JP6880543B2 - 光硬化性樹脂組成物、インキ及び塗料 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物、インキ及び塗料 Download PDF

Info

Publication number
JP6880543B2
JP6880543B2 JP2015181977A JP2015181977A JP6880543B2 JP 6880543 B2 JP6880543 B2 JP 6880543B2 JP 2015181977 A JP2015181977 A JP 2015181977A JP 2015181977 A JP2015181977 A JP 2015181977A JP 6880543 B2 JP6880543 B2 JP 6880543B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photocurable resin
resin composition
allyl
weight
propenyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015181977A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017057259A (ja
Inventor
横山 勝敏
勝敏 横山
伸一郎 大橋
伸一郎 大橋
井上 聡
聡 井上
将広 香原
将広 香原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Soda Co Ltd
Original Assignee
Osaka Soda Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Soda Co Ltd filed Critical Osaka Soda Co Ltd
Priority to JP2015181977A priority Critical patent/JP6880543B2/ja
Publication of JP2017057259A publication Critical patent/JP2017057259A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6880543B2 publication Critical patent/JP6880543B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

本発明は、アリル系重合体(A)を含有する光硬化性樹脂組成物、並びにその樹脂組成物を含んでなるインキ、塗料に関する。さらに詳しくはプラスチック基材との密着性に優れた光硬化性樹脂組成物に関するものである。
従来、光(例えば、紫外線)により硬化させる種々の樹脂組成物は、インキ、塗料、接着剤、フォトレジスト等に使用されている。例えば、紫外線硬化タイプの印刷インキは、硬化速度が速く短時間で硬化できること、溶剤を使わないので環境に適合していること、省資源・省エネルギーであること等の点が高く評価され実用化が広がっている。
そのような樹脂組成物の中で、ジアリルフタレート(ジアリルオルソフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレート)から誘導されたジアリルフタレート樹脂を含有する樹脂組成物は、紙用のUVオフセットインキとして採用されている。
しかしながら、オフセットインキとして用いる際にジアリルフタレート樹脂を配合するとプラスチック基材との密着性が充分でないことが知られている(例えば、特許文献1)。近年、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)といった様々な種類のプラスチック製品が市販されており、ジアリルフタレート樹脂の欠点であるプラスチック基材との密着性の向上が求められている。
特開昭52−4310号公報
本発明の目的は、プラスチック基材との密着性に優れたアリル系重合体(A)を含む光硬化性樹脂組成物を提供することである。
本発明者は、鋭意研究の結果、特定の構造を有するアリル系化合物を重合して得られるアリル系重合体(A)を含有する光硬化性樹脂組成物が、プラスチック基材との密着性に優れることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の光硬化性樹脂組成物は、
下記一般式(I)で表されるアリル系化合物を重合して得られるアリル系重合体(A)を含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
Figure 0006880543
[RおよびRは、それぞれ、HまたはCHを表し、
Xは置換基を有しない4〜8員環の環状骨格であってa価の基を表し、aは1を表す。]
上記一般式(I)で表されるアリル系化合物を重合して得られるアリル系重合体(A)を含有すると、プラスチック基材に対する密着性に優れた光硬化性樹脂組成物となる。
また、この光硬化性樹脂組成物は特にPP(ポリプロピレン)樹脂に対する密着性に優れるため、従来のジアリルフタレート樹脂を用いた組成物では密着性を高くすることが困難であったPP樹脂用のインキ、塗料の成分として適している。
本発明の光硬化性樹脂組成物では、前記一般式(I)中のXが下記のいずれかの環状骨格を有することが好ましい。
Figure 0006880543
本発明の光硬化性樹脂組成物は、更に、エチレン性不飽和化合物(B)を含有することが好ましい。
エチレン性不飽和化合物を用いることにより、光硬化性樹脂組成物を印刷に用いるのに適切な粘度に調整することができ、塗布作業性に優れた組成物となる。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、更に、光重合開始剤を含有することが好ましい。
光重合開始剤を含有することによって、光照射による重合がスムーズに進むため、より高分子量の重合体を短時間に得ることができる。
本発明のインキは、本発明の光硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とする。
このインキは、プラスチック基材に印刷するためのインキとして適しており、特にPP樹脂製のシート、フィルム等の基材に印刷するためのインキとして適している。
本発明の塗料は、本発明の光硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とする。
この塗料は、プラスチック基材に描画するための塗料として適しており、特にPP樹脂製のシート、フィルム等の基材に描画するための塗料として適している。
また、本発明の塗料はオーバープリントワニスであることが好ましい。
本発明によれば、インキ、塗料、接着剤およびフォトレジストの成分として使用した場合に、合成高分子の基材、特にプラスチック基材に対する密着性に優れる光硬化性樹脂組成物が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
アリル系重合体(A)
本発明の光硬化性樹脂組成物は、下記一般式(I)で表されるアリル系化合物を重合して得られるアリル系重合体(A)を含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物である。
