JP2004115511A - ピラゾロン誘導体を有効成分とするナトリウム・カルシウム交換系阻害剤 - Google Patents

ピラゾロン誘導体を有効成分とするナトリウム・カルシウム交換系阻害剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 新規なナトリウム・カルシウム交換系阻害剤、このナトリウム・カルシウム交換系阻害剤を有効成分として含む虚血性心疾患、心不全、高血圧及び/又は不整脈の予防剤及び/又は治療剤、並びに上述のピラゾロン誘導体等を有効成分として含む高血圧の予防剤及び/又は治療剤を提供する
【解決手段】 下記一般式(I)
【化1】



 

で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む。
【選択図】 なし

Description

 本発明は、ピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含むナトリウム・カルシウム交換系阻害剤、このナトリウム・カルシウム交換系阻害剤を有効成分として含む虚血性心疾患、心不全、高血圧及び/又は不整脈の予防剤及び/又は治療剤、並びに上述のピラゾロン誘導体等を有効成分として含む高血圧の予防剤及び/又は治療剤に関する。
 心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患では一定時間の冠動脈血流遮断と再開通療法に伴う冠動脈血流の再開が起こる。再開通に伴って心筋の細胞外より細胞内にカルシウムイオンの急激な流入がおこり、引き続いてカルシウム依存性プロテアーゼの活性化、カルシウム依存性脂質分解酵素の活性化、エネルギー産生低下など、カルシウム依存性の様々な反応を介して不可逆性の心筋障害を引き起こすことが知られている。このカルシウム流入は、虚血中に細胞内に蓄積したプロトンの細胞外洗い流しに共役してナトリウム・プロトン交換系を介して起こる細胞内へのナトリウム流入、及び細胞内ナトリウムの細胞外への洗い流しに共役してナトリウム・カルシウム交換系を介して起こる細胞内へのカルシウム流入によると考えられている。事実、細胞内カルシウムの過蓄積が心筋障害、心臓伝導障害異常あるいは血管異常収縮等を招き、循環器系疾患の原因となることが報告されている(非特許文献1、非特許番号2等参照)。
 一方、下記式(I):

 
(式中、R1は水素原子、アリール、炭素数1〜5のアルキル又は総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルキルを表し、R2は、水素原子、アリールオキシ、アリールメルカプト、炭素数1〜5のアルキル又は1〜3のヒドロキシアルキルを表し、あるいは、R1及びR2は、共同して炭素数3〜5のアルキレンを表し、R3は水素原子、炭素数1〜5のアルキル、炭素数5〜7のシクロアルキル、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル、ベンジル、ナフチル又はフェニル、又は炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1〜3のアルキルメルカプト、炭素数1〜4のアルキルアミノ、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、カルボキシル、シアノ、水酸基、ニトロ、アミノ、及びアセトアミドからなる群から選ばれる同一若しくは異なる1〜3個の置換基で置換されたフェニルを表す。)で表されるピラゾロン誘導体については、医薬の用途として、脳機能正常化作用(特許文献1)、過酸化脂質生成抑制作用(特許文献2;例1の化合物)、抗潰瘍作用(特許文献3)、及び血糖上昇抑制作用(特許文献4)等が知られている。
 また、上記式(I)の化合物のうち、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンを有効成分とする製剤は、2001年6月以来、脳保護剤(一般名「エダラボン」、商品名「ラジカット」:三菱ウェルファーマ株式会社製造・販売)として上市されている。この「エダラボン」は、活性酸素に対して高い反応性を有することが報告されている(非特許文献3、非特許文献4)。このように、エダラボンは活性酸素をはじめとする種々のフリーラジカルを消去することで、細胞障害などを防ぐ働きをするフリーラジカルスカベンジャーである。しかしながら、エダラボンがナトリウム・カルシウム交換系阻害作用を有する否か、並びに、高血圧症の予防剤及び/又は治療剤として有効であるか否かの検討については従来全く報告がない。
John A. Watts, et al., American Journal of Physiology, 238, 909-916, 1980 Gordon L. Todd, et al., Cardiovascular Research, 20, 645-651, 1986 特公平5−31523号公報 特公平5−35128号公報(例1の化合物) 特開平3−215425号公報 特開平3−215426号公報 Kawai, H., et al., J. Phamacol. Exp. Ther., 281(2), 921, 1997 Wu, TW. et al., Life Sci, 67(19), 2387, 2000
 本発明の課題は、ピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含むナトリウム・カルシウム交換系阻害剤、このナトリウム・カルシウム交換系阻害剤を有効成分として含む虚血性心疾患、心不全、高血圧及び/又は不整脈の予防剤及び/又は治療剤、並びに上述のピラゾロン誘導体等を有効成分として含む高血圧の予防剤及び/又は治療剤を提供することにある。
 本発明者らは、上記課題を解決すべく種々の検討を行った結果、下記式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物が、ナトリウム・カルシウム交換系阻害作用を有することを見出した。本発明は上記の知見を基にして完成された。
 即ち、本発明の要旨は次の通りである。
1.下記式(I):

