JPH11280644A - 蒸気圧縮式冷凍機用コンプレッサ - Google Patents

蒸気圧縮式冷凍機用コンプレッサ

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Publication number
JPH11280644A
JPH11280644A JP10055310A JP5531098A JPH11280644A JP H11280644 A JPH11280644 A JP H11280644A JP 10055310 A JP10055310 A JP 10055310A JP 5531098 A JP5531098 A JP 5531098A JP H11280644 A JPH11280644 A JP H11280644A
Authority
JP
Japan
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piston
compressor
pressure chamber
cylinder
hole
Prior art date
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Pending
Application number
JP10055310A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Hidaka
芳皓 日高
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Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 シリンダ孔の内側に配置される吸入弁をなく
すと共に各吐出孔部分の容積を有効利用して、高い作動
圧力を要求される高効率の蒸気圧縮式冷凍機用コンプレ
ッサを実現する。 【解決手段】 冷媒蒸気を上記シリンダ孔14a、14
a内に向け送り込む為の吸入孔27a、27aの一端
を、上記各シリンダ孔14a、14aの内周面に開口さ
せる。ピストン16a、16aが下死点に達した状態で
上記吸入孔27a、27aの一端が圧縮室31に対向す
る。又、上記ピストン16a、16aが上死点に達した
状態で、これら各ピストン16a、16aの先端面に設
けた突部41、41が、各吐出孔28、28内に進入す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る蒸気圧縮式冷
凍機用コンプレッサは、自動車室内の冷房や除湿を行な
う為の自動車用空気調和装置に組み込み、エバポレータ
から吸引した冷媒蒸気を圧縮してから、コンデンサ等の
放熱器に向けて吐出する。
【0002】
【従来の技術】自動車用空気調和装置に組み込まれる蒸
気圧縮式冷凍機は、図2に略示する様に構成される。コ
ンプレッサ1は、吸入ポートから吸引した冷媒蒸気を圧
縮してから吐出ポートより吐出する。このコンプレッサ
1から吐出された冷媒は、コンデンサ2を通過する間
に、空気との間で熱交換を行なう事により放熱して凝縮
する。このコンデンサ2から吐出された液状の冷媒は、
リキッドタンク3と膨張弁4とを通過してからエバポレ
ータ5内に送り込まれ、このエバポレータ5内で蒸発す
る。内部で冷媒が蒸発する事により、このエバポレータ
5の温度が低下する為、このエバポレータ5を通過する
空気を冷却し、自動車室内の冷房や除湿を行なえる。エ
バポレータ5内で蒸発した冷媒は、上記吸入ポートから
コンプレッサ1内に吸入される。
【0003】この様な自動車用空気調和装置に組み込ま
れる蒸気圧縮式冷凍機用のコンプレッサ1は、従来から
種々の構造のものが知られている。又、駆動軸の回転運
動を斜板によりピストンの往復運動に変換し、このピス
トンにより冷媒の圧縮を行なう斜板式のコンプレッサ
も、従来から広く知られている。図3〜4は、この様に
従来から知られている斜板式のコンプレッサの1例を示
している。
【0004】コンプレッサ1を構成するケーシング6
は、中央の本体7をヘッドケース8と斜板ケース9とで