Figure 0006880543
[RおよびRは、それぞれ、HまたはCHを表し、
Xは置換基を有しない4〜8員環の環状骨格であってa価の基を表し、aは1を表す。]
上記一般式(I)におけるXの好ましい例として、以下の環状骨格を例示できる。
Figure 0006880543
上記一般式(I)におけるXのより好ましい例として、以下の環状骨格を例示できる。
Figure 0006880543
上記一般式(I)におけるXのさらに好ましい例として、以下の環状骨格を例示できる。
Figure 0006880543
Xは種々のものであり得て、上記以外の環状骨格であってもよい。Xは飽和の環状骨格であってもよく、不飽和の環状骨格、一部不飽和の環状骨格であってもよい。環状骨格が一部不飽和である場合において、環状骨格が有する二重結合の数は、1に限定されず、2以上であってもよい。
Xは、分子内で架橋されていても良く、分子内で架橋されたXの例としては、アダマンタン、ノルボルネン、ノルボルナン等が挙げられる。
Xはa価の基であり、aは1であるので、Xは1価の基である。Xの環状骨格には、一般式(I)中に示されるアリルエステル基[−CO−O−CH−CR=CHR]が1個結合している。Xはアリルエステル基以外の置換基を有しない。
上記一般式(I)で表されるアリル系化合物の具体例としては、1,3−シクロブタジエン−1−カルボン酸−2−プロペニル、1,3−シクロペンタジエン−1−カルボン酸−2−プロペニル、安息香酸アリル(安息香酸−2−プロペニル、1,3,5−シクロヘキサトリエン−1−カルボン酸−2−プロペニル)、2,4,6−シクロヘプタトリエン−1−カルボン酸−2−プロペニル、1,3,5,7−シクロオクタテトラエン−1−カルボン酸−2−プロペニル、1,3−シクロブタジエン−1−カルボン酸−2−メチル−2−プロペニル、1,3−シクロペンタジエン−1−カルボン酸−2−メチル−2−プロペニル、1,3,5−シクロヘキサトリエン−1−カルボン酸−2−メチル−2−プロペニル、2,4,6−シクロヘプタトリエン−1−カルボン酸−2−メチル−2−プロペニル、1,3,5,7−シクロオクタテトラエン−1−カルボン酸−2−メチル−2−プロペニル、シクロブタン−1−カルボン酸−2−プロペニル、シクロペンタン−1−カルボン酸−2−プロペニル、シクロヘキサン−1−カルボン酸−2−プロペニル、シクロヘプタン−1−カルボン酸−2−プロペニル、シクロオクタン−1−カルボン酸−2−プロペニル、1−シクロブテン−1−カルボン酸−2−プロペニル、1−シクロペンテン−1−カルボン酸−2−プロペニル、1,3−シクロヘキサジエン−1−カルボン酸−2−プロペニル、1−シクロヘキセン−1−カルボン酸−2−プロペニル、2,4−シクロヘプタジエン−1−カルボン酸−2−プロペニル、2−シクロヘプテン−1−カルボン酸−2−プロペニル、1,3,5−シクロオクタトリエン−1−カルボン酸−2−プロペニル、1,3−シクロオクタジエン−1−カルボン酸−2−プロペニル、1−シクロオクテン−1−カルボン酸−2−プロペニル等を例示することができる。
なかでも、1,3−シクロペンタジエン−1−カルボン酸−2−プロペニル、1,3,5−シクロヘキサトリエン−1−カルボン酸−2−プロペニル、2,4,6−シクロヘプタトリエン−1−カルボン酸−2−プロペニル、1,3−シクロペンタジエン−1−カルボン酸−2−メチル−2−プロペニル、1,3,5−シクロヘキサトリエン−1−カルボン酸−2−メチル−2−プロペニル、2,4,6−シクロヘプタトリエン−1−カルボン酸−2−メチル−2−プロペニル、シクロペンタン−1−カルボン酸−2−プロペニル、シクロヘキサン−1−カルボン酸−2−プロペニル、シクロヘプタン−1−カルボン酸−2−プロペニル、1−シクロペンテン−1−カルボン酸−2−プロペニル、1,3−シクロヘキサジエン−1−カルボン酸−2−プロペニル、1−シクロヘキセン−1−カルボン酸−2−プロペニル、2,4−シクロヘプタジエン−1−カルボン酸−2−プロペニル、2−シクロヘプテン−1−カルボン酸−2−プロペニルが好ましく、1,3,5−シクロヘキサトリエン−1−カルボン酸−2−プロペニル、1,3,5−シクロヘキサトリエン−1−カルボン酸−2−メチル−2−プロペニル、シクロヘキサン−1−カルボン酸−2−プロペニル、1,3−シクロヘキサジエン−1−カルボン酸−2−プロペニル、1−シクロヘキセン−1−カルボン酸−2−プロペニルがより好ましい。
上記アリル系化合物からなる群より選択される少なくとも1種以上を重合することで得られるアリル系重合体(A)を光硬化性樹脂組成物に用いることができる。さらには、上記一般式(I)で表されるアリル系化合物と他の重合可能な化合物を共重合したものを光硬化性樹脂組成物に用いることも可能である。
上記一般式(I)で表されるアリル系化合物の具体例として挙げた化合物を得る方法の例としては、不飽和のアシルシクロペンタジエンとシクロペンタジエンカルボン酸塩とを分子内ディールス・アルダー反応を行い、1,3−シクロペンタジエン−1−カルボン酸2−プロペニルエステルを得る方法、安息香酸とアリルアルコールまたはアリルクロライドをエステル化反応をさせ、安息香酸アリルを得る方法等公知の方法の他、公知の方法に基づいて当業者であれば容易に想到する方法が挙げられる。
また、上記一般式(I)で表されるアリル系化合物の具体例として挙げた化合物の市販品を用いてもよい。
上記一般式(I)で表されるアリル系化合物の重合方法は、特に限定されず、通常の重合反応を用いることができる。また、重合反応において、未反応のアリル系化合物の単量体を回収し、再び重合反応に用いてもよい。上記重合反応には、必要に応じて、適宜重合開始剤を添加してもよい。重合開始剤を用いることで、より高分子量の重合体を短時間に得ることができる。
アリル系化合物の重合反応に用いる重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル等のアゾ開始剤、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物開始剤、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1―オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン系、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾイン系、ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド等のリン系、チオキサントン等のイオウ系、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン等のベンジル系の光重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤の量は、一般式(I)で表されるアリル系化合物の単量体100重量部に対して、5.0重量部以下であることが好ましく、3.0重量部以下であることがより好ましい。また、0.001〜3.0重量部であることがさらに好ましい。
重合時の反応温度は40〜240℃、例えば60〜220℃であることが好ましい。反応時間は、0.1〜100時間、例えば1〜30時間であることが好ましい。
