JP5260062B2 - β−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体の製造法 - Google Patents

β−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体の製造法 Download PDF

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Description

本発明は、各種プロテアーゼ阻害剤の製造中間体として有用な、一般式(1);
(式中、Rは、置換基を有していても良い炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有していても良い炭素数7〜15のアラルキル基を表し、P1およびP2は,それぞれ独立して水素原子、置換基を有していても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数7〜15のアラルキル基、又はカルボキシル基を表し、HXは、鉱酸、スルホン酸、又はカルボン酸を表す。)で表されるβ−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体の製造法に関する。
本発明の製造方法により得られるβ−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)は、抗ウィルス剤等の医薬品を製造するための重要な中間化合物であり(特許文献1)、これらは、例えば、HIVプロテアーゼ阻害剤やC型肝炎治療薬の中間体として用いられている。
従来、β−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)を得る方法としては、例えば、(i)(3S)−3−N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタン酸をDMFに溶解し、シクロヘキシルメチルアミン、N−ヒドロキシ−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシルイミド(HOBN)、1−エチル−3−(3−N,N−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)塩酸塩を加えて反応する事により、(3S)−3−N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタン酸シクロヘキシルメチルアミドに変換し、次いで、4N−塩酸/ジオキサンを加えて脱Boc化した後、エーテル共存下にカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール)で精製した後、再び4N−塩酸/ジオキサンを加えて、(3S)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタン酸シクロヘキシルメチルアミド塩酸塩を合成する方法(特許文献2)、
(ii)(2S)−2−N−カルバメート保護アミノ−2−アルキル−エタナール誘導体にシクロプロピルイソニトリルを作用させて、(3S)−3−N−カルバメート保護アミノ−2−アシロキシプロパン酸シクロプロピルアミドに変換した後、2位の水酸基を脱保護し、さらに4N−塩酸/ジオキサンを用いて脱Boc化した後、溶媒を留去して(3S)−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸シクロプロピルアミドを合成する方法(特許文献3)
等が報告されている。
しかしながら、従来の方法では、好ましくない試剤(例えば、環境への悪影響の問題を有するDMF、クロロホルム、及び1,4−ジオキサン、非常に引火性の高い有機溶剤であるジエチルエーテル、悪臭と合成上の難点を有するイソニトリル誘導体等)を使用すること、複数の有機溶剤を多量に用いる事等、工業規模で生産を行う上で課題を有していた。
また、従来の方法では、β−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド(1)の精製法としては、カラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/メタノール)による方法が開示されているが、クロロホルム等の好ましくない溶剤の多量使用、工程の煩雑さ、製造装置の数や容量の増大、収率低下等、工業規模で生産を行う上で大きな問題があった。さらに、従来の方法では、例えば、1,4−ジオキサンとの混合物より溶媒を留去することで、(3S)−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸シクロプロピルアミド塩酸塩を結晶として取得する方法が開示されているが、この方法では、溶媒留去中に3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸シクロプロピルアミド塩酸塩が固化し攪拌不可能な状態になる事、またこの結晶は極めて濾過性が悪い事が本発明者らの検討の結果分かった。いずれも操作続行不可、或いは操作時間の延長等を招くため、工業的規模での実施に適した方法とは言えない。
以上のように、β−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)は、多量に服用するHIVプロテアーゼ阻害剤やC型肝炎治療薬の中間体であることから、その大量生産のための実用的方法を開発する事は、格別に重要な意義を有している。
WO02/018639 特開平5−170722 WO05/058821
本発明の目的は、上記現状に鑑み、β−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)の工業的に有利な製造法を提供する事にある。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、β−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシカルボン酸に、縮合剤を用い、アミンを作用させてアミド化する反応において、酢酸エチル等のエステル類やテトラヒドロフラン等のエーテル類などの溶剤中で効率的に該アミド化反応を実施できる事を見出した。特に、水共存下に反応を行うことにより、効率的にアミド化反応を実施できることを見出した。また、β−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)は、プロトン性溶剤存在下に晶析工程に付す事で、晶析スラリーが流動性の良い性状を有し、濾過性の良い結晶が得られること、また高純度のβ−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)を取得できることを見出した。また、β−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体は、特定の晶析条件において流動性の良い性状を有する結晶として得られることがわかった。
すなわち、本発明は、下記一般式(1);
(式中、Rは、置換基を有していても良い炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有していても良い炭素数7〜15のアラルキル基を表し、P1およびP2は,それぞれ独立して水素原子、置換基を有していても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数7〜15のアラルキル基、又はカルボキシル基を表し、HXは、鉱酸、スルホン酸、又はカルボン酸を表す。)で表されるβ−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体を、プロトン性溶剤を含有する溶剤を用いた晶析工程に付し、結晶として取得することを特徴とするβ−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)の製造法に関する。
また、本発明は、不純物として少なくともその光学異性体を含有する下記一般式(4);
