JP2007099133A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】操舵トルクセンサに異常が生じてトルク検出機能が喪失した場合であっても、操舵補助力の発生を可能にし、通常の操舵感を得ることができ、重量の大きな車両であっても車両を移動できる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
【解決手段】電動パワーステアリング装置は、ステアリング軸12に加えられた操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ17と、操舵角センサ21と、補助用モータ18と、減速機構19と、転舵機構10と、、モータ角度センサ22と、操舵トルクセンサの異常を検出する異常検出部33と、擬似操舵トルクを算出する第2の操舵トルク検出部36と、異常検出部が正常検出信号を出力するとき操舵トルクセンサの検出信号に基づいてモータに補助トルクを発生させ、異常検出部の異常検出信号を出力するとき第2操舵トルク検出部の出力信号に基づいてモータ18に補助トルクを発生させる制御装置20から成る。
【選択図】図2

Description

本発明は電動パワーステアリング装置に関し、特に、操舵トルクセンサのトルク検出機能が喪失した時に所要の操舵トルク信号を生成して操舵補助力を発生させるようにした電動パワーステアリング装置に関する。
電動パワーステアリング装置は、自動車等の車両で運転手がステアリングホイールを操作して車両の進路方向等を変えるとき、モータで操舵補助力(補助トルク)を生じさせ、運転者の操舵力を支援する装置である。従来の電動パワーステアリング装置の一例は例えば特許文献1に開示されている。特許文献1の図1には電動パワーステアリング装置の構成が示され、さらにその図2には制御装置の構成が示される。
電動パワーステアリング装置の基本的構成として、上端部にステアリングホイールが取り付けられたステアリング軸に対して、ステアリング軸に生じる操舵トルクを検出する操舵トルクセンサと、検出された操舵トルクに応じた補助力をステアリング軸に与えるモータおよ補助力伝達機構部とが付設されている。操舵トルクセンサで検出された操舵トルクに係る信号は制御装置に入力される。制御装置は、入力された操舵トルク信号に基づいて制御処理を行い、モータ駆動部を介してモータ駆動電流を生成し、上記モータに供給する。モータは、制御装置での制御処理に基づきモータ駆動部から出力されたモータ駆動電流によって作動し、所要の操舵補助力をステアリング軸に与える。なおモータにはモータ角度センサを備えており、モータの実際のモータ角度は検出され、制御装置での制御処理に利用される。また電動パワーステアリング装置の制御装置では、従来、操舵トルクセンサの異常を監視する働きを有している。
特開2003−200842号公報
従来の電動パワーステアリング装置によれば、操舵トルクセンサで異常が発生したことを検出した場合には、操舵トルクセンサから出力される操舵トルク検出信号を制御処理に使用することができないので、速やかにモータへのモータ駆動電流の供給を停止するようにしていた。
しかしながら、重量の大きな車両の場合には、モータ駆動電流の供給を停止して操舵補助力が与えられなくなると、操舵が困難になるおそれがある。従って、電動パワーステアリング装置において、操舵トルクセンサに異常が生じた場合であっても、操舵制御に利用できる最低限の操舵トルク信号を生成して操舵補助力を発生できるようにすることが望ましい。
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、操舵トルクセンサに異常が生じてトルク検出機能が喪失した場合であっても、操舵補助力の発生を可能にし、これにより通常の操舵感を得ることができ、さらに重量の大きな車両であっても車両を移動させることができる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明に係る電動パワーステアリング装置は、上記目的を達成するために、次のように構成される。
第1の電動パワーステアリング装置(請求項1に対応)は、ステアリング軸に加えられた操舵トルクを検出する操舵トルクセンサと、ステアリング軸で生じた操舵角を検出する操舵角センサと、ステアリング軸に付加する補助トルクを発生するモータと、モータの回転力をステアリング軸に伝達する伝達機構と、ステアリング軸の回転動作を転舵輪の転舵動作に変換する転舵機構と、転舵機構の転舵角を検出する転舵角センサと、操舵トルクセンサの異常を検出する異常検出部と、操舵角センサが検出する操舵角と転舵角センサが検出する転舵角との差分に基づいて擬似操舵トルクを算出する擬似トルク算出部(第2の操舵トルク検出部)と、異常検出部が正常検出信号を出力するときには操舵トルクセンサの検出信号に基づいてモータに補助トルクを発生させ、異常検出部の異常検出信号を出力するときには擬似トルク算出部の出力信号に基づいてモータに補助トルクを発生させる制御部と、から構成される。
