JP2003300880A - アポトーシス抑制剤 - Google Patents

アポトーシス抑制剤

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JP2003300880A
JP2003300880A JP2003030644A JP2003030644A JP2003300880A JP 2003300880 A JP2003300880 A JP 2003300880A JP 2003030644 A JP2003030644 A JP 2003030644A JP 2003030644 A JP2003030644 A JP 2003030644A JP 2003300880 A JP2003300880 A JP 2003300880A
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pyrazolin
carbons
methyl
apoptosis
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Shinji Okubo
大久保信司
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Mitsubishi Pharma Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 下記の式 【化1】 (式中の各記号は明細書記載のものと同義である。)で
示されるピラゾロン誘導体その水和物、又はその薬理学
的に許容される塩を有効成分とするアポトーシス抑制
剤。 【効果】本発明の化合物は、アポトーシスの促進が関与
すると考えられる疾患の予防や治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピラゾロン誘導体
またはその生理的に許容される塩を有効成分として含有
するアポトーシスの抑制剤ならびにアポトーシスの促進
に起因する疾患の予防剤および/または治療剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アポトーシス(apoptosis、自
死)は、ネクローシス(necrosis、壊死)との
形態的相違から発見された(非特許文献1)。アポトー
シスは、病理的要因のみならず、発生、免疫、ホルモン
作用など、多様な生理的要因によっても生じる”生理的
細胞死”で、時間的にも部位的にも、散発的にランダム
に起こり、生命現象に必須の細胞死として重要な役割を
果たしている。アポトーシスの異常は、さまざまな疾患
の発症に深くかかわっている。
【0003】一方、下記式(I)
【0004】
【化3】
【0005】(式中、Rは水素原子、アリール、炭素
数1〜5のアルキルまたは総炭素数3〜6のアルコキシ
カルボニルアルキルを表し、Rは、水素原子、アリー
ルオキシ、アリールメルカプト、炭素数1〜5のアルキ
ルまたは1〜3のヒドロキシアルキルを表し、あるい
は、RおよびRは、共同して炭素数3〜5のアルキ
レンを表し、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキ
ル、炭素数5〜7のシクロアルキル、炭素数1〜3のヒ
ドロキシアルキル、ベンジル、ナフチルまたはフェニ
ル、または炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜3の
ヒドロキシアルキル、総炭素数2〜5のアルコキシカル
ボニル、炭素数1〜3のアルキルメルカプト、炭素数1
〜4のアルキルアミノ、総炭素数2〜8のジアルキルア
ミノ、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、カルボキシ
ル、シアノ、水酸基、ニトロ、アミノ、およびアセトア
ミドからなる群から選ばれる同一若しくは異なる1〜3
個の置換基で置換されたフェニルを表す。)で表される
ピラゾロン誘導体については、医薬の用途として、脳機
能正常化作用(特許文献1)、過酸化脂質生成抑制作用
(特許文献2)、抗潰瘍作用(特許文献3)、および血
糖上昇抑制作用(特許文献4)等が知られている。しか
しながら、これらの各刊行物には、この化合物がアポト
ーシス抑制作用を有するとの記載はなく、さらに示唆な
いし教示すらされていない。
【0006】また、上記式(I)の化合物は、2001
年6月以来、脳保護剤(一般名「エダラボン」、商品名
「ラジカット」:三菱ウェルファーマ株式会社製造・販
売)として上市されているが、この化合物がアポトーシ
スの抑制作用を有するという報告は未だかってなされて
いない。
【0007】
【非特許文献1】Kerr,J.F.R.et a
l.:Brit.J.Cancer,26:239−2
57,1972
【特許文献1】特公平5−31523号公報
【特許文献2】特公平5−35128号公報
【特許文献3】特開平3−215425号公報
【特許文献4】特願3−215426号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、新規
なアポトーシスを抑制する薬剤ならびにアポトーシスの
促進に起因する疾患を予防および/または治療する薬剤
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
解決すべく鋭意努力した結果、従来、脳保護作用を有す
ることが知られていたピラゾロン誘導体、その水和物、
またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含
む医薬組成物がアポトーシスを抑制することを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち本発明は、以下のアポトーシス抑
