JP4136572B2 - 使い捨て体液吸収パッド - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使い捨て体液吸収パッドに関する。
【０００２】
【従来の技術】
肌当接側に位置する透液性表面シートと肌非当接側に位置する不透液性裏面シートとの間に吸液性コアが介在し、横方向へ延びる両端縁部と、縦方向へ延びる両側縁部とを有する縦長の使い捨て体液吸収パッドは公知である（特許文献１参照）。
【０００３】
特許文献１に開示のパッドは、その着用時に、着用者の腹部の側に位置する前域および臀部の側に位置する後域と、着用者の股間部に位置する中間域とを有する。このパッドの裏面シートには、環状の細長いゴムが取り付けられている。ゴムは、パッドの中間域における横方向中央に配置されている。ゴムは、縦方向両端部が裏面シートの外面に固着され、両端部間に延びる中央部が裏面シートの外面から遊離している。このパッドは、パンツの内側にのせてパンツとともに着用する。このパッドは、裏面シートの外面に取り付けられたゴムがパンツの内側に接するので、ゴムが滑り止めとなってパンツに対するパッドのずれを防ぐことができる。
【０００４】
【特許文献１】
特開２００２−１１９５２８号公報（第２−３頁、第１図）
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献１に開示のパッドは、その着用時にパッドをパンツにのせるだけなので、パッドそれ自体が着用者の肌に密着することはなく、パンツを介してパッドを着用者の肌に密着させる必要がある。このパッドは、パンツが着用者の股間部からずれ下がると、それにともなってパッドも股間部からずれ下がり、パッドが着用者の肌から離間してパッドに体液を吸収させることができない。また、このパッドは、パンツとともに着用しなければならないので、特に寝たきりの着用者にパッドを着用させる場合、パンツを着用させた後にパッドをパンツの内側にのせなければならず、パッドの着用に手間を要する。
【０００６】
本発明の課題は、着用に手間を要せず、パンツを介さずに着用者の肌に密着させることができる使い捨て体液吸収パッドを提供することにある。
【０００７】
前記課題を解決するための本発明は、肌当接側に位置する透液性表面シートと、肌非当接側に位置する不透液性裏面シートと、それらシートの間に介在する吸液性コアとから構成され、横方向へ延びる両端縁部と、縦方向へ延びる両側縁部と、着用時に、着用者の腹部の側に位置する前域および臀部の側に位置する後域と、着用者の股間部に位置する中間域とを有し、パッドを縦方向へ引っ張ることが可能な把持部が前記前域に位置する
使い捨て体液吸収パッドの改良に係り、第１及び第２の発明を含む。
第１の発明の特徴とするところは、前記パッドが、さらに、前記前後域と前記中間域とのうちの少なくとも該中間域における前記両側縁部に沿って縦方向へ延びる弾性部材を有する。前記把持部が、前記両側縁部の一方に配置されて前記前域の端縁部から縦方向外方へ延びる第１帯片と、前記両側縁部の他方に配置されて前記前域の端縁部から縦方向外方へ延びる第２帯片とから形成されている。前記第１帯片が、前記両側縁部の一方に位置して肌当接側に固着された内側固定部と、前記両側縁部の一方に位置して肌非当接側に固着された外側固定部とを有し、前記内側固定部と前記外側固定部との間に延びることで形成される第１把持部と、前記第２帯片が、前記両側縁部の他方に位置して肌当接側に固着された内側固定部と、前記両側縁部の他方に位置して肌非当接側に固着された外側固定部と、前記内側固定部と前記外側固定部との間に延びることで形成される第２把持部とから構成されていることにある。
【０００８】
第２の発明の特徴とするところは、前記パッドは、さらに、前記前後域と前記中間域とのうちの少なくとも該中間域における前記両側縁部に沿って縦方向へ延びる弾性部材を有し、前記把持部は帯片を含み、前記帯片は前記前域の前記両側縁部における前記肌当接側に位置する両内側固定部を有し、前記把持部が前記両内側固定部の間に位置し縦方向外側へ延びる前記帯片の中間部から構成されていることにある。
【０００９】
（１）前記帯片が、弾性的な伸縮性を有し、前記帯片の内側固定部が、前記パッドの肌当接側に収縮可能に固着されている。
（２）前記中間域における前記コアの表裏面シート間の厚み寸法が、前記前後域における前記コアのそれよりも小さい。
（３）前記中間域における前記コアの両側縁間の横寸法が、前記後域における前記コアのそれよりも小さい。
（４）前記パッドの後域には、縦方向へ延びる止着テープが配置され、前記止着テープが、前記後域の肌非当接側に固着された固着部と、前記後域の端縁部から縦方向外方へ延びていて前記パッドの肌非当接側に着脱可能な自由部とを有する。
（５）前記パッドでは、前記前域と前記後域とが互いに当接するように、前記表面シートを内側にして前記中間域が縦方向へ二つに折り畳まれ、前記止着テープの自由部が前記パッドの前域における肌非当接側に剥離可能に仮着されて該パッドの折り畳まれた状態が維持されている。
【００１０】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照し、本発明に係る使い捨て体液吸収パッドの詳細を説明すると、以下のとおりである。
【００１１】
図１，２は、一例として示すパッド１Ａの部分破断斜視図と、図１のＩＩ−ＩＩ線矢視断面図とであり、図３は、図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線矢視断面図とである。図１では、横方向を矢印Ｘ、縦方向を矢印Ｙで示し、厚み方向を矢印Ｚで示す。なお、表裏面シート２，３の内面とは、コア４に対向する面をいい、それらシート２，３の外面とは、コア４に非対向の面をいう。
【００１２】
パッド１Ａは、肌当接側に位置する透液性表面シート２と、肌非当接側に位置する不透液性裏面シート３と、表裏面シート２，３の間に介在する吸液性コア４とから構成されている。パッド１Ａは、縦方向へ長く、コア４の両端縁４ａの外側に位置して横方向へ延びる両端縁部５，６と、コア４の両側縁４ｂの外側に位置して縦方向へ延びる両側縁部７，８とを有する。
【００１３】
パッド１Ａは、その着用時に、着用者３０の腹部３１の側に位置する前域９と、着用者３０の臀部３３の側に位置する後域１１と、着用者３０の股間部３２に位置する中間域１０とを有する（図５参照）。パッド１Ａは、中間域１０における両側縁部７，８間の横寸法が前後域９，１１における両側縁部７，８間の横寸法よりも小さく、その平面形状が実質的に砂時計型を呈する。パッド１Ａには、それを縦方向へ引っ張ることが可能な一対の帯片１２ａ，１２ｂと、着用前のパッド１Ａの折り畳まれた状態（図４参照）を維持するための止着テープ１３とが取り付けられている。
【００１４】
中間域１０の両側縁部７，８には、縦方向へ延びる複数条の伸縮性弾性部材１４が収縮可能に取り付けられている。弾性部材１４は、表面シート２と裏面シート３との間に介在し、それらシート２，３の内面に固着されている。図１では、弾性部材１４が縦方向内方へ収縮し、パッド１Ａが表面シート２を内側にして縦方向へ湾曲している。
【００１５】
帯片１２ａ，１２ｂは、一方の側縁部７に配置されて前域９の端縁部５から縦方向外方へ延びる第１帯片１２ａと、他方の側縁部８に配置されて前域９の端縁部５から縦方向外方へ延びる第２帯片１２ｂとから形成されている。それら帯片１２ａ，１２ｂには、非伸縮性の繊維不織布が使用されている。それら帯片１２ａ，１２ｂは、実質的に環を形成している。
【００１６】
第１帯片１２ａは、側縁部７に位置して表面シート２の外面（肌当接側）に固着された第１内側固定部１５と、側縁部７に位置して裏面シート３の外面（肌非当接側）に固着された第１外側固定部１６と、第１内側固定部１５と第１外側固定部１６との間に延びる第１把持部１７とを有する。第２帯片１２ｂは、側縁部８に位置して表面シート２の外面（肌当接側）に固着された第２内側固定部１８と、側縁部７に位置して裏面シート３の外面（肌非当接側）に固着された第２外側固定部１９と、第２内側固定部１８と第２外側固定部１９との間に延びる第２把持部２０とを有する。
