JP2003011492A - インクジェット記録シート - Google Patents

インクジェット記録シート

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JP2003011492A
JP2003011492A JP2001197884A JP2001197884A JP2003011492A JP 2003011492 A JP2003011492 A JP 2003011492A JP 2001197884 A JP2001197884 A JP 2001197884A JP 2001197884 A JP2001197884 A JP 2001197884A JP 2003011492 A JP2003011492 A JP 2003011492A
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JP2001197884A
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Fumikazu Tatsuhashi
史一 辰橋
Nobuhiro Kubota
展弘 久保田
Minoru Tsuchida
実 土田
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Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水溶性インクを用いたインクジェット記録に
使用される記録シートにおいて、インク吸収性に優れ、
印字濃度が高く鮮明な画像が得られると共に、画像の退
色や変色を生じることのない耐光性・耐オゾンガス性等
の優れた保存安定性を有するインクジェット記録シート
を提供する。 【解決手段】 基材の少なくとも片面にインク受容層を
設けたインクジェット記録シートにおいて、該インク受
容層にアミノ酸と2価以上の水溶性金属塩を含有してい
ることを特徴とするインクジェット記録シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はインクジェット記録
に使用される記録シートに関するもので、更に詳しく
は、画像の耐光性、耐オゾンガス性、耐湿性が良好であ
り、優れた画像の保存安定性を有するインクジェット記
録シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタは記録の鮮明
さ、音の静かさ、カラー化の容易さ等の特徴を有するた
め、近年その普及は益々増大している。インクジェット
プリンタは、インクの乾燥によるジェットノズルの詰ま
りを防止するため、乾燥しにくいインクを使用する必要
がある。このような特徴を有するインクとして一般に
は、結着剤、染料、溶媒、添加剤等を水に溶解又は分散
した水溶性のインクが使用されている。しかし、水溶性
インクを使用して記録シート上に形成されたした画像
は、耐光性、耐オゾンガス性、耐湿性等の保存安定性と
いう観点から見ると、顔料系のインクによる印刷物や銀
塩写真のそれには、残念ながら劣っているのが現状であ
る。
【0003】近年、インクジェットプリンタが安価にな
り、その鮮鋭性や色彩性が身近なものとなるに従い、イ
ンク吸収性、色再現性、耐光性等の諸特性に関する要求
は高く、厳しくなる一方である。従って、これらの諸特
性が優れていることが、今やインクジェット記録シート
の必須条件となっているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような現状に鑑
み、インクジェット記録シートの改良が検討されてお
り、インク受容層に用いるバインダー樹脂、顔料、各種
添加剤等について、多くの提案がなされている。例え
ば、特開平08−295075号や特開平07−276
791には、アミノ酸の添加が色再現性やインク吸収性
に効果があるとの提案がなされている。しかしながら、
これらのアミノ酸のみの添加では、画像鮮明性の低下
や、耐光性や耐湿性が劣っている等の問題点が確認され
た。また、最近はインクジェット記録シートの耐光性、
耐オゾンガス性、耐湿性等の画像の保存安定性が問題と
されているが、その改良方法の検討は未だ十分ではな
く、インクジェット記録特性と保存安定性を共に満足し
た記録シートは得られていない。従って本発明は、イン
ク吸収性に優れ、印字濃度が高く鮮明な画像が得られる
と共に、画像の耐光性、耐オゾンガス性、耐湿性等の優
れた保存安定性を有するインクジェット記録シートを提
供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、インクジ
ェット記録シートについての種々の検討を重ねた結果、
インク受容層にアミノ酸と2価以上の水溶性金属塩とを
共存させる事によって、良好なインクジェット記録特性
を損なうことなく、画像の耐光性、耐オゾンガス性等の
保存安定性が格段に向上する事を見出し、本発明の完成
に至った。即ち、本発明は、基材上にインク受容層を設
けたインクジェット記録シートにおいて、該インク受容
層にアミノ酸と2価以上の水溶性金属塩を含有している