(式中、R、P1およびP2は,前記に同じ。P3及びP4は、それぞれ独立して、水素原子又はアミノ基の保護基を表すか、又は、一緒になってフタロイル基を表す。)で表されるβ−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体を晶析する方法に関して、下記i)〜iii)
i) 結晶を溶解する工程
ii) 冷却する工程
iii)種晶を添加する工程の少なくとも1つの工程
を含むことを特徴とするβ−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体の製造法に関する。
また、本発明は、下記一般式(2);
(式中、R、P3及びP4は、前記に同じ。)で表されるβ−アミノ−α−ヒドロキシカルボン酸に、縮合剤と一般式(3);
12NH (3)
(式中、P1およびP2は,前記に同じ。)で表されるアミンを、脂肪族エステル類、エーテル類、二トリル類および含硫黄系の溶剤のうち、一または二種以上の溶剤存在下で作用させることを特徴とする一般式(4);
(式中、R、P1、P2、P3及びP4は、前記と同じ基を表す。)で表されるβ−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体の製造法に関する。この反応は、水共存下に行うのが好ましい。
本発明によれば、β−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)を簡便且つ効率的に、極めて高い生産性で、工業的規模で製造することができる。
以下に、本発明を詳述する。
β−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(4)の製造
β−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(4)は、β−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシカルボン酸(2)とアミン(3)の縮合反応により得ることができる。
上記一般式(2)及び(4)において、Rは置換基を有していても良い炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有していてもよい炭素数7〜15のアラルキル基を表す。炭素数1〜6のアルキル基とは、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を挙げる事ができるが、好ましくは、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基であり、より好ましくは、n−プロピル基を挙げることができる。置換基は、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基等を挙げることができ、好ましくは、ハロゲン原子である。
置換基を有していても良い炭素数7〜15のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、p−クロロベンジル基、p−ヒドロキシベンジル基、p−フルオロベンジル基、m,m−ジフルオロベンジル基、フェニルエチル基、ナフチル基等が挙げられる。好ましくは炭素数7〜8のアラルキル基であり、さらに好ましくはベンジル基である。置換基は、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基等を挙げることができ、好ましくは、ハロゲン原子である。
上記一般式(3)及び(4)におけるP1及びP2は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有していても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数7〜15のアラルキル基、又はカルボキシル基を表す。炭素数1〜6のアルキル基とは、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等を挙げる事ができるが、好ましくは、シクロプロピル基を挙げることができる。置換基は、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基等を挙げることができる。
置換基を有していても良い炭素数7〜15のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、p−クロロベンジル基、p−ヒドロキシベンジル基、p−フルオロベンジル基、m,m−ジフルオロベンジル基、フェニルエチル基、ナフチル基等が挙げられる。P1,P2の組み合わせとして好ましくは、いずれか一方が水素であり、他方がシクロプロピル基である。置換基は、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基等を挙げることができ、好ましくは、ハロゲン原子である。
上記一般式(2)及び(4)における、P3及びP4は、それぞれ独立して水素原子又はアミノ基の保護基を表すか、又は、一緒になってフタロイル基を表す。P3及びP4のうちいずれか一方がアミノ基の保護基を表す場合は、他方は水素原子を表すことが好ましい。本縮合反応においては、副反応が進行するのを避けるため、P3,P4が同時に水素でないのが好ましい。
アミノ基の保護基とは、アミノ基を保護する基であり、一般に使用しうる基は、プロテクティヴ・グループス・イン・オーガニックシンセシス第2版(PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS 2nd. Ed.)、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(JOHN WILEY&SONS)出版(1991年)に記載されている保護基を使用することができる。上記一般式(2)及び(4)において保護基として好ましいものは、特に限定されないが、例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブチルオキシカルボニル基等のカルバメート型保護基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、フタロイル基、ベンゾイル基等のアシル基、ベンジル基、ジベンジル基等のアルキル基、トシル基、メシル基等のスルホニル基、トリメチルシリル基等のシリル基が挙げられる。好ましくは、カルバメート型保護基、又はアシル基であり、より好ましくはカルバメート型保護基である。なかでも、tert−ブチルオキシカルボニル基が好適に用いられる。前記式(2)で表される化合物は、例えば、WO9807687やWO0053575記載の方法に従って調製することができる。
前記式(2)で表される化合物の2位と3位の絶対配置は特に限定されないが、好ましくは、3位、或いは2位と3位の両方に不斉炭素を有する光学活性体である。前記式(2)として特に好ましくは2位と3位の絶対配置が(2S,3S)または(2R,3R)である化合物である。
上記アミン(3)との縮合の方法は、特に限定されないが、例えば、脱水縮合を用いて反応する事ができる。脱水縮合剤は、特に限定されないが、例えば、エチル−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N−ジイソプロピルカルボジイミド等が挙げられる。
上記縮合剤の使用量としては、特に限定されないが、例えば、β−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシカルボン酸誘導体(2)に対して、0.5〜10.0倍モル、好ましくは、0.75〜5.0倍モル、より好ましくは。1.0〜2.0倍モルである。上記縮合反応においては、必要に応じて、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド等の活性化剤を用いてもよい。上記活性化剤の使用量としては、特に制限されないが、β−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシカルボン酸誘導体(2)に対して、例えば、下限は、0.01倍モルであるのが好ましく、0.05倍モルがより好ましく、0.1倍モルが更に好ましい。上限は、10倍モルであるのが好ましく、5倍モルがより好ましく、2倍モルが更に好ましく、1倍モルであるのが特に好ましい。
