JP2006269695A - 電力機器 - Google Patents

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Katsutoshi Shimoyama
勝利 下山
Toshiyuki Goto
寿之 後藤
Shuichi Mishima
修一 三島
Kazuo Kiyotaki
和雄 清滝
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Abstract

【課題】 冷媒の蒸発および凝縮を利用する冷却方式を採用したものであって、高い冷却性能が得られ、しかも輸送が容易である電力機器を提供する。
【解決手段】 この電力機器は、本体容器2内に機器本体10を収納すると共に絶縁冷却流体12を充満させて成る。そして、本体容器2の上部に設けられていて機器本体10からの熱によって蒸発する冷媒26を封入して成る蒸発器20と、それとは別に設けられていて蒸発した冷媒26が導かれ放熱によって冷媒26を冷却して凝縮させる放熱凝縮器30と、蒸発器20と放熱凝縮器30との間を接続する往復用の連結管46、48とを備えている。本体容器2内の上部には、両端が蒸発器20内に連通している複数本のフィンチューブ70、および絶縁冷却流体12の上昇流と下降流とを区分する整流板60が設けられている。
【選択図】 図5

Description

この発明は、例えば変圧器、リアクトル、コンデンサ、整流器等のように、本体容器内に、通電によって発熱する機器本体および絶縁冷却流体を収納して成る電力機器に関する。
この種の電力機器の従来の冷却方式の代表的なものに、(1)機器本体を収納した本体容器の外周部または外周部近傍に放熱器を設け、これに、本体容器内の絶縁冷却流体(液体または気体)を自然対流によって循環させて、この放熱器を通して、本体容器内部の熱を外部に放出する放熱器方式、(2)上記(1)の放熱器方式の放熱性能を高めるために、循環ポンプを用いて、絶縁冷却流体を強制的に循環させたり、強制冷却ファンを設けて、放熱器に空気を強制的に吹き付けるという、放熱器に強制冷却手段を組み合わせた方式、(3)特許文献1にも記載されているように、本体容器に多数のヒートパイプを差し込み、これらのヒートパイプを通して本体容器内部の熱を外部に搬出するヒートパイプ方式、がある。
上記(1)の放熱器方式においては、温度差によって生じる絶縁冷却流体の比重差による自然対流を利用するため、放熱器の下部には冷却された絶縁冷却流体が滞留することになり、放熱器の放熱面積の一部分しか放熱面として有効に活用されず、放熱性能が高くない等の課題がある。
上記(2)の強制冷却手段を組み合わせた方式においては、循環ポンプや冷却ファン等の補機が必要になり、補機による運転エネルギーの損失や、補機の保守管理が必要になる等の課題がある。
上記(3)のヒートパイプ方式には、多数のヒートパイプを本体容器を貫通させなければならず、貫通部の気密性の維持の困難さ、気密性低下による信頼性の低下、構造が複雑になり製造コストが嵩む等の課題がある。
一方、上記(1)〜(3)の方式が有するような課題を生じさせないと考えられるものとして、特許文献2には、電力機器の一例である油入変圧器用のものとして、本体容器の上部内に、絶縁油(絶縁冷却流体)と隔壁を介して接する冷媒室を設け、かつこの冷媒室の外部に複数個の放熱フィンを立設し、この冷媒室内に収納した冷媒の当該冷媒室内における相変化すなわち気化および液化を利用して、本体容器内部の熱を外部に放出するという、冷媒の気化熱利用方式の冷却装置が提案されている。
実開昭52−58722号公報(第3図、図面) 実公昭51−8094号公報(第2欄、第1図、第2図)
ところが、上記特許文献2に記載の冷却装置においては、冷媒室の外部に立設することのできる放熱フィンの数および大きさには、冷媒室の大きさから来る制約があるので、放熱面積を十分に確保することができず、そのために、冷媒室内で気化した冷媒の液化(凝縮)を十分に行うことができず、冷却性能があまり高くないという課題がある。特に、変圧器が大容量になり、放熱熱量が大きくなると、上記冷却装置では対応することができなくなる。
また、放熱面積を大きくして冷却性能を高くするために、放熱フィンを巨大にすると、冷却装置は油入変圧器と一体のものであるので、冷却装置ひいては油入変圧器が大型化し、油入変圧器の設置や輸送が難しくなるという課題もある。特に、変圧器等の電力機器が大容量の場合、本体容器がもともと大型化している上に更に、放熱フィンを巨大化すると、輸送寸法が非常に大きくなって、車両による輸送制限寸法を超えてしまい、当該電力機器を目的地まで輸送することができなくなる場合もある。
そこでこの発明は、冷媒の相変化すなわち蒸発および凝縮を利用する冷却方式を採用したものであって、高い冷却性能が得られ、しかも輸送が容易である電力機器を提供することを主たる目的としている。
