS1の軌道面に付着した潤滑油が、保持器RTに掻き取られることはない。同様に、保持器RTが最も下方に変位したときも、ポケット部Pの上部がころRLの表面に当たり、保持器RTの下面はレースLS1に接触しないため、レースLS2の軌道面に付着した潤滑油が、保持器RTのポケット部Pの縁で掻き取られてしまうことはない(図12(c)参照)。
しかしながら、スラスト針状ころ軸受において「両側ころもたせ」を実現しようとすると、ころの外径D、レース間距離d、ポケット部の幅Wを狭い公差内に厳しく管理しなくてはならず、プレス加工精度の他、熱処理工程の変形を考慮する必要も生じ、保持器のコストが増大するという問題がある。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、1枚の板材を曲げて形成される保持器を有しながらも、潤滑条件を改善できるスラスト針状ころ軸受を提供することを目的とする。
本発明のスラスト針状ころ軸受は、レース上を転動するころと、前記ころを保持する保持器とを備えたスラスト針状ころ軸受において、
前記保持器は、1枚の板材を折り曲げてなり、前記レースに対して摺動する面に、周方向に延在する溝を形成していることを特徴とする。
前記保持器は、1枚の板材を折り曲げてなり、前記レースに対して摺動する面に、周方向に延在する溝を形成していることを特徴とする。
本発明によれば、前記保持器が、1枚の板材を折り曲げてなり、前記レースに対して摺動する面に、周方向に延在する溝を形成しているので、「両側レースもたせ」であっても、ポケット部でレースの軌道面から掻き取った潤滑油を、前記溝を介して同じ軌道面に戻すことができるため、ころと軌道面との間の油膜を確保し、良好な潤滑条件を確保できる。特に、「両側レースもたせ」の場合、保持器はころが脱落しなければよい程度の寸法を持てば足り、従って高い加工精度を必要としないので、多少の金型の摩耗も許容できるため低コストである。また、ポケット部ところの間のすきまを、「両側ころもたせ」の場合よりも大きく確保できるため、加工不良や熱処理変形が生じても、ころが拘束される恐れが少ない。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態にかかるスラスト針状ころ軸受が組み込まれたカーエアコンのコンプレッサの断面図であり、図2は、図1の構成を矢印II方向に見た図である。
図1において、コンプレッサ1を構成するハウジング6は、中央の短円筒状の本体7をヘッドケース8と斜板ケース9とで軸線方向(図1の左右方向)両側から挟持し、更に複数本の結合ボルト(図示せず)により結合されて一体となっている。ヘッドケース8の内側には、低圧室10、10と高圧室11とが設けられている。尚、高圧室11内は勿論、低圧室10、10内も正圧である。又、本体7とヘッドケース8との間には平板状の隔壁板12が挟持されている。図1で複数に分割されている如く表されている低圧室10、10は互いに連通しており、ヘッドケース8の外面に設けられた単一の吸入ポート13(図2)に連通している。又、高圧室11は、ヘッドケース8に設けられた吐出ポート(図示せず)に通じている。吸入ポート13がエバポレータ(不図示)の出口に、不図示の吐出ポートをコンデンサ(不図示)の入口に、それぞれ連通させている。
ハウジング6内にはシャフト14を、本体7と斜板ケース9とに掛け渡す状態で、回転自在に支持している。より具体的には、シャフト14の両端部を1対のラジアルニードル軸受15A、15Bにより、本体7と斜板ケース9とに対して回転自在に支持すると共に、1対のスラスト針状ころ軸受16A、16Bにより、このシャフト14に加わるスラスト荷重を支承自在としている。
スラスト針状ころ軸受16Aは、複数のころ16aと、これを軸線方向(図1で左右方向)に挟持する軌道輪16b、16cと、ころ16aを保持する保持器16dとを有している。本実施の形態にかかるスラスト針状ころ軸受16Bは、複数のころ16eと、これを軸線方向(図1で左右方向)に挟持する軌道輪(レース)16f、16gと、ころ16eを保持する保持器16hとを有している。
