明細 : 光学活性 a —了ミノ酸及び光学活性 α —アミノ酸アミ ドの製造方法 技術分野
本発明は、 光学活性 α —アミノ酸及び光学活性 α —アミノ酸アミ ドの 製造方法に関する。 光学活性 一アミノ酸、 光学活性 α —アミノ酸アミ ド及びラセミ体のアミノ酸アミ ドは医農薬等の出発原料として利用され る。 背景技術
光学活性 α —アミノ酸の製造に関する報告は化学的合成法、 生物学的 合成法ともに数多く見られる。
例えば、 生物学的合成法として、 ひ —アミノ酸アミ ド不斉加水分解能 を有する微生物等を用いたラセミ体 α —アミノ酸アミ ドの光学分割法が 知られている。 この方法は、 立体選択性の高い微生物の取得により光学 純度の高いひ—アミノ酸が容易に製造可能であること、 原料となるラセ ミ体 一アミノ酸アミ ドの製造が容易であること、 天然型及び非天然型 のいずれの光学活性 a —ァミノ酸製造にも応用が可能であること等の理 由により、 光学活性 α —アミノ酸の汎用的な製造法として有用である。
しかし、 上記、 ひ —アミノ酸アミ ド不斉加水分解能を有する微生物等 を用いたラセミ体又は光学的に純粋でない — ア ミノ酸アミ ドの光学分 割法においては、 '反応終了後、 液中に目的とする光学活性 α —アミノ酸 と光学活性 α —アミノ酸アミ ドが混在するため、 光学活性 α —アミノ酸 と光学活性 一アミノ酸アミ ドを分離する必要がある。
分離法としては、 水系溶媒にて酵素的不斉加水分解反応を行った後、 反応液を濃縮し、 アミノ酸の貧溶媒であるアルコール等の有機溶媒を加 えて、 結晶化したアミソ酸を取り出し、 未反応のアミノ酸アミ ドはろ液
として水一アルコール混合溶媒に溶解した状態で取得する方法が考えら れる。 さらには、 より効率よく製造する方法として、 ラセミ化を組み合 わせた光学活性アミノ酸及びアミノ酸アミ ドの製造法が報告されている 例えば、 α—アミノ酸アミ ドを溶媒抽出により除去した後、 α—アミ ノ酸を等電点にて回収する方法 (特開昭 5 8— 2 0 9 9 8 9号、 特開昭
5 7 - 1 3 0 0 0号各公報参照)、エタノールを加えアミノ酸を優先的に 晶析させる方法 (特開昭 6 3— 8 7 9 9 8号、 特開昭 6 1 — 2 7 4 6 9
0号、 特開昭 6 0— 1 8 4 3 9 2号、 特開昭 5 9— 1 5 9 7 8 9号各公 報参照)、 イオン交換樹脂を用いて吸着分離を行う方法 (特開平 1一 2 2
6 4 8 2号公報参照)、又は α—アミノ酸アミ ドを陽イオン交換樹脂に吸 着させた後、 該イオン交換樹脂に酵素を接触させて立体特異的に加水分 解反応を行い、 反応と分離を同時に行う光学活性アミノ酸の製造方法 ( 特開平 8— 2 3 9 9 6号公報参照) が報告されている。
また、 光学分割反応後、 得られた光学活性 Q! —アミノ酸水溶液に含ま れる水を減圧下除去し、 熱有機溶媒にて残渣を洗浄して α—アミノ酸ァ ミ ドを選択的に除去した後、 残った光学活性ひ—アミノ酸を回収する方 法も報告されている (特開昭 6 1— 2 9 3 3 9 4号公報参照)。
この報告には、 洗浄 · 回収した光学活性 α—アミノ酸アミ ドの有機溶 媒溶液に強塩基性化合物を加え、 加熱して a—アミノ酸アミ ドのラセミ 化反応を行ない、 得られた D _体及び L—体混合物の α—アミノ酸アミ ドを不斉加水分解反応に再利用する旨も記載されている。
また、 ラセミ化に関しては、 有機溶媒中、 アルカリ存在下加熱してひ 一アミノ酸アミ ドをラセミ化する方法は、 特開昭 6 2— 2 5 2 7 5 1号 公報明細書中にも記載されている。
さらに、 特開昭 6 1 — 1 9 7 5 3 0号にもアル力リ条件下、 有機溶媒 中で、 効率よくラセミ化が進行することが記載されている。
いずれの報告でも、 ラセミ化反応中に副反応として起こる α—ァミノ 酸アミ ドの加水分解反応を抑制するため、 光学活性ひ 一アミノ酸アミ ド
溶液中の水分含量を低く抑えることが必須とされており、 例えば特開昭
6 2 - 2 5 2 7 5 1号公報では有機溶媒中の水分含量を 1 0 %以下と規 定している。
しかしながら、 上記の光学活性 α —アミノ酸と α —アミノ酸アミ ドと の分離方法は各々欠点を有し工業的に効率の良い製造方法ではない。
ひ 一アミノ酸と α —アミノ酸アミ ドを溶媒抽出により分離した後、 ひ —アミノ酸を等電点にて回収する方法においては、 抽出に多量の溶媒を 必要とする。 よって、 装置、 コス ト面で不利となる。 また、 イオン交換 樹脂を用いて吸着分離を行う方法では、 吸着 · 脱離、 回収と多くの行程 が必要とし、 設備投資の増加、 回収効率の低下又は不純物混入機会の増 加の可能性等の問題があり工業的に好ましくない。
一方、 反応濃縮液にエタノールを加え α —アミノ酸を優先的に晶析さ せる方法は、 他の方法に比べ、 濃縮一晶析を同一槽内で行える等から、 操作が簡便であり、 装置上の設備投資も少ないという特徴がある。 しか し、 該方法では濃縮溶液の容積に対し数倍以上の量のエタノールを添加 する必要あり、 コス ト増加の一因となる。 また、 この技術の報告例は、 限られた天然アミノ酸しかなく、 かつ取得したアミノ酸の純度について 記載されているのもバリンのみであり、 他のアミノ酸について高い純度 のアミノ酸が収率良く得られるかどうかは全く不明である。 従ってこの 方法は汎用性ある技術とは言い難い。
また、 該方法で、 分離した光学活性 α —アミノ酸アミ ドをラセミ化し て光学分割反応に再利用することを想定した場合、 ェタノールは沸点が 低く、 ラセミ化反応に適当な溶媒ではないことは明白である。 例えば、 特開昭 6 2— 2 5 2 7 5 1号公報では、 ェ夕ノール溶液を用いたラセミ 化反応の例が記載されているが、 反応温度を上昇させるため、 反応容器 を封管した後、 1 1 0〜 1 2 0 °Cに容器を加熱して反応を行っている。 該方法は、 工業スケールにおいては、特殊な装置を必要とする。従って、 エタノールを用いた場合、 装置上の設備投資なく常圧下で反応を行うの
は困難である。
さらには、 分離 · 回収した光学活性 Q!—アミノ酸アミ ド含有エタノー ル溶液は水分含有率が高いこと等を考慮すると、 光学活性 0!—アミノ酸 アミ ドのラセミ化反応を行うためには、 さらなる溶液の脱水、 溶媒置換 等の操作、 又は光学活性 α—アミノ酸アミ ド結晶の単離 · 乾燥操作が必 要であり、 操作工程が煩雑となる。
しかも、 上記の方法では、 必ずしも、 アミノ酸のみが完全に結晶化で きるとは限らず、 アミノ酸アミ ド中にアミノ酸が混入する可能性がある。 また、 光学活性体の一方のみが必要な場合は、 例えば、 光学活性アミ ノ酸アミ ドをラセミ化して、 不斉加水分解反応の原料として再利用でき れば極めて好都合であるが、 混入したアミノ酸により光学純度が低下す ることが危惧される。
水を除去した後、 熱有機溶媒にて残渣を洗浄し、 α—アミノ酸アミ ド を選択的に洗浄除去する方法は、 光学活性ひ —アミノ酸アミ ドを溶液か ら単離することなく、 ラセミ化反応を行なえるという特徴があるが、 ェ 業的規模の製造において溶液から水分を完全に除去し濃縮乾固すること は技術的に困難であり、 操作性、 装置上の設備投資等も考えると、 この 方法は実用的な製造方法ではない。
以上の理由から、 公知の手法による光学活性 α—アミノ酸の製造方法 およびラセミ化したひ —アミノ酸アミ ドの精製方法は、 反応後の光学活 性 0!—アミノ酸及び 0!—アミノ酸アミ ドの回収方法に効率等の面で問題 があり、 工業的に優位な方法となり得えなかった。
本発明は、 上記問題点を解決した効率の良い光学活性ひ一アミノ酸及 び光学活性ひ一アミノ酸アミ ドの有効な製造法を提供する。 発明の開示
本発明者らは、 上記課題の解決のために、 鋭意検討を重ねた結果、 光 学活性 0!—ァミノ酸及び光学活性 —アミノ酸アミ ド含有水溶液の溶媒
を水から炭素数 3以上のアルコール溶媒へと置換し、 光学活性ひ—アミ ノ酸をアルコール溶液から優先的に取得することで、 非常に高い収率で 光学活性 一アミノ酸を製造し得ることを見いだした。
