JPH06225908A - 使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 身体の中央に位置合わせして装着しやすく、
かつ大量の排泄物を吸収した後でも下方にずれないおむ
つを提供できるようにすることを目的とする。 【構成】 透水性表面シート１と不透水性裏面シート２
との間に吸収体３を保持するとともに、長手方向股下部
の両側縁に沿って弾性部材５を配設し、かつ背当て部と
腹当て部の少なくともいずれか一方に複数のファスニン
グテープ片４を設けてなる使い捨ておむつに、上記ファ
スニングテープ片４のうち、少なくとも一つのファスニ
ングテープ片の接着面を上記裏面シート２の外側の当該
おむつ以外のものに接着可能にして、装着の際の最初に
上記吸水体３を身体の中央に位置合わせし易くするとと
もに、装着しているときには腰回りの左右のみでなく、
肩から使い捨ておむつ本体を吊り上げて身体にしっかり
と保持するようにして、大量の排泄物を吸収した後でも
おむつが下方にずれないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は使い捨ておむつに係わ
り、特に、着用中にずれにくい工夫を施したおむつカバ
−不要の使い捨ておむつに用いて好適なものである。

【０００２】

【従来の技術】周知の通り、近年、使い捨ておむつは吸
収能、防漏パリア構造等に著しい改善がなされてきてい
る。このため、おむつが正しく着用されれば、排泄物が
漏れてしまうような問題はほとんど発生しないようにな
ってきた。

【０００３】しかし、着用を正しく行うことができなか
ったり、或いは正しく着用しても、その後におむつがず
れてしまった場合には、排泄物が漏れてしまうので、こ
のような苦情は未だ多い。

【０００４】ところで、従来より用いられているおむつ
カバ−不要の使い捨ておむつは、図８の斜視図に示すよ
うに構成されている。図８において、１は表面シート、
２は裏面シート、３は吸水体、４はファスニングテー
プ、５は弾性部材をそれぞれ示している。

【０００５】このように構成された使い捨ておむつを使
用する場合には、通常、その長手方向を身体の腹部から
股を経由して背部に当てる。そして、背部のおむつ幅方
向左右両側縁部の裏面シート２に付設されている感圧接
着テープ片、すなわち、ファスニングテープ片４の自由
端を腹部側の裏面シート２の所定位置に貼着することに
より身体に装着するようにしている。

【０００６】このような装着方法は、おむつの吸水体３
を排泄位置に正しくセットするのが厄介である。何故な
らば、先ず、右または左に配設されているファスニング
テープ片４の自由端を腹部に貼着すると、脚ギャザ−の
弾力によって吸水体３はそれぞれ最初に付けたテ−プ片
側である右または左に寄せられことになる。

【０００７】したがって、次に、左または右を固定して
も、しばしば吸水体３の中央線が排泄位置からずれたま
まになってしまうからである。特に、おむつにウェスト
ギャザーが設けられているとその傾向が強い。このよう
なトラブルは、腰に二つの合わせ目があって、それぞれ
左右離れた２箇所に設けられているファスニングテープ
片４で止めないと、おむつを身体に固定できないことに
原因がある。

【０００８】この問題の解決方法として、腰の合わせ目
が一つのおむつが考案されている。例えば、実開平２−
２０５２９号公報、実開平２−３９７２１号公報等にお
いて提案されている使い捨ておむつは、先ず、おむつを
腹部中央１ケで止める。その後に、背部に縣架されてい
るおむつの長手方向末端を股間から腹部に引出し、その
末端部に設けられた止着材で吸水体３を排泄位置に固定
するものである。

【０００９】上記おむつの場合には、腰の合わせ目が一
つなのでおむつの中央に設けられている吸水体３をセン
ターに合わせやすく、従って着用し易い利点がある。し
かし、身体の腰回りでおむつを止める点では、前者のも
のと共通点がある。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】すなわち、おむつは装
着しやすいだけではその機能を充分に果たしているとは
言えず、排泄物を受け止めるとともに、これを確実に保
持する基本機能を有していなければならない。

【００１１】近年、おむつの吸水体３の吸収機能は著し
く高くなってきている。そのため、例えば、２Ｋｇの排
泄物を吸収することができる大人用使い捨ておむつも開
発されている。しかし、２Ｋｇの排泄物を吸収した後で
も身体に装着したおむつが下方にずれ落ちないという使
い捨ておむつは開発されていない。このため、吸水体３
の性能が向上しても無駄になっている場合が多かった。

