JP2011050777A - 開放型の使い捨ておむつ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】開放型の使い捨ておむつ20が、肌当接面21,着衣当接面22,長さ方向,幅方向,長さ方向に並ぶ第1胴周域23,第2胴周域25およびそれら胴周域間に位置する股下域24を有するシャーシ30を含む。シャーシ30は、幅方向の両側部26に、第1および第2胴周域23,25を連結するファスニングシステム31を備える。第1胴周域23に、基端部53と、そこから延びる連接部54とを有し、おむつ着用者の上半身に付けられる着衣に対しておむつ20を解放可能に保持することが可能な仮留め手段50が設けられている。仮留め手段50は、基端部51において着衣当接面22に固着されており、連接部54に着衣と接続可能なファスニング要素52を備えている。
【選択図】図2
Description
近年、開放型使い捨ておむつの立位装着を容易にするために、おむつの股下部を着用者の両脚の間に挿入し易いように股下部の幅寸法を設定することが提案されている(特許文献1参照)。また、おむつの立体形態が保持され易いように、おむつの股下部においてその幅方向中央部に比較的高剛性の領域を設けることも提案されている(特許文献2参照)。
ファスニング要素がクリップ部材である場合、クリップ部材の一部がシャーシの着衣当接面に直接固着されていてもよいが、ストラップ部材を介してシャーシの着衣当接面に固着されていることが好ましい。ストラップ部材を介在させると、ストラップ部材の長さを調節することによって、着衣の着丈にかかわらず、仮留め手段によって保持されるおむつの位置を容易に調整することができる。
クリップ部材とストラップ部材、ストラップ部材とシャーシとは、公知の接着剤による接着や熱溶着または縫合など、材料特性に合わせて、適宜の方法により連結される。
仮留め手段は、シャーシの長さ方向の端部寄りであって、なおかつシャーシに配されている胴周弾性部材などの弾性体の収縮力の影響が少ない領域に設けられることが好ましい。
図1に示されている開放型の使い捨ておむつ20は、肌当接面21,着衣当接面22,長さ方向,幅方向,長さ方向に並ぶ前胴周域23,後胴周域25およびそれら胴周域23,25間に位置する股下域24を有するシャーシ30を含む。このシャーシ30は、長さ方向の縦中心線C−Cに関して対称である。
シャーシ30は、肌当接面21を形成する表面シート、着衣当接面22を形成する裏面シート、それら表裏面シートの間に介在する半剛性吸収性芯材40(図4および6を参照)、前後胴周域23,25の両側部26に位置するフラップ28、および股下域24の両側に位置する防漏カフ29で構成されている。シャーシ30は、両側部26に、前胴周域23と後胴周域25とを連結するファスニングシステム31を備える。シャーシ30の長さ方向の端部27には、胴周弾性部材41が配され、股下域24の両側には、脚周弾性部材42が配されている。
フック部材43は、フラップ28から幅方向の外方へ張り出すタブシート32の肌当接面21側に取り付けられている。図1では、向かって左側のタブシート32のみ、肌当接面21側へ2つに折り畳まれており、図2では、左右両側のタブシート32が、肌当接面21側へ2つに折り畳まれている。このようにタブシート32が2つに折り畳まれているときには、フック部材43の表面に形成された複数の凹部と、タブシート32上の、それら凹部と対向する位置に形成された凸部とが、係合している。
2本の切り込み線45に挟まれた部分のランディング部材44の下縁を手で摘んで着衣当接面22から剥がして上方に捲ると、捲られたランディング部材44のシャーシ30と対向する内面には、粘着剤が塗布されてなる粘着層52が設けられている。この粘着層52は、おむつ着用者の上半身に付けられる着衣に貼着可能なファスニング要素である(図1および2を併せて参照)。ファスニング要素としての粘着層52と、それが設けられている基材51としてのランディング部材44の一部とで、おむつ着用者の上半身に付けられる着衣に対してこのおむつ20を解放可能に保持することを可能にする仮留め手段50が構成されている(図3および4を併せて参照)。
仮留め手段50は、さらに、粘着層52表面の周縁の一部を覆うプラスチックフィルム製の剥離シート55を含む。この剥離シート55は、基材51の下縁から基端部53まで連続している。
図4に示されているように、仮留め手段50の下側には、シャーシ30の着衣当接面22上に固着された離型シート56が存在している。
仮留め手段50の基材51をランディング部材44の一部で構成することによって、基材51として新たな資材を必要としないから、製造コストおよび製造工程を増やすことなくおむつ20を製造することができる。
仮留め手段50の基材51に設けられた切り込み線45の基端部53寄りの端が、鉤型に曲がっていることによって、基材51を捲ったときに、予め設けられた切り込み線45を越えて基材51が捲られる、すなわち基材51が破れることを防ぐことができる。
粘着層52の接着強度は、1N〜10Nであると好ましく、2N〜5Nであるとより好ましい。粘着層52が、そのような接着強度を有していると、着衣にダメージを与えることなく、着衣に対しておむつ20を確実に固定することができる。上記接着強度は、後記方法によって測定される。
図7〜9に示す第2実施形態に係る開放型の使い捨ておむつ20においては、第1実施形態に係るそれと同じ主要な部材,部位にはそれぞれ同じ符号を付して、その説明を省略してある。
この第2実施形態に係る使い捨ておむつ20が、第1実施形態に係るそれと異なる主な点は、前後胴周域23,25を連結するファスニングシステム31が、後胴周域25の肌当接面21に塗布された粘着剤により形成された粘着層61と、前胴周域23の着衣当接面22に接合された、粘着層61が止着可能なプラスチックフィルム製のランディング部材62とで構成される点、剥離シート55が省略されている点、および仮留め手段50の基材51が、ファスニングシステム31のランディング部材62とは別体のシート状部材から構成されている点である。