ことを特徴とするインクジェット記録シートである。以
下、本発明のより好適な実施の形態について詳細に説明
する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録シー
トは、基材の少なくとも片面にインク受容層を塗布法等
の積層手段により少なくとも1層設けてなる層構成であ
り、そのインク受容層は、2層或いは3層以上あっても
良い。以下、基材及びインク受容層を構成する材料など
について詳細に説明する。
【0007】(1)基材 本発明に用いられるインク受容層が形成される基材は、
LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、R
MP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パル
プ、DIP等の古紙パルプ、等の木材パルプや、ポリエ
チレン繊維等の合成繊維パルプを主成分として、顔料及
びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤を1
種類以上必要に応じて用いて混合し、長網抄紙機、円網
抄紙機、ツインワイヤ抄紙機等の各種装置で製造された
原紙や、更に、原紙に澱粉やポリビニルアルコール等を
サイズプレス塗工した原紙、それらの上にコート層を設
けたアート紙、コート紙、キャストコート紙等の塗工紙
を使用することができる。
【0008】上記のような原紙及び塗工紙にそのままイ
ンク受容層を設けても良いし、平坦化をコントロールす
る目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフト
カレンダー等のカレンダー装置をインク受容層塗工の前
段階で使用して、平滑化処理を施しても良い。また、基
材としては、上記原紙上にポリオレフィン樹脂層を設け
ても良いし、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエス
テル、ナイロン、レーヨン、ポリウレタン等の合成樹脂
やこれらの混合物のフィルム材や、該合成樹脂を繊維化
して成型したシートを使用することもできる。
【0009】(2)インク受容層 (A)顔料 本発明においてインク受容層には、一般に使用されてい
る水に不溶若しくは難溶性の顔料を1種類以上用いる事
が出来る。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カル
シウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、
サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カル
シウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイ
ダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸
化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加
水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウ
ム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメン
ト、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレ
ン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有
機顔料等が挙げられる。
【0010】上記の中でも、インク受容層に主成分とし
て含有される白色顔料としては、インクジェットインク
の乾燥性や吸収性に優れている事から、多孔性無機顔料
が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔質炭酸マグ
ネシウム、多孔質アルミナ等が挙げられる。これらの中
で、本発明ではインク吸収性や画像の鮮明性等の記録特
性と保存安定性の両面において良好なことから、比表面
積200〜600g/m程度の沈降タイプ及びゲルタ
イプの多孔性非晶質シリカを使用する事が好適である。
【0011】(B)バインダー樹脂 本発明のインク受容層に含有されるバインダーとして
は、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、酸化澱粉、エ
ーテル化澱粉、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、シリル
変性などの各種変成ポリビニルアルコール、カルボキシ
メチルセルロースやヒドロキシエチルセルロースなどの
セルロース誘導体等の水溶性樹脂;無水マレイン酸樹
脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレ
ート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラ
テックス;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステ
ルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテック
ス;エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラ
テックス;或いはこれらの各種重合体においてカルボキ
シル基等の官能基含有単量体を含む官能基変性重合体ラ
テックス;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性樹脂等
の水性接着剤;ポリメチルメタクリレート、ポリウレタ
ン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂
等の合成樹脂系接着剤が挙げられ、1種以上で使用され
る。なお、インク受容層における顔料とバインダー樹脂
の配合割合は、バインダー樹脂:顔料=1:1〜1:1
5が好ましく、特に1:2〜1:10が好適である。
【0012】(C)アミノ酸 本発明におけるアミノ酸とは、分子中にアミノ基とカル
ボキシル基の両方を有する有機化合物であり、これらを
適宜選択して用いることができ、α、β、γなどのいず
れのタイプのものでも使用することができる。なお、本
発明で言うアミノ酸は、プロリンやヒドロキシプロリン
等のアミノ基の水素が分子内の側鎖部分と置換して環状
構造(−NH−)をとったイミノ酸も含めるものとする。
【0013】具体的には、アザセリン、アスパラギン、
アスパラギン酸、アミノ酪酸、アラニン、アルギニン、
アロイソロイシン、アロトレオニン、イソロイシン、エ
チオニン、エルゴチオネイン、オルニチン、カナバニ
ン、カルボキシメチルシステイン、キヌレニン、グリシ
ン、グルタミン酸、グルタミン、クレアチン、サルコシ
ン、シスタチオニン、シスチン、システイン、システイ
ン酸、シトルリン、DOPA、3、5−ジヨードチロシ
ン、セリン、タウリン、チロキシン、チロシン、トリプ
トファン、トレオニン、ノルバリン、ノルロイシン、バ
リン、ヒスチジン、4−ヒドロキシリシン、フェニルア
ラニン、プロリン、ホモセリン、メチオニン、1−メチ
ルヒスチジン、ランチオニン、リシン、ロイシン等が挙
げられる。又、これらアミノ酸のアルカリ金属塩も使用
することができる。
【0014】上記の如きアミノ酸は両性電解質であり、
側鎖の種類・化学構造に応じた特有の等電点を持ってお
り、本発明においてはかかる等電点が4.0以下のアミ
ノ酸が、特に良好な耐オゾンガス性の効果が認められる
ことから好ましい。本発明におけるアミノ酸の作用は不
明であるが、アミノ酸の官能基と染料分子との相互作用
により、染料分子が安定化される為であると推測され、
等電点が4.0以下のアミノ酸が好ましいのは、塗料中
のph条件ではアミノ酸におけるアミノ基が−NH
あり、カルボキシル基が−COO構造の方が染料分子
との相互作用がより強くなっている為であると考えられ
る。
【0015】また、上記の如きアミノ酸の中でも、特に
グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン酸、及びこ
れらのアルカリ金属塩が、後述の2価以上の水溶性金属
塩との組み合わせにおいて優れた記録特性と画像の保存
安定性が得られることから好適に使用される。本発明に
おけるアミノ酸の含有量としては、インク受容層の総固
形分に対して任意の割合で良く、好ましくは1.0〜4
0.0重量%であり、より好ましくは3.0〜20.0
重量%、特に5.0〜10.0重量%の範囲が好適であ
る。含有量が1.0重量%未満では、画像の耐オゾンガ
ス特性等への効果が十分ではなく、又、40.0重量%
を超える量を添加しても、耐オゾンガス性及びその他の
諸特性の改善効果は、それ以上は添加量に応じて向上せ
ず、かえって耐水性が低下したり、インク受容層の塗膜
強度が損なわれる恐れがある。アミノ酸の塗布量は、優
れた耐オゾンガス性及び画像の優れた鮮明性を確保する
ために、インク受容層中に0.2〜40.0g/m
好ましくは1.0〜30.0g/m、特に5.0〜2
0.0g/mが好適である。
【0016】(D)2価以上の水溶性金属塩 本発明においてインク受容層に使用される2価以上の水
溶性金属塩としては、水に溶解した際に、2価以上の陽
金属イオンを生じる化合物が適用されるものであり、特
に限定されるものではない。例えば、マグネシウム、カ
ルシウム、ストロンチウム、バリウム、ガリウム、イン
ジウム、タリウム、ゲルマニウム、錫、鉛、ビスマス等
の典型金属元素の、ハロゲン化物、硫酸塩、チオ硫酸
塩、リン酸塩、塩素酸塩、硝酸塩、ヘキサフルオロシリ
ル化物等の化合物が、水に対する溶解が良好であり、適
宜選択して用いられる。なお、本発明でいう水溶性と
は、20℃の水に対する溶解度が、25g以上であるも
のをいう。
【0017】具体的には、塩化マグネシウム、塩化カル
シウム、塩化バリウム、塩化錫、塩化鉛、硫酸マグネシ
ウム、硫酸カルシウム、塩素酸マグネシウム、リン酸マ
グネシウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウム、硝酸カ
ルシウム等が挙げられる。本発明では、上記の如き2価
