JP2002119528A - 尿取りパッド及び尿取りパッド用ずれ止めシート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】着用者の股間部に当たる中間部がパンツ内で位
置ずれを起こすのを確実に防止し、しかも廃棄処理も容
易な尿取りパッドを提供する。 【解決手段】パンツ２内に装着し、着用者の腹部に当た
る前面部４ａと、背部に当たる背面部４ｂと、股間部に
当たる中間部４ｃとを備えた使い捨ての尿取りパッド２
０である。この尿取りパッドの中間部４ｃの裏面１０に
は、ゴム体が接着固定されている。このゴム体は、一辺
の長さが約１mmの四角形状の断面を有し、直径が約４cm
の環状のゴムバンド２２で構成されており、このゴムバ
ンド２２の前面部４ｂ側に寄った位置２２ａと、背面部
４ｂ側に寄った位置２２ｂとの２箇所が、中間部４ｃの
裏面１０に接着固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、老人や病人のパ
ンツの内側に装着して失禁の際の尿を吸収する尿取りパ
ッド及び尿取りパッドの裏面に装着する尿取りパッド用
ずれ止めシートに関する。

【０００２】

【従来の技術】図９は、パンツ２内に装着した尿取りパ
ッド４を示し、図１０は、尿取りパッド４の外観を着用
者の肌に接触する側から示したものである。この尿取り
パッド４は、着用者の肌に接触する合成繊維製の不織布
等からなる透液性のトップシート６と、パルプ繊維及び
高吸水性樹脂等の混合物からなる吸収体８と、合成樹脂
フイルム等からなる非透液性のバックシート１０とを積
層した矩形状の部材であり、長手方向の一端側を着用者
の腹部に当たる前面部４ａとし、長手方向の他端側を着
用者の背部に当たる背面部４ｂとし、前面部４ａ及び背
面部４ｂの間を着用者の股間部に当たる中間部４ｃとし
ている。なお、トップシート６の長手方向には、幅方向
に平行に離間した位置に一対のギャザー１２が立ち上が
って設けられている。

【０００３】そして、前面部４ａ及び背面部４ｂのバッ
クシート１０には、パンツ２の内面に前面部４ａ、背面
部４ｂを接着する粘着部１４ａ、１４ｂが設けられてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記構成の尿
取りパッド４をパンツ２内に装着すると、着用者が運動
する際に、股間に当たる中間部４ｃがパンツ２内で位置
ずれ（図９の矢印ａ、ｂ方向の一方の太股側に寄ってし
まう移動）を起こてしまい、尿を吸収する役目を果たさ
ない場合がある。

【０００５】また、使用済みの尿取りパッド４を廃棄す
る場合には、トップシート６側が内側になるように丸め
た尿取りパッド４を保持するために、ひも、テープ、ゴ
ム等が新たに必要であり、廃棄処理も面倒なものであっ
た。よって、本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、着用者の股間部に当たる中間部が
パンツ内で位置ずれを起こすのを確実に防止し、しかも
廃棄処理も容易な尿取りパッドを提供することともに、
パンツ内で位置ずれを起こしやすい尿取りパッドに簡単
に装着できる尿取りパッド用ずれ止めシートを提供する
ことにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明に係る尿取りパッドは、着用者のパンツ内に
装着し、前記着用者の腹部に当たる前面部と、背部に当
たる背面部と、股間部に当たる中間部とを備えた使い捨
ての尿取りパッドにおいて、パンツの内面に接触する前
記中間部の裏面に、線状のゴム体を接着固定したもので
ある。

【０００７】ここで、上記発明の尿取りパッドのゴム体
を、一辺の長さが約１mmの四角形状の断面を有し、直径
が約４cmの環状のゴムバンドで構成し、当該ゴムバンド
の、少なくとも前記前面部側に寄った位置と前記背面部
側に寄った位置との２箇所を、前記中間部の裏面に接着
固定してもよい。一方、本発明に係る尿取りパッド用ず
れ止めシートは、着用者のパンツ内に装着し、着用者の
腹部に当たる前面部と、背部に当たる背面部と、股間部
に当たる中間部とを備え、位置ずれ機能を備えていない
尿取りパッドの前記中間部の裏面に装着する部材であっ
て、下面に粘着層を設け、上面に線状のゴム体を接着固
定した可撓性のシート本体と、このシート本体の前記下
面を覆う離型紙とを備え、前記離型紙を剥がした後に、
前記粘着層を介して前記シート本体を前記中間部の裏面
に固定するシート部材である。