ラジアルニードル軸受15Aは、複数のころ15aと、シェル型外輪15bと、ころ15aを保持する保持器15cとを有している。ラジアルニードル軸受15Bは、複数のころ15dと、外輪(軌道輪)15eと、ころ15dを保持する保持器15fとを有している。
スラスト針状ころ軸受16Aは、本体7の一部と上記シャフト14の一端部(図1の右端側)に形成した段部17との間に、皿ばね18を介して設けている。又、スラスト針状ころ軸受16Bは、シャフト14の中間部外周面に外嵌固定した円板部19と斜板ケース9との間に配置している。ハウジング6を構成する本体7の内側でシャフト14の周囲部分には、複数(例えば図示の例では、円周方向等間隔に6個)のシリンダ孔20、20を形成している。この様に本体7に形成した、複数のシリンダ孔20、20の内側には、それぞれピストン21、21の先半部(図1の右半部)に設けた摺動部22、22を、軸方向の変位自在に嵌装している。
ここでは、シリンダ孔20、20の底面とピストン21、21の先端面(図1の右端面)との間に設けられた空間を、圧縮室23とする。又、斜板ケース9の内側に存在する空間は、斜板室24とする。シャフト14の中間部外周面でこの斜板室24内に位置する部分おいて、斜板25を、シャフト14に対して所定の傾斜角度を持たせて固定し、この斜板25がシャフト14と共に回転する様にしている。斜板25の円周方向複数個所と、各ピストン21、21とは、それぞれ1対ずつのスライディングシュー26、26により連結されている。この為、これら各スライディングシュー26、26の内側面(互いに対向する面)は平坦面として、同じく平坦面である斜板25の両側面外径寄り部分に摺接するようになっている。又、これら各スライディングシュー26、26の外側面(相手スライディングシュー26と反対側面)は球状凸面としている。更に、その内側面を斜板25の両側面に当接させた状態で、これら両スライディングシュー26、26の外側面を単一球面上に位置させている。一方、各ピストン21、21の基端部(前記隔壁板12から遠い側の端部で、図1の左端部)には、スライディングシュー26、26及び斜板25と共に、駆動力伝達機構を構成する連結部27、27を、各ピストン21、21と一体に形成している。そして、これら各連結部27、27に、一対のスライディングシュー26、26を保持する為の保持部28、28を形成している。又、これら各保持部28、28には、各スライディングシュー26、26の外側面と密に摺接する球状凹面を、互いに対向させて形成している。
又、本体7の一部内周面で、各連結部27、27の外端部に整合する部分には、各ピストン21、21毎にそれぞれ1対ずつのガイド面(図示せず)を、円周方向に離隔して形成している。各連結部27、27の外端部は、このガイド面に案内されて、ピストン21、21の軸方向(図1の左右方向)の変位のみ自在である。従って、各ピストン21、21も、各シリンダ孔20、20内に、斜板25の回転に伴う各ピストン21、21の中心軸回りの回転を防止されて、軸方向の変位のみ自在(回転不能)に嵌装されている。この結果、各連結部27、27は、シャフト14の回転による斜板25の揺動変位に伴って各ピストン21、21を軸方向に押し引きし、各摺動部22、22をシリンダ孔20、20内で軸方向に往復移動させる。
一方、低圧室10及び高圧室11と各シリンダ孔20、20とを仕切るべく、本体7とヘッドケース8との突き合わせ部に挟持している隔壁板12には、低圧室10と各シリンダ孔20、20とを連通させる吸入孔29、29と、高圧室11と各シリンダ孔20、20とを連通させる吐出孔30、30とを、それぞれ軸線方向に貫通する状態で形成している。従って、各吸入孔29、29及び各吐出孔30、30の一端(図1の左端)でシリンダ孔20、20側の開口は、何れも各ピストン21、21の先端面と対向する。又、各シリンダ孔20、20内で、各吸入孔29、29の一端と対向する部分には、低圧室10から各シリンダ孔20、20に向けてのみ冷媒ガスを流す、リード弁式の吸入弁31、31を設けている。又、高圧室11内で、各吐出孔30、30の他端(図1の右端)開口と対向する部分には、各シリンダ孔20、20から高圧室11に向けてのみ冷媒ガスを流す、リード弁式の吐出弁32を設けている。この吐出弁32には、各吐出孔30、30から離れる方向への変位を制限する、ストッパ33を付設している。
