明 細 書 心筋機能障害の予防及び Z又は治療剤 技術分野
本発明は、 心筋機能障害の予防や治療に有用な医薬に関する も のである。 背景技術
血栓形成な どによ り ある器官の血流の途絶 (以下、 「血流の途 絶」 を 「虚血」、 「途絶した血流の再開」 を 「再灌流」 とい う こ と がある。) が起こ る と、 その器官への酸素 , 基質の供給が停止し、 代謝老廃物の洗い流しができな く なるため、重大な障害が起こ る。 こ の様な障害は心臓、 脳をは じめ とする あ らゆる臓器で起こ り う る。 そ して障害の程度は血流の途絶時間の延長と共に進展し、 血 流の途絶は心臓を例に取る といわゆる心筋梗塞や心不全等の原因 と な り 、 脳を例に取る と脳梗塞等の原因 と なる。 今、 例に拳げた 疾患はその原因が同じであるため、 脳で効果を示す薬剤は脳以外 の臓器 (例えば心臓等) でも有効である可能性がある。 しかし実 際には脳梗塞サイ ズを縮小 した (He YY, Hsu CY, Ezrin AM, Miller MS. Polyethylene glycol-conjugated superoxide dismutase in focal cerebral ischemia-reper fusion. Am. J. Physiol. 265: Η252Ή256, 1993) と幸艮告されている、 スーパーォ キサイ ド · スカベンジャーの SOD(Super Oxide dismutase)は心 臓の虚血 · 再灌流モデルにおいては心筋の機能障害を改善しない (Jeroudi MO, Triana FJ, Patel BS, Bolli R. Effect of superoxide dismutase and catalase, given separately, on myocardial " stunning" . Am. J. Physiol. 259: H889-H901, 1990)とレヽう幸艮
告がある。
と こ ろで、 下記式 ( I )
(式中、 R 1 は水素原子、 ァ リ ール、 炭素数 1 〜 5 のアルキル又 は総炭素数 3 〜 6 のアルコ キシカルボニルアルキルを表 し、 R 2 は、 水素原子、 ァ リ ールォキシ、 ァ リ ールメノレカ プ ト、 炭素数 1 〜 5 のアルキル又は 1 〜 3 の ヒ ドロ キシアルキルを表し、 あるい は、 R 1及び R 2は、 共同 して炭素数 3 〜 5 の アルキ レ ンを表し、 R 3は水素原子、 炭素数 1 〜 5 の アルキル、 炭素数 5 〜 7 の シ ク 口 アルキル、 炭素数 :! 〜 3 の ヒ ド ロ キ シアルキル、 ベ ンジル、 ナ フ チル又 は フ エ ニル、 又は炭素数 1 〜 5 の アル コ キ シ、 炭素数 1 〜 3 の ヒ ド ロ キ シアルキル、 総炭素数 2 〜 5 の アルコ キ シ力 ルポ ニル、 炭素数 1 〜 3 の アルキルメ ルカ プ ト、 炭素数 1 〜 4 の ァノレ キルア ミ ノ 、 総炭素数 2 〜 8 の ジアルキルア ミ ノ 、 ハ ロ ゲ ン原子、 ト リ フ ノレオ ロ メ チル、 カ ルボ キ シル、 シァ ノ 、 水酸基、 ニ ト ロ 、 ァ ミ ノ 、 及びァセ ト ア ミ ドからなる群から選ばれる同一若しく は 異なる 1 〜 3 個の置換基で置換されたフ エニルを表す。)で表され る ビラ ゾロ ン誘導体は、 医薬の用途と して、脳機能正常化作用 (特 公平 5 — 3 1 5 2 3 号公報)、 過酸化脂質生成抑制作用 (特公平 5 — 3 5 1 2 8 号公報、 例 1 の化合物)、 抗潰瘍作用 (特開平 3 — 2 1 5 4 2 5 号公報)、 血糖上昇抑制作用 (特開平 3 — 2 1 5 4 2 6 号公報) 及び移植腎臓保存作用 (特開平 9 一 5 2 8 0 1 号公報) が知 られている。 '
