WO2003085773A1 - Élément de conversion photoélectrique - Google Patents

Élément de conversion photoélectrique Download PDF

Info

Publication number
WO2003085773A1
WO2003085773A1 PCT/JP2003/004434 JP0304434W WO03085773A1 WO 2003085773 A1 WO2003085773 A1 WO 2003085773A1 JP 0304434 W JP0304434 W JP 0304434W WO 03085773 A1 WO03085773 A1 WO 03085773A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
photoelectric conversion
group
conductive film
conversion element
film
Prior art date
Application number
PCT/JP2003/004434
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
Souichi Uchida
Masaaki Kobayashi
Yoshinori Nishikitani
Original Assignee
Nippon Oil Corporation
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Oil Corporation filed Critical Nippon Oil Corporation
Priority to DE60333990T priority Critical patent/DE60333990D1/de
Priority to AT03715784T priority patent/ATE480017T1/de
Priority to EP03715784A priority patent/EP1494308B1/en
Priority to JP2003582852A priority patent/JPWO2003085773A1/ja
Publication of WO2003085773A1 publication Critical patent/WO2003085773A1/ja
Priority to US10/958,625 priority patent/US20050098206A1/en

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M14/00Electrochemical current or voltage generators not provided for in groups H01M6/00 - H01M12/00; Manufacture thereof
    • H01M14/005Photoelectrochemical storage cells
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/20Light-sensitive devices
    • H01G9/2004Light-sensitive devices characterised by the electrolyte, e.g. comprising an organic electrolyte
    • H01G9/2009Solid electrolytes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/20Light-sensitive devices
    • H01G9/2027Light-sensitive devices comprising an oxide semiconductor electrode
    • H01G9/2031Light-sensitive devices comprising an oxide semiconductor electrode comprising titanium oxide, e.g. TiO2
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/30Coordination compounds
    • H10K85/311Phthalocyanine
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/60Organic compounds having low molecular weight
    • H10K85/649Aromatic compounds comprising a hetero atom
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells

Definitions

  • the above components are mixed, the viscosity is adjusted with an appropriate diluent, a mixed solution is prepared, a suitable substrate is pulled up from the mixed solution, and then dried to form a film.
  • a mixed solution is prepared, a suitable substrate is pulled up from the mixed solution, and then dried to form a film.
  • the ion-conductive film obtained above was placed on the upper side of the semiconductor layer on which the dye was adsorbed, and the periphery was surrounded by an EVA film. Finally, the Pt surface of the glass with the Pt thin film was sandwiched with the Pt conductive film side, thereby forming a photoelectric conversion element.

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Transforming Light Signals Into Electric Signals (AREA)