上記の電動パワーステアリング装置では、制御部は、操舵トルクセンサが正常である間は当該操舵トルクセンサで検出されかつ出力される操舵トルク信号を用いて操舵力支援の制御を実行し、操舵トルクセンサが異常であると判定されたときには、操舵角センサからの操舵角信号と転舵角センサ(モータ角度センサ等)からの転舵角信号に基づいて擬似トルク算出部で算出された擬似トルク信号を用いて操舵力支援の制御を実行する。このため、操舵トルクセンサに異常が生じた場合であっても操舵補助力の発生を可能にし、通常の操舵感を得ることができる。
第2の電動パワーステアリング装置(請求項2に対応)は、上記の構成において、好ましくは、制御部は、擬似トルク算出部の出力信号に基づいてモータに補助トルクを発生させるとき、操舵角と転舵角の角度合わせを行う角度合わせ実行部を備えることを特徴とする。
第3の電動パワーステアリング装置(請求項3に対応)は、上記の構成において、好ましくは、角度合わせ実行部は、車両動作開始時から異常検出部が異常検出信号を出力するとき、転舵角が所定値だけ変化するようにモータを駆動させ、その時の操舵角の変化幅が基準範囲内である時の操舵角と転舵角のそれぞれの値を基準点として決定する角度合わせを実行することを特徴とする。
第4の電動パワーステアリング装置(請求項4に対応)は、上記の構成において、好ましくは、角度合わせ実行部は、車両動作中に異常検出部が異常検出信号を出力するとき、車速が所定値以上でありかつ操舵角と転舵角が所定値以下であるときに、操舵角と転舵角をそれぞれの値を基準点として決定する角度合わせを実行することを特徴とする。
第5の電動パワーステアリング装置(請求項5に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、転舵角センサは、モータに付設されたモータ角度センサであることを特徴とする。
本発明によれば、電動パワーステアリング装置において、制御部は、操舵トルクセンサが正常である間は当該操舵トルクセンサから出力される操舵トルク信号を用いて操舵力支援制御を実行し、操舵トルクセンサが異常であるときには、擬似トルク算出部で算出された擬似トルク信号を用いて操舵力支援制御を実行するため、操舵トルクセンサの操舵トルク検出機能が喪失した場合であっても操舵補助力の発生を可能にし、通常の操舵感を得ることができる。さらに、本発明によれば、重量の大きな車両で操舵トルクセンサが故障した場合でも、電動パワーステアリング装置を能動状態に保持して当該車両を移動させることができる。
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る電動パワーステアリング装置の全体構成を模式的に示す。図1において、11はステアリングホイール(ハンドル)、12はステアリング軸である。ステアリング軸12は、ステアリングホイール11に連結される上側部12Aと、車軸(ラック軸)13にラック・ピニオン機構14を介して連結される下側部12Bとから構成される。ステアリング軸12において、上側部12Aと下側部12Bは自在継手機構15で連結されている。車軸13の両端にはタイロッド13aを介して転舵輪(転舵用タイヤ)16が取り付けられている。図1では一方の側の転舵輪16のみが示され、他方の転舵輪の図示は省略されている。車軸13とタイロッド13aとラック・ピニオン機構14とから成る部分によって転舵機構10が構成される。転舵機構10は、ステアリング軸12の回転動作を転舵輪16の転舵動作に変換する機構である。
ステアリング軸12の下側部12Bには、操舵トルクセンサ17が付設されており、さらにモータ18の回転駆動力をステアリング軸12の下側部12Bに伝達する減速機構部(補助力伝達機構部)19が設けられている。操舵トルクセンサ17は、例えば、トーションバータイプまたは磁歪式トルクセンサタイプで構成される。また減速機構部19はウォームとウォームホイールギヤとによって構成されている。車両には制御装置20が装備されている。操舵トルクセンサ17で検出された操舵トルク信号SIG1は制御装置20に入力される。制御装置20は、通常の電動パワーステアリング装置としての制御として、入力された操舵トルク信号SIG1に基づいて、操舵補助力を決定するための制御信号を発生させ、この制御信号に基づきモータ駆動電流を発生させ、当該モータ駆動電流をモータ18に供給する。モータ18は、モータ駆動電流で動作し、運転者がステアリングホイール11に加えた操舵力に応じて当該操舵力を補助するための操舵補助力を出力する。これにより電動パワーステアリング装置による操舵力支援の制御が行われる。