この発明に係る電力機器の一つは、本体容器内に、通電によって発熱する機器本体を収納すると共に絶縁冷却流体を充満させて成る電力機器であって、前記本体容器の天井板上に蒸発器カバーを被せて蒸発器容器を形成し、当該蒸発器容器内に前記機器本体からの熱によって蒸発する冷媒を封入して成る蒸発器と、前記蒸発器とは別に設けられていて、前記蒸発した冷媒が導かれ、放熱によって当該冷媒を冷却して凝縮させる放熱凝縮器と、前記放熱凝縮器の上部と前記蒸発器との間を接続していて、蒸発器内で蒸発した冷媒を放熱凝縮器内へ導く往路用の連結管と、前記放熱凝縮器の下部と前記蒸発器との間を接続していて、放熱凝縮器内で凝縮した冷媒を蒸発器内へ導く復路用の連結管と、前記本体容器内であって前記機器本体の上方に設けられていて、機器本体付近から上昇する絶縁冷却流体の流れと、本体容器内の上部付近から下降する絶縁冷却流体の流れとを区分する整流板とを備えることを特徴としている。
この電力機器においては、本体容器内の絶縁冷却流体は、機器本体の発生熱を吸収して加熱され、上昇して天井板付近に達するので、本体容器の天井板付近の温度が最も上昇する。この天井板上に、当該天井板を底面として兼用している蒸発器が設けられており、当該蒸発器内の冷媒は、天井板から直に熱を効率良く吸収して蒸発する。このときの蒸発潜熱によって、本体容器内の絶縁冷却流体は熱を奪われて冷却され、下降して機器本体を冷却する。
蒸発器内で蒸発した冷媒は、蒸発器とは別に設けられた放熱凝縮器内に、往路用の連結管を経由して導かれ、更に当該放熱凝縮器における放熱によって放熱凝縮器内で凝縮する。この放熱凝縮器内で凝縮した冷媒は、復路用の連結管を経由して上記蒸発器内に導かれる。即ち還流する。
上記のような冷媒の蒸発および凝縮ならびに絶縁冷却流体の上昇および下降のサイクルが繰り返され、これによって、本体容器内の機器本体が冷却される。
しかも、機器本体付近から上昇する絶縁冷却流体の流れと、本体容器内の上部付近から下降する絶縁冷却流体の流れとが整流板によって区分されるので、上昇流と下降流との衝突が抑制され、本体容器内における絶縁冷却流体の自然対流がより円滑になってその循環効率が向上する。
この発明に係る電力機器の他のものは、本体容器内に、通電によって発熱する機器本体を収納すると共に絶縁冷却流体を充満させて成る電力機器であって、前記本体容器の天井板上に蒸発器カバーを被せて蒸発器容器を形成し、当該蒸発器容器内に前記機器本体からの熱によって蒸発する冷媒を封入して成る蒸発器と、パイプの外周にフィンを巻き付けて成るものであって、前記本体容器内の上部に配置されかつ両端が前記蒸発器内に連通していて、内部を前記冷媒が流れ外部を前記絶縁冷却流体が流れる1本以上のフィンチューブと、前記蒸発器とは別に設けられていて、前記蒸発した冷媒が導かれ、放熱によって当該冷媒を冷却して凝縮させる放熱凝縮器と、前記放熱凝縮器の上部と前記蒸発器との間を接続していて、蒸発器内で蒸発した冷媒を放熱凝縮器内へ導く往路用の連結管と、前記放熱凝縮器の下部と前記蒸発器との間を接続していて、放熱凝縮器内で凝縮した冷媒を蒸発器内へ導く復路用の連結管とを備えることを特徴としている。
この電力機器も、蒸発器、放熱凝縮器および往復の連結管を備えているので、上記電力機器の場合と同様の作用によって、冷媒の蒸発および凝縮ならびに絶縁冷却流体の上昇および下降のサイクルが繰り返され、これによって、本体容器内の機器本体が冷却される。
しかも、本体容器内の上部に配置されたフィンチューブによって、本体容器内の絶縁冷却流体と蒸発器内の冷媒との間の伝熱面積を大きくすることができるので、両媒体間の熱交換効率を高めることができる。
機器本体とフィンチューブとの間に、機器本体付近から上昇する絶縁冷却流体の流れとフィンチューブ付近から下降する絶縁冷却流体の流れとを区分する整流板を設けておいても良い。
上記放熱凝縮器を1対以上設けると共に、対を成す二つをV字状に傾けて配置しても良い。
放熱凝縮器をV字状に傾けて配置する場合は、往路用の各連結管および復路用の各連結管と蒸発器との接続部を、蒸発器の上面に一列に配置しても良い。
前記冷媒が水であり、前記蒸発器、放熱凝縮器、往路用の連結管および復路用の連結管から成る冷却系統を構成している部材に鉄系の金属部材が含まれている場合は、当該水に、アミン系化合物およびエチレングリコールを主成分とする腐食防止剤を混入しておいても良い。
請求項1に記載の発明によれば、次の効果を奏する。
(a)蒸発器とは別に放熱凝縮器を設けているので、蒸発器の大きさによって制約されることなく、放熱凝縮器の放熱容量を設定することができる。その結果、蒸発器内で気化した冷媒の液化(凝縮)を放熱凝縮器内で十分に行うことができるので、高い冷却性能を得ることができる。従って、当該電力機器の大容量化または小型化にも容易に対応することができる。
(b)蒸発器と放熱凝縮器とを連結管で接続している構成であるので、この接続を解除することによって、放熱凝縮器を分離することができる。その結果、当該電力機器の輸送が容易になる。また、当該電力機器が大容量になって大型化しても、放熱凝縮器を分離して輸送寸法を小さくすることができるので、当該電力機器の輸送が容易になる。
(c)蒸発器と放熱凝縮器とを連結管で接続している構成であるので、放熱凝縮器を蒸発器および本体容器から離して設置することが可能であり、放熱凝縮器の配置の自由度が高い。従って、当該電力機器を、より多様な配置条件の場所に設置することが可能になる。
(d)整流板によって絶縁冷却流体の上昇流と下降流との衝突が抑制され、本体容器内における絶縁冷却流体の自然対流がより円滑になってその循環効率が向上するので、本体容器内の絶縁冷却流体と蒸発器内の冷媒との間の熱交換効率が向上し、その結果より高い冷却性能を得ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、上記(a)、(b)、(d)の効果に加えて次の効果を奏する。