軸方向(図3の左右方向)両側から挟持し、更に複数本
の結合ボルト(図示せず)により結合して成る。このう
ちのヘッドケース8の内側には、低圧室10、10と高
圧室11とを設けている。尚、高圧室11内は勿論、低
圧室10、10内も正圧である。又、上記本体7とヘッ
ドケース8との間には平板状の隔壁板12を挟持してい
る。尚、図3で複数に分割されている如く表されている
低圧室10、10は互いに連通しており、上記ヘッドケ
ース8の外面に設けられた単一の吸入ポート33(図
4)に通じている。又、上記高圧室11は、やはり上記
ヘッドケース8に設けられた吐出ポート(図示せず)に
通じている。そして、上記吸入ポートを上記エバポレー
タ5(図2)の出口に、上記吐出ポートを上記コンデン
サ2(図2)の入口に、それぞれ通じさせている。
【0005】上記ケーシング6内には駆動軸13を、上
記本体7と斜板ケース9とに掛け渡す状態で、回転のみ
自在に支持している。即ち、上記駆動軸13の両端部を
1対のラジアルニードル軸受15a、15bにより、上
記本体7と斜板ケース9とに支持すると共に、1対のス
ラストころ軸受20a、20bにより、この駆動軸13
に加わるスラスト荷重を支承自在としている。これら1
対のスラストころ軸受20a、20bのうち、一方(図
3の右方)のスラストころ軸受20aは、上記本体7の
一部と上記駆動軸13の一端部(図3の右端部)に形成
した段部34との間に、皿ばね43を介して設けてい
る。又、他方のスラストころ軸受20bは、上記駆動軸
13の中間部外周面に外嵌固定した円板部18と上記斜
板ケース9との間に設けている。又、上記ケーシング6
を構成する本体7の内側で上記駆動軸13の周囲部分に
は、複数(例えば図示の例では、円周方向等間隔に6
個)のシリンダ孔14、14を形成している。この様に
本体7に形成した、複数のシリンダ孔14、14の内側
には、それぞれピストン16、16の先半部(図3の右
半部)に設けた摺動部17、17を、軸方向に亙る変位
自在に嵌装している。そして、上記シリンダ孔14、1
4の底面と上記ピストン16、16の先端面(図3の右
端面)との間に設けられた空間を、圧縮室31としてい
る。
【0006】又、上記斜板ケース9の内側に存在する空
間は、斜板室19としている。上記駆動軸13の中間部
外周面でこの斜板室19内に位置する部分には斜板21
を、上記駆動軸13に対して所定の傾斜角度を持たせて
固設し、この斜板21が上記駆動軸13と共に回転する
様にしている。上記斜板21の円周方向複数個所と、上
記各ピストン16、16とは、それぞれ1対ずつのスラ
イディングシュー22、22により連結している。この
為、これら各スライディングシュー22、22の内側面
(互いに対向する面)は平坦面として、同じく平坦面で
ある上記斜板21の両側面外径寄り部分に摺接させてい
る。又、これら各スライディングシュー22、22の外
側面(相手スライディングシュー22と反対側面)は球
状凸面としている。そして、上記内側面を上記斜板21
の両側面に当接させた状態で、これら両スライディング
シュー22、22の外側面を単一球面上に位置させてい
る。一方、上記各ピストン16、16の基端部(前記隔
壁板12から遠い側の端部で、図3の左端部)には、上
記スライディングシュー22、22及び上記斜板21と
共に、駆動力伝達機構を構成する連結部23、23を、
上記各ピストン16、16と一体に形成している。そし
て、これら各連結部23、23に、上記1対のスライデ
ィングシュー22、22を抱持する為の抱持部24、2
4を形成している。又、これら各抱持部24、24に
は、上記各スライディングシュー22、22の外側面と
密に摺接する球状凹面を、互いに対向させて形成してい
る。
【0007】又、前記本体7の一部内周面で、上記各連
結部23、23の外端部に整合する部分には、上記各ピ
ストン16、16毎にそれぞれ1対ずつのガイド面(図
示せず)を、円周方向に離隔して形成している。上記各
連結部23、23の外端部は、このガイド面に案内され
て、上記ピストン16、16の軸方向(図3の左右方
