WO2003095272A1

WO2003095272A1 - Structure de tableau de bord destinee a des vehicules

Info

Publication number: WO2003095272A1
Application number: PCT/JP2003/005856
Authority: WO
Inventors: Yoshifumi Taoka
Original assignee: Daihatsu Motor Co., Ltd.
Priority date: 2002-05-10
Filing date: 2003-05-09
Publication date: 2003-11-20
Also published as: KR20050016875A; KR100646268B1; DE60323966D1; US20050253369A1; EP1504969B1; CN1665704A; CN100363209C; US7367587B2; EP1504969A4; JP2004026126A; EP1504969A1; AU2003235927A1; JP4011441B2

Description

明細書車両のィンストルメントパネル構造技術分野

本発明は、乗用車や商用車、パス等の車両において、シートの前方に位置することにより、車体に大きな衝撃が作用した際に、乗員の膝部付近を受け止めて乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動することを抑えるとともに、乗員の膝部付近に作用する衝撃を抑えることができるィンストルメントパネルの構造に関する。背景技術

乗員がシートに着座した状態で車両が衝突すると、前方への慣性力により、乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動しながら、乗員の腰部を支点として乗員の上半身が前方に倒れようとする。

このような状態において、乗員の前方に配置されたエアバッグが乗員の上半身を受け止める場合、乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動した分だけ、乗員の上半身がエアバッグに接近することになるので、乗員の上半身が前方に倒れ始めると乗員の上半身がそれだけ速くエアバッグに達することになる。言い換えると、乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動した分だけ、乗員の上半身の前方への倒れストロークが小さくなり、エアバッグは前述の小さくなった乗員の上半身の前方への倒れストロークの間で衝撃を吸収しなければならなくなるので、エアバッグによる乗員の衝撃吸収の面で好ましくない。

従って、乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動する状態を抑えることにより、乗員の上半身の前方への倒れストロークが小さくならない状態で、エアバッグが乗員の上半身を受け止めるようにすることが要求されている。

この場合、例えば日本特開平 1 1— 1 3 9 2 3 3号公報に開示されているように、インストルメントパネルの下部の内側に下部エアバッグを配置して、下部ェァバッグを膨張させることにより、インストルメントパネルの一部を分離させて後方のシート側に移動させるように構成したものがある。これにより、分離したインストルメントパネルの一部により、乗員の膝部付近が受け止められて、乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動する状態が抑えられる。

この従来の技術に記載のように、ィンストルメントパネルの一部を分離させて後方のシート側に移動させるように構成した場合、乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動する状態を抑えるという点に加えて、乗員の膝部付近がィンストルメントパネルの一部に受け止められた際に、乗員の膝部付近に作用する衝撃を抑えるという点も重要なものとなっている。

この場合、乗員の膝部付近がインストルメントパネルの一部に受け止められた際に、インストルメントパネルの一部が変形することにより、乗員の膝部付近に作用する衝撃が吸収されることが期待される。

しかしながら、このィンストルメントパネルは合成樹脂で構成されているので、乗員の膝部付近がィンストルメントパネルの一部に受け止められた際に、ィンストルメントパネルの一部が直線的に折れ曲がったりすることがあり（前記日本特開平 1 1一 1 3 9 2 3 3号公報の図 6参照）、乗員の膝部付近に作用する衝撃を抑えるという点で改善の余地がある。

したがって、本発明は、車両のインストルメントパネル構造において、大きな衝撃が車体に作用した際に、乗員の膝部付近を受け止めて乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動することを抑えながら、乗員の膝部付近に作用する衝撃を抑えることができるように構成することを目的としている。発明の開示

本発明に係る車両のインストルメントパネル構造の第 1の特徴的構成は、合成樹脂製のィンストルメントパネルの下部に、前記ィンストルメントパネルから分離可能な受け止め部分を備え、大きな衝撃が車体に作用すると、前記受け止め部分を前記ィンストルメントパネルから分離させて後方のシート側に急速に移動させる移動手段を備えると共に、塑性変形自在な金属製又は強化合成樹脂製の吸収部材を前記受け止め部分の裏面に取り付けた点にある。

このような特徴的構成によると、以下のような作用効果が奏される。すなわち、大きな衝撃が車体に作用し、乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動しようとした際、移動手段により受け止め部分がインストルメントパネルから分離し後方のシート側に急速に移動して、受け止め部分により乗員の膝部付近が受け止められるので、乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動することが抑えられる。したがって、乗員の上半身の前方への倒れストロークを大きく確保でき、エアバッグにより乗員の上半身を有効に受け止めることが可能となる。

また、塑性変形自在な金属製又は強化合成樹脂製の吸収部材を受け止め部分の裏面に取り付けているので、受け止め部分により乗員の膝部付近が受け止められると、受け止め部分ととともに吸収部材が塑性変形する。これにより、主に吸収部材が塑性変形することによって、乗員の膝部付近に馴染むように受け止め部分及び吸収部材が凹状に変形し、乗員の膝部付近に作用する衝擊が適切に吸収される。

更に、吸収部材が受け止め部分の裏面に直接に取り付けられており、吸収部材が受け止め部分に支持された状態となっているので、インストルメントパネルの内側の固定部に支持部材を設けて、支持部材に吸収部材を支持させるというように構成する必要がなく、たとえ支持部材を備えたとしても、小規模の支持部材で済む。したがって、構造の簡素化の面で有利なものとなる。

本発明に係る車両のインストルメントパネル構造の第 2の特徴的構成は、前記第 1の特徴的構成において、互いに所定間隔を置いて配置された複数の面部と、前記面部から突出するように折れ曲がりながら隣接する前記面部に！:つて接続される折れ曲がり部とを備えて、前記吸収部材を構成し、前記吸収部材の面部が前記受け止め部分の裏面に接触し、前記吸収部材の折れ曲がり部が前記受け止め部分の裏面から離れる側に突出するように、前記吸収部材を前記受け止め部分の裏面に取り付けた点にある。

