JP4484027B2 - 光学活性2―アルキル−d−システインアミド又はその塩、及びこれらの化合物の製造方法。 - Google Patents

光学活性2―アルキル−d−システインアミド又はその塩、及びこれらの化合物の製造方法。 Download PDF

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本発明は、一般式1で示される光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩、及びこれらの化合物を製造する方法に関する。詳しくは、一般式1で示される光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩と、一般式3で示される光学活性2−アルキル−L−システインアミド又はその塩とからなる、一般式2で示される2−アルキルシステインアミド又はその塩に、一般式3で示される光学活性2−アルキル−L−システインアミド又はその塩を立体選択的に加水分解する活性を有する微生物の菌体又は菌体処理物を作用させて生化学的に不斉加水分解し、一般式4で示される光学活性2−アルキル−L−システイン又はその塩に変換した後、未反応の一般式1で示される光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩を分離回収することを特徴とする、光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩、及びこれらの化合物を製造する方法に関する。光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩は、各種工業薬品、農薬、及び医薬品の製造中間体として重要な物質である。
一般式1で示される光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩は、分子内にメルカプト基、アミノ基及びカルボキシルアミド基を有し、かつ自然界にまれにしか存在しないD体であることから、各種工業薬品、農薬、及び医薬品の製造原料として広範な活用が期待される化合物であり、産業上、非常に有用な化合物である。アミノ酸アミドからアミノ酸を製造するにあたって微生物の菌体又は菌体処理物を利用する方法については多く報告されているが(例えば、特許文献1参照)、α位にアルキル基を有するアミノ酸アミドの製造方法はあまり知られておらず、特に、一般式1で示される光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩、及びこれらの化合物を製造する方法は知られていない。
特開2002−253294号公報
本発明の目的は、各種工業薬品、農薬、及び医薬品の製造原料として広範な活用が期待され、産業上、非常に有用な化合物である一般式1で示される光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩、及びこれらの化合物の製造方法を提供することにある。
かかる実状に鑑み、本発明者らは光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩の工業的に実施可能な製造方法について鋭意研究を行ったところ、一般式2で示される2−アルキルシステインアミド又はその塩中に含まれる一般式3で示される光学活性2−アルキル−L−システインアミド又はその塩を生化学的に不斉加水分解して、一般式4で示される光学活性2−アルキル−L−システイン又はその塩に変換した後、未反応の光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩を分離回収することにより、光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩を製造する方法を見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(4)に示す、一般式1で示される光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩、及びこれらの化合物を製造する方法に関するものである。
(1)一般式1で示される光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩。
・・・(1)
(一般式1中のRは炭素数1〜4の低級アルキル基を示す。)
(2)一般式1で示される光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩と、一般式3で示される光学活性2−アルキル−L−システインアミド又はその塩とからなる、一般式2で示される2−アルキルシステインアミド又はその塩に、一般式3で示される光学活性2−アルキル−L−システインアミド又はその塩を立体選択的に加水分解する活性を有する微生物の菌体又は菌体処理物を作用させて、一般式4で示される光学活性2−アルキル−L−システイン又はその塩に変換した後、該反応液より未反応の一般式1で示される光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩を分離回収することを特徴とする、光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩の製造方法。
・・・(2)
・・・(3)
・・・(4)
(一般式2〜4中のRは炭素数1〜4の低級アルキル基を示す。一般式2は、一般式1で示される光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩と一般式3で示される光学活性2−アルキル−L−システインアミド又はその塩との混合物である2−アルキルシステインアミド又はその塩を示す。)