さらには、 より効率良く光学活性 α —アミノ酸を製造するため、 不斉 加水分解反応、 光学活性 α —アミノ酸の晶析 · 分離操作の後、 分離母液 として得られる光学活性 α —アミノ酸アミ ド含有アルコール溶液中から 光学活性 £¾—アミノ酸アミ ドを単離する工程を経ることことなく、 光学 活性 一アミノ酸アミ ドのラセミ化反応を実施することができることも 見出した。 また、 アミノ酸及びアミノ酸アミ ドを含む溶液から、 ァミノ 酸アミ ドを精製する方法について鋭意研究を重ねた結果、 アミノ酸及び アミノ酸アミ ドを含む溶液中に塩基性化合物を添加することで、 ァミノ 酸の有機溶媒に対する溶解度が向上し、 該溶液中より、 アミノ酸アミ ド を析出させることにより、 アミノ酸の混入が少ないアミノ酸アミ ドを純 度よく取得できること、 さらには塩基性化合物の添加は、 アミノ酸及び アミノ酸アミ ドの分離及びアミノ酸アミ ドのラセミ化に非常に有効であ るを見出した。 さらに、 塩基性化合物添加後、 共沸脱水等の水分除去操 作を行うことで、塩基性化合物との反応で生じた水分を除去できるため、 さらに効率良く光学活性ひ 一アミノ酸アミ ドのラセミ化反応を行うこと が可能であり、 かつラセミ化反応後、 回収された D—体及び L —体ひ 一 アミノ酸アミ ド混合物がひ—アミノ酸アミ ドの不斉加水分解反応の原料 として循環利用できることを見いだした。
すなわち、 本発明は、 以下の ( 1 ) 〜 ( 2 5 ) の事項に関する。
( 1 ) 光学活性ひ —ァミノ酸及び光学活性 α —アミノ酸アミ ド含有水溶 液の溶媒を、 水から炭素数 3以上の直鎖、 分岐又は環状アルコールから なる群から選ばれる少なくとも 1種のアルコールへと置換し、 光学活性 α —アミノ酸を該アルコール溶液から析出させることを特徴とする光学 活性 α —ァミノ酸及び光学活性 α —アミノ酸アミ ドの製造方法であって、 α —アミノ酸が一般式 (I )
(式中、 R l及び R 2は、 同一又は異なっており、 水素原子、 低級アル キル基、 置換低級アルキル基、 低級アルケニル基、 置換低級アルケニル 基、 シクロアルキル基、 フエニル基、 置換フヱニル基、 複素環基及び置 換複素環基を示す。 )で示され、 ひ 一アミノ酸ア ミ ドが一般式 (II)
(式中、 R 1及び R 2は、 同一又は異なっており、 水素原子、 低級アルキ ル基、 置換低級アルキル基、低級アルケニル基、 置換低級アルケニル基、 シクロアルキル基、 フエニル基、 置換フエニル基、 複素環基及び置換複 素環基を示す。 )
で示される、 光学活性 a—アミノ酸及び光学活性 α—アミノ酸アミ ドの 製造方法。
(2 ) ひ 一アミノ酸及び 一アミノ酸アミ ドが一般式 (III) で表される 芳香環を有するアミノ酸 '
(η== 0〜 1、 Χ =水素、 ハロゲン、 アルキル基、 水酸基、 アルコキシ
および一般式 (IV) で表される芳香環を有するアミノ酸アミ ド、
(n = 0〜 l、 X=水素、 ハロゲン、 アルキル基、 水酸基、 アルコキシ 基)
又は一般式 (V) で表される脂肪族アミノ酸 .
(Rは炭素数 2〜 5の直鎖 · または分岐アルキル基)
および一般式 (VI) で表される脂肪族アミノ酸アミ ド
(Rは炭素数 2〜 5の直鎖 · または分岐アルキル基)
である、 ( 1 ) 記載の光学活性ひ一アミノ酸及び光学活性 一アミノ酸ァ ミ ドの製造方法。
(3) ひ 一アミノ酸及び 一アミノ酸アミ ドが 一 t e r t—ロイシン 及び α— t e r t一口イシンアミ ド、 α—フエ二ルァラニン及び α—フ ェニルァラニンアミ ド、 ひ一フエニルダリシン及び 一フエニルダリシ
ンアミ ド、 α _ρ—フロロ一フエニルグリシン及び a— p—フロロ一フエ ニルグリシンアミ ド、 a— 0—クロローフエニルグリシン及びひ 一 0—ク ロロ—フエニルグリシンアミ ド、 a— p—ヒドロキシ一フエ二ルァラニン 及び a _p—ヒ ドロキシーフエ二ルァラニンアミ ド、 a— 2—ァミノ一 n 一酪酸及び a _ 2—ァミノ— n—酪酸アミ ド、 並びにひ 一イソロイシン 及び a—イソロイシンアミ ドからなる群から選択される 一アミノ酸及 び a—アミノ酸アミ ドである ( 2 ) 記載の光学活性ひ —アミノ酸及び光 学活性 a—アミノ酸アミ ドの製造方法。
(4) アルコールが n—ブ夕ノール、 イソプロパノール、 イソプチルァ ルコール、 1—ペン夕ノールおよびシクロへキサノールよりなる群から 選択される、 ( 1 ) 記載の光学活性 a;—アミノ酸及び光学活性ひ ー ァミノ 酸アミ ドの製造方法。
( 5 ) アルコールが n—ブ夕ノール又はイソプロパノール、 イソブチル アルコール、 1 一ペン夕ノールおよびシクロへキサノールよりなる群か ら選択される、 ( 2 ) 記載の光学活性 a—アミノ酸及び光学活性 a—アミ ノ酸アミ ドの製造方法。
( 6 ) アルコールが n—ブタノ一ル又はイソプロパノール、 イソプチル アルコール、 1 一ペン夕ノールおよびシクロへキサノールよりなる群か ら選択される、 ( 3 ) 記載の光学活性ひ 一アミノ酸及び光学活性ひ 一アミ ノ酸アミ ドの製造方法。
( 7 ) 光学活性 a;—ァミノ酸及び光学活性 a—アミノ酸アミ ド含有水溶 液が、 光学的に純粋でない a—アミノ酸アミ ドに不斉加水分解能を有す る菌体又は該菌体処理物を接触させ、 得られたものである ( 1 ) 〜 ( 6 ) のいずれか記載の光学活性 a—ァミノ酸及び光学活性 一アミノ酸ァ ミ ドの製造方法。
( 8 ) 光学活性 a—アミノ酸が析出した後の分離母液の水分含有率が 1 0質量%以下である ( 1 ) 〜 ( 6 ) のいずれか記載の光学活性ひ 一アミ ノ酸及び光学活性 a—アミノ酸アミ ドの製造方法。
( 9 ) 光学活性 α—アミノ酸が析出した後の分離母液の水分含有率が 1 0質量%以下である ( 7 ) 記載の光学活性 α—アミノ酸及び光学活性 a 一アミノ酸アミ ドの製造方法。
( 1 0 ) ( 1 ) 〜 ( 6 ) のいずれか記載の方法により得られた、 光学活性 ひ 一アミノ酸が析出した後の分離母液に、 水酸化力リゥムまたは tert— ブトキシカリウムを加え、 ラセミ化反応を行い、 次いで a—アミノ酸ァ ミ ドを該溶液中から優先的に析出させることを特徴とする a—アミノ酸 アミ ドの精製方法。
( 1 1 ) ( 7 ) 記載の方法により得られた、 光学活性ひ —アミノ酸が析出 した後の分離母液に、 水酸化力リゥムまたは tert—ブトキシカリゥムを 加え、 ラセミ化反応を行い、 次いで a—アミノ酸アミ ドを該溶液中から 優先的に析出させることを特徴とする —アミノ酸アミ ドの精製方法。
( 1 2 ) ( 8 ) 記載の方法により得られた、 光学活性 a—アミノ酸が析出 した後の分離母液に、 水酸化力リウムまたは tett—ブトキシカリウムを 加え、 ラセミ化反応を行い、 次いで a—アミノ酸アミ ドを該溶液中から 優先的に析出させることを特徴とする a—アミノ酸アミ ドの精製方法。
( 1 3 ) ( 9 ) 記載の方法により得られた、 光学活性 a—アミノ酸が析出 した後の分離母液に、 水酸化力リゥムまたは tert—ブトキシカリゥムを 加え、 ラセミ化反応を行い、 次いで a—アミノ酸アミ ドを該溶液中から 優先的に析出させることを特徴とするひ—アミノ酸アミ ドの精製方法。
( 1 4) 析出させたアミノ酸アミ ドの結晶中のアミノ酸含有率が 1. 5 %以下である、 ( 1 0 ) 記載のアミノ酸アミ ドの精製方法。
( 1 5 ) 析出させたアミノ酸アミ ドの結晶中のアミノ酸含有率が 1. 5 %以下である、 ( 1 1 ) 記載のアミノ酸アミ ドの精製方法。
( 1 6 ) 析出させたアミノ酸アミ ドの結晶中のアミノ酸含有率が 1. 5 %以下である、 ( 1 2 ) 記載のアミノ酸アミ ドの精製方法。
( 1 7 ) 析出させたアミノ酸アミ ドの結晶中のアミノ酸含有率が 1. 5 %以下である、 ( 1 3 ) 記載のアミノ酸アミ ドの精製方法。
