明 細 書
使い捨て吸収体を有する吸収体製品 技術分野
本発明は、 使い捨て吸収体を有する吸収体製品に関する, 景技術
従来のおむつは、 おむつ全体で着用者の身体を締め付けることによってず れやずリ下がりを防止していることから、 着用者に不快な締め付け感を与え るものが多かった。 また、 使い捨ておむつの場合は、 排泄物の吸収に影響し ないカバー部材、 ファスニングテープ、 サイドフラップの部分なども一度使 用しただけで排泄物の吸収に関与している本体部分とともにゴミとして廃 棄されており、 その処理が社会問題化してきている。
排泄物用の吸収体を着用者に固定する方法としては、 伸縮性腰回りバンド とストラップを結合したサポーターとで、 別体の吸収性パッドを保持するよ うなもの(特開昭 5 7— 1 4 3 5 0 2号公報参照)、 吸収性パッドをス卜ラッ プにより着用者に保持させるもの、 などが提案されている。
このような吸収体製品は安価で手軽に利用できるといった利点から、 世の 中に広く普及している。 このような吸収体製品は、 使用後に廃棄することを 意図してつくられたものであり、 現状では、 その使用後には、 内部に排泄物 を吸収し、 あるいは包み込んだ状態で保存され、 一般の可燃性ゴミとして焼 却処理されている。 このような使用済みの吸収体製品が短時間でも屋内に置 かれたゴミ箱等に保存されると、 悪臭や衛生上の問題が発生し、 好ましくな い。 また室外であっても、 例えば、 公園などで使い捨て紙おむつがゴミとし て放置された場合、 環境衛生上の問題が生じる。
一方、 使用時の排泄物が便であったときの廃棄方法として、 使い捨ておむ つの使用者あるいは介護者が、 使用者から使い捨ておむつをはずし、 排泄物 の固形部分をおむつから取り除いて卜ィレに流した後、 他の部分を一般可燃
ゴミとして処理する方法も採られている。 このような操作は、 言うまでもな く非常に煩雑で面倒である。
また、 現状では生理用のナプキン、 あるいは尿パッドは、 使用後に紙に包 み、 ゴミ入れや、 トイレ内に配置されている汚物入れに捨てられている。 し かしながら、 捨てられた後、 ゴミとして処理されるまでの間に、 異臭を発生 して不快感を与えたり、 また、 非衛生的となったりする場合もあった。 このような使用済み吸収体製品の廃棄に伴う諸問題は、 吸収体の一部もし くは全部を水洗トイレに流すことが可能な材料で構成することにより解消 される。 水崩壊性の生理用品、 および幼児用湿潤ワイプスはすでに市販され ている。 また子供用および大人用おむつにおいて、 その一部、 特に表面シー 卜、 上面シートが水崩壊性である吸収体製品は公知である(例えば、 特開平 1 0 - 2 7 7 0 8 7号公報参照)。
しかし、 さらに大型の、 すなわち質量の大きい夜型ナプキンや子供用およ び大人用おむつの吸収体のみ、 あるいは全体を水崩壊性の材料で構成すると いう考えはあるものの、 現実化された例はない。 その理由は大きく 2つに分 けられる。
第一の理由は、 使用時の安定性と水崩壊機能とに由来する矛盾である。 第 二の理由は、 使用される吸収体は殆どが木材パルプ主体の製品であるため、 嵩と重量が大きいことである。
そこで、 おむつの肌当接面を形成する層(表面シー卜または該表面シート 上に設けられた上面シー卜)を取り外し可能にし、 このシ一卜を取り外して 、 排泄物と一緒にトイレに流すことができる使い捨ておむつが提案されてい る。 例えば、 特開平 5— 3 8 8 9号公報には、 水溶性シートに弾性部材を組 み合わせたシー卜を具備する使い捨ておむつが開示されている。 しかしなが らこのシー卜は、 排泄がなされた後の着用者の動きに十分耐え得る程度の湿 潤強度と、 容易にトイレに廃棄できる程度の水分散性とを有するものではな い。
また、 特開平 5— 1 7 9 5 4 8号公報には、 湿潤強度と水分散性とを満足 するシートが開示されている。 しかしながらこのシートは、 そのバインダー
として不飽和カルボン酸系の高分子化合物を用いているために、 重合時の残 存モノマーが肌に刺激を与えたり、 不飽和化合物であるがゆえに長期保存中 に変色したりするという欠点が内在する。
一方、 上記の水洗卜ィレ廃棄が可能な吸収体製品には、 別の重大な問題が 伴っている。 それは、 水洗トイレから流された材料の分解に関する問題であ る。 上に述べたすべての使い捨て衛生用品は、 不織布または多孔性成形ポリ エチレンフイルムまたはポリプロピレンフイルム材料からなる表面シー卜 と、 ポリエチレンからなる裏面シート、 パルプ中に吸水性樹脂を分散させた 吸収コアを中心として構成されている。 特に、 裏面シートは、 防水性を維持 するために、 ポリエステル、 ポリプロピレン、 ポリエチレン等の合成樹脂や 合成繊維が一般に用いられているため、 生分解性を有しない。 また、 上記公 報に記載されている材料も、 水崩壊性を有するものの、 生分解性を有しない ので、 水洗トイレに流した場合、 終末処理場等で分解されずに残存すること なる。
以上に述べた種々の理由から、 使い捨て吸収体製品において、 その水洗卜 ィレ処理が可能であるという性能を持つことが要望され、 さらにその後の処 理における分解性を有することもまた強く要望されている。 発明の開示
本発明の一つの目的は、 上記従来の吸収体製品の問題点を克服し、 着用時 の強い締め付けがなく、 しかも取り替え時に吸収機能部のみを取り替え廃棄 するだけで、 その他の部分は洗浄、 再利用することができる、 経済的な吸収 体製品を提供することである。
本発明の他の目的は、 その一部もしくは全部を水洗トイレに廃棄すること が可能な吸収体製品を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、 使用後に水洗トイレに流された後、 または土 中に埋設された後に、 微生物の作用で分解されるという生分解性を有する吸 収体製品を提供することである。
従って、 本発明は、 身体の一部分を被う耐洗濯性の常時着用部と、 前記常
時着用部に着脱可能に結合されている吸収機能部と、 前記常時着用部と前記 吸収機能部とを着脱可能に結合している結合部材と、 を備えたことを特徴と する吸収体製品である。
好ましい実施態様例を以下に示す。
前記常時着用部は、 シャツ状、 エプロン状、 スモック状、 ロンパース状、 ガードル状、 およびサスペンダー状の形態からなる群から選ばれた 1つの形 態を有する。
前記結合部材は、 前記常時着用部に設けられた少なくとも 1つの第 1の部 材と、 前記第 1の部材と着脱可能に結合され、 かつ、 前記吸収機能部に設け られた少なくとも 1つの第 2の部材とから構成される。 前記結合部材は、 フ ック部材とループ部材とから構成されるメカニカルファスニングシステム である。
前記吸収機能部は、 液体透過性の表面シート、 液体不透過性の裏面シート 、 およびこの両者間に配置された吸収体とを有する使い捨て吸収性構造体を 備えている。
前記吸収機能部は、 耐洗濯性の外装カバー部分と、 前記外装カバー部分に 着脱可能に取り付けられている吸収性構造体とから構成されており、 前記外 装カバー部分は、 防漏性かつ通気性の疎水性繊維により構成されているとと もに、 股下部において相互に連結されている前身頃部および後身頃部の各々 の両側縁部を着脱可能に結合することにより形成される、 両脚周り開口部と ウェス卜周り開口部を有し、 前記ウェス卜周り開口部近傍には、 前記常時着 用部に着脱可能に結合される結合部材が設置されている。
前記外装カバー部分は、 前身頃部と後身頃部との両側縁部における結合を 解除して開放した状態で、 前記吸収性構造体を着脱可能に保持する装着ュニ ッ卜を備えている。
前記装着ュニッ卜は、 液の通過を許容する目の粗さのスティンフリー性の ネッ卜組織を持った疎水性合繊フィラメント編物からなるシー卜を有し、 前 記シー卜の一端側のみで前記吸収性構造体の収納および取り出しのために 開放可能なポケッ卜を形成している。
前記装着ユニットは、 前記前身頃部、 前記股下部および前記後身頃部のい ずれかの内面に設けられている。
前記外装カバー部分は、 前記股下部に尿または便の排出を許容するのに十 分な大きさの開口部を有し、 その開口部近傍に前記結合部材が設けられ、 前 記吸収性構造体が前記外装カバー部分にその外側から着脱自在に結合され ている。
前記開口部の一部領域あるいは全領域は、 液の通過を許容するスティンフ リ一性のネッ卜状組織を持った疎水性合繊フィラメント編物で覆われてい る。
前記吸収体は、 S A Pを主体とする吸収性成分と、 前記吸収性成分を坦持 する支持体と、 前記吸収性成分相互および前記吸収性成分と前記支持体とを 結合するバインダ一成分とを備えている。
前記吸収体は、 厚み 2 m m以下で、 S A P含有量が 8 0 %以上のシート状 吸収体である。
前記吸収体は、 S A Pとミクロフイブリル状セルロースとの複合体を主成 分として形成されている。
前記表面シ一ト、 前記吸収体および前記裏面シー卜のうち少なくとも 1つ は、 生分解性、 水崩壊性、 または生分解性かつ水崩壊性を示す環境対応性能 成分であり、 前記環境対応性能成分は前記吸収性構造体から分離可能である „
