JP5422275B2 - 金属腐食防止剤およびそれを用いた金属腐食防止方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、リン化合物や重金属化合物を含む金属腐食防止剤が自然界に排出されると、富栄養化や金属蓄積といった水質汚染の原因となる。このため、これらの金属腐食防止剤は排水規制対象物質とされ、その使用が制限され、使用した場合でも何らかの水処理が必要とされている。
(1)分子量が1000以下のポリアクリル酸またはその水溶性塩(特開昭53−86653号公報:特許文献1)
(2)ポリエチレングリコールモノアリルエーテルと(メタ)アクリル酸またはその塩とを含む重合体(特開昭58−224180号公報:特許文献2)
(3)ポリ(メタ)アクリル酸および/またはその塩とヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸共重合物、具体的にはモル比=85:15のアクリル酸:ヒドロキシエチルメタクリレートの分子量3500の共重合物(特開平9−94598号公報:特許文献3)
(5)カルボキシル基/スルホン基/非イオン性基を有する三元共重合体もしくはその塩と、ポリマレイン酸またはその塩と、ポリアクリル酸またはその塩とを含有する用水用鉄鋼防食剤(特開2000−96273号公報:特許文献5)
(6)重量平均分子量3000以下、分子量分布1.8以下であるカルボキシル基を有する重合体、具体的にはヒドロキシ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの共重合体(特開2001−254191号公報:特許文献6)
(8)(メタ)アクリル酸系単量体とモノエチレン性不飽和単量体の共重合体(特開2005−264190号公報:特許文献8)
(9)マレイン酸重合体および/またはその塩と、アクリル酸とアクリル酸アルキルエステルとの共重合体および/またはその塩(特開2006−233287号公報:特許文献9)
(11)鋼および銅の代替の腐食防止剤として窒素含有複素環式化合物と組み合わせる、アクリル酸またはメタクリル酸およびポリアルキレングリコールメタクリラートのコポリマー(特開昭63−89687号公報:特許文献11)
しかしながら、上記の先行技術には、本発明のアクリル酸系共重合体の防食性については記載されておらず、その示唆もない。
で表される(メタ)アクリル酸のアルキレンオキシド5〜65重量%、
一般式(b):
で表されるアクリル酸またはその塩30〜95重量%、および
一般式(c):
で表される(メタ)アクリル酸エステル0〜40重量%
を重合して得られる重量平均分子量2500〜80000を有するアクリル酸系共重合体を有効成分として含有することを特徴とする金属腐食防止剤が提供される。
なお、一般式(a)の(メタ)アクリル酸のアルキレンオキシドおよび一般式(c)の(メタ)アクリル酸エステルにおける「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸およびメタクリル酸を意味する。
式中、Xは水素原子またはメチル基であり、R1はエチレン基またはプロピレン基であり、R2は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜10である。
置換基R1は、エチレン基である、すなわち(メタ)アクリル酸のアルキレンオキシドが(メタ)アクリル酸のエチレンオキシドであるのが特に好ましい。
置換基R2の炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基およびtert-ブチル基の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、これらの中でもメチル基およびエチル基が特に好ましい。
指数nは、1〜9が特に好ましく、(メタ)アクリル酸のアルキレンオキシドは、指数の異なる混合体であってもよい。
2-メトキシエチルアクリレート[エチレングリコールメチルエーテルアクリレート]、
2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート[ジ(エチレングリコール)エチルエーテルアクリレート]、
2-メトキシエチルメタクリレート[エチレングリコールメチルエーテルメタクリレート]、
メトキシポリエチレングリコールアクリレート[ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート]
メトキシポリエチレングリコールメタクリレート[ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート]などが挙げられる。なお、[]内は各化合物の別称を示す。
式中、Mは水素原子、一価金属原子、アンモニウム基または有機アミン基である。
