JP3611678B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械的ファスナーを有するおむつ止着用のファスニングテープを具備する展開型の使い捨ておむつに関し、更に詳しくは、着用者の誤操作などでファスニングテープが外れることがない、ファスニングテープの締結力に優れた使い捨ておむつに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明の解決しようとする課題】
従来より、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、両シート間に介在された液保持性の吸収体とを具備してなり、背側部の左右両側縁部におむつ止着用のファスニングテープが配されており、該ファスニングテープが機械的ファスナーの凸部材を用いて形成されている展開型の使い捨ておむつは、広く用いられている。
そして、従来の機械的ファスナーの凸部材を用いて形成されているファスニングテープは、その一面全面に凸部材を固着して形成されていた。
【0003】
しかし、このような従来のファスニングテープは幼児等の着用者の弱い力によっても外せるものであったため、着用者の誤操作やいたずらによってファスニングテープが外れてしまい、おむつが緩んだり外れたりして排泄物が漏れてしまうという問題があった。
また、かかる問題があることにより、母親などの着用者に付き添う者において、着用時にファスニングテープが外れていないかどうかを頻繁に確認する必要が生じ、安心感に乏しいという問題もあった。
【0004】
従って、本発明の目的は、ファスニングテープとして機械的ファスナーを有する使い捨ておむつにおいて、該ファスニングテープが締結力に優れ、着用者の誤操作やいたずらによっては容易に外れることがない使い捨ておむつを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、両シート間に介在された液保持性の吸収体とを具備してなり、背側部の左右両側縁部に機械的ファスナーの凸部材を有するおむつ止着用のファスニングテープが配されている展開型の使い捨ておむつにおいて、上記ファスニングテープは、基端部が上記背側部の左右両側縁部に固着されているテープ本体と、該テープ本体に固着された上記凸部材とからなり、上記凸部材は、該テープ本体の一面側において、複数個配されており、複数個の上記凸部材は、間隔を開けずに隣接して設置されている、ことを特徴とする使い捨ておむつを提供するものである(以下、第1発明というときは、この発明をいう)。
【0006】
本発明は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、両シート間に介在された液保持性の吸収体とを具備してなり、背側部の左右両側縁部に機械的ファスナーの凸部材を有するおむつ止着用のファスニングテープが配されている展開型の使い捨ておむつにおいて、上記ファスニングテープは、基端部が上記背側部の左右両側縁部に固着されているテープ本体と、該テープ本体に固着された上記凸部材とからなり、上記凸部材は、該テープ本体の一面側において、複数個配されており、複数個の上記凸部材は、分離可能に連結された複数の凸部材を、上記テープ本体に固着して設けられており、使用時においては各凸部材が完全に分離されるようになされている、ことを特徴とする使い捨ておむつ(以下、第2発明というときは、この発明をいう)。
【0007】
また、本発明は、上記テープ本体は、弾性伸縮部材により形成されている上記使い捨ておむつを提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の使い捨ておむつの実施形態について説明する。
説明の便宜上、先ず、本発明の実施形態ではない参考形態の使い捨ておむつ1(以下、本形態の使い捨ておむつともいう)について図1〜図4を参照して説明する。
ここで、図1は、参考形態の使い捨ておむつを示す平面図であり、図2(a)は、図1に示す形態におけるファスニングテープを示す拡大平面図であり、図2(b)は、その拡大側面図であり、図3は、図1に形態におけるファスニングテープを伸長させた状態を示す拡大側面図である。また、図4は、図1に示すファスニングテープの使用形態を示す拡大側面図である。
【0009】
図1に示す形態の使い捨ておむつ1は、液透過性のトップシート2と、液不透過性のバックシート3と、両シート間に介在された液保持性の吸収体4とを具備してなり、背側部Bの左右両側縁部B1、B2に機械的ファスナーの凸部材11を有するおむつ止着用のファスニングテープ10が配されている展開型の使い捨ておむつである。
【0010】
更に詳細に説明すると、本形態の使い捨ておむつ1は、図1に示すように、吸収体4が股下領域が縊れた砂時計状に湾曲形成され、トップシート2及びバックシート3も吸収体4の形状に即して股下領域が上述の如く湾曲形成されており、該吸収体4は、トップシート2及びバックシート3により挟持・固定されている。また、上記吸収体4の周縁部におけるウエスト部5とレッグ部6とには、おむつを着用した際に、着用者にウエスト部5とレッグ部6とをフィットさせるための弾性伸縮部材7がトップシート2とバックシート3とにより固定されて設けられている。
このような構成は、従来の展開型の使い捨ておむつと同じである。
【0011】
