JP2014091814A - 縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤並びに該縮合多環芳香族骨格を有するポリマーおよびポリマーの製造方法 - Google Patents

縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤並びに該縮合多環芳香族骨格を有するポリマーおよびポリマーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】臭気の問題がなく、炭素、水素、酸素のみで構成された環境にやさしく、ポリマーに官能基を付与することができる新しいタイプの連鎖移動剤、官能基を付与されたポリマーおよびそのポリマー製造法を提供することにある。
【解決手段】下記一般式(1)で表される縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤。



((1)式中、nは1から4の整数を表し、Xはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表すが、隣接する一組のXは、前記置換基に代えて、互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成してもよい。又、形成される環はビシクロ環であってもよい。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、低分子量ポリマーを得るために、又、分子内に縮合多環芳香族骨格を有するポリマーを得るために有用な連鎖移動剤に関する。特に、ラジカル重合性化合物に適用可能な縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤並びにそれを用いて製造したポリマーおよびポリマーの製造方法に関するものである。
ラジカル重合性化合物は、合成樹脂の原料として工業的に広範に利用されている有機化合物であり、このようなラジカル重合性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸(以下、アクリル酸、メタクリル酸をまとめて「(メタ)アクリル酸」と記載する。)、及びそれらのエステル、スチレン系化合物等の多種の化合物が知られている。
これらラジカル重合性化合物の重合過程において、目的とする用途に応じて生成ポリマーの分子量を調節することは有益である。特に、コーティング剤、接着剤、粘着剤、紙力増強剤、バインダー、レジストなどの用途に用いるとき、分子量調整は重要な技術となっている。
ラジカル重合性化合物の重合反応において分子量を調整する技術としては種々あるが、重合系へ連鎖移動剤を添加する方法が良く用いられる。この連鎖移動剤としては、従来はおもに四塩化炭素に代表されるハロゲン化炭化水素、t−あるいはn−ドデシルメルカプタンに代表されるアルキルメルカプタン化合物あるいはスルフィド化合物などが使用されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
例えば、塗料、接着剤やシーリング材などの用途に、低分子量のアクリルポリマーなどが多く用いられてきているが、このような低分子量のアクリルポリマーを製造する場合には、連鎖移動剤としてのメルカプタン化合物が用いられる(例えば、特許文献4〜6参照。)。
また、スチレンの重合においては、平均分子量や分子量分布、メルトフローインデックスなどを調整するためメルカプタン系の連鎖移動剤が添加されている(例えば、特許文献7、8参照。)。
また、複写機やプリンターに用いられる重合トナーの製造において、スチレン系モノマーとアクリル系モノマーの重合の際、低分子量化とシャープな分子量分布を得るために、メルカプタン系の連鎖移動剤が用いられている(例えば、特許文献9、10参照。)。
一方、連鎖移動剤は上記のように分子量を調整するだけでなく、一般にその反応機構から、ポリマー末端に自らの残基を付与することも知られている(例えば、非特許文献1〜3参照。)。そのことを利用して、官能基を有した連鎖移動剤を用いることにより、ポリマー末端に官能基を付与する手法も提案されている(例えば、特許文献11、12、非特許文献4、5参照。)。
特開2009−522411号公報 特開2008−519137号公報 特開平9−118841号公報 特公昭58−455号公報 特開昭55−5950号公報 特公昭46−40693号公報 特開2002−241413号公報 特開2009−197105号公報 特開平7−330912号公報 特開2004−224840号公報 特公昭57−10850号公報 特開2010−222285号公報
Gerge Odian著 PRINCIPLES OF POLYMERIZATION(FOURTHEdition)(2004)238頁 大津隆行著「高分子合成の化学」(化学同人、1979)93頁 蒲池幹治編「ラジカル重合ハンドブック」(NTS、2010)47頁 Shimon Tanaka, Haruo Nishida, and Takeshi Endo, Macromolecules 2009, 42, 293−298頁 小川哲夫、塗料の研究、No.137,Oct,2001,11頁
しかし、ハロゲン化炭化水素、中でも四塩化炭素は、地球のオゾン層を破壊するなど環境上の問題があり、アルキルメルカプタンやスルフィドは臭気が強く取扱い上問題があるうえ、樹脂に臭気が残るという問題があった。また、これらの連鎖移動剤を用いた場合、当然に重合末端に硫黄やハロゲンが取り込まれることとなり、容器等を腐食させ、樹脂が吸湿性となり、さらに樹脂を廃棄処理するときに環境問題となる。一方、アルファメチルスチレンダイマーは、環境上の問題は少なく、広く使用されているが、依然として臭気を有するという問題がある。
また、連鎖移動剤が成長ポリマー末端に付加し連鎖移動することが知られており、そのことを利用して末端に官能基を有するポリマーを製造することも提案されている(例えば、特許文献11、12、非特許文献4、5参照。)。しかしながら、それらの連鎖移動剤はいずれも上記のハロゲン化炭化水素、アルキルメルカプタン、アルファメチルスチレンダイマーの誘導体であり、上述の欠点をそのまま有していると言わざるをえない。
よって、本発明は、臭気や腐食性、吸湿性の問題がなく、環境にやさしく、連鎖移動能が大きい新しいタイプの連鎖移動剤を提供することにある。さらに、本発明の目的は、末端に官能基を有する縮合多環芳香族骨格を付与されたポリマーおよびその製造法を提供することにある。
そこで、本発明者らは、前記課題を解決するため、ラジカル重合性化合物の連鎖移動剤につき鋭意検討した結果、本願発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤が、分子内にハロゲンや硫黄原子を持たず、従来より知られている連鎖移動剤とは全く異なる構造であるにもかかわらず、優れた連鎖移動効果を有すること、また分子内に本発明の連鎖移動剤に由来する縮合多環芳香族骨格を有するポリマーを製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明における第一の発明は、下記一般式(1)で表される縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に存する。
(上記(1)式中、nは1から4の整数を表し、Xはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表すが、隣接する一組のXは、前記置換基に代えて、互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成してもよい。又、形成される環はビシクロ環であってもよい。)
第二の発明は、一般式(1)においてnが2であり、一組のヒドロキシ基の置換位置が、1と4位、1と5位、1と6位、1と7位、2と6位又は2と7位のいずれかの組合せであることを特徴とする、第一の発明に記載の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に存する。
第三の発明は、一般式(1)において、nが3であり、一組のヒドロキシ基の置換位置が、1と2と4位、1と4と5位のいずれかの組合せであることを特徴とする、第一の発明に記載の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に存する。
第四の発明は、下記一般式(2)で表される縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に存する。
(上記(2)式中、Xはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表し、Y、Yは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表すが、隣接する一組のX、又はY及びYは、前記置換基に代えて、互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成してもよい。又、形成される環はビシクロ環であってもよい。)
第五の発明は、下記一般式(3)で表される縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に存する。
(上記(3)式中、Xはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表す。)
第六の発明は、下記一般式(4)又は(5)で表される縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に存する。
(上記(4)式中、Xはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表す。)
(上記(5)式中、Xはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表す。)
第七の発明は、下記一般式(6)で表される縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に存する。

(上記(6)式中、nは1から4の整数を表し、mは1又は2を表し、Xはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表すが、隣接する一組のXは、前記置換基に代えて、互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成してもよい。又、形成される環はビシクロ環であってもよい。)
第八の発明は、一般式(6)において、nが1又は2であり、mが1又は2である、第七の発明に記載の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に存する。
第九の発明は、第一の発明乃至第八の発明のいずれかひとつに記載の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤と連鎖移動助剤とを含有することを特徴とする、連鎖移動剤組成物に存する。
第十の発明は、連鎖移動助剤が、イソプロパノールである第九の発明に記載の連鎖移動剤組成物に存する。