Description

明 細 書 光電変換素子
[技術分野]
本発明は新規な光電変換素子に関する。
[背景技術]
色素增感型太陽電池などの、 いわゆる湿式太陽電池などの光電変換素子は、 一 般に二つ以上の電極を有し、 その電極間に電解質を蓄えた構造を有する。 このよ うな光電変換素子においては、 電解質は電荷の伝達媒体として素子機能に不可欠 な役割を果たす反面、 従来から用いられている液体電解質では、 素子の破損によ る電解液漏れ、 長期使用時における電解液の蒸散等の問題が起こっていた。
また、 液体電解質を用いた光電変換素子の製造方法としては、 素子を構成する 基板間に液体電解質を注ぎ込む方法や染み込ませる方法が典型的なものとして挙 げられる。 一般にこれらの工程は、 液体をわずかな間隙に入れるという工程のた め製造工程の複雑化を招くものであり、 液体を素子内に長期にわたり封じ込める 部材ゃ構造の改善についても十分とはいえず、製品としての見栄えが悪くなる他、 注入口の耐久性が悪いために液漏れ等を引き起こす原因になっていた。
本発明はこのような実状に鑑み成されたものであり、 電解質層として特定のィ オン伝導性フィルムを用いることで、 見栄えが良く、 耐久性が高い光電変換素子 を簡便な作製方法によつて提供することを目的とする。
[発明の開示]
すなわち、 本発明は、 電解質層を電荷移動層とした光電変換素子であって、 前 記電解質層が可逆な電気化学的酸化還元特性を示すイオン伝導性フィルムである ことを特徴とする光電変換素子に関する。
また、 本発明は、 前記イオン伝導性フィルムが、 高分子マトリックスに、 少な くとも可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質を含有してなるイオン伝導性フ イルムであることを特徴とする前記光電変換素子に関する。
また、本発明は、前記イオン伝導性フィルムが、 (a ) 高分子マトリ ックスに、 少なくとも (b ) 可塑剤および (c ) 可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質 を含有してなるィオン伝導性フィルムであることを特徴とする前記光電変換素子 に関する。
また、 本発明は、 前記高分子マトリ ックスがポリフッ化ビユリデン系高分子化 合物であることを特徴とする前記光電変換素子に関する。 以下、 本発明について詳細に説明する。
本発明の光電変換素子は、 電荷移動層を必須に有するものである。 電荷移動層 は、 通常、 一組の電極基板の間に挿入されることで用いられ、 電荷移動層中に含 まれる可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質によって、 電子を輸送する作用 を具備する。 例えば、 電気化学的酸化還元特性を示す物質の酸化体が、 片方の電 極で還元され電子を受け取り還元体となり、 もう一方の電極まで拡散し、 電極へ 電子を受け渡すことで酸化体へ戻る。 酸化体は再び元の電極へ拡散し、 電子を受 け取る。 この過程は、 実質的に電荷移動層中を電子が流れる事と等価であって、 電荷移動層が電子輸送媒体として機能している。
本発明においては、 電荷移動層として、 可逆な電気化学的酸化還元特性を示す 物質を含有するイオン伝導性フィルムを用いることを特徴とする。 ここで、 可逆 な電気化学的酸化還元特性を示すということは、 光電変換素子の作用する電位領 域において、 可逆的な電気化学的に酸化還元反応を起こし得ることをいう。 典型 的には、 通常、 水素基準電極 (N H E ) に対して一 1〜十 2 V V s N H Eの 電位領域で可逆的であることが望ましい。
本発明のイオン伝導性フィルムとしては、 前記の可逆な電気化学的酸化還元特 性を示す物質を含むものであれば、特に限定されないが、好ましいものとしては、 ( a ) 高分子マトリックス (成分 (a ) ) に、 少なくとも (c ) 可逆な電気化学 的酸化還元特性を示す物質 (成分 (c ) ) を含有し、 所望により (b ) 可塑剤 (成 分 (b ) ) をさらに含有するものが挙げられる。 また、 これらに加え、 所望によ りさらに任意成分 (後述) を含有させてもよい。 イオン伝導性フィルムとしては、 前記成分 (b ) または、 成分 (b ) と成分 (c )、 あるいはさらなる任意成分が、 高分子マトリックス中に保持されることによって固体状態またはゲル状態が形成 される。
本発明において高分子マトリックスとして使用できる材料としては、 高分子マ トリックス単体で、 あるいは可塑剤の添加や、 支持電解質の添加、 または可塑剤 と支持電解質の添加によつて固体状態またはゲル状態が形成されれば特に制限は 無く、 一般的に用いられる高分子化合物を用いることができる。
上記高分子マトリックスとしての特性を示す高分子化合物としては、 ポリへキ サフロロプロピレン、 ポリテトラフロロエチレン、 ポリ トリフロロエチレン、 ポ リエチレン、 ポリプロピレン、 ポリアクリ ロニトリル、 ポリ塩化ビニリデン、 ポ リアタリル酸、 ポリメタタリル酸、 ポリメチルァタリ レート、 ポリェチルァクリ レート、 ポリメチルメタタリ レート、 ポリスチレン、 ポリフッ化ビニリデンなど の高分子化合物を挙げることができる。 またこれらの高分子化合物は単独で用レ、 ても良く、 また混合して用いても良い。 あるいはまた各モノマーを共重合させて 得られる共重合体を用いても良い。 本発明においては、 特にポリフッ化ビニリデ' ン系高分子化合物が好ましい。
ポリフッ化ビニリデン系高分子化合物としては、 フッ化ビニリデンの単独重合 体、 あるいはフッ化ビニリデンと他の重合性モノマー、 好適にはラジカル重合性 モノマーとの共重合体を挙げることができる。 フッ化ビニリデンと共重合させる 他の重合性モノマー (以下、 共重合性モノマーという。) としては、 具体的には、 へキサフロロプロピレン、 テトラフロロエチレン、 トリフロロエチレン、 ェチレ ン、 プロピレン、 アクリロニトリル、 塩化ビニリデン、 アク リル酸、 メタクリル 酸、 メチノレアクリ レート、 ェチノレアタリ レート、 メチノレメタタリ レート、 スチレ ンなどを例示することができる。
これらの共重合性モノマーは、 モノマー全量に対して 1〜 5 0 m o 1 %、 好ま しくは l〜2 5 m o l %の範囲で使用することができる。
共重合性モノマーとしては、 好適にはへキサフロロプロピレンが用いられる。 本発明においては、 特にフッ化ビニリデンにへキサフロロプロピレンを 1〜 2 5 m o 1 %共重合させたフッ化ビユリデン一へキサフロロプロピレン共重合体を高 分子マトリッタスとするイオン伝導性フィルムとして好ましく用いることができ る。 また共重合比の異なる 2種類以上のフッ化ビエリデン一へキサフロロプロピ レン共重合体を混合して使用しても良い。
また、 これらの共重合性モノマーを 2種類以上用いてフッ化ビニリデンと共重 合させることもできる。 例えば、 フッ化ビ-リデン +へキサフロロプロピレン + テトラフロロエチレン、 フッ化ビユリデン +へキサフロロプロピレン +ァクリル 酸、 フッ化ビ-リデン +テトラフロロエチレン +エチレン、 フッ化ビニリデン + テトラフロロエチレン +プロピレンなどの組み合わせで共重合させて得られる共 重合体を使用することもできる。
さらに、 本発明においては高分子マトリックスとしてポリフッ化ビニリデン系 高分子化合物に、 ポリアクリル酸系高分子化合物、 ポリアタリレート系高分子化 合物、 ポリメタタリル酸系高分子化合物、 ポリメタクリレート系高分子化合物、 ポリアクリロ -トリル系高分子化合物およびポリエーテル系高分子化合物から選 ばれる高分子化合物を 1種類以上混合して使用することもできる。 あるいはポリ フッ化ビニリデン系高分子化合物に、 上記した高分子化合物のモノマーを 2種以 上共重合させて得られる共重合体を 1種類以上混合して使用することもできる。 このときの単独重合体あるいは共重合体の配合割合は、 ポリフッ化ビニリデン系 高分子化合物 1 0 0質量部に対して、 通常 2 0 0質量部以下とすることが好まし い。
本発明において用いられるポリフッ化ビニリデン系高分子化合物の重量平均分 子量は、 通常 1 0 , 0 0 0〜2, 0 0 0 , 0 0 0であり、 好ましくは 1 0 0 , 0 0 0〜1, 0 0 0, 0 0 0の範囲のものが好適に使用することができる。 次に、 本発明において用いる可塑剤について説明する。
