JP2010080507A - 電子装置 - Google Patents

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Yoshihiro Kondo
義広 近藤
Tomoo Hayashi
知生 林
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浩之 豊田
Hitoshi Matsushima
松島  均
Takayuki Shin
隆之 新
Akio Idei
昭男 出居
Shigehiro Tsubaki
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Abstract

【課題】ブレードなどの電子装置において、着脱自在なブレード内の発熱を効率よく冷却可能な冷却システムを備えた電子装置を提供する。
【解決手段】ブレード内に装着される、CPUを含む複数の半導体デバイスを冷却するサーモサイフォンによる冷却システムを備えたものにおいて、発熱量が比較的大きい半導体デバイスを沸騰部に熱的に直接結合し、比較的発熱量が少ない半導体デバイスは、ヒートパイプを介して沸騰部と熱的に結合することにより、電子措置内の冷却を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、ブレードサーバに代表されるように、筐体の内部に多数の発熱素子を着脱自在に装着した電子装置に関し、特に、かかる装置内においても良好な冷却効果が得られる電子装置の冷却構造に関する。
近年、ブレードサーバに代表される電子装置においては、ブレードと呼ばれる板状の筐体内の回路基板上に中央処理装置(CPU:Central Processing Unit )等の半導体デバイスをメモリや電子部品と共に搭載し、これら複数のブレードを箱状のラック内に高密度で搭載する。なお、近年においては、当該ブレードに搭載される中央処理装置(CPU)等の半導体デバイスは、その高集積化、処理能力の高速化、更には、高機能化によって、発熱量を増大している。
一方、半導体デバイスは、一般に、所定の温度を超えると、その性能を維持できなくなる。そして場合によっては、破損することもある。このため、冷却等による温度管理が必要とされ、発熱量の増大する半導体デバイスを効率的に冷却する技術が強く求められている。
なお、ブレードサーバ等の電子装置においては、メンテナンスや、ユーザのニーズに合わせたシステムを柔軟に構築でき、かつ、ユーザ側のニーズの変化に対応して拡張や変更ができることなどを理由として、所謂、ラックマウント方式が広く普及している。さらに、ラックマウント方式では、種々の機能、性能を持った個別の装置を着脱自在に選択、配置して電子装置を構成するものであり、システムの小形化を図りやすい利点を有している。
このような技術背景において、発熱量の増大するCPU等の半導体デバイスを搭載した電子回路基板(所謂、ブレード)には、ラック内に自在に装着できる機能を有することが求められる。さらに、その冷却装置には、かかるブレードを効率良く冷却することができる高性能な冷却能力が期待されている。なお、従来、空冷式の冷却装置が多く採用されていたが、上述した状況から、既に限界に近づいており、そのため、新たな方式の冷却システムが期待されている。例えば、水等の冷媒を利用した冷却システム、更には相変化する冷媒を封入した密閉管状の部材を用いた冷却方式に注目が集まっている。
本発明に関連する従来技術としては、例えば、特許文献1によれば、上述したラックマウント方式において、ラック内に着脱自在に装着されたCPUブレードの半導体デバイスの熱を、受熱ジャケットを介して、直接、冷却媒体で冷却する技術が、より具体的には、当該受熱ジャケットを、自動開閉バルブを介して、ブレードサーバ内の液冷冷却システムに対して取り外し可能に接続する技術が開示されている。
また、特許文献2にも、サーバを含む電子装置内において、液冷システムを搭載する際のスペースの占有や専用筐体の設置等の問題に対応するための技術が開示されている。
さらに、特許文献3によれば、CPUブレードの取り外しを容易にするため、外部の冷却システムとCPUブレード上の半導体デバイスとの熱的な接続を、ソケット構成のエキスパンダにより実現する技術が開示され、また、電子部品からの熱を冷却システムに運ぶヒートパイプについての技術も開示されている。
さらにまた、特許文献4には、超大型コンピュータ及びスーパーコンピュータに好適な半導体装置であって、冷却水を供給する配管により、外部の冷却システムと熱的に接続するための技術が開示されている。特許文献4は、さらに、冷媒流の対流あるいは沸騰により熱を除去する冷却技術が開示されている。しかし、発熱部品と冷却器とは、離れては位置され、配管系を介して結合している。
特開2002−374086号公報 特開2007−72635号公報 特開平7−122869号公報 特開平6−4179号公報
上述した従来技術では、半導体デバイスの高集積化、処理能力の高速化、更には、高機能化によって、その発熱量の増大が著しいブレードサーバに代表される電子装置においては、必要な冷却能力を得ることが難しくなってきた。なお、特に、近年のブレードサーバでは、メンテナンス等のためにラック内に着脱自在に装着されるCPUブレードは、装置の小型化と軽量化の要求と共に、その容積も更に限られてきており、かかる狭小な空間内においても当該半導体デバイスなどを確実に冷却すると共に、更には、エコロジー対策からも、より効率的で効果的な電子装置のための冷却方法及び冷却装置が強く求められている。また、電子装置に実装されるデバイスの発熱量は、デバイスの種類や用途によって異なるため、発熱量が大きいデバイスと小さいデバイスとで、その冷却方法を変えて、効率よく冷却する必要がある。
本発明の目的は、上述したブレードサーバを含む電子装置において、特に、着脱自在なCPUブレードの半導体デバイスを含む発熱体を効率よく、最適に冷却することを可能にする新規な冷却システムを備えた電子装置を提供することをその目的とする。
すなわち、本発明は、比較的発熱量の大きな第1の半導体デバイスと前記第1の半導体デバイスより発熱の小さな第2の半導体デバイスとを有する複数の半導体デバイスを搭載した電子装置であって、前記電子装置内に実装される半導体デバイスを冷却するサーモサイフォン冷却部を備えた電子装置において、前記第1の半導体デバイスを前記サーモサイフォン冷却部に熱的に結合する第1の外壁面と、前記第2の半導体デバイスと前記サーモサイフォン冷却部の前記第1の外壁面と異なる第2の外壁面とを熱的に結合するヒートパイプとを備えたものである。
また好ましくは、上記発明の電子装置において、前記ヒートパイプは、前記第2の外壁面との結合端部の高さが、前記第1の半導体デバイスとの結合端部の高さよりも上側に位置するものである。
また好ましくは、上記発明の電子装置において、前記ヒートパイプは、前記第2の半導体デバイスの発熱量に応じて、大きさが異なるものである。
また好ましくは、上記発明の電子装置において、前記サーモサイフォンは、上部内壁面に凝縮用のフィンを備え、前記凝縮用のフィンは前記電子装置の長手方向に複数列が所定の間隔dで設けられているものである。
また好ましくは、上記発明の電子装置において、前記サーモサイフォンの前記凝縮用のフィンは、長手方向に所定の間隔P’で切り欠きが設けられているものである。
また好ましくは、上記発明の電子装置において、前記サーモサイフォンは、前記凝縮用のフィンの下に、前記長手方向に直交する面を有し所定の間隔Pで並ぶ案内フィンを備えたものである。
また好ましくは、上記発明の電子装置において、前記サーモサイフォンの前記案内フィンは、長手方向に気体状態の冷媒を通過させるための流路を設けているものである。
また好ましくは、上記発明の電子装置において、前記サーモサイフォンは、多孔質の内壁面を有する沸騰部を備え、さらに、前記凝縮フィンからの凝縮液を前記沸騰部に誘導する案内部を備えたものである。
