明 細 書 電動パワーステア リ ング装置の絶対舵角検出装置及び絶対舵角検出方 法 技術分野
本発明は、 1 回転以上の多回転を行な う多回転体、 特にステアリ ング ホイールの絶対舵角を検出するための電動パワーステア リ ング装置の絶 対舵角検出装置及び絶対舵角検出方法に関するものである。 背景技術
従来、 ステア リ ングホイール (以下、 ハン ドルという) の操舵力を軽 減させるために、 操舵系に電動モータによるアシス トカを付与する電動 パワーステア リ ング装置が知られている。 この電動パワーステアリ ング 装置における様々な制御において、 1 回転以上の有限回転数内で回転す る前記ハン ドルの絶対舵角 (中立位置から何度にあるかを示す位置) が 利用される。 なお、 前記中立位置とは、 車両が直進するよ う にタイヤが 操舵された際のハン ドルの位置である。
ハン ドルの絶対舵角を検出するセンサと しては、 回転角センサが一般 的に知られている。 この回転角センサはハン ドルと一体回転するよ う に 設けられた多数のス リ ッ トを有するス リ ッ ト板と、 ステアリ ングコラム に固定状態に設けられた 3組のフォ トインタラプタ とから構成されてい る。
3組のフォ トイ ンタラプタのう ちの 2組のフォ トイ ンタラプタは前記 ス リ ッ ト板の回転量と回転方向を検出するためのものであり 、 残り の 1 組のフォ トイ ンタ ラプタはハン ドルの 1 回転中での中立位置を検出する
ためのものである。 これらからの出力信号は車両の制御に使用される。 前記ハン ドルの回転操作可能な範囲は、 一般に 1 回転 ( 3 6 0度) 以 内ではなく 、 中立位置を中心と して、 例えば左方向に 2 回転 ( 7 2 0度) および右方向に 2回転 ( 7 2 0度) の ± 7 2 0度 ( 4回転) になってい る。 しかし、 上記した回転角センサからの出力信号の う ち、 中立位置検 出用の前記 1組のフォ トイ ンタラプタから出力があっても、 それが 4回 転中の何回転目であるかは不明である。 このため、 回転角センサからの 出力信号だけではハン ドルの正確な絶対舵角を検出することはできない そのため回転角センサからの出力信号を使用 し、 絶対舵角を検出するた めのいろいろな手段が用いられている。
更に最近では、 ハン ドルの絶対舵角の検出を行なう上でコス トの低減 が求められている。 しかしながら、 従来ではハン ドルの絶対舵角の検出 を目的と して、 上記したよ うな複雑な構成の回転角センサに、 さ らにハ ン ドルが何回転目かを検出する装置を設けなければならないという問題 があった。
また、 電動パワーステア リ ング装置の電動モータには、 モータの回転 を検出する装置と してレゾルバが設けられており 、 ハン ドルの操舵 トル クを検出する装置と して トルクセンサが設けられている。 これらはいず れも回転角信号を出力 しているので、 コス ト低減のためにこの信号を利 用することが考えられる。 しかし、 電動モータのレゾルバ信号を使って 絶対角度を検出しよ う と しても、 レゾルバのロータが電気角 1 周期以内 でどの位置にあるかしか分からないため、 ハン ドルの絶対舵角を特定す るこ とは困難であった。
また、 トルクセンサのレゾルバは、 ハン ドルに連結された入力軸と出 力軸の間に設けられた トーショ ンバーの捩れを検出するものであり 、 ト ルクセンサのレゾルバもまたハン ドルの 1 回転につき複数の信号が出力
されるため、 ハン ドルの絶対舵角を特定するこ とは困難であった。 従つ て、 これら電動モータ と トルクセンサのレゾルバから出力された信号を 単独に使用 してもハン ドルの絶対舵角を検出する こ とはできなかった。
そこで、 例えば特願 2 0 0 1 — 2 6 8 3 8 8号公報 (以下、 従来例と 称す) に記載されているハン ドルの絶対舵角検出方法がある。 このハン ドルの絶対舵角検出方法によれば、 ハン ドルの操舵 トルクを検出する ト ルク検出用の第 1 の検出手段によ り 、 ハン ドルの回転角に応じて第 1検 出信号がリ ニアに出力される。 また、 ハン ドルの回転に応じて駆動され て、 同ハン ドルの回転をアシス トするモータの回転を検出する第 2の検 出手段によ り 、 第 1 の検出手段とは異なる周期を有する第 2 の検出信号 がリ ニアに出力される。 そして、 演算手段によ り 第 1及び第 2 の検出信 号の偏差と、 ハン ドルの 1 回転当たり における両検出信号の基準偏差に 基づいてハン ドルの絶対舵角が演算される。
しかしながら、 上記従来例にあっては、 トルクセンサのレゾルバの舵 角精度誤差やハン ドルと電動モータを連結するギアのガタ及び電動モー タのレゾルバの電気角絶对精度誤差等が考慮されていないので、 ハン ド ルの絶対舵角を正確に検出できないという未解決の課題があった。
そこで、 本発明は、 上記従来例の未解決の課題に着目 してなされたも のであり、 トルクセンサのレゾルバの舵角精度誤差やハン ドルと電動モ ータを連結するギアのガタ及び電動モータのレゾルバの電気角絶対精度 誤差等があっても正確に絶対舵角を検出できる電動パワーステア リ ング 装置の絶対舵角検出装置及び絶対舵角検出方法を提供することを目的と する。
発明の開示
上記目的を達成するため、 請求項 1記載の電動パワーステア リ ング装
