JPH09276312A

JPH09276312A - 補助パッド

Info

Publication number: JPH09276312A
Application number: JP8096794A
Authority: JP
Inventors: Osamu Moriura; 理森浦; Hiroyuki Tanaka; 啓之田中
Original assignee: Toyo Eizai KK
Current assignee: Livedo Corp
Priority date: 1996-04-18
Filing date: 1996-04-18
Publication date: 1997-10-28

Abstract

(57)【要約】【課題】経時変化や糊残り等の問題を起す粘着剤によ
るずれ止め手段を使用せずに、使い捨てパンツやオムツ
内で位置ずれを引き起こすことがなく、補助パッドにお
ける最も尿を吸収すべき部分を確実に排尿器官の近傍に
位置させることができる接合手段を備えた補助パッドを
提供する。【解決手段】透液性のトップシート、吸収体および非
透液性のバックシートが積層されている使い捨て補助パ
ッドであって、前記バックシートの外表面には、繊維群
に着脱自在に接合することのできる略矩形状の面ファス
ナが、補助パッドの中心部から補助パッドの長さ方向一
端縁側に偏って設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、尿や血液等の排出
された体液を吸収する補助パッドに関し、詳しくはパン
ツやオムツ等の衣類内に取り付けたときに、位置がずれ
ることなく、良好な着脱性能を維持することのできる補
助パッドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図４は大人用の使い捨てオムツＤと、こ
のオムツＤの内側に取り付けて使用する尿吸収用の使い
捨て補助パッドＰを示す説明図であり、いずれも肌当接
面からみた一部切欠き展開図である。前記使い捨てオム
ツＤは、透液性のトップシート（合成繊維製不織布）１
１、吸収体（パルプ繊維と高吸水性樹脂等の混合物）１
２、および非透液性のバックシート（合成樹脂フィル
ム）１３から構成され、吸収体１２を、略砂時計形状に
形成したトップシート１１とバックシート１３に挟む形
で積層・接合している。このおむつＤはファスニングテ
ープ１５を利用してパンツ型に形成し、着用する様にな
っている。なお、トップシート１１の上面には、オムツ
Ｄの長さ方向に沿って左右一対の立上がりギャザー（図
示しない）が設けられるものもある。

【０００３】一方、一般的な補助パッドＰは、透液性の
トップシート１、吸収体２、および非透液性のバックシ
ート３を積層することによって矩形状に形成されてお
り、補助パッドＰの長さ方向両端部近傍には、バックシ
ート３の外表面に、ずれ止めテープ片５ａ、５ａが貼着
されている。このずれ止めテープ片５ａは両面テープで
あって、片面がバックシート３に貼着され、片面は離型
紙に覆われていて、使用時に離型紙を取り外して粘着剤
をオムツＤのトップシート１１上に貼着することによ
り、補助パッドＰの位置が着用中にずれるのを防止する
様になっている。

【０００４】しかし、テープ片５ａ、５ａは補助パッド
の長さ方向の両端部近傍にあるので、補助パッドの中央
部分がオムツに対して自由となってしまい、最も尿を吸
収すべきである補助パッドの中央部分が、着用者の運動
によって捩れてしまって、尿吸収の役目を果たさないと
いう問題があった。

【０００５】また、テープ片５ａに使用される粘着剤
は、季節や温度変化等の環境条件によって粘着強度が小
さくなったり、架橋の進行によって粘着力が経時的に低
下してしまうことが多く、補助パッドがパンツやオムツ
の中で位置ずれを起こして、尿を確実に捕捉できない。
逆に接合強度を高めるため、テープ片５ａに粘着性の高
い粘着剤を使用すると、補助パッドを交換する際にオム
ツ側のトップシート１１を引き裂いてしまうという不都
合を引き起こし、オムツ自体の使用に支障をきたしてし
まう。さらに、補助パッドを取り外したときに、粘着剤
の一部がオムツ側に残り（いわゆる糊残り）、この残っ
た粘着剤がオムツの他の部材や着用者の肌に貼り付いて
不快感を与えるという不都合があった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、上
記の様な問題を起す粘着剤によるずれ止め手段を使用せ
ずに、使い捨てパンツやオムツ内で位置ずれを引き起こ
すことがなく、補助パッドにおける最も尿を吸収すべき
部分を確実に排尿器官の近傍に位置させることができる
接合手段を備えた補助パッドを提供することを課題とし
て掲げた。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決し得た本
発明の補助パッドは、透液性のトップシート、吸収体お
よび非透液性のバックシートが積層されている使い捨て
補助パッドであって、前記バックシートの外表面には、
繊維群に着脱自在に接合することのできる略矩形状の面
ファスナが、補助パッドの中心部から補助パッドの長さ
方向一端縁側に偏って設けられているところに要旨を有
する。面ファスナは、長さが１５〜６０ｍｍ、幅が１０
〜４５ｍｍの４隅が面取りされた略矩形状であり、かつ
面ファスナの長さ方向中心線と補助パッドの長さ方向中
心線との距離が５〜４０ｍｍとなる様に偏って設けられ
ていることが好ましい。面ファスナには、フック部材が
多数形成され、各フック部材は、高さが０．２〜１．０
ｍｍ、先端の突起の幅が０．１〜１．０ｍｍの範囲内に
形成され、フック配設密度が１００〜６００本／ｃｍ²
であることも、本発明の好ましい実施態様である。

