JP2004517688A - 吸収性陰唇間デバイス - Google Patents

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Abstract

本発明は、吸収性陰唇間デバイスを対象とする。この吸収性陰唇間デバイスは、身体接触面と、身体接触面の対向側に位置する衣類面表面と、内部領域と、内部領域を囲む周辺領域とを有する。身体接触面は液体透過性である。吸収性陰唇間デバイスは、衣類面表面と身体接触面間に配置された吸収性部材を備える。吸収性部材は、身体面表面と身体面表面の対向側に位置する衣類面表面とを有する。吸収性陰唇間デバイスは、内部領域内の身体接触面上に凸部分を有する。凸部分と凹部分とは対面する関係になるように形成されている。本発明はまた、かかる吸収性陰唇間デバイスの製造方法を対象とする。

Description

【0001】
(技術分野)
本発明は吸収性デバイス、特に月経に関する目的、失禁防止、またはその両方のために女性の着用者により陰唇間に着用される吸収性陰唇間デバイスに関する。
【0002】
(背景)
経血、尿、糞便などの体液を吸収するために構成された、すべての様式および様々な吸収性物品が周知である。女性保護デバイスに関しては、当分野では2つの基本型が提案されている。すなわち、経血の流出を防いで吸収するため、陰部周辺に外部装着する衛生用ナプキンおよび膣腔内に内部装着するタンポンが開発されている。
【0003】
生理用ナプキンおよびタンポンの構造的な特徴を単一デバイスに併合させようと試みるハイブリッドデバイスも提案されてきた。こうしたハイブリッドデバイスは、1937年9月7日にアローン(Arone)に対して発行された米国特許第2,092,346号及び1975年9月16日にデンキンジャー(Denkinger)に対して発行された米国特許第3,905,372号に開示されている。その他の侵入性の低いハイブリッドデバイスは、陰唇または陰唇間衛生用ナプキンとして知られ、着用者の膣前庭の内部に少なくとも一部が接し、膣前庭の外部に少なくとも一部が接することを特徴とする。こうしたデバイスは、1953年12月15日にジャックス(Jacks)に対して発行された米国特許第2,662,527号及び1986年12月23日にラッセン(Lassen)に対して発行された米国特許第4,631,062号に開示されている。
【0004】
陰唇間パッドは、サイズが小さく、漏れの危険性が低いため、不便さからは大きくかけ離れ、自由に使用できる可能性を有する。タンポンと衛生用ナプキンの最もよい特性を組み合わせつつ、これらのタイプのデバイスそれぞれの不都合な点を少なくともいくつかは回避した陰唇間パッドを製造するために、これまで多数の試みが行われてきている。こうしたデバイスの例は、1959年12月15日にデラネイ(Delaney)に対して発行された米国特許第2,917,049号、1969年1月7日にハーマン(Harmon)に対して発行された米国特許第3,420,235号、及び1986年6月17日にジョンソンら(Johnson)に対して発行された米国特許第4,595,392号に記載されている。
【0005】
しかし、これらのデバイスには欠点があるため大規模な商業的成功を収めることはない。例えば、ジョンソン(Johnson)らの特許に記載のデバイスは、身体への適切な挿入が困難であるため、容易かつ快適な挿入が可能であるようには思われない。これは、ユーザーが、デバイスが挿入されている身体の部位を見ることはなく、また触れたくないからである。このデバイスは適切に挿入されないと、ユーザーに不快感を与える。このデバイスが適切に挿入されたとしても、デバイスの周縁にバイパスを流出させてしまうこともあり得る。そのような流出は、多くのユーザーにとって受け入れ難い身体の汚れやパンティの汚れの原因となる可能性もある。
【0006】
前述に基づき、使用時に身体やパンティの汚れの発生を減少させることが可能な、改良された陰唇間デバイスが必要とされる。そのようなデバイスは、挿入が容易で、着用中に快適であるべきである。このような陰唇間デバイスの製造もまた必要とされる。
【0007】
(概要)
