JP2004346067A - 抗血栓薬の治療可能時間を延長するための薬剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】抗血栓薬による治療可能時間を延長し、さらに生存率を向上し、かつ出血を減少することができる薬剤の提供。
【解決手段】特定のピラゾロン誘導体(I’)(I”)若しくはその塩、又はそれらを有効成分として含む、抗血栓薬による治療可能時間を延長するための薬剤。
【選択図】なし
【解決手段】特定のピラゾロン誘導体(I’)(I”)若しくはその塩、又はそれらを有効成分として含む、抗血栓薬による治療可能時間を延長するための薬剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、ピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、抗血栓薬による治療可能時間を延長するための薬剤及びその方法並びに抗血栓薬による出血を防止するための薬剤に関する。
脳血管障害は先進国の主要な死因の一つであり、また脳血管障害による生活の質(quality of life)の損失は深刻な社会問題である。組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)などの血栓溶解剤による血流の回復は脳血管障害の治療の一策である。血栓溶解による治療は、虚血の初期の段階で投与し、ヒト及びラットにおいて血栓塞栓症を融解するのに成功した場合には(非特許文献3及び4)、虚血性の脳損傷を改善するのに有効である(非特許文献1及び2)。しかしながら、血栓溶解による治療は生存率においては効果を示さず(非特許文献2及び5)、出血性脳梗塞を引き起こす危険が高い(非特許文献6及び7)。従って、脳血管障害に対するtPAの臨床上の適用は、発症から3時間以内に限られているのが現状である(非特許文献2及び8)。しかしながら、3時間の治療可能時間では短かすぎるために、多くの脳梗塞患者については治療をすることができない。従って、tPAの治療可能時間を延長し、さらに生存率を向上し、かつ出血を減少するための手段の開発が臨床現場においては求められている。
一方、下記式(I):
(式中、R1は水素原子、アリール、炭素数1〜5のアルキル又は総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルキルを表し、R2は、水素原子、アリールオキシ、アリールメルカプト、炭素数1〜5のアルキル又は1〜3のヒドロキシアルキルを表し、あるいは、R1及びR2は、共同して炭素数3〜5のアルキレンを表し、R3は水素原子、炭素数1〜5のアルキル、炭素数5〜7のシクロアルキル、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル、ベンジル、ナフチル又はフェニル、又は炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1〜3のアルキルメルカプト、炭素数1〜4のアルキルアミノ、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、カルボキシル、シアノ、水酸基、ニトロ、アミノ、及びアセトアミドからなる群から選ばれる同一若しくは異なる1〜3個の置換基で置換されたフェニルを表す。)で表されるピラゾロン誘導体については、医薬の用途として、脳機能正常化作用(特許文献1参照)、過酸化脂質生成抑制作用(特許文献2参照)、抗潰瘍作用(特許文献3参照)、及び血糖上昇抑制作用(特許文献4参照)等が知られている。
また、上記式(I)の化合物のうち、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンを有効成分とする製剤は、2001年6月以来、脳保護剤(一般名「エダラボン」、商品名「ラジカット」:三菱ウェルファーマ株式会社製造・販売)として上市されている。この「エダラボン」は、活性酸素に対して高い反応性を有することが報告されている(非特許文献9;非特許文献10参照)。このように、エダラボンは活性酸素をはじめとする種々のフリーラジカルを消去することで、細胞障害などを防ぐ働きをするフリーラジカルスカベンジャーである。しかしながら、これまでエダラボンが、抗血栓薬による治療可能時間を延長できるか否か、あるいは抗血栓薬による出血を防止することができる否か検討については全く報告がない。
本発明の課題は、抗血栓薬による治療可能時間を延長し、さらに生存率を向上し、かつ出血を減少することができる薬剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決することを目的として、中大脳動脈閉塞のモデルラットにおいて式(I)で示されるピラゾロン誘導体と抗血栓薬とを組み合わせて使用し、該ピラゾロン誘導体が抗血栓薬による治療可能時間を延長できるか否かについて検討した。その結果、本発明者らは、上記ピラゾロン誘導体の投与により、抗血栓薬による治療可能時間を延長し、生存率の向上及び出血の減少を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、下記式(I):
(式中、R1は、水素原子、アリール基、炭素数1〜5のアルキル基又は総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルキル基を表し;R2は、水素原子、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を表し;あるいは、R1及びR2は、共同して炭素数3〜5のアルキレン基を表し;R3は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、ベンジル基、ナフチル基、フェニル基、又は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜3のアルキルメルカプト基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基及びアセトアミド基からなる群から選ばれる同一若しくは異なる1〜3個の置換基で置換されたフェニル基を表す。)
で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、抗血栓薬による治療可能時間を延長するための薬剤が提供される。