こ の中で、 特公平 5 — 3 5 1 2 8 号公報中実施例 2 には心筋虚
血保護作用に対する記載があるが、 こ こ では血流を途絶させる前 か ら被験薬を投与し続けている。 しかし、 実際の臨床現場にお いては、 血流の途絶がおこってから患者が運ばれて く る ので、 血 流の途絶前から薬剤を投与し続ける とい う こ と は考えに く く 、 血 流の途絶発生後、 途絶した血流を再開させる前に薬剤を投与する こ と がよ り 現実的である。 また、 虚血前から予防的に薬剤を投与 する こ と が実際には可能であるが、 経済性や安全性等の観点から 薬剤の投与量は必要最小限に押さ える こ と が望ま しいこ と も周知 の事実である。 本発明の開示
本発明の 目的は臨床現場で使用される条件によ り 近い条件で、 心筋機能障害に対する ピラ ゾ口 ン誘導体の有用性を明 らかに し、 よ り 少ない投与量で心筋機能障害の予防及び/又は治療可能な医 薬を提供する こ と にある。 この医薬を用いる と薬剤の投与量を抑 える こ と ができ、 経済性や安全性に優れた心筋機能障害の予防及 び z又は治療のための医薬を提供する こ と が可能になる。 また、 本発明ではこ の医薬を用いた心筋機能障害を予防及び/又は治療 する方法も提供する。
本発明者は上記の 目的を達成すべく 鋭意努力 した結果、 ピラ ゾ ロ ン誘導体、 その水和物、 又はその薬理学的に許容される塩を有 効成分と して含む医薬が、 血流の途絶発生前からではな く 血流の 途絶発生後から途絶した血流を再開させる前までの間に投与して も心筋機能障害の予防及び/又は治療に充分に有用である こ と を 見出 し、 本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、 以下の心筋機能障害の予防及び/又は治療 のための医薬、 並びに心筋機能障害を予防及び/又は治療する方 法に関する。
1 . 前記式 ( I ) で表される ピラ ゾロ ン誘導体又はその生理的に 許容される塩を有効成分 と して含む心筋機能障害の予防及び/ 又は治療のための医薬であって、 血流の途絶発生後から途絶した 血流を再開する前までの間に投与を開始する こ と を特徴とする心 筋機能障害の予防及び Z又は治療のための医薬。
2 . 虚血状態にある患者に対し、 前記式 ( I ) で表される ピラ ゾ 口 ン誘導体又はその生理的に許容される塩を有効成分と して含む 薬剤を投与する こ と を特徴とする、 心筋機能障害の予防及び Z又 は治療のための医薬。
3 . 前記式 ( I ) の ピラ ゾロ ン誘導体が 3 _メ チル— 1 _ フエ二 ル— 2 — ピラ ゾリ ン一 5 —オンである第 1 項又は第 2項記載の医 ^。
4 . 血流の途絶発生後から途絶した血流を再開する前までの間に 前記式 ( I ) で表される ピラ ゾロ ン誘導体又はその生理的に許容 される塩を有効成分 と して含む薬剤を投与する こ と を特徴とする 心筋機能障害を予防及び Z又は治療する方法。
5 . 前記式 ( I ) で表される ピラ ゾロ ン誘導体又はその生理的に 許容される塩を有効成分 と して含む薬剤を投与する こ と を特徴と する、 虚血状態にある患者の心筋機能障害を予防及び/又は治療 する方法。
6 . 前記式 ( I ) のピラ ゾロ ン誘導体が 3 —メ チルー 1 一 フ エ - ルー 2 一 ビラ ゾリ ンー 5 —オンである第 4項又は第 5項記載の心 筋機能障害を予防及び/又は治療する方法。
本発明の有効成分である前記式 ( I ) の ピラ ゾロ ン誘導体は、 合目的な任意の方法によ り 合成する こ と ができ、 好ま しい合成方 法の例 と しては特開昭 6 2 - 1 0 8 8 1 4号公報に記載されてい る方法が挙げられる。
