JPH11196889A - 光学活性な2−,3−ジ置換プロピオン酸誘導体の製造方法 - Google Patents

光学活性な2−,3−ジ置換プロピオン酸誘導体の製造方法

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JPH11196889A
JPH11196889A JP821598A JP821598A JPH11196889A JP H11196889 A JPH11196889 A JP H11196889A JP 821598 A JP821598 A JP 821598A JP 821598 A JP821598 A JP 821598A JP H11196889 A JPH11196889 A JP H11196889A
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JP
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substituent
genus
acid derivative
disubstituted
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JP821598A
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Masahiro Yamagishi
正博 山岸
Makoto Ueda
誠 上田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 光学活性な2−,3−ジ置換プロピオン酸誘
導体を工業的に有利に製造する方法を提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)で表される2−,3−
ジ置換アクリル酸誘導体に、該誘導体の炭素−炭素二重
結合を立体選択的に還元する能力を有する微生物の菌体
/又はそれらの調整物を作用させることにより、下記一
般式(II)で表される光学活性な2−,3−ジ置換プロ
ピオン酸誘導体を製造する。(I)式、(II)式中、R
1 は、置換基を有してもよいアルキル基等、R2 は水素
原子等、Xは、ニトロ基等を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性な2−,
3−ジ置換プロピオン酸誘導体の製造方法に関し、詳し
くは微生物を利用した光学活性な2−,3−ジ置換プロ
ピオン酸誘導体の効率的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】光学活
性な2−,3−ジ置換プロピオン酸誘導体は、種々の医
薬、農薬、化学品として、あるいはこれらの合成中間体
として有用である。例えば、光学活性な3−アリール−
2−チオ置換プロピオン酸誘導体の従来の製造法として
は、化学合成による方法がある(Organic Preparations
and Procedures Int.1982,14,p381、Tetrahedron 198
7,43,p5039 、およびJ.Org.Chem.1986,51,p3664)。し
かしながらこれらの方法においては、出発原料として用
いる光学活性アミノ酸が高価である、収率が高くない、
などの問題点があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために、光学活性な2−,3−ジ置換プロピオ
ン酸誘導体の効率的な製造法について鋭意研究を行った
ところ、特定の微生物(の菌体及び/又はそれらの調製
物)を2−,3−ジ置換アクリル酸誘導体に作用させる
ことにより光学活性な2−,3−ジ置換プロピオン酸誘
導体が得られることを見出し、本発明を完成するにいた
った。すなわち、本発明の要旨は、下記一般式(I)
【0004】
【化3】
【0005】(上記一般式(I)中、R1 は、置換基を
有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよ
いカルボキシル基、水酸基、低級アルキルオキシ基、置
換基を有していてもよいアリール基または置換基を有し
ていてもよい複素環基を示す。R2 は、水素原子または
炭素数1〜6の低級アルキル基を示す。Xは、ニトロ
基、シアノ基、低級アルキルオキシ基、置換基を有して
いてもよいチオール基または置換基を有していてもよい
アミノ基を示す。)で表される2−,3−ジ置換アクリ
ル酸誘導体に、該誘導体の炭素−炭素二重結合に立体選
択的に水素添加する能力を有する微生物の菌体及び/又
はそれらの調製物を作用させることを特徴とする下記一
般式(II)
【0006】