前記吸収性成分は、 生分解性架橋ポリアミノ酸粒子から構成される。 前記支持体は、 木材パルプ繊維から構成されるティッシュ状マツ卜である 前記支持体は、 木材パルプ繊維から構成される主成分と、 繊維長 2 5 m m 以下の木材パルプ繊維以外の繊維との混合シー卜である。
前記支持体は、 繊維長 2 5 m m以下のレーヨン、 コットン、 およびリヨセ ルからなる群から選ばれたセルロース繊維を主成分として構成され、 かつ、 ポリビニルアルコールまたはその部分架橋物から構成されるバインダ一成 分を含む。
前記支持体は、 繊維長 2 5 m m以下のレーヨン、 コットン、 およびリヨセ ルからなる群から選ばれたセルロース繊維を主成分として構成され、 かつ、 カルボキシメチルセルロースのアル力リ土類金属塩から構成されるバイン ダー成分を含む。
前記バインダー成分は、 2 5 0 %以上の保水率を有するミクロフイブリル 状セルロースから構成される。
前記表面シ一卜は、 繊維長 2 5 m m以下のレーヨン、 コットン、 およびリ ョセルのいずれかであるセルロース繊維を主成分として構成され、 かつ、 ポ リビニルアルコールまたはその部分架橋物から構成されるバインダー成分 を含む。
前記表面シー卜は、 繊維長 2 5 m m以下のレーヨン、 コットン、 およびリ ョセルからなる群から選ばれたセルロース繊維を主成分として構成され、 か つ、 カルボキシメチルセルロースのアル力リ土類金属塩から構成されるバイ ンダ一成分を含む。
前記支持体の少なくとも一部は生分解性である。
前記支持体の少なくとも一部はコンポス卜内分解性である。
前記コンポスト内分解性は、 前記吸収体製品 1重量部(乾燥状態)を、 コン ボス卜のイノキユラ厶 1 0 0重量部(ゥエツ卜状態)に仕込み、 4 0日間 X 5 8 °Cで処理したとき、 前記吸収体製品の処理後乾燥重量が、 前記吸収体製品 の処理前乾燥重量を基準として、 0〜 5 0重量%となることで示される。 前記支持体の構成成分の少なくとも一部は土中分解性である。
前記土中分解性は、 前記吸収体製品 1重量部(乾燥状態)を、 圃場の地下 3 0 O m mに 6月間埋設処理したとき、 前記吸収体製品の処理後乾燥重量は、 前記吸収体製品の処理前乾燥重量を基準として、 0〜5 0重量%となること で示される。
前記架撟ポリアミノ酸粒子は、 ( 1 )生理食塩水の平衡膨潤吸収量が乾燥ポ リマ一単位重量当たり 2 0〜2 0 0倍である吸水能、 (2 )生理食塩水を 1分 間吸収させた吸収量が乾燥ポリマー単位重量当たり 1 0 ~ 1 5 0倍である 吸水能、(3 ) 1 0 3 k P a ( 2 0 g c m 2)の荷重下での生理食塩水の吸水量
が乾燥ポリマー単位重量当たり 5〜 1 5 0倍である吸水能、 および(4 )生理 食塩水を飽和吸収したゲルに 3 0 0 0 Gの遠心力を 1 0分間負荷した後に 保持できる保水量が乾燥ポリマー単位重量当たり 5 ~ 1 5 0倍である吸水 能、 のいずれかの吸水能を少なくとも 1 つ有する。
前記架橋ポリアミノ酸は架橋ポリアスパラギン酸である。 図面の簡単な説明
図 1 は、 本発明の吸収体製品の例を、 その常時着用部と吸収機能部とを分 離した状態で示す斜視図である。
図 2は、 本発明の吸収体製品に用いられた常時着用部の例を示す展開平面 図である。
図 3は、 本発明の吸収体製品に用いられた常時着用部の例を示す正面図で め 。
図 4は、 本発明の吸収体製品に用いられた常時着用部の例を示す斜視図で ある。
図 5は、 本発明の吸収体製品に用いられた常時着用部の例を示す斜視図で ある。
図 6 A、 図 6 B、 図 6 Cは、 それぞれ本発明の吸収体製品に用いられた常 時着用部の例を示す斜視図である。
図 7は、 本発明の吸収体製品に用いられた吸収機能部の例を示す図である 図 8は、 本発明の吸収体製品に用いられた吸収機能部の例を示す図である 図 9は、 本発明の吸収体製品の例を、 着用状態にあるものとして示す正面 図である。
図 1 0は、 図 9の吸収体製品に用いられた吸収機能部の展開平面図である 図 1 1 は、 本発明の吸収体製品の例を示す斜視図である。
図 1 2は、 本発明の吸収体製品の例を、 その常時着用部と吸収機能部とを
分離した状態で示す斜視図である。
図 1 3は、 本発明の吸収体製品において使用される吸収機能部の例を示す 斜視図である。
図 1 4 A、 図 1 4 Bは、 それぞれ図 1 3の X— X ' 線における断面図であ る。
図 1 5は、 本発明の吸収体製品において使用される吸収機能部の例を示す 斜視図である。
図 1 6は、 発明の吸収体製品において使用される吸収機能部の例を示す斜 視図である。
図 1 7は、 本発明の吸収体製品に用いられた吸収機能部の例を、 外装カバ 一と吸収構造体とが分離された状態にあるものとして示す斜視図である。 図 1 8は、 本発明の吸収体製品に用いられた吸収機能部の例を、 吸収構造 体が外装カバーから取り外された状態で示す斜視図である。
図 1 9 A、 図 1 9 Bは、 本発明の吸収体製品に用いられた吸収機能部の例 を、 吸収構造体が部分的に解放された状態にあるものとして示す斜視図であ る。
図 2 0 A、 図 2 0 Bは、 本発明の吸収体製品に用いられた吸収機能部の例 を示し、 図 2 O Aは通常状態、 図 2 0 Bは吸収構造体が取り外された状態で 示す斜視図である。
図 2 1は、 本発明の吸収体製品に用いられた吸収機能部の例を、 吸収構造 体が開かれた状態で示す斜視図である。
図 2 2は、 本発明の吸収体製品に用いられた水崩壊性高吸水性複合体の水 中における崩壊性をテス卜するためのテス卜装置を示す断面図である。 図 2 3は、 図 2 2とは異なるテス卜装置を示す断面図である。
図 2 4は、 本発明の水崩壊性高吸水性複合体のパイプ通過性の測定テス卜 のための装置を示す側面図である。
図 2 5は、 本発明の実施例で用いられた吸収体を示す平面図である。 発明を実施するための最良の形態
吸収機能部は、 常時着用部と結合された状態で着用される要素を意味し、 この吸収機能部は、 外装カバ一およびこれに組み合わされた吸収性構造体と で構成される。
吸収性構造体は、
( a )吸収性の主体をなす吸収性成分、 例えば高吸水性樹脂 (S A P ) および パルプのような吸収性を持つ吸収性成分がそれ自体で、 あるいはバインダー 成分とともに一体化されたもの;
( b )上記のような吸収性成分をシー卜状基材に担持させたシ一卜状吸収体 ; および
( c )吸収性成分をシー卜状基材にバインダー成分で結合させたシー卜状吸 収体;
のいずれかである吸収体が、 表面シー卜および裏面シー卜の間に配置された 構造を有するものを意味する。 さらにこのような要素は、 液体透過性シート に包まれている場合もある。
前記吸収性成分は、 S A Pとミクロフイブリル状セルロースとの複合体を 主成分として形成されているものである。
生分解性とは、 コンポスト内分解性および土中分解性をも包含する、 広義 の生分解性を意味する。
以下に、 図面を参照して本発明の吸収体製品の実施例を説明するが、 本発 明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明の一つの態様を示す図 1 において、 吸収体製品 1 0は、 常時着用部 2一 1 と吸収機能部 4— 1 との組み合せからなる。 常時着用部 2— 1 は、 前 身頃部 2 aと後身頃部 2 bとによって構成され、 前身頃部 2 aと後身頃部 2 bの各下端部に、 それぞれ結合部材 3 aが取り付けられている。
図示の例において、 常時着用部 2— 1 は、 着用者の頭部を通すための開口 部 H 1 と、 腕を通すための 2つの開口部 H 2と、 胴部を収容する開口部 H 3 とを有する、 スリーブレスのシャツの形態を有している。
図 1 に示した例では、 結合部材 3 aは、 常時着用部 2— 1の前身頃部 2 a および後見頃部 2 bのそれぞれ下端部に取り付けられているが、 吸収機能部
4に結合し、 あるいはそれから取り外す操作が容易であり、 そして左右、 上 下のバランスを取れる位置であれば、 他のどのような位置に取り付けてもよ い。 結合部材 3 aの位置は、 常時着用部 2— 1 の内側でもよい。 さらに前身 頃部と後身頃部との間、 および左右で、 取り付けられる結合部材の数が異な つていてもよく、 その数も特に限定されないが、 数が多くなると連結が強固 になる反面、 着脱の手数が多くなるので、 通常、 前身頃部または後身頃部に 取り付けられる最大数は 5個である。
本発明において、 常時着用部 2— 1 と吸収機能部 4 - 1 とを結合する結合 部材としては、 フック部材とループ部材との組み合せからなるメカ二カルフ ァスニングシステムを採用することができる。 その例としては、 クラレ社製 のマジックテープ(登録商標)、 Y K K社製のクイックロン(登録商標)、 鐘紡 ベルタツチ社製のマジクロス(登録商標)、 3 1^1社製のじ 5 2 0 0 (商品名) 等、 鉤状ゃキノコ形状、 錨形状などの市販品を挙げることができる。 また、 フック部材と係合するループ部材としてはナイロン、 ポリエチレン、 ポリエ ステル、 ポリプロピレンまたはその組み合わせからなる織布、 不織布を使用 することができる。
