JP5369869B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
以下、本発明をコラム型の電動パワーステアリング装置(EPS)に具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図2に示すように、ECU23は、モータ制御信号を出力するマイコン41と、そのモータ制御信号に基づいて、EPSアクチュエータ22の駆動源であるモータ21に駆動電力を供給する駆動回路42とを備えて構成されている。
次に、本実施形態のセルフステア抑制制御における舵角補正の態様について説明する。
上述のように、ステアリングセンサ29により検出される操舵角θsは、その検出精度が粗いため、回転角センサ44により検出されるモータ21の回転角θmに基づく上記の換算舵角θcnvとの比較において、その変化の立ち上がりに遅れが生ずる。そして、更に、そのステアリングセンサ29を構成する回転子33とステアリングシャフト3との間の回転ガタが上記立ち上がりの遅れを顕著なものとし、これが上記セルフステア判定の精度向上を妨げる要因となるという問題がある。
図3のフローチャートに示すように、セルフステア抑制制御部52は、先ず操舵角θsに基づく操舵状態判定の実行により、その操舵状態に変化があるか否かを判定する(ステップ101)。そして、操舵状態が変化した場合(ステップ101:YES)、そのタイミングで操舵角θsを補正するためのオフセット値θ0を演算し(θ0=θs−θcnv、ステップ102)、同演算により更新された新たなオフセット値θ0を用いて操舵角θsの補正を実行する(オフセット補正演算、θs´=θs−θ0、ステップ103)。
(1)セルフステア抑制制御部52は、トーションバー30よりもステアリング2側の回転角である操舵角θsの変化とトーションバー30よりも転舵輪12側の回転角である換算舵角θcnvの変化とを比較する。そして、その第2の舵角としての換算舵角θcnvの変化が第1の舵角としての操舵角θsの変化に先行する場合には、セルフステアが発生しているものと判定し、操舵系に付与するアシスト力を低減する抑制ゲインKslfを出力する。また、セルフステア抑制制御部52は、ステアリングセンサ29により検出される操舵角θsに基づいて操舵状態を判定し、その操舵状態が移行したと判定されるタイミングで、その操舵角θsの値を換算舵角θcnvに一致させるオフセット値θ0を演算(更新)する。そして、そのオフセット値θ0による補正後の操舵角θsを用いてセルフステア判定を実行する。
即ち、その要求される検出精度の粗さから、多く場合、ステアリングセンサ29を構成する回転子33とステアリングシャフト3との間には周方向の隙間があり、これにより生ずる回転ガタが上記立ち上がりの遅れの問題をより顕著なものとする。しかしながら、上記(1)の発明を適用した場合には、操舵角θsの値は、その回転ガタが詰まった時点で換算舵角θcnvに合わせられる。そして、これにより、その立ち上がりの遅れを補正して、高精度にセルフステア判定を実行することができる。従って、このような構成に上記(1)の発明を適用することで、より顕著な効果を得ることができる。
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付すこととして、その説明を省略する。
詳述すると、本実施形態では、マイコン41(のセルフステア抑制制御部52、図2参照)は、ステアリングセンサ29により検出される操舵角θsのサンプリング周期あたりの変化量Δθsを積算することにより操舵角変化量積算値Δθs_intを演算する(Δθs_int(今回値)=Δθs_int(前回値)+Δθs)。
図5のフローチャートに示すように、マイコン41は、操舵角変化量積算値Δθs_intを演算すると(ステップ201)、先ず、その値が上限値(+α)であるか否かを判定する(ステップ202)。
以下、本発明を具体化した第3の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、第1(及び第2)の実施形態と同一の部分については同一の符号を付すこととして、その説明を省略する。
θsp=−(θdf−θ0) ・・・(2)
即ち、本実施形態では、操舵角θs及び換算舵角θcnvは、その符号が「+」である場合には、その舵角がステアリング中立位置を基準として「左方向」にあることを示し、同じく符号が「−」である場合にはステアリング中立位置を基準として「右方向」にあることを示すものとなっている。そして、オフセット値θ0は、操舵角θsの検出精度の粗さに起因した立ち上がりの遅れに相当する値であり、オフセット補正演算は、そのオフセット値θ0を操舵角θsから減ずることにより行なわれる(θs´=θs−θ0、図3参照、ステップ103)。
・上記各実施形態では、本発明を所謂コラム型のEPS1に具体化したが、本発明は、所謂ピニオン型やラックアシスト型のEPSに適用してもよい。
(付記1)請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、第2舵角検出手段は、前記操舵力補助装置のモータに設けられた回転角センサにより構成されること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
(付記2)請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、第2舵角検出手段は、前記トーションバーの前記転舵輪側に設けられて前記トルクセンサを構成する回転角センサであること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
Claims (3)
- ステアリングシャフトの途中に設けられたトーションバーの捻れに基づき操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記トーションバーよりも転舵輪側において操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置と、検出される操舵トルクに基づいて前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段と、前記トルクセンサの異常を検出する異常検出手段と、前記トーションバーよりもステアリング側の第1の舵角を検出するステアリングセンサと、前記トーションバーよりも転舵輪側の第2の舵角を検出する第2舵角検出手段とを備え、前記制御手段は、前記トルクセンサの異常が検出された場合には、検出される第1の舵角に基づく代替アシスト制御を実行するとともに、前記第2の舵角の変化が前記第1の舵角の変化に先行する場合には、前記操舵系に付与するアシスト力を低減する電動パワーステアリング装置において、
前記制御手段は、前記第2の舵角よりも検出精度の粗い前記第1の舵角に基づき操舵方向が移行したと判定されるタイミングで前記第1の舵角を前記第2の舵角に一致させるオフセット値を演算し、該オフセット値による補正後の第1の舵角に基づいて、前記先行の判定を行なうこと、を特徴とする電動パワーステアリング装置。 - ステアリングシャフトの途中に設けられたトーションバーの捻れに基づき操舵トルクを検出するトルクセンサと、前記トーションバーよりも転舵輪側において操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置と、検出される操舵トルクに基づいて前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段と、前記トルクセンサの異常を検出する異常検出手段と、前記トーションバーよりもステアリング側の第1の舵角を検出するステアリングセンサと、前記トーションバーよりも転舵輪側の第2の舵角を検出する第2舵角検出手段とを備え、前記制御手段は、前記トルクセンサの異常が検出された場合には、検出される第1の舵角に基づく代替アシスト制御を実行するとともに、前記第2の舵角の変化が前記第1の舵角の変化に先行する場合には、前記操舵系に付与するアシスト力を低減する電動パワーステアリング装置において、
前記制御手段は、前記第2の舵角よりも検出精度の粗い前記第1の舵角に基づき操舵状態が移行したと判定されるタイミングで前記第1の舵角を前記第2の舵角に一致させるオフセット値を演算し、該オフセット値による補正後の第1の舵角に基づいて、前記先行の判定を行ない、
前記制御手段は、所定の制限範囲内において増減する前記第1の舵角の変化量積算値を演算し、該変化量積算値が上下何れかの制限値に達した後、反対側の制限値に達した場合に前記操舵状態が移行したと判定すること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 請求項1又は請求項2に電動パワーステアリング装置において、
前記制御手段は、前記補正後の第1の舵角と前記第2の舵角との差分が前記オフセット値の演算されたタイミングにおける値よりも拡大している場合に、前記第2の舵角の変化が前記第1の舵角の変化に先行していると判定するとともに、その拡大幅が大きいほど、より大きく前記アシスト力を低減すること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
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