【００１７】
第１および第２内側固定部１５，１８は、パッド１Ａの両側縁部７，８に沿って、前域９から中間域１０に向かって延びている。それら内側固定部１５，１８を表面シート２に固着するときは、弾性部材１４を縦方向外方へ伸長させた状態にある。中間域１０では、それら帯片１２ａ，１２ｂの内側固定部１５，１８が弾性部材１４の収縮によって縦方向内方へ縮んでいる。第１および第２外側固定部１６，１９は、前域９に位置している。それら内側固定部１５，１８とそれら外側固定部１６，１９とは、ホットメルト型接着剤（図示せず）を介して表裏面シート２，３に固着されている。表裏面シート２，３に対するそれら固定部１５，１６，１８，１９の固着には、接着剤の他に、熱融着手段を利用することもできる。
【００１８】
コア４は、パッド１Ａの前後域９，１１間に延び、表裏面シート２，３の内面に接合されている。コア４は、中間域１０における表裏面シート２，３間の厚み寸法Ｌ１が前後域９，１１における表裏面シート２，３間の厚み寸法Ｌ２，Ｌ３よりも小さく、パッド１Ａの前後域９，１１と中間域１０とにおいてコア４に段差２１が形成されている（図２参照）。コア４は、パッド１Ａの中間域１０における両側縁４ｂ間の横寸法Ｌ４が前後域９，１１における両側縁４ｂ間の横寸法Ｌ５よりも小さく（図３参照）、その平面形状が実質的に砂時計型を呈する。
【００１９】
両端縁部５，６では、コア４の両端縁４ａから縦方向外方へ延びる表裏面シート２，３の部分が互いに重なり合い、部分においてそれらシート２，３の内面どうしが固着されている。両側縁部７，８では、コア４の両側縁４ｂから横方向外方へ延びる表裏面シート２，３の部分が互いに重なり合い、部分においてそれらシート２，３の内面どうしが固着されている。
【００２０】
止着テープ１３は、パッド１Ａの後域１１に配置されて縦方向へ延びている。止着テープ１３は、裏面シート３の外面（肌非当接側）に固着された固着部１３ａと、後域１１の端縁部６から縦方向外方へ延びる自由部１３ｂとを有する。自由部１３ｂには、粘着剤（図示せず）が塗布されている。止着テープ１３は、可撓性を有するプラスチックフィルムが使用されている。
【００２１】
表裏面シート２，３どうしの固着、表裏面シート２，３に対する弾性部材１４の固着、表裏面シート２，３に対するコア４の接合には、それらシート２，３の内面に断続的に塗布されたホットメルト型接着剤（図示せず）が使用されている。接着剤は、それらシート２，３の内面にスパイラル状やジグザグ状、ドット状、縞状のうちのいずれかの態様で塗布されている。なお、接着剤は、表裏面シート２，３のいずれか一方の内面に塗布されていてもよい。
【００２２】
図４，５は、折り畳んだ状態にある着用前のパッド１Ａの斜視図と、着用状態にあるパッド１Ａの斜視図とであり、図６は、廃棄するために折り畳まれた着用後のパッド１Ａの斜視図である。図５では、仰向けに寝た着用者３０を二点鎖線で示す。
【００２３】
着用前のパッド１Ａは、図４に示すように、前域９と後域１１とが互いに当接するように、表面シート２を内側にして中間域１０が縦方向へ二つに折り畳まれている。前域９における裏面シート３の外面（肌非当接側）には、止着テープ１３の自由部１３ｂが粘着剤を介して剥離可能に仮着されている。パッド１Ａは、止着テープ１３によってその折り畳まれた状態が維持されている。
【００２４】
パッド１Ａを使用するには、止着テープ１３の自由部１３ｂを裏面シート３の外面から剥がし、前後域９，１１が互いに離間するように、前後域９，１１を縦方向へ展開する。パッド１Ａを着用させる一例としては、介護者が仰向けに寝ている着用者３０の臀部３３を持ち上げ、臀部３３の下にパッド１Ａの後域１１を位置させた後、着用者３０の臀部３３を後域１１の上に降ろす。次に、パッド１Ａの前域９を着用者３０の腹部３１の側に旋回させる。パッド１Ａは、図５に示すように、中間域１０で折れ曲がり、前域９が着用者３０の腹部３１に当接し、後域１１が着用者３０の臀部３３に当接するとともに、中間域１０が着用者３０の股間部３２に当接する。
【００２５】
パッド１Ａは、それを着用した着用者３０が第１および第２帯片１２ａ，１２ｂの把持部１７，２０を両手３４で持ち、それら帯片１２ａ，１２ｂを矢印Ｙ１で示す縦方向外方へ引っ張ることで、パッド１Ａの前後域９，１１と中間域１０とを肌に密着させることができ、排泄時にパッド１Ａに体液を確実に吸収させることができる。
【００２６】
パッド１Ａは、それら帯片１２ａ，１２ｂを縦方向外方へ引っ張ることで、弾性部材１４が縦方向へ伸長するとともに、パッド１Ａの中間域１０における両側縁部７，８が着用者３０の肌に密着するので、パッド１Ａの両側縁部７，８からの体液の漏れを防ぐことができる。パッド１Ａは、第１帯片１２ａまたは第２帯片１２ｂの引っ張る力を加減することによって、パッド１Ａの両側縁部７，８の肌に対する密着の程度を調節することができる。
【００２７】
パッド１Ａは、従来技術のそれと異なり、パンツを介してパッド１Ａを肌に密着させる必要はない。パッド１Ａは、その着用時に、それをパンツにのせてパンツとともに着用する必要はなく、パッド１Ａの後域１１を着用者３０の臀部３３の下に敷くだけなので、パッド１Ａを簡単に着用させることができ、特に寝たきりの着用者３０の体液処理用として好適である。
【００２８】
パッド１Ａは、その前後域９，１１と中間域１０とにおいてコア４に段差２１が形成されているので、帯片１２ａ，１２ｂを縦方向外方へ強く引っ張ったとしても、後域１１におけるコア４が着用者３０の股間部３２に引っ掛かり、パッド１Ａが着用位置から外れてしまうことはない。パッド１Ａは、その中間域１０におけるコア４の横寸法Ｌ４が前後域９，１１におけるコア４のそれよりも小さいので、帯片１２ａ，１２ｂを縦方向外方へ強く引っ張ったとしても、後域１１におけるコア４が着用者３０の股間部３２に引っ掛かり、パッド１Ａが着用位置から外れてしまうことはない。
【００２９】
体液で汚れたパッド１Ａを廃棄するには、図６に示すように、パッド１Ａを着用位置から取り外し、表面シート２を内側にした状態でパッド１Ａを後域１１から前域９に向かって縦方向へ折り畳んだ後、それら帯片１２ａ，１２ｂの把持部１７，２０を折り畳まれたパッド１Ａの外周面にかける。パッド１Ａは、帯片１２ａ，１２ｂの把持部１７，２０を介してその折り畳まれた状態が維持されるので、パッド１Ａを折り畳んだ状態のまま廃棄することができる。
【００３０】
図７，８は、他の一例として示すパッド１Ｂの部分破断斜視図と、図７のＶＩＩＩ−ＶＩＩＩ線矢視断面図とであり、図９は、図７のＩＸ−ＩＸ線矢視断面図とである。図７では、横方向を矢印Ｘ、縦方向を矢印Ｙで示し、厚み方向を矢印Ｚで示す。
【００３１】
パッド１Ｂは、透液性表面シート２と不透液性裏面シート３との間に吸液性コア４が介在し、両端縁部５，６および両側縁部７，８と、着用者３０の腹部３１の側に位置する前域９および臀部３３の側に位置する後域１１と、着用者３０の股間部３２に位置する中間域１０とを有する。パッド１Ｂは、中間域１０における両側縁部７，８間の横寸法が前後域９，１１における両側縁部７，８間の横寸法よりも小さい。パッド１Ｂには、それを縦方向へ引っ張ることが可能な第１および第２帯片１２ａ，１２ｂと、着用前のパッド１Ｂの折り畳まれた状態を維持するための止着テープ１３とが取り付けられている。
【００３２】
第１および第２帯片１２ａ，１２ｂは、両側縁部７，８に配置されて前域９の端縁部５から縦方向外方へ延びている。第１帯片１２ａは、側縁部７に位置して表面シート２の外面に固着された第１内側固定部１５と、側縁部７に位置して裏面シート３の外面に固着された第１外側固定部１６と、それら固定部１５，１６の間に延びる第１把持部１７とを有する。第２帯片１２ｂは、側縁部８に位置して表面シート２の外面に固着された第２内側固定部１８と、側縁部８に位置して裏面シート３の外面に固着された第２外側固定部１９と、それら固定部１８，１９の間に延びる第２把持部２０とを有する。それら帯片１２ａ，１２ｂには、弾性的な伸縮性を有する繊維不織布が使用されている。それら帯片１２ａ，１２ｂは、実質的に環を形成している。
