JPS6255513B2

JPS6255513B2 -

Info

Publication number: JPS6255513B2
Application number: JP56075647A
Authority: JP
Inventors: Hiroyo Ooshima; Yutaka Kojima; Yukio Kobayashi; Koichi Nagai
Original assignee: Jujo Paper Co Ltd
Current assignee: Jujo Paper Co Ltd
Priority date: 1981-05-21
Filing date: 1981-05-21
Publication date: 1987-11-19
Also published as: JPS57191083A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明はインキジエツト記録方式に適した記録
用紙に関するものであり、紙面に付着したインキ
滴が速やかに紙層内部に吸収され、しかも紙面上
でのインキドツトの広がりを抑え、かつ記録濃度
を高く保つことのできるインキジエツト記録用紙
に関するものである。インキジエツト記録方式は騒音が少ないこと、
カラー化が容易であること、高速記録が可能であ
ること等の理由から近年注目を集め、フアクシミ
リ、各種プリンター等への応用が広がりつつあ
る。一般にインキジエツト記録方式に於ては普通紙
の使用が可能であるが、良好な記録を得るために
は紙自体が次の条件を兼備していることが必要で
ある。即ち第１にインキの吸収性が良く、紙表面
に付着したインキ滴が速やかに紙層内部に吸収さ
れ、見掛上乾いた状態になること、第２に該紙面
上でのインキドツトの広がりを抑えることであ
る。第１の条件は最も基本的なインキジエツト記録
用紙の条件である。紙面に達したインキが速やかに紙層内に吸収さ
れず紙の表面に留つている場合には汚れの原因と
なる。特に多色記録の場合には数色のインキが紙
面上の同一、又は直近箇所に極めて短時間のうち
に付着することになり、紙表面の単位面積当りの
インキ量が単色記録に比べ増大するため、良好な
吸収性はとくに重要である。第２の条件は鮮明な記録物を得るための必須条
件である。インキドツトの広がりは紙の平面方向
への広がりのほか、紙層内への浸透の形でも起
る。これに対して記録物の反射濃度は、紙の表面
の単位面積当りに存在するインキ成分の量に支配
されることから、ドツトの紙表面での広がりおよ
び紙層内への浸透を押えることによつて、記録濃
度を高めることができる。一般に、インキ吸収性の大きい紙ほど、インキ
ドツトの広がり速度は大きくなることから、上述
の第１及び第２の条件は相矛盾する性質のもので
ある。従つてこの２つの条件を同時に満足するイ
ンキジエツト記録用紙の開発が望まれている。上記の如き課題を解決するために、本発明者ら
は先に特開昭52−53012号に於て、通常の湿潤紙
力増強剤を内添して得た事実上サイズ度０秒の原
紙に、通常のバインダーと顔料を塗工したサイズ
度３秒以下の表面塗工紙を水性インキ記録用紙と
して使用することを提案し、更に特願昭56−6303
号に於ては、ヒドロキシエチルセルロースと特定
の比表面積を有する軽質炭酸カルシウムを含む顔
料を塗工した表面塗工紙、特願昭56−15658号に
於ては、メチルセルロースと特定の比表面積を有
する軽質炭酸カルシウムを含む顔料を塗工した表
面塗工紙を、それぞれ水性インキ記録用紙として
使用することを提案した。本発明は更に鋭意研究を重ねた結果なされたも
ので、基紙に水溶性ヘミセルロースを含む水溶性
高分子液を塗布（下塗り）後、更にその上にヒド
ロキシエチルセルロース等の水溶性非電解質セル
ロース誘導体と顔料とを含む塗液を塗布（上塗
り）することにより、優れたインキ発色とコント
ラストが得られるインキジエツト記録用紙を提供
するものである。次に本発明について詳細に説明する。本発明の
記録用紙は、選択された２種の塗液を使用して基
紙に二層塗工することを特徴とする。本発明に使用する基紙は、一般にNBKP、
NBSP、LBKP、LBSP等の晒化学パルプに、成紙
のステキヒトサイズ度の調節のために必要に応じ
てGP、TMP等の機械パルプ、CGP等の半機械パ
ルプ、澱粉、ポリアクリルアミド樹脂およびこれ
らの誘導体、メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿
素ホルムアルデヒド樹脂等の紙力増強剤、強化ロ
ジン合成ポリマー系又はアルキルケテンダイマー
等のサイズ剤および硫酸バンドその他の定着剤、
タルク、クレー、重質又は軽質炭酸カルシウム、
水酸化アルミニウム、天然又は合成珪酸塩、酸化
チタン等の無機填料、又は粉末状の尿素ホルムア
ルデヒド樹脂等の有機填料を添加して普通に抄造
したもの、或いはこれにさらに必要に応じて酸化
澱粉、その他の紙力増強剤を外添したものを使用
するが、基紙自体の組成について特に限定される
ものではない。本発明に於て、下塗りに使用する塗液は水溶性
ヘミセルロースを含む水溶性高分子液である。一
般にヘミセルロースとしては木材パルプからアル
カリで抽出されるキシラン、マンナン、ガラクタ
ン、ガラクトマンナン、グルコマンナン、アラボ
ガラクタン等が知られているが、本発明では水溶
性のものを使用する。水溶性ヘミセルロースとし