また好ましくは、上記発明の電子装置において、前記案内部は、前記凝縮液を前記第2の外壁面の内側の内壁面近傍に誘導する案内部であるものである。
また好ましくは、上記発明の電子装置において、前記サーモサイフォンの前記沸騰部は、前記第1の外壁面の内側の内壁面で発生した気泡状態の冷媒を、前記第1の外壁面の内側の内壁面から、前記第2の外壁面の内側の内壁面に案内するための誘導板を備えたものである。
また好ましくは、上記発明の電子装置において、前記第1の外壁面の内側の内壁面から、前記第2の外壁面の内側の内壁面に案内するための前記誘導板は、前記第1の外壁面と前記第2の外壁面を補強する支持用の部材を兼ねるものである。
以上に述べた本発明によれば、ブレード内に高密度で搭載される発熱体である、CPUを始めとする各種の半導体デバイスを搭載した電子装置において、効率良く電子装置で発生する熱を外部に輸送することができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら、詳細に説明する。なお、本書では、各図の説明において、共通な機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、説明を省略する。
まず、添付の図1には、本発明になる冷却システムが適用される電子装置の代表例として、ブレードサーバ、特に、ラックマウント方式のブレードサーバが、その外観斜視図により示されている。1はラック、2は筐体、3は表扉(蓋体)、4は裏扉(蓋体)、5はシャーシである。
図1において、ラック1は、筐体2と蓋体3、4(3は表扉、4は裏扉)とを含んでいる。ラック1の内部には、例えば、IEC( International Electrical Commission )規格/EIA( The Electrical Industries Association )規格などの特定の規格に基づいて、所定の形状と寸法で形成された、複数(本例では3個)のシャーシ5が設けられている。そして、これら複数のシャーシ5の内部には、それぞれ、以下にその詳細を説明するが、個々に所定の機能を備えたブレードが、複数、縦方向に並べられて挿入されている。なお、これらのブレードは、上記シャーシ5内に自在に挿抜が可能であり、そして、選択により、自由に配置して搭載することが可能であり、そのことから、システム構成の柔軟性と拡張性とを併せ持つものである。図1の下段のシャーシ5は、ラック1の表扉3側から出し入れする途中の様子を示している。
次に、添付の図2は、上述したラック1内に設けられるシャーシ5の一つが、その内部に挿抜が可能な複数のブレード6と共に示されている図である。6はブレード、51はシャーシ5の上面に取り付けられたヒートシンク(サーマルハイウェイ)、52はシャーシ5のブレード6を収納するためのブレード収納空間、53はシャーシ5のブレード収納空間52背面側(裏扉4側)の空間、54は空間53を区画するバックボード、55は空冷凝縮器、56はファン、57は配管、58はポンプ、61はブレードシャーシ、63は配線板62(後述図3参照)に実装された半導体デバイス等の発熱源、64は各ブレード6毎に設けられたサーモサイフォン、65はヒートパイプ、66は信号コネクタ、67は給電コネクタである。
即ち、図2において、ヒートシンク51は、上記シャーシ5の上面に取り付けられており、その詳細は後にも説明するが、以後、「サーマルハイウェイ」と呼ぶ。このサーマルハイウェイが、大量の熱を輸送する手段51を構成するものである。
図2に示すように、上記各シャーシ5は、その正面側(図2の左側)には、その内部に外形略板状の複数(例えば、10枚前後)のブレード6が挿抜可能な、所謂、ブレード収納空間52を形成すると共に、その背面側(図2の右側)には、その内部に電源等を含む装置を内蔵するための空間53(例えば、電源室と言う)を、バックボード54(後述の図3も参照されたい)によって区画している。そして、当該電源室の更に背面側には、以下に詳細に説明する凝縮器55(本例では、空冷凝縮器55とそのファン56)が、2組、取り付けられている。なお、図2において、配管57は、サーマルハイウェイ51と空冷凝縮器55との間に接続された配管であり、また、ポンプ58は、後にも詳述するが、空冷凝縮器55で生成される飽和水を強制的にサーマルハイウェイ51へ戻すための飽和水(戻し)ポンプを示している。
そして、上記シャーシ5内に挿入される各ブレード6は、やはり上記の図2からも明らかなように、ブレードシャーシ61上に配線板62を取り付けた構造を持ち、配線板62の表面には、例えば、CPU(中央演算装置)や各種のLSI、又はメモリなど、ブレード6の機能を達成するために必要で、かつ、発熱源でもある複数の半導体デバイス(図には、その一部を63により示す)を搭載している。そして、図2には示さないが、主要な発熱源であるCPUに熱的に接続された状態で(具体的には、この図では、CPUの表面に接続した状態で)外形略T字状のサーモサイフォン64(詳細は後に説明する)が設けられると共に、更には、上記サーモサイフォン64と熱的に接続され、もって、配線板62上の半導体デバイス等の発熱源63からの熱を効率的に上記サーモサイフォン64に輸送するためのヒートパイプ65が複数本設けられている。また、信号コネクタ66及び給電コネクタ67は、後にも説明するが、上記ブレード6をシャーシ5内に挿入することにより、シャーシ5との間に、自動的に、必要な電気的な接続を得るためにブレード6側に設けたコネクタである。
更に、添付の図3は、上記シャーシ5内に挿入されるブレード6の一つを取り出して、その内部詳細を示す斜視図である。68はCPU(中央演算部)、69は接合部材、66’は信号コネクタ、67’は給電コネクタ、641は沸騰部、642はサーモサイフォン64の凝縮部(又は、熱的接続部)642はサーモサイフォン64の凝縮部(又は、熱的接続部)、7は凝縮部(又は、熱的接続部)642をサーマルハイウェイ51に熱的に接続するための手段(以降、サーマルコネクタと称する)である。
即ち、図3において、各ブレード6は、上記配線板62を搭載するブレードシャーシ61を含んでおり、そして、当該ブレードを構成する上記配線板62上に搭載された各種のLSIやメモリなどの半導体デバイスの内、特に、上記ブレードでの主な発熱源となる単数又は複数(本例では2個)のCPU(中央演算部)68が、上記サーモサイフォン64の一方の外部側面に、例えば、熱伝導グリース又は熱伝導シートなどの熱伝導性を有する接合部材69を介して、熱的に接続されている。
また、本例では、上記サーモサイフォン64の他方の外部側面には、複数のヒートパイプ65が取り付けられ、かつ、各ヒートパイプ65の一端は、上記CPU68よりもその発熱量の小さな素子、例えば、MCH( Memory Control Hub )その他のLSI( Large Scale Integrated Circuit )やメモリ等の素子(図では、一括して、符号63で示す)の表面に取り付けられている。勿論、サーモサイフォン64とCPU68と同様に、各ヒートパイプ65の両端と、素子63及びサーモサイフォン64間には、例えば、熱伝導グリース又は熱伝導シートなどの接合部材69を介して、どちら側も熱的に接続(結合)されている。
なお、このヒートパイプ65と、上記サーモサイフォン64又は素子63との取り付け手段(接合手段)としては、例えば、熱伝導性の接着剤や接着テープを利用することが考えられる。即ち、この接合手段としては、ブレードのメンテナンスを考慮し、後に、当該ヒートパイプ65を、サーモサイフォン64や素子63から、比較的容易に、取り外すことができるものであることが好ましい。