本発明の有効成分と しては、 遊離形態の前記式 ( I ) の ピラ ゾ
ロ ン誘導体を用いても よいが、 その任意の溶媒和物、 あるいは、 前記式 ( I ) の ピラ ゾロ ン誘導体又はその任意の溶媒和物の生 理的に許容さ れる塩を用いる こ と も でき る。
なお、 該ピラ ゾロ ン誘導体には特公平 5 — 3 1 5 2 3 号公報第 5 欄上段の化学構造式に示される よ う な互変異性体 (下式 ( 1 ' ) 又は .( I ' ' ) ) が存在する が、 本発明の医薬の有効成分には、 これ ら の異性体のすべてが包含される こ と はい う までも ない。
前記式 ( I ) において、 R 1の定義における ァ リ ー ル基 と して は、 フ エニル基並びにメ チル基、 ブチル基、 メ ト キシ基、 ブ ト キ シ基、 塩素原子及び水酸基等の置換基で置換されたフ 二ル基等 が挙げ られる。
R \ R 2及び R 3の定義における炭素数 1〜 5 のアルキル基 と し ては、 メ チル基、 ェチル基、 プ ロ ピル基、 イ ソ プロ ピル基、 プチ ル基、 イ ソ ブチル基、 sec—ブチル基、 tert—ブチル基、 ペンチル 基等が挙げ られる。
R 1の定義における総炭素数 3〜 6 のアル コ キ シカ ルボニルアル キル基 と しては、 メ ト キシカルポニルメ チル基、 ェ ト キシカルボ 二ノレメ チル基、 プロ ポキシカルボニ ルメ チル基、 メ ト キシカルボ ニルェチル基、 メ ト キシカルボニルプロ ピル基等が挙げ られる。
R 2の定義における ァ リ ールォキシ基 と しては、 フエ ノ キシ基、 P — メ チノレフ エ ノ キ シ基、 P — メ ト キシフ エ ノ キ シ基、 p — ク ロ 口 フ エ ノ キ シ基、 p — ヒ ド ロ キシフエ ノ キシ基等が挙げ られ、 ァ リ ールメルカ プ ト基と しては、 フ エ二ルメ ルカ プ ト基、 P — メ チ
ルフ エ二ルメ ルカ プ ト基、 p — メ ト キシフ エ二ルメ ルカ プ ト基、 p — ク ロ 口 フ エニノレメ ノレカ プ ト基、 p — ヒ ド ロ キシフ エニノレメ ルカ プ ト基等が挙げ られる。
R 2及び R 3の定義における炭素数 1〜 3 の ヒ ド ロ キシアルキル 基と しては、 ヒ ド ロ キシメ チル基、 2— ヒ ド ロ キシェチル基、 3— ヒ ドロ キシプロ ピル基等が挙げ られる。 R 3の定義における炭素 数 5〜 7 のシク ロ アノレキル基 と しては、 シク ロ ペンチル基、 シク 口へキシル基、 シク 口 へプチル基等が挙げ られる。
R 3の定義において、 フ ヱニル基の置換基における炭素数 1〜5 のアルコ キシ基と しては、 メ ト キシ基、 エ ト キシ基、 プロ ボキシ 基、 イ ソ プロ ボキシ基、 ブ ト キシ基、 ペンチルォキシ基等が挙げ られ、 総炭素数 2〜 5 のアルコ キシカルポニル基と しては、 メ ト キシカノレポ二ノレ基、 エ ト キシカノレポ二ノレ基、 プロ ボキシカノレポ二 ル基、 ブ ト キシカルボニル基等が挙げ られ、 炭素数 1〜 3 のアル キルメ ルカ プ ト基 と しては、 メ チルメ ルカ プ ト基、 ェチルメ ル力 ブ ト基、 プロ ピルメ ルカ プ ト基等が挙げ られ、 炭素数 1〜 4 のァ ルキルア ミ ノ 基と しては、 メ チルァ ミ ノ 基、 ェチルァ ミ ノ 基、 プ 口 ピルア ミ ノ 基、 ブチルァ ミ ノ 基等が挙げ られ、 総炭素数 2〜 8 のジアルキルア ミ ノ 基と しては、 ジメ チルァ ミ ノ 基、 ジェチルァ ミ ノ 基、 ジプロ ピルア ミ ノ 基、 ジブチルァ ミ ノ 基等が挙げ られる。 本発明で用いる前記式 ( I ) の化合物の具体例 と しては、 例え ば、 以下に示す化合物が挙げ られる。