ては、もちろん重合度にもよるがアラバン、ガラ
クトマンナン、メチルグルキユロノキシラン等が
ある。グアー又はローカストビーンの種子から抽
出されたガラクトマンナン及び変性ガラクトマン
ナンは特に良好である。これらの水溶性ヘミセル
ロースは、通常、５〜10％水溶液として、基紙に
２〜５ｇ／cm²塗布する。本発明では下塗り液とし
て前記の水溶性ヘミセルロースを必須成分として
使用するが、酸化澱粉、ポリビニルアルコール、
又はポリアクリルアミド等の高分子水溶液と混合
して使用しても良い。又これらの下塗り液はブレ
ード、エアナイフ、ロールコーター等通常の塗工
機の他、サイズプレスによつても塗布可能であ
る。本発明では基紙の表面に、前記の水溶性ヘミセ
ルロースを主成分とする下塗り液を塗布後、更に
その上に水溶性非電解質セルロース誘導体と顔料
とを含む溶液を上塗りするのであるが、この上塗
り塗液に使用する水溶性非電解質セルロース誘導
体としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等
があり、重合度及び濃度の選定により希望する粘
度の水溶液とすることができる。上塗り液で使用
する顔料としては、重質又は軽質炭酸カルシウ
ム、タルク、カオリン、水酸化アルミニウム、合
成珪酸塩等の紙塗工用顔料の何れも使用できる
が、インキにじみの点で軽質炭酸カルシウムを含
めるようにするのが望ましい。以下、本発明を実施例に従つて説明する。なお
本発明に係る記録用紙の品質試験をするために、
松下電送製パナフアツクス6000を使用してインキ
ジエツト記録を行つた。記録方法は２個のインキ
ジエツトガンを使用した赤と黒の２色刷りとし、
先ず赤のインキを10秒間噴射し、次いで赤と黒の
両インキを５秒間、最後に黒だけ10秒間噴射して
印刷した。出来上りの印刷は赤と黒の各単色印刷
の幅は夫々24mm、中央の赤、黒重復部分の印刷幅
は８mmである。この記録印刷物を次の３項目につ
いて評価した。さらに紙面上のドツト径の評価は４番目の項目
でのべるように、他タイプのプリンターで記録し
たカラー印刷物で行なつた。１反射濃度：赤印刷部分についてはマゼンタ用
フイルター（グリーン、ラツテン＃58）とイエ
ロー用フイルター（ブルー、ラツテン＃47）を
使用し、黒印刷部分についてはブラツク用フイ
ルター（ビジユアル、ラツテン＃106）を使用
してマクベス反射計により測定した各色の反射
濃度の合計値。２にじみ：赤と黒の重復印刷境界部分のインキ
のにじみおよび流れ出しの程度を、Ａを最良と
するＡ、Ｂ、Ｃ、Ｄの４段階で評価。３乾燥時間：黒印刷部分が記録後、乾燥した状
態となる迄の時間。４紙面上のドツト径：ノズル径50μの３個のイ
ンキジエツトガンから夫々シアン、イエロー、
マゼンタの３色のインキを略同時に噴射させて
インキ粒子径70μｍの印刷を行い、乾いた後の
ドツト径の測定。〔基紙の調製〕下記の方法で、３種類の原紙Ａ、Ｂ、Ｃを調製
した。原紙Ａ：フリーネス350mlのLBKP80重量部及び
フリーネス450mlのNBKP20重量部から成る原
料パルプに、合成珪酸塩（J.M.ヒユーバー
製、ゼオレツクス）25重量部とポリアミドポリ
アミン系湿潤紙力増強剤（デイツクスハーキユ
レス製、カイメン557）0.2重量部とを添加し、
長網マシンを使用して常法で60ｇ／m²に抄紙し
た、ステキヒトサイズ度０秒の紙。原紙Ｂ：原紙Ａと同一の原料パルプに、クレーを
30重量部添加し、長網マシンで常法により抄紙
後、酸化澱粉（王子コーンスターチ製、王子エ
ースＢ）とスチレン−アクリル系共重合物（星
光化学製、パールガムCS）との98.5重量部対
1.5重量部の溶液でサイズプレスを行なつた、
60ｇ／m²（うちサイズ成分含量約５ｇ／m²）、
ステキヒトサイズ度６秒（0.1秒／ｇ／m²）の
紙。原紙Ｃ：フリーネス350mlのLBKP80重量部、フ
リーネス450mlのNBKP20重量部から成る原料
パルプに、クレー30重量部を添加し、長網マシ
ンで常法により抄紙後、酸化澱粉（王子エース
Ｂ）とスチレン−アクリル系共重合物（パール
ガムCS）との97重量部対３重量部の溶液でサ
イズプレスを行なつた、60ｇ／m²（うちサイズ
成分量約５ｇ／m²）、ステキヒトサイズ度12秒
（0.2秒／ｇ／m²）の紙。実施例１下塗り液として、リン酸エステル化ガラクトマ
ンナン（メイホルドケミカル製、メイプロフイル
ム50）の５％水溶液、リン酸エステル化澱粉（ア
ベベ社製、ニールガムA85）を蒸煮した９％溶
液、完全ケン化ポリビニルアルコール（クラレ
製、PVA117）の９％水溶液及びアニオン性ポリ
アクリルアミド（星光化学製、Ｘコート130）の
10％水溶液を調製した。原紙Ａ、Ｂ、Ｃを使用し
て、これらの上面に前記４種類の下塗り液を、塗
布量が２〜５ｇ／m²になるように塗布した。更に
その上に、ヒドロキシエチルセルロースの５％水
溶液25重量部（固型分）に、重質炭酸カルシウム
（丸尾カルシウム製、スーパー1500）のスラリー
40重量部（固形分）と軽質炭酸カルシウム（丸尾
カルシウム製、555S）のスラリー35重量部（固
形分）を混合して調製した上塗り液を７〜９ｇ／
m²になるように塗布して、記録用紙(1)〜(12)を得
た。但し、下塗りなしの記録用紙(1)及び(2)につい
ては、合計塗布量を一致させるために11〜14ｇ／
m²塗布した。これら記録用紙の品質試験結果は表１に示す通
りである。