【０００８】本発明の補助パッドは、使い捨てオムツや
布製パンツ等の内側に、面ファスナによって着脱自在に
固定できるので、着用者が少々の運動をしても補助パッ
ドは位置ずれを生じることなく、尿等の排泄物を確実に
吸収処理できるようになった。また接合力が経時変化し
てしまうような粘着システムではなく、強くもなく弱く
もない最適な接合力を有する機械的接合システムの面フ
ァスナを利用しているため、オムツ側のトップシートを
引き裂く様な不都合はなくなり、しかも、確実に補助パ
ッドの位置ずれを防ぐことができる。

【０００９】さらに、面ファスナを補助パッドの中心点
から偏在させたので、着用者の性別に関係なく、着用者
（あるいは介護者）が、尿が排泄されてくる部位の近傍
に補助パッドを面ファスナでオムツに取り付けることに
より、補助パッドはその位置からずれることなく、排尿
時に確実に尿を吸収できる上に、着用者の運動と共動し
易い股下から臀部にかけては補助パッドの動きをフリー
にして、面ファスナでオムツに取り付けた部分を支点と
して補助パッドが動く様にしたので、補助パッド自体の
位置安定性が一層向上するものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１は本発明における補助パッド
の一例を示すバックシート側からの一部切欠き平面説明
図である。この補助パッドＰは非透液性のバックシート
（厚さ２０〜３０μｍの合成樹脂製シート）３、吸収体
（粉砕パルプ繊維や高吸水性樹脂等の混合物）２、およ
び透液性のトップシート（合成繊維製の不織布）１を積
層して構成され、トップシート１とバックシート３の周
縁は接着され、その内部に吸収体２が装填されている。
また必要により、トップシート１の表面側には、その側
縁の長さ方向に沿って立上がりギャザー４が左右対をな
して設けられてもよい。この立上がりギャザー４の一方
側縁はトップシート１に接着され、他側側縁には伸長状
態の弾性体が添設される。

【００１１】そして上記バックシート３の略中央には、
フック部材を備えた面ファスナ５が配設される。面ファ
スナ５は、４隅が面取りされた略矩形状すなわちＲ加工
のされた長方形か正方形に形成される。これは、角部が
あると、着用者にちくちくした感じを与える可能性があ
るためである。また補助パッドは、だいたい縦５０ｃ
ｍ、横２０ｃｍ程度の大きさなので、面ファスナ５は、
幅が１０〜４５ｍｍの範囲内で、長さが１５〜６０ｍｍ
の範囲内に形成することが好ましい。

【００１２】本発明では面ファスナ５は、バックシート
３において、幅方向中心線Ｃ₂ 上で、補助パッドの長さ
方向一端縁側に偏って（図例ではパッドの上側Ｕに偏っ
て）配設される。このとき面ファスナ５の長さ方向中心
線Ｃ₁と補助パッドの長さ方向中心線Ｃ₃との距離Ｓを、
５〜４０ｍｍとすることが好ましい。Ｓが５ｍｍより小
さいと、着用者の運動と共動し易い股下から臀部にかけ
て補助パッドの動きをフリーにする、という効果があま
り発現しない。一方、４０ｍｍを超えると、面ファスナ
が補助パッドのかなり上端縁近傍に存在することになる
ので、着用者（あるいは介護者）が、尿が排泄される部
位の近傍に補助パッドを面ファスナでオムツに取り付け
たときに、補助パッドの下方部分が、尿の吸収に約立た
ず無駄であると共に、補助パッドの上方から尿がオムツ
側に漏れ易くなって、補助パッドを利用する意味がなく
なるため好ましくない。