向)に亙る変位のみ自在である。従って、上記各ピスト
ン16、16も、前記各シリンダ孔14、14内に、上
記斜板21の回転に伴う各ピストン16、16の中心軸
回りの回転を防止されて、軸方向に亙る変位のみ自在
(回転不能)に嵌装されている。この結果、上記各連結
部23、23は、前記駆動軸13の回転による上記斜板
21の揺動変位に伴って上記各ピストン16、16を軸
方向に押し引きし、前記各摺動部17、17を上記シリ
ンダ孔14、14内で軸方向に往復移動させる。
【0008】一方、前記低圧室10及び高圧室11と上
記各シリンダ孔14、14とを仕切るべく、上記本体7
と前記ヘッドケース8との突き合わせ部に挟持している
隔壁板12には、上記低圧室10と各シリンダ孔14、
14とを連通させる吸入孔27、27と、上記高圧室1
1と各シリンダ孔14、14とを連通させる吐出孔2
8、28とを、それぞれ軸方向に貫通する状態で形成し
ている。従って、上記各吸入孔27、27及び各吐出孔
28、28の一端(図3の左端)で上記シリンダ孔1
4、14側の開口は、何れも上記各ピストン16、16
の先端面と対向する。又、上記各シリンダ孔14、14
内で、上記各吸入孔27、27の一端と対向する部分に
は、上記低圧室10から上記各シリンダ14、14に向
けてのみ冷媒蒸気を流す、リード弁式の吸入弁29、2
9を設けている。又、上記高圧室11内で、上記各吐出
孔28、28の他端(図3の右端)開口と対向する部分
には、上記各シリンダ孔14、14から上記高圧室11
に向けてのみ冷媒蒸気を流す、リード弁式の吐出弁30
を設けている。この吐出弁30にも、上記各吐出孔2
8、28から離れる方向への変位を制限する、ストッパ
32aを付設している。
【0009】上述の様に構成される従来の上記圧縮式冷
凍機用のコンプレッサ1の作用は、次の通りである。即
ち、自動車室内の冷房或は除湿を行なう為、蒸気圧縮式
冷凍機を運転する場合には、前記駆動軸13を回転駆動
する。この結果、前記斜板21が回転して、前記複数の
ピストン16、16を構成する摺動部17、17をそれ
ぞれシリンダ孔14、14内で往復移動させる。そし
て、この様な摺動部17、17の往復移動に伴って、前
記吸入ポートから吸引された冷媒蒸気が、前記低圧室1
0、10内から前記各吸入孔27、27を通じて圧縮室
31内に吸い込まれる。この冷媒蒸気は、これら各圧縮
室31内で圧縮されてから、前記吐出孔28、28を通
じて前記高圧室11に送り出され、前記吐出ポートより
吐出される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成され作
用するコンプレッサ1を含んで構成する蒸気圧縮式冷凍
機には、冷媒として従来からフロンガス(HFC134
a等)が使用されている。但し、近年、重要視されてい
る問題に地球温暖化問題がある。即ち、所謂温暖効果ガ
ス(炭酸ガス、メタンガス等)の地球上での増大が、大
気圏外への熱の放射を妨げて、地球表面上の温度上昇を
招くという問題である。又、この地球温暖化に特に影響
を及ぼす温暖効果ガスとしてフロンガスが挙げられてお
り、その地球温暖化に及ぼす影響は炭酸ガス(二酸化炭
素)の及ぼす影響に比べて遥かに大きいと言われてい
る。この様な地球温暖化問題に対処する為、現在、蒸気
圧縮式冷凍機の冷媒として、フロンガスの代わりに炭酸
ガスを用いる事が考えられている。
【0011】但し、炭酸ガスはフロンガスに対して同条
件で気化し易い(同圧力下で、より低温で気化し易い)
だけでなく、圧力が高くないと昇華する。冷媒が固体と
なった場合には、液体の場合とは異なり、配管を詰まら
せたり、コンプレッサを破損する等の問題を生じる。従
って、炭酸ガスを冷媒として蒸気圧縮式冷凍機に使用す
る場合、炭酸ガスに冷媒としての機能(凝縮、蒸発)を
持たせる為には、フロンガスを冷媒とした蒸気圧縮式冷
凍機に比べて、冷凍サイクル内の作動圧力を高くする必
要がある。具体的には、フロンガス(HFC134a)
を蒸気圧縮式冷凍機の冷媒とした場合には、上記作動圧
力(絶対圧)を低圧側で3kg/cm2、 高圧側で15 kg/cm