(3)一般式3で示される光学活性2−アルキル−L−システインアミド又はその塩を立体選択的に加水分解し、一般式4で示される光学活性2−アルキル−L−システイン又はその塩に変換する活性を有する微生物が、キサントバクター属、プロタミノバクター属、ミコバクテリウム属、ミコプラナ属に属する細菌である、(2)に記載の光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩の製造方法。
(4)一般式1〜4に示すRがメチル基である、(1)〜(3)に記載の光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩の製造方法。
各種工業薬品、農薬、及び医薬品の製造原料として幅広い応用用途が期待され、産業上、高い利用価値を有する一般式1で示される光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩、及びこれら化合物の製造方法を提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明の目的物質である一般式1で示される光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩に於いて、式中のRは炭素数1〜4の低級アルキル基であればよく特に制限はない。例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル及びt−ブチルなどの直鎖又は分枝した低級アルキル基が好適であり、メチル基が特に好適である。
また、一般式1で示される光学活性2−アルキル−D−システインアミドは塩を形成することもできるが、その種類は、実用上許容できる塩であればよく特に制限はない。例えば塩酸や硫酸等の無機酸、ギ酸や酢酸等の有機酸等の塩が挙げられる。
本発明の一般式1で示される光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩は、一般式2で示される2−アルキルシステインアミド又はその塩の中に含まれている一般式3で示される光学活性2−アルキル−L−システインアミド又はその塩を生化学的に不斉加水分解して、一般式4で示される光学活性2−アルキル−L−システイン又はその塩に変換した後、残された未反応の光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩を分離回収することによって製造することができる。
本発明で使用する一般式2で示される2−アルキルシステインアミド又はその塩の製法
及び品質等に特に制限はないが、これを原料として行うそれ以降の反応が好適に進むものであればよい。そのような2−アルキルシステインアミド又はその塩は、例えばJustus Liebigs Ann.Chem.(1966),697,140−157に記載された方法を応用することによって合成される4−アルキルチアゾリジンカルボン酸アミド又はその塩を加水分解することによって得ることができる。
本発明の一般式2で示される2−アルキルシステインアミド又はその塩中に含まれる、一般式3で示される2−アルキル−L−システインアミド又はその塩の生化学的不斉加水分解に使用される微生物は、2−アルキル−L−システインアミド又はその塩を立体選択的に加水分解する活性を有する微生物であればよく、このような微生物として、例えば、プロタミノバクター属、ミコバクテリウム属、及びミコプラナ属等に属する微生物、具体的にはキサントバクター フラバス(Xanthobacter Flavus)NCIB10071T、プロタミノバクター アルボフラバス(Protaminobacter alboflavus)ATCC8458、ミコバクテリウム メタノリカ(Mycobacterium methanolica)BT−84(FERM P8823)、ミコバクテリウム メタノリカ(Mycobacterium methanolica)P−23(FERM P8825)、ミコプラナ ラモサ(Mycoplana ramose)NCIB9440、ミコプラナ ディモルファ(Mycoplana dimorpha)ATCC4279が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これら微生物から人工的変異手段によって誘導される変異株、或いは細胞融合又は遺伝子組換え法等の遺伝学的手法により誘導される組換え株等の何れの株であっても上記能力を有するものであれば、本発明に使用できる。
これらの微生物の培養は、通常資化し得る炭素源、窒素源、各微生物に必須の無機塩、栄養素等を含有させた培地を用いて行われる。培養時のpHは4〜10の範囲であり、温度は20〜50℃である。培養は1日〜1週間程度好気的に行われる。このようにして培養した微生物は、生菌体又は該生菌体の処理物、例えば菌体培養液、分離菌体、菌体破砕物、さらには精製した酵素として反応に使用される。また、常法に従って菌体又は酵素を固定化して使用することもできる。
一般式3で示される2−アルキル−L−システインアミド又はその塩を含んだ一般式2で示される原料の2−アルキルシステインアミドを、微生物の菌体又は菌体処理物を用いて生化学的に不斉加水分解する際の反応条件は以下の通りである。原料である2−アルキルシステインアミド又はその塩の濃度は、該生体触媒あたりの反応効率及び操作性の容易さの面から0.1〜40wt%の範囲が好ましく、0.5〜20wt%の範囲がより好ましい。2−アルキルシステインアミド又はその塩の濃度が0.1wt%を下回る場合は反応液の容量が単に増えるだけで、生産性の面から不利となる。一方、濃度が40wt%を超える場合は、基質阻害が生じ、菌体又は菌体処理物当たりの生産性の面から不利となるうえ、場合によっては反応産物である2−アルキル−L−システイン又はその塩が反応途中で析出するようになるため、反応後に行う菌体又は菌体処理物を遠心分離や濾過分離する際の随伴ロスとして失われる原因ともなり、貴重な原料を有効に活用するうえで不利となる。
