JPH0986318A - グローブボックス構造 - Google Patents

グローブボックス構造

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JPH0986318A
JPH0986318A JP7247720A JP24772095A JPH0986318A JP H0986318 A JPH0986318 A JP H0986318A JP 7247720 A JP7247720 A JP 7247720A JP 24772095 A JP24772095 A JP 24772095A JP H0986318 A JPH0986318 A JP H0986318A
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absorbing
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝撃エネルギー吸収機能の向上、乗員の傷害
低減の向上並びにその信頼性の向上を図る。 【解決手段】 前面壁4内には、ハニカム状の第1衝撃
吸収手段14が前面壁4のベース壁10に一体成形され
ている。第1衝撃吸収手段14は、縦リブ20の自由端
部20aから成る初期段階吸収機構16と、縦リブ20
の基端部20bと横リブ22とから成る最終段階吸収機
構18とから構成されている。初期段階吸収機構16の
剛性をG1、最終段階吸収機構18の剛性をG2、第2衝
撃吸収手段としての側壁8,8の剛性をG3とした場
合、G1<G3<G2を関係を満たすように設定されてい
る。これによって、先ず、膝Nの位置ずれを拘束する初
期段階吸収機構16の塑性変形が生じ、続いて側壁8,
8の変形が生じ、最後に最終段階吸収機構18の変形が
生じる、という3段階衝撃吸収変形を呈する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のインストル
メントパネルに形成されるグローブボックスに係り、詳
しくは、衝突事故等における衝撃を吸収する機能を有す
るグローブボックス構造に関する。
【0002】
【従来の技術】グローブボックスはインストルメントパ
ネルの下部に位置するが、車両の衝突時には乗員の膝が
当たる対象部位となる。このため、乗員の傷害を低減す
るために衝撃エネルギーを吸収する構造が採用されてい
る。グローブボックスの基本構造は、図8に示すよう
に、乗員の座席前方に対面する前面壁30と、この前面
壁30から車両前方(矢印F方向)へ間隔をおいて位置
する後面壁32と、前面壁30と後面壁32との間で車
両の前後方向に延びる側壁34,34とから構成されて
いる。
【0003】前面壁30の変形によって衝撃エネルギー
を吸収する構造とすると、前面壁30のくの字変形によ
る、それ以上変形しないいわゆる「底づき」によって大
きな反力が生じることから、前面壁30の剛性を側壁3
4の剛性より大きくし、図9に示すように、膝Nが当た
った場合、側壁34の変形によって衝撃エネルギーを吸
収する構造が採用されている。図9中、符号36は車体
固定部材を示す。また、図10に示すように、両側壁3
4,34に沿って、衝撃時に変形を一定方向(車両の高
さ方向)に誘発するように形成された板金アブソーバ3
8を設けて当該板金アブソーバ38で衝撃エネルギーを
吸収する構造も採用されている。この場合にも前面壁3
0の剛性が板金アブソーバ38の剛性を上回るように設
定されている。上記考えに基づく前面壁30の剛性アッ
プにおいては、図11に示すように、前面壁30内に板
金のインサート40を入れ込む手法が採用されている。
これらの剛性の差に基づく荷重に対する変形の相違を図
12に示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の衝撃エネルギー吸収構造では、図12に示すよう
に、前面壁30の剛性が大きいが故に、また、前面壁3
0が傾斜面を有するため、図13に示すように、前面壁
30に衝突した瞬間に球面状の膝Nのすべりが生じ易