このような特徴的構成によると、前記第 1の特徴的構成による作用効果に加えて、以下のような作用効果が奏される。

すなわち、受け止め部分により乗員の膝部付近が受け止められて、受け止め部分が凹状に変形しょうとすると、吸収部材の面部及ぴ折れ曲がり部において、吸収部材の隣接する面部が互いに引き離され又は接近させられながら、吸収部材の折れ曲がり部が曲げられたり延ばされたりして、吸収部材が塑性変形していく。したがって、複数の折れ曲がり部を吸収部材に備えることにより、単純な 1枚の平板状の吸収部材に比べて、吸収部材が乗員の膝部付近に馴染むように凹状に塑性変形し易くなり、乗員の膝部付近に作用する衝擊をより適切に吸収することができる。

また、吸収部材が金属製又は強化合成樹脂製であるので、吸収部材の折れ曲がり部の形状を設定することによって、吸収部材の折れ曲がり部の曲がり強度を任意に設定することができ、乗員の膝部付近に作用する衝擊の吸収具合を任意に設定することが可能になる。したがって、異なる種類のインストルメントパネルや各種の車両に対応するように構成することが、容易に行えるようになる。なお、このような吸収部材の折れ曲がり部の形状の設定としては、例えば、吸収部材の折れ曲がり部をどの程度の半径で曲げるか、吸収部材の隣接する面部の所定間隔をどの程度に設定するか、吸収部材の折れ曲がり部の長さ、すなわち吸収部材の面部から突出する長さ、をどの程度に設定するか等、がある。

更に、吸収部材の面部が受け止め部分の裏面に接触して取り付けられており、吸収部材の折れ曲がり部が受け止め部分の裏面から離れる側に突出する程度に抑えられているので、吸収部材の配置の為に占めるスペースは大きなものにならないので、受け止め部分の付近の小型化の面で有利なものとなる。

本発明に係る車両のインストルメントパネル構造の第 3の特徴的構成は、前記第 1の特徴的構成において、前記移動手段により前記受け止め部分が前記インストルメントパネルから分離されて後方のシート側に移動した際、所定位置を越えての前記受け止め部分の後方のシート側への移動を阻止する阻止手段を備えた点にある。

すなわち、移動手段により受け止め部分がィンストルメントパネルから分離して後方のシート側に急速に移動した場合に、受け止め部分が後方のシート側に移動し過ぎることを防止し、受け止め部分により乗員の膝部付近が受け止められた際に乗員の膝部付近に作用する衝撃が大きくなる事態を避けて、適切に衝撃を吸収することができる。

本発明に係る車両のインストルメントパネル構造の第 4の特徴的構成は、前記第 3の特徴的構成において、前記吸収部材の外周部に接続部を備え、前記受け止め部分が前記ィンストルメントパネルから分離される前の状態で、前記接続部を前記受け止め部分の裏面から離れる側に突出するように折り曲げながら前記ィンストルメントパネルに接続することによって、前記阻止手段を構成した点にある。このような特徴的構成によると、前記第 3の特徴的構成による作用効果に加えて、以下のような作用効果が奏される。

すなわち、移動手段により受け止め部分がインストルメントパネルから分離し後方のシート側に急速に移動した場合、折り曲げられていた吸収部材の接続部が延びることによって、受け止め部分及ぴ吸収部材の後方のシート側への移動が許容されるのであり、この後に吸収部材の接続部が延びることができない状態となることによって、所定位置を越えての受け止め部分及び吸収部材の後方のシート側への移動が阻止された状態となる。従って、吸収部材の外周部の一部分を延出して接続部とするように構成すれば、吸収部材とは別の部材を用意して、この別の部材を吸収部材とインストルメントパネルとに亘つて接続するというような構成とする必要がなく、構造の簡素化の面で有利なものとなる。

本発明に係る車両のインストルメントパネル構造の第 5の特徴的構成は、前記第 1から第 4のいずれかの特徴的構成において、前記受け止め部分を複数の小部分に分離可能に構成した点にある。

このような特徴的構成によると、前記第 1から第 4のいずれかの特徴的構成による作用効果に加えて、以下のような作用効果が奏される。

すなわち、受け止め部分がィンストルメントパネルから分離し後方のシート側に急速に移動する場合、受け止め部分が複数の小部分に分離すれば、受け止め部分が吸収部材の塑性変形を規制するような状態が生じ難くなるので、受け止め部分及び吸収部材が乗員の膝部付近に良く馴染むようになり、乗員の膝部付近に作用する衝搫を適切に吸収することができる。

本発明に係る車両のインストルメントパネル構造の第 6の特徴的構成は、前記第 1の特徴的構成において、エアバッグ及ぴ前記エアバッグを急速に膨張させるインフレータを、前記受け止め部分の裏面側に備え、前記エアバッグ及びインフレークにより前記移動手段を構成した点にある。

すなわち、インフレータによってエアバッグが膨張することにより、受け止め部分及ぴ吸収部材が押されて、受け止め部分がインストルメントパネルから分離し後方のシート側に急速に移動する。この際、膨張したエアバッグにより受け止め部分及ぴ吸収部材の全体が略均等に押されて支持されるような状態となるので、受け止め部分により乗員の膝部付近が受け止められた際に、受け止め部分及ぴ吸収部材は偏りなく囬状に変形し易い状態となる。したがって、例えば部分的に凹状に変形し難い部分が生じたり、部分的に凹状に変形し易い部分が生じたりするようなことが少なく、乗員の膝部付近に作用する衝擊をより適切に吸収することができる。