制剤ならびにアポトーシスの促進に起因する疾患の予防
剤および/または治療剤に関する。 (1)下記式(I)
【0011】
【化4】
【0012】(式中、各記号は前記と同義である。)で
表されるピラゾロン誘導体またはその生理的に許容され
る塩を有効成分として含有するアポトーシス抑制剤。 (2)3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5
−オンまたはその生理的に許容される塩を有効成分とし
て含有するアポトーシス抑制剤。 (3)下記式(I)
【0013】
【化5】
【0014】(式中、各記号は前記と同義である。)で
表されるピラゾロン誘導体またはその生理的に許容され
る塩を有効成分として含有するアポトーシスの促進に起
因する疾患の予防剤および/または治療剤。 (4)3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5
−オンまたはその生理的に許容される塩を有効成分とし
て含有するアポトーシスの促進に起因する疾患の予防剤
および/または治療剤。
【0015】本発明のアポトーシスの抑制剤ならびにア
ポトーシスの促進に起因する疾患の予防剤および/また
は治療剤に含有される前記式(I)のピラゾロン誘導体
は、合目的な任意の方法により合成することができ、好
ましい合成方法の例としては特開昭62−108814
号公報に記載されている方法が挙げられる。
【0016】本発明のアポトーシスの抑制剤ならびにア
ポトーシスの促進に起因する疾患の予防剤および/また
は治療剤の有効成分としては、遊離形態の前記式(I)
のピラゾロン誘導体を用いてもよいが、その任意の溶媒
和物、あるいは、前記式(I)のピラゾロン誘導体また
はその任意の溶媒和物の生理的に許容される塩を用いる
こともできる。
【0017】なお、該ピラゾロン誘導体には特公平5−
31523号公報第5欄上段の化学構造式に示されるよ
うな互変異性体(下式(I’)または(I’’))が存
在するが、本発明の医薬の有効成分には、これらの異性
体のすべてが包含されることはいうまでもない。
【0018】
【化6】
【0019】前記式(I)において、R1の定義におけ
るアリール基としては、フェニル基並びにメチル基、ブ
チル基、メトキシ基、ブトキシ基、塩素原子および水酸
基等の置換基で置換されたフェニル基等が挙げられる。
【0020】R1、R2およびR3の定義における炭素数1
〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、se
c−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基等が挙げら
れる。
【0021】R1の定義における総炭素数3〜6のアルコ
キシカルボニルアルキル基としては、メトキシカルボニ
ルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、プロポキシ
カルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、メ
トキシカルボニルプロピル基等が挙げられる。
【0022】R2の定義におけるアリールオキシ基とし
ては、フエノキシ基、p−メチルフエノキシ基、p−メ
トキシフエノキシ基、p−クロロフエノキシ基、p−ヒ
ドロキシフエノキシ基等が挙げられ、アリールメルカプ
ト基としては、フェニルメルカプト基、p−メチルフェ
ニルメルカプト基、p−メトキシフェニルメルカプト
基、p−クロロフェニルメルカプト基、p−ヒドロキシ
フェニルメルカプト基等が挙げられる。
【0023】R2およびR3の定義における炭素数1〜3の
ヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、
2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基等が
挙げられる。R3の定義における炭素数5〜7のシクロア
ルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基、シクロヘプチル基等が挙げられる。
【0024】R3の定義において、フェニル基の置換基
における炭素数1〜5のアルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブ
トキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられ、総炭素数2
〜5のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカル
ボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニ
ル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられ、炭素数1〜3
のアルキルメルカプト基としては、メチルメルカプト
基、エチルメルカプト基、プロピルメルカプト基等が挙
げられ、炭素数1〜4のアルキルアミノ基としては、メチ
ルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチ
ルアミノ基等が挙げられ、総炭素数2〜8のジアルキルア
ミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等が挙げら
れる。
【0025】本発明で用いる式(I)の化合物の具体例
としては、例えば、以下に示す化合物が挙げられる。
