JP3946110B2 - 車両のインストルメントパネル構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車や商用車、バス等の車両において、シートの前方に位置するインストルメントパネルの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
乗員がシートに着座した状態で車両が衝突すると、このときの前方への慣性力により、乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動しながら、乗員の腰部を支点として乗員の上半身が前方に倒れようとする。
このような状態において、乗員の前方に配置されたエアバッグが乗員の上半身を受け止める場合、乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動した分だけ、乗員の上半身がエアバッグに接近することになるので、乗員の上半身が前方に倒れ始めると乗員の上半身が速くエアバッグに達することになる。言い換えると、乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動した分だけ、乗員の上半身の前方への倒れストロークが小さくなり、エアバッグは前述の小さくなった乗員の上半身の前方への倒れストロークで衝撃を吸収しなければならなくなるので、エアバッグによる乗員の衝撃吸収と言う面で好ましくない。
【0003】
従って、乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動する状態を抑えることにより、乗員の上半身の前方への倒れストロークが小さくならない状態で、エアバッグが乗員の上半身を受け止めるようにすることが要求されている。
この場合、例えば特開平11−139233号公報に開示されているように、インストルメントパネルの下部の内側に下部エアバッグを配置して、下部エアバッグを膨張させることにより、インストルメントパネルの一部を分離させて後方のシート側に移動させるように構成したものがある。これにより、分離したインストルメントパネルの一部により、乗員の膝部付近が受け止められて、乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動する状態が抑えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術に記載のように、インストルメントパネルの一部を分離させて後方のシート側に移動させるように構成した場合、乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動する状態を抑えると言う点に加えて、乗員の膝部付近がインストルメントパネルの一部に受け止められた際に、乗員の膝部付近に掛かる衝撃を抑えると言う点も重要なものとなっている。
この場合、乗員の膝部付近がインストルメントパネルの一部に受け止められた際に、インストルメントパネルの一部が変形することにより、乗員の膝部付近に掛かる衝撃が吸収されることが期待される。
【0005】
しかしながら、インストルメントパネルは合成樹脂で構成されているので、乗員の膝部付近がインストルメントパネルの一部に受け止められた際に、インストルメントパネルの一部が直線的に折れ曲がったりすることがあるので(前記特開平11−139233号公報の図6参照)、乗員の膝部付近に掛かる衝撃を抑えると言う点で改善の余地がある。
本発明は車両のインストルメントパネル構造において、大きな衝撃が車体に掛かった際に、乗員の膝部付近を受け止めて乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動する状態を抑えながら、乗員の膝部付近に掛かる衝撃を抑えることができるように構成することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
[I]
請求項1の特徴によると、合成樹脂製のインストルメントパネルの下部に、インストルメントパネルから分離可能な受け止め部分を備えて、大きな衝撃が車体に掛かると、受け止め部分を押してインストルメントパネルから分離させて後方のシート側に移動させるエアバッグ、及びエアバッグを急速に膨張させるインフレータを受け止め部分の裏面側に備えており、塑性変形自在な金属製の吸収部材を受け止め部分の裏面に取り付けている。
【0007】
