JP2003165803A - エマルジョンおよびエマルジョン塗料組成物 - Google Patents

エマルジョンおよびエマルジョン塗料組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】密着性、耐水性および防食性に優れ、かつ塗料
としての高外観性を達成し得るエマルジョン塗料組成物
であり、特にマグネシウム合金やアルミニウム合金など
の難接着性金属用塗料として好適な塗料組成物を提供す
る。 【解決手段】アクリル系ポリマー(I)の存在下に分子
中に不飽和二重結合を有する反応性乳化剤(A)、イミ
ダゾール基含有重合開始剤(B)を用い、エポキシ基含
有不飽和単量体(a)、水酸基含有不飽和単量体(b)
を乳化共重合してなるアクリル系エマルジョンが配合さ
れたエマルジョン塗料組成物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗装時に排出され
る有機溶剤、他が喚起する環境汚染の緩和に考慮しつ
つ、塗料としての諸性能を満足すべく設計されたエマル
ジョン塗料組成物に関するものである。
【0002】さらに詳細には、マグネシウム合金、アル
ミニウム合金等の軽量、高強度ではあるが、塗料の密着
性、耐食性が不十分な非鉄金属に好適なエマルジョン塗
料組成物を提供するものである。
【0003】本発明によれば、これら非鉄金属にきわめ
て良好な密着性を有し、防食性に優れた塗膜を形成する
塗料が作製可能となる。
【0004】
【従来の技術】近年、例えば、地球温暖化やオゾン層の
破壊など、地球規模での環境汚染が深刻な問題、課題と
して取り上げられることが多くなっている。
【0005】塗料や塗装の世界でも、これらの課題を解
決すべく、鋭意検討開発が進められている。すなわち、
塗料の無溶剤化(粉体塗料、反応性塗料)、ハイソリッ
ド化および水系化等がこれに当たる。
【0006】一方で、塗料に要求される機能は、意匠性
(美観の向上)や被塗物の保護などであるが、現在の開
発状況は必ずしも満足できるものではない。すなわち、
塗料を無溶剤化した場合には、塗膜形成時に高温での焼
き付けや光照射を必要とし塗装作業性が悪くなり、ハイ
ソリッド化した場合には、バインダーの大きい分子量ダ
ウンを伴い、密着性や耐水性など基本的性能を主とした
塗膜性能が悪化する。また、水系塗料は、ヨーロッパな
どの低湿度地域と異なり、特に日本などの高湿度地域で
は塗膜のべたつき、耐久性不足が懸念となっていた。
【0007】また、マグネシウム合金、アルミニウム合
金等の非鉄金属は耐食性が悪く、一般にクロメート処理
などの化成処理が実施されている。しかし、クロメート
処理などの化成処理は、該処理液が排水中に流入した場
合深刻な環境汚染を引き起こし、また生物環境にも重大
な影響を及ぼすことが懸念され、これに替わる防食被
膜、処理方法が熱望されているものの、まだ十分なもの
は見出されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、密着
性、耐食性および耐候性に優れ、かつ塗料としての高外
観性を達成し得る、特にマグネシウム合金、アルミニウ
ム合金、ステンレスなどの難接着性(非鉄)金属用塗料
として好適なエマルジョンおよび該エマルジョンを配合
した塗料組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は次の構成からなる。すなわち、本発明は、
アクリル系ポリマー(I)の存在下、水性媒体中で、分
子中に不飽和二重結合を有する反応性乳化剤(A)、イ
ミダゾリン基含有重合開始剤(B)を用い、少なくとも
エポキシ基不飽和単量体(a),水酸基含有不飽和単量
体(b)を含む2種類以上の不飽和単量体を乳化重合し
てなるアクリル系エマルジョン、および該エマルジョン
を配合した塗料組成物である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のアクリル系エマルジョン
は、アクリル系ポリマー(I)の存在下、水性媒体中
で、分子中に不飽和二重結合を有する反応性乳化剤
(A)、イミダゾール基含有重合開始剤(B)を用い、
少なくとも、エポキシ基含有不飽和単量体(a)、水酸
基含有不飽和単量体(b)を含む2種以上の不飽和単量
体を乳化共重合してなることが必要である。
【0011】アクリル系エマルジョンの乳化共重合は、
アクリル系ポリマー(I)の存在下に行われることが必
須である。アクリル系ポリマー(I)が存在しない場合
に比べて、アクリル系エマルジョンを配合した塗料の耐
水性、耐薬品性、耐傷つき性が向上する効果があり、ま
た、塗料の光沢を抑える艶消しの効果がある。
【0012】アクリル系ポリマー(I)は、例えば、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリ
ル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリ
ル酸トリフルオロエチル、アクリル酸メチル、アクリル
酸n−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸
ラウリル、アクリル酸トリフルオロエチルなどの(メ
タ)アクリル酸の(フルオロ)アルキルエステル単量
体、エポキシ基含有不飽和単量体(a)、水酸基含有不
飽和単量体(b)、カルボキシル基含有不飽和単量体
(c)、および必要であればその他の不飽和単量体をラ
ジカル共重合により高分子化したものなどが例示でき
る。ラジカル共重合の方法は、溶液重合、乳化重合、懸
濁重合、塊状重合などによらず可能であり、また、アク
リル系ポリマー(I)の形態は、液状、粒子状、塊状の
いずれであってもよい。本発明では、特に、乳化重合に
よりエマルジョンとして製造することにより、取り扱い
性がよくなり、アクリル系エマルジョンが配合された塗
料(以下エマルジョン塗料という)の硬化性、外観など
に優れたものとなるので好ましい。
【0013】アクリル系エマルジョンの乳化共重合は、
水性媒体中で行われることが必須である。ここに、水性
媒体とは、水を主成分とする媒体を示し、必要であれ
ば、25℃の水に10重量%以上溶解するメチルアルコ
ール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イ
ソプロピルアルコールなどの親水性有機溶剤を50重量
%未満の割合で含有することも可能である。また、水は
イオン交換水であることが望ましく、25℃での電導度
が500μs/cm以下であることがより望ましい。
【0014】アクリル系エマルジョンの乳化共重合に
は、分子中に不飽和二重結合を有する反応乳化剤(A)
が必須である。該反応性乳化剤(A)としては、例え
ば、(化3)または(化4)で表されるものを例示でき
る。該反応性乳化剤(A)は単独でも、もしくは2種類
以上の混合物であってもよい。 該反応性乳化剤(A)
は、アクリル系エマルジョンを構成するラジカル共重合
性不飽和単量体に対し0.02〜20重量%、好ましく
は0.2〜18重量%、より好ましくは0.5〜10重
量%使用するのが望ましい。該反応性乳化剤(A)の使
用量が0.02重量%以上であれば、乳化重合中に凝集
を起こしにくくなるので好ましい。該反応性乳化剤
(A)の使用量が20重量%を以下であれば、エマルジ
ョン塗料の耐水性、耐薬品性効果が得られ、好ましい。
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】 アクリル系エマルジョンの乳化共重合には、イミダゾー
ル基含有重合開始剤(B)が必須である。該イミダゾー
ル基含有重合開始剤(B)としては、2,2−´アゾビ
ス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)