以上の水溶性金属塩の中でも、塩化マグネシウム、塩化
カルシウム、硫酸マグネシウムが、下記に述べるような
効果が特に優れていることから好ましい。
【0018】本発明においては上記のような2価以上の
水溶性金属塩を、前記のアミノ酸と共にインク受容層に
含有することによって、優れた相乗効果が達成される。
即ち、アミノ酸では得られない耐光性の向上が得られる
にとどまらず、アミノ酸と併用されることにより、より
優れた耐光性が達成され、加えて、アミノ酸による耐オ
ゾンガス性の効果も向上される。このような優れた効果
を得るために、アミノ酸と2価以上の水溶性金属塩の配
合割合は、1:7〜7:1、特に1:6〜2:1が好ま
しい。インク受容層における2価以上の水溶性金属塩の
含有量は、上記の効果に加えて優れた鮮明性やインク吸
収性を確保するために、0.1〜20.0g/m、好
ましくは5.0〜20.0g/mである。
【0019】(E)その他の添加剤 本発明におけるインク受容層には、さらにその他の添加
剤として、カチオン性染料定着剤、顔料分散剤、増粘
剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、
浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、防腐剤、耐水化剤、硬膜剤等を必要に
応じて適宜配合する事も出来る。
【0020】上記の中で、特にカチオン性染料定着剤
は、耐光性、耐オゾンガス性の向上に効果を有するアミ
ノ酸や塩化マグネシウムとの相乗効果が得られ、併用す
ることが好ましい。本発明における耐オゾンガス性、耐
光性及び耐水性を両立させ、その効果を向上させるため
には、インク受容層中のカチオン性染料定着剤量:アミ
ノ酸と水溶性金属塩の合計量の固形分比率が、5:1〜
1:4である事が好ましく、最も好適なのは3:2〜
1:1である。
【0021】以上の材料成分からなる本発明のインク受
容層の組成は、特に限定されるものではないが、良好な
インクジェット記録特性と共に、耐光性、耐オゾンガス
性をはじめとする諸特性を満足し、さらに基材への密着
性、裁断加工時の粉落ち等の生産上の問題を生じること
のないインク受容層中の各材料成分の固形分比率は、顔
料30.0〜60.0重量%、バインダー樹脂20.0
〜40.0重量%、アミノ酸5.0〜10.0重量%、
2価以上の水溶性金属塩5.0〜20.0重量%である
ことが好ましく、これにその他の添加剤を適宜加えるこ
とができる。
【0022】インク受容層は、層を形成するための材料
を水又は適当な溶媒中に溶解或いは分散させて調製した
塗工液を、各種ブレードコーター、ロールコーター、エ
アーナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコ
ーター、サイズプレス等の各種装置をオンマシン或いは
オフマシンで適宜使用して、支持体上に塗布して形成す
る。インク受容層の塗布量としては、例えば、まず1層
タイプでは5.0〜30.0g/mが好ましく、特
に、5.0〜20.0g/mが好適である。
【0023】また、基材上に第1インク受容層を積層
し、この第1インク受容層の上に第2インク受容層を積
層して形成することもでき、この場合第1インク受容層
の塗布量は5.0〜30.0g/m、特に5.0〜2
0.0g/mが好ましく、第2インク受容層の塗布量
は5.0〜15.0g/m、特に5.0〜10.0g
/mが好ましい。上記の範囲より塗布量が少ないと、
インク吸収性や定着性が十分得られない場合があり、多
いと粉落ち等の問題の発生、生産性の低下やコスト上昇
を招く。特に積層して設ける場合に、第2インク受容層
の塗布量が15.0g/mを超えて多いと、第2イン
ク受容層中をインクが通過する事が困難になり、滲みを
生じて画像の鮮明性が損なわれる場合がある。このよう
に積層するインク受容層の数により各インク受容層の塗
布量をコントロールする事が好ましい。また、2層以上
のインク受容層を積層する場合、アミノ酸は何れか1つ
のインク受容層に添加しても良いし、複数のインク受容
層に添加しても良い。ここで複数のインク受容層にアミ
ノ酸を添加する場合、層間の濃度勾配をより少なくする
ために、アミノ酸の含有量は同一とする事がより好まし
い。さらに、インク受容層の塗工後にはマシンカレンダ
ー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレ
ンダー等のカレンダーを用いて仕上げても良い。
【0024】本発明のインクジェット記録シートは以上
のような構成からなり、インク受容層のみを積層した構
造でも十分特性を有するものであるが、インク受容層の
表面に、一般的な鏡面ドラム式のキャストコーター等を
用いて光沢度調整層を積層して付加価値を高める事も可
能である。また、基材の両面にインク受容層を形成し
た、両面記録タイプの記録シートや、基材のインク受容
層が形成されていない側の面に、粘着層、剥離シートを
順次積層して設けた粘着ラベルタイプの記録シートとす
ることもできる。
【0025】本発明における上記の光沢度調整層は、そ
の材料組成を適宜選択することにより任意の光沢度を得
