JP2001149088A - 光学活性1−置換−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体の製造方法 - Google Patents

光学活性1−置換−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体の製造方法

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JP2001149088A
JP2001149088A JP33221099A JP33221099A JP2001149088A JP 2001149088 A JP2001149088 A JP 2001149088A JP 33221099 A JP33221099 A JP 33221099A JP 33221099 A JP33221099 A JP 33221099A JP 2001149088 A JP2001149088 A JP 2001149088A
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So Asada
創 浅田
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光学活性1−置換−3−アミノ−4−フェニル
−2−ブタノン誘導体から光学活性1−置換−3−アミ
ノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体へ立体選択的
に回収率良く還元する方法を提供する。 【解決手段】光学活性1−置換−3−アミノ−4−フェ
ニル−2−ブタノン誘導体に微生物またはその処理物を
作用させ、生成する光学活性1−置換−3−アミノ−4
−フェニル−2−ブタノール誘導体を採取することから
なる光学活性1−置換−3−アミノ−4−フェニル−2
−ブタノール誘導体の立体選択的高収率な製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学活性1−置換−
3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体の製
造方法に関する。光学活性1−置換−3−アミノ−4−
フェニル−2−ブタノール誘導体は、例えばHIVプロ
テアーゼ阻害剤の合成中間体としても用いられており、
光学活性な医薬品の合成中間体として有用である。
【0002】
【従来の技術】光学活性3−(tert−ブトキシカル
ボニル)アミノ−4−フェニル−1,2−ブタンジオー
ルの製造方法としては、光学活性1−ヒドロキシ−3−
(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−4−フェニ
ル−2−ブタノンからの水素化ホウ素ナトリウムによる
化学的還元方法が知られている(テトラヘドロン アシ
ンメトリー(Tetrahedron Asymmet
ry):第7巻、1181頁、1996年)。しかし、
立体選択性は低く(最大70%程度)、還元剤も比較的
高価であることから工業的製造法としては適していな
い。
【0003】一方、様々なカルボニル化合物にパン酵母
等の微生物を作用させて還元し、対応する光学活性ヒド
ロキシ化合物を得る試みがなされているが、その立体選
択性と変換率が満足できるものは少ない。また、光学活
性1−ハロ−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノン
誘導体に微生物を作用させて光学活性1−ハロ−3−ア
ミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体を製造する
方法が、特開平9−285号公報に開示されている。し
かしながら、1位を酸素官能基で置換された2−ブタノ
ン誘導体について微生物を用いた還元方法はこれまで知
られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、微生物また
はその処理物により下記一般式(1)で表される光学活
性1−置換−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノン
誘導体を下記一般式(2)で表される光学活性1−置換
−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体へ
立体選択的に収率良く還元する方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、 1) 一般式(1):
【0006】
【化3】
【0007】(式中、Yは水酸基またはそれから誘導さ
れる基を表す。R、R は、独立して、水素原子、
水酸基またはそれから誘導される基、低級アルキル基、
ニトロ基、アミノ基またはそれから誘導される基、また
は、シアノ基を表す。P 、P は、独立して、水素
原子若しくはアミノ基の保護基を表すか、または、P
、P が一緒になってフタロイル基を表す。)で表さ
れる光学活性1−置換−3−アミノ−4−フェニル−2
−ブタノン誘導体を一般式(2):
【0008】
【化4】
【0009】(式中、Y、R、R 、P、P
は、前記と同じ。)で表される光学活性1−置換−3−
アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体に変換す
る能力を有し、キャンディダ(Candida)属、デ
バリオミセス(Debaryomyces)属、ハンセ
ヌラ(Hansenula)属、パキソレン(Pach
ysolen)属、ピキア(Pichia)属、サッカ
ロミセス(Saccharomyces)属からなる微
生物群から選ばれる少なくとも1種の微生物を、前記一
般式(1)の光学活性2−ブタノン誘導体に作用させ、
前記一般式(2)の光学活性2−ブタノール誘導体を採
取することを特徴とする光学活性1−置換−3−アミノ
−4−フェニル−2−ブタノール誘導体の製造方法。
【0010】2)前記一般式(1)および(2)のYが
水酸基、アシロキシ基あるいは低級アルキルまたは置換
していてもよいアリールスルホニルオキシ基を、P
が、独立して、水素原子または炭素数1乃至5のア
ルコキシカルボニル基または置換していてもよいベンジ
ルオキシカルボニル基である上記1)記載の光学活性1