(e)各放熱凝縮器を、蒸発器の上方、即ち本体容器の上方に配置しているので、当該電力機器の設置面積を小さくすることができる。
(f)対を成す二つの放熱凝縮器をV字状に傾けて配置しているので、直立配置の場合に比べて、水平面に対する各放熱凝縮器の投影面積が増大し、各放熱凝縮器を通過して対流する空気量が増大し、各放熱凝縮器が未加熱空気と接触する機会が増大する。その結果、各放熱凝縮器の冷却性能を高め、ひいては当該電力機器の冷却性能を高めることができる。
請求項3に記載の発明によれば、上記(a)、(b)の効果に加えて次の効果を奏する。
(g)本体容器内の上部に配置されたフィンチューブによって、本体容器内の絶縁冷却流体と蒸発器内の冷媒との間の伝熱面積を大きくすることができるので、両媒体間の熱交換効率を高めることができ、その結果より高い冷却性能を得ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、上記V字状配置の放熱凝縮器およびフィンチューブを備えているので、上記(a)、(b)の効果に加えて上記(e)〜(g)の効果を奏する。
請求項5に記載の発明によれば、上記整流板を備えているので、上記(d)と同様の効果を更に奏する。
請求項6に記載の発明によれば、往路用の各連結管および復路用の各連結管と蒸発器との接続部を、連結管の屈曲箇所を最少にしつつ、蒸発器の上面に一列に配置することができ、その結果、連結管接続部周りの無駄なスペースを省くことができる、という更なる効果を奏する。
請求項7に記載の発明によれば、次のような更なる効果を奏する。即ち、冷媒に水を用いているので、安全性およびコストの面で優れている。しかも、冷却系統を構成している部材に鉄系の金属部材が含まれていても、水に上記腐食防止剤を混入しているので、上記金属部材の腐食が抑制される。その結果、冷却系統内においてその冷却性能の低下を招くガスの発生を抑制して、冷却系統の冷却性能低下を抑制することができる。
図1〜図4に、この発明に係る電力機器の一実施形態を示す。
この電力機器は、本体容器2内に、通電によって(より具体的には、通電による損失によって)発熱する機器本体10を収納すると共に、絶縁冷却流体12を充満させて密封した構造をしている。絶縁冷却流体12は、充満させているから、本体容器2の天井板6にまで達して天井板6に接している。
機器本体10は、例えば、この電力機器が変圧器の場合は変圧器本体、リアクトルの場合はリアクトル本体、コンデンサの場合はコンデンサ本体、整流器の場合は整流器本体である。
絶縁冷却流体12は、機器本体10周りの電気的絶縁および冷却を行うための媒体であり、例えば、絶縁油等の液体でも良いし、絶縁ガス(例えばSF6 ガス)等の気体でも良い。絶縁冷却流体12が液体の場合は、その温度変化等による体積変化を調整して、当該絶縁冷却流体12の上面が本体容器2の天井板6に常に接触している状態を保つ体積調整装置(例えば油量調整装置)を設けておくのが好ましい。そのようにすれば、絶縁冷却流体12の上面と天井板6とが離れて間に空間が生じて伝熱効率が低下するのを防止することができる。絶縁冷却流体12が気体の場合は、その体積が変化しても多少圧力が変化するだけで、当該絶縁冷却流体12は本体容器2の天井板6に常に接触しているので、体積調整装置を設ける必要はない。
本体容器2の天井板6上に蒸発器カバー22を被せて蒸発器容器を形成し、この蒸発器容器内に、機器本体10からの熱によって蒸発する冷媒26を封入して、蒸発器20を構成している。従って、本体容器2の天井板6を、蒸発器20の底面と兼用している。そのようにすると伝熱効率が良いからである。この蒸発器20は、機器本体10からの熱を吸熱するという観点から、吸熱器と呼ぶこともできる。冷媒26は、通常は、蒸発器容器内(より具体的には、後述する冷却系統50内)を真空排気してから封入する。つまり、冷却系統50内は、正常時は負圧(使用する冷媒の蒸気圧、例えば200hPa前後)である。
冷媒26の種類は、例えば、蒸発器20において冷媒26の蒸発を開始させる温度や、放熱しようとする熱量等に応じて選定すれば良い。この冷媒26の具体例を挙げると、水、エタノール、メタノール、アンモニア、フロン化合物等である。
蒸発器20内で蒸発した冷媒26が導かれ、放熱によって当該冷媒26を冷却して凝縮(液化)させる放熱凝縮器30が、蒸発器20とは別に設けられている。放熱凝縮器30は、この実施形態では、蒸発器20の上方に2対設けられているが、これについては後で詳述する。
各放熱凝縮器30は、例えば図4に示す例のように、複数枚の中空の放熱パネル32を上部集合管34および下部集合管36で互いに接続した構造をしている。放熱パネル32の面積や数等は、必要とする放熱容量等に応じて適宜選定すれば良い。上部集合管34および下部集合管36には、この例では、フランジ38および40をそれぞれ介して、後述する連結管46および48がそれぞれ接続されている。但し他の図では、このフランジ38、40の図示を省略している。