【化4】
【0007】(上記一般式(II)中、R1 、R2 、およ
びXは上記一般式(I)中のR1 、R 2 、およびXと同
義である。)で表される光学活性な2−,3−ジ置換プ
ロピオン酸誘導体の製造方法に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法では、原料として上記一般式(I)で
表される2−,3−ジ置換アクリル酸誘導体を用い、こ
れに上記記載の特定の微生物の菌体及び/又はそれらの
調製物を作用させて、上記一般式(II)で表される光学
活性な2−,3−ジ置換プロピオン酸誘導体を製造す
る。上記一般式(I)及び(II)におけるR1 で定義さ
れる「置換基を有していてもよいアルキル基」として
は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基また
はイソプロピル基等の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキ
ル基が挙げられ、これらのアルキル基の置換基として
は、ヒドロキシ基、アミノ基、フェニル基またはビニル
等が挙げられる。「置換基を有していてもよいカルボキ
シル基」としては、カルボキシル基の他、メチル基、エ
チル基等の低級アルキル基の置換したカルボキシル基
(即ち、アルキルオキシカルボニル基)が挙げられる。
「低級アルキルオキシ基」としては、例えば、メトキシ
基、エトキシ基またはプロポキシ基等が挙げられる。
「置換基を有していてもよいアリール基」としては、例
えばフェニル基またはナフチル基等が挙げられ、これら
のアリール基の置換基としてはハロゲン原子、ヒドロキ
シ基、メトキシ基等の低級アルコキシ基等が挙げられ
る。「置換基を有していてもよい複素環基」の複素環と
しては、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピペラジン
環、チオフェン環、テトラヒドロフラン環、ジオキサン
環もしくはインドール環等のヘテロ原子として窒素、硫
黄、酸素等を含む単環もしくは縮合の複素環が挙げられ
る。これらの基の中で、本発明のR1 としてはフェニル
基が特に好ましい。
【0009】上記一般式(I)及び(II)におけるR2
で定義される「炭素数1〜6の低級アルキル基」として
は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が挙げら
れる。本発明のR2 としては、水素原子が好ましい。上
記一般式(I)及び(II)におけるXで定義される「低
級アルキルオキシ基」としては、例えば、メトキシ基ま
たはエトキシ基等が挙げられ、「置換基を有していても
よいチオール基」としては、メルカプト基の他、アセチ
ルチオ基等のアシルチオ基、メチルチオ基、エチルチオ
基、イソプロピルチオ基もしくはブチルチオ基等の低級
アルキルチオ基、ベンジル基等のフェニル置換アルキル
チオ基、カルバモイルチオ基等が挙げられ、好ましくは
メルカプト基またはチオアセチル基が挙げられる。「置
換基を有していてもよいスルホン酸基」としては、スル
ホン酸基、クロルスルホニル基、スルホンアミド基等が
挙げられる。「置換基を有していてもよいアミノ基」と
しては、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、エチルア
ミノ基もしくはジメチルアミノ基等のアルキル置換アミ
ノ基、アセトアミド基等のアシル置換アミノ基、N−カ
ルバモイル基等が挙げられる。本発明に用いる2−,3
−ジ置換アクリル酸誘導体としては、下記のものが好ま
しい。
【0010】(1)上記一般式(I)においてXが置換
基を有していてもよいチオール基、または置換基を有し
ていてもよいスルホン酸基であるもの。 (2)上記一般式(I)においてXが置換基を有してい
てもよいチオール基であるもの。 (3)上記一般式(I)においてXがメルカプト基であ
るもの。 (4)上記一般式(I)においてR2 が水素原子である
もの。 (5)上記一般式(I)においてR2 が水素原子であ
り、Xが置換基を有していてもよいチオール基であるも
の。 (6)上記一般式(I)においてR2 が水素原子であ
り、Xがメルカプト基であるもの。 (7)上記一般式(I)においてR1 が置換基を有して
いてもフェニル基であるもの。 (8)上記一般式(I)においてR1 が置換基を有して
いてもよいフェニル基であり、Xが置換基を有していて
もよいチオール基であるもの。 (9)上記一般式(I)においてR1 が置換基を有して
いてもよいフェニル基であり、Xがメルカプト基である
もの。 (10)上記一般式(I)においてR1 が置換基を有し