 
(式中、R1は、水素原子、アリール基、炭素数1〜5のアルキル基又は総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルキル基を表し;R2は、水素原子、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を表し;あるいは、R1及びR2は、共同して炭素数3〜5のアルキレン基を表し;R3は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、ベンジル基、ナフチル基、フェニル基、又は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜3のアルキルメルカプト基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基及びアセトアミド基からなる群から選ばれる同一若しくは異なる1〜3個の置換基で置換されたフェニル基を表す。)
で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、ナトリウム・カルシウム交換系阻害剤。
2.上記式(I)で示されるピラゾロン誘導体が3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンである請求項1に記載のナトリウム・カルシウム交換系阻害剤。
3.上述の1又は2に記載のナトリウム・カルシウム交換系阻害剤を有効成分として含む虚血性心疾患、心不全、高血圧及び/又は不整脈の予防剤及び/又は治療剤。
4.上記式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、高血圧の予防剤及び/又は治療剤。
5.上記式(I)で示されるピラゾロン誘導体が3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンである上述の4に記載の高血圧の予防剤及び/又は治療剤。
 本発明のナトリウム・カルシウム交換系阻害剤、並びに虚血性心疾患、心不全、高血圧及び/又は不整脈の予防剤及び/又は治療剤(以下、これらを総称して本発明の医薬という)は、本明細書に定義する式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を含む。
 本発明で用いる式(I)で示される化合物は、互変異性により、以下の式(I')又は(I”)で示される構造をもとりうる。本明細書の式(I)には、便宜上、互変異性体のうちの1つを示したが、当業者には下記の互変異性体の存在は自明である。本発明の医薬の有効成分としては、下記の式(I')又は(I”)で表される化合物若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を用いてもよい。