−置換−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘
導体の製造方法。
【0011】3)前記一般式(1)および(2)のYが
水酸基、炭素数1乃至7のアシロキシ基あるいは低級ア
ルキルまたは置換していてもよいアリールスルホニルオ
キシ基、R、RおよびPが水素原子、Pがte
rt−ブトキシカルボニル基である上記1)または2)
に記載の光学活性1−置換−3−アミノ−4−フェニル
−2−ブタノール誘導体の製造方法。
【0012】4)光学活性1−置換−3−アミノ−4−
フェニル−2−ブタノン誘導体が(3S)体であり、光
学活性1−置換−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタ
ノール誘導体が(2S,3S)体および/または(2
R,3S)体である上記1)乃至3)に記載の光学活性
1−置換−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノール
誘導体の製造方法。
【0013】5)光学活性1−置換−3−アミノ−4−
フェニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−3−(te
rt−ブトキシカルボニル)アミノ−1−ヒドロキシ−
4−フェニル−2−ブタノンであり、光学活性1−置換
−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体が
(2S,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニ
ル)アミノ−4−フェニル−1,2−ブタンジオールで
ある上記1)記載の2−ブタノール誘導体の製造方法。
【0014】6)光学活性1−置換−3−アミノ−4−
フェニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−3−(te
rt−ブトキシカルボニル)アミノ−1−ヒドロキシ−
4−フェニル−2−ブタノンであり、光学活性1−置換
−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体が
(2S,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニ
ル)アミノ−4−フェニル−1,2−ブタンジオールで
あり、微生物がキャンディダ ロブスタ(Candid
a robusta)、デバリオミセス グロボサス
(Debaryomyces globosus)HU
T7224、ハンセヌラ ウィニゲイ(Hansenu
la winigei)、ピキア メンブラナファシエ
ンス(Pichia membranaefacien
s)、ピキアボビス(Pichia bovis)、サ
ッカロミセス ウィリアナス(Saccharomyc
es willianus)、サッカロミセス ロキシ
(Saccharomyces rouxii)である
上記1)記載の2−ブタノール誘導体の製造方法。
【0015】7)光学活性1−置換−3−アミノ−4−
フェニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−3−(te
rt−ブトキシカルボニル)アミノ−1−ヒドロキシ−
4−フェニル−2−ブタノンであり、光学活性1−置換
−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体が
(2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニ
ル)アミノ−4−フェニル−1,2−ブタンジオールで
ある上記1)記載の2−ブタノール誘導体の製造方法。
【0016】8)光学活性1−置換−3−アミノ−4−
フェニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−3−(te
rt−ブトキシカルボニル)アミノ−1−ヒドロキシ−
4−フェニル−2−ブタノンであり、光学活性1−置換
−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体が
(2R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニ
ル)アミノ−4−フェニル−1,2−ブタンジオールで
あり、微生物がデバリオミセス グロボサス(Deba
ryomyces globosus)HUT700
6、ピキア ロベルシ(Pichia roberts
ii)、サッカロミセス デルブルエキ(Saccha
romyces delbrueckii)である上記
1)記載の2−ブタノール誘導体の製造方法。
【0017】9)光学活性1−置換−3−アミノ−4−
フェニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−1−アセト
キシ−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−
4−フェニル−2−ブタノンであり、光学活性1−置換
−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体が
(2S,3S)−1−アセトキシ−3−(tert−ブ
トキシカルボニル)アミノ−4−フェニル−2−ブタノ
ールである上記1)記載の2−ブタノール誘導体の製造
方法。
【0018】10)光学活性1−置換−3−アミノ−4
−フェニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−1−アセ
トキシ−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ
−4−フェニル−2−ブタノンであり、光学活性1−置
換−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体
が(2S,3S)−1−アセトキシ−3−(tert−
ブトキシカルボニル)アミノ−4−フェニル−2−ブタ
ノールであり、微生物がサッカロミセス ロキシ(Sa
ccharomyces rouxii)である上記
1)記載の2−ブタノール誘導体の製造方法。
【0019】11)光学活性1−置換−3−アミノ−4
−フェニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−1−アセ
トキシ−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ
−4−フェニル−2−ブタノンであり、光学活性1−置
換−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体
が(2R,3S)−1−アセトキシ−3−(tert−
ブトキシカルボニル)アミノ−4−フェニル−2−ブタ
ノールである上記1)記載の2−ブタノール誘導体の製
造方法。
【0020】12)光学活性1−置換−3−アミノ−4
−フェニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−1−アセ
トキシ−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ
−4−フェニル−2−ブタノンであり、光学活性1−置
換−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体
が(2R,3S)−1−アセトキシ−3−(tert−
ブトキシカルボニル)アミノ−4−フェニル−2−ブタ
ノールであり、微生物がデバリオマイセス グロボサス
(Debaryomyces globosus)、ハ
ンセヌラ サチュルナス(Hansenula sat
urnus)、パキソレン タンノフィラス(Pach
ysolen tannophilus)、ピキア フ
ァリノサ(Pichia farinosa)、サッカ
ロミセスセレビシエ(Saccharomyces c
erevisiae)、サッカロミセス ロゼイ(Sa
ccharomyces rosei)である上記1)
記載の2−ブタノール誘導体の製造方法。
【0021】13)光学活性1−置換−3−アミノ−4
−フェニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−3−(t
ert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−メタンスル
ホニルオキシ−4−フェニル−2−ブタノンであり、光
学活性1−置換−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタ
ノール誘導体が(2S,3S)−3−(tert−ブト
キシカルボニル)アミノ−1−メタンスルホニルオキシ
−4−フェニル−2−ブタノールである上記1)記載の
2−ブタノール誘導体の製造方法。
【0022】14)光学活性1−置換−3−アミノ−4
−フェニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−3−(t
ert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−メタンスル
ホニルオキシ−4−フェニル−2−ブタノンであり、光
学活性1−置換−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタ
ノール誘導体が(2S,3S)−3−(tert−ブト
キシカルボニル)アミノ−1−メタンスルホニルオキシ
−4−フェニル−2−ブタノールであり、微生物がキャ
ンディダ プルケリマ(Candida pulche
rrima)、ハンセヌラ カリフォルニカ(Hans
enula carifornica)、サッカロミセ
ス ロキシ(Saccharomycesrouxi
i)である上記1)記載の2−ブタノール誘導体の製造
方法。
【0023】15)光学活性1−置換−3−アミノ−4
−フェニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−3−(t
ert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−メタンスル
ホニルオキシ−4−フェニル−2−ブタノンであり、光
学活性1−置換−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタ
ノール誘導体が(2R,3S)−3−(tert−ブト
キシカルボニル)アミノ−1−メタンスルホニルオキシ
−4−フェニル−2−ブタノールである上記1)記載の
2−ブタノール誘導体の製造方法。
【0024】16)光学活性1−置換−3−アミノ−4
−フェニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−3−(t
ert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−メタンスル
ホニルオキシ−4−フェニル−2−ブタノンであり、光
学活性1−置換−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタ
ノール誘導体が(2R,3S)−3−(tert−ブト
キシカルボニル)アミノ−1−メタンスルホニルオキシ
−4−フェニル−2−ブタノールであり、微生物がピキ
ア メンブラナファシエンス(Pichia memb
ranaefaciens)、サッカロミセス ウバラ
ム(Saccharomyces uvarum)であ
る上記1)記載の2−ブタノール誘導体の製造方法。に
関する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0026】上記一般式(1)および(2)における水
酸基から誘導される基としては、例えば水酸基がアシル
化された官能基、アルキルオキシカルボニル化された官
能基、アラルキルオキシカルボニル化された官能基、ア
ルキルまたは置換していてもよいアリールスルホン化さ
れた官能基、またはアルコキシル基等が挙げられ、好ま
しくはアシル化された官能基またはアルキルスルホン化
された官能基が挙げられる。具体的なアシル基としては
例えば、アセチル基、プロピオニル基、アクリロイル
基、プロピオロイル基、n−ブチリル基、イソブチリル
基、クロトノイル基、バレリル基、イソバレリル基、ピ
バロイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基等が挙げられ
る。好ましいアシル基としてはアセチル基である。具体