置の絶対舵角検出装置では、 ステア リ ングホイールと、 前記ステア リ ン グホイ ールの回転をアシス トするモータ と、 前記ステア リ ングホイール の操舵 トルクを検出するために設けられ、 前記ステア リ ングホイールの 回転角に応じて第 1検出信号をリ ニア出力する トルク検出用の第 1 の検 出手段と、 前記ステア リ ングホイールの回転に応じて駆動されて、 同ス テア リ ングホイールの回転をアシス トするモータの回転を検出し、 前記 第 1検出信号とは異なる周期を有する第 2検出信号をリ ニア出力する第 2 の検出手段と、 前記第 1及び第 2検出信号と前記ステア リ ングホイ一 ルの回転数よ り 、 前記モータの回転数を演算する第 1 の演算手段と、 前 記第 1 の演算手段によ り求められた前記モータの回転数の う ち適切な回 転数を選択する第 1 の選択手段と、 前記第 1 の選択手段によ り求められ た前記適切な回転数に対応する前記ステア リ ングホイールの回転数を選 択する第 2 の選択手段と、 前記第 2 の選択手段によ り 求められた前記ス テア リ ングホイールの回転数と前記第 1検出信号によ り絶対舵角を演算 する第 2の演算手段とを備えたこ とを技術的特徴とする。
請求項 1 の発明によれば、 ステアリ ングホイールの操舵 トルクを検出 する トルク検出用の第 1 の検出手段によ り 、. 前記ステアリ ングホイール の回転に応じて第 1検出信号がリ ニア出力される。 また、 同ステア リ ン グホイールの回転に応じて駆動されて、 同ステア リ ングホイールの回転 をアシス トするモータの回転を検出する第 2の検出手段によ り 前記第 1 検出信号とは異なる周期を有する第 2検出信号がリ ニア出力される。 そ して、 前記第 1 及び第 2検出信号と前記ステア リ ングホイールの回転数 の全ての可能性に対して、 前記モータの回転数が演算される。 そして、 演算された前記モータの回転数の う ち適切な回転数を選択し、 前記適切 な回転数に対応する前記ステア リ ングホイールの回転数を選択する。 そ して、 前記ステアリ ングホイールの回転数と前記第 1検出信号によ り絶
対舵角が演算される。 従って、 トルクセンサのレゾルバの舵角精度誤差 やハン ドルと電動モータ を連結するギアのガタ及び電動モータのレゾル バの電気角絶対精度誤差等があっても正確な電動パワーステア リ ング装 置の絶対舵角検出装置を提供するこ とができる。
また、 上記目的を達成するため、 請求項 2記載の電動パワーステア リ ング装置の絶対舵角検出装置では、 前記第 1及び第 2の検出手段は、 そ れぞれレゾルバにて構成されているこ とを技術的特徴とする。
請求項 2の発明によれば、 トルク検出用のレゾルバと モータ の回転検 出用のレゾルバからそれぞれ出力される第 1及び第 2検出信号によ り ス テア リ ングホイールの絶対舵角検出が実現される。 従って、 絶対舵角 Θ を検出するために、 必要である トルク検出用のレゾルバとモータの回転 検出用のレゾルバは、 操舵 トルク を検出するための レゾルバとモータ回 転角を検出するためのモータ レゾルバを絶対舵角検出装置と して兼用 し ているため、 従来と異なり 、 別途回転角センサを設ける必要がなく 、 コ ス 卜の低減を図るこ とができ、 好適に絶対舵角 Θ を検出できる。
また、 上記目的を達成するため、 請求項 3記載の電動パワーステア リ ング装置の絶対舵角検出装置では、 前記第 1 の検出手段は、 前記ステア リ ングホイールが 1 回転する間は同一の値を取らない少なく と も 2個以 上のレゾルバにて構成されている こ と を技術的特徴とする。
請求項 3 の発明によれば、 ステア リ ングホイールが連結された第 1 回 転軸に第 1 レゾルバが用いられ、 第 1 回転軸と トーシ ヨ ンバーを介して 連結された第 2回転軸の回転角を検出するための第 2 レゾルバが用いら れ、 ステア リ ングホイールが 1 回転する間は、 第 1 レゾルバと第 2 レゾ ルバが同じ値をと らないよ う に構成されているため、 第 1及び第 2 レゾ ルバの演算結果から出力される第 1検出信号に基づいてステアリ ングホ ィールの 1 回転中の絶対舵角検出が実現される。 従って、 絶対舵角 Θ を
検出するために、 必要である第 1 レゾルバと第 2 レゾルバとモータ レゾ ルバは、 操舵 トルクを検出するための第 1 レゾルバと第 2 レゾルバとモ ータ回転角を検出するためのモータ レゾルバを絶対舵角検出装置と して 兼用 しているため、 従来と異なり 、 別途回転角センサを設ける必要がな く 、 コ ス ト の低減を図ることができ、 好適に絶対舵角 0 を検出できる。 また、 上記目的を達成するため、 請求項 4記載の電動パワーステア リ ング装置の絶対舵角検出装置では、 前記第 1の選択手段は、 整数値に一 番近い数値を選択するこ とを技術的特徴とする。
請求項 4記載の発明によれば、 ステア リ ングホイールの回転に応じて 駆動されて、 同ステア リ ングホイールの回転をアシス トするモータの全 ての回転数を検出し、 その中で整数値に一番近い回転数を選択している ので、 正しいステア リ ングホイールの回転数を選択する こ とができる。
また、 上記目的を達成するため、 請求項 5記載の電動パワーステア リ ング装置の絶対舵角検出装置では、 前記第 2の演算手段は、 前記第 2の 選択手段で選択した前記ステア リ ングホイールの回転数に 3 6 0 を掛け た値に、 前記第 1検出信号を加算する加算手段によ り、 絶対舵角を検出 するこ とを技術的特徴とする。
