WO2003078174A1

WO2003078174A1 - Papier pour impression par jet d'encre

Info

Publication number: WO2003078174A1
Application number: PCT/JP2003/002958
Authority: WO
Inventors: Akinobu Chatani; Noriko Kumazawa; Makoto Hasegawa; Yuji Ozawa; Takehiro Yoshimatsu
Original assignee: Nippon Paper Industries Co., Ltd.
Priority date: 2002-03-15
Filing date: 2003-03-12
Publication date: 2003-09-25
Also published as: JP3891576B2; JPWO2003078174A1; AU2003213331A1

Description

明細書インクジエツト記録用紙技術分野

本発明は、水溶性染料あるいは顔料からなるィンクを用いて記録する被記録材に関し、特に高速プリンタに対応し得るインク吸収性能と共に高い発色性を有する普通紙タイプのインクジエツト記録用紙に関する。背景技術

ィンクジェット記録方式は、ィンクの微小液滴を各種の方式によって飛翔させ、紙などの記録用紙に付着させて画像や文字を形成する記録方式である。この記録方式は、高速化及びフルカラー化が容易である上記録時の騒音が低く、装置が低価格なこともあつて近年目覚ましヽ普及を遂げてヽる。特に最近のフル力ラーインクジェットプリンタ一は、ィンク滴の微小化ゃィンクの改良が大幅に進んだ結果、銀塩写真に迫る高解像度と高階調性を実現しており、デジタルカメラ等で撮影したデジタル画像を直接インクジエツトプリンターで印刷するユーザーも増加しつつある。

しかしながら、インクジェットプリンタ一は個人向けとして大きく普及したものの、フルカラーで出力した際の速度がレーザービームプリンタ一等と比較すると遅い為に、事務用には不便である。このため、インクジェットプリンターがさらに発展を遂げるためには、現在の画質を保ちながら高速化していくことが求められる。そこで、インクジェット記録媒体の一つである紙にも、それに対応する性能が求められるようになつてきた。即ち、インクジェット用記録紙の最も基本的な条件であるインキの吸収性が従来以上に求められ、紙表面に付着したインクが速やかに紙層内部に吸収されることが求められるようになった。

一般に、ィンクジエツト記録用紙は、風合いがいわゆる上質紙 · P P C用紙に似ている普通紙タイプのものと、インク受理層を明確に有する塗工紙タイプのものに大別される。このうち、普通糸氏タイプのインクジェット記録用紙は、インク受理層を設けない、または、設けたとしてもごくわずかであるため電子写真記録方式や鉛筆、ペン等の一般筆記にも適し、また、コスト的にも安価である一方、塗工紙タイブのインクジェット記録用紙と比較してインク吸収性が劣る。

普通紙タイプのインクジエツト記録用紙のインク吸収性を向上させるため、従来から様々な試みが行われている。例えば、特開昭 6 3 - 3 1 7 3 8 0号公報には、紙中の炭酸カルシウムが 5〜1 5重量％である紙の表面に、ポリビュルアルコール溶液を塗工したインクジエツト記録用紙が開示されているが、この用紙ではインク吸収†生が不充分であり、またインクが内部まで浸透するため、画像の発色が著しく劣るという欠点があった。

また、インクジェット記録方式では、色剤が水性の染料である染料ィンクと色剤が顔料である顔料インクとが印字目的に応じて使い分けられており、それぞれのインクに対して専用の記録用紙が設定されている場合もある。しかしながら、インクによつて記録用紙を使、分けることは煩雑であり、記録用紙の共通化が求められている。特開 2 0 0 1— 1 7 2 2 3号公報には、ゼォライトゃシリカ等、吸油量が l O O m l Z l O O g以上の填料を含有した再生パルプを含有させたィンクジェット記録用紙が開示されている。この場合には、染料インクに対する適性は良好であるものの、顔料ィンクに対する適性が十分でな、という欠点があつナ'