的なアルキルスルホニル基としては例えば、メタンスル
ホニル基、エタンスルホニル基等が挙げられ、好ましく
はメタンスルホニル基である。アルコキシル基として
は、例えばメトキシル基、エトキシル基、イソプロポキ
シル基、tert-ブトキシル基、フェノキシル基、ベンジ
ロキシル基等が挙げられ、低級アルキル基としては、例
えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロプロ
ピル基、tert−ブチル基、シクロブチル基等が挙げ
られる。アミノ基またはそれから誘導される基として
は、例えばアミノ基がアルキル化、アシル化またはスル
ホニル化された官能基、ヒドロキシアミノ基、イミノ
基、アミノ基の窒素原子を含んだ複素環等があげられ
る。P 、P としてのアミノ基の保護基としては特
に限定されず、通常アミノ基の保護に用いられる保護基
を挙げることができ、メトキシカルボニル基、tert
−ブトキシカルボニル基、ベンジロキシカルボニル基、
エトキシカルボニル基、アセチル基、トリフルオロアセ
チル基、ベンジル基、ジベンジル基、フタロイル基、p
−トルエンスルホニル基、ベンゾイル基等を挙げること
ができる。好ましくはメトキシカルボニル基、tert
−ブトキシカルボニル基、ベンジロキシカルボニル基、
フタロイル基等が挙げられ、更に好ましくはtert−
ブトキシカルボニル基が挙げられる。置換しても良い官
能基としては、一般式(1)のR に記載の官能基が挙
げられる。
【0027】上記光学活性1−置換−3−アミノ−4−
フェニル−2−ブタノン誘導体は、テトラヘドロン ア
シンメトリー(Tetrahedron Asymme
try):第7巻、1181頁、1996年やジャーナ
ル オブ メジシナル ケミストリー(Journal
of Medicinal Chemistry):
第19巻、1284頁、1976年に開示されている方
法を用いて調製することができるが、それらの方法に限
定されるものではない。本発明に基質として使用されう
る光学活性1−置換−3−アミノ−4−フェニル−2−
ブタノン誘導体は、例えば以下の表1に示す化合物が挙
げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0028】
【表1】 *:フタロイル基はP とP が一緒になって形成さ
れる。
【0029】本発明に使用しうる微生物は、光学活性1
−置換−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノン誘導
体を光学活性1−置換−3−アミノ−4−フェニル−2
−ブタノール誘導体へ立体選択的に還元する能力を持つ
微生物であれば特に限定されないが、キャンディダ(C
andida)属、デバリオミセス(Debaryom
yces)属、ハンセヌラ(Hansenula)属、
パキソレン(Pachysolen)属、ピキア(Pi
chia)属、サッカロミセス(Saccharomy
ces)属からなる微生物群より選ばれる少なくとも1
種の微生物が好ましい。また、基質と微生物の組合せに
より、還元体の立体異性体の生成比が異なる。従って、
微生物を適宜選択することにより、所望の立体配置を有
する光学活性1−置換−3−アミノ−4−フェニル−2
−ブタノール誘導体を得ることができる。更に、具体的
には例えば、(3S)−1−ヒドロキシ−3−(ter
t−ブトキシカルボニル)アミノ−4−フェニル−2−
ブタノンに、キャンディダ ロブスタ(Candida
robusta)HUT7096、デバリオミセス
グロボサス(Debaryomyces globos
us)HUT7224、ハンセヌラ ウィニゲイ(Ha
nsenula winigei)HUT7341、ピ
キア ボビス(Pichia bovis)HUT73
11、ピキア メンブラナファシエンス(Pichia
membranaefaciens)HUT729
5、ピキア メンブラナファシエンス(Pichia
membranaefaciens)HUT7304、
サッカロミセス ロキシ(Saccharomyces
rouxii)HUT7267、サッカロミセス ウ
ィリアナス(Saccharomyces willi
anus)HUT7107を作用させた場合には、主生
成物として(2S,3S)−3−(tert−ブトキシ
カルボニル)アミノ−4−フェニル−1,2−ブタンジ
オールが得られる。
【0030】また、例えば、(3S)−1−アセチルオ
キシ−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−
4−フェニル−2−ブタノンに、サッカロミセス ロキ
シ(Saccharomyces rouxii)HU
T7267、サッカロミセスロキシ(Saccharo
myces rouxii)HUT7191、サッカロ
ミセス ロキシ(Saccharomyces rou
xii)IFO0494を作用させた場合には、主生成
物として(2S,3S)−1−アセチルオキシ−3−
(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−4−フェニ
ル−2−ブタノールが得られる。更にまた、例えば、
(3S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミ
ノ−1−メタンスルフォニルオキシ−4−フェニル−2
−ブタノンに、キャンディダ プルケリマ(Candi
da pulcherrima)HUT7502、ハン
セヌラ カリフォルニカ(Hansenula car
ifornica)HUT7321、サッカロミセス
ロキシ(Saccharomyces rouxii)
HUT7191を作用させた場合には、主生成物として
(2S,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニ
ル)アミノ−1−メタンスルフォニルオキシ−4−フェ
ニル−2−ブタノールが得られる。
【0031】一方また、例えば、(3S)−1−ヒドロ
キシ−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−
4−フェニル−2−ブタノンにデバリオミセス グロボ
サス(Debaryomyces globosus)
HUT7006、ピキア ロベルシ(Pichia r
obertsii)HUT7282、サッカロミセスデ