請求項 5記載の発明によれば、 正しいステア リ ングホイールの回転数 に 3 6 0をかけた値に、 第 1検出信号を加算するこ とでステア リ ングホ ィールの絶対舵角検出が実現される。
また、 上記目的を達成するため、 請求項 6記載の電動パワーステア リ ング装置の絶対舵角検出方法では、 ステア リ ングホイールと、 前記ステ ァ リ ングホイールの回転をアシス トするモータ と、 前記ステア リ ングホ ィールの操舵 トルク を検出するために設けられ、 前記ステア リ ングホイ ールの回転角に応じて第 1検出信号をリ ニア出力する トルク検出用の第 1 の検出ステップと、 前記ステア リ ングホイールの回転に応じて駆動さ
れて、 同ステア リ ングホイールの回転をアシス トするモータの回転を検 出 し、 前記第 1検出信号とは異なる周期を有する第 2検出信号をリ ニア 出力する第 2 の検出ステ ップと、 前記第 1 及び第 2検出信号と前記ステ ァ リ ングホイールの回転数よ り、 前記モータの回転数を演算する第 1 の 演算ステップと、 前記第 1 の演算ステップによ り求められた前記モータ の回転数の う ち適切な回転数を選択する第 1 の選択ステップと、 前記第 1 の選択ステップによ り求められた前記適切な回転数に対応する前記ス テア リ ングホイールの回転数を選択する第 2 の選択ステップと、 前記第 2の選択ステップによ り求められた前記ステア リ ングホイールの回転数 と前記第 1検出信号によ り絶対舵角を演算する第 2 の演算ステップとを 備えたこ と を技術的特徴とする。
請求項 6記載の発明によれば、 ステア リ ングホイールの操舵 トルクを 検出する トルク検出用の第 1 の検出ステ ップによ り 、 前記ステア リ ング ホイールの回転に応じて第 1検出信号がリ ニア出力される。 また、 同ス テアリ ングホイールの回転に応じて駆動されて、 同ステアリ ングホイ一 ルの回転をアシス トするモータの回転を検出する第 2 の検出ステ ップに よ り前記第 1検出信号とは異なる周期を有する第 2検出信号がリ ニア出 力される。 そして、 前記第 1及び第 2検出信号と前記ステア リ ングホイ ールの回転数の全ての可能性に対して、 前記モータの回転数が演算され る。 そして、 演算された前記モータの回転数のう ち適切な回転数を選択 し、 前記適切な回転数に対応する前記ステア リ ングホイールの回転数を 選択する。 そ して、 前記ステア リ ングホイールの回転数と前記第 1検出 信号によ り絶対舵角が演算される。 従って、 トルクセンサのレゾルバの 舵角精度誤差やハン ドルと電動モータを連結するギアのガタ及び電動モ ータの レゾルバの電気角絶対精度誤差等があっても正確な電動パワース テア リ ング装置の絶対舵角検出方法を提供するこ とができる。
図面の簡単な説明
第 1 図は、 電動パワーステア リ ング装置の構成図を示し、 第 2図は、 トルクセンサを備えた部位を示し、 第 3図は、 第 1 レゾルバを示し、 第 4図は、 第 1 レゾルバの巻き線図を示し、 第 5図は、 絶対舵角検出装置 の電気的構成を示すブロ ック図であり 、 第 6図は、 電動パワーステア リ ング装置における電動モータを備えた部位を示し、 第 7図は、 トノレクセ ンサのレゾルバの出力波形を示し、 第 8図は、 ハン ドル 1 回転とモータ レゾルバの出力波形を示し、 第 9図は、 トルクセンサによる操舵角 とモ 一タ レゾルバの出力波形を示し、 第 1 0図は、 絶対舵角演算のフローチ ヤー トを示す。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明を電動パワーステア リ ング装置におけるハン ドルの絶対 回転角度 (以下、 絶対舵角 という) を検出するための絶対舵角検出装置 及び絶対舵角検出方法を具体化した一実施形態を図 1 〜図 1 0 に従って 説明する。
図 1 に電動パワーステア リ ング装置 1 1 を示す。 中空円筒状の第 1 ラ ックハウジング 1 2 と 中空円筒状の第 2 ラ ックハウジング 1 3 と、 前記 両ラ ックハウジングに同軸的に結合された中空円筒状のモータハウジン グ 1 4 とが、 図示しない車両のボディ に第 1 ラ ックハウジング 1 2 に形 成された取り付け部 1 5 を介してネジ止めによ り支持されている。
第 1 ラ ックハウジング 1 2には、 ピニオンシャフ ト 1 6 を有する'ピニ オンハウジング 1 7が結合されている。 ピエオンシャフ ト 1 6 は、 ハン ドル 1 8側から延びるステ'ァリ ングシャフ ト 1 8 a に連結されており 、 ハン ドル 1 8が回転操作されるこ とによ り ピニオンシャフ ト 1 6 も連動
して回転する。
図 2 に示すよ う に、 ピニオンシャフ ト 1 6 は、 ベア リ ング 1 9 a 、 1 9 b を介して、 ピニオンハウジング 1 7 に対して回動自在に支持されて いる。 ピニオンシャ フ ト 1 6は、 入力軸 1 6 a と出力軸 1 6 b と力、ら構 成されており、 出力軸 1 6 bの先端側には、 ピニオンギア 1 6 c が設け られている。