プロパン〕ジハイドロクロライド(和光純薬工業(株)
製VA−041)、2,2−´アゾビス〔2−(2−イ
ミダゾリン−2−イル)プロパン〕ジハイドロクロライ
ド(和光純薬工業(株)製VA−044)、2,2−´
アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン〕ジサルフェート ジハイドレート(和光純薬工業
(株)製VA−046B)、2,2−´アゾビス{〔1
−(2−ジドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−
イル〕プロパン}ジハイドロクロライド(和光純薬工業
(株)製VA−060)、2,2−´アゾビス〔2−イ
ミダゾリン−2−イル)プロパン〕(和光純薬工業
(株)製VA−061)などが例示できる。該イミダゾ
ール基含有重合開始剤(B)は単独でも、もしくは2種
類以上の混合物であってもよい。中でも、2,2−´ア
ゾビス〔2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕など
の分子中に硫酸イオン、塩素イオンを有さないものは、
マグネシウム合金、アルミニウム合金などの金属を侵さ
ず、美麗な塗装外観を形成できるので推奨できる。該イ
ミダゾール基含有重合開始剤(B)は、乳化共重合時に
重合開始剤として作用し、ポリマー鎖末端に付加し、エ
マルジョン塗料の硬化時、ポリマー−ポリマー間で架橋
反応を促進し、エマルジョン塗料の硬化性、密着性を向
上するために有効に作用する。
【0017】該イミダゾール基含有重合開始剤(B)
は、アクリル系エマルジョンを構成するラジカル共重合
性不飽和単量体に対し0.001〜30重量%、好まし
くは0.002〜20重量%、より好ましくは0.00
5〜10重量%使用するのが望ましい。該イミダゾール
基含有重合開始剤(B)の使用量が0.001重量%未
満の場合には、塗料の硬化性が不十分となり、密着性、
防食性が悪化するので好ましくない。該イミダゾール基
含有重合開始剤(B)の使用量が30重量%以下であれ
ば、エマルジョン塗料の貯蔵安定性が損なわれにくく、
好ましい。
【0018】アクリル系エマルジョンに用いられるエポ
キシ基含有不飽和単量体(a)としては、グリシジルア
クリレート、グリシジルメタクリレート、メチルグリシ
ジルアクリレート、メチルグリシジルメタクリレート、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート
などの分子中にエポキシ基と不飽和二重結合を有する化
合物を例示することができる。エポキシ基含有不飽和単
量体(a)は、単独でも、もしくは2種類以上の混合物
であってもよい。
【0019】該エポキシ基含有不飽和単量体(a)はエ
マルジョン塗料に架橋性、密着性を付与するために有効
に作用する。したがって、アクリル系エマルジョン中に
は、エポキシ基が残存する必要があり、このためアクリ
ル系エマルジョンはpH5.0〜10.0、好ましくは
6.0〜9.5、より好ましくは7.0〜9.0である
ことが推奨される。アクリル系エマルジョンのpHが
5.0以上であれば、エポキシ基の残存率が低くなら
ず、エマルジョン塗料の架橋性、密着性が良くなるので
好ましい。アクリル系エマルジョンのpHが10.0以
下であれば、同様に、エポキシ基の残存率が低くなら
ず、エマルジョン塗料の架橋性、密着性が良くなるので
好ましい。
【0020】該エポキシ基含有不飽和単量体(a)は、
アクリル系エマルジョンを構成するラジカル重合性不飽
和単量体中0.5〜50重量%、好ましくは3.0〜3
0重量%、より好ましくは5.0〜30重量%共重合さ
れる。エポキシ基含有不飽和単量体(a)の共重合量が
0.5重量%以上であれば、塗料の硬化性、密着性効果
が得られるので好ましい。エポキシ基含有不飽和単量体
(a)の共重合量が50重量%以下であれば、塗料の貯
蔵安定性が損なわれにくく好ましい。
【0021】アクリル系エマルジョンに用いられる水酸
基含有不飽和単量体(b)としては、アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、
アクリル酸4−ヒドロキシブチル、ポリエチレングリコ
ールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
アクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノアク
リレート、ポリエチレングリコールポリテトラメチレン
グリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコー
ルポリテトラメチレングリコールモノアクリレート、メ
タクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒ
ドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチ
ル、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリ
プロピレングリコールモノメタクリレート、ポリテトラ
メチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレン
グリコールポリテトラメチレングリコールモノメタクリ
レート、ポリプロピレングリコールポリテトラメチレン
グリコールモノメタクリレートなどの一分子中に水酸基
と不飽和基を有する化合物を例示することができる。該
水酸基含有不飽和単量体(b)は、単独でも、もしくは
2種類以上の混合物であってもよい。
【0022】該水酸基含有不飽和単量体(b)は、アク
リル系エマルジョンを構成するラジカル重合性不飽和単
量体中0.5〜50重量%、好ましくは3.0〜30重
量%、より好ましくは5.0〜30重量%共重合され
る。水酸基含有不飽和単量体(b)の共重合量が0.5
重量%以上であれば、塗料の硬化性、密着性効果が得ら
れるので好ましい。水酸基含有不飽和単量体(b)の共
重合量が50重量%以下であれば、塗料の貯蔵安定性が
損なわれにくく好ましい。
【0023】アクリル系エマルジョンは、ポキシ基含有
不飽和単量体(a)、水酸基含有不飽和単量体(b)に
加えて、その他の不飽和単量体を乳化共重合することも
できる。
【0024】その他の不飽和単量体としては、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸ターシャリーブチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリ
ル酸トリシクロデシル、アクリル酸イソボルニル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ターシャ
リーブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シク
ロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸ラウリル、メタクリル酸トリシクロデシル、メタ
クリル酸イソボルニル、メタクリル酸トリフルオロエチ
ルなどの(メタ)アクリル酸の(フルオロ)アルキルエ
ステル類、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル
酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシ
ブチル、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポ
リプロピレングリコールモノアクリレート、ポリテトラ
メチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレング
リコールポリテトラメチレングリコールモノアクリレー
ト、ポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリ
コールモノアクリレート、メタクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタク
リル酸4−ヒドロキシブチル、ポリエチレングリコール
モノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメ
タクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノメタ
クリレート、ポリエチレングリコールポリテトラメチレ
ングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリ
コールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレー
トなどの水酸基含有不飽和単量体、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含
有不飽和単量体、グリシジルアクリレート、グリシジル
メタクリレート、メチルグリシジルアクリレート、メチ
ルグリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチルメタクリレートなどの分子中にエポキシ
基と不飽和二重結合を有するエポキシ基含有不飽和単量
体、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、
N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、4−メ
タアクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジンなどの3級アミノ基含有不飽和単量体、アク
リルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N,N−ジ
メチルアクリルアミドなどのアミド化合物、3−メタク
リロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタ
クリロイルオキシプロピルトリエトキシシランなどの反
応性珪素原子含有不飽和単量体、2−(2´−ヒドロキ
シ−5´−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2
H−ベンゾトリアゾール、4−メタアクリロイルアミノ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの分子
中に紫外線吸収性基、ヒンダードアミン系光安定性基を
有する不飽和単量体、酢酸ビニル、スチレン、α−メチ
ルスチレンなどのビニル化合物、等を例示することがで
きる。その他の不飽和単量体は、単独でも、もしくは2
種類以上の混合物であってもよい。
【0025】アクリル系エマルジョンは、さらに一分子
中にエポキシ基とアルコキシシラン基を有するシラン化
合物(C)を含むことが望ましく、エマルジョン塗料の
密着性、耐傷つき性、耐候性が向上する傾向にあり、こ
とさら、マグネシウム合金、アルミニウム合金などに対
する密着性、防食性が飛躍的に改善され、向上する傾向
にある。
【0026】該シラン化合物(C)はアクリル系エマル
ジョンを乳化重合する際に、重合系中に存在することに
より、エマルジョン塗料の安定性、硬化性、密着性、耐
候性、耐傷つき性などの性能が改善、向上するばかりで
なく、エマルジョン塗料の貯蔵安定性が飛躍的に向上す
るので好ましい。
【0027】該シラン化合物(C)としては、3−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチルトリメトキシシラン、およびこれらシラ
ン化合物の加水分解物、縮合物などを例示することがで
きる。一分子中にエポキシ基とアルコキシシラン基を有
するシラン化合物(C)は、単独でも、2種類以上の混
合物であってもよい。
【0028】該シラン化合物(C)はアクリル系エマル
ジョンを構成するラジカル重合性不飽和単量体に対し、
0.5〜80重量%、好ましくは3〜50重量%、より
好ましくは5〜30重量%配合される。該一分子中にエ
ポキシ基とアルコキシシラン基を有するシラン化合物
(C)の配合量が0.5重量%以上であれば、塗料の密
着性、架橋性効果が得られるので好ましい。特に、マグ
ネシウム合金、アルミニウム合金、ステンレスの場合に
は、実用的な密着性が得られるので好ましい。一分子中
にエポキシ基とアルコキシシラン基を有するシラン化合
物(C)の配合量が80重量%以下であれば、塗料の貯
蔵安定性が損なわれにくく好ましい。
【0029】該シラン化合物(C)をアクリル系エマル
ジョンの乳化重合中に存在させる方法としては、該シラ
ン化合物(C)をアクリル系エマルジョンを構成するラ
ジカル重合性不飽和単量体に溶解し、乳化重合を実施す
ることにより簡便に配合することができ、推奨される。
【0030】また、乳化重合により製造されたアクリル
系エマルジョンは、粒子径が1〜200nm、好ましく
は30〜180nm、より好ましくは40〜160nm
であることが望ましい。粒子径が1nm以上であれば、
エマルジョン塗料の塗料粘度が適度に保たれ、塗装作業
性が良好となるので好ましい。粒子径が200nm以下
であれば、塗膜を乾燥、硬化する際、エマルジョン粒子
同士が十分に融着することにより、塗膜外観、耐水性、
耐薬品性効果が得られるので好ましい。
【0031】アクリル系エマルジョンの好ましい乳化重
合での製造例での一例を挙げれば、水性媒体(イオン交
換水(pH=5〜7/25℃)が望ましい)中で、重合
開始剤として2,2−´アゾビス〔2−イミダゾリン−
2−イル)プロパン〕などの分子中に硫酸イオン、塩素
イオンを有さないイミダゾール基含有重合開始剤(B)
を用い、前記反応性乳化剤(A)、好ましくはスルホン
酸ソーダ塩を有するもの、および必要であればポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテルなどの非イオン性界
面活性剤を併用し、重合温度50℃〜100℃におい
て、アクリル系ポリマー(I)存在下で、エポキシ基含
有不飽和単量体(a)、カルボキシル基含有不飽和単量
体(c)、シラン化合物(C)、および必要であればそ
の他の不飽和単量体を乳化共重合することにより製造で
きる。
【0032】本発明のアクリル系ポリマー(I)は、水
性媒体中で、分子中に不飽和二重結合を有する反応性乳
化剤(A)、イミダゾール基含有重合開始剤(B)を用
い、エポキシ基含有不飽和単量体(a)、カルボキシル
基含有不飽和単量体(c)(ただし(a)のモル数≦
(c)のモル数)を乳化共重合し製造されるものである
ことが望ましい。
【0033】アクリル系ポリマー(I)の乳化重合によ
る製造方法の一例を示すと、水性媒体(イオン交換水
(pH=5〜7/25℃)が望ましい)中で、重合開始
剤として2,2−´アゾビス〔2−イミダゾリン−2−
イル)プロパン〕などの分子中に硫酸イオン、塩素イオ
ンを有さないイミダゾール基含有重合開始剤(B)を用
い、前記反応性乳化剤(A)、好ましくはスルホン酸ソ
ーダ塩を有するもの、および必要であればポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテルなどの非イオン性界面活
性剤を併用し、重合温度50℃〜100℃で、エポキシ
基含有不飽和単量体(a)、カルボキシル基含有不飽和
単量体(c)、および必要であればその他の不飽和単量
体を乳化共重合することにより製造できる。乳化共重合
により製造されたアクリル系ポリマー(I)のpH(2
5℃)は1.0〜10.0、好ましくは2.0〜9.