ルブルエキ(Saccharomyces delbr
ueckii)HUT7183を作用させた場合には、
主生成物として(2R,3S)−3−(tert−ブト
キシカルボニル)アミノ−4−フェニル−1,2−ブタ
ンジオールが得られる。また、例えば、(3S)−1−
アセチルオキシ−3−(tert−ブトキシカルボニ
ル)アミノ−4−フェニル−2−ブタノンに、デバリオ
ミセス グロボサス(Debaryomyces gl
obosus)HUT7006、デバリオミセス グロ
ボサス(Debaryomyces globosu
s)HUT7224、ハンセヌラ サチュルナス(Ha
nsenula saturnus)HUT7087、
パキソレン タンノフィラス(Pachysolen
tannophilus)HUT7270、ピキア フ
ァリノサ(Pichia farinosa)HUT7
310、サッカロミセス セレビシエ(Sacchar
omyces cerevisiae)HUT709
9、サッカロミセス セレビシエ(Saccharom
yces cerevisiae)HUT7119、サ
ッカロミセス ロゼイ(Saccharomyces
rosei)HUT7160を作用させた場合には、主
生成物として(2R,3S)−1−アセチルオキシ−3
−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−4−フェ
ニル−2−ブタノールが得られる。更にまた、例えば、
(3S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミ
ノ−1−メタンスルフォニルオキシ−4−フェニル−2
−ブタノンに、ピキア メンブラナファシエンス(Pi
chia membranaefaciens)HUT
7095、サッカロミセス ウバラム(Sacchar
omyce uvarum)HUT7113を作用させ
た場合には、主生成物として(2R,3S)−3−(t
ert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−メタンスル
フォニルオキシ−4−フェニル−2−ブタノールが得ら
れる。これら本発明で使用される微生物は、例えば広島
大学工学部発酵工学教室(HUT)や財団法人醗酵研究
所(IFO)等から購入可能である。
【0032】微生物の培養に用いる培地は微生物が増殖
しうるものであれば特に限定されない。培地の炭素源と
しては、微生物が資化可能であればいずれも使用でき、
例えばグルコース、フルクトース、シュクロース、デキ
ストリン、デンプン等の糖類、ソルビトール、メタノー
ル、エタノール、グリセロール等のアルコール類、フマ
ル酸、クエン酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸類およ
びその塩類、パラフィン等の炭化水素類、およびこれら
の混合物があげられるが、グルコース等の糖類、メタノ
ール等のアルコール類が好適に用いられる。
【0033】培地の窒素源としては、例えば塩化アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無
機酸のアンモニウム塩、フマル酸アンモニウム、クエン
酸アンモニウム等の有機酸のアンモニウム塩、酵母エキ
ス、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカー、麦
芽エキス、カゼイン加水分解物、尿素等の無機および有
機含窒素化合物、およびこれらの混合物があげられる。
培地には無機塩、微量金属塩、ビタミン等の通常の培養
に用いられる栄養源を適宜添加しても良い。また、必要
に応じて微生物の増殖を促進する因子、培地pH維持に
必要な緩衝物質等を添加しても良い。
【0034】微生物の培養は、生育に適した条件、例え
ば培地pH3.0から9.5、好ましくは4.0から
8.0、温度20から45℃、好ましくは25から37
℃で、嫌気的または好気的に行うことができる。培養時
間は、5から240時間、好ましくは15から72時間
程度である。
【0035】(3S)−1−置換−3−アミノ−4−フ
ェニル−2−ブタノン誘導体から光学活性1−置換−3
−カルボニルアミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘
導体への変換は、例えば(1)微生物の培養液中に前記
2−ブタノン誘導体を添加して微生物菌体を増殖させな
がら反応を行う方法、(2)培養した微生物菌体を濾
過、遠心分離等適当な方法で培地より分離し、必要があ
れば生理食塩水や適当な緩衝液で洗浄して、前記2−ブ
タノン誘導体を含む反応液に再懸濁して反応させる方法
等があげられる。反応に用いる菌体は生菌体でも良い
し、菌体破砕、アセトン処理、凍結乾燥等の処理を行っ
た菌体処理物を用いても良い。これらの菌体およびその
処理物は、ポリアクリルアミドゲル法、含硫多糖ゲル
(カラギーナンゲル等)法、アルギン酸ゲル法、寒天ゲ
ル法等の慣用の方法で固定化して用いることもできる。
更に、菌体処理物から精製した酵素も用いることができ
る。また、前記酵素は慣用の方法を適宜組み合わせて更
に精製して用いても良い。
【0036】基質としての(3S)−1−置換−3−ア
ミノ−4−フェニル−2−ブタノン誘導体の濃度は、
0.005から90.0%(質量/容量%)、好ましく
は0.1から50%(質量/容量%)であり、粉末のま
ま添加しても良いし、微生物による還元を妨害しない適
当な溶媒を含む溶液、懸濁液または分散液として添加し
ても良い。その溶媒としては、水、反応に影響を及ぼさ
ない有機溶媒等を用いることができる。懸濁液または分
散液の場合は界面活性剤等を必要に応じて加えても良
い。添加は、反応当初に反応系に一括添加しても良い
し、基質の消費を見ながら分割して反応系に添加しても
良い。
【0037】反応系には基質である(3S)−1−置換
−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノン誘導体以外
に、反応が円滑に進行するのに必要な成分、例えば適当
な緩衝成分、界面活性剤、有機溶媒、エネルギー源等を
含んでいても良い。反応に必要なエネルギー源として
は、微生物がエネルギーの生成に利用できるものであれ
ば良く、例えば前記培地の炭素源として記載した化合物