さらに、このように吸油量の大きい填料は記録用紙のィンク吸収性を改善する効果はあるものの、インクジェットプリンター内における用紙搬送時に、紙中の填料がプリンターの紙送りロールに付着し、紙送りが出来ない等のトラブルが発生するという問題があった。

従って本宪明は、ィンクが水溶性染料ィンクであるカゝ顔料ィンクであるかにかかわらず、高速インク吸収性及び発色性に優れた、普通紙タイプのインクジエツト記録用紙を提供することを目的とする。

また、本発明の他の目的は、インク吸収性の優れた普通紙タイプのインクジェット記録用紙であって、特にプリンターによる用紙搬送性に優れたインクジエツト記録用紙を提供することを目的とする。発明の開示

本発明の上記の諸目的は、天然繊維パルプとゼォライトを均一に混和してなる抄紙シートに、二価以上の金属を含む水溶性無機塩及ぴカチオン性樹脂を塗工もしくは含侵させてなるインクジェット記録用紙によつて達成された。

本発明のィンクジェット記録用紙は、特に、 J . TAPP I紙パルプ試験方法 No. 51に記載されている、紙及び板紙の液体吸収性試^^法（プリスト一法）における、記録面の吸収係数が 1 Om 1 /m²m s e c °· ⁵以上であることが好ましい。

さらに、分子内にシラノール基を有するポリビエルアルコールを塗工液中に含有させた場合には、搬送性のより優れたィンクジェット記録用紙を得ることがでさる。発明を実施するための最良の形態

本発明における抄紙シ一トの原料パルプとしては、従来から慣用されている天然繊維パルプを用いることができる。例えば広葉樹晒クラフトパルプ（LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ（NBKP)、広葉樹晒サルフアイトパルプ（LBSP)、針葉樹晒サルフアイトノヽ °ルプ（NB S P) 等の化学パルプや、砕木パルプ（GP)、サーモメカニカルパルプ（TMP) 等の機械パルプといった木材パルプを使用することができるだけでなく、コットンパルプや麻、バガス、ケナフ、エスパノレト、楮、三椏、雁皮等の非; Wパルプも用いることができる。

本発明においては、抄紙シートの内添填料として、特にゼォライトを使用する。ゼォライトは、主たる組成として、例えば S i O₂約 67〜71%、 Al ₂0₃約 10〜12%、 N a ₂0約 6%を含む白色の合成顔料であって、工業的には、微細な無定形の粒子が得られるような条件で、ゲル化を防ぎながら可溶性の珪酸塩を酸やアルカリ土類金属塩などによって沈殿させることによって製造される。このゼオライトを使用することにより、基紙に嵩高性が与えられると共に、インクの吸収性が向上する。また、ゼォライト自体も吸収性に優れた填料であるので、インクの面の広がりを抑えることができ、発色性も向上する。使用するゼォライトの平均粒子径は、基紙に嵩高性を与えるという観点から 1〜 10 μ mであることが好ましく、特に 3〜8 μ ιηであることが好ましい。また、インク吸収性を向上させるという観点からは、 B E T比表面積が 3 0〜1 5 0 m ²/ gであることが好ましく、特に 5 0〜1 0 O m^/ gであることが好ましい。

本発明においては、上記ゼォライトの添加量に特に制限は無いが、少なすぎると効果が薄く、多すぎると紙の腰が弱くなつて強度も低下するため、高速プリンターには不適格となる傾向となる。従って、本発明では天然繊維パルプ 1 0 0重量部に対してゼォライトを 2〜1 4重量部添加することが好ましい。

本発明に用いる二価以上の金属を含む水溶性無機塩としては、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム等の塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩等が使用される力水溶性液が無色透明に近い塩酸塩を使用することが好ましい。例えば塩化セリゥム等の重金属を含む塩も使用することが出来る。上記水溶性無機塩の塗工液中における配合量が多くなると、インクジエツト記録用紙に多量の水溶性無機塩が含有されることになり、印字画像の変色等の問題が発生し易くなる。従って、水溶性無機塩はインクジエツト記録用紙中に 0 . 1 g Zm²以上 2 g /m²以下の範囲で含有されることが好ましい。水溶性無機塩の含有量は、塗工液への配合量や、塗布又は含浸量によつて調整できる。