上述の様に構成するコンプレッサ1のシャフト14は、車両のエンジン(不図示)により無端ベルト42を介して回転駆動される。この為に、図示の例の場合は、ハウジング6を構成する斜板ケース9の外側面(図1の左側面)中央に設けた支持筒部34の周囲に従動プーリ35を、複列ラジアル玉軸受36により、回転自在に支持している。この従動プーリ35は、断面コ字形で全体を円環状に構成しており、斜板ケース9の外側面に固定したソレノイド37を、従動プーリ35の内部空間に配置している。一方、シャフト14の端部で支持筒部34から突出した部分には取付ブラケット38を固定しており、この取付ブラケット38の周囲に磁性材製の環状板39を、板ばね40を介して支持している。この環状板39はソレノイド37への非通電時には、板ばね40の弾力により、図に示す様に従動プーリ35から離隔しているが、ソレノイド37への通電時にはこの従動プーリ35に向け吸着されて、この従動プーリ35からシャフト14への回転力の伝達を自在とする。即ち、ソレノイド37と環状板39と板ばね40とにより、従動プーリ35とシャフト14とを係脱する為の電磁クラッチ41を構成している。又、車両のエンジンのクランクシャフト(不図示)の端部に固定した駆動プーリと従動プーリ35との間には、無端ベルト42を掛け渡している。
本実施の形態にかかるカーエアコンのコンプレッサの動作について説明する。車室内の冷房或は除湿を行なう為、カーエアコンを作動させた場合には、電磁クラッチ41を動作させて従動プーリ35とシャフト14とを係合させ、それにより無端ベルト42を介して、車両のエンジンの動力をシャフト14に伝達し、これを回転駆動する。この結果、斜板25が回転して、複数のピストン21、21を構成する摺動部22、22をそれぞれシリンダ孔20、20内で往復移動させる。そして、この様な摺動部22、22の往復移動に伴って、吸入ポート13から吸引された冷媒ガスが、低圧室10、10内から各吸入孔29、29を通じて圧縮室23内に吸い込まれる。この冷媒ガスは、これら各圧縮室23内で圧縮されてから、吐出孔30、30を通じて高圧室11に送り出され、吐出ポートより吐出される。その後、高温・高圧の冷媒ガスはコンデンサで冷却され液冷媒となった後、急激に膨張させられ、低温・低圧の霧状冷媒となってエバポレータに流れ、ここで車室内に供給される空気を冷却し、その後冷媒ガスとなってコンプレッサに吸入される。
図3は、軌道輪を取り外した状態で示すスラスト針状ころ軸受16Bの正面図である。図4は、図3の構成を矢印IV-IV線で切断して矢印方向に見た図である。図5(a)は、図3に示す保持器を矢印VA-VA線で切断して矢印方向に見た拡大図であり、5(b)は、図5(a)に示す構成を矢印VB-VB線で切断して矢印方向に見た図であり、5(c)は、図5(a)に示す構成を矢印VC-VC線で切断して矢印方向に見た図である。図6は、保持器の部分斜視図であり、図7は、保持器にころを組み入れた状態で示す部分斜視図である。
細長い薄板(不図示)を送り出しながら順次プレス加工を施すことで、複数の保持器16hの形状を並べて形成できる。最終的に板材から抜き出されるときは、個々の保持器16hは、断面がM字状になるよう折り曲げられた状態とされる。即ち保持器16hは、図5に示すように、半径方向内側の内壁円筒16hiと、半径方向外側の外壁円筒16hoと、内側円筒16hiと外側円筒hoを半径方向に連結した柱部16hcとを有する。内壁円筒16hiと外壁円筒16hoとの間であって隣接する柱部16hc間は、ころ16eを収容する矩形孔状のポケット16hpとなっており、これが周方向に等間隔で穿設されている。
