JP2002294273A - 水系腐食防止剤組成物 - Google Patents

水系腐食防止剤組成物

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JP2002294273A
JP2002294273A JP2001099426A JP2001099426A JP2002294273A JP 2002294273 A JP2002294273 A JP 2002294273A JP 2001099426 A JP2001099426 A JP 2001099426A JP 2001099426 A JP2001099426 A JP 2001099426A JP 2002294273 A JP2002294273 A JP 2002294273A
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acid
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JP2001099426A
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Kenichi Ito
賢一 伊藤
Naoko Togo
直子 藤後
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Hakuto Co Ltd
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Hakuto Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重金属やリン等の環境汚染物質を含有せず、
かつ防食効果の優れた水系における金属の腐食防止剤組
成物を提供する。 【解決手段】 末端にスルホン酸基を有し、アクリル酸
単位を75重量%以上含み、かつ重量平均分子量が50
0〜2,800であるアクリル酸系重合体、あるいはア
クリル酸系重合体にさらにマレイン酸重合体、モノエチ
レン性不飽和カルボン酸とモノエチレン性不飽和スルホ
ン酸からの共重合体から選らばれる1種以上とを組合せ
て有効成分として含むことよりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷却水系、温水
系、ボイラ水系、洗浄水、水性の金属加工油剤、集塵水
系等の水系において水と接する金属材料表面の腐食を効
果的に防止することができる金属の腐食防止剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】冷却水系、温水系、ボイラ水系、洗浄
水、水性の金属加工油剤、集塵水系等の水系において
は、水と接する金属材料は腐食が発生しやすい環境にあ
る。そこで腐食防止剤としてクロム酸塩、亜鉛塩、モリ
ブデン酸塩等の重金属が使用されていたが、水の一部が
系外へ排出されたとき周辺環境に重金属汚染となる問題
が指摘された。また、スケール防止や腐食防止の目的で
各種リン系化合物が使用されているが、リン系化合物を
含む水の一部が湖沼や内湾へ流入して富栄養化、さらに
は赤潮の原因となっている。このような周辺環境汚染の
原因となる可能性のある化合物は、その使用が厳しく制
限される傾向にある。
【0003】このような観点から、重金属、リンを含ま
ない化合物として、カルボン酸を含む重合体を用い、水
中のカルシウム、マグネシウムと反応し鉄表面にスケー
ル性の皮膜を生成させ防食性を持たせる方法が提案され
たが、炭酸カルシウム、珪酸マグネシウム、ポリカルボ
ン酸カルシウム塩等がスケールとなって障害になること
がある。
【0004】例えば、炭酸カルシウムのスケール指数で
あるリツナー指数が5.5以下になると、炭酸カルシウ
ムが保護皮膜として作用するために軟鋼の腐食速度が低
下するが、炭酸カルシウムがスケールとなる傾向が増大
するので、スケール防止剤としてポリマレイン酸を使用
する方法〔キミア(Chimia)、34巻、1号、3
2頁(1980)〕、その他マレイン酸重合体を使用す
る方法〔特公昭53−20475号公報〕、モノエチレ
ン性不飽和カルボン酸とモノエチレン性不飽和スルホン
酸の共重合体を使用する方法〔特開昭50−86489
号公報〕などカルボン酸基を有する重合体を使用する方
法が数多く提案されている。
【0005】また、末端にスルホン酸基を有する重合体
を用いる例は、末端にスルホン酸基を有するマレイン酸
とアクリル酸の共重合体であって、アクリル酸とマレイ
ン酸のモル比が100:200〜100:25、すなわ