を用いることができ、濃度は0.01から40%(質量
/容量%)、好ましくは0.1から10%(質量/容量
%)である。エネルギー源の添加は、反応当初に反応系
に一括添加しても良いし、分割して反応系に添加しても
良い。
【0038】反応pHは、例えばpH3.0から10.
0、好ましくは5.0から8.0で、適当な緩衝成分を
加えておくか、酸または塩基を逐次添加して維持しても
良い。反応温度は10から60℃、好ましくは20から
40℃である。反応は攪拌しながら行い、必要に応じて
通気しても良い。基質の消費と生成物量を見ながら反応
を行うが、通常1から120時間程度行う。
【0039】基質と生成物の分析は通常用いられる方法
を適用することができる。例えば、反応液の一部をと
り、メタノール等の有機溶媒を加えて処理後、その上清
を高速液体クロマトグラフィー(カラム:関東化学製M
ightysil RP−184.6X250mm、移
動相:25mMリン酸2水素アンモニウム/アセトニト
リル=4/6、カラム温度:40℃、流速:1.0mL
/min.、検出波長:210nm)に供して定量する
ことができる。生成した光学活性1−置換−3−アミノ
−4−フェニル−2−ブタノール誘導体は、慣用の分離
精製手段、例えば、濾過、遠心分離、膜分離、有機溶媒
による抽出、カラムクロマトグラフィー、減圧濃縮、晶
析、再結晶等を組み合わせて単離される。
【0040】
【実施例】
【0041】実施例1:(3S)−3−(tert−ブ
トキシカルボニル)アミノ−1−ヒドロキシ−4−フェ
ニル−2−ブタノンの還元 グルコース 4.0%、粉末酵母エキス 0.3%、リ
ン酸水素2アンモニウム 0.65%、リン酸2水素カ
リウム 0.1%、硫酸マグネシウム7水和物0.08
%、硫酸亜鉛7水和物 0.006%、硫酸第1鉄7水
和物 0.009%、硫酸銅5水和物 0.0005
%、硫酸マンガン4水和物 0.001%、塩化ナトリ
ウム 0.01%(単位は全て質量/容量%)を含む培
地5mlを試験管に分注して加圧蒸気滅菌後、表2にあ
げた微生物を接種し、30℃で15から24時間振とう
培養した(1次培養)。1次培養液0.1mlを新鮮培
地5mlに移植し、30℃で15から24時間振とう培
養した(2次培養)。
【0042】2次培養液から遠心分離により菌体を集
め、菌体を生理食塩水にて2回洗浄後、10mMリン酸
カリウム緩衝液(pH6.0)で1回洗浄した。洗浄し
た菌体を(3S)−3−(tert−ブトキシカルボニ
ル)アミノ−1−ヒドロキシ−4−フェニル−2−ブタ
ノン0.1%、グルコース4.0%を含む50mMリン
酸カリウム緩衝液(pH6.0)2.0mlに懸濁して
30℃で7から24時間振とう反応した。
【0043】反応液に等容のメタノールを加え攪拌抽出
後、その上清5μlを高速液体クロマトグラフィー(カ
ラム:関東化学製Mightysil RP−18
4.6X250mm、移動相:25mMリン酸2水素ア
ンモニウム/アセトニトリル=4/6、カラム温度:4
0℃、流速:1.0ml/min.、検出波長:210
nm)に供して残存する(3S)−3−(tert−ブ
トキシカルボニル)アミノ−1−ヒドロキシ−4−フェ
ニル−2−ブタノン(保持時間:4.7分)および生成し
た3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−4−
フェニル−1,2−ブタンジオール(保持時間:(2
S,3S)体 3.8分、(2R,3S)体4.0分)
を定量し、変換率および選択性を算出した。その結果を
表2に示した。
【0044】
【表2】
【0045】実施例2:(3S)−1−アセトキシ−3
−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−4−フェ
ニル−2−ブタノンの還元 表3にあげた微生物を用いて(3S)−1−アセトキシ
−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−4−
フェニル−2−ブタノンを基質として実施例1と同様に
反応を行った。その結果を表3に示した。なお、実施例
1と同様な条件での高速液体クロマトグラフィーの保持
時間は、(3S)−1−アセトキシ−3−(tert−
ブトキシカルボニル)アミノ−4−フェニル−2−ブタ
ノンが7.7分、(2S,3S)−1−アセトキシ−3
−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−4−フェ
ニル−2−ブタノールが5.2分、(2R,3S)−1
−アセトキシ−3−(tert−ブトキシカルボニル)
アミノ−4−フェニル−2−ブタノールが5.8分であ
った。
【0046】
【表3】
【0047】実施例3:(3S)−3−(tert−ブ
トキシカルボニル)アミノ−1−メタンスルホニルオキ
シ−4−フェニル−2−ブタノンの還元 表4にあげた微生物を用いて(3S)−3−(tert
−ブトキシカルボニル)アミノ−1−メタンスルホニル
オキシ−4−フェニル−2−ブタノンを基質としして実
施例1と同様に反応を行った。その結果を表4に示し
た。なお、実施例1と同様な条件での高速液体クロマト
グラフィーの保持時間は、(3S)−3−(tert−
ブトキシカルボニル)アミノ−1−メタンスルホニルオ
キシ−4−フェニル−2−ブタノンが6.9分、(2
S,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)ア
ミノ−1−メタンスルホニルオキシ−4−フェニル−2
−ブタノールが5.0分、(2R,3S)−3−(te
rt−ブトキシカルボニル)アミノ−1−メタンスルホ
ニルオキシ−4−フェニル−2−ブタノールが5.5分
であった。
【0048】
【表4】
【0049】実施例4:(2S,3S)−3−(ter
t−ブトキシカルボニル)アミノ−4−フェニル−1,
2−ブタンジオールの製造 ピキア メンブラナファシエンス(Pichia me
mbranaefaciens)HUT7304を実施
例1と同様の方法で1次培養を行い、その1.0mlを
新鮮培地50ml含む500ml容三角フラスコに接種
し、30℃で15から20時間振とう培養する。実施例
1と同様に菌体を集め洗浄後、(3S)−3−(ter
t−ブトキシカルボニル)アミノ−1−ヒドロキシ−4
−フェニル−2−ブタノン1.25%、グルコース4.