本発明の一態様は、吸収性陰唇間デバイスを対象とする。この吸収性陰唇間デバイスは、身体接触面と、身体接触面の対向側に位置する衣類面表面と、内部領域と、内部領域を囲む周辺領域とを有する。身体接触面は液体透過性である。吸収性陰唇間デバイスは、衣類面表面と身体接触面との間に配置された吸収性部材を含む。吸収性部材は、身体面表面と身体面表面の対向側に位置する衣類面表面とを有する。この吸収性陰唇間デバイスは、内部領域内の身体接触面上に凸部分と、内部領域内の衣類面表面上に凹部分とを有する。凸部分と凹部分とは対面する関係になるよう形成されている。
【0008】
本発明の別の態様は、かかる吸収性陰唇間デバイスの製造方法を対象とする。この方法は、相互に向き合う第一面および第二面をそれぞれ有する2つの吸収性部材を提供する工程を含む。2つの吸収性部材の第一面同士は対面の関係にある。この方法はさらに、2つの吸収性部材が吸収性陰唇間デバイスの凸部分および凹部分を形成するよう所定の継ぎ目線に沿って2つの吸収性部材の一部を縫い合わせる工程を含む。
【0009】
前述事項は、装着感を改善すること、及び装着時に身体やパンティの汚れの発生を減少することが可能な改良された陰唇間デバイスの必要性に応えている。前述事項はまた、かかる陰唇間デバイスの製造の必要性にも応えている。
本発明のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、本開示を読むことにより当業者にとって明らかとなるであろう。
【0010】
(詳細な説明)
全ての引例は、完全な形で参照することにより本明細書に組み入れている。いずれの参考文献の引用も、特許請求されている発明に対する従来技術としての有用性についてのいかなる決定をも容認するものではない。
【0011】
本明細書では、「備える」、「含む」、および「含有する」は、最終結果に影響を及ぼさないその他の要素および段階を付け加えることができることを意味する。これらの用語は、「・・・から成る」や「基本的に・・・から成る」という用語を包含する。
【0012】
本明細書において「層」という用語は、一つの層が、実際には、必要とする型の材料のシートやウェブから成る積層や組み合わせを含む可能性があることから、必ずしも構成要素を単一層の材料に限定するものではない。
【0013】
本明細書において「接合される」または「接合している」という用語は、一つの構成要素を他の構成要素に直接付着させることによってその構成要素が他の構成要素に直接固着する形状と、一つの構成要素を中間部材に付着させ、次にそれらを他の構成要素に付着させることにより、その構成要素が他の構成要素に間接的に固着する形状とを包括する。
【0014】
本明細書において「吸収性陰唇間デバイス」とは、少なくとも1つの吸収性構成要素または部材を含み、使用中に女性着用者の陰唇間空間内にあるような特に構成された構造を言う。吸収性陰唇間デバイスが個々の着用者にとって適切なサイズであるときには、本発明の吸収性陰唇間デバイスの過半数がそのような陰唇間空間内にある。好ましくは、実質的に吸収性陰唇間デバイス全体がそのような陰唇間空間内にあり、より好ましくは、吸収性陰唇間デバイス全体が使用中に女性着用者のそのような陰唇間空間内にある。
【0015】
本明細書において「陰唇間空間」とは、膣前庭内に伸張する大陰唇の内表面間に位置する、女性解剖学的な外陰領域内の空間を指す。この陰唇間空間内には、小陰唇、膣前庭、ならびに、陰核、尿道口、および膣口を含めた主な泌尿生殖器構成部位がある。標準的な医学専門家は、膣前庭とは小陰唇の内表面によって側面の境界線を定められ、陰核と膣口との間の床の内部に伸張する空間を指すと教示している。したがって、先に定義した陰唇間空間は、膣前庭としても知られる小陰唇の内表面間の空間を含み、大陰唇の内表面間の空間とみなすと認識される。本記載目的の陰唇間空間は、実質的には膣口を越えて膣内部へは伸張しない。
【0016】