ち重量比で23.7:76.3〜71.3:28.7を
スケール防止剤として用いる方法〔特開平63−236
600号公報〕、末端にスルホン酸基を有し、重量平均
分子量3000〜15,000の耐ゲル性にすぐれたア
クリル酸系重合体をスケール防止剤として使う方法[特
開平11−315115号公報]などがある。
【0006】しかし、これまでは対象とする水のpHを
高めに設定し、炭酸カルシウムを保護皮膜として作用さ
せて腐食速度が低下することを前提に、スケール成分の
分散などスケール防止を中心に進められてきた。
【0007】このようにして腐食はかなり抑えられる
が、保護皮膜としての炭酸カルシウム皮膜は、緻密さに
おいて完璧でなく、腐食もある程度進行しているのが実
情である。本発明の目的とする冷却水系、温水系、ボイ
ラ水系、洗浄水、水性の金属加工油剤、集塵水系等の水
系では、スケール防止とともに腐食防止も重要であり、
これまでの優れたスケール防止に加え、さらに腐食防止
も一段上のものが望まれるようになってきた。すなわ
ち、これまでのスケール防止に着目した開発の進め方か
ら、スケールと腐食の両方に着目してそれらをバランス
よく防止するように進めることが必要になってきた。
【0008】そこで、周辺環境への影響を考慮して、重
金属、リンを含有せず、かつスケール分散性に優れた腐
食防止剤が望まれるのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、重金
属やリン等の環境汚染物質を含有せず、かつ防食効果の
優れた水系における金属の腐食防止剤組成物を提供する
ことにある。
【0010】
【発明が解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するべくポリマー合成技術と腐食防止評価技術を
駆使して鋭意研究した結果、末端にスルホン酸基を有す
る特定の重合体は、スケール防止効果に加え、顕著な腐
食防止効果を発揮することを見出し、さらには特定の化
合物と併用することにより腐食防止に対する顕著な相乗
効果を示すことを見出し、本発明に到達した。
【0011】すなわち請求項1に係る発明は水系腐食防
止剤であり、末端にスルホン酸基を有し、アクリル酸単
位を75重量%以上含み、かつ重量平均分子量が500
〜2800であるアクリル酸系重合体を有効成分として
含むことを特徴とする水系腐食防止剤組成物である。
【0012】請求項2に係る発明は、請求項1記載の水
系腐食防止剤であり、(A)末端にスルホン酸基を有
し、アクリル酸単位を75重量%以上含み、かつ重量平
均分子量が500〜2800であるアクリル酸系重合体
と、(B)マレイン酸重合体、モノエチレン性不飽和カ
ルボン酸とモノエチレン性不飽和スルホン酸からの共重
合体から選らばれる1種以上とを有効成分として含むこ
とを特徴としている。
【0013】
【発明の実施形態】本発明のアクリル酸系重合体は、末
端にスルホン酸基を有し、アクリル酸単位を75重量%
以上含み、かつ重量平均分子量が500〜2800であ
るアクリル酸系重合体(以下「アクリル酸系重合体」と
記す)である。この重合体は、例えば亜硫酸塩及び/ま
たは重亜硫酸塩(以下「亜硫酸塩類」と記す)の存在下
で、アクリル酸、あるいはアクリル酸とその他モノエチ
レン性不飽和単量体を混合し、適当な重合開始剤、酸
素、紫外線等を作用させて水溶液重合することにより製
造することができる。
【0014】アクリル酸単独の場合を例にとると、以下
の反応式で亜硫酸塩類が連鎖移動剤として作用して、亜
硫酸塩類が重合体に取り込まれ、末端にスルホン酸基を
有するアクリル酸系重合体とすることができる。
【0015】
【化1】
【0016】アクリル酸系重合体は、アクリル酸および
/あるいはその水溶性塩(以下「アクリル酸類」と記
す)を、あるいはアクリル酸類75重量%以上とアクリ
ル酸類と重合可能なその他モノエチレン性不飽和単量体
(以下「エチレン性不飽和単量体」と記す)を混合して
重合させる。アクリル酸類と重合可能なその他モノエチ
レン性不飽和単量体の例として、マレイン酸、無水マレ
イン酸、イタコン酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマ
ル酸等のモノエチレン性不飽和カルボン酸およびその水
溶性塩、2−(メタ)アクリルアミド−メチルプロパン
スルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホアルキル(メ
タ)アクリレートエステル類、スルホアルキル(メタ)
アリルエーテル類、(メタ)アリルスルホン酸、ビニル
