JP2010222747A - 印刷用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】非木材パルプを含み、嵩高感があり、オフセット印刷においては用紙の搬送性、耐刷性、印刷の均一性に優れ、インクジェット印刷においてはインク吸収性、画像濃度、耐水性に優れた印刷用紙を提供することにある。
【解決手段】パルプ繊維として漂白処理が施されたタケパルプを50%以上含み、ろ水度として600〜400mlに調成された原料を使って製造した原紙の上に、カチオン性ポリマーを原紙に0.5〜2.0g/m塗布あるいは含浸すること、更に、紙密度を0.50〜0.75g/cmに調整し、カチオン性ポリマーとポリアクリルアマイドあるいはカチオン性ポリマーとポリビニルアルコールを併用して原紙に塗布あるいは含浸することにより行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、非木材パルプを含む印刷用紙に関するものである。更に詳しくは、オフセット印刷適性とインクジェット印刷適性に優れた印刷用紙に関するものである。
近年、森林資源の保護の観点から、木材を原料とした木材パルプを使用する替わりに、成長性に優れるにもかかわらず必ずしも利用が進んでいない非木材資源を原料とする非木材パルプの利用拡大が求められている。また、紙の輸送や印刷時におけるエネルギーの使用量を削減し二酸化炭素の排出量を抑えるために、印刷用紙をできるだけ軽量化させることが求められている。しかしながら印刷用紙を軽量化した場合には、用紙の不透明度が低下したり手肉感が不足したりすることから、従来の印刷用紙に比較してより嵩高な印刷用紙が求められている。
一方、印刷用紙が印刷される方式に関してみた場合、一定の図柄を多量に印刷するオフセット印刷方式による方法に加えて、多品種少ロットの印刷、個人情報などを含む可変データーの印刷に対応しやすい電子写真方式やインクジェット方式を使って印刷する方法が適用されるようなってきた。また、オフセット印刷方式とインクジェット印刷方式を組み合わせ、一つの印刷物を作り上げる方式も適用されるようになってきている(以下、バリアブル印刷と称する)。このようなバリアブル印刷に使用される印刷用紙には、オフセット印刷適性とインクジェット印刷適性を兼ね備えることが求められるが、特に非木材パルプを利用した印刷用紙では両方の印刷適性を満足させることは難しかった。
例えば、インクジェット印刷適性や電子写真印刷適性を考慮し、非木材繊維を使った記録紙として、非木材繊維を30〜95重量%の割合で含有し、その原紙表面にカチオン物質を塗布した記録紙の製造方法が公知技術として知られている(特許文献1)。しかしながら、本技術で公開されている技術はインクジェット適性を向上させる上で有用ではあるが、オフセット印刷適性を満足させるものではない。
また、木材パルプ又は非木材パルプを主成分とし、一定量の内添サイズ剤を配合した原紙にカチオン性化合物とバインダーを塗工し、インクジェット適性をもった記録用紙の製造方法が公知技術として知られている(特許文献2)。しかしながら本技術においても、非木材パルプの配合率が高い印刷用紙について、インクジェット適性とオフセット印刷適性を同時に満足させる印刷用紙を製造する技術を実際に公開するものではない。
特許公開平08−179546号公報 特許公開2008−126559号公報
本発明は、オフセット印刷において、用紙の搬送性、耐刷性、印刷品質の均一性に優れ、インクジェット印刷において、インク吸収性、画像濃度、耐水性に優れた非木材パルプを含む印刷用紙を提供するものである。
本発明の上記課題は、以下の方法によって達成された。
パルプ繊維として漂白処理が施されたタケパルプを50%以上含み、ろ水度として600〜400mlに調成された原料を使って製造した原紙の上に、カチオン性ポリマーを原紙に0.5〜2.0g/m塗布あるいは含浸することを特徴とする印刷用紙である。
更に好ましくは、印刷用紙の密度が0.55〜0.75g/cmとされることを特徴とする印刷用紙である。