本明細書において「陰唇」とは、一般に大陰唇と小陰唇の両方を指す。陰唇は、前方および後方に、それぞれ前交連および後交連で終端する。大陰唇および小陰唇の相対的なサイズおよび形状に関し、女性の間に広範囲のばらつきがあることが当業者には認識されよう。ただし、本記載の目的では、そのような相違に特に取り組む必要はない。先に定義した着用者の陰唇間空間への吸収性陰唇間デバイスの設置は、特定の着用者の大陰唇と小陰唇との間の境界の正確な位置に関わらず、大陰唇の内表面間への設置を必要とすることが認識されよう。女性解剖学のこの部分のより詳細な説明については、ランニング・プレス(Running Press)1901版(1974年)、グレイの解剖学(Gray’s Anatomy)、1025〜1027を参照されたい。
【0017】
図1は、本発明の好ましい一実施形態である吸収性陰唇間デバイス20の斜視図である。図1を参照すると、陰唇間デバイス20は、身体接触面22と、身体接触面22の対向側に位置する衣類面表面24とを有する。身体接触面は液体透過性である。陰唇間デバイス20は、陰唇間デバイス20の身体接触面22と衣類面表面24との間に配置された吸収性部材30を含む。吸収性部材30は、身体面表面32と身体面表面32に対向する衣類面表面34とを有する。陰唇間デバイス20は、内部領域IRと、内部領域IRを囲む周辺領域PRとを有する。陰唇間デバイス20は、内部領域IR内の身体接触面22上に凸部分26と、内部領域IR内の衣類面表面24上に凹部分28とを有する。凸部分26および凹部分28は、図1(図3および図4)に示すように対面する関係になるように形成されている。陰唇間デバイス20の全体形状は陰唇間デバイス20の最外縁Eにおける外周の形状で決定される。
【0018】
図2は、図1で示される陰唇間デバイス20の身体接触面22を示す簡略平面図である。陰唇間デバイス20は、内部領域IRと、内部領域IRを囲む周辺領域PRとを有する。凸部分26は内部領域IR内に形成される。図2に示す陰唇間デバイス20は、「x」軸に沿って走る長手方向中心線Lを有する。本明細書では「長手方向」とは、陰唇間デバイス20を着用したときに、直立着用者を左半体および右半体に2等分する垂直平面に一般的に一直線に並ぶ(たとえば、ほぼ平行する)、陰唇間デバイス20の平面内の線、軸、または方向を指す。本明細書では「横」、「側面」または「y方向」は、置き換え可能であり、長手方向に一般に垂直な、線、軸、または方向を指す。側面方向は、図2では「y」方向として示す。図2に示す陰唇間デバイス20はまた、横中心線Tも備える。
【0019】
陰唇間デバイス20は、少なくともデバイス20の大部分が、着用者の陰唇間空間内に快適に合うような、および着用者の膣口ならびに好ましくは着用者の尿道をも覆うような、適切な全体形状およびサイズでなければならない。陰唇間デバイス20の全体形状およびサイズは、着用者の膣口および尿道からの経血、尿、およびその他の排泄物の流れをデバイス20が少なくとも部分的に封鎖し、より好ましくは完全に封鎖遮断するように適切に選択されるべきである。
【0020】
陰唇間デバイス20は、多種多様な全体形状に製造してよい。図2を一覧した場合の全体形状の非限定的な例としては、卵形、楕円形、台形、方形、三角形、菱形、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
凸部分26(および凹部分28)もまた多種多様な全体形状をとってよい。図2を一覧した場合の全体形状の非限定的な例としては、卵形、楕円形、台形、方形、三角形、菱形、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0021】
陰唇間デバイス20のサイズは、その快適性および有効性のために重要である。陰唇間デバイス20の長手方向の長さL1は、長手方向(または「x」方向)の長手方向中心線Lに沿って測定する。陰唇間デバイス20の長手方向の長さL1は、好ましくは約50mm〜約150mmである。より好ましくは、長さL1は約70mm〜約100mmである。陰唇間デバイス20の横幅W1は、横方向(または「y」方向)の横方向中心線Tに沿って測定する。陰唇間デバイス20の横幅W1は、好ましくは約10mm〜約80mmである。より好ましくは、幅W1は約40mm〜約60mmである。陰唇間デバイス20のキャリパー(または厚さ)Cは陰唇間デバイス20の縁E(図1に示される)で測定する。陰唇間デバイス20のキャリパーCは、好ましくは約0.5mm〜約10mmである。より好ましくは、キャリパーCは約1mm〜約3mmである。本明細書のキャリパー測定は、0.25psi(1.7kPa)(ゲージ圧)荷重および0.96インチ(2.44cm)直径のフットで、AMES測定器を用いて測定した。0.96インチ(2.44cm)直径のフットが特定のサンプルサイズに対して適切でない場合、0.25psi(1.7kPa)(ゲージ圧)の制限圧力を維持するために、計測器上の荷重を次第に変化させながら、フットサイズを変化してもよいことが、当業者には認識されよう。