本発明に係る車両のインストルメントパネル構造の第 7の特徴的構成は、前記第 6の特徴的構成において、前記エアバッグが膨張することにより、前記受け止め部分が前記インストルメントパネルから分離されて後方のシ一ト側に移動した際、前記インストルメントパネルと受け止め部分との間から、前記エアバッグが外方に展開するように構成した点にある。

このような特徴的構成によると、前記第 6の特徴的構成による作用効果に加えて、以下のような作用効果が奏される。

すなわち、合成樹脂製のインストルメントパネルの下部に、インストルメントパネルから分離可能な受け止め部分を備える場合、受け止め部分の面積には限界がある。したがって、例えばインストルメントパネルのシート側の部分に受け止め部分を備える場合、ステアリングハンドルの基部の存在により、受け止め部分の面積を大きなものに設定することができない。そこで、エアバッグを少し大きめに構成して、インストルメントパネルと受け止め部分との間から、エアバッグが外方に展開するように構成してやれば、例えば受け止め部分により乗員の片方の膝部付近しか受け止めることができない場合、外方に展開したエアバッグにより乗員の他方の膝部付近が受け止められるように構成することが可能になり、例えばエアバッグを乗員の膝部付近以外の部分に向かって展開させて、乗員の膝部付近以外の部分をエアバッグで受け止めるように構成することが可能になる。したがって、乗員の膝部付近及ぴ膝部付近以外の部分に作用する衝撃を適切に吸収することができる。

本発明に係る車両のインストルメントパネル構造の第 8の特徴的構成は、前記第 6の特徴的構成において、前記エアパッグをブロー成形された合成樹脂によつて構成した点にある。

このような特徴的構成によると、前記第 6の特徴的構成による作用効果に加えて、布体を縫い合わせてエアバッグを構成する場合に比べて、生産コストの低減の面で有利なものとなる。

本発明に係る車両のインス'トルメントパネル構造の第 9の特徴的構成は、前記第 6から第 8のいずれかの特徴的構成において、前記吸収部材とエアバッグとの間にパッド部材を配置した点にある。

このような特徴的構成によると、前記第 6から第 8のいずれかの特徴的構成による作用効果に加えて、以下のような作用効果が奏される。

すなわち、インフレータによってエアバッグが膨張することにより、受け止め部分及ぴ吸収部材が押されて、受け止め部分がィンストルメントパネルから分離して後方のシート側に急速に移動する場合、エアバッグに対してパッド部材の硬さを適切なものに設定することにより、受け止め部分及ぴ吸収部材を略平面状のままで、すなわちエアバッグの膨張により凸状に変形させられずに、後方のシート側に移動させることが可能になる。したがって、受け止め部分及び吸収部材により乗員の膝部付近を的確に受け止めることができるようになり、乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動することを適切に抑えることができるようになつた。

また、受け止め部分及ぴ吸収部材が凹状に変形することのみによっては、乗員の膝部付近に作用する衝撃の吸収が充分に行われないような場合、パッド部材によっても乗員の膝部付近に作用する衝撃が吸収されるように構成することが可能になり、より適切に衝撃を吸収することができるようになる。図面の簡単な説明

第 1図は、本発明の第 1の実施形態に係るシート及ぴィンストルメントパネルの付近の側面図であり、

図 2は、本発明の第 1の実施形態において、下部パネル部、受け止め部分、吸収部材、下部エアパッグ及びィンフレータ等を示す分解斜視図であり、

図 3は、本発明の第 1の実施形態に係る下部パネル部、受け止め部分、吸収部材、下部エアバッグ及びィンフレータの付近の横断平面図であり、

図 4は、これらが、図 3に示す状態から下部エアバッグが膨張して、受け止め部分及び吸収部材がシ一ト側に急速に移動した状態を示す横断平面図であり、図 5は、本発明の第 2の実施形態に係る下部パネル部、受け止め部分、吸収部材、パッド部材、下部エアバッグ及びインフレータの付近の横断平面図であり、図 6は、これらが、図 5に示す状態から下部エアバッグが膨張して、受け止め部分及び吸収部材がシ一ト側に急速に移動した状態を示す横断平面図であり、図 7は、本発明の第 3の実施形態に係る下部パネル部、受け止め部分、吸収部材、下部エアバッグ及ぴィンフレータの付近の横断平面図であり、

図 8は、これらが、図 7に示す状態から下部エアバッグが膨張して、受け止め部分及ぴ吸収部材がシ一ト側に急速に移動した状態を示す横断平面図であり、図 9は、本発明の第 4の実施形態に係る吸収部材の正面図であり、

図 1 0は、本発明の第 4の実施形態に係る吸収部材の穴の付近の正面図であり、図 1 1は、本発明の第 5の実施形態に係る吸収部材の面部の付近の正面図であり、

図 1 2は、本発明の第 6の実施形態に係るシート及ぴィンストルメントパネルの付近の側面図であり、

図 1 3は、本発明の第 6の実施形態に係る吸収部材の正面図であり、図 1 4は、本発明の第 6の実施形態に係る下部パネル部、受け止め部分、吸収部材、下部エアパッグ及ぴィンフレータの付近の縦断側面図であり、

図 1 5は、本発明の第 6の実施形態に係る下部パネル部、受け止め部分、吸収部材、下部エアパッグ及びィンフレータの付近の横断平面図であり、図 1 6は、これらが、図 1 5に示す状態から下部エアバッグが膨張して、受け止め部分及ぴ吸収部材がシ一ト側に急速に移動した状態を示す横断平面図であり、図 1 7は、本発明の第 7の実施形態に係る吸収部材の正面図であり、

図 1 8は、本発明の第 7の実施形態に係る下部パネル部、受け止め部分、吸収部材、下部エアバッグ及びインフレータの付近の縦断側面図であり、

図 1 9は、本発明の第 7の実施形態に係る下部パネル部、受け止め部分、吸収部材、下部エアバッグ及ぴィンフレータの付近の横断平面図であり、

図 2 0は、これらが、図 1 9に示す状態から下部エアバッグが膨張して、受け止め部分及ぴ吸収部材がシ一ト側に急速に移動した状態を示す横断平面図であり、図 2 1は、本発明の第 8の実施形態に係るステアリングハンドル及ぴ受け止め部分の付近を示す斜視図であり、

