JPH11139233A - 車両用エアバック装置 - Google Patents

車両用エアバック装置

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JPH11139233A
JPH11139233A JP9308410A JP30841097A JPH11139233A JP H11139233 A JPH11139233 A JP H11139233A JP 9308410 A JP9308410 A JP 9308410A JP 30841097 A JP30841097 A JP 30841097A JP H11139233 A JPH11139233 A JP H11139233A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乗員の下肢を拘束することができると共に、
パネルが乗員の下肢に与える反力を必要以上大きくなら
ないように抑制することができる車両用エアバック装置
を提供する。 【解決手段】 車両前面衝突センサ12と、乗員席前方
に配設されるインストルメントパネル14の一部を構成
しインストルメントパネル本体14aから分離可能なニ
ーパネル16と、ニーパネル16の裏面側に設けられた
エアバック18と、エアバック18を展開させる展開手
段であるインフレータ20と、を備え、ニーパネル16
には、衝突時に乗員側へ突出して乗員の下肢30に当た
る部分に、車両の略水平方向に略一直線状に一般部より
も薄肉の薄肉部16aが形成される。ニーパネル16
は、衝突時に乗員側へ突出したときに、衝突の慣性力で
前方移動する乗員の下肢30に当たることにより薄肉部
16aにおいて折れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用エアバック
装置に関し、特に、乗員の下肢を拘束する車両用エアバ
ック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の車両用エアバック装置と
しては、米国特許5,536,043号公報のFig.3に
開示されたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
公報に開示されたものでは、前面衝突時にインストルメ
ントパネル内部に設けられたエアバックが膨張すること
で、ニーパネルを乗員側へ突出させて乗員の下肢を拘束
する構成となっているが、衝突の慣性力で乗員の下肢が
ニーパネルを押しながら前方移動してくることになるた
め、エアバックの内圧が上昇しニーパネルが乗員の下肢
に与える反力が必要以上に大きくなるおそれがあるとい
う課題がある。
【0004】本発明はかかる課題に鑑みなされたもの
で、請求項1ないし請求項12に記載の発明は、乗員の
下肢を拘束することができると共に、パネルが乗員の下
肢に与える反力を必要以上大きくならないように抑制す
ることができる車両用エアバック装置を提供することを
その目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、車両前面衝突センサと、乗
員席前方に配設される車内構成品の一部を構成し車内構
成品本体から分離可能なパネルと、パネルの裏面側に設
けられたエアバックと、エアバックを展開させる展開手
段と、を備え、前記車両前面衝突センサが前面衝突を検
知したときに前記展開手段がエアバックを展開させるこ
とにより前記パネルを乗員側へ突出させる車両用エアバ
ック装置において、前記パネルは、衝突時に乗員側へ突
出したときに、衝突の慣性力で前方移動する乗員の下肢
に当たることにより折れることを特徴とする。
【0006】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載のものにおいて、前記パネルには略一直線状の薄肉の
易折曲部が設けられており、パネルは該易折曲部におい
て衝突時に折れることを特徴とする。また、請求項3記
載の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記パネル
には略一直線状の切欠による易折曲部が設けられてお
り、パネルは該易折曲部において衝突時に折れることを
特徴とする。
【0007】また、請求項4記載の発明は、請求項1記
載のものにおいて、前記パネルは予め分割された複数の
部材からなり、隣合う複数の部材の略一直線状の境界が
易折曲部となっており、パネルは該易折曲部において衝