更に好ましくは、カチオン性ポリマーとポリアクリルアマイドあるいはカチオン性ポリマーとポリビニルアルコールを併用し、これを原紙に塗布あるいは含浸することを特徴とする印刷用紙である。
オフセット印刷においては用紙の搬送性、耐刷性、印刷の均一性に優れ、インクジェット印刷においてはインク吸収性、画像濃度、耐水性に優れた非木材パルプを含んだ印刷用紙を提供することができる。
本発明の印刷用紙に使用する非木材パルプとしては、タケパルプを使用する。タケパルプ以外にもワラパルプやバガスパルプなどの非木材パルプがあるが、タケは成長性に優れるだけでなく、漂白性が良いために高白色度のパルプが得られやすく、白色度の高い印刷用紙を作製できる。
また、針葉樹パルプには及ばないもののバガスパルプや広葉樹パルプよりも長い繊維成分を待つために均一でありながら強度に優れた印刷用紙が得られやすいこと、化学成分的には比較的に多くペントザンを残留していることなどの特徴を有し、タケパルプを紙の原料とした場合には嵩高くかつインクなどの吸収性に優れた特性を発揮できるため本発明の目的には好適である。
また、タケパルプは木材パルプ繊維に比べて幅狭で細長く、その形状もやや紡錘形で硬直な繊維であるため、タケパルプで製造したシートは嵩高で通気性に優れたシートになるが、嵩高さを維持しようとするとオフセット印刷で特に必要となる用紙の表面強度が弱めとなる。しかしながら、叩解処理の程度に対するろ水度の変化が緩やかであるため、バガスパルプなどよりも叩解処理程度を変えて行う紙の強度調整がしやすく、適当な叩解処理を施すことによって、嵩高さや通気性と表面強度を両立させることができる。
通常、叩解処理の程度はろ水度で管理することができるが、ろ水度としては600〜400mlCSFが望ましい。叩解処理の程度が十分でなく、ろ水度が600mlCSFよりも高い場合には、繊維同士の結合力が弱くなり、紙の強度が低く、特にオフセット印刷時における耐刷性が悪い。ろ水度が400mlCSFよりも低い場合には、紙が密な構造となって紙の強度が増しオフセット印刷の耐刷性は向上するものの、通気性が悪化するためインクジェット印刷時のインク吸収性が悪化し印刷品質が低下する。また加えて、紙の嵩高感が損なわれてしまう。
本発明の印刷用紙のタケパルプの配合率は、全パルプ量の50質量%以上である。タケパルプの配合率が50質量%未満の場合には、紙がより密な構造となり、通気性が悪化し、インクジェット印刷時におけるインク吸収性が悪化する。また、嵩高感が損なわれる。
上記の条件、即ち、パルプ繊維として漂白処理が施されたタケパルプを全パルプ量に対して50質量%以上を含み、ろ水度として、600〜400mlCSFに調成された原料を使って製造した原紙の上に、カチオン性ポリマーを原紙に0.5〜2.0g/m塗布あるいは含浸することで、インクジェット印刷において紙に着弾したインクを紙表層に定着させ、インクの滲みを防止するとともに再湿潤した場合の耐水性を付与させることができる。
カチオン性ポリマーの塗布量が0.5g/mよりも少ない場合には、インクジェット印刷において、インクの繊維表面での滲みが大きく生じるとともに印字後の耐水性を発揮できない。一方、カチオン性ポリマーの塗布量が2.0g/mよりも多い場合には、その効果が飽和するだけではなく、インクジェット印刷により紙表面に着弾したインクが過凝集を起こすこととなり、インクの付加量が多く画像濃度を高めたい部分の濃度が上がらない結果となる。
本発明で印刷用紙の原紙に塗布あるいは含浸するカチオン性ポリマーは、水に溶解したとき離解してカチオン性を呈する1級〜3級アミン又は4級アンモニウム塩のモノマー、オリゴマー、ポリマーであり、好ましくは、オリゴマー又はポリマーである。具体的には、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物、ジシアンジアミド、ジメチル・ジアリル・アンモニウムクロライド等を例示することができるが、これらの例に限定されるものではない。
第2の発明としては、本発明の印刷用紙の密度が0.50〜0.75g/cmに調整することである。