また、上記ファスニングテープ10は、それぞれ、バックシート3側に貼着されており、非使用時においては、機械的ファスナーの凸部材11が、上記トップシート2と剥離自在に締結されている。また、おむつの腹側部Aの上記バックシート3上には、該ファスニングテープ10を剥離自在に締結させるためのランディングテープ8が設けられている。
【0012】
次に、上記使い捨ておむつ1を構成する各部材の形成材料について説明する。上記トップシート2としては、排泄物を吸収体へ透過させる液透過性シートで肌着に近い感触を有したものが好ましく、このような液透過性シートとしては、例えば、織布、不織布、多孔性フィルム等が好ましく挙げられる。また、トップシート2の周縁にシリコン系油剤、パラフィンワックス等の疎水性化合物を塗布する方法や、予めアルキルリン酸エステルのような親水性化合物を全体に塗布し、周縁を温水で洗浄する方法により、撥水処理を施し、周縁における尿等の滲みによる漏れを防止することができる。
【0013】
また、上記バックシート3としては、熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸した液不透過性かつ蒸気透過性のフィルムシート、または繊維集合体が用いられる。
【0014】
また、上記吸収体4としては、解繊パルプを主材とした高分子吸水ポリマーを併用したものが好ましい。該高分子吸水ポリマーは、上記吸収体の上層、中層、下層のいずれに存在させてもよく、また、パルプと混合したものであってもよい。また、該高分子吸水ポリマーは自重の20倍以上の液体を吸収して保持し得る保持性能を有し、ゲル化する性質を有する粒子状のものが好ましく、このような高分子吸水ポリマーとしては、例えば、デンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物、アクリル酸(塩)重合体などが好ましく挙げられる。
【0015】
また、上記弾性伸縮部材7としては、糸ゴム、平ゴム、フィルムタイプの弾性材あるいはフィルム状の発泡ポリウレタン等が好ましく挙げられ、50%伸長時の応力が40〜150グラムのものが好ましい。
【0016】
上記ファスニングテープ10を構成する機械的ファスナーの凸部材11としては、「マジックテープ」(登録商標、ベルクロ社製)、「クイックロン」(登録商標、YKK社製)、「マジクロス」(登録商標、カネボウベルタッチ社製)等、鍵状やキノコ形状などの凸状の係合部材11a(図2参照)が多数付設されてなるシート等の公知の(市販の)メカニカルホックテープの凸部材を特に制限なく用いることができる。
また、上記ランディングテープ8は、機械的ファスナーの凹部材からなっており、該凹部材としては、不織布等の繊維シートの他、トリコット編物生地、たとえばフロント糸50デニール、18フィラメントバック糸20デニール、1フィラメントの構成糸を用いて、フロント3針飛びで編んだ26ゲージ/インチの編物等が用いられる。
【0017】
本形態の使い捨ておむつ1においては、図1、図2(a)及び図2(b)に示すように、上記ファスニングテープ10は、基端部12aが上記背側部の左右両側縁部に固着されているテープ本体12と、該テープ本体12に固着された上記凸部材11とからなり、上記凸部材11は、該テープ本体12の一面12c側において、4個配されている。
【0018】
更に詳述すると、上記凸部材11は、その長手方向の長さが上記テープ本体12の巾とほぼ等しい長方形状であり、上記テープ本体12の一面12c側(上記トップシート2側)において、その巾方向がテープ本体12の長手方向に沿うように、所定間隔を開けて4個配されている。
ここで、上記凸部材11の巾wは、全ての凸部材11が連続していると仮定した時のT剥離力が30g以上になるように設定するのが好ましく、また上記所定間隔dは、2cm以下であるのが好ましい。
上記巾wをT剥離が30g以下未満となるように設定すると、ランディングテープ8との係合力が不足する場合があるので、好ましくない。
また、上記所定間隔dが0であっても、各々の凸部材11が連続していなければ(即ち、各凸部材がくっついていても分離されていれば)、本発明の所望の効果が発現されるが、2.0cmを超えるとテープの操作性が損なわれる場合があるので好ましくない。
また、本形態においては上記凸部材11は4個配されているが、上記凸部材を配する個数は2個以上であれば任意である。
【0019】
また、本形態において上記凸部材11は、上記テープ本体12に接着剤を介して接着されて、固着されている。この際用いられる上記接着剤としては、通常上記凸部材11の接着に用いられるものであれば特に制限されずに用いられる。
【0020】
また、本形態においては、上記テープ本体12は、弾性伸縮部材により形成されている。このように、上記テープ本体を弾性伸縮部材により形成するのが、図3に示すように、上記テープ本体12における上記凸部材11の配されていない箇所を伸長させた状態でおむつの止着を行うことができ、おむつを止着したときに該テープ本体12の収縮により締結力が更に向上するので好ましい。
この際用いることができる上記弾性伸縮部材としては、フィルムタイプ、不織布タイプ、織布タイプ及び編物タイプの弾性伸縮材であって、弾性伸縮性を発現する素材が使用されているものであれば特に制限されない。この際用いられる形成材料としては、(発泡)ポリウレタン、変性ポリエステル、天然ゴム、合成ゴム等が挙げられる。また、構造的に弾性伸縮を発現するものでもよく、例えば、バネ状のマイクロクリップ繊維が含まれた不織布等でも良い。