【０００８】ここで、上記発明の尿取りパッド用ずれ止
めシートのゴム体を、一辺の長さが約１mmの四角形状の
断面を有し、直径が約４cmの環状のゴムバンドで構成
し、当該ゴムバンドの、少なくとも互いに最も離れた２
箇所の位置を前記シート本体の上面に接着固定するとと
もに、前記２箇所の位置の一方が前記前面部側に寄り、
前記２箇所の位置の他方が前記背面部側に寄るように、
前記シート本体を前記中間部の裏面に固定してもよい。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施形態を図
面に基づいて説明する。なお、図９及び図１０で示した
構成と同一構成部分には、同一符号を付してその説明を
省略する。図１は、本発明に係る尿取りパッド２０の１
実施形態を、バックシート１０（裏面）側から示してい
る図であり、本実施形態は、バックシート１０側の中間
部４ｃの中央にゴムバンド２２を固定したことを特徴と
している。

【００１０】すなわち、このゴムバンド２２は、一辺の
長さが約１mmの四角形状の断面を有し、直径が約４cmの
環状のゴム体であり、図２及び図３にも示すように、中
間部４ａの幅方向の中央部の前面部４ａ側に寄った位置
（矢印で示す前面部４ａ側に向かう位置）２２ａと、幅
方向の中央部の矢印背面部４ｂ側に寄った位置（矢印で
示す背面部４ｂ側に向かう位置）２２ｂの２箇所の位置
が、バックシート１０上に設けた接着部２４ａ、２４ｂ
を介して固定されている。

【００１１】なお、本実施形態では、ゴムバンド２２の
２箇所の位置２２ａ、２２ｂをバックシート１０上に固
定したが、本発明の要旨は、少なくとも２箇所の位置２
２ａ、２２ｂを固定するものであり、他の複数の位置も
バックシート１０上に固定してもよい。また、本実施形
態では、ゴムバンド２２の所定位置をバックシート１０
上に設けた接着部２４ａ、２４ｂを介して固定している
が、本発明ではこれに限定せず、例えば片面テープ等を
使用してゴムバンド２２の所定位置をバックシート１０
上に固定してもよい。前述した片面テープとして、例え
ばニチバン製のホワイトテープ（不織布サージカルテー
プ２５mm×９mm）が、ゴムバンド２２を確実に固定し、
テープ自体がパンツ２の内面２ａに付着しないので良好
である。

【００１２】そして、図４は、着用者が上記構成の尿取
りパッド２０をパンツ２内に装着したときに、着用者の
股間に当たっている中間部４ｃの状態を示すものであ
る。この図から明らかなように、股間の形状に沿って湾
曲している中間部４ｃのバックシート１０とパンツ２の
内面２ａとの間には、バックシート１０及び内面２ａに
対して密着面積を増大させたゴムバンド２２が介在して
いる。

【００１３】この際、バックシート１０及び内面２ａ
は、弾性変形しながら断面四角形状を維持しているゴム
バンド２２の角部になじむ状態となる（角部がバックシ
ート１０及び内面２ａにくい込む状態）。このような状
態で、着用者の運動により、中間部４ｃのパンツ２の内
面に接触している部分が一方の太股側に移動しようとす
るが（図９で示した矢印ａ、ｂ方向の一方）、中間部４
ｃが移動しようとする方向に対して直角方向に延在（前
面部４ａ及び背面部４ｂの間に延在）しながらバックシ
ート１０とパンツ２の内面２ａとの間に密着しているゴ
ムバンド２２が、バックシート１０及び内面２ａに対し
て大きなすべり摩擦力を発生し、しかも、バックシート
１０及び内面２ａが、弾性変形しながら断面四角形状を
維持するゴムバンド２２の角部になじむので、中間部４
ｃが一方の太股側に移動するのを拘束する。これによ
り、着用者が少々の運動しても中間部４ｃの一部がパン
ツ２内で位置ずれが生じない。

【００１４】したがって、本実施形態の尿取りパッド２
０は、着用中に中間部４ｃの位置がずれないので、尿を
吸収する役目を十分に果たすことができる。また、本実
施形態で使用しているゴムバンド２２は、柔らかいゴム
体なので、尿取りパッド２０とパンツ２の間に介在して
いても、着用者に違和感を与えることがない。

【００１５】さらに、本実施形態の尿取りパッド２０
は、バックシート１０にゴムバンド２２ａを接着固定し
ただけで中間部４ｃの位置ずれ防止を行うことができる
ので、位置ずれ防止機能付きの尿取りパッド２０を低コ
ストで製造することができる。一方、図５は、使用済み
の尿取りパッド２０を、トップシート６側が内側になる
ように丸めて保持する状態を示すものである。この際、
バックシート１０の接着部２４ａ、２４ｂに固定したゴ
ムバンド２２の２箇所の位置２２ａ、２２ｂのうち、一
方の位置２２ａの固定状態をバックシート１０から離す
ことで解除する。そして、他方の位置２２ｂをバックシ
ート１０に固定した状態で、丸めた尿取りパッド２０の
外側をゴムバンド１０で保持する。