で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、抗血栓薬による治療可能時間を延長するための薬剤が提供される。
本発明の別の側面によれば、上記式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、抗血栓薬による出血を防止するための薬剤が提供される。
本発明の好ましい態様によれば、式(I)で示されるピラゾロン誘導体は、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンである。
本発明の好ましい態様によれば、上記式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物と、抗血栓薬とを同時に、別々に又は経時的に投与することを特徴とする、上記の薬剤が提供される。
本発明の好ましい態様によれば、抗血栓薬は、血栓溶解剤、抗凝固剤及び/又は血小板凝集抑制剤である。
本発明のさらに好ましい態様によれば、血栓溶解剤は組織プラスミノーゲン活性化因子である。
本発明の好ましい態様によれば、上記式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物と、抗血栓薬とを同時に、別々に又は経時的に投与することを特徴とする、上記の薬剤が提供される。
本発明の好ましい態様によれば、抗血栓薬は、血栓溶解剤、抗凝固剤及び/又は血小板凝集抑制剤である。
本発明のさらに好ましい態様によれば、血栓溶解剤は組織プラスミノーゲン活性化因子である。
本発明の好ましい態様によれば、本発明の薬剤は、脳血管障害患者の治療のために用いる。
本発明の好ましい態様によれば、脳血管障害発症後3時間経過後に薬剤を投与する。
本発明の好ましい態様によれば、脳血管障害は脳梗塞である。
本発明の好ましい態様によれば、脳血管障害発症後3時間経過後に薬剤を投与する。
本発明の好ましい態様によれば、脳血管障害は脳梗塞である。
本発明のさらに別の局面によれば、発症後3時間経過後に上記式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物と、組織プラスミノーゲン活性化因子とを同時に、別々に又は経時的に投与することを特徴とする脳血管障害患者の治療方法が提供される。
上記治療方法の好ましい態様によれば、式(I)で示されるピラゾロン誘導体は3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンである。
上記治療方法の好ましい態様によれば、脳血管障害は脳梗塞である。
上記治療方法の好ましい態様によれば、式(I)で示されるピラゾロン誘導体は3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンである。
上記治療方法の好ましい態様によれば、脳血管障害は脳梗塞である。
本発明のさらに別の局面によれば、上記式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物の予防及び/又は治療有効量をヒトを含む哺乳動物に投与する工程を含む、抗血栓薬による治療可能時間を延長する方法が提供される。
本発明のさらに別の局面によれば、上記式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物の予防及び/又は治療有効量をヒトを含む哺乳動物に投与する工程を含む、抗血栓薬による出血を防止する方法が提供される。
本発明のさらに別の局面によれば、上記式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物の予防及び/又は治療有効量をヒトを含む哺乳動物に投与する工程を含む、抗血栓薬による出血を防止する方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、抗血栓薬による治療可能時間を延長するための薬剤の製造のための式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物の使用が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、抗血栓薬による出血を防止するための薬剤の製造のための式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物の使用が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、抗血栓薬による出血を防止するための薬剤の製造のための式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物の使用が提供される。
本発明の薬剤は、抗血栓薬による治療可能時間を延長することができ、また抗血栓薬による出血を防止することができる。従って、本発明の薬剤は、抗血栓薬の臨床上の適用範囲を拡大するものであり、これにより抗血栓薬の利用価値を高めることができる。
本発明による抗血栓薬による治療可能時間を延長するための薬剤及び抗血栓薬による出血を防止するための薬剤(以下、これらを総称して「本発明の薬剤」とも称する)は、本明細書に定義する式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を含む。
本発明で用いる式(I)で示される化合物は、互変異性により、以下の式(I')又は(I”)で示される構造をもとりうる。本明細書の式(I)には、便宜上、互変異性体のうちの1つを示したが、当業者には下記の互変異性体の存在は自明である。本発明の医薬の有効成分としては、下記の式(I')又は(I”)で表される化合物若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を用いてもよい。
式(I)において、R1の定義におけるアリール基は単環性又は多環性アリール基のいずれでもよい。例えば、フェニル基、ナフチル基などのほか、メチル基、ブチル基などのアルキル基、メトキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、塩素原子などのハロゲン原子、又は水酸基等の置換基で置換されたフェニル基等が挙げられる。アリール部分を有する他の置換基(アリールオキシ基など)におけるアリール部分についても同様である。