本発明において用いられる可塑剤は、 成分 (C ) の可逆な電気化学的酸化還元 特性を示す物質に対する溶媒として作用する。 かかる可塑剤としては、 一般に電 気化学セルや電池において電解質溶媒として使用され得るものであればいずれも 使用することができる。 具体的には、 無水酢酸、 メタノール、 エタノール、 テト ラヒ ドロフラン、 プロピレンカーボネート、 ニトロメタン、 ァセトニトリル、 ジ 4434 メチノレホルムアミ ド、 ジメチルスルホキシド、 へキサメチルホスホアミ ド、 ェチ レンカーボネート、 ジメ トキシェタン、 γ —プチ口ラタ トン、 y —パレ口ラク ト ン、 スルホラン、 ジメ トキシェタン、 プロピオンニトリル、 グルタロニトリル、 アジポニトリル、 メ トキシァセトニトリル、 ジメチルァセトアミ ド、 メチルピロ リジノン、 ジメチルスルホキシド、 ジォキソラン、 スルホラン、 リン酸トリメチ ル、 リン酸トリェチル、 リン酸トリプロピル、 リン酸ェチルジメチル、 リン酸ト リプチル、 リン酸トリペンチル、 リン酸トリへキシル、 リン酸トリへプチル、 リ ン酸トリオクチル、 リン酸トリノ -ル、 リン酸トリデシル、 リン酸トリス (トリ フフロロメチル)、 リン酸トリス (ペンタフロロェチル)、 リン酸トリフエ-ルポ リエチレンダリコール、及びポリエチレンダリコール等が使用可能である。特に、 プロピレンカーボネート、 エチレンカーボネート、 ジメチ /レスノレホキシド、 ジメ トキシェタン、 ァセトニトリル、 ーブチロラタ トン、 スルホラン、 ジォキソラ ン、 ジメチルホルムァミ ド、 ジメ トキシェタン、 テトラヒ ドロフラン、 アジポュ トリル、 メ トキシァセトニトリノレ、 ジメチルァセトアミ ド、 メチルピロリジノン、 ジメチルスルホキシド、 ジォキソラン、 スルホラン、 リン酸トリメチル、 リン酸 トリェチルが好ましい。 また、 常温溶融塩類も用いることができる。 ここで、 常 温溶融塩とは、 溶媒成分が含まれないイオン対のみからなる常温において溶融し ている (即ち液状の) イオン対からなる塩であり、 通常、 融点が 2 0 °C以下であ り、 2 0 °Cを越える温度で液状であるイオン対からなる塩を示すものである。 常温溶融塩の例としては、 例えば、 以下のものが挙げられる。
Figure imgf000007_0001
(ここで、 Rは炭素数 2〜2 0、 好ましくは 2 0のアルキル基を示し、 X はハロゲンイオンまたは S C N—を示す。)
R1
Figure imgf000007_0002
(ここで、 R 1および R 2は各々炭素数 1〜 1 0のアルキル基 (好ましくはメチ ル基またはェチル基)、 または炭素数 7〜 20、 好ましくは 7〜 1 3のァラルキ ル基 (好ましくはべンジル基) を示しており、 互いに同一でも異なっても良い。 また、 X—はハロゲンイオンまたは S CN—を示す。) R2— N— R4
- /
R3
(ここで、 R l、 R2、 R 3、 R4は、 各々炭素数 1以上、 好ましくは炭素数 1 〜6のアルキル基、 炭素数 6〜 1 2のァリール基 (フエニル基など)、 またはメ トキシメチル基などを示し、 互いに同一でも異なってもよい。 また、 X—はハロ ゲンイオンまたは S CN—を示す。)
可塑剤はその 1種を単独で使用しても良いし、 また 2種以上を混合して使用し ても良い。
可塑剤の使用量は特に制限はないが、 通常、 イオン伝導性フィルム中に 20質 量%以上、好ましくは 50質量%以上、 さらに好ましくは 70質量%以上であり、 かつ 98質量%以下、 好ましくは 95質量%以下、 さらに好ましくは 90質量。 /0 以下の量で含有させることができる。 次に、 本発明において用いる成分 (c) の可逆な電気化学的酸化還元特性を示 す物質について説明する。
成分 (c) は、 前述のような可逆な電気化学的酸化還元反応を行うことができ る化合物であって、 通常レドックス性材料と称されるものである。
係る化合物しては、 特にその種類を制限するものではないが、 たとえば、 フエ 口セン、 p—べンゾキノン、 7, 7, 8, 8—テトラシァノキノジメタン、 N, N, Ν', N' ーテ トラメチルー ρ—フエ二レンジアミン、 テ トラチアフルバレ ン、 アントラセン、 ρ— トルィルァミン等を用いることができる。 また、 L i I、 N a l、 K I、 C s l、 C a l 2、 4級ィミダゾリゥムのョゥ素塩、 テトラアル キノレアンモニゥムのヨウ素塩、 B r 2と L i B r、 Na B r、 KB r、 C s B r、 C a B r 2などの金属臭化物なとが挙げられる。 また、 B r 2とテトラアルキルアンモニゥムブロマイド、 ビビリジ-ゥムブロ マイド、 臭素塩、 フエロシアン酸一フェリシアン酸塩などの錯塩、 ポリ硫化ナト リウム、 アルキルチオ一ルーアルキルジスルフィ ド、 ヒ ドロキノンーキノン、 ビ ォロゲンなどを用いることができる。 レドックス材は、 酸化体、 還元体のどちら か一方のみを用いてもよいし、 酸化体と還元体を適当なモル比で混合し、 添加す ることもできる。
また、 特に本発明の成分 (c) としては、 ハロゲンイオン、 S CN—から選ば れる対ァニオン (X—) を有する塩があげられる。 カチオンとしては、 4級アン モニゥム塩として、 具体的には、 (CHJ 4NX一、 (C2H5) 4NX_、 (n -C
H9) .NX-,
Figure imgf000009_0001
等が挙げられる。 対ァニオン (X—) を有するホスホニゥム塩、 具体的には、 (C H3) 4PX—、 (C2H5) 4PX—、 (C3H7) 4PX—、 (C4H9) 4PX—等が挙 げられる。
もちろん、 これらの混合物も好適に用いることができる。
なお、 これらの化合物の場合は、 通常成分 (b) と併用することが好ましい。 また、 成分 (c) として、 レドックス性常温溶融塩類も用いることができる。 ここで、 レドックス性常温溶融塩とは、 溶媒成分が含まれないイオン対のみから なる常温において溶融している (即ち液状の) イオン対からなる塩であり、通常、 融点が 20°C以下であり、 20°Cを越える温度で液状であるイオン対からなる塩 を示すものであって、 かつ可逆的な電気化学的酸化還元反応を行うことができる ものである。成分(c) としてレドックス性常温溶融塩類を用いる場合、成分(b) を併用しなくても、 併用してもどちらの形態でもよい。
レドックス性常温溶融塩はその 1種を単独で使用することができ、 また 2種以 上を混合しても使用することもできる。
レドックス性常温溶融塩の例としては、 例えば、 以下のものが挙げられる。
Figure imgf000010_0001
(ここで、 Rは炭素数 2〜20、 好ましくは 2〜1 0のアルキル基を示し、 X— はハロゲンイオンまたは S CN を示す。)
Figure imgf000010_0002
χ-
(ここで、 R 1および R 2は各々炭素数 1〜1 0のアルキル基 (好ましくはメチ ル基またはェチル基)、 または炭素数 7〜20、 好ましくは 7〜 1 3のァラルキ ル基 (好ましくはべンジル基) を示しており、 互いに同一でも異なっても良い。 また、 X はハロゲンイオンまたは S CN を示す。)
Figure imgf000010_0003
(ここで、 R l、 R 2、 R 3. R4は、 各々炭素数 1以上、 好ましくは炭素数 1 6のアルキル基、 炭素数 6 - 1 2のァリール基 (フエニル基など)、 またはメ トキシメチル基などを示し、 互いに同一でも異なってもよい。 また、 X はハロ ゲンイオンまたは S CN を示す。)
成分 (c) の使用量については特に制限はなく、 任意であるが、 通常、 イオン 伝導フィルム中に 0. 1質量%以上、 好ましくは 1質量%以上、 さらに好ましく は 1 0質量%以上であり、 かつ 70質量%以下、 好ましくは 60質量%以下、 さ らに好ましくは 50質量%以下の量で含有させることができる。
成分 (c) を成分 (b) と併用する場合、 成分 (c) は、 成分 (b) に溶解し かつィオン伝導性フィルムとした際にも析出等が起こらない混合比とすることが 望ましく好ましくは成分 (c) Z成分 (b) が質量比で 0. 0 1〜0. 5、 さら に好ましくは 0. 03〜0. 3の範囲である。
また、成分(a) に対しては、好ましくは成分 (a) / (成分 (b) +成分 (c)) 質量比が 1Z20〜lZl、 さらに好ましくは 1/10〜 1/2の範囲であるこ とが望ましい。 本発明のイオン伝導性フィルムは、 これらの成分に加え、 本発明の効果を損な わない限り、 さらに他の任意成分を含有してもよい。
任意成分としては、 例えば、 支持電解質、 紫外線吸収剤, ァミン化合物などが 代表的なものとして挙げられる。
本発明において用いられる支持電解質としては、 電気化学の分野又は電池の分 野で通常使用される塩類、 酸類、 アルカリ類、 常温溶融塩類が使用できる。
塩類としては、 特に制限はなく、 例えば、 アルカリ金属塩、 アルカリ土類金属 塩等の無機イオン塩; 4級アンモニゥム塩;環状 4級アンモ-ゥム塩; 4級ホス ホニゥム塩などが使用でき、 特に L i塩が好ましい。
塩類の具体例としては、 C 1 〇4—、 B F4—、 C F 3 S 03\ (C F 3 S 02) 2 N -、 (C2F5S02) 2N -、 P F6-、 A s F6-、 CH3COO-、 CH3 (C6H 4) S〇3 、 および (C2F5S02) 3C から選ばれる対ァ-オンを有する L i 塩、 Na塩、 あるいは K塩が挙げられる。
また、 C 1 04一、 B F4_、 C F 3 S 03\ (C F 3 S 02) 2N一、 (C2F5SO 2) 2N -、 P F6-、 A s F6-、 CH3COO-、 CH3 (C6H4) S03—、 およ ぴ (C2F5S〇2) 3C から選ばれる対ァニオンを有する 4級アンモニゥム塩、 具体的には、 (CH3) 4NB F4、 (C2H5) 4NB F4、 (n— C4H9) 4NB F 4、 (C2H5) 4NC 1〇4、 (n - C4H9) 4NC 104、 CH3 (C2H5) 3NB F4、 (CH3) 2 (C2H5) 2NB F4、 (CH3) 4NS 03CF3、 (C2H5) 4N