図 2 2は、本発明の第 9の実施形態に係る吸収部材の正面図であり、

図 2 3は、本発明の第 9の実施形態に係る下部パネル部、受け止め部分、吸収部材、下部エアバッグ及ぴィンフレータの付近の縦断側面図である。発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。

[発明の第 1の実施形態]

本実施形態では、図 1 ( a ) に示すように、運転者のシート 1の前方にインストルメントパネル 2及ぴステアリングハンドル 3が配置され、ステアリングハンドル 3の内部にエアバッグ 4が設けられている。また、合成樹脂製のインストルメントパネル 2においてステアリングハンドル 3の下側に、合成樹脂製の下部パネル部 5が設けられている。

図 2及び図 3に示すように、下部パネル部 5の裏面に複数の溝部 6が縦向き及ぴ横向きに格子を描くように形成されており、最外側の溝部 6によって囲まれた長方形状の受け止め部分 7が、下部パネル部 5に形成されている。下部パネル部 5の裏面の外周部分及ぴ受け止め部分 7の裏面には、多数の凸部 5 a， 7 aがー体的に形成されている。

図 2及び図 3に示すように、金属製又は強化合成樹脂製（複合強化型や繊維強化型等の合成樹脂）の板材にプレス加工を施すことにより、吸収部材 8が構成されている。吸収部材 8は、正面視で長方形状の面部 9が所定間隔； Bを置いて前後左右に並べて配置されており、面部 9の表面から反対側に突出するように折れ曲がりながら、瞵接する面部 9に亘つて接続される折れ曲がり部 1 0を備えている。吸収部材 8 (面部 9 ) の外周部には接続部 2 2がー体的に備えられ、折れ曲がり部 1 0と同様に接続部 2 2が面部 9の表面から反対側に突出するように折れ曲がつており、接続部 2 2に平板状のフランジ部 1 1がー体的に備えられている。面部 9及ぴフランジ部 1 1には、小さな長方形状の開口 9 a , 1 1 aが形成されている。

以上の構造により、図 2及び図 3に示すように、下部パネル部 5の凸部 5 aを吸収部材 8のフランジ部 1 1の開口 1 1 aに挿入し、受け止め部分 7の凸部 7 a を吸収部材 8の面部 9の開口 9 aに揷入して、吸収部材 8の面部 9及ぴフランジ部 1 1を下部パネル部 5及ぴ受け Jhめ部分 7の裏面に接触させ、下部パネル部 5 の凸部 5 a及び受け止め部分 7の凸部 7 aを加熱して押し潰すことによって、下部パネル部 5及ぴ受け止め部分 7の裏面に吸収部材 8を取り付ける。この状態において、吸収部材 8の折れ曲がり部 1 0及び接続部 2 2は、下部パネル部 5の溝部 6に対して対向する位置に配置され、この吸収部材 8の折れ曲がり部 1 0及び接続部 2 2は、下部パネル部 5及び受け止め部分 7の裏面から離れる側に突出する状態となる。

図 2及び図 3に示すように、金属製の板材を箱状に折り曲げて構成された支持部材 1 2が備えられている。そして、下部エアバッグ 1 3が、この支持部材 1 2 に取り付けられ、下部エアバッグ 1 3の内部にインフレ^"タ 1 4が備えられている。下部エアバッグ 1 3は、プロ一成形された合成樹脂によって構成され、折り畳まれて支持部材 1 2に取り付けられている。インフレータ 1 4は、外周部に多数の噴射口 1 4 aを備え、内部に図示しない点火器及ぴェンハンサ一が設けられ、ガス発生剤が充填されて構成されている。支持部材 1 2の外周部にはフランジ部 1 2 aが形成されており、インストルメントパネル 2の内側に配置されたプラケット 1 5に、支持部材 1 2のフランジ部 1 2 a及ぴ吸収部材 8のフランジ部 1 1 が、ボルト 1 6によって連結されている。以上の構造により、車体に備えられた衝突センサー（図示せず）が衝突を検出すると、インフレータ 1 4において点火器によりェンハンサ一が着火され、ェンハンサーの燃焼によりガス発生剤が燃焼し、ガス発生剤から発生したガスが噴射口 1 4 aから外周方向に放射状に噴射される。そして、下部エアバッグ 1 3の周辺部から下部エアバッグ 1 3の中央部に向かってガスが流入し、下部エアバッグ 1 3が膨張して吸収部材 8を後方のシート 1側（図 2の紙面右方）に押す。

このような下部エアバッグ 1 3の膨張により、図 1 ( b ) 及び図 4に示すように、吸収部材 8の折れ曲がり部 1 0及ぴ接続部 2 2が塑性変形して延ばされ、吸収部材 8の面部 9が互いに離されながら、吸収部材 8の全体が略平面状のままで、後方のシート 1側に急速に移動する。この際、下部パネル 5では、溝部 6が破断して受け止め部分 7が複数の小部分に分離しながら離れ、受け止め部分 7が吸収部材 8と一緒に後方のシート 1側に急速に移動する。また、これと同時に、図 1 ( b ) に示すように、ステアリングハンドル 3に備えられたエアバッグ 4が膨張する。

図 1 ( b ) 及び図 4に示すように受け止め部分 7及び吸収部材 8が後方のシート 1側に急速に移動した状態では、乗員の腰部がシート 1の座部 1 aに沿って前方に移動しょうとした際、受け止め部分 7及ぴ吸収部材 8に乗員の右及び左の膝部 Aの付近が受け止められて、乗員の腰部がシート 1の座部 1 aに沿って前方に移動することが抑えられる。