 
 式(I)において、R1の定義におけるアリール基は単環性又は多環性アリール基のいずれでもよい。例えば、フェニル基、ナフチル基などのほか、メチル基、ブチル基などのアルキル基、メトキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、塩素原子などのハロゲン原子、又は水酸基等の置換基で置換されたフェニル基等が挙げられる。アリール部分を有する他の置換基(アリールオキシ基など)におけるアリール部分についても同様である。
 R1、R2及びR3の定義における炭素数1〜5のアルキル基は直鎖状、分枝鎖状のいずれでもよい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。アルキル部分を有する他の置換基(アルコキシカルボニルアルキル基)におけるアルキル部分についても同様である。
 R1の定義における総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルキル基としては、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、プロポキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、メトキシカルボニルプロピル基等が挙げられる。
 R2の定義におけるアリールオキシ基としては、p−メチルフェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、p−ヒドロキシフェノキシ基等が挙げられ、アリールメルカプト基としては、フェニルメルカプト基、p−メチルフェニルメルカプト基、p−メトキシフェニルメルカプト基、p−クロロフェニルメルカプト基、p−ヒドロキシフェニルメルカプト基等が挙げられる。 R2及びR3の定義における炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。R3の定義における炭素数5〜7のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。
 R3の定義において、フェニル基の置換基における炭素数1〜5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられ、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられ、炭素数1〜3のアルキルメルカプト基としては、メチルメルカプト基、エチルメルカプト基、プロピルメルカプト基等が挙げられ、炭素数1〜4のアルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基等が挙げられ、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等が挙げられる。
 本発明の医薬の有効成分として好適に用いられる化合物(I)として、例えば、以下に示す化合物が挙げられる。
 3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
 3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
 3−メチル−1−(3−メチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
 3−メチル−1−(4−メチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
 3−メチル−1−(3,4−ジメチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−エチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 3−メチル−1−(4−プロピルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−ブチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(2−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(3−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−エトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 3−メチル−1−(4−プロポキシフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン; 1−(4−ブトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(2−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(3−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−ブロモフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−フルオロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(3−メチルメルカプトフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−メチルメルカプトフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 4−(3−メチル−5−オキソ−2−ピラゾリン−1−イル)安息香酸;
 1−(4−エトキシカルボニルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−ニトロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 3−エチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−フェニル−3−プロピル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1,3−ジフェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
 3−フェニル−1−(p−トリル)−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン; 1−(4−クロロフェニル)−3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
 3,4−ジメチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
 4−イソブチル−3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
 4−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
 3−メチル−4−フェノキシ−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
 3−メチル−4−フェニルメルカプト−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
 3,3',4,5,6,7−ヘキサヒドロ−2−フェニル−2H−インダゾール−3−オン;
 3−(エトキシカルボニルメチル)−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
 3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1,3−ジメチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−エチル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−ブチル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(2−ヒドロキエチル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−シクロヘキシル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−ベンジル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(α−ナフチル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−メチル−3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
 3−メチル−1−(4−メチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−ブチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−ブトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン; 1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(2−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン; 1−(3−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン; 1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン; 1−(3,4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−ヒドロキシメチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−アミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−メチルアミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−エチルアミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−ブチルアミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