3 — メ チルー 1 _ フ エ二ルー 2 — ビラ ゾ リ ン一 5 —オン、 3 _ チル一 1 — ( 2 —メ チルフ エニル) 一 2 — ピラ ゾ リ ン一 5 —オン、
3 — メ チルー 1 _ ( 3 — メ チルフ エニル) 一 2 _ ピラ ゾ リ ン一 5 —オン、
3 — メ チノレー 1 — ( 4 — メ チルフ エ ニル) 一 2 — ビ ラ ゾ リ ン ー 5 — オ ン、
3 — メ チノレー 1 一 ( 3, 4 — ジメ チノレ フ エ 二ノレ) ー 2 — ピ ラ ゾ リ ン _ 5 — オ ン、
1 一 ( 4 一 ェチルフ エ ニル) 一 3 — メ チル _ 2 — ピ ラ ゾ リ ン一 5 — オ ン、
3 — メ チノレー 1 _ ( 4 — プ ロ ピルフ エ ニル) 一 2 — ビ ラ ゾ リ ン 一 5 — オ ン、
1 - ( 4 一 プチルフ エ ニル) 一 3 — メ チルー 2 — ピ ラ ゾ リ ン一 5 — オ ン、
1 一 ( 3 — ト リ フノレオ ロ メ チノレフ ェ ニノレ) _ 3 — メ チノレー 2 — ピラ ゾ リ ン一 5 — オ ン、
1 - ( 4 一 ト リ フノレオ ロ メ チノレフ ヱ ニル) _ 3 — メ チノレー 2 — ピラ ゾ リ ン一 5 — オ ン、
1 - ( 2 — メ ト キ シ フ エ ニル) 一 3 — メ チル一 2 — ピラ ゾ リ ン 一 5 — オ ン、
1 ― ( 3 — メ ト キ シ フ エ ニル) — 3 — メ チルー 2 — ピ ラ ゾ リ ン 一 5 — オ ン、
1 - ( 4 ー メ ト キ シ フ エ 二ル) 一 3 — メ チルー 2 — ピ ラ ゾ リ ン 一 5 — オ ン、
1 一 ( 3, 4 — ジ メ ト キシフ エ ニル) _ 3 — メ チルー 2 — ビ ラ ゾ リ ン - 5 — オ ン、
1 一 ( 4 一 エ ト キ シ フ エ 二ノレ ) 一 3 — メ チルー 2 — ピラ ゾ リ ン — 5 — オ ン、
3 — メ チルー 1 — ( 4 — プ ロ ポキ シフ エ ニル) _ 2 — ビ ラ ゾ リ ンー 5 — 才 ン、
1 一 ( 4 — ブ ト キ シフ エ ニル) _ 3 — メ チルー 2 — ビ ラ ゾ リ ン ― 5 一 オ ン、
1 一 ( 2 — ク ロ 口 フ エニル) 一 3 — メ チノレー 2 — ピラ ゾ リ ン一 5 一オン、
1 ― ( 3 — ク ロ 口 フ エニル) 一 3 — メ チノレー 2 — ビラ ゾ リ ンー 5 _オン、
1 — ( 4 — ク ロ 口 フ エニル) 一 3 — メ チル一 2 — ピラ ゾ リ ン一 5 —オン、
1 - ( 3 , 4 — ジク ロ ロ フ エニル) 一 3 — メ チノレー 2 — ピラ ゾ リ ン一 5 —オン、
1 — ( 4 一プロ モ フ エ ニル) 一 3 — メ チノレ一 2 — ピラ ゾ リ ン 一 5 —オン、
1 - ( 4 — フルオ ロ フ ェニル) 一 3 — メ チノレ一 2 — ピラ ゾ リ ン 一 5 _オン、
1 一 ( 3 — ク ロ ロ ー 4 — メ チノレフ エ二ノレ) 一 3 _メ チル _ 2 — ピラ ゾ リ ン一 5 _オン、
1 - ( 3 — メ チルメ ルカ プ ト フ エニル) — 3 — メ チル一 2 — ピ ラ ゾ リ ン一 5 —オン、
1 一 ( 4 — メ チルメ ルカ プ ト フ エニル) 一 3 — メ チル _ 2 — ピ ラ ゾ リ ン一 5 —オン、
4 - ( 3 — メ チルー 5 —ォキ ソ 一 2 — ピラ ゾ リ ン一 1 —ィル) 安息香酸、
1 一 ( 4 ー ェ ト キシカルボニルフ エ二ル) _ 3 — メ チノレ一 2 _ ビラ ゾ リ ン一 5 —オン、