一般式(3)で表されるアミンの使用量としては、特に限定されないが、普通、β−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシカルボン酸誘導体(2)に対して、0.8〜10.0倍モル、より好ましくは0.9〜5.0倍モル、より好ましくは1.0〜2.0倍モルである。
また、上記縮合反応においては、必要に応じて、塩基を添加しても良い。塩基としては、特に限定されないが、アンモニア、トリエチルアミン、ピリジン等のアミン類、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基を挙げることができる。
反応溶媒としては、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸tert−ブチル等の脂肪族エステル類;テトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類;アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルスルホキシド等の含硫黄系溶剤などの溶剤が挙げられる。なかでも、廃棄物として環境に及ぼす悪影響が比較的小さい脂肪族エステル類または脂肪族エステル類とエーテル類が好ましく、脂肪族エステル類がさらに好ましい。具体的には溶媒として酢酸エチル、または、テトラヒドロフランが好ましく、さらに好ましくは酢酸エチルが挙げられる。言うまでもなく、これら有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。また、溶剤として、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類を用いることも可能である。
また、上記縮合剤を用いる反応では、攪拌の流動性を改善する目的で、上記有機溶媒に水を共存させるのが好ましい。添加する水の量は、特に限定されないが、上記縮合剤に対して、下限は0.1倍重量、好ましくは0.3倍重量、より好ましくは0.5倍重量、更に好ましくは1倍重量である。上限は、特に限定されないが、普通100倍重量、好ましくは30倍重量、より好ましくは10倍重量、特に好ましくは、3倍重量である。
反応温度は、反応溶媒が固化しない温度以上で実施する事ができるが、普通−50℃以上、好ましくは−30℃以上、より好ましくは0℃以上である。上限は、特に制限されないが、普通100℃、好ましくは80℃、より好ましくは60℃である。
上記反応により得られた反応液は、必要に応じて、水で洗浄しても良い。上記水での洗浄においては、塩基を共存させても良い。塩基としては、特に限定されず、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩等を挙げることができる。その他、アンモニア水や、トリエチルアミン、ピリジン類等の有機塩基類を用いても良い。また、これらは単独で使用しても良く、2種以上使用してもよい。
上記水洗を行う際の操作温度は、用いる有機溶剤の種類によって異なる事から一概には規定できないが、用いる溶剤の凝固点から沸点以下において実施する事ができる。一般的には、0〜100℃、より好ましくは20〜80℃、更に好ましくは30〜60℃である。
β−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(4)は、抽出液又は濃縮液としてそのまま次工程に使用しても良いが、必要に応じて晶析精製、蒸留精製、カラムクロマトグラフィー等の一般的な手法によって、更に純度を高めても良い。
ここでは、β−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(4)の晶析法について説明する。
前記式(4)で表される化合物の2位と3位の絶対配置は特に限定されないが、好ましくは、3位、或いは2位と3位の両方に不斉炭素を有する光学活性体である。前記式(4)として特に好ましくは2位と3位の絶対配置が(2S,3S)または(2R,3R)である化合物である。
上記晶析は、通常、溶剤存在下に実施される。溶剤としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族エステル類、芳香族炭化水素や脂肪族炭化水素等の炭化水素類を挙げることができる。脂肪族エステル類としては、特に制限されないが、好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは、炭素数3〜6の脂肪族エステルであり、具体的には、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸tert−ブチルが挙げられ、なかでも酢酸エチルが好ましい。芳香族炭化水素類としては、特に限定されないが、好ましくは炭素数6〜12、より好ましくは炭素数6〜10、更に好ましくは炭素数6〜8の芳香族炭化水素類であり、具体的には、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることができ、なかでもトルエンが好ましい。脂肪族炭化水素類としては、特に限定されないが、好ましくは炭素数5〜12、より好ましくは炭素数5〜8の脂肪族炭化水素であり、具体的には、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン等を挙げることができる。上記溶剤のなかでも、不純物除去性、収率の観点から、脂肪族エステル類が好ましく、具体的には酢酸エチルが好ましい。尚、言うまでもなく、上記晶析溶剤は単独で用いても良いが、2種以上併用する事もできる。
上記晶析法は、例えば、冷却晶析法、濃縮晶析法、溶媒置換を用いる晶析法、貧溶媒を混合する晶析法、塩析法等の一般的に用いられる晶析法を、単独、又は適宜組み合わせて実施する事ができる。
晶析温度は、特に限定されないが、普通上限は100℃、好ましくは80℃、より好ましくは70℃であり、下限は晶析液の固化温度である。通常、−30℃、好ましくは−20℃、より好ましくは−10℃である。
晶析時間は、特に限定されないが、普通1〜100時間、好ましくは1〜48時間、より好ましくは1〜24時間である。
晶析は、普通、攪拌下に行われるが、単位容積あたりの攪拌強度は特に限定されず、例えば、0.05kW/m3以上、好ましくは0.1kW/m3以上、より好ましくは0.2kW/m3以上である。
晶析終了後は、遠心分離、加圧濾過、減圧濾過等の一般的な固液分離の手法を用いて結晶を分離する事ができる。
不純物として少なくともその光学異性体を含有する前記式(4)で表されるβ−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体は、上記方法で晶析することができるが、なかでも、下記i)〜iii)
i) 結晶を溶解する工程
ii) 冷却する工程
iii)種晶を添加する工程
の工程の少なくとも一つを含む晶析法により晶析することが好ましい。より、純度の高いものを得るためには、i)及びii)の組み合わせ、または、(i)及びiii)の組み合わせが好ましく、i)〜iii)すべての工程を実施するのがさらに好ましい。また、i)、及び、ii)及び/又はiii)の工程を組み合わせて実施する場合、最初にi)の工程を実施すればよい。ii)及びiii)のいずれの工程も実施する場合、その順序は特に制限されない。
本晶析法は流動性のよい晶析スラリーを与え、また、本方法により得られる結晶は高純度であることから有用である。
この場合、i)の工程で使用する溶媒としては前述の晶析に用いられる溶剤があげられる。
ii)の工程における冷却速度は、20℃/時間以下、好ましくは10℃/時間以下、さらに好ましくは5℃/時間以下とすることがさらに好ましい。
iii)の工程において添加する種晶の量としては、実験等により適宜設定する事ができるが、普通β−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(4)に対して1重量%、好ましくは0.1重量%、より好ましくは0.01重量%である。使用する種晶は特に制限されず、本発明の方法で取得したものでも良いし、別途入手したものでもよい。