 1−(アセトアミドフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;及び
 1−(4−シアノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン
 本発明の医薬の有効成分としては、式(I)で表される遊離形態の化合物のほか、生理学的に許容される塩を用いてもよい。生理学的に許容される塩としては、塩酸、硫酸、臭化水素塩、リン酸等の鉱酸との塩;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、酢酸、グリコール酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、シュウ酸、アスコルビン酸、クエン酸、サリチル酸、ニコチン酸、酒石酸等の有機酸との塩;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属との塩;アンモニア、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、エタノールアミン、N−メチルグルタミン、L−グルタミン等のアミンとの塩が挙げられる。また、グリシンなどのアミノ酸との塩を用いてもよい。
 本発明の医薬の有効成分としては、上記式(I)で表される化合物若しくはその生理学的に許容される塩の水和物、又は上記式(I)で表される化合物若しくはその生理学的に許容される塩の溶媒和物を用いてもよい。溶媒和物を形成する有機溶媒の種類は特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどを例示することができる。また、上記式(I)で表される化合物は、置換基の種類により1以上の不斉炭素を有する場合があり、光学異性体又はジアステレオ異性体などの立体異性体が存在する場合がある。本発明の医薬の有効成分としては、純粋な形態の立体異性体、立体異性体の任意の混合物、ラセミ体などを用いてもよい。
 式(I)で表される化合物はいずれも公知の化合物であり、特公平5−31523号公報などに記載された方法により当業者が容易に合成できる。
 本発明の医薬の投与量は特に限定されないが、通常は、有効成分である式(I)で示される化合物の重量として一般に経口投与の場合には一日あたり0.1〜1000mg/kg体重、好ましくは一日あたり0.5〜50mg/kg体重、であり、非経口投与の場合には一日あたり0.01〜100mg/kg体重、好ましくは0.1〜10mg/kg体重である。上記投与量は1日1回又は2〜3回に分けて投与するのが好ましく、年齢、病態、症状により適宜増減してもよい。
 本発明の医薬としては、上記式(I)で表される化合物若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物をそのまま投与してもよいが、一般的には、有効成分である上記の物質と薬理学的及び製剤学的に許容される添加物を含む医薬組成物を調製して投与することが好ましい。
 薬理学的及び製剤学的に許容しうる添加物としては、例えば、賦形剤、崩壊剤ないし崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤ないし溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、安定化剤、噴射剤、及び粘着剤等を用いることができる。
 経口投与に適する医薬組成物には、添加物として、例えば、ブドウ糖、乳糖、D−マンニトール、デンプン、又は結晶セルロース等の賦形剤;カルボキシメチルセルロース、デンプン、又はカルボキシメチルセルロースカルシウム等の崩壊剤又は崩壊補助剤;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、又はゼラチン等の結合剤;ステアリン酸マグネシウム又はタルク等の滑沢剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、白糖、ポリエチレングリコール又は酸化チタン等のコーティング剤;ワセリン、流動パラフィン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、カオリン、グリセリン、精製水、又はハードファット等の基剤を用いることができる。
 注射あるいは点滴用に適する医薬組成物には、注射用蒸留水、生理食塩水、プロピレングリコール等の水性あるいは用時溶解型注射剤を構成しうる溶解剤又は溶解補助剤;ブドウ糖、塩化ナトリウム、D−マンニトール、グリセリン等の等張化剤;無機酸、有機酸、無機塩基又は有機塩基等のpH調節剤等の添加物を用いることができる。
 本発明の医薬の形態は特に限定されず、当業者に利用可能な種々の形態をとることができる。経口投与に適する医薬として、例えば、固体の製剤用添加物を用いて錠剤、散剤、顆粒剤、硬ゼラチンカプセル剤、坐剤、又はトローチ剤などを調製することができ、液状の製剤用添加物を用いてシロップ剤、乳剤、軟ゼラチンカプセル剤などを調製することができる。また、非経口投与に適する医薬として、注射剤、点滴剤、吸入剤、坐剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤などを調製することができる。なお、上記の式(I)の化合物を有効成分とする脳保護剤(点滴剤)が、すでに臨床において使用されているので(一般名「エダラボン」、商品名「ラジカット」:三菱ウェルファーマ株式会社製造・販売)、本発明の医薬において上記市販製剤をそのまま用いることができる。
 本発明の医薬で有効成分として用いる式(I)で示されるピラゾロン誘導体又はその薬学的に許容される塩は、ナトリウム・カルシウム交換系阻害剤作用を有する。従って、本発明の医薬は、虚血性心疾患、心不全、高血圧及び/又は不整脈の患者の予防及び/又は治療に好適に用いられる。虚血性心疾患の具体例としては例えば、心筋梗塞や狭心症を挙げることができる。
 本発明の医薬の投与経路は特に限定されず、経口的又は非経口的に投与することができる。例えば、上記各疾患の治療に先立って予防的に本発明の医薬を経口投与しておくことができ、注射若しくは点滴などの非経口的投与によって手術中又はその前後に予防的に投与することもできる。また、上記各疾患の患者に対しては、症状の悪化の防止ないしは症状の軽減などを目的として、静脈内、動脈内に注射により投与することもできる。
 エダラボンを含む医薬は、ナトリウム・カルシウム交換系阻害剤として有用であるので、虚血性心疾患、心不全、高血圧及び/又は不整脈の予防剤及び/又は治療剤として有用である。
 以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により限定されるものではない。
合成例:3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン(以下、エダラボンと称す)の合成
 エタノール50ml中にアセト酢酸エチル13.0g及びフェニルヒドラジン10.8gを加え、3時間還流攪拌した。反応液を放冷後、析出した結晶をろ取し、エタノールより再結晶して、表題の化合物11.3gを無色結晶として得た。
収率 67%
融点 127.5〜128.5℃
 実施例1
(1)実験方法
 モルモットの心臓を麻酔下で摘出し、コラーゲナーゼで灌流し、単一心室筋細胞を得た。ここで得られた単一心室筋細胞をホールセルクランプ法(Neher,E., et al., Nature, 260, 799-802, 1976等)により、膜電位を固定し、電圧刺激をかけながら膜電流を測定した。
10秒に一回、細胞膜電位を三角派で変化させ、それに対応して変化する電流との電流電圧曲線を調べた。図1中、Aにホールセルクランプ電圧固定法により測定したモルモット単一心室細胞の膜電位を、Bにa(コントロール)、b(1mM 過酸化水素)およびc(5mM ニッケルイオン)それぞれの電流電圧曲線を、CにBから得られる電流差、即ち、ニッケル感受性Na/Ca交換電流の電流電圧曲線を示した。
エダラボン存在下、上記と同様にそれぞれの電流電圧曲線を測定し、図2に示した。
 (2)実験結果
1mM過酸化水素水を細胞外液に加えた時のナトリウム・カルシウム交換系電流に対する作用は、過酸化水素水を加えなかったコントロールに比べて48±13%(n=6)増大した(図1中、C:b-c)。これに対し、エダラボン存在下に1mM過酸化水素水を細胞外液に加えた時のナトリウム・カルシウム交換系電流に対する作用は、過酸化水素水を加えなかったコントロールに比べて10±3%(n=6)しか増大しなかった(図2中、C:c-d)。
 以上の結果から、エダラボンが、過酸化水素のナトリウム・カルシウム交換系電流増大作用を抑制することが明らかとなった。
細胞膜電位を三角派で変化させた時、それに対応して変化する電流との電流電圧曲線を示した図である。 エダラボン存在下、細胞膜電位を三角派で変化させた時、それに対応して変化する電流との電流電圧曲線を示した図である。