S OqC F (n-C4H9) 4N S 0,C F さらには、
Figure imgf000012_0001
>, N、 BF4
Figure imgf000012_0002
等が挙げられる。 また C 1 04_、 B F4一、 CF3S03\ (CF3 S02) 2N―、 (C2F5S02) 2N -、 P F6-、 A s F6-、 CH3COO-、 CH3 (C6H4) S 03-、 および (C2F5 S 02) 3 C—から選ばれる対ァニオンを有するホスホ ニゥム塩、 具体的には、 (CH3) 4P B F4、 (C2H5) 4PB F4、 (C3H7) 4 PB F4、 (C4H9) 4P B F4等が挙げられる。
また、 これらの混合物も好適に用いることができる。
酸類も特に限定されず、 無機酸、 有機酸などが使用でき、 具体的には硫酸、 塩 酸、 リ ン酸類、 スルホン酸類、 カルボン酸類などが使用できる。
アルカリ類も特に限定されず、 水酸化ナトリウム、 水酸化カリウム、 水酸化リ チウムなどがいずれも使用可能である。
常温溶融塩類も特に限定されることは無いが、本発明における常温溶融塩とは、 溶媒成分が含まれないイオン対のみからなる常温において溶融している (即ち液 状の) イオン対からなる塩であり、 通常、 融点が 20°C以下であり、 20°Cを越 える温度で液状であるイオン対からなる塩を示す。
常温溶融塩はその 1種を単独で使用することができ、 また 2種以上を混合して も使用することもできる。
常温溶融塩の例としては、 例えば、 以下のものが挙げられる。
Figure imgf000013_0001
(ここで、 Rは炭素数 2〜20、 好ましくは 2〜1 0のアルキル基を示す。 X— は C l 〇4—、 B F4_、 (C F 3 S 02) 2N -、 (C 2 F 5 S 02) 2N -、 P F6—、 A s F6-、 CH3COO-、 CH3 (C6H4) S 03—および (C2F5S〇2) 3C 一から選ばれる対ァニオンを表す。)
Figure imgf000013_0002
X—
(ここで、 R 1および R 2は各々炭素数 1〜 1 0のアルキル基 (好ましくはメチ ル基またはェチル基)、 または炭素数 7〜20、 好ましくは 7〜 1 3のァラルキ ル基 (好ましくはべンジル基) を示しており、 互いに同一でも異なっても良い。 また、 X は C 1 04—、 B F4一、 (C F 3 S 02) 2N―、 (C 2 F 5 S 02) 2N一、 PF6—、 A s F6-、 CH3COO-、 CH3 (C6H4) S 03 -および (C2F5S 02) 3 C から選ばれる対ァニオンを表す。)
Figure imgf000013_0003
(ここで、 R l、 R 2、 R 3、 R4は、 各々炭素数 1以上、 好ましくは炭素数 1 〜6のアルキル基、 炭素数 6〜 1 2のァリール基 (フエニル基など)、 またはメ トキシメチル基などを示し、 互いに同一でも異なってもよい。 また、 X は C 1 04 -、 B F4 -、 (CF3S02) 2N -、 (C2F5S02) 2N -、 P F6 -、 A s F6 一、 CH3COO一、 CH3 (C6H4) S03—および (C2F5SOs) 3C—力、ら選 ばれる対ァユオンを表す。)
以上の支持電解質の使用量については特に制限はなく、 任意であるが、 通常、 イオン伝導フィルム中に 0 . 1質量%以上、 好ましくは 1質量%以上、 さらに好 ましくは 1 0質量%以上であり、 かつ 7 0質量%以下、 好ましくは 6 0質量%以 下、 さらに好ましくは 5 0質量%以下の量で含有させることができる。 本発明のィォン伝導性フィルムに含有させることができる紫外線吸収剤として は、 特に限定されないが、 ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物、 ベンゾフエ ノン骨格を有する化合物等の有機紫外線吸収剤を代表的な物として挙げられる。 ベンゾトリァゾール骨格を有する化合物としては、例えば、 下記の一般式( 1 ) で表される化合物が好適に挙げられる。
Figure imgf000014_0001
一般式 (1 ) において、 R 8 1は、 水素原子、 ハロゲン原子または炭素数 1〜 1 0、 好ましくは 1〜6のアルキル基を示す。 ハロゲン原子としてはフッ素、 塩 素、 臭素、 ヨウ素を挙げることができる。 アルキル基としては、 例えば、 メチル 基、 ェチル基、 プロピル基、 i一プロピル基、 プチル基、 t—ブチル基、 シクロ へキシル基等を挙げることができる。 R 8 1の置換位置は、 ベンゾトリアゾール 骨格の 4位または 5位であるが、 ノヽロゲン原子およぴアルキル基は通常 4位に位 置する。 R 8 2は、 水素原子または炭素数 1〜 1 0、 好ましくは 1〜6のアルキ ル基を示す。 アルキル基としては、 例えば、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基、 i一プロピル基、 プチル基、 t一プチル基、 シクロへキシル基等を挙げることが できる。 R 8 3は、 炭素数 1〜 1 0、 好ましくは 1〜 3のアルキレン基またはァ ルキリデン基を示す。 アルキレン基としては、 例えば、 メチレン基、 エチレン基、 トリメチレン基、 プロピレン基等を挙げることができ、 またアルキリデン基とし ては、 例えば、 ェチリデン基、 プロピリデン基等が挙げられる。 一般式 (1) で示される化合物の具体例としては、 3— (5—クロ口一 2H— ベンゾトリアゾールー 2—ィル) 一 5— (1, 1ージメチルェチル) 一 4ーヒ ド ロキシ一ベンゼンプロパン酸、 3— ( 2 H—べンゾトリアゾール一 2—ィル) 一 5— (1, 1ージメチルェチル) 一 4ーヒ ドロキシ一ベンゼンエタン酸、 3— (2 H—べンゾト リァゾーノレ一 2—ィノレ) _ 4—ヒ ドロキシベンゼンエタン酸、 3— ( 5—メチルー 2 H—べンゾトリァゾーノレ一 2—ィノレ) 一 5— (1—メチルェチ ノレ) 一 4ーヒ ドロキシベンゼンプロパン酸、 2— (2, ーヒ ドロキシー 5, ーメ チルフエニル) ベンゾトリァゾール、 2— (2, ーヒ ドロキシー 3,, 5' —ビ ス (α, α—ジメチノレベンジル) フエニル) ベンゾトリァゾーノレ、 2 - (2 ' - ヒ ドロキシ一 3 ' , 5, ージ一 t一プチノレフエ二ノレ) ベンゾトリァゾーノレ、 2 - (2, ーヒ ドロキシー 3, 一 tーブチノレー 5, 一メチノレフェュノレ) 一 5—クロ口 ベンゾト リァゾーノレ、 3— (5—クロロー 2 H—ベンゾト リァゾ一/レー 2ーィノレ) — 5— (1, 1—ジメチルェチノレ) 一 4ーヒ ドロキシ一ベンゼンプロパン酸オタ チ ェステル等が挙げられる。
ベンゾフエノン骨格を有する化合物としては、 例えば、 下記の一般式 (2) 〜 (4) で示される化合物が好適に挙げられる。
Figure imgf000015_0001
Figure imgf000015_0002
上記一般式 (2) 〜 (4) において、 R92、 R93、 R95、 R96、 R98、 及 ぴ R99は、 互いに同一もしくは異なる基であって、 ヒ ドロキシル基、 炭素数 1 〜1 0、 好ましくは 1〜 6のアルキル基またはアルコキシ基を示す。 アルキル基 としては、 例えば、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基、 i一プロピル基、 プチル 基、 t—プチル基、 及ぴシクロへキシル基を挙げることができる。 またアルコキ シ基としては、 例えば、 メ トキシ基、 エトキシ基、 プロポキシ基、 i—プロポキ シ基、 及びプトキシ基を挙げることができる。
R91、 R94、 及び R 97は、 炭素数 1〜1 0、 好ましくは 1〜3のアルキレン 基またはアルキリデン基を示す。 アルキレン基としては、 例えば、 メチレン基、 エチレン基、 トリメチレン基、 及ぴプロピレン基を挙げることができる。 アルキ リデン基としては、 例えば、 ェチリデン基、 及ぴプロピリデン基が挙げられる。 p l、 p 2、 p 3、 q l、 q 2、 及ぴ q 3は、 それぞれ別個に 0乃至 3の整数 を表す。
上記一般式 (2) 〜 (4) で表されるベンゾフエノン骨格を有する化合物の好 ましい例としては、 2—ヒ ドロキシ一 4—メ トキシベンゾフエノンー 5—カルボ ン酸、 2 , 2 ' —ジヒ ドロキシー 4ーメ トキシベンゾフエノン一 5—力ノレボン酸、 4一 ( 2—ヒ ドロキシベンゾィノレ) 一 3—ヒ ドロキシベンゼンプロパン酸、 2 , 4ージヒ ドロキシベンゾフエノン、 2—ヒ ドロキシー 4—メ トキシベンゾフエノ ン、 2—ヒ ドロキシ一 4ーメ トキシベンゾフエノン一 5—スノレホン酸、 2—ヒ ド ロキシ一 4一 n—オタ トキシベンゾフエノン、 2, 2 ' —ジヒ ドロキシ一 4, 4 ' ージメ トキシベンゾフエノン、 2, 2 4, 4 ' ーテ トラヒ ドロキシベンゾフ ェノン、 2—ヒ ドロキシー 4ーメ トキシー 2, 一カルボキシベンゾフエノン等が 挙げられる。
もちろん、 これらを二種以上組み合わせて使用することができる。