前記入力軸 1 6 a 及び出力軸 1 6 b 内には、 トーシヨ ンバー 2 0が内 装されており、 両軸 1 6 a 、 1 6 bは、 トーシ ヨ ンバー 2 0 を介して一 体回転可能に連結されている。 トーシ ョ ンバー 2 0 における入力軸側端 部は、 入力軸 1 6 a に対してピン 2 1 で結合されており 、 トーシヨ ンバ — 2 0 の出力軸側端部は、 出力軸 1 6 b に対してスプライ ン結合されて いる。 また、 この トーシ ヨ ンバー 2 0は、 入力軸 1 6 a と出力軸 1 6 b とが互いに相対回転した際に、 捻り方向の弹性を生じるよ う になつてい る。 そ して、 前記入力軸 1 6 a が第 1 回転軸に、 出力軸 1 6 bが第 2回 転軸に相当 し、 ピニオンシャフ ト 1 6が第 1 回転軸及び第 2回転軸が同 軸となるよ う に連結された機構に相当する。
前記入力軸 1 6 a及び出力軸 1 6 bの外周側には、 トルクセンサ 2 2 が設けられている。 トノレクセンサ 2 2は、 第 1 レゾルバ 2 3及び第 2 レ ゾルバ 2 4 を備えている。
図 3 に示すよ う に、 第 1 レゾルバ 2 3 は、 第 1 〜第 4 ヨーク 5 1 〜 5 4 と第 1〜第 4 コィノレ 5 5〜 5 8 と力 ら構成されてレ、る。 第 1 ヨーク 5 1 はピニオンハウジング 1 7の内周に沿って環状に形成されており 、 当 該ピニオンハウジング 1 7 に固定されている。 そして、 第 1 ヨーク 5 1 の内周部には第 1 コイル 5 5が卷き回されている。 また、 前記第 1 ョ ー ク 5 1 と対向するよ う に、 入力軸 1 6 a の外周には、 環状の第 2 ヨーク 5 2が入力軸 1 6 a に一体回転可能に固定されている。 そして同第 2 ョ
ーク 5 2 の外周部には、 第 2 コイル 5 6が巻き回されている。
さ らに、 前記入力軸 1 6 a には、 その外周上に第 3 ヨーク 5 3がー体 回転可能に固定されており 、 この第 3 ヨーク 5 3の周囲には、 第 3 コィ ル 5 7が巻き回されている。 この第 3 コイル 5 7は前記第 2 コィノレ 5 6 に接続されている。 そして、 前記第 3 ヨーク 5 3 と対向するよ う に、 ピ 二オンハウジング 1 7の内周には、 第 4 ヨーク 5 4が固定されており 、 同第 4 ヨーク 5 4には第 4 コイル 5 8が巻き回されている。 第 3 コイル 5 7および第 4 コイル 5 8は、 位相を 9 0度ずら した 2種類のコイルか ら構成されている。
次に、 第 2 レゾルバ 2 4について説明する。 なお、 その詳細について は上記した第 1 レゾルバ 2 3 とほぼ同様であるため、 第 1 レゾルバ 2 3 のヨーク 5 1〜 5 4及びコイル 5 5〜 5 8 と同一符号を用い、 異なる と ころのみを説明する。
第 2 レゾルバ 2 4は、 第 1 〜第 4 ヨーク 5 1 〜 5 4 と第 1 〜第 4 コィ ノレ 5 5〜 5 8 とから構成されており 、 ピニオンハウジング 1 7 に設けら れているが、 第 2、 第 3 ヨーク 5 2、 5 3及び第 2、 第 3 コ ィ ノレ 5 6、 5 7は、 出力軸 1 6 b に設けられている。 その他の構成については、 第 1 レゾルバ 2 3 と同様である。
次に、 第 1 レゾノレノく 2 3 と第 2 レゾノレノく 2 4 とノヽン ドル 1 回転につい て、 電気的特性を図 7に基づいて説明する。 本実施例では、 第 1 レゾル バ 2 3の出力 Θ t 1 は ( B ) ― ( 1 ) で示されるよ う に、 ノヽン ドル 1 回 転につき 5つのピーク点を有している。 これは電気的には 5つの N極、 S極を有しており 、 機械角 3 6 0 ° に対して、 電機角 3 6 0 ° X 5 = 1 8 0 0 ° に当たる。 これは電気角 3 6 0 ° のレゾルバよ り 5倍の分解能 を有しているこ とを意味する。
また、 第 2 レゾルバ 2 4の出力 Θ t 2は ( B ) - ( 2 ) で示されるよ
う に、 ハン ドル 1回転につき 6つのピーク点を有している。 これは電気 的には 6つの N極、 S極を有しており 、 機械角 3 6 0 ° に対して、 電機 角 3 6 0° X 6 = 2 1 6 0° に当たる。 これは電気角 3 6 0° のレゾル バよ り 6倍の分解能を有していることを意味する。
( B ) - ( 1 ) および ( B ) ― ( 2 ) からわかる よ う に、 第 1 レゾル バ 2 3の出力 Θ t 1 と第 2 レゾルノく 2 4の出力 Θ t 2は同じハン ドル回 転角において、 同じ値となるこ とはない。 そのため、 第 1 レゾルバ 2 3 の出力 0 t 1 と第 2 レゾルバ 2 4の出力 Θ t 2 を使用 して、 ノヽン ドル 1 回転に高分解能の出力信号 0 t を生成することができる。
