防鐫剤及びそれを用 ヽる防鲭方法 技術分野
本発明は、 ヒドロキシフエニルベンゾトリァゾール系の共重合体を有効成分と する防鯖剤、 及びそれを用いる金属類の防鲭方法に関する。 背景技術
従来、 金属類を防鯖するには、 種々の方法が提案されてきた。 例えば、 金属表 面に腐食されにくい他の金属をメツキ等で被覆する方法、 金属表面を塗料にて被 覆する方法、 金属表面に化学的又は電気化学的に膜を形成する方法等、 金属表面 と外部の腐食的環境との接触を防ぐことで腐食を抑制する方法等が知られている。 金属類の防鑌剤としては、 ベンゾトリアゾール類が知られており、 例えば特開 平 1 0— 2 6 5 9 7 9号公報には、 ジアルキルアミノアルキル (メタ) ァクリレ 一ト由来の成分を含有するァクリル系共重合体の有機溶媒溶解組成物中にベンゾ トリァゾ一ル類を添加した鋼材用防食剤組成物が開示されている。 また、 特開昭 5 9— 1 0 8 0 9 9号公報には、 2 '—ヒドロキシフエニルベンゾトリアゾ一ル類 を有効成分とする高温における潤滑油の金属腐食防止剤が開示されている。
ペンゾトリアゾ一ル類は、 金属表面とキレート結合して被膜を形成して防鯖効 果を発現するが、 従来の技術では実用上、 未だ解決すべき課題が残されている。 例えば、 その被膜が概して薄いため、 過酷な環境下では防鲭効果が必ずしも満足 のいくものとはなっていないことがひとつである。 また、 樹脂に防鑌剤としてト リアゾール類を添加した場合、 ブリードアウト現象が生じ易く、 安定した効果が 得られないことが挙げられる。 更に、 トリアゾール類が水溶性に乏しい場合には、 通常は希釈用の有機溶剤を要することになりその分コスト高になること、 作業上 の安全面と廃液処理に問題が生ずること、 また使用溶媒の種類が制限されること、 などの問題点がある。 例えば、 2 '—ヒドロキシフエ二ルペンゾトリアゾ一ル類は 水溶性に乏しく、 防鑌効果を発現させるためには有機溶媒に溶解させなければな らず、 使用にあたっては上記の点が問題となっている。
そこで、 本発明の課題は、 ベンゾトリアゾ一ル系化合物を含む防鲭剤ではある
が、 金属類に対して過酷な環境下においても防鑌効果を発揮、 維持でき、 かつ有 機溶媒を実質的に含まない水系溶液の条件下であっても使用可能な防鲭剤と、 そ れを用いる防鯖方法を提供することにある。 発明の開示
上記課題を解決するために、 本発明者らは種々のべンゾトリァゾール化合物に つき実用面から防鯖効果の検討を進めたところ、 ヒドロキシフヱ二ルペンゾトリ ァゾールに、 水溶性又は親水性の共重合単量体を共重合反応させて得られた共重 合体が水溶性に富み、 金属類の防鲭剤として非常に有用であることを見出し、 本 発明を完成するに至った。
即ち、 本発明は、 次のとおりの防鎗剤およびそれを用いる防鲭方法に関するも のである。
( 1 ) 水溶性又は親水性の重合性単量体 (A ) と重合性二重結合含有基を有す るヒドロキシフヱ二ルペンゾトリアゾール化合物単量体 (B ) との共重合体を有 効成分として含有することを特徴とする防鲭剤。
( 2 ) 親水性又は水溶性の重合性単量体 (A ) と重合性二重結合含有基を有す るヒドロキシフエ二ルペンゾトリァゾ一ル化合物単量体 ( B ) との共重合体と、 一般式 ( 1 ) :
[式中、 R]は水素原子、 C 8のアルキル基、 カルボキシル基、 C 8のアルコキシ力 ルボニル基、 フエノキシカルボニル基、 ヒドロキシ基またはハロゲン原子を示す。
R2は水素原子、 ヒドロキシ基、 アミノ基、 ハロゲン原子または金属原子を示す。 ] で表されるベンゾトリアゾ一ル類 (D ) を有効成分として含有することを特徴と する防鲭剤。
( 3 ) 前記のヒドロキシフエ二ルペンゾトリアゾール化合物単量体 (B ) が、 一般式 ( 2 ) :
[式中、 R3、 R4及び R5は、 同一又は異なって重合性二重結合含有基、 水素原子、 CMのアルキル基、 CL8のアルコキシ基、 シァノ基、 ヒドロキシ基、 ハロゲン原 子、 カルボキシル基又はアルコキシカルボ二ル基を示す。但し、 R3、 R4及び R5 の少なくとも 1つは、 重合性二重結合含有基である。 ] で表されるヒドロキシフ ェニルベンゾトリアゾ一ル化合物である上記 (1) 又は (2) 項記載の防鯖剤。
(4) 金属類の表面に上記 (1) 〜 (3) 項のいずれかに記載の防鲭剤を被覆 することを特徴とする金属類の防鑌方法。
( 5 ) 金属類の表面に上記 ( 1 ) ~ ( 3) 項のいずれかに記載の防鯖剤を被覆 するにあたり、 上記 ( 1) 〜 (3) 項のいずれかに記載の防鲭剤を水系溶液の形 態で使用することを特徴とする金属類の防鑌方法。
( 6) 前記金属類が銅又は銅合金である上記 (4) 又は (5) 項記載の防鲭方 法。 発明を実施するための最良の形態