第十一の発明は、第一の発明乃至第八の発明のいずれかひとつに記載の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤と、ラジカル重合性化合物とを含有するラジカル重合性組成物に存する。
第十二の発明は、第九の発明又は第十の発明に記載の連鎖移動剤組成物と、ラジカル重合性化合物とを含有するラジカル重合性組成物に存する。
第十三の発明は、ラジカル重合性化合物が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニルまたはスチレンであることを特徴とする第十一の発明又は第十二の発明に記載のラジカル重合性組成物に存する。
第十四の発明は、第十一の発明乃至第十三の発明のいずれかひとつに記載するラジカル重合性組成物をラジカル重合して得られるポリマーであって、ポリマーの末端あるいは主鎖の一部に、縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に由来する残基を有するポリマーに存する。
第十五の発明は、第一の発明乃至第八の発明のいずれかひとつに記載する縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤存在下、ラジカル重合性化合物をラジカル重合することを特徴とする、ポリマーの末端あるいは主鎖の一部に、縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に由来する残基を有するポリマーを製造する方法に存する。
第十六の発明は、第九の発明又は第十の発明に記載の連鎖移動剤組成物存在下、ラジカル重合性化合物をラジカル重合することを特徴とする、ポリマーの末端あるいは主鎖の一部に、縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に由来する残基を有するポリマーを製造する方法に存する。
本発明において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを表す。
本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤は不快臭がなく、ラジカル重合性化合物に用いることにより、所望するポリマーの分子量を効果的に調整することが可能であり、生成したポリマーの不快臭の発生も抑制できる。さらに本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤を用いてラジカル重合性化合物を重合することによりその末端に縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に由来する残基を有するポリマーを合成することができる。
[連鎖移動剤]
本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤は、一般式(1)乃至(6)で表される。即ち、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤は、一般式(1)乃至(6)で表される化合物を有効成分とするものである。まず、一般式(1)の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤を下記に示す。
(1)式中、nは1から4の整数を表し、Xはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表すが、隣接する一組のXは、前記置換基に代えて、互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成してもよい。又、形成される環はビシクロ環であってもよい。環を形成する位置としては、1と2位、2と3位の他、3と4位、5と6位、6と7位又は7と8位であり、形成される環の炭素数は5〜8であり、ビシクロ環を形成してもよい。炭素数が6の時は、アントラセン骨格やフェナントレン骨格となるが、入手のしやすさからアントラセン骨格が好ましい。
一般式(1)において、n=2の場合で、この2個のヒドロキシ基の置換位置がナフタレン骨格の1と4位であり、ナフタレン骨格の2,3位の置換基が水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基であり、ナフタレン骨格の5〜8位の置換基が水素原子、アルキル基、アリール基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基であるときは、一般式(2)で表わされる化合物となる。
上記(2)式中、Xはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表し、Y、Yは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表すが、隣接する一組のX、又はY及びYは、前記置換基に代えて、互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成してもよい。又、形成される環はビシクロ環であってもよい。形成される環の炭素数は5〜8であり、ビシクロ環を形成してもよい。
また、上記一般式(2)において、YとYが互いに結合して炭素数6の環(6員環)を形成している場合であって、当該6員環が芳香族性である場合は、一般式(3)で表わされる化合物となる。
上記(3)式中、Xはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表す。
さらにまた、上記一般式(2)において、YとYが互いに結合して、炭素数7のビシクロ環を形成している場合は、一般式(4)又は一般式(5)で表わされる化合物となる。
上記(4)式中、Xはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表す。
上記(5)式中、Xはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表す。
一般式(1)において、複数あるXのいくつかがカルボキシル基である場合が、一般式(6)で表される化合物となる。
上記(6)式中、nは1から4の整数を表し、mは1又は2を表し、Xはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表すが、隣接する一組のXは、前記置換基に代えて、互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成してもよい。又、形成される環はビシクロ環であってもよい。
一般式(1)乃至(6)において、Xで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ペンチル基、2−エチルヘキシル基、4−メチルペンチル基、4−メチル−3−ペンテニル基等の炭素数1〜8のアルキル基が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、p-トリル基、o-トリル基、ナフチル基等の炭素数6〜12のアリール基が挙げられ、アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等の炭素数1〜8のアシル基が挙げられ、アシルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基等の炭素数1〜8のアシルオキシ基が挙げられ、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等の炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基が挙げられ、アリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基、4−メチルフェノキシカルボニル基等の炭素数6〜12のアリールオキシカルボニル基が挙げられ、カルバモイル基としては、カルボン酸メチルアミド基、カルボン酸エチルアミド基、カルボン酸フェニルアミド基等の炭素数1〜8のカルバモイル基が挙げられる。
また、一般式(1)又は(6)において、Xで表されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基が挙げられ、アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、i−ブチルチオ基等の炭素数1〜8のアルキルチオ基が挙げられ、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、i−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-i−プロピルアミノ基等の炭素数1〜8のアルキルアミノ基が挙げられ、アリールアミノ基としては、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基等の炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。
更にまた、一般式(2)において、Y、Yで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、アミル基、2−エチルヘキシル基、4−メチルペンチル基、4−メチル−3−ペンテニル基等の炭素数1〜8のアルキル基が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、p-トリル基、o-トリル基、ナフチル基等の炭素数6〜12のアリール基が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基が挙げられ、アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、i−ブチルチオ基等の炭素数1〜8のアルキルチオ基が挙げられ、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、i−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-i−プロピルアミノ基等の炭素数1〜8のアルキルアミノ基が挙げられ、アリールアミノ基としては、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基等の炭素数6〜12のアリール基が挙げられ、アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等の炭素数1〜8のアシル基が挙げられ、アシルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基等の炭素数1〜8のアシルオキシ基が挙げられ、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等の炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基が挙げられ、アリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基、4−メチルフェノキシカルボニル基等の炭素数6〜12のアリールオキシカルボニル基が挙げられ、カルバモイル基としては、カルボン酸メチルアミド基、カルボン酸エチルアミド基、カルボン酸フェニルアミド基等の炭素数1〜8のカルバモイル基が挙げられる。