い。この種のグローブボックスでは、本来、膝Nが前面
壁30に衝突し、そのまま直線的に衝撃荷重W1が作用
した場合に側壁等が座屈変形等によって衝撃を吸収する
ように設計されている。このため、膝Nがすべって方向
がずれた衝撃荷重W2が作用した場合には衝撃吸収のた
めの変形が起こりにくく、この場合、グローブボックス
は本来の衝撃エネルギー吸収機能を発揮せず、膝Nに対
して剛体として作用する。このように、衝撃エネルギー
吸収機能を得るために前面壁の剛性を向上させたが故に
これに起因する新たな問題を抱えている現状にある。
【0005】本発明は、膝のすべりを生じることなく良
好な衝撃エネルギー吸収機能を得ることができ、乗員の
傷害低減における信頼性の向上並びに衝撃エネルギー吸
収機能の向上を図ることができるグローブボックス構造
の提供を、その目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明は、前面壁の剛性を確保しつつ前面壁の部分的塑
性変形によって膝の位置ずれを規制し、その後側壁等の
衝撃吸収のための変形に移行させる、という考えに基づ
いている。具体的には、請求項1記載の発明では、車両
のインストルメントパネルに設けられ乗員の座席前方に
位置する前面壁と後面壁及びこれら両壁間で車両前後方
向に延びて形成される側壁とを有するグローブボックス
構造において、上記前面壁に設けられ所定値以上の衝撃
荷重が作用したとき塑性変形するように形成された第1
衝撃吸収手段と、上記側壁に設けられ上記前面壁への衝
撃荷重によって塑性変形されるように形成された第2衝
撃吸収手段とを有する、という構成を採っている。
【0007】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
構成において、上記第1衝撃吸収手段は、上記前面壁に
設けられ所定値以上の衝撃荷重が作用したときに先ず塑
性変形する初期段階吸収機構と、当該初期段階吸収機構
に続く上記第2衝撃吸収手段のエネルギー吸収作用に続
いて上記衝撃エネルギーを吸収する最終段階吸収機構と
を有する、という構成を採っている。請求項3記載の発
明では、請求項2記載の構成において、上記第1衝撃吸
収手段はハニカム状に形成されている、という構成を採
っている。請求項4記載の発明では、請求項2記載の構
成において、上記最終段階吸収機構は上記初期段階吸収
機構に続く上記第2衝撃吸収手段のエネルギー吸収作用
中及び作用終了後において上記衝撃エネルギーを吸収す
るように設定されている、という構成を採っている。請
求項5記載の発明では、請求項2記載の構成において、
上記最終段階吸収機構は、上記初期段階吸収機構に続く
上記第2衝撃吸収手段のエネルギー吸収作用の完了後に
おいて上記衝撃エネルギー吸収作用を開始するように設
定されている、という構成を採っている。請求項6記載
の発明では、請求項2記載の構成において、上記初期段
階吸収機構は、乗員の衝突による所定値以上の衝撃荷重
が作用したときに当該乗員の衝突した部位が位置ずれし
ないように拘束するように設定されている、という構成
を採っている。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1乃至図5に基
づいて説明する。図1及び図2に示すように、グローブ
ボックス2は、乗員の座席前方に位置する前面壁4と後
面壁6及び側壁8,8とから構成されている。前面壁4
は、ベース壁10と、このベース壁10の座席側に取付
けられる表面板12とから構成される中空構造に形成さ
れている。前面壁4内には、所定値以上の衝撃荷重が作
用したときに塑性変形する第1衝撃吸収手段14が形成
されており、この第1衝撃吸収手段14は、ベース壁1
0に同じ合成樹脂でハニカム状に一体成形されている。
なお、第1衝撃吸収手段14がベ−ス壁10と別体に形
成されていてもよいことはもちろんである。(請求項
3) 側壁8,8は、前面壁4への衝撃荷重によって塑性変形
する第2衝撃吸収手段としてなる。なお、図1では表面