また、図3にも示すように、各ヒートパイプ65は、その内部の冷媒の循環をより促進するために、上記発熱量の小さな素子63との取り付け位置より、上記サーモサイフォン64との接続部の位置を上にして、傾斜して取り付けられることが好ましい。即ち、ヒートパイク65を水平若しくは上昇方向に設け、素子63側で気化した冷媒(蒸気)が上昇してサーモサイフォン64側に移動し、サーモサイフォン64で凝縮した凝縮液が下降して素子63側に移動するようにするのが良い。
なお、図3において、バックボード54(図2を参照)は、上述した電源等を含む装置を内蔵するための空間53(例えば、電源室と言う)を区画する仕切り板であり、図3で示すように、当該バックボード54には、上記ブレード6側のコネクタ66、67に対応する位置に、コネクタ66’、67’(信号コネクタ66’、給電コネクタ67’)が設けられている。これによって、上記ブレード6をシャーシ5内に挿入することによって、ブレード6とシャーシ5との間には、自動的に、必要な電気的な接続及び機械的な支持が得られる。
また、この図3には、上記サーモサイフォンの断面が示されている。図3の断面が示すように、サーモサイフォン64は、垂直方向に伸び、その両壁面に上記CPU68とヒートパイプ65とが熱的に接続される、箱状の沸騰部(又は、冷却部)641を有する。また、サーモサイフォン64は、この沸騰部641の上方に配置されて、沸騰部641が冷却の結果得る熱量を冷媒の気泡として受け取り、受け取った熱量を、上記大量の熱を輸送する手段であるサーマルハイウェイ51に熱的に接続するための凝縮部(又は、熱的接続部)642とを有する。
なお、図3の凝縮部(又は、熱的接続部)642をサーマルハイウェイに熱的に接続するための手段であるサーマルコネクタ(熱伝導接触子)7は、上記サーモサイフォン64の凝縮部(又は、熱的接続部)642を、上記大量の熱を輸送する手段であるサーマルハイウェイ51に対し、熱的に良好に接続するための手段である。即ち、上記凝縮部(又は、熱的接続部)をサーマルハイウェイに熱的に接続するための手段は、所謂、熱伝導接触子(サーマルコネクタ)であり、その詳細については、後に説明する。
続いて、上記にはその全体概略を説明したが、本発明になる電子装置(特に、サーバ)に適用される冷却システムを構成する各要素の概略について、以下に、個別に説明する。
<ヒートパイプ>
添付図4にヒートパイプ65の構造例をいくつか示す。
添付の図4にも示すように、各ヒートパイプ65は、その断面を円形(図4(A))、楕円(図4(B))、矩形(図4(C))、又は、多角形等に形成した、例えば、銅等の熱伝導率に優れた(高い)金属材料などのチューブ(中空体)の内部空間に、例えば、水などの冷媒を、減(低)圧下で封入(封止)したものである。ヒートパイプ65の一端を、上記各種のLSIやメモリ等、比較的発熱量の小さい素子63(図3を参照)に熱的に接続し、他端を上記サーモサイフォン64に熱的に接続することにより、当該比較的発熱量の小さい素子63の熱を効果的にサーモサイフォン64へ輸送する。これらのヒートパイプ65は、既に説明したように、熱的循環のためには、上記サーモサイフォン64との接続部を高い位置にし、他端を低い位置に配置することによって傾斜させ、水平若しくは上昇方向、又は上昇するように設置することが好ましい。この配置にすることによって冷媒の流れを促進させることができる。
例えば、熱量を多い気体(気泡)の冷媒は、軽いので、上昇してサーモサイフォン64に移動し、サーモサイフォン64で冷却されて発生した凝縮液の冷媒は下降して素子63に戻る。従って、接続部以外の、冷媒である気体(気泡)や凝縮液が移動する配管部は、その内面が、溝付き管やメッシュウィック等で構成されることが望ましい。例えば、図17は、ヒートパイプ65の配管部がメッシュウィックで構成された一例を示す断面図である。図17では、ヒートパイプ1701は、その管体部1702の内側に網状の金属のワイヤで形成されたメッシュ部1703が配置されている。中央部の空間1704が、気体状態の冷媒の通路となり、凝縮液は、メッシュ部1703のメッシュに沿って、毛細管現象により下方へ降下する。
なお、ここでは図示はしないが、各ヒートパイプ65は、上記素子63及びサーモサイフォン64との接続部において、内部に封入された冷媒の沸騰及び凝縮を促進するように構成する。例えば、沸騰部(素子63の接続部)側の接続部のヒートパイプの内壁面を、サーモエクセルE(日立電線製:登録商標)などにより、多孔質に形成することが好ましい。また例えば、凝縮部(サーモサイフォン64)側の接続部のヒートパイプ65の内壁面を、サーモエクセルC(日立電線製:登録商標)などにより、多孔質に形成することが好ましい。また、上述したヒートパイプ65の接続部での沸騰及び凝縮のメカニズムは、後述するサーモサイフォンと同様の原理である。
<サーモサイフォン>
添付の図5は、上記サーモサイフォンの内部詳細を説明するための図である。図5(A)及び(B)には、上記サーモサイフォン64の内部詳細を示す。643は凝縮フィン、644は凝縮液排除/案内フィン、645と645’は蒸気流路、646は多孔質の内壁面、652は沸騰領域である。また図5(A)はサーモサイフォン64の上部を説明するため内部が見えるように描いた分解斜視図、図5(B)はサーモサイフォン64を表扉3側から見た場合の断面図である。
即ち、図5において、サーモサイフォン64は、上記ヒートパイプ65と同様に、例えば、銅等の熱伝導率に優れた(熱伝導率が高い)金属材料などから形成され、垂直方向に伸びた沸騰部(又は、冷却部)641と、上記沸騰部の上方に位置し、以下にも説明するサーマルハイウェイ51の下面(熱伝達面)に沿って伸びた凝縮部(又は、熱的接続部)642とから構成されている。そして、図5(A)にも示すように、凝縮部(又は、熱的接続部)642の内壁の上面には、その一方向(例えば、長手方向:表扉3−裏扉4の方向)に沿って、複数の凝縮フィン643が所定の間隔(例えば、等間隔(間隔=d))で形成されている。凝縮フィン643は、例えば、サーモエクセルC(日立電線製:登録商標)などにより、作成される。
更に、これら凝縮フィン643の伸びた方向(長手方向)に直交して、複数の凝縮液排除/案内フィン644が、例えば等間隔(間隔=P)で、取り付けられている。また、上記の凝縮液排除/案内フィン644は、上記の沸騰部(又は、冷却部)641の内部の下方(即ち、冷媒が液体として存在する空間)にまで延びている。また、凝縮液排除/案内フィン644の中央部は、「U」字形に切り欠かれ、長手方向に蒸気が通過できるようにした蒸気流路となっている。
上記凝縮液排除/案内フィン644の間隔Pは、次の式(1)によって臨界波長λを算出し、臨界波長λと等しい長さ若しくは臨界波長λ未満の長さ(P≦λ)とする。
Figure 2010080507
なお、ここで、λは臨界波長、σは表面張力、gは重力加速度、ρは密度、ρは液体の密度、ρは気体の密度である。
20℃の時の純水の物性では、間隔Pは、約17.4mmとなる。
図5(A)のように、間隔Pを臨界波長λと等しい長さ若しくは臨界波長λ未満の長さで、凝縮液排除/案内フィン644を配置することにより、凝縮液が落下し易くなる。
図5(B)には、上記サーモサイフォン64の沸騰部(又は、冷却部)641を含む断面が示されており、図からの明らかなように、断面形状が略「T」字状の上述したサーモサイフォンにおいて、上記凝縮部(又は、熱的接続部)642から下方に、即ち、垂直方向に伸びた沸騰部(又は、冷却部)641は、その内壁面には、上述したサーモエクセルE(日立電線製:登録商標)などにより、多孔質の内壁面646が形成されている。なお、この図5(B)には、サーモサイフォン64の沸騰部(又は、冷却部)641が、その一方の壁面(図の左側)において、配線板62上に搭載され、かつ、ブレードの主なる発熱源である2個のCPU68の表面に、熱伝導グリース又は熱伝導シートなどの熱伝導性を有する接合部材69を介して接続されており、加えて、その他方の壁面(図の右側)には、上記各種のLSIやメモリなどの比較的発熱量の小さい素子63からの熱を輸送するヒートパイプ65が取り付けられた状態が示されている。