これにより、請求項1の特徴によると、大きな衝撃が車体に掛かり、乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動しようとした際、エアバッグ及びインフレータにより受け止め部分がインストルメントパネルから分離し後方のシート側に急速に移動して、受け止め部分により乗員の膝部付近が受け止められて、乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動する状態が抑えられる。
【0008】
[II]
前項[I]に記載の状態において、請求項1の特徴によると、塑性変形自在な金属製の吸収部材を受け止め部分の裏面に取り付けているので、受け止め部分により乗員の膝部付近が受け止められると、受け止め部分と一緒に吸収部材が塑性変形しようとする。これにより、請求項1の特徴によると、主に吸収部材が塑性変形することによって、乗員の膝部付近に馴染むように受け止め部分及び吸収部材が凹状に変形するのであり、乗員の膝部付近に掛かる衝撃が吸収される。
【0009】
この場合、請求項1の特徴によると、吸収部材が受け止め部分の裏面に直接に取り付けられており、吸収部材が受け止め部分に支持された状態となっているので、インストルメントパネルの内側の固定部に支持部材を設けて、支持部材に吸収部材を支持させると言うように構成する必要がない(支持部材を備えたとしても、小規模の支持部材でよい)。
【0010】
[III]
請求項1の特徴によると、互いに所定間隔を置いて配置された複数の面部と、面部から突出するように折れ曲がりながら隣接する面部に亘って接続される折れ曲がり部とを備えて、吸収部材を構成しており、吸収部材の面部が受け止め部分の裏面に接触し、吸収部材の折れ曲がり部が受け止め部分の裏面から離れる側に突出するように、吸収部材を受け止め部分の裏面に取り付けている。
【0011】
これにより請求項1の特徴によると、前項[I][II]に記載のように、受け止め部分により乗員の膝部付近が受け止められて、受け止め部分が凹状に変形しようとすると、吸収部材の面部及び折れ曲がり部において、吸収部材の隣接する面部が互いに引き離されながら(又は互いに接近させられながら)、吸収部材の折れ曲がり部が曲げられたり延ばされたりして、吸収部材が塑性変形していく。請求項1の特徴のように、複数の折れ曲がり部を吸収部材に備えることにより、単純な1枚の平板状の吸収部材に比べて、吸収部材が乗員の膝部付近に馴染むように塑性変形し易くなる。
【0012】
この場合、請求項1の特徴によると、吸収部材が金属製であるので、吸収部材の折れ曲がり部の形状(例えば吸収部材の折れ曲がり部をどの程度の半径で曲げるか、吸収部材の隣接する面部の所定間隔をどの程度に設定するか、吸収部材の折れ曲がり部の長さ(吸収部材の面部から突出する長さ)をどの程度に設定するか等)を変更することによって、吸収部材の折れ曲がり部の曲がり強度を任意に設定することができるのであり、乗員の膝部付近に掛かる衝撃の吸収具合を任意に設定することが可能になる。
【0013】
請求項1の特徴によると、吸収部材の面部が受け止め部分の裏面に接触して取り付けられており、吸収部材の折れ曲がり部が受け止め部分の裏面から離れる側に突出する程度に抑えられているので、吸収部材の配置の為に占めるスペースは大きなものにならない。
【0014】
[IV]
請求項1の特徴によると、前項[III]に記載のように、互いに所定間隔を置いて配置された複数の面部と、面部から突出するように折れ曲がりながら隣接する面部に亘って接続される折れ曲がり部とを備えて、吸収部材を構成した場合に、受け止め部分の外周部側に位置する折れ曲がり部の長さが、受け止め部分の中央部側に位置する折れ曲がり部の長さよりも長くなるように構成している。
【0015】
これにより、請求項1の特徴によると、移動手段により受け止め部分がインストルメントパネルから分離し後方のシート側に急速に移動する際、受け止め部分の外周部側に位置する吸収部材の折れ曲がり部の曲がり量(延び量)が、受け止め部分の中央部側に位置する吸収部材の折れ曲がり部の曲がり量(延び量)よりも大きくなり易い。言い換えると、折れ曲がり部の折れ曲がり(延び)による吸収部材の中央部側の変位に比べて、折れ曲がり部の折れ曲がり(延び)による吸収部材の外周部側の変位が大きなものとなり易い。
【0016】
従って、請求項1の特徴によると、エアバッグ及びインフレータにより受け止め部分がインストルメントパネルから分離し後方のシート側に急速に移動する場合、受け止め部分(吸収部材)の中央部側が膨らんで、受け止め部分(吸収部材)が全体的に球面状になろうとしても、前述のように折れ曲がり部の折れ曲がり(延び)による吸収部材の中央部側の変位に比べて、折れ曲がり部の折れ曲がり(延び)による吸収部材の外周部側の変位が大きなものとなり易い点によって、受け止め部分(吸収部材)の中央部側よりも、受け止め部分(吸収部材)の外周部側が後方のシート側に変位し易くなり、受け止め部分(吸収部材)の中央部側が膨らみ難い(受け止め部分(吸収部材)が平面状になり易い)。