置換基Mの一価金属原子としては、アルカリ金属原子、具体的にはリチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子などが挙げられる。
置換基Mの有機アミン基としては、例えばメチルアミン、エチルアミン、モノエタノールアミンなどが挙げられる。
式中、Xは水素原子またはメチル基であり、R3はヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基である。
置換基R3のヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基およびn-ドデシル基のような直鎖状のアルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、neo-ペンチル基、イソヘキシル基、メチルヘキシル基、メチルヘプチル基、ジメチルヘキシル基および2-エチルヘキシル基のような分枝鎖状のアルキル基、2-ヒドロキシエチル基が挙げられ、これらの中でもメチル基、2-エチルヘキシル基および2-ヒドロキシエチル基が特に好ましい。
また、(メタ)アクリル酸エステルは、メタクリル酸エステルとアクリル酸エステルとの混合体であるのが好ましく、メチルメタクリレートと2-エチルヘキシルアクリレートとの混合体であるのが特に好ましい。この場合、メチルメタクリレートは、2-エチルヘキシルアクリレート1モルに対して2モル以上であるのが好ましく、3モル以上であるのが特に好ましい。
工業用水腐食性試験方法については、実施例の試験例1および3において詳しく説明する。
このような共重合体の中でも、金属腐食防止剤の防食効果の指針からみて、
(メタ)アクリル酸のアルキレンオキシドが25〜65重量%であり、アクリル酸またはその塩が30〜65重量%であり、かつ(メタ)アクリル酸エステルが10〜40重量%、好ましくは(メタ)アクリル酸のアルキレンオキシドが30〜50重量%であり、前記アクリル酸またはその塩が30〜40重量%であり、かつ前記(メタ)アクリル酸エステルが10〜35重量%であるか、
または(メタ)アクリル酸のアルキレンオキシドが5〜35重量%であり、アクリル酸またはその塩が65〜95重量%であり、かつ(メタ)アクリル酸エステルが0〜20重量%である三元共重合体、および
(メタ)アクリル酸のアルキレンオキシドが5〜40重量%であり、アクリル酸またはその塩が60〜95重量%であり、かつ(メタ)アクリル酸エステルが0重量%である二元共重合体
が特に好ましい。
例えば、本発明のアクリル酸系共重合体は、一般式(a)〜(c)で表される各単量体を、溶媒中で公知の重合開始剤の存在下に反応させることにより得られる。
溶媒としては、水やメタノール、エタノール、イソプロパノールなどが挙げられる。
その使用量は、得られる共重合体の濃度が10〜50重量%程度となるように設定するのが好ましい。
その使用量は、単量体合計100重量部に対して1〜40重量部程度、好ましくは1〜20重量部程度である。
また、重合助剤を併用するのが好ましく、このような重合助剤としては、例えば、メルカプトエタノールやメルカプトプロピオン酸などのメルカプト化合物が挙げられる。
その使用量は、単量体合計100重量部に対して0.5〜15重量部程度、好ましくは0.5〜10重量部程度である。
本発明のアクリル酸系共重合体は、ポリアルキレン基をグラフト基とするランダム状の共重合体を形成するものと考えられ、その重合については、実施例において具体的に説明する。
工業的には、重合工程における撹拌機にかかる負荷(トルク)から重合体の粘度を予測すること、または一部試料を採取して粘度を測定することにより、重合体の分子量や重合時間を調整すればよい。
本発明における重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定された値である。具体的には、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)を用いたGPCの測定値とPolymer Laboratories社製のポリメタクリル酸メチル(PMMA)標準ポリマーの検量線とから算出された値である。
重量平均分子量の測定については、実施例において具体的に説明する。
本発明の金属腐食防止剤は、水溶液の形態で添加するのが好ましい。
また、本発明の金属腐食防止剤は、対象水系中の有効成分濃度が上記の範囲内に維持されるように添加されればよく、その添加形態は特に限定されず、連続添加、間欠添加のいずれであってもよい。
殺菌・静菌剤としては、例えば、水系の細菌類やスライムなどを防除する次亜塩素酸ソーダ、ジクロロイソシアヌル酸ソーダなどの塩素系薬剤が挙げられる。
以下の説明において、一般式(a)〜(c)で表される各単量体をそれぞれモノマー(a)〜(c)と表記し、各単量体の重量に単量体合計に対する重量割合(重量%)を括弧付きで付記する。