なお、配線板62は、CPU68の他、これら比較的発熱量の小さい素子63も同一面に実装している。
また、接合部材651は、これらヒートパイプ65を上記サーモサイフォン64の外面に取り付けるためのものであり、例えば、熱伝導性の接着剤や接着テープを利用することが可能である。さらに、ここでは図示しないが、上記サーモサイフォン64の表面の一部に溝部などを予め形成しておき、当該溝部にヒートパイプを挿入して固定することも可能であろう。
図5において、サーモサイフォン64の内部には、例えば、純水などの冷媒が、減(低)圧下で封入(封止)されており、これにより、その内部の冷媒は、主な発熱源であるCPU68からの熱、更には、各種のLSIやメモリなどの素子63からの熱により、上記沸騰部(又は、冷却部)641の沸騰領域(上記伝熱面646により取り囲まれた部分)652において沸騰し、沸騰した冷媒は気泡状態となって上昇し、上記凝縮部(又は、熱的接続部)642に移動する。上記凝縮部(又は、熱的接続部)642に移動した気泡状態の冷媒は、その熱をサーマルハイウェイ51に伝達し、凝縮されて再び液体(凝縮液)に戻り、上記凝縮液排除/案内フィン644を伝い落ちて沸騰部641の沸騰領域652へ戻る。このように、液体と気体の2相の状態で循環を繰り返すことにより、ブレードの主な発熱部であるCPU68を含めた配線板62上の各種素子63からの熱は、効率的に集められて、上記のサーマルハイウェイ51へ輸送されることとなる。
なお、図5(B)の、その直下に沸騰部641がない凝縮フィン643部分では、凝縮液は凝縮部622の下面に落下する。このため、落下した液体が速やかに沸騰部641に戻るように、凝縮部622の下面には、傾斜が設けられている。
従来の空冷式のブレードでは、ブレード内部にファン等で冷却風を強制的に流し、それぞれ、素子毎に放熱フィンを取り付けて放熱させていた。このため、ブレード及び配線板の設計に当たり、各素子のレイアウトを検討する場合に、冷却についての配慮が必要であった。例えば、発熱量が大きく動作温度限界が低いCPUを冷却風の上流側に設け、冷却風の温度上昇の影響を受けさせないようにする必要があった。さらに、空冷用のフィンが乱立し、風路圧損が大きくなるため大きなファン駆動力若しくは高いファン回転数を要し、さらに、余分な配線の引き回しがあるので、配線板の面積も大きかった。
しかし、図5の実施例によれば、ほぼ、電気的な伝送特性を検討するだけのレイアウト検討で良く、レイアウトの時間の短縮、設計の自由度の増大が可能である。さらに、配線板の面積も小さくでき、消費電力も低減できる。
なお、図5の実施例では、凝縮液排除/案内フィン644は、凝縮フィン643の突端部から下方に取り付けられ、凝縮フィン643の隙間には、蒸気流路645’が長手方向に伸びている。しかし、凝縮液排除/案内フィン644が、もっと上まであっても良く、例えば、凝縮フィン643の隙間(蒸気流路645’)が無いようにしても良い。また、例えば、凝縮液排除/案内フィン644の並びの1つおき、若しくは所定の数おきに蒸気流路645’を設けても良い。
また、図5に示したサーモサイフォンの形状は、図5(B)において略T字状であると述べた。さらに、図5(A)及び図2に図示したように、長手方向に直交する方向から見ても、略T字状である。この形状は、上方の凝縮部642では、熱交換に使用する面が上面部であり、サーマルコネクタ7を介してサーマルハイウェイ51に伝熱する面積を広くしたいためである。また下方の膨張部642は、側面部が熱交換に使用する面であるので、縦長として面積を広くしたいためである。
従って、サーモサイフォンの形状は、図5等の実施例では、略T字状としたが、勿論、非対称形でも良いし、T字の片側が無い逆L字状でも良い。
<サーマルハイウェイ>
次に、添付の図6により、上記サーマルハイウェイ51内部の詳細な構造について説明する。512はチャンバ、513は液散布管(又は液分配供給管)、514は気化促進部、515と516は配管、518はノズルである。
図6において、サーマルハイウェイ51は、上記サーモサイフォンと同様に、銅等の熱伝導率に優れた(高い)金属材料などから形成された板状のチャンバ(筐体)512を備えると共に、その内部空間には、液散布管(又は、液分配供給管)513を配置し、更に、その底面には、当該液散布管513に沿って、多孔質体からなる気化促進体514が複数設けられている。
そして、上記チャンバ(筐体)512の一部には、その内部で発生した冷媒の蒸気を以下にも説明する凝縮器55へ導くための配管515が取り付けられ、また、上記液散布管(又は、液分配供給管)513の一端には、上記凝縮器55から凝縮された液状冷媒を導くための配管516が取り付けられている。
また、図6におけるポンプ58は、上記凝縮器55からの凝縮液を強制的に液散布管513へ送り込むためのポンプ(飽和水ポンプ)である。そして、上記液散布管513の下面側に形成された複数のノズル(噴流ノズル)518は、この図からは、上記気化促進体514の位置に対応して形成されていることが分かる。
即ち、上記サーマルハイウェイ51は、上述した複数のサーモサイフォン64から輸送される熱により、上記液散布管513から滴下される凝縮液をその気化促進体514を介して効率的に気化(蒸発)し、当該気化した冷媒蒸気を、配管515を介して、凝縮器55へ輸送する。即ち、サーマルハイウェイ51は、この動作を繰り返すことにより、上記複数のサーモサイフォン64から輸送されたブレードからの大量の熱を、効率的に、凝縮器55へ輸送する気化式(相変化型)熱輸送デバイスである。
なお、上述したサーマルハイウェイ51は、その他、上記サーモサイフォン64やヒートパイプ65と同様に、そのチャンバ512内の圧力は、液状冷媒である純水のほぼ飽和蒸気圧力に保たれる。即ち、純水の飽和蒸気圧力は、100℃で101000Pa、60℃で19900Pa、50℃で12300Pa、40℃で7380Paであるので、チャンバ使用時の温度を40〜60℃とすると、チャンバ内は大気圧(100℃の飽和蒸気圧)の約1/10程度に保たれることとなる。
<サーマルコネクタ>
サーマルコネクタ(熱伝導接触子)7(図3を参照)は、上述したブレード6をシャーシ5内に挿入してその取り付けを行った際、ブレード6側に設けられた上記サーモサイフォン64、特に、その凝縮部(又は、熱的接続部)642の上面と、上記サーマルハイウェイ51の底面との間を、熱的に良好に接続するために用いられる手段である。
その熱的接続のメカニズムについて、添付の図7を用いて説明する。図7は、本発明の電子装置用冷却システムを構成するサーマルコネクタの構造の一例を示す断面図である。701はバルーン、702は板状部材、703は熱伝導性のグリース、704はOリング、705は熱伝導性の接着剤、706は熱伝導性部材、711は図を上方と下方とに区別する矢印である。熱伝導性部材706は、例えば、熱伝導性のグリース又は熱伝導性のシートである。また、図7の上方はブレード6がシャーシ5に挿入される直前の図で、矢印711の下方は、ブレード6がシャーシ5に挿入された状態の図である。
例えば、図7の上方に示すように、このサーマルコネクタ7は、上記サーモサイフォン64の凝縮部642の上面に取り付けられた、バルーン701と板状部材702とから構成されている。バルーン701は、例えば、銅、アルミニウム、あるいはカーボングラファイトなど、熱伝導率に優れた材料からなり、板状部材702も、やはり、バルーン701と同様に、熱伝導率に優れた材料からなり、板状若しくは棒状の部材である。
上記バルーン701の内部には、熱伝導性のグリース703が充填されており、かつ、その一端(図の右端)には、Oリング704が設けられている。更に、バルーン701の下面とサーモサイフォン64の凝縮部642の上面との間には、熱伝導性の接着剤705が設けられている。かつ、バルーン701の上面とサーマルハイウェイ51との接触面には、熱伝導性のグリース又はシート706が設けられている。