【００１３】面ファスナ５は、補助パッドと併用される
使い捨てオムツや使い捨てパンツのトップシートである
不織布や、布製の失禁パンツの布地中の繊維群に、着脱
自在に接合することができれば、そのフック形状は特に
限定されない。図２は、面ファスナ５のフック部材６の
一例を示す断面説明図である。このフック部材６は、い
わゆるきのこ型といわれるもので、肌に優しい感触を与
えるため、好ましく使用できる。フック部材６の高さＨ
を０．２〜１．０ｍｍ、先端の突起の幅Ｐを０．１〜
１．０ｍｍの範囲にすると、補助パッドと併用されるオ
ムツやパンツの不織布を破損することなく、しかも良好
な接合強度を確保できるため好ましい。なおフック部材
６の断面形状はきのこ型に限定されるのではなく、図３
の（ａ）〜（ｄ）に示すように、断面が、Ｉ字形、逆Ｌ
字形、逆Ｊ字形、矢印形等であってもよい。

【００１４】また上記面ファスナ５におけるフック部材
６の配設密度は、１００〜６００本／ｃｍ² とすること
が好ましい。１００本／ｃｍ² より少ないと充分な接合
性が発揮されず、６００本／ｃｍ² より多くなると、補
助パッドを取り替えるときに大きな力を要し、オムツや
パンツの不織布の繊維群を引き剥がす恐れもある。

【００１５】フック部材を上記の数値範囲に設定する
と、目付が１０〜３０ｇ程度の不織布に対して、２５ｍ
ｍ×３０ｍｍの面ファスナ試験片を３００ｍｍ／分で引
き剥がしたときに、９０度引き剥がし強度で１００〜２
０００ｇ、１８０度引き剥がし強度で１０００から５０
００ｇの範囲に設定することができる。

【００１６】本発明の補助パッドの適用範囲は、尿取り
用として、使い捨てオムツ、使い捨てパンツ、布製オム
ツカバー、編地製失禁パンツ等の内側へ配設するものは
もとより、汗取り用や母乳パッド等の体液吸収用とし
て、繊維製衣服の内側に配置することもできる。

【００１７】

【発明の効果】請求項１の構成により、温度変化や経時
変化等のない接合手段で、補助パッドを使い捨てオムツ
や布製パンツなどの内側へ確実に位置決めして固定で
き、使用後はオムツの不織布製トップシート等を損傷す
ることなく、簡単に剥がし取ることができるようになっ
た。さらに上記トップシート面に、粘着剤を糊残りさせ
るといった不具合を引き起こすこともなくなった。

【００１８】さらに、面ファスナを補助パッドの中心点
から偏在させたので、着用者の性別に関係なく、着用者
（あるいは介護者）が、尿が排泄されてくる部位の近傍
に補助パッドを面ファスナでオムツに取り付けることに
より、補助パッドはその位置からずれることなく、排尿
時に確実に尿を吸収できる上に、着用者の運動と共動し
易い股下から臀部にかけては補助パッドの動きをフリー
にして、面ファスナでオムツに取り付けた部分を支点と
して補助パッドが動く様にしたので、補助パッド自体の
位置安定性を一層向上させることができた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の補助パッドの一部破断平面説明図であ
る。

【図２】本発明に使用される面ファスナのフック部材形
状を示す断面説明図である。

【図３】（ａ）、（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）は、フック部
材の他の形状を示す断面説明図である。

【図４】従来の補助パッドと使い捨てオムツを示す概略
説明図である。

【符号の説明】

１、１１トップシート２、１２吸収体３、１３バックシート４立上がりギャザー５面ファスナ６フック部材

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】透液性のトップシート、吸収体および非
透液性のバックシートが積層されている使い捨て補助パ
ッドであって、前記バックシートの外表面には、繊維群
に着脱自在に接合することのできる略矩形状の面ファス
ナが、補助パッドの中心部から補助パッドの長さ方向一
端縁側に偏って設けられていることを特徴とする補助パ
ッド。
【請求項２】上記面ファスナは、長さが１５〜６０ｍ
ｍ、幅が１０〜４５ｍｍの４隅が面取りされた略矩形状
であり、かつ、面ファスナの長さ方向中心線と補助パッ
ドの長さ方向中心線との距離が５〜４０ｍｍとなる様に
偏って設けられている請求項１に記載の補助パッド。
【請求項３】上記面ファスナには、フック部材が多数
形成され、各フック部材は、高さが０．２〜１．０ｍ
ｍ、先端の突起の幅が０．１〜１．０ｍｍの範囲内に形
成され、フック配設密度は１００〜６００本／ｃｍ² で
ある請求項１または２に記載の補助パッド。