上記のものの他、 粘着テープ同士の粘着システム、 および紐、 バンド、 ク リップ、 ボタンなどによる結合などの手段を用いることができる。
常時着用部 2 - 1 と組み合わされる吸収機能部 4― 1 は、 液体透過性表面 シート 5と液体不透過性裏面シート 6の間に保持された吸収体 7を有し、 吸 収体 7の長手方向に沿う両側縁から外側に延出するサイドフラップ 8が設 けられている。 さらに好ましくは、 吸収体 7の両側縁において、 吸収機能部 4 - 1の長手方向全長にわたって立体ギャザー 9が形成されている。
吸収機能部 4一 1の形態としては、 図 1 に示したようなテープ型おむつ夕 イブ、 サイドフラップ 8のないパッドタイプ、 サイドフラップ 8の側縁部同 士が超音波や熱融着等により接合されているパンツ型おむつ等を挙げるこ とができ、 本発明はこれらのすべてのタイプに適応する。 なお、 図 1 には示 していないが、 吸収機能部 4一 1の股下部領域において、 脚周り伸縮弾性体 を配置して、 脚周りギャザーを形成してもよい。
図 2は、 吸収機能部と組み合わせられる、 肌着の上に着用するようにデザ インされたエプロンタイプの常時着用部 2— 2を、 それが展開された状態に あるものとして示している。 前身頃部 2 1 aの上端には、 頸に掛ける環 2 2 が、 また両サイ ドの 2つの後身頃部 2 1 bの外側縁部にはそれぞれ 2本の紐 2 3が取り付けられている。 さらに、 前身頃部 2 1 aと後身頃部 2 .1 bの下 縁には、 帯状の結合部材 3 aが取り付けられている。
図 3は、 本発明の吸収体製品の、 スモックの形態の常時着用部 2— 3を示 している。 この例においても、 常時着用部 2— 3の下縁には、 腰部に相当す る部分の内側において、 複数の結合部材 3 aが取り付けられている。
図 4は、 上半身と下半身を被うワンピース型の水着の形態を有する衣類で ある常時着用部 2— 4を示している。 このワンピース型の常時着用部におい ては、 その腰部から股下部にかけて、 尿や便の排出を妨げない開口部 2 7が 設けられている。 また、 この例における結合部材 3 aはボタンであるが、 フ ック部材とループ部材の組み合せ等でもよい。
また、 図 5に示した水着状の常時着用部 2— 5においては、 開口部 2 8は 、 その全域で、 目の粗い、 好ましくはスティンフリー性の材料からなるネッ 卜 2 9で覆われている。 しかし、 このネット 2 9は開口部 2 8全域を覆って いる必要はなく、 部分的に覆っていれば所望の機能を発揮できる。
スティンフリー性の素材としては、 例えば、 ポリエチレン、 ポリプロピレ ン、 シリコン、 テフロン等のフィラメントから形成されている織布や編布、 あるいはナイロン、 ポリエステルのフィラメントで形成されている織布や編 布をシリコンやテフロンで後処理したものを用いることができる。 ステープ ル織状の織布や編布では繊維間に尿や便の付着や充填が生じるので好まし くない。 また、 この表面材には物理的に尿や便、 血液が通過できる空間が必 要であり、 一般的にはフイルムに開口部を設けたり、 ネット状に形成して開 口構造を付与したりする。 長方形、 楕円形、 三角形状とその形状は問わない が、 その面積を円の面積で表すと、 直径 1 m m以上の円、 できれば 2 m m以 上の円の開口面積を持っているものが望ましい。
図 4および図 5に示した常時着用部も、 図 1〜図 3に示した例と同様、 各
結合部材 3 aが、 吸収機能部 4の対応する結合部材 3 bと結合されることに より、 吸収機能部に着脱可能に連結される。
図 6 A〜図 9を参照して、 本発明の吸収体製品の別の例について説明する 。 この例の吸収体製品に適用された常時着用部 2— 6を図 6 Aに示す。 この 常時着用部 2— 6は、 ウェス卜ホール 3 2、 および 2つのレッダホール 3 3 を有するパシッの形態の本体 3 1を備え、 この本体 3 1の股下部に開口部 3 4が形成されていて、 この開口部 3 4を閉じるように、 図示しない結合部材 を利用して、 吸収構造体が取り付けられるようになつている。
この常時着用部 2— 6に適用される吸収性構造体は、 例えば図 7または図 8に示されたような構造を有するものである。 図 7に示す吸収性構造体 4— 6は、 液体透過性の表面シート、 液体不透過性の裏面シートおよびその間に 設けられた吸収体を備え、 その両端に、 それぞれ 2つずつの結合部材 3 匕が 取り付けられている。 また図 8に示した吸収性構造体 4 _ 7は、 その長さ方 向の中央部で外側に張り出した部分を有し、 この張り出した部分と両端にそ れぞれ結合部材 3 bが取り付けられている。 各結合部材 3 bは、 図 6 Aに示 した常時着用部 2 _ 6に設けられた結合部材と結合され、 これにより常時着 用部 2— 6と吸収性構造体 4一 6または 4— 7との連結が達成される。 図 6 Bは、 図 6 Aに示した常時着用部 2一 6と同様の常時着用部 2 - 7 a において、 開口部 3 5の一部を閉じるように、 尿の透過性に影響がない開口 サイズを持ったスティンフリー性のネット 3 6が取り付けられている。 また 図 6 Cに示した常時着用部 2— 7 bは、 その開口部全体を覆うようにスティ ンフリー性のネッ卜 3 7が取り付けられている。
図 9は、 本発明の吸収体製品の別の例を示している。 この例の吸収体製品 は、 2つのス卜ラップ 4 2および 4 3からなるサスペンダーの形態を有する 常時着用部 2— 8と、 この常時着用部 2 - 8に、 結合部材 3 aおよび 3 bと の結合により形成された結合部 3により連結された吸収機能部 4一 8とで 構成されている。
吸収機能部 4一 8は、 図 1 0に示すように、 通常のテープ型おむっと同様 に、 液体透過性の表面シ一卜 4 4、 液体不透過性の裏面シート(図示せず)、
およびその間に設けられた吸収体 4 5を備えていて、 表面シート 4 4の両側 縁部に設けられたスリット 4 6により他の部分から分離されたストラップ 4 7が形成されている。
着用者は、 図 9から明らかなように、 2つのスリット 4 6を通してそれぞ れ脚を挿入することにより、 吸収機能部 4一 8は所定の位置に確実に保持さ れる。
さらに図 1 1 は、 本発明の吸収体製品の別の例を示している。 この例の吸 収体製品は、 図 9および図 1 0に示された例と同様、 2つのストラップ 5 2 および 5 3からなるサスペンダーの形態を有する常時着用部 2— 9に、 結合 部材 3を介して吸収機能部 4一 9を結合した形態を有している。 この吸収機 能部 4— 9は、 人体の腰部を覆い得るパンツの形態を有する物で、 その前身 頃部の前面には、 ストラップ 5 2、 5 3の先端に設けられたフック状結合部 材 3 aが結合される不織布状の結合部材 3 bすなわちランディングゾーン が設けられている。 この構成では、 結合部材 3 aは、 面積の大きい結合部材 3 bの適切な位置に取り付けることができるので、 操作が容易であり、 また 身長に応じた長さの調節も可能である。
図 1 2に示す本発明のさらに他の形態において、 常時着用部 2— 1 0は、 ウェス卜ベル卜ないしはガードル状の形態のもので、 その下縁から下に向け て延びる複数(この例では 4個)のタブ 6 1 に、 それぞれ結合部材 3 aが取り 付けられている。 一方、 着用者の腹部から股下部を越えて尻部に渡って延び る領域をカバーできる形状を有する吸収機能部 4一 1 0は、 その前側および 後側の上縁において、 2個ずつの結合部材 3 bが取り付けられている。 図 1 2は、 常時着用部 2— 1 0と吸収機能部 4一 1 0が離れた状態を示している が、 各結合部材 3 aをそれに対応する結合部材 3 bと結合することにより、 吸収機能部のみを交換可能にした吸収体製品が得られる。
本発明の吸収体製品は、 前述のとおり、 耐洗濯性の常時着用部と、 この常 時着用部に着脱可能に結合されている排泄物受容性の吸収性構造体とを備 えていることにより特徴づけられるとともに、 さらに、 吸収機能部の一部も しくは全部が水崩壊性、 生分解性、 または水崩壊性かつ生分解性の材料で構
成されているということによつても特徴づけられる。
この明細書において、 「水崩壊性」 という用語は、 トイレで使用後の商品 を処理することが可能とするような性質、 すなわち一般に 「フラッシャブル J と呼ばれている性質を意味するものとして使用される。