再び図1〜図3を参照して、対を成す各放熱凝縮器30の上部と蒸発器20との間を2本の連結管46で接続し、対を成す各放熱凝縮器30の下部と蒸発器20との間を2本の連結管48で接続している。連結管46が、蒸発器20内で蒸発した冷媒26を放熱凝縮器30内へ導く往路となり、連結管48が、放熱凝縮器30内で凝縮した冷媒26を蒸発器20へ導く復路となる。連結管46、48の下端部は、蒸発器カバー22とほぼ同一面に位置させて冷媒26の液面よりも上に位置させている。またこの実施形態では、各連結管46および48の上部をT字形にして、2本の連結管46および48を2対の放熱凝縮器30に共用している。
連結管46および48の両端には、フランジを設けて、連結管46および48の着脱を容易にしておくのが好ましく、この実施形態ではそのようにしている(但し、当該フランジの図示は省略している)。
この実施形態では、蒸発器20、放熱凝縮器30、往路用の連結管46および復路用の連結管48から成る冷却系統50を二つ(2系統)備えている。
機器本体10への入出力用のブッシングは、本体容器2の側壁に取り付けている(図示省略)。
この電力機器においては、本体容器2内の絶縁冷却流体12は、機器本体10の発生熱を吸収して加熱され、上昇して天井板6付近に達するので、本体容器2の天井板6付近の温度が最も上昇する。この天井板6上に、当該天井板6を底面として兼用している蒸発器20が設けられており、当該蒸発器20内の冷媒26は、天井板6から直に熱を効率良く吸収して蒸発する。このときの蒸発潜熱によって、本体容器2内の絶縁冷却流体12は熱を奪われて冷却され、下降して機器本体10を冷却する。
蒸発器20内で蒸発した冷媒26は、蒸発器20とは別に設けられた放熱凝縮器30内に、往路用の連結管46を経由して導かれ、更に放熱凝縮器30における放熱によって放熱凝縮器30内で凝縮する。この放熱凝縮器30内で凝縮した冷媒26は、復路用の連結管48を経由して元の蒸発器20内に導かれる。即ち還流する。
上記のような冷媒26の蒸発および凝縮ならびに絶縁冷却流体12の上昇および下降のサイクルが繰り返され、これによって、本体容器2内の機器本体10が冷却される。
この電力機器によれば、蒸発器20とは別に放熱凝縮器30を設けているので、蒸発器20の大きさによって制約されることなく、放熱凝縮器30の放熱容量を任意に設定することができる。その結果、蒸発器20内で気化した冷媒26の液化(凝縮)を放熱凝縮器30内で十分に行うことができるので、高い冷却性能を得ることができる。従って、当該電力機器の大容量化または小型化にも容易に対応することができる。
発明者達の実験によれば、各冷却系統50について、蒸発器20の表面積よりも放熱凝縮器30の表面積を大きくする方が高い冷却性能を得ることができ、例えば後者を前者の2〜4倍程度以上にすると高い冷却性能を得ることができることが確かめられた。このような比率にすることは、特許文献2に記載の技術では、前述したように冷媒室の外部に立設することのできる放熱フィンの数および大きさに制約があるので困難であるけれども、この電力機器によれば、放熱凝縮器30は蒸発器20からの制約を受けることなく大きく(大面積化、大容量化)することができるので、容易である。
しかも、この電力機器は、蒸発器20と放熱凝縮器30とを連結管46、48で接続している構成であるので、この接続を解除することによって、例えば連結管46、48を取り外すことによって、放熱凝縮器30を分離することができる。その結果、当該電力機器の輸送が容易になる。また、当該電力機器が大容量になって大型化しても、放熱凝縮器30を分離して輸送寸法を小さくすることができるので、車両による輸送制限寸法内に納めて当該電力機器を輸送することが可能である。
また、絶縁冷却流体12と放熱用の冷媒26を各々分けて別の材料を使用しているので、輸送のために放熱凝縮器30を分離しても、絶縁冷却流体12の部分に影響を与えることが無く、機器本体10周りの部分は工場出荷時の高い信頼性を損なうことが無い。更に、冷却系統50に使用されている冷媒26として例えば水を使用することができるので、絶縁冷却流体12として通常使用されている絶縁油や絶縁ガスなどの場合と違って、現地での再組立を行う際に作業現場や環境を絶縁冷却流体12などで汚染する心配がない。
更に、蒸発器20と放熱凝縮器30とを連結管46、48で接続している構成であるので、放熱凝縮器30を蒸発器20および本体容器から離して任意の場所に設置することも可能であり、放熱凝縮器30の配置の自由度が高い。従って、当該電力機器を、より多様な配置条件の場所に設置することが可能になる。例えば、本体容器2および蒸発器20周りの部分は屋内に配置し、放熱凝縮器30を屋外に配置することも可能である。このようなことは、特許文献2に記載した技術では行うことはできない。
また、冷媒26の蒸発および凝縮を利用する冷却方式を採用しているので、しかも多数のヒートパイプを本体容器2を貫通させる構造ではないので、前述した従来の放熱器方式、放熱器に強制冷却手段を組み合わせた方式および多数のヒートパイプを利用する方式が有する課題を解決することができる。
この電力機器は、更に、本体容器2内であって、機器本体10の上方に、より具体的には機器本体10と天井板6との間に、機器本体10付近から熱せられて上昇する絶縁冷却流体12の流れ(図2中の矢印A参照)と、本体容器2内の上部(天井板6)付近から冷却されて下降する絶縁冷却流体12の流れ(図2中の矢印B参照)とを区分する整流板60を設けている。