はじめに、 本明細書において記載する置換基の表示とその具体例を挙げる。 C1 アルキル基とは、 炭素数 1から 4の直鎖状又は分枝状アルキル基を示し、 メチル基、 ェチル基、 n—プロビル基、 イソプロピル基、 n—プチル基、 イソプ チル基、 s e c—ブチル基または t e r t一ブチル基が挙げられる。
CL8アルキル基とは、 炭素数 1から 8の直鎖状又は分枝状アルキル基を示し、 前記 Cwアルキル基に加え、 n—ペンチル基、 イソペンチル基、 ネオペンチル基、 t e r t—ペンチル基、 n—へキシル基、 ヘプチル基またはォクチル基等が挙げ られる。
.18アルキル基とは、炭素数 1から 1 8の直鎖状又は分枝状アルキル基を示し、 前記 CWアルキル基及び CW8アルキル基に加え、 ノニル基、 デカニル基、 ゥンデ カニル基、 ドデカニル基、 トリデカニル基、 テトラデカニル基、 ペン夕デカニル
基、 へキサデカニル基、 ヘプ夕デカニル基またはォクタデカニル基等が挙げられ る。
アルコキシ基とは、 炭素数 1から 8の直鎖状又は分枝状アルコキシ基を示 し、 メトキシ基、 エトキシ基、 n—プロポキシ基、 イソプロポキシ墓、 n—ブト キシ基、 t e r t —ブトキシ基、 n—ペンチルォキシ基、 イソペンチルォキシ基、 ネオペンチルォキシ基、 t e r t —ペンチルォキシ基、 n—へキシルォキシ基、 ヘプチルォキシ基またはォクチルォキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基とは、 炭素数 1から 8の直鎖状又は分枝状アルコキシ カルボ二ル基を示し、 メ トキシカルボニル基、 エトキシカルボニル基、 n—プロ ポキシカルボニル基、 イソプロポキシカルボニル基、 n—ブトキシカルボニル基、 t e r t —ブトキシカルボニル基、 n—ペンチルォキシカルボニル基、 イソペン チルォキシカルボニル基、 ネオペンチルォキシカルボニル基、 t e r t—ペンチ ルォキシカルボニル基、 n—へキシルォキシカルボニル基、 ヘプチルォキシカル ポニル基またはォクチルォキシカルボニル基等が挙げられる。
C :.4アルキレン基とは、 炭素数 1から 4の直鎖状又は分枝状アルキレン基を示 し、 メチレン、 エチレン、 トリメチレン、 テトラメチレン、 メチルメチレン、 プ ロピレン、 1ーメチルトリメチレン、 2—メチルトリメチレンまたはェチルェチ レン等が挙げられる。
C 。アルキレン基とは、 炭素数 1から 1 0の直鎖状又は分枝状アルキレン基を 示し、 上記 C wアルキレン基に加え、 ペン夕メチレン、 へキサメチレン、 ヘプ夕 メチレン、 ォクタメチレン、 ノナメチレン、 デカメチレンまたは 2 , 2—ジメチ ルトリメチレン等が挙げられる。
ノヽロゲン原子としては、 塩素、 臭素、 フッ素、 ヨウ素が挙げられる。
金属原子としては、 アルカリ金属原子 (ナトリウム、 カリウム、 リチウム等) 、 銀原子などが挙げられる。
本発明の防鯖剤の有効成分である前記共重合体は、 水溶性又は親水性の重合性 単量体 (A) と重合性二重結合含有基を有するヒドロキシフヱ二ルペンゾトリア ゾ一ル化合物単量体 ( B ) とを必須単量体とする共重合体である。
前記重合性単量体 (A) としては、 分子内にラジカル重合性基を含有し、 且つ
水溶性又は親水性であれば特に制限されず、 例えば、 以下の①〜⑧で示すものが 挙げられる。
①アクリル酸またはメタアクリル酸等の (メタ) アクリル酸類;マレイン酸、 フマル酸、 ィタコン酸、 シトラコン酸、 クロトン酸または無水マレイン酸等の不 飽和共重合性カルボン酸類
②前記不飽和共重合性カルボン酸類のアル力リ金属塩(ナトリゥム、 力リゥム、 リチウム塩等) 、 アンモニゥム塩およびアミノ化合物塩 (ジメチルァミン、 トリ メチルァミン、 ジェチルァミン、 トリェチルァミン、 モノェ夕ノ一ルァミン、 ジ エタノールァミン、 メチルジェ夕ノールァミン、 メチルイソプロパノールアミン、 ジメチルモノエタノールァミン、 トリエタノールアミン等) の群より選択される
1種または 2種以上
[式中、 R6は水素原子又は アルキル基を示す。 R7は C 4アルキレン基を示 す。 R8は水素原子、 C L4アルキル基又はフエ二ル基を示す。 mは 1 ~ 2 0の整数 を示す。 ] で表されるアクリル酸アルキレングリコールェ一テル化合物