【0017】
【0018】
[V]
これによって、請求項1の特徴によると、インフレータによってエアバッグが膨張することにより、受け止め部分及び吸収部材が押されて、受け止め部分がインストルメントパネルから分離し後方のシート側に急速に移動する。この場合、膨張したエアバッグにより受け止め部分及び吸収部材の全体が略均等に押されて支持されるような状態となるので、前項[II][III]に記載のように、受け止め部分により乗員の膝部付近が受け止められると、受け止め部分及び吸収部材が偏りなく凹状に変形し易い(例えば部分的に凹状に変形し難い部分が生じたり、部分的に凹状に変形し易い部分が生じたりするようなことが少ない)。
【0019】
【0020】
[VI]
請求項1の特徴によると、吸収部材とエアバッグとの間にパッド部材を配置している。これにより前項[V]に記載のように、インフレータによってエアバッグが膨張することにより、受け止め部分及び吸収部材が押されて、受け止め部分がインストルメントパネルから分離し後方のシート側に急速に移動する場合、エアバッグに対してパッド部材の硬さを適切なものに設定することにより、受け止め部分及び吸収部材を略平面状のままで(エアバッグの膨張により凸状に変形させられずに)、後方のシート側に移動させることが可能になる。
又、受け止め部分及び吸収部材が凹状に変形することによってだけでは、乗員の膝部付近に掛かる衝撃の吸収が充分に行われないような場合、パッド部材によっても乗員の膝部付近に掛かる衝撃が吸収されるように構成することが可能である。
【0021】
[VII]
請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前項[I]〜[VI]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
請求項2の特徴によると、エアバッグをブロー成形された合成樹脂によって構成しているので、布体を縫い合わせてエアバッグを構成する場合に比べて、生産コストの低減の面で有利なものとなる。
[VIII]
請求項3の特徴によると、請求項1又は2の場合と同様に前項[I]〜[VII]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
請求項3の特徴によると、受け止め部分を複数の小部分に分離可能に構成している。これにより、受け止め部分がインストルメントパネルから分離し後方のシート側に急速に移動する場合、受け止め部分が複数の小部分に分離すれば、受け止め部分が吸収部材の塑性変形を規制するような状態が生じ難くなるので、受け止め部分及び吸収部材が乗員の膝部付近に良く馴染むようになる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1(イ)に示すように、運転席1の前方にインストルメントパネル2及びステアリングハンドル3が備えられ、ステアリングハンドル3の内部にエアバッグ4が備えられている。合成樹脂製のインストルメントパネル2においてステアリングハンドル3の下側に、合成樹脂製の下部パネル部5が備えられている。
【0023】
図2,3,4に示すように、下部パネル部5の裏面に複数の溝部6が縦向き及び横向きに格子を描くように形成されており、最外側の溝部6によって囲まれた長方形状の受け止め部分7が、下部パネル部5に形成されている。下部パネル部5の裏面の外周部分及び受け止め部分7の裏面に、多数の凸部5a,7aが一体的に形成されている。
【0024】
図2,3,4に示すように、金属製の薄い板金材にプレス加工を施すことによって、吸収部材8が構成されている。正面視で長方形状の複数の面部9が備えられ、中央側において幅狭の複数の平面状の接続部10により隣接する面部9が接続されており、外周側において面部9の表面から反対側に突出するように折れ曲がった幅狭の複数の第1折れ曲がり部11により、隣接する面部9が接続されている。第1折れ曲がり部11よりも外側において、面部9の表面から反対側に突出するように折れ曲がった幅狭の複数の第2折れ曲がり部12が面部9に備えられ、平板状のフランジ部13が第2折れ曲がり部12に接続されている。面部9及びフランジ部13に小さな長方形状の開口9a,13aが形成されている。
【0025】
この場合、図3及び図4に示すように、吸収部材8の第1折れ曲がり部11の長さよりも、吸収部材8の第2折れ曲がり部12の長さが、長いものになるように構成されており、吸収部材8の第1折れ曲がり部11が面部9から反対側に突出する量よりも、吸収部材8の第2折れ曲がり部12が面部9から反対側に突出する量が、大きなものになるように構成されている。
【0026】