機器本体10は、通常は本体容器2内の中央付近に配置されている。機器本体10で熱せられた絶縁冷却流体12は、機器本体10付近から上昇し、天井板6付近で横に広がりながら冷却され、本体容器2の側壁付近に沿って下降する。このような絶縁冷却流体12の上昇流と下降流とを区分するために、この例では、2枚の整流板60を、機器本体10の上方に、機器本体10の上部よりも幾分広い間隔をあけて相対向するように配置している。各整流板60の下部には、この例のように、外側に向けて広げておくのが好ましい。絶縁冷却流体12の上昇流を2枚の整流板60間に導きやすくなるからである。各整流板60は、例えば、支持体62によって、本体容器2の壁面から上記位置に支持されているが、支持手段はこれに限られるものではない。
本体容器2内の絶縁冷却流体12は、自然対流によって移動して、更に蒸発器20等を経由して、機器本体10の熱を外部に搬出する。従って、この絶縁冷却流体12の対流の良し悪しが熱の搬出性能、即ち冷却性能を大きく左右する。
整流板60を設けていない場合は、絶縁冷却流体12の上昇流と下降流との境界が判然とせず、この境界付近で流れが乱れて、絶縁冷却流体12の対流効果が低下する恐れがある。これに対して、整流板60を設けておくと、当該整流板60によって絶縁冷却流体12の上昇流と下降流との衝突が抑制され、本体容器2内における絶縁冷却流体12の自然対流がより円滑になってその循環効率が向上するので、本体容器2内の絶縁冷却流体12と蒸発器20内の冷媒26との間の熱交換効率が向上し、その結果より高い冷却性能を得ることができる。
整流板60は、2枚に限られるものではない。例えば、機器本体10の上方の四方に合計4枚設けても良い。また、4枚が一体となった四角錐体状のものでも良い。
なお、この実施形態のように、本体容器2の天井板6の下面(本体容器2内側の面)に、絶縁冷却流体12と天井板6との間の伝熱面積を増加させる複数のフィン18を立設しておいても良い。更に、当該天井板6の上面(本体容器2外側の面)であって蒸発器カバー22を被せた部分にも、天井板6との間の伝熱面積を増加させる複数のフィン28を立設しておいても良い。
上記のようなフィン18、28を設けると、当該フィン18、28によって天井板6と絶縁冷却流体12および冷媒26との間の伝熱面積が増えて、本体容器2内の絶縁冷却流体12と蒸発器20内の冷媒26との間の伝熱効率が向上して冷却性能がより高まる。
この場合、フィン18および28の少なくとも一方を設ければ上記作用効果を奏することができるけれども、両方を設ける方が上記作用効果はより高まるのでより好ましい。また、フィン18、28の数は、多いほど上記作用効果が高まるので好ましい。また、フィン18、28にリブの作用を兼ねさせても良く、そのようにすると、天井板6が補強されて天井板6の機械的強度が高まる。
絶縁冷却流体12と冷媒26との間の伝熱効率をより向上させるためには、次のようなフィンチューブ70を設けても良く、それを設けた実施形態を図5〜図7に示す。この実施形態において、図1〜図4に示した先の実施形態と同一または相当する部分には同一符号を付し、以下においては先の実施形態との相違点を主体に説明する。
この実施形態の電力機器では、例えば図7に示す例のように、パイプ72の外周にフィン74を螺旋状に巻き付けて成るフィンチューブ70を用いている。フィン74は、例えば、小さな襞(図示省略)をその全面に亘って有しているものが好ましい。また、フィン74の内周面は、例えば、全面またはほぼ全面に亘って、パイプ72の外周面に密着しているのが好ましい。いずれも、熱交換効率がより向上するからである。
そして、上記フィンチューブ70を、この実施形態では複数本、本体容器2内の上部に配置し、各フィンチューブ70(より具体的にはそのパイプ72)の両端を、天井板6を貫通させて蒸発器20内に連通させて、各フィンチューブ70の内部を冷媒26が流れ、外部を絶縁冷却流体12が流れるように構成している。この実施形態では、本体容器2内側の上記フィン18は省略しているが、フィンチューブ70の本数等との兼ね合いで、両者を併用しても良い。
フィンチューブ70は、通常のヒートシンクや溶接フィンに比べて、フィン74の面積が非常に大きいので、このようなフィンチューブ70を設けることによって、本体容器2内の絶縁冷却流体12と蒸発器20内の冷媒26との間の伝熱面積を大きくすることができる。その結果、両媒体12、26間の熱交換効率を高めることができ、より高い冷却性能を得ることができる。
上記効果は、絶縁冷却流体12が絶縁油のような液体の場合でも得られるけれども、絶縁ガスのような気体の場合により顕著になる。絶縁冷却流体12が気体の場合は、本体容器2内の高温側が気体、蒸発器20内の吸熱側が液体という条件での伝熱となる。このような場合、気体(即ち絶縁冷却流体12)の比熱が液体(即ち冷媒26)の比熱に比べて桁違いに小さいので、比熱が小さい気体側の吸熱面積を液体側よりも十分に大きく取る方が、吸熱側と放熱側との伝熱バランスを取りやすい。
一例を挙げると、絶縁冷却流体12をSF6 ガスとし、冷媒26を水とした場合、大気圧のSF6 ガスの比熱は水の約1/1030、定格圧力(例えば0.12MPa≒1.2kg/cm2 )のSF6 ガスの比熱は水の約1/440である。また、フィンチューブの内/外の面積比が約1/12と大きく、従ってフィンチューブ70を用いると上述したように伝熱バランスを取りやすい。