【００３３】
第１および第２内側固定部１５，１８は、パッド１Ｂの両側縁部７，８に沿って、前域９の端縁部５から後域１１の端縁部６に向かって延びている。第１および第２外側固定部１６，１９は、前域９に位置している。それら内側固定部１５，１８は、表面シート２の外面に伸長状態で取り付けられ、縦方向へ伸縮可能である。それら外側固定部１６，１９は、裏面シート３の外面に非伸長状態で取り付けられている。図７では、帯片１２ａ，１２ｂの内側固定部１５，１８が縦方向内方へ収縮し、パッド１Ｂが表面シート２を内側にして縦方向へ湾曲している。
【００３４】
コア４は、パッド１Ｂの前後域９，１１間に延び、表裏面シート２，３の内面に接合されている。コア４の表裏面シート２，３間の厚み寸法は、パッド１Ｂの前後域９，１１と中間域１０とで略同一である。コア４は、パッド１Ｂの中間域１０における両側縁４ｂ間の横寸法Ｌ４が前後域９，１１における両側縁４ｂ間の横寸法Ｌ５よりも小さい。両端縁部５，６では、表裏面シート２，３の部分が互いに重なり合い、部分においてそれらシート２，３の内面どうしが固着されている。両側縁部７，８では、表裏面シート２，３の部分が互いに重なり合い、部分においてそれらシート２，３の内面どうしが固着されている。止着テープ１３は、パッド１Ｂの後域１１における裏面シート３の外面に取り付けられている。
【００３５】
使用前のパッド１Ｂの折り畳まれた状態とパッド１Ｂの着用状態とは、図４，５のそれらと同一であり、パッド１Ｂを廃棄するために折り畳んだ状態は、図６のそれと同一であるので、それらの説明は省略する。
【００３６】
パッド１Ｂは、それを着用した着用者３０が第１および第２帯片１２ａ，１２ｂの把持部１７，２０を両手３４で持ち、それら帯片１２ａ，１２ｂを縦方向外方へ引っ張ることで、パッド１Ｂの前後域９，１１と中間域１０とを肌に密着させることができ、排泄時にパッド１Ｂに体液を確実に吸収させることができる。パッド１Ｂは、それを縦方向外方へ引っ張ると、帯片１２ａ，１２ｂの内側固定部１５，１８が縦方向へ伸長するとともに、内側固定部１５，１８が着用者３０の肌に密着するので、パッド１Ｂの両側縁部７，８からの体液の漏れを防ぐことができる。
【００３７】
パッド１Ｂは、帯片１２ａ，１２ｂの内側固定部１５，１８が前後域９，１１間に延びているので、それら帯片１２ａ，１２ｂを引っ張ることによって、パッド１Ｂの前域９のみならず、中間域１０と後域１１とが縦方向外方へ引っ張られ、前後域９，１１と中間域１０とを着用者３０の肌に確実に密着させることができる。パッド１Ｂは、第１帯片１２ａまたは第２帯片１２ｂの引っ張る力を加減することによって、それら帯片１２ａ，１２ｂの内側固定部１５，１８とともにパッド１Ｂの両側縁部７，８の肌に対する密着の程度を調節することができる。
【００３８】
パッド１Ｂは、その着用時に、それをパンツにのせてパンツとともに着用する必要はなく、パッド１Ｂの後域１１を着用者３０の臀部３３の下に敷くだけなので、パッド１Ｂを簡単に着用させることができる。
【００３９】
図１０，１１は、他の一例として示すパッド１Ｃの部分破断斜視図と、図１０のＸＩ−ＸＩ線矢視断面図とであり、図１２は、図１０のＸＩＩ−ＸＩＩ線矢視断面図とである。図１０では、横方向を矢印Ｘ、縦方向を矢印Ｙで示し、厚み方向を矢印Ｚで示す。
【００４０】
パッド１Ｃは、透液性表面シート２と不透液性裏面シート３との間に吸液性コア４が介在し、両端縁部５，６および両側縁部７，８と、着用者３０の腹部３１の側に位置する前域９および臀部３３の側に位置する後域１１と、着用者３０の股間部３２に位置する中間域１０とを有する。パッド１Ｃは、中間域１０における両側縁部７，８間の横寸法と前後域９，１１における両側縁部７，８間の横寸法とが略同一であり、縦方向へ長い矩形を呈する。パッド１Ｃには、それを縦方向へ引っ張ることが可能な帯片１２と、着用前のパッド１Ｃの折り畳まれた状態を維持するための止着テープ１３とが取り付けられている。
【００４１】
帯片１２は、前域９の両側縁部７，８に位置して表面シート２の外面に固着された内側固定部２２と、内側固定部２２の間に延びる把持部２３とを有する。内側固定部２２は、コア４の両側縁４ｂに重なっている。帯片１２は、非伸縮性の繊維不織布が使用されている。帯片１２は、実質的に環を形成している。
【００４２】
コア４は、パッド１Ｃの前後域９，１１間に延び、表裏面シート２，３の内面に接合されている。コア４の表裏面シート２，３間の厚み寸法は、パッド１Ｃの前後域９，１１と中間域１０とで略同一である。コア４の両側縁４ｂ間の横寸法は、パッド１Ｃの前後域９，１１と中間域１０とで略同一である。両端縁部５，６では、表裏面シート２，３の部分が互いに重なり合い、部分においてそれらシート２，３の内面どうしが固着されている。両側縁部７，８では、表裏面シート２，３の部分が互いに重なり合い、部分においてそれらシート２，３の内面どうしが固着されている。止着テープ１３は、パッド１Ｃの後域１１における裏面シート３の外面に取り付けられている。
【００４３】
図１３，１４は、折り畳んだ状態にある着用前のパッド１Ｃの斜視図と、着用状態にあるパッド１Ｃの斜視図とであり、図１５は、廃棄するために折り畳まれた着用後のパッド１Ｃの斜視図である。図１４では、仰向けに寝た着用者３０を二点鎖線で示す。
【００４４】
着用前のパッド１Ｃは、図１３に示すように、前域９と後域１１とが互いに当接するように、表面シート２を内側にして中間域１０が縦方向へ二つに折り畳まれている。前域９における裏面シート３の外面には、止着テープ１３の自由部１３ｂが粘着剤（図示せず）を介して剥離可能に仮着されている。
【００４５】
パッド１Ｃを着用させる手順は、図５のそれと同一である。着用状態にあるパッド１Ｃは、図１４に示すように、中間域１０で折れ曲がり、前域９が着用者３０の腹部３１に当接し、後域１１が着用者３０の臀部３３に当接するとともに、中間域１０が着用者３０の股間部３２に当接する。
【００４６】
パッド１Ｃは、着用者３０が帯片１２の把持部２３を片手３４で持ち、帯片１２を矢印Ｙ１で示す縦方向外方へ引っ張ることで、パッド１Ｃの前後域９，１１と中間域１０とを肌に密着させることができ、排泄時にパッド１Ｃに体液を確実に吸収させることができる。パッド１Ｃは、その着用時に、それをパンツにのせてパンツとともに着用する必要はなく、パッド１Ｃの後域を着用者３０の臀部３３の下に敷くだけなので、パッド１Ｃを簡単に着用させることができる。
【００４７】
体液で汚れたパッド１Ｃを廃棄するには、図１５に示すように、表面シート２を内側にした状態でパッド１Ｃを後域１１から前域９に向かって縦方向へ折り畳んだ後、帯片１２の把持部２３を折り畳まれたパッド１Ｃの外周面にかける。パッド１Ｃは、帯片１２を介してその折り畳まれた状態が維持されるので、パッド１Ｃを折り畳んだ状態のまま廃棄することができる。
【００４８】
表面シート２には、親水性繊維不織布、多数の開孔を有する疎水性繊維不織布、微細な多数の開孔を有するプラスチックフィルムのいずれかを使用することができる。裏面シート３には、疎水性繊維不織布、通気不透液性プラスチックフィルム、疎水性繊維不織布どうしをラミネートした複合不織布、疎水性繊維不織布と通気不透液性プラスチックフィルムとをラミネートした複合シートのいずれかを使用することができる。帯片１２，１２ａ，１２ｂには、非伸縮性プラスチックシートや伸縮性プラスチックシートを使用することもできる。
【００４９】
不織布には、スパンレース、ニードルパンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンボンド、ケミカルボンド、エアースルー、の各製法により製造されたものを使用することができる。不織布の構成繊維には、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、の各繊維、ポリエチレン／ポリプロピレンやポリエチレン／ポリエステルからなる芯鞘型複合繊維または並列型複合繊維を使用することができる。