上記一般式(I)で表されるアリル系化合物を上述の方法等により重合することにより、上記一般式(I)で表されるアリル系化合物に基づく単量体単位を有するアリル系重合体(A)を調製できる。
上記一般式(I)で表されるアリル系化合物に基づく単量体単位の含有量は、アリル系重合体(A)100重量%中、20重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましく、80重量%以上であることが更に好ましく、98重量%以上であることが特に好ましく、100重量%であってもよい。
アリル系重合体(A)の重量平均分子量は100,000以下であることが好ましく、50,000以下であることがより好ましい。また、1,000〜40,000であることがさらに好ましく、2,000〜10,000であることが特に好ましい。
アリル系重合体(A)の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は1〜5であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物中におけるアリル系重合体(A)の含有量は、光硬化性樹脂組成物全量に対して、1〜65重量%であることが好ましく、5〜60重量%であることがより好ましく、10〜55重量%であることがさらに好ましい。下限は、20重量%であることが特に好ましく、30重量%であることが最も好ましく、35重量%であることがより最も好ましい。アリル系重合体(A)の含有量が65重量%を超えると、エチレン性不飽和化合物(B)への溶解性が悪くなり、粘度も高くなり取扱い性が悪くなることがある。アリル系重合体(A)の含有量が1重量%未満であると、得られる光硬化性樹脂組成物に充分な密着性が得られないことがある。
通常、光硬化性樹脂組成物中におけるアリル系重合体の含有量を増大させると、粘度が高くなり取扱い性が極端に悪化し、光硬化性樹脂組成物として使用することが困難になるが、アリル系重合体(A)の場合、特に、アリル系重合体(A)が上述の好ましい重量平均分子量を有する場合、アリル系重合体(A)の含有量を増大させても、粘度の上昇を抑制できる。そのため、アリル系重合体(A)の含有量を上記範囲内とする(特に、下限値を上記値とする)ことができ、より良好な密着性が得られる。
エチレン性不飽和化合物(B)
本発明の光硬化性樹脂組成物は、光照射により硬化可能であるエチレン性不飽和化合物(B)を含有することが好ましい。エチレン性不飽和化合物(B)は、炭素−炭素二重結合を1〜20個有することが好ましく、1〜10個有することがより好ましく、2〜6個有することがさらに好ましい。エチレン性不飽和化合物(B)としては、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アリル化合物およびビニル化合物等が挙げられる。また、エチレン性不飽和化合物は2種以上の化合物の混合物を用いることも可能である。
(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類の(メタ)アクリル酸エステル化合物、およびそれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加した(メタ)アクリル酸エステル化合物;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したものの(メタ)アクリル酸エステル化合物;エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、アルキッド(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル化合物;エポキシ化大豆油アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル化合物を例示することができ、好ましくはペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類の(メタ)アクリル酸エステル化合物、およびそれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加した(メタ)アクリル酸エステル化合物であり、より好ましくはペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン等のアルコール類の(メタ)アクリル酸エステル化合物、およびそれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加した(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
(メタ)アリル化合物としては、ジ(メタ)アリルフタレート、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート等を例示することができる。
ビニル化合物としては、スチレン、ジビニルベンゼン、N-ビニルピロリドン、酢酸ビニル等を例示することができる。
中でも、アリル系重合体(A)との相溶性、光硬化した際の硬化性の点で、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートが好ましく、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートがより好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物に含有されるエチレン性不飽和化合物(B)の含有量は、光硬化性樹脂組成物中におけるアリル系重合体(A)100重量部に対して、50〜400重量部であることが好ましく、50〜300重量部であることがより好ましく、50〜250重量部であることがさらに好ましい。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物中におけるアリル系重合体(A)とエチレン性不飽和化合物(B)の比率(アリル系重合体:エチレン性不飽和化合物)は、重量比で、10:90〜90:10の範囲であればよく、20:80〜80:20の範囲であることが好ましく、30:70〜60:40の範囲であることがより好ましい。上記範囲内であれば、プラスチック基材への充分な密着性が得られやすい。
その他の添加物
本発明の光硬化性樹脂組成物は、重合開始剤を含んでいてもよく、特に光重合開始剤を含有することが好ましい。光硬化性樹脂組成物に含有される光重合開始剤としては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン系、ベンゾイン、ベンゾインエチルエ−テル等のベンゾイン系、ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド等のリン系、チオキサントン等のイオウ系、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン等のベンジル系が挙げられる。
光硬化性樹脂組成物に含有される光重合開始剤の量は、光硬化性樹脂組成物全体に対して、0.1〜15重量%の範囲であることが好ましく、0.1〜10重量%の範囲がより好ましい。
光硬化性樹脂組成物には、光開始助剤(例えば、トリエタノールアミン等のアミン系光開始助剤)を併用してもよい。