【0026】 3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン 3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−2−ピラゾ
リン−5−オン 3−メチル−1−(3−メチルフェニル)−2−ピラゾ
リン−5−オン 3−メチル−1−(4−メチルフェニル)−2−ピラゾ
リン−5−オン 3−メチル−1−(3,4−ジメチルフェニル)−2−
ピラゾリン−5−オン 1−(4−エチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾ
リン−5−オン 3−メチル−1−(4−プロピルフェニル)−2−ピラ
ゾリン−5−オン 1−(4−ブチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾ
リン−5−オン 1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3−メチル
−2−ピラゾリン−5−オン 1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3−メチル
−2−ピラゾリン−5−オン 1−(2−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラ
ゾリン−5−オン 1−(3−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラ
ゾリン−5−オン 1−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラ
ゾリン−5−オン 1−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−メチル−2
−ピラゾリン−5−オン 1−(4−エトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラ
ゾリン−5−オン 3−メチル−1−(4−プロポキシフェニル)−2−ピ
ラゾリン−5−オン 1−(4−ブトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラ
ゾリン−5−オン 1−(2−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾ
リン−5−オン 1−(3−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾ
リン−5−オン 1−(4−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾ
リン−5−オン 1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−2−
ピラゾリン−5−オン 1−(4−ブロモフェニル)−3−メチル−2−ピラゾ
リン−5−オン 1−(4−フルオロフェニル)−3−メチル−2−ピラ
ゾリン−5−オン 1−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−3−メチル
−2−ピラゾリン−5−オン 1−(3−メチルメルカプトフェニル)−3−メチル−
2−ピラゾリン−5−オン 1−(4−メチルメルカプトフェニル)−3−メチル−
2−ピラゾリン−5−オン 4−(3−メチル−5−オキソ−2−ピラゾリン−1−
イル)安息香酸 1−(4−エトキシカルボニルフェニル)−3−メチル
−2−ピラゾリン−5−オン 1−(4−ニトロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾ
リン−5−オン 3−エチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン 1−フェニル−3−プロピル−2−ピラゾリン−5−オ
ン 1,3−ジフェニル−2−ピラゾリン−5−オン 3−フェニル−1−(p−トリル)−2−ピラゾリン−
5−オン 1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニル−2−ピ
ラゾリン−5−オン 1−(4−クロロフェニル)−3−フェニル−2−ピラ
ゾリン−5−オン 3,4−ジメチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5
−オン 4−イソブチル−3−メチル−1−フェニル−2−ピラ
ゾリン−5−オン 4−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチル−1−フェ
ニル−2−ピラゾリン−5−オン 3−メチル−4−フェノキシ−1−フェニル−2−ピラ
ゾリン−5−オン 3−メチル−4−フェニルメルカプト−1−フェニル−
2−ピラゾリン−5−オン 3,3',4,5,6,7−ヘキサヒドロ−2−フェニ
ル−2H−インダゾール−3−オン 3−(エトキシカルボニルメチル)−1−フェニル−2
−ピラゾリン−5−オン 1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン 3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン 1,3−ジメチル−2−ピラゾリン−5−オン 1−エチル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン 1−ブチル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン 1−(2−ヒドロキエチル)−3−メチル−2−ピラゾ
リン−5−オン 1−シクロヘキシル−3−メチル−2−ピラゾリン−5
