JP2008125364A - 光学活性アミノ酸及びn−アルコキシカルボニルアミノ酸類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
光学活性アミノ酸、及び光学活性N−アルコキシカルボニルアミノ酸類を収率良く得ることができる光学活性アミノ酸、及び光学活性N−アルコキシカルボニルアミノ酸類の製造方法を提供すること。
【解決手段】
ラセミ体アミノ酸アミドを含む水溶液のpHを酸により中性付近に調整した後、アミノ酸アミドのアミダーゼによる立体選択的加水分解反応を行う。その後、該水溶液に酸がほぼ中和されるmol量の無機塩基化合物を加え、さらに水溶液の溶媒を水から炭素数3以上のアルコール溶媒で置換して光学活性アミノ酸を結晶回収する光学活性アミノ酸の製造方法。
加水分解反応液から回収された光学活性アミノ酸の精製操作を行うことなく光学活性N−アルコキシカルボニルアミノ酸製造の原料として使用する、光学活性N−アルコキシカルボニルアミノ酸の製造方法。
【選択図】なし
Description
J.Pospisek等、Collect.Czech.Chem.Commun.42,1069 (1977) Guido Bold等、J.Med.Chem.41,3387 (1998)
(1)ラセミ体アミノ酸アミドを含む水溶液の20〜30℃におけるpHを、酸を用いてpH 5.0〜9.8に調整する工程;
(2)前記水溶液に、アミダーゼ活性を有する生体触媒を加えてアミノ酸アミドの立体選択的加水分解反応を行う工程;
(3)(1)工程で使用した酸に対し、0.900〜1.100mol当量の無機塩基化合物を加える工程;
(4)前記水溶液の溶媒を、炭素数3以上のアルコール溶媒で置換する工程;
(5)光学活性アミノ酸アミドをアルコール溶液として分離し、光学活性アミノ酸結晶を回収する工程。
また、本発明では、上記製造方法によって得られた光学活性アミノ酸をさらに精製することなく使用し、該光学活性アミノ酸とN−アルコキシカルボニル化剤とを反応させる、光学活性N−アルコキシカルボニルアミノ酸類の製造方法が提供される。
本発明に関わる光学活性アミノ酸は下記一般式(I)で示される化合物の光学活性体である。
の置換基を示す。
任意の置換基としては、例えば、低級アルキル基、置換低級アルキル基、低級アルケニル基、置換低級アルケニル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、芳香族基、置換芳香族基、複素環基、又は置換複素環基等が好ましい。
光学活性アミノ酸の調製としては、例えばα−ケトカルボン酸のデヒドロゲナーゼ、または同活性を有する生体触媒用いた還元的不斉アミノ化反応、ラセミ体ヒダントインのヒダントイナーゼまたは同活性を有する生体触媒用いた立体選択的加水分解開環反応、ラセミ体N−アシル−アミノ酸のアシラーゼまたは同活性を有する生体触媒用いた立体選択的加水分解反応、ラセミ体アミノ酸エステルのエステラーゼまたは同活性を有する生体触媒用いた立体選択的加水分解反応、及びラセミ体アミノ酸アミドのアミダーゼを用いた立体選択的加水分解反応などの生体触媒反応が挙げられる。これらのうち、本発明にかかる光学活性アミノ酸の製造方法では、原料の汎用性、立体選択性などの観点から、ラセミ体アミノ酸アミドのアミダーゼ活性を有する生体触媒用いた立体選択的加水分解反応が採用される。
例えば以下に例示する(組換)微生物が産生するアミダーゼが好適に使用される。
・エンテロバクタ−・クロアッセイ N−7901(FERM BP−873)
・バチルス・ステアロサーモフィラス NCIMB8923
・サーマス・アクアティカNCIMB11243
・サーマス属 O−3−1株(FERM BP−8139)
・オクロバクテリウム・アントロピ NCIB40321
・クレブシェラ属 NCIB40322株
・E.coli JM109/pLA205( FERM BP−7132)