次に、 第 1及び第 2 レゾルノく 2 3、 2 4 に基づいた ト ルク検出につい て説明する。 ハン ドル 1 8が操舵され、 入力軸 1 6 aが回転角 Θ 1 で回 転した場合に、 図 4 に示すよ う に、 第 1 コイル 5 5 に交流電圧 E 1 を加 える と、 その電圧に応じて第 1 ヨーク 5 1及び第 2 ヨーク 5 2 に磁束が 発生する。 そして、 そのときの磁束変化に応じて第 2 コイル 5 6には交 流電圧が誘起される。 第 2 コイ ル 5 6 は第 3 コ イ ル 5 7 に接続している ため、 当該第 3 コイル 5 7 にも交流電圧が発生する。 そ して、 当該第 3 コィ ノレ 5 7 に発生した交流電圧によって、 第 4 コイ ル 5 8には交流電圧 が誘起されて、 交流電圧 E 2 , E 3が出力される。 このとき、 2種類の コイルから構成された第 4 コイル 5 8からは、 位相の異なる 2種類の交 流電圧 E 2 , E 3が出力され、 これらは次の式 ( a ) 及び式 ( b ) の関 係を満たす。
Ε 2 = Κ · Ε 1 Χ ο ο β θ ··· ( a )
Ε 3 = Κ · E l X s i n θ ··· ( b )
なお、 Kは変圧比を示す。 このと き、 上記式 ( a ) 及び式 ( b ) から 0 を算出することができ、 この角度 Θ が入力軸 1 6 a の回転角 θ 1 とな る。
一方、 入力軸 1 6 a が回転する と、 トーシヨ ンバー 2 0 を介して連結 された出力軸 1 6 b も回転する。 そして、 出力軸 1 6 b側に設けられた 第 2 レゾルバ 2 4から前記式 ( a ) 及び式 ( b ) に基づいて、 出力軸 1 6 b の回転角 Θ 2 も算出される。
ここで、 入力軸 1 6 a と 出力軸 1 6 bの回転に際して、 トーシヨ ンバ 一 2 0の捻れによ り、 入力軸 1 6 a と出力軸 1 6 b の間で相対回転角度 差厶 0 ( = θ 1 - Θ 2 ) が生じる。 その結果、 この トーシヨ ンバー 2 0 の捻れ角度である相対回転角度差 Δ Θ と トーショ ンバー 2 0の剛性とか ら操舵 トルクは算出される。
そ して、 この操舵 トルク に応じて操舵力をアシス トするための公知の アシス ト制御が行なわれ、 後述する電動モータ 3 9 によって、 操舵力は アシス ト され、 好適にハン ドル 1 8 の操舵が可能になる。
図 1及び図 5 に示すよ う に、 前記第 1 ラ ックハウジング 1 2 と第 2 ラ ックハウジング 1 3 とモータハウジング 1 4 とから構成された筒状体内 には、 回転不能かつ軸線方向に移動可能にラ ックシャフ ト 2 7が内蔵さ れている。 ラ ックシャフ ト 2 7の両端部には図示しないタイ ロ ッ ドを介 して左右の前輪が連結されている。 そのラ ックシャフ ト 2 7 には、 図 2 に示すよ う に、 ピニオンシャフ ト 1 6のピニオンギア 1 6 c と嚙合する 嚙み合い部 2 7 bが形成され、 ラ ックアン ドピニオン機構を形成してい る。
図 6 に示すよ う に、 前記モータハウジング 1 4 の内周には卷線が施さ れたステータ 2 9が嵌合され、 ラ ックシャ フ ト 2 7の軸線方向の中間部 には中空円筒状にモータシャフ ト 2 8が同軸的にラ ックシャフ ト 2 7の 外側に遊嵌されている。
モータシャ フ ト 2 8 は、 第 1及び第 2ベアリ ング 3 0 , 3 1 を介して モータハウジング 1 4 に支持されており 、 前記モータシャフ ト 2 8 には
永久磁石 3 7が外設して固定されている。
モータシャ フ ト 2 8 内にはボールネジナツ ト 3 6が同軸的に内嵌され ており 、 同ボールネジナツ ト 3 6の内周面には螺旋状のポールネジ溝 3 6 a が設けられている。 また、 ラ ックシャフ ト 2 7 の外周面には軸線方 向の所定範囲に螺旋状のボールネジ溝 2 7 a が設けられており 、 ボール ネジ溝 2 7 a とボールネジ溝 3 6 a との間には、 図示しない多数のボー ルが転動可能に受容されている。 そ して、 両ボールネジ溝 2 7 a、 3 6 a 等から構成されるボールネジ機構によ り 、 モータシャ フ ト 2 8 の正逆 回転の回転 トルクをラ ックシャ フ ト 2 7の軸線方向における往復動に変 換する。 その後、 この往復動はラ ックアン ドピニオン機構をなすピニォ ンシャ フ ト 1 6 を介してハン ドル 1 8 の操舵力を軽減するアシス ト力と なる。 そして、 上記したモータシャ フ ト 2 8 、 ステータ 2 9等によ り、 モータ と しての電動モータ 3 9 が構成され、 この電動モータ 3 9は、 前 記ハン ドル 1 8 の回転に応じて駆動される。
モータシャフ ト 2 8の外周側には、 モータ回転角センサと してのモー タ レゾノレバ 4 1 が設けられている。 モータ レゾルバ 4 1 の詳細について は、 図 3及び図 4に示す第 1 レゾルバ 2 3 とほぼ同様であるため、 第 1 レゾルバ 2 3のヨーク 5 1 ~ 5 4及びコイル 5 5〜 5 8 と同一符号を用 いる。 そして、 異なる と ころのみを説明する。
即ち、 モータ レゾルバ 4 1 は、 第 1 〜第 4 ヨーク 5 1〜 5 4 と第 1〜 第 4 コィノレ 5 5〜 5 8 とから構成されており、 第 1 、 第 4 ヨーク 5 1、 5 4及び第 1 、 第 4 コイル 5 5、 5 8 は、 モータハウジング 1 4に設け られており 、 第 2、 第 3 ヨーク 5 2 , 5 3及び第 2、 第 3 コィノレ 5 6, 5 7は、 モータシャフ ト 2 8 に設けられている。 その他の構成について は、 第 1 レゾルバ 2 3 と同様である。
こ こで、 モータシャフ ト 2 8 の回転角 (以下、 モータ回転角 とレヽう)