【００１６】このように、尿取りパッド２０を廃棄する
際にも、ゴムバンド２２を有効に利用することができ、
しかも、ゴムバンド２２の他方の位置２２ｂをバックシ
ート１０に固定したままで、簡単に丸めた尿取りパッド
２０の外側を保持することができるので、廃棄処理も容
易な尿取りパッド２０を提供することができる。なお、
図５では、ゴムバンド２２の他方の位置２２ｂをバック
シート１０に固定したままとしたが、一方の位置２２ｂ
をバックシート１０に固定したままで丸めた尿取りパッ
ド２０を保持すうようにしてもよく、或いは、両方の位
置２２ａ、２２ｂをバックシート１０から離して丸めた
尿取りパッド２０の外側を保持するようにしてもよい。

【００１７】次に、図６から図８に示すものは、本発明
に係る尿取りパッド用ずれ止めシートの１実施形態を示
すものである。なお、図１から図５で示した尿取りパッ
ド２０の構成と同一構成部分には、同一符号を付してそ
の説明を省略する。本実施形態の尿取りパッド用ずれ止
めシート３０（以下、ずれ止めシート３０と称する）
は、図６及び図７に示すように、下面に接着層３２を設
け、上面にゴムバンド２２を固定したシート本体３４
と、このシート本体３４の接着層３２を覆っている離型
紙３６とを備えた部材である。

【００１８】シート本体３４は、樹脂フィルム等からな
る可撓性を有する矩形状のシートであり、このシート本
体３４の中央部にゴムバンド２２を配置している。そし
て、ゴムバンド２２の２箇所の位置２２ａ、２２ｂが、
シート本体３４の上面に設けた接着部２４ａ、２４ｂを
介して固定されている。なお、本実施形態も、ゴムバン
ド２２の２箇所の位置２２ａ、２２ｂをシート本体３４
の上面に固定したが、本発明の要旨は、少なくとも２箇
所の位置２２ａ、２２ｂを固定するものであり、他の複
数の位置もシート本体３４の上面に固定してもよい。

【００１９】そして、上記構成のずれ止めシート３０
を、図８に示すように、位置ずれ機能を備えていない尿
取りパッド４０に装着する。すなわち、ずれ止めシート
３０の離型紙３６を剥がした後、ゴムバンド２２の位置
２２ａが前面部４ａ側に寄り、位置２２ｂが背面部４ｂ
側に寄るように、尿取りパッド４０のバックシート１０
側における中間部４ａの中央部にずれ止めシート３０を
接着する。

【００２０】このように、位置ずれ機能を備えていない
尿取りパッド４０の中間部４ａにずれ止めシート３０を
接着することで、着用者が運動しても、バックシート１
０とパンツ２の内面２ａとの間に密着しているゴムバン
ド２２が、バックシート１０及び内面２ａに対して大き
なすべり摩擦力を発生し、しかも、バックシート１０及
び内面２ａは、弾性変形しながら断面四角形状を維持し
ているゴムバンド２２の角部になじむので、中間部４ｃ
が一方の太股側に移動するのを拘束する。これにより、
本実施形態も、着用者が少々の運動しても中間部４ｃの
一部がパンツ２内で位置ずれが生じない。

【００２１】したがって、本実施形態のずれ止めシート
３０は、通常の尿取りパッド４０に対して、中間部４ｃ
の位置ずれを防止する機能を備えることができ、尿を吸
収する役目を十分に果たすことができる。また、図１か
ら図５で示した実施形態と同様に、柔らかいゴムバンド
２２を使用しているので着用者に違和感を与えず、しか
も、尿取りパッド４０を廃棄する際にも、ゴムバンド２
２を有効に利用することができるので、廃棄処理も容易
な尿取りパッド４０を提供することができる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１記載の尿
取りパッドによると、着用者の運動により、中間部のパ
ンツの内面に接触している部分が横方向（太股の一方
側）に移動しようとするが、中間部の裏面に接着固定し
た線状のゴム体が、中間部の裏面及びパンツの内面に対
してすべり摩擦力を発生し、このすべり摩擦力により中
間部が横方向に移動するのを拘束する。これにより、着
用者が少々の運動しても中間部の一部がパンツ内で位置
ずれを起こさないので、本発明の尿取りパッドは、尿を
吸収する役目を十分に果たすことができる。

【００２３】また、請求項２記載の尿取りパッドによる
と、一辺の長さが約１mmの四角形状の断面を有し、直径
が約４cmの環状のゴムバンドが、中間部が移動しようと
する方向に対して直角方向に延在（前面部及び背面部の
間に延在）しながら中間部の裏面とパンツの内面との間
に密着して大きなすべり摩擦力を発生するとともに、パ
ンツの内面が、弾性変形しながら断面四角形状を維持し
ているゴムバンド２２の角部になじむので、中間部の移
動を確実に拘束する。