−オン 1−ベンジル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン 1−(α−ナフチル)−3−メチル−2−ピラゾリン−
5−オン 1−メチル−3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン 3−メチル−1−(4−メチルフェニル)−2−ピラゾ
リン−5−オン 1−(4−ブチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾ
リン−5−オン 1−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラ
ゾリン−5−オン 1−(4−ブトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラ
ゾリン−5−オン 1−(4−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾ
リン−5−オン 1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピ
ラゾリン−5−オン 1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−3−メチル−
2−ピラゾリン−5−オン 1−(2−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピ
ラゾリン−5−オン 1−(3−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピ
ラゾリン−5−オン 1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピ
ラゾリン−5−オン 1−(3,4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2
−ピラゾリン−5−オン 1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニル−2−
ピラゾリン−5−オン 1−(4−ヒドロキシメチルフェニル)−3−メチル−
2−ピラゾリン−5−オン 1−(4−アミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾ
リン−5−オン 1−(4−メチルアミノフェニル)−3−メチル−2−
ピラゾリン−5−オン 1−(4−エチルアミノフェニル)−3−メチル−2−
ピラゾリン−5−オン 1−(4−ブチルアミノフェニル)−3−メチル−2−
ピラゾリン−5−オン 1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−メチル−2
−ピラゾリン−5−オン 1−(アセトアミドフェニル)−3−メチル−2−ピラ
ゾリン−5−オン 1−(4−シアノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾ
リン−5−オン
【0027】前記式(I)のピラゾロン誘導体の塩とし
ては、酸付加塩または塩基付加塩を用いることができ
る。例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、若しくは
リン酸塩などの鉱酸塩;メタンスルホン酸塩、パラトル
エンスルホン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、
リンゴ酸塩、若しくはフマル酸塩などの有機酸塩;ナト
リウム塩、カリウム塩、若しくはマグネシウム塩などの
金属塩;アンモニウム塩;または、エタノールアミン若
しくは2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールなど
の有機アミン塩などを用いることができるが、生理的に
許容されるものであれば塩の種類は特に限定されること
はない。
【0028】本発明のアポトーシスの抑制剤ならびにア
ポトーシスの促進に起因する疾患の予防剤および/また
は治療剤の投与形態は特に制限されず、経口的・非経口
的に投与することができる。好ましくは、非経口的に、
注射あるいは点滴により静脈内に投与すればよい。本発
明のアポトーシスの抑制剤ならびにアポトーシスの促進
に起因する疾患の予防剤および/または治療剤としての
有効成分である前記式(I)の化合物、またはその塩の
1種もしくは2種以上をそのまま患者に投与してもよい
が、好ましくは、有効成分と薬理学的および製剤学的に
許容しうる添加物を加え、当業者に周知な形態の製剤と
して提供されるべきである。
【0029】薬理学的および製剤学的に許容しうる添加
物としては、例えば、賦形剤、崩壊剤ないし崩壊補助
剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、
基剤、溶解剤ないし溶解補助剤、等張化剤、pH調節
剤、安定化剤、噴射剤、および粘着剤等を用いることが
できる。経口投与に適する製剤の例としては、例えば、
錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤、また
はシロップ剤等を挙げることができ、非経口投与に適す
る製剤としては、例えば、注射剤、点滴剤、または坐剤
などを挙げることができる。
【0030】経口投与に適する製剤には、添加物とし
て、例えば、ブドウ糖、乳糖、D−マンニトール、デン
プン、または結晶セルロース等の賦形剤;カルボキシメ
チルセルロース、デンプン、またはカルボキシメチルセ
ルロースカルシウム等の崩壊剤または崩壊補助剤;ヒド
ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース、ポリビニルピロリドン、またはゼラチン等