( 1 8 ) ( 1 0 ) 記載の方法により得られたひ 一アミノ酸アミ ドを不斉加 水分解の原料として循環利用することを特徴とする光学活性ひーァミノ 酸及び光学活性 α—アミノ酸アミ ドの製造方法。
( 1 9 ) ( 1 1 ) 記載の方法により得られた α—アミノ酸アミ ドを不斉加 水分解の原料として循環利用することを特徴とする光学活性 α—アミノ 酸及び光学活性 α—アミノ酸アミ ドの製造方法。
( 2 0 ) ( 1 2 ) 記載の方法により得られた α—アミノ酸アミ ドを不斉加 水分解の原料として循環利用することを特徴とする光学活性 α—ァミノ 酸及び光学活性 α—アミノ酸アミ ドの製造方法。
( 2 1 ) ( 1 3 ) 記載の方法により得られた α—アミノ酸アミ ドを不斉加 水分解の原料として循環利用することを特徴とする光学活性 α—ァミノ 酸及び光学活性ひ 一アミノ酸アミ ドの製造方法。
( 2 2 ) ( 1 4 ) 記載の方法により得られた α—アミノ酸アミ ドを不斉加 水分解の原料として循環利用することを特徴とする光学活性 α—ァミノ 酸及び光学活性 α—アミノ酸アミ ドの製造方法。
( 2 3 ) ( 1 5 ) 記載の方法により得られた α—アミノ酸アミ ドを不斉加 水分解の原料として循環利用することを特徴とする光学活性 α—アミノ 酸及び光学活性 α—アミノ酸アミ ドの製造方法。
( 2 4) ( 1 6 ) 記載の方法により得られた 一アミノ酸アミ ドを不斉加 水分解の原料として循環利用することを特徴とする光学活性 α—ァミノ 酸及び光学活性 α—アミノ酸アミ ドの製造方法。
( 2 5 ) ( 1 7 ) 記載の方法により得られたひ 一アミノ酸アミ ドを不斉加 水分解の原料として循環利用することを特徴とする光学活性ひ一アミノ 酸及び光学活性 α—アミノ酸アミ ドの製造方法。
以下、 本発明の一般的実施態様について説明する。
本発明に用いる α—アミノ酸の種類に制限はないが、 次の一般式 (I ) で示されるものが好ましい。
(式中、 1及び 2は、 同一又は異なっており、 水素原子、 低級アル キル基、 置換低級アルキル基、 低級アルケニル基、 置換低級アルケニル 基、 シクロアルキル基、 フエニル基、 置換フエニル基、 複素環基及び置 換複素環基を示す。 )
一般式 (I ) で示されるものとして、 例えば、 ァラニン、 パリン、 ロイ シン、 イソロイシン、 メチォニン、 トリブトファン、 フエ二ルァラニン、 セリン、 システィン、 チロシン、 リジン、 ヒスチジン、 2—アミノー n 一酪酸、 シクロへキシルァラニン、 ノルパリン、 ノルロイシン、 6—ヒ ドロキシノルロイシン、 ネオペンチルグリシン、 ぺニシラミン、 t e r t 一口イシン、 フエニルグリシン、 0—クロ口フエニルグリシン、 m—ク ロロフェニルグリシン、 p—クロ口フエニルグリシン、 p—フロロフエ二 ルグリシン、 p—クロ口フエ二ルァラニン、 p—ヒドロキシフエ二ルァラ ニン、 o, p—ジクロロフエニルダリシン等を挙げることができる。
本発明において、 一アミノ酸アミ ドの種類に制限はないが、 次の一 般式 (I I ) で示されるものが好ましい。
(式中、 R 1及び R 2は、 同一又は異なっており、 水素原子、 低級アル キル基、 置換低級アルキル基、 低級アルケニル基、 置換低級アルケニル 基、 シクロアルキル基、 フエニル基、 置換フエニル基、 複素環基及び置
換複素環基を示す。 )
一般式 (I I) で示されるものとして、 例えば、 ァラニンアミ ド、 ノ リ ンアミ ド、 ロイシンアミ ド、 イソロイシンアミ ド、 メチォニンアミ ド、 トリブトファンアミ ド、 フエ二ルァラニンアミ ド、 セリンアミ ド、 シス ティンアミ ド、 チロシンアミ ド、 リジンアミ ド、 ヒスチジンアミ ド、 2 —アミノー n —酪酸アミ ド、 シクロへキシルァラニンアミ ド、 ノルバリ ンアミ ド、 ノルロイシンアミ ド、 6—ヒドロキシノルロイシンアミ ド、 ネオペンチルグリシンアミ ド、 ぺニシラミンアミ ド、 t e r t —口イシ ンアミ ド、 フエニルグリシンアミ ド、 0—クロ口フエニルダリシンアミ ド 、 πι—クロ口フエニルダリシンアミ ド、 p—クロ口フエニルダリシンアミ ド、 p—フロロフェニルグリシンアミ ド、 p—クロ口フエ二ルァラニンァ ミ ド、 p—ヒドロキシフエ二ルァラニンアミ ド、 0, p—ジクロロフェニル グリシンアミ ド等を挙げることができる。
これらのうち、 一般式 (I I I) で表される芳香環を有するアミノ酸
( η == 0〜 1、 X =水素、 ハロゲン、 アルキル基、 水酸基、 アルコキシ 基)
および一般式 (IV) で表される芳香環を有するアミノ酸アミ ド、
( η == 0〜 1、 X =水素、 ハロゲン、 アルキル基、 水酸基、 アルコキシ
基)
又は一般式 (V) で表される脂肪族アミノ酸
(Rは炭素数 2〜 5の直鎖 · または分岐アルキル基)
および一般式 (VI) で表される脂肪族アミノ酸アミ ド
(Rは炭素数 2〜 5の直鎖 · または分岐アルキル基) が望ましい。
ひ 一アミノ酸アミ ドの光学分割反応は、 水性媒体中でラセミ体あるい は光学的に純粋でない 一アミノ酸アミ ドに立体特異的に作用し、 光学 活性 一アミノ酸と対応する光学特性を有するひ—アミノ酸アミ ドを与 える微生物の作用により行うことができる。 該微生物としては、 上記反 応を触媒するものであれば、 特に制限はなく、 例えば、 ェンテロバクタ — ' クロアツセィ N— 7 9 0 1 (F E RM B P— 8 7 3 )、 E . c o
1 i J M 1 0 9 /p LA 2 0 5 (F E RM B P— 7 1 3 2 ) 等を挙 げることができる。 これら微生物は菌体をそのまま又は菌体処理物 (洗 浄菌体、 乾燥菌体、 菌体破砕物、 菌体抽出物、 粗又は精製酵素、 及ぴこ れらの固定化物) として使用される。
該光学分割反応は、 水性媒体中においてひ—アミノ酸アミ ドを上記菌 体又は菌体処理物と接触させることによって行われる。 通常、 α—アミ ノ酸アミ ド濃度は 0. 1〜 6 0質量%、 好ましくは 1〜 4 0質量%、 菌
体又は菌体処理物の濃度は、 その活性量により異なるがアミノ酸アミ ド 質量に対し 1 / 1 0 0 0 0〜 1質量、 好ましくは 1 Z 1 0 0 0〜 1 1 0質量、 反応液の p Hは 4〜 1 1、 好ましくは 6〜 1 0、 及び反応温度 は 1 0〜 6 0で、 好ましくは 2 0〜 5 0 °Cである。
反応終了後、 反応液からの菌体又は菌体処理物の除去方法は特に限定 しないが例えば、 遠心分離、 ろ過等の方法を用いて行うことができる。 菌体又は該処理物を除去した反応液は必要に応じて減圧濃縮操作を行つ てもよい。
得られた反応液又は濃縮液中の水は、 炭素数 3以上、 好ましくは 3〜 6、 さらに好ましくは 4〜 6の直鎖、 分岐、 あるいは環状アルコールの 中から選ばれた少なくとも 1種類の溶媒に置換される。 溶媒として、 プ ロパノール、 ブタノール、 ペンタノ一ル、 へキサノール等が挙げられ、 n—ブタノ一ル、 イソプロピルアルコールが望ましい。
溶媒の置換は共沸等の操作によつて行なわれ、 ひ 一アミノ酸アミ ドの 不斉加水分解反応後得られる光学活性 a _アミノ酸及び光学活性 α—ァ ミノ酸アミ ド含有水溶液に含まれる水が、 好ましくは 9 0質量%以上ま でアルコール溶媒へと置換されるまで操作を行なう。
アルコール溶媒へ置換した後、 光学活性 α—アミノ酸を取得する方法 は、 特に限定されないが、 例えば、 析出による取得法が挙げられる。
光学活性 α—アミノ酸を析出させる際の光学活性 α—アミノ酸の濃度、 温度については高い収率で光学活性 α—アミノ酸が回収できるのであれ ば特に限定はしないが、 操作効率等を考慮して濃度は 1〜 5 0質量%、 好ましくは 5〜 3 0質量%で、 温度は一 2 0〜 6 0 °C、 好ましくは 0〜 4 0 °Cで行なわれる。 また、 析出操作時より高い温度にて溶液を加温、 撹拌した後、 前述した温度にて光学活性 一アミノ酸を析出させること で、 純度の高い光学活性ひ 一アミノ酸を得ることができる。 さらに析出 した光学活性ひ 一アミノ酸の回収操作は連続及び回分のいずれの方法に よっても行うことができる。