本発明に用いるカチオン性樹脂には、特に制限はないが、例えば、ジシアンジアミド'アルキルァミン系髙分子化合物、ジシアンジァミド ·ホルマリン系高分子化合物、ポリエチレンィミン誘導体、アルキルァミン ·ェピクロルヒドリン系高分子化合物、アンモニア ·ェピクロルヒドリン系高分子化合物、ポリメタタリル酸系 4級ァンモユウム塩誘導体、ジメチルジァリルアンモニゥムクロライド系重合体等、通常ィンク定着剤などとして市販されてレヽる薬品を挙げることができる。

本発明においては、前記の二価以上の金属イオンを含有する水溶性無機塩と力チオン性樹脂とを、水又は水を主成分とする溶媒を用いて溶解し、水性の塗工液とする。原紙に均一に塗布又は含浸させるという観点から、前記塗工液の濃度（固形分）は 1 0重量％以下であることが好ましい。また、本発明においては、前記塗工液を、例えば片面あたり乾燥固形分で 0 . 2〜3 g /m ²という低塗工量で塗布又は含浸させる。従って、本発明においては原 «面に厚みを有する塗工層は形成されない。例えば、本努明のインクジェット記録用紙の断面を顕微鏡等で観察した場合、塗工液中の固形分（カチオン性樹脂や無機塩等）が原紙のパルプ ■に付着していることは観察できる力塗工層を観察することはできない。塗ェ液の濃度を高くして塗工量を大きくすると、原紙表面に塗工層が形成される力このようにすると、粉落ちが発生するだけでなく普通紙としての風合いが損なわれる。

上記の水溶性無機塩及ぴカチオン性樹脂を含有する塗工液を紙に塗布又は含浸させることにより、インクジェットプリンターで印字した際、表面近傍にインクを留める事が出来、高い印字濃度を実現することが出来る。この時、顔料インクに対しては水溶性無機塩が、染料ィンクに対してはカチオン性樹脂が主に作用すると考えられる。

本発明においては、前記塗工液中に分子内にシラノール基を有するポリビュルアルコールを含有させることが好ましい。本発明でいうシラノール基を有するポリビュルアルコールとは、ポリビエルアルコールの持つ水酸基もしくはァセチル基の一部がシラノール基に置換えられたものを指し、一般に、シラノール変性ポリビュルアルコールと呼ばれる。通常、ポリビュルアルコールは、工業的には酢酸ビュルを重合し、得られたポリ酢酸ビュルをケン化する事により得られるが、酢酸ビエルの一部をトリエトキシビュルシランのようなトリアルコキシシラン基を持つビュルモノマーに置き換えて共重合し、アル力リ中でケン化を行うことにより、シラノール基を有するポリビュルアルコールを得ることが出来る。

本宪明においては、分子内にシラノール基を有するポリビエルアルコールを含有する塗工液を、ゼォライト內添の抄紙シートに塗工することにより、記録紙中のゼオライトの脱落を抑制することが出来る。これは、シラノール基が持つアルミゃ珪素との高い反応性により、シラノール基を持つポリビュルアルコールとゼオライトとの間に分子間架橋が生じるためと考えられる。また、シラノーノレ基は紙中に存在する硫酸バンドのアルミともするため、記録紙表面にとどまりやすく、結果として表面強度が向上すると考えられる。

本発明のシラノ一ル基を有するポリビュルアルコールの熏合度は 1， 0 0 0以下であることが好ましい。重合度が 1 , 0 0 0を越えると塗工液の粘度が大きくなり、塗工適性が劣る傾向にある。

記録紙中のシラノ一ル基を有するポリビエルアルコールの含有量が少なすぎると効果がでず、逆に含有量が多すぎるとインクの浸透性が悪くなり、またコスト高にもなるので好ましくない。従って、シラノール基を有するポリビエルアルコ一ルは記歸紙中に片面あたりの固形分で 0 . 2 5〜 2 . 5 g /m ²の範囲で含有させることが好ましい。