R1、R2及びR3の定義における炭素数1〜5のアルキル基は直鎖状、分枝鎖状のいずれでもよい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。アルキル部分を有する他の置換基(アルコキシカルボニルアルキル基)におけるアルキル部分についても同様である。
R1の定義における総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルキル基としては、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、プロポキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、メトキシカルボニルプロピル基等が挙げられる。
R2の定義におけるアリールオキシ基としては、p−メチルフェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、p−ヒドロキシフェノキシ基等が挙げられ、アリールメルカプト基としては、フェニルメルカプト基、p−メチルフェニルメルカプト基、p−メトキシフェニルメルカプト基、p−クロロフェニルメルカプト基、p−ヒドロキシフェニルメルカプト基等が挙げられる。
R2及びR3の定義における炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。R3の定義における炭素数5〜7のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。
R3の定義において、フェニル基の置換基における炭素数1〜5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられ、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられ、炭素数1〜3のアルキルメルカプト基としては、メチルメルカプト基、エチルメルカプト基、プロピルメルカプト基等が挙げられ、炭素数1〜4のアルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基等が挙げられ、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等が挙げられる。
本発明の薬剤の有効成分として好適に用いられる化合物(I)として、例えば、以下に示す化合物が挙げられる。
3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(3−メチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(4−メチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(3,4−ジメチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−エチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(4−プロピルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ブチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(3−メチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(4−メチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(3,4−ジメチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−エチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(4−プロピルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ブチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(2−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−エトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(4−プロポキシフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ブトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(2−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(2−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−エトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(4−プロポキシフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ブトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(2−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ブロモフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−フルオロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−メチルメルカプトフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−メチルメルカプトフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
4−(3−メチル−5−オキソ−2−ピラゾリン−1−イル)安息香酸;
1−(4−エトキシカルボニルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ニトロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−エチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−フェニル−3−プロピル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−フルオロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−メチルメルカプトフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−メチルメルカプトフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