上記操作により、 結晶として析出した光学活性ひ一アミノ酸は、 遠心 分離又はろ過等の方法により回収され、 その結果、 光学活性 a—ァミノ 酸は溶液中に溶解している光学活性 a—アミノ酸アミ ドと分離すること ができる。
分離母液中の光学活性 a—アミノ酸アミ ドは、 必要により、 光学活性 一アミノ酸アミ ドに対して溶解度の低い溶媒への置換、 あるいは溶媒 を除去して固体状で回収することができる。
光学活性 a —アミノ酸アミ ドのラセミ化反応は、 塩基性化合物を、 分 離母液として得られる光学活性 a —アミノ酸アミ ド含有アルコール溶液 に加えて行う。
塩基性化合物としては、 アミノ酸が有機溶媒に溶けやすい塩になるも のであれば何れでも構わず、 アルカリ金属、 アルカリ金属水酸化物、 ァ ルカリ金属水素化物、 アルカリ金属塩、 又はアルカリ金属のアルコラ一 トのうち、 少なく とも 1種類が選ばれる。 アルカリ金属としては、 例え ば、金属ナトリウム、金属力リゥムが、 アル力リ金属水素化物としては、 例えば、 水素化ナトリウム、 水素化カリウムが、 アルカリ金属塩として は、 例えば、 炭酸ナトリウム、 炭酸カリウムが、 アルカリ金属水酸化物 としては、 例えば、 水酸化ナトリウム、 水酸化カリウムが、 アルカリ金 属のアルコラートとしてはナトリウムメチラート、 ナトリウムェチラー ト、 カリウムメチラート、 カリウム一 t e r t —プチラート等が挙げら れる。 これらのうち、 特にカリウム化合物が望ましい。
加えられるべき塩基化合物の量はアミノ酸アミ ドに対して 0 . 0 1〜 1 . 0モル当量、 好ましくは 0 . 0 5〜 0 . 5モル当量である。 a—ァ ミノ酸アミ ド含有アルコール溶液中に —アミノ酸が混在する場合は、 一アミノ酸の 1 . 0モル当量以上の塩基性化合物を前述した量に加算 して加えることができる。 また、 塩基性化合物添加後、 共沸脱水等の水 分除去操作を行うことで、 塩基性化合物との反応で生じた水分を除去で きるため、 さらに効率良く光学活性 a —アミノ酸アミ ドのラセミ化反応
を行うことが可能である。 かく してアルコール溶液として回収された光 学活性ひ —アミノ酸アミ ドは、 アルコール溶媒中に溶解したまま複雑な 工程を経ることなく、 単純な操作のみでラセミ化反応を実施することが できる。
光学活性 α—アミノ酸アミ ドのラセミ化反応の条件は、 α—アミノ酸 アミ ド、 塩基化合物の種類、 濃度等の諸要因により異なり特に限定され るものではないが、 一般には反応温度 8 0〜 2 0 0 °C、 好ましくは 1 0 0〜 1 5 0 °Cで 1 0分〜 2 4時間行う。
アミノ酸アミ ドの取得は、 塩基性化合物を混入したアミノ酸及びアミ ノ酸アミ ドを含む溶液に適当な有機溶媒を加え、 アミノ酸アミ ドを優先 的に析出させることにより行う。 析出の際、 使用する有機溶媒は、 塩基 性化合物の塩となったアミノ酸塩が溶解し、 アミノ酸アミ ドが溶解し難 い溶媒であればいずれでも構わない。
アミノ酸アミ ドを該溶液より析出させるには、 濃縮又は冷却等の操作 により行うことができる。
反応後、 D—体及び L—体ひ —アミノ酸アミ ド混合物は、 公知の方法 により回収され、 不斉アミノ酸アミ ド加水分解反応に循環利用すること ができる。 発明を実施するための最良の形態
次に、 本発明を実施例により具体的に説明する。
参考例 1 光学活性ひ —アミノ酸と光学活性 α—アミノ酸アミ ドを含む 水溶液の調製
特開昭 6 2 - 5 5 0 9 7号公報記載の方法に従い、 ェンテロパクター クロアツセィ N— 7 9 0 1 (F E RM P— 8 7 3 )の培養を行った。 培養液 1 Lを遠心分離し、 次いで湿潤菌体を蒸留水に懸濁して菌体懸濁 溶液 8 0 0 gを調製した。 この懸濁液に D, L— t e r t —ロイシンァ ミ ド 2 0 0 gを溶解させた後、 4 0 °Cにて 5 2時間反応させた。反応後、
遠心分離により菌体を除去し、 L一 t e r t 一口イシン及び D— t e r t 一口イシンアミ ドを各々 1 0質量%含む水溶液 9 7 0 gを得た。
t e r t —ロイシン及び t e r t —ロイシンアミ ドの濃度は高速液体 クロマトグラフィー (HP L C) 分析条件 1で、 各々の光学純度は、 H P L C分析条件 2で分析を行った。 また、 溶液の水分量はカールフイ ツ シャ一水分測定器 (三菱モイスチャーメ一夕一 CA- 60:三菱化成社製) を 用いて測定した。
HP L C分析条件 1 :
カラム : イナ一トシル OD S— 3 V ( 4. 6 φ X 2 5 0 mm) 移動層 : 0. 1 % リン酸水溶液
流速 : 1 m L / m i n
, 検出 : R I
HP L C分析条件 2 :
カラム : S UM I CH I RAL OA— 5 0 0 0 ( 4. 6 φ X 2 5 0 mm)
水一メタノール ( 8 5 5 )
流速 : 1 m L / m i n
検出 : U V 2 5 4 n m
実施例 1
参考例 1で得られた L一 t e r t 一口イシンと D _ t e r t 一口イシ ンアミ ドを含む水溶液 2 0 0 gを 7 2 gまで減圧濃縮した後、 溶液にィ ソプロピルアルコール 3 0 0 gを加えた。 さらに溶液を減圧濃縮し、 最 終的に濃縮液 1 4 0 gを得た。 この時の濃縮液の水分濃度は 6. 5質量 %であった。この濃縮液を 5 0 にて 1時間撹拌した後、溶液を冷却し、 1 5 °Cにてさらに 4時間撹拌した。 析出した結晶を吸引濾過により回収 し、 乾燥質量 1 8. 4 gの L一 t e r t —ロイシンを得た (収率 9 2 % )o この時、 L一 t e r t —ロイシン結晶中に含まれる D— t e r t 一口 イシンアミ ドの量は 0. 0 1質量%以下であった。
実施例 2
参考例 1で得られた L— t e r t —ロイシンと D _ t e r t 一口イシ ンアミ ドを含む水溶液 4 0 0 gを 1 4 0 gまで減圧濃縮した後、 溶液に n—ブ夕ノール 3 0 0 gを加えた。 さらに溶液を減圧濃縮し、 最終的に 濃縮液 2 6 5 gを得た。 この時の濃縮液の水分濃度は 0 . 9質量%であ つた。 濃縮液に n -ブ夕ノール 1 0 gを加えて得た溶液を 6 0でにて 1 時間撹拌した後、 溶液を冷却し、 2 0 °Cにてさらに 3時間撹拌した。 析 出した結晶を遠心ろ過により回収し、 乾燥質量 3 9 . 2 gの L — t e r t —ロイシンを得た (収率 9 8 % )。 この時、 L— t e r t 一口イシン結 晶中に含まれる D _ t e r t —ロイシンアミ ドの量は 0 . 0 5質量%で めった。
実施例 3
参考例 1で得られた L 一 t e r t —ロイシンと D— t e r t —口イシ ンアミ ドを含む水溶液 5 0 0 gを 2 5 0 gまで減圧濃縮した後、 溶液に n —ブ夕ノール 2 5 0 gを加えた。 さらに溶液を減圧濃縮し、 溜出液が 2 4 0 となった時点で再度溶液に n —ブ夕ノ一ルを 2 5 0 g加えた。 添加後、 再び減圧濃縮を行ない、 最終的に濃縮液 3 5 0 gを得た。 この 時の濃縮液の水分濃度は 0 . 6質量%であった。 この濃縮液を 6 0 °Cに て 2時間撹拌した後、溶液を冷却し、 2 0 °Cにてさらに 2時間撹拌した。 析出した結晶を遠心ろ過により回収し、 乾燥質量 4 8 . 9 gの L 一 t e r t —ロイシンを得た (収率 9 8 % )。 この時、 L— t e r t —ロイシン 結晶中に含まれる D— t e r t —ロイシンアミ ドの量は 0 . 0 1質量% 未満であった。
回収した分離母液 2 9 5 g中には D— t e r t 一口イシンアミ ド 4 9 . 0 gが含まれていた。
実施例 4