突時に折れることを特徴とする。また、請求項5記載の
発明は、請求項1記載のものにおいて、前記エアバック
は展開したときにパネルを乗員側へ押し出すパネル接触
面を備えており、該パネル接触面には略一直線状の凹溝
部が設けられており、パネルは該凹溝部に対向する部位
において衝突時に折れることを特徴とする。
【0008】また、請求項6記載の発明は、請求項2な
いし4のいずれか1に記載のものにおいて、前記エアバ
ックは展開したときにパネルを乗員側へ押し出すパネル
接触面を備えており、該パネル接触面には略一直線状の
凹溝部が設けられており、該凹溝部はエアバック展開時
に前記パネルの易折曲部に対向するように設定されるこ
とを特徴とする。
【0009】また、請求項7記載の発明は、請求項5ま
たは6記載のものにおいて、前記エアバックは、凹部が
形成された一対の側面と、該側面の輪郭に沿って1対の
側面間を連結する前記パネル接触面とが縫合されたもの
であり、前記凹溝部は前記一対の側面の凹部同士を連結
した部分で形成されることを特徴とする。また、請求項
8記載の発明は、請求項5または6記載のものにおい
て、前記エアバックは、その内部にパネル接触面の一部
に連結されたつり紐を有しており、該つり紐がエアバッ
ク展開時パネル接触面の一部の展開を制限することによ
り、該展開が制限された一部が前記凹溝部を形成するこ
とを特徴とする。
【0010】また、請求項9記載の発明は、請求項1な
いし8のいずれか1に記載のものにおいて、前記パネル
の折れる部位をまたいで接続手段が設けられており、該
接続手段は衝突時に折れたパネルの分離を阻止すること
を特徴とする。また、請求項10記載の発明は、請求項
9記載のものにおいて、前記接続手段は、パネルの折れ
る部位をまたいで設けられたヒンジであることを特徴と
する。
【0011】また、請求項11記載の発明は、請求項1
ないし10のいずれか1に記載のものにおいて、前記パ
ネルの折れる部位は車両の略水平方向に略一直線状をな
すことを特徴とする。また、請求項12記載の発明は、
請求項1ないし10のいずれか1に記載のものにおい
て、前記パネルの折れる部位は車両の略垂直方向に略一
直線状をなすことを特徴とする。
【0012】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、パネルが
衝突時に乗員側へ突出したときに、衝突の慣性力で前方
移動する乗員の下肢に当たることによりパネルが折れる
ことにより、パネルは車両前後方向に対して傾斜し、パ
ネルから乗員が受ける車両前後方向の力成分が低減す
る。従って、乗員の下肢に与える反力を小さくすること
ができる。パネルは折れるまでは、従来通り乗員を拘束
するために、初期拘束性能を低下させることなく、且つ
必要以上の反力を乗員に与えないようにすることができ
る。
【0013】請求項2記載の発明によれば、請求項1に
係る効果に加えて、パネルに略一直線状の薄肉の易折曲
部が設けられているため、簡単な構成で且つ衝突時に確
実に易折曲部においてパネルが折れるようにすることが
できる。請求項3記載の発明によれば、請求項1に係る
効果に加えて、パネルに略一直線状の切欠による易折曲
部が設けられているため、簡単な構成で且つ衝突時に確
実に易折曲部においてパネルが折れるようにすることが
できる。
【0014】請求項4記載の発明によれば、請求項1に
係る効果に加えて、パネルが予め2つの部材からなり、
該2つの部材の略一直線の境界による易折曲部が設けら
れているため、簡単な構成で且つ衝突時に確実に易折曲
部においてパネルが折れるようにすることができる。請
求項5記載の発明によれば、請求項1に係る効果に加え
て、エアバックのパネル接触面に凹溝部が設けられてい
るため、エアバック展開時にこの凹溝部はパネルに接触
せずに、前方移動する乗員の力によってパネルが凹溝部
へ押し出され、結果としてパネルが折れるようにするこ
とができる。
【0015】請求項6記載の発明によれば、請求項2な
いし4のいずれか1に係る効果に加えて、易折曲部とエ
アバックのパネル接触面に設けられた凹溝部が対向する
ように設定されており、エアバック展開時にこの凹溝部
はパネルに接触せずに、前方移動する乗員の力によって
パネルが凹溝部へ押し出され、結果としてパネルが折曲
部において一層折れ易い構造にすることができる。
【0016】請求項7記載の発明によれば、請求項5ま
たは6に係る効果に加えて、前記凹溝部をエアバックの