インクジェット適性(例えば、インク吸収性など)の点からみた場合、該印刷用紙の密度が低いことが望ましく、用紙の嵩高感も得られる。しかしながら、オフセット印刷では印刷機器内の用紙の搬送性に障害が生じやすくなる。例えば、一般的な枚葉オフセット印刷機においては、通常、吸引圧を利用して用紙をピックアップし、1枚ずつ的確に印刷機の印刷部へ給紙する機構を有している。そのため紙の密度が低すぎると、用紙を給紙する際にスムースにピックアップできなかったり、あるいは一度に複数枚をピックアップしたりするなどしてうまく給紙ができず、該印刷用紙の密度を0.50g/cm以上になるように調整する必要があることを見出した。
また、密度を0.50g/cm以上になるように調整することで、オフセット印刷時における「白ぬけ」も軽減することができる。「白ぬけ」は、オフセット印刷において、ベタ印刷を行った際に、繊維と繊維の間にできた空隙部分にオフセット印刷のインキがうまく転写されず、印刷が微小部分で白く抜けてしまう現象である。しかし、本発明の印刷用紙において、密度を0.50g/cm以上になるように調整することで、「白ぬけ」を軽減することが可能となった。
一方、本発明の印刷用紙の密度が、0.75g/cmよりも大きくなると、インクジェット印刷時におけるインク吸収性が低下し印刷品位が低下するとともに、更にタケパルプの特性を生かした用紙の嵩高感も失われてしまう。
本発明の印刷用紙の密度を調整する方法としては、原料パルプの叩解処理の程度を適当に選定するほか、抄紙機のプレス部分での加重圧力を調整したり、抄紙機の最終工程で行うカレンダー処理により調整したり、あるいは抄紙後にオフマシンでのスーパーカレンダ処理を追加することによっても可能である。また、適宜、填料を配合することでも調整できる。
第3の発明としては、本発明の印刷用紙において、カチオン性ポリマーとバインダーとしてポリアクリルアマイド、あるいはカチオン性ポリマーとバインダーとしてポリビニルアルコールを併用して原紙に塗布あるいは含浸することである。
インクジェット印刷では、インクが用紙に噴射されるものの用紙に大きな力は及びにくくいため、特別な強度は要求されない。一方、オフセット印刷の場合、印刷用紙への印刷インキの転移ならびに剥離における物理的作用(インキが紙を引張る力)が印刷品質に大きく影響する。特に、印刷速度が上がるにつれてインキの見かけの粘着力が増大するため、印刷用紙の表面から繊維や細かい紙粉が剥け取られやすくなり、印刷の品質が著しく損なわれてしまう。通常の印刷用紙においては、原料パルプの叩解処理の程度を適当に選定するほか、更に用紙表面の強度を高めるため表面に酸化澱粉などを塗布あるいは含浸するが、本発明の印刷用紙のような低密度な用紙の場合には、通常の印刷用紙に比較して表面強度が弱くなりがちである。
また加えて、タケパルプには卵円形の髄線細胞や勾玉状細胞、導管などの非繊維細胞を数多く含むため、オフセット印刷では特にそれらが剥けやすく、耐刷性の点では木材パルプ主体の用紙に比べて大きな不利となる。しかしながら、本発明の印刷用紙の表面にカチオン性ポリマーとポリアクリルアマイドあるいはカチオン性ポリマーとポリビニルアルコールを併用して原紙に塗布あるいは含浸することで、オフセット印刷時における耐刷性に優れ、インクジェット印刷に対するインクジェット適性にも優れた印刷用紙を提供することができる。
本発明の印刷用紙の原紙に塗布あるいは含浸するポリビニルアルコールとしては、塗布適性と得られる強度品質のバランスから重合度として1700付近のポリビニルアルコールが望ましい。また、ポリアクリルアマイドについては、同様に分子量として10万〜100万のものが望ましい。特にポリアクリルアマイドを併用した場合、オフセット印刷の耐刷性とインクジェット印字適性に優れる。
カチオンポリマーと併用するバインダーのポリビニルアルコールやポリアクリルアマイドの原紙の塗工量としては、0.5〜2.0g/mが望ましい。バインダー塗工量が0.5g/mよりも少ない場合には、オフセット印刷時における耐刷性の改良効果が充分ではないことがある。バインダー塗工量が2.0g/mよりも多い場合には、オフセット印刷時における耐刷性の改良効果が飽和するとともに、インクジェットインク吸収性の低下などインクジェット印刷品質を阻害する場合が生じる。