Claims (5)

  1. 下記式(I):

     
    (式中、R1は、水素原子、アリール基、炭素数1〜5のアルキル基又は総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルキル基を表し;R2は、水素原子、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を表し;あるいは、R1及びR2は、共同して炭素数3
    〜5のアルキレン基を表し;R3は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、ベンジル基、ナフチル基、フェニル基、又は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜3のアルキルメルカプト基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基及びアセトアミド基からなる群から選ばれる同一若しくは異なる1〜3個の置換基で置換されたフェニル基を表す。)
    で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、ナトリウム・カルシウム交換系阻害剤。
  2. 式(I)で示されるピラゾロン誘導体が3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンである請求項1に記載のナトリウム・カルシウム交換系阻害剤。
  3. 請求項1又は2に記載のナトリウム・カルシウム交換系阻害剤を有効成分として含む虚血性心疾患、心不全、高血圧及び/又は不整脈の予防剤及び/又は治療剤。
  4. 下記式(I):

     
    (式中、R1は、水素原子、アリール基、炭素数1〜5のアルキル基又は総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルキル基を表し;R2は、水素原子、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を表し;あるいは、R1及びR2は、共同して炭素数3
    〜5のアルキレン基を表し;R3は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、ベンジル基、ナフチル基、フェニル基、又は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜3のアルキルメルカプト基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基及びアセトアミド基からなる群から選ばれる同一若しくは異なる1〜3個の置換基で置換されたフェニル基を表す。)
    で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、高血圧の予防剤及び/又は治療剤。
  5. 式(I)で示されるピラゾロン誘導体が3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンである請求項4に記載の高血圧の予防剤及び/又は治療剤。
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