上記晶析により得られたβ−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(4)の化学純度は、普通97%以上、より好ましくは98%以上。更に好ましくは99%以上である。
また、上記化合物(4)の3位の光学純度は、好ましくは98%ee以上、より好ましくは99%ee以上、さらに好ましくは99.5%ee以上である。
β−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)の製造
次に、β−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(4)からβ−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)へ変換し、晶析工程に付し、結晶として取得する工程について説明する。
上記一般式(1)において、R,P1、P2、P3,P4は、前記と同じ基を表す。本工程においては、P3,P4は同時に水素であってもよい。
HXは、例えば、鉱酸、スルホン酸、又はカルボン酸が挙げられる。鉱酸としては、特に制限されないが、例えば、塩化水素や臭化水素などのハロゲン化水素、硫酸、燐酸等が挙げられる。スルホン酸としては、特に制限されないが、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、1−フェニルエタンスルホン酸等が挙げられる。カルボン酸としては、特に制限されないが、例えば、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸の非光学活性カルボン酸、酒石酸等の光学活性カルボン酸等が挙げられる。これらの酸のうち、得られる酸との塩が良好な結晶性を有する塩化水素、臭化水素、p−トルエンスルホン酸、安息香酸が好ましいが、なかでも塩化水素、臭化水素が好ましく、特に好ましくは、塩化水素である。
β−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(4)は、前記の方法で合成したものでも良いし、別途公知な方法で合成したものでも良い。
次に、β−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(4)からβ−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)への変換工程について説明する。
本工程の反応は、N−保護基を示すP3,P4の種類に応じて、適宜適切な方法を選ぶ事ができる。例えば、P3,P4が、tert−ブトキシカルボニルのように酸で脱保護される保護基の場合は、酸で処理することにより本工程の反応を実施することができる。
前記式(4)で表される化合物の2位と3位の絶対配置は特に限定されないが、好ましくは3位、あるいは2位と3位の両方に不斉炭素を有する光学活性体である。前記式(4)として特に好ましくは2位と3位の絶対配置が(2S,3S)または(2R,3R)である化合物である。
以下に、酸を用いて反応する方法について説明する。
使用する酸としては、HXとして上述した酸が挙げられる。
酸の使用量としては、およそ理論量以上であればよいが、多量に使用しても経済的ではないだけであるので、普通、β−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(4)に対して、下限は、1倍モル量以上であり、上限は、10倍モル量以下、好ましくは、3倍モル量以下、さらに好ましくは2倍モル量以下である。
酸の添加速度としては、特に制限されないが、反応の進行に伴って発生する炭酸ガスの急激な発生を回避するためには、酸の使用量の全量を1/6時間以上かけて添加するのが好ましく、より好ましくは1時間以上である。添加時間の上限は特に制限されないが、好ましくは約1日以下、好ましくは半日以下である。
酸はそのまま添加しても良いし、水溶液や後述する溶剤に溶解したものを用いても良い。後に晶析工程に付す場合は、後述するプロトン性溶剤に溶解したものを用いることができる。
添加する酸の濃度としては特に制限されないが、普通、下限0.1重量%、好ましくは1重量%、より好ましくは5重量%、さらに好ましくは10重量%であり、上限は100重量%である。
本反応は、通常、溶剤中で実施される。溶剤としては、特に制限されないが、アルコール類、エーテル類、脂肪族エステル類又は芳香族炭化水素類等の有機溶剤が挙げられる。
アルコール類としては、特に制限されないが、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール等を挙げる事ができる。なかでもイソプロパノールが好ましい。
エーテル類としては、特に制限されないが、例えば、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル等が挙げられる。なかでもテトラヒドロフランが好ましい。脂肪族エステル類としては、特に制限されないが、好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは炭素数3〜6のエステルであり、具体的には、例えば、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸tert−ブチル等が挙げられ、なかでも酢酸エチルが好ましい。芳香族炭化水素類としては、特に制限されないが、好ましくは炭素数6〜12、より好ましくは炭素数6〜10、さらに好ましくは炭素数6〜8の芳香族炭化水素であり、具体的には、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げる事ができる。なかでも炭素数7又は8の芳香族炭化水素、具体的には、トルエン、キシレンが特に好ましく、トルエンが最も好適に用いられる。
上記溶剤の中でも、反応性の高さ、酸に対する安定性の観点から、アルコール類が好ましく、なかでもイソプロパノールが好ましい。
3,P4が酸で脱保護されない保護基の場合は、適宜、保護基の種類に応じて脱保護を行った後、上記方法で酸処理することにより、β−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)を得ることができる。P3,P4がいずれも水素である場合は、言うまでもなく脱保護は必要なく、上記方法で酸処理を行えばよい。
次にβ−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)を晶析工程に付し、結晶として取得する方法について説明する。
本工程に用いるβ−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)は、前述の方法でβ−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(4)から製造したものであっても良いし、別途公知な方法で合成したものであっても良い。
本工程に用いるβ−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)の2位と3位の絶対配置は、特に限定されないが、好ましくは、3位、あるいは2位と3位の両方に不斉炭素を有する光学活性体である。前記式(1)として特に好ましくは2位と3位の絶対配置が(2S,3S)、又は(2R,3R)である化合物である。
本工程に用いるβ−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)に含まれる不純物としては、その鏡像異性体が挙げられる。
晶析方法としては、特に制限されないが、例えば、反応晶析法、冷却晶析法、濃縮晶析法、溶剤置換を用いる晶析法、貧溶剤を混合することによる晶析法、及び/又は塩析法等の一般に用いられる晶析法を、単独又は適宜組み合わせて実施する事ができる。なお、本晶析では必要に応じて種晶を添加することもできる。
上記晶析方法は、プロトン性溶剤中で実施する。