④ N , N—ジメチルァミノプロピル (メタ) アクリルアミ ド、 N , N—ジメチ ルアミノエチル (メタ) ァクリルアミ ド、 N , N—ジメチルァミノプロピル (メ 夕) アクリルアミ ド、 N, N—ジェチルアミノエチル (メタ) アクリルアミ ド等 の (メタ) アクリルアミ ド類及ぴ、 N , N—ジメチルァミノプロピル (メタ) ァ クリレート、 N , N—ジェチルアミノエチル (メタ) ァクリレート、 ァクリロイ ルモルホリン、 2—ヒドロキシーヒドロキシァクリロイルォキシプロピル一 N , N—ジメチルァミン、 3—ヒドロキシァクリロイルォキシプロピル一 N , N—ジ メチルァミン等の (メタ) ァクリル酸ァミノアルキルエステル類に、 ペンジルク 口ライ ド、 メチルクロライ ド、 ェチルクロライ ド、 プロピルクロライ ド、 ブチル クロライ ド、 ペンジルブ口マイド、 メチルプロマイ ド、 ェチルプロマイ ド、 プロ ビルブロマイ ド、 ブチルブロマイ ド、 ヨウ化メチル、 ヨウ化ベンジル、 ヨウ化工
チルまたはヨウ化プロビル等のハロゲン化炭化水素類;ジェチル硫酸またはジメ チル硫酸等の硫酸エステル類等のアルキル化試剤を作用させて得られた不飽和共 重合性第 4級アンモニゥム塩基類
⑤ ヒドロキシメチルビニルエーテル、 ヒドロキシェチルビ二ルェ一テルまたは ヒドロキシプロピルビニルエーテル等のビニルェ一テル類
⑥ ヒドロキシメチルビ二ルケトン、 ヒドロキシェチルビ二ルケトンまたはヒド ロキシプロピルビニルケトン等のビニルケトン類
⑦ N—ビニルホルムアミ ドまたは N—ビニルァセトアミ ド等のビニルアミ ド 類
⑧ ァクリルアミ ドー 2, 2 '—ジメチルプロパンスルホン酸、 2一スルホェチル メタクリレートまたは 3—スルホプロピルメタクリレート等の不飽和共重合性ス ルホン酸類及びそのアンモニゥム塩
前記一般式 (4 ) で表されるアクリル酸化合物としては、 例えば、 2—ヒドロ キシェチル (メタ) ァクリレート、 3—ヒドロキシプロピル (メ夕) ァクリレ一 ト、 2—ヒドロキシプロピル (メタ) ァクリレートまたは 4ーヒドロキシブチル (メタ)ァクリレ一ト等の(メタ)ァクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類; メトキシェチル (メタ) ァクリレートまたはエトキシェチル (メタ) ァクリレー ト等の (メタ) ァクリル酸のアルコキシアルキルエステル類; ポリエチレングリ コールモノ (メタ) アタリレート、 ポリプロピレングリコ一ルモノ (メ夕) ァク リレートまたはポリアルキレングリコールエステル等の (メタ) アクリル酸のポ リエチレングリコール類; メトキシポリエチレングリコール (メ夕) ァクリレー トまたはメトキシポリプロピレングリコールモノ (メタ) ァクリレート等のアル コキシポリアルキレングリコールエステル類; フエノキシポリエチレングリコー ノレ (メ夕) ァクリレートまたはフエノキシポリプロピレングリコールモノ (メ夕) ァクリレート等の (メタ) アクリル酸のフエノキシポリアルキレングリコ一ルェ ステル類が挙げられる。
これらの中でも下記する重合性二重結合含有基を有するヒドロキシフエニルべ ンゾトリアゾール化合物 (B ) とから得られる共重合体に高い水溶性を付与し得 るという観点から、 とりわけヒドロキシェチル (メタ) ァクリレート、 メ トキシ
ェチル (メ夕) ァクリレート、 ポリエチレングリコ一ルモノ (メ夕) ァクリレ一 ト、 メ トキシポリエチレングリコ一ル (メタ) ァクリレート、 ポリプロピレング リコールモノ (メタ) ァクリレートまたはメ トキシポリエチレングリコール (メ 夕) ァクリレート等が好ましい。 これら重合性単量体 (A) は単独で使用しても よいし、 2種以上を併用してもよい。
前記共重合体における重合性単量体 (A) の量比は特に制限されず、 広い範囲 から適宜選択できるが、 通常は共重合成分全量の 5 ~ 9 9 · 9重量%、 好ましく は 1 0〜9 9重量%とすればよい。
前記重合性単量体 (A) の中でも、 とりわけ② アクリル酸、 メタアクリル酸等 の (メタ) アクリル酸類、 マレイン酸、 フマル酸、 ィタコン酸、 シトラコン酸、 クロトン酸、 無水マレイン酸等の不飽和共重合性カルボン酸類のアルカリ金属塩、 アンモニゥム塩及びアミノ化合物の群より選択される 1種又は 2種以上、 ③ 一般 式 (3 ) で表されるアクリル酸化合物が好ましい。
なお、 前記共重合体を、 該不飽和共重合性カルボン酸類のアルカリ金属塩、 ァ ンモニゥム塩およびアミノ化合物の群より選択される 1種又は 2種以上とヒドロ キシフエ二ルペンゾトリアゾール化合物 (B ) とからなる共重合体とする場合、 該不飽和共重合性カルボン酸類のアル力リ金属塩、 アンモニゥム塩およびアミノ 化合物の群より選択される 1種又は 2種以上を使用する代わりに、 相当する不飽 和共重合性カルボン酸類とヒドロキシフヱ二ルペンゾトリァゾ一ル化合物 (B ) との共重合体を形成後、 0 . 1〜 1 . 3当量のアルカリ金属塩、 アンモニゥムぉ よびアミノ化合物の群より選択される 1種又は 2種以上を反応させて製造しても よい。