合成例においては、フラスコ内の生成物の粘性を観察しながら、重合時間を調節した。
検出器(東ソー株式会社製、型式:RI−8012)を備えたGPC装置、カラム(東ソー株式会社製、型式:G1000HXL+G2000HXL+G2500HXL+G3000HXL+G4000HXL)、溶離液としてTHFを用いて、得られた重合物の重量平均分子量を測定した。検量線には、Polymer Laboratories社製のポリメタクリル酸メチル(PMMA)標準ポリマーの検量線を用いた。
アルコール系での重合物は、そのまま適当量をTHFに溶解して測定に用いた。水溶媒での重合物は、多量のメタノール等で重合物を沈殿させて取り出し、同じくTHFに溶解して測定に用いた。
容量300mLの四ツ口セパラブルフラスコに、モノマー(a)としてのメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(EO:8.5)14.3g(35.7重量%)、モノマー(b)としてのアクリル酸14.4g(36重量%)、モノマー(c)としてのモル比3:1のメチルメタクリレート7.0gと2-エチルヘキシルアクリレート4.3g(28.3重量%)、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.4g(単量体合計100重量部に対して1重量部)および溶媒としてのイソプロピルアルコール60gを入れ、窒素を吹き込み加熱攪拌しながら、70℃で3時間の重合を行った。冷却後、ジブチルヒドロキシトルエン0.3gを加えて重合物1を取り出した。
得られた重合物の粘度をB型粘度計で測定したところ、950mPa・sであった。
また、得られた重合物の重量平均分子量をGPCで測定したところ、54000であった。
得られた結果を表1に示す。
容量300mLの四ツ口セパラブルフラスコに、溶媒としてのイソプロピルアルコール40gを入れ、フラスコ内を窒素置換した後加熱した。フラスコ内が75℃以上に到達した時点で、モノマー(a)としてのメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(EO:8.5)19.0g(47.5重量%)、モノマー(b)としてのアクリル酸14.4g(36重量%)、モノマー(c)としてのモル比3:1のメチルメタクリレート4.1gと2−エチルヘキシルアクリレート2.5g(28.3重量%)、重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.5g(単量体合計100重量部に対して1.25重量部)および溶媒としてのイソプロピルアルコール20gを混合溶解したものを30分間掛けてフラスコ内に滴下し、その後78〜80℃で30分間重合を続けた。冷却後、ジブチルヒドロキシトルエン0.3gを加えて重合物2を取り出した。
得られた重合物の粘度をB型粘度計で測定したところ、298mPa・sであった。
また、得られた重合物の重量平均分子量をGPCで測定したところ、6000であった。
得られた結果を表1に示す。
容量300mLの四ツ口セパラブルフラスコに、溶媒としてのイオン交換水20gを入れ、フラスコ内を窒素置換した後加熱した。フラスコ内が95℃以上に到達した時点で、予め調製しておいたA液およびB液をそれぞれ20分間および15分間掛けてフラスコ内に滴下し、その後95℃で10分間重合を続けた。冷却後、アスコルビン酸ナトリウム0.3gを加えて重合物3を取り出した。
A液は、モノマー(a)としての2-メトキシエチルアクリレート10.9g(36.3重量%)、モノマー(b)としてのアクリル酸19.1g(63.7重量%)、溶媒としてのエタノール18g、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.1g(単量体合計100重量部に対して0.33重量部)を混合溶解して得た。
B液は、イオン交換水20gに過硫酸アンモニウム12g(単量体合計100重量部に対して40重量部)を溶解して得た。
得られた重合物の粘度をB型粘度計で測定したところ、1040mPa・sであった。
また、得られた重合物の重量平均分子量をGPCで測定したところ、28000であった。
得られた結果を表1に示す。
表1に示す重合方法およびモノマー組成により、重合物4〜10を得、その粘度および重量平均分子量を測定した。重合方法1〜3はそれぞれ合成例1〜3の実施方法に対応する。
得られた結果を表1に示す。
表2に示す重合方法およびモノマー組成により、比較重合物1〜7を得、その粘度および重量平均分子量を測定した。重合方法1〜3はそれぞれ合成例1〜3の実施方法に対応する。
得られた結果を表2に示す。
重合物1〜10および比較重合物1〜7について、JIS K0100の工業用水腐食性試験方法に準拠して、スターラー攪拌による腐食試験を行った。