この場合、乗員の右及ぴ左の膝部 Aの付近が当たることにより、受け止め部分 7及び吸収部材 8はその膝部 Aの付近に沿って回状に変形しょうとする。この際、主に吸収部材 8、より詳しくは吸収部材 8の折れ曲がり部 1 ◦、が塑性変形し、下部エアバッグ 1 3が変形することによって、乗員の右及び左の膝部 Aの付近に作用する衝擊が吸収される。

吸収部材 8のフランジ部 1 1は、ボルト 1 6によってプラケット 1 5に連結されているので、吸収部材 8が所定位置を越えて後方のシート 1側へ移動することが防止される。また、受け止め部分 7は吸収部材 8に取り付けられている。すなわち、ここでは、受け止め部分 7は、凸部 7 aを加熱して押し潰すことにより吸収部材 8に取り付けられている。したがって、受け止め部分 7及ぴ吸収部材 8が後方のシート 1側に飛散するようなことはない。

[発明の第 2の実施形態]

前述の発明の実施の形態において、図 5に示すようにウレタン材等のパッド部材 1 7を、吸収部材 8と下部エアバッグ 1 3との間に配置するように構成してもよい。この際、パッド材 1 7は、所定の厚みを備えた平板状に形成したものとすると好適である。

このように構成すると図 5から図 6に示すように、下部エアバッグ 1 3が膨張して吸収部材 8を後方のシート 1側に押すことにより、吸収部材 8の折れ曲がり部 1 0及ぴ接続部 2 2が塑性変形して延ばされ、吸収部材 8の面部 9が互いに離されながら後方のシート 1側に急速に移動する場合にも、パッド部材 1 7により吸収部材 8の全体が略平面状に維持されることとなる。

[発明の第 3の実施形態]

前述の [発明の第 1の実施形態] 及び [発明の第 2の実施形態] に代えて、図 7及び図 8に示すように構成してもよい。

前述の [発明の第 1の実施形態] 及び [発明の第 2の実施形態] では、図 3及ぴ図 5に示すように、ィンストルメントパネル 2の内側に配置されたブラケット 1 5に、支持部材 1 2のフランジ部 1 2 a及ぴ吸収部材 8のフランジ部 1 1がボルト 1 6によって連結されているが、図 7においては、ブラケット 1 5に支持部材 1 2のフランジ部 1 2 aのみがボルト 1 6で連結されている。

そして、吸収部材 8のフランジ部 1 1及び接続部 2 2 (図 2及ぴ図 3参照）を廃止し、ブラケット 1 5と吸収部材 8とに亘つてワイヤ 1 8を接続している。この際、ワイヤ 1 8は少し弛んでいる。溝部 6については、最外側の溝部 6 aを、内側の溝部 6わよりも深くすることにより破断し易くしている。これ以外の構造は、図 2及ぴ図 3と同じである。また、図 7に示す構造において、図 5に示すようなパッド部材 1 7を、吸収部材 8と下部エアパッグ 1 3との間に配置するように構成してもよい。

以上の構造により、車体に備えられた衝突センサーが衝突を検出すると、インフレータ 1 4において点火器によりェンハンサ一が着火され、ェンハンサ一の燃焼によりガス発生剤が燃焼し、ガス発生剤から発生したガスが噴射口 1 4 aから外周方向に放射状に噴射される。そして、下部エアバッグ 1 3の周辺部から下部エアバッグ 1 3の中央部に向かってガスが流入し、下部エアバッグ 1 3が膨張して吸収部材 8を後方のシート 1側に押す。これにより、図 8に示すように、最外側の溝部 6 aが破断し、吸収部材 8の折り曲がり部 1 0があまり延びず、内側の溝部 6 bがあまり破断しない状態で、受け止め部分 7及ぴ吸収部材 8が後方のシ ―ト 1側に急速に移動する。

したがって、図 8に示すように、乗員の腰部がシート 1の座部 1 aに沿って前方に移動しようとした際、受け止め部分 7及び吸収部材 8に乗員の右及び左の膝部 Aの付近が受け止められると、溝部 6 bの各々が折れ曲がり、乗員の右及ぴ左の膝部 Aの付近の形状に馴染むように受け止め部分 7の全体が凹状に変形する。これに伴って、吸収部材 8の隣接する面部 9が互いに引き離され又は接近させられながら、吸収部材 8の折り曲がり部 1 0が曲げられたり延ばされたりして、受け止め部分 7と同様に乗員の右及ぴ左の膝部 Aの付近に馴染むように吸収部材 8 の全体が凹状に変形する。以上のようにして、乗員の右及ぴ左の膝部 Aの付近に作用する衝撃が吸収される。

また、ブラケット 1 5と吸収部材 8とに亘つてワイヤ 1 8が接続されているので、吸収部材 8が所定位置を越えて後方のシート 1側へ移動することが防止される。また、受け止め部分 7は吸収部材 8に取り付けられている。すなわち、ここでは、受け止め部分 7は、凸部 7 aを加熱して押し潰すことにより吸収部材 8に取り付けられている。したがって、受け止め部分 7及び吸収部材 8が後方のシート 1側に飛散するようなことはない。

[発明の第 4の実施形態]

前述の [発明の第 1の実施形態] から [発明の第 3の実施形態] において、図 9及び図 1 0 ( a ) ( b ) に示すように吸収部材 8の折れ曲がり部 1 0の 4'つの面部 9の間の部分に、小さな丸い穴 1 9や四角い穴 2 0、十文字状の穴 2 1を開口してもよい。これにより穴 1 9， 2 0， 2 1によって、吸収部材 8の折れ曲がり部 1 0の塑性変形が容易になり、下部エアバッグ 1 3の膨張による吸収部材 8 の変形時の応答性を高めることができる。