板12を取り除いた状態を示している。
【0009】第1衝撃吸収手段14は、所定値以上の衝
撃荷重が作用したときに他に先駆けて塑性変形する初期
段階吸収機構16と、最終段階吸収機構18とから構成
されている(請求項2)。初期段階吸収機構16は、ハ
ニカムを構成する複数の縦リブ20の自由端部20aの
集合体として構成されており、最終段階吸収機構18
は、縦リブ20の基端部20bと、ハニカムの他の構成
要素である横リブ22の集合体として構成されている。
初期段階吸収機構16の剛性をG1、最終段階吸収機構
18の剛性をG2、第2衝撃吸収手段としての側壁8,
8の剛性をG3とした場合、G1<G3<G2を関係を満た
すように設定されており、全体として3段階の衝撃吸収
動作を得るようになっている。
【0010】次に、車両の衝突時におけるグローブボッ
クス2による衝撃エネルギーの吸収動作を説明する。衝
突した場合、図3に示すように、慣性によって乗員が車
両前方側(矢印F方向)へ移動して膝Nが前面壁4の表
面板12に当たり、衝撃荷重によって表面板12が弾性
変形する(図5におけるA域)。続いて、表面板12の
変形によって初期段階吸収機構16が衝撃荷重を受けて
塑性変形する(図5におけるB域)。この初期塑性変形
によって、前面壁4に膝Nがフィットする窪み24が形
成され、膝Nは前面壁4に対して位置ずれしない状態に
拘束される(請求項6)。
【0011】さらに衝撃荷重が前方へ進行すると、図4
に示すように、最終段階吸収機構18はそのままの状態
で、側壁8,8の塑性変形に連続的に移行する(図5に
おけるC域)。側壁8,8の変形はある程度進行する
と、それ以上変形しない底づき状態となる(図5におけ
るD域)。続いて、最終段階吸収機構18が衝撃荷重を
受けて変形する(図5におけるE域)。なお、この実施
例では、最終段階吸収機構18の剛性を、第2衝撃吸収
手段としての側壁8,8が衝撃エネルギーを吸収する作
用を完了した後に衝撃エネルギーを吸収する変形が始ま
るように設定したが(請求項5)、側壁8,8が衝撃エ
ネルギーを吸収する作用を呈している途中から始まるよ
うに設定してもよい(請求項4)。
【0012】上述のように、初期段階吸収機構16の剛
性設定は、膝Nの位置ずれを規制することを主目的とし
ているが、同時に、低い剛性の下の変形ストロークの存
在によって、膝Nが受ける反力の立ち上がりを緩やかに
でき、乗員の傷害低減に大きく寄与している。膝Nの位
置ずれを拘束した後は、従来と同様に側壁8,8の変形
によって衝撃エネルギーを吸収する構成であるので、前
面壁4全体の剛性は維持される。前面壁4の剛性を維持
しながら、側壁8,8の変形によるストロークに加え
て、前面壁4における第1衝撃吸収手段14の変形(ハ
ニカム変形)によるストロークを得ることができるの
で、衝撃エネルギーの吸収機能を向上させることができ
る。
【0013】上記実施例では、第1衝撃吸収手段14の
変形主体ともいうべき縦リブ20の厚みを一定とし、横
リブ22の存在によって初期段階吸収機構16と最終段
階吸収機構18との剛性に差を設けたが、例えば図6に
示すように、薄肉部としての自由端部26aと、厚肉部
としての基端部26bとから成る縦リブ26を用いれ
ば、縦リブ26のみで剛性の異なる吸収機構を構成する
ことができる。また、図7に示すように、縦リブ20と
横リブ22の接続部にR部を形成することによって、最
終段階吸収機構18の一観点からの剛性調整(剛性アッ
プ)を図ることもできる。また、図2に二点鎖線で示す
ように、表面板12の内面に突起12aを形成して初期
段階吸収機構16の表面板12との接触時のずれを防止
する構成とすることもできる。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、前面壁の全体的剛性を
維持しながら、所定値以上の衝撃荷重が作用した時に前
面壁の一部が塑性変形するとともに、続いて第2衝撃吸
収手段(側壁)が塑性変形する多段階変形構成としたの
で、衝撃エネルギーを吸収するための変形ストロークを