フィンチューブ70は、1本以上設けることによって上記効果を奏するけれども、この実施形態のように複数本設ける方が好ましい。その場合、(a)図6に示す例のように複数本のフィンチューブ70を上下に重なるように複数段(例えば2段。以下同様)配置しても良いし、(b)上下で互い違いになるように複数段配置しても良い。(b)の配置の方が通常は冷却効率が高い。これは、(a)の配置の場合は、上側のフィンチューブ70は、下側のフィンチューブ70の陰になって、下から上昇して来る高温の絶縁冷却流体12と直に接しにくいのに対して、(b)の配置の場合は、上側のフィンチューブ70も陰にならずに、下から上昇して来る高温の絶縁冷却流体12と直に接して吸熱効率が良くなるからである。
フィンチューブ70は、例えば図5に示す例のように、一方端が上になるように傾けて配置するのが好ましい。フィンチューブ70を複数本用いる場合は、例えば、全て同一方向に傾けて配置するのが、配置が容易になる等の観点から好ましい。このようにフィンチューブ70を傾けて配置すると、フィンチューブ70内で加熱されて軽くなったり、蒸発した冷媒26を、フィンチューブ70内で停留させずに一方向に円滑に流すことができるので、吸熱効率を高めることができる。
この実施形態の場合も、機器本体10とフィンチューブ70との間に、機器本体10から熱せられて上昇する絶縁冷却流体12の流れ(図6中の矢印A参照)と、フィンチューブ70付近から冷却されて下降する絶縁冷却流体12の流れ(図6中の矢印B参照)とを区分する上記のような整流板60を設けておいても良い。整流板60を設けておくと、先に詳述したように、当該整流板60によって絶縁冷却流体12の上昇流と下降流との衝突が抑制され、本体容器2内における絶縁冷却流体12の自然対流がより円滑になってその循環効率が向上するので、本体容器2内の絶縁冷却流体12と蒸発器20内の冷媒26との間の熱交換効率が向上し、その結果より高い冷却性能を得ることができる。
次に、図1〜図4に示した実施形態および図5〜図7に示した実施形態の電力機器に共通する事項を説明する。
上記蒸発器20および放熱凝縮器30を一つずつにして、両者間を上記往路用の連結管46と復路用の連結管48とで接続しても良く、また、一つまたは複数の放熱凝縮器30を、蒸発器20の上方に、即ち本体容器2の上方に直立させて(即ち放熱パネル32が直立した状態で)配置しても良く、その場合でも上記作用効果を奏するけれども、以下のようにしても良い。
即ち、放熱凝縮器30を、蒸発器20の上方に、換言すれば本体容器2の上方に、2対配置すると共に、対を成す二つの放熱凝縮器30を、上に向けて広がるように、V字状に(換言すれば、逆ハ字状に)傾けて配置している。即ち、対を成す二つの放熱凝縮器30(より具体的にはその放熱パネル32)の縦方向軸線42がV字状になるように配置している。連結管46、48の接続は前述のとおりである。もっとも、放熱凝縮器30は2対に限られるものではなく、1対でも良いし、2対より多い対数で設けても良い。必要とする放熱凝縮容量等に応じて決めれば良い。
このように放熱凝縮器30を蒸発器20の上方、即ち本体容器2の上方に配置することによって、それ以外の場所に配置する場合に比べて、当該電力機器の設置面積(換言すれば据付面積)を小さくすることができる。
しかも、対を成す二つの放熱凝縮器30をV字状に傾けて配置しているので、直立配置の場合に比べて、水平面に対する各放熱凝縮器30の投影面積が増大し、各放熱凝縮器30を通過して対流する空気量が増大し、各放熱凝縮器30が未加熱空気と接触する機会が増大する。換言すれば、図2、図6中に空気52の流れを模式的に示すように、本体容器2の両側付近から上昇する空気52は、本体容器2の上方で一つに集まろうとする性質を有しており、このように上昇する空気52が各放熱凝縮器30(より具体的にはそれを構成する各放熱パネル32)と直角に近い角度で交差する量が、直立配置の場合に比べて多くなるので、各放熱凝縮器30の放熱効率が向上する。その結果、各放熱凝縮器30の冷却性能を高め、ひいては当該電力機器の冷却性能を高めることができる。
なお、対を成す二つの放熱凝縮器30を、下に向けて広がるハ字状に傾けて配置するという考えもあるけれども、そのようにすると、上記のように上昇する空気52が各放熱凝縮器30と直角に近い角度で交差する量が減り、かつハ字状配置の放熱凝縮器30の中間下部付近に高温の空気が籠もりやすいので、ハ字状配置は好ましくない。
また、この電力機器では、対を成す二つの放熱凝縮器30をV字状に傾けて配置しているので、各放熱凝縮器30と前記往路用の連結管46および前記復路用の連結管48とを、各放熱凝縮器30の縦方向軸線42上で接続する場合でも、一つの放熱凝縮器30に接続する往路用の連結管46と復路用の連結管48とを、平面的に見て互いにずらすことができる(図3参照)。その結果、対を成す各放熱凝縮器30の上部と蒸発器20とを2本の往路用の連結管46で接続し、対を成す各放熱凝縮器30の下部と蒸発器20とを2本の復路用の連結管48で接続し、かつ往路用の各連結管46および復路用の各連結管48と蒸発器20との接続部を、連結管46、48の屈曲箇所を最少にしつつ、蒸発器20の上面に一列に、即ち一つの線54上に位置するように配置することが可能になり、この実施形態ではそのように配置している。