【００５０】
伸縮性繊維不織布には、メルトブローンやスパンボンドの各製法により製造されたものを使用することができる。伸縮性不織布の構成繊維には、熱可塑性エラストマー樹脂を溶融、紡糸した伸縮性繊維を使用することができる。伸縮性繊維不織布には、熱可塑性エラストマー樹脂繊維からなる伸縮性かつ疎水性繊維不織布の少なくとも片面に、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、のいずれかの熱可塑性合成樹脂を溶融、紡糸した捲縮繊維からなる疎水性繊維不織布を重ね合わせた複合不織布を使用することもできる。
【００５１】
コア４は、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物、または、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子と熱可塑性合成樹脂繊維との混合物であり、所定の厚みに圧縮されている。コア４は、それの型崩れやポリマー粒子の脱落を防止するため、全体がティッシュペーパーや親水性繊維不織布等の透液性シートに被覆されていることが好ましい。ポリマー粒子としては、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系のものを使用することができる。
【００５２】
それら図示のパッド１Ａ，１Ｂでは、着用後のそれらパッド１Ａ，１Ｂを廃棄するときに、パッド１Ａ，１Ｂを前域９から後域１１に向かって縦方向へ丸め、丸められたパッド１Ａ，１Ｂの裏面シート３の外面に止着テープ１３の自由部１３ｂを止着してもよい。パッド１Ａ，１Ｂは、その丸められた状態が止着テープ１３によって維持されるので、パッド１Ａ，１Ｂを丸めた状態のまま廃棄することができる。
【００５３】
【発明の効果】
本発明にかかる使い捨て体液吸収パッドによれば、帯片を縦方向外方へ引っ張ることで、パッドの前後域と中間域とを着用者の肌に密着させることができ、排泄時にパッドに体液を確実に吸収させることができる。このパッドは、その着用時に、それをパンツにのせてパンツとともに着用する必要はなく、パッドの後域を着用者の臀部の下に敷くだけなので、パッドを簡単に着用させることができ、特に寝たきりの着用者の体液処理用として好適である。
【００５４】
帯片が第１帯片と第２帯片とから形成されたパッドでは、それら帯片を縦方向外方へ引っ張ることで、パッドの前後域と中間域とを着用者の肌に密着させることができることはもちろん、第１帯片または第２帯片の引っ張る力を加減することによって、パッドの両側縁部の肌に対する密着の程度を調節することができる。
【００５５】
帯片の内側固定部が両側縁部に沿って前域の端縁部から後域の端縁部に向かって延びているパッドでは、帯片によってパッドの前域のみならず、中間域と後域とが縦方向外方へ引っ張られ、前後域と中間域とを着用者の肌に確実に密着させることができる。
【００５６】
縦方向へ延びる弾性部材が両側縁部に収縮可能に取り付けられたパッドは、帯片を縦方向外方へ引っ張ることで、弾性部材が縦方向へ伸長するとともに、パッドの両側縁部が着用者の肌に密着するので、パッドの両側縁部からの体液の漏れを防ぐことができる。
【００５７】
帯片が弾性的な伸縮性を有するパッドは、帯片を縦方向外方へ引っ張ることで、帯片の内側固定部が縦方向へ伸長するとともに、内側固定部が着用者の肌に密着するので、パッドの両側縁部からの体液の漏れを防ぐことができる。
【００５８】
中間域におけるコアの表裏面シート間の厚み寸法が前後域におけるコアのそれよりも小さいパッドでは、前後域と中間域とにおいてコアに段差が形成されるので、帯片を縦方向外方へ強く引っ張ったとしても、後域におけるコアが着用者の股間部に引っ掛かり、パッドが着用位置から外れてしまうことはない。
【００５９】
中間域におけるコアの両側縁間の横寸法が後域におけるコアの両側縁間のそれよりも小さいパッドでは、帯片を縦方向外方へ強く引っ張ったとしても、後域におけるコアが着用者の股間部に引っ掛かり、パッドが着用位置から外れてしまうことはない。
【００６０】
縦方向へ延びる止着テープが後域に取り付けられたパッドでは、前域における裏面シートの外面に止着テープの自由部を仮着することによって、着用前のパッドの折り畳まれた状態を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】一例として示すパッドの部分破断斜視図。
【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線矢視断面図。
【図３】図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線矢視断面図。
【図４】折り畳んだ状態にある着用前のパッドの斜視図。
【図５】着用状態にあるパッドの斜視図。
【図６】廃棄するために折り畳まれた着用後のパッドの斜視図。
【図７】他の一例として示すパッドの部分破断斜視図。
【図８】図７のＶＩＩＩ−ＶＩＩＩ線矢視断面図。
【図９】図７のＩＸ−ＩＸ線矢視断面図。
【図１０】他の一例として示すパッドの部分破断斜視図。
【図１１】図１０のＸＩ−ＸＩ線矢視断面図。
【図１２】図１０のＸＩＩ−ＸＩＩ線矢視断面図。
【図１３】折り畳んだ状態にある着用前のパッドの斜視図。
【図１４】着用状態にあるパッドの斜視図。
【図１５】廃棄するために折り畳まれた着用後のパッドの斜視図。
【符号の説明】
１Ａ 使い捨て体液吸収パッド
１Ｂ 使い捨て体液吸収パッド
１Ｃ 使い捨て体液吸収パッド
２ 透液性表面シート
３ 不透液性裏面シート
４ 吸液性コア
５ 端縁部
６ 端縁部
７ 側縁部
８ 側縁部
９ 前域
１０ 中間域
１１ 後域
１２ 帯片
１２ａ 第１帯片
１２ｂ 第２帯片
１３ 止着テープ
１３ａ 固着部
１３ｂ 自由部
１４ 伸縮性弾性部材
１５ 第１内側固定部
１６ 第１外側固定部
１７ 第１把持部
１８ 第２内側固定部
１９ 第２外側固定部
２０ 第２把持部
２２ 内側固定部
２３ 把持部
Ｌ１ 厚み寸法
Ｌ２ 厚み寸法
Ｌ３ 厚み寸法
Ｌ４ 横寸法
Ｌ５ 横寸法
【発明の属する技術分野】
本発明は、使い捨て体液吸収パッドに関する。
【０００２】
【従来の技術】
肌当接側に位置する透液性表面シートと肌非当接側に位置する不透液性裏面シートとの間に吸液性コアが介在し、横方向へ延びる両端縁部と、縦方向へ延びる両側縁部とを有する縦長の使い捨て体液吸収パッドは公知である（特許文献１参照）。
【０００３】
特許文献１に開示のパッドは、その着用時に、着用者の腹部の側に位置する前域および臀部の側に位置する後域と、着用者の股間部に位置する中間域とを有する。このパッドの裏面シートには、環状の細長いゴムが取り付けられている。ゴムは、パッドの中間域における横方向中央に配置されている。ゴムは、縦方向両端部が裏面シートの外面に固着され、両端部間に延びる中央部が裏面シートの外面から遊離している。このパッドは、パンツの内側にのせてパンツとともに着用する。このパッドは、裏面シートの外面に取り付けられたゴムがパンツの内側に接するので、ゴムが滑り止めとなってパンツに対するパッドのずれを防ぐことができる。
【０００４】
【特許文献１】
特開２００２−１１９５２８号公報（第２−３頁、第１図）
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献１に開示のパッドは、その着用時にパッドをパンツにのせるだけなので、パッドそれ自体が着用者の肌に密着することはなく、パンツを介してパッドを着用者の肌に密着させる必要がある。このパッドは、パンツが着用者の股間部からずれ下がると、それにともなってパッドも股間部からずれ下がり、パッドが着用者の肌から離間してパッドに体液を吸収させることができない。また、このパッドは、パンツとともに着用しなければならないので、特に寝たきりの着用者にパッドを着用させる場合、パンツを着用させた後にパッドをパンツの内側にのせなければならず、パッドの着用に手間を要する。