まず、 水崩壊性について説明する。 吸収性構造体を構成する表面シートと 裏面シートに、 使用時の湿潤強度が高いが、 多量の水によって容易に分散す る素材を使用することによって、 水崩壊性吸収性構造体が得られる。 この場 合、 吸収体に使用されるパルプ繊維、 S A Pは、 従来の紙おむつに通常使用 されている公知のものを使用できる。 また、 S A Pの膨潤に妨げられること なく水洗トイレに吸収性構造体を容易に流すためには、 S A Pの尿の吸収性 は大きいが、 相対的に水の膨潤度は低い。 例えば、 人工尿吸収量が 3 0倍以 上で水道水の吸水倍率が 1 0 0倍以下であることが望ましい。 水崩壊性のあ るパルプレスシー卜は、 不織布の一部に水溶性バインダーを含有させたシ一 卜、 容易に繊維状に崩壊する再生セルロース繊維とパルプ繊維とからなる不 織布を高圧のジエツ卜水によって繊維同士を交絡させて得られるシー卜等 に、 前記の S A Pを塗工することによって得られる。
つぎに生分解性について述べる。 「生分解性」 という用語は一般に、 自然 環境中、 またはコンポス卜等の人為的に制御された条性の下で、 微生物、 菌 、 酵素等の生体によって分解され、 安全な低分子となることを意味するが、 このような生分解性に加えて、 例えば、 高温分解、 酸化分解、 還元分解、 加 水分解、 アルカリ分解、 酸分解等による分解も関与することがある。 本発明 において、 「生分解性」 は、 このような複合的な分解も包含する広義の用語 として使用される。
吸収性構造体を構成する表面シー卜、 裏面シー卜および吸収体のシー卜状 基材として、 セルロース系不織布や生分解性樹脂を素材としたものを使用し た場合には、 吸収性構造体は生分解性のものとなる。 市場で入手できる好適 な生分解性樹脂としては、 微生物分解性樹脂である、 商品名 「バイオポール J (英国 I C I社)、 商品名 Γビ才ノーレ」 (昭和高分子社)、 商品名 「マタビ
- J (伊国ノバモント社)等が挙げられる。 吸収体に使用するパルプ繊維は、
従来から使用されているものでよく、 S A Pとしては、 デンプン系、 セル口 ース系などの天然物由来の生分解性の素材や、 ァスパラギン酸等のアミノ酸 系 S A Pが好ましい。
本発明の吸収体製品の吸収機能部において、 水崩壊性、 生分解性、 または 水崩壊性かつ生分解性を有する要素は、 吸収機能部を構成するすべての要素 であってもよく、 あるいはその一部のみであってもよい。 すなわち、 つぎの 3つのタイプに分類される。
( 1 )吸収機能部の全体が水崩壊性、 生分解性、 または水崩壊性かつ生分解 性を有するタイプ。
( 2 )吸収機能部が、 例えば吸収構造体と、 これを保持する外装カバーとで 構成され、 この吸収構造体のみが水崩壊性、 生分解性、 または水崩壊性かつ 生分解性を有するタイプ。
( 3 )タイプ(2 )のうち、 吸収構造体の一部のみが水崩壊性、 生分解性、 ま たは水崩壊性かつ生分解性を有するタイプ。
上に述べた本発明の水崩壊性、 生分解性、 または水崩壊性かつ生分解性を 有する吸収体製品において、 耐洗濯性の常時着用部に着脱可能に結合されて いる吸収機能部の全体、 すなわち吸収機能部を構成するすべての要素、 例え ば液体透過性の表面シート、 液体不透過性の裏面シート、 吸収構造体、 結合 部材、 弾性部材およびその他の付属品がすべて水崩壊性、 生分解性、 または 水崩壊性かつ生分解性の材料で構成されていることが望ましい(前記(1 )の タイプ)。 なぜならば、 このような吸収機能部は、 使用後に水洗トイレに流 して処理するという、 もっとも実用的で手軽な処理を行うことができるから である。 しかし、 コスト上の問題も付随してくる。
その点では、 前記(2 )および(3 )のタイプは、 使用後の処理時において、 水崩壊性、 生分解性、 または水崩壊性かつ生分解性を有するパーツと、 そう でない再利用可能なパーツとを分離するための手数が必要であるという、 使 用上の不利点はあるものの、 廃棄すべきパーツの量が少ないので、 環境保護 の観点から望ましく、 またコストの低減も期待できる。
以下に、 吸収機能部のパーツのうち、 水崩壊性、 生分解性、 または水崩壊
性かつ生分解性を有する材料で構成されたパーツのみを他の部分から分離 することができるように構成された本発明の吸収体製品の例を示す。
図 1 3、 図 1 4 A及び図 1 4 Bは、 本発明に適用される、 吸収性構造体を 交換可能に装着するための装着ュニッ卜を有する吸収機能部 4 - 1 1を展 開状態で示している。 この吸収機能部 4 - 1 1 は、 液体透過性表面シー卜お よび液体不透過性裏面シートで構成された、 耐洗濯性を持つ外装カバー 6 2 を備え、 この外装カバー 6 2の脚周り開口部 6 3には、 脚周り伸縮弾性体 6 4が配置され、 両端部には、 例えば図 1 に示されたような常時着用部(図示 せず)に着脱可能に結合される結合部材 3 bが取り付けられている。 また、 外装カバ一 6 2の中央領域には、 前後方向に長い吸収体 6 5を収納するため の装着ュニッ卜 6 6が取り付けられている。
この装着ュニッ卜 6 6は、 図 1 4 Aにより明らかなように、 外装カバー 6 2の内側の表面、 すなわち表面シート 6 2上に、 互いに平行に配置された、 例えばポリウレタン、 P E、 P P製の発泡スポンジのようなソフトな弾性体 で構成された一対のリブもしくはサイドダ厶 6 7と、 両サイドダ厶 6 7の上 端の間に張設された、 好ましくはスティンフリ一性のカバ一シ一卜 6 8とで 構成されている。 吸収体 6 5は、 図 1 4 Aによりさらに明らかに示されてい るように、 この装着ユニット 6 6の、 2つのサイドダム 6 7とカバーシート 6 8によって外装カバー 6 2の表面シー卜の上に形成された空間内に収容、 固定されるようになっている。 この吸収体 6 5は、 好ましくは、 適当な吸収 性材料を液体透過性のシー卜材料で包み、 単体として取り扱うのに便利な形 態のものである。
吸収体 6 5は、 例えば図 1 4 Bに示すように、 不織布基材 6 5一〗 の表面 に設けられた S A P層 6 5— 2、 および繊維ネッ卜状ホッ卜メル卜接着剤 6 5— 3を有し、 この繊維状ホットメルト接着剤 6 5— 3の上に、 ティッシュ のような単一層の他のシー卜材料 6 5一 4が重ね合わされ、 全体は液体透過 性のシー卜材料 6 5 - 5で包まれている。
吸収体 6 5はさらに、 外装カバー 6 2の表面に、 両面粘着テープあるいは メカニカルファスニングシステムのような適当な固定手段を下面に設けて
固定してもよい。
このような装着ュニッ卜 6 6が設けられている場合、 吸収体 6 5は、 外装 カバー 6 2の長手方向中央領域に平行に配置されたサイドダ厶 6 7によつ てその位置に安定に保持されるので、 左右にずれることがない。
図 1 3、 図 1 4 A及び図 1 4 Bに示された例では、 装着ュニッ卜 6 6は、 外装カバ一 6 2の前身頃部から後身頃部にかけて延びるように配置されて いるが、 前身頃部だけに配置されていてもよい。 また装着ユニット 6 6のサ イドダム 6 7の高さは、 所定の位置にセッ卜された吸収性構造体 6 5の厚さ よりも大きいが、 吸収体の好ましくない移動を阻止できれば、 これよりも低 くてもよい。
図 1 5は、 さらに異なる吸収機能部 4— 1 2を示している。 この吸収機能 部 4一 1 2は、 図〗 に示した吸収機能部 4— 1 と同様の構造を有しているの で、 その詳細な説明は省略するが、 その液体不透過性の裏面シー卜 7 1 と、 液体透過性の表面シー卜 7 2との間に設けられた吸収体 7 3を備えている。 これらの諸要素のうち、 吸収体 7 3のみが水崩壊性を有し、 その他の要素は 水崩壊性を有さない。
この例の吸収機能部 4一 1 2は、 使用後、 表面シート 7 2を取り除いて吸 収体 7 3を取り外しし、 この吸収体 7 3のみを水洗トイレに流して処理され る。
図 1 6に示した吸収機能部 4一 1 3は、 図 1 5に示した吸収機能部 4― 1 2と同様の構成を有するが、 吸収体 7 3の他に、 表面シ一卜 7 2も水崩壊性 を有することで相違する。 この場合には、 使用後に表面シート 7 2と吸収体 7 3とを一緒にして水洗トイレに流すことができ、 このため大便の処理にも 対応できる。
図 1 7は、 さらに異なる吸収機能部 4— 1 4を、 その外装カバ一 8 1 と、 この外装カバー 8 1 に着脱可能に結合される吸収性構造体 8 2とが分離さ れた状態にあるものとして示す斜視図である。 外装カバー 8 1は、 ウェス卜 ホール 8 3および 1対のレッダホール 8 とを有し、 そしてその股下部領域 において形成された、 排泄物と接触する可能性のある領域に形成された開口
部 8 5を有している。 この開口部 8 5は、 液体透過性の表面シ一卜と液体不 透過性の裏面シートとその間に設けられた吸収体とからなる吸収性構造体
8 2によって、 使用状態では閉じられており、 外装カバ一 8 1 と吸収性構造 体 8 2との間の連結は、 この両者の適切な部分に取り付けられた連結部材 8 6と 8 7との連結により達成されている。
なお、 開口部 8 5は、 その一部あるいは全域でスティンフリー性のネット で覆われていてもよい。
つぎに、 吸収機能部の吸収構造体が分解可能である吸収機能部の具体的な 構成例を示す。