一般式(1)、(2)若しくは(6)における隣接する一組のX、又は一般式(2)におけるYとYが、互いに結合している例としては、飽和の環を形成する場合、不飽和基を含む環を形成する場合、環が芳香環である場合、あるいはビシクロ環を形成する場合等がある。これら形成される環はさらにアルキル基又はアリール基が置換していてもよい。さらに置換されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、p-トリル基、o-トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
次に、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤の具体例を示す。ここでは、主として、複数あるXがそれぞれ同一の化合物を例示するが、一部例示したようにそれぞれが異なる化合物であってもよい。
すでに説明したように、本発明の一般式(1)の化合物において、nが2の場合で、この2個のヒドロキシ基の置換位置がナフタレン骨格の1と4位である場合が一般式(2)の化合物であるが、まずはじめに、この一般式(2)において、Y及びYが共に水素原子である場合の化合物の具体例を列記する。その化合物としては、例えば、1,4−ジヒドロキシナフタレン、6−メチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、6−エチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、6−フェニル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、6−アセチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、6−メトキシカルボニル−1,4−ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。
次に、一般式(2)において、Y及びYが共に水素原子である化合物以外の化合物の具体例を示す。たとえば、2−メチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−エチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−クロロ−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−ブロモ−1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシ-2−ナフタレンカルボン酸、2−メトキシカルボニル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−フェノキシカルボニル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−ベンジロキシカルボニル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−アセトキシ−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−フェニルアミノカルボニル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−アミノ−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−フェニルアミノ−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−メチルチオ−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−ブチルチオ−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジメチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジブロモ−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−アミノ−3−クロロ−1,4−ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。
さらにまた、2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ−6−メチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−クロロ−6−メチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−ブロモ−6−メチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、6−メチル−1,4−ジヒドロキシ-2−ナフタレンカルボン酸、2−メトキシカルボニル−6−メチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−フェノキシカルボニル−6−メチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−ベンジロキシカルボニル−6−メチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−アセトキシ−6−メチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−フェニルアミノカルボニル−6−メチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−アミノ−6−メチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−フェニルアミノ−6−メチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−メチルチオ−6−メチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−ブチルチオ−6−メチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−メチル−6−エチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2,3,6−トリメチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジクロロ−6−メチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジブロモ−6−メチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−アミノ−3−クロロ−6−メチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−メチル−6−フェニル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−メチル−6−アセチル−1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−メチル−6−メトキシカルボニル−1,4−ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。
ここで列記した化合物のうち、1,4−ジヒドロキシ-2−ナフタレンカルボン酸、6−メチル−1,4−ジヒドロキシ-2−ナフタレンカルボン酸は、一般式(6)の化合物の具体例でもある。
また、一般式(2)において、Y及びYが互いに結合して6員環を形成している場合であって、当該6員環が飽和の6員環を形成している場合の具体例としては、9,10−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、2−メチル−9,10−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、2−エチル−9,10−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、2−ブチル−9,10−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、2−ペンチル−9,10−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン等が挙げられる。
更に、一般式(2)において、Y及びYが互いに結合して6員環を形成している場合であって、当該6員環が不飽和の6員環でかつ非芳香族性の場合の具体例としては、9,10−ジヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、2−メチル−9,10−ジヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、2−エチル−9,10−ジヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、2−ブチル−9,10−ジヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、2−ペンチル−9,10−ジヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン等が挙げられる。
更にまた、一般式(2)において、Y及びYが互いに結合して6員環を形成している場合であって、当該6員環が芳香族性である場合は、一般式(3)で表わされる化合物となるが、その具体例としては、9,10−ジヒドロキシアントラセン、2−メチル−9,10−ジヒドロキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジヒドロキシアントラセン、2−ブチル−9,10−ジヒドロキシアントラセン、2−ペンチル−9,10−ジヒドロキシアントラセン等が挙げられる。
そして更にまた、一般式(2)において、Y及びYが互いに結合して、炭素数7の不飽和のビシクロ環を形成している場合は、一般式(4)で表わされる化合物となるが、その具体例としては、1,4−ジヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール、6−メチル−1,4−ジヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール、5−メチル−1,4−ジヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール、1−メチル−1,4−ジヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール、2−メチル−1,4−ジヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール等が挙げられる。