4−(3−メチル−5−オキソ−2−ピラゾリン−1−イル)安息香酸;
1−(4−エトキシカルボニルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ニトロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−エチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−フェニル−3−プロピル−2−ピラゾリン−5−オン;
1,3−ジフェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−フェニル−1−(p−トリル)−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−クロロフェニル)−3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3,4−ジメチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
4−イソブチル−3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
4−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−4−フェノキシ−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−4−フェニルメルカプト−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−フェニル−1−(p−トリル)−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−クロロフェニル)−3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3,4−ジメチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
4−イソブチル−3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
4−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−4−フェノキシ−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−4−フェニルメルカプト−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3,3',4,5,6,7−ヘキサヒドロ−2−フェニル−2H−インダゾール−3−オン;
3−(エトキシカルボニルメチル)−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1,3−ジメチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−エチル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−ブチル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(2−ヒドロキエチル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−シクロヘキシル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−ベンジル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−(エトキシカルボニルメチル)−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1,3−ジメチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−エチル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−ブチル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(2−ヒドロキエチル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−シクロヘキシル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−ベンジル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(α−ナフチル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−メチル−3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(4−メチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ブチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ブトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(2−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−メチル−3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(4−メチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ブチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ブトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(2−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3,4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ヒドロキシメチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−アミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−メチルアミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−エチルアミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ブチルアミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(アセトアミドフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;及び
1−(4−シアノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン
1−(3,4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ヒドロキシメチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−アミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−メチルアミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−エチルアミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ブチルアミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(アセトアミドフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;及び
1−(4−シアノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン
本発明の薬剤の有効成分としては、式(I)で表される遊離形態の化合物のほか、生理学的に許容される塩を用いてもよい。生理学的に許容される塩としては、塩酸、硫酸、臭化水素塩、リン酸等の鉱酸との塩;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、酢酸、グリコール酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、シュウ酸、アスコルビン酸、クエン酸、サリチル酸、ニコチン酸、酒石酸等の有機酸との塩;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属との塩;アンモニア、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、エタノールアミン、N−メチルグルタミン、L−グルタミン等のアミンとの塩が挙げられる。また、グリシンなどのアミノ酸との塩を用いてもよい。
本発明の薬剤の有効成分としては、上記式(I)で表される化合物若しくはその生理学的に許容される塩の水和物、又は上記式(I)で表される化合物若しくはその生理学的に許容される塩の溶媒和物を用いてもよい。溶媒和物を形成する有機溶媒の種類は特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどを例示することができる。また、上記式(I)で表される化合物は、置換基の種類により1以上の不斉炭素を有する場合があり、光学異性体又はジアステレオ異性体などの立体異性体が存在する場合がある。本発明の薬剤の有効成分としては、純粋な形態の立体異性体、立体異性体の任意の混合物、ラセミ体などを用いてもよい。
式(I)で表される化合物はいずれも公知の化合物であり、特公平5−31523号公報などに記載された方法により当業者が容易に合成できる。
本発明の薬剤の投与量は特に限定されないが、通常は、有効成分である式(I)で示される化合物の重量として一般に経口投与の場合には一日あたり0.1〜1000mg/kg体重、好ましくは一日あたり0.5〜50mg/kg体重、であり、非経口投与の場合には一日あたり0.01〜100mg/kg体重、好ましくは0.1〜10mg/kg体重である。上記投与量は1日1回又は2〜3回に分けて投与するのが好ましく、年齢、病態、症状により適宜増減してもよい。
本発明の薬剤としては、上記式(I)で表される化合物若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物をそのまま投与してもよいが、一般的には、有効成分である上記の物質と薬理学的及び製剤学的に許容される添加物を含む医薬組成物を調製して投与することが好ましい。
薬理学的及び製剤学的に許容しうる添加物としては、例えば、賦形剤、崩壊剤ないし崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤ないし溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、安定化剤、噴射剤、及び粘着剤等を用いることができる。
経口投与に適する医薬組成物には、添加物として、例えば、ブドウ糖、乳糖、D−マンニトール、デンプン、又は結晶セルロース等の賦形剤;カルボキシメチルセルロース、デンプン、又はカルボキシメチルセルロースカルシウム等の崩壊剤又は崩壊補助剤;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、又はゼラチン等の結合剤;ステアリン酸マグネシウム又はタルク等の滑沢剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、白糖、ポリエチレングリコール又は酸化チタン等のコーティング剤;ワセリン、流動パラフィン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、カオリン、グリセリン、精製水、又はハードファット等の基剤を用いることができる。