以上の構造により、図2,3,4に示すように、下部パネル部5の凸部5aを吸収部材8のフランジ部13の開口13aに挿入し、受け止め部分7の凸部7aを吸収部材8の面部9の開口9aに挿入して、吸収部材8の面部9及びフランジ部13を下部パネル部5及び受け止め部分7の裏面に接触させ、下部パネル部5の凸部5a及び受け止め部分7の凸部7aを加熱して押し潰すことによって、下部パネル部5及び受け止め部分7の裏面に吸収部材8を取り付ける。この状態において、吸収部材8の接続部10、第1及び第2折れ曲がり部11,12に対向するように、溝部6が配置されている。吸収部材8の第1及び第2折れ曲がり部11,12が、下部パネル部5及び受け止め部分7の裏面から離れる側に突出する状態となる。
【0027】
図3及び図4に示すように、金属製の板材を箱状に折り曲げて構成された支持部材14が備えられており、下部エアバッグ15が支持部材14に取り付けられて、下部エアバッグ15の内部にインフレータ16が備えられている。下部エアバッグ15は、ブロー成形された合成樹脂によって構成され折り畳まれて、支持部材14に取り付けられている。インフレータ16は、内部に点火器(図示せず)、エンハンサー(図示せず)及びガス発生剤(図示せず)が充填されて構成されている。支持部材14の外周部にフランジ部14aが備えられ、フランジ部14aに小さな長方形状の開口(図示せず)が形成されている。ウレタン材等のパッド部材17(所定の厚みを備えた平板状)が、吸収部材8と下部エアバッグ15との間に配置されている。
【0028】
これにより、前述のように下部パネル部5の凸部5aを吸収部材8のフランジ部13の開口13aに挿入し、支持部材14のフランジ部14aの開口に挿入して、下部パネル部5の凸部5aを加熱して押し潰すことにより、下部パネル部5の裏面に吸収部材8のフランジ部13と支持部材14のフランジ部14aとが一緒に取り付けられている。
【0029】
以上の構造により、車体に備えられた衝突センサー(図示せず)が衝突を検出すると、インフレータ16において点火器によりエンハンサーが着火され、エンハンサーの燃焼によりガス発生剤が燃焼し、ガス発生剤から発生したガスがインフレータ16から噴射される。下部エアバッグ15の周辺部から下部エアバッグ15の中央部に向かってガスが流入し、下部エアバッグ15が膨張して受け止め部分7、吸収部材8及びパッド部材17を後方の運転席1側(図3の紙面右方)に押す。
【0030】
これにより、図3から図1(ロ)及び図5に示すように、最外側の溝部6が破断し、吸収部材8の第1及び第2折れ曲がり部11,12が延ばされ(塑性変形されて)、受け止め部分7、吸収部材8及びパッド部材17が、略平面状のままで後方の運転席1側に急速に移動する状態となる。この場合、吸収部材8の第1及び第2折れ曲がり部11,12が延びることによって、吸収部材8の第1及び第2折れ曲がり部11,12に対向する溝部6が破断するのであり、吸収部材8の接続部10に対向する溝部6は破断し難い(吸収部材8の接続部10は折れ曲がるが延びることはないことによる)。これと同時に図1(ロ)に示すように、ステアリングハンドル3に備えられたエアバッグ4が膨張する。
【0031】
図1(ロ)及び図5に示すように受け止め部分7、吸収部材8及びパッド部材17が後方の運転席1側に急速に移動した状態で、乗員の腰部が運転席1の座部1aに沿って前方に移動しようとした際、受け止め部分7、吸収部材8及びパッド部材17に乗員の右及び左の膝部Aの付近が受け止められて、乗員の腰部が運転席1の座部1aに沿って前方に移動する状態が抑えられる。この場合、乗員の右及び左の膝部Aの付近により、受け止め部分7、吸収部材8及びパッド部材17が凹状に変形しようとすることによって、乗員の右及び左の膝部Aに掛かる衝撃が吸収される。
【0032】
吸収部材8のフランジ部13が下部パネル部5に取り付けられているので、所定位置を越えての受け止め部分7、吸収部材8及びパッド部材17の後方の運転席1側への移動が止められるのであり、吸収部材8が運転席1側に飛散するようなことはない。吸収部材8に受け止め部分7が取り付けられているので(受け止め部分7の凸部7aを加熱して押し潰すことにより、受け止め部分7が吸収部材8に取り付けられているので)、受け止め部分7が後方の運転席1側に飛散するようなことはない。
【0033】
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明の実施の形態]において、図2,3,4に示す吸収部材8の接続部10を第1及び第2折れ曲がり部11,12と同様な第3折れ曲がり部(図示せず)に構成してもよい。