【０００６】
本発明の課題は、着用に手間を要せず、パンツを介さずに着用者の肌に密着させることができる使い捨て体液吸収パッドを提供することにある。
【０００７】
前記課題を解決するための本発明は、肌当接側に位置する透液性表面シートと、肌非当接側に位置する不透液性裏面シートと、それらシートの間に介在する吸液性コアとから構成され、横方向へ延びる両端縁部と、縦方向へ延びる両側縁部と、着用時に、着用者の腹部の側に位置する前域および臀部の側に位置する後域と、着用者の股間部に位置する中間域とを有し、パッドを縦方向へ引っ張ることが可能な把持部が前記前域に位置する
使い捨て体液吸収パッドの改良に係り、第１及び第２の発明を含む。
第１の発明の特徴とするところは、前記パッドが、さらに、前記前後域と前記中間域とのうちの少なくとも該中間域における前記両側縁部に沿って縦方向へ延びる弾性部材を有する。前記把持部が、前記両側縁部の一方に配置されて前記前域の端縁部から縦方向外方へ延びる第１帯片と、前記両側縁部の他方に配置されて前記前域の端縁部から縦方向外方へ延びる第２帯片とから形成されている。前記第１帯片が、前記両側縁部の一方に位置して肌当接側に固着された内側固定部と、前記両側縁部の一方に位置して肌非当接側に固着された外側固定部とを有し、前記内側固定部と前記外側固定部との間に延びることで形成される第１把持部と、前記第２帯片が、前記両側縁部の他方に位置して肌当接側に固着された内側固定部と、前記両側縁部の他方に位置して肌非当接側に固着された外側固定部と、前記内側固定部と前記外側固定部との間に延びることで形成される第２把持部とから構成されていることにある。
【０００８】
第２の発明の特徴とするところは、前記パッドは、さらに、前記前後域と前記中間域とのうちの少なくとも該中間域における前記両側縁部に沿って縦方向へ延びる弾性部材を有し、前記把持部は帯片を含み、前記帯片は前記前域の前記両側縁部における前記肌当接側に位置する両内側固定部を有し、前記把持部が前記両内側固定部の間に位置し縦方向外側へ延びる前記帯片の中間部から構成されていることにある。
【０００９】
（１）前記帯片が、弾性的な伸縮性を有し、前記帯片の内側固定部が、前記パッドの肌当接側に収縮可能に固着されている。
（２）前記中間域における前記コアの表裏面シート間の厚み寸法が、前記前後域における前記コアのそれよりも小さい。
（３）前記中間域における前記コアの両側縁間の横寸法が、前記後域における前記コアのそれよりも小さい。
（４）前記パッドの後域には、縦方向へ延びる止着テープが配置され、前記止着テープが、前記後域の肌非当接側に固着された固着部と、前記後域の端縁部から縦方向外方へ延びていて前記パッドの肌非当接側に着脱可能な自由部とを有する。
（５）前記パッドでは、前記前域と前記後域とが互いに当接するように、前記表面シートを内側にして前記中間域が縦方向へ二つに折り畳まれ、前記止着テープの自由部が前記パッドの前域における肌非当接側に剥離可能に仮着されて該パッドの折り畳まれた状態が維持されている。
【００１０】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照し、本発明に係る使い捨て体液吸収パッドの詳細を説明すると、以下のとおりである。
【００１１】
図１，２は、一例として示すパッド１Ａの部分破断斜視図と、図１のＩＩ−ＩＩ線矢視断面図とであり、図３は、図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線矢視断面図とである。図１では、横方向を矢印Ｘ、縦方向を矢印Ｙで示し、厚み方向を矢印Ｚで示す。なお、表裏面シート２，３の内面とは、コア４に対向する面をいい、それらシート２，３の外面とは、コア４に非対向の面をいう。
【００１２】
パッド１Ａは、肌当接側に位置する透液性表面シート２と、肌非当接側に位置する不透液性裏面シート３と、表裏面シート２，３の間に介在する吸液性コア４とから構成されている。パッド１Ａは、縦方向へ長く、コア４の両端縁４ａの外側に位置して横方向へ延びる両端縁部５，６と、コア４の両側縁４ｂの外側に位置して縦方向へ延びる両側縁部７，８とを有する。
【００１３】
パッド１Ａは、その着用時に、着用者３０の腹部３１の側に位置する前域９と、着用者３０の臀部３３の側に位置する後域１１と、着用者３０の股間部３２に位置する中間域１０とを有する（図５参照）。パッド１Ａは、中間域１０における両側縁部７，８間の横寸法が前後域９，１１における両側縁部７，８間の横寸法よりも小さく、その平面形状が実質的に砂時計型を呈する。パッド１Ａには、それを縦方向へ引っ張ることが可能な一対の帯片１２ａ，１２ｂと、着用前のパッド１Ａの折り畳まれた状態（図４参照）を維持するための止着テープ１３とが取り付けられている。
【００１４】
中間域１０の両側縁部７，８には、縦方向へ延びる複数条の伸縮性弾性部材１４が収縮可能に取り付けられている。弾性部材１４は、表面シート２と裏面シート３との間に介在し、それらシート２，３の内面に固着されている。図１では、弾性部材１４が縦方向内方へ収縮し、パッド１Ａが表面シート２を内側にして縦方向へ湾曲している。
【００１５】
帯片１２ａ，１２ｂは、一方の側縁部７に配置されて前域９の端縁部５から縦方向外方へ延びる第１帯片１２ａと、他方の側縁部８に配置されて前域９の端縁部５から縦方向外方へ延びる第２帯片１２ｂとから形成されている。それら帯片１２ａ，１２ｂには、非伸縮性の繊維不織布が使用されている。それら帯片１２ａ，１２ｂは、実質的に環を形成している。
【００１６】
第１帯片１２ａは、側縁部７に位置して表面シート２の外面（肌当接側）に固着された第１内側固定部１５と、側縁部７に位置して裏面シート３の外面（肌非当接側）に固着された第１外側固定部１６と、第１内側固定部１５と第１外側固定部１６との間に延びる第１把持部１７とを有する。第２帯片１２ｂは、側縁部８に位置して表面シート２の外面（肌当接側）に固着された第２内側固定部１８と、側縁部７に位置して裏面シート３の外面（肌非当接側）に固着された第２外側固定部１９と、第２内側固定部１８と第２外側固定部１９との間に延びる第２把持部２０とを有する。
【００１７】
第１および第２内側固定部１５，１８は、パッド１Ａの両側縁部７，８に沿って、前域９から中間域１０に向かって延びている。それら内側固定部１５，１８を表面シート２に固着するときは、弾性部材１４を縦方向外方へ伸長させた状態にある。中間域１０では、それら帯片１２ａ，１２ｂの内側固定部１５，１８が弾性部材１４の収縮によって縦方向内方へ縮んでいる。第１および第２外側固定部１６，１９は、前域９に位置している。それら内側固定部１５，１８とそれら外側固定部１６，１９とは、ホットメルト型接着剤（図示せず）を介して表裏面シート２，３に固着されている。表裏面シート２，３に対するそれら固定部１５，１６，１８，１９の固着には、接着剤の他に、熱融着手段を利用することもできる。
【００１８】
コア４は、パッド１Ａの前後域９，１１間に延び、表裏面シート２，３の内面に接合されている。コア４は、中間域１０における表裏面シート２，３間の厚み寸法Ｌ１が前後域９，１１における表裏面シート２，３間の厚み寸法Ｌ２，Ｌ３よりも小さく、パッド１Ａの前後域９，１１と中間域１０とにおいてコア４に段差２１が形成されている（図２参照）。コア４は、パッド１Ａの中間域１０における両側縁４ｂ間の横寸法Ｌ４が前後域９，１１における両側縁４ｂ間の横寸法Ｌ５よりも小さく（図３参照）、その平面形状が実質的に砂時計型を呈する。
【００１９】
両端縁部５，６では、コア４の両端縁４ａから縦方向外方へ延びる表裏面シート２，３の部分が互いに重なり合い、部分においてそれらシート２，３の内面どうしが固着されている。両側縁部７，８では、コア４の両側縁４ｂから横方向外方へ延びる表裏面シート２，３の部分が互いに重なり合い、部分においてそれらシート２，３の内面どうしが固着されている。