縫合によって形成することができる。請求項8記載の発
明によれば、請求項5または6に係る効果に加えて、前
記凹溝部をエアバックにつり紐を追加する簡単な構成に
よって形成することができる。
【0017】請求項9記載の発明によれば、請求項1な
いし8のいずれか1に係る効果に加えて、衝突時に折れ
たパネルが分離してばらばらになることを防止でき、パ
ネルが折れた後、車両前後方向に傾斜した状態を維持す
ることができる。請求項10記載の発明によれば、請求
項9に係る効果に加えて、ヒンジによって確実にパネル
を傾斜した状態に維持することができる。
【0018】請求項11記載の発明によれば、請求項1
ないし10のいずれか1に係る効果に加えて、衝突の慣
性力で前進移動してくる乗員の下肢の突出した形状に適
合した形でパネルを折ることができる。請求項12記載
の発明によれば、請求項1ないし10のいずれか1に係
る効果に加えて、衝突の慣性力で前進移動してくる乗員
の下肢の突出した形状に適合した形でパネルを折ること
ができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図1ないし図7を用いて本
発明の第1の実施の形態を説明する。図において、車両
用エアバック装置10は、車両前面衝突を検知する加速
度センサや機械センサ等からなる車両前面衝突センサ1
2と、乗員席前方に配設される車内構成品であるインス
トルメントパネル14の一部を構成しインストルメント
パネル本体14aから分離可能なニーパネル(パネル)
16と、ニーパネル16の裏面側に設けられ従来と同程
度の図示しない排気孔を有したエアバック18と、エア
バック18を展開させる展開手段であるインフレータ2
0と、を主に備えている。インフレータ20は、エアバ
ック台座22内に収容されており、さらにエアバック台
座22は、インストルメントパネル14内において配設
され車幅方向に伸びるメンバー部材24に取り付けられ
ている。
【0020】図3に示したように、ニーパネル16であ
るニーパネル強度部材16には、その表側にニーパネル
表皮材17が張り付けられると共に、後述のように衝突
時に乗員側へ突出して乗員の下肢30に当たる部分に、
車両の略水平方向に略一直線状に一般部よりも薄肉の薄
肉部16aが形成されており、この薄肉部16aは他の
一般部よりも折曲しやすい易折曲部となっている。
【0021】このように構成される車両用エアバック装
置10において、車両前面衝突センサ12からの衝突検
知信号が送られてくると、インフレータ20からガス発
生が開始され、このガスによりエアバック18が膨張す
る(図4、図5)。エアバック18が膨張し展開すると
ニーパネル16がインストルメントパネル本体14aか
ら分離し、乗員側へ突出する。その直後、乗員は前面衝
突時の慣性力によって前方移動するので乗員の下肢30
がニーパネル16に当たり、エアバック18によって乗
員の下肢30は拘束されることになる。さらに、乗員の
下肢30はニーパネル16を押し続けるのでエアバック
18の内圧が上昇していき、エアバック18内圧がある
値以上になると、図6に示すように、ニーパネル16の
易折曲部である薄肉部16aが折れ始める。これによ
り、エアバック18内圧の車両前後方向成分の上昇率が
低下し、緩やかに上昇するようになる。これは、ニーパ
ネル16が折れることにより、ニーパネル16が受ける
エアバック18内圧の車両前後方向の成分が低減するこ
とに起因している。これにより、ニーパネル16が全く
折れない従来に比べて、ニーパネル反力の車両前後方向
成分が小さくなり、その結果ニーパネル16の乗員の下
肢に与える反力を必要以上に大きくならないように、抑
制することができる。
【0022】以上の作用を簡易モデルにおける計算結果
を使って、さらに詳細に説明する。図8は使用した簡易
モデルの構成を示しており、ある初速度V0を与えた乗
員の下肢に相当する物体40、位置が固定されたエアバ
ック42及びエアバック42に取り付けられて物体40
とエアバック42の間に位置するニーパネル44とから
構成される。そして、
【0023】
【表1】 仕様A:ニーパネル44として易折曲部を持たず折れな
いニーパネルを使用する仕様 仕様B:ニーパネル44として易折曲部を持つニーパネ
ルを使用した本発明に相当する仕様 仕様C:仕様Bの対抗策としてニーパネルは仕様Aのも
のと同じものを使用しエアバック42の排気孔が拡大さ
れている仕様 についてそれぞれ比較計算を行った。仕様Cは、本発明