の検出について説明する。 モータシャフ ト 2 8がある回転角で回転した 場合に、 第 1 コイル 5 5 に交流電圧 E 1 を印加する と、 その電圧に応じ て第 1 ヨーク 5 1 に磁束が発生し、その磁束が第 2 ヨーク 5 2に伝わる。 その磁束が第 2 コイル 5 6 を鎖交する こ と によ り 、 交流電圧が誘起され る。 このとき 、 第 2 コイル 5 6 に誘起された交流電圧が接続された第 3 コィノレ 5 7 にも発生する。 この第 3 コィノレ 5 7 に発生した交流電圧に基 づいて、 第 4 コイル 5 8 に交流電圧が誘起され、 交流電圧 E 2 、 E 3が 出力される。 そ して、 印加された交流電圧 E 1 と出力された交流電圧 E 2 , E 3 とから、 前述した式 ( a ) 及び式 ( b ) によ り モータ回転角は 算出される。 このよ う にして検出されたモータ回転角は、 電動パワース テア リ ング装置 1 1 における様々な制御に用いられる。
次に、 上記のよ う に構成された電動パワーステア リ ング装置における ハン ドル 1 8 の絶対舵角検出装置について説明する。図 5 に示すよ う に、 トルクセンサ 2 2 を構成した第 1及び第 2 レゾルバ 2 3 、 2 4 と、 モー タ回転角を検出するモータ レゾルバ 4 1 は演算手段と しての E C U (電 子制御装置) 4 3 に電気的に接続されている。 そして、本実施形態では、 前記第 1 及び第 2 レゾルバ 2 3 、 2 4 、 モータ レゾルバ 4 1 、 及び E C U 4 3から絶対舵角橫出装置が構成されている。 前記第 1及び第 2 レゾ ルバ 2 3 、 2 4 からは、 ピニオンシャ フ ト 1 6 の出力軸 1 6 b の回転角 に応じて リ ニア出力された検出信号 0 t 1 、 Θ t 2が、 E C U 4 3 に入 力されるよ う になっている。 また、 モータ レゾルバ 4 1 からは、 モータ シャ フ ト 2 8 の回転角に応じて リ ニア出力された検出信号 θ πιが E C U 4 3 に入力されるよ う になっている。 前記各検出信号 0 t 1 , Θ t 2 , 0 mは、 第 1 レゾノレバ 2 3 、 第 2 レゾノレノく 2 4及びモータ レゾノレノ 4 1 を構成する第 4 コイル 5 8から出力される交 電圧 ( E 2または E 3 ) に相当 し、 本実施形態では、 各レゾルバ 2 3 、 2 4 、 4 1 の第 4 コイル
5 8を構成する 2つのコイルのうち共に交流電圧 E 2を出力するコイル からの出力を示す。 なお、 交流電圧 E 2 を出力するコイルに換えて交流 電圧 E 3を出力するコイルからの出力をそれぞれ用いてもよい。
そして、 E C U 4 3は入力された検出信号 0 t l , Θ t 2 , 0 mに基 づいて、 ハン ドル 1 8の絶対舵角を検出するよ うになっている。 なお、 本実施形態において、 絶対舵角とは、 中立位置から何度離れているかを 示すものであり、 中立位置とは、 車両が直進するよ うに前輪が配置され た際のハン ドル 1 8の位置である。
次に、 E C U 4 3において、 絶対舵角検出を行なうための演算式につ いて説明する。本実施例では、ハン ドル 1 8は ± 2 . 0回転( ± 7 2 0 ° ) の範囲内で回転するものと して説明する。 +は、 中立位置から時計回り 方向への回転を示し、一は中立位置から反時計回り方向への回転を示す。
トルクセンサの レゾルバ出力における検出信号 0 t の周期 T t は T t = 1周期と されている。 図 7 ( A) に示すよ うにハン ドル 1回転で 1周 期出力される。 また、 図 8 ( B ) に示すよ うに電動モータ 3 9 (モータ シャ フ ト 2 8 ) の 1回転に対するモータ レゾルバ 4 1 からの検出信号 0 mの周期 T m l は、 T m l = 7周期となるよ うに構成されている。
一方、 ハン ドル 1 8が 1回転する間におけるラックシャフ ト 2 7 の移 動距離は S mmと している。 また、 ラックシャ フ ト 2 7及ぴモータシャ フ ト 2 8におけるボールネジ機構 2 7 a 、 3 6 aの 1回転分のリー ドを L とすると、 ラ ックシャフ ト 2 7が S m m移動する間に、 モータシャフ ト 2 8は S / L回転することになり、 図 8 ( A) で示すように、 本実施 例では 8 . 2回転することになる。 従って、 ノヽン ドル 1 8 (ピニオンシ ャ フ ト 1 6 ) の 1回転に対するモータ レゾルバ 4 1 からの検出信号 0 m の周期 T m 2は、 図 8 ( B ) で示すよ うに、 T m 2 = 5 7 . 4 ( = T m 1 X 8 . 2 = 7 X 8 . 2 ) 周期となる。
本実施例をハン ドル 1 8、 トルクセンサによる操舵角 ( 0 t ) 、 モー タ レゾルバの出力 ( 0 m) 力 ら見てみる と図 9のよ う になる。 ノヽン ドル は左右に最大 2 回転する。 (A) は トルクセンサによる操舵角 Θ t を示 し、 ハン ドル 1 回転につき 1周期の出力となる。 これが第 1検出信号で ある。 ( B ) はそのときのモータ レゾルバの出力 0 mを示す。 これが第 2検出信号である。