注射あるいは点滴用に適する医薬組成物には、注射用蒸留水、生理食塩水、プロピレングリコール等の水性あるいは用時溶解型注射剤を構成しうる溶解剤又は溶解補助剤;ブドウ糖、塩化ナトリウム、D−マンニトール、グリセリン等の等張化剤;無機酸、有機酸、無機塩基又は有機塩基等のpH調節剤等の添加物を用いることができる。
本発明の薬剤の形態は特に限定されず、当業者に利用可能な種々の形態をとることができる。経口投与に適する医薬として、例えば、固体の製剤用添加物を用いて錠剤、散剤、顆粒剤、硬ゼラチンカプセル剤、坐剤、又はトローチ剤などを調製することができ、液状の製剤用添加物を用いてシロップ剤、乳剤、軟ゼラチンカプセル剤などを調製することができる。また、非経口投与に適する医薬として、注射剤、点滴剤、吸入剤、坐剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤などを調製することができる。なお、上記の式(I)の化合物を有効成分とする脳保護剤(点滴剤)が、すでに臨床において使用されているので(一般名「エダラボン」、商品名「ラジカット」:三菱ウェルファーマ株式会社製造・販売)、本発明の医薬において上記市販製剤をそのまま用いることができる。
本発明の薬剤の投与経路は特に限定されず、経口的又は非経口的に投与することができる。非経口投与の投与経路も特に限定されず、静脈内、筋肉内、皮内、皮下に注射投与することができる。
本発明の薬剤は、抗血栓薬による治療可能時間を延長するために、及び/又は抗血栓薬による出血を防止するために使用することができ、抗血栓薬と併用されるものである。
また、本発明の薬剤により治療可能時間を延長される抗血栓薬の好ましい例としては、血栓溶解剤、抗凝固剤、血小板凝集抑制剤を挙げることができる。血栓溶解剤の好ましい例としては、組織プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)、ウロキナーゼ、デスモプラーゼが挙げられ、抗凝固剤の好ましい例としては抗トロンビン剤、血小板凝集抑制剤の好ましい例としてはトロンボキサン合成酵素阻害剤を挙げることができる。抗トロンビン剤の具体例としては例えば、(2R,4R)−4−メチル−1−[N2((RS)−3−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−8−キノリンスルフォニル)−L−アルギニル]−2−ピペリジンカルボン酸一水和物(一般名:アルガトロバン)が挙げられ、トロンボキサン合成酵素阻害剤の具体例としては、(E)−3−[p−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)フェニル]−2−プロペノエートナトリウム(一般名:オザグレルナトリウム)を挙げることができる。本発明における抗血栓薬の特に好ましい例は組織プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により限定されるものではない。
合成例:3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン(以下、エダラボンと称す)の合成
エタノール50ml中にアセト酢酸エチル13.0g及びフェニルヒドラジン10.8gを加え、3時間還流攪拌した。反応液を放冷後、析出した結晶をろ取し、エタノールより再結晶して、表題の化合物11.3gを無色結晶として得た。
収率 67%
融点 127.5〜128.5℃
エタノール50ml中にアセト酢酸エチル13.0g及びフェニルヒドラジン10.8gを加え、3時間還流攪拌した。反応液を放冷後、析出した結晶をろ取し、エタノールより再結晶して、表題の化合物11.3gを無色結晶として得た。
収率 67%
融点 127.5〜128.5℃
試験例:
1.動物モデル
動物実験は既報の通り行なった(K.Abe 他、Brain Res. 1997;776:220-234、およびT. Hayashi, J Cereb.Blood Flow Metab. 1998; 18: 887-895)。成体雄Wisterラット(体重250〜280g、全部で76匹)にペントバルビタール(体重100g当たり4mg)を腹腔内注入して麻酔をかけ、脳の外傷を回避するように注意しながら、脳血流(CBF)を測定するための直径1.5mmの突起穴を頭蓋骨に電気歯科ドリルを用いて作った。突起穴の位置は、中大脳動脈領域の上部に位置するブレグマ(bregma)から右に3mm後方かつ5mm横とした。薄い骨が突起穴に残っていた。動物は外気中で回復させた。
1.動物モデル
動物実験は既報の通り行なった(K.Abe 他、Brain Res. 1997;776:220-234、およびT. Hayashi, J Cereb.Blood Flow Metab. 1998; 18: 887-895)。成体雄Wisterラット(体重250〜280g、全部で76匹)にペントバルビタール(体重100g当たり4mg)を腹腔内注入して麻酔をかけ、脳の外傷を回避するように注意しながら、脳血流(CBF)を測定するための直径1.5mmの突起穴を頭蓋骨に電気歯科ドリルを用いて作った。突起穴の位置は、中大脳動脈領域の上部に位置するブレグマ(bregma)から右に3mm後方かつ5mm横とした。薄い骨が突起穴に残っていた。動物は外気中で回復させた。
翌日、ラットに一酸化二窒素/酸素/ハロタン(69%:30%:1%)混合物を吸引させて麻酔をかけ、右の中大脳動脈を、総頚動脈にシリコンコーティングしたナイロン糸を挿入することにより閉塞した。体温は、手術処置の間、37±0.3℃に維持した。一過性中大脳動脈閉塞(tMCAO)の1.5、3.0または4.5時間後に、ナイロン糸を抜くことによって脳血流を回復させた。以下、これらを1.5時間後に再灌流した動物、3.0時間後に再灌流した動物、または4.5時間後に再灌流した動物と称する。
2.実験手順
1.5時間後、3.0時間後または4.5時間後に再灌流した動物を、以下の4群にランダムに分けた(図1)。
1.5時間後、3.0時間後または4.5時間後に再灌流した動物を、以下の4群にランダムに分けた(図1)。
擬似(Sham)群:ラットに、中大脳動脈閉塞(MCAO)処置および薬物注入を行わなかった。
ビヒクル処置群:MCAOの直後から再灌流まで1.5時間毎に同量の生理食塩水(図1の▽)のみを投与した。
ビヒクル処置群:MCAOの直後から再灌流まで1.5時間毎に同量の生理食塩水(図1の▽)のみを投与した。
ビヒクル+tPA処置群:生理食塩水の注入は上記と同様に行い、tPA(5mg/kg/ml、静脈内)は再灌流の直後に1回投与した(図1の下向きの矢印)。