上述したサーマルコネクタ7によれば、図7の下方にも示すように、ブレード6をシャーシ5内に挿入することにより、Oリング704を介して、上記板状部材702がバルーン701の内部に挿入され、バルーン701内部のグリース703が加圧されてバルーン701が膨張(図7の矢印の下方を参照)し、もって、上記サーモサイフォン64と上記サーマルハイウェイ51との間に、熱的に良好に接続状態を確保することが可能になる。
<凝縮器>
凝縮器55は、ブレードサーバ内において、各ブレード6のCPUや各種のLSIを含めた、多数の発熱源からの熱を集めて輸送する上記サーマルハイウェイ51の熱を、更に、当該サーバの外部へ輸送するための手段を構成しており、その方式としては、例えば、添付の図8(A)に示す空冷式のもの(空冷凝縮器)や図8(B)に示す水冷式のもの(水冷凝縮器)が採用される。
図8によって、本発明の電子装置の冷却システムに使用する凝縮器を説明する。図8は、本発明の電子装置用冷却システムを構成する凝縮器の構造の例を示す断面図である。55’は水冷凝縮器、59はポンプ、100と100’はフリークーリング放熱器である。
まず、図8(A)に示す空冷凝縮器55は、図にも明らかなように、配管の間に多数のフィンを設けた凝縮部と、それに空気を供給するファン56とから構成されており、もって、後にも説明する外部の冷却システムである、例えば、フリークーリングシステムを構成するフリークーリング放熱器100(空冷式)へ、上記サーマルハイウェイ51の熱へ輸送する。
他方、図8(B)に示す水冷凝縮器55’は、図にも明らかなように、凝縮器55’内において、供給される液状冷媒に熱を伝達し、もって、後にも説明する外部の冷却システムであるフリークーリングシステムを構成するフリークーリング放熱器100’(水冷式)へ、上記サーマルハイウェイ51からの熱へ輸送する。なお、ポンプ59は、上記サーマルハイウェイ51からの熱を、上記フリークーリング放熱器へと輸送するためのポンプである。なお、上述したフリークーリング放熱器は、例えば、上記ブレードサーバを構成する裏扉4側に設けられる。
続いて、上記に構成を説明した要素により構成される、本発明になる冷却システムの、電子装置の代表例であるブレードサーバにおける動作を、添付の図9を参照しながら説明する。図9は、本発明になる冷却システムの、電子装置の代表例であるブレードサーバにおける動作を示す説明図である。
図9では、図2に示したブレード6を、サーモサイフォン64、素子63、及びヒートパイプ65、並びにCPU68で代表し、他は図示していない。さらに、図9のCPU68は、サーモサイフォン64の表側に示している。しかし、実際には、図5(B)に示すように、サーモサイフォン64の裏側に設けられた配線板62に実装されて、表側からは見えない。また、素子63も、上記図示しない配線板62に実装されるが、説明のために、模式的に描いている。
また、矢印は配線板62に実装された素子が発生した熱が凝縮器55まで移動する流路(熱移動の方向)の概略を示している。
図9において、各ブレード6内では、ブレードサーバを構成する配線板62上に搭載された各種の発熱素子のうち、その主な発熱源であるCPU68、即ち、その発熱量が大きな素子68は、各ブレード6に設けられたサーモサイフォン64に、直接、熱的に接続する。即ち、発熱量の大きい半導体デバイスであるCPU68は、上記サーモサイフォン64の冷却面に接触し、もって、その熱を、上記サーモサイフォン64に、直接、輸送している。
他方、冷却の不必要な素子を除いて、上述した各種のLSIやメモリ素子などの発熱量の小さい半導体デバイス63には、その一端がサーモサイフォン64に熱的に接続した設けられたヒートパイプ65の他端が接触して設けられており、もって、発熱量の小さい半導体デバイス63からの熱は、上記ヒートパイプ65を介して、やはり、サーモサイフォン64に輸送される。
そして、上記複数のヒートパイプ65からの熱と共に、その冷却面から直接輸送された熱を集めたサーモサイフォン64は、更に、その上部において熱的に接続されたサーマルハイウェイ(気化式熱輸送デバイス)51へ、その熱を輸送する。即ち、サーモサイフォン64は、その凝縮部(又は、熱的接続部)642を形成する上壁の上面をブレードシャーシ61(図2又は図3参照)の上部に露出しており、他方、サーマルハイウェイ51は、その下面を上記サーモサイフォン64の露出面に対向するように配置されており、その間の熱的接続を良好に確保している。更には、各ブレード6をシャーシ5内に挿入した際、各サーモサイフォン64をサーマルハイウェイ51へ熱的に接続するためのサーマルコネクタ(熱伝導接触子)7を設けることによれば、より良好な熱的接続を確保することが可能となる。即ち、本発明の冷却システムでは、従来のブレード表面に空気を流して空冷でCPU等の発熱体の冷却を行うことに代え、ヒートパイプやサーマルサイフォンによりその発熱を回収することから、冷却ファンの回転数を大幅に低減することが可能となり、省エネにもつながり、エコロジーの観点からも望ましい。
そして、このサーマルハイウェイ51は、上述した動作により、ブレードサーバの内部、特に、ラック1内に設けられた各シャーシ5内部の、複数のブレード6からの熱を集め、そして、当該熱を装置の外部へ輸送するための凝縮器55へ輸送することとなる。
即ち、図にも示したように、その発熱量が比較的に小さい素子等からの熱は、ヒートパイプ65を利用することにより、一旦、サーモサイフォン64に集めると共に、CPU68等の発熱量が大きな素子については、冷却能力のより大きな当該サーモサイフォン64に、直接、接続することにより、その発熱を集め、もって、これら多数のヒートパイプ65やサーモサイフォン64からの熱を、更に、強制的熱輸送の採用により大きな熱輸送能力を備えたサーマルハイウェイ51により、凝縮機55を介して、外部へ熱を効率的に輸送するものである。より具体的には、上記の機能を実現するため、上述したヒートパイプ65、サーモサイフォン64、そして、サーマルハイウェイ51は、その熱輸送量QTHにおいて、以下の式(2)の関係となっている。
Figure 2010080507
ここで、QTHPは、ヒートパイプ65の熱輸送量、QTHSは、サーモサイフォン64の熱輸送量、QTHHは、サーマルハイウェイ51の熱輸送量である。
また、上記サーモサイフォン64の沸騰部(又は、冷却部)641の表面には、上述したように、発熱量が大きな素子であるCPU68が熱的に直接接続されて冷却されることから、従来のように、配線板62上に搭載されるCPU68の配置を決定する際、ブレード内での空気の流れを確保するなどの制限を必要とせず、そのため、配線板62上に搭載する素子の密度を高めることが可能となり、高密度化が可能となる。従って、ラックマウント方式のブレードサーバなどの電子装置の全体の小型化が可能となる。加えて、上記の説明からも明らかなように、電子装置を構成する各素子の冷却には、フリークーリングを利用することから、より省電力で安価な冷却を実現することが可能となる。
更に、以下には、上記に詳細を説明した本発明になる冷却システムからの熱を外気へ放熱するためのシステムである、所謂、フリークーリングシステム全体の概略について、添付の図10を参照しながら説明する。図10は、本発明になる冷却システムからの熱を外気へ放熱するためのシステムであるフリークーリングシステムの概略を示す説明図である。200はサーバ室、210はサーバ室200の床面、220は配管、300はブレードサーバである。