0%含む50mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)
10.0mlに懸濁して30℃で30時間振とう反応し
た。反応液を1.5倍容の酢酸エチルで3回抽出し、抽
出液を集めて無水硫酸ナトリウムで脱水後、濃縮乾固後
真空乾燥して(2S,3S)−3−(tert−ブトキ
シカルボニル)アミノ−4−フェニル−1,2−ブタン
ジオールの白色固体106mg(回収率75.2%、光
学純度100.0%)を得た。
【0050】実施例5:(2R,3S)−3−(ter
t−ブトキシカルボニル)アミノ−4−フェニル−1,
2−ブタンジオールの製造 サッカロミセス デルブルエキ(Saccharomy
ces delbrueckii)HUT7183を実
施例4と同様の方法で24時間反応させ、生成した(2
R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)ア
ミノ−4−フェニル−1,2−ブタンジオールの、白色
固体73mg(回収率47.6%、光学純度79.3
%)を得た。
【0051】
【発明の効果】本発明によりキラル化合物の合成中間体
としても有用な光学活性1−置換−3−アミノ−4−フ
ェニル−2−ブタノール誘導体を高い光学純度と得率で
得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) (C12P 13/00 (C12P 13/00 C12R 1:84) C12R 1:84) (C12P 13/00 (C12P 13/00 C12R 1:85) C12R 1:85)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1): 【化1】 (式中、Yは水酸基またはそれから誘導される基を表
    す。R、R は、独立して、水素原子、水酸基また
    はそれから誘導される基、低級アルキル基、ニトロ基、
    アミノ基またはそれから誘導される基、または、シアノ
    基を表す。P 、P は、独立して、水素原子若しく
    はアミノ基の保護基を表すか、または、P 、P
    一緒になってフタロイル基を表す。)で表される光学活
    性1−置換−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノン
    誘導体を一般式(2): 【化2】 (式中、Y、R、R 、P、P は、前記と同
    じ。)で表される光学活性1−置換−3−アミノ−4−
    フェニル−2−ブタノール誘導体に変換する能力を有
    し、キャンディダ(Candida)属、デバリオミセ
    ス(Debaryomyces)属、ハンセヌラ(Ha
    nsenula)属、パキソレン(Pachysole
    n)属、ピキア(Pichia)属、サッカロミセス
    (Saccharomyces)属からなる微生物群か
    ら選ばれる少なくとも1種の微生物を、前記一般式
    (1)の光学活性2−ブタノン誘導体に作用させ、前記
    一般式(2)の光学活性2−ブタノール誘導体を採取す
    ることを特徴とする光学活性1−置換−3−アミノ−4
    −フェニル−2−ブタノール誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記一般式(1)および(2)のYが水酸
    基、アシロキシ基あるいは低級アルキルまたは置換して
    いてもよいアリールスルホニルオキシ基を、P、P
    が、独立して、水素原子または炭素数1乃至5のアルコ
    キシカルボニル基または置換していてもよいベンジルオ
    キシカルボニル基である請求項1記載の光学活性1−置
    換−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体
    の製造方法。
  3. 【請求項3】前記一般式(1)および(2)のYが水酸
    基、炭素数1乃至7のアシロキシ基あるいは低級アルキ
    ルまたは置換していてもよいアリールスルホニルオキシ
    基、R、R およびPが水素原子、Pがter
    t−ブトキシカルボニル基である請求項1または2に記
    載の光学活性1−置換−3−アミノ−4−フェニル−2
    −ブタノール誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】光学活性1−置換−3−アミノ−4−フェ
    ニル−2−ブタノン誘導体が(3S)体であり、光学活
    性1−置換−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノー
    ル誘導体が(2S,3S)体および/または(2R,3
    S)体である請求項1乃至3に記載の光学活性1−置換
    −3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】光学活性1−置換−3−アミノ−4−フェ
    ニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−3−(tert
    −ブトキシカルボニル)アミノ−1−ヒドロキシ−4−
    フェニル−2−ブタノンであり、光学活性1−置換−3
    −アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体が(2
    S,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)ア
    ミノ−4−フェニル−1,2−ブタンジオールである請
    求項1記載の2−ブタノール誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】光学活性1−置換−3−アミノ−4−フェ
    ニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−3−(tert
    −ブトキシカルボニル)アミノ−1−ヒドロキシ−4−
    フェニル−2−ブタノンであり、光学活性1−置換−3
    −アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体が(2
    S,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)ア
    ミノ−4−フェニル−1,2−ブタンジオールであり、
    微生物がキャンディダ ロブスタ(Candida r
    obusta)、デバリオミセスグロボサス(Deba
    ryomyces globosus)HUT722
    4、ハンセヌラ ウィニゲイ(Hansenula w
    inigei)、ピキア メンブラナファシエンス(P
    ichia membranaefaciens)、ピ
    キア ボビス(Pichia bovis)、サッカロ
    ミセス ウィリアナス(Saccharomyces
    willianus)、サッカロミセス ロキシ(Sa
    ccharomyces rouxii)である請求項
    1記載の2−ブタノール誘導体の製造方法。
  7. 【請求項7】光学活性1−置換−3−アミノ−4−フェ
    ニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−3−(tert
    −ブトキシカルボニル)アミノ−1−ヒドロキシ−4−
    フェニル−2−ブタノンであり、光学活性1−置換−3
    −アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体が(2
    R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)ア
    ミノ−4−フェニル−1,2−ブタンジオールである請
    求項1記載の2−ブタノール誘導体の製造方法。
  8. 【請求項8】光学活性1−置換−3−アミノ−4−フェ
    ニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−3−(tert
    −ブトキシカルボニル)アミノ−1−ヒドロキシ−4−
    フェニル−2−ブタノンであり、光学活性1−置換−3
    −アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体が(2