エダラボン+tPA処置群:エダラボン(3mg/kg/ml、静脈内)を生理食塩水の代わりに1.5時間毎に投与し、tPAの投与は上記と同様に行なった。
エダラボン+tPA処置群:エダラボン(3mg/kg/ml、静脈内)を生理食塩水の代わりに1.5時間毎に投与し、tPAの投与は上記と同様に行なった。
エダラボンは1NのNaOHで希釈し、蒸留水及びHClで最終濃度3mg/ml(pH7.0)に調整した。エダラボン及びtPAは頸静脈を通してボーラス(bolus)投与した(毎回の用量:0.25ml/250g)。MCAOの1.5時間、3.0時間又は4.5時間後に再灌流したラット(n=61)の生存率を、再灌流後7日目まで記録した。
各群のラットについて、前頭面の切片を作成し、ヘマトキシリン・エオシンで染色して、組織病理評価を行ない、出血の分布を4倍に拡大した写真により記録した。出血面積(mm2)は、Scion Image software(version 1.62a)を用いてコンピュータースクリーン上で出血領域を追跡することによって計算した。
3.結果
tMCAOの1.5時間、3.0時間又は4.5時間に再灌流した各群のラット(n=61)の生存率を図2に示す。tMCAOの1.5時間後に再灌流したラットでは、全群の動物が7日間生存した(図2A)。tMCAOの3.0時間後に再灌流したラットの場合、ビヒクル群及びビヒクル+tPA群では全動物が再灌流の24時間後までに死亡したが、エダラボン+tPA群では50%の動物が7日間生存した(p=0.04、フィッシャーの直接確率検定)(図2B)。また、tMCAOの4.5時間後に再灌流したラットの場合、ビヒクル群及びビヒクル+tPA群では全動物が再灌流の12時間後までに死亡したが、エダラボン+tPA群では29%の動物が7日間生存した(図2C)。
tMCAOの1.5時間、3.0時間又は4.5時間に再灌流した各群のラット(n=61)の生存率を図2に示す。tMCAOの1.5時間後に再灌流したラットでは、全群の動物が7日間生存した(図2A)。tMCAOの3.0時間後に再灌流したラットの場合、ビヒクル群及びビヒクル+tPA群では全動物が再灌流の24時間後までに死亡したが、エダラボン+tPA群では50%の動物が7日間生存した(p=0.04、フィッシャーの直接確率検定)(図2B)。また、tMCAOの4.5時間後に再灌流したラットの場合、ビヒクル群及びビヒクル+tPA群では全動物が再灌流の12時間後までに死亡したが、エダラボン+tPA群では29%の動物が7日間生存した(図2C)。
ヘマトキシリン・エオシン染色による出血面積の評価の結果を以下の表1に示す。表1では、出血を以下の3段階で評価した。
−:出血なし
+:0.01〜0.2mm2
++:0.21〜2mm2
−:出血なし
+:0.01〜0.2mm2
++:0.21〜2mm2
表1に示す通り、ビヒクルで処置した動物では25%の出血率を示し、罹患した中大脳動脈領域内に大きな出血領域が認められた(表1、++)。ビヒクル+tPAで処置した群では、さらに増加した出血率が認められたが(75%)、出血面積は小さかった(表1、+)。エダラボン+tPAで処置した群では、tMCAOの3時間後の場合、16時間目において出血率の減少が認められ(40%)、出血面積も小さかった(表1、+)。
Claims (12)
- 下記式(I):
で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、抗血栓薬による治療可能時間を延長するための薬剤。 - 下記式(I):
で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、抗血栓薬による出血を防止するための薬剤。 - 式(I)で示されるピラゾロン誘導体が3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンである請求項1又は2に記載の薬剤。
- 下記式(I):
で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物と、抗血栓薬とを同時に、別々に又は経時的に投与することを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載の薬剤。 - 抗血栓薬が、血栓溶解剤、抗凝固剤及び/又は血小板凝集抑制剤である、請求項1から4の何れかに記載の薬剤。
- 血栓溶解剤が組織プラスミノーゲン活性化因子である、請求項1から5の何れかに記載の薬剤。
- 脳血管障害患者の治療のために用いる請求項1から6の何れかに記載の薬剤。
- 脳血管障害発症後3時間経過後に薬剤を投与する、請求項1から7の何れかに記載の薬剤。
- 脳血管障害が脳梗塞である請求項1から8の何れかに記載の薬剤。
- 発症後3時間経過後に下記式(I):
で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物と、組織プラスミノーゲン活性化因子とを同時に、別々に又は経時的に投与することを特徴とする脳血管障害患者の治療方法。 - 式(I)で示されるピラゾロン誘導体が3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンである請求項10に記載の治療方法。
- 脳血管障害が脳梗塞である請求項10または11に記載の治療方法。
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WO2002096428A1 (en) * | 2001-05-31 | 2002-12-05 | Astrazeneca Ab | Pharmaceutical combinations |
WO2003024445A1 (fr) * | 2001-09-14 | 2003-03-27 | Mitsubishi Pharma Corporation | Medicaments comprenant un antithrombotique en association avec un derive pyrazolone |
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- 2004-04-28 JP JP2004132575A patent/JP2004346067A/ja active Pending
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