図10において、上述したように、サーバ室200内に設置され、上述した本発明の冷却システムを内部に搭載した単数又は複数のブレードサーバ300からの熱は、上記図8(A)又は8(B)に示した空冷又は水冷の凝縮器55又は55’から、当該サーバ室の床面210に配置された配管220内の冷媒(二次冷媒)を介して、例えば、屋外に配置されたフリークーリングシステムへ輸送される。なお、このフリークーリングシステムは、本例では、例えば、図10にも示すように、外気に熱を放出する外気冷却ユニット(高性能冷媒冷却塔)と共に、冷水−冷媒熱交換器を介して高効率熱源を含んだターボ冷凍器とを備えて構成されている。上記フリークーリングシステムでは、外気温度が低い場合は、クーリングタワーの水によって二次冷媒を冷やす。即ち、外気冷熱を利用することによって二次冷媒を冷やす。また、外気温度が高い場合には、冷凍機によって作られる冷水によって二次冷媒を冷やす。
続いて、上記の構成を説明した要素により構成される、本発明の電子装置に用いた冷却システムの代表例であるサーモサイフォンにおける動作について、添付図11を参照して説明する。図11は、本発明の一実施例のサーモサイフォンについて、側面(図5(B)の右側)から見た断面図である。1101は凝縮部622の下面、1102は切り欠き、1103は液体冷媒の液面である。
図5の説明において、凝縮フィン643が伸びた方向(長手方向)に直交して、複数の凝縮液排除/案内フィン644が設けられ、凝縮液排除/案内フィン644の中央部が「U」字形に切り欠かれていることは、既に述べた。
この切り欠きの理由は、この切り欠きを通して、長手方向に蒸気を通すための蒸気流路645を形成し、長手方向に伸びた凝縮部(又は、熱的接続部)642に、まんべんなく蒸気を行き渡らせて効率良く冷媒の熱を吸収させるためである。従って、切り欠きの形状は、「U」字に限定する必要はない。
図11において、凝縮フィン643では、冷媒が高温の気体から低温の液体に変わった時には、この液体は自由落下で下方の沸騰部646に移動することになる。しかし、凝縮フィン643において、冷媒が凝縮して液体となった時に、表面張力によって、速やかに液体が下方に落ちない場合がある。凝縮フィン643に液体冷媒が付着していると、その部分には気体(蒸気)が直接触れないので、凝縮フィン643の冷却効率が落ちる。さらに、冷たい液体冷媒が戻らないので沸騰部(又は、冷却部)641の冷却効率も落ちる。これを防ぐために、上記凝縮フィン643を、長手方向に連続して形成せず、所定の間隔P’でフィンの無い部分を設けている。上記凝縮フィン643の間隔dと間隔P’には、例えば、P’>dの関係がある。また、間隔P’についても、式(1)から算出した臨界波長λと等しい長さ若しくは臨界波長λ未満の長さ(P’≦λ)に設定することで、凝縮液が下方へ落下し易くなる。
また、図11の、その直下に沸騰部641が無い、凝縮フィン643の部分では、凝縮によって液体化した冷媒は、凝縮部622の下面1101に落下する。このため、落下した液体冷媒が速やかに沸騰部641に戻るように、凝縮部622の下面1101には、傾斜が設けられている。なお、図17で説明したヒートパイプ1701の管体部1702の内側と同様に、この下面1101を、網状の金属のワイヤで形成されたメッシュ部を配置するようにしても良い。これにより、液体冷媒は、メッシュ部のメッシュに沿って、毛細管現象により下方へ降下する。
次に図5における多孔質の内壁面646の役割について述べる。この多孔質の内壁面は、サーモサイフォンにおける沸騰伝熱を促進するための伝熱面である。沸騰伝熱は、伝熱面からどのように気泡が発生するかによって、効率が大きく変化する。伝熱面には、例えば、多孔質の壁面を設けることによって、微小な凹凸を設け、沸騰によって発生した気泡が伝熱面を離れた後にも、微量に気体冷媒が凹部に捕らえられていることがある。このような凹凸があると、微量に気体冷媒が残り、残っていた気泡は、さらなる気泡の発生を大いに促進する。このため、沸騰伝熱の効果が大幅に増大する。従って、伝熱面が滑らかであるより、多孔質の壁面の方が良いということになる。従って、本発明のサーモサイフォンでも、上述したような多孔質の内壁面646を、CPU68やヒートパイプ65が接触する面の内壁に設けたものである。
次に、図3又は図5においては、二つのCPU68をサーモサイフォン64の上下に取り付けるように配置していた。しかし、サーモサイフォンにおける沸騰伝熱は、液体中の気泡の密度が高いほど、或いは発生する気泡が多いほど良く、また、内壁面646表面の冷媒の液膜厚さが薄いほど、冷媒が気化する効率が良く、冷却効果が大きい。また、液体冷媒の温度が高いほど、沸騰して気化する確率が高い。従って、発熱量の大きいCPU68を上方に設けるのが好ましい。図3又は図5においては、上方に取り付けたCPU68の方が冷却効果が大きい。
本発明のサーモサイフォンでは、上記の理由により、CPU68を液面1103の高さ近傍に配置する(例えば、図11に破線枠で示したCPU68参照)ことが一番冷却効率が良い。従って、サーモサイフォン64を取り付ける幅が十分に確保できるなら、図9に示したように、同じ高さに並べてCPU68を取り付けるのが好ましい。
また、メモリ等の素子より、さらに熱量の小さいLSIの熱を輸送しているヒートパイプ65がサーモサイフォン64と熱的に接合する部分では、その熱によって沸騰し気化する確率は低い。そこで、好ましくは、気泡が発生し易い上記上方のCPU68が取り付けられた部分の高さより上の位置に取り付けるようにすれば、発生し、上昇した気泡により、気化が促進される。
次に、によって、本発明のサーモサイフォンの別の実施例を説明する。図12は、本発明の一実施例のサーモサイフォンを側面から見た断面図である。1264はサーモサイフォン、642’は凝縮部、643’は凝縮フィンである。
図12の実施例は、サーモサイフォン1264の凝縮部642’に設けた凝縮フィン643’に図11の実施例の切り欠き1102が無く、長手方向に連続した形状となっている。図11の実施例では、切り欠き1102と凝縮液排除/案内フィン644とによって、凝縮液の下方への落下をし易くしているところを、本実施例では、凝縮液排除/案内フィン644だけによって凝縮液を下方へ落下し易くしているものである。なお、間隔P、間隔P’は同じサーモサイフォン内部でも、全て同一の間隔である必要は無い。
次に、図13によって、本発明のサーモサイフォンの他の実施例を説明する。図13は、本発明のサーモサイフォンの他の実施例を示す断面図である。1364はサーモサイフォン、1341は沸騰部、1342は凝縮部、1344は凝縮液排除フィン、1345は凝縮液ガイド部材である。図13の実施例は、図5の実施例の凝縮液排除/案内フィン644の替りに、上下方向の長さが短い凝縮液排除フィン1344と、凝縮液ガイド部材1345を設けたものである。
図13のサーモサイフォン1364における沸騰伝熱方式では、凝縮液を沸騰部1341の沸騰領域652に戻すために、細い金属等の線材等からなる凝縮液ガイド部材1345の一端を凝縮液排除フィン1344にそれぞれ取り付け、他端をヒートパイプ65が取り付けられる方の外壁面の内壁に取り付けたものである。この結果、凝縮部1342で、熱を奪われて気体から液体に戻った冷媒(即ち、凝縮液)が、凝縮液排除フィン1344及び凝縮液ガイド部材1345を流路として伝い落ち、ヒートパイプ65側の伝熱面に戻るようなる。
また、ヒートパイプ65をサーモサイフォン1364に取り付けて冷却する場合には、取り付け部の内壁面にヒートパイプ65からの熱が与えられても、気泡が発生する確率は極めて小さい。冷却するための気泡は、主に反対側のCPU68が取り付けられている伝熱面(内壁面646)で発生し、上方に移動する途中で、ヒートパイプ側の内壁面646に衝突することで、さらなる蒸気の発生が起きるか、若しくは、凝縮部642で液体に戻った冷たい冷媒によって冷却される。
従って、図13の実施例によれば、凝縮液案内線1345によって、凝縮部642で液体に戻った冷たい冷媒(凝縮液)が集まるので、ヒートパイプ65側の冷却効率が高まる。