大きくすることができ、よって衝撃エネルギーの吸収機
能を向上させることができる。また、前面壁の初期塑性
変形によって乗員の膝の位置ずれを拘束できるとともに
膝が受ける反力の立ち上がりを緩やかにできるので、乗
員の傷害低減機能の向上並びにその信頼性の向上を図る
ことができる。また、第1衝撃吸収手段を前面壁に樹脂
で一体成形する場合には、従来の板金インサート等の手
法に比べて軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すグローブボックス構造
の一部省略の斜視図である。
【図2】図1のS−S線での要部断面図である。
【図3】衝突時の変形動作を示す図で、初期段階吸収機
構が潰れている状態を示す概要断面図である。
【図4】衝突時の変形動作を示す図で、第2衝撃吸収手
段が変形した後に続いて最終段階吸収機構が潰れている
状態を示す概要断面図である。
【図5】グローブボックス全体の変形過程を示すグラフ
である。
【図6】第1衝撃吸収手段の変形例を示す要部断面図で
ある。
【図7】第1衝撃吸収手段の他の変形例を示す要部側面
図である。
【図8】従来例を示す斜視図である。
【図9】従来例における側壁吸収タイプの概要平面図で
ある。
【図10】従来例における板金アブソーバ吸収タイプの
概要平面図である。
【図11】従来例における前面壁の剛性アップ構造を示
す図8のS−S線での要部断面図である。
【図12】従来例における前面壁と衝撃エネルギー吸収
部分との剛性を比較したグラフである。
【図13】従来例における前面壁に対する膝の位置すれ
を示す概要側面図である。
【符号の説明】
4 前面壁 6 後面壁 8 第2衝撃吸収手段としての側壁 14 第1衝撃吸収手段 16 初期段階吸収機構 18 最終段階吸収機構

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両のインストルメントパネルに設けられ
    乗員の座席前方に位置する前面壁と後面壁及びこれら両
    壁間で車両前後方向に延びて形成される側壁とを有する
    グローブボックス構造において、 上記前面壁に設けられ所定値以上の衝撃荷重が作用した
    とき塑性変形するように形成された第1衝撃吸収手段
    と、 上記側壁に設けられ上記前面壁への衝撃荷重によって塑
    性変形されるように形成された第2衝撃吸収手段と、を
    有することを特徴とするグローブボックス構造。
  2. 【請求項2】上記第1衝撃吸収手段は、上記前面壁に設
    けられ所定値以上の衝撃荷重が作用したときに先ず塑性
    変形する初期段階吸収機構と、当該初期段階吸収機構に
    続く上記第2衝撃吸収手段のエネルギー吸収作用に続い
    て上記衝撃エネルギーを吸収する最終段階吸収機構とを
    有することを特徴とする請求項1記載のグローブボック
    ス構造。
  3. 【請求項3】上記第1衝撃吸収手段はハニカム状に形成
    されたことを特徴とする請求項2記載のグローブボック
    ス構造。
  4. 【請求項4】上記最終段階吸収機構は上記初期段階吸収
    機構に続く上記第2衝撃吸収手段のエネルギー吸収作用
    中及び作用終了後において上記衝撃エネルギーを吸収す
    ることを特徴とする請求項2記載のグローブボックス構
    造。
  5. 【請求項5】上記最終段階吸収機構は、上記初期段階吸
    収機構に続く上記第2衝撃吸収手段のエネルギー吸収作
    用の完了後において上記衝撃エネルギー吸収作用を開始
    することを特徴とする請求項2記載のグローブボックス
    構造。
  6. 【請求項6】上記初期段階吸収機構は、乗員の衝突によ
    る所定値以上の衝撃荷重が作用したときに当該乗員の衝
    突した部位が位置ずれしないように拘束することを特徴
    とする請求項2記載のグローブボックス構造。
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