各放熱凝縮器30と往路用の連結管46および復路用の連結管48とは、図2、図6に示すように、各放熱凝縮器30の縦方向軸線42上で接続するのが一般的であるので、対を成す放熱凝縮器30を直立配置した場合は、一つの放熱凝縮器30用の連結管46と48とは平面的に見ると互いに重なる。その結果、各連結管46、48の屈曲箇所を最少にしてそれらを蒸発器20に接続するためには、2本の往路用の連結管46と蒸発器20との接続部と、2本の復路用の連結管48と蒸発器20との接続部とを、所定の距離、例えば連結管46、48用のフランジ(図示省略)が互いに干渉しない距離だけ離れた別の線上に位置させなければならなくなる。即ち、2列に配置しなければならなくなる。従って、少なくとも上記距離に相当する分だけ、蒸発器20上の連結管接続部周りに、他の目的に有効利用することができない無駄なスペースが生じてしまう。即ち、蒸発器20の上面の有効利用可能スペースが減少する。
これに対して、この電力機器では、往路用の各連結管46および復路用の各連結管48と蒸発器20との接続部を、蒸発器20の上面に一列に配置しているので、蒸発器20上の連結管接続部周りの無駄なスペースを省くことができる。その結果、蒸発器上面のスペースをより有効に活用することができる。例えば、各放熱凝縮器30の放熱パネル32の数を連結管接続部方向に増やすことが可能になり、それによって、各放熱凝縮器30の冷却性能をより高めることが可能になる。
また、上記のように、各放熱凝縮器30について往路用の連結管46と復路用の連結管48とを設けることによって、往復を一つの連結管で兼用する場合に比べて、冷媒26の往路と復路とを明確に区別することが可能になる。更に、各放熱凝縮器30内へ導入する蒸気化した冷媒26の流速を適切にして、各放熱凝縮器30のより広い領域に熱をより均等に伝達して、各放熱凝縮器30のより効率的な利用が可能になる。これらも、各放熱凝縮器30の冷却性能を高めることに寄与する。
本体容器2の上部に設ける蒸発器20は、一つでも良いけれども、上記実施形態では、図2、図3、図6からも分かるように、二つに分けている(換言すれば、二つ設けている)。そして、2本の連結管46および48の内の1本ずつを各蒸発器20にそれぞれ接続している。このようにして、この実施形態では、蒸発器20、放熱凝縮器30、連結管46および48から成る冷却系統50を二つ(2系統)備えている。対を成す二つの放熱凝縮器30の内の一つずつが各冷却系統50にそれぞれ属している。
このように1台の電力機器につき冷却系統50を複数系統(この例では2系統)設けておくと、当該電力機器全体の運転を停止することなく、所要の冷却系統50を停止して、当該冷却系統50の保守・点検等を行うことができるので、冷却系統50の保守・点検等が容易になる。一部の冷却系統50が故障しても、残りの冷却系統50で、その冷却能力に応じた容量で電力機器の運転を続けることもできる。
なお、冷媒26が水であり、冷却系統50を構成している部材に鉄系の金属部材が含まれている場合は、当該水に、アミン系化合物およびエチレングリコールを主成分とする腐食防止剤を混入しておいても良い。
即ち、冷媒26としては前述した種々のものを用いることができるけれども、水が安全性およびコストの面で優れている。
冷媒26として水を用いる場合、冷却系統50を構成している部材に鉄系の金属部材(例えばSS材と呼ばれる炭素鋼やSTPGと呼ばれる圧力配管用炭素鋼)が含まれていても、無酸素状態であれば、通常は水(H2O)と共存しても腐食による障害発生を心配する必要はない。しかし、例えば水の精製が不十分で僅かでも電解質が残存していたり、金属部材中の電解質が水中に溶け出したりすると、条件によっては水酸化反応が起き、その副産物として水素ガス(H2 )が発生することが考えられる。上記冷却系統50は、前述したようにその内部を負圧(例えば、正常時は200hPa前後)にして水の沸点を下げることによって、蒸発吸熱効率を高めることができ、この電力機器ではそのようにしている。この場合、上記水素ガスが発生して冷却系統50内の圧力が高まると、蒸発吸熱効率が低下し、冷却系統50の冷却性能が低下する。
これに対して、水に上記腐食防止剤を適量混入しておくことによって、上記金属部材の腐食(酸化反応や水酸化反応)が抑制されるので、冷却系統50内においてその冷却性能の低下を招くガスの発生を抑制して、冷却系統50の冷却性能低下を抑制することができる。
また、必要に応じて上記エチレングリコールの濃度を高めることにより、冷媒(例えば水)26の冷凍温度を下げることができるので、寒冷地などで冷媒26の冷凍を防止したい場合には、このエチレングリコールの濃度を調節することで対応することも可能になる。
この発明に係る電力系統の一実施形態を示す正面図である。 図1の電力系統の右側面図である。 図1および図5の電力機器の平面図である。 放熱凝縮器の一例を拡大して示す側面図である。 この発明に係る電力系統の他の実施形態を示す正面図である。 図5の電力機器の右側面図である。 フィンチューブの一例を示す図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図である。
符号の説明
2 本体容器
6 天井板
10 機器本体
12 絶縁冷却流体
20 蒸発器
22 蒸発器カバー
26 冷媒
30 放熱凝縮器
46 往路用の連結管
48 復路用の連結管