5、より好ましくは5.0〜9.0であることが推奨さ
れる。アクリル系ポリマー(I)のpHが1.0以上で
あれば、次工程のアクリル系エマルジョン製造工程にお
ける乳化共重合でラジカル重合性不飽和単量体とのグラ
フト重合を形成するアクリル系エマルジョンを製造する
のが容易になるので好ましい。アクリル系ポリマー
(I)のpHが10.0以下であれば、次工程の乳化共
重合で重合率が十分に上がり、未反応モノマーが多量に
残存する問題は生じないので好ましい。
【0034】アクリル系ポリマー(I)は、水性媒体中
で、分子中に不飽和二重結合を有する反応性乳化剤
(A)、イミダゾール基含有重合開始剤(B)を用い乳
化重合することで、エマルジョン塗料の安定性、硬化
性、被塗物の防食性が優れたものとなるので好ましい。
【0035】さらに、アクリル系ポリマー(I)は、水
性媒体中で、分子中に不飽和二重結合を有する反応性乳
化剤(A)、イミダゾール基含有重合開始剤(B)を用
い、エポキシ基含有不飽和単量体(a)、カルボキシル
基含有不飽和単量体(c)(ただし(a)のモル数≦
(c)のモル数)を乳化共重合し製造することで、前記
効果に加え、エマルジョン塗料の耐溶剤性、耐傷つき
性、耐候性など諸性能が飛躍的に向上するので、好まし
い。また、エポキシ基含有不飽和単量体(a)のモル数
≦カルボキシル基含有不飽和単量体(c)のモル数の関
係を満たすことにより、アクリル系ポリマー(I)は十
分に架橋したポリマー粒子を形成し、アクリル系エマル
ジョンを配合した塗料の耐水性、耐薬品性、耐傷つき性
が向上するので好ましく、次工程のアクリル系エマルジ
ョン製造工程で実施される乳化重合時に、該アクリル系
ポリマー(I)(架橋粒子)が、ラジカル重合性不飽和
単量体との間で相互に反応し、グラフト構造を形成し、
アクリル系エマルジョンを形成するアクリル系ポリマー
粒子が安定で、分離しない強固なものとなるので、好ま
しく、さらに、エマルジョン塗料の耐傷つき性、密着
性、耐候性が向上する傾向にある。
【0036】アクリル系ポリマー(I)に用いられるエ
ポキシ基含有不飽和単量体(a)としては、グリシジル
アクリレート、グリシジルメタクリレート、メチルグリ
シジルアクリレート、メチルグリシジルメタクリレー
ト、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレー
ト、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレ
ートなどの分子中にエポキシ基と不飽和二重結合を有す
る化合物を例示することができる。エポキシ基含有不飽
和単量体(a)は、単独でも、もしくは2種類以上の混
合物であってもよい。
【0037】該エポキシ基含有不飽和単量体(a)はア
クリル系ポリマー(I)に粒子内架橋性、硬度を付与す
るため、好ましく用いられる。エポキシ基含有不飽和単
量体(a)は、アクリル系ポリマー(I)を構成するラ
ジカル重合性不飽和単量体中0.05〜50重量%、好
ましくは0.2〜30重量%、より好ましくは0.5〜
30重量%共重合される。エポキシ基含有不飽和単量体
(a)の共重合量が0.05重量%以上であれば、アク
リル系ポリマー(I)の架橋性が十分となり、耐傷つき
性、硬度が良好となるので好ましい。エポキシ基含有不
飽和単量体(a)の共重合量が50重量%以下であれ
ば、塗膜が強固なものとなり、密着性が向上するので好
ましい。
【0038】アクリル系ポリマー(I)に用いられるカ
ルボキシル基含有不飽和単量体(c)としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、β−カ
ルボキシエチルアクリレートなどの分子中にカルボキシ
ル基と不飽和二重結合を有する化合物を例示することが
できる。カルボキシル基含有不飽和単量体(c)は単独
でも、もしくは2種類以上の混合物であってもよい。
【0039】該カルボキシル基含有不飽和単量体(c)
は、前記エポキシ基含有不飽和単量体(a)との相互反
応により、アクリル系ポリマー(I)に粒子内架橋性、
硬度を付与するため、好ましく用いられる。さらに、ア
クリル系エマルジョンとの間でグラフト点を形成し、塗
膜に強靱性、耐水性、耐薬品性を付与するため好まし
い。
【0040】該カルボキシル基含有不飽和単量体(c)
は、アクリル系ポリマー(I)を構成するラジカル重合
性不飽和単量体中0.05〜50重量%、好ましくは
0.2〜30重量%、より好ましくは0.5〜30重量
%共重合される。カルボキシル基含有不飽和単量体
(c)の共重合量が0.05重量%以上であれば、アク
リル系ポリマー(I)の架橋性が十分となり、耐傷つき
性、硬度が良好となるので好ましい。カルボキシル基含
有不飽和単量体(c)の共重合量が50重量%以下であ
れば、塗膜が強固なものとなり、密着性が向上するので
好ましい。
【0041】さらに、該カルボキシル基含有不飽和単量
体(c)としては、(化1)または(化2)で表される
カルボキシル基含有不飽和単量体(c)の少なくとも1
種を含むことにより、耐水性、耐溶剤性、塗料の貯蔵安
定性が向上する傾向にある。(化1)または(化2)で
表されるカルボキシル基含有不飽和単量体(c)として
は、β−カルボキシエチルアクリレート、2−アクリロ
イルこはく酸エステルなどが例示できる。該(化1)ま
たは(化2)で表されるカルボキシル基含有不飽和単量
体(c)は単独でも、もしくは2種類以上の混合物であ
ってもよい。
【0042】アクリル系ポリマー(I)は、エポキシ基
含有不飽和単量体(a)、カルボキシル基含有不飽和単
量体(c)に加えて、その他の不飽和単量体を乳化共重
合することもできる。
【0043】その他の不飽和単量体としては、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸ターシャリーブチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリ
ル酸トリシクロデシル、アクリル酸イソボルニル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ターシャ
リーブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シク
ロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸ラウリル、メタクリル酸トリシクロデシル、メタ
クリル酸イソボルニル、メタクリル酸トリフルオロエチ
ルなどの(メタ)アクリル酸の(フルオロ)アルキルエ
ステル類、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル
酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシ
ブチル、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポ
リプロピレングリコールモノアクリレート、ポリテトラ
メチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレング
リコールポリテトラメチレングリコールモノアクリレー
ト、ポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリ
コールモノアクリレート、メタクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタク
リル酸4−ヒドロキシブチル、ポリエチレングリコール
モノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメ
タクリレート、ポリテトラメチレングリコールモノメタ
クリレート、ポリエチレングリコールポリテトラメチレ
ングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリ
コールポリテトラメチレングリコールモノメタクリレー
トなどの水酸基含有不飽和単量体、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含
有不飽和単量体、グリシジルアクリレート、グリシジル
メタクリレート、メチルグリシジルアクリレート、メチ
ルグリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチルメタクリレートなどの分子中にエポキシ
基と不飽和二重結合を有するエポキシ基含有不飽和単量
体、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、
N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、4−メ
タアクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジンなどの3級アミノ基含有不飽和単量体、アク
リルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N,N−ジ
メチルアクリルアミドなどのアミド化合物、3−メタク
リロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタ
クリロイルオキシプロピルトリエトキシシランなどの反
応性珪素原子含有不飽和単量体、2−(2´−ヒドロキ
シ−5´−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2
H−ベンゾトリアゾール、4−メタアクリロイルアミノ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの分子
中に紫外線吸収性基、ヒンダードアミン系光安定性基を
有する不飽和単量体、酢酸ビニル、スチレン、α−メチ
ルスチレンなどのビニル化合物、等を例示することがで
きる。これらのその他の不飽和単量体は、単独でも、も
しくは2種類以上の混合物であってもよい。
【0044】アクリル系ポリマー(I)の乳化共重合に
用いられる、分子中に不飽和二重結合を有する反応性乳
化剤(A)としては、例えば、構造式(3)または
(4)で表されるものを例示できる。該反応性乳化剤
(A)は単独でも、もしくは2種類以上の混合物であっ
てもよい。
【0045】該反応性乳化剤(A)は、アクリル系ポリ
マー(I)を構成するラジカル共重合性不飽和単量体に
対し0.02〜20重量%、好ましくは0.2〜18重
量%、より好ましくは0.5〜10重量%使用するのが
望ましい。該反応性乳化剤(A)の使用量が0.02重
量%未満の場合には、乳化重合中に凝集を起こしやすく
なるので好ましくない。該反応性乳化剤(A)の使用量
が20重量%を超える場合には、エマルジョン塗料の耐
水性、耐薬品性が悪化するので好ましくない。
【0046】アクリル系ポリマー(I)の乳化共重合に
用いられるイミダゾール基含有重合開始剤(B)として
は、2,2−´アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミ
ダゾリン−2−イル)プロパン〕ジハイドロクロライド
(和光純薬工業(株)製VA−041)、2,2−´ア
ゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン〕ジハイドロクロライド(和光純薬工業(株)製VA
−044)、2,2−´アゾビス〔2−(2−イミダゾ
リン−2−イル)プロパン〕ジサルフェート ジハイド
レート(和光純薬工業(株)製VA−046B)、2,
2−´アゾビス{〔1−(2−ジドロキシエチル)−2
−イミダゾリン−2−イル〕プロパン}ジハイドロクロ
ライド(和光純薬工業(株)製VA−060)、2,2
−´アゾビス〔2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン〕(和光純薬工業(株)製VA−061)などが例示
できる。該イミダゾール基含有重合開始剤(B)は単独
でも、もしくは2種類以上の混合物であってもよい。中
でも、2,2−´アゾビス〔2−イミダゾリン−2−イ
ル)プロパン〕などの分子中に硫酸イオン、塩素イオン
を有さないものは、マグネシウム合金、アルミニウム合
金などの金属を侵さず、美麗な塗装外観を形成できるの
で推奨できる。該イミダゾール基含有重合開始剤(B)
は、乳化共重合時に重合開始剤として作用し、ポリマー
鎖末端に付加し、エマルジョン塗料の硬化時、ポリマー
−ポリマー間で架橋反応を促進し、エマルジョン塗料の
硬化性、密着性を向上するために有効に作用するので好
ましい。
【0047】該イミダゾール基含有重合開始剤(B)
は、アクリル系ポリマー(I)を構成するラジカル共重
合性不飽和単量体に対し0.001〜30重量%、好ま
しくは0.002〜20重量%、より好ましくは0.0
05〜10重量%使用するのが望ましい。該イミダゾー
ル基含有重合開始剤(B)の使用量が0.001重量%
以上であれば、塗料の硬化性が十分となり、密着性、防
食性が良好となるので好ましい。該イミダゾール基含有
重合開始剤(B)の使用量が30重量%以下であれば、
塗料の貯蔵安定性が損なわれにくく好ましい。
【0048】本発明で得られたアクリル系エマルジョン
は、外観、密着性、耐食性等に優れた塗膜を形成でき
る。このため、本発明のアクリル系エマルジョンで構成
される組成物は、コーティング剤特に塗料用組成物とし
て好適に適用できる。
【0049】本発明のアクリル系エマルジョンが構成さ
れるエマルジョン塗料組成物は、硬化剤としてアルキル
アミノアルキルフェノール(D)、ポリアミン化合物
(E)、イミダゾール化合物(F)から選択される少な
くとも1種の硬化剤を含むことが望ましい。硬化剤を配
合することにより、100℃以下での低温硬化が可能と
なるばかりでなく、密着性、耐水性、耐薬品性、防食性
など種々塗膜性能が向上する傾向にある。これらの硬化
剤はエマルジョン塗料組成物に対し、0.02〜60P
HR、好ましくは0.5〜50PHR、より好ましくは
0.5〜30PHR配合されるのが推奨される。
【0050】アルキルアミノアルキルフェノール(D)
としては、N,N−ジメチルアミノメチルフェノール、
N,N−ジエチルアミノメチルフェノール、N,N−ジ
メチルアミノエチルフェノールなどが例示できる。該ア
ルキルアミノアルキルフェノール(D)は単独でも、も
しくは2種類以上の混合物であってもよい。
【0051】ポリアミン化合物(E)としては、ジメチ
ルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、ジ
エチルアミノエチルアミン、ジイソプロピルアミノエチ
ルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、N−アミノ
プロピルモルホリン、1,2−ジアミノプロパン、ジメ
チルアミノプロピルアミンなどの一分子中に2個以上の
アミノ基を有する化合物が例示できる。該ポリアミン化
合物(E)は単独でも、もしくは2種類以上の混合物で
あってもよい。
【0052】イミダゾール化合物(F)としては、2−
メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、
1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチ
ル−イミダゾール、2−フェニルイミダゾール等が例示
できる。該イミダゾール化合物(F)は単独でも、もし
くは2種類以上の混合物であってもよい。
【0053】本発明では、エマルジョン塗料のポットラ
イフ、硬化性、密着性、防食性、耐候性が優れることか
ら、ポリアミン化合物(E)が特に好適に使用される。