実施例 3で得られた D - t e r t 一口イシンアミ ドの n —ブ夕ノール 溶液 (分離母液) 2 9 5 gに水酸化ナトリウム 3 . 0 gを加え、 4時間
加熱還流した。 反応液を 8 0 gまで減圧濃縮した後、 濃縮液に n—ヘプ タン 1 0 0 gを加えて 5 °Cにて 1 0時間攪拌した。 析出した結晶を吸引 ろ過にて回収し、 乾燥質量 3 8. 7 gの D—体及び L—体の混合物の t e r t —口イシンアミ ドを得た (分離母液からの収率 7 9 %)。 このとき の t e r t 一口イシンアミ ド結晶の D—体 : L—体の存在比率は 5 0. 2 : 4 9. 8であった。
実施例 5
実施例 4で得られた D—体及び L一体の混合物の t e r t—ロイシン アミ ド結晶 2 0 gと参考例 1 にて調製した菌体懸濁液 8 0 gを混合し、 参考例 1 と同様にして菌体反応を行った。 5 2時間後反応液中には L一 t e r t —ロイシン及び D _ t e r t —ロイシノアミ ドが各々 1 0質量 %存在していた。
実施例 6
実施例 3で得られた D - t e r t —ロイシンアミ ドの n—ブ夕ノ一ル 溶液 (分離母液) 2 9 5 gに水酸化カリウム 3. 0 gを加えた後、 この 溶液を 2 0 6 gまで減圧濃縮した。 濃縮液の水分濃度は 0. 0 6質量% であった。 濃縮液を 6時間加熱還流した後、 反応液を 8 1 gまで減圧濃 縮し、 さらに濃縮液に n—ヘプタン 1 0 0 gを加えて 5 °Cにて 3時間攪 拌した。 析出した結晶を吸引ろ過にて回収し、 乾燥質量 4 0. 2 ^の13 一体及び L一体の混合物の t e r t _ロイシンアミ ドを得た (分離母液 からの収率 8 2 %)。 このときの t e r t —ロイシンアミ ド結晶の D—体 : L—体の存在比率は 5 0. 0 : 5 0. 0であった。
実施例 7
n—ブ夕ノールの代わりに、 表 1 に示した各アルコール溶媒を用いて 実施例 2 と同様の操作を行ない、 参考例 1で得られた L一 t e r t —口 イシンと D— t .e r t —ロイシンアミ ドを含む水溶液 4 0 0 gから L— t e r t 一口イシン結晶を回収した。 表 1 に溶媒置換操作後の各アルコ ール溶液の水分含量、晶析温度、及び L一 t e r t —口イシン取得収率、
を示した。
D— t e r t —口イシンアミ ド 7 0 g (光学純度 > 9 9 % e e )、 L— t e r t _ロイシン (光学純度〉 9 9 % e e ) 2 gを、 水 4 8 g及びィ ソプロピルアルコール 8 0 gに溶解した溶液全量 2 0 0 g (水分量 2 4 %) に、 n—ブタノ一ル 1 0 0 gを加えて 6 0 °CZ 8 0 t o r rで全量 1 5 0 gになるまで濃縮した。
そこへ、 水酸化カリウム 4. 9 g (アミノ酸に対して等量及びアミ ド に対して 2 0 %モル) 及び n -ブ夕ノール 1 4 5 gを加えて室温で 1時 間攪拌して水酸化力リゥムを溶解させた (全量 3 0 0 g)0 水分量を測定 したところ 6 %であった。
さらに、 8 0でノ 8 0 t o r rで全量 1 5 0 gになるまで濃縮後、 n ーブ夕ノール 1 5 0 gを加えて全量 3 0 0 gとした (水分量 0. 1 %)。 該溶液を 1 2 0 °Cで 6時間攪拌した。
結果、 反応前は 2. 8 % (wXw) であったアミノ酸比が、 反応後は 5. 4 % (w/w) であった。
反応後、 全量 1 0 0 gになるまで濃縮し、 n—ヘプタン 1 0 0 gを加 えて、 析出した結晶を遠心濾過後、 乾燥させて、 ラセミ体の t e r t — ロイシンアミ ド 6 3 gを取得した。 t e r t —ロイシン及び t e r t - ロイシンアミ ドの濃度は高速液体クロマトグラフィー (HP L C) 分析 条件 3で、 各々の光学純度は、 H P L C分析条件 4で分析を行った。 HP L C分析条件 3 :
カラム : イナ一トシル OD S— 3 V ( 4. 6 X 2 5 0 mm) 移動層 : 0. 1 % リン酸水溶液
流速 : l mLZm i n
検出 : R I
H P L C分析条件 4 :
カラム : S UM I C H I R A L OA— 5 0 0 0 (4. 6 X 2 5 0 mm;
水一メタノール ( 8 5 5 )
流速 : 1 m L X m i n
検出 : U V 2 5 4 nm
上記条件で、 HPLCで分析したところ、 採取した t e r t—ロイシン アミ ド中に含まれる t e r t —ロイシンは 0. 1 3 % (w/w) であつ た。アミノ酸アミ ドの取得収率は 9 0 %、ラセミ化率は 9 9 %であった。 実施例 9
D— t e r t —ロイシンアミ ド 7 0 g (光学純度 > 9 9 % e e ), L - t e r t 一口イシン (光学純度〉 9 9 % e e ) 5. 5 gを、 水 4 4 g、 及びィソプロピルアルコール 8 0 gに溶解した溶液全量 2 0 0 g (水分 量 2 2 %) に、 n—ブ夕ノール 1 0 0 gを加えて 6 0 °CZ 8 0 t o r r で全量 1 5 0 gになるまで濃縮した。
そこへ、 水酸化カリウム 9. 8 7 g (アミノ酸に対して等量及びアミ ドに対して 2 0 %モルに相当) 及び n—ブ夕ノール 1 4 0 gを加えて室 温で 1時間攪拌して水酸化力リゥムを溶解させた (全量 3 0 0 g)。 水分 量を測定したところ 4 %であった。
さらに、 8 0 °C/ 8 0 t o r rで全量 1 5 0 gになるまで濃縮した後、 n—ブ夕ノール 1 5 0 gを加えて全量 3 0 0 gとした.(水分量 0. 1 % )o 該溶液を 1 2 0 で 6時間攪拌した。
結果、 反応前は 7. 3 % (w/w) であったアミノ酸比が反応後は 1 1. 9 % (w/w) であった。
反応後、 全量 1 0 0 gになるまで濃縮し、 n—ヘプタン 1 0 0 gを加 えて、 析出した結晶を遠心濾過後、 乾燥させて、 ラセミ体の t e r t — ロイシンアミ ド 6 3 gを取得した。
実施例 8の条件で、 HPLCで分析したところ、 採取した t e r t —口 イシンアミ ド中に含まれる t e r t —口イシンは 1. 0 7 % (w/w) であった。 アミノ酸アミ ドの取得収率は 8 9 %、 ラセミ化率は 9 9 %で あった。
実施例 1 0
D - t e r t 一口イシンアミ ド 7 0 g (光学純度 > 9 9 % e e )、 L — t e r t —ロイシン (光学純度 > 9 9 % e e ) 5. 5 gを、 水 4 4 g 及びィソプロピルアルコール 8 0 gに溶解した溶液全量 2 0 0 g (水分 量 2 2 %) に、 n—ブタノール 1 0 0 gを加えて 6 0でノ 8 0 1; 0 1" で全量 1 5 0 gになるまで濃縮した後、 n―ブ夕ノール 1 5 0 gを加え て全量 3 0 0 gにした。 水分量を測定したところ 4 %であった。
さらに、 8 0 °C/ 8 0 t o r rで全量 1 5 0 gになるまで濃縮した後、 n―ブタノール 1 5 0 gを加えて全量 3 0 0 gとした。 水分量を測定し たところ 0. 1 %であった。
そこへ、 t e r t —ブトキシカリウム 1 0. 7 4 g (アミノ酸に対し て等量及びアミ ドに対して 1 0 %モル相当) 加えて、 1 2 0 °Cで 6時間 攪拌した。
結果、 反応前は 7. 3 % (wZw) であったアミノ酸比が反応後は 9. 4 % (w/w) であった。
反応後、 全量 1 0 0 gになるまで濃縮し、 n—ヘプタン 1 0 0 gを加 えて、 析出した結晶を遠心濾過後、 ¾燥させて、 ラセミ体の t e r t — ロイシンアミ ド 6 3 gを取得した。