次に、 前記の重合性二重結合含有基を有するヒドロキシフエ二ルペンゾトリア ゾール化合物単量体 ( B ) は、 ヒドロキシフエ二ルペンゾトリアゾ一ルの置換可 能な任意の位置に重合性二重結合含有基を有するものであれば、 特に制限されず、 例えば、 前記のとおり、 一般式 (2 ) :
(2)
[式中、 R
3、 R
4及び R
5は、 同一又は異なって重合性二重結合含有基、 水素原子、 C
8のアルキル基、 C
8のアルコキシ基、 シァノ基、 ヒドロキシ基、 ハロゲン原 子、 カルボキシル基又はアルコキシカルボ二ル基を示す。但し、 R
3、 R
4及び R
5 の少なくとも 1つは、 重合性二重結合含有基である。 ] で表されるヒドロキシフ ェニルベンゾトリァゾール化合物が挙げられる。
ここで、 重合性二重結合含有基とは、 ビニル系の重合性二重結合を含む基であ れば特に制限はなく、 例えば、 一般式 (4) :
(R9)n CH2 (4)
[式中、 R 9は CW。アルキレン基を示す。 R 1(5は水素原子又は アルキル基を 示す。 nは 0又は 1の整数を示す。 ] で表される重合性二重結合含有基が挙げら れる。
前記一般式 (4) で表される重合性二重結合含有基は、 ヒドロキシフヱニルべ ンゾトリアゾールの任意の位置に直接、 又は窒素原子、 酸素原子、 硫黄原子等の ヘテロ原子を介して結合していてもよい。
ヒドロキシフヱニルべンゾトリアゾ一ル化合物単量体 ( B ) の具体例としては、 2 - [2,一ヒドロキシ一 5 '— (ァクリロイルォキシ) フエニル] ベンゾトリアゾ ール、 2— [2,一ヒドロキシ一 5,一 (メタクリロイルォキシ) フエニル] ペンゾ トリァゾ一ル、 2— [2,ーヒドロキシー 3 t er t—ブチルー 5'— (メ夕クリ ロイルォキシ) フエニル] ベンゾトリアゾ一ル、 2 - [2,ーヒドロキシ— 3,—メ チル一 5,一 (ァクリロイルォキシ) フエニル] ベンゾトリァゾール、 2— [2'- ヒドロキシー 5'— (メタクリロイルォキシプロピル) フエ二ル;! 一5—クロ口べ ンゾトリァゾ一ル、 2— [2'—ヒドロキシ— 5'— (ァクリロイルォキシェチル) フエニル] ベンゾトリアゾ一ル、 2— [2'—ヒドロキシ一 3,一 t e r t—プチル — 5 '― (メ夕クリロイルォキシェチル)フエニル]ペン、 Jトリアゾール、 2— [2' ーヒドロキシー 3,一メチル— 5'— (ァクリロイルォキシェチル) フエニル] ベン ゾトリアゾール、 2— [2'—ヒドロキシー 3'— t e r t—プチルー 5 '— (メタク
リロイルォキシェチル) フエニル] — 5—クロ口べンゾトリァゾール、 2— 〔2 ' ーヒドロキシ— 5 '— (メタクリロイルォキシプロピル) フエニル] —5—クロ口 ベンゾトリァゾ一ル、 2— [ 2 '—ヒドロキシー 5 '— (ァクリロイルォキシブチル) フエニル] 一 5—メチルベンゾトリアゾール、 または [ 2—ヒドロキシ一 3— t e r tーブチルー 5— (ァクリロイルォキシエトキシカルボニルェチル) フエ二 ル] ベンゾトリアゾ一ル等を挙げることができる。
これらヒドロキシフエ二ルペンゾトリアゾ一ル化合物類は、 公知の方法、 例え ば日本特許 2 7 0 1 1 1 6号公報記載の方法に準じて製造することができる。 ヒ ドロキシフヱニルベンゾトリアゾール化合物単量体 (B ) は 1種を単独で使用で き、 2種以上を併用してもよい。
前記共重合体におけるヒドロキシフエ二ルペンゾトリアゾール化合物単量体 ( B ) の量比は特に制限されず、 広い範囲から適宜選択できるが、 得られる共重 合体の防鲭性能、 水溶性、 使用環境と目的、 経済性を考慮すると、 通常は共重合 成分全量の 0 . 0 0 0 1〜5 0重量%、 好ましくは 0 . 0 0 1〜3 0重量%とす ればよい。
前記重合性単量体 ( A) とヒドロキシフエ二ルペンゾトリァゾ一ル化合物単量 体 (B ) との共重合体の造膜性、 安定性を高め、 凝集、 沈殿もしくはゲル化を防 止し、水溶性、起泡性、粘着性、密着性等を図るために、 その他重合性単量体(C ) を併用して共重合体を構成するのが好ましい。
その他重合性単量体 ( C ) としては、 例えば、 メチル (メタ) ァクリレート、 ェチル (メタ) ァクリレート、 ブチル (メタ) ァクリレート、 才クチル (メタ) ァクリレートまたはラウリル (メタ) ァクリレート等の (メタ) アクリル酸アル キルエステル類; シクロへキシル (メタ) ァクリレート、 メチルシクロへキシル (メタ) ァクリレート、 イソボルニル (メ夕) ァクリレートまたはシクロドデシ ル (メタ) ァクリレート等の (メタ) ァクリル酸シクロアルキルエステル類; (メ 夕) アクリル酸の力プロラクトン付加体; p—ヒドロキシスチレン等のヒド pキ シ芳香族ビニル類; 1一へキセン、 1—ォクテン、 1ーデセンまたはスチレン等 のローォレフィン類; 酢酸ビニル、 プロビオン酸ビニルまたはラウリル酸ビニル 等のカルボン酸ビニルエステル類; 塩化ビニル等が挙げられる。