ていてもよいフェニル基であり、R2 が水素原子であ
り、Xが置換基を有していてもよいチオール基であるも
の。 (11)上記一般式(I)においてR1 が置換基を有し
ていてもよいフェニル基であり、R2 が水素原子であ
り、Xがメルカプト基であるもの。また、「Xが置換基
を有していてもよいチオール基」以外の基である場合、
好ましい2−,3−ジ置換アクリル酸誘導体としては、
下記のものが挙げられる。 (12)上記一般式(I)においてXがニトロ基、シア
ノ基または低級アルキルオキシ基である場合には、R1
が置換基を有していてもよいフェニル基であるもの。 (13)上記一般式(I)においてXが置換基を有して
いてもよいアミノ基である場合には、R1 が置換基を有
していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい
カルボキシル基、水酸基、低級アルキルオキシ基または
置換基を有していてもよい複素環基であるもの。
【0011】尚、本発明において上記一般式(I)の2
−,3−ジ置換アクリル酸誘導体に微生物の菌体および
/またはその調整物を作用させると、該誘導体が立体選
択的に水素添加され、上記一般式(II)の2−,3−ジ
置換プロピオン酸誘導体が製造されるが、通常、微生物
を作用させる前後でR1 、R2 およびXは変化しない。
但し、Xがアルキルチオ基もしくはアセチルチオ基等の
置換されたチオール基である場合には、選択する微生物
により、Xがメルカプト基に変換された3−置換−2−
メルカプトプロピオン酸誘導体が製造されることがあ
る。
【0012】本発明で用いる微生物の菌体及び/又はそ
れらの調製物としては、キャンディダ属、ピキア属、ロ
デロマイセス属、ホルモネマ属、ロドトルラ属、ドチオ
ラ属、ディスコスフェリナ属、プリングスヘイミア属、
ヤロヴィア属及びロドスポリディウム属からなる群より
選ばれる菌体及び/又はそれらの調製物が挙げられる。
本発明の製造方法に用いる上記微生物としては、2−,
3−ジ置換アクリル酸誘導体に作用してこれを立体選択
的に水素添加する能力を有するものであれば特に制限さ
れないが、2−,3−ジ置換アクリル酸誘導体に作用し
てこれを立体選択的に水素添加する能力の点から、微生
物の種としては、例えば、キャンディダ・エッチェルジ
イ(Candida etchellsii)、ピキア・ハプロフィラ(Pichi
a haplophila)、ロデロマイセス・エロンギスポラス(L
odderomyces elongisporus)、ホルモネマ・プルノルム
(Hormonema prunorum)、ロドトルラ・グルティニス(Rho
dotorula glutinis)、ドチオラ・エリプチカ(Dothiora
elliptica)、ディスコスフェリナ・ファギ(Discosphaer
ina fagi)、プリングスヘイミア・セピンコラ(Pringshe
imia sepincola)、ヤロヴィア・リポリチカ(Yarrowia l
ipolytica)、ロドスポリディウム・トルロイデス(Rhodo
sporidium toruloides)等が好ましいものとして挙げら
れる。
【0013】上記の微生物の具体的な菌株としては、 キャンディダ・エッチェルジイ(Candida etchellsii)IF
O1592 ピキア・ハプロフィラ(Pichia haplophila)IFO0947 ロデロマイセス・エロンギスポラス(Lodderomyces elon
gisporus)IFO1676 ホルモネマ・プルノルム(Hormonema prunorum)CBS935.7
2 ロドトルラ・グルティニス(Rhodotorula glutinis)IFO0
395 ドチオラ・エリプチカ(Dothiora elliptica)CBS736.71 ディスコスフェリナ・ファギ(Discosphaerina fagi)CBS
171.93 プリングスヘイミア・セピンコラ(Pringsheimia sepinc
ola)CBS748.71 ヤロヴィア・リポリチカ(Yarrowia lipolytica)ATCC866
1 ロドスポリディウム・トルロイデス(Rhodosporidium to
ruloides)IFO0559 等の菌株を挙げることができる。
【0014】また、上記微生物は、変異株、あるいは細
胞融合もしくは遺伝子組換え法などの遺伝学的手法によ
り誘導される組換え株などのいずれの株であってもよ
い。また、上記の菌株はいずれも公知の菌株であり、そ
れぞれ、(財)発酵研究所(IFO)、セントラルビューロ
ーフォーシュメルカルチャーズ(CBS)、アメリカンタイ
プカルチャーコレクション(ATCC)、から容易に入手する
ことができる。