【表】表１に於て、本発明例に係る記録用紙(4)〜(6)
は、比較例に係る同一基紙を使用した場合の記録
用紙(1)〜(3)と比較して、にじみ及び乾燥時間に於
て良好な性能を維持すると共に、明らかに反射濃
度が向上し、ドツト径が小さくなる効果を有す
る。これに対して、水溶性ヘミセルロース以外を
成分とする不塗り塗工層を設けた記録用紙(7)〜(12)
は、反応濃度に若干の向上がみられるものの、い
ずれも乾燥時間が大幅に長くなる。この他、比較
例に係る記録用紙(7)及び(9)〜(12)は、にじみが生じ
易い欠点がある。更に、本発明は、原紙Ａ又はＢ
の如くステキヒトサイズ度が０又は低い基紙を使
用した場合に特に効果が顕著であり、乾燥時間も
早く総合的に優れた品質の記録用紙が得られる。実施例２下塗り液として、低重合度ガラクトマンナン
（メイホルドケミカル製、メイプロフイルムSF−
215）の５％水溶液及びリン酸エステル化ガラク
トマンナン（メイプロフイルム50）の５％水溶液
を調製した。一方、上塗り液として、メチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、酸化澱粉、完全ケン化ポ
リビニルアルコール及びスチレンブタジエン共重
合体ラテツクスの各５〜40％水溶液又は水分散液
25重量部（固形分）に、重質炭酸カルシウム（丸
尾カルシウム製、FC−20）のスラリー40重量部
（固形分）と軽質炭酸カルシウム（丸尾カルシウ
ム製、MP−50）のスラリー35重量部（固形分）
とを混合して６種類の塗液を調製した。これらの
下塗り液及び上塗り液を実施例１と同様にして、
原紙Ａ及びＢに塗布しインキジエツト記録用紙
（13）〜（18）を得た。これらの記録用紙の品質試験結果は表２に示す
通りである。

【表】表２に於て、本発明に係る記録用紙（15）〜
（20）は、いずれの試験項目に於ても優秀な結果
を示している。これに対して、同じ水溶性ヘミセ
ルロースを含む下塗り液を塗布した場合でも、上
塗り液としてカルボキシメチルセルロース、酸化
澱粉、ポリビニルアルコール、スチレンブタジエ
ン共重合体ラテツクスを使用した比較例（21）〜
（28）は反射濃度が低く、しかもにじみが多くド
ツト径も大きく、本発明品より遥かに劣ることが
明らかである。

Claims

【特許請求の範囲】１基紙上に、水溶性ヘミセルロースを含む水溶
性高分子の塗工層を設け、更にこの塗工層上に水
溶性非電解質セルロース誘導体と顔料とを含む塗
工層を設けたことを特徴とするインキジエツト記
録用紙。２基紙がステキヒトサイズ度０〜0.15秒／ｇ／
m²であることを特徴とする特許請求の範囲第１項
記載のインキジエツト記録用紙。