紫外線吸収剤の使用は任意であり、 また使用する場合の使用量も特に制限され るものではないが、使用する場合はイオン伝導性フィルム中に 0. 1質量%以上、 好ましくは 1質量%以上であり、 20質量%以下、 好ましくは 1 0質量%以下の 範囲の量で含有させることが望ましい。
本発明のイオン伝導性フィルムに含有させることができるァミン化合物として は、 特に限定されず, 各種脂肪族ァミン、 芳香族ァミンが用いられるが、 例えば、 ピリジン誘導体、 ビピリジン誘導体、 キノリン誘導体などが代表的な物として挙 げられる。 これらのァミン化合物を添加することで、 開放電圧の向上が見込まれ る。 これらの化合物の具体例としては、 4一 t一プチルーピリジン、 キノリン、 イソキノリンなどが挙げられる。 次に本発明のイオン伝導性フィルムを製造する方法について説明する。
本発明のイオン伝導性フィルムは、 公知のフィルム成型方法により容易に製造 することができる。 例えば、 前述の成分 (a )、 成分 (b ) および成分 (c )、 さ らには所望により前記の任意成分を含有するイオン伝導性フィルムにおいては、 これらの成分からなる混合物を公知の方法によりフィルムに成形することにより 得ることが出来る。 この場合の成形方法としては特に限定されず、 押出し成型、 キャス ト法によるフィルム状態で得る方法、 スピンコート法、 ディップコート法 などを挙げることができる。
押出し成型については常法により行うことができ、 前記成分を混合し、 過熱溶 融した後、 フィルムに成型する。
キャス ト法については、 前記成分を混合し、 さらに適当な希釈剤にて粘度調整 を行い、 キャス ト法に用いられる通常のコータにて塗布し、 乾燥することで成膜 することができる。 コータとしては、 ドクタコータ、 プレードコータ、 ロッドコ ータ、 ナイフコータ、 リバースローノレコータ、 グラビアコータ、 スプレイコータ、 カーテンコータを用いることができ、 粘度および膜厚により使い分けることがで きる。
スピンコート法については、 前記成分を混合し、 さらに適当な希釈剤にて粘度 調整を行い、 市販のスピンコーターにて塗布し、 乾燥することで成膜することが できる。
ディップコート法については、 前記成分を混合し、 さらに適当な希釈剤にて粘 度調整を行って混合物溶液を作製し、適当な基盤を混合物溶液より引き上げた後、 乾燥することで成膜することができる。
本発明におけるイオン伝導性フィルムは、 イオン伝導度が、 通常室温で 1 X 1 0一7 SZc m以上、 好ましくは 1 X 1 0— 6 S/ c m以上、 さらに好ましくは 1 X 1 0— 5 S/ c m以上を示す。 イオン伝導度は、 複素インピーダンス法などの 一般的な手法で求めることができる。
また、 本発明におけるイオン伝導性フィルムは、 酸化体の拡散係数が 1 X 1 0— 9 cm2Z s以上、 好ましくは 1 X 10— 8 c m2/ s以上、 さらに好ましくは I X 10— 7 cm2Zs以上を示す。 なお、 拡散係数は、 イオン伝導性を示す一指標で あり、 定電位電流特性測定、 サイクリックボルタモグラム測定などの一般的な手 法で求めることができる。
本発明のイオン伝導性フィルムの厚さは、 特に限定されないが、 通常 1 m以 上、 好ましくは 1 0 ^ m以上であり、 通常 3 mm以下、 好ましくは 1 mm以下で める。
また、本発明のイオン伝導性フィルムは、 自立性を有していることが望ましい。 その場合、 通常、 25°Cにおけるその引張弾性率が 5 X 1 04N/m2以上、 好 ましくは 1 X 1 05NZm2以上、 最も好ましくは 5 X 1 05N/m2以上である 特性を有することが望ましい。 なお、 この引張弾性率は、 通常用いられる引張り 試験機で、 2 c mX 5 c mの短冊状サンプルによって測定を行った場合の値であ る。 本発明における光電変換素子としては、 例えば、 図 1に示すような構造に代表 される層構造をもっており、 少なくとも 2枚の導電性基板を用い、 そのうち少な くとも一方の基板は実質的に透明の、 いわゆる透明導電性基板である。 また、 透 明導電基板上に、 図 1に示されるように、 通常、 半導体層 (感光層) が形成され る。
透明導電性基板は、 通常、 透明基板上に透明電極層を有する。
透明基板としては、 特に限定されず、 材質、 厚さ、 寸法、 形状等は目的に応じ て適宜選択することができ、 例えば無色あるいは有色ガラス、 網入りガラス、 ガ ラスプ口ック等が用いられる他、 無色あるいは有色の透明性を有する樹脂でも良 い。具体的には、 ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、 ポリアミ ド、 ポリスノレホン、 ポリエーテノレサノレホン、 ポリエーテノレエーテノレケトン、 ポリフエ 二レンサルフアイ ド、 ポリカーボネート、 ポリイミ ド、 ポリメチルメタクリレー ト、 ポリスチレン、 トリ酢酸セルロース、 ポリメチルペンテンなどが挙げられる。 なお、 本発明における透明とは、 1 0〜 1 00 %の透過率、 好ましくは 50 %以 上の透過率を有することであり、 また、 本発明における基板とは、 常温において 平滑な面を有するものであり、 その面は平面あるいは曲面であってもよく、 また 応力によって変形するものであってもよい。
また、 電極として作用する透明電極層としては、 本発明の目的を果たすもので ある限り特に限定されないが、 例えば金、 銀、 クロム、 銅、 タングステンなどの 金属薄膜、 金属酸化物からなる導電膜などが挙げられる。 金属酸化物としては、 例えば、 錫や亜鉛などの金属酸化物に、 他の金属元素を微量ドープした Indium Tin Oxide ( I TO ( I n 203: S n))、 Fluorine doped Tin Oxide (FTO (S n 02 : F))、 Aluminum doped Zinc Oxide (AZO (Z n O : A 1 )) などが 好適なものとして用いられる。
膜厚は通常、 50〜 5000 n m、 好ましくは 1 00〜 3000 nmである。 また、 表面抵抗 (抵抗率) は、 本発明の基板の用途により適宜選択されるところ であるが、 通常、 0. 5〜 500 Ω/ s q、 好ましくは 2〜 50 Ω/ s qである。 透明電極層の形成法としては、 特に限定されなく、 電極層として用いる前述の 金属や金属酸化物の種類により適宜公知の方法が選択使用されるところであるが、 通常、 真空蒸着法、 イオンプレーティング法、 CVDあるいはスパッタリング法 などが用いられる。 いずれの場合も基板温度 20〜700°Cの範囲内で形成され るのが望ましい。
もう一方の基板、 即ち、 対向基板は、 基板自身が導電性あるいは少なくとも一 方の面が導電性であればよく、 前述の透明な透明導電性基板でも、 また不透明な 導電性基板でも良い。 不透明な導電性基板としては、 種々の金属製電極のほか、 例えばガラス基板上に成膜された A u、 P t、 C rなどを挙げることができる。 本発明の光電変換素子において、 用いられる半導体層としては、 特に限定され ないが、 例えば、 B i 2S3、 C d S、 C d S e、 C dT e、 Cu I n S2、 C u I n S e 2、 F e 203、 G a P、 G aA s、 I n P、 Nb 205、 P b S、 S i、 S n 02、 T i 02、 W〇3、 Z n 0、 Z n S 等が挙げられ、 好ましくは C d S、 C d S e、 C u I n S2、 C u I n S e 2、 F e 23、 G a A s、 I n P、 N b 205、 P b S、 S n02、 T i 02、 W03、 Z n Oであり、 複数の組み合わ せであってもよい。 特に好ましくは T i〇2、 Z nO、 S n〇2、 Nb 25であ り、 最も好ましくは T i〇2、 Z nOである。
本発明に用いる半導体は単結晶でも多結晶でも良い。結晶系としては、例えば、 T i o2の場合は、 アナターゼ型、 ルチル型、 プルツカイ ト型などが主に用いら れるが、 好ましくはアナターゼ型である。 半導体層の形成には公知の方法を用い ることができる。
半導体層の形成方法としては、 上記半導体のナノ粒子分散液、 ゾル溶液等を、 公知の方法により基板上に塗布することで得ることが出来る。 この場合の塗布方 法としては特に限定されずキャスト法による薄膜状態で得る方法、 スピンコート 法、 ディップコート法、 バーコート法のほか、 スクリーン印刷法を初めとした各 種の印刷方法を挙げることができる。
また、別の方法として、文献 (Shigehito Deki, Yoshifumi Aoi, Osamu Hiroi and Akihiko Kajinami, Chem. Lett., 433 (1996), Kazuhiko Shimizu, Hiroaki Imai, Hiroshi Hirashima and Koji Tsukuma, Thin Solid Films, 351, 220 (1999)) に あるような液相微粒子成長法と呼ばれる方法や、 文献 (Tsutomu Miyasaka, Yujiro Kijitori, Takurou N. Murakami, Mitsuhiro Kimura and Sadao Uegusa, Chem. Lett., 1250 (2002).) のような電気泳動法、 文献 (S. Karuppuchamy, D.R Amalnerkar, K. Yamaguchi, T. Yoshida, T. Sugiura, H. moura, Chem. Lett., 78(2001), D. Schlettwein, T. Oekermann, T. Yoshida, M. Tochimoto, H.