本発明の印刷用紙を製造する際にタケパルプと他のパルプを併用する場合、他のパルプとしては、LBKP、NBKP、LBSP、NBSP、TMP、CTMP、BCTMP、GP、RGP、CGP等と各種の古紙や非木材パルプが挙げられ、1種類以上を併用が可能である。
本発明の印刷用紙に内添する填料は特に限定されるものではなく、公知の填料の中から適宜選択して使用することができる。このような填料としては、例えばタルク、カオリン、イライト、クレー、炭酸カルシウム、二酸化チタンなどの無機填料、及びプラスチックピグメントのような有機填料などを挙げることができる。紙中の灰分に特別制限はないが、嵩高感や印刷適性を考慮すると、7質量%以下の範囲が好ましい。
本発明の印刷用紙に内添するサイズ剤としては、ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸、アルキルケテンダイマー、石油樹脂系サイズ剤などを例示することができる。
本発明のカチオン性ポリマーとバインダーを本発明の印刷用紙の原紙に塗布あるいは含浸する方法には特に制限なく、サイズプレス、フィルムプレスコーター、ゲートロールコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、カーテンコーターなどが各種塗工機で塗布あるいは含浸することも可能であるが、コストの点からは抄紙機に設置されているサイズプレス、ゲートロールコーター、フィルムトランスファーコーターなどで付着させ、オンマシンで仕上げるのが望ましい。
更に、カチオン性ポリマーとバインダーに併用して表面サイズ剤も必要に応じて用いられ、スチレン/アクリル酸系重合体、スチレン/メタアクリル酸系重合体、アクリロニトリル/ビニルホルマール/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/マレイン酸系共重合体、AKD系、ロジン系などの表面サイズ剤が挙げられる。
本発明において、紙料中には、その他の添加剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などを本発明の所望の効果を損なわない範囲で、適宜配合することもできる。
本発明に係る印刷用紙の抄紙方法において、抄紙機は、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、コンビネーション抄紙機、円網抄紙機、ヤンキー抄紙機など製紙業界で公知の抄紙機を適宜使用できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部及び%は、特に指定のない限り、すべて質量部及び質量%を示す。
<実施例1>
ろ水度600mlCSFの漂白タケパルプ100部からなるパルプスラリーに、硫酸バンド1.0%、カチオン化澱粉(商品名:ネオタック40T、日本食品化工社製) 0.8%、AKDサイズ剤(商品名:サイズパインK−903−20、荒川化学工業社製) 0.05%を添加して丸網抄紙機で抄造し、サイズプレス装置によりバインダーとして分子量が約20万のポリアクリルアマイド系紙力剤(商品名:PC−305、荒川化学工業社製)を乾燥付着量で1.0g/m、カチオン性ポリマーとしてジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物(商品名:ジェットフィックス5052、里田化工社製)を乾燥付着量で0.5g/m付着させ、マシンカレンダー処理をして坪量100g/m、密度0.50g/cmの実施例1の印刷用紙を作製した。
<実施例2>
実施例1のカチオン性ポリマーの乾燥付着量を1.0g/mとした以外は実施例1と同様にして、坪量100g/m、密度0.51g/cmの実施例2の印刷用紙を作製した。
<実施例3>