光開始助剤の量は、光硬化性樹脂組成物全体に対して、0.1〜5重量%の範囲であることが好ましく、0.5〜3重量%の範囲がより好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、種々の添加剤、例示すれば、安定剤(例えば、ハイドロキノン、メトキノン等の重合禁止剤)、顔料(例えば、シアニンブルー、ジスアゾエロー、カーミン6b、レーキッドC、カーボンブラック、チタンホワイト)等の着色剤、充填剤、粘度調整剤等の各種添加剤を目的に応じて含有することができる。光硬化性樹脂組成物に含有される安定剤の量は、光硬化性樹脂組成物全体に対して、0.01〜2重量%の範囲であることが好ましく、0.1〜1重量%の範囲がより好ましい。
着色剤の量は、光硬化性樹脂組成物全体に対して、1〜50重量%の範囲であることが好ましく、1〜45重量%の範囲がより好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、アリル系重合体(A)に、必要に応じて、エチレン性不飽和化合物(B)、さらには、光重合開始剤、光開始助剤、添加剤(例えば、安定剤、顔料)を混合することによって製造できる。本発明の光硬化性樹脂組成物は、光を照射することによって硬化する。硬化に用いる光は、一般に紫外線である。
光硬化性樹脂組成物の硬化反応に用いる硬化装置、また、硬化条件は特に限定されず、通常の光硬化反応に用いられる方法であればよい。
本発明の光硬化性樹脂組成物の用途は特に限定されない。インキ(例えば、光硬化性平版用印刷インキ、シルクスクリーンインキ、グラビアインキ等の印刷インキ)、塗料(例えば、紙用、プラスチック用、金属用、木工用等の塗料、例示すれば、オーバープリントワニス)、接着剤、フォトレジスト等の技術分野において使用できる。
本発明の光硬化性樹脂組成物を含むインキは本発明のインキであり、本発明の光硬化性樹脂組成物を含む塗料は本発明の塗料である。また、本発明の塗料はオーバープリントワニスであることが好ましい。
例えば、インキの一般的作製方法は次のとおりである。エチレン性不飽和化合物(B)にアリル系重合体(A)及び安定剤等を60℃〜100℃の温度で攪拌しながら溶解させワニスを作製する。このワニスに、顔料、光重合開始剤、その他添加剤を、バタフライミキサーで撹拌混合後、3本ロール等で練肉することでインキが得られる。
また、オーバープリントワニスの作成は、顔料を使用しない以外は、インキと同様の手順により行える。
(実施例)
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
アリル系重合体の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)の測定
重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)はGPCを用いて測定した。Mw、Mnは標準ポリスチレン換算の重量平均分子量、数平均分子量の値である。
カラム:ShodexKF−806L、KF−804、KF−803、KF−802、KF−801を直列に接続
流速:1.0mL/min
温度:40℃
検出:RID−6A
試料:試料20mgをテトラヒドロフラン10mLに溶解させ測定用のサンプルとした。
製造例1 安息香酸アリル重合体の合成
3Lのセパラブルフラスコに安息香酸アリル(東京化成工業株式会社製)2400gを加え、60gのベンゾイルパーオキサイドを加えて80℃で加熱攪拌した。8時間反応させた後、30℃まで冷却した。冷却後、フラスコにメタノールを加え、重合体を沈殿させた。得られた重合体を40℃で16時間減圧乾燥した(収量:970g、収率:40.4%、Mw=3,500、Mw/Mn=1.61)。得られた重合体を重合体1とし、実施例に用いた。
実施例1〜2、比較例1
下記表1に記載の各組成の光硬化性樹脂組成物を調製し、光硬化性樹脂組成物の特性を評価した。
Figure 0006880543
表1に示した重合体1以外の成分は下記のとおりである。
また、表1に示す組成量は重量部での表記である。
DAP樹脂:ダイソー(株)製 ダイソーダップ A ポリジアリルフタレート
DTMPA:サートマー(株)製 SR355 ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート
Irgacure907:BASF ジャパン(株)製 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン
Irganox1076:BASFジャパン(株)製 オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
1)粘度
調製した光硬化性樹脂組成物につき、BROOKFIELD VISCOMETER DV−II+Proを用いて25℃での粘度を測定した。評価結果を表2に示す。
2)密着性試験
表1に従って調製した各光硬化性樹脂組成物を、加熱混合することで密着性試験に用いるサンプルを調製した。
光重合開始剤の添加量は、光硬化性樹脂組成物中のアリル系重合体(A)又はDAP樹脂、及びエチレン性不飽和化合物(B)の合計量100重量部に対して5重量部となる量とした。
プラスチックフィルム(ポリプロピレン基材:龍田化学株式会社製 無延伸高透明PPシート 品名:ハイピークリスタル ST−500 厚み0.3mm)に、密着性試験に用いるために調製した上記サンプルをコートし、RIテスターを用いてコートし出力120W/cmのメタルハライドランプ(ランプ距離11cm、コンベアスピード5m/minで塗膜がタックフリーになるまで複数回通過)で硬化させた。なお、UV硬化装置はアイグラフィックス株式会社製コンベア型紫外線硬化装置を用いた。得られた塗膜に、ニチバン製18mm幅のセロテープ(登録商標)(品番:LP−18、粘着力:4.01N/10mm)を貼り付け、親指で5回強く擦った後、セロテープ(登録商標)を引き離した。評価基準は下記の通りとした。評価結果を表2に示す。
5:急激に引き離しても剥離しないもの
4:徐々に引き離しても全く剥離しないが、急激に引き離すとわずかに剥離するもの
3:急激に引き離せば剥離するが、徐々に引き離しても全く剥離しないもの
2:徐々に引き離しても、50%程度剥離するもの
1:徐々に引き離しても剥離するもの
Figure 0006880543
実施例1〜2に示すように、一般式(I)で表されるアリル系化合物を重合して得られるアリル系重合体(A)である重合体1を用いて調製した光硬化性樹脂組成物は、比較例1に示すようなジアリルフタレート樹脂を用いて調製した光硬化性樹脂組成物より密着が難しいポリプロピレンシートへの密着性に優れる。
更に、実施例1,2では、光硬化性樹脂組成物中におけるアリル系重合体(A)の含有量が、光硬化性樹脂組成物全量に対して、それぞれ、38重量%、48重量%と高いにもかかわらず、適度な粘度を有するため、塗布作業性に優れ、光硬化性樹脂組成物として使用できる。更には、光硬化性樹脂組成物中におけるアリル系重合体(A)の含有量が高いため、すなわち、光硬化性樹脂組成物中における固形分の含有量が高いため、エチレン性不飽和化合物の硬化収縮が抑えられ、より良好な密着性が得られる。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、プラスチック基材用のインキ(例えば、オフセットインキ)、塗料、接着剤、フォトレジスト等に使用可能である。