実施例 8の条件で、 HPLCで分析したところ、 採取した t e r t —口 イシンアミ ド中に含まれる t e r t —ロイシンは 0. 8 9 % (w/w) であった。 アミノ酸アミ ドの取得収率は 8 9 %、 ラセミ化率は 9 6 %で
あった。
比較例 1
D - t e r t 一口イシンアミ ド 7 0 g (光学純度 > 9 9 % e e )、 L一 t e r t —ロイシン (光学純度 > 9 9 % e e ) 5. 5 gを、 水 4 4 g及 びィソプロピルアルコール 8 0 gに溶解した溶液 2 0 0 g (水分量 2 2 %) に、 n—ブ夕ノール 1 0 0 gを加えて 6 0 °C/ 8 0 t o r rで全量 1 5 0 になるまで濃縮した。
そこへ、 水酸化ナトリウム 6. 0 0 g (アミノ酸に対して等量及びァ ミ ドに対して 2 0 %モルに相当) 及び n—ブタノール 1 44 gを加えて 室温で 1時間攪拌して水酸化ナトリゥムを溶解させた (全量 3 0 0 g)0 水分量を測定したところ 4 %であった。
さらに、 8 0 °C/ 8 0 t o r rで全量 1 .5 0 gになるまで濃縮後、 n 一ブタノ一ル 1 5 0 gを加えて全量 3 0 0 gとした (水分量 0. 1 % )。 該溶液を 1 2 0 °Cで 6時間攪拌した。
結果、 反応前は 7. 3 % (wXw) であったアミノ酸比が、 反応後は 1 2. 1 % (wZw) であつた。
反応後、 全量 1 0 0 gになるまで濃縮し、 n—ヘプタン 1 0 0 gを加 えて、 析出した結晶を遠心濾過後、 乾燥させて、 ラセミ体の t e r t — ロイシンアミ ド 6 5 gを採取した。
実施例 8の条件で HPLCで分析したところ、 採取した t e r t —ロイ シンアミ ド中に含まれる t e r t —ロイシンは 5. 9 6 % (wZw) で あった。 アミノ酸アミ ドの取得収率は 8 7 %、 ラセミ化率は 9 8 %であ つた。
参考例 2 光学活性 α—アミノ酸と光学活性 一アミノ酸アミ ドを含む 水溶液の調製
特開昭 6 2 _ 5 5 0 9 7号公報記載の方法に従い、 ェンテロパク夕一 クロアツセィ N— 7 9 0 1株 (F E RM B P— 8 7 3 ) の培養を行 つた。 培養液 5 0 0 mLを遠心分離し、 次いで湿潤菌体を蒸留水に懸濁
して菌体懸濁溶液 1 1 4 0 gを調製した。 この懸濁液に D, L一フエ二 ルァラニンアミ ド 6 0 gを溶解させた後、 4 0 °Cにて 2 4時間反応させ た。 反応後、 遠心分離により菌体を除去し、 L一フエ二ルァラニン及び D—フエ二ルァラニンアミ ドを各々 2. 5質量%含む水溶液 1 1 5 0 g を得た。
フエ二ルァラニン及びフエ二ルァラニンアミ ドの濃度は HP L C分析 条件 5で、 各々の光学純度は、 H P L C分析条件 6で分析を行った。 H P L C分析条件 5 :
カラム : イナ一トシル OD S— 3 V (4. 6 φ X 2 5 0 mm) 移動層 : 0. 1 % リン酸水溶液一メタノール ( 8 0 : 2 0 ) 流速 : 1 m L /m i n
検出 : UV 2 5 4 n m
H P L C分析条件 6 :
カラム : S UM I C H I R A L OA— 5 0 0 0 ( 4. 6 X 2 5 0 mm)
移動層 水一メタノール ( 7 0 3 0 )
流速 : 1 m L / m i n
検出 : U V 2 5 4 n m
実施例 1
参考例 2で得られた L一フエ二ルァラニンと D—フエ二ルァラニンァ ミ ドを含む水溶液 l l O O gを 3 1 0 gまで減圧濃縮した後、 溶液に n ーブ夕ノール 7 7 0 gを加えた。 さらに溶液を減圧濃縮し、 最終的に濃 縮液 3 3 5 gを得た。 この時の濃縮液の水分濃度は 0. 2質量%であつ た。 濃縮液を 7 0 °Cにて 1時間撹拌した後、 溶液を冷却し、 4 0 °Cにて さらに 1時間撹拌した。 析出した結晶を遠心ろ過により回収し、 乾燥質 量 2 8. 2 gの L一フエ二ルァラニンを得た (収率 9 4 %)。 この時、 L 一フエ二ルァラニン結晶中に含まれる D—フエ二ルァラニンアミ ドの量 は 0. 0 7質量%であった。
実施例 1 2
実施例 1 1の遠心ろ過操作後、 D—フエ二ルァラニンアミ ド 2 8 が 含まれる n—ブタノ一ル溶液 3 0 0 gを得た。 これに水酸化カリウム 1. 1 g、 及び n—ブ夕ノール 5 0 gを加えた後、 溶液を 1 8 7 gまで減圧 濃縮した。 濃縮液の水分濃度は 0. 0 5質量%であった。 濃縮液を 1時 間加熱還流した後、 反応液を 5 5 gまで減圧濃縮し、 さらに濃縮液にト ルェン 1 0 0 gを加えて 5 °Cにて 3時間攪拌した。 析出した結晶を吸引 ろ過にて回収し、 乾燥質量 2 3. 8 gの D—体及び L一体の混合物のフ ェニルァラニンアミ ドを得た (分離母液からの収率 8 5 %)。 このときの フエ二ルァラニンアミ ド結晶の D—体 : L—体の存在比率は 5 0. 1 : 4 9. 9であった。
実施例 1 3
実施例 1 2で得られた D—体及び L—体の混合物のフエ二ルァラニン アミ ド結晶 2 0 gと参考例 2にて調製した菌体懸濁液 3 8 0 gを混合し、 参考例 2と同様にして菌体反応を行った。 2 4時間後反応液中には L一 フエ二ルァラニン及び D—フエ二ルァラニンアミ ドが各々 2. 5質量% 存在していた。
参考例 3 光学活性 —アミノ酸と光学活性ひ 一アミノ酸アミ ドを含む 水溶液の調製
特開昭 6 2— 5 5 0 9 7号公報記載の方法に従い、 ェンテロパク夕一 クロアツセィ N— 7 9 0 1株 (F E RM B P— 8 7 3 ) の培養を 行った。 培養液 1 0 0 mLを遠心分離し、 次いで湿潤菌体を蒸留水に懸 濁して菌体懸濁溶液 2 7 0 gを調製した。 この懸濁液に D、 L一フエ二 ルグリシンアミ ド 3 0 gを溶解させた後、 4 O X にて 1 8時間反応させ た。 反応後、 遠心分離により菌体を除去し、 L一フエニルダリシン及び D—フエニルダリシンアミ ドを各々 5. 0質量%含む水溶液 2 9 5 gを 得た。
L—フエニルダリシン及び D—フエニルダリシンアミ ドの濃度は HP
L C分析条件 7で、 各々の光学純度は、 H P L C分析条件 8で分析を行 つた。
H P L C分析条件 7 :
カラム : イナ一トシル OD S— 3 V (4. 6 φ X 2 5 0 mm) 移動層 : 0. 1 % リン酸水溶液一メタノール ( 9 5 : 5 )
流速 : 1 m L /m i n
検出 : UV 2 2 0 n m
H P L C分析条件 8 :
カラム : S UM I CH I RAL OA— 5 0 0 0 ( 4. 6 X 2 5 0 mm)
水一メタノール ( 8 5 1 5 )
流速 : 1 m L / m i n
検出 : U V 2 5 4 n m
実施例 1 4
参考例 3で得られた L一フエニルダリシン及び D―フエニルダリシン アミ ドを含む水溶液 2 9 5 gを 1 0 0 gまで減圧濃縮した後、 溶液に n ーブ夕ノール 1 9 0 gを加えた。 溶液の量が 1 1 0 gになるまで減圧濃 縮し、 さらに n—ブタノール 1 9 0 gを再ぴ加え最終的に濃縮液 1 2 0 gを得るまで減圧濃縮を行った。 得られた濃縮液に n—ブ夕ノール 3 0 gを加えた後の溶液の水分濃度は 0. 1質量%であった。 n—ブタノ一 ル溶液を 7 0 °Cにて 1時間撹拌した後、 溶液を冷却し、 2 0°Cにてさら に 5時間撹拌した。 析出した結晶を吸引ろ過により回収し、 乾燥質量 1 3. 5 gの L—フエニルダリシンを得た (収率 9 0 %)。 この時、 L—フ ェニルグリシン結晶中に含まれる D—フエニルダリシンアミ ドの量は 0 . 0 5質量%であつた。
実施例 1 5
実施例 1 4の遠心ろ過操作後、 D—フエニルダリシンアミ ド 1 4. 5 gが含まれる n—ブ夕ノール溶液 1 1 0 gを得た。 これに水酸化力リゥ