実施例1のカチオン性ポリマーの乾燥付着量を2.0g/mとした以外は実施例1と同様にして、坪量100g/m、密度0.53g/cmの実施例3の印刷用紙を作製した。
<実施例4>
ろ水度500mlCSFの漂白タケパルプ100部からなるパルプスラリーを使用した以外は実施例1と同様にして、坪量100g/m、密度0.64g/cmの実施例4の印刷用紙を作製した。
<実施例5>
実施例4のカチオン性ポリマーの乾燥付着量を1.0g/mとした以外は実施例4と同様にして、坪量100g/m、密度0.65g/cmの実施例5の印刷用紙を作製した。
<実施例6>
実施例4のカチオン性ポリマーの乾燥付着量を2.0g/mとした以外は実施例4と同様にして、坪量100g/m、密度0.64g/cmの実施例6の印刷用紙を作製した。
<実施例7>
ろ水度400mlCSFの漂白タケパルプ100部からなるパルプスラリーを使用した以外は実施例1と同様にして、坪量100g/m、密度0.70g/cmの実施例7の印刷用紙を作製した。
<実施例8>
実施例7のカチオン性ポリマーの乾燥付着量を1.0g/mとした以外は実施例7と同様にして、坪量100g/m、密度0.71g/cmの実施例8の印刷用紙を作製した。
<実施例9>
実施例7のカチオン性ポリマーの乾燥付着量を2.0g/mとした以外は実施例7と同様にして、坪量100g/m、密度0.73g/cmの実施例9の印刷用紙を作製した。
<実施例10>
ろ水度500mlCSFに調整した漂白タケパルプ80部/LBKP20部からなるパルプスラリーを使用した以外は実施例5と同様にして、坪量100g/m、密度0.68g/cmの実施例10の印刷用紙を作製した。
<実施例11>
ろ水度500mlCSFに調整した漂白タケパルプ50部/LBKP50部からなるパルプスラリーを使用した以外は実施例5と同様にして、坪量100g/m、密度0.74g/cmの実施例11の印刷用紙を作製した。
<実施例12>
実施例2のバインダーを完全けん化ポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ社製)とし、その乾燥付着量を1.0g/mとした以外は実施例2と同様にして、坪量100g/m、密度0.52g/cmの実施例12の印刷用紙を作製した。
<実施例13>
実施例5のバインダーを完全けん化ポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ社製)とし、その乾燥付着量を1.0g/mとした以外は実施例5と同様にして、坪量100g/m、密度0.67g/cmの実施例13の印刷用紙を作製した。
<実施例14>
実施例8のバインダーを完全けん化ポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ社製)とし、その乾燥付着量を1.0g/mとした以外は実施例8と同様にして、坪量100g/m、密度0.75g/cmの実施例14の印刷用紙を作製した。
<比較例1>
ろ水度500mlCSFに調整した漂白タケパルプ40部/LBKP60部からなるパルプスラリーを使用した以外は実施例5と同様にして、坪量100g/m、密度0.79g/cmの比較例1の印刷用紙を作製した。
<比較例2>
ろ水度650mlCSFの漂白タケパルプ100部からなるパルプスラリーを使用した以外は実施例5と同様にして、坪量100g/m、密度0.47g/cmの比較例2の印刷用紙を作製した。
<比較例3>
ろ水度350mlCSFの漂白タケパルプ100部からなるパルプスラリーを使用した以外は実施例5と同様にして、坪量100g/m、密度0.80g/cmの比較例3の印刷用紙を作製した。
<比較例4>
実施例5のカチオン性ポリマーの乾燥付着量を2.5g/mとした以外は実施例5と同様にして、坪量100g/m、密度0.66g/cmの比較例4の印刷用紙を作製した。
<比較例5>
実施例5のカチオン性ポリマーの乾燥付着量を0.3g/mとした以外は実施例5と同様にして、坪量100g/m、密度0.64g/cmの比較例5の印刷用紙を作製した。
<比較例6>