切り込み線45の上端より端部27寄りの領域が、仮留め手段50の基端部53であり、仮留め手段50の基材51は、基端部53においてシャーシ30の着衣当接面22に固着されている。
基端部53から延びる連接部54において、2本の切り込み線45に囲まれた領域のほぼ全体に粘着層52が設けられ、この粘着層52は、シャーシ30の着衣当接面22上に固着された離型シート56に仮止めされている。
この第2実施形態において、基材51は、ループを有しないシート状部材によって構成されてもよく、第1実施形態におけるランディング部材44と同じループを有するシート状部材から構成されてもよい。
図10および11に示す第3実施形態に係る開放型の使い捨ておむつ20においては、第2実施形態に係るそれと同じ主要な部材,部位にはそれぞれ同じ符号を付して、その説明を省略してある。
この第3実施形態に係る使い捨ておむつ20が、第2実施形態に係るそれと異なる主な点は、仮留め手段50のファスニング要素がメカニカルファスナのフック部材63である点、および離型シート56が省略されている点である。
基端部53の下側部分には、連接部54の外縁から連続するように、基材51に2本の切り込み線45が入れられている。切り込み線45の上端は、第1および第2実施形態におけるそれらと同様に、鉤型に曲がっている。
連接部54における基材51の内面には、着用者の上半身に付けられる着衣と接続可能なファスニング要素であるメカニカルファスナのフック部材63が設けられている。
図12に示す第4実施形態に係る開放型の使い捨ておむつ20においては、第3実施形態に係るそれと同じ主要な部材,部位にはそれぞれ同じ符号を付して、その説明を省略してある。
この第4実施形態に係る使い捨ておむつ20が、第3実施形態に係るそれと異なる主な点は、仮留め手段50のファスニング要素がクリップ部材65であって、そのクリップ部材65が、ストラップ部材66を介してシャーシ30の着衣当接面22に固着されている点である。
片方のクリップ片の後端部には、ストラップ部材66を挿通することが可能な通路が形成されている。
着衣当接面22を形成する裏面シートには、公知の不透液性の不織布やプラスチックフィルムなどを使用することができる。
吸収性芯材40には、粉砕パルプと高吸水性ポリマー粒子との混合物を透液性または透液性と液拡散性とに優れたティッシュペーパや不織布等のシート材料で被覆したものや、粉砕パルプをそのようなシート材料で被覆したものなどを使用することができる。
タブシート32には、熱可塑性合成樹脂からなる不織布を使用することができ、その場合、タブシート32上の凸部は、熱エンボス処理によって形成することができる。
フック部材43,63には、雌雄部材から構成される公知のメカニカルファスナの雄部材とすることができる。
ランディング部材44には、その表面に、フック部材43,63が係合可能なループを備えた不織布や織布が使用される。
ランディング部材44とは別体の基材51には、ランディング部材44と同様の不織布や織布のほか、プラスチックフィルムや紙などを使用することができる。
離型シート56には、材料紙に、ポリエチレンなどの樹脂とシリコンなどの離型剤とが順次積層された公知の離型処理紙を使用することができる。
補強シート57には、上記裏面シートと同様の、公知の不透液性の不織布やプラスチックフィルムなどを使用することができる。
(1)長さ30mm,幅30mmの粘着層を含む仮留め手段の基材と、長さ50mm,幅30mmの綿布片(JIS L 0803 染色堅ろう度用添付白布3号)を用意し、共に温度20℃,湿度60%の雰囲気中に30分間放置した。
(2)綿布片上に、粘着層が接するように、幅方向の端を合わせて基材を重ね、2kgのローラーを片道かけて圧着した。
(3)温度20℃,湿度60%の雰囲気中に30分間放置した。
(4)チャック間隔:20mm,引張速度:300mm/min,剥離長さ:50mmの条件で、定速伸長引張試験機(株式会社島津製作所製 型式AG−50NI)により剥離強度を測定した。得られた数値を、粘着層の接着強度とした。
21 肌当接面
22 着衣当接面
23 前胴周域(第1胴周域)
24 股下域
25 後胴周域(第2胴周域)
26 両側部
27 端部
30 シャーシ
31 ファスニングシステム
50 仮留め手段
53 基端部
54 連接部
61 粘着層(ファスニング要素)
63 フック部材(ファスニング要素)
65 クリップ部材(ファスニング要素)
Claims (1)
- 肌当接面,着衣当接面,長さ方向,幅方向,前記長さ方向に並ぶ第1胴周域,第2胴周域およびそれら胴周域間に位置する股下域を有するシャーシを含み、前記シャーシが、前記幅方向の両側部に、前記第1胴周域と前記第2胴周域とを連結するファスニングシステムを備える開放型の使い捨ておむつにおいて、
おむつ着用者の上半身に付けられる着衣に対して前記おむつを解放可能に保持することが可能な仮留め手段が、基端部と、この基端部から延びる連接部とを有し、前記第1胴周域に設けられており、
前記仮留め手段は、前記基端部において前記シャーシの前記着衣当接面に固着されたシート状の基材と、前記連接部において前記基材の前記シャーシと対向する内面に設けられた、前記着衣と接続可能なファスニング要素とを備えており、
前記基端部が、前記基材における、前記シャーシの前記長さ方向の端部寄りの領域に位置し、前記ファスニング要素が、前記基材における、前記端部寄りの領域よりも前記股下域側に広がる領域に位置し、
前記ファスニング要素が、メカニカルファスナのフック部材であることを特徴とする前記おむつ。
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