2 程度とするのに対して、炭酸ガスを冷媒とした場合に
は、上記作動圧力を低圧側で35kg/cm2、高圧側で10
0kg/cm2程度にする必要がある。従って、炭酸ガスを冷
媒とした蒸気圧縮式冷凍機を構成するコンプレッサ内の
作動圧力も、これに合わせて高くする必要がある。又、
この様にコンプレッサ内の作動圧力を高くすると、コン
プレッサの駆動トルクが増大する。従って、コンプレッ
サの駆動トルクの増大を抑える為には、コンプレッサを
構成するシリンダのボア径(内径)を従来構造の場合に
対して小さくして、吐出量を小さくする必要がある。具
体的には、このボア径を、フロンガスを冷媒とした従来
構造の場合の1/3程度にして、吐出量(高圧下での容
量)を従来構造の場合の1/9程度にする必要がある。
【0012】但し、従来のコンプレッサは、前述の図3
〜4に示した従来構造の様に、各シリンダ孔14、14
の内側に吸入弁29を配置する為、上記ボア径を小さく
すると、この吸入弁29をシリンダ孔14、14内に取
り付ける作業が面倒になる。従って、従来構造のまま、
シリンダ孔14、14のボア径を小さくして、高い作動
圧力が要求される蒸気圧縮式冷凍機用コンプレッサを実
現するのは困難である。又、ピストン16、16の往復
移動に拘らず容積が変化しない、各吐出孔28、28の
内側の容積の割合が相対的に大きくなり、吐出圧力を十
分に高くできない。本発明のコンプレッサは、上述の様
な事情に鑑みて、シリンダの内側に配置される吸入弁を
なくす事により、上記シリンダのボア径をピストンのス
トロークに対して小さくすると共に、吐出孔の内側の容
積も小さくする構造を実現して、高い作動圧力を要求さ
れる高効率の蒸気圧縮式冷凍機用コンプレッサを提供す
べく考えたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の蒸気圧縮式冷凍
機用コンプレッサは、前述した従来の蒸気圧縮式冷凍機
用コンプレッサと同様に、吸入ポート及び吐出ポートを
有するケーシングと、このケーシング内に設けられて上
記吸入ポートに通じる低圧室と、上記ケーシング内に設
けられて上記吐出ポートに通じる高圧室と、上記ケーシ
ング内に設けられて、その内部を、上記低圧室と上記高
圧室とにそれぞれ吸入孔又は吐出孔を介して通じさせた
シリンダ孔と、このシリンダ孔の内側に軸方向に亙る変
位自在に嵌装された摺動部を有するピストンと、上記シ
リンダ孔の底面と上記ピストンの端面との間に設けられ
た圧縮室と、上記ケーシング内に回転自在に支持された
駆動軸と、上記駆動軸の回転を上記ピストンに伝達し
て、このピストンを上記シリンダ孔の内部を軸方向に亙
り往復移動させる駆動力伝達機構と、上記圧縮室から上
記高圧室に向けてのみ冷媒蒸気を流す吐出弁とを備え
る。
【0014】特に、本発明の蒸気圧縮式冷凍機用コンプ
レッサに於いては、上記吸入孔は、一端を、上記シリン
ダ孔の内周面で、上記ピストンが上死点に達した状態で
このピストンの摺動部の外周面と対向し、上記ピストン
が下死点に達した状態で上記圧縮室に対向する位置に、
他端を上記低圧室若しくはこの低圧室に通じる部分に、
それぞれ開口させている。又、上記吐出孔は、上記シリ
ンダ孔の底面に設けており、上記ピストンの先端面に
は、このピストンが上死点に達した状態で上記吐出孔に
進入自在な突部を設けている。
【0015】
【作用】上述の様に構成する本発明の蒸気圧縮式冷凍機
用コンプレッサにより、駆動軸の回転により、ピストン
の摺動部をシリンダ孔内で往復移動させて、吸入ポート
から吸引された冷媒蒸気を圧縮してから吐出ポートより
吐出する作用は、前述した従来構造と同様である。特
に、本発明の蒸気圧縮式冷凍機用コンプレッサは、上記
摺動部の往復移動に伴って圧縮室が膨張すると、上記シ
リンダ孔の内周面に一端を開口させた吸入孔を通じて、
低圧室内の冷媒蒸気が上記圧縮室内に吸引される。一
方、上記摺動部の往復移動に伴って上記圧縮室が圧縮す
ると、上記吸入孔の一端が、上記摺動部の外周面により
密に塞がれる事により、上記圧縮室内の冷媒蒸気が吐出