柱部16hcは、中央でU字形に折り曲げられており、これにより柱部16hcは、図5(a)における上側において、内側上面16h1と、外側上面16h2とを形成し、図5(a)における下側において、中央下面16h3とを形成している。内側上面16h1と、外側上面16h2と、中央下面16h3とには、隣接するポケット16hpに連通するごとく、断面矩形状の溝16h4,16h5,15h6がそれぞれ周方向に延在するようにして形成されている(図6,7参照)。本実施の形態では、スラスト針状ころ軸受を「両側レースもたせ」としているので、図5(a)において、保持器16hが上方に変位すると、内側上面16h1と外側上面16h2とが、点線で示す軌道輪16fの軌道面に当接して相対摺動し、保持器16hが上方に変位すると、中央下面16h3が、点線で示す軌道輪16gの軌道面に当接して相対摺動するようになっている。
本実施の形態によれば、シャフト14(図1)の回転と共に、軌道面上を転動するころ16eによりスラスト力を支持を支持しながら、軌道輪16f、16gの相対回転を許容するようになっている。ここで、図8に示すように、中央下面16h3が、軌道輪16gの軌道面に当接して相対摺動した場合、柱部16hcのポケット16hpの先行縁(X)で、軌道面上の潤滑油を掻き取ることとなる。このとき、ポケット16hpの先行縁で掻き取られた潤滑油の一部(A)は、柱部16hcを乗り越えてしまうが、残りの潤滑油(B)は溝16h6内に侵入し、溝16h6を介してポケット16hpの後行縁(Y)から、再度軌道輪16gの軌道面上に供給される(C)ようになっている。これにより、ころ16eと軌道輪16gとの間に十分な油膜を形成し、良好な潤滑条件を確保することができる。同様に、保持器16hが上方に変位して、内側上面16h1と外側上面16h2とが、軌道輪16fの軌道面に当接して相対摺動した場合にも、溝16h4,16h5を介して潤滑油の供給を行える。
図9は、本実施の形態の変形例にかかる図5(a)と同様な断面図である。図9において、保持器16h’は、柱部16hc’の中央下面16h3にのみ、溝16h6を形成している。それ以外の点では、上述した実施の形態と同様である。
図10は、本実施の形態の別な変形例にかかる図5(a)と同様な断面図である。図10において、保持器16h”は、柱部16hc”の内側上面16h1と外側上面16h2にのみ、溝16h4,16h5を形成している。それ以外の点では、上述した実施の形態と同様である。
例えば、柱部に当接する一方の軌道面のみの粗さが悪い場合、悪い方の軌道面に当接する中央下面16h3(図9参照)又は内側上面16h1と外側上面16h2(図10参照)にのみ、溝16h6又は16h4,16h5を設ければ良好な潤滑条件を確保しつつも、柱部の加工工程を減らして、より低コストな保持器を提供できる。又、このように一方の面に溝を設けることで、保持器の組み込み方向の識別も可能となる。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、その発明の範囲内で変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、スラスト針状ころ軸受は、カークーラコンプレッサに限らず、自動車用の変速機や事務機器など、各種の機械に適用できる。
1 カーエアコンのコンプレッサ
6 ハウジング
14 シャフト
15A、15B ラジアルニードル軸受
16A、16B スラスト針状ころ軸受
6 ハウジング
14 シャフト
15A、15B ラジアルニードル軸受
16A、16B スラスト針状ころ軸受
Claims (1)
- レース上を転動するころと、前記ころを保持する保持器とを備えたスラスト針状ころ軸受において、
前記保持器は、1枚の板材を折り曲げてなり、前記レースに対して摺動する面に、周方向に延在する溝を形成していることを特徴とするスラスト針状ころ軸受。
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Publication Number | Publication Date |
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