50 冷却系統
60 整流板
70 フィンチューブ

Claims (7)

  1. 本体容器内に、通電によって発熱する機器本体を収納すると共に絶縁冷却流体を充満させて成る電力機器であって、
    前記本体容器の天井板上に蒸発器カバーを被せて蒸発器容器を形成し、当該蒸発器容器内に前記機器本体からの熱によって蒸発する冷媒を封入して成る蒸発器と、
    前記蒸発器とは別に設けられていて、前記蒸発した冷媒が導かれ、放熱によって当該冷媒を冷却して凝縮させる放熱凝縮器と、
    前記放熱凝縮器の上部と前記蒸発器との間を接続していて、蒸発器内で蒸発した冷媒を放熱凝縮器内へ導く往路用の連結管と、
    前記放熱凝縮器の下部と前記蒸発器との間を接続していて、放熱凝縮器内で凝縮した冷媒を蒸発器内へ導く復路用の連結管と、
    前記本体容器内であって前記機器本体の上方に設けられていて、機器本体付近から上昇する絶縁冷却流体の流れと、本体容器内の上部付近から下降する絶縁冷却流体の流れとを区分する整流板とを備えることを特徴とする電力機器。
  2. 本体容器内に、通電によって発熱する機器本体を収納すると共に絶縁冷却流体を充満させて成る電力機器であって、
    前記本体容器の天井板上に蒸発器カバーを被せて蒸発器容器を形成し、当該蒸発器容器内に前記機器本体からの熱によって蒸発する冷媒を封入して成る蒸発器と、
    前記蒸発器の上方に当該蒸発器とは別に設けられていて、前記蒸発した冷媒が導かれ、放熱によって当該冷媒を冷却して凝縮させる1対以上の放熱凝縮器であって、しかも対を成す二つがV字状に傾けて配置されている放熱凝縮器と、
    前記対を成す各放熱凝縮器の上部と前記蒸発器との間を接続していて、蒸発器内で蒸発した冷媒を各放熱凝縮器内へ導く少なくとも2本の往路用の連結管と、
    前記対を成す各放熱凝縮器の下部と前記蒸発器との間を接続していて、各放熱凝縮器内で凝縮した冷媒を蒸発器内へ導く少なくとも2本の復路用の連結管と、
    前記本体容器内であって前記機器本体の上方に設けられていて、機器本体付近から上昇する絶縁冷却流体の流れと、本体容器内の上部付近から下降する絶縁冷却流体の流れとを区分する整流板とを備えることを特徴とする電力機器。
  3. 本体容器内に、通電によって発熱する機器本体を収納すると共に絶縁冷却流体を充満させて成る電力機器であって、
    前記本体容器の天井板上に蒸発器カバーを被せて蒸発器容器を形成し、当該蒸発器容器内に前記機器本体からの熱によって蒸発する冷媒を封入して成る蒸発器と、
    パイプの外周にフィンを巻き付けて成るものであって、前記本体容器内の上部に配置されかつ両端が前記蒸発器内に連通していて、内部を前記冷媒が流れ外部を前記絶縁冷却流体が流れる1本以上のフィンチューブと、
    前記蒸発器とは別に設けられていて、前記蒸発した冷媒が導かれ、放熱によって当該冷媒を冷却して凝縮させる放熱凝縮器と、
    前記放熱凝縮器の上部と前記蒸発器との間を接続していて、蒸発器内で蒸発した冷媒を放熱凝縮器内へ導く往路用の連結管と、
    前記放熱凝縮器の下部と前記蒸発器との間を接続していて、放熱凝縮器内で凝縮した冷媒を蒸発器内へ導く復路用の連結管とを備えることを特徴とする電力機器。
  4. 本体容器内に、通電によって発熱する機器本体を収納すると共に絶縁冷却流体を充満させて成る電力機器であって、
    前記本体容器の天井板上に蒸発器カバーを被せて蒸発器容器を形成し、当該蒸発器容器内に前記機器本体からの熱によって蒸発する冷媒を封入して成る蒸発器と、
    パイプの外周にフィンを巻き付けて成るものであって、前記本体容器内の上部に配置されかつ両端が前記蒸発器内に連通していて、内部を前記冷媒が流れ外部を前記絶縁冷却流体が流れる1本以上のフィンチューブと、
    前記蒸発器の上方に当該蒸発器とは別に設けられていて、前記蒸発した冷媒が導かれ、放熱によって当該冷媒を冷却して凝縮させる1対以上の放熱凝縮器であって、しかも対を成す二つがV字状に傾けて配置されている放熱凝縮器と、
    前記対を成す各放熱凝縮器の上部と前記蒸発器との間を接続していて、蒸発器内で蒸発した冷媒を各放熱凝縮器内へ導く少なくとも2本の往路用の連結管と、
    前記対を成す各放熱凝縮器の下部と前記蒸発器との間を接続していて、各放熱凝縮器内で凝縮した冷媒を蒸発器内へ導く少なくとも2本の復路用の連結管とを備えることを特徴とする電力機器。
  5. 前記本体容器内であって、前記機器本体と前記フィンチューブとの間に設けられていて、機器本体付近から上昇する絶縁冷却流体の流れと、フィンチューブ付近から下降する絶縁冷却流体の流れとを区分する整流板を備えている請求項3または4記載の電力機器。
  6. 前記往路用の各連結管および復路用の各連結管と前記蒸発器との接続部を、前記蒸発器の上面に一列に配置している請求項2または4記載の電力機器。
  7. 前記冷媒が水であり、前記蒸発器、放熱凝縮器、往路用の連結管および復路用の連結管から成る冷却系統を構成している部材に鉄系の金属部材が含まれており、当該水に、アミン系化合物およびエチレングリコールを主成分とする腐食防止剤を混入している請求項1ないし6のいずれかに記載の電力機器。
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