実施例5のバインダーを酸化澱粉(商品名:MS#3800、日本食品化工社製)に変え、その乾燥付着量を1.0g/m塗布した以外は実施例5と同様にして、坪量100g/m、密度0.68g/cmの比較例6の印刷用紙を作製した。
<比較例7>
実施例5のバインダーを未配合とし、カチオン性ポリマーを単独で乾燥付着量1.0g/m塗布した以外は実施例5と同様にして、坪量100g/m、密度0.61g/cmの比較例7の印刷用紙を作製した。
上記により作製した実施例1〜14及び比較例1〜7の印刷用紙について、下記の密度測定、嵩高感を評価し、更に実機オフセット印刷機による給紙性、ベタ印刷部のムラ(ベタムラ)、耐刷性を測定した。更に、インクジェット印刷を行ってインクジェット適性の各項目について評価し、その結果を表1に示した。
<印刷用紙の密度測定>
得られた手抄きシートの密度は、JIS P8118に従い測定した。なお、用紙の用途にもよるが、一般的な非塗工印刷用紙の密度は0.8g/cmを超えるものが多く、祝儀袋などに用いられる嵩高な和紙ライクの印刷用紙においては密度0.6g/cm前後のものが多い。
<印刷用紙の嵩高感>
得られた印刷用紙について、手で持ったときの重量感や紙腰の感じ、風合いや手肉感などを総合的に感覚評価した。
○:嵩高感が適度にあって印刷用紙として十分な品位を兼ね備えている。
△:やや嵩高感は減じるものの、使用に際して十分な品位を備えている。
×:やや柔軟性があり紙腰感が乏しく、嵩高感を得難いと感じられる。
実使用上、嵩高な印刷用紙として問題なく使用できるものは△以上である。
<オフセット印刷〜給紙性>
搬送性の中でも円滑なオフセット印刷作業に特に重要な給紙性は、作製した印刷用紙(菊版、2000枚)を枚葉紙平版オフセット輪転印刷機(商品名:ダイヤ304、三菱重工社製)にて6000枚/時間で4色印刷したときの状況により以下のよう評価した。
○:給紙に問題なく、安定的に連続して作業ができる。
△:やや給紙が不安定であったが、用紙ピックアップ用の給紙部条件(吸引圧力や
吸引口数など)を調整することで、問題なく連続して作業ができる。
×:用紙がピックアップできなかったり、一度に複数枚をピックアップしたりする
など、安定に給紙できず、連続した印刷作業ができない。
通常の印刷作業では△以上が必要であるが、好ましくは○が必要である。
<オフセット印刷〜ベタムラ>
オフセット印刷の刷り上がり面質に関し、印刷の品位に影響の大きなベタムラの評価は、作製した印刷用紙(菊版、1000枚)を枚葉紙平版オフセット輪転印刷機(商品名:ダイヤ304、三菱重工社製)にて6000枚/時間で、墨、藍、紅、黄の4色インキ(商品名:GEOS−G、大日本インキ化学工業社製)の50%ベタ印刷を印刷し、そのインキ転写ムラの状態を目視観察して以下のように判定した。
○:ムラなくインキが用紙に転写し、良好に印刷されている。
△:ややインキの転写ムラが認められるものの、実用上問題ない。
×:インキの転写ムラがひどく、印刷形成に問題が生じる。
目標とするレベルは△以上である。
<オフセット印刷〜耐刷性>
オフセット印刷で多数の印刷物を安定的に刷り上げるために重要な印刷用紙の耐刷性は、作製した印刷用紙(菊版、2000枚)を枚葉紙平版オフセット輪転印刷機(商品名:ダイヤ304、三菱重工社製)にて6000枚/時間で、4色印刷したときの状況とその際の印刷物を観察し以下のように評価した。
○:印刷物にムケがなく、印刷機ブランケットにも繊維や紙粉などの混入がほぼ
認められない。
△:印刷物に若干のムケが認められるものの、印刷機ブランケットには繊維や
紙粉などの混入が少なく実用上問題ない。
×:印刷物にムケが多数発生し、印刷機ブランケットには繊維や紙粉などが多く認め られ、実用に値しない。
目標とするレベルは△以上である。
<インクジェット印刷〜画像濃度>
作製した印刷用紙にインクジェットプリンタ(商品名:PM−G850、セイコーエプソン社製)を使用してブラック、シアン、マゼンタ、イエローのベタ印刷を印刷し、印刷部分をマクベス濃度計(商品名:Mcbeth RD919、Kollmorgen Corporation社製)にて各色の印刷光学濃度を測定し、その合算値を求めた。