の目的である乗員の下肢に与える反力を必要以上大きく
ならないようにすることを達成する為に本発明に相当す
る仕様B以外の手段として考えられる対抗策として設定
したものである。
【0024】図9(a)及び図9(b)はそれぞれ仕様
A及び仕様Bの挙動を表す説明断面図であり、図10は
各仕様における物体40の発生減速度の時間変化を表す
グラフ、図11は物体40の前方移動量Sの時間変化を
表すグラフである。図10から、仕様Aに比べて仕様B
及び仕様Cの発生減速度Gピーク値が減少していること
が分かる。ここで、運動方程式
【0025】
【数1】 F=M・G (Fは反力、Mは物体40の質量) を考えると、反力Fは減速度Gに比例することから、仕
様Aに比べて仕様B及び仕様Cは、反力Fピーク値が小
さいと言える。また、図11から前方移動量Sのピーク
値は、仕様Aと仕様Bとでは大差がないが、仕様Cでは
増加していることが分かる。つまり、仕様Cでは物体4
0への反力を低減することができるものの、物体40の
前方移動量Sが増加してしまい、初期拘束性能が劣るこ
とが分かる。これに対し、仕様Bでは物体40への反力
を低減させることができると共に、仕様Aと同程度に物
体40の前方移動量Sを抑制することができることが分
かる。この理由を以下に説明する。
【0026】仕様Cは、仕様Aや仕様Bに対して排気孔
が大きくエアバック42内部のガスが抜け易いため内圧
が上がり難く、前方移動量Sとエアバック内圧Pとの関
係をグラフにすると、図12のようになる。また、仕様
Bの場合には、図9(b)で示したようにニーパネル4
4が折曲するため、物体40の移動方向に対して最初は
ほぼ垂直(θ=0、つまりcosθ=1)であるもの
が、前方移動量Sが増える程にθが大きくなり、言い換
えればcosθが小さくなり、図13のcosθ−S特
性を示す。これに対して、仕様Aや仕様Cでは折曲が発
生しないために、常にθ=0である。ところで、ニーパ
ネル反力の車両前後方向成分Fxは、図14に示したよ
うに、
【0027】
【数2】 Fx=2Fx’=2F’cosθ=P・A・cosθ A:エアバック42とニーパネル44との接触総面積 であるので、Aを一定とすれば、図12及び図13から
「前方移動距離S」と「ニーパネル反力の車両前後方向
成分Fx」との関係は、図15のようになる。尚、図1
4に示したように、物体40が存在するために、cos
θが0になることはない。以上により、本発明に相当す
る仕様Bは、初期は仕様A相当のFxを発生し、いわゆ
る初期拘束性能は仕様Aと同等の性能を持ち(図15の
矢視a部分)、Fxが過大になる可能性のある後期では
Fxの上昇が緩やかになるのが分かる。これに対して対
抗案である仕様Cは、確かにFxを抑えることができる
が、初期のFxも小さいため、いわゆる初期拘束性能が
仕様Aよりも劣り、前方移動量Sが増加してしまう欠点
を有している。
【0028】以上により、本発明に相当する仕様Bが、
従来例相当の仕様A及び対抗案相当の仕様Cよりも効果
的に「必要以上の反力を与えない」ことが分かる。次
に、図16ないし図18を用いて本発明の第2の実施の
形態を説明する。本実施の形態では、第1の実施の形態
の薄肉部16aをニーパネル16に設ける代わりに、ニ
ーパネル16であるニーパネル強度部材16に切欠によ
る複数の孔部16bを設けている。孔部16bは、略一
直線状に整列されるように配置される。
【0029】このように構成しても、孔部16bが易折
曲部となるため、第1の実施の形態と同様の作用・効果
が得られる。次に、図19及び図20を用いて本発明の
第3の実施の形態を説明する。本実施の形態では、ニー
パネル16であるニーパネル強度部材16を予め分割さ
れた2つの複数(本例では2つの)の部材16c,16
cから構成し、これら部材16c,16cの境界を略一
直線状となるように設定しており、この境界16dが易
折曲部となっている。このように構成しても、境界16
dが易折曲部となるため、第1の実施の形態と同様の作
用・効果が得られる。また、本実施の形態の場合は、第
1及び第2の実施の形態と比べて、より確実に折れが発
生するという効果を有している。
【0030】また、図21及び図22に示したように、
ニーパネル強度部材のみならず、ニーパネル表示材17
をも複数の部材17a、17aに分割することとしても
よい。次に、図23ないし図25を用いて本発明の第4
の実施の形態を説明する。本実施の形態では、ニーパネ