この場合、吸収部材8の第3折れ曲がり部の長さよりも、吸収部材8の第1折れ曲がり部11の長さが長いものになるように構成し、吸収部材8の第3折れ曲がり部が面部9から反対側に突出する量よりも、吸収部材8の第1折れ曲がり部11が面部9ら反対側に突出する量が大きなものになるように構成する。同様に吸収部材8の第1折れ曲がり部11の長さよりも、吸収部材8の第2折れ曲がり部12の長さが長いものになるように構成し、吸収部材8の第1折れ曲がり部11が面部9から反対側に突出する量よりも、吸収部材8の第2折れ曲がり部12が面部9から反対側に突出する量が大きなものになるように構成する。
【0034】
このように吸収部材8の接続部10を第3折れ曲がり部に構成することによって、吸収部材8の第1及び第2折れ曲がり部11,12に対向する溝部6に加えて、吸収部材8の第3折れ曲がり部に対向する溝部6も破断し易くなり(吸収部材8の第3折れ曲がり部が延びることによる)、受け止め部分7が複数の小部分に分離し易くなる。
【0035】
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明の実施の形態]及び[発明の実施の第1別形態]において、下部パネル部5及び受け止め部分7の凸部5a,7aを廃止し、吸収部材8の面部9及びフランジ部13の開口9a,13aを廃止して、接着剤により吸収部材8の面部9及びフランジ部13を下部パネル部5及び受け止め部分7の裏面に接着するように構成してもよい。
【0036】
前述の[発明の実施の形態]及び[発明の実施の第1別形態]において、インストルメントパネル2と下部パネル部5とを別体に構成するのではなく、インストルメントパネル2に下部パネル部5を一体的に形成してもよい。溝部6に換えて、ミシン目状に所定間隔を置いて配置されたスリット等により、受け止め部分7を下部パネル部5に一体的に形成してもよい。本発明は運転席1に対してばかりではなく、助手席(図示せず)に対して適用することも可能である。
前述の[発明の実施の形態]及び[発明の実施の第1別形態]において、布体を縫い合わせて下部エアバッグ15を構成してもよい。
【0037】
【発明の効果】
請求項1の特徴によれば、車両のインストルメントパネル構造において、大きな衝撃が車体に掛かると、エアバッグ及びインフレータにより受け止め部分がインストルメントパネルから分離し後方のシート側に急速に移動するように構成した場合、塑性変形自在な金属製の吸収部材を受け止め部分の裏面に取り付けることにより、受け止め部分により乗員の膝部付近を受け止めて、乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動する状態を抑えながら、乗員の膝部付近に馴染むように受け止め部分及び吸収部材が凹状に変形していくように構成することができて、乗員の膝部付近に掛かる衝撃を適切に吸収することができるようになった。
【0038】
請求項1の特徴によると、吸収部材が受け止め部分の裏面に直接に取り付けられており、インストルメントパネルの内側の固定部に支持部材を設けて、支持部材に吸収部材を支持させると言うように構成する必要がないので(支持部材を備えたとしても、小規模の支持部材でよいので)、構造の簡素化の面で有利なものとなった。
【0039】
請求項1の特徴によると、複数の折れ曲がり部を吸収部材に備えることによって、単純な1枚の平板状の吸収部材に比べて、吸収部材が乗員の膝部付近に馴染むように塑性変形し易くなるので、乗員の膝部付近に馴染むように受け止め部分及び吸収部材が凹状に変形していくようにすると言う面で有利なものとなって、乗員の膝部付近に掛かる衝撃を適切に吸収することができるようになった。
【0040】
請求項1の特徴によると、吸収部材の折れ曲がり部の形状を変更することによって、吸収部材の折れ曲がり部の曲がり強度を任意に設定することができ、乗員の膝部付近に掛かる衝撃の吸収具合を任意に設定することが可能になるので、異なる種類のインストルメントパネルや各種の車両に対応するように構成することが、容易に行えるようになる。
【0041】
請求項1の特徴によると、吸収部材が受け止め部分の裏面に接触して取り付けられ、吸収部材の折れ曲がり部が受け止め部分の裏面から離れる側に突出する程度に抑えられており、吸収部材の配置の為に占めるスペースが大きなものにならないので、受け止め部分の付近のコンパクト化の面で有利なものとなった。
【0042】
請求項1の特徴によると、受け止め部分の外周部側に位置する折れ曲がり部の長さが、受け止め部分の中央部側に位置する折れ曲がり部の長さよりも長くなるように構成することによって、移動手段により受け止め部分がインストルメントパネルから分離し後方のシート側に急速に移動する場合、受け止め部分(吸収部材)の中央部側が膨らみ難い状態(受け止め部分(吸収部材)が平面状になり易い状態)とすることができた。これにより、中央部側が膨らんだ受け止め部分(吸収部材)に比べて、平面状の受け止め部分(吸収部材)が乗員の膝部付近を外れること少なく受け止め易くなって、乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動する状態を抑えると言う面で有利なものとなった。