上記の電動パワーステアリング装置において、さらに、ステアリング軸12の例えば上側部12Aには操舵角センサ(ハンドル角センサ)21が付設されている。操舵角センサ21は、運転者がステアリングホイール11を回転して操舵操作したとき、その回転角を検出して操舵角信号SIG2として出力する。またモータ18にはモータ角度センサ22が付設されている。モータ18は、通常、ブラシレスモータであり、このブラシレスモータには本来的にモータ角度センサ22が装備されている。このモータ角度センサ22は、転舵機構10における転舵角を検出するための転舵角センサとして利用される。モータ角度センサ22はモータ角度信号SIG3を出力する。なお転舵角センサについては、転舵機構10に直接に付設されたストロークセンサ等のセンサを用いることも可能である。
上記の操舵角信号SIG2とモータ角度信号SIG3は制御装置20に入力される。
次に、図2と図3を参照して、制御装置20の構成および各部の機能と、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の特徴的構成とについて説明する。制御装置20は、マイクロコンピュータ(CPUとメモリ等)で構成される。制御処理の内容は実際にはプログラムによるソフト的処理で実現される。図2と図3では、制御処理の内容の構成を示すために制御装置20の各部の処理機能部をブロックで示している。
図2において、制御装置20は、切替部31とモータ駆動部32と異常検出部33と減算部34と信号レベル調整用増幅部35を備えている。切替部31は、2つの入力端子31a,31bと1つの切替出力端子31cを有する。
図2で示すごとく、操舵トルクセンサ17から出力されるトルク信号SIG1は切替部31の一方の入力端子31aに入力される。切替部31においてスイッチング出力端子31cが入力端子31aに接続されているとき、入力端子31aに入力されたトルク信号SIG1はモータ駆動部32に入力される。操舵トルクセンサ17が正常である通常の状態では、スイッチング出力端子31cは入力端子31aに接続されている。
また操舵トルクセンサ17からはその作動状態を表す信号SIG4が取り出され、異常検出部33に入力される。異常検出部33は、信号SIG4の信号状態に基づいて操舵トルクセンサ17の作動状態が正常かまたは異常(故障)かを検出する。操舵トルクセンサ17が異常であると検出したときには、異常検出部33は切替部31に切替信号を与え、かつモータ駆動部32に異常通知信号を与える。切替部31に切替信号が与えられると、スイッチング出力端子31cは切替動作を行い、入力端子31bに接続される。
次に、操舵角センサ21から出力される操舵角信号SIG2と、モータ角度センサ22から出力されるモータ角度信号SIG3とは、減算部34に入力される。減算部34では(SIG2−SIG3)が計算される。減算部34の出力信号は増幅部35によって所要の信号レベルまで増幅される。増幅部35から出力される信号SIG5は擬似トルク信号として切替部31の他方の入力端子31bに入力される。
増幅部35から出力される信号SIG4は、操舵角信号SIG2とモータ角度信号SIG3との差分として求められた信号である。この信号SIG4は、図1に示したステアリング軸12における上側部12Aと下側部12Bの間の回転角度の差を意味するので、擬似的な操舵トルク信号である「擬似トルク信号」として扱うことが可能となる。
なお、上記減算部34で実行される減算処理の前の段階で、操舵角センサ21で検出される操舵角とモータ角度センサ22で検出されるモータ角度との関係に関しては、後述するごとく「角度合わせ」が行われる。
切替部31の入力端子31bに入力された擬似トルク信号SIG5は、操舵トルクセンサ17が異常であるためスイッチング出力端子31cが入力端子31bに接続されているときに限り、モータ駆動部32に供給される。
なお、モータ角度センサ22から出力されたモータ角度信号SIG3は同時にまた直接にモータ駆動部32に入力されている。
さらに図2において、波線で示されたブロック36は、擬似的なトルク信号SIG5を生成する機能を有することから第2の操舵トルク検出部として作用する。