また、凝縮液は、凝縮液ガイド部材1345からヒートパイプ65側の内壁面を伝い落ちて、沸騰領域652の底部に戻るので、液体に戻った冷たい冷媒(凝縮液)が直接、CPU68側の内壁面に戻ってこない。このため、CPU68側の内壁面は温度が下がらい。沸騰部1364の沸騰領域652では、温度が高いほど沸騰して気化する確率が高いので、気泡の発生が順調に行われる。
なお、凝縮液ガイド部材の材質、形状、大きさについては、特に限定しない。断面が円形や方形、あるいは中空であっても良い。また、凝縮液が流れ落ち易いように、部材の表面に溝を設けても良い。
次に、図14によって、本発明のサーモサイフォンの別の実施例を説明する。図14は、本発明のサーモサイフォンの別の実施例を示す断面図である。1464はサーモサイフォン、1401は仕切り板、1402は開口部、1403は内側の流路、1404は外側の流路、1441は沸騰部、1442は凝縮部である。
上述したこれまでの実施例の説明において、(1)沸騰領域652では、素子から発生した熱を気化(沸騰)熱として吸収することによって、沸騰した気泡が液体の冷媒中に発生する。(2)そして、発生した軽い気泡が上方の凝縮部642に移動し、凝縮フィン643において熱を吸収されて再び液体に戻る。(3)さらに、液体となった冷媒が沸騰領域に戻る。上記(1)〜(3)の動作を繰り返し、サーモサイフォン中で冷却が行われることを説明した(例えば図5参照)。
この上記(1)〜(3)の動作をより円滑に促進するための1つのポイントとして、気体(気泡)の上方向への移動と、液体(凝縮液)の下方向への移動が、何ら障害無く行われる必要がある。しかし、気体と液体とが同一の流路を通ることは、このサイクルを促進する妨げになることが考えられる。そこで、図14の実施例は、上昇する気泡の理流路と下降する凝縮液の流路を分離したものである。1464はサーモサイフォン、1401は仕切り板、1402は開口部、1403と1404は流路、1441は沸騰部、1442は凝縮部である。
即ち、図14において、サーモサイフォン1464の内部に、長手方向に伸びる仕切り板1401を設け、中央部天井に気泡が通過するための開口部1402を設け、仕切り板1401の内側の流路1403を気泡が上昇し、仕切り板1401の外側であって、サーモサイフォン1464の内壁面側の流路1404を凝縮液が落下するようにしたものである。
図14の結果、気泡の上昇と凝縮液の下降が円滑に行われるため、サーモサイフォンによる冷却のサイクルがより効率よく実現できる。
なお、仕切り板1401および開口部1402の形状や数は、この実施例に限定するものではない。
次に、図15によって、本発明のサーモサイフォンの別の実施例を説明する。図15は、本発明のサーモサイフォンの別の実施例を示す断面図である。1564はサーモサイフォン、1501は誘導板、1541は沸騰部である。
サーモサイフォンは、図5で説明したように、内壁面646のうち、CPU68が熱的に接続された内壁面が高温となる。そして、高温の方が冷媒の沸騰が起き易く、従って気泡の発生量が格段に多い。一方、内壁面646のうち、ヒートパイプ65が熱的に接続された内壁面は、もともと発熱量の少ない素子63からの熱を伝えているため、余り温度が上がらず、従って気泡の発生量も少ない。また、多孔質の内壁面646は、少しでも気泡が残っているほうが、気泡ができ易いことも図5の説明時に述べた通りである。
図15の実施例は、温度が高いため、気泡が発生し易いCPU68側の内壁面に、誘導板1501をヒートパイプ65側の内壁面に向かって延伸し、かつ斜め上方向に設け、CPU68側の内壁面で発生した気泡が、ヒートパイプ65側の内壁面に移動するようにしたものである。
これによって、CPU68等、発熱量が多い部品が結合された内壁面で発生する気泡が、誘導板1501を伝って、CPU68よりもその発熱量の小さな素子63が結合しているヒートパイプ65側の内壁面に達し、気泡の発生を助長することによって、冷却効率が向上する。
なお、好ましくは、CPU68等、発熱量が多い部品の取り付け高さより、ヒートパイプの取り付け高さを上方に配置することにより、図15の実施例による冷却効率がさらに向上する。しかし、サーモサイフォンの外壁すべての取り付け部について、ヒートパイプの取り付け高さを上にすることは不可能であるので、相対的に比較するか、あるいは選択的(CPU68等の高発熱素子と対向するヒートパイプ65に関わる低発熱素子63を選択する)に比較するようにすれば良い。
また、誘導板1501の長さ、傾斜角度、形状、等は、サーモサイフォンの内部で全て同一である必要は無い。
ところで、サーモサイフォンは、銅等の極めて薄い金属板(例えば、板厚が約1mm)で作成されている。作成時には、内部の圧力を真空ポンプで0.1Pa程度まで下げて、脱気した純水を入れる。純水が100℃まで温度上昇した場合に、内圧は101000Pa程度に上昇する。これは、ほぼ海面上での大気圧(約1013000Pa)に相当する。しかし、この内圧に達していないときには、板厚が薄いために、大気圧と内圧との圧力差によって、内側水平方向にへこむことが考えられる。
そのため、サーモサイフォンでは、横方向に支持用の部材を設け、内側から支えることが望ましい。本発明の別の実施例においては、図16に示すように、横方向に傾斜を持たせた支持用の部材を設け、内側から支えている。図16は、本発明のサーモサイフォンの別の実施例を示す断面図である。1664はサーモサイフォン、1601は支持用部材、1602と1603は支持部材1601の端部、1641は沸騰部である。
図16の実施例の支持用部材1601の一方の端部1602は、CPU68等、発熱量が多い部品が、ヒートパイプ65を介さず、サーモサイフォン1664の外壁に熱的に結合している側の内壁面に取り付けられ、他方の端部1603が上記CPU68よりもその発熱量の小さな素子63が、ヒートパイプ65を介して、サーモサイフォン1664の外壁に熱的に結合している側の内壁面に取り付けられている。
また、端部1602の取り付け高さは、端部1603の取り付け高さより低く取り付けている。
これによって、CPU68等、発熱量が多い部品が結合された内壁面で発生する気泡が、支持部材1601を伝って、CPU68よりもその発熱量の小さな素子63が結合しているヒートパイプ65側の内壁面に達し、気泡の発生を助長することによって、冷却効率が向上する。即ち、支持部材1601は、図15で説明した誘導板1501を兼ねる。
なお、好ましくは、図15の実施例と同様に、CPU68等、発熱量が多い部品の取り付け高さより、ヒートパイプの取り付け高さを上にするようにすることにより、図16の実施例による冷却効率がさらに向上する。
図16の実施例によれば、支持用部材が、サーモサイフォンのへこみを防止すると共に、冷却効率を向上させることができる。
なお、図15の実施例の誘導板1501と図16の実施例の支持部材1601とを混在したサーモサイフォンであっても良い。また、図16の支持部材を、傾斜の無い略水平な支持部材とし、図15の実施例の誘導板1501と組み合わせても良い。
次に、本発明の電子装置に用いる冷却構造の別の実施例を図18によって説明する。図18は、本発明の電子装置に用いる冷却システムにおけるサーモサイフォンの構成を示す図である。1864はサーモサイフォン、1801は仕切り板、1802は開口部、1803は内側の流路、1804は外側の流路、1841は沸騰部、1842は凝縮部である。
図14の実施例のサーモサイフォンにおいては、仕切り板1401がCPU68等の発熱量の多い素子が直接サーモサイフォンの沸騰部と熱的に結合する外壁の内壁面にも設けられていた。そうすると、凝縮部から落下してきた冷たい液体冷媒が、沸騰現象を妨げる虞がある。図14の実施例では、この対策として仕切り板1401を長手方向側に全面設けず、CPU68が熱的に結合している部分に相当する内壁面の部分には、仕切り板1401を設けないようにする場合がある。
しかし、図18の実施例では、仕切り板1801を一方向の斜面状に形成し、凝縮部1842から落下する液体冷媒の流路1804をヒートパイプ65が熱的に結合する外壁の内壁面にだけ設けるようにしたものである。