1 一 ( 4 一二 ト ロ フ エニル) 一 3 — メ チル _ 2 _ ピラ ゾ リ ン一 5 _オン、
3 —ェチルー 1 _ フ エ二ルー 2 — ピラ ゾ リ ン一 5 —オン、
1 一 フ エニル一 3 — プロ ピル一 2 — ピラ ゾ リ ン一 5 —オン、 1 , 3 — ジフ エ二ルー 2 — ピラ ゾ リ ン一 5 —オン、
3 — フ エニル _ 1 一 ( p — ト リ ル) 一 2 — ビラ ゾ リ ンー 5 —才 ン、
1 — ( 4 — メ ト キシフ エ二ル) 一 3 — フ エ二ルー 2 — ビラ ゾ リ ンー 5 —オン、
1 — ( 4 — ク ロ 口 フ エニル) — 3 — フ エ二ルー 2 — ビラ ゾ リ ン 一 5 —オン、
3 , 4 — ジメ チノレー 1 一 フ エニノレー 2 — ビラ ゾ リ ン一 5 マオン、 4 ーィ ソ プチルー 3 ー メ チルー 1 一 フ エ二ルー 2 — ビラ ゾ リ ン 一 5 —オン、
4 一 ( 2 — ヒ ド ロ キシェチル) 一 3 — メ チル _ 1 一 フ エ二ルー 2 _ ピラ ゾ リ ン一 5 —オン、
3 — メ チノレー 4 一 フ エ ノ キシ一 1 一 フ エ二ルー 2 — ビラ ゾ リ ン _ 5 —オン、
3 — メ チノレー 4 一 フ エュルメノレカ プ ト 一 1 — フ エニノレ ー 2 — ピ ラ ゾ リ ン一 5 —オン、
3, 3 ', 4, 5 , 6 , 7 —へキサ ヒ ド ロ ー 2 — フエ二ルー 2 H —ィ ンダゾール一 3 —オン、
3 — (エ ト キシカルポニルメ チル) 一 1 一 フ エニル一 2 — ビラ ゾ リ ンー 5 —オン、
1 — フ エニル一 2 — ピラ ゾ リ ン一 5 _オン、
3 — メ チルー 2 — ビラ ゾ リ ンー 5 —オン、
1 , 3 — ジメ チルー 2 — ビラ ゾ リ ン一 5 —オン、
1 ーェチルー 3 — メ チル一 2 — ビラ ゾ リ ンー 5 —オン、
1 —プチルー 3 — メ チル一 2 — ビラ ゾ リ ンー 5 —オン、
1 ― ( 2 — ヒ ドロ キエチル) 一 3 — メ チルー 2 — ピラ ゾ リ ン一 5 —オン、
1 ー シク ロ へキシノレ一 3 — メ チノレ ー 2 — ピラ ゾ リ ン一 5 —オン 1 一べンジルー 3 — メ チルー 2 — ピラ ゾ リ ン一 5 _オン、
0301229
10
1 - ( a 一ナフチル) 一 3 — メ チルー 2 — ビラ ゾ リ ンー 5 — ォ ン、
1 —メ チノレ一 3 — フ エ ニル一 2 — ピラ ゾ リ ン一 5 — オ ン、 3 — メ チノレ一 1 — ( 4 — メ チルフ エ ニル) 一 2 — ビラ ゾ リ ンー 5 _オン、
1 — ( 4 一ブチルフ エニル) 一 3 _メ チル _ 2 _ ピラ ゾ リ ン一 5 —オン、
1 — ( 4 ー メ ト キシフ エニル) — 3 — メ チル一 2 — ピラ ゾ リ ン 一 5 —オン、
1 一 ( 4 —ブ ト キシフ エニル) 一 3 — メ チルー 2 — ピラ ゾ リ ン 一 5 —オン、
1 一 ( 4 — ク ロ 口 フ エ ニル) 一 3 — メ チル一 2 — ピラ ゾ リ ン一 5 — オ ン、
1 一 ( 4 — ヒ ド ロ キシフ エニル) 一 3 — メ チル一 2 — ビラ ゾ リ ン一 5 — オ ン、
1 - ( 3 , 4 — ジ ヒ ド ロ キシフ エニル) — 3 — メ チルー 2 — ピ ラ ゾリ ン一 5 —オ ン、
1 — ( 2 — ヒ ド ロ キシフ エニル) _ 3 — メ チル一 2 — ビラ ゾ リ ン一 5 —オン、
1 - ( 3 — ヒ ド ロ キシフ エ -ル) 一 3 — メ チルー 2 — ビラ ゾ リ ン一 5 —オン、