本発明においては、前記シラノール基を有するポリビュルアルコールと同時に、澱粉を含有させることで表面強度を更に向上することが可能となる。本発明においてはいずれのタイプの澱粉を用いることが可能である。好ましい配合比はシラノル基を有するポリビエルアルコール：澱粉が重量比で 1： 1〜 1 ： 9であり、より好ましレヽ配合比は 1 ： 1〜： L ： 5である。

また、上記塗工液には、本発明の効果を損なわない範囲で、サイズ剤、消泡剤、 p H調整剤、染料や有色又は白色の顔料、蛍光染料、水溶性榭脂、水分散性樹脂等を配合することができるが、普通紙の触感を損なわないためには、塗工液中に顔料を配合しない事が好ましい。

本発明における抄紙シートの抄紙方法は特に限定されるものではなく、長網抄紙機、丸網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等を用いて適宜抄紙される。このようにして得られた抄紙シートには、必要に応じてサイズ剤、消泡剤、 p H調整剤、色相を調整するための染料や有色顔料、視感的白さを向上させるための蛍光染料等を更に内添させておくこともできる。ただし、サイズ剤はインク吸収 1"生を悪化させるので、その使用量はできる限り少量であることが好ましく、添加しないこ 'とが特に好ましい。

本発明の記録用紙は、上記の抄紙シートに塗工液を塗工もしくは含侵させることによって製造する。この場合の、塗工もしくは含侵させる手段としては、各種ブレードコーター、ローノレコーター- エアーナイフコーター、ノーコーター- 力一テンコーター、グラビアコーター、ゲートロールコーター等の公知の塗工装置を用いることができる。本発明においては、前記抄紙シートの片面又は両面に上記塗工液を塗工することができるが、操業性やコストの観点から、オンマシンで両面同時に塗工できるサイズプレス塗工方法を用いることが好ましい。更に、表面仕上げとして、マシンカレンダー、ソフトカレンダー、スーパーカレンダ一等の各種力レンダー装置を単独で又は併用して使用することができる。実施例

以下に、本発明の記録用紙を比較例と対比してより具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中の「％」は全て「重量％」、「部」は全て「重量部」を表す。

実施例 1.

濾水度 35 Oml C. S. F. の L B K P 100部に、ゼォライト（平均粒子径 5. 5 Mm, BET比表面積 62m²/g) 4部、硫酸バンド 1, 5部、及び歩留まり向上剤 0. 02部を添加して手抄シートを作製した。乾燥後、 2ロースサイズプレス装置を用い、無機塩として塩化マグネシウムを 1. 5部、及び力チオン性樹脂としてアルキルアミン ·アンモニア■ェピクロルヒドリン重縮合物を 0. 5部含有する塗液を、両面で、塗工量が固形分で 2 gZm²となるように塗布し、坪量が 74 g /m ²の記録用紙を得た。

実施例 2.

ゼォライトの添加量を 12部に変更したこと以外は、実施例 1と同様にして坪量が 74 gZm ²の記録用紙を得た。

実施例 3.

実施例 1で使用した塩化マグネシゥムの代りに塩化アルミエゥムを使用したこと以外は、実施例 1と同様にして坪量が 74 g/m ²の記録用紙を得た。

実施例 4.

実施例 1で使用した塩化マグネシウムの代りに塩化マンガンを使用したこと以外は、実施例 1と同様にして坪量が 74 gZm ²の記録用紙を得た。

実施例 5.

実施例 1で使用した塩化マグネシウムの代りに塩化カルシウムを使用したこと以外は、実施例 1と同様にして坪量が 74 g Zm ²の記録用紙を得た。

実施例 6.

実施例 1で使用した塩化マグネシウムを 0. 15部とし、塗工量を両面で 0. 65 gZm²としたこと以外は、実施例 1と同様にして、坪量が 74 gZm²の記録用紙を得た。

比較例 1.