さらにこれらのなかでは、末端アミノ化ポリプロピレン
グリコール、末端アミノ化ポリエチレングリコール、末
端アミノ化(ポリエチレングリコール)(ポリプロピレ
ングリコール)などの、分子鎖骨格にポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール鎖を有するものが特
に好適に使用される。該分子鎖骨格にポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール鎖を有するポリアミ
ン化合物(E)が配合された場合には、エマルジョン塗
料のポットライフ延長が計れ、硬化性、密着性、耐溶剤
性、塗装作業性、防食性が飛躍的に向上する傾向にあ
る。
【0054】本発明のアクリル系エマルジョンを配合し
たエマルジョン塗料組成物は、造膜助剤として複素環化
合物(G)を含むことができる。エマルジョン塗料組成
物が複素環化合物(G)を造膜助剤として含むことによ
り、エマルジョン塗料の貯蔵安定性、顔料分散性が向上
し、均一で平滑性の高い塗膜が形成できる。結果とし
て、塗膜光沢、鮮鋭性、耐薬品性、密着性に優れた塗膜
が得られる。
【0055】複素環化合物(G)としては、アクリロイ
ルモルホリン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ
−ブチロラクトン、1−(2−アミノエチル)ピペラジ
ン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、N−(3−ア
ミノプロピル)モルホリンなどの複素環を有する化合物
が例示できる。該複素環化合物(G)は単独でも、もし
くは2種類以上の混合物であってもよい。
【0056】該複素環化合物(G)のなかでは、γ−ブ
チロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトンなど
のγ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン誘導化合物
が好ましく適用できる。これらの化合物を使用した場
合、欠陥のないより均一な塗膜が形成され、アクロリニ
トリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポ
リフェニレンオキサイド(PPS)、ポリスチレン(P
S)などのプラスチック類、マグネシウム合金、アルミ
ニウム合金、ステンレス、ニッケルメッキなどへの密着
性が向上し、耐食性、耐傷つき性がより向上する傾向に
ある。
【0057】複素環化合物(G)はエマルジョン塗料組
成物が連続皮膜を形成する量を添加すれば十分である
が、それ以上に配合しても塗膜性能、塗膜形成に重大な
影響は及ぼさない。好ましくは、複素環化合物(G)は
アクリル系エマルジョンの固形分に対し、0.02〜5
0phr、より好ましくは0.5〜40phr添加され
る。複素環化合物(G)の添加量が0.02phr以上
であれば、塗料の造膜性は十分となり、塗膜形成性が損
なわれず好ましい。複素環化合物(G)の添加量が50
phr以下であれば、塗料の乾燥性が良好となり、塗膜
性能発現が十分なものとなり好ましい。
【0058】本発明では、さらに必要であれば、酸化チ
タン、カーボンブラック、亜鉛華、アルミニウム顔料、
パール顔料などの顔料類、顔料分散剤、レベリング剤、
消泡剤、沈殿防止剤、防腐剤、防かび剤、防藻剤などの
種々塗料添加剤、ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのゴム(ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体など)変性物など
の分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹
脂、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3
−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ア
ミノ基がメチルイソブチルケトンなどでブロックされた
アミノ基含有シラン化合物、フェニルトリメトキシシラ
ンなどのシランカップリング剤、ベンゾトリアゾール
系、ベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤、ヒンダードア
ミン系光安定剤(塩基定数(pKb)が8以上のものが
好ましい)などの耐候剤など、塗料に一般的に配合する
ものを配合することができる。さらに粒子径が100n
m未満のシリカゾル、アルミナゾルなどの無機微粒子を
配合することができ、塗膜硬度を高め、耐傷つき性を向
上する効果が高い。
【0059】本発明のエマルジョン塗料組成物は、スプ
レー塗装、刷毛塗り、カーテンフローコートおよびロー
ラーコーター、電着塗装など種々塗装方法で塗装するこ
とができる。
【0060】また、本発明のエマルジョン塗料組成物
は、建築、建材、家電製品、携帯電話、パソコンなどの
情報家電製品、自動車、船舶、バイク等に施される塗料
全ての分野に適用することが可能である。この際適用で
きる基材(被塗装物)としては、アクリロニトリル−ス
チレン−ブタジエン樹脂(ABS)、ポリカーボネート
(PC)、ナイロン(NY)、ポリエステル(PE
S)、ポリプロピレン(PP)等のプラスチックおよび
これらのアロイ、カーボン繊維、ガラス繊維などの繊維
強化製品類、あるいはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステ
ル等の熱硬化性プラスチック、マグネシウム、アルミニ
ウム、鉄、トタン、ブリキ等の金属、およびこれらの合
金類、およびこれらが化成処理されたもの、カチオンま
たはアニオン電着塗装されたものなどを例示することが
できる。ことさら、マグネシウム合金、アルミニウム合
金、ステンレスなどの難接着性金属用として好適に適用
できる。さらに言えば、これら難接着性金属類を何らの
化成処理(例えば、クロメート処理)することなく塗装
するのに適したエマルジョン塗料組成物である。
【0061】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。
【0062】実施例および比較例中数字は部数を、組成
比は重量%を示す。
【0063】なお、実施例と比較例で得られたアクリル
系エマルジョンの物性測定方法および、エマルジョン塗
料組成物の試験方法と評価は、以下のとおりに行なうも
のとする。
【0064】<アクリル系エマルジョンの物性測定方法
> 1.固形分 JIS K 5407 4の方法に準じて行った。
【0065】2.pH 得られたエマルジョンについてpH METER F−
22 6377−10D電極(株式会社堀場製作所製)
を用い、25℃で測定した。
【0066】3.粘度 得られたエマルジョンについてJIS K5400
4.5.3の方法に準じB型粘度計を用いて、25℃で
測定した。
【0067】4.粒径 レーザー粒径解析システム LPA−3000/310
0(大塚電子株式会社製)を使用し、平均粒子径として
求めた。
【0068】<エマルジョン塗料組成物の試験方法およ
び評価> 1.密着性 i)イソプロピルアルコールで脱脂したABS板に、塗
料を膜厚が30〜40μmとなるように塗布し、10分
間室温乾燥する。次いで、80℃で30分間焼き付けを
行なう。
【0069】ii)化成処理をしていないマグネシウム合
金(AZ91D)に、塗料を膜厚が20〜30μmとな
るように塗布し、160℃で20分間焼き付けを行な
う。
【0070】iii)A−1100アルミニウムを脱脂、
エッチング、中和、水洗し、これに塗料を膜厚が20〜
30μmとなるように塗布し、160℃で20分間焼き
付けを行なう。
【0071】この塗装板をJIS K 5400 8.