スルホン酸等のモノエチレン性不飽和スルホン酸類およ
びその水溶性塩、ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸
等のモノエチレン性不飽和ホスホン酸類およびその水溶
性塩、(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アク
リレートエステル類、アルキル(メタ)アリルエーテル
類、ヒドロキシ置換アルキル(メタ)アクリレートエス
テル類、ヒドロキシ置換アルキル(メタ)アリルエーテ
ル類、(メタ)アリルアルコール等の非イオン性のモノ
エチレン性不飽和単量体等が挙げられる。
【0017】エチレン性不飽和単量体を含む重合体にお
いて、アクリル酸類は、重合に関与する単量体の合計量
に対し75重量%以上、好ましくは80重量%以上、よ
り好ましくは85重量%以上である。アクリル酸類が単
量体の合計量に対し75重量%未満では、腐食防止効果
が充分発揮されないことがあり、好ましい形態ではな
い。
【0018】本発明に用いられるアクリル酸系重合体の
重量平均分子量は、500〜2800、好ましくは70
0〜2500である。この分子量の好適範囲は、腐食防
止効果の観点から選ばれたものであり、充分な腐食防止
効果を得るためには重合体中のスルホン酸基の量が適正
にすることが必要であることを示唆するものである。
【0019】アクリル酸系重合体の重量平均分子量を制
御するには、アクリル酸類に対する亜硫酸塩類の比率変
えることであり、亜硫酸塩類の比率を増やすと分子量が
低下し、逆に亜硫酸塩類の比率を減らすと重合度が増加
することが容易に理解される。また重合開始剤を多く用
いることにより低分子量とすることもできる。この他に
も分子量を制御する方法はあるが、本発明はこれら分子
量制御方法については限定するものではない。重量平均
分子量の測定は、例えばゲル・パーミエーション・クロ
マトグラフィーの手法により分子量既知のポリエチレン
グリコールを標準物質として測定され、市販の分子量計
算用コンピュータソフトウェアを用いて重量平均分子量
が計算される。
【0020】本発明のアクリル酸系重合体の製造方法
は、例えば亜硫酸水素ナトリウムとアクリル酸を含む単
量体の水溶液に窒素ガス通気下で過硫酸塩水溶液を滴下
して末端にスルホン酸基を有するアクリル酸共重合体を
製造する方法(特公昭47−11487号公報)、また
沸騰下の水中にアクリル酸と過硫酸塩水溶液と重亜硫酸
塩水溶液をそれぞれ別個に滴下して末端にスルホン酸基
を有するアクリル酸系重合体を製造する方法(特開平1
1-315115号公報)などが開示されている。
【0021】末端にスルホン酸基を有するアクリル酸系
重合体の腐食防止作用のメカニズムは必ずしも明確でな
いが、末端にスルホン酸基のないアクリル酸系重合体は
弱酸性基であるため通常の水系pHでは重合体が糸まり
状態となり、重合体鎖が広がらずに金属表面への被覆性
が低下するが、重合体の末端に強酸性のスルホン酸基を
導入することにより重合体の鎖が広がり金属表面への被
覆効果が増加するためと推定される。
【0022】本発明のアクリル酸系重合体は、また、モ
ノエチレン性不飽和カルボン酸とモノエチレン性不飽和
スルホン酸の共重合体(以下「共重合体」と記す)およ
び/あるいはマレイン酸重合体(無水マレイン酸重合体
の加水分解物を含む)と組合せて適用すると、組合せに
よる相乗効果があり好都合なことがある。
【0023】モノエチレン性不飽和カルボン酸は、アク
リル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸が挙げられ
る。また、モノエチレン性不飽和スルホン酸は、2−
(メタ)アクリルアミド−メチルプロパンスルホン酸、
ヒドロキシプロパン−(メタ)アリルスルホン酸、共役
ジエンスルホン化物、スチレンスルホン酸、スルホアル
キル(メタ)アクリレートエステル類、スルホアルキル
(メタ)アリルエーテル類、スルホフェノ(メタ)アリ
ルエーテル、(メタ)アリルスルホン酸が挙げられる。
そして、1種以上のモノエチレン性不飽和カルボン酸と
1種以上のモノエチレン性不飽和スルホン酸より共重合
体が製造される。好ましい共重合体の例を挙げると、ア
クリル酸と2−(メタ)アクリルアミド−メチルプロパ
ンスルホン酸の共重合体がある。
【0024】本発明の共重合体におけるモノエチレン性
不飽和カルボン酸とモノエチレン性不飽和スルホン酸の
モル比は、好ましくは98:2〜60:40、より好ま
しくは90:10〜70:30の範囲である。また、該