こ こで具体的に、 トルクセンサによる操舵角度を 0 t 、 モータ回転角 による電気角を 0 mと して、それぞれの絶対舵角を式であらわしてみる。 まず
トルクセンサによる絶対舵角 = 0 t + 3 6 O ' A 式 ( 1 ) ここで Aは整数で一 2、 一 1 、 0、 1 をと る。
モータ回転角による絶対舵角 = ( θ πι+3 6 0 · Β ) / 5 7. 4 式( 2 ) ここで Βは理論的には、 ハン ドルと電動モータを連結する機械系のガ タゃ電動モータおよび トルクセンサのレゾルバの電気角絶対精度誤差等 がない場合には、 整数値となり、 一 1 2 6〜 1 2 5 の値をと る。
式 ( 1 ) と式 ( 2 ) は等しいので、
Θ t + 3 6 0 · Α= ( Θ m+ 3 6 0 · Β ) / 5 7. 4
となる。 よって
Β二 ( 5 7. 4 - ( Θ t + 3 6 0 · A ) - Θ m) / 3 6 0 式 ( 3 ) とあらわされる。
この式 ( 1 ) 、 ( 3 ) を使用 して具体的に絶対舵角の検出方法を図 1 0のフローチャー トに従って説明する。 このフローチャー トは、 定期的 な割り込みによ り起動する。 まず、 S 9 0 0において、 トルクセンサに よる操舵角 0 t を読み込む。 これが第 1 の検出手段である。 具体的な数 値と して、 Θ t = 3 9. 5 ° とする。 次に、 S 9 0 2 に進み、 モータ回
転角 6 mを読み込む。 これが第 2の検出手段である。 同じく 0 m= 2 8 4° とする。
次に、 S 9 0 4 に進み、 ハン ドルの回転数 N (始めに左回転) を Aに 代入する。 具体的な数値と して N = 2 と して、 左 2回転のため A=— 2 とする。
次に、 S 9 0 6 に進み、 ループを回すカ ウンタ一 C T Rを 1 にセッ ト する。 次に、 S 9 0 8 に進み、 0 t = 3 9. 5 ° 、 0 m= 2 8 4 ° 、 A =ー 2 を式 ( 3 ) に代入して、 モータ回転数 Bを求める。 これが第 1 の 演算手段である。
B = { 5 7. 4 · ( 3 9. 5 +3 6 0 - (- 2 ) ) - 2 8 4 }/ 3 6 0 = - 1 0 9. 2 9 1
この具体的な結果に表わされているよ う に、 モータ回転数 Bを求める 計算式には、 ハン ドルと電動モータを連結する機械系のガタゃ電動モー タおよびトルクセンサのレゾルバの電気角絶対精度誤差等を含んでいる ので、 理論的に示した整数値ではなく 、 小数点を含んだ数値となってい る。
次に、 S 9 1 0 に進み、 Bの値をメ モ リ に記憶する。 次に、 S 9 1 2 に進み、 Aの値を同 じく メモリ に記憶する。 次に、 S 9 1 4 に進み、 A の値を 1イ ンク リ メ ン トする。 次に、 S 9 1 6 に進み、 C T Rの値も 1 イ ンク リ メ ン トする。 次に、 S 9 1 8 に進み、 Aが Nよ り大きいか判定 する。 今回の場合は Aが 2 よ り大きいか判定する。 今回は大き く ないた め S 9 0 8へ戻る。
S 9 0 8 では、 Θ t = 3 9. 5 ° 、 0 m= 2 8 4 ° 、 A =— 1 を式 ( 3 ) に代入して、 モータ回転数 Bを求める。
B = { 5 7. 4 · ( 3 9. 5 +3 6 0 - (- 1 ) ) - 2 8 4 }/ 3 6 0 = - 5 1 . 8 9 1
次に、 S 9 1 0に進み、 Bの値をメ モ リ に記憶する。 次に、 S 9 1 2 に進み、 Aの値を同じく メモ リ に記憶する。 次に、 S 9 1 4に進み、 A の値を 1イ ンク リ メ ン トする。 次に、 S 9 1 6に進み、 C T Rの値も 1 イ ンク リ メ ン トする。 次に S 9 1 8に進み、 Aが 2 よ り大きいか判定す る。 今回も大き く ないため S 9 0 8へ戻る。
S 9 0 8では、 0 t = 3 9. 5 ° 、 0 m = 2 8 4 ° 、 A = Oを式 ( 3 ) に代入して、 モータ回転数 Bを求める。
B = { 5 7. 4 · ( 3 9 . 5 +3 6 0 - 0 ) - 2 8 4 }/ 3 6 0
= 5 . 5 0 9
次に、 S 9 1 0に進み、 Bの値をメ モ リ に記憶する。 次に、 S 9 1 2 に進み、 Aの値を同じく メ モ リ に記憶する。 次に、 S 9 1 4に進み、 A の値を 1イ ンク リ メ ン トする。 次に、 S 9 1 6に進み、 C T Rの値も 1 イ ンク リ メ ン トする。 次に、 S 9 1 8に進み、 Aが 2 よ り大きいか判定 する。 今回も大き く ないため S 9 0 8へ戻る。
S 9 0 8では、 0 t = 3 9. 5 ° 、 Θ = 2 8 4 ° 、 Α= 1 を式 ( 3 ) に代入して、 モータ回転数 Βを求める。
Β = { 5 7. 4 · ( 3 9 . 5 +3 6 0 · 1 ) — 2 8 4 }/ 3 6 0
= 6 2. 9 0 9
次に、 S 9 1 0に進み、 Βの値をメモリ に記憶する。 次に、 S 9 1 2 に進み、 Αの値を同じく メ モ リ に記憶する。 次に、 S 9 1 4に進み、 A の値を 1インク リ メ ン トする。 次に、 S 9 1 6に進み、 C T Rの値も 1 イ ンク リ メ ン トする。 次に、 S 9 1 8に進み、 Aが 2 よ り大きいか判定 する。今回は A = 2 となっており、判定は Y E Sなので S 9 2 0へ進む。