5.2 碁盤目テープ法により試験を行なう。100/
100で合格(○)とする。それ以外は不合格(×)と
した。
【0072】2.耐水性 密着性と同様にして試験用の塗装板を作製する。この塗
装板を50℃温水中に10日間浸漬した後、塗膜外観
(変褪色、膨れ、剥がれなど)、密着性を評価する。塗
膜外観に変化がなく、密着性が100/100で合格
(○)とする。それ以外は不合格(×)とした。
【0073】3.耐食性 ii)iii)で作製した塗装板を、JIS K 5400
にしたがい塩水噴霧試験を行った。試験後、カット部の
錆び発生状況、密着性、塗膜外観を評価する。塗膜外観
にふくれ、剥がれなどの異常がなく、錆が発生しておら
ず、密着性が100/100のものを合格(○)とす
る。それ以外は不合格(×)とした。
【0074】4.耐酸性 iii)で作製した塗装板を、2%硫酸、23℃、24時
間の条件でJIS K5400 8.22の耐酸性試験
に従い試験を行う。試験後、塗膜外観(変褪色、膨れ、
剥がれなど)、密着性を評価する。塗膜外観に変化がな
く、密着性が100/100で合格(○)とする。それ
以外は不合格(×)とした。
【0075】(実施例1) i)2L四つ口フラスコにイオン交換水(PW)574
g、反応性乳化剤(A)として「ラテルム S−18
0」(花王(株)の製品)35.7g、イミダゾリン基
含有重合開始剤(B)として「VA−061」(2,2
´−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)〕
プロパン、和光純薬工業(株))0.25g、その他の
不飽和単量体としてメタクリル酸メチル(MMA)、カ
ルボキシル基含有不飽和単量体(c)としてメタクリル
酸(MMA)、エポキシ基含有不飽和単量体(a)とし
てメタクリル酸グリシジルを用い、MMA/MAA/G
MA(=96.5/2.0/1.5)([GMA](G
MAのモル数)/[MAA](MAAのモル数)=1/
1.2)計100gを仕込み、80℃に昇温する。80
℃で2時間乳化重合を行い、アクリル系ポリマー(I)
を得た。
【0076】ii)滴下槽1にその他の不飽和単量体とし
てMMAおよびアクリル酸n−ブチル(BA)、エポキ
シ基含有不飽和単量体(a)としてGMA、水酸基含有
不飽和単量体(b)としてメタクリル酸2−ヒドロキシ
ルエチル(HEMA)、MMA/BA/GMA/HEM
A(=55/20/15/10)計400g、シラン化
合物(C)として「SH−6040」(γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、東レ・ダウ コーニン
グシリコーン(株)の製品)60gを仕込み、攪拌して
均一な溶液とする。
【0077】iii)滴下槽2にイミダゾリン基含有重合
開始剤(B)として「VA−061」0.8g、PW8
0gを仕込み、攪拌して均一な溶液とする。
【0078】iv)i)で得られたアクリル系ポリマー
(I)に滴下槽1、滴下槽2から、各溶液をフラスコ内
に2時間で滴下する。滴下終了後、さらに2時間、80
℃で乳化重合を行い実施例1のアクリル系エマルジョン
(1)を製造した。
【0079】アクリル系エマルジョン(1)は固形分4
5%、粘度400mPa.s、pHは8.3で、粒子径
80nmであった。
【0080】アクリル系エマルジョン(1)に、造膜助
剤としてエチレングリコールモノブチルエーテル(B
C)10PHRを添加し、さらにPWを加えてフオード
カップNo.4粘度(25℃)が15秒となるよう調整
し、実施例1のエマルジョン塗料組成物を製造した。
【0081】(実施例2) i)2L四つ口フラスコにPW574g、反応乳化剤
(A)として「ラテルムS−180」35.7g、イミ
ダゾリン基含有重合開始剤(B)として「VA−06
1」0.25g、その他の不飽和単量体としてMMA、
カルボキシル基含有不飽和単量体(c)として「SIP
OMER β−CEA」(β−カルボキシエチルアクリ
レート、ローヌ・プーラン(株)の製品)、エポキシ基
含有不飽和単量体(a)としてGMA、MMA/「SI
POMER β−CEA」/GMA(=92.5/5.