【0015】本発明の製造方法においては、上記微生物
の1種あるいは2種以上が菌体及び/又はそれらの調製
物の形で用いられる。具体的には、上記微生物を培養し
て得られた菌体をそのまま、あるいは培養して得られた
菌体をアセトン処理したもの、凍結乾燥処理したもの、
菌体を物理的または酵素的に破砕したもの等の菌体処理
物を用いることができる。また、これらの菌体又は調製
物から、上記一般式(I)で表される2−,3−ジ置換
アクリル酸誘導体に作用してこれを立体選択的に水素添
加して上記一般式(II)で表される光学活性な2−,
3−ジ置換プロピオン酸誘導体へ変換する能力を有する
酵素画分を粗製物あるいは精製物として取り出して用い
ることも可能である。さらには、このようにして得られ
た菌体、調製物、酵素画分等をポリアクリルアミドゲ
ル、カラギーナンゲル等の担体に固定化したもの等を用
いることも可能である。そこで本明細書において、「菌
体及び/又はそれらの調製物」の用語は、上述の菌体、
調製物、酵素画分、及びそれらの固定化物全てを含有す
る概念として用いられる。
【0016】以下に、本発明の製造方法について具体的
に説明する。本発明の製造方法において微生物は、通
常、培養して用いられるが、この培養については常法通
り行うことができる。培養に使用する培地としては、グ
ルコース、シュークロース、グリセリン、クエン酸等の
炭素源、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム等の無機窒
素源、酵母エキス、ペプトン、尿素、肉エキス、コーン
スティープリカー等の有機窒素源、マグネシウム、カリ
ウム等の無機塩類、リン酸等を適宜組み合わせて含有し
たものを用いればよい。又、これらの成分以外にも、反
応活性を促進するための物質として、無機塩類、微量金
属類、アミノ酸類、あるいはビタミン類を添加すること
も可能である。培養は、培地のpHを3〜10の範囲に
調整し、温度10〜45℃で、1〜10日の範囲で活性
が最大になるまで行うことが好ましい。
【0017】本発明においては、この様に培養して得ら
れる微生物の菌体及び/又はその調製物と上記一般式
(I)で表される2−,3−ジ置換アクリル酸誘導体と
を水性媒体中で接触させて反応させ、反応生成物として
上記一般式(II)で表される光学活性な2−,3−ジ置
換プロピオン酸誘導体を得る。ここで用いられる水性媒
体としては、水、緩衝液または培養液等が挙げられる
が、この水性媒体には、水溶性有機溶媒または脂溶性有
機溶媒を適宜含有させることも可能である。又、反応に
際して、反応液にグルコース、シュークロース、フルク
トース、エタノール、メタノール等の炭素源をエネルギ
ー源として添加することにより収量が向上することが明
らかである。
【0018】反応液に添加する2−,3−ジ置換アクリ
ル酸誘導体の量はその反応液中の濃度が0.01〜50
重量%となる程度の量であり、添加された2−,3−ジ
置換アクリル酸誘導体は反応液中で水性媒体に必ずしも
完全に溶解していなくてもよい。又、反応に基質阻害が
起こる場合には、反応が進むにつれて消費される2−,
3−ジ置換アクリル酸誘導体を消費された量だけ連続的
にあるいは間歇的に添加していくことにより生成物の蓄
積量をより向上させることが可能である。反応液に添加
する微生物の菌体及び/又はその調製物の量は、菌体を
添加する場合は、反応液にその菌体濃度が0.01〜2
0重量%程度となるように添加し、酵素のような調製物
を用いる場合には、酵素の比活性を求め、添加したとき
に上記菌体濃度に相当する酵素濃度になるような量を添
加する。この反応における好ましい反応条件は、反応温
度が氷点〜70℃、好ましくは10〜40℃、pHが2
〜11、好ましくは4〜9、反応時間が1〜100時間
程度である。
【0019】上記一般式(I)で表される2−,3−ジ
置換アクリル酸誘導体に上記微生物を作用させて光学活
性な2−,3−ジ置換プロピオン酸誘導体を製造する方
法として、本微生物を培養し、得られた菌体懸濁液に上
記一般式(I)で表される2−,3−ジ置換アクリル酸
誘導体を添加し反応させ光学活性な2−,3−ジ置換プ
ロピオン酸誘導体を得る方法、培地に上記一般式(I)
で表される2−,3−ジ置換アクリル酸誘導体を添加し
培養と反応を同時に行う方法、あるいは培養終了後、上
記一般式(I)で表される2−,3−ジ置換アクリル酸
誘導体を添加して更に反応を行う方法等を用いることが
できる。
【0020】上記反応により反応生成物として光学活性
な2−,3−ジ置換プロピオン酸誘導体が得られるが、
反応液から目的生成物である光学活性な2−,3−ジ置
換プロピオン酸誘導体を単離する方法としては、遠心分
離等にて菌体及び/又はその調製物を除去した後、硫酸