ゼォライト 4部の代わりに炭酸カルシウムを 4部添加したこと以外は、実施例 1と同様にして坪量が 74 gZm ²の記録用紙を得た。

比較例 2.

ゼォライト 4部の代わりに炭酸カルシウムを 12部添加したこと以外は、実施例 1と同様にして坪量が 74 g /m ²の記録用紙を得た。

比較例 3.

ゼォライトを使用しなかったこと以外は、実施例 1と同様にして坪量が 74 g ノ m ²の記録用紙を得た。

比較例 4.

実施例 1で使用した塩化マグネシウムの代りに塩化ナトリゥムを使用したこと以外は、実施例 1と同様にして坪量が 74 g /m ²の記録用紙を得た。

比較例 5.

無機塩を使用しなかったこと以外は、実施例 1と同様にして坪量が 74 gZm ²の記録用紙を得た。

比較例 6.

カチオン性樹脂を使用しなかったこと以外は、実施例 1と同様にして坪量が 7 4 g/m²の記録用紙を得た。

実施例 1〜 5及ぴ比較例 1〜 6で得られた各記録用紙にっ、て、インクジエツト記録試験及びィンク吸収性試験を以下の方法によって行った。結果は表 1にまとめた通りである。

(1) インクジエツト記録試験

巿販のインクジェットプリンター（D e s k J e t 955 C : ヒューレットパッカード株式会社製の商品名）を用いて所定のパターンを記録し、印字濃度を測定して評価した。

(2) ブリストウ試験

記録紙のィンク吸収性を J . TAPP I 紙パルプ試験方法 No. 51記載のブリストー法によって評価した。吸収時間の平方根を横軸にとり、転移量を縦軸とした際の傾きを吸収係数とした。

( 3 ) ドット間にじみ

上記インクジエツトプリンターを用いて、 2 0 %の網掛けで緑色のパターン印字を行い、異なった色のドットの隣り合った部分のにじみ状態を顕微鏡で観察し、目視で評価した。

表 1の結果は、本亮明の有効性を実証するものである。

実施例 7 .

濾水度が 400 ml C. S. F.の LBKPIOO部に、ゼォライト 8部、硫酸. 1. 5部、中性ロジンェマルジョンサイズ剤 0.1部、カチオン化澱粉 0.2部、及び歩留まり向上剤 0.02部を添加して手抄シートを作製した。乾燥後、 2口ールサイズプレス装置を用いて、両面で、全塗工量が固形分で 4 gZm²となるように塗液 1を塗布し坪量が 80 g Zm ²の記録用紙を得た。

(塗液 1の組成）

澱粉 5部（MS#3600、日本食品化工社製)、シラノーノレ変†生ポリビニノレアルコール 2部（R- 2105、クラレ社製)、カチオン性樹脂 2部（PAS— H— 10L、曰東紡績社製)、塩化マグネシウム 1. 5部、及び水 91部実施例 8.

塗液 1で使用した澱粉を 3部、シラノール変性ポリビュルアルコールの使用量を 4部としたこと以外は、実施例 1と同様にして、坪量が 80 g /m ²の記録用紙を得た。

実施例 9.

塗液 1で使用した澱粉を使用せず、シラノ一ル変' I"生ポリビュルアルコールを 7 部使用したこと以外は、実施例 1と同様にして坪量が 80 g/m²の記録用紙を得た。

実施例 10.

塗液 1で使用したシラノール変性ポリビュルアルコールをシラノール変成ではないポリビエルアルコール (PVA105, クラレ社製）に変えたこと以外は、実施例 1と同様にして坪量が 80 g Zm ²の記録用紙を得た。

比較例 7.