1 - ( 4 — ヒ ド ロ キシフ エ ュル) 一 3 — メ チノレ一 2 — ビラ ゾ リ ン一 5 — オ ン、
1 - ( 3 , 4 ー ヒ ド ロ キシフ エ 二ノレ) 一 3 — メ チルー 2 — ビラ ゾ リ ンー 5 — オ ン、
1 - ( 4 — ヒ ド ロ キシフ エニル) _ 3 — フ エニル一 2 — ピラ ゾ リ ン一 5 —オン、
1 - ( 4 ー ヒ ド ロ キ シ メ チルフ エ 二ノレ) 一 3 — メ チルー 2 — ピ ラ ゾ リ ン一 5 — オ ン、
1 — ( 4 — ァ ミ ノ フ エ 二ル) 一 3 — メ チル一 2 — ピ ラ ゾ リ ン一 5 _ オ ン、
1 一 ( 4 ー メ チルァ ミ ノ フ エ ニル) 一 3 — メ チルー 2 — ピ ラ ゾ リ ンー 5 _ オ ン、
1 — ( 4 ー ェチルァ ミ ノ フ エ ニル) 一 3 — メ チルー 2 — ピ ラ ゾ リ ンー 5 — オ ン、
1 一 ( 4 ー ブチノレア ミ ノ フ エ ニル) 一 3 — メ チノレ _ 2 — ピ ラ ゾ リ ン一 5 _ オ ン、
1 ― ( 4 ー ジ メ チルァ ミ ノ フ エ ニル) 一 3 — メ チル一 2 — ビ ラ ゾ リ ンー 5 — オ ン、
1 - (ァセ ト ア ミ ド フ エ ニル) 一 3 — メ チル一 2 — ビ ラ ゾ リ ン 一 5 — オ ン及び
1 一 ( 4 一 シァ ノ フ エ ニル) 一 3 — メ チノレ _ 2 — ビ ラ ゾ リ ン ー 5 — オ ン。
前記式 ( I ) の ピラ ゾロ ン誘導体の塩と しては、 酸付加塩又は 塩基付加塩を用いる こ と ができ る。 例えば、 塩酸塩、 硫酸塩、 臭 化水素酸塩、 若し く は リ ン酸塩な どの鉱酸塩 ; メ タ ンスルホ ン酸 塩、 ノ ラ ト ルエ ンスルホ ン酸塩、 酢酸塩、 シユ ウ酸塩、 ク ェ ン酸 塩、 リ ンゴ酸塩、 若しく はフマル酸塩な どの有機酸塩 ; ナ ト リ ウ ム塩、 カ リ ウ ム塩、 若しく はマグネシウム塩な どの金属塩 ; ア ン モニゥム塩 ; 又はエタ ノ ールア ミ ン又は 2 —ア ミ ノ ー 2 —メ チル 一 1 —プロ ノ ノ ールな どの有機ア ミ ン塩な どを用いる こ と ができ るが、 生理的に許容される も のであれば塩の種類は特に限定され る こ と はない。
本発明において、 投与形態は特に制限されず、 経口的 . 非経口 的に投与する こ と ができ る。 好ま しく は、 非経口的に、 注射ある
いは点滴によ り 静脈内に投与すればよい。 本発明の有効成分であ る前記式 ( I ) の化合物又はその塩の 1 種又は 2種以上をその まま患者に投与しても よいが、 好ま しく は、 有効成分と薬理学的 及び製剤学的に許容し う る添加物を加え、 当業者に周知な形態の 製剤と して提供されるべきである。
薬理学的及び製剤学的に許容し う る添加物と しては、 例えば、 賦形剤、 崩壊剤ない し崩壊補助剤、 結合剤、 滑沢剤、 コ ーティ ン グ剤、 色素、 希釈剤、 基剤、 溶解剤ない し溶解補助剤、 等張化剤、 P H調節剤、 安定化剤、 噴射剤、 及び粘着剤等を用いる こ とがで き る。 経口投与に適する製剤の例と しては、 例えば、 錠剤、 カ ブ セル剤、 散剤、 細粒剤、 顆粒剤、 液剤、 又はシロ ッ プ剤等を挙げ る こ と ができ、 非経口投与に適する製剤と しては、 例えば、 注射 剤、 点滴剤、 又は坐剤な どを挙げる こ と ができ る。