の結合剤;ステアリン酸マグネシウムまたはタルク等の
滑沢剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、白糖、
ポリエチレングリコールまたは酸化チタン等のコーティ
ング剤;ワセリン、流動パラフィン、ポリエチレングリ
コール、ゼラチン、カオリン、グリセリン、精製水、ま
たはハードファット等の基剤を用いることができる。
【0031】注射あるいは点滴用に適する製剤には、注
射用蒸留水、生理食塩水、プロピレングリコール等の水
性あるいは用時溶解型注射剤を構成しうる溶解剤または
溶解補助剤;ブドウ糖、塩化ナトリウム、D−マンニト
ール、グリセリン等の等張化剤;無機酸、有機酸、無機
塩基または有機塩基等のpH調節剤等の製剤用添加物を
用いることができる。
【0032】なお、上記の式(I)の化合物を有効成分
とする脳保護剤(点滴剤)が、すでに臨床において使用
されているので(一般名「エダラボン」、商品名「ラジ
カット」:三菱ウェルファーマ株式会社製造・販売)、
本発明のアポトーシスの抑制剤ならびにアポトーシスの
促進に起因する疾患の予防剤および/または治療剤とし
て、上記市販製剤をそのまま用いることができる。
【0033】本明細書において、アポトーシスの促進に
起因する疾患とはアポトーシスを抑制することが有効な
疾患をも含んでいる。本発明のアポトーシスの促進に起
因する疾患としては、例えば、自己免疫疾患、神経変性
疾患、虚血性疾患などを挙げることができる。これらの
用語は、上記の定義に合致するかぎり最も広義に解釈さ
れるべきであり、疾患名の異同に拘泥して解釈されるべ
きではない。なお、自己免疫疾患、神経変性疾患および
虚血性疾患に相当する疾患であるか否かは熟練した医師
ならば容易に診断可能である。
【0034】本発明の医薬の投与経路は特に限定され
ず、経口的または非経口的に投与することができる。例
えば、事故などよる大量の出血や急性の循環不全をおこ
した患者には、本発明の医薬を予防的に静脈内、動脈
内、または心臓内に注射により投与することが好まし
い。手術の際に相当量の出血が予想されるような場合に
は、手術に先立って、予防的に本発明の医薬を経口投与
しておくか、注射若しくは点滴などの非経口的投与によ
って手術中またはその前後に予防的に投与することが好
適である。アポトーシスの促進に起因する疾患を発症し
た患者に対しては、症状の悪化の防止ないしは症状の軽
減などを目的として、静脈内、動脈内、または心臓内に
注射により投与することが好ましい。
【0035】本発明の医薬の投与量は、アポトーシスの
促進に起因する疾患の予防または治療の目的、患者の年
齢や状態などの条件に応じて適宜選択可能であるが、一
般的には、成人に対して0.1〜100mg/kg程度
を注射または点滴により投与するか、0.1〜100m
g/kg程度を経口的に投与することが好ましい。注射
により投与する場合には、例えば、特開昭63−132
833号公報に記載された注射剤などを用いることが好
適である。なお、本発明の医薬の有効成分である上記化
合物は安全性が高く (マウス腹腔内投与LD50 20
12 mg/kg;ラット経口投与LD50 3,50
0mg/kg: Registry of Toxic
Effects of Chemical Subs
tances, 1981−1982) 、発癌性もないこ
とが証明されている(National Cancer
Institute Report,89,197
8)。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定される
ことはない。
【0037】合成例:1−フェニル−3−メチル−2−
ピラゾリン−5−オンの合成 エタノール50ml中にアセト酢酸エチル13.0gお
よびフェニルヒドラジン10.8gを加え、3時間還流
攪拌した。反応液を放冷後、析出した結晶をろ取し、エ
タノールより再結晶して、表題の化合物11.3gを無
色結晶として得た。 収率 67% 融点 127.5〜128.5℃。
【0038】実験例1:1−フェニル−3−メチル−2
−ピラゾリン−5−オンのアポトーシス抑制効果 家兎心筋虚血再灌流モデルを用いて2時間虚血負荷し
た。3mg/kgの1−フェニル−3−メチル−2−ピ
ラゾリン−5−オンを再灌流10分前に経静脈的に投与
した群、30000U/kgのSOD(Super Oxide di
smutase)を再灌流3分前から投与を開始し1時間かけ
て経静脈的に投与した群および薬剤を投与しなかったコ
ントロール群の3群に分け、それぞれの群におけるアポ
トーシス形成を観察した。アポトーシスの検出はTUN
EL法を用いて蛍光標識したdUTPを断片化DNAの
3’−水酸基末端に結合させ、蛍光顕微鏡により核DN
A断片化を検出することで行った。その結果、DNAの
断片化はコントロール群13%、1−フェニル−3−メ
チル−2−ピラゾリン−5−オン投与群2.8%、SO
D投与群11.5%という結果が得られ、1−フェニル
−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン投与群のDN
A断片化はその他の群に比べて有意に抑制していた(p
<0.01)。またアポトーシスをおこしていた細胞数
の割合を図1に示す。
【0039】次に核DNAラダーの検出を以下の方法に
より行った。虚血再灌流終了後、直ちに左室の虚血領域
を取り出し、公知のライゲーション−メディエイテッド
PCR(Ligation-mediated PCR)によってDNAのラ
ダーを特異的に増幅し、アガロースゲル電気泳動により
可視化した。結果を図2に示す。コントロール群および
SOD投与群ではDNAラダーのバンドが見えている