○:光学濃度の合算値が3.8以上あり、非塗工紙として十分なレベル。
△:光学濃度の合算値が3.4以上あり、非塗工紙として実用上問題ないレベル。
×:光学濃度の合算値が3.4未満であり、非塗工紙であっても実用上問題がある。
目標とするレベルは△以上である。
<インクジェット印刷〜インク吸収性>
作製した印刷用紙にインクジェットプリンタ(商品名:PM−G850、セイコーエプソン社製)を使用して、シアンインク、マゼンタインクで重色の矩形パターンを印刷し、この印刷パターンと未印刷部分の境界部分を下記の基準に従って目視にて評価した。
○:境界部分に滲みが全く認められない。
△:境界部分にわずかに滲みが認められる。
×:境界部分に顕著に滲みが認められる。
良好なインク吸収性を示すのは、○あるいは△の評価である。
<インクジェット印刷〜印刷耐水性>
作製した印刷用紙にインクジェットプリンタ(商品名:PM−G850、セイコーエプソン社製)を使用して評価印刷を印刷した後、カラーインクの文字印刷部分に水滴を1滴垂らして静置し、自然乾燥後の文字の滲み具合を下記のように目視判定した。
○:滲みがなく良好。
△:若干滲みを生じるが、文字を読み取るうえで実用上問題ないレベル。
×:大きく滲みが生じ、文字を読み取るには問題があり実用上使用不可のレベル。
耐水性としては○が望ましいが、最低でも△以上の品質が望まれる。
Figure 2010222747
表1より、本発明の範囲内である実施例1〜14であれば、タケパルプを用いた嵩高感のある印刷用紙において、オフセット印刷における給紙性、印刷の均一性、耐刷性に優れ、かつ、インクジェット印刷においても画像濃度、インク吸収性、耐水性に優れた用紙を提供できることがわかる。
実施例5、10、11と比較例1の比較によって、タケパルプの配合率を50%以上とすることで、嵩高感を維持しながらオフセット印刷、インクジェット印刷に適した印刷用紙を提供できることがわかる。
実施例2、5、8と比較例2、3の比較によって、原料パルプスラリーのろ水度を600〜400mlCSFとすることで、嵩高感を維持しながらオフセット印刷、インクジェット印刷に適した印刷用紙を提供できることがわかる。
実施例4、5、6と比較例4、5の比較によって、カチオンポリマーの付着量を0.5〜2.0g/mとすることで、嵩高感とオフセット印刷の適性を維持しながら、インクジェット印刷に適した印刷用紙を提供できることがわかる。
実施例5、13と比較例6、7の比較によって、カチオンポリマー単独ではなくバインダーとしてポリアクリルアマイドあるいはポリビニルアルコールを併用することによって、嵩高感とインクジェット印刷適性を維持しながら、オフセット印刷に適した印刷用紙を提供できることがわかる。
本発明において、パルプ繊維として漂白処理が施されたタケパルプを50%以上含み、ろ水度として、600〜400mlに調成された原料を使って製造した原紙の上に、カチオン性ポリマーを原紙に0.5〜2.0g/m塗布あるいは含浸すること、更に、用紙の密度を0.50〜0.75g/cmに調整し、カチオン性ポリマーとポリアクリルアマイドあるいはカチオン性ポリマーとポリビニルアルコールを併用して原紙に塗布あるいは含浸することにより、嵩高感がありかつオフセット印刷適性とインクジェット印刷適性を兼ね備えた印刷用紙を提供することができる。

Claims (3)

  1. パルプ繊維として漂白処理が施されたタケパルプを50%以上含み、ろ水度として600〜400mlに調成された原料を使って製造した原紙の上に、カチオン性ポリマーを原紙に0.5〜2.0g/m塗布あるいは含浸することを特徴とする印刷用紙。
  2. 印刷用紙の密度が0.55〜0.75g/cmに調整されたことを特徴とする請求項1記載の印刷用紙。
  3. カチオン性ポリマーとポリアクリルアマイドあるいはカチオン性ポリマーとポリビニルアルコールを併用して原紙に塗布あるいは含浸することを特徴とする請求項1記載の印刷用紙。
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