テストピースとして、JIS G 3141に規定される一般用冷間圧延鋼板(SPCC−SB)のサンドペーパー(#400)研磨加工品(寸法:1.0mm×30mm×50mm)を使用した。
容量300mLのビーカーに大阪市水300mLを入れ、その中に表1および2に示す添加量(ppm=mg/L)の重合物および比較重合物をそれぞれ添加して試験液とした。重合物は水酸化ナトリウムで水溶性化して使用した。
得られた試験液中にテストピースを吊るし、室温(25℃)で7日間、試験液をマグネチックスターラーで攪拌した。
MDD=[重量差(mg)]/[試験期間(日)×テストピースの表面積(dm2)]
得られた結果を表1および2に示す。
一方、本発明の金属腐食防止剤の有効成分であるアクリル酸系共重合体を基準として、モノマー(a)の割合および重量平均分子量が規定外の比較重合物1、モノマー(b)の割合が規定外の比較重合物2、モノマー(a)の割合が規定外の比較重合物3〜5、重量平均分子量が規定外の比較重合物6およびモノマー(c)の割合および重量平均分子量が規定外の比較重合物7は、重合物1〜10の2倍量添加しても、重合物1〜10の防食効果よりも劣ることがわかる。
重合物1、2および8〜10について、JIS K0100の工業用水腐食性試験方法に準拠して、攪拌装置の攪拌による腐食試験を行った
重合物を表3に示す添加量(ppm=mg/L)とし、試験水の温度を70℃で7時間、室温で17時間のサイクルで4日間変化させること以外は、試験例1と同様にして腐食速度[MDD(mg/日・dm2)]を求めた。
重合物を添加しない場合についても試験例1と同様にして試験した(比較例)。
得られた結果を表3に示す。
容量300mlの四ツ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール30gを入れ、窒素置換後加温し、78〜80℃に到達した時点で、モノマー(a)としてのメトキシポリエチレングリコール(EO:4.0)メタクリレート7.4g(18.5重量%)、モノマー(b)としてのアクリル酸32、6g(81.5重量%)、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1.0g(単量体合計100重量部に対して2.5重量部)および溶媒としてイソプロピルアルコール14、5gを混合溶解したものを60分間掛けて滴下して重合を行い、その後も78〜80℃で30分間重合を続けた。冷却後、ジブチルヒドロキシトルエン0.3gを加えて重合物A1を取り出した。
得られた重合物の粘度をB型粘度計で測定したところ、1640mPa・sであった。
また、得られた重合物の重量平均分子量をGPCで測定したところ2800であった。
得られた結果を表4に示す。
表4に示す重合方法およびモノマー組成により、重合物A2〜8を得、その粘度および重量平均分子量を測定した。重合方法4は合成例11の実施方法に対応する。
得られた結果を表4に示す。
容量300mlの四ツ口セパラブルフラスコに、イオン交換水20gを入れ、窒素置換後加温し、90℃以上に到達した時点で、モノマー(a)としてのメトキシポリエチレングリコール(EO:4.0)メタクリレート3.7g(9.25重量%)およびモノマー(b)としてのアクリル酸ナトリウム(35重量%水溶液)53、2g(アクリル酸換算として90.75重量%)を混合したものを40分間掛けて滴下し、同時に重合開始剤としての過硫酸ナトリウム2.3g(単量体合計100重量部に対して5.8重量部)をイオン交換水18.9gに溶解したものを45分間掛けて滴下して重合を行い、その後も90℃以上で30分間重合を続けた。冷却後、アスコルビン酸ナトリウム0.5gを少量のイオン交換水に溶解したものを加えて重合物A9を取り出した。
得られた重合物の粘度をB型粘度計で測定したところ。66mPa・sであった。
また、得られた重合物を大量のメタノールで析出させて、GPCで重量平均分子量を測定したところ6000であった。
得られた結果を表4に示す。
表4および5に示す重合方法およびモノマー組成により、比較重合物A11〜15を得、その粘度および重量平均分子量を測定した。重合方法4は合成例11の実施方法に対応する。
得られた結果を表4および5に示す。
重合物A1〜A9(実施例)および重合物A10〜15について、JIS K0100の工業用水腐食性試験方法に準拠して、スターラー攪拌による腐食試験を行った。
テストピースとして、JIS G 3141に規定される一般用冷間圧延鋼板(SPCC−SB)のサンドペーパー(#400)研磨加工品(寸法:1.0mm×20mm×50mm)を使用した。