ム 0. 2 g、 n—ブ夕ノール 4 0 gを加えた後、 溶液を 7 2 gまで減圧 濃縮した。 濃縮液の水分濃度は 0. 0 8質量%であった。 濃縮液を 2時 間加熱還流した後、 反応液を 2 5 gまで減圧濃縮し、 さらに濃縮液にト ルェン 4 0 gを加えて 5 °Cにて 1 0時間攪拌した。 析出した結晶を吸引 ろ過にて回収し、 乾燥質量 1 0. 9 gの D—体及び L一体の混合物のフ ェニルダリシンアミ ドを得た (分離母液からの収率 7 5 %)。 このときの フエニルグリシンアミ ド結晶の D—体 : L一体の存在比率は 5 0. 0 : 5 0. 0であった。
実施例 1 6
実施例 1 5で得られた D—体及び L一体の混合物のフエニルダリシン アミ ド結晶 4 gと参考例 3にて調製した菌体懸濁液 3 6 gを混合し、 参 考例 3 と同様にして菌体反応を行った。 2 4時間後反応液中には L—フ ェニルダリシン及び D -フエニルダリシンアミ ドが各々 2. 5質量%存 在していた。
参考例 4 光学活性ひ 一アミノ酸と光学活性 α—アミノ酸アミ ドを含む 水溶液の調製
特開昭 6 2— 5 5 0 9 7号公報記載の方法に従い、 ェンテロパクター クロアツセィ Ν— 7 9 0 1株 (F E RM B P— 8 7 3 ) の培養を行 つた。 培養液 1 0 0 mLを遠心分離し、 次いで湿潤菌体を蒸留水に懸濁 して菌体懸濁溶液 2 2 8 gを調製した。 この懸濁液に D, L -P-フロロ —フエニルダリシンアミ ド 1 2 gを溶解させた後、 4 0 °Cにて 2 4時間 反応させた。 反応後、 遠心分離により菌体を除去し、 L— p—フロロ—フ ェニルグリシン及び D— p—フロロ—フエニルダリシンアミ ドを各々 2. 5質量%含む水溶液 2 3 0 gを得た。
L— p—フロロ一フエニルグリシン及び D— p—フロロ一フエ二ルグリ シンアミ ドの濃度は H P L C分析条件 9で、 各々の光学純度は、 H P L C分析条件 1 0で分析を行った。
H P L C分析条件 9 :
カラム : イナ一トシル OD S— 3 V ( 4. 6 φ X 2 5 0 mm) 移動層 : 0. 1 % リン酸水溶液一メタノール ( 9 5 : 5 )
流速 : 1 m L / i n
検出 : UV 2 2 0 n m
H P L C分析条件 1 0 :
カラム : S UM I CH I RAL OA— 5 0 0 0 (4. 6 X 2 5 0 mm)
水一メタノール ( 8 5 2 0 )
速 : 1 m L /m i n
検出 : U V 2 5 4 n m
実施例 1 7
参考例 4で得られた L一 p—フロロ一フエニルダリシン及び D _p—フ ロロ—フエニルダリシンアミ ドを含む水溶液 2 3 0 gを 6 0 gまで減圧 濃縮した後、 溶液に n—ブタノール 1 7 0 gを加えた。 さらに溶液を減 圧濃縮し、 最終的に濃縮液 6 0 gを得た。 得られた濃縮液に n—プタノ ール 6 0 gを加えた後の溶液の水分濃度は 0. 0 8質量%であった。 n ーブ夕ノール溶液を 7 0 °Cにて 1時間撹拌した後、 溶液を冷却し、 2 0 °Cにてさらに 5時間撹拌した。 析出した結晶を遠心ろ過により回収し、 乾燥質量 5 · 4 gの L -P-フロロ一フエ二ルグリシンを得た (収率 9 0 %)。 この時、 L一 p—フロロ一フエニルグリシン結晶中に含まれる D— p 一フロロ—フエニルグリシンアミ ドの量は 0. 1質量%であった。
実施例 1 8
実施例 1 Ίの遠心ろ過操作後、 D—p—フロロ—フエニルダリシンアミ ド 5. 9 gが含まれる n—ブ夕ノール溶液 1 1 0 gを得た。 これに水酸 化カリウム 0. 2 gを加えた後、 溶液を 6 0 gまで減圧濃縮した。 濃縮 液の水分濃度は 0. 0 2質量%であった。 濃縮液を 2時間加熱還流した 後、 反応液を 2 0 gまで減圧濃縮し、 さらに濃縮液にトルエン 2 0 gを 加えて 5 °Cにて 3時間攪拌した。 析出した結晶を吸引ろ過にて回収し、
i 4 - 4 gの D—体及び L—体の混合物の!)—フロロ一フエニルダ リシンアミ ドを得た (分離母液からの収率 7 4 % )。 このときの p—フロ 口—フエニルグリシンアミ ド結晶の D—体 : L—体の存在比率は 5 0. 0 : 5 0. 0であった。
実施例 1 9
実施例 1 8で得られた D—体及び L一体の混合物の p—フロロ—フエ ニルダリシンアミ ド結晶 4 gと参考例 4にて調製した菌体懸濁液 3 6 g を混合し、 参考例 4と同様にして菌体反応を行った。 2 4時間後反応液 中には L— p—フロロ—フエニルグリシン及び D— p—フロロ一フエニル グリシンアミ ドが各々 2. 5質量%存在していた。
参考例 5 光学活性 α—アミノ酸と光学活性 α—アミノ酸アミ ドを含む 水溶液の調製
参考例 4と同様にしてェンテロバクタ一 クロアツセィ Ν— 7 9 0 1株 (F E RM B P— 8 7 3 ) 懸濁溶液 2 2 8 に0、 L— 0—クロ口 一フエニルダリシンアミ ド 1 2 を溶解させた後、 4 0 °Cにて 2 4時間 反応させた。 反応後、 遠心分離により菌体を除去し、 L一 0—クロ口一フ ェニルダリシン及び、 D— 0—クロ口—フエニルダリシンアミ ドを各々 2. 5質量%含む水溶液 2 3 0 gを得た。
実施例 2 0
参考例 5で得られた L一 0—クロ口—フエニルダリシン及び D— 0—ク ロロ一フエニルダリシンアミ ドを含む水溶液 2 3 0 gを実施例 1 7 と同 様の手段で処理し、 乾燥質量 5 . 5 8の ー0—クロロ—フエニルダリシ ンを得た (収率 9 1 %)。 この時、 L—0—クロローフエニルダリシン結 晶中に含まれる D— 0—クロ口—フエニルダリシンアミ ドの量は 0. 1質 量%であった。
実施例 2 1
実施例 2 0の操作後、 D— 0—クロ口一フエニルダリシンアミ ド 5. 9 gが含まれる n—ブ夕ノ一ル溶液 1 1 0 gを得た。 これに水酸化力リゥ
ム 0. 2 gを加えた後、 実施例 1 8 と同様の工程操作を行い、 乾燥質量 4. 5 gの D—体及び L一体の混合物の 0—クロローフエニルグリシンァ ミ ドを得た (分離母液からの収率 7 6 %)。 このときの 0—クロローフエ ニルダリシンアミ ド結晶の D—体 : L—体の存在比率は 5 0. 0 : 5 0 . 0であった。 この得られた結晶を用いて実施例 1 9 と同様に菌体反応 を行ったところ、 2 4時間後反応液中には L一 0—クロローフエニルダリ シン及び D _o—クロ口一フエニルダリシンアミ ドが各々 2. 5質量%存 在していた。
参考例 6 光学活性 α—アミノ酸と光学活性ひ 一アミノ酸アミ ドを含む 水溶液の調製
参考例 4と同様にしてェンテロパクター クロアツセィ Ν— 7 9 0 1株 (F E RM B P— 8 7 3 ) 懸濁溶液2 2 8 8に0、 L— p—ヒ ドロ キシ—フエ二ルァラニンアミ ド 1 2 gを溶解させた後、 4 0°Cにて 2 4 時間反応させた。 反応後、 遠心分離により菌体を除去し、 L一 p—ヒ ドロ キシ一フエ二ルァラニン及び D— p—ヒ ドロキシ一フエ二ルァラニンァ ミ ドを各々 2. 5質量%含む水溶液 2 3 0 gを得た。
実施例 2 2
参考例 6で得られた L一 p—ヒ ドロキシーフエ二ルァラニン及び D—p —ヒ ドロキシ—フエ二ルァラニンアミ ドを含む水溶液 2 3 0 gを実施例 1 7と同様の操作を行い、 乾燥質量 5. 3 gの L— p—ヒドロキシ一フエ 二ルァラニンを得た (収率 8 8 %)。 この時、 L— p—ヒ ドロキシ一フエ 二ルァラニン結晶中に含まれる D— p—ヒ ドロキシ一フエ二ルァラニン アミ ドの量は 0. 2質量%であった。
実施例 2 3
実施例 2 2の操作後、 D— p—ヒ ドロキシ—フエ二ルァラニンアミ ド 5 - 9 gが含まれる n—ブ夕ノール溶液 1 1 0 gを得た。 これに水酸化力 リウム 0. 3 gを加えた後、 実施例 1 8 と同様の工程操作を行い、 乾燥 質量 4. 2 gの D—体及び L一体の混合物の P—ヒ ドロキシ—フエニルァ