【0022】
凸部分26の長手方向の長さL2は、好ましくは約10mm〜約80mmである。より好ましくは、長さL2は約30mm〜約55mmである。凸部分26の横幅W2は、好ましくは約1mm〜約25mmである。より好ましくは、幅W2は約5mm〜約8mmである。
好ましくは、凸部分26の長手方向の長さL2とデバイス20の長手方向の長さL1の比は、約1:1.1〜約1:10であり、より好ましくは約1:1.3〜約1:3.3である。
好ましい実施形態では、デバイス20の長手方向の長さL1は約80mm、横幅W1は約50mmであり、凸部分26の長手方向の長さL2は約45mm、横幅W2は約6mmである。
【0023】
図3は、図2で示される陰唇間デバイス20の切断線3−3に沿った断面図である。図3を参照すると、陰唇間デバイス20は、内部領域IR内において、身体接触面22上に頂点46を有する凸部分26と衣類面表面24上に凹部分28とを有する。凸部分26の高さは、外部からデバイス20に全く圧力が加えられない場合、周辺領域PR内の身体接触面22から頂点46上の最大振幅点までの垂直距離として測定する。凸部分26の高さHは好ましくは約5mm〜約50mmである。より好ましくは、高さHは約10mm〜25mmである。
【0024】
図3に示す実施形態では、周辺領域PR内の吸収部材30は、長手方向の中心線Lおよび横中心線T(図3でなく図2に示される)により画定される水平面に実質的に平行である。水平面の一例が図3の線HPにより示されている。
好ましくは、周辺領域PR内の吸収性部材30は水平面HPから傾いている。具体的には、図4に示すように、周辺領域PR内の吸収性部材30は好ましくは±45°以内、より好ましくは約0°〜+10°の角度AGを水平面HPに対して有する。
【0025】
上述した特定のサイズパラメーターを好ましくは有する陰唇間デバイス20は凸部分26および凹部分28の機能と相まって快適かつ効果的な製品となる。
【0026】
図5は、図1に示される陰唇間デバイス20を使用する際の挿入構造の斜視図である。ユーザーの1本または複数の指先が本発明の陰唇間デバイス20の凹部分28に挿入されると凸部分26(または身体接触面22)が陰唇表面の方に向く。着用者は、挿入時にしゃがむ姿勢が陰唇表面を広げる助けとなると考えている可能性がある。従って、ユーザーは1本または複数の指を汚すことなく、デバイス20が挿入された身体の部位を間接的に触れることができる。これは、ユーザーがデバイス20を陰唇間空間に適切に挿入するのに役立ち、また使用中のユーザーの快適さを改善する。デバイス20を適切に挿入すれば、着用者の身体とデバイス20との間に生じうる体液のバイパス流をも効果的に防ぎ、それにより身体の汚れまたはパンティの汚れを効果的に防ぐことができる。デバイス20の凸部分26の好ましくは少なくとも一部、より好ましくは大半がユーザーの1本または複数の指による誘導により小陰唇の内部に挿入される。
【0027】
図6は、本発明の陰唇間デバイス20の着用者Wの陰唇間空間内における配置を示すヒト女性着用者の矢状断面図である。図6に示すように、泌尿生殖器構成部位は、膀胱B、膣V、尿道U、陰核C、大腸I、肛門A、膣口VI、および処女膜環(hymeneal ring)Hを含む。この図では、陰唇間デバイス20が使用のため適切に挿入されている場合に、デバイス20に対するこれらの着用者Wの解剖学的特徴の関係を明確に示すため、小陰唇および大陰唇は示されていない。一旦陰唇間デバイス20が陰唇間空間に挿入されると、凸部分26の身体接触面22が好ましくは陰