図 1 8に示す吸収機能部 4一 1 5は、 外装カバ一 9 1 と、 この外装カバー 9 1 から分離できる吸収構造体 9 2とを備え、 この吸収構造体 9 2は、 その すべての構成要素が水崩壊性材料により構成されている。
図 1 9 A、 図 1 9 Bに示す吸収機能部 4一 1 6は、 パンツ型の外装カバー
9 3に、 取り外し可能に吸収性構造体 9 4が取り付けられている点以外は、 図 1 8に示した吸収機能部 4一 1 5と同様である。 図 1 9 Aは外装カバー 9
3が部分的に解放された状態、 図 1 9 Bはそれが閉じた状態をそれぞれ示し ている。
つぎに、 切り離しタイプの吸収機能部について説明する。 このタイプの吸 収機能部は、 使用後に廃棄する部分のみを他の部分から切り離すことができ るように構成されている。
図 2 0 A、 図 2 O Bは、 この切り離しタイプの吸収機能部 4— 1 7を示し 、 図 2 O Aは切り離す前の状態、 図 2 0 Bは切り離した後の状態をそれぞれ 示している。 図 2 0 A、 図 2 0 Bにおいて、 1 0 1 は外装カバ一、 1 0 2は この外装カバー 1 0 1の一部として構成された吸収構造体を示す。 外装カバ 一 1 0 1は、 液体透過性の表面シー卜 1 0 3と、 液体不透過性の裏面シー卜
1 0 4とを使って、 1つのウェス卜ホールと 2つのレッダホールとを有する パンツ型の形態に構成されたもので、 その股下部は、 表面シート 1 0 3と裏 面シート 1 0 4との間に挟まれた吸収体 1 0 5を含む適当なサイズの領域 を囲む切取線 1 0 6によって他の部分から区画されている。 この切取線 1 0
6は、 例えば表面シー卜 1 0 3および裏面シー卜 1 0 4を貫通するミシン目 であってもよく、 これにより使用後には、 このミシン目に沿って吸収構造体 1 0 2を容易に切り離すことができる。
尿や便などの排出が確認されると、 吸収構造体 1 0 2を着用した状態でそ の周囲の部分から分離し、 適切な廃棄処理を行う。 表面シ一卜、 裏面シート および吸収体がすべて水崩壊性、 生分解性、 または水崩壊性かつ生分解性の 材料で構成されていれば、 この分離された吸収構造体 1 0 2をそのまま水洗 トイレに流すことが可能である。 吸収構造体 1 0 2の、 吸収体 1 0 5のみが 水崩壊性、 生分解性、 または水崩壊性かつ生分解性の材料で構成されている 場合には、 それのみを取り出して水洗トイレに流す。
図 2 1 は、 切取線 1 0 6が、 吸収構造体 1 0 2の周囲の一部分、 例えば着 用者の前側の部分のみに形成された、 別の例の吸収機能部 4一 1 3を示す。 この例では、 切取線〗 0 6に沿って外装カバ一 1 0 1の一部である吸収構造 体 1 0 2を切り開き、 ついで吸収構造体 1 0 2から吸収体 1 0 5を取り出す ことで廃棄処理を行う。
図 2 0および図 2 1の例において、 吸収構造体〗 0 2の部分では、 表面シ 一卜として、 尿や便を分離するために、 メッシュシートを使用することがで さる。
つぎに、 上に述べたような構成を有する本発明の吸収体製品において、 吸 収機能部に使用される吸収性構造体を構成するための素材について詳しく 説明する。
本発明において、 吸収性構造体は、 液体透過性の表面シートと、 液体不透 過性の裏面シー卜と、 この両者の間に保持されている吸収体とから構成され ている。
まず、 液体透過性の表面シートとしては、 液体透過性の不織布や織布が好 適に用いられる。 このような不織布または織布に使用される繊維材料として は、 綿等の天然繊維、 レーヨン等の再生繊維またはポリプロピレン、 ポリエ チレン、 ポリエステル、 ナイロンなどの合成繊維、 あるいはそれらの中の 2 種類もしくはそれ以上を組み合わせた複合繊維が挙げられ、 特には、 ポリエ
ステル/ポリエステル、 ポリプロピレン zポリェチレンの複合繊維が強度の 面から好ましい。
液体透過性表面シートは、 単一のシートで構成するか、 部位ごと、 例えば 吸収性構造体上面と側部フラップとで異なるシ一卜を使用して構成するこ とができる。 複数枚のシ一卜で表面シー卜を構成する場合、 各シー卜は互い に別の素材からなるものであってもよい。
裏面シートとしては、 液体不透過性のポリエチレンシー卜等が使用される が、 液体分子を透過させない程度の多数の微孔を設けた通気性、 透湿性のポ リエチレン製シート、 熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸した通気性、 透 湿性のある液体不透過性シー卜、 あるいはこれらシー卜の外側に不織布を貼 り合わせた複合シー卜が、 吸収体内の余分な水分を吸収体外に放出してムレ やカブレを起こしにくいことから好ましい。
好ましい形態の吸収体は、 パルプから構成される。 パルプの例として、 化 学パルプ、 機械パルプもしくは古紙パルプのシー卜を粉砕機で解繊すること により得られたパルプが挙げられる。 このようなパルプ原料としては、 針葉 樹に限らず、 広葉樹、 麻、 わら、 竹およびケナフ等の非木材パルプを用いる こともできる。
吸収体の他の好ましい素材は、 シー卜状基材の表面に S A Pが担持されて いるパルプレスシートである。 S A Pとしては、 デンプン系、 セルロース系 、 合成ポリマー系のものを採用することができる。 具体的には、 デンプン— ァクリル酸(塩)グラフ卜共重合体、 デンプン—ァクリル酸ェチルグラフ卜共 重合体のケン化物、 デンプンーァクリロ二卜リルグラフ卜共重合体のケン化 物、 デンプンーアクリルアミドグラフ卜共重合体のケン化物、 デンプン―ァ クリロニ卜リル— 2—アクリルアミド— 2—メチルプロパンスルホン酸グ ラフ卜共重合体のケン化物、 アクリル酸(塩)重合体、 アクリル酸で架橋され たポリエチレン才キサイド、 ナ卜リウ厶カルボキシメチルセルロースの架橋 物、 ポリビニルアルコール—無水マレイン酸反応物の架橋物、 ァスパラギン 酸架橋物などが挙げられる。
吸収性構造体の吸収体にパルプレスシー卜を用いる場合、 このパルプレス
シー卜は、 厚さが非常に薄いために、 装着感が良好なものとなる。 このパル プレスシ一卜は吸水性と形状保持性に優れたものであり、 基本構成としてパ ルプを使用していないので吸液後に濡れたままの状態が続くことはなく、 菌 の繁殖を招きにくく、 したがって、 衛生面にも優れている。 パルプレスシー 卜としては、 不織布上に S A Pを塗工した日本吸収体技術研究所のメガシン (登録商標)、 ティッシュ間に S A Pを挟み込んだシー卜等を挙げることがで きる。 このパルプレスシートはパルプと共に使用してもよい。 この場合、 パ ルプシ一卜の下面全体にパルプレスシー卜を配置する構成のほかに、 部分的 に吸収量を増やしたい位置に重点的にパルプレスシー卜を配置することも できる。
ここで、 本発明の吸収体製品おいて吸収性構造体に好適に適用される吸収 体である、 水崩壊性高吸水性複合体について説明する。
この水崩壊性高吸水性複合体は、 S A Pを主体とする 「吸収性成分(A成 分)」 と、 それを担持する 「支持体成分(B成分)」 と、 S A P相互および支 持体成分とを結合する 「バインダー成分(C成分)」 とから構成される。 水崩壊性高吸水性複合体の吸収性成分(A成分)は、 S A P , あるいは S A Pの表面の少なくとも一部をミクロフイブリル状セルロースにより被覆し た複合体から構成される。
S A Pとしては、 例えば、 架橋ポリアクリル酸部分中和物(特開昭 5 5— 8 4 3 0 4号、 米国特許 4 , 6 2 5, 0 0 1号)、 デンプンーァクリロ二卜 リル共重合体の部分加水分解物(特開昭 4 6— 4 3 9 9 5号)、 デンプン―ァ クリル酸グラフ卜共重合体(特開昭 5 1 — 1 2 5 4 6 8号)、 酢酸ビニル—ァ クリル酸エステル共重合体の加水分解物(特開昭 5 2— 〗 4 6 8 9号)、 2 - ァクリルアミドー 2—メチルプロパンスルホン酸とァクリル酸の共重合架 橋物(欧州特許第 0 0 6 8 1 8 9号)、 力チ才ン性モノマーの架橋体(米国特 許第 4, 9 0 6, 7 1 7号)、架橋イソブチレン一無水マレイン酸共重合体(米 国特許第 4, 3 8 9, 5 1 3号)などが挙げられる。
これらの樹脂は、 2もしくはそれ以上の種類を混合して用いることもでき る。
S A Pの使用量は、 吸収すべき対象の体液の種類, 量により大きく変わり 、 また用途によっても変わる。 一般的には、 シート lm2当たり 1.0〜500gが 好ましく、 1〜200gが特に好ましい。
S A Pの形状は、 不定形破砕状、 球状, 粒状顆粒状、 造粒状、 リン片状、 塊状、 パール状、 微粉末状、 繊維状、 棒状、 フイルム状、 シート状等、 種々 のものが使用でき、 用途に応じて好ましい形状が採用される。 これらの他、 繊維状基材、 多孔質状、 発泡体あるいは造粒物も使用することができる。 これらの S A Pの粒子径は、 用途によって変わって適当な範囲が選ばれる 。 例えば、 紙才厶ッ用の場合は、 吸収速度が速く、 ゲルブロッキングが起こ らないことが望まれるので、 好ましい粒子径は、 平均粒径で 70〜1000/um であり、 100〜500iam がより好ましい。