Minoura, J. Electroanal. Chem., 481, 42(2000)) のような電着法、 文献 (H. Lindstrom, A. Holmberg, E. Magnusson, L. Maimqvist, A. Hagfeldt, J.
Photochem. Photobio A Chem., 145, 107 (2001)) のような加圧法により作製す ることもできる。
さらには、 より高性能な半導体層の作製法として、 文献 (Hideki Masuda and Kenji Fukuda, Science, 268, 1466 (1995)) にあるような高規則性ナノポーラス アルミナを铸型として用い、 その細孔内に上述した半導体層の作製方法を利用し て、高規則性の半導体層を作製することもできる。また、文献(Patrick Hoyer and Hideki Masuda, J. Mater. Sci. Lett., 15, 1228 (1996) , Patrick Hoyer, Langmuir, 12, 1411 (1996), S.-Z. Chu, K. Wada, S. Inoue, S. Todoroki, Chem. Mater. 14, 266(2002)) のようにな方法によっても高規則性の半導体層を作製す ることができる。
半導体層の厚みは任意であるが 0 . 5 μ πι以上、 5 0 /^ m以下、 好ましくは 1 a m以上 2 0 m以下である。
半導体層の光吸収効率を向上すること等を目的として、 種々の色素を半導体層 に吸着や含有させることが出来る。
本発明において用いる色素としては、 半導体層の光吸収効率を向上させる色素 であれば、 特に制限されるものではなく、 通常、 各種の金属錯体色素や有機色素 の一種または二種以上を用いることができる。 また、 半導体層への吸着性を付与 するために、 色素の分子中にカルボキシル基、 ヒドロキシル基、 スルホニル基、 ホスホニル基、 カルボキシルアルキル基、 ヒ ドロキシアルキル基、 スルホニルァ ルキル基、ホスホニルアルキル基などの官能基を有するものが好適に用いられる。 金属錯体色素としては、 ルテニウム、 オスミウム、 鉄、 コバルト、 亜鉛の錯体 や金属フタロシアニン、 クロロフィル等を用いることができる。 本発明において用いる金属錯体色素としては、以下のようなものが例示される。
(色素 1 )
Figure imgf000021_0001
で は、 一価のァニオンを示すが、 2つの Xは独立でも、 架橋されてい ていても良い。 例えば、 次のようなものが例示される (
"N=C=S "N=C=NAr CI" C=N
Figure imgf000022_0001
(色素 2 )
Figure imgf000022_0002
Figure imgf000022_0003
で X 2は、 一価のァニオンを示す。 例えば次のようなものが例示される <
Figure imgf000022_0004
Figure imgf000023_0001
Yとしては、 一価ァ-オンであって、 ハロゲンイオン、 S CN―、 C 1 04一、 B F4-、 CF3S〇3 -、 (CF3S02) 2N -、 (C2F5S02) 2N -、 PF6 -、 A s F6-、 CH3COOヽ CH3 (C6H4) S 03-、 および (C2F5S02) 3 c-等を挙げることができる。
(色素 3)
Figure imgf000023_0002
ここで Zは、 非共有電子対を有する原子団であって、 2つの Zは独立でも、 架 橋されていていても良い。 例えば、 次のようなものが例示される。
Figure imgf000023_0003
Yとしては、 一価ァニオンであって、 ハロゲンイオン、 S CN一、 C I O
B F C F ¾ S Ο (CF3S 02 ) 2N- (C2F5S02 ) 2N P F
A s F6—、 CH3COO—、 CH3 (C6H4) S〇3 、 および (C2F5S02) 3 C一等を挙げることができる。
(色素 4)
Figure imgf000024_0001
また、 有機色素としては、 シァニン系色素、 へミシァニン系色素、 メロシア二 ン系色素、 キサンテン系色素、 トリフエニルメタン系色素、 金属フリーフタロシ ァニン系色素を用いることができる。 本発明において用いる色素としては、 以下 のようなものが例示される。
Figure imgf000024_0002
Figure imgf000024_0003
Figure imgf000025_0001
Figure imgf000025_0002
色素を半導体層に吸着させる方法としては、 溶媒に色素を溶解させた溶液を、 半導体層上にスプレーコートゃスピンコートなどにより塗布した後、 乾燥する方 法により形成することができる。 この場合、適当な温度に基板を加熱しても良い。 または半導体層を溶液に浸漬して吸着させる方法を用いることも出来る。 浸漬す る時間は色素が十分に吸着すれば特に制限されることはないが、 好ましくは 1〜 3 0時間、 特に好ましくは 5〜2 0時間である。 また、 必要に応じて浸漬する際 に溶媒や基板を加熱しても良い。 好ましくは溶液にする場合の色素の濃度として は、 1〜1 0 0 0 mMZ L、 好ましくは 1 0〜 5 0 O mM/ L程度である。
用いる溶媒としては、 色素を溶解しかつ半導体層を溶解しなければ特に制限さ れることはないが、 メタノール、 エタノール、 1 _プロパノール、 2—プロパノ ール、 1ーブタノール、 2—ブタノール、 tーブタノールなどのアルコール、 ァ セトニトリル、 プロピオ二トリル、 メ トキシプロピオ二トリル、 グルタロニトリ ル、 などの二トリル系溶媒、 ベンゼン、 トルエン、 o—キシレン、 m—キシレン、 p—キシレン、 ペンタン、 ヘプタン、 へキサン、 シク口へキサン、 ヘプタン、 ァ セトン、 メチルェチルケトン、 ジェチルケトン、 2—プタノンなどのケトン、 ジ ェチノレエーテ^/、 テトラヒ ドロフラン、 エチレンカーボネート、 プロピレンカー ボネート、 ュトロメタン、 ジメチルホルムアミ ド、 ジメチルスルホキシド、 へキ サメチルホスホアミ ド、 ジメ トキシェタン、 γ—プチ口ラタ トン、 7一パレロラ タ トン、 スルホラン、 ジメ トキシェタン、 アジポュトリル、 メ トキシァセトニト リル、 ジメチルァセトアミ ド、 メチルピロリジノン、 ジメチルスルホキシド、 ジ ォキソラン、 スルホラン、 リン酸トリメチル、 リン酸トリェチル、 リン酸トリプ 口ピル、 リン酸ェチルジメチル、 リン酸トリプチル、 リン酸トリペンチル、 リン 酸トリへキシル、 リン酸トリへプチル、 リン酸トリオクチル、 リン酸トリノ-ル、 リン酸トリデシル、 リン酸トリス (トリフフロロメチル)、 リン酸トリス (ペン タフロロェチル)、 リン酸トリフヱニルポリエチレングリコール、 及ぴポリェチ レンダリコール等が使用可能である。
本発明の光電変換素子の例としては、 例えば、 図 1に示す断面を有する素子を 挙げることができる。 この素子は、 透明導電性基板 1 (基板 Α) 上に色素を吸着 した半導体層 3、 対向電極基板 2 (基板 Β ) を有しており、 そして、 半導体層 3 と対向電極基板 2の間にィォン伝導性フィルム 4が配置され、 周辺がシール部材 5で密封されている。 なお、 リード線は基板 Αと基板 Βの導電部分に接続され、 電力を取り出すことが出来る。
本発明の光電変換素子を用いて太陽電池を製造する方法は、 特に限定されない が、 通常、 色素を吸着した半導体層を有する基板 Aとイオン伝導性フィルムと基 板 Bを積層し、 公知の方法により、 周辺部を適宜シールすることにより容易に製 造することができる。 周辺部をシールする方法としては、 どちらかの基板にィォ ン伝導性フィルムを配した後、 その外側にシール材を配し、 もう片方の基板を合 わせる方法、 シールとィォン伝導性フィルムを同じ基板に配する方法等を利用す ることができる。
[発明を実施するための最良の形態]
以下に実施例を挙げ、 本発明を具体的に説明するが、 本発明はこれらになんら 制限されるものではない。
(実施例 1 )
(a) イオン伝導性フィルムの作製
ポリフッ化ビニリデン 1 gと 0. 6 m o 1 ZLのヨウ化リチウム、 0. lmo 1 ZLのョゥ素を含むプロピレンカーボネート溶液を 4 g添加し、 ァセトンにて 希釈し加熱し均一溶液を得た。 この溶液をポリテトラフロロエチレン基板上にド クタ一ブレード法で塗布し、 加熱乾燥をし、 1 00 μ m厚の均一なイオン伝導性 フイノレムを得た。
このフィルムを P tをスパッタ処理した 2枚の NE S Aガラス (電極) に挟み、 電極間に 1 Vの電圧を印加した。電流値は 3. 5 mAで一定値となったことから、 可逆な電気化学的酸化還元特性を示すものであり、 また、 拡散係数は 1. 1 X 1 0一6 c m2/ sであり、 十分なイオン伝導性等の性能を示した。
(b) 光電変換素子の作製