プロトン性溶剤としては、特に制限されないが、例えば、アルコール類、水を挙げる事ができる。アルコール類としては、特に制限されないが、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール等を挙げる事ができる。なかでもイソプロパノールが好ましい。これらアルコール類は単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いても良い。
プロトン性溶剤としてはアルコール類単独でもよいし、水とアルコール類の混合溶媒でも良い。混合で用いる場合はその混合比に特に制限はない。
前述の方法でβ−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(4)からβ−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)を製造する場合、前記化合物(4)から前記化合物(1)への変換を、例えばプロトン性溶剤中で、脱保護反応工程から、酸との塩形成工程、晶析工程までを1ポットで実施できるので好ましい。
本晶析において、必要に応じて、補助的な溶剤を使用しても良い。補助的な溶剤とは、例えば、収率、不純物除去性、晶析液の流動性などの内、少なくとも一つを改善する目的で使用されるものである。
補助的な溶剤としては、特に制限されないが、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類等の炭化水素類、エーテル類、脂肪族エステル類を挙げることができる。
芳香族炭化水素類としては、特に限定されないが、好ましくは炭素数6〜12、より好ましくは炭素数6〜10、更に好ましくは炭素数6〜8の芳香族炭化水素類であり、具体的には、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることができ、なかでもトルエンが好ましい。脂肪族炭化水素類としては、特に限定されないが、好ましくは、炭素数5〜12、より好ましくは炭素数5〜8の脂肪族炭化水素であり、具体的には、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン等を挙げることができる。
脂肪族エステル系溶剤としては、特に制限されないが、好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは炭素数3〜6のエステルであり、具体的には、例えば、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸tert−ブチル等が挙げられ、なかでも酢酸エチルが好ましい。エーテル系溶剤としては、特に制限されないが、例えば、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル等が挙げられる。なかでもメチルtert−ブチルエーテルが好ましい。
上記補助的な溶剤の内、収率、晶析液の流動性改善の観点から、脂肪族炭化水素類が好ましく、具体的には、へキサンが好ましい。なお、これらの補助的な溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
補助的な溶剤を使用する場合、あらかじめプロトン性溶剤と混合して用いてもよいが、必要に応じて、結晶が析出した後で適宜添加しても良い。
プロトン性溶剤の使用量としては、特に制限されないが、β−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)に対して、下限は普通、0.1倍重量、好ましくは0.5倍重量、より好ましくは1倍重量、さらに好ましくは3倍重量である。上限は、特に制限されないが、好ましくは100倍重量、より好ましくは30倍重量、さらに好ましくは10倍重量である。
本晶析工程において、冷却晶析を行う場合、温度の上限は溶媒の沸点以下であれば特に制限されないが、普通、100℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは60℃以下である。冷却を終了する温度は特に制限されないが好ましくは−20℃以上、より好ましくは−10℃以上である。
冷却晶析を行う場合は、ある一定の温度幅において冷却速度を管理すると、より好ましい形態の結晶を得ることができる。溶媒により異なるが、晶析温度が、好ましくは60℃以下、さらに好ましくは50℃以下、とりわけ好ましくは40℃以下の範囲から5℃以上、好ましくは10℃以上、さらに好ましくは15℃以上での温度範囲において冷却速度を0.1℃/時間以上、さらに好ましくは0.5℃/時間以上、特に好ましくは1℃/時間以上に保つことが重要である。冷却速度は上記速度が保持されれば一定である必要はない。一定速度で冷却を実施する場合も冷却速度を上記速度に保つことが好ましいが、2℃/時間以上、好ましくは5℃/時間以上、さらに好ましくは10℃/時間以上とすることがさらに好ましい。
乾燥結晶中の残留溶媒量は、β−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)の用途や該化合物の保管中の安定性等によってその要求レベルが異なるが、一般的には、1%以下が好ましく、さらに好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.2%以下である。
結晶への残留が好ましくない溶媒としては、炭素数1〜4の脂肪族アルコール、フェノール等の芳香族アルコール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、へキサンやヘプタン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、テトラヒドロフランや1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類が挙げられる。中でも炭素数1〜4の脂肪族アルコール類が挙げられ、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールが挙げられる。
晶析に際しては、単位容積当たりの攪拌所要動力が0.05kW/m3以上、好ましくは0.1kW/m3以上、より好ましくは0.3kW/m3以上の強攪拌下で析出させるのが好ましい。
このようにして得られるβ−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)は、遠心分離、加圧分離、減圧濾過等の一般的な固液分離方法を用いて結晶を採取する事ができる。得られた結晶は、更に、必要に応じて、例えば、減圧乾燥(真空乾燥)することにより乾燥結晶として取得することができる。
上記のようにして得られるβ−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)は、3位の光学純度が98%ee以上、好ましくは99%ee以上、より好ましくは99.5%ee以上である。尚、3位の絶対配置は、(S)体であっても、(R)体であってもよい。
また、上記のようにして得られるβ−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)のジアステレオ選択性は95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは99%以上、特に好ましくは99.5%以上である。なお、ここで言うジアステレオ選択性とは、例えば得られた化合物(1)の絶対配置が(2S,3S)の場合、{(2S,3S)/(2S,3S)+(2R,3S)}、(2R,3R)の場合は、{(2R,3R)/(2R,3R)+(2S,3R)}の式で表す事ができる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明する。これらの実施例は無論本発明を何ら限定するものではない。
なお、実施例に記載しているβ−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(4)、及びβ−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)の含量、不純物量、及び光学純度は、以下のHPLC法により分析した。