容量300mLのビーカーに合成水(pH:8.0、Mアルカリ:50mgCaCO3/L、全硬度:50mgCaCO3/L、カルシウム硬度:35mgCaCO3/L、塩化物イオン45mg/L、SiO2:25mg/L、硫酸イオン:30mg/L)300mLを入れ、その中に表4および5に示す添加量(ppm=mg/L)の重合物をそれぞれ添加して試験液とした。なお、アクリル酸を原料にした重合物については水酸化ナトリウムで水溶性化して使用した。
得られた試験液中にテストピースを吊るし、室温(25℃)で7日間、試験液をマグネチックスターラーで攪拌した。
試験例1と同様にして、腐食速度[MDD(mg/日・dm2)]を求めた。
得られた結果を表4および5に示す。
また、モノマー(a)とモノマー(b)の重量比率では、モノマー(a)1に対してモノマー(b)成分が1〜10の範囲にあるときに、より優れた防食効果を有することがわかる。
モノマー(a)が少ない重合物A12(比率が1:17.3)では防食性が低下し、一方モノマー(a)の多い重合物A13(成分比率が1:0.8)も防食性が低下することがわかる。
また、メトキシ基が結合していないポリエチレングリコールメタクリレート(重合物A12、A13およびA15)では十分な防食性を示さないことがわかる。重合物A14は、ポリエチレンが付加されていないモノマーの共重合体であるが、これも同様に十分な防食性を示さないことがわかる。
Claims (9)
- 一般式(a):
で表される(メタ)アクリル酸のアルキレンオキシド5〜65重量%、
一般式(b):
で表されるアクリル酸またはその塩30〜95重量%、および
一般式(c):
で表される(メタ)アクリル酸エステル0〜40重量%
を重合して得られる重量平均分子量2500〜80000を有するアクリル酸系共重合体を有効成分として含有することを特徴とする金属腐食防止剤。 - 前記(メタ)アクリル酸のアルキレンオキシドが、2-メトキシエチルアクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、2-メトキシエチルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレートおよびメトキシポリエチレングリコールメタクリレートから選択され、
前記アクリル酸またはその塩が、アクリル酸およびアクリル酸ナトリウムから選択され、かつ
前記(メタ)アクリル酸エステルが、メチルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレートおよびそれらの混合体から選択される請求項1に記載の金属腐食防止剤。 - 前記(メタ)アクリル酸のアルキレンオキシドが、2-メトキシエチルアクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、2-メトキシエチルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレートおよびメトキシポリエチレングリコールメタクリレートから選択され、
前記アクリル酸またはその塩が、アクリル酸およびアクリル酸ナトリウムから選択され、かつ
前記(メタ)アクリル酸エステルが、メチルメタクリレートと2-エチルヘキシルアクリレートとの混合体であり、かつ前記メチルメタクリレートが、前記2-エチルヘキシルアクリレート1モルに対して2モル以上である請求項1または2に記載の金属腐食防止剤。 - 前記有効成分を添加した水をJIS K0100の工業用水腐食性試験方法により評価したときの腐食速度[MDD(mg/日・dm2)]と、添加した前記有効成分の濃度(mg/L)との積が、0を超え550未満である請求項1〜3のいずれか1つに記載の金属腐食防止剤。
- 前記(メタ)アクリル酸のアルキレンオキシドが25〜65重量%であり、前記アクリル酸またはその塩が30〜65重量%であり、かつ前記(メタ)アクリル酸エステルが10〜40重量%である請求項1〜4のいずれか1つに記載の金属腐食防止剤。
- 前記(メタ)アクリル酸のアルキレンオキシドが30〜50重量%であり、前記アクリル酸またはその塩が30〜40重量%であり、かつ前記(メタ)アクリル酸エステルが10〜35重量%である請求項5に記載の金属腐食防止剤。
- 前記(メタ)アクリル酸のアルキレンオキシドが5〜35重量%であり、前記アクリル酸またはその塩が65〜95重量%であり、かつ前記(メタ)アクリル酸エステルが0〜20重量%である請求項1〜4のいずれか1つに記載の金属腐食防止剤。
- 前記(メタ)アクリル酸のアルキレンオキシドが5〜40重量%であり、前記アクリル酸またはその塩が60〜95重量%であり、かつ前記(メタ)アクリル酸エステルが0重量%である1〜4のいずれか1つに記載の金属腐食防止剤。
- 金属腐食防止対象水系に、請求項1〜8のいずれか1つに記載の金属腐食防止剤を、有効成分濃度として5〜200mg/Lとなるように添加することを特徴とする金属腐食防止方法。
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