一般式2で示される原料の2−アルキルシステインアミド又はその塩に対する微生物の菌体又は菌体処理物の使用量は、供給源の培養菌体レベルでの重量が乾燥菌体換算で重量比0.0001〜3の範囲になるように添加することが好ましく、0.001〜1の範囲になるようにすることがより好ましい。重量比が0.0001を下回る場合は反応速度が遅いため処理に長時間を要することになり、3を超える場合は、処理時間は短くなるものの、微生物菌体の利用の面から効率的とは言えず、しかも反応後の菌体又は菌体処理物の分離に労力を要することとなり不利となる。なお、原料の2−アルキルシステインアミド又はその塩の反応液中における濃度が高い場合には、前記の菌体又は菌体処理物の使用量比が、好ましい範囲の上限である3以下であって、反応が好適に実施できる比率を適宜選択すればよい。
反応温度は10〜70℃の範囲が好ましく、20〜40℃の範囲がより好ましい。反応温度が10℃を下回る場合は反応速度が遅いため反応時間が長くなり不利となる。一方、反応温度が70℃を超える場合は、菌体又は菌体処理物の触媒活性が失活により低下するとともに、目的物質である2−アルキル−D−システインアミド又はその塩の非酵素的な分解も伴うようになり、反応収率及び選択率の面で不利となる。また、工程間で必要となる反応溶液の昇温・冷却に多くのエネルギーを要することとなりコスト的に不利となる。
反応溶液はpH4〜13の水溶液が好ましく、pH5〜10の範囲がより好ましい。よりさらには、pH7〜9の中性から比較的穏和な塩基性条件が特に好ましい。pH4を下回る場合は、菌体又は菌体処理物の触媒活性が低下し、pH13を上回る場合も同様に触媒活性が低下する。そのうえさらに、反応液中に含まれる2−アルキル−D−システインアミド又はその塩、2−アルキル−L−システインアミド又はその塩、生成物である2−アルキル−L−システイン又はその塩同士が、ジスルフィド結合を形成し二量化するため好ましくない。また、2−アルキル−D−システインアミド又はその塩の非酵素的な加水分解反応も起こり易くなりこれも好ましくない。反応液のpHを調整するに当たっては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の無機塩基類、及びアンモニア等を用いればよい。また、その他の物質を溶解してなる緩衝液を用いてもよい。さらに、触媒活性を増大させる目的で、Mg、Cu、Zn、Fe、Mn、Ni、Co等の金属イオンを存在させることにより反応速度を速めてもよい。
生成した2−アルキル−L−システイン又はその塩と、本発明の目的物質である未反応の2−アルキル−D−システインアミド又はその塩との分離は、反応終了液から、例えば遠心分離や濾過膜などの通常の固液分離手段によって微生物菌体又は菌体処理物を除いた後、さらに必要に応じて活性炭を用いる等の処理を施して不純物を除いたうえ、その分離母液をpH7〜13、好ましくはpH8〜12に調整し、適当な有機溶媒で抽出しこれを濃縮することによって達成される。分離母液のpHが7を下回る場合は、pHが低いほど有機溶媒へ溶解しにくい2−アルキル−D−システインアミドの酸塩の構成比率が増加するため、抽出収率が低下し好ましくない。一方、pHが13を上回る場合は、上記同様に二量体の形成や2−アルキル−D−システインアミド又はその塩の非酵素的な加水分解反応が起こり好ましくない。なお、抽出に用いる有機溶媒の種類は特に限定されず、目的とする2−アルキル−D−システインアミドの溶解性を見て決定すれば良く、通常に用いられるジエチルエーテルやジイソプロピルエーテル等のエーテル類、メチルイソプロピルケトンやメチルイソブチルケトン等のケトン類、或いは塩化メチレンやクロロホルム等のハロゲン化炭化水素等が使用可能である。中でも2−アルキル−D−システインアミドの溶解性の点でジエチルエーテルやジイソプロピルエーテル等のエーテル類、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類が好適に用いられる。
得られた光学活性2−アルキル−D−システインアミドを含む有機溶媒溶液は、その物性に合った方法を適宜用いて濃縮した後、メタノールやエタノールを溶媒に用いた再結晶等の精製方法を講じることによって精製できる。
なお、原料の2−アルキルシステインアミド又はその塩、反応後の2−アルキル−L−システイン又はその塩や2−アルキル−D−システインアミド又はその塩は構造内にメルカプト基を有することから酸化を受けやすく、酸素存在下で放置すると2量化したジスルフィド(2,2'−ジアルキルシスチン)となる。これを防止するため、菌体又は菌体処理物を用いた不斉加水分解反応から濃縮・精製に至る一連の製造工程は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましく、系内に2−メルカプトエタノール等の還元性物質を共存させる方法も可能である。また、反応に用いる全ての溶媒は、反応を実施前に脱気することにより、副生物の生成を防ぎ、より好適に反応を進めることができる。
以下、実施例を挙げ本発明について更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
1)菌体の調製
下記の組成を有する培地を調製し、この培地200mLを1Lの三角フラスコに入れて滅菌した後、キサントバクター フラバス(Xanthobacter flavus)NCIB 10071Tを接種し、30℃で48時間振とう培養を行った。この培養液を遠心分離したところ、乾燥菌体1.0gに相当する生菌体を得た。
培地組成(pH7.0)
グルコース 10g
ポリペプトン 5g
酵母エキス 5g
KH2PO4 1g
MgSO4・7H2O 0.4g
FeSO4・7H2O 0.01g
MnCl2・4H2O 0.01g
水 1L
2)光学活性2−メチル−D−システインアミドの製造