ラニンアミ ドを得た (分離母液からの収率 7 2 %)。 このときの p—ヒド 口キシ一フエ二ルァラニンアミ ドの D—体 : L—体の存在比率は 5 0. 0 : 5 0. 0であった。 この得られた結晶を用いて実施例 1 9 と同様に 菌体反応を行ったところ、 2 4時間後反応液中には L一 p—ヒドロキシ一 フエ二ルァラニン及び D— p—ヒ ドロキシ一フエ二ルァラニンアミ ドが 各々 2. 5質量%存在していた。
参考例 7 光学活性ひ 一アミノ酸と光学活性 α—アミノ酸アミ ドを含む 水溶液の調製
特開昭 6 2 - 5 5 0 9 7号公報記載の方法に従い、 ェンテロパクター クロアツセィ Ν— 7 9 0 1株 (F E RM B P— 8 7 3 ) の培養を 行った。 培養液 1 0 O mLを遠心分離し、 次いで湿潤菌体を蒸留水に懸 濁して菌体懸濁溶液 2 4 0 gを調製した。 この懸濁液に D、 L— 2—ァ ミノー n—酪酸アミ ド 1 0 gを溶解させた後、 4 0 °Cにて 4 0時間反応 させた。 反応後、 遠心分離により菌体を除去し、 L _ 2 _アミノー n— 酪酸及び D— 2—アミノー n—酪酸アミ ドを各々 2. 0質量%含む水溶 液 2 4 0 gを得た。
実施例 2 4
参考例 7で得られた L— 2 —ァミノ— n _酪酸及び D— 2—アミノー n—酪酸アミ ドを含む水溶液 2 4 0 gを 5 0 gまで減圧濃縮した後、 溶 液に n—ブ夕ノール 1 8 0 gを加えた。 さらに溶液を減圧濃縮し、 最終 的に濃縮液 5.0 gを得た。 得られた濃縮液に n—ブ夕ノール 5 0 gを加 えた後の溶液の水分濃度は 0. 0 7質量%であった。 n—ブタノ一ル溶 液を 7 0 °Cにて 1時間撹拌した後、 溶液を冷却し、 3 0 °Cにてさらに 3 時間撹拌した。 析出した結晶を吸引ろ過により回収し、 乾燥質量 4. 0 gの L— 2—アミノー n—酪酸を得た (収率 9 0 %)。 この時、 L— 2— アミノー n—酪酸結晶中に含まれる D— 2—ァミノ _ n—酪酸アミ ドの 量は 0. 2質量%であった。
実施例 2 5
実施例 2 4の操作後、 D— 2 —アミノー n _酪酸アミ ド 4. 8 gが含 まれる n—ブ夕ノール溶液 8 5 gを得た。 これに水酸化カリウム 0. 1 gを加えた後、 溶液を 2 5 gまで減圧濃縮した。 濃縮液の水分濃度は 0 . 0 9質量%であった。 濃縮液を 7時間加熱還流した後、 反応液を 8 g まで減圧濃縮し、 さらに濃縮液にトルエン 8 gを加えて 0 °Cにて 3時間 攪拌した。 析出した結晶を吸引ろ過にて回収し、 乾燥質量 3. 4 ^の0 一体及び L一体の混合物の 2—アミノー n—酪酸アミ ドを得た (分離母 液からの収率 7 0 %)。 このときの 2 —アミノー n—酪酸アミ ド結晶の D —体 : L一体の存在比率は 5 0. 0 : 5 0. 0であった。
実施例 2 6
実施例 2 5で得られた D—体及び L—体の混合物の 2 _アミノー n— 酪酸アミ ド結晶 2 gと参考例 2にて調製した菌体懸濁液 4 8 gを混合し 、 参考例 7 と同様にして菌体反応を行った。 2 4時間後反応液中には L — 2—アミノー n—酪酸及び D— 2—アミノー n—酪酸アミ ドが各々 2 . 0質量%存在していた。
参考例 8 光学活性 0!—アミノ酸と光学活性 一アミノ酸アミ ドを含む 水溶液の調製
参考例 7 と同様にしてェンテロパクター クロアツセィ N— 7 9 0 1株 (F E RM B P— 8 7 3 ) 懸濁溶液 2 4 0 gに D、 イソロイシン アミ ド 1 0 gを溶解させた後、 4 0 °Cにて 4 0時間反応させた。 反応後 、 遠心分離により菌体を除去し、 L一イソロイシン及び D—イソ口イシ ンアミ ドを各々 2. 0質量%含む水溶液 2 4 0 gを得た。
実施例 2 7
参考例 8で得られた L—イソロイシン及び D—イソロイシンアミ ドを 含む水溶液 2 4 0 gを実施例 2 4と同様の手段で処理し、 乾燥質量 4. 5 gの L一イソロイシンを得た (収率 8 8 %)。 この時、 L—イソ口イシ ン結晶中に含まれる D—イソロイシンアミ ドの量は 0. 2質量%であつ た。
実施例 2 8
実施例 2 7の操作後、 D—イソロイシンアミ ド 4. 8 gが含まれる n —ブタノール溶液 8 5 gを得た。 これに水酸化カリウム 0. 2 gを加え た後、 実施例 1 8 と同様の工程操作を行い、 乾燥質量 3. 6 gの D—体 及び L一体の混合物のイソロイシンアミ ドを得た (分離母液からの収率 7 5 %)。 このときのイソロイシンアミ ド結晶の D—体: L—体の存在比 率は 5 1. 0 : 4 9. 0であった。 この得られた結晶を用いて実施例 2 6 と同様に菌体反応を行ったところ、 4 0時間後反応液中には L一イソ ロイシン及び D—イソロイシンアミ ドが各々 2. 0質量%存在していた 比較例 2
n—ブタノールの代わりに、 エタノールを用いて実施例 3 と同様の操 作を行った。 参考例 1で得られた L一 t e r t 一口イシンと D— t e r t —ロイシンアミ ドを含む水溶液 5 0 0 gを 2 5 0 gまで減圧濃縮した 後、 溶液にエタノール 2 5 0 gを加えた。 さらに溶液を減圧濃縮し、 溜 出液が 2 4 0 gとなった時点で再度溶液にェタノールを 2 5 0 g加えた < 添加後、 再び減圧濃縮を行ない、 最終的に濃縮液 3 5 0 gを得た。 この 時の濃縮液の水分濃度は 1 9. 5質量%であった。 さらにエタノール 2 5 0 gを加えて再び減圧濃縮を行い、 流出液が 2 4 0 gとなった時点再 度エタノール 2 5 0 gを加えた。 この一連の操作をもう一度行い、 水分 濃度が 4. 0質量%の濃縮液 3 4 0 gを得た。 使用したエタノールの総 量は 3 0 0 0 gである。 実施例 3 と同様の操作で結晶を析出させ、 遠心 ろ過後乾燥質量 5 9. 6 gの白色結晶を得た。 この結晶中の L— t e r t —ロイシンと D— t e r t —ロイシンアミ ドの存在比は 6 8. 5 : 3 1. 5であった。
比較例 3
D _ t e r t —ロイシンアミ ド 2 0 gを含むェ夕ノール溶液 1 5 0 g に水酸化カリウム 1. 3 gを加え、 溶液を 6時間加熱還流した。 しかし
ながらラセミ化反応はほとんど進行せず、 濃縮 · 晶析後回収された結晶 中の L 一 t e r t —ロイシンアミ ドの存在は、 極僅かであり、 9 9 %以 上が D— t e r t —ロイシンアミ ドであった。 産業上の利用可能性
水性媒体中、 ラセミ体 α —アミノ酸ア ミ ドと立体特異的な ー ァミノ 酸アミ ド加水分解能を有する菌体もしくは酵素を接触させた後、 溶媒で ある水を炭素数 3以上の直鎖、 又は分岐、 あるいは環状アルコールの中 から少なくとも 1つ以上選ばれた溶媒に置換し、 さらに得られたアルコ ール溶液から光学活性ひ 一アミノ酸を優先的に析出させることで、 非常 に高い収率で光学活性 α —アミノ酸を製造することができる。
また、 光学活性 α —アミノ酸を分離した後に得られる光学活性 a—ァ ミノ酸アミ ド含有アルコール溶液からアミノ酸アミ ドを精製する際、 塩 基性化合物、 特にカリウム化合物を用いることにより、 アミノ酸の有機 溶媒に対する溶解度が向上し、 アミノ酸アミ ドを純度良く、 分離するこ とができ、 容易に、 ラセミ化反応工程へと供することができるので、 光 学活性 α —アミノ酸の製造効率を向上させることができる。 本明細書に引用されたすベての刊行物は、 その内容の全体を本明細書 に取り込むものとする。 また、 添付の請求の範囲に記載される技術思想 および発明の範囲を逸脱しない範囲内で本発明の種々の変形および変更 が可能であることは当業者には容易に理解されるであろう。 本発明はこ のような変形および変更をも包含することを意図している。