【0043】
請求項1の特徴によると、膨張したエアバッグにより受け止め部分及び吸収部材の全体が略均等に押されて支持され、受け止め部分及び吸収部材が偏りなく凹状に変形していくようになり、乗員の膝部付近に馴染むように受け止め部分及び吸収部材が凹状に変形し易くなると言う面で有利なものとなって、乗員の膝部付近に掛かる衝撃を適切に吸収することができるようになった。
【0044】
【0045】
請求項1の特徴によると吸収部材とエアバッグとの間にパッド部材を配置することにより、受け止め部分及び吸収部材を略平面状のままで(エアバッグの膨張により凸状に変形させられずに)、後方のシート側に移動させることが可能になって、受け止め部分及び吸収部材により乗員の膝部付近を的確に受け止めることができるようになり、乗員の腰部がシートの座部に沿って前方に移動する状態を適切に抑えることができるようになった。
【0046】
請求項1の特徴によると、受け止め部分及び吸収部材が凹状に変形することによってだけでは、乗員の膝部付近に掛かる衝撃の吸収が充分に行われないような場合、パッド部材によっても乗員の膝部付近に掛かる衝撃が吸収されるように構成することが可能になって、乗員の膝部付近に掛かる衝撃を適切に吸収することができるようになった。
【0047】
請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項2の特徴によると、エアバッグをブロー成形された合成樹脂によって構成することにより、生産コストの低減を図ることができた。
請求項3の特徴によると、請求項1又は2の場合と同様に前述の請求項1又は2の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項3の特徴によると、受け止め部分が吸収部材の塑性変形を規制するような状態が生じ難くなり、受け止め部分及び吸収部材が乗員の膝部付近に良く馴染むようになって、乗員の膝部付近に掛かる衝撃を適切に吸収することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 運転席及びインストルメントパネルの付近の側面図
【図2】 吸収部材の正面図
【図3】 下部パネル部、受け止め部分、吸収部材、下部エアバッグ及びインフレータの付近の縦断側面図
【図4】 下部パネル部、受け止め部分、吸収部材、下部エアバッグ及びインフレータの付近の横断平面図
【図5】 図4に示す状態から下部エアバッグが膨張して、受け止め部分及び吸収部材が運転席側に急速に移動した状態を示す横断平面図
【符号の説明】
1 シート
2 インストルメントパネル
7 受け止め部分
8 吸収部材
9 吸収部材の面部
11,12 吸収部材の折れ曲がり部
15 エアバッグ
16 インフレータ
17 パッド部材

Claims (3)

  1. 合成樹脂製のインストルメントパネルの下部に、前記インストルメントパネルから分離可能な受け止め部分を備え、
    大きな衝撃が車体に掛かると、前記受け止め部分を押して前記インストルメントパネルから分離させて後方のシート側に移動させるエアバッグ、及び前記エアバッグを急速に膨張させるインフレータを、前記受け止め部分の裏面側に備えると共に、
    互いに所定間隔を置いて配置された複数の面部と、前記面部から突出するように折れ曲がりながら隣接する前記面部に亘って接続される折れ曲がり部とを備えて、塑性変形自在な金属製の吸収部材を構成し、
    前記吸収部材の面部が前記受け止め部分の裏面に接触し、前記吸収部材の折れ曲がり部が前記受け止め部分の裏面から離れる側に突出するように、前記吸収部材を前記受け止め部分の裏面に取り付け、
    前記受け止め部分の外周部側に位置する前記折れ曲がり部の長さが、前記受け止め部分の中央部側に位置する前記折れ曲がり部の長さよりも長くなるように構成し、
    前記吸収部材とエアバッグとの間にパッド部材を配置してある車両のインストルメントパネル構造。
  2. 前記エアバッグをブロー成形された合成樹脂によって構成してある請求項1に記載の車両のインストルメントパネル構造。
  3. 前記受け止め部分を複数の小部分に分離可能に構成してある請求項1又は2に記載の車両のインストルメントパネル構造。
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