塗液 1で使用した塩化マグネシウム及ぴシラノ一ノレ変†生ポリビエルアルコ―ルを使用しなかったこと以外は、実施例 1と同様にして坪量が 80 g/m²の記録用紙を得た。

実施例 7〜10及び比較例 7で得られた記録用紙のインクジエツト記録試験及び強度試験は、以下の方法で行つた。結果は表 2にまとめた通りである。

( 1 ) インクジェット記録試験

市販のインクジエツトプリンター（PM 900C：セィコーエプソン株式会社製の商品名）を用いて所定のパターンを記録し、印字濃度（黒）を測定して評価した。印字濃度は 1 . 3 5以上であれば問題なく使用できる。

( 2 ) 搬送性試験

巿販のインクジェットプリンター（PM 900C：セイコーエプソン株式会ネ; fc ^の商品名）を用いて、各試料のインクジェット記録用紙 1 0 0枚を連続通紙し、各試料について通紙ロールの汚れを目視で評価した。

〇：通紙ロールに汚れが見られない。

△：通紙ロールに若干の汚れが見られるが、 1 0 0枚通紙しても問題は発生しなかった。

X：通紙ロールに汚れが発生し、 1 0 0枚連続で通紙することが不可能であった。

( 3 ) ブリストウ試験

前記の通り。

(表 2 )

表 2から明らかなように、実施例 7〜9では、印字濃度、搬送性のいずれも良好なインクジェット記録用紙を得ることができた。一方、シラノール基を持たないポリビュルアルコールを塗布した実施例 1 0では、搬送性が劣っていた。さらに、金属塩及びポリビュルアルコールを含有しな、塗工液を塗布した比較例 7においては、充分な印字濃度を得ることができないだけでなく、搬送性は非常に劣つていた。 . 産業上の利用可能性本発明のインクジエツト記録用紙は、嵩高性も付与することの出来るゼォライトを基紙中に適量含有させているので、インク吸収性能が極めて良好である。また、表面には、水性インクに作用して画像濃度を高めることの出来るカチオン性樹脂のみならず、顔料ィンクに作用して画像濃度を高めることの出来る水溶性無機塩が存在するので、水性インク及び顔料インクの両方に対して、高速で高品質の画像を得ることが出来る。

さらに、表面にゼォライトの脱落を防止する効果を有するシラノール基を有するポリビュルアルコールを存在させた場合には、従来の方法では到達し得なかつた、高速インク吸収性と充分な表面強度を併せ持つ上、インク発色性に優れた記録用紙を得ることができる。従って本発明は極めて有意義である。

Claims

請求の範囲

1. 天然 »パルプとゼォライトを均一に混和してなる抄紙シートに、二価以上の金属を含む水溶性無機塩及ぴカチオン性樹脂を含有する塗工液を塗工もしくは含侵させてなるインクジェット記録用紙。

2. 前記塗工液中に、更に、分子内にシラノール基を有するポリビエルアルコールが含有されている、請求項 1に記載されたィンクジェット記録用紙。

3. J . TAPP I紙パルプ試験方法 N o . 51に記載されている紙及び板紙の液体吸収性試験方法（プリストー法）における記録面の吸収係数が、 10ml/ m² m s e c。■ ⁵以上である請求項 1に記載されたィンクジエツト記録用紙。

4. 前記ゼオラィトの平均粒子径が 1〜 10 mである、請求項 1に記載されたインクジェット記録用紙。

5. 前記ゼォライトの BET比表面積が 30〜： L 50m²/gである、請求項 1 に記載されたィンクジェット記録用紙。

6. 前記ゼォライトの含有量が、天然継維 100重量部に対して 2〜 14重量部である、請求項 1に記載されたィンクジェット記録用紙。

7. 前記水溶性無機塩が塩酸塩である、請求項 1に記載されたインクジェット記録用紙。

8. インクジェット記録用紙中に含有される、前記水溶性無機塩の量が 2 gZm ²以下である、請求項 1に記載されたインクジェット記録用紙。

9. 前記塗工液中に、更に澱粉が含有されている、請求項 2に記載されたインクジエツト記録用紙。

10. 前記分子内にシラノール基を有するポリビュルアルコールと澱粉の重量比力シラノ一ル基を含むポリビニルアルコール 1に対して 1〜 9である、請求項 9に記載されたィンクジェット記録用紙。