【００１２】本発明は上述の問題点にかんがみ、身体の
中央に位置合わせすることが容易で装着しやすく、かつ
大量の排泄物を吸収した後でも下方にずれないおむつを
提供できるようにすることを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明の使い捨ておむつ
は、透水性表面シートと不透水性裏面シートとの間に吸
収体を保持するとともに、長手方向股下部の両側縁に沿
って弾性部材を配設し、かつ背当て部と腹当て部の少な
くともいずれか一方に複数のファスニングテープ片を設
けてなる使い捨ておむつであって、上記ファスニングテ
ープ片のうち、少なくとも一つのファスニングテープ片
はそのファスニング接着面が裏面シートの外側の当該お
むつ以外のものに接着可能に構成されている。

【００１４】また、本発明の他の特徴とするところは、
上記ファスニング接着面が裏面シートの外側のものに接
着可能に配設されているファスニングテープ片は少なく
とも４片あり、これらの４片ファスニングテープ片は背
当て部と腹当て部の裏面シートの長手方向の両末端部の
左右に配置されていることを特徴とする。

【００１５】また、本発明のその他の特徴とするところ
は、上記ファスニングテープ片は、片面が上記裏面シー
トの外面に固着されて配置された両面接着テープ片から
なることを特徴とする。

【００１６】また、本発明のその他の特徴とするところ
は、上記ファスニングテープ片は、テープ基材の表面の
一端に第１の粘着層域が形成されるとともに他端に第１
の剥離層域が形成され、かつ上記第１の粘着層域の裏面
に第２の剥離層域が形成され、第１の剥離層域の裏面に
第２の粘着層域と摘持域とが形成されていて、上記第１
の粘着層域が上記裏面シートの外面に固着されているこ
とを特徴とする。

【００１７】また、本発明のその他の特徴とするところ
は、上記ファスニング接着面が裏面シートの外側のもの
に接着可能に配設されているファスニングテープ片は少
なくとも４片あり、４片は背当て部と腹当て部の表面シ
ートの長手方向の両末端部の左右に配置されていること
を特徴とする。このように、裏面シ−トに感圧接着テー
プを付けた使い捨ておむつとしては、おむつカバーやパ
ンツに接着テープでおむつを止めてズレを防止するもの
がある。しかし、おむつカバー不要の脚ギャザー付き使
い捨ておむつでは知られていない。

【００１８】

【作用】本発明の使い捨ておむつは上記技術手段よりな
るので、サスペンダー機能を有する感圧接着テープによ
って、装着の際の最初に、使い捨ておむつの吸水体を身
体の中央に位置合わせすることが容易となり、装着時に
位置ずれを起こしにくくなる。また、装着しているとき
には腰回りの左右のみでなく、肩から使い捨ておむつを
吊り上げて身体に保持するので、大量の排泄物を吸収し
た後でもおむつが下方にずれにくくなる。

【００１９】さらに、ファスニング接着面は裏面シート
の外側のものに接着されるので、補助支持体を使い捨て
おむつの内側に入れる必要がなくなり、その結果、補助
支持体が排泄物によって汚染されるのを防止できる。ま
た、サスペンダー機能を有する感圧接着テープと、長手
方向股下部の両側縁に沿って配設されている弾性部材の
働きによって、吸水体が使用者の股間部に確実に押し当
てられるので、排泄物の漏れが防止される。

【００２０】

【実施例】次に、添付図面を参照して本発明の使い捨て
おむつの好適な第１の実施例を説明する。なお、図１に
おいて、図８に示した従来の使い捨ておむつと同一の部
分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。

【００２１】図１から明らかなように、本実施例の使い
捨ておむつは透水性の表面シート１と、不透水性の裏面
シート２と、上記表裏シート間に挟持されて配設されて
いる吸水体３と、腰部の二つの合わせ目の２箇所に配設
されているファスニングテープ片４と、長手方向の股下
部の両側縁に沿って配設されている弾性部材５等が設け
られている。

【００２２】上述した構成は従来と同じ部分であり、本
実施例の使い捨ておむつは、このように構成された使い
捨ておむつにおいて、次のようにしている。すなわち、
背当て部の少なくともいずれか一方に、複数のファスニ
ングテープ片６を取り付けている。

【００２３】これらのファスニングテープ片６のうち、
少なくとも一つのファスニングテープ片６はそのファス
ニング接着面が裏面シート２の当該おむつ以外の外側に
存在する物体に接着可能に配設している。

【００２４】なお、以下の説明において、ファスニング
接着面が裏面シート２の外側に存在する物体に接着可能
に配設されているファスニングテープ片６をサスペンダ
ーテープと称する。ここで、裏面シート２の外側に存在
する物体とは、例えば、シャツ、ベルト、エプロン、サ
スペンダー、たすき等を言い、紙おむつの外側に装着す
るあらゆる身体的装着物を指している。このようなもの
を、以下の説明では補助支持体と称する。