【００２０】
止着テープ１３は、パッド１Ａの後域１１に配置されて縦方向へ延びている。止着テープ１３は、裏面シート３の外面（肌非当接側）に固着された固着部１３ａと、後域１１の端縁部６から縦方向外方へ延びる自由部１３ｂとを有する。自由部１３ｂには、粘着剤（図示せず）が塗布されている。止着テープ１３は、可撓性を有するプラスチックフィルムが使用されている。
【００２１】
表裏面シート２，３どうしの固着、表裏面シート２，３に対する弾性部材１４の固着、表裏面シート２，３に対するコア４の接合には、それらシート２，３の内面に断続的に塗布されたホットメルト型接着剤（図示せず）が使用されている。接着剤は、それらシート２，３の内面にスパイラル状やジグザグ状、ドット状、縞状のうちのいずれかの態様で塗布されている。なお、接着剤は、表裏面シート２，３のいずれか一方の内面に塗布されていてもよい。
【００２２】
図４，５は、折り畳んだ状態にある着用前のパッド１Ａの斜視図と、着用状態にあるパッド１Ａの斜視図とであり、図６は、廃棄するために折り畳まれた着用後のパッド１Ａの斜視図である。図５では、仰向けに寝た着用者３０を二点鎖線で示す。
【００２３】
着用前のパッド１Ａは、図４に示すように、前域９と後域１１とが互いに当接するように、表面シート２を内側にして中間域１０が縦方向へ二つに折り畳まれている。前域９における裏面シート３の外面（肌非当接側）には、止着テープ１３の自由部１３ｂが粘着剤を介して剥離可能に仮着されている。パッド１Ａは、止着テープ１３によってその折り畳まれた状態が維持されている。
【００２４】
パッド１Ａを使用するには、止着テープ１３の自由部１３ｂを裏面シート３の外面から剥がし、前後域９，１１が互いに離間するように、前後域９，１１を縦方向へ展開する。パッド１Ａを着用させる一例としては、介護者が仰向けに寝ている着用者３０の臀部３３を持ち上げ、臀部３３の下にパッド１Ａの後域１１を位置させた後、着用者３０の臀部３３を後域１１の上に降ろす。次に、パッド１Ａの前域９を着用者３０の腹部３１の側に旋回させる。パッド１Ａは、図５に示すように、中間域１０で折れ曲がり、前域９が着用者３０の腹部３１に当接し、後域１１が着用者３０の臀部３３に当接するとともに、中間域１０が着用者３０の股間部３２に当接する。
【００２５】
パッド１Ａは、それを着用した着用者３０が第１および第２帯片１２ａ，１２ｂの把持部１７，２０を両手３４で持ち、それら帯片１２ａ，１２ｂを矢印Ｙ１で示す縦方向外方へ引っ張ることで、パッド１Ａの前後域９，１１と中間域１０とを肌に密着させることができ、排泄時にパッド１Ａに体液を確実に吸収させることができる。
【００２６】
パッド１Ａは、それら帯片１２ａ，１２ｂを縦方向外方へ引っ張ることで、弾性部材１４が縦方向へ伸長するとともに、パッド１Ａの中間域１０における両側縁部７，８が着用者３０の肌に密着するので、パッド１Ａの両側縁部７，８からの体液の漏れを防ぐことができる。パッド１Ａは、第１帯片１２ａまたは第２帯片１２ｂの引っ張る力を加減することによって、パッド１Ａの両側縁部７，８の肌に対する密着の程度を調節することができる。
【００２７】
パッド１Ａは、従来技術のそれと異なり、パンツを介してパッド１Ａを肌に密着させる必要はない。パッド１Ａは、その着用時に、それをパンツにのせてパンツとともに着用する必要はなく、パッド１Ａの後域１１を着用者３０の臀部３３の下に敷くだけなので、パッド１Ａを簡単に着用させることができ、特に寝たきりの着用者３０の体液処理用として好適である。
【００２８】
パッド１Ａは、その前後域９，１１と中間域１０とにおいてコア４に段差２１が形成されているので、帯片１２ａ，１２ｂを縦方向外方へ強く引っ張ったとしても、後域１１におけるコア４が着用者３０の股間部３２に引っ掛かり、パッド１Ａが着用位置から外れてしまうことはない。パッド１Ａは、その中間域１０におけるコア４の横寸法Ｌ４が前後域９，１１におけるコア４のそれよりも小さいので、帯片１２ａ，１２ｂを縦方向外方へ強く引っ張ったとしても、後域１１におけるコア４が着用者３０の股間部３２に引っ掛かり、パッド１Ａが着用位置から外れてしまうことはない。
【００２９】
体液で汚れたパッド１Ａを廃棄するには、図６に示すように、パッド１Ａを着用位置から取り外し、表面シート２を内側にした状態でパッド１Ａを後域１１から前域９に向かって縦方向へ折り畳んだ後、それら帯片１２ａ，１２ｂの把持部１７，２０を折り畳まれたパッド１Ａの外周面にかける。パッド１Ａは、帯片１２ａ，１２ｂの把持部１７，２０を介してその折り畳まれた状態が維持されるので、パッド１Ａを折り畳んだ状態のまま廃棄することができる。
【００３０】
図７，８は、他の一例として示すパッド１Ｂの部分破断斜視図と、図７のＶＩＩＩ−ＶＩＩＩ線矢視断面図とであり、図９は、図７のＩＸ−ＩＸ線矢視断面図とである。図７では、横方向を矢印Ｘ、縦方向を矢印Ｙで示し、厚み方向を矢印Ｚで示す。
【００３１】
パッド１Ｂは、透液性表面シート２と不透液性裏面シート３との間に吸液性コア４が介在し、両端縁部５，６および両側縁部７，８と、着用者３０の腹部３１の側に位置する前域９および臀部３３の側に位置する後域１１と、着用者３０の股間部３２に位置する中間域１０とを有する。パッド１Ｂは、中間域１０における両側縁部７，８間の横寸法が前後域９，１１における両側縁部７，８間の横寸法よりも小さい。パッド１Ｂには、それを縦方向へ引っ張ることが可能な第１および第２帯片１２ａ，１２ｂと、着用前のパッド１Ｂの折り畳まれた状態を維持するための止着テープ１３とが取り付けられている。
【００３２】
第１および第２帯片１２ａ，１２ｂは、両側縁部７，８に配置されて前域９の端縁部５から縦方向外方へ延びている。第１帯片１２ａは、側縁部７に位置して表面シート２の外面に固着された第１内側固定部１５と、側縁部７に位置して裏面シート３の外面に固着された第１外側固定部１６と、それら固定部１５，１６の間に延びる第１把持部１７とを有する。第２帯片１２ｂは、側縁部８に位置して表面シート２の外面に固着された第２内側固定部１８と、側縁部８に位置して裏面シート３の外面に固着された第２外側固定部１９と、それら固定部１８，１９の間に延びる第２把持部２０とを有する。それら帯片１２ａ，１２ｂには、弾性的な伸縮性を有する繊維不織布が使用されている。それら帯片１２ａ，１２ｂは、実質的に環を形成している。
【００３３】
第１および第２内側固定部１５，１８は、パッド１Ｂの両側縁部７，８に沿って、前域９の端縁部５から後域１１の端縁部６に向かって延びている。第１および第２外側固定部１６，１９は、前域９に位置している。それら内側固定部１５，１８は、表面シート２の外面に伸長状態で取り付けられ、縦方向へ伸縮可能である。それら外側固定部１６，１９は、裏面シート３の外面に非伸長状態で取り付けられている。図７では、帯片１２ａ，１２ｂの内側固定部１５，１８が縦方向内方へ収縮し、パッド１Ｂが表面シート２を内側にして縦方向へ湾曲している。
【００３４】
コア４は、パッド１Ｂの前後域９，１１間に延び、表裏面シート２，３の内面に接合されている。コア４の表裏面シート２，３間の厚み寸法は、パッド１Ｂの前後域９，１１と中間域１０とで略同一である。コア４は、パッド１Ｂの中間域１０における両側縁４ｂ間の横寸法Ｌ４が前後域９，１１における両側縁４ｂ間の横寸法Ｌ５よりも小さい。両端縁部５，６では、表裏面シート２，３の部分が互いに重なり合い、部分においてそれらシート２，３の内面どうしが固着されている。両側縁部７，８では、表裏面シート２，３の部分が互いに重なり合い、部分においてそれらシート２，３の内面どうしが固着されている。止着テープ１３は、パッド１Ｂの後域１１における裏面シート３の外面に取り付けられている。
【００３５】
使用前のパッド１Ｂの折り畳まれた状態とパッド１Ｂの着用状態とは、図４，５のそれらと同一であり、パッド１Ｂを廃棄するために折り畳んだ状態は、図６のそれと同一であるので、それらの説明は省略する。