そして更にまた、一般式(2)において、Y及びYが互いに結合して、炭素数7の飽和のビシクロ環を形成している場合は、一般式(5)で表わされる化合物となるが、その具体例としては、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール、6−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール、5−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール、1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール、2−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール等が挙げられる。
また、一般式(2)で表される化合物以外の一般式(1)で表される化合物のうちnが2である化合物の具体例としては、例えば、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2−メチル−1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−メチル−1,6−ジヒドロキシナフタレン、2−メチル−1,7−ジヒドロキシナフタレン、2−メチル−1,8−ジヒドロキシナフタレン、3−メチル−2,6−ジヒドロキシナフタレン、3−メチル−2,7−ジヒドロキシナフタレン、2−エチル−1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−エチル−1,6−ジヒドロキシナフタレン、2−エチル−1,7−ジヒドロキシナフタレン、2−エチル−1,8−ジヒドロキシナフタレン、3−エチル−2,6−ジヒドロキシナフタレン、3−エチル−2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジメチル−1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジメチル−1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジメチル−1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジメチル−1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジメチル−2,6−ジヒドロキシナフタレン、2−エチル−2,7−ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。
さらに、2−アミノ−1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−アミノ−1,6−ジヒドロキシナフタレン、2−アミノ−1,7−ジヒドロキシナフタレン、2−アミノ−1,8−ジヒドロキシナフタレン、3−アミノ−2,6−ジヒドロキシナフタレン、3−アミノ−2,8−ジヒドロキシナフタレン、2−クロロ−1,5−ジヒドロキシナフタレン、2−クロロ−1,6−ジヒドロキシナフタレン、2−クロロ−1,7−ジヒドロキシナフタレン、2−クロロ−1,8−ジヒドロキシナフタレン、3−クロロ−2,6−ジヒドロキシナフタレン、3−クロロ−2,8−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、1,6−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、1,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、1,8−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、2,6−ジヒドロキシ−3−ナフタレンカルボン酸、2,8−ジヒドロキシ−3−ナフタレンカルボン酸、1,2−ジヒドロキシ−4−ナフタレンカルボン酸、1,2−ジヒドロキシ−5−ナフタレンカルボン酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、1,5−ジヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸等が挙げられる。
ここで列記した化合物のうち、1,5−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、1,6−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、1,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、1,8−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、2,6−ジヒドロキシ−3−ナフタレンカルボン酸、2,8−ジヒドロキシ−3−ナフタレンカルボン酸、1,2−ジヒドロキシ−4−ナフタレンカルボン酸、1,2−ジヒドロキシ−5−ナフタレンカルボン酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、1,5−ジヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸は、一般式(6)の化合物の具体例でもある。
更に、一般式(2)で表される化合物以外の一般式(1)で表される化合物のうち、nが2であり、且つ隣接する一組のXが互いに結合して飽和の6員環を形成している場合の具体例としては、8,9−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、7,9−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、6,9−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、5,9−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、7−メチル−8,9−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、8−メチル−7,9−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、7−メチル−6,9−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、7−メチル−5,9−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン等が挙げられる。
また、一般式(2)で表される化合物以外の一般式(1)で表される化合物のうち、nが2であり、且つ隣接する一組のXが互いに結合して不飽和の6員環を形成している場合で当該6員環が非芳香族性の場合の具体例としては、8,9−ジヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、7,9−ジヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、6,9−ジヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、5,9−ジヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、7−メチル−8,9−ジヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、8−メチル−7,9−ジヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、7−メチル−6,9−ジヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、7−メチル−5,9−ジヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン等が挙げられる。
そしてまた、一般式(2)で表される化合物以外の一般式(1)で表される化合物のうち、nが2であり、且つ隣接する一組のXが互いに結合して不飽和の6員環を形成している場合で当該6員環が芳香族性の場合の具体例としては、1,9−ジヒドロキシアントラセン、2,9−ジヒドロキシアントラセン、1,10−ジヒドロキシアントラセン、2,10−ジヒドロキシアントラセン、1,6−ジヒドロキシアントラセン、1,7−ジヒドロキシアントラセン、1,8−ジヒドロキシアントラセン、2,6−ジヒドロキシアントラセン、2,7−ジヒドロキシアントラセン等が挙げられる。
さらに、一般式(1)で表される化合物のうち、nが1である化合物の具体例としては、1−ナフトール、2−ナフトール、4−メトキシ−1−ナフトール、7−メトキシ−1−ナフトール、3−メトキシ−2−ナフトール、5−メトキシ−2−ナフトール、6−メトキシ−2−ナフトール、2,3−ジメチル−1−ナフトール、1,3−ジメチル−2−ナフトール、4−アミノ−1−ナフトール、1−アミノ−2−ナフトール、6‐ヒドロキシ‐1‐ナフタレンカルボン酸、6‐ヒドロキシ‐2‐ナフタレンカルボン酸、4‐ヒドロキシ‐1‐ナフタレンカルボン酸、4‐ヒドロキシ‐2‐ナフタレンカルボン酸等が挙げられる。
ここで列記した化合物のうち、6‐ヒドロキシ‐1‐ナフタレンカルボン酸、6‐ヒドロキシ‐2‐ナフタレンカルボン酸、4‐ヒドロキシ‐1‐ナフタレンカルボン酸、4‐ヒドロキシ‐2‐ナフタレンカルボン酸は、一般式(6)の化合物の具体例でもある。
そして、一般式(1)で表される化合物であり、nが1であり、隣接する一組のXが互いに結合して飽和の6員環を形成している場合の具体例としては、9−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、1−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、2−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン等が挙げられる。
そしてまた、一般式(1)で表される化合物であり、nが1であり、隣接する一組のXが互いに結合して不飽和の6員環を形成している場合で当該6員環が非芳香族性の場合の具体例としては、9−ヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、1−ヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、2−ヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン等が挙げられる。
そしてまた、一般式(1)で表される化合物であり、nが1であり、隣接する一組のXが互いに結合して不飽和の6員環を形成している場合で当該6員環が芳香族性の場合の具体例としては、9−ヒドロキシアントラセン、1−ヒドロキシアントラセン、2−ヒドロキシアントラセン、2−メチル−9−ヒドロキシアントラセン、3−メチル−9−ヒドロキシアントラセン等が挙げられる。
さらに、一般式(1)で表される化合物のうち、nが3以上である化合物の具体例としては、1,2,4−トリヒドロキシナフタレン、1,4,5−トリヒドロキシナフタレン、1,4,6−トリヒドロキシナフタレン、1,4,5,8−テトラヒドロキシナフタレン等が挙げられる。