【００２５】本実施例の使い捨ておむつは、図２および
図３の使用状態説明図に示すように、サスペンダーテー
プ６を介して補助支持体７から吊られる。そして、装着
の始めには、サスペンダーテープ６は使い捨ておむつを
使用者の身体に位置決めする際の位置合わせに利用され
る。

【００２６】このように構成された本実施例の使い捨て
おむつは、従来の腰部左右に設けられるファスニングテ
ープ片４と併用することが好ましい。しかし、必ずしも
これらのファスニングテープ片４と併用する必要はな
く、併用する場合には、通常、先ず、サスペンダーテー
プ６の接着後に、腰部左右のファスニングテープ片４を
接着する。

【００２７】装着完了の際、長手方向股下部の両側縁に
沿って配設されている弾性部材５の間に吸水体３を押し
当てるように力を及ぼし、排泄物の漏れを防止する。こ
のようなサスペンダーテープ６は、背側部と腹当て部の
裏面シート２の長手方向両末端部左右にそれぞれ１片づ
つ設けるのが好ましい。なお、場合によっては表面シー
ト１面に設けてもよい。

【００２８】また、サスペンダーテープ６を裏面シート
２に取り付ける場合には、両面粘着テープを用いて取り
付けるのが簡単である。この場合、両面粘着テープの片
面は裏面シート２に固着される。より好ましくは、図４
（ａ）および（ｂ）に示すように、テープ基材１５の表
面の一端に第１の粘着層域１６ａを有し、他端に第１の
剥離層域１７ａを有するとともに、第１の粘着層域１６
ａの裏面に第２の剥離層域１７ｂを有し、さらに、第１
の剥離層域１７ａの裏面に第２の粘着層域１６ｂと摘持
域１８とを有するサスペンダーテープ１９を使用する。

【００２９】この第１の粘着層域１６ａは、上記裏面シ
ート２の外面に固着され、装着時に第２の粘着層域１６
ｂは補助支持体７に接着する。非装着時、上記第２の粘
着層域１６ｂは第２の剥離層域１７ｂの上に仮接着さ
れ、粘着面の汚れを防ぐとともに、不本意な接着トラブ
ルを防止する。

【００３０】次に、図５〜図７を参照してファスニング
テープ片の具体例を説明する。図５の場合は、両面接着
テープを用いてファスニングテープ片を構成した例を示
しており、図５（ａ）は装着時の状態を示し、図５
（ｂ）は装着していないときの状態を示している。これ
らの図から明らかなように、図５に示したファスニング
テープ片９は、基材テープ１２の両面に粘着層域１１を
設けてなる両面テープ１０を裏面シート２の表面に取り
付けている。

【００３１】そして、図５（ｂ）に示したように両面テ
ープ１０の表面に剥離紙１３を貼り付けている。そし
て、装着するときには上記剥離紙１３を剥がすことによ
り、粘着層域１１を露出させ、上記粘着層域１１を裏面
シート２の外側に存在する物体に接着させることができ
るようにしている。

【００３２】図６の場合は、片面接着テープを用いて構
成した例を示しており、図６（ａ）は装着している時の
状態を示し、図６（ｂ）は装着していないときの状態を
示している。これらの図から明らかなように、図６に示
したファスニングテープ片２１は、表面シート１側に長
い片面接着テープ２２ａを取り付けるとともに、裏面シ
ート２側に短い片面接着テープ２２ｂを取り付けてい
る。

【００３３】このように構成したファスニングテープ片
２１を、装着しないときには図６（ｂ）に示すように、
長い方の片面接着テープ２２ａをＶ字上に折り曲げて短
い方の片面接着テープ２２ｂの上側に折り重ねておく。
そして、使用するときには図６（ａ）に示すように、重
ね合わせている部分を剥がして長い方の片面接着テープ
２２ａを延ばし、その粘着層域１１を露出させることに
より、裏面シート２の外側に存在する物体に接着させる
ことができるようにしている。

【００３４】図７の場合も片面接着テープを用いて構成
した例を示しており、図７（ａ）は装着している時の状
態を示し、図７（ｂ）は装着していないときの状態を示
している。これらの図から明らかなように、図７に示し
たファスニングテープ片２４は、表面シート１側に長い
片面接着テープ２５を取り付けるとともに、その中央部
にに剥離層域１４を設けている。