これらその他重合性単量体 (C) は 1種を単独で使用してもよいし、 2種以上 を使用してもよい。 前記共重合体におけるその他重合性単量体の量比は特に制限 されず、 広い範囲から適宜選択できるが、 その他単量体の使用量が 2 0重量%を 越えると水溶性が損なわれるため、 通常は共重合成分全量の 2 0重量%以下、 好 ましくは 0 . 0 1〜2 0重量%、 より好ましくは 1〜1 5重量%とすればよい。 本発明において、 前記共重合体に対し、 防鑌性能等の特性をより一層向上させ る為に、 次のようなベンゾトリアゾ一ル類(D)の 1種又は 2種以上を添加しても よい。
前記べンゾトリアゾ一ル類 (D ) としては、 例えば、 1 H—べンゾトリァゾー ル、 4ーメチルー 1 H—べンゾトリァゾ一ル、 4—カルボキシルー 1 H—ベンゾ トリァゾール、 4一メチル— 1 H—ベンゾトリアゾールナトリウム塩、 5—メチ ルー 1 H—べンゾトリァゾール、 ベンゾトリァゾ一ル ブチルエステル、 ベンゾ トリァゾール銀塩、 5—クロロー 1 H—ベンゾトリアゾ一ル、 1一クロ口べンゾ トリアゾ一ル等を挙げることができる。
前記共重合体におけるベンゾトリアゾール類 (D ) の量比は、 広い範囲から適 宜選択できるが、 通常は前記共重合体 1 0 0重量部に対し 0〜 5 0 0重量部程度 で使用するのが好ましい。
次に、 本発明の防鯖剤として用いる前記共重合体の重合方法につき説明するが、 基本的には、 例えば、 溶液重合、 乳化重合、 懸濁重合等の通常の重合方法に従つ て製造することができる。
例えば、 溶液重合法による場合、 溶媒中に重合開始剤の存在下、 重合体単量体 (A) 及びヒドロキシフヱ二ルペンゾトリアゾール化合物 (B ) と、 更に必要に 応じてその他重合性単量体 (C ) を共重合させればよい。
溶媒としては、 従来公知のものを広く使用でき、 例えば水、 メタノール、 ェ夕 ノール、 n—プロパノール、 イソプロパノール、 n—ブタノ一ル、 s e c—ブ夕 ノール、 t e r t—ブ夕ノール、 イソブ夕ノール、 n—ペン夕ノール、 ェチルセ 口ソルプ、 ブチルセ口ソルプ、 1—メトキシ一 2—プロパノール、 エチレングリ コ一ル、 プロピレングリコール、 ジエチレングリコール、 ポリエチレングリコー ルまたはポリプロピレングリコール等のアルコール類; 酢酸ェチル、 酢酸プロピ
ルまたは酢酸プチル等のエステル類; 石油エーテル、 へキサンまたはヘプタン等 の脂肪族炭化水素類; ベンゼン、 トルエンまたはキシレン等の芳香族炭化水素 類; アセトン、 メチルェチルケトンまたはメチルイソプチルケトン等のケトン 類; ジェチルエーテル、 ジブチルエーテル、 テトラヒドロフランまたはジォキサ ン等のエーテル類; N , N—ジメチルホルムアミ ド等のアミ ド類を挙げることが できる。
これら溶媒の中でも、 目的の共重合体を水系溶液で用いることを考慮するとき には、 水溶性の溶媒であることが好ましく、 具体的には、 メタノール、 エタノー ル、 イソプロパノール、 ェチルセ口ソルプまたは 1ーメトキシー 2—プロパノ一 ル等のアルコール類、 テトラヒドロフラン又はジォキサン等のエーテル類、 N , N—ジメチルホルムアミ ド等のアミ ド類を挙げることができる。 これら溶媒は 1 種を単独で使用してもよいし、 2種以上を併用してもよい。 溶媒の使用量は特に 限定されず、 得ようとする共重合体の諸特性や用途に応じて広い範囲から適宜選 択できるが、 通常共重合体成分全量を 1 0 0重量部として、 1〜1 0 0 0 0重量 部とすればよい。
重合開始剤としては従来公知のものを広く使用でき、 例えば、 過酸化べンゾィ ル、 ジプチルパーオキサイ ド等の過酸化物、 ァゾビスイソプチロニトリル等のァ ゾ系化合物等を挙げることができる。 重合開始剤は 1種を単独で使用でき、 2種 以上を併用してもよい。 重合開始剤の使用量は特に限定されないが、 通常共重合 体成分全量 (総モル数) の 0 . 1〜 5モル%とすればよい。
この共重合反応は、 通常は室温〜 2 0 0 °C、 好ましくは 4 0〜1 4 0 °Cの温度 範囲で行うことができ、 通常 1〜5 0時間、 好ましくは 2〜2 4時間で終了する。 前記共重合体の分子量は、 通常の方法、 例えば四塩化炭素、 ラウリルメルカプ タン、 n—ドデシルメルカプタン、 t e r t -ドデシルメルカブ夕ン、 チォグリ コール酸ォクチル、 チォグリセ口一ル等の連鎖移動剤やハイ ドロキノン等の重合 禁止剤を添加することで調節することができる。