図3において、図2で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。同一要素に要素に関する構成は、図2で説明した構成と同じである。図3に示される特徴的構成としては、モータ角度センサ22から出力されたモータ角度信号SIG3は、レベル調整用の増幅部41(増幅係数:Kg)によって増幅された後、減算部34に入力される。図2で説明した信号レベル調整用増幅部35の増幅係数はKcに設定されている。なおKcはステアリング軸12の捩りばね定数を意味している。
モータ駆動部32は、微分演算部42とアシスト用増幅部43とイナーシャ用増幅部44とダンパ増幅部45と演算部46から構成されている。切替部31から出力される信号は、アシスト増幅部43に入力されると共に、微分演算部42に入力される。微分演算部42は切替部31の出力信号を微分して、その微分信号をイナーシャ用増幅部44に入力される。またダンパ用増幅部45にはモータ角度信号SIG3に入力される。アシスト用増幅部43は、操舵トルク信号SIG1または擬似トルク信号SIG5に基づいて操舵補助力を生成するための制御信号(モータ駆動電流に対応する信号)を出力する。イナーシャ用増幅部44は、操舵トルク信号SIG1または擬似トルク信号SIG5の微分信号に基づきイナーシャ成分に係る制御信号(モータ駆動電流の調整分の信号)を出力する。ダンパ増幅部45は、モータ角度信号SIG3に基づきダンパ成分に係る制御信号(モータ駆動電流の調整分の信号)を出力する。アシスト用増幅部43とイナーシャ用増幅部44とダンパ増幅部45の各出力信号は演算部46に入力される。演算部46では、操舵補助力を生成するための制御信号(モータ駆動電流に対応する信号)とイナーシャ成分に係る制御信号(モータ駆動電流の調整分の信号)の和からダンパ成分に係る制御信号(モータ駆動電流の調整分の信号)を減算する。演算部46から出力される電流はモータ22に供給される。演算部46から出力される電流は実質的にモータ駆動電流である。モータ22は演算部46から供給される電流により駆動される。モータ22の回転動作の状態は、モータ角度センサ22によって検出される。
上記の構成を有する制御装置20による電動パワーステアリング装置では、異常検出部33が操舵トルクセンサ17の状態が正常であると検出しているときには、操舵トルクセンサ17から出力される操舵トルク信号SIG1を用いて操舵補助力を作り、異常検出部33が操舵トルクセンサ17の状態が異常であると検出したときには、第2の操舵トルク検出部36から出力される擬似トルク信号SIG5を用いて操舵補助力を作る。操舵トルクSIG1を利用するか、または擬似トルク信号SIG5を利用するかについては、異常検出部33の検出信号によって決まる切替部31の接続状態に基づいて決定される。
異常検出部33によって操舵トルクセンサ17の異常を検出した場合に用いられる擬似トルク信号SIG5は本来の操舵トルク信号SIG1とは異なるものであるが、ほぼ操舵トルク信号に相当するものと用いられる。擬似トルク信号SIG5は、擬似トルクをT’とするとき、この擬似トルクT’の量を表す信号である。擬似トルクT’は、ステアリング軸12の捩りばね定数をKc、操舵角をθs、モータ角度をθm’とするとき、T’=Kc(θs−θm’)で与えられる。またモータ角度θm’は、転舵角をθm、減速機構部19の減速比をNwとするとき、θm’=θm/Nwで与えられる。
以上のごとく、操舵トルクセンサ17にトラブルが生じてその動作状態が異常になり、操舵トルク信号SIG1の信頼性が低くなったときには、切替部31で切替により擬似トルク信号SIG5を用いて操舵補助力を生成し、電動パワーステアリング装置の操舵力支援の制御機能(アシスト制御)を保持することができる。
上記の電動パワーステアリング装置の制御装置20で実施される制御プロセスをフローチャートで示すと、図4に示すごとくなる。図4に示すように、最初に、常に操舵トルクセンサ17の異常判定のルーチン処理が行われる(ステップS11)。次の「異常あり?」という判定ステップS12においてNOと判定された場合には、モータ駆動部32にトルク信号SIG1が入力され(ステップS13)、通常のアシスト制御が実行される(ステップS14)。また判定ステップS12においてYESと判定された場合には、モータ駆動部32に擬似トルク信号SIG5が入力され(ステップS15)、異常時に対応したアシスト制御が実行される(ステップS14)。
次に前述した操舵力支援の制御機能において必要条件として要求される「角度合わせ」について説明する。