【００３６】
パッド１Ｂは、それを着用した着用者３０が第１および第２帯片１２ａ，１２ｂの把持部１７，２０を両手３４で持ち、それら帯片１２ａ，１２ｂを縦方向外方へ引っ張ることで、パッド１Ｂの前後域９，１１と中間域１０とを肌に密着させることができ、排泄時にパッド１Ｂに体液を確実に吸収させることができる。パッド１Ｂは、それを縦方向外方へ引っ張ると、帯片１２ａ，１２ｂの内側固定部１５，１８が縦方向へ伸長するとともに、内側固定部１５，１８が着用者３０の肌に密着するので、パッド１Ｂの両側縁部７，８からの体液の漏れを防ぐことができる。
【００３７】
パッド１Ｂは、帯片１２ａ，１２ｂの内側固定部１５，１８が前後域９，１１間に延びているので、それら帯片１２ａ，１２ｂを引っ張ることによって、パッド１Ｂの前域９のみならず、中間域１０と後域１１とが縦方向外方へ引っ張られ、前後域９，１１と中間域１０とを着用者３０の肌に確実に密着させることができる。パッド１Ｂは、第１帯片１２ａまたは第２帯片１２ｂの引っ張る力を加減することによって、それら帯片１２ａ，１２ｂの内側固定部１５，１８とともにパッド１Ｂの両側縁部７，８の肌に対する密着の程度を調節することができる。
【００３８】
パッド１Ｂは、その着用時に、それをパンツにのせてパンツとともに着用する必要はなく、パッド１Ｂの後域１１を着用者３０の臀部３３の下に敷くだけなので、パッド１Ｂを簡単に着用させることができる。
【００３９】
図１０，１１は、他の一例として示すパッド１Ｃの部分破断斜視図と、図１０のＸＩ−ＸＩ線矢視断面図とであり、図１２は、図１０のＸＩＩ−ＸＩＩ線矢視断面図とである。図１０では、横方向を矢印Ｘ、縦方向を矢印Ｙで示し、厚み方向を矢印Ｚで示す。
【００４０】
パッド１Ｃは、透液性表面シート２と不透液性裏面シート３との間に吸液性コア４が介在し、両端縁部５，６および両側縁部７，８と、着用者３０の腹部３１の側に位置する前域９および臀部３３の側に位置する後域１１と、着用者３０の股間部３２に位置する中間域１０とを有する。パッド１Ｃは、中間域１０における両側縁部７，８間の横寸法と前後域９，１１における両側縁部７，８間の横寸法とが略同一であり、縦方向へ長い矩形を呈する。パッド１Ｃには、それを縦方向へ引っ張ることが可能な帯片１２と、着用前のパッド１Ｃの折り畳まれた状態を維持するための止着テープ１３とが取り付けられている。
【００４１】
帯片１２は、前域９の両側縁部７，８に位置して表面シート２の外面に固着された内側固定部２２と、内側固定部２２の間に延びる把持部２３とを有する。内側固定部２２は、コア４の両側縁４ｂに重なっている。帯片１２は、非伸縮性の繊維不織布が使用されている。帯片１２は、実質的に環を形成している。
【００４２】
コア４は、パッド１Ｃの前後域９，１１間に延び、表裏面シート２，３の内面に接合されている。コア４の表裏面シート２，３間の厚み寸法は、パッド１Ｃの前後域９，１１と中間域１０とで略同一である。コア４の両側縁４ｂ間の横寸法は、パッド１Ｃの前後域９，１１と中間域１０とで略同一である。両端縁部５，６では、表裏面シート２，３の部分が互いに重なり合い、部分においてそれらシート２，３の内面どうしが固着されている。両側縁部７，８では、表裏面シート２，３の部分が互いに重なり合い、部分においてそれらシート２，３の内面どうしが固着されている。止着テープ１３は、パッド１Ｃの後域１１における裏面シート３の外面に取り付けられている。
【００４３】
図１３，１４は、折り畳んだ状態にある着用前のパッド１Ｃの斜視図と、着用状態にあるパッド１Ｃの斜視図とであり、図１５は、廃棄するために折り畳まれた着用後のパッド１Ｃの斜視図である。図１４では、仰向けに寝た着用者３０を二点鎖線で示す。
【００４４】
着用前のパッド１Ｃは、図１３に示すように、前域９と後域１１とが互いに当接するように、表面シート２を内側にして中間域１０が縦方向へ二つに折り畳まれている。前域９における裏面シート３の外面には、止着テープ１３の自由部１３ｂが粘着剤（図示せず）を介して剥離可能に仮着されている。
【００４５】
パッド１Ｃを着用させる手順は、図５のそれと同一である。着用状態にあるパッド１Ｃは、図１４に示すように、中間域１０で折れ曲がり、前域９が着用者３０の腹部３１に当接し、後域１１が着用者３０の臀部３３に当接するとともに、中間域１０が着用者３０の股間部３２に当接する。
【００４６】
パッド１Ｃは、着用者３０が帯片１２の把持部２３を片手３４で持ち、帯片１２を矢印Ｙ１で示す縦方向外方へ引っ張ることで、パッド１Ｃの前後域９，１１と中間域１０とを肌に密着させることができ、排泄時にパッド１Ｃに体液を確実に吸収させることができる。パッド１Ｃは、その着用時に、それをパンツにのせてパンツとともに着用する必要はなく、パッド１Ｃの後域を着用者３０の臀部３３の下に敷くだけなので、パッド１Ｃを簡単に着用させることができる。
【００４７】
体液で汚れたパッド１Ｃを廃棄するには、図１５に示すように、表面シート２を内側にした状態でパッド１Ｃを後域１１から前域９に向かって縦方向へ折り畳んだ後、帯片１２の把持部２３を折り畳まれたパッド１Ｃの外周面にかける。パッド１Ｃは、帯片１２を介してその折り畳まれた状態が維持されるので、パッド１Ｃを折り畳んだ状態のまま廃棄することができる。
【００４８】
表面シート２には、親水性繊維不織布、多数の開孔を有する疎水性繊維不織布、微細な多数の開孔を有するプラスチックフィルムのいずれかを使用することができる。裏面シート３には、疎水性繊維不織布、通気不透液性プラスチックフィルム、疎水性繊維不織布どうしをラミネートした複合不織布、疎水性繊維不織布と通気不透液性プラスチックフィルムとをラミネートした複合シートのいずれかを使用することができる。帯片１２，１２ａ，１２ｂには、非伸縮性プラスチックシートや伸縮性プラスチックシートを使用することもできる。
【００４９】
不織布には、スパンレース、ニードルパンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンボンド、ケミカルボンド、エアースルー、の各製法により製造されたものを使用することができる。不織布の構成繊維には、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、の各繊維、ポリエチレン／ポリプロピレンやポリエチレン／ポリエステルからなる芯鞘型複合繊維または並列型複合繊維を使用することができる。
【００５０】
伸縮性繊維不織布には、メルトブローンやスパンボンドの各製法により製造されたものを使用することができる。伸縮性不織布の構成繊維には、熱可塑性エラストマー樹脂を溶融、紡糸した伸縮性繊維を使用することができる。伸縮性繊維不織布には、熱可塑性エラストマー樹脂繊維からなる伸縮性かつ疎水性繊維不織布の少なくとも片面に、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、のいずれかの熱可塑性合成樹脂を溶融、紡糸した捲縮繊維からなる疎水性繊維不織布を重ね合わせた複合不織布を使用することもできる。
【００５１】
コア４は、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物、または、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子と熱可塑性合成樹脂繊維との混合物であり、所定の厚みに圧縮されている。コア４は、それの型崩れやポリマー粒子の脱落を防止するため、全体がティッシュペーパーや親水性繊維不織布等の透液性シートに被覆されていることが好ましい。ポリマー粒子としては、デンプン系、セルロース系、合成ポリマー系のものを使用することができる。
【００５２】
それら図示のパッド１Ａ，１Ｂでは、着用後のそれらパッド１Ａ，１Ｂを廃棄するときに、パッド１Ａ，１Ｂを前域９から後域１１に向かって縦方向へ丸め、丸められたパッド１Ａ，１Ｂの裏面シート３の外面に止着テープ１３の自由部１３ｂを止着してもよい。パッド１Ａ，１Ｂは、その丸められた状態が止着テープ１３によって維持されるので、パッド１Ａ，１Ｂを丸めた状態のまま廃棄することができる。