・E.coli JM109/pM501KN これらの微生物は、菌体をそのまま又は菌体処理物(洗浄菌体、乾燥菌体、菌体破砕物、菌体抽出物、粗又は精製酵素、及びこれらの固定化物)として反応に使用される。菌体又は菌体処理物の濃度は、その活性量により異なるがアミノ酸アミド質量に対し1/10000〜1質量、好ましくは1/1000〜1/10質量である。この範囲内であると反応時間や触媒除去操作性が容易であるなどの点で好ましい。
反応中、水溶液のpHを調整するため、適宜酸または無機塩基化合物を添加しても良い。この場合、pHは、20〜30℃での測定値が、5.0〜9.8となるように調整することが好ましく、5.5〜9.5とすることがより好ましく、6.0〜9.0とすることがさらに好ましい。
原料変換率(%)=((目的とする鏡像体の光学活性アミノ酸mol量)X 200)/((目的とする鏡像体の光学活性アミノ酸mol量)+(残アミノ酸アミドmol量))
アミダーゼによる立体選択的加水分解反応後、光学活性アミノ酸及び光学活性アミノ酸アミド含有水溶液が得られる。反応後該水溶液中の酸がほぼ中和されるmol量の無機塩基化合物を加える。無機塩基化合物を添加する操作は触媒除去前でも触媒除去後何れの段階で行っても構わない。
無機塩基化合物添加時の光学活性アミノ酸及び光学活性アミノ酸アミド含有水溶液の温度はアミノ酸、アミノ酸アミドの種類や濃度により異なるが、通常5〜70℃の範囲である。
光学活性アミノ酸及び光学活性アミノ酸アミド含有水溶液の溶媒を水から置換する前に触媒を除去する。除去方法は特に限定しないが例えば、遠心分離、ろ過等の方法を用いて行うことができる。菌体又は該処理物を除去した反応液は必要に応じて減圧濃縮操作を行ってもよい。
次に、上述のごとく調製した光学活性アミノ酸及び光学活性アミノ酸アミドを含むアルコール溶媒溶液を冷却して結晶を析出させる。この時純度向上や結晶晶径改善を目的に、冷却前にアルコール溶媒溶液を30〜80℃の範囲で加温しても良い。
冷却速度は、結晶成長、結晶純度などの点から60℃/hr以下とすることが好ましい。また、50℃/hr以下とすることがより好ましく、40℃/hr以下とすることが特に好ましい。
本発明に係る光学活性N−アルコキシカルボニルアミノ酸は、下記一般式(II)で示される化合物である。
任意の置換基としては、例えば、低級アルキル基、置換低級アルキル基、低級アルケニル基、置換低級アルケニル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、芳香族基、置換芳香族基、複素環基、又は置換複素環基等が好ましい。
光学活性N−アルコキシカルボニルアミノ酸は、光学活性アミノ酸とN−アルコキシカルボニル化剤とを水性媒体中で反応させ調製する。この時光学活性N−アルコキシカルボニルアミノ酸製造の原料として、本発明にかかる光学活性アミノ酸の製造方法により、立体選択的加水分解反応の反応液から回収された光学活性アミノ酸の粗生成物を使用できる。例えば、上述アミダーゼによる立体選択的加水分解反応で光学活性アミノ酸は、通常結晶中に酸の中和操作により生じた無機塩を含んでいるが、公知の方法による無機塩除去操作、例えば再結晶又はイオン交換樹脂への吸着、などを行うことなく光学活性N−アルコキシカルボニルアミノ酸製造の原料として使用できる。
水性媒体を塩基性に調整する際に用いる塩基性化合物としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン又はピリジン等の有機塩基化合物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド又はカリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコラート化合物、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム等の無機塩基化合物等が挙げられ、これら化合物の1種又は複数種を組み合わせて用いることができる。塩基性化合物の使用形態は、塩基性化合物そのもの若しくは水溶液又は有機溶媒溶液として用いることができる。