さらに、一般式(1)において、nが3以上であり、隣接する一組のXが互いに結合して飽和の6員環を形成している場合の具体例としては、5,7,9−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、5,6,9−トリヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン、5,6,8,9−テトラヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロアントラセン等が挙げられる。
さらに、一般式(1)において、nが3以上であり、隣接する一組のXが互いに結合して不飽和の6員環を形成している場合で、当該6員環が非芳香族性の場合の具体例としては、5,9,10−トリヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、5,6,9−トリヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、5,7,9−トリヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、5,8,9−トリヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、5,9,10−トリヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、5,6,9,10−テトラヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、5,8,9,10−テトラヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、5,6,7,9−テトラヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、5,6,7,10−テトラヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、5,6,8,9−テトラヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン、5,6,8,10−テトラヒドロキシ−1,4−ジヒドロアントラセン等が挙げられる。
さらに、一般式(1)において、nが3以上であり、隣接する一組のXが互いに結合して不飽和の6員環を形成している場合で、当該6員環が芳香族性の場合の具体例としては、2,4,9−トリヒドロキシアントラセン、5,6,8,9−テトラヒドロキシアントラセン、5,6,8,9−テトラエトキシアントラセン等が挙げられる。
これら例示した化合物の中で、ナフタレン骨格の1と4位にヒドロキシ基が置換した化合物が連鎖移動能の高さから特に好ましい。ナフタレン骨格の1と4位にヒドロキシ基が置換した化合物で、Xが水素原子である化合物は、連鎖移動能が高くかつ製造が容易であることから、さらに好ましい。
具体的には、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,2,4−トリヒドロキシナフタレン、2−メチル‐1,4−ジヒドロキシナフタレン、2−クロロ‐1,4−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジクロロ‐1,4−ジヒドロキシナフタレン、2‐アミノ‐3−クロロ‐1,4−ジヒドロキシナフタレンが、連鎖移動能が高くかつ製造が容易であることから好ましい。特に、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,2,4−トリヒドロキシナフタレン、2−メチル‐1,4−ジヒドロキシナフタレンが好ましい。
アントラセン骨格を有する化合物の場合は、一般式(3)で表される9と10位にヒドロキシ基が置換した化合物と9位にヒドロキシが置換した化合物が好ましい。一般式(3)で表されるアントラセン骨格の9と10位にヒドロキシ基が置換した化合物と9位にヒドロキシが置換した化合物において、Xが水素原子である化合物は、製造が容易であることから、さらに好ましい。
具体的には、9,10−ジヒドロキシアントラセン、9−ヒドロキシアントラセンが、連鎖移動能が高くかつ製造が容易であることから好ましい。
更にまた、1,4−ナフトキノン化合物とシクロペンタジエン化合物から容易に合成される一般式(4)の化合物及びその還元体である一般式(5)の化合物であるビシクロ環を持つ化合物は製造が容易であることから好ましい。
具体的には、1,4−ジヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオールが製造が容易であることから好ましい。
そして更にまた、ナフタレン骨格にヒドロキシ基とカルボキシル基が置換した化合物が、連鎖移動能が高く好ましい。中でも、ヒドロキシ基が一個又は二個置換し、カルボキシル基が一個又は二個置換した化合物が好ましい。
具体的には、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、6‐ヒドロキシ‐1‐ナフタレンカルボン酸、6‐ヒドロキシ‐2‐ナフタレンカルボン酸が、連鎖移動能が高くかつ製造が容易であることから好ましい。
上記例示した具体例において、ナフタレン骨格の1と4位にヒドロキシ基が置換した化合物(1,4−ジヒドロキシナフタレン化合物)あるいはアントラセン骨格の9と10位にヒドロキシ基が置換した化合物(9,10−ジヒドロキシアントラセン化合物)の場合、その酸化体である1,4−ナフトキノン化合物あるいは9,10−アントラキノン化合物と互いに水素結合を形成することにより、キンヒドロン化合物を生成することが知られているが、そのようなキンヒドロン化合物も本発明の連鎖移動剤として用いることができる。
これらの例示した化合物の多くは、試薬として入手可能である。また、1と4位にヒドロキシ基を持つ化合物は、試薬として入手可能な1,4−ナフトキノン化合物を接触水素還元等により還元しても合成できる。さらに、たとえば2位に置換基を有する1,4−ジヒドロキシナフタレン化合物は、1,4−ナフトキノン化合物と、対応する求核試薬との反応により得ることができる。例えば、第5版実験化学講座15有機化合物の合成IIIアルデヒド・ケトン・キノン(日本化学会編)369頁や384頁に記載の方法等で合成できる。また更に、得られた2位に置換基を有する1,4−ジヒドロキシナフタレン化合物を酸化処理し、求核試薬とさらに反応をさせることにより、2,3位に置換基を有する化合物を得るができる。また、1,4−ナフトキノン化合物と、対応するブタジエン化合物のディールス・アルダー反応により環状付加体を合成し、その後異性化すること、更には、この酸化体を接触水素還元することにより、アントラセン環にヒドロキシ基が置換した化合物が合成可能である。
また、一般式(4)及び一般式(5)の化合物は、次のように合成することができる。すなわち、対応する1,4−ナフトキノン化合物とシクロペンタジエン化合物とをディールス・アルダー反応させることにより、まず1,4,4a,9a−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン化合物を得る。そして、当該1,4,4a,9a−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン化合物をエノール化することにより、一般式(4)の化合物である1,4−ジヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物を得ることができる。1,4−ナフトキノン化合物と、シクロペンタジエン化合物とのディールス・アルダー反応は従来公知の方法で行うことができる。例えば、特開平6-312950号公報の工程1に記載の方法により合成できる。一般式(5)の化合物は、1,4−ナフトキノン化合物とシクロペンタジエン化合物とのディールス・アルダー反応により得た1,4,4a,9a−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン化合物を、まず、接触水素化反応により、1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオン化合物としてのち、エノール化することにより、一般式(5)の化合物である1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノアントラセン−9,10−ジオール化合物を得ることができる。
さらにまた、一般式(6)の化合物であるヒドロキシ基とカルボキシル基を持つ化合物は、試薬として入手可能な化合物も多いが、一般的に、対応するヒドロキシナフタレン化合物のアルカリ金属塩に炭酸ガスを反応させるKolbe‐Schmitt反応により得ることができる。
[連鎖移動剤]
本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤をもちいることにより、ラジカル重合性化合物の重合反応においてラジカル重合性化合物の重合度を調整することができる。
[連鎖移動助剤]
また、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤には、連鎖移動助剤を併用することも可能である。連鎖移動助剤としては、炭素数1〜8の脂肪族アルコール化合物、炭素数2〜8の脂肪族ケトン化合物、炭素数1〜8の脂肪酸のエステル化合物、炭素数4〜10の脂肪族炭化水素化合物、炭素数6〜10の芳香族炭化水素化合物、炭素数3〜10の脂肪族エーテル化合物、テルペノイド系化合物、スチレンオリゴマー系化合物、炭素数4〜10の不飽和炭化水素化合物、炭素数4〜14のチオール化合物、炭素数2〜8の脂肪族アミン及び炭素数8〜14の芳香族アミン化合物からなる群より選ばれた一種又は二種以上の化合物が用いられる。
脂肪族アルコール化合物としては、炭素数1〜8の脂肪族アルコール化合物が好ましく、水酸基を一分子中一個有する一価アルコールでも、二個以上有する多価アルコールでもよく、また水酸基の位置は一級、二級、三級でも差支えない。たとえば、一価アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等が挙げられ。多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
脂肪族ケトン化合物としては、炭素数2〜8の脂肪族ケトン化合物が好ましく、たとえば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
脂肪酸のエステル化合物としては、炭素数1〜8の脂肪酸のエステル化合物が好ましく、たとえば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチルカルビトールアセテート等が挙げられる。
脂肪族炭化水素化合物としては、炭素数4〜10の脂肪族炭化水素化合物が好ましく、脂環式化合物でもよい。たとえば、n−ブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロブタン、デカリン等が挙げられる。これらの化合物の一部がハロゲン原子で置換されていてもよい。
芳香族炭化水素化合物としては、炭素数6〜10の芳香族族炭化水素化合物が好ましく、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン等が挙げられる。