[発明の第 5の実施形態] 前述の [発明の第 1の実施形態] から [発明の第 4の実施形態] において、吸収部材 8の面部 9を長方形状ではなく、図 1 1 ( a ) に示すように三角形状に構成したり、図 1 1 ( b ) に示すように六角形状に構成してもよい。

[発明の第 6の実施形態]

前述の [発明の第 1の実施形態] から [発明の第 5の実施形態] に代えて、図 1 2 , 1 3， 1 4 , 1 5 , 1 6に示すように構成してもよい。

図 1 3， 1 4， 1 5に示すように、吸収部材 8は、正面視で長方形状の複数の面部 9、特に中央側において隣接する面部 9を接続する幅狭の複数の平面状接続部 2 3、外周側において面部 9の表面から反対側に突出するように折れ曲がりながら隣接する面部 9に：！:つて接続される幅狭の複数の折れ曲がり部 1 0を備えて構成されている。また、面部 9の外周部には、幅狭の複数の接続部 2 2が一体的に備えられており、この接続部 2 2は、折れ曲がり部 1 0と同様に接続部 2 2が面部 9の表面から反対側に突出するように折れ曲がって形成されている。そして、この接続部 2 2に平板状のフランジ部 1 1が一体的に備えられている。面部 9及びフランジ部 1 1には、小さな長方形状の開口 9 a， 1 1 aが形成されている。この場合、図 1 4及ぴ図 1 5に示すように、吸収部材 8の接続部 2 2の長さは、吸収部材 8の折れ曲がり部 1 0の長さよりも長いものになるように構成されている。したがって、吸収部材 8の接続部 2 2が面部 9の表面から反対側に突出する量は、吸収部材 8の折れ曲がり部 1 0が面部 9の表面から反対側に突出する量よりも大きくなるように構成されている。

図 1 3及ぴ図 1 4に示すように、吸収部材 8の下辺部、並びに右及び左の横辺部にはフランジ部 1 1及び接続部 2 2が備えられているが、吸収部材 8の上辺部にはフランジ部 1 1及び接続部 2 2は備えられていない。

図 1 3， 1 4 , 1 5に示すように、吸収部材 8の平板状接続部 2 3、折れ曲がり部 1 0及ぴ接続部 2 2は、下部パネル部 5の溝部 6に対して対向する位置に配置されている。また、溝部 6において最外側の溝部 6 a (吸収部材 8の接続部 2 2に対向する溝部 6 a ) を、内側の溝部 6 b (吸収部材 8の平板状接続部 2 3及び折れ曲がり部 1 0に対向する溝部 6 b ) よりも深くすることにより破断し易くしている。パッド部材 1 7 (図 5参照）を、吸収部材 8と下部エアバッグ 1 3との間に配置している。下部エアバッグ 1 3は、前述の [発明の第 1の実施形態] から [発明の第 3の実施形態] の下部エアバッグ 1 3よりも、少し大きなものに形成されている。下部パネル部 5の凸部 5 aを吸収部材 8のフランジ部 1 1の開口 1 1 aに揷入し、更に支持部材 1 2のフランジ部 1 2 aの開口に揷入して、下部パネル部 5の凸部 5 aを加熱して押し潰すことにより、下部パネル部 5の裏面に吸収部材 8のフランジ部 1 1と支持部材 1 2のフランジ部 1 2 aとが一緒に取り付けられている。これ以外の構造は、図 2及ぴ図 3に示す前記本発明の第 1の実施形態と同じである。

以上の構造により、車体に備えられた衝突センサ一が衝突を検出すると、インフレータ 1 4において点火器によりェンハンサ一が着火され、ェンハンサ一の燃焼によりガス発生剤が燃焼し、ガス発生剤から発生したガスが噴射口 1 4 aから外周方向に放射状に噴射される。そして、下部エアバッグ 1 3の周辺部から下部エアバッグ 1 3の中央部に向かってガスが流入し、下部エアバッグ 1 3が膨張して吸収部材 8を後方のシート 1側に押す。これにより、図 1 6に示すように、最外側の溝部 6 aが破断して吸収部材 8の折り曲がり部 1 0及ぴ接続部 2 2が伸ぴ、内側の溝部 6 bがあまり破断しない状態で、受け止め部分 7及ぴ吸収部材 8が後方のシート 1側に急速に移動する。

図 1 6に示すように、ィンストルメントパネル 2に吸収部材 8のフランジ部 1 1が連結されているので、受け止め部分 7及ぴ吸収部材 8が所定位置を越えて後方のシート 1側へ移動することが防止される。ここで、吸収部材 8及ぴ受け止め部分 7の下辺部並びに右及ぴ左の横辺部には接続部 2 2が存在するが、吸収部材 8及ぴ受け止め部分 7の上辺部には接続部 2 2が存在しない。したがって図 1 2 に示すように、下部エアバッグ 1 3が膨張して吸収部材 8を後方のシート 1側に押すのに伴って、ィンストルメントパネル 2と受け止め部分 7及び吸収部材 8との間に隙間が生じ、そこから下部エアバッグ 1 3が上方に展開する。

これにより、乗員の腰部がシート 1の座部 1 aに沿って前方に移動しょうとした際、受け止め部分 7及び吸収部材 8に乗員の右及び左の膝部 Aの付近が受け止められると、溝部 6 bの各々が折れ曲がり、乗員の右及び左の膝部 Aの付近に馴染むように受け止め部分 7の全体が凹状に変形する。これに伴って、受け止め部分 7と同様に、乗員の右及ぴ左の膝部 Aの付近に馴染むように吸収部材 8の全体が凹状に変形する。以上のようにして、乗員の右及び左の膝部 Aの付近以外の部分や、乗員の右及ぴ左の膝部 Aが受け止め部分 7から上方に外れた際の乗員の右及ぴ左の膝部 Aが、上方に膨張した下部エアバッグ 1 3の部分によって受け止められる。