等を添加して反応液を酸性化したのち、クロロホルム、
酢酸エチル、ジエチルエーテル等の有機溶媒で光学活性
な2−,3−ジ置換プロピオン酸誘導体を抽出し、晶
析、カラムクロマトグラフィ等の公知の方法を利用して
単離する等の方法を挙げることができる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、その要旨を越えない限り本発明の技術分野
における通常の変更をすることができる。 実施例1 下記表1に示す各種微生物の菌体をそれぞれ、グルコー
ス2.0%、酵母エキス1.0%、ポリペプトン1.0
%を含み、pH6.0とした培地の50mLずつに接種
し、27℃で24〜48時間好気的に培養した。培養終
了後、遠心分離により菌体を集め100mMリン酸カリ
ウム緩衝液(pH7.5)で洗浄した後、これらの菌体
を、それぞれグルコース2.0%を含む同緩衝液10m
Lに懸濁させた。これらの菌体懸濁液に3−フェニル−
2−メルカプトアクリル酸を20mgずつ添加して、3
0℃で12時間反応を実施した。
【0022】反応終了後、各反応液から遠心分離により
菌体を除去し、反応上清を10N硫酸でpH2とした
後、ジエチルエーテルを10mlずつ添加し抽出を行
い、ジエチルエーテル層を減圧濃縮し生成物3−フェニ
ル−2−メルカプトプロピオン酸を得た。:1H−NMR(5
00MHz,CDCl3) δ2.15(d,J=9Hz,1H,SH), 2.99(dd,J=14,7
Hz,1H,benzylic), 3.25(dd,J=14,8Hz,1H,benzylic), 3.
61(m,1H,α−H), 7.25(m,5H,aromatic), 8.25(br.,1H,C
OOH)
【0023】本生成物を光学分割HPLC分析[カラ
ム:ダイセルCHIRALCEL OD−H、溶離液;
ヘキサン/イソプロパノール/トリフルオロ酢酸=98/2
/0.1、流速0.7ml/分、検出:UV220nm]す
ることにより、光学純度測定とともに絶対配置を求め
た。また、逆相HPLC分析[コスモシール5C18、
溶離液;60%メタノール水溶液(リン酸0.05
%)、流速;0.5ml/分、UV;220nm]によ
り、上記反応終了後の反応上清中の3−フェニル−2−
メルカプトプロピオン酸の反応収率を求めた。得られた
結果を表1に示す。
【0024】
【表1】 反応収率 光学純度 絶対配置 微生物 [%] [%e.e.] キャンディダ・エッチェルジイIFO1592 70 34 S ピキア・ハプロフィラIFO0947 75 78 S ロデロマイセス・エロンギスポラスIFO1676 65 91 S ホルモネマ・プルノルムCBS935.72 30 96 S ロドトルラ・グルティニスIFO0395 35 90 S ドチオラ・エリプチカCBS736.71 40 96 S ディスコスフェリナ・ファギCBS171.93 22 92 S プリングスヘイミア・セピンコラCBS748.71 35 95 S ヤロヴィア・リポリチカATCC8661 90 40 R ロドスポリディウム・トルロイデスIFO0559 75 65 R
【0025】実施例2 下記表2に示す各種微生物の菌体をそれぞれ、グルコー
ス2.0%、酵母エキス1.0%、ポリペプトン1.0
%を含み、pH6.0とした培地の50mLずつに接種
し、27℃で24〜48時間好気的に培養した。培養終
了後、遠心分離により菌体を集め100mMリン酸カリ
ウム緩衝液(pH7.5)で洗浄した後、これらの菌体
を、それぞれグルコース2.0%を含む同緩衝液10m
Lに懸濁させた。これらの菌体懸濁液に3−フェニル−
2−チオアセチルアクリル酸を20mgずつ添加して、
30℃で12時間反応を実施した。
【0026】反応終了後、各反応液から遠心分離により
菌体を除去し、反応上清を10N硫酸でpH2とした
後、ジエチルエーテルを10mlずつ添加し抽出を行
い、ジエチルエーテル層を減圧濃縮し生成物3−フェニ
ル−2−メルカプトプロピオン酸を得た。実施例1と同
様に、本生成物の光学純度、及び上記反応終了後の反応
上清中の3−フェニル−2−メルカプトプロピオン酸の
反応収率を求めた。得られた結果を表2に示す。
【0027】
【表2】 反応収率 光学純度 絶対配置 微生物 [%] [%e.e.] ピキア・ハプロフィラIFO0947 65 59 S ロデロマイセス・エロンギスポラスIFO1676 45 89 S ロドスポリディウム・トルロイデスIFO0559 72 62 R
【0028】
【発明の効果】本発明の微生物を用いた光学活性な2
−,3−ジ置換プロピオン酸誘導体の製造方法は従来の
方法に比べ安価な方法であることから、光学活性な2