【００２４】また、請求項２記載の尿取りパッドで使用
しているゴムバンドは、柔らかいゴム体なので、尿取り
パッドとパンツの間に介在していても、着用者に違和感
を与えることがない。そして、本発明の尿取りパッド
は、ゴムバンドを使用しただけで中間部の位置ずれ防止
を行うことができるので、位置ずれ防止機能付きの尿取
りパッドを低コストで製造することができる。

【００２５】さらに、請求項２記載の尿取りパッドを廃
棄する際には、丸めた尿取りパッドをゴムバンドで外側
から保持することで廃棄準備が完了するので、廃棄処理
も容易な尿取りパッドを提供することができる。一方、
請求項３記載の尿取りパッド用ずれ止めシートによる
と、位置ずれ機能を備えていない尿取りパッドに対して
も、中間部の裏面にシート本体を固定するだけで、請求
項１記載の発明と同様の効果を得ることができる。

【００２６】また、請求項３記載の尿取りパッド用ずれ
止めシートによると、位置ずれ機能を備えていない尿取
りパッドに対しても、中間部の裏面にシート本体を固定
するだけで、請求項２記載の発明と同様の効果を得るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る尿取りパッドをバックシート（裏
面）側から示した図である。

【図２】図１の尿取りパッドの中間部の裏面部分を詳細
に示した図である。

【図３】図２のIII −III 線断面図である。

【図４】本発明の尿取りパッドをパンツ内に装着した状
態を示す要部断面図である。

【図５】使用済みとなった尿取りパッドの廃棄準備を行
った状態を示す図である。

【図６】本発明に係る尿取りパッド用ずれ止めシートを
示す斜視図である。

【図７】本発明に係る尿取りパッド用ずれ止めシートを
側面視で示した図である。

【図８】本発明に係る尿取りパッド用ずれ止めシート
を、位置ずれ機能を備えていない尿取りパッドに固定し
た状態を示す図である。

【図９】パンツ内に尿取りパッドを装着した状態を示す
図である。

【図１０】従来の尿取りパッドを示す斜視図である。

【符号の説明】

２ パンツ ２ａ パンツの内面 ４ａ 前面部 ４ｂ 背面部 ４ｃ 中間部 ２０ 尿取りパッド ２２ ゴムバンド（ゴム体） ２２ａ、２２ｂ ゴムバンドの接着位置 ３０ 尿取りパッド用ずれ止めシート ３２ 粘着層 ３４ シート本体 ３６ 離型紙

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 着用者のパンツ内に装着し、前記着用者
   の腹部に当たる前面部と、背部に当たる背面部と、股間
   部に当たる中間部とを備えた使い捨ての尿取りパッドに
   おいて、パンツの内面に接触する前記中間部の裏面に、
   線状のゴム体を接着固定したことを特徴とする尿取りパ
   ッド。
2. 【請求項２】 前記ゴム体を、一辺の長さが約１mmの四
   角形状の断面を有し、直径が約４cmの環状のゴムバンド
   で構成し、当該ゴムバンドの、少なくとも前記前面部側
   に寄った位置と前記背面部側に寄った位置との２箇所
   を、前記中間部の裏面に接着固定したことを特徴とする
   請求項１記載の尿取りパッド。
3. 【請求項３】 着用者のパンツ内に装着し、着用者の腹
   部に当たる前面部と、背部に当たる背面部と、股間部に
   当たる中間部とを備え、位置ずれ機能を備えていない尿
   取りパッドの前記中間部の裏面に装着する尿取りパッド
   用ずれ止めシートであって、 下面に粘着層を設け、上面に線状のゴム体を接着固定し
   た可撓性のシート本体と、このシート本体の前記下面を
   覆う離型紙とを備え、前記離型紙を剥がした後に、前記
   粘着層を介して前記シート本体を前記中間部の裏面に固
   定することを特徴とする尿取りパッド用ずれ止めシー
   ト。
4. 【請求項４】 前記ゴム体を、一辺の長さが約１mmの四
   角形状の断面を有し、直径が約４cmの環状のゴムバンド
   で構成し、当該ゴムバンドの、少なくとも互いに最も離
   れた２箇所の位置を前記シート本体の上面に接着固定す
   るとともに、前記２箇所の位置の一方が前記前面部側に
   寄り、前記２箇所の位置の他方が前記背面部側に寄るよ
   うに、前記シート本体を前記中間部の裏面に固定するこ
   とを特徴とする請求項３記載の尿取りパッド用ずれ止め
   シート。