(白く抜けているところ。コントロール群の方がSOD
投与群よりもDNAラダーのバンドが強く現れてい
る。)が、1−フェニル−3−メチル−2−ピラゾリン
−5−オン投与群ではDNAラダーのバンドがほとんど
見えていない。
【0040】これらの結果から、1−フェニル−3−メ
チル−2−ピラゾリン−5−オンはアポトーシス抑制剤
として有用であることが明らかになった。
【0041】
【発明の効果】本発明の医薬はアポトーシスの抑制剤な
らびにアポトーシスの促進に起因する疾患の予防剤およ
び/または治療剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】各群におけるアポトーシスをおこした細胞の割
合を示す図である。
【図2】DNAのラダーを特異的に増幅し、アガロース
ゲル電気泳動にかけ、可視化した結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 231/20 C07D 231/20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下式(I) 【化1】 (式中、Rは水素原子、アリール、炭素数1〜5のア
    ルキルまたは総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルア
    ルキルを表し、Rは、水素原子、アリールオキシ、ア
    リールメルカプト、炭素数1〜5のアルキルまたは1〜
    3のヒドロキシアルキルを表し、あるいは、Rおよび
    は、共同して炭素数3〜5のアルキレンを表し、R
    は水素原子、炭素数1〜5のアルキル、炭素数5〜7
    のシクロアルキル、炭素数1〜3のヒドロキシアルキ
    ル、ベンジル、ナフチルまたはフェニル、または炭素数
    1〜5のアルコキシ、炭素数1〜3のヒドロキシアルキ
    ル、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1
    〜3のアルキルメルカプト、炭素数1〜4のアルキルア
    ミノ、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ、ハロゲン原
    子、トリフルオロメチル、カルボキシル、シアノ、水酸
    基、ニトロ、アミノ、およびアセトアミドからなる群か
    ら選ばれる同一若しくは異なる1〜3個の置換基で置換
    されたフェニルを表す。)で表されるピラゾロン誘導体
    またはその生理的に許容される塩を有効成分として含有
    するアポトーシス抑制剤。
  2. 【請求項2】3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリ
    ン−5−オンまたはその生理的に許容される塩を有効成
    分として含有するアポトーシス抑制剤。
  3. 【請求項3】下式(I) 【化2】 (式中、Rは水素原子、アリール、炭素数1〜5のア
    ルキルまたは総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルア
    ルキルを表し、Rは、水素原子、アリールオキシ、ア
    リールメルカプト、炭素数1〜5のアルキルまたは1〜
    3のヒドロキシアルキルを表し、あるいは、Rおよび
    は、共同して炭素数3〜5のアルキレンを表し、R
    は水素原子、炭素数1〜5のアルキル、炭素数5〜7
    のシクロアルキル、炭素数1〜3のヒドロキシアルキ
    ル、ベンジル、ナフチルまたはフェニル、または炭素数
    1〜5のアルコキシ、炭素数1〜3のヒドロキシアルキ
    ル、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1
    〜3のアルキルメルカプト、炭素数1〜4のアルキルア
    ミノ、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ、ハロゲン原
    子、トリフルオロメチル、カルボキシル、シアノ、水酸
    基、ニトロ、アミノ、およびアセトアミドからなる群か
    ら選ばれる同一若しくは異なる1〜3個の置換基で置換
    されたフェニルを表す。)で表されるピラゾロン誘導体
    またはその生理的に許容される塩を有効成分として含有
    するアポトーシスの促進に起因する疾患の予防剤および
    /または治療剤。
  4. 【請求項4】 3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾ
    リン−5−オンまたはその生理的に許容される塩を有効
    成分として含有するアポトーシスの促進に起因する疾患
    の予防剤および/または治療剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004037249A1 (ja) * 2002-10-28 2004-05-06 Mitsubishi Pharma Corporation 心肺蘇生後の機能障害の改善剤
WO2010087306A1 (ja) 2009-01-29 2010-08-05 株式会社林原生物化学研究所 抗神経変性疾患剤

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WO2004037249A1 (ja) * 2002-10-28 2004-05-06 Mitsubishi Pharma Corporation 心肺蘇生後の機能障害の改善剤
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