孔より高圧室内に吐出される。従って、本発明の蒸気圧
縮式冷凍機用コンプレッサの場合、シリンダ孔内に配置
される吸入弁をなくせる。これにより、シリンダ孔のボ
ア径(内径)をピストンのストローク(全行程)に対し
て小さくする事ができ、駆動トルクを増大させる事な
く、高い作動圧力を要求される蒸気圧縮式冷凍機用コン
プレッサを実現する事ができる。そして、上記ボア径を
適正値以下に小さくすれば、炭酸ガスを冷媒とした蒸気
圧縮式冷凍機用コンプレッサを実現する事ができる。
又、上記吸入弁をなくせる分、上記シリンダ孔内の無駄
な空間をなくせると共に、上記ピストンの受圧面積をス
トロークに対して小さくできる為に、このピストンと上
記シリンダ孔との間のガス漏れを少なくする事ができ
る。又、上記ピストンが上死点近傍に位置する際には、
このピストンの先端面に形成した突部が吐出孔内に入り
込み、この吐出孔の容積を減少させて、この吐出孔の存
在が冷媒の圧縮比を大きくする事の妨げとなることを防
止する。この結果、高い吐出圧力を有する、高効率の蒸
気圧縮式冷凍機用コンプレッサを実現する事ができる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の第
1例を示している。尚、本発明の蒸気圧縮式冷凍機用コ
ンプレッサの特徴は、シリンダ孔内に配置される吸入弁
をなくし、このシリンダ孔のボア径をピストンのストロ
ークに対して小さくすると共に、吐出孔が圧縮比を大き
くすることに対する妨げとなることを防止して、高い作
動圧力を得られるコンプレッサを実現する事にある。ケ
ーシングの内側に回転のみ自在に支持した駆動軸の回転
により、ピストンの摺動部をシリンダ孔内で往復移動さ
せて、吸入ポートから吸引された冷媒蒸気を圧縮してか
ら吐出ポートより吐出する基本的な作用は、前述した従
来構造の場合と同様である。
【0017】前述した従来構造と同様の斜板式である蒸
気圧縮式冷凍機用のコンプレッサ1aを構成するケーシ
ング6aは、中央の本体7aを、ヘッドケース8aと斜
板ケース9aとで軸方向(図1の左右方向)両側から挟
持して成る。このうちのヘッドケース8aには、エバポ
レータ5(図2参照)の出口と連通させる吸入ポート3
3と、コンデンサ2(図2参照)等の放熱器の入口と連
通させる吐出ポート(図示せず)とを設けている。そし
て、上記ヘッドケース8aの内部に、上記吐出ポートと
連通させた高圧室11aを設けている。この高圧室11
aの容積は、前述の従来構造に設けた高圧室11(図
3)の容積よりも小さい。又、上記吸入ポート33と、
上記本体7a及び上記斜板ケース9aの内側に設けた低
圧室10aとを連通させている。本例の場合、この低圧
室10aが、前述した従来構造を構成する斜板室19
(図3参照)の役目も果たす。尚、図示のコンプレッサ
1aの場合には、前述した従来構造と異なり、上記ヘッ
ドケース8aと本体9aとの間に隔壁板12(図3〜4
参照)を設けず、これらヘッドケース8aと本体9aと
の端面同士を、直接突き合わせている。
【0018】又、前述した従来構造と同様、上記ケーシ
ング6aの内部には、上記斜板ケース9aと本体7aと
に掛け渡す状態で駆動軸13を、回転のみ自在に支持し
ている。特に、本例の場合、上記斜板ケース9aの一部
に圧力導入通路37を、この斜板ケース9aの内面と上
記駆動軸13を挿通する為の開口部36とを通じさせる
状態で設けている。この圧力導入通路37を通じて上記
低圧室10a内の圧力を、上記開口部36と上記駆動軸
13との間に設けたセルフシール38に付与する。この
様にセルフシール38に上記低圧室10a内の圧力を付
与する事により、上記セルフシール38の性能を確保し
て上記開口部36と駆動軸13との間のシールを図って
いる。又、上記圧力導入通路37を通じて、冷媒と共に
冷凍回路内を循環している潤滑油がラジアルニードル軸
受15bに送られて、このラジアルニードル軸受15b
を潤滑させる。
【0019】又、上記本体7aの内側で上記駆動軸13
の周囲部分に複数のシリンダライナ39、39を、円周
方向等間隔に設けている。これら各シリンダライナ3