吸収性構造体に用いられる S A Pは、 吸水能に優れていることに加えて、 特に、 非荷重下での吸水量が大きく、 荷重下での吸水量および保水力が大き く、 かつ吸水速度が速いものが好ましい。
これらの諸性能は、 種々の指標で表されているが、 本発明では、 体液の標 準として生理食塩水を用いて行われたテス卜の結果を S A Pの吸水能とし て表現する。
即ち使用される S A Pは、 以下の基準で表される吸水能の少なくとも一つ を満足するものであることが好ましい。
(1 )生理食塩水の平衡膨潤吸収量が、 乾燥ポリマー単位重量当たり、 20〜 200倍である。
(2)生理食塩水を 1分間吸収させたときの吸収量が乾燥ポリマ一単位重量 当たり、 10〜150倍である。
(3) 103 kPa(20gf八 m2)の荷重下での生理食塩水の吸水量が、 乾燥ポリマ 一単位重量当たり、 5~150倍である。
(4)生理食塩水を飽和吸収したポリマーゲルに、 3000Gの遠心力を 10分間 負荷した後に保持できる保水量が、 乾燥ポリマーの単位車量当たリ、 5〜150 倍である。
本発明において、 吸収性成分の主体をなす吸水性ポリマーは、 上記のよう
な優れた吸収能を有することに加えて、 生分解性を有することが望ましい。 これは、 近年、 エコロジ一に対する社会の要望にも添うからである。
吸収体製品のために従来から使用されている生分解性を有する S A Pと しては、 例えばポリエチレン才キシド架橋体(特開平 6— 1 5 7 7 9 5号)、 ポリビニルアルコール架橋体、 カルボキシメチルセルロース架橋体(米国特 許第 4, 6 5 0, 7 1 6号)、 アルギン酸架橋体、 デンプン架橋体、 ポリア ミノ酸架橋体などが知られている。
一方、 ポリアミノ酸を架橋して得られる樹脂は、 生分解性を有するために 地球環境にやさしく、 生体内に吸収されても酵素作用により消化吸収され, しかも生体内での抗原性を示さず、 分解生成物も毒性がないことが明らかに されているので、 人に対してもやさしい素材である。
本発明の架橋ポリアミノ酸は、 ポリアミノ酸の一部を架橋したものである 。 ポリアミノ酸の基本骨格は、 アミノ酸が脱水縮合したポリペプチドからな る。 アミノ酸成分の具体例としては、 2 0種類の必須アミノ酸、 L—オル二 チン、 α—アミノ酸類、 β —了ラニン、 ァ―ァミノ酪酸、 中性アミノ酸、 酸 性アミノ酸、 酸性アミノ酸の ω—エステル、 塩基性アミノ酸、 塩基性ァミノ 酸の Ν置換体、 ァスパラギン酸— L一フエ二ルァラニン 2量体(ァスバルテ ー厶)等の、 アミノ酸およびアミノ酸誘導体、 L—システィン酸等のアミノ スルホン酸、 等を挙げることができる。 α—アミノ酸は、 光学活性体(L体 、 D体)であっても、 ラセミ体であってもよい。
ポリアミノ酸は、 他の単量体成分を含む共重合体であってもよい。 共重合 体の単量体成分の例としては、 アミノカルボン酸、 アミノスルホン酸、 アミ ノホスホン酸、 ヒドロキシカルボン酸、 メルカブ卜カルボン酸、 メルカブ卜 スルホン酸、 メルカプ卜ホスホン酸等が挙げられる。
その他の単量体成分の例は、 多価ァミン、 多価アルコール、 多価チ才一ル 、 多価カルボン醸、 多価スルホン酸、 多価ホスホン酸、 多価ヒドラジン化合 物、 多価力ルバモイル化合物、 多価スルホンアミド化合物、 多価ホスホンァ ミド化合物、 多価エポキシ化合物、 多価イソシアナ一卜化合物、 多価イソチ オシアナ一卜化合物、 多価アジリジン化合物、 多価カーバメイ卜化合物、 多
価力ルバミン酸化合物、 多価才キサゾリン化合物、 多価反応性不飽和結合化 合物、 多価金属等を包含する。
共重合体である場合は、 ブロック ' コポリマー、 ランダム ' コポリマー、 またはグラフ卜 · コポリマーである。
これらの中で、 ポリアスバラギン酸、 ポリグルタミン酸、 またはポリリジ ンを基本骨格とするものは生分解性に優れ、 ポリアスパラギン酸およびダル タミン酸を基本骨格としたものは高い吸水性を有し、 さらにポリアスパラギ ン酸は工業的生産に適するという特長があるので、 これらの中から目的に応 じたものが選択される。
本発明の複合体に使用される架橋ポリアミノ酸の側鎖構造については、 置 換基がないポリアミノ酸残基であつても、 ポリアミノ酸残基が誘導されたぺ ンダン卜基を含むものであってもよい。 ポリアスパラギン酸の場合、 単純に イミド環を開環した構造でカルボキシル基を持つ基であるが、 他の置換基を 導入してもよい。
例えば、 単純にイミド環を開環した構造でカルボキシル基を持つ基、 リジ ン等のアミノ酸残基、 カルボキシル基を有するペンダント基、 スルホン酸基 を有するペンダント基等がある。 ここで、 カルボキシル基、 スルホン酸基の 場合は、 塩となっていてもよい。 カルボキシル基の対イオンとしては、 アル カリ金属塩、 アンモニゥ厶塩、 アミン塩等がある。
また、 酸性ポリアミノ酸の場合、 カルボキシル基、 もしくは側鎖基は、 ポ リマー主鎖のアミド結合に対して、 ァスパラギン酸残基の場合は、 £¾位に置 換されていても、 )8位に置換されていても構わず、 グルタミン酸残基の場合 は、 0:位に置換されていても、 T位に置換されていてもよい。
共重合体の場合、 ポリアスパラギン酸およびその共重合体の場合は、 ァス パラギン酸もしくは共重合体単量体のアミノ基等と、 ァスパラギン酸の α位 のカルボキシル基と結合した場合が α結合であり、 ァスパラギン酸の /3位の 力ルボキシル基と結合した場合が ]8結合である。
ポリアスパラギン酸の場合の a結合と) 8結合は特に限定されず、 その結合 様式は特に限定されない。 α結合のみであっても、 8結合のみであっても、
混在していてもよい。
本発明のポリアミノ酸の基本骨格と側鎖部分の結合部分は特に限定され ない。 酸性ポリアミノ酸の場合、 アミド結合、 エステル結合、 チ才エステル 結合であるまたカルボキシル基の場合は、 水素原子が結合した形でも、 塩を 構成してもよい。 カルボキシル基の対イオンとしては、 アルカリ金属塩、 ァ ンモニゥ厶塩、 アミン塩等がある。
本発明において、 使用されるポリアミノ酸は架橋体であり、 その基本骨格 と架橋部分の結合部分は特に限定されない。 酸性ポリアミノ酸の場合、 アミ ド結合、 エステル結合、 チ才エステル結合である。 これらの架橋部分および 側鎖部分は、 無置換であっても、 置換基を有していてもよい。
置換基の例としては、 炭素原子数 1 ~ 18の分岐していてもしていなくても よいアルキル基、 炭素原子数 3~8のシクロアルキル基、 ァラルキル基、 置 換していてもよいフエニル基、 置換していてもしていなくてもよいナフチル 基、 炭素原子数 1〜18の分岐していてもよいアルコキシ基、 ァラルキル才キ シ基、 フエ二ルチオ基、 炭素原子数 〜 1 8の分岐していてもよいアルキルチ 才基、 炭素原子数 〜 18の分岐していてもしていなくてもよいアルキルアミ ノ基、 炭素原子数 1〜18の分岐していてもしていなくてもよいジアルキルァ ミノ基、 炭素原子数 1〜18の分岐していてもしていなくてもよい卜リアルキ ルアンモニゥ厶基、 水酸基、 アミノ基、 メルカプト基、 スルホニル基、 スル ホン酸基、 ホスホン酸基およびこれらの塩、 アルコキシカルボニル基、 アル キルカルボニル才キシ基等が挙げられる。
これらのポリアミノ酸系樹脂の基本骨格, 架橋部、 側鎖部は、 特に限定さ れない。 吸収コアに含まれる S A Pとして十分な吸水能を発揮できるもので あれば、 製造法によらず、 いずれの樹脂も使用することができる。
架橋ポリアスバラギン酸としては、 公知の様々な方法で製造された樹脂を 使用することができる。 例えば、 ポリコハク酸イミドを多価ァミンによりそ の一部を架橋し、 残りのイミド環をアルカリ等で加水分解する方法、 ァスパ ラギン酸、 ポリアスパラギン酸とリジン等を混合し、 重合しながら架撟する 方法、 ポリアスパラギン酸と多価アミンを混合し、 高温において脱水縮合す
る方法、 ポリアスパラギン酸を多価グリシジル化合物と反応させる方法、 ポ リアスパラギン酸の水溶液にァ線を照射する方法等が挙げられる。 これらの 方法で製造された樹脂は、 吸収コアに含まれる S A Pとして十分な吸水能を 発揮できるものであれば、 製造法によらず、 いずれの樹脂も使用することが できる。
また、 生分解性を有する他の S A Pを併用してもよい。 さらに必要に応じ て、 吸収体製品の生分解性を損なわない範囲で、 生分解性を有しない S A P を併用してもよい。
水崩壊性高吸水性複合体の支持体成分(B成分)には、 木材パルプ繊維から なるティッシュ状マットであるもの、 木材パルプ繊維を主成分として構成さ れ、 かつ、 繊維長 25mm以下の繊維を混合シート化したもの、 繊維長 25mm以 下のレーヨン、 コットン、 およびリヨセルからなる群から選ばれたセルロー ス繊維を主成分として構成され、 かつ、 ポリビニルアルコールまたはその部 分架橋物からなるバインダ一成分を含むもの、 および繊維長 25mm以下のレ 一ヨン、 コットン、 リヨセルからなる群から選ばれたセルロース繊維を主成 分として構成され、 かつ、 カルボキシメチルセルロースのアルカリ土類金属 塩からなるバインダ一成分を含むものなどがある。