このようにして得られる共重合 は、 重量平均分子量が通常 1 0 0 0〜2 0 0 0 0 0、 好ましくは 2 0 0 0〜: L 5 0 0 0 0であるが、 水溶性、 経時的なプリ一 ドアウトの防止等を考慮すると、 好ましくは 3 0 0 0〜1 0 0 0 0 0、 さらに好
ましくは 5 0 0 0〜 5 0 0 0 0である。
本発明の防鲭剤は、 前記共重合体を有効成分として含有するものである。 当該 共重合体は、 水溶性に富み、 水系溶液の形態で使用することができるが、 必要に 応じて適当な分散剤、 乳化剤等を用いて分散液、 乳化液の形態で使用することが できる。 上記でいう水系溶液とは、 水または水を主たる溶媒とする溶液をいい、 後者の場合は有機溶媒を前記共重合体に対する水の溶解作用を妨げない程度に含 んでいてもよい。 例えば、 防鲭性重合体の製造時に使用した溶媒を防鲭効果に影 響しない程度に含んでいてもよい。
本発明の防鲭剤には、 必要に応じて、 前記共重合体の防鑌効果を損なわない程 度に、 その他防鯖剤、 紫外線吸収剤、 近赤外線吸収剤、 水溶性消光剤、 酸化防止 剤、 蛍光増白剤、 湿潤剤、 表面張力調整剤、 顔料、 染料、 色素、 香料、 金属不活 性剤、 造核剤、 帯電防止剤、 難燃剤、 滑剤、 増粘剤、 防黴剤、 防腐剤、 酸素吸収 剤あるいは加工助剤や、 その他従来、 防鲭剤組成物に添加される添加剤等を添加 してもよい。
本発明の防鯖剤における前記共重合体の使用濃度は、 その共重合体の種類によ つて多少の違いがあるが、 通常、 0 . 0 0 0 1重量%以上とし、 その濃度以上で あれば特に制限されないが、 0 . 0 0 1〜1 0重量%、 好ましくは 0 . 0 1〜1 重量%程度で使用するのが好ましい。 使用濃度が、 0 . 0 0 0 1重量%未満であ れば十分な防鯖効果を期待することができない。
本発明の防鲭剤は、 一般の金属類 (銅、 鉄などの金属または合金) の防鯖に有 効であるが、 特に銅及び銅合金に対して優れた防鯖効果を示す。
本発明の防鯖方法は、 例えば、 防鯖が必要な金属面に本発明の防鲭剤を含む溶 液を塗布、 スプレー噴霧して被覆するか、 または該金属を該溶液に浸漬する等で 処理した後、 乾燥させて被覆することにより実施できる。
本発明の防鲭剤は、 ^液の状態で保存することができるが、 流通の便を考慮し、 濃縮液とし、 使用時に所定の濃度に水で希釈して使用するようにしてもよい。 本発明の防鑌方法によると、 きわめて簡便に金属類に防鲭処理をすることがで き、 塩水中、 酸性気相中、 高温多湿中、 或いは長期間の屋外暴露といった過酷な 条件下においても発鯖乃至腐食を顕著に抑制することができる。 また、 電子機器
のプラスチック製ハウジングにおいて使用するとき、 ニッケルの無電解メツキと 同等の効果を得ることができる。
実施例
次に、 実施例及び試験例を挙げて、 本発明をさらに具体的に説明する。
なお、 以下において、 「部」 又は 「%」 とあるのは特に断らない限り夫々 「重量 部」 又は 「重量%」 を示す。
実施例 1
攪拌機、 温度計、 冷却器及び滴下漏斗を備えた 4つ口フラスコにイソプロパノ —ル 100部を入れ、 80。Cに昇温した中に、 2— [2, ーヒドロキシ一 5, ― (メタクリロイルォキシェチル) フエニル] ペンゾトリアゾ一ル 20部、 メ トキ シポリエチレングリコールメタクリレート (エチレングリコールの繰りかえし数 m=8) 80部及びァソ'ビスイソプチロニトリル 0. 3部の混合物を 2時間かけ て滴下し、 さらに 80°Cで 4時間保持して、 目的の共重合^:を得、 当該共重合体 のイソプロパノール溶液 (固形分含量 50. 8%) よりなる防鑌剤を製造した。 当該共重合体のゲルパーミエーシヨンクロマトグラフ (以下 GPC) による平均 重量分子量は 43100であった。 前記共重合体を含む溶液から溶媒を減圧留去 して、 残渣に脱イオン水を加え、 前記共重合体を含む水溶液 (固形分含量 30%) を調製し、 水系溶液よりなる防鳍剤を得た。
実施例 2
攪拌機、 温度計、 冷却器及び滴下漏斗を備えた 4つ口フラスコに 1ーメ トキシ 一 2—プロパノール 100部を入れ、 80°Cに昇温した中に、 2— [2, 一ヒド 口キシー 55 一 (メタクリロイルォキシェチル) フエニル] ペンゾトリアゾール 30部、 メトキシポリエチレングリコ一ルメ夕クリレ一ト (m=7) 70部、 ァ ゾビスイソプチロニトリル 0. 3部及び n—ドデシルメルカプ夕ン 1部の混合物 を 2時間かけて滴下し、 さらに 80°Cで 4時間保持して、 目的の共重合体を得、 当該共重合体の 1—メ トキシ— 2—プロパノール溶液 (固形分含量 51. 2%) よりなる防鲭剤を製造した。