[[N−シクロプロピル−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド、N−シクロプロピル−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩]の含量、及び不純物分析法]
カラム:ナカライ コスモシル 5C18−ARII、カラム温度:40℃、溶離液:リン酸バッファー(pH4.0)/アセトニトリル=55/45(v/v)、流速:1.0mL/min.、検出器:UV210nm、保持時間:N−シクロプロピル−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド=5.8min.、N−シクロプロピル−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩=2.4min.

[N−シクロプロピル−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩の含量、及び不純物分析法]
カラム:ナカライ コスモシル 5C18−ARII、カラム温度:40℃、溶離液:リン酸バッファー(pH2.5)/アセトニトリル=95/5(v/v)、流速:1.0mL/min.、検出器:UV210nm、保持時間:N−シクロプロピル−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩=6.0min.

[(2S,3S)−N−シクロプロピル−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミドの光学純度分析法]
カラム:ダイセル キラルパック AD−H、カラム温度:30℃、溶離液:ヘキサン/イソプロパノール=95/5(v/v)、流速:1.0mL/min.、検出器:UV214nm、保持時間:(2S、3S)−N−シクロプロピル−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド=10.3min.、(2R、3R)−N−シクロプロピル−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド=13.1min.

[(2S,3S)−N−シクロプロピル−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩の光学純度分析法]
カラム:ASTEC CHIROBIOTIC T、カラム温度:6℃、溶離液:リン酸バッファー(pH3.5)/メタノール=20/80(v/v)、流速:0.5mL/min.、検出器:UV210nm、保持時間:(2S、3S)−N−シクロプロピル−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩=18.6min.、(2R、3R)−N−シクロプロピル−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩=16.4min.

(比較例1) (2S,3S)−N−シクロプロピル−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド
(2S,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸(41.5g、168.0mmol)のDMF(100mL)溶液に1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)一水和物(27.01g、176.4mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)塩酸塩(35.43g、184.8mmol)を加えて、氷冷下、冷却した。そこに、シクロプロピルアミン(11.51g、201.6mmol)を滴下し、氷冷下、18時間攪拌した。次いで、酢酸エチル(2000mL)、5%NaHCO3水溶液(1000mL)を順次加えて水層を除去し、さらに有機層を5%NaHCO3水溶液(1000mL)で2回洗浄、最後に水(1000mL)で洗浄後、(2S,3S)−N−シクロプロピル−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミドの酢酸エチル溶液を取得した(収率:83mol%)。

(比較例2) (2S,3S)−N−シクロプロピル−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド
(2S,3S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸(200mg、0.81mmol)の酢酸エチル(5mL)溶液に、シクロプロピルアミン(55mg、0.97mmol)を滴下し、氷冷下、冷却した。そこにHOBt一水和物(130mg、0.85mmol)、EDC塩酸塩(171mg、0.89mmol)を加えて、氷冷下、攪拌したところ、約5分後に系中の固体が凝集して強固な塊を形成し、攪拌不能となった。

(比較例3) (2S,3S)−N−シクロプロピル−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩
(2S,3S)−N−シクロプロピル−3−(t−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド4.5gを4Mの塩化水素−1,4−ジオキサン溶液60mLに添加した。約5分後に生成物の固体が凝集して塊を形成し、反応液の流動性が悪化した。原料の消失を確認した後、エバポレーターで溶媒を留去し、(2S,3S)−N−シクロプロピル−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩の濃縮物を得た(化学純度89.8area%)。

(比較例4)
比較例3と同じ方法で、(2S,3S)−N−シクロプロピル−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩の反応液を得た後、析出した結晶を桐山ロート(直径4cm、濾紙孔径4μm)を用いて減圧濾過したところ、結晶は難濾過性であり、結晶と母液を分離するのに約1時間要した。

(実施例1) (2S,3S)−N−シクロプロピル−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド
(2S,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸(7.2g、29.12mmol)、酢酸エチル(144g)、及び水(7.2g)の混合溶液に、シクロプロピルアミン(1.99g、34.94mmol)を滴下し、氷冷下、冷却した。そこにHOBt一水和物(4.68g、30.58mmol)、EDC塩酸塩(6.14g、32.03mmol)を加えて、氷冷下、22時間攪拌した。次いで5%NaHCO3水溶液(72g)を加えて40℃に昇温後、水層を除去し、さらに有機層を5%NaHCO3水溶液(72g)で40℃下、2回洗浄、最後に水(72g)で洗浄後、(2S,3S)−N−シクロプロピル−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミドの酢酸エチル溶液を取得した(収率:90mol%、化学純度96.1area%、光学純度99.3%ee)。得られた有機層(140.2g)をロータリーエバポレーターで62.5gになるまで減圧濃縮した。得られたスラリーを60℃まで昇温し内容物を溶解した後、51℃まで冷却した。この溶液に(2S,3S)−N−シクロプロピル−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミドの種晶2mgを接種した結果、徐々に結晶が析出してきた。同温度1時間で熟成した後、約5時間かけて2℃まで冷却した。析出している結晶を分離、乾燥を行い、(2S,3S)−N−シクロプロピル−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド6.45gを取得した(単離収率78mol%、化学純度100.0area%、光学純度100%ee)。
[1H−NMR(CDCl3,400MHz/ppm);0.51(2H,m)、0.79(2H,m)、0.92(3H,t)、1.24−1.70(13H,m)、2.73(1H,m)、3.75(1H,bs)、4.15(1H,dd)、4.94(1H,d)、5.17(1H,d)、6.94(1H,bs)]