ラセミ体の2−メチルシステインアミド塩酸塩10.0g(0.06mol)を水300mLに溶解した後、500mLフラスコに入れ、乾燥菌体1.0gに相当する上記生菌体を加えて、窒素気流下、40℃で24時間攪拌して加水分解反応を行った。反応後、遠心分離によって菌体を除去し、得られた上清液に、脱気したうえ窒素ガスで置換した活性炭2gを加えて2時間攪拌し不純物の吸着除去を行った。活性炭を濾別し、得られた濾液に4N水酸化ナトリウム水溶液30mLを加えてpH10とした後、200mLのジエチルエーテルで5回抽出した。集めた有機相に無水硫酸ナトリウムを加えて脱水をした後、これを濾別し、得られた濾液をエバポレーターで濃縮し白色のペースト状固体を得た。このペースト状濃縮物に、1N塩酸水溶液を30mL加えて攪拌混合した後、再度エバポレーターを用いて濃縮乾固させた。得られた白色固体を少量のエタノールを用いて窒素雰囲気下で再結晶し、2−メチル−D−システインアミド塩酸塩の結晶を3.2g(0.02mol)濾取した。反応に仕込んだラセミ体混合物中の2−メチル−D−システインアミド塩酸塩からの単離収率は81mol%、2−メチル−システインアミド塩酸塩からの単離収率は41mol%であった。また、この結晶を光学異性体分離カラムを用いた液体クロマトグラフィーによって分析した結果、光学純度は95%e.e.以上であった。
2−メチル−D−システインアミド塩酸塩;無色ガラス状固体(潮解性)、
H−NMR(90MHz,DO)δ[ppm] 3.19(1H,d,J15.3Hz),2.95(1H,d,J15.3Hz),1.64(3H,s)
13C−NMR(22.6MHz,DO)δ[ppm] 173.78(s),62.31(s),31.73(t),22.21(q)
IR[cm−1](KBr)1703,1624,1574,1506,1377,1279,1230,1124
元素分析 (測定値)C;28.01,H;6.60,N;16.33,S;;18.72,Cl;20.75,(計算値)C;28.15,H;6.50,N;16.41,O;9.37,S;18.79,Cl;20.77
実施例2
実施例1と同様にして各種微生物を培養し生菌体を得た。ラセミ体の2−メチルシステイン10g(0.06mol)を含む水溶液に各種微生物の生菌体を加え、実施例1と同様に酵素反応を行い、除菌した後、得られた上清液を液体クロマトグラフィーで分析した。結果を表1に示す。なお、該上清液を光学異性体分離カラムを用いた液体クロマトグラフィーによって分析した結果、光学純度は何れも95%e.e.以上であった。
収率1;ラセミ体の2−メチルシステインアミドに対する、2−メチル−D−システインアミドの収率(mol%)
収率2;ラセミ体の2−メチルシステインアミド中に含まれる2−メチル−D−システインアミドに対する、2−メチル−D−システインアミドの収率(mol%)
菌体1;プロタミノバクター アルボフラバス(Protaminobacter alboflavus)ATCC8458
菌体2;ミコバクテリウム メタノリカ(Mycobacterium methanolica)BT−84(FERM P8823)
菌体3;ミコバクテリウム メタノリカ(Mycobacterium methanolica)P−23(FERM P8825)
菌体4;ミコプラナ ラモサ(Mycoplana ramose)NCIB9440
菌体5;ミコプラナ ディモルファ(Mycoplana dimorpha)ATCC4279

Claims (5)

  1. 一般式1で示される光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩。
    (一般式1中のRは炭素数1〜4の低級アルキル基を示す。)
  2. 一般式1で示される光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩と、一般式3で示される光学活性2−アルキル−L−システインアミド又はその塩とからなる、一般式2で示される2−アルキルシステインアミド又はその塩に、一般式3で示される光学活性2−アルキル−L−システインアミド又はその塩を立体選択的に加水分解する活性を有するキサントバクター属に属する微生物の菌体又は該菌体処理物を作用させて、一般式4で示される光学活性2−アルキル−L−システイン又はその塩に変換した後、該反応液より未反応の一般式1で示される光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩を分離回収することを特徴とする、光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩の製造方法。
    (一般式2〜4中のRは炭素数1〜4の低級アルキル基を示す。一般式2は、一般式1で示される光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩と一般式3で示される光学活性2−アルキル−L−システインアミド又はその塩との混合物である2−アルキルシステインアミド又はその塩を示す。)
  3. 不活性ガス及び還元性物質の存在下、前記キサントバクター属に属する微生物の菌体又は菌体処理物を作用させることを特徴とする請求項2記載の光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩の製造方法。
  4. 前記還元性物質が2−メルカプトエタノールであることを特徴とする請求項3記載の光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩の製造方法。
  5. 一般式1〜4に示すRがメチル基である、請求項〜4いずれかに記載の光学活性2−アルキル−D−システインアミド又はその塩の製造方法。
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