脂肪族エーテル化合物としては、炭素数3〜10の脂肪族エーテル化合物が好ましく、炭素数4〜10の脂環式エーテル化合物でもよい。たとえば、n−ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。また、グリコールエーテル類も用いることができる。たとえば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール等を挙げることができる。
スチレンオリゴマー系化合物としては、α-メチルスチレンダイマー、スチレンダイマー等が挙げられる。
テルペノイド系化合物としては、リモネン、ミルセン、α−テルピネン、β−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、β−ピネン、α−ピネン、ジペンテン等挙げられる。
不飽和炭化水素化合物としては、炭素数4〜10の不飽和炭化水素化合物である1,4−シクロヘキサジエン、2−メチル−1,4−シクロヘキサジエン、1,2−ジヒドロナフタレン、9,10−ジヒドロフェナントレン、オクタヒドロフェナントレン、9,10−ジヒドロアントラセン、オクタヒドロアントラセン、テトラリン、インデン等が挙げられる。
チオール化合物としては、メルカプト基を1個以上有する炭素数4〜14のチオール化合物であればよく、例えばn−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、メルカプトエチルアミン、メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−2,5−ジメチルアミノピリジン等を挙げることができる。
アミン化合物としては、アミノ基の1個以上がアルキル基または置換アルキル基で置換されてもよく、またアミノ基以外の箇所で、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換アルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、置換フェノキシカルボニル基、ニトリル基等によって置換されていてもよい。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等の炭素数2〜8の脂肪族アミン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソブチル、4,4−ジメチルアミノベンゾフェノン、N,N−ジメチルアニリン等の炭素数8〜14の芳香族アミン等を挙げることができる。
これらの連鎖移動助剤は、一種でもよく、二種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、炭素数1〜8の脂肪族アルコール化合物、炭素数4〜10の脂環式エーテル化合物を含む炭素数3〜10の脂肪族エーテル化合物、テルペノイド系化合物、スチレンダイマー系化合物が好ましい。特に、二級アルコールであるイソプロピルアルコール、イソブタノール、脂環式エーテルであるテトラヒドロフラン、スチレンオリゴマー系化合物であるα-メチルスチレンダイマー、テルペノイド系化合物であるテルピノレンが好ましく、中でも、イソプロピルアルコールがさらに好ましい。
本発明の連鎖移動剤組成物は、少なくとも、縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤と上記の連鎖移動助剤を含有する組成物である。本発明の連鎖移動剤組成物における、縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に対する連鎖移動助剤の最適な添加割合は、用いられる連鎖移動助剤により異なる。
本発明の連鎖移動助剤は、重合反応において単独でもいくらかの連鎖移動効果を示す。用いられる重合系でのその連鎖移動定数(Cs)が0.1以下である連鎖移動助剤は、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に対して、質量比で、0.01倍以上、50倍未満添加するのが好ましく、0.1倍以上30倍未満がさらに好ましい。0.01倍未満だと添加する連鎖移動助剤の効果が小さく、50倍以上添加してもそれ以上の効果か望めない。このような連鎖移動定数(Cs)が0.1以下である連鎖移動助剤としては、脂肪族アルコール化合物、脂肪族エーテル化合物、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素など一般に溶媒として用いられる化合物である。
また、用いられる重合系での連鎖移動定数(Cs)が0.1以上である連鎖移動助剤は、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に対して、質量比で、0.01倍以上、2倍未満添加するのが好ましい。0.01倍未満だと添加する連鎖移動助剤の効果が小さく、2倍以上添加すると分子内に本発明の連鎖移動剤に由来する縮合多環芳香族骨格を有するポリマーを生成するという効果が十分ではなくなるので好ましくない。このような連鎖移動定数(Cs)が0.1以上である連鎖移動助剤としては、チオール化合物などが挙げられる。
[ラジカル重合性組成物]
本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤は、ラジカル重合性化合物に添加することにより、ラジカル重合性組成物として用いることができる。
本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤を必須成分として含有する当該ラジカル重合性組成物には、ラジカル反応を開始するラジカル重合開始剤が必要により添加される。そして、重合を開始するに必要な熱や光などの開始エネルギーを与え、重合を開始することにより、分子量が調整されたポリマーを製造することができる。
本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤の配合量は、十分な連鎖移動効果と経済性との観点から、通常、ラジカル重合性化合物に対して0.01〜5重量%が好ましく、0.05から3重量%が更に好ましい。
重合体の数平均分子量は、一般に主として用いるラジカル重合性化合物の濃度、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤の濃度及びラジカル重合開始剤の濃度によって調整することができる。数平均分子量は、該ラジカル重合性化合物の濃度が高い程数平均分子量は大きくなり、逆に縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤濃度が高い程小さくなる。そのことを考慮して、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤の濃度の範囲内で適宜変更して数平均分子量の調整をすることができる。
また、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤と連鎖移動助剤を含有する連鎖移動剤組成物をラジカル重合性化合物に添加することにより、ラジカル重合性組成物として用いることもできる。
本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤又は連鎖移動剤組成物をラジカル重合性化合物に添加する方法としては、一括添加、回分添加、連続添加あるいはこれらの組み合わせなど公知の添加方法が用いられる。例えば、各工程で連鎖移動剤又は連鎖移動剤組成物を回分添加する、各工程で単量体混合物と連鎖移動剤又は連鎖移動剤組成物とを連続添加する、各工程で連鎖移動剤又は連鎖移動剤組成物を回分添加と連続添加を組み合わせて添加する、等の添加方法がある。また、連鎖移動剤を固体又は粉体のまま直接添加する方法や、連鎖移動剤を適当な有機溶剤又は連鎖移動助剤に溶解して添加してもよい。
本発明の連鎖移動剤組成物において、連鎖移動助剤は、あらかじめ縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動助剤と組み合わせて用いるのが簡便であるが、ラジカル重合性化合物に対して、縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤と連鎖移動助剤をそれぞれ別々添加してラジカル重合性組成物としたり、ラジカル重合性化合物の重合過程において縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤や連鎖移動助剤をそれぞれ任意の順序及び回数添加してラジカル重合操作を行っても良い。連鎖移動剤、連鎖移動助剤、ラジカル重合性化合物の濃度をin-situで観測しながら、それらの比を一定に保つよう供給する方法も分子量制御の観点からは好ましい。
[ラジカル重合性化合物]
本発明におけるラジカル重合性化合物は、分子内に重合性二重結合を有する化合物であれば特に限定されない。このようなラジカル重合性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸等のα、β−不飽和カルボン酸化合物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のα、β−不飽和カルボン酸エステル化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル化合物;アクリロニトリル、アクリルアミドのようなアクリル化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物等;塩化ビニル、塩化ビニリデンのような置換エチレン化合物;エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエン、ピネン等のエチレン性不飽和化合物、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどの不飽和有機シラン化合物などが挙げられる。
前記ラジカル重合性化合物の中でも、α、β−不飽和カルボン酸化合物、α、β−不飽和カルボン酸エステル化合物、芳香族ビニル化合物、ビニルエステル化合物が好ましい。
これらの化合物の中でも、α、β−不飽和カルボン酸化合物である(メタ)アクリル酸、α、β−不飽和カルボン酸エステルである(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物であるスチレンが好ましい。特に、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤の効果が顕著であるという点から、α、β−不飽和カルボン酸化合物である(メタ)アクリル酸、α、β−不飽和カルボン酸エステルである(メタ)アクリル酸エステル、ビニルエステル化合物である酢酸ビニル、芳香族ビニル化合物であるスチレンが好ましい。
前記ラジカル重合性組成物に含有されるラジカル重合性化合物は、その形態や含有量は特に限定されない。例えばラジカル重合性化合物そのものやラジカル重合性化合物の溶液等が挙げられる。
[ラジカル重合開始剤]
ラジカル重合開始剤としては、エネルギーを与えてラジカル重合性化合物に対して活性なラジカルを発生するものであれば特に限定されない。一般には市販されているいわゆるラジカル重合開始剤を用いることができる。通常便宜的に、熱エネルギーを与えて用いるものを、熱ラジカル重合開始剤と呼び、光エネルギーを与えるものを、光ラジカル重合開始剤と呼ぶ。本発明は熱ラジカル重合開始剤及び光ラジカル重合開始剤のどちらも使用することが可能である。