フィルム抵抗値 1 0 Ω/ s qの S n 02: Fガラス (ガラス基板上に S n 02: F膜を形成した透明導電性ガラス) 上に S OLARON I X社製 T i -N a n o x i d e T をバーコートして乾燥させた。 パーコートの際には、 膜厚が均一に なるよう、 透明導電性ガラスのサイ ド にスコッチテープを貼り付けた。 塗布し た基板を、 500°Cで 30分焼成し半導体層を形成した。 これを下記式で示され るルテニウム色素/エタノール溶液 (3. 0 X 1 0_4m o 1 /L) に 1 5時間 浸し、 色素を吸着させた。
次に、 色素を吸着した半導体層の上側に、 先に得られたイオン伝導性フィルム を載せ、 周辺部を EVAフィルムで囲った。 最後に、 P t薄膜のついたガラスの P t面をイオン伝導フィルム側にして挟み光電変換素子とした。
このようにして得たセルに疑似太陽光を照射し電流電圧特性を測定したところ、 光電変換効率は、 3. 8%であり、 良好な光電変換特性を示した。
Figure imgf000028_0001
(実施例 2 )
(a) イオン伝導性フィルムの作製
ポリフッィ匕ビニリデン 1 gと 0. 6 m o 1 /Lのヨウ化リチウム、 0. 5 m o 1の過塩素酸リチウム、 0. 1 mm o 1 Lのヨウ素を含む γ—ブチロラタトン 溶液を 4 g添加し、 溶液を得た後、 実施例 1と同様の方法で、 1 00 μ m厚の均 一なイオン伝導性フィルムを得た。
このフィルムを P tをスパッタ処理した 2枚の NE S Aガラス (電極) に挟み、 電極間に 1 Vの電圧を印加した。電流値は 2. 6mAで一定値となったことから、 可逆な電気化学的酸化還元特性を示すものであり、 また、 拡散係数は 8 X 1 0一 7 cm2/ sであり、 十分なィオン伝導性等の性能を示した。
(b) 光電変換素子の作製
実施例 1と同様の方法で、 光電変化素子を作製し、 電流電圧特性を測定したと ころ、 光電変換効率は、 3. 3%であり、 良好な光電変換特性を示した。
(実施例 3 )
(a) イオン伝導性フィルムの作製
実施例 1と同様の溶液をポリテトラフロロエチレン基板上にドクターブレード 法で塗布し、加熱乾燥をし、 1 00 μ m厚の均一なイオン伝導性フィルムを得た。 このフィルムを実施例 1と同様の方法により電圧を印加し電流特性を測定した ところ、 可逆な電気化学的酸化還元特性を示すものであり、 また、 拡散係数は 1 X 1 0— 6 cm2/ sであり、 十分なイオン伝導性等の性能を示した。
(b) 光電変換素子の作製
周囲をスコッチテープでマスクした、 フィルム抵抗値 1 0 Ω/ s qの I TO付 き PETフィルム上に日本エア口ジル社製 P— 25 1 gを水 4m Lに分散した 溶液を塗布し、 風乾した後、 120°Cで 3時間乾燥させ、 半導体層とした。 これ を実施例 1 と同様のルテユウム色素 Zエタノール溶液 (3. 0 X 1 0— 4mo l /L) に 1 5時間浸し、 色素を吸着した。 色素を吸着した半導体層の周囲に EV Aフィルムで囲み、 P t薄膜のついた I TO付き P ETフィルムの P t面を前記 ィォン伝導フィルム側にして挟さみ光電変換素子とした。
このようにして得たセルに疑似太陽光を照射し電流電圧特性を測定したところ、 光電変換効率は、 2. 2%であり、 良好な光電変換特性を得た。
(実施例 4 )
(a) イオン伝導性フィルムの作製
フッ化ビニリデン一へキサフルォロプロピレン一ァクリル酸共重合体 (KF— 9300、 呉羽化学製) 0. 8 gと 0. 5mo l /Lのヨウ化 1一プロピル一 2, 3ジメチルイミダゾリ ゥム、 0. Imo l ZLの L i l、 0. O Smo l ZLの ヨウ素、 0 · 5mo 1 ZLの 4一 t—ブチルピリジンを含む 3—メ トキシァセト キトリル溶液を 4 g添加し、 アセトンにて希釈し加熱し均一溶液を得た。 この溶 液をエンボス加工したポリエチレンテレフタレート (PET) フィルム上にドク ターブレード法で塗布し、 室温で乾燥し、 100 μ m厚の均一なイオン伝導性フ イノレムを得た。
このフィルムを P tをスパッタ処理した 2枚の NE S Aガラス (電極) に挟み、 電極間に 1 Vの電圧を印加した。 電流値は 4mAで一定値となったことから、 可 逆な電気化学的酸化還元特性を示すものであり、 また、 拡散係数は 5. 3 X 10 _6 c m2/ sであり、 十分なイオン伝導性等の性能を示した。
(b) 光電変換素子の作製
フィルム抵抗値 1 Ο Ω/s qの S n02 : Fガラス (ガラス基板上に S n02: F膜を形成した透明導電性ガラス) 上に S OLARON I X社製 T i一 N a n o x i d e T をバーコートして乾燥させた。 パーコートの際には、 膜厚が均一に なるよう、 透明導電性ガラスのサイ ドにスコッチテープを貼り付けた。 塗布した 基板を、 500°Cで 30分焼成し半導体層を形成した。 半導体層の膜厚は 12 m であった。 これをルテニウム色素 (S O L ARON I X社製 R u t e n i u m 5 3 5 - b i s TBA) Zエタノール溶液 (5. 0 X 1 0— 4mo l ZL) に 30時間浸し、 色素を吸着させた。
次に、 色素を吸着した半導体層の上側に、 先に得られたイオン伝導性フィルム を載せ、 周辺部を EVAフィルムで囲った。 最後に、 P t薄膜のついたガラスの P t面をィオン伝導フィルム側にして挟み光電変換素子とした。
このようにして得たセルに疑似太陽光を照射し電流電圧特性を測定したところ、 光電変換効率は、 6. 0%であり、 良好な光電変換特性を示した。
(実施例 5 )
(a) イオン伝導性フィルムの作製
フッ化ビ二リデン一へキサフルォロプロピレン一ァクリル酸共重合体 (KF—
9300、 吳羽化学製) 0. 8 gと 5mass%の水、 0. 5mo l /Lの L i l、 0. Smo l /Lのヨウ素、 0. 5 m o 1 /Lの 4一 t—ブチルピリジンを含む 3ゥ化 1一ェチル一 3—メチルイミダゾリゥム溶液を 4 g添加し、 ァセトンにて 希釈し加熱し均一溶液を得た。 この溶液をエンボス加工したポリエチレンテレフ タレート (PET) フィルム上にドクターブレード法で塗布し、 室温で乾燥し、
100 m厚の均一なイオン伝導性フィルムを得た。
このフィルムを P tをスパッタ処理した 2枚の NE S Aガラス (電極) に挟み、 電極間に 1 Vの電圧を印加した。電流値は 3. 5 mAで一定値となったことから、 可逆な電気化学的酸化還元特性を示すものであり、 また、 拡散係数は I X 1 0一 6 c m 2Z sであり、 十分なィオン伝導性等の性能を示した。
(b) 光電変換素子の作製
フィルム抵抗値 1 θ Ω/s qの S n〇2 : Fガラス (ガラス基板上に S n02 : F膜を形成した透明導電性ガラス) 上に S OLARON I X社製 T i一 N a n o x i d e T をバーコートして乾燥させた。 バーコートの際には、 膜厚が均一に なるよう、 透明導電性ガラスのサイドにスコッチテープを貼り付けた。 塗布した 基板を、 500°Cで 30分焼成し半導体層を形成した。 半導体層の膜厚は 1 2 m であった。 これをルテニウム色素 (S O L ARON I X社製 R u t e n i u 0304434 m 5 3 5 - b i s TBA) Zエタノール溶液 ( 5. 0 X 1 0— 4m o 1 /L) に 30時間浸し、 色素を吸着させた。
次に、 色素を吸着した半導体層の上側に、 先に得られたイオン伝導性フィルム を载せ、 周辺部を EVAフィルムで囲った。 最後に、 P t薄膜のついたガラスの P t面をイオン伝導フィルム側にして挟み光電変換素子とした。
このようにして得たセルに疑似太陽光を照射し電流電圧特性を測定したところ、 光電変換効率は、 4. 5%であり、 良好な光電変換特性を示した。
(実施例 6 )
フィルム抵抗値 1 O QZs qの S n〇2: Fガラス (ガラス基板上に S n02: F膜を形成した透明導電性ガラス) 上に、文献(S,Z. Chu, K. Wada, S. Inoue, S. Todoroki, Chem. Mater. 14, 266(2002)) に従い, 図 2のような規則構造を有す る酸化チタン電極を作製した (図 2中の数字は図 1と同じ)。 これをルテニウム 色素 (SOLARON I X社製 Ru t e n i um5 3 5— b i s TBA) Zエタ ノール溶液 (5. 0 X 1 0— 4mo 1 /L) に 30時間浸し、 色素を吸着させた。 次に、 色素を吸着した半導体層の上側に、 実施例 5で得られたイオン伝導性フ イルムを載せ、 周辺部を EVAフィルムで囲った。 最後に、 P t薄膜のついたガ ラスの P t面をイオン伝導フィルム側にして挟み光電変換素子とした。
このようにして得たセルに疑似太陽光を照射し電流電圧特性を測定したところ、 光電変換効率は、 6%であり、 良好な光電変換特性を示した。
[産業上の利用分野]
本発明の光電変換素子は、 電解質が固体であり、 高いイオン伝導性、機械強度、 経時安定性を有するなどの優れた特性を有する。 また、本発明の光電変換素子は、 電解質層がフィルム状であることから簡便に製造することが可能である。
[図面の簡単な説明]
図 1は、 光電変換素子の断面を示す図である。
図 2は、 実施例 6で用いた酸化チタン電極の規則構造を示す図である。