ここで「角度合わせ」とは、操舵トルクセンサ17の異常時に実行される操舵力支援の制御において、利用される操舵角センサ21とモータ角度センサ22の「ゼロ点合わせ」を意味している。電動パワーステアリング装置において、モータ角度センサ22はモータ18の回転角度すなわちモータ角度を検出するため、このモータ角度は、操舵角センサ21で検出される操舵角(ハンドル角)とは異なる角度を示している。具体的には、減速機構部でのギヤ比(Nw)が仮に27である場合、操舵角θsとモータ角度θmの関係はθs=θm/27となる。このため、モータ角度360°が操舵角の13.3°に相当する。この結果、モータ角度が0〜360°の範囲で分かっていても操舵角が実際に何度になるのは不明である。例えば、モータ角度が0°に対応する操舵角は0〜360°の範囲内で27箇所存在する。このために、操舵角と、モータ角度から算出される角度との間においてゼロ点を合わせる必要が生じる。ここで「ゼロ点」とは、ステアリングホイール11のセンター(中立点)という意味ではない。「ゼロ点」は操舵トルクの入力が0である場合における操舵角とモータ角度(転舵角)の位置を示している。従って「ゼロ点合わせ」によれば、操舵角(操舵角信号)とモータ角度(モータ角度信号)との間の対応関係を明確にする。
上記の「角度合わせ」では、車両の動作状態に応じて2つの場合が生じる。第1の場合は、車両が走行して操舵トルクセンサ17が正常に動作しているとき、その後に異常と判定されて角度合わせを行う場合であり、第2の場合は、操舵トルクセンサ17が異常であると判定されてその後に車両を起動するときの角度合わせを行う場合である。「角度合わせ」の処理は制御装置20内のメモリに用意されたプログラムによってソフト的に実行される。上記第1の場合の「角度合わせ」の処理プロセスは図5のフローチャートに示され、上記第2の場合の「角度合わせ」の処理プロセスは図6のフローチャートに示される。
図5に示したフローチャートによれば、操舵状態を判定し(ステップS21)、「操舵している?」という判定ステップS22においてYESである場合にはそのまま終了する。判定ステップS22でNOである場合には「ゼロ点合わせ」のステップS23を実行する。ステップS21においては、例えば、操舵トルクが0で、車速が有りという基準で操舵状態が判定される。この場合には車両は直進している。一般的に、車両走行中に異常検出部33が異常検出信号を出力するとき、車速が所定値以上でありかつ操舵角とモータ角度(転舵角)が所定値以下であるときに、操舵角と転舵角をそれぞれの値を基準点として決定する角度合わせを実行する。以上のごとく、もともと操舵トルクセンサ17が正常に動作しているときに異常が発生した場合には、異常が発生する前の段階で図5のフローチャートを実行することにより「角度合わせ」を行うことが可能となる。
さらに、図6に示したフローチャートによれば、最初に規定角度を入力し(ステップS31)、次に操舵状態を判定し(ステップS32)、「操舵している?」という判定ステップS33においてYESである場合にはそのまま終了する。判定ステップS33でNOである場合には「ゼロ点合わせ」のステップS34を実行する。車両を起動したときにすでに操舵トルクセンサ17が異常である場合には、操舵トルクが入力されているか否かが判定できないため、「角度合わせ」を行うことができない。そこで、以上のごとく、起動直後にモータ18を規定角度の分回転させて(ステップS31)、操舵状態を判定し(S32)、そのときのモータ角度と操舵角に基づいて「角度合わせ」を行う(ステップS34)。上記において、「規定角度」としては例えば30°である。また、操舵判定のステップS32としては、例えばαをマージンとするとき、{(θm/Nw)−α}≦操舵角(θs)≦{(θm/Nw)+α}であれば、操舵トルクを0とみなす。以上のように、車両走行開始時から異常検出部33が異常検出信号を出力するとき、転舵角が所定値だけ変化するようにモータを駆動させ、その時の操舵角の変化幅が基準範囲内である時の操舵角と転舵角のそれぞれの値を基準点として角度合わせを行う。
なお操舵角センサ21の取付け位置について説明する。操舵トルクセンサ17で異常が生じたときには、操舵角センサ21で得られる操舵角とモータ角度センサ22のモータ角度の差から擬似的な操舵トルクを算出する場合、各角度センサの間にねじれ部材が必要である。操舵トルクセンサ17がトーションバータイプのものであれば、操舵角センサ21は、ステアリング軸12における操舵角トルクセンサ17の入力側部分(上側部分)に取り付けられる。他方、操舵トルクセンサ17が磁歪式トルクセンサタイプのものであれば、ねじれ剛性が高いので、上記入力側部分に取り付けた場合に検出値が得られにくい。そこで、操舵トルクセンサ17が磁歪式トルクセンサタイプである場合には、ステアリング軸12の上側部12Aの上端部に取り付けることが望ましい。図7に、操舵トルクセンサ17が磁歪式トルクセンサタイプである場合の取付け例を示している。図7は図1と同等な図であり、図1で説明した要素には同一の符号を付し、説明を省略する。図7に示した構成によれば、操舵トルクセンサ17は、操舵角センサ21とステアリングホイール11との間のステアリング軸部分に取り付けられている。