ることが可能であり、また、印字部の光沢度を非印字部
の光沢度よりも高くしたり、逆に低くしたりする事が出
来る。光沢度調整層の組成としては、バインダー樹脂中
に顔料成分としてコロイダルシリカを含有していること
がインクジェット記録特性が良好なことから好ましく、
コロイダルシリカの配合量、粒径、形状を適宜選択した
り、2種類以上のコロイダルシリカを組み合せて使用す
ることによって、任意の光沢度を得ることができる。
【0026】
【実施例】次に、本発明に基づく実施例と比較例とを示
し、本発明の効果をより明らかにする。各実施例及び各
比較例は、何れも基材を坪量90g/mの上質紙と
し、この基材の片面に下記組成の材料を水に溶解・分散
した塗液を塗布・乾燥する事によってインク受容層、及
び該インク受容層上に光沢度調整層を設けて、インクジ
ェット記録シートを作製した。なお、各層の材料組成
は、乾燥固形分重量の比率であり、塗布量はインク受容
層、光沢度調整層共に、10g/mとした。
【0027】 <実施例1> [インク受容層] ・バインダー樹脂 ポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA117) 25.0重量% ・白色顔料 シリカ(トクヤマ曹達社製:ファインシール X37B) 54.0重量% カチオン性染料定着剤(住友化学社製:スミレーズレジン1001) 10.0重量% ・アミノ酸(和光純薬社製:グルタミン酸) 1.0重量% 2価の水溶性金属塩 塩化マグネシウム(富田製薬社製:塩化マグネシウムS) 10.0重量%
【0028】 [光沢度調整層] ・バインダー樹脂 ポリビニルアルコール(クラレ社製:PVA117) 40.0重量% ・コロイダルシリカ(日産化学社製:スノーテック30) 60.0重量%
【0029】<実施例2>実施例1のインク受容層と同
比率のバインダー樹脂、白色顔料、カチオン性染料定着
剤及び2価の水溶性金属塩に対して、インク受容層中の
アミノ酸の固形分比率が40.0重量%になるよう調製
したインク受容層を設けた以外は、実施例1と同様にし
てインクジェット記録シートを作製した。
【0030】<実施例3>実施例1のインク受容層と同
比率のバインダー樹脂、白色顔料、カチオン性染料定着
剤及び2価の水溶性金属塩に対して、インク受容層中の
アミノ酸の固形分比率が20.0重量%になるよう調製
したインク受容層を設けた以外は、実施例1と同様にし
てインクジェット記録シートを作製した。
【0031】<実施例4>実施例3においてグルタミン
酸に代えて、アスパラギン酸(和光純薬社製)を使用し
た以外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録シ
ートを作製した。 <実施例5>実施例3においてグルタミン酸に代えて、
アラニン(和光純薬社製)を使用した以外は、実施例3
と同様にしてインクジェット記録シートを作製した。
【0032】<実施例6>実施例3においてグルタミン
酸に代えて、プロリン(和光純薬社製)を使用した以外
は、実施例3と同様にしてインクジェット記録シートを
作製した。 <実施例7>実施例3においてグルタミン酸に代えて、
グルタミン酸ナトリウム(和光純薬社製)を使用した以
外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録シート
を作製した。
【0033】<実施例8>実施例3においてグルタミン
酸に代えて、システイン酸(和光純薬社製)を使用した
以外は、実施例3と同様にしてインクジェット記録シー
トを作製した。 <実施例9>実施例3において塩化マグネシウムに代え
て、塩化カルシウム(和光純薬社製)を使用した以外
は、実施例3と同様にしてインクジェット記録シートを
作製した。
【0034】<実施例10>実施例3において塩化マグ
ネシウムに代えて、硫酸マグネシウム(和光純薬社製)
を使用した以外は、実施例3と同様にしてインクジェッ
ト記録シートを作製した。 <比較例1>実施例1においてアミノ酸及び塩化マグネ
シウムを含まない以外は、実施例1と同様にしてインク
ジェット記録シートを作製した。
【0035】<比較例2>実施例1のインク受容層と同
比率のバインダー樹脂、白色顔料及びカチオン性染料定
着剤に対して、2価の水溶性金属塩は含まずに、インク
受容層中のアミノ酸の固形分比率が20.0重量%にな
るよう調製したインク受容層を設けた以外は、実施例1
と同様にしてインクジェット記録シートを作製した。 <比較例3>実施例1のインク受容層と同比率のバイン
ダー樹脂、白色顔料及びカチオン性染料定着剤に対し
て、アミノ酸は含まずに、インク受容層中の2価の水溶
性金属塩の固形分比率が20.0重量%になるよう調製
したインク受容層を設けた以外は、実施例1と同様にし
てインクジェット記録シートを作製した。
【0036】次に、上記実施例1〜9、比較例1〜3の
インクジェット記録シートに、市販のインクジェットプ
リンタ(セイコーエプソン社製:PM−700C)を使
用してカラーパッチ等の評価対象物を印刷した。かかる
画像が形成されたインクジェット記録シートを用いて、
下記に示すような方法で耐光性、耐オゾンガス性、耐湿