共重合体の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜
25,000、より好ましくは3,000〜20,00
0の範囲である。
【0025】マレイン酸重合体の重量平均分子量は、好
ましくは400〜2,000、さらに好ましくは600
〜1,200の範囲である。
【0026】本発明のアクリル酸系重合体の水系への添
加量は、対象とする水系の条件、特に水質、温度などに
より異なるが、一般的にはその有効成分濃度として1〜
5,000mg/L、より好ましくは10〜500pp
mの範囲である。
【0027】マレイン酸重合体、モノエチレン性不飽和
カルボン酸とモノエチレン性不飽和スルホン酸からの共
重合体はいずれも水系におけるスケール防止、腐食防止
の機能を有している。従って、これらを組合せて用いる
ときは、如何なる比率で適用してもそれなりの機能を示
すが、本発明の相乗効果を期待するには、アクリル酸系
重合体を上記添加量加え、さらに(B)マレイン酸重合
体、モノエチレン性不飽和カルボン酸とモノエチレン性
不飽和スルホン酸からの共重合体から選ばれる1種以上
を、(A)アクリル酸系重合体に対し3倍(重量比)以
内を添加するのが好ましい。
【0028】また、このように組合せて水系に添加する
ときは、それぞれの化合物を別々に添加しても、あるい
は全てを一つの溶液にして添加してもよい。
【0029】本発明の腐食防止剤組成物を適用する水質
は、pHが6以上、好ましくはpHが7以上の水であ
る。一般にはpH、Ca硬度、Mアルカリ度ならびにシ
リカ濃度が高いスケール性水質で適用した方が好まし
い。本発明の腐食防止剤は腐食防止効果だけでなく、炭
酸カルシウム、硫酸カルシウム、珪酸マグネシウム、シ
リカ等の各種スケールに対する析出防止や付着防止効果
も有するため、スケール性水質へも適用できる。
【0030】さらに、対象とする水系設備の一部に銅、
あるいは銅合金が存在する場合には、アゾール化合物を
併用することが好ましい。アゾール化合物の例としてト
リルトリアゾール、ベンゾトリアゾール、置換ベンゾト
リアゾール、メルカプトベンゾチアゾール等が挙げられ
る。
【0031】本発明の腐食防止剤は、上記以外の腐食防
止剤やスケール防止剤として公知の化合物を併用して添
加することがある。その他腐食防止剤やスケール防止剤
として代表的な化合物には、2−ヒドロキシエチリデン
−2,2−ジホスホン酸・2−ホスホノブタン−1,2,
4−トリカルボン酸・ヒドロキシホスホノ酢酸・アミノ
トリメチレンホスホン酸・ジエチレントリアミン−ペン
タメチレンホスホン酸等のホスホン酸化合物、正リン酸
塩、重合リン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸
塩、亜鉛塩、ポリアスパラギン酸、亜硝酸塩、クエン酸
・グルコン酸・酒石酸・リンゴ酸等のヒドロキシカルボ
ン酸類、アルミン酸塩などが挙げられる。本発明はこれ
らの併用に対し、何ら制限を加えるものではない。
【0032】また、水中微生物に起因して微生物の作る
スライムによる障害を防止するため、次亜塩素酸塩、次
亜臭素酸塩、オゾン等の酸化性殺菌剤が使用されるが、
これら化合物はその強力な酸化力の故に腐食防止剤を分
解させることがあるが、本発明のアクリル酸系重合体
は、高濃度の酸化性殺菌剤存在下でも耐分解性が優れて
おり、腐食防止効果が低下したり、酸化性殺菌剤を失活
させること少なく、併用使用することができる。
【0033】
【実施例】以下に本発明を具体的に説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0034】[末端基にスルホン酸基を有するアクリル
酸系重合体:A−1]攪拌装置、還流冷却器、温度計、
窒素ガス通気孔を付した500mL4ツ口フラスコに、
水50gを入れ、窒素ガスの通気下で100℃に加熱
し、過硫酸ナトリウム3gを水15gに溶解した水溶
液、アクリル酸20g、35%重亜硫酸ナトリウム12
gをそれぞれ別々の口から同時に2時間かけて添加し
た。添加終了後、さらに100℃で2時間加熱して反応
物水溶液を得た。重合体の活性分含量は20%、重量平
均分子量は2,200であった。
【0035】[末端基にスルホン酸基を有するアクリル
酸系重合体:A−2]35%重亜硫酸ナトリウムの添加
量を9gとした以外はA−1と同様の方法でアクリル酸
を重合した。重合体の活性分含量は20%、重量平均分
子量は2,500であった。
【0036】[末端基にスルホン酸基を有するアクリル
酸系重合体:A−3]35%重亜硫酸ナトリウムの添加