水崩壊性高吸水性複合体のバインダー成分(C成分)であるミクロフイブ リル状セルロースは、 第一に、 水分に対して安定であると同時に、 第一に、 S A Pの吸収性を阻害しないような結合材として働き、 S A Pを主成分とし た 2次構造化を果たしている。
また、 本発明において、 S A Pを所定の位置に拘束するネットワーク構造 は、 いわゆるミクロフイブリル状セルロースによって構成される。 このミク ロフイブリル状セルロースは、 一般的には, 平均直径が O . O l At m〜2. 0 m、 平均長が、 0. 0 l m~ 0. l At mのきわめて細い繊維状物であって、 S A Pが水 を吸収したときに、 その膨潤によって直ちに構造が崩壊するのを防止するこ とができる耐水性をもち、 しかも、 水の浸透性、 S A Pの膨潤性を阻吾しな いような性質を有する。
ここで特記すべきことは、 ミクロフイブリル状セルロースは、 ソルベーシ
ヨン(束縛水)として水と結合する、 きわめて強固な水和性を有するというこ とであり、 この水和性により、 含水媒体中に分散されると水和して、 大きな 粘性を示し、 安定に分散状態を保持する性質を示す。 なお、 本発明において 、 「ミクロフイブリル状セルロース」 という用語は、 強い水和性を示す繊維 状物を総称するもとのして使用され、 場合によっては平均直径が 2 . 0 / mを 超えるものも使用可能である。
上述のような構成を持った高吸水性複合体は、 一重の構造のみならず、 多 重の構造をとることもできる。 特に吸収性成分を重ねた構造をとつたり、 S A Pの濃度勾配を持たせたりすることにより、 吸収能力を強化することがで きる。
吸収性成分の存在位置は、 特に限定されず、 効率よく体液等を吸収できる 構造であれば、 構造体の上層、 中層、 下層のいずれであってもよい。 その分 布の状態も特に限定されず、 対象とする液体の量と注入部分に応じて、 効率 よく分布するのが好ましい。 効率化するためには、 予め複合体の分布を偏在 させることもできる。 また、 S A Pは、 その性能が十分に発揮できるように 分散して分布させることもできる。
水の拡散をより効率化するために、 吸収紙、 拡散紙を使用することができ る。 吸収紙や拡散紙については限定されないが、 通常、 セルロースを主体と した紙である。 また、 拡散を効率化するためにパルプと混合してもよい。 本発明の水崩壊性高吸水性複合体は、 その機能発現を妨げない範囲におい て、 必要に応じて、 食塩、 コロイダルシリカ、 ホワイトカーボン、 超微粒子 状シリカ、 酸化チタン粉体等の無機化合物、 キレート剤等の有機化合物、 さ らに酸化剤、 酸化防止剤、 還元剤、 紫外線吸収剤、 抗菌剤、 殺菌剤、 防カビ 剤、 肥料、 香料、 消臭剤、 顔料等を添加してもよい。 これらの添加剤が含有 する場所は、 吸収体層、 支持体層のいずれであってもよい。 また、 必要に応 じて、 消臭、 脱臭機能を有する材料を含有してもよい。 また、 菌の繁殖を抑 える抗菌剤を含有することもできる。
さらに、 周縁部にシリコン系油剤、 パラフィンワックス等の疎水性化合物 を塗布し、 あるいは予めアルキルリン酸エステルのような親水性化合物を塗
布し、 周縁部における尿等の滲みによる漏れの防止を図ってもよい。
以下、 実施例によって本発明をより具体的に説明するが、 本発明は実施例 のみに限定されるものではない。 以下の実施例および比較例において 「部」 とは 「重量部」 を意味する。
本実施例は、 (1 )樹脂の吸水能の測定、 (2 )水崩壊性高吸水性複合体の吸 水能の測定、 (3 )水崩壊性高吸水性複合体の水洗トイレへの廃棄の測定、 に ついて行った。
( 1 )樹脂の吸水能の側定
実施例中の樹脂の吸水能は、 生埋食塩水を対象とし、 平衡膨潤吸水量につ いて行った。
樹脂の平衡膨潤吸水量はティーバッグ法を用いて測定した。 すなわち、 樹 脂約 0 . Ί部を不織布製のティーバッグ(80mm X 50mm)に入れ、 過剰の溶液中 に浸して該樹脂を 1時間膨潤させた。 ついで、 ティ一バッグを引き上げて 1 分間水切りを行った後、 多量のティッシュぺ—パーに余分な水を吸収させた 後、 膨潤した樹脂を含むティーバッグの重量を測定した。 同様な操作をティ —バッグのみで行った場合をブランクとして、 膨潤した樹脂を含むティーバ ッグの重量からブランクの重量と樹脂の車量を減じた値を、 樹脂の重量で除 した値を吸水量(g / g—樹脂)とした。 なお、 生理食塩水は 0. 9重量%塩化 ナ卜リウ厶水溶液である。
( 2 )水崩壊性高吸水性複合体の吸水能の測定
水崩壊性高吸水性複合体の吸水能は、 生理食塩水と人工尿を対象とし、 飽 和吸水量、 吸水速度、 荷重下吸水量、 ウエットバックについて行った。
( 2 - 1 )水崩壊性高吸水性複合体の吸水速度の測定
水崩壊性高吸水性複合体の吸水速度の測定は、 被吸収液 1 00m lを吸収する 吸収速度(秒)を測定した。
( 2— 2 )水崩壊性高吸水性複合体の飽和吸水量の測定
水崩壊性高吸水性複合体の飽和吸水量の測定は、 ウォーターディマンド法 によリ吸水させ、 1時間後の吸水量を測定した。
( 2 - 3 )水崩壊性高吸水性複合体の荷重下吸水量の測定
水崩壊性高吸水性複合体の荷重下吸水量の測定は、 103kPa(20gf/cm2)の荷 重下、 ウォーターディマンド法により吸水させ、 1間後の吸水量を測定した
(2 - 4)水崩壊性高吸収性複合体のウエットバックの測定
水崩壊性高吸水性複合体のウエットバックの測定は、 ウォー夕一ディマン ド法により吸水させ、 飽和吸収したものに、 111kPa(1tonf/in2)の荷重をかけ たときの逆戻りした液を、 多量のティッシュペーパーに吸わせて、 その重量 を測定した。
(3)水崩壊性高吸水性複合体の水洗卜ィレへの廃棄の測定
水崩壊性高吸水性複合体の水洗卜ィレへの廃棄の測定は、 水崩壊性高吸水 性複合体の水分散性、 パイプ通過性、 水中での生分解性について測定した。
(3一 1 )水崩壊性高吸水性複合体の水分散性の測定
水崩壊性高吸水性複合体の分散性の試験は、 次の通りにて行なった。
(3 - 1 - 1 )振動試験による分散率の測定
デシケ一夕一中にて 1 日以上乾燥して恒量となった 3個の水崩壊性高吸水 性複合体を裁断し、 その 0. lgを 1Lビーカーへ入れ、 そこに 500mlの水を注 ぎ、 200mg/lの濃度に調整した。 このビーカーを振勳機にセットし、 それぞ れ 50、 100、 150rpmの速度にて、 5時間、 混合物を攪拌した。 攪拌後、 目の 開き 5mmのメッシュ No. 4のふるいを通して炉別し、残渣を 105〜110°Cにて 2時間乾燥した。 デシケ一夕—中にて冷却後、 重量を測定して分散率を測定 した。 分散率(%)は、 下記式
(W0-W1) X 100/W0
ここで 1N0は裁断した元の重量、 W1はふるいの上の残渣である。
で表される。
(3 - 1一 2)水崩壊性高吸水性複合体の水中における崩壊性の測定 水崩壊性高吸水性複合体の水中における崩壊性は、 図 2 2および図 2 3に 示した擬似洗浄槽にて測定した。 図 2 2は、 チューブ 2 2 1 および 2 2 2か ら供給された空気で攪拌するもの、 図 2 3は攪拌機 2 2 3および 2 2 4によ り機械的に攪拌するもので、 どちらもエアレーシヨン ·タンクであり、 試験
は、 表 1の条件にて行った。 ます、 試験サンプルを試験槽へ装入し、 原形を 留めないようになるまで、 または 20分間経過後まで、 3分毎に写真撮影を行 い、 評価した。
表 1
(3一 2)水崩壊性高吸水性複合体のパイプ通過性の測定
水崩壊性高吸水性複合体のパイプ通過性は、 J I S A 5 2 0 7— 1 9 7 6 C 3 1 6 , C 4 1 6、 C 3 1 7および C 4 1 7の水洗卜ィレ便器と、 T 1 2 0のロー ·タンクからなる擬似水洗トイレを用いて行った。 すなわち、 図 2 4に示した擬似トイレを作製し、 試験した。 この擬似トイレは、 便器 2 4 1 から洗浄槽 2 4 2への配水管を透明なアクリル樹脂にて作製しているため、 水崩壊性高吸水性複合体がパイプ中を通過するのを確認でき、 また、 配水管 は洗浄槽への装入部の直前にて取り外しできるので、 テス卜 ·サンプルを取 リ出すことができる構造となっている。
試験は、 次の方法で行った。 ます、 便器 2 4 1 に 3個の水崩壊性高吸水性 複合体を置き、 8〜12Lの水をタンク 2 4 4から流し、 配水管 2 4 3を通る かどうかを試験した。 さらに同様な操作を 50回繰り返し、 閉塞(詰まり)の 可能性と他の条性を確認した。
(3一 3)水崩壊性高吸水性複合体の水中における生分解性の測定 水崩壊性高吸水性複合体の水中における生分解性は、 培養液中の、 微生物 を分解して得られた細菌性セルロースを用いて測定した。 まず、 培養液(デ