性及びインク吸収性の評価を行い、その結果を表1に示
した。
【0037】
【表1】
【0038】なお、表1における評価方法は、次の通り
である。 1.耐光性 キセノンウエザオメーター(ATLAS社製、Ci−5
000)を使用し、ブラックパネル温度40℃、相対湿
度60%、340nm紫外線強度0.18W/mで6
0KJ/mの曝露実験を行った。分光光度計GRET
AG SPM50(グレタグマクベズ社製)を用いてマ
ゼンタの反射濃度を測定する事により耐光性を評価し
た。 濃度残存率 A:曝露後の濃度が曝露前濃度の90%以上 B:80%以上〜90%未満 C:80%未満
【0039】2.耐オゾンガス性 簡易式オゾンガス発生器を使用し、オゾンガス濃度10
ppm、10時間の曝露実験を行った。分光光度計GR
ETAG SPM50(グレタグマクベズ社製)を用い
てシアンの反射濃度を測定する事により耐オゾンガス性
を評価した。 濃度残存率 A:曝露後の濃度が曝露前濃度の85%以上 B:70%以上〜85%未満 C:70%未満
【0040】3.画像耐湿性 Y、M、C、R、G、B、Bkのカラーパッチを印字し
たサンプルを40℃・85%の条件下に3昼夜曝露し、
カラーパッチの濃色化及び輪郭の滲み具合から画像耐湿
性を評価した。 画像耐湿性 A:濃色化や滲みがなく、実用上問題がなく優れている B:実用上問題はない(若干程度の滲みがある) C:実用上劣っている
【0041】4.インク吸収性 高精細カラーデジタル標準画像データでISO/JIS
−SCID(JISX9201−1995に準拠)のN
1ポートレート画像を用い、インク吸収性を目視評価し
た。 インク吸収性 A:実用上全く問題がなく優れている (画像の滲みが全く無い) B:実用上問題がなく優れている(滲みが殆ど無い) C:実用上劣っている(画像が滲む)
【0042】以上の結果から、実施例1〜9ではインク
ジェット記録シートの必須条件である印字濃度、鮮明
性、インク吸収性が非常に高く、且つ、耐光性、耐オゾ
ンガス性、耐湿性に優れたインクジェット記録シートが
得られた。また、このインクジェット記録シートは長期
保存における光黄変やファイル黄変の生じにくいもので
ある事が確認された。しかし、比較例1では耐光性、耐
オゾンガス性、耐湿性及びインク吸収性が劣っていた。
また、比較例2は耐光性が劣るものであり、比較例3は
耐オゾンガス性が劣るものであった。
【0043】以上の実施例の他に、実施例3のグルタミ
ン酸に代えて、アミノ酸として、脂肪族アミノ酸である
グリシン、ヒドロキシアミノ酸のセリン、芳香族アミノ
酸のフェニルアラニン等のアミノ酸、或いは、アミノ酸
の金属塩であるグルタミン酸ナトリウム一水和物でも同
様の効果が確認された。これらの効果は、染料分子とア
ミノ酸の相互作用による安定化や、これによる劣化因子
からの保護効果に依るものと推測される。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明はインク受
容層にアミノ酸と2価以上の水溶性金属塩とを含むこと
により、印字濃度が高く鮮明で、インク吸収性が良好な
インクジェット記録特性を有するとともに、画像の耐光
性、耐オゾンガス性、耐湿性の保存安定性に優れた従来
にないインクジェット記録シートが得られる。また、イ
ンク吸収性が良好で吸収速度が速いため、将来の高速印
字技術にも十分に対応可能な効果も期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 FC06 2H086 BA16 BA31 BA41

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の少なくとも片面にインク受容層を
    設けたインクジェット記録シートにおいて、該インク受
    容層にアミノ酸と2価以上の水溶性金属塩を含有するこ
    とを特徴とするインクジェット記録シート。
  2. 【請求項2】 前記インク受容層上に、光沢度調整層が
    設けられていることを特徴とする請求項1記載のインク
    ジェット記録シート。
  3. 【請求項3】 前記アミノ酸の等電点が4.0以下であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジ
    ェット記録シート。
  4. 【請求項4】 前記アミノ酸がグルタミン酸、アスパラ
    ギン酸、システイン酸のうちから選択される少なくとも
    1つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載のインクジェット記録シート。
  5. 【請求項5】 前記2価以上の水溶性金属塩が、塩化マ
    グネシウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウムのうち
    から選択される少なくとも1つであることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録シ
    ート。
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