Claims

請 求 の 範 囲
1 . 電解質層を電荷移動層とした光電変換素子であって、 前記電解質層 が可逆な電気化学的酸化還元特性を示すイオン伝導性フィルムであることを特徴 とする光電変換素子。
2 . 前記イオン伝導性フィルムが、 高分子マトリ ックスに、 少なくとも 可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質を含有してなるイオン伝導性フィルム であることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の光電変換素子。
3 . 前記イオン伝導性フィルムが、 (a ) 高分子マトリ ックスに、 少な くとも (b ) 可塑剤および (c ) 可逆な電気化学的酸化還元特性を示す物質を含 有してなるィォン伝導性フィルムであること'を特徴とする請求の範囲第 1項に記 載の光電変換素子。
4 . 前記高分子マトリッタスがポリフッ化ビニリデン系高分子化合物で あることを特徴とする請求の範囲第 2項又は第 3項に記載の光電変換素子。
5 . 前記ポリフッ化ビ二リデン系高分子化合物がフッ化ビニリデンとへ キサフロロプロピレンとァクリル酸の共重合体であることを特徴とする請求の範 囲第 4項に記載の光電変換素子。
6 . 前記可塑剤が常温溶融塩類であることを特徴とする請求の範囲第 3 項に記載の光電変換素子。
PCT/JP2003/004434 2002-04-08 2003-04-08 Élément de conversion photoélectrique WO2003085773A1 (fr)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE60333990T DE60333990D1 (de) 2002-04-08 2003-04-08 Fotoelektrisches umwandlungselement
AT03715784T ATE480017T1 (de) 2002-04-08 2003-04-08 Fotoelektrisches umwandlungselement
EP03715784A EP1494308B1 (en) 2002-04-08 2003-04-08 Photoelectric conversion element
JP2003582852A JPWO2003085773A1 (ja) 2002-04-08 2003-04-08 光電変換素子
US10/958,625 US20050098206A1 (en) 2002-04-08 2004-10-05 Photoelectric converting device

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002-105792 2002-04-08
JP2002105792 2002-04-08

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
US10/958,625 Continuation US20050098206A1 (en) 2002-04-08 2004-10-05 Photoelectric converting device

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2003085773A1 true WO2003085773A1 (fr) 2003-10-16

Family

ID=28786399

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2003/004434 WO2003085773A1 (fr) 2002-04-08 2003-04-08 Élément de conversion photoélectrique

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP1494308B1 (ja)
JP (1) JPWO2003085773A1 (ja)
AT (1) ATE480017T1 (ja)
DE (1) DE60333990D1 (ja)
WO (1) WO2003085773A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007012545A (ja) * 2005-07-04 2007-01-18 Sony Corp 色素増感光電変換素子、色素増感光電変換素子の製造方法、光電変換素子モジュール、電子機器、移動体および発電システム
JP2008243701A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Gifu Univ 色素増感型太陽電池用光電極および色素増感型太陽電池用光電極の製造方法
US7572396B2 (en) * 2004-12-20 2009-08-11 Konarka Technologies, Inc. Patterned photovoltaic cell

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4740613B2 (ja) 2005-03-03 2011-08-03 富士フイルム株式会社 半導体、機能性素子、エレクトロクロミック素子、光学デバイス及び撮影ユニット

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1186631A (ja) * 1997-09-11 1999-03-30 Tdk Corp 高分子固体電解質、リチウム2次電池および電気2重層キャパシタ
JPH11329519A (ja) * 1998-04-27 1999-11-30 Minnesota Mining & Mfg Co <3M> 光電池
JP2000306605A (ja) * 1999-04-22 2000-11-02 Dainippon Ink & Chem Inc 活性エネルギー線硬化性高分子固体電解質およびその製造方法
JP2001143771A (ja) * 1999-11-12 2001-05-25 Fuji Photo Film Co Ltd 光電変換素子および光電池
JP2001167807A (ja) * 1999-12-08 2001-06-22 Fuji Photo Film Co Ltd 光電変換素子および光電気化学電池
JP2002063813A (ja) * 2000-08-22 2002-02-28 Daiso Co Ltd エーテル化合物からなるゲル電解質及びそれを用いた電気化学素子
JP2002251917A (ja) * 2001-02-23 2002-09-06 Nippon Mitsubishi Oil Corp イオン伝導性シート

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002067272A1 (en) * 2001-02-23 2002-08-29 Nippon Oil Corporation Ionically conducting sheet
JP4126019B2 (ja) * 2002-03-07 2008-07-30 新日本石油株式会社 光電変換素子

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1186631A (ja) * 1997-09-11 1999-03-30 Tdk Corp 高分子固体電解質、リチウム2次電池および電気2重層キャパシタ
JPH11329519A (ja) * 1998-04-27 1999-11-30 Minnesota Mining & Mfg Co <3M> 光電池
JP2000306605A (ja) * 1999-04-22 2000-11-02 Dainippon Ink & Chem Inc 活性エネルギー線硬化性高分子固体電解質およびその製造方法
JP2001143771A (ja) * 1999-11-12 2001-05-25 Fuji Photo Film Co Ltd 光電変換素子および光電池
JP2001167807A (ja) * 1999-12-08 2001-06-22 Fuji Photo Film Co Ltd 光電変換素子および光電気化学電池
JP2002063813A (ja) * 2000-08-22 2002-02-28 Daiso Co Ltd エーテル化合物からなるゲル電解質及びそれを用いた電気化学素子
JP2002251917A (ja) * 2001-02-23 2002-09-06 Nippon Mitsubishi Oil Corp イオン伝導性シート

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
WATARU KUBO ET AL.: "Yoyu'en gel denkaishitsu o mochiita shikiso zokan taiyo denchi", THE ELECTROCHEMICAL SOCIETY OF JAPAN DAI 69 KAI TAIKAI KOEN YOSHISHU, 1 April 2002 (2002-04-01), TOKYO, pages 256, XP002968896 *

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7572396B2 (en) * 2004-12-20 2009-08-11 Konarka Technologies, Inc. Patterned photovoltaic cell
US8168087B2 (en) 2004-12-20 2012-05-01 Konarka Technologies, Inc. Patterned photovoltaic cell
JP2007012545A (ja) * 2005-07-04 2007-01-18 Sony Corp 色素増感光電変換素子、色素増感光電変換素子の製造方法、光電変換素子モジュール、電子機器、移動体および発電システム
JP2008243701A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Gifu Univ 色素増感型太陽電池用光電極および色素増感型太陽電池用光電極の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP1494308B1 (en) 2010-09-01
DE60333990D1 (de) 2010-10-14
ATE480017T1 (de) 2010-09-15
JPWO2003085773A1 (ja) 2005-08-18
EP1494308A4 (en) 2008-12-24
EP1494308A1 (en) 2005-01-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2003103085A1 (ja) 光電変換素子
KR101945434B1 (ko) 리간드-금속산화물층을 포함하는 자기구동 전기변색소자
JP4528082B2 (ja) 導電性パターンを有する電極基板および太陽電池
JP4948029B2 (ja) 色素増感型太陽電池
Theodosiou et al. Gel electrolytes for partly covered photoelectrochromic devices
JP4741263B2 (ja) チタニアナノアレイ電極の製造方法およびそれを用いた光電変換素子
JP5000162B2 (ja) 色素増感型太陽電池
JP2006244919A (ja) 光電変換素子
JP2006324111A (ja) フレキシブル色素増感太陽電池
JP2006286534A (ja) フレキシブル色素増感太陽電池
WO2003085773A1 (fr) Élément de conversion photoélectrique
JP2005044697A (ja) 光電変換素子
JP4931402B2 (ja) 光電変換素子
JP4676733B2 (ja) 酸化チタン電極の製造方法および光電変換素子の製造方法
JP4648635B2 (ja) 光電変換素子の製造方法
JP5540744B2 (ja) 光電変換素子
JP4804050B2 (ja) 光電変換素子
JP2005150278A (ja) 電極および機能性素子
JP2005044696A (ja) 光電変換素子
JP4778217B2 (ja) 電極基板および色素増感型太陽電池
US20050098206A1 (en) Photoelectric converting device
JP2006134827A (ja) 電極および色素増感型太陽電池
JP4947882B2 (ja) 光電変換素子
JP2004103374A (ja) 光電変換素子
JP2005243261A (ja) 電解質組成物および光電変換素子

Legal Events

Date Code Title Description
AK Designated states

Kind code of ref document: A1

Designated state(s): JP US

AL Designated countries for regional patents

Kind code of ref document: A1

Designated state(s): AT BE BG CH CY CZ DE DK EE ES FI FR GB GR HU IE IT LU MC NL PT RO SE SI SK TR

121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application
WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 2003582852

Country of ref document: JP

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 2003715784

Country of ref document: EP

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 10958625

Country of ref document: US

WWP Wipo information: published in national office

Ref document number: 2003715784

Country of ref document: EP