9、39は、それぞれ円筒状に形成して、基半部(図1
の右半部)外周面にねじ部を形成している。そして、こ
のねじ部を、上記本体7aに円周方向等間隔に複数設け
た有底のねじ孔40、40に螺合緊締する事により、上
記各シリンダライナ39、39を、上記本体7aに結合
固定している。従って、上記各シリンダライナ39、3
9の先半部(図1の左半部)は、上記本体7aの内面か
ら上記低圧室10a内に、軸方向に突出する。そして、
これら各シリンダライナ39、39の内周面及び上記各
ねじ孔40、40の底面一部により構成する部分をシリ
ンダ孔14a、14aとすると共に、これら各シリンダ
孔14a、14aの内側に上記各ピストン16a、16
aを構成する摺動部17a、17aを、軸方向に亙る変
位自在に、且つ気密に嵌装している。
【0020】又、上記各ピストン16a、16aの先端
面(図1の右端面)中心部には断面円形の突部41、4
1を、軸方向に突出する状態で形成している。又、これ
ら各ピストン16a、16aの外周面で軸方向に亙りそ
れぞれ離れた位置に、複数の凹溝42、42を全周に亙
り形成する事により、ラビリンスシールを構成してい
る。尚、上記各ピストン16a、16aの基端部(図1
の左端部)に設けた連結部23、23と、上記駆動軸1
3の中間部に固定した斜板21と、上記各ピストン16
a、16a毎にそれぞれ1対づつ設けたスライディング
シュー22、22とにより駆動力伝達機構を構成し、こ
の駆動力伝達機構により上記駆動軸13の回転を上記各
ピストン16a、16aに伝達して、これら各ピストン
16a、16aの摺動部17a、17aを上記各シリン
ダ孔14a、14a内で往復移動させる作用は、前述し
た従来構造の場合と同様である。又、必要とする強度を
確保しつつコンプレッサ1a全体の軽量化を可能とする
為に、上記各ピストン16a、16a及びシリンダライ
ナ39、39は鉄系材料製とし、前記本体7aはアルミ
ニウム合金製とするのが好ましい。尚、鉄系材料とアル
ミニウム合金との使用により腐触が発生する事を防止す
る為、必要個所は絶縁する。
【0021】又、前記本体7aの一部には、前記吐出ポ
ートと上記各シリンダ孔14a、14aとを連通させる
吐出孔28、28を、上記本体7aを軸方向に亙り貫通
する状態で形成している。これら各吐出孔28、28の
一端でシリンダ孔14a、14a側の開口は、上記各ピ
ストン16a、16aの先端面中心部に設けた突部4
1、41と整合する位置、即ち、上記各シリンダ孔14
a、14aの底面中心部に存在する。これら各吐出孔2
8、28の内径は、内側に上記各ピストン16a、16
aの突部41、41を、隙間が少ない状態で進入自在な
大きさとしている。
【0022】更に、本発明の蒸気圧縮式冷凍機用コンプ
レッサの場合、前記吸入ポート33と上記各シリンダ孔
14a、14aの内部とを連通させる吸入孔27a、2
7aを、上記各シリンダライナ39、39の先半部に形
成している。従ってこれら各吸入孔27a、27aは、
上記各シリンダライナ39、39を上記本体7aに結合
固定した状態で、この本体7aの内面から突出する上記
シリンダライナ39、39の先半部の内外両周面同士を
連通する。そして、上記各吸入孔27a、27aの一端
で上記シリンダ孔14a、14aの内周面側の開口を、
上記各ピストン16a、16aが下死点の近傍に達した
状態(図1の下側のピストン16aの状態)で前記圧縮
室31に対向するが、上記各ピストン16a、16aが
下死点の近傍から外れた部分に存在する場合には、これ
ら各ピストン16a、16aにより塞がれる位置に設け
ている。又、上記各吸入孔28、28の他端は、前記低
圧室10aに開口させている。尚、図示の例の場合、上
記各吸入孔27a、27aは、上記各シリンダライナ3
9、39毎に2本ずつ、互いに対向する状態で形成して
いる。又、コンプレッサ1aの効率を良くする為、上記
各吸入孔27a、27aの一端を、上記各ピストン16
a、16aが下死点に存在する状態で、これら各ピスト
ン16a、16aの先端縁付近に開口させる様にして、