反応液のpHを一定の範囲で保つ場合は上記塩基性化合物の1種又は複数種を組み合わせて適宜添加しても良い。
ここで、水溶液または水相を酸性にするために添加する酸性物質としては、硫酸、塩酸、又は硝酸等の鉱酸が好ましい。
次に、上述のごとく調製したN−アルコキシカルボニルアミノ酸を含む有機溶媒溶液からN−アルコキシカルボニルアミノ酸類を単離する。
例えば光学活性N−アルコキシカルボニルアミノ酸結晶を単離する場合、有機溶媒溶液から冷却晶析により光学活性N−アルコキシカルボニルアミノ酸結晶を回収できる。
冷却速度は、結晶成長、結晶純度などの点から25℃/hr以下とすることが好ましい。また、20℃/hr以下とすることがより好ましく、15℃/hr以下とすることが特に好ましい。
なお、実施例中の化合物の分析は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて行った。
試料調製: 反応液を純水で希釈する
カラム: イナートシル ODS−3V GLサイエンス社製
移動層: 0.1% リン酸水溶液(v/v)
流速: 1mL/min
検出: RI
tert−ロイシンアミドの保持時間: 約4.5分
L−tert−ロイシンの保持時間: 約8.7分
原料変換率(%)=((L−tert−ロイシンmol量)X 200)/((L−tert−ロイシンmol量)+(残tert−ロイシンアミドmol量))
試料調製: 結晶を純水に溶解し、1.0%w/v溶液を調製する
カラム: イナートシル ODS−3V GLサイエンス社製
移動層: 0.1% リン酸水溶液(v/v)
流速: 1mL/min
検出: RI
tert−ロイシンアミドの保持時間: 約4.5分
L−tert−ロイシンの保持時間: 約8.7分
試料調製:反応液を移動層で希釈する
カラム: イナートシル ODS−3V GLサイエンス社製
移動層: 10mMリン酸2水素1ナトリウム水溶液(pH 3.0):アセトニトリル(40:60)
流速: 1mL/min
検出: UV(210nm)
各化合物の保持時間:
N−tert−ブトキシカルボニル−L−tert−ロイシン 約5.2分
試料調製: 結晶を移動層に溶解し、0.5%w/v溶液を調製する
カラム: イナートシル ODS−3V GLサイエンス社製
移動層: 10mMリン酸2水素1ナトリウム水溶液(pH 3.0):アセトニトリル(40:60)
流速: 1mL/min
検出: UV(210nm)
各化合物の保持時間:
N−tert−ブトキシカルボニル−L−tert−ロイシン 約5.5分
試料調製:反応液をメタノールで希釈する
カラム: イナートシル ODS−3V GLサイエンス社製
移動層: 0.1% リン酸水溶液(v/v):アセトニトリル(40:60)
流速: 1mL/min
検出: UV(254nm)
各化合物の保持時間:
N−ベンジルオキシカルボニル−L−tert−ロイシン 約5.5分
試料調製: 塩を移動層に溶解し、0.5%w/v溶液を調製する
カラム: イナートシル ODS−3V GLサイエンス社製
移動層: 0.1% リン酸水溶液(v/v):アセトニトリル(40:60)
流速: 1mL/min
検出: UV(254nm)
各化合物の保持時間:
N−ベンジルオキシカルボニル−L−tert−ロイシン 約5.5分
(1)アミダーゼ活性を有する生体触媒の調製
WO2000/063354号記載の方法に従い、E.coli JM109/pLA205( FERM BP−7132)の培養を行った。培養液1Lを遠心分離し、次いで湿潤菌体を蒸留水に懸濁して菌体懸濁溶液20gを調製した。