ル16に易折曲部を設ける代わりに、エアバック18が
展開したときにニーパネル16に接触して乗員側へ押し
出すエアバック18のニーパネル接触面18aに、略一
直線状の凹溝部18bが設けられている。凹溝部18b
は、衝突時に乗員側へ突出して乗員の下肢30に当たる
ニーパネル16の裏側付近にくるように設定されてい
る。
【0031】このようなエアバック18は、図24に示
したように、凹部18dが形成された一対の側面18
c,18cと、該側面18cの輪郭に沿って1対の側面
18c,18c間を連結する前記ニーパネル接触面18
aを有する中央面18eとが縫合されることにより、製
造される。こうして、前記一対の側面18c,18cの
凹部18d,18d同士を連結した部分が前記凹溝部1
8bとなる。尚、18gは、インフレータ20の取り付
けられる孔である。
【0032】このように構成された車両用エアバック装
置10において、衝突時にエアバック18が膨張し展開
すると、エアバック18のニーパネル接触面18aがニ
ーパネル16を乗員側に押し出す。また、乗員は前面衝
突時の慣性力によって前方移動し、乗員の下肢30がニ
ーパネル16に当たる。このとき乗員の下肢30が当た
る部分のニーパネル16の裏側が凹溝部18bとなって
いるため、この部分が押し出され、結果としてニーパネ
ル16が折曲する。
【0033】こうして、第1の実施の形態と同様の作用
・効果が得られる。次に、図26及び図27を用いて本
発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形
態では、第4の実施の形態の同様の凹溝部18bを縫合
により製造する代わりに、エアバック18の内部にニー
パネル接触面18aの一部に連結するつり紐18fを有
しており、つり紐18fがエアバック18展開時ニーパ
ネル接触面18aの一部の展開を制限することにより、
該展開が制限された一部を凹溝部18bとなるようにし
ている。従って、エアバック18の縫合段階ではエアバ
ック18は従来通りの形状をしているが(図27
(a))、エアバック18が展開したときには(図27
(b)(c))、エアバック18の一部がつり紐18f
に引っ張られ、凹溝部18bを形成する(図27
(d))。
【0034】このように構成しても、第4の実施の形態
と同様の作用・効果が得られる。つり紐18fを従来の
エアバック18に追加するだけでよいので、簡単に設計
変更を行うことができる。つり紐18fは、図26に示
したように、凹溝部18bを形成するために一列に整列
するように設けてもよいが、図28及び図29に示すよ
うに、複数列に整列するように設け、凹溝部18bとニ
ーパネル接触面18aの一般部との区別を明確につける
ようにすると良い。
【0035】次に、図30及び図31を用いて本発明の
第6の実施の形態を説明する。本実施の形態のニーパネ
ル16には、第1ないし第5の実施の形態で説明したよ
うなニーパネルの折れる部位をまたいで接続手段である
ヒンジ16eが設けられている。これにより、ニーパネ
ル16が折曲した時に、完全に破断してニーパネル16
が分離することを防止し、ニーパネル16が車両前後方
向に傾斜した状態を維持することができ、前述したニー
パネル16のθ>0となった状態を維持することができ
る。
【0036】尚、この接続手段としては、ヒンジ16e
とする他に図32に示すように、布地または樹脂材によ
る接続具16fを易折曲部をまたいで設けるようにして
もよい。以上の第1ないし第6の実施の形態において、
第1ないし第3の実施の形態で説明した易折曲部16
a、16b若しくは16dと第4または第5の実施の形
態で説明した凹溝部18bとの両方を合わせ持ち、エア
バックの凹溝部がエアバック展開時にニーパネルの易折
曲部と対向するように設定することもできる。これによ
り、凹溝部と易折曲部との相乗効果によって、ニーパネ
ルを衝突時に易折曲部においてより一層折れ易い構造に
することができる。
【0037】また、以上の第1ないし第6の実施の形態
では、易折曲部16a、16b若しくは16dまたは凹
溝部18bを車両の略水平方向に略一直線状となるよう
に設定する例について説明した。こうして、衝突の慣性
力で前進移動してくる乗員の下肢30の突出した部位に
適合した形でニーパネル16が折れ、折れた後も乗員の
下肢30の形状に適合する。
【0038】しかしながら、ニーパネル16の折れる部
位は1箇所に限るものでもなく、2箇所以上になるよう
に、前記易折曲部または凹溝部を設けることも可能であ