0/2.5)([GMA](GMAのモル数)/[β−
CEA](β−CEAのモル数)=1/1.7)計10
0gを仕込み、80℃に昇温する。80℃で2時間乳化
重合を行い、アクリル系ポリマー(I)を得た。
【0082】ii)滴下槽1にその他の不飽和単量体とし
てMMAおよびBA、エポキシ基含有不飽和単量体
(a)としてGMA、水酸基含有不飽和単量体(b)と
してHEMA、MMA/BA/GMA/HEMA(=5
5/20/15/10)計400g、シラン化合物
(C)として「SH−6040」60gを仕込み、攪拌
して均一な溶液とする。
【0083】iii)滴下槽2に「VA−061」0.8
g、PW80gを仕込み、攪拌して均一な溶液とする。
【0084】iv)i)で得られたアクリル系ポリマー
(I)に滴下槽1、滴下槽2から、各溶液をフラスコ内
に2時間で滴下する。滴下終了後、さらに2時間、80
℃で乳化重合を行い実施例2のアクリル系エマルジョン
(2)を製造した。
【0085】アクリル系エマルジョン(2)は固形分4
5%、粘度250mPa.s、pHは8.2、粒子径1
45nmであった。
【0086】アクリル系エマルジョン(2)に、造膜助
剤である複素環化合物(G)としてγーブチルラクトン
(GBL)15PHRを添加し、さらにPWを加えてフ
オードカップNo.4粘度(25℃)が15秒となるよ
う調整し、実施例2のエマルジョン塗料組成物を製造し
た。
【0087】(実施例3)アクリル系エマルジョン
(2)に、硬化剤であるポリアミン化合物(E)として
「ジェファーミン EDR−148」(サンテクノケミ
カル(株)の製品)を5PHR配合し、さらに造膜助剤
である複素環化合物(G)としてBC10PHRを添加
し、PWを加えてフオードカップNo.4粘度(25
℃)が15秒となるよう調整し、実施例3のエマルジョ
ン塗料組成物を製造した。
【0088】(比較例1)実施例1において、イミダゾ
リン基含有重合開始剤(B)として用いた「VA−06
1」を過硫酸アンモニウムに変える以外は、実施例1と
同様にして比較例1のアクリル系エマルジョン(3)を
製造した。
【0089】アクリル系エマルジョン(3)は固形分4
5%、粘度180mPa.s、pHは4.2、粒子系1
10nmであった。
【0090】アクリル系エマルジョン(3)をアンモニ
ア水でpHが8.0になるよう中和した後、造膜助剤と
してBC10PHRを添加し、さらにPWを加えてフオ
ードカップNo.4粘度(25℃)が15秒となるよう
調整し、比較例1のエマルジョン塗料組成物を製造し
た。
【0091】(比較例2) i)2L四つ口フラスコにイオン交換水(PW)42
3.5g、反応性乳化剤(A)として「ラテルム S−
180」35.7g、イミダゾリン基含有重合開始剤
(B)として「VA−061」0.25gを仕込み、8
0℃に昇温する。
【0092】ii)滴下槽1にその他の不飽和単量体とし
てMMAおよびBA、エポキシ基含有不飽和単量体
(a)としてGMA、水酸基含有不飽和単量体(b)と
してHEMA、MMA/BA/GMA/HEMA(=5
5/20/15/10)計400g、シラン化合物
(C)として「SH−6040」60gを仕込み、攪拌
して均一な溶液とする。
【0093】iii)滴下槽2にイミダゾリン基含有重合
開始剤(B)として「VA−061」0.8g、PW8
0gを仕込み、攪拌して均一な溶液とする。
【0094】iv)滴下槽1、滴下槽2から、各溶液をフ
ラスコ内に2時間で滴下する。滴下終了後、さらに2時
間、80℃で乳化重合を行い比較例2のアクリル系エマ
ルジョン(4)を製造した。
【0095】アクリル系エマルジョン(4)は固形分4
6%、粘度470mPa.s、pHは7.9で、粒子径
90nmであった。
【0096】アクリル系エマルジョン(4)に、造膜助
剤である複素環化合物(G)としてGBL15PHRを
添加し、さらにPWを加えてフオードカップNo.4粘
度(25℃)が15秒となるよう調整し、実施例1のエ
マルジョン塗料組成物を製造した。
【0097】実施例1〜3、比較例1、2で製造された
エマルジョン塗料組成物の試験結果を表1に示した。
【0098】
【表1】
【0099】
【発明の効果】本発明によれば、数々の優れてバランス
のとれた性能を有するエマルジョン塗料組成物が得られ
る。特に、従来のエマルジョン塗料組成物では達成困難
であった、塗料の耐水性、耐溶剤性において顕著な性能
を発揮する。さらにまた、難接着性とされているマグネ
シウム合金やアルミニウム合金などの非鉄金属に対し良
好な密着性を有し、該金属の類の耐食性を著しく向上す
るエマルジョン塗料組成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 265/06 C08F 265/06 C09D 5/02 C09D 5/02 133/06 133/06 (72)発明者 管 康和 千葉県市原市千種海岸2丁目1番 東レ株 式会社千葉工場内 Fターム(参考) 4J011 KA04 KA09 KB22 KB29 PA69 PC02 PC06 4J015 AA01 4J026 AA48 AC09 BA30 BB03 DA04 DA07 DA12 DB04 DB08 DB12 GA06 4J038 CG141 CH121 CH171 GA08 JA64 JA67 JB05 JB32 KA03 MA10 NA03 NA12 NA27 PC02 4J100 AL03P AL05P AL08P BB18P BC04P EA07 FA03 FA20 FA30 JA01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系ポリマー(I)の存在下、水
    性媒体中で、分子中に不飽和二重結合を有する反応性乳
    化剤(A)、イミダゾリン基含有重合開始剤(B)を用
    い、少なくともエポキシ基含有不飽和単量体(a)、水
    酸基含有不飽和単量体(b)を含む2種以上の不飽和単
    量体を乳化共重合してなるアクリル系エマルジョン。
  2. 【請求項2】 アクリル系ポリマー(I)が、水性媒体
    中で、分子中に不飽和二重結合を有する反応性乳化剤
    (A)、イミダゾリン基含有重合開始剤(B)を用い、
    少なくともエポキシ基含有不飽和単量体(a)、カルボ
    キシル基含有不飽和単量体(c)(ただし(a)のモル
    数≦(c)のモル数)を含む2種以上の不飽和単量体を
    乳化共重合してなることを特徴とする請求項1に記載の
    アクリル系エマルジョン。
  3. 【請求項3】アクリル系ポリマー(I)に含まれるカル
    ボキシル基含有不飽和単量体(c)が、(化1)または
    (化2)で表される不飽和カルボン酸の少なくとも一種
    を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のアク
    リル系エマルジョン。 【化1】 【化2】
  4. 【請求項4】 pHが5.0〜10.0であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアクリル系エ
    マルジョン。
  5. 【請求項5】 一分子中にエポキシ基と加水分解性アル
    コキシシラン基を有するシラン化合物(C)を含むこと
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアクリル
    系エマルジョン。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載のアクリル
    系エマルジョンが配合された塗料組成物。
  7. 【請求項7】アルキルアミノアルキルフェノール
    (D)、ポリアミン化合物(E)、イミダゾール化合物
    (F)から選択される少なくとも1種の硬化剤を含むこ
    とを特徴とする請求項6に記載の塗料組成物。
  8. 【請求項8】複素環化合物(G)を造膜助剤として含む
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の塗料組成物
  9. 【請求項9】複素環化合物(G)がγ−ブチロラクトン
    および/またはγ−ブチロラクトン誘導化合物である請
    求項8に記載のエマルジョン塗料組成物。
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