ラセミ体tert−ロイシンアミド250g(1.92mol)を純水717gに溶解した。この時のpHは11.3であった(測定温度23℃)。これに98%硫酸32.7g(0.327mol)を加え該水溶液のpHを8.3に調整し、25質量%ラセミtert−ロイシンアミド水溶液を調製した(pH測定温度26℃)。pH調整後、(1)で調製した菌体懸濁液をラセミtert−ロイシンアミド水溶液に加え、40℃水槽中で26時間振とうし立体選択的加水分解反応を行った。
26時間後の原料変換率は100%であり、L−tert−ロイシン125.9g(0.960mol)が生成していた。
反応終了後、40℃水槽中で反応液に25質量%水酸化ナトリウム水溶液104.0g(0.650mol)を加えた。この時、硫酸1molに対して水酸化ナトリウム1.99mol加えたことになる。
内温を55〜60℃の範囲に保ちながら、全体量が839.0gになるまで減圧濃縮した後、n−ブタノール(n−BuOH)450gを加えた。次いで内温を55〜65℃の範囲に保ちながら全体量が840.0gになるまで減圧濃縮した。さらにn−BuOH450gを加え、同様の条件で全体量が840.0gになるまで減圧濃縮し共沸脱水し、結果上清の水分濃度が1質量%以下になるまで同様の操作を繰り返し、溶媒を水からn−BuOHへ置換した。
溶媒置換後、L−tert−ロイシン結晶の析出が確認された。また溶媒置換終了時の内温は63℃であった。次いで40℃/hrの冷却速度で内温15℃まで冷却し、その後、15℃で30分間攪拌した。遠心分離機によりL−tert−ロイシン結晶を回収し、次いで少量のn−BuOHで結晶を洗浄した。湿結晶を真空乾燥後、172.0gのL−tert−ロイシン粗結晶が得られた。
「(3)無機塩基化合物の添加」の工程の、水酸化ナトリウムによる中和操作を省略した以外は実施例1と同様に操作を行った。
「(4)溶媒置換」の工程において、内温を55〜60℃の範囲に保ちながら、これを全体量が839.0gになるまで減圧濃縮した後、n−BuOH450gを加え、内温を55〜65℃の範囲に保ちながら全体量が840.0gになるまで減圧濃縮した。さらにn−BuOH450gを加え、同様の条件で全体量が840.0gになるまで減圧濃縮した。
結果、上記操作後の溶液は固化しておりL−tert−ロイシンを選択的に回収することは困難であった。
実施例1の「(3)無機塩基化合物の添加」の工程において、40℃水槽中で硫酸1molに対して、表1に従って各々水酸化ナトリウム1.75〜2.30mol加え中和操作を行い、L−tert−ロイシン粗結晶を回収した。表1に、L−tert−ロイシンアミド基準によるL−tert−ロイシンの収率、および、純分L−tert−ロイシンに対するD−tert−ロイシンアミドの混入量を示す。
硫酸の代わりに35質量%塩酸水溶液を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、pH8.3(測定温度28℃)の25質量%ラセミ体tert−ロイシンアミド水溶液1000gを調製した。この時の35質量%塩酸水溶液使用量は63.5g(0.610mol)であった。次に立体選択的加水分解反応を行った。26時間後の原料変換率は100%であり、L−tert−ロイシン125.9g(0.960mol)が生成していた。
触媒除去操作、溶媒置換操作さらに冷却晶析、L−tert−ロイシン結晶単離操作行い、真空乾燥後、157.9gのL−tert−ロイシン粗結晶が得られた。HPLC分析の結果、粗結晶中に含まれるL−tert−ロイシン純分は124.4gであった(0.948mol、L−tert−ロイシンアミド基準で収率98.8%)。また純分L−tert−ロイシンに対するD−tert−ロイシンアミドの混入量は質量比で0.15%であった。
表2に従い、硫酸でpHを5.5〜10に各々調整し、25質量%ラセミ体tert−ロイシンアミド水溶液1000gを調製した。実施例1と同様に立体選択的加水分解反応を行い、22時間後の原料変換率を測定した。表2に、原料変換率の測定結果を示す。