【0021】
また、上記テープ本体12の先端部12bは、上記一面12c側に向けて折り返されて且つこの折り返された状態で固定されて、摘み部13を形成している。
【0022】
本形態の使い捨ておむつ1は、通常の展開型の使い捨ておむつと同様に使用することができる。そして、上記ファスニングテープ10は、これを外す際には、図4に示すように、各凸部材11の上記先端部12b側の端部11bにおいて高い剪断力がかかるため、乳幼児の誤操作やいたずら程度の力では外しにくいものであり、このため、本形態のおむつは、装着者の誤操作などにより緩んだり外れたりすることがない。
【0023】
また、本形態の使い捨ておむつ1は、常法に従って上記凸部材11を上記テープ本体12に貼り付けて形成したファスニングテープ10を用い、通常の使い捨ておむつと同様にして製造することができる。
【0024】
尚、上記の形態においては、上記テープ本体12の形成材料として、伸縮弾性部材を用いた例で説明したが、該形成材料はこれに限定されず、不織布などの柔軟性材料など種々の材料を用いることができる。
また、上記凸部材11の形状は、上記の長方形状には限定されず、円形、楕円形などとすることもできる。
第1発明の使い捨ておむつの一実施形態においては、上記の形態のおむつ1における複数個の上記凸部材11が、間隔を開けずに隣接して設置されている。この場合には、所定形状に切断された複数個の上記凸部材11を上記テープ本体12に固着することにより上記ファスニングテープ10を形成することができる。
第2発明の使い捨ておむつの一実施形態においては、上記の形態におけるファスニングテープ10に代えて、所定箇所に設けられたスリットにより引っ張れば完全に分離されるようになされた、分離可能に連結された複数の凸部材11を上記テープ本体12に固着してなる、使用時においては各凸部材11が完全に分離されるようになされたファスニングテープ10が用いられている。また、この場合には、上記テープ本体12として上記弾性伸縮部材を用るのが好ましい。
本発明の使い捨ておむつは、上述した形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【0025】
【発明の効果】
本発明の使い捨ておむつは、ファスニングテープとして機械的ファスナーを有する使い捨ておむつにおいて、該ファスニングテープが締結力に優れ、着用者の誤操作やいたずらによっては容易に外れることがないものである。
更に詳述すると、本発明の使い捨ておむつは、乳幼児などの力によっては、ファスニングテープが容易に外れることがないため、おむつが緩んだり外れたりして漏れることがなく、更には、おむつの装着状態を確認する必要がないので、母親などの付き添う者の安心感も高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、参考形態の使い捨ておむつを示す平面図である。
【図2】図2(a)は、図1に示す形態におけるファスニングテープを示す拡大平面図であり、図2(b)は、その拡大側面図である。
【図3】図3は、図1に形態におけるファスニングテープを伸長させた状態を示す拡大側面図である。
【図4】図4は、図1に示すファスニングテープの使用形態を示す拡大側面図である。
【符号の説明】
1 使い捨ておむつ
2 トップシート
3 バックシート
4 吸収体
5 ウエスト部
6 レッグ部
7 弾性伸縮部材
8 ランディングテープ
10 ファスニングテープ
11 凸部材
11a 係合部材
12 テープ本体
12a 基端部
12b 先端部
12c 一面
13 摘み部
A 腹側部
B 背側部
Claims (3)
- 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、両シート間に介在された液保持性の吸収体とを具備してなり、背側部の左右両側縁部に機械的ファスナーの凸部材を有するおむつ止着用のファスニングテープが配されている展開型の使い捨ておむつにおいて、
上記ファスニングテープは、基端部が上記背側部の左右両側縁部に固着されているテープ本体と、該テープ本体に固着された上記凸部材とからなり、
上記凸部材は、該テープ本体の一面側において、複数個配されており、
複数個の上記凸部材は、間隔を開けずに隣接して設置されている、
ことを特徴とする使い捨ておむつ。 - 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、両シート間に介在された液保持性の吸収体とを具備してなり、背側部の左右両側縁部に機械的ファスナーの凸部材を有するおむつ止着用のファスニングテープが配されている展開型の使い捨ておむつにおいて、
上記ファスニングテープは、基端部が上記背側部の左右両側縁部に固着されているテープ本体と、該テープ本体に固着された上記凸部材とからなり、
上記凸部材は、該テープ本体の一面側において、複数個配されており、
複数個の上記凸部材は、分離可能に連結された複数の凸部材を、上記テープ本体に固着して設けられており、使用時においては各凸部材が完全に分離されるようになされている、
ことを特徴とする使い捨ておむつ。 - 上記テープ本体は、弾性伸縮部材により形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の使い捨ておむつ。
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