[発明の第 7の実施形態]

前述の [発明の第 1の実施形態] から [発明の第 6の実施形態] に代えて図 1 7 , 1 8， 1 9， 2 0に示すように構成してもよい。

図 1 7， 1 8 , 1 9に示すように、下部パネル部 5の裏面には、 1本の溝部 6 が長方形状に形成されており、中央側には溝部 6は形成されていない。したがつて、下部パネル部 5には、 1つの長方形状の受け止め部分 7が形成されている。また、吸収部材 8は、正面視で長方形状の 1つの面部 9を備え、面部 9の外周部に幅狭の複数の接続部 2 2を一体的に備え、この接続部 2 2が面部 9の表面から反対側に突出するように折れ曲がつており、接続部 2 2に平板状のフランジ部 1 1を一体的に備えて構成されている。また、面部 9及ぴフランジ部 1 1には、小さな長方形状の開口 9 a， 1 1 aが形成されている。ここで、吸収部材 8の下辺部、並びに右及ぴ左の横辺部にはフランジ部 1 1及び接続部 2 2が備えられているが、吸収部材 8の上辺部にはフランジ部 1 1及び接続部 2 2は備えられていない。

図 1 7， 1 8 , 1 9に示すように、吸収部材 8の接続部 2 2は、下部パネル部 5の溝部 6に対してほぼ対向する位置に配置されている。また、パッド部材 1 7 (図 5参照）を、吸収部材 8と下部エアバッグ 1 3との間に配置している。下部エアバッグ 1 3は、前述の [発明の第 1の実施形態] から [発明の第 3の実施形態] の下部エアバッグ 1 3よりも、少し大きなものに形成されている。これ以外の構造は、図 2、 3に示す前記本発明の第 1の実施形態、及び図 1 4， 1 5に示す前記本発明の第 6の実施形態と同じである。

以上の構造により、車体に備えられた衝突センサ一が衝突を検出すると、インフレータ 1 4において点火器によりェンハンサ一が着火され、ェンハンサ一の燃焼によりガス発生剤が燃焼し、ガス発生剤から発生したガスが噴射口 1 4 aから外周方向に放射状に噴射される。そして、下部エアバッグ 1 3の周辺部から下部エアバッグ 1 3の中央部に向かってガスが流入し、下部エアバッグ 1 3が膨張して吸収部材 8を後方のシート 1側に押す。これにより、図 2 0に示すように、溝部 6が破断して吸収部材 8の接続部 2 2が伸ぴ、受け止め部分 7及ぴ吸収部材 8 力略平面状を維持しつつ後方のシート 1側に急速に移動する。ここで、受け止め部分 7及ぴ吸収部材 8が略平面状を維持するのは、受け止め部分 7に溝部 6が存在しないことによる。

図 2 0に示すように、ィンストルメントパネル 2に吸収部材 8のフランジ部 1 1が連結されているので、受け止め部分 J及び吸収部材 8が所定位置を越えて後方のシート 1側へ移動することが防止される。ここで、吸収部材 8及び受け止め部分 7の下辺部並びに右及ぴ左の横辺部には接続部 2 2が存在するが、吸収部材 8及び受け止め部分 7の上辺部には接続部 2 2が存在しない。したがって、下部エアバッグ 1 3が膨張して吸収部材 8を後方のシート 1側に押すのに伴って、ィンストルメントパネル 2と受け止め部分 7及び吸収部材 8 との間に隙間が生じ、そこから下部エアバッグ 1 3が上方に展開する。

これにより、乗員の腰部がシート 1の座部 1 aに沿って前方に移動しようとした際、受け止め部分 7及び吸収部材 8に乗員の右及ぴ左の膝部 Aの付近が受け止められると、乗員の右及ぴ左の膝部 Aの付近に馴染むように受け止め部分 7の全体が凹状に変形する。これに伴って、受け止め部分 7と同様に、乗員の右及び左の膝部 Aの付近に馴染むように吸収部材 8の全体が凹状に変形する。以上のようにして、乗員の右及び左の膝部 Aの付近以外の部分や、乗員の右及び左の膝部 A が受け止め部分 7から上方に外れた際の乗員の右及び左の膝部 Aが、上方に膨張した下部エアバッグ 1 3の部分によって受け止めらる。

[発明の第 8の実施形態]

前述の [発明の第 6の実施形態] 及ぴ [発明の第 7の実施形態] において図 2 1に示すように、ィンストルメントパネル 2の運転者のシート 1側の部分でステァリングハンドル 3の基部 3 aの右横側に、受け止め部分 7を配置した場合、吸収部材 8の上及ぴ下辺部、並びに右の横辺部にはフランジ部 1 1及ぴ接続部 2 2 を備えるが、吸収部材 8の左の横辺部にはフランジ部 1 1及ぴ接続部 2 2を備えないように構成する。

したがって、下部エアバッグ 1 3が膨張すると、図 2 1に示すように下部エアバッグ 1 3が吸収部材 8を後方のシート 1側に押すのに伴って、インストルメントパネル 2と受け止め部分 7及ぴ吸収部材 8との間に隙間が生じ、そこから下部エアバッグ 1 3が左方に展開する。これにより、乗員の腰部がシート 1の座部 1 aに沿って前方に移動しようとした際、受け止め部分 7及び吸収部材 8に乗員の右の膝部 Aの付近が受け止められ、乗員の右及ぴ左の膝部 Aの付近以外の部分や乗員の左の膝部 Aの付近が、左方に膨張した下部エアバッグ 1 3の部分によって受け止められる。

なお、前述の図 2 1に示す構造において、下部エアバッグ 1 3が左方に展開するのに加えて上方にも展開するように、例えば正面視で逆 L字状に展開するように構成し、上方に展開した下部エアバッグ 1 3により、キーシリンダ 2 4を覆うように構成してもよい。