    R,3S)−3−(tert−ブトキシカルボニル)ア
    ミノ−4−フェニル−1,2−ブタンジオールであり、
    微生物がデバリオミセス グロボサス(Debaryo
    myces globosus)HUT7006、ピキ
    ア ロベルシ(Pichia robertsii)、
    サッカロミセス デルブルエキ(Saccharomy
    ces delbrueckii)である請求項1記載
    の2−ブタノール誘導体の製造方法。
  9. 【請求項9】光学活性1−置換−3−アミノ−4−フェ
    ニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−1−アセトキシ
    −3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−4−
    フェニル−2−ブタノンであり、光学活性1−置換−3
    −アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体が(2
    S,3S)−1−アセトキシ−3−(tert−ブトキ
    シカルボニル)アミノ−4−フェニル−2−ブタノール
    である請求項1記載の2−ブタノール誘導体の製造方
    法。
  10. 【請求項10】光学活性1−置換−3−アミノ−4−フ
    ェニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−1−アセトキ
    シ−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−4
    −フェニル−2−ブタノンであり、光学活性1−置換−
    3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体が
    (2S,3S)−1−アセトキシ−3−(tert−ブ
    トキシカルボニル)アミノ−4−フェニル−2−ブタノ
    ールであり、微生物がサッカロミセス ロキシ(Sac
    charomyces rouxii)である請求項1
    記載の2−ブタノール誘導体の製造方法。
  11. 【請求項11】光学活性1−置換−3−アミノ−4−フ
    ェニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−1−アセトキ
    シ−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−4
    −フェニル−2−ブタノンであり、光学活性1−置換−
    3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体が
    (2R,3S)−1−アセトキシ−3−(tert−ブ
    トキシカルボニル)アミノ−4−フェニル−2−ブタノ
    ールである請求項1記載の2−ブタノール誘導体の製造
    方法。
  12. 【請求項12】光学活性1−置換−3−アミノ−4−フ
    ェニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−1−アセトキ
    シ−3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−4
    −フェニル−2−ブタノンであり、光学活性1−置換−
    3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノール誘導体が
    (2R,3S)−1−アセトキシ−3−(tert−ブ
    トキシカルボニル)アミノ−4−フェニル−2−ブタノ
    ールであり、微生物がデバリオマイセス グロボサス
    (Debaryomyces globosus)、ハ
    ンセヌラ サチュルナス(Hansenula sat
    urnus)、パキソレン タンノフィラス(Pach
    ysolen tannophilus)、ピキア フ
    ァリノサ(Pichia farinosa)、サッカ
    ロミセス セレビシエ(Saccharomyces
    cerevisiae)、サッカロミセス ロゼイ(S
    accharomyces rosei)である請求項
    1記載の2−ブタノール誘導体の製造方法。
  13. 【請求項13】光学活性1−置換−3−アミノ−4−フ
    ェニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−3−(ter
    t−ブトキシカルボニル)アミノ−1−メタンスルホニ
    ルオキシ−4−フェニル−2−ブタノンであり、光学活
    性1−置換−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノー
    ル誘導体が(2S,3S)−3−(tert−ブトキシ
    カルボニル)アミノ−1−メタンスルホニルオキシ−4
    −フェニル−2−ブタノールである請求項1記載の2−
    ブタノール誘導体の製造方法。
  14. 【請求項14】光学活性1−置換−3−アミノ−4−フ
    ェニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−3−(ter
    t−ブトキシカルボニル)アミノ−1−メタンスルホニ
    ルオキシ−4−フェニル−2−ブタノンであり、光学活
    性1−置換−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノー
    ル誘導体が(2S,3S)−3−(tert−ブトキシ
    カルボニル)アミノ−1−メタンスルホニルオキシ−4
    −フェニル−2−ブタノールであり、微生物がキャンデ
    ィダ プルケリマ(Candidapulcherri
    ma)、ハンセヌラ カリフォルニカ(Hansenu
    la carifornica)、サッカロミセス ロ
    キシ(Saccharomyces rouxii)で
    ある請求項1記載の2−ブタノール誘導体の製造方法。
  15. 【請求項15】光学活性1−置換−3−アミノ−4−フ
    ェニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−3−(ter
    t−ブトキシカルボニル)アミノ−1−メタンスルホニ
    ルオキシ−4−フェニル−2−ブタノンであり、光学活
    性1−置換−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノー
    ル誘導体が(2R,3S)−3−(tert−ブトキシ
    カルボニル)アミノ−1−メタンスルホニルオキシ−4
    −フェニル−2−ブタノールである請求項1記載の2−
    ブタノール誘導体の製造方法。
  16. 【請求項16】光学活性1−置換−3−アミノ−4−フ
    ェニル−2−ブタノン誘導体が(3S)−3−(ter
    t−ブトキシカルボニル)アミノ−1−メタンスルホニ
    ルオキシ−4−フェニル−2−ブタノンであり、光学活
    性1−置換−3−アミノ−4−フェニル−2−ブタノー
    ル誘導体が(2R,3S)−3−(tert−ブトキシ
    カルボニル)アミノ−1−メタンスルホニルオキシ−4
    −フェニル−2−ブタノールであり、微生物がピキア
    メンブラナファシエンス(Pichia membra
    naefaciens)、サッカロミセス ウバラム
    (Saccharomyces uvarum)である
    請求項1記載の2−ブタノール誘導体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010539910A (ja) * 2007-09-27 2010-12-24 イーエーペー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 中間体のエナンチオ選択的酵素的還元方法
CN103391919A (zh) * 2011-02-28 2013-11-13 台湾神隆股份有限公司 用于还原α-酰氧基硫化物衍生物的方法

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