量を8gとした以外はA−1と同様の方法でアクリル酸
を重合した。重合体の活性分含量は20%、重量平均分
子量は2,700であった。
【0037】[末端基にスルホン酸基を有するアクリル
酸重合体:A−4]過硫酸ナトリウムの添加量を8g,
35%重亜硫酸ナトリウムの添加量を30gとした以外
はA−1と同様の方法でアクリル酸を重合した。重合体
の活性分含量は20%、重量平均分子量は700であっ
た。
【0038】[末端基にスルホン酸基を有するアクリル
酸とアクリル酸エチル共重合体(90:10重量比):
A−5]アクリル酸20gの代りに、アクリル酸18
g、アクリル酸エチル2gとした以外はA−1と同様の
方法でアクリル酸を重合した。重合体の活性分含量は2
0%、重量平均分子量は約2,000であった。
【0039】[末端基にスルホン酸基を有するアクリル
酸とアクリル酸エチル共重合体(80:20重量比):
A−6]アクリル酸20gの代りに、アクリル酸16g
とアクリル酸エチル4gとした以外は製造例1と同様の
方法でアクリル酸を重合した。重合体の活性分含量は2
0%、重量平均分子量は約2,000であった。
【0040】[末端基にスルホン酸基を有するアクリル
酸とアクリル酸エチル共重合体(70:30重量比):
C−1]アクリル酸20gの代りに、アクリル酸14g
とアクリル酸エチル6gとした以外はA−1と同様の方
法でアクリル酸を重合した。重合体の活性分含量は20
%、重量平均分子量は約2,000であった。
【0041】[末端基にスルホン酸基を有するアクリル
酸系重合体:C−2]35%重亜硫酸ナトリウムの添加
量を7gとした以外はA−1と同様の方法でアクリル酸
を重合した。重合体の活性分含量は20%、重量平均分
子量は約3,000であった。
【0042】[末端基にスルホン酸基を有するアクリル
酸共重合体:C−3]35%重亜硫酸ナトリウムの添加
量を5gとした以外はA−1と同様の方法でアクリル酸
を重合した。重合体の活性分含量は20%、重量平均分
子量は約5,000であった。
【0043】[末端基にイソプロピルアルコール基を有
するアクリル酸系重合体:C−4]A−1の製造例にお
いて、重亜硫酸塩の替わりにイソプロピルアルコールを
連鎖移動剤として使用してアクリル酸を重合した。重合
体の活性分含量は20%、重量平均分子量は約2,00
0であった。
【0044】[末端基にチオプロピオン酸基を有するア
クリル酸系重合体:C−4]A−1の製造例において、
重亜硫酸塩の替わりにメルカプトプロピオン酸を連鎖移
動剤として使用してアクリル酸を重合した。重合体の活
性分含量は20%、重量平均分子量は約2,000であ
った。
【0045】[末端基にチオプロピオン酸基を有するア
クリル酸重合体の製造:C−5]A−1の製造例におい
て、重亜硫酸塩の替わりにメルカプトプロピオン酸を連
鎖移動剤として使用してアクリル酸を重合した。重合体
の活性分含量は20%、重量平均分子量は約2,000
であった。
【0046】[腐食防止効果の評価−1]寸法が50×
30×1mm、表面積0.316dm2の低炭素鋼(J
IS G3141SPCC)試験片をアセトン脱脂し、
乾燥して重量を測定した。試験片1枚を試験片保持器
(JISK0100−1990工業用水腐食試験方法、
回転法)に取付け、試験液500mLの入った還流冷却
管、攪拌器付きフラスコ中に浸漬した。フラスコを予め
40℃に設定した恒温槽中に入れ、試験片保持器モータ
ー回転軸に取り付けて、線速度として0.3m/sec
の速度で試験片を回転させた。試験期間は3日間とし
た。試験片表面に付着した腐食性生成物やスケール付着
物を流水下ブラシで除去後、乾燥して試験片の重量を測
定し試験前後の重量減より腐食速度(mdd)を次式よ
り計算した。
【0047】
【数1】
【0048】試験水の水質はpH8.5、Mアルカリ度
150ppm、カルシウム硬度150ppm、塩化物イ
オン106ppm、硫酸イオン50ppmであった。得
られた結果を表1に示した。
【0049】
【表1】
【0050】この結果より、末端基がイソプロピルアル
コール基やチオプロピオン酸基であるポリアクリル酸と
比較して末端基にスルホン酸基を有するアクリル酸系重
合体の腐食防止効果が高いことが確認された。また、末
端基にスルホン酸基を有するアクリル酸系重合体であっ
ても、分子量が3000以上であったり、アクリル酸の
重合比が75重量%未満となると腐食防止効果が低下す
ることが確認された。
【0051】[腐食防止効果の評価−2]末端にスルホ
ン酸基を有するアクリル酸系重合体として実施例1にお
けるA−1化合物を使用し、モノエチレン性不飽和カル