[発明の第 9の実施形態]

前述の [発明の第 7の実施形態] において、図 2 2及ぴ図 2 3に示すように、吸収部材 8の上及ぴ下辺部、並びに右及ぴ左の横辺部にフランジ部 1 1及び接続部 2 2を備え、下部エアバッグ 1 3を前述の [発明の第 1の実施形態 J から [発明の第 3の実施形態] の下部エアバッグ 1 3と同じ大きさに構成してもよい。これにより、下部エアバッグ 1 3が膨張すると、この下部エアバッグ 1 3により、受け止め部分 7及ぴ吸収部材 8が略平面状を維持しつつ後方のシー卜 1側に急速に移動するが、下部エアバッグ 1 3は上方や横方に展開することはない。ここで、受け止め部分 7及び吸収部材 8が略平面状を維持するのは、受け止め部分 7に溝部 6が存在しないことによる。

[発明の第 1 0の実施形態]

前述の [発明の第 1の実施形態] から [発明の第 9の実施形態] において、下部パネル部 5及ぴ受け止め部分 7の凸部 5 a , 7 aを廃止し、吸収部材 8の面部 9及びフランジ部 1 1の開口 9 a， 1 1 aを廃止して、接着剤により吸収部材 8 の面部 9及ぴフランジ部 1 1を下部パネル部 5及び受け止め部分 7の裏面に接着するように構成してもよい。 [発明のその他の実施形態]

前述の [発明の第 1の実施形態] から [発明の第 9の実施形態] において、ィンストルメントパネル 2と下部パネル部 5とを別体に構成するのではなく、インストルメントネル 2に下部パネル部 5を一体的に形成してもよい。

また、溝部 6 , 6 a , 6 bに換えて、ミシン目状に所定間隔を置いて配置されたスリット等により、受け止め部分 7を下部パネル部 5に一体的に形成してもよレ、。

また、本発明は運転者のシート 1 (運転席）に対してばかりではなく、助手席 (図示せず）に対して適用することも可能である。

また、前述の [発明の第 1の実施形態] 及び [発明の第 2の実施形態] から [発明の第 9の実施形態] において、布体を縫い合わせて下部エアバッグ 1 3を構成してもよい。産業上の利用可能性

本発明に係る車両のインストルメントパネル構造は、車体に大きな衝撃が作用した際に、乗員の膝部付近を受け止めて乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動することを抑えることにより、エアパッグにより乗員の上半身を受け止める際の有効性を高めることができるとともに、乗員の膝部付近に作用する衝撃を受け止めることもできるので、乗用車や商用車、バス等の車両において乗員を保護する保護装置として好適に利用可能である。

Claims

請求の範囲

1. 合成樹脂製のインストルメントパネル（2) の下部に、前記インストルメントパネル（2) から分離可能な受け止め部分（7) を備え、

大きな衝撃が車体に作用すると、前記受け止め部分（7) を前記インストルメントパネル (2) から分離させて後方のシート（1) 側に急速に移動させる移動手段を備えると共に、塑性変形自在な金属製又は強化合成樹脂製の吸収部材 (8) を前記受け止め部分（7) の裏面に取り付けた車両のインストルメントパネル構造。

2. 互いに所定間隔を置いて配置された複数の面部（9) と、前記面部（9) から突出するように折れ曲がりながら隣接する前記面部（9) に！:つて接続される折れ曲がり部（1 0) とを備えて、前記吸収部材（8) を構成し、

前記吸収部材（8) の面部（9) が前記受け止め部分（7) の裏面に接触し、前記吸収部材（8) の折れ曲がり部（1 0) が前記受け止め部分（7) の裏面から離れる側に突出するように、前記吸収部材（8) を前記受け止め部分（7) の裏面に取り付けた請求項 1に記載の車両のインストルメントパネル構造。

3. 前記移動手段により前記受け Ihめ部分（7) が前記インストルメントパネル（2) から分離されて後方のシート（1) 側に移動した際、所定位置を越えての前記受け止め部分（7) の後方のシート（.1) 側への移動を阻止する阻止手段を備えた請求項 1に記載の車両のィンストルメントパネル構造。

4. 前記吸収部材（8) の外周部に接続部（2 2) を備え、前記受け止め部分 (7) が前記インストルメントパネル（2) から分離される前の状態で、前記接続部（2 2) を前記受け止め部分（7) の裏面から離れる側に突出するように折り曲げながら前記インストルメントパネル（2) に接続することによって、前記阻止手段を構成した請求項 3に記載の車両のインストルメントパネル構造。

5. 前記受け止め部分（7) を複数の小部分に分離可能に構成した請求項 1から 4のうちのいずれか 1項に記載の車两のィンストルメントパネル構造。

6. エアバッグ（1 3) 及び前記エアバッグ（1 3) を急速に膨張させるインフレータ（14) を、前記受け止め部分（7) の裏面側に備え、前記エアバッグ（_{1 3}) 及びィンフレータ (14) により前記移動手段を構成した請求項 1に記載の車両のィンストルメントパネル構造。

7. 前記エアバッグ（1 3) が膨張することにより、前記受け止め部分（7) が前記インストルメントパネル（2) から分離されて後方のシート（1) 側に移動した際、前記インストルメントパネル（2) と受け止め部分（7) との間から、前記エアバッグ（1 3) が外方に展開するように構成した請求項 6に記載の車両のィンストノレメントパネル構造。

8. 前記エアバッグ（1 3) をブロー成形された合成樹脂によって構成した請求項 6に記載の車両のィンストルメントパネル構造。

9. 前記吸収部材（8) とエアバッグ（1 3) との間にパッド部材（1 7).を配置した請求項 6から 8のうちのいずれか 1項に記載の車両のィンストルメントパネル構造。