Claims (5)

  1. 下記一般式(I)で表されるアリル系化合物を重合して得られるアリル系重合体(A)と、エチレン性不飽和化合物(B)と、光重合開始剤とを含有することを特徴とし、
    前記アリル系重合体(A)100重量%中、前記一般式(I)で表されるアリル系化合物に基づく単量体単位の含有量が80重量%以上であり、
    光硬化性樹脂組成物中における前記アリル系重合体(A)の含有量が、光硬化性樹脂組成物全量に対して、10〜65重量%である光硬化性樹脂組成物。
    Figure 0006880543
    [RおよびRは、それぞれ、HまたはCHを表し、
    Xは置換基を有しない4〜8員環の環状骨格であってa価の基を表し、aは1を表す。]
  2. 前記一般式(I)中のXが下記のいずれかの環状骨格を有する請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
    Figure 0006880543
  3. 請求項1または2に記載の光硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とするインキ。
  4. 請求項1または2に記載の光硬化性樹脂組成物を含むことを特徴とする塗料。
  5. オーバープリントワニスである請求項4に記載の塗料。
JP2015181977A 2015-09-15 2015-09-15 光硬化性樹脂組成物、インキ及び塗料 Active JP6880543B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015181977A JP6880543B2 (ja) 2015-09-15 2015-09-15 光硬化性樹脂組成物、インキ及び塗料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015181977A JP6880543B2 (ja) 2015-09-15 2015-09-15 光硬化性樹脂組成物、インキ及び塗料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017057259A JP2017057259A (ja) 2017-03-23
JP6880543B2 true JP6880543B2 (ja) 2021-06-02