圧縮行程の初期に上記各吸入孔27a、27aを通じて
上記圧縮室31内から低圧室10aに逆流する冷媒蒸気
の量を僅少に抑える様に構成している。
【0023】上述の様に構成する蒸気圧縮式冷凍機用コ
ンプレッサ1aにより、ピストン16a、16aの摺動
部17a、17aをシリンダ孔14a、14a内で往復
移動させて、吸入ポート33から吸引された冷媒蒸気を
圧縮してから、前記吐出ポートより吐出する事は、前述
した従来構造と同様である。特に、本発明の蒸気圧縮式
冷凍機用コンプレッサ1aは、上記各摺動部17a、1
7aの往復移動に伴って各圧縮室31の容積が増大する
と、上記ピストン16a、16aが下死点の近傍に存在
する状態で上記各吸入孔27a、27aの一端が、上記
各シリンダ孔14a、14aの内周面で上記圧縮室31
に対向する位置に開口する。そして、上記各吸入孔27
a、27aを通じて、低圧室10a内の冷媒蒸気が上記
圧縮室31内に吸引される。一方、上記各摺動部17
a、17aの往復移動に伴って各圧縮室31の容積が減
少すると、上記各吸入孔27a、27aの一端が、上記
各摺動部17a、17aの外周面により密に塞がれる事
により、上記圧縮室31内の冷媒蒸気が、吐出孔28、
28より高圧室11a内に向けて吐出される。尚、上記
各吸入孔27a、27aの本数は図示の例の場合は2本
としたが、この本数を増やす事により各シリンダ孔14
a、14a内への吸入効率を向上する事ができる。
【0024】従って、本発明の蒸気圧縮式冷凍機用コン
プレッサの場合、上記各シリンダ孔14a、14aの内
側に配置する吸入弁29及びストッパ32(図3〜4参
照)を省略できる。これにより、上記各シリンダ孔14
a、14aのボア径dをピストン16a、16aのスト
ロークに対して小さくする事ができる。即ち、本例の場
合、上記シリンダ孔14a、14aのボア径dを、前述
の図3に示した従来構造のボア径Dの1/3程度(d≒
D/3)にできる。従って、上記圧縮室31内で圧縮さ
れ、前記吐出ポートより吐出される冷媒蒸気の吐出量
(高圧縮時の容積)は、前述した従来構造の場合の1/
9程度になる。この結果、本発明のコンプレッサは、従
来構造の場合に対してコンプレッサの駆動トルクを増大
させる事なく(従来構造の場合に対して同等以下にし
て)、高い作動圧力を要求されるコンプレッサを実現す
る事ができる。即ち、本例の構造の様にシリンダ孔14
a、14aのボア径dを従来構造の場合の1/3程度に
した場合には、作動圧力を高くして(低圧室10a側で
35kg/cm2程度、高圧室11a側で100kg/cm2程度と
して)、炭酸ガスを冷媒としたコンプレッサを実現する
事ができる。
【0025】又、本発明の蒸気圧縮式冷凍機用コンプレ
ッサの場合には、上記各シリンダ孔14a、14aのボ
ア径dを前記ピストン16a、16aのストロークに対
して小さくできる事により、これら各ピストン16a、
16aの外周面と上記各シリンダ孔14a、14aの内
周面との間の隙間からのガス漏れを少なくして、体積効
率を向上する事ができる。更に、本発明の場合には、断
面円形の突部41、41を上記各ピストン16a、16
aの先端面中心部に設け、これら各突部41、41を、
前記各吐出孔28、28に、隙間が少ない状態で進入自
在としている。従って、上記各ピストン16a、16a
が上死点に達した際には、圧縮室31内の冷媒蒸気だけ
でなく、上記各吐出孔28、28内に残留する冷媒蒸気
をも高圧室11aに向け吐出して、体積効率を向上する
事もできる。この結果、高効率のコンプレッサを実現す
る事ができる。又、本例の場合には、この様に作用する
上記突部41、41を先端面中心部に設けている為、各
ピストン16a、16aがその中心軸回りに多少回転し
ても各シリンダ孔14a、14aの内周面と衝合する事
をなくして、上記各ピストン16a、16aの摺動抵抗
の増大や異音の発生を防止できる。
【0026】尚、本発明を実施する場合に、図示の例の
様に斜板式のコンプレッサとせずに、駆動軸の中間部に
クランク部を設けて、この駆動軸の回転により、上記ク
ランク部に連結したピストンの摺動部をシリンダ内で軸