−,3−ジ置換プロピオン酸誘導体の工業的な生産を行
う際に非常に有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:72) (C12P 11/00 C12R 1:84) (C12P 11/00 C12R 1:645)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (上記一般式(I)中、R1 は、置換基を有していても
    よいアルキル基、置換基を有していてもよいカルボキシ
    ル基、水酸基、低級アルキルオキシ基、置換基を有して
    いてもよいアリール基または置換基を有していてもよい
    複素環基を示す。R2 は、水素原子または炭素数1〜6
    の低級アルキル基を示す。Xは、ニトロ基、シアノ基、
    低級アルキルオキシ基、置換基を有していてもよいチオ
    ール基、置換基を有していてもよいスルホン酸基または
    置換基を有していてもよいアミノ基を示す。)で表され
    る2−,3−ジ置換アクリル酸誘導体に、該誘導体の炭
    素−炭素二重結合に立体選択的に水素添加する能力を有
    する微生物の菌体及び/又はそれらの調製物を作用させ
    ることを特徴とする下記一般式(II) 【化2】 (上記一般式(II)中、R1 、R2 、およびXは上記
    一般式(I)中のR1 、R2 、およびXと同義であ
    る。)で表される光学活性な2−,3−ジ置換プロピオ
    ン酸誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 Xが置換基を有していてもよいチオール
    基である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 Xが−SR3 (R3 は水素原子、アセチ
    ル基またはメチル基を示す。)である2−,3−ジ置換
    アクリル酸誘導体に微生物の菌体及び/又はそれらの調
    製物を作用させ、光学活性な3−置換−2−メルカプト
    プロピオン酸誘導体を製造することを特徴とする請求項
    1記載の方法。
  4. 【請求項4】 Xがメルカプト基である請求項3記載の
    方法。
  5. 【請求項5】 R2 が水素原子である請求項1記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 R1 が置換基を有していてもよいフェニ
    ル基である請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 R1 がフェニル基であり、R2 が水素原
    子である請求項2〜4記載の方法。
  8. 【請求項8】 R1 が置換基を有していてもよいフェニ
    ル基であり、Xがニトロ基、シアノ基または低級アルキ
    ルオキシ基である請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 R1 が置換基を有していてもよいアルキ
    ル基、置換基を有していてもよいカルボキシル基、水酸
    基、低級アルキルオキシ基または置換基を有していても
    よい複素環基であり、Xが置換基を有していてもよいア
    ミノ基である請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 微生物が、キャンディダ属、ピキア
    属、ロデロマイセス属、ホルモネマ属、ロドトルラ属、
    ドチオラ属、ディスコスフェリナ属、プリングスヘイミ
    ア属、ヤロヴィア属、及びロドスポリディウム属からな
    る群より選ばれた属に属することを特徴とする請求項1
    〜9いずれか記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6379935B1 (en) 1998-08-07 2002-04-30 Showa Denko Kabushiki Kaisha Method of producing α-halo-α,β-saturated carbonyl compounds from the corresponding α,β-unsaturated compounds
US7094926B2 (en) 2000-01-25 2006-08-22 Kaneka Corporation Process for producing optically active carboxylic acid substituted in 2-position

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