Family

ID=58389738

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015181977A Active JP6880543B2 (ja) 2015-09-15 2015-09-15 光硬化性樹脂組成物、インキ及び塗料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6880543B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6597688B2 (ja) * 2017-03-23 2019-10-30 東洋インキScホールディングス株式会社 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、インキおよび印刷物
JP6997942B2 (ja) * 2017-07-26 2022-02-10 株式会社大阪ソーダ 光硬化性樹脂組成物、インキ及び塗料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017057259A (ja) 2017-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6690554B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物、インキ及び塗料
JP6690555B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物、インキ及び塗料
JP5585776B2 (ja) アリル系重合体およびジアリルフタレート樹脂を含む光硬化性樹脂組成物とその用途
JP6860002B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物、インキ及び塗料
JP6880543B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物、インキ及び塗料
JP2012046612A (ja) アリル系重合体およびその硬化性樹脂組成物とその用途
JP2016190907A (ja) 光硬化性樹脂組成物、インキ及び塗料
JP2014111791A (ja) アリル系重合体およびその硬化性樹脂組成物とその用途
JP7548237B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物、インキ及び塗料
JP7081486B2 (ja) 光硬化性樹脂組成物、インキ及び塗料
JP2016186017A (ja) チオール化合物で変性したジアリルフタレート樹脂、及び当該樹脂を含有する光硬化性樹脂組成物とその用途

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180723

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190514

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190703

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191217

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200825

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200911

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210406

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210419

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6880543

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150