る。また、ニーパネル16の折れる部位は車両の略水平
方向に限るものではなく、図33及び図34に示したよ
うに、車両の略垂直方向に設定することもできる。即
ち、図33及び図34では、前記易折曲部16a、16
b若しくは16dまたは凹溝部18bを車両の略垂直方
向に設定している。この易折曲部または凹溝部の設定さ
れる部位は、1箇所でも良いが、図示の例のように複数
箇所(図の例では3箇所)設けて、衝突の慣性力で前進
移動してくる乗員の下肢30の突出した部位に適合した
形でニーパネル16が折れ、折れた後も乗員の下肢30
の形状に適合するように構成すると好ましい。
【0039】さらに、以上の車両用エアバック装置10
は、ニーパネル16がインストルメントパネル14の一
部を構成する助手席に設けた場合のみならず、運転席や
2列目以降の後部座席でも適用可能である。また、ニー
パネル16の形状も単純な四角形のものに限らず、図3
5に示したように、乗員の下肢30形状に合わせたもの
とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用エアバック装置の第1の実施の
形態を表す説明断面図である。
【図2】第1の実施の形態の主要部の斜視図である。
【図3】図2の3−3線に沿って見た断面図である。
【図4】第1の実施の形態の作用を表すニーパネル突出
過程の説明断面図である。
【図5】第1の実施の形態の主要部のニーパネル突出過
程の斜視図である。
【図6】第1の実施の形態の作用を表す説明断面図であ
る。
【図7】第1の実施の形態の主要部の斜視図である。
【図8】本発明の原理を説明する簡易モデルの説明断面
図である。
【図9】(a)は従来の簡易モデルである仕様Aの説明
断面図、(b)は本発明の簡易モデルである仕様Bの説
明断面図である。
【図10】簡易モデルに基づく仕様Aないし仕様Cのそ
れぞれの発生減速度の時間変化を表すグラフである。
【図11】簡易モデルに基づく仕様Aないし仕様Cのそ
れぞれの前方移動量の時間変化を表すグラフである。
【図12】簡易モデルに基づく仕様Aないし仕様Cのそ
れぞれのエアバック内圧P−前方移動量S特性を表すグ
ラフである。
【図13】簡易モデルに基づく仕様Aないし仕様Cのそ
れぞれのcosθ−前方移動量S特性を表すグラフであ
る。
【図14】簡易モデルに基づく仕様Bの説明断面図であ
る。
【図15】簡易モデルに基づく仕様Aないし仕様Cのそ
れぞれのニーパネル反力車両前後方向成分Fxと前方移
動量Sとの関係を表すグラフである。
【図16】本発明の車両用エアバック装置の第2の実施
の形態を表すニーパネルの面直図である。
【図17】図16の17−17線に沿って見た断面図で
ある。
【図18】図16の18−18線に沿って見た断面図で
ある。
【図19】本発明の車両用エアバック装置の第3の実施
の形態を表すニーパネルの面直図である。
【図20】図19の20−20線に沿って見た断面図で
ある。
【図21】本発明の車両用エアバック装置の第3の実施
の形態の変形例を表すニーパネルの面直図である。
【図22】図21の22−22線に沿って見た断面図で
ある。
【図23】本発明の車両用エアバック装置の第4の実施
の形態をエアバックの斜視図である。
【図24】図23のエアバックの縫合を表す分解展開図
である。
【図25】第4の実施の形態の作用を表す説明断面図で
ある。
【図26】本発明の車両用エアバック装置の第5の実施
の形態を表すエアバックの斜視図である。
【図27】(a)〜(d)は第5の実施の形態の動作を
表す図26の27−27線に沿って見た説明断面図であ
る。
【図28】本発明の車両用エアバック装置の第5の実施
の形態の変形例を表すエアバックの斜視図である。
【図29】第5の実施の形態の変形例の説明断面図であ
る。
【図30】本発明の車両用エアバック装置の第6の実施
の形態を表すニーパネルのエアバック側から見た斜視図
である。
【図31】図30の31−31線に沿って見た断面図で
ある。
【図32】本発明の車両用エアバック装置の第6の実施
の形態の変形例を表すニーパネルのエアバック側から見
た斜視図である。
【図33】本発明の車両用エアバック装置の他の実施の
形態を表すニーパネルの面直図である。
【図34】図33の作用を表す図33の34−34線に
沿って見た断面図である。
【図35】ニーパネルの変形例を表す図である。
【符号の説明】