(実施例2) (2S,3S)−N−シクロプロピル−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド
(2S,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸(50.0g、202.2mmol)の酢酸エチル(250g)/THF(250g)=1/1混合溶液に、シクロプロピルアミン(13.9g、242.6mmol)を滴下し、氷冷下、冷却した。そこにHOBt一水和物(32.5、212.3mmol)、EDC塩酸塩(42.6g、222.4mmol)と水(43g)の混合溶液を滴下、氷冷下、14時間攪拌した。次いで5%NaHCO3水溶液(250g)を加えて40℃に昇温後、水層を除去し、さらに有機層を5%NaHCO3水溶液(250g)で40℃下、2回洗浄、最後に水(250g)で洗浄後、(2S,3S)−N−シクロプロピル−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミドの溶液を取得した(反応収率95mol%、抽出率:89mol%、化学純度96.9area%)。

(実施例3) (2S,3S)−N−シクロプロピル−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド
(2S,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸(10.0g、40.44mmol)の酢酸エチル(108g)溶液に、シクロプロピルアミン(2.77g、48.53mmol)を滴下し、氷冷下、冷却した。そこにHOBt一水和物(1.86g、12.13mmol))/THF(9.3g)/水(1.9g)=1/5/1混合溶液、EDC塩酸塩(8.53g、44.48mmol)/水(8.5g)=1/1の混合溶液を順次滴下、氷冷下、14時間攪拌した。次いで5%NaHCO3水溶液(50g)を加えて40℃に昇温後、水層を除去し、さらに有機層を5%NaHCO3水溶液(50g)で40℃下、1回洗浄、最後に水(50g)で洗浄後、(2S,3S)−N−シクロプロピル−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミドの溶液を取得した(反応収率97mol%、抽出率:98mol%、化学純度96.0area%)。

(実施例4) (2S、3S)−N−シクロプロピル−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩
(2S,3S)−N−シクロプロピル−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド(26.5g、92.54mmol)にイソプロパノール(250mL)を加えて、約60℃に昇温した。この溶液に35%塩酸水(14.5g、138.8mmol)を滴下し、24時間攪拌した。原料の消失を確認した後、脱Boc化した該反応液を60℃から2℃まで一定速度で約6時間かけて冷却したが、固体の凝集などはなく、流動性は良好であった。析出した結晶を桐山ロート(直径6cm、濾紙孔径4μm)を用いて減圧濾過したところ、濾過性はよく、結晶と母液の分離に要した時間は、約60秒であった。分離、真空乾燥を行い、白色結晶として(2S、3S)−N−シクロプロピル−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩(16.53g)を取得した(収率80mol%、イソプロパノール含量:イソプロパノール不検出、化学純度100.0area%、光学純度100%ee)。
[1H−NMR(CD32SO,400MHz/ppm);0.52(2H,m)、0.63(2H,m)、0.86(3H,t)、1.25−1.50(4H,m)、2.69(1H,m)、3.39(1H,bs)、4.22(1H,bs)、6.27(1H,bs)、8.04(4H,bs)]

(実施例5) (2S,3S)−N−シクロプロピル−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩
上記実施例2で取得した(2S,3S)−N−シクロプロピル−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミドの酢酸エチル溶液を濃縮乾固した。この濃縮物(97.4wt%、96.9area%)5.13gにイソプロピルアルコール29.9gを加え、60℃に昇温させて溶解した。次に10.5wt%の塩化水素−イソプロピルアルコール溶液9.1gを1時間かけて滴下し8時間攪拌後、反応溶液を約6時間かけて0℃まで一定速度で冷却した。このスラリー溶液は、固体の凝集などはなく、流動性は良好であった。析出した結晶を桐山ロート(直径4cm、濾紙孔径4μm)を用いて減圧濾過したところ、濾過性はよく、結晶と母液の分離に要した時間は、約30秒であった。得られた湿結晶をへキサン/イソプロピルアルコール = 1/1溶液15mL用いて洗浄した。次に洗浄後の湿結晶を60℃で真空乾燥し、(2S,3S)−N−シクロプロピル−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩(3.33g)を取得した(単離収率89mol%、化学純度100.0area%、光学純度100%ee)。

(実施例6) (2S,3S)−N−シクロプロピル−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩
上記実施例2で取得した(2S,3S)−N−シクロプロピル−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミドの酢酸エチル溶液92.2g(10.8wt%)を用い、溶媒を酢酸エチルからイソプロピルアルコールに置換し、(2S,3S)−N−シクロプロピル−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミドのイソプロピルアルコール溶液(69.63g)を調製した。この溶液を60℃に昇温させ、10.5wt%の塩化水素−イソプロピルアルコール溶液18.2gを1時間かけて滴下し8時間撹拌後、反応溶液を約6時間かけて0℃まで一定速度で冷却した。このスラリー溶液は、固体の凝集などはなく、流動性は良好であった。析出した結晶を桐山ロート(直径6cm、濾紙孔径4μm)を用いて減圧濾過したところ、濾過性はよく、結晶と母液の分離に要した時間は、約30秒であった。得られた湿結晶をへキサン/イソプロピルアルコール = 1/1溶液30mL用いて洗浄した。次に洗浄後の湿結晶を60℃で真空乾燥し、(2S,3S)−N−シクロプロピル−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩(7.06g)を取得した(単離収率90mol%、化学純度100.0area%、光学純度100%ee)。

(実施例7) (2S,3S)−N−シクロプロピル−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩
上記実施例2で取得した(2S,3S)−N−シクロプロピル−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミドの酢酸エチル溶液46.1g(10.8wt%)を用い、溶媒を酢酸エチルからイソプロピルアルコールに置換し、(2S,3S)−N−シクロプロピル−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミドのイソプロピルアルコール溶液(34.82g)を調製した。この溶液にヘキサン20gを加えた後、60℃に昇温させ、10.5wt%の塩化水素−イソプロピルアルコール溶液9.1gを1時間かけて滴下、8時間撹拌後、反応溶液を約6時間かけて0℃まで一定速度で冷却した。このスラリー溶液は、固体の凝集などはなく、流動性は良好であった。析出した結晶を桐山ロート(直径4cm、濾紙孔径4μm)を用いて減圧濾過したところ、濾過性はよく、結晶と母液の分離に要した時間は、約30秒であった。得られた湿結晶をへキサン/イソプロピルアルコール=1/1溶液15mL用いて洗浄した。次に洗浄後の湿結晶を60℃で真空乾燥し、(2S,3S)−N−シクロプロピル−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩(3.48g)を取得した(収率90%、化学純度100.0area%、光学純度100%ee)。