【００３５】このように構成したファスニングテープ片
２４を、装着しないときには図７（ｂ）に示すように、
片面接着テープをＺ字上に折り曲げて折り重ねておく。
そして、使用するときには図７（ａ）に示すように、重
ね合わせている部分を剥がして延ばし、その粘着層域１
１を露出させることにより、裏面シート２の外側に存在
する物体に接着させることができるようにしている。

【００３６】なお、本発明の実施例として、サスペンダ
ーテープ付きの腰に２つの合わせ目のあるおむつを示し
たが、サスペンダーテープを実開平２−３９７２号公報
に記載の腰に合わせ目が１つのおむつにも適用すること
もできる。

【００３７】

【発明の効果】本発明は上述したように、透水性表面シ
ートと不透水性裏面シートとの間に吸収体を保持すると
ともに、長手方向股下部の両側縁に沿って弾性部材を配
設し、かつ背当て部と腹当て部の少なくともいずれか一
方に複数のファスニングテープ片を設けてなる使い捨て
おむつに、上記ファスニングテープ片のうち、少なくと
も一つのファスニングテープ片の接着面を上記裏面シー
トの外側の当該おむつ以外の物体に接着可能にしたの
で、上記ファスニングテープ片の接着面を上記裏面シー
トの外側の物体に接着させることにより、装着の際の最
初に上記吸水体３を身体の中央に位置合わせし易くする
ことができる。

【００３７】また、装着しているときには腰回りの左右
のみでなく、肩から使い捨ておむつ本体を吊り上げて身
体にしっかりと保持することができるので、大量の排泄
物を吸収した後でもおむつが下方にずれないようにする
ことができる。

【００３８】さらに、ファスニング接着面は裏面シート
の外側のものに接着されるので、補助支持体を使い捨て
おむつの内側に入れる必要がなくなり、その結果、補助
支持体が排泄物によって汚染されるのを防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の使い捨ておむつの概略構成を示す全体
斜視図である。

【図２】装着している時の状態を説明する図である。

【図３】装着している時の状態を説明する図である。

【図４】ファスニングテープ片の第１の構成例を説明す
る図である。

【図５】ファスニングテープ片の第２の構成例を説明す
る図である。

【図６】ファスニングテープ片の第３の構成例を説明す
る図である。

【図７】ファスニングテープ片の第４の構成例を説明す
る図である。

【図８】従来の使い捨ておむつの概略構成を示す全体斜
視図である。

【符号の説明】

１ 表面シート ２ 裏面シート ３ 吸水体 ４ ファスニングテープ片 ５ 弾性部材 ６ ファスニングテープ片 ７ 補助支持体

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 透水性表面シートと不透水性裏面シート
   との間に吸収体を保持するとともに、股下部の長手方向
   両側縁に沿って弾性部材を配設し、かつ背当て部と腹当
   て部の少なくともいずれか一方に複数のファスニングテ
   ープ片を設けてなる使い捨ておむつであって、 上記ファスニングテープ片のうち、少なくとも一つのフ
   ァスニングテープ片はそのファスニング接着面が裏面シ
   ートの外側の当該おむつ以外のものに接着可能に構成さ
   れていることを特徴とする使い捨ておむつ。
2. 【請求項２】 上記ファスニング接着面が裏面シートの
   外側の当該おむつ以外のものに接着可能に配設されてい
   るファスニングテープ片は少なくとも４片あり、これら
   の４片ファスニングテープ片は背当て部と腹当て部の裏
   面シートの長手方向の両末端部の左右に配置されている
   ことを特徴とする請求項１記載の使い捨ておむつ。
3. 【請求項３】 上記ファスニングテープ片は、片面が上
   記裏面シートの外面に固着されて配置された両面接着テ
   ープ片からなることを特徴とする請求項１記載の使い捨
   ておむつ。
4. 【請求項４】 上記ファスニングテープ片は、テープ基
   材の表面の一端に第１の粘着層域が形成されるとともに
   他端に第１の剥離層域が形成され、かつ上記第１の粘着
   層域の裏面に第２の剥離層域が形成され、第１の剥離層
   域の裏面に第２の粘着層域と摘持域とが形成されてい
   て、上記第１の粘着層域が上記裏面シートの外面に固着
   されていることを特徴とする請求項１記載の使い捨てお
   むつ。
5. 【請求項５】 上記ファスニング接着面が裏面シートの
   外側のものに接着可能に配設されているファスニングテ
   ープ片は少なくとも４片あり、４片は背当て部と腹当て
   部の表面シートの長手方向の両末端部の左右に配置され
   ていることを特徴とする請求項１記載の使い捨ておむ
   つ。