ュボス液: NaN03 0,5g、 KCI 0.5g、 K2HP04 l.Og, Fe2 (S04) 3 · 7H20少量、 MgSO 4 - 7H20 0.5g、 ろ紙 5.0g、 蒸留水 1000ml、 pH7.5)を調整し、 これを用いて試 験管で試験した。 なお、 これらは、 才ー卜クレープ中 120°Cにて 10分間.攪拌 させ溶解させた。
微生物を分解して得られたセルロースの調整は、上記培養液 10ml を直径 1 6~18画の試験管に入れ. 土壌あるいはコンポス卜等の希釈液 1mlを加え、 培養し、 10關 X40關のろ紙を用いて分解能を確認した。
微生物を分解して得られたセルロースの培養は、 ろ紙の状態を観察するこ とで確認した。 単離された微生物を分解して得られたセルロースの必要量は 、 前もって上記の培養液中にて培養しておく。
分解性試験は、 デシケ一夕一中にて 1 日以上乾燥して恒量となった水崩壊 性高吸水性複合体と標準セルロース繊維を裁断し、 それぞれ 0.5gを、 上記 溶液 100ml を含む、 300ml フラスコへ入れ、 そこに 500m Iの水を注ぎ、 2週 間の間、 時々内容物を振りながら、 培養した。
培養後、 それぞれのフラスコの内容物を洗い流し、 直径 Ιμιηの細孔を持 つ直径 47mmのグラス · フィルター上に吸引濾過し、 〗05〜110°Cにて 2時間 乾燥後、 デシケーター内で乾燥し、 重量を測定した。 分解度は、 下記式
[( k0-Wk1)/W0] [ sl (W0/(Ws0-Wsl))
で表した。 式中、 W0は裁断した元の重量、 W1はふるいの上の残渣である。 水崩壊性高吸水性複合体とセルロース繊維の初期重量をそれぞれ、 Wk0、 WsO とし、 水崩壊性高吸水性複合体とセルロース繊維の培養後の残存重量をそれ ぞれ、 Wkl、 Ws1 とする。 また、 両方の培養後の試料は、 顕微鏡写真により評 価した。 実施例
[水崩壊性、 生分解性シート状基材の用意]
0.6dX7闘の Rayon繊維 20部と未叩解針葉樹パルプ(N B K P)80部をパ ルバ一により分散して、 P E Oを粘剤として約 50ppmを添加し、 傾斜短網抄 紙機によりシー卜形成して 30g/m2ウェブを湿式成形し、 脱水後、 開口シリン
ダー上で 0.01 mm*の口径を持つ多孔ノズルより 2060kPa(20Kgf/cm2) の高圧 水流で予備交絡を行った後、 さらに 5980kPa(60Kgf/cm2) の高圧水流で交絡 処理を行い乾燥して基材とした。本不織布は乾燥時も 200%程度までの湿潤時 も安定であるが、 大過剰の水中では嵩高に分解した。
本不織布を図 2 3に示したような、 攪拌機 2 2 3および 2 2 4により機械 的に攪拌する撹拌槽 2 2 3に投入したところ、 約 30秒の撹拌で原形をとど めないほどに分散した。
[生分解性 S A Pスラリーの調製]
下記の材料を使用して水崩壊性 S A Pスラリ一を調製した。
(1 )ミクロフイブリル状セルロース
S— M F C (特種製紙製)
(2)分散溶媒
エタノール/水 = 70/30
(3) S A P
架橋ポリアスパラギン酸樹脂(三井化学製)
(4)スラリー成分組成
成分 重量組成比
S— M F C 0.6
架橋ポリアミノ酸 25.0
エタノール 59.5
水 14.9
[シー卜状高吸水性複合体の製造]
上記シー卜状基材を lOm/minの速度で走行させながら、 その上層表面上に 上記(4)の成分の混合分散液を幅 7mmの間隔を置きながら約 10龍幅で連続 塗工した。
その後ロールで圧縮して溶媒の大部分を除去したのち、 熱風乾燥により乾 探し 7こ。
その乾燥シー卜に、 E V Aホッ卜メル卜 1.5g/m2をカーテンスプレー装置 によリ S A P表面にスプレーして S A P表面をホットメル卜の微細繊維状
のネッ卜ワークによって被覆した。 得られたシ一卜状高吸水性複合体の諸物 性を下記に示す。
( 1 )目付
不織布基材 30g/m2
S A P目付 〗50g/mz
(2)生理用食塩水吸収量(J IS K-7223)
吸収量 45倍
保水量 36倍
荷重下吸収量(20g;f/cm2荷重下) 25倍
(3)イオン交換水吸収量
吸収量 250倍
(4)乾燥時の安定性:
上記シー卜状高吸水性複合体は、 8本のロール上をベル卜状にして通過さ せ、 屈曲摩耗テス卜を行ったが粉塵の発生は殆どなかった。
(5)湿潤安定性(生理食塩水中)
上記シー卜状高吸水性複合体(10cm2X10cm2)を金属ネット上に置いて生理食 塩水槽に 10分間浸潰してシー卜を取り出し、 飽和吸水状態を観察したが、 基材から S A Pが脱落することは無く安定に吸水した。 その S A Pの吸水量 は 45倍であった。
(6)湿潤安定性(ィ才ン交換水中)
上記シート状高吸水性複合体 OOcmXIOcm)を金属ネッ卜上に置き、 イオン 交換水槽中に 10分間浸潰して、 シ一卜を取り出し飽和吸水状態を観察しよ うとしたが、 基材から S A Pの殆どが脱落した。 その S A Pの吸水量は 250 倍であった。 このホッ卜メル卜処理の目的は、 吸尿時の吸水量が 40倍〜 50 倍のレベルでは E V Aのホッ卜メル卜ネッ卜ワークは安定に存在し S A P の脱離を抑えるが、 吸水量が 100倍、 200倍になるとホットメル卜のネット ワークは膨潤によリ破壊され、 簡単に水分散するという特徴的現象を利用し ようとしたことにある。
[吸収性構造体の調製]
( 1 )表面シ一卜の用意
表面シ一卜として CMC- Ca繊維を主成分とする水解性シー卜(花王製メリー ズフラッシャブルワイプス用基材)を表面シー卜として用意した。
(2)裏面防水シー卜の用意
水解性 P V A部分架橋フイルム 30m/z (日本合成化学社製)を防漏シー卜と して用意した。
(3)吸収体の用意
上記シ一卜状高吸水性複合体(10cm(width) X35cm(l ength)のサイズ)のシ ート 2枚を用意した。 この 2枚のシートを、 その基材露出面を上に、 S A P コート面が相互に向き合うように重ね合わせ、 熱プレスして接合した。 この 吸収体に、 図 2 5に示すように、 S A Pの非存在部〗 1 1 に間欠的なスリツ 卜 1 1 2を施して吸収体とした。 このスリツ卜 1 1 2の意味は、 水崩壊をス ムースに行わせるための工夫であって、 水中投入時には、 このスリット 1 1 2部分を起点にして分散が発生し、 細片化が急速に促進される。
(4)吸収性構造体の調製
吸収体本体の上部に表面シー卜を重ね、 下面を裏面シー卜により被覆し、 サイドを粘着剤により固定した。 これを吸収性構造体とした。 この吸収体の 吸収性能について前述した方法に基づき測定した。 測定結果は下記の通りで ある。
·吸収スピード : 48秒
• ゥエツ卜バッグ量: 0.5g
[着用吸尿テス卜の実施]
図 1 3、 図 1 4で示したカプセル構造を備えた吸収機能部の装着ユニット 6 6内の部位に上記吸収性構造体を挿入して、 図 1で示した常時着用部 2— 1 とベルク口テープで結合して、 生後 6ヶ月の男児 3名による着用テス卜を 行った。 約 3時間着用後に尿の吸収を確認し、 脱着して吸収状態を観察した 。 液の平均吸収量は 220mlであった。
[吸収性構造体の水崩壊性テス卜]
吸尿後の吸収体構造体を用いて水性トイレへの廃棄適性の試験を行った。
水分散性については、 振動試験による分散率は 90%と良好であり、 目視に よる観察では原形は全く無くなつていた。 疑似洗浄槽を用いた崩壊性試験の 結果、 空気撹拌、 機械撹拌ともに 5分以内に原形を留めなくなった。
またパイプ通過試験の結果、 30回の試験中すベて閉塞を起こさずに流れた „
これによリ本発明の吸収性構造体は、 水崩壊性に優れたものであるとの確 認を得た。
[吸収性構造体の生分解性試験]
吸収体構造体を水崩壊させた分散液一定量をフラスコに採取し、 前述した 方法に従って水中に於ける生分解性の測定を行ったところ、 分解度は 48%と 良好な結果を得た。 産業上の利用可能性
本発明の吸収体製品は、 多数回使用可能な身体の一部を被う.着衣からなる 常時着用部と常時着用部に着脱可能に結合できるおむつ等からなる吸収機 能部を有している。 このような構成を有する本発明は、 通常の使い捨ておむ つなどのように着用者のウェス卜部分への局部的な締め付けが少ないため、 快適に着用することができる。 また常時着用部がベル卜タイプのようにゥェ ス卜部分だけ固定するものではなく、 上衣のような着衣全体で吸収機能部を 支えることができるので、 ずれも少ない。 また、 吸収機能部のみを交換する ことができるので、 ゴミとしての廃棄量を少なくできるし、 非常に経済的で もある。
さらに、 本発明の吸収体製品は、 その吸収機能部の一部もしくは全部が水 崩壊性、 生分解性、 または水崩壊性かつ生分解性を示す材料から構成されて いる。 したがって使用後に、 吸収機能部の全部を、 もしくはそのうちの汚れ た部分のみを水洗卜ィレに流し、 あるいは土中に埋設して処理することが可 能であり、 使用後の処置をきわめて容易に、 かつ衛生的に行うことができる