実施例 3
攪拌機、 温度計、 冷却器及び滴下漏斗を備えた 4つ口フラスコに 1ーメトキシ
—2—プロパノール 100部を入れ、 80°Cに昇温した中に、 2— [2, 一ヒド 口キシー 3, - t e r t一プチルー 5 ' 一 (メタクリロイルォキシェチル) フエ ニル] ベンゾトリアゾ一ル 30部、 メ トキシポリエチレングリコールメ夕クリレ ート (m=7) 50部、 アクリル酸 20部、 ァゾビスイソプチロニトリル 0. 3 部及び n—ドデシルメルカブタン 1部の混合物を 2時間かけて滴下し、 さらに 8 0°Cで 4時間保持して、 目的の共重合体を得、 当該共重合体の 1ーメトキシ— 2 —プロパノール溶液 (固形分含量 49. 7%) よりなる防鲭剤を製造した。 当該 共重合体の G PCによる平均重量分子量は 5900であった。
実施例 4
攪拌機、 温度計、 冷却器及び滴下漏斗を備えた 4つ口フラスコに 1—メ トキシ 一 2—プロパノール 100部を入れ、 80°Cに昇温した中に、 2— [2 ' —ヒド 口キシー 35 - t e r tーブチルー 55 一 (メタクリロイルォキシェチル) フエ ニル] 一 5—クロ口べンゾトリアゾール 30部、 メ トキシポリエチレングリコ一 ルメ夕クリレート (m=7) 65部、 4一メ夕クリロイルォキシ一 2, 2 , 6, 6—テトラメチルピペリジン 5部及びァゾビスィソプチロニトリル 0. 3部の混 合物を 2時間かけて滴下し、 さらに 80°Cで 4時間保持して共重合反応を終了さ せて、 防鲭性共重合体の 1ーメ トキシー 2—プロパノール溶液 (固形分含量 50. 8%) を製造した。 当該共重合体の GPCによる平均重量分子量は 35900で あった。 この共重合体溶液から溶媒を減圧留去した後、 残渣に脱イオン水を加え て固形分含量 30%水溶液を調製し、 水系溶液の防鲭剤を得た。
実施例 5
攪拌機、 温度計、 冷却器及び滴下漏斗を備えた 4つ口フラスコに 1ーメ トキシ —2—プロパノール 250部、 2— [2 ' ーヒドロキシ一 5' - (メタクリロイ ルォキシェチル) フエニル] ベンゾトリアゾール 30部、 メ夕クリル酸アンモニ ゥム 60部、 2—ヒドロキシェチルメ夕クリレート 10部、 ァゾビスイソプチ口 二トリル 0. 5部及び n—ドデシルメル力プ夕ン 2部の混合物を入れ、 窒素雰囲 気下攪拌しながら 60°Cに昇温し、 その温度を約 12時間保持して、 目的の共重 合体を得、 当該共重合体の 1ーメトキシ— 2—プロパノール溶液 (固形分含量 2 9. 1%、 重合率 100%) よりなる防鲭剤を製造した。 当該共重合体の GPC
による平均重量分子量は 43100であった。 この共重合体溶液から溶媒を減圧 留去した後、 残渣に脱イオン水を加えて固形分含量 30%水溶液を調製し、 水系 溶液の防鑌剤を得た。 当該防鑌剤の pHは 6. 9であった。
実施例 6
攪拌機、 温度計、 冷却器及び滴下漏斗を備えた 4つ口フラスコにテトラヒドロ フラン 250部、 2— [2, ーヒドロキシ一 5' — (メタクリロイルォキシェチ ル) フヱニル] ベンゾトリアゾ一ル 30部、 メ夕クリル酸 60部、 2—ヒドロキ シェチルメ夕クリレート 10部、 ァゾビスイソプチロニトリル 0. 5部及び n— ドデシルメル力プ夕ン 2部の混合物を入れ、 窒素雰囲気下攪拌しながら 60°Cに 昇温した後、 約 12時間保持して、 目的の共重合体を得、 当該共重合体のテトラ ヒドロフラン溶液 (固形分含量 29. 1%、 重合率 100%) よりなる防鑌剤を 製造した。 次に、 pH6〜7になるように 25%アンモニア水溶液を添加し、 室 温で 3時間攪拌した後、 溶媒を減圧留去し、 残渣に脱イオン水を加えて固形分 3 0%水溶液を調製し、 水系溶液の防鲭剤を得た。 当該共重合体の GPCによる平 均重量分子量は 41100であった。
実施例 7
攪拌機、 温度計、 冷却器及び滴下漏斗を備えた 4つ口フラスコにテトラヒドロ フラン 480部、 2— [25 —ヒドロキシ一 5, ― (メタクリロイルォキシェチ ル) フエニル] ベン Vトリァゾ一ル 72部、 メ夕クリル酸メチル 24部、 ァクリ ル酸 96部、 2—ヒドロキシェチルメ夕クリレート 48部ァゾビスイソプチロニ トリル 0. 5部及び n—ドデシルメル力プ夕ン 2部の混合物を入れ、 窒素雰囲気 下攪拌しながら 60 Cに昇温した後、 約 12時間保持して、 目的の共重合体を得、 当該共重合体のテ卜ラヒドロフラン溶液(固形分含量 33.5%、重合率 100%) よりなる防鑌剤を製造した。 次に、 pH6〜7になるように 25%アンモニア水 溶液を添加し、 室温で 3時間攪拌した後、 溶媒を減圧留去し、 残渣に脱イオン水 を加えて共重合体の固形分含量 30%水溶液を調製し、 水系溶液の防鲭剤を得た。 当該共重合体の GPCによる平均重量分子量は 36900であった。