経口投与に適する製剤には、 添加物と して、 例えば、 ブ ドウ糖、 乳糖、 D — マ ンニ ト ール、 デンプン、 又は結晶セル ロ ース等の賦 形剤 ; カルボキシメ チルセルロ ース、 デンプン、 又はカルボキシ メ チルセル ロ ースカルシウム等の崩壊剤又は崩壌補助剤 ; ヒ ド ロ キシプ ロ ピノレセノレ 口 ース 、 ヒ ド ロ キシプ ロ ピノレメ チノレセノレ ロ ース 、 ポ リ ビエルピロ リ ドン、 又はゼラチン等の結合剤 ; ステア リ ン酸 マグネ シウ ム又はタルク 等の滑沢剤 ; ヒ ド ロ キシプロ ピルメ チル セルロ ース、 白糖、 ポ リ エチ レング リ コール又は酸化チタ ン等の コーティ ング剤 ; ワセ リ ン、 流動パラ フ ィ ン、 ポ リ エチレンダ リ コール、 ゼラチン、 カ オ リ ン、 グ リ セ リ ン、 精製水、 又はハー ド フ ア ツ ト等の基剤を用いる こ とができ る。
注射あるいは点滴用に適する製剤には、 注射用蒸留水、 生理食 塩水、 プロ ピレ ンダ リ コール等の水性あるいは用時溶解型注射剤 を構成し う る溶解剤又は溶解補助剤 ; ブ ドウ糖、 塩化ナ ト リ ウム、 D — マ ンニ トール、 グリ セ リ ン等の等張化剤 ; 無機酸、 有機酸、
無機塩基又は有機塩基等の P H調節剤等の製剤用添加物を添加し て も よい。
なお、 前記式 ( I ) の化合物を有効成分 とする脳保護剤 (点滴 剤) が、 すでに臨床において使用 されているので (一般名 「エダ ラボン」、 商品名 「ラ ジカ ツ ト (登録商標)」 : 三菱ゥ エルフ ァーマ 株式会社製造 ·販売)、 こ の市販製剤をそのま ま用いる こ と もでき る。
本発明で用いる薬剤は、 心筋機能障害を防止する予防剤と して の作用、 及び心筋機能を正常な状態に回復させる治療剤と しての 作用を有している。 本明細書において、 心筋機能障害と は、 種々 の原因で惹起される心筋機能障害をい う が、 好ま しい心筋機能障 害の例と しては虚血再灌流時に生じる心筋機能障害が挙げられる こ の用語は、 上記の定義に合致するかぎ り 最も広義に解釈される べきであ り 、 疾患名の異同に拘泥して解釈されるべきではない。 なお、 心筋機能障害に相当する疾患であるか否かは熟練した医師 な らば容易に診断可能である。
本発明の心筋機能障害と しての例を挙げる と、 例えば、 冠状動 脈内の血流を途絶している血栓を除去 (梗塞部の再開通) して血 流を再開した後もなお持続する各種心臓疾患、 よ り 具体的には虚 血部心筋の壁運動異常等をあげる こ と ができ る。 また冠状動脈を 閉塞している血栓を除去する治療方法と して経皮的冠動脈形成術 Percutaneous Transluminal Coronarv Angioplasly: 以下 P T C A と略す。) や血栓溶解療法 (Thrombolytic Therapy: 以下 T L と略す。) が知 られているが、 こ の P T C Aや T L を行う前に 本発明薬剤を使用する と よい。
投与量は、 心筋機能障害の予防又は治療の 目的、 患者の年齢や 状態な どの条件に応じて適宜選択可能であるが、 一般的には、 成 人に対して 0 . 1 〜 : L 0 0 m g / k g程度を注射又は点滴によ り
投与するか、 0 . 1 〜 : L 0 0 m g / k g程度を経口的に投与する こ と が好ま しい。 注射によ り 投与する場合には、 例えば、 特開 昭 6 3 — 1 3 2 8 3 3 号公報に記載された注射剤な どを用いる こ と が好適である。 なお、 本発明の有効成分である上記化合物は安 全性が高く (マウス腹腔内投与 L D 5。 2 0 1 2 m g / k g ; ラ ッ ト経口投与 L D 5 。 3 , 5 0 0 m g / k g : Registry of Toxic Effects of Chemical Substances, 1981-1982) 、 発癌性も なレ、こ とが証明されている ( National Cancer Institute Report, 89, 1978)。 図面の簡単な説明