即ち、CPU68等の発熱量の多い素子が直接サーモサイフォンの外壁の内壁面では、冷たい液体冷媒が落下してこないので、沸騰部1841では、気泡が順調に発生し、発生した気泡は、液体冷媒が存在しない内側の流路1803を通って、開口部1802から凝縮部1842に移動する。移動した気泡(蒸気)状態の冷媒は、凝縮部1842で熱を奪われて液体(凝縮液)に変化する。熱を奪われた冷たい凝縮液は、凝縮液排除フィン1344及び凝縮液ガイド部材1344から伝い落ち凝縮部1842の下面及び仕切り板1801に落下し、外側の流路1804を通って、ヒートパイプ65側の伝熱面に戻るようなる。
図18の実施例によれば、上昇する気泡と落下する凝縮液が、互いに邪魔することが無いので、円滑に移動できるため、冷却効率が向上する。
なお、仕切り板1401の形状や数、及び開口部の形状、数、位置は、この実施例に限定するものではない。
本発明の電子装置用冷却システムを採用したラックマウント方式のブレードサーバの外観斜視図である。 上記ブレードサーバのラック内に設けられるシャーシの一つを、その内部に挿抜可能なブレードと共に示す外観斜視図である。 上記シャーシ内に挿入されるブレードの一つを取り出して、その内部詳細を示す図である。 本発明の電子装置用冷却システムを構成するヒートパイプの構造の一例を示す断面図である。 本発明の電子装置用冷却システムを構成するサーモサイフォンの構造の一例を示す断面図である。 本発明の電子装置用冷却システムを構成するサーマルハイウェイの構造の一例を示す断面図である。 本発明の電子装置用冷却システムを構成するサーマルコネクタの構造の一例を示す断面図である。 本発明の電子装置用冷却システムを構成する凝縮器の構造の例を示す断面図である。 本発明になる冷却システムの、電子装置の代表例であるブレードサーバにおける動作を示す説明図である。 本発明になる冷却システムからの熱を外気へ放熱するためのシステムであるフリークーリングシステムの概略を示す説明図である。 本発明の一実施例のサーモサイフォンを側面から見た断面図である。 本発明の一実施例のサーモサイフォンを側面から見た断面図である。 本発明のサーモサイフォンの一実施例を示す断面図である。 本発明のサーモサイフォンの一実施例を示す断面図である。 本発明のサーモサイフォンの一実施例を示す断面図である。 本発明のサーモサイフォンの一実施例を示す断面図である。 本発明のサーモサイフォンの一実施例を示す断面図である。 本発明のヒートパイプの一例の断面図である。
符号の説明
1…ラック、2…筐体、3、4…蓋体、5…シャーシ、6…ブレード、7…サーマルコネクタ、51…サーマルハイウェイ、52…ブレード収納空間、53…空間、54…バックボード、55…空冷凝縮器、55’…水冷凝縮器、56…ファン、57…配管、58…飽和水(戻し)ポンプ、59…ポンプ、61…ブレードシャーシ、62…配線板、63…素子、64…サーモサイフォン、65…ヒートパイプ、66、66’…信号コネクタ、67、67’…給電コネクタ、68…CPU(中央演算部)、69…接合部材、100、100’…フリークーリング放熱器、200…サーバ室、210…床面、220…配管、300…ブレードサーバ、512…チャンバ、513…液散布管(又は液分配供給管)、514…気化促進部、515、516…配管、518…ノズル、641…沸騰部(又は、冷却部)、642、642’…凝縮部(又は、熱的接続部)、643、643’…凝縮フィン、644…凝縮液排除/案内フィン、645、645’…蒸気流路、646…多孔質の内壁面、652…沸騰領域、701…バルーン、702…板状部材、703…グリース、704…Oリング、705…接着剤、706…熱伝導性部材、1101…凝縮部の下面、1102…切り欠き、1103…液体冷媒の液面、1244…凝縮液排除フィン、1245…凝縮液案内線、1341…沸騰部、1342…凝縮部、1344…凝縮液排除/案内フィン、1345…凝縮液ガイド部材、1364…サーモサイフォン、1401…仕切り板、1402…開口部、1403…内側の流路、1404…外側の流路、1441…沸騰部、1442…凝縮部、1464…サーモサイフォン、1501…誘導板、1541…沸騰部、1564…サーモサイフォン、1601…支持用部材、1602、1603…支持用部材の端部、1641…沸騰部、1664…サーモサイフォン、1701…ヒートパイプ、1702…管体部、1703…メッシュ部、1704…中央部の空間、1801…仕切り板、1802…開口部、1803…内側の流路、1804…外側の流路、1841…沸騰部、1842…凝縮部、1864…サーモサイフォン。

Claims (11)

  1. 比較的発熱量の大きな第1の半導体デバイスと前記第1の半導体デバイスより発熱の小さな第2の半導体デバイスとを有する複数の半導体デバイスを搭載した電子装置であって、前記電子装置内に実装される半導体デバイスを冷却するサーモサイフォン冷却部を備えた電子装置において、
    前記第1の半導体デバイスを前記サーモサイフォン冷却部に熱的に結合する第1の外壁面と、
    前記第2の半導体デバイスと前記サーモサイフォン冷却部の前記第1の外壁面と異なる第2の外壁面とを熱的に結合するヒートパイプとを備えたことを特徴とする電子装置。
  2. 請求項1記載の電子装置において、前記ヒートパイプは、前記第2の外壁面との結合端部の高さが、前記第1の半導体デバイスとの結合端部の高さよりも上側に位置することを特徴とする電子装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の電子装置において、前記ヒートパイプは、前記第2の半導体デバイスの発熱量に応じて、大きさが異なることを特徴とする電子装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子装置において、前記サーモサイフォンは、上部内壁面に凝縮用のフィンを備え、前記凝縮用のフィンは前記電子装置の長手方向に複数列が所定の間隔dで設けられていることを特徴とする電子装置。
  5. 請求項4記載の電子装置において、前記サーモサイフォンの前記凝縮用のフィンは、長手方向に所定の間隔P’で切り欠きが設けられていることを特徴とする電子装置。
  6. 請求項4または請求項5記載のいずれかに記載の電子装置において、前記サーモサイフォンは、前記凝縮用のフィンの下に、前記長手方向に直交する面を有し所定の間隔Pで並ぶ案内フィンを備えたことを特徴とする電子装置。
  7. 請求項6記載の電子装置において、前記サーモサイフォンの前記案内フィンは、長手方向に気体状態の冷媒を通過させるための流路を設けていることを特徴とする電子装置。
  8. 請求項4乃至請求項7のいずれかに記載の電子装置において、前記サーモサイフォンは、多孔質の内壁面を有する沸騰部を備え、さらに、前記凝縮フィンからの凝縮液を前記沸騰部に誘導する案内部を備えたことを特徴とする電子装置。
  9. 請求項8記載の電子装置において、前記案内部は、前記凝縮液を前記第2の外壁面の内側の内壁面近傍に誘導する案内部であることを特徴とする電子装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の電子装置において、前記サーモサイフォンの前記沸騰部は、前記第1の外壁面の内側の内壁面で発生した気泡状態の冷媒を、前記第1の外壁面の内側の内壁面から、前記第2の外壁面の内側の内壁面に案内するための誘導板を備えたことを特徴とする電子装置。
  11. 請求項10記載の電子装置において、前記第1の外壁面の内側の内壁面から、前記第2の外壁面の内側の内壁面に案内するための前記誘導板は、前記第1の外壁面と前記第2の外壁面を補強する支持用の部材を兼ねることを特徴とする電子装置。
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