試験例 1 (防鲭試験)
銅板 (J I S規格 C 1020 P、 0. 5 x 30x 70mm) の表面を、 320
番研磨紙を用いて研磨した後、 0 . 5 %塩酸に 5分間浸漬し、 その後 1分間水洗 したものを試験片とした。
試験液 1 : 実施例 2で得られた 1ーメトキシー 2—プロパノール溶液に脱ィォ ン水を加え、 固形分 0 . 1 8 %の水系溶液の防鲭剤を調製し、 試験液 1とした。 試験液 2 : 実施例 7で得られた 3 0 %水溶液に脱イオン水を加え、 固形分 0 . 1 5 %の水系溶液の防鲭剤を調製し、 試験液 2とした。
比較試験液 1 : 防鯖剤として 1 %ベンゾトリアゾ一ル水溶液を用いた。
比較試験液 2 : 防鯖剤として 2— (2—ヒドロキシー 5—メチルフエニル) ベ ンゾトリァゾール (チヌビン:?、 日本チバガイギ一社製) の 1 %ァセトン溶液を 用いた。 上記試験片を、 試験液 1、 試験液 2、 比較試験液 1および比較試験液 2にそれ それ 2 0 °Cで 2分間浸潰し、 エアプロ一により 6 0 °Cで 3 0分間乾燥した。 処理 された各試験片に、 5 %食塩水を 3 5 °Cで 2 4時間噴霧し、 表面状態を確認した。 また、 試験前後の電気抵抗値を、 接触抵抗値計ロレスター MP (三菱化学製, プ ローブ: 2探針方式) で測定した。 測定は 2箇所で行った。 なお、 参考として銅 板表面にニッケル無電解メツキしたものについても同様に食塩水噴霧処理を行い、 表面状態を確認した。
上記の試験結果を表 1及び表 2に示す。
[表 1 ]
発鯖状況 変色状況
試験液 1 無し 無し
試験液 2 無し 無し
比較試験液 1 全面発鑌 全面黒变
比較試験液 2 isし
二ヅケルメッキ処理 fiSし
[¾2]
以上の結果から、 本発明の防鳍剤は、 銅の代表的な防鎗剤であるペンゾトリア ゾールよりも低濃度でありながら、 より優れた防鲭効果を示し、 ニッケルメツキ 処理と同等の効果を示すことがわかる。
試験例 2
銅板 ( J I S規格 C 1020 P、 0.5 X 3 0 X 7 Omm) の表面を、 1500 番研磨紙を用いて研磨した後、 5%硫酸に 1分間浸漬し、その後 1分間水洗したも のを試験片とした。
上記試験片を下記に示す試験液 3〜 6および比較試験液 1〜 2にそれそれ 2 0°Cで 5分間浸潰したのち、 30秒間水洗し、 エアプロ一により試験片表面の水 滴を除いたのち、 60°Cで 30分間乾燥した。
処理された各試験片を温度 60° 湿度 85 %に調整した恒温恒湿槽中に 11 4時間放置した。試験前後の表面電気抵抗値を、接触抵抗値計ロレスター MP (三 菱化学製、 プローブ: 2探針方式) で測定した。 測定箇所は 5力所で行い、 その 平均値を表面電気抵抗値とした。 試験結果を表 4に示す。
試験液 4 :実施例 6で得られた 30 %水溶液 5重量部に対し 1 H—ペンゾトリ ァゾ一ル 1部を加えた後、 脱イオン水を加え、 固形分 25 Oppmの水溶液とし、 試験液 4とした。 . 試験液 5 :実施例 6で得られた 30%水溶液 3.3重量部に対し 1H—べンゾト リアゾール 1部を加えた後、 脱イオン水を加え、 固形分 200 ppmの水溶液と し、 試験液 5とした。
試験液 6 :実施例 6で得られた 3 0 %水溶液 1 .7重量部に対し 1 H—ペンゾト リアゾ一ル 1部を加えた後、 脱イオン水を加え、 固形分 1 5 O p p mの水溶液と し、 試験液 6とした。
比較試験液 3 :防鲭剤として 1 H—ベンゾトリァゾ一ル 1 0 0 p p m水溶液を 用いた。
比較試験液 4 :防鑌剤として 1 H—べンゾトリアゾ一ル 2 5◦ p p m水溶液を 用いた。
試験液および比較試験液一覧を表 3に示す。
[表 3 ]
[表 4 ]
以上の結果から、 本発明の防鑌剤はべンゾトリアゾ一ル系防鳍剤と併用するこ とにより相乗効果を示すことがわかる。
産業上の利用可能性
上述のとおり、 本発明の防鯖剤は、 親水性又は水溶性の重合性単量体 (Α) と、 重合性二重結合含有基を有するヒドロキシフヱ二ルペンゾトリアゾ一ル化合物単 量体 (Β ) との共重合体を有効成分として含有するものであり、 金属類 (とりわ け銅とその合金) の防鑌にきわめて有効である。 本防鲭剤は、 水系溶液として使 用することができることから、 有機溶媒系の防鲭剤に比べて、 コストが安くなる
こと、 安全性があること、 廃液処理が容易であること、 などの諸点において実用 上、 非常に有利である。