【００５３】
【発明の効果】
本発明にかかる使い捨て体液吸収パッドによれば、帯片を縦方向外方へ引っ張ることで、パッドの前後域と中間域とを着用者の肌に密着させることができ、排泄時にパッドに体液を確実に吸収させることができる。このパッドは、その着用時に、それをパンツにのせてパンツとともに着用する必要はなく、パッドの後域を着用者の臀部の下に敷くだけなので、パッドを簡単に着用させることができ、特に寝たきりの着用者の体液処理用として好適である。
【００５４】
帯片が第１帯片と第２帯片とから形成されたパッドでは、それら帯片を縦方向外方へ引っ張ることで、パッドの前後域と中間域とを着用者の肌に密着させることができることはもちろん、第１帯片または第２帯片の引っ張る力を加減することによって、パッドの両側縁部の肌に対する密着の程度を調節することができる。
【００５５】
帯片の内側固定部が両側縁部に沿って前域の端縁部から後域の端縁部に向かって延びているパッドでは、帯片によってパッドの前域のみならず、中間域と後域とが縦方向外方へ引っ張られ、前後域と中間域とを着用者の肌に確実に密着させることができる。
【００５６】
縦方向へ延びる弾性部材が両側縁部に収縮可能に取り付けられたパッドは、帯片を縦方向外方へ引っ張ることで、弾性部材が縦方向へ伸長するとともに、パッドの両側縁部が着用者の肌に密着するので、パッドの両側縁部からの体液の漏れを防ぐことができる。
【００５７】
帯片が弾性的な伸縮性を有するパッドは、帯片を縦方向外方へ引っ張ることで、帯片の内側固定部が縦方向へ伸長するとともに、内側固定部が着用者の肌に密着するので、パッドの両側縁部からの体液の漏れを防ぐことができる。
【００５８】
中間域におけるコアの表裏面シート間の厚み寸法が前後域におけるコアのそれよりも小さいパッドでは、前後域と中間域とにおいてコアに段差が形成されるので、帯片を縦方向外方へ強く引っ張ったとしても、後域におけるコアが着用者の股間部に引っ掛かり、パッドが着用位置から外れてしまうことはない。
【００５９】
中間域におけるコアの両側縁間の横寸法が後域におけるコアの両側縁間のそれよりも小さいパッドでは、帯片を縦方向外方へ強く引っ張ったとしても、後域におけるコアが着用者の股間部に引っ掛かり、パッドが着用位置から外れてしまうことはない。
【００６０】
縦方向へ延びる止着テープが後域に取り付けられたパッドでは、前域における裏面シートの外面に止着テープの自由部を仮着することによって、着用前のパッドの折り畳まれた状態を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】一例として示すパッドの部分破断斜視図。
【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線矢視断面図。
【図３】図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線矢視断面図。
【図４】折り畳んだ状態にある着用前のパッドの斜視図。
【図５】着用状態にあるパッドの斜視図。
【図６】廃棄するために折り畳まれた着用後のパッドの斜視図。
【図７】他の一例として示すパッドの部分破断斜視図。
【図８】図７のＶＩＩＩ−ＶＩＩＩ線矢視断面図。
【図９】図７のＩＸ−ＩＸ線矢視断面図。
【図１０】他の一例として示すパッドの部分破断斜視図。
【図１１】図１０のＸＩ−ＸＩ線矢視断面図。
【図１２】図１０のＸＩＩ−ＸＩＩ線矢視断面図。
【図１３】折り畳んだ状態にある着用前のパッドの斜視図。
【図１４】着用状態にあるパッドの斜視図。
【図１５】廃棄するために折り畳まれた着用後のパッドの斜視図。
【符号の説明】
１Ａ 使い捨て体液吸収パッド
１Ｂ 使い捨て体液吸収パッド
１Ｃ 使い捨て体液吸収パッド
２ 透液性表面シート
３ 不透液性裏面シート
４ 吸液性コア
５ 端縁部
６ 端縁部
７ 側縁部
８ 側縁部
９ 前域
１０ 中間域
１１ 後域
１２ 帯片
１２ａ 第１帯片
１２ｂ 第２帯片
１３ 止着テープ
１３ａ 固着部
１３ｂ 自由部
１４ 伸縮性弾性部材
１５ 第１内側固定部
１６ 第１外側固定部
１７ 第１把持部
１８ 第２内側固定部
１９ 第２外側固定部
２０ 第２把持部
２２ 内側固定部
２３ 把持部
Ｌ１ 厚み寸法
Ｌ２ 厚み寸法
Ｌ３ 厚み寸法
Ｌ４ 横寸法
Ｌ５ 横寸法
Claims (7)
- 肌当接側に位置する透液性表面シートと、肌非当接側に位置する不透液性裏面シートと、それらシートの間に介在する吸液性コアとから構成され、横方向へ延びる両端縁部と、縦方向へ延びる両側縁部と、着用時に、着用者の腹部の側に位置する前域および臀部の側に位置する後域と、着用者の股間部に位置する中間域とを有し、パッドを縦方向へ引っ張ることが可能な把持部が前記前域に位置する使い捨て体液吸収パッドにおいて、
前記パッドは、さらに、前記前後域と前記中間域とのうちの少なくとも該中間域における前記両側縁部に沿って縦方向へ延びる弾性部材を有し、
前記把持部は、前記両側縁部の一方に配置されて前記前域の端縁部から縦方向外方へ延びる第１帯片と、前記両側縁部の他方に配置されて前記前域の端縁部から縦方向外方へ延びる第２帯片とから形成され、前記第１帯片が、前記両側縁部の一方に位置して肌当接側に固着された内側固定部と、前記両側縁部の一方に位置して肌非当接側に固着された外側固定部と、前記内側固定部と前記外側固定部との間に延びることで形成される第１把持部と、前記第２帯片が、前記両側縁部の他方に位置して肌当接側に固着された内側固定部と、前記両側縁部の他方に位置して肌非当接側に固着された外側固定部と、前記内側固定部と前記外側固定部との間に延びることで形成される第２把持部とから構成されていることを特徴とする前記パッド。 - 肌当接側に位置する透液性表面シートと、肌非当接側に位置する不透液性裏面シートと、それらシートの間に介在する吸液性コアとから構成され、横方向へ延びる両端縁部と、縦方向へ延びる両側縁部と、着用時に、着用者の腹部の側に位置する前域および臀部の側に位置する後域と、着用者の股間部に位置する中間域とを有し、パッドを縦方向へ引っ張ることが可能な把持部が前記前域に位置する使い捨て体液吸収パッドにおいて、
前記パッドは、さらに、前記前後域と前記中間域とのうちの少なくとも該中間域における前記両側縁部に沿って縦方向へ延びる弾性部材を有し、
前記把持部は帯片を含み、前記帯片は前記前域の前記両側縁部における前記肌当接側に位置する両内側固定部を有し、前記把持部が前記両内側固定部の間に位置し縦方向外側へ延びる前記帯片の中間部から構成されていることを特徴とする前記パッド。 - 前記帯片が、弾性的な伸縮性を有し、前記帯片の内側固定部が、前記パッドの肌当接側に収縮可能に固着されている請求項１又は２記載のパッド。
- 前記中間域における前記コアの表裏面シート間の厚み寸法が、前記前後域における前記コアのそれよりも小さい請求項１ないし請求項３いずれかに記載のパッド。
- 前記中間域における前記コアの両側縁間の横寸法が、前記後域における前記コアのそれよりも小さい請求項１ないし請求項４いずれかに記載のパッド。
- 前記パッドの後域には、縦方向へ延びる止着テープが配置され、前記止着テープが、前記後域の肌非当接側に固着された固着部と、前記後域の端縁部から縦方向外方へ延びていて前記パッドの肌非当接側に着脱可能な自由部とを有する請求項１ないし請求項５いずれかに記載のパッド。
- 前記パッドでは、前記前域と前記後域とが互いに当接するように、前記表面シートを内側にして前記中間域が縦方向へ二つに折り畳まれ、前記止着テープの自由部が前記パッドの前域における肌非当接側に剥離可能に仮着されて該パッドの折り畳まれた状態が維持されている請求項６記載のパッド。
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