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎず、また数値および各構成の組成(材質)については例示にすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
本発明は、自動車等の電動パワーステアリング装置として利用され、操舵トルクセンサが故障したときにも操舵力支援機能を保持するのに適している。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の全体構成を模式的に示した構成図である。 本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の制御装置の内部構成を示すブロック図である。 制御装置の内部構成をさらに詳しく示すブロック図である。 本実施形態に係る電動パワーステアリング装置の特徴的な処理プロセスを示すフローチャートである。 「角度合わせ」の第1の処理プロセスを示すフローチャートである。 「角度合わせ」の第2の処理プロセスを示すフローチャートである。 本発明に係る電動パワーステアリング装置の他の例の全体構成を模式的に示した構成図である。
符号の説明
10 転舵機構
11 ステアリングホイール
12 ステアリング軸
13 車軸
16 転舵機構
17 操舵トルクセンサ
18 モータ
20 制御装置
21 操舵角センサ
22 モータ角度センサ
31 切替部
32 モータ駆動部
33 異常検出部
34 減算部
36 第2の操舵トルク検出部

Claims (5)

  1. ステアリング軸に加えられた操舵トルクを検出する操舵トルクセンサと、
    前記ステアリング軸で生じた操舵角を検出する操舵角センサと、
    前記ステアリング軸に付加する補助トルクを発生するモータと、
    前記モータの回転力を前記ステアリング軸に伝達する伝達機構と、
    前記ステアリング軸の回転動作を転舵輪の転舵動作に変換する転舵機構と、
    前記転舵機構の転舵角を検出する転舵角センサと、
    前記操舵トルクセンサの異常を検出する異常検出手段と、
    前記操舵角センサが検出する操舵角と前記転舵角センサが検出する転舵角との差分に基づいて擬似操舵トルクを算出する擬似トルク算出手段と、
    前記異常検出手段が正常検出信号を出力するときには前記操舵トルクセンサの検出信号に基づいて前記モータに前記補助トルクを発生させ、前記異常検出手段の異常検出信号を出力するときには前記擬似トルク算出手段の出力信号に基づいて前記モータに前記補助トルクを発生させる制御手段と、
    を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記制御手段は、前記擬似トルク算出手段の出力信号に基づいて前記モータに前記補助トルクを発生させるとき、前記操舵角と前記転舵角の角度合わせを行う角度合わせ実行手段を備えることを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記角度合わせ実行手段は、車両動作開始時から前記異常検出手段が異常検出信号を出力するとき、前記転舵角が所定値だけ変化するように前記モータを駆動させ、その時の前記操舵角の変化幅が基準範囲内である時の前記操舵角と前記転舵角のそれぞれの値を基準点として決定する角度合わせを実行することを特徴とする請求項2記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記角度合わせ実行手段は、車両動作中に前記異常検出手段が異常検出信号を出力するとき、車速が所定値以上でありかつ前記操舵角と前記転舵角が所定値以下であるときに、前記操舵角と前記転舵角をそれぞれの値を基準点として決定する角度合わせを実行することを特徴とする請求項2記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記転舵角センサは、前記モータに付設されたモータ角度センサであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
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