熱ラジカル重合開始剤としては特に限定されず、公知の化合物を使用することができる。例えば、ペルオキシド、ヒドロペルオキシド、及びアゾ系化合物が挙げられる。具体的には、ベンゾイルペルオキシド、ジ−t−アミルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、及びジ−クミルペルオキシド等のペルオキシド、t−アミルヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、及び過酸化水素等のヒドロペルオキシド、(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル))、(2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル))、(2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル))、(2,2’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル))等のアゾ系化合物が挙げられる。
また、熱ラジカル重合開始剤を比較的低温で使用するためにペルオキシド、ヒドロペルオキシド、アスコルビン酸等の酸化剤系開始剤に対して遷移金属やアミン等の還元剤を組み合わせるいわゆるレドックス開始剤系を用いることもできる。
光ラジカル重合開始剤としては、特に限定されず、公知の化合物を使用することができる。例えば、ベンゾイン系化合物、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサトン類、α−アシロキシムエステル類、フェニルグリオキシレート類、ベンジル類、アゾ系化合物、ジフェニルスルフィド系化合物、アシルホスフィンオキシド系化合物、有機色素系化合物、鉄−フタロシアニン系、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、アントラキノン類が含まれる。具体的に、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド類等が挙げられる。有機合成化学協会誌66,458(2008)等公知文献に紹介されている光ラジカル重合開始剤も用いることができる。
また、市場より入手可能な光ラジカル重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティケミカルズ社製イルガキュア184、イルガキュアはチバ・スペシャリティケミカルズ社の登録商標)、(2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−(4−モルフォリニル)−1−プロパノン)(イルガキュア907)、またビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニル−ホスフィンオキサイド(イルガキュア819)等のアシルホスフィンオキサイド化合物;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(イルガキュア784)等のチタノセン化合物;6,12−ビス(トリメチルシリルオキシ)−1,11−ナフタセンキノン等のナフタセンキノン化合物等が挙げられる。
これらのラジカル重合開始剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。ラジカル重合開始剤の添加量は、用いるラジカル重合性化合物及び連鎖移動剤にもよるが、ラジカル重合性化合物の合計量100質量部に対して0.0001質量部以上10質量部以下の範囲内であるのが好ましい。
[開始エネルギー]
開始エネルギーは添加したラジカル開始剤からラジカルを発生しうるエネルギーであればよい。一般には熱エネルギー、電離波エネルギーが適宜選ばれる。具体的なエネルギー源としては熱、光、電子線(EB)、マイクロ波、放射線等の電磁線が挙げられ、用いるエネルギー源に応じて、熱重合、電磁線重合(光重合、電子線重合、マイクロ波重合、放射線重合)等と呼ばれる。
熱重合の場合、用いる重合性化合物及びその様態にもよるが、重合に用いる温度範囲は通常−20〜200℃で、好ましくは0〜150℃、より好ましくは10〜120℃である。
さらに熱重合の一種として酸化還元(レドックス)開始剤(後述)を用いるレドックス重合が挙げられる。この際、用いられる温度範囲は通常の熱重合より低く、−40〜100℃で、好ましくは−20〜80℃、より好ましくは0〜60℃である。
光重合において、照射する光としては紫外線、可視光線、赤外線等を用いることができる。光ラジカル重合開始剤あるいは増感剤を用いることもできる。紫外線、可視光線の場合具体的には、たとえば300〜800nmの波長範囲の光線である。光源としては、300〜800nmの範囲の波長の光線を照射できるLED(発光ダイオード)やランプを使用する。LEDとしては、UV−LED、青色LED、白色LED等が挙げられる。ランプとしては、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
電子線重合は電子線照射により行われる。電子線照射には、前記の電子線重合化合物に作用し重合性物質の重合を起こすことができる方法であれば、特に制限なく使用することができる。照射する電子線量は、吸収線量として1から300kGy程度の範囲で調節するのが望ましい。1kGy未満では十分な照射効果が得られず、300kGyを超えるような照射は基材を劣化させる恐れがあるため好ましくない。電子線の照射方法としては、例えばスキャニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式などが用いられ、電子線を照射する際の加速電圧は、照射する側の基材の厚さによりコントロールする必要があるが、20から100kV程度が適当である。
マイクロ波重合はStraussら(Aust. J. Chem.,48,1665〜1692(1995))の公知の手法を用いることが出来る。マイクロ波は、マイクロ波技術において既知の種々の方法のいずれかによって発生させることができる。一般に、これらの方法は、マイクロ波発生源として作用するクライストロンまたはマグネトロンに依存している。一般に、発生の周波数は約300MHz〜30GHzの範囲であり、対応する波長は約1m〜1mmである。理論的には、この範囲のいずれの周波数も、効果的に使用することができるが、約850〜950MHzまたは約2300〜2600MHzを包含する商業的に利用可能な範囲の周波数を使用するのが好ましい。
放射線重合はγ線、X線、α線、β線を照射して重合を行う。通常、コバルト60のγ線照射が用いられることが多い。
更に、重合開始のエネルギー源を併用することもできる。たとえば電子線と赤外線の併用等である。
また、熱重合以外は通常、常温近傍で重合することが多いが、加熱しながら実施することも可能である。この場合重合の促進が期待できる。
[他の成分]
本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤とラジカル重合性化合物とを含有するラジカル重合性組成物をラジカル重合させるにあたり、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤、、連鎖移動助剤、ラジカル重合性化合物、ラジカル重合開始剤のほかに必要があれば、本発明の効果を損なわない範囲で他の成分を含有していてもよく、着色剤、可塑剤、粘着付与剤、酸化防止剤、各種安定剤、充填剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤なども添加することが可能である。
また、本発明の効果を損なわない範囲において、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤以外の他の連鎖移動剤等の成分を含有していてもよい。このような他の連鎖移動剤としては、特に限定されないが、連鎖移動剤として公知の化合物等が挙げられる。
例えば、n−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタンなどのメルカプタン類、テトラメチルチウラジウムジスルフィド、テトラエチルチウラジウムジスルフィドなどのジスルフィド類、四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化合物、2−メチル−1−ブテン、α−メチルスチレンダイマー等のオレフィン類が挙げられる。
これらの前記他の成分は、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に対して単独で、あるいは同時に二種類以上で用いることができる。これらの他の成分は、適用対象のラジカル重合性化合物の種類や用途等に応じて適宜選択することができる。
<製造態様>
本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤又は連鎖移動剤組成物とラジカル重合性化合物とを含有するラジカル重合性組成物をラジカル重合することにより、或いは、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤の存在下ラジカル重合性化合物をラジカル重合することにより、生成するポリマーの末端あるいは主鎖の一部に、縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に由来する残基を有するポリマーを製造することができる。
ポリマーの末端あるいは主鎖の一部に、縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に由来する残基を有するポリマーの製造態様として、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、またはスラリー重合などの方法を用いることができる。また、回分式に重合する場合でも、連続的に重合する場合でも用いることができる。
重合時の雰囲気は分子状酸素を除去することが好ましく、一般的には減圧下あるいは不活性気体存在下用いられる。不活性気体としては、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素等があげられる。
<末端に縮合多環芳香族骨格を有するポリマー>
本発明の連鎖移動剤を用いて、上記重合方法で製造したポリマーは前述したように末端に本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に由来する残基である縮合多環芳香族骨格を付与することが可能である。すなわち、本発明の連鎖移動剤は、ポリマー成長末端に付加し、連鎖移動するため、該連鎖移動剤由来の末端構造を有することになる。よって末端に本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に由来する残基を有するポリマーを合成することができ、さらに本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤がもつ官能基をポリマーに付与することができる。縮合多環芳香族骨格および官能基に由来する、親和性、反応性、耐熱性、光学特性、化学的安定性等、縮合多環芳香族骨格および官能基の有する化学的、物理的性質を生成ポリマーに付与し、機能性ポリマーとして供することができる。