ボン酸とモノエチレン性不飽和スルホン酸の共重合体お
よび/あるいはマレイン酸重合体(無水マレイン酸重合
体の加水分解物を含む)と組合せた製剤例について、そ
れぞれ100ppm添加し腐食防止効果を評価した。
【0052】ここで、試験水の水質はpH8.8、Mア
ルカリ度280ppm、全硬度380ppm、カルシウ
ム硬度280ppm、塩化物イオン200ppm、硫酸
イオン170ppmとした。結果を表2に示した。
【0053】
【表2】
【0054】この結果より、本発明のアクリル酸系重合
体にマレイン酸重合体、モノエチレン性不飽和カルボン
酸とモノエチレン性不飽和スルホン酸の共重合体から選
択される1種以上を併用することにより、相乗的な腐食
防止効果を示すことが確認された。
【0055】[腐食防止効果の評価−3]冷却塔、熱交
換器を有する開放循環冷却水系試験装置に実機工業用水
を補給水とし使用し、循環濃縮運転を実施した。60L
の保有水量を有するテスト冷水塔に全長50cmの試験
熱交換器を連結し、循環ポンプにより0.3m/sec
の水流速で循環した。試験用伝熱管として炭素鋼鋼管
(JIS G 3461、STB340、外径19mm)
を使用して、該伝熱管を電気ヒーターにより加熱して4
0000kcal/m・hの熱流束を加え、循環水を
加熱するとともにテスト熱交換器の出口温度を55℃に
調節した。冷却塔の蒸発水量は3.3 リットル/時間で
あり、循環水の濃縮度が一定になるように定量ポンプに
よりブローダウンを行うと共に、処理剤をケミカルフィ
ーダにより補給して、循環水中の腐食防止剤の濃度が一
定になるように維持した。
【0056】表2の製剤例1の組成で、アクリル酸系重
合体としてA−1およびC−4を用いた腐食防止剤をそ
れぞれ調整し、100ppm循環水に添加し、表3に示
す水質にコントロールしながら30日間運転した。試験
期間中薬剤は連続維持管理した。尚、試験用伝熱管は試
験開始前にヘキサメタリン酸ナトリウムで1日初期処理
を実施してから用いた。30日間連続運転におけるST
B340の孔食深さ(mm)、付着物量(mg/cm
・month)を測定した。試験結果を表4に示した。
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】なお、比較のためA−1のアクリル酸系重
合体を、末端基にイソプロピルアルコール基を有するア
クリル酸系重合体を置き換えた製剤についても同じ条件
で評価した。
【0060】上記の結果より、本発明の(A)アクリル
酸系系重合体と、(B)マレイン酸重合体、モノエチレ
ン性不飽和カルボン酸とモノエチレン性不飽和スルホン
酸の共重合体を組合せて含む本発明の腐食防止剤は優れ
た腐食防止効果とスケール防止効果を示すことが確認さ
れた。一方、本発明のアクリル酸系重合体の代りに末端
にイソプロピルアルコール基を有するアクリル酸系重合
体を用いた場合は、十分な腐食防止効果とスケール防止
効果を示さなかった。
【0061】
【発明の効果】本発明の腐食防止剤は、重金属やリン等
の環境汚染物質を含まないため環境への影響がなく、か
つ優れた金属の腐食防止効果を有しているので、腐食に
よる機器の更新頻度を低下させることができ、装置の安
全運転に寄与できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 5/10 C02F 5/10 620A C10M 151/02 C10M 151/02 C23F 11/12 101 C23F 11/12 101 // C10N 20:02 C10N 20:02 30:12 30:12 40:20 40:20 A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端にスルホン酸基を有し、アクリル酸
    単位を75重量%以上含み、かつ重量平均分子量が50
    0〜2800であるアクリル酸系重合体を有効成分とし
    て含むことを特徴とする水系腐食防止剤組成物。
  2. 【請求項2】 (A)末端にスルホン酸基を有し、アク
    リル酸単位を75重量%以上含み、かつ重量平均分子量
    が500〜2800であるアクリル酸系重合体と、
    (B)マレイン酸重合体、モノエチレン性不飽和カルボ
    ン酸とモノエチレン性不飽和スルホン酸からの共重合体
    から選らばれる1種以上とを有効成分として含むことを
    特徴とする水系腐食防止剤組成物。
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