10 車両用エアバック装置 12 車両前面衝突センサ 14 インストルメントパネル(車内構成品) 14a インストルメントパネル本体 16 ニーパネル(パネル) 16a 薄肉部(易折曲部) 16b 孔部 (易折曲部) 16c 部材 16d 境界(易折曲部) 16e ヒンジ 16f 接続具 18 エアバック 18a ニーパネル接触面 18b 凹溝部 18c 側面 18d 凹部 18f つり紐 20 インフレータ(展開手段) 30 下肢

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両前面衝突センサと、乗員席前方に配
    設される車内構成品の一部を構成し車内構成品本体から
    分離可能なパネルと、パネルの裏面側に設けられたエア
    バックと、エアバックを展開させる展開手段と、を備
    え、前記車両前面衝突センサが前面衝突を検知したとき
    に前記展開手段がエアバックを展開させることにより前
    記パネルを乗員側へ突出させる車両用エアバック装置に
    おいて、 前記パネルは、衝突時に乗員側へ突出したときに、衝突
    の慣性力で前方移動する乗員の下肢に当たることにより
    折れることを特徴とする車両用エアバック装置。
  2. 【請求項2】 前記パネルには略一直線状の薄肉の易折
    曲部が設けられており、パネルは該易折曲部において衝
    突時に折れることを特徴とする請求項1記載の車両用エ
    アバック装置。
  3. 【請求項3】 前記パネルには略一直線状の切欠による
    易折曲部が設けられており、パネルは該易折曲部におい
    て衝突時に折れることを特徴とする請求項1記載の車両
    用エアバック装置。
  4. 【請求項4】 前記パネルは予め分割された複数の部材
    からなり、隣合う複数の部材の略一直線状の境界が易折
    曲部となっており、パネルは該易折曲部において衝突時
    に折れることを特徴とする請求項1記載の車両用エアバ
    ック装置。
  5. 【請求項5】 前記エアバックは展開したときにパネル
    を乗員側へ押し出すパネル接触面を備えており、該パネ
    ル接触面には略一直線状の凹溝部が設けられており、パ
    ネルは該凹溝部に対向する部位において衝突時に折れる
    ことを特徴とする請求項1記載の車両用エアバック装
    置。
  6. 【請求項6】 前記エアバックは展開したときにパネル
    を乗員側へ押し出すパネル接触面を備えており、該パネ
    ル接触面には略一直線状の凹溝部が設けられており、該
    凹溝部はエアバック展開時に前記パネルの易折曲部に対
    向するように設定されることを特徴とする請求項2ない
    し4のいずれか1に記載の車両用エアバック装置。
  7. 【請求項7】 前記エアバックは、凹部が形成された一
    対の側面と、該側面の輪郭に沿って1対の側面間を連結
    する前記パネル接触面とが縫合されたものであり、前記
    凹溝部は前記一対の側面の凹部同士を連結した部分で形
    成されることを特徴とする請求項5または6記載の車両
    用エアバック装置。
  8. 【請求項8】 前記エアバックは、その内部にパネル接
    触面の一部に連結されたつり紐を有しており、該つり紐
    がエアバック展開時パネル接触面の一部の展開を制限す
    ることにより、該展開が制限された一部が前記凹溝部を
    形成することを特徴とする請求項5または6記載の車両
    用エアバック装置。
  9. 【請求項9】 前記パネルの折れる部位をまたいで接続
    手段が設けられており、該接続手段は衝突時に折れたパ
    ネルの分離を阻止することを特徴とする請求項1ないし
    8のいずれか1に記載の車両用エアバック装置。
  10. 【請求項10】 前記接続手段は、パネルの折れる部位
    をまたいで設けられたヒンジであることを特徴とする請
    求項9記載の車両用エアバック装置。
  11. 【請求項11】 前記パネルの折れる部位は車両の略水
    平方向に略一直線状をなすことを特徴とする請求項1な
    いし10のいずれか1に記載の車両用エアバック装置。
  12. 【請求項12】 前記パネルの折れる部位は車両の略垂
    直方向に略一直線状をなすことを特徴とする請求項1な
    いし10のいずれか1に記載の車両用エアバック装置。
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