すなわち、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤は、反応性基を有する末端官能化ポリマーを提供することができる。
<主鎖に縮合多環芳香族骨格を有するポリマー>
本発明の連鎖移動剤を用いて、上記重合方法で製造したポリマーは前述したように主鎖に本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に由来する残基である縮合多環芳香族骨格を付与することも可能である。すなわち、本発明の連鎖移動剤は、ポリマー成長末端に付加し、さらにポリマー生長末端ラジカルの攻撃を受けた場合は、該連鎖移動剤由来の主鎖構造を有することになる。
上述のように、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤を用いることにより、縮合多環芳香族骨格がポリマーの末端あるいは主鎖の一部に導入されるが、その導入により、たとえば、縮合多環芳香族骨格に由来する紫外線吸収能、蛍光特性、高屈折率等の物性をポリマーに与えることができる。また、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤はヒドロキシ基を持つことから、生成ポリマーに対してフェノール性OHの一般的性質、すなわち、親水性及び、エポキシ樹脂、カルボン酸、アミノ化合物への親和性、相溶性あるいは反応性を与えることができる。また、官能基がカルボニル基の場合はエポキシ樹脂、アミノ化合物への親和性、相溶性あるいは反応性を与えることができる。官能基がアリール基、アラルキル基の場合はポリスチレン、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、フェノール樹脂やトルエン、スチレンモノマーのような含芳香族化合物への親和性や相溶性を与える。
また一般にポリマーに熱、光、機械等のエネルギーを与えることにより、分解反応を通してラジカルを生じることは広く知られている(大津隆行著「高分子合成の化学」(化学同人、1979)245頁、250頁、260頁)。その際、本発明の連鎖移動剤を施すことによりポリマーのゲル化を防止したり、官能基をグラフトさせることも可能である。例えば特開昭54−100449号公報、特開平6−256430号公報等に記載されている手法が援用できる。具体的には、熱可塑性ポリマーを融混練することにより、熱エネルギー、機械エネルギーを与え、ポリマー鎖を切断しつつ、添加薬剤として本発明の連鎖移動剤を施し、ポリマーのゲル化を防止したり、官能基をグラフトさせる事が出来る。
(実施例1)
ラジカル重合性化合物として市販のメタクリル酸メチル(和光特級)4gを試験管に入れ、このラジカル重合性化合物に対して、ラジカル重合開始剤として1質量%のアゾビスイソブチロニトリル(和光特級)、連鎖移動剤として5000質量ppmの1,4−ジヒドロキシナフタレンを添加しラジカル重合性組成物とした。このラジカル重合性組成物の入った試験管にセプタムで蓋をして、窒素を20分間、15mL/分の速度で当該組成物中に通気した。そして、窒素を通気したまま次いで、加熱したオイルバスに試験管を浸し、試験管内の溶液温度が60℃になるように2時間保持した。生成物を所定濃度でテトラヒドロフラン(和光特級)に溶解させ、検出器として、屈折率計(RI)(日本分光製RI−2031)、多波長紫外線分光計(日本分光製MD−2010)、およびGPCカラム(昭和電工製Shodex GPC KF−806L)を備えたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(日本分光製)を用い生成ポリマーのキャラクタリゼーションを行った。このうち検出器として屈折率計を用い、生成ポリマーの数平均分子量およびそのピーク面積から重合率を測定した。さらに検出器として多波長紫外線分光計を用い、生成ポリマーの紫外線吸収スペクトルを測定し、縮合多環芳香族骨格に由来する波長が波長350〜500nmの吸収の有無を測定した。これらの測定結果を表1に示した。
(実施例2〜5、比較例1〜3)
添加する連鎖移動剤の種類、連鎖移動剤の添加量を表1に示したように変更した他は実施例1と同様の操作を行い、重合生成物を得た。当該重合生成物を実施例1と同様の方法で物性値を測定し、測定結果を表1に示した。
実施例1乃至実施例5と比較例1の対比から、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤が優れた連鎖移動能を持つことが分かる。また、実施例1乃至実施例5と従来より知られている連鎖移動剤を用いた比較例2及び3の対比からも、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤が優れた連鎖移動能を持つことが分かる。
また、生成したポリマーの紫外吸収スペクトルにおいて、波長350〜500nmにおける吸収が、比較例1〜3では観察されないのに対して、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤を用いた例では観測されることから、本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤を用いた場合は、生成したポリマー中に本発明の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に由来する縮合多環芳香族骨格が導入されていることが分かる。

Claims (16)

  1. 下記一般式(1)で表される縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤。

    (上記(1)式中、nは1から4の整数を表し、Xはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表すが、隣接する一組のXは、前記置換基に代えて、互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成してもよい。又、形成される環はビシクロ環であってもよい。)
  2. 一般式(1)においてnが2であり、一組のヒドロキシ基の置換位置が、1と4位、1と5位、1と6位、1と7位、2と6位又は2と7位のいずれかの組合せであることを特徴とする、請求項1に記載の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤。
  3. 一般式(1)において、nが3であり、一組のヒドロキシ基の置換位置が、1と2と4位、1と4と5位のいずれかの組合せであることを特徴とする、請求項1に記載の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤。
  4. 下記一般式(2)で表される縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤。

    (上記(2)式中、Xはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表し、Y、Yは、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表すが、隣接する一組のX、又はY及びYは、前記置換基に代えて、互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成してもよい。又、形成される環はビシクロ環であってもよい。)
  5. 下記一般式(3)で表される縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤。

    (上記(3)式中、Xはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表す。)
  6. 下記一般式(4)又は(5)で表される縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤。

    (上記(4)式中、Xはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表す。)

    (上記(5)式中、Xはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表す。)
  7. 下記一般式(6)で表される縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤。

    (上記(6)式中、nは1から4の整数を表し、mは1又は2を表し、Xはそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ホルミル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はカルバモイル基を表すが、隣接する一組のXは、前記置換基に代えて、互いに結合して飽和又は不飽和の環を形成してもよい。又、形成される環はビシクロ環であってもよい。)
  8. 一般式(6)において、nが1又は2であり、mが1又は2である、請求項7に記載の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤と連鎖移動助剤とを含有することを特徴とする、連鎖移動剤組成物。
  10. 連鎖移動助剤がイソプロピルアルコールである、請求項9に記載の連鎖移動剤組成物。
  11. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤と、ラジカル重合性化合物とを含有するラジカル重合性組成物。
  12. 請求項9又は請求項10に記載の連鎖移動剤組成物と、ラジカル重合性化合物とを含有するラジカル重合性組成物。
  13. ラジカル重合性化合物が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル又はスチレンであることを特徴とする請求項11又は12に記載のラジカル重合性組成物。
  14. 請求項11乃至13のいずれか一項に記載のラジカル重合性組成物をラジカル重合して得られるポリマーであって、ポリマーの末端あるいは主鎖の一部に、縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に由来する残基を有するポリマー。
  15. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤存在下、ラジカル重合性化合物をラジカル重合することを特徴とする、ポリマーの末端あるいは主鎖の一部に、縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に由来する残基を有するポリマーを製造する方法。
  16. 請求項9又は10に記載の連鎖移動剤組成物存在下、ラジカル重合性化合物をラジカル重合することを特徴とする、ポリマーの末端あるいは主鎖の一部に、縮合多環芳香族骨格を有する連鎖移動剤に由来する残基を有するポリマーを製造する方法。
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