S 9 2 0では、 全ての Bの値のうち誤差が最も小さい値である Bを選 ぶ。今回は B = 6 2. 9 0 9が該当する。 これが第 1の選択手段である。 そしてその時の Aの値を求める。 今回は B = 6 2. 9 0 9 と した Aは A
= 1 である。 これが第 2の選択手段である。 次に、 S 9 2 2に進み、 Θ t 、 Aの値を式 ( 1 ) に代入し、 絶対舵角を求める。 今回は Θ t = 3 9. 5 ° 、 A = l を代入する。
絶対舵角 = 3 9. 5 + 3 6 0 - 1
= 3 9 9. 5 °
と求められる。 これが第 2の演算手段である。
課題で記述した、 トルクセンサのレゾルバの舵角精度誤差や、 ハン ド ルと電動モータを連結するギアのガタ、 及び電動モータのレゾルバの電 気角絶対精度誤差等は上記演算の中で小数点以下に含まれて記述されて レヽる。 具体的には誤差 E r は E r = 6 3 _ 6 2. 9 0 9 = 0. 0 9 1 で ある。
上記したよ う な方法で、ハン ドル 1 8 の絶対舵角 0 を検出するこ とが できる。 これによ り 、 公知の電動パワーアシス ト制御、 ハン ドル戻り制 御等を好適に行な う こ とができる。 従って、 上記実施形態によれば、 以 下のよ うな効果を得るこ とができる。
よ り好適な実施形態と しては、 第 2 レゾルバ 2 4の出力とモータ レゾ ルバ 4 1の出力にて上記演算を行う こ とによ り 、 トーシヨ ンバー 2 0の 捻じれ誤差が排除でき、 よ り正確に演算を行う こ とができる。
上記実施形態では、 ハン ドル 1 8の回転によ り発生する操舵 トルク を 検出するための トノレクセンサ 2 2の第 1 レゾルバ 2 3 と第 2 レゾルバ 2 4及びハン ドル 1 8の回転に応じて駆動される電動モータ 3 9のモータ 回転角を検出するためのモータ レゾルバ 4 1 と各レゾルバ 2 3、 2 4、 4 1 から出力される検出信号を演算処理する E C U 4 3 とで、 絶対舵角 検出装置を構成した。 そして E C U 4 3では、 各レゾルバ 2 3、 2 4 , 4 1 から出力される検出信号を使用 してモータ回転角を演算し、 まず演 算した全てのモータ回転角のう ち整数値に一番近いモータ回転角を選択
し、 次に、 そのモータ回転角を与えたステアリ ングホイールの回転数を 選択して、 選択したステア リ ングホイールの回転数と第 1検出信号と に よ り 、絶対舵角 6 を検出した。従って、絶対舵角 0 を検出するために、 必要である第 1 レゾルノく 2 3 と第 2 レゾルバ 2 4 とモータ レゾルバ 4 1 は、 操舵 トルク を検出するための第 1 レゾルバ 2 3 と第 2 レゾルバ 2 4 とモータ回転角を検出するためのモータ レゾルバ 4 1 を絶対舵角検出装 置と して兼用 しているため、 従来と異な り 、 別途回転角センサを設ける 必要がなく 、 コス トの低減を図る ことができ、 好適に絶対舵角 0 を検出 できる。
上記実施形態では、 トノレクセンサ 2 2の第 1 レゾルバ 2 3 と第 2 レゾ ルバ 2 4 とモータ レゾルバ 4 1 の両方を利用して、 絶対舵角検出装置を 構成した。 例えば、 モータ レゾルバ 4 1 のみを使用 して、 ハン ドル 1 8 の絶対舵角検出を行な う こ とを想定する と、 E C U 4 3 はこの検出信号 だけではロータたるモータシャフ ト 2 8が検出信号にて形成される波形 の一周期以内でどの位置にあるかしか判断できない。 このため、 ハン ド ル 1 8の絶対舵角 Θ を特定するこ とは困難である。 また、 トルクセンサ 2 2の第 2 レゾルバ 2 4からの検出信号のみを用いて、 ハン ドル 1 8 の 回転角の検出は可能であるが、 E C U 4 3 は、 中立位置の特定、 及び検 出信号の波形の山が中立位置から何番目のものであるかは、 判定できな レヽ。
これに対して、 トノレクセンサ 2 2の第 1 レゾ ノく 2 3 と第 2 レゾノレノ 2 4 とモータ レゾルバ 4 1 の両方を用いて、 ノヽン ドル 1 8 の絶対舵角検 出を行なった本実施形態においては、 トルクセンサのレゾルバの舵角精 度誤差やハン ドルと電動モータを連結するギアのガタ及び電動モータの レゾルバの電気角絶対精度誤差等があっても正確な電動パワーステア リ ング装置の絶対舵角検出装置及び絶対舵角検出方法を提供するこ とがで
さる 産業上の利用可能性
以上のよ う に、 本発明にかかる電動パワーステア リ ング装置の絶対舵 角検出装置及び絶対舵角検出方法は、 トルクセンサの レゾルバの舵角精 度誤差やハン ドルと電動モータを連結するギアのガタ及び電動モータの レゾルバの電気角絶対精度誤差等があっても正確に絶対舵角を検出でき る ものと して有用であり 、 特に、 ハン ドルの回転によ り発生する操舵 ト ルクを検出するための トノレクセンサのレゾノレバ、 及びハン ドルの回転に 応じて駆動される電動モータのモータ回転角を検出するためのモータ レ ゾルバと各レゾルバから出力される検出信号を演算処理する E C Uを備 えた電動パワーステア リ ング装置の絶対舵角検出装置及び絶対舵角検出 方法に用いるのに適している。