第 1 図は心室細動の発生率を示す図であ り 、 第 2 図は超音波ク リ スタルを用いて虚血局所の心筋機能を測定した結果を示す図で める。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明を実施例によ り さ らに具体的に説明するが、 本発 明の範囲は下記の実施例に限定される こ と はない。 合成例 : 1 — フ エ ニル一 3 — メ チノレ一 2 — ビラ ゾ リ ン— 5 —ォ ンの合成
エタ ノ ール 5 0 m l 中にァセ ト酢酸ェチル 1 3 . 0 g及びフ エ ニルヒ ドラ ジン 1 0 · 8 g を加え、 3 時間還流攪拌した。 反応液 を放冷後、 析出 した結晶をろ取し、 エタ ノ ールよ り 再結晶 して、 表題の化合物 1 1 . 3 g を無色結晶 と して得た。
収率 6 7 %
融点 1 2 7 . 5 〜 1 2 8 . 5 °C。
実施例 1
ィ ヌ を麻酔して人工呼吸を開始した。 左開胸術を実施し、 左 冠動脈前下降枝(以下、 LAD と 略す。 )に結紮のための冠動脈結紮 器を装着した。 虚血はこ の冠動脈結紮器によ り LAD を 1 5 分間 結紮する こ と によ り 誘発し、 その結紮を解除する こ と によ り 再灌 流を行った ( 2 時間)。 1 — フエニル一 3 — メ チル一 2 — ビラ ゾ リ ン一 5 —オン(1 m g/kg/hr i . v.)は LAD を結紮する 1 0 分前よ り 最 後まで ( A群)、 LAD再開通の 5 分前よ り 最後まで ( B群)、 LAD 再開通 1 5 分後よ り 最後まで ( C群) の投与タイ ミ ングにて投与 した。 超音波ク リ ス タルを用いて虚血局所の心筋機能を測定し、 また、 心室細動の発生率 ( C群を除く ) を測定した。
結果を図 1 及び図 2 示した。 図 1 から明 らかなよ う に、 1 ーフ ェニルー 3 ーメ チル一 2 - ビラ ゾリ ン - 5 一オンを再灌流以前に 投与した A群及び B群の心室細動発生率は 1 — フ エ二ルー 3 —メ チル一 2 — ビラ ゾリ ン一 5 —オンを投与しなかったコ ン ト ロール 群よ り も低かった。 また図 2 から明 らかなよ う に、 虚血局所の心 筋機能は、 1 — フ エ二ルー 3 — メ チル _ 2 — ビラ ゾリ ン— 5 —才 ンを投与しなかったコ ン ト ロ ール群及び再灌流 1 5 分後に 1 ー フ ェニル _ 3 —メ チル一 2 — ピラ ゾリ ン— 5 —オンを投与した C群 は LAD再開通後も低値に と どまったが、再灌流以前に 1 — フエ二 ルー 3 —メ チル一 2 - ビラ ゾリ ン— 5 —オンを投与した A群及び B群においてはコ ン ト ロ ール群と比較して有意な改善が見られた そ して心室細動の結果及び虚血局所の心筋機能の結果において A 群と B群の間に大きな違いはなかった。
以上よ り 、 1 一 フエ二ルー 3 —メ チルー 2 — ピラ ゾリ ン一 5 _ オンは S O D と は異な り 、 脳だけでな く 心臓においても虚血 · 再 灌流性の障害を抑制する こ と が示された。 さ らに、 虚血前から 1 一 フ エ二ルー 3 — メ チルー 2 — ピラ ゾ リ ン一 5 _オンを投与する
必要はな く 、 虚血後再灌流前の投与でも充分に効果が期待でき る こ と が示された。 産業上の利用可能性
本発明の医薬は少ない投与量で心筋機能障害の予防及び/又は 治療可能なため、 経済性や安全性に優れた心筋機能障害の予防及 び z又は治療のための医薬、 並びにこれらの方法を提供する こ と が可能である。 なお、 本出願は 日本国特許出願番号 : 特願 2 0 0 2 - 3 0 1 4 8 号に基づく 優先権を主張して出願されたものである。