表3に従い硫酸で各々pHを調整し、29質量%ラセミ体tert−ロイシンアミド水溶液860gを調製した。実施例1と同様に立体選択的加水分解反応を行い、24時間後の原料変換率を測定した。表3に、原料変換率の測定結果を示す。
実施例1の「(4)溶媒置換」の工程において、表4に従い、n−ブタノールの代わりにイソプロピルアルコール、n−アミルアルコール、i−ブタノール、シクロヘキサノールを用いて溶媒置換を行い、L−tert−ロイシン粗結晶を回収した。
実施例1で得られたL−tert−ロイシン粗結晶172.0g(L−tert−ロイシン純分124.1g、0.946mol)を277.5gの15質量%水酸化ナトリウム水溶液(1.04mol)に添加後、攪拌して溶解させた。次いで、これを攪拌しながらクロロギ酸メチル98.7g(1.04mol)を2時間かけて加えた。
(1)精製L−tert−ロイシンの調製
実施例1で得られたL−tert−ロイシン粗結晶90.0g(L−tert−ロイシン純分64.9g)を純水660gに加え、65℃で攪拌し溶解させた。減圧下水溶液をろ過して微量不溶物を除去した後、内温を50−55℃に保ちながらろ過液を380gまで減圧濃縮した。濃縮液の内温を50℃に保ちながらメタノール120gを加えた。25℃〜30℃/hrの冷却速度で該溶液を内温4℃まで冷却し、その後、4℃で3時間攪拌した。減圧ろ過によりL−tert−ロイシン結晶を回収し、次いで少量のメタノールで結晶を洗浄した。湿結晶を真空乾燥後、51.9gのL−tert−ロイシン結晶が得られた。この結晶中のL−tert−ロイシン含量は50.2gであり、純度は97.0%であった(回収率75.0%)。
実施例1で得られたL−tert−ロイシン粗結晶の代わりに、(1)で調製した精製L−tert−ロイシン結晶を用いて、実施例22と同様の操作を行い、N−メトキシカルボニル−L−tert−ロイシンを合成した。表5に、実施例22と比較例5のL−tert−ロイシンからの収率、L−tert−ロイシンアミドからの収率、および、化学純度を示す。
実施例1で得られたL−tert−ロイシン粗結晶172.0g(L−tert−ロイシン純分124.1g、0.946mol)を277.5gの15質量%水酸化ナトリウム水溶液(1.04mol)に添加後、攪拌して溶解させた。次いで、これを攪拌しながらジ−tert−ブチルジカーボネート235.7g(1.09mol)を3時間かけて加えた。
実施例1で得られたL−tert−ロイシン粗結晶81.9g(L−tert−ロイシン純分59.1g、0.451mol)を117.5gの16質量%水酸化ナトリウム水溶液(0.482mol)に添加後、攪拌して溶解させた。次いで、これを攪拌しながらクロロギ酸ベンジル85.3g(0.50mol)を2時間かけて加えた。
Claims (2)
- 下記の(1)〜(5)の工程を含む、光学活性アミノ酸の製造方法:
(1)ラセミ体アミノ酸アミドを含む水溶液の20〜30℃におけるpHを、酸を用いてpH 5.0〜9.8に調整する工程;
(2)前記水溶液に、アミダーゼ活性を有する生体触媒を加えてアミノ酸アミドの立体選択的加水分解反応を行う工程;
(3)(1)工程で使用した酸に対し、0.900〜1.100mol当量の無機塩基化合物を加える工程;
(4)前記水溶液の溶媒を、炭素数3以上のアルコール溶媒で置換する工程;
(5)光学活性アミノ酸アミドをアルコール溶液として分離し、光学活性アミノ酸結晶を回収する工程。 - 請求項1記載の製造方法によって得られた光学活性アミノ酸をさらに精製することなく使用し、該光学活性アミノ酸とN−アルコキシカルボニル化剤とを反応させる、光学活性N−アルコキシカルボニルアミノ酸類の製造方法。
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