(実施例8) (2S,3S)−N−シクロプロピル−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩
実施例4で取得した脱Boc化反応液(約273g)を60℃から20℃まで12時間かけて冷却した。20℃から15℃までを7時間で冷却、さらに2℃まで3時間かけて冷却した。この冷却中は、固体の凝集などはなく、流動性は良好であった。析出した結晶を桐山ロート(直径6cm、濾紙孔径4μm)を用いて減圧濾過した後、乾燥温度60℃で4日間真空乾燥を行い、白色結晶として(2S、3S)−N−シクロプロピル−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩(16.53g)を取得した(収率80mol%、イソプロパノール含量0.15%、化学純度100.0area%、光学純度100%ee)。

(実施例9) (2S,3S)−N−シクロプロピル−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩
実施例4で取得した脱Boc化反応液(約273g)を60℃から2℃までを一定速度で20時間かけて冷却した。この冷却中は、固体の凝集などはなく、流動性は良好であった。析出した結晶を桐山ロート(直径6cm、濾紙孔径4μm)を用いて減圧濾過した後、乾燥温度60℃で4日間真空乾燥を行い、白色結晶として(2S、3S)−N−シクロプロピル−3−アミノ−2−ヒドロキシヘキサン酸アミド塩酸塩(16.71g)を取得した(収率81mol%、イソプロパノール含量0.03%、化学純度100.0area%、光学純度100%ee)。

Claims (17)

  1. 下記一般式(1);
    (式中、Rは、置換基を有していても良い炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有していても良い炭素数7〜15のアラルキル基を表し、P1およびP2は,それぞれ独立して水素原子、置換基を有していても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数7〜15のアラルキル基、又はカルボキシル基を表し、HXは、鉱酸、スルホン酸、又はカルボン酸を表す。)で表されるβ−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体を、プロトン性溶剤を含有する溶剤を用いた晶析工程に付し、結晶として取得することを特徴とするβ−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)の製造法。
  2. 前記β−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)の立体が、晶析工程の前後で維持されることを特徴とする請求項1に記載の製造法。
  3. 下記一般式(4);
    (式中、R、P1、P2は、前記と同じ基を表し、P3及びP4は、それぞれ独立して、水素原子又はアミノ基の保護基を表すか、又は、一緒になってフタロイル基を表す。)で表されるβ−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体を必要に応じて脱保護して、β−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(1)に変換する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の製造法。
  4. 脱保護は、酸を用いて行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造法。
  5. 酸の使用量が、β−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体(4)に対して、1倍モル以上である請求項4に記載の製造法。
  6. プロトン性溶媒が、アルコール、又は、アルコールと水の混合溶媒であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造法。
  7. 晶析工程において、冷却速度1℃/時間以上で冷却晶析を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の製造法。
  8. 下記一般式(2);
    (式中、Rは、置換基を有していても良い炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有していても良い炭素数7〜15のアラルキル基を表し、P3及びP4は、それぞれ独立して、水素原子又はアミノ基の保護基を表すか、又は、一緒になってフタロイル基を表す。)で表されるβ−アミノ−α−ヒドロキシカルボン酸に、縮合剤と一般式(3);
    12NH (3)
    (式中、P1およびP2は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有していても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有していても良い炭素数7〜15のアラルキル基、又はカルボキシル基を表す。)で表されるアミンを、脂肪族エステル類、エーテル類、ニトリル類および含硫黄系の溶剤のうち、一または二種以上の溶剤及び水存在下で作用させることを特徴とする一般式(4);

    (式中、R、P1、P2、P3及びP4は、前記と同じ基を表す。)で表されるβ−(N−保護)アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体の製造法。
  9. 前記水の添加量が、前記縮合剤に対して0.3倍重量〜30倍重量である請求項8に記載の製造法。
  10. 前記溶剤は、脂肪族エステル類及び/又はエーテル類であることを特徴とする請求項8又は9に記載の製造法。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項に記載の製造法により前記式(4)で表される化合物を製造し、得られた前記式(4)で表される化合物を脱保護して、一般式(1);
    (式中、R、P1及びP2は、前記と同じ基を表し、HXは、鉱酸、スルホン酸、又はカルボン酸を表す。)で表されるβ−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体に変換することを特徴とするβ−アミノ−α−ヒドロキシ酸アミド誘導体の製造法。
  12. 請求項11記載の製造法により前記式(1)で表される化合物を製造し、得られた前記式(1)で表される化合物を用いることを特徴とする請求項1記載の製造法。
  13. 前記式(4)で表される化合物の2位と3位の絶対配置が、(2S,3S)または(2R,3R)である請求項3〜12のいずれかに記載の製造法。
  14. Rが、n−プルピル基である請求項1〜13のいずれかに記載の製造法。
  15. 1及びP2は、一方が水素原子、もう一方がシクロプロピル基である請求項1〜14のいずれかに記載の製造法。
  16. 3及びP4は、一方が水素原子、もう一方がtert−ブトキシカルボニル基である請求項3〜15のいずれかに記載の製造法。
  17. HXが、塩化水素である請求項1〜7、11、12、13、14、15および16のいずれかに記載の製造法。
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