方向に亙り往復移動させるクランク式のコンプレッサと
しても良い。この際、上記ピストンを構成する連結部と
上記駆動軸を構成するクランク部とが駆動力伝達機構を
構成する。
【0027】
【発明の効果】本発明の蒸気圧縮式冷凍機用コンプレッ
サは、以上に述べた通り構成され作用する為、高い作動
圧力を要求される高効率の蒸気圧縮式冷凍機用コンプレ
ッサを実現する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す、図3と同様
の図。
【図2】自動車用空気調和装置を構成する蒸気圧縮式冷
凍機の回路図。
【図3】従来構造の1例を示す断面図。
【図4】ヘッドケースを省略して示す、図3のA矢示
図。
【符号の説明】 1、1a コンプレッサ 2 コンデンサ 3 リキッドタンク 4 膨張弁 5 エバポレータ 6、6a ケーシング 7、7a 本体 8、8a ヘッドケース 9、9a 斜板ケース 10、10a 低圧室 11、11a 高圧室 12 隔壁板 13 駆動軸 14、14a シリンダ孔 15a、15b ラジアルニードル軸受 16、16a ピストン 17、17a 摺動部 18 円板部 19 斜板室 20a、20b スラストころ軸受 21 斜板 22 スライディングシュー 23 連結部 24 抱持部 27、27a 吸入孔 28 吐出孔 29 吸入弁 30 吐出弁 31 圧縮室 32、32a ストッパ 33 吸入ポート 34 段部 36 開口部 37 圧力導入通路 38 セルフシール 39 シリンダライナ 40 ねじ孔 41 突部 42 凹溝 43 皿ばね

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸入ポート及び吐出ポートを有するケー
    シングと、このケーシング内に設けられて上記吸入ポー
    トに通じる低圧室と、上記ケーシング内に設けられて上
    記吐出ポートに通じる高圧室と、上記ケーシング内に設
    けられて、その内部を、上記低圧室と上記高圧室とにそ
    れぞれ吸入孔又は吐出孔を介して通じさせたシリンダ孔
    と、このシリンダ孔の内側に軸方向に亙る変位自在に嵌
    装された摺動部を有するピストンと、上記シリンダ孔の
    底面と上記ピストンの端面との間に設けられた圧縮室
    と、上記ケーシング内に回転自在に支持された駆動軸
    と、上記駆動軸の回転を上記ピストンに伝達してこのピ
    ストンを上記シリンダ孔の内部を軸方向に亙り往復移動
    させる駆動力伝達機構と、上記圧縮室から上記高圧室に
    向けてのみ冷媒蒸気を流す吐出弁とを備えた蒸気圧縮式
    冷凍機用コンプレッサに於いて、上記吸入孔は、一端
    を、上記シリンダ孔の内周面で、上記ピストンが上死点
    に達した状態でこのピストンの摺動部の外周面と対向
    し、上記ピストンが下死点に達した状態で上記圧縮室に
    対向する位置に、他端を上記低圧室若しくはこの低圧室
    に通じる部分に、それぞれ開口させており、上記吐出孔
    は上記シリンダ孔の底面に設けられており、上記ピスト
    ンの先端面には、このピストンが上死点に達した状態で
    上記吐出孔に進入自在な突部を設けている事を特徴とす
    る蒸気圧縮式冷凍機用コンプレッサ。
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WO2004001242A1 (ja) 2002-06-25 2003-12-31 Nsk Ltd. プーリ支持用複列玉軸受
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CN113623182A (zh) * 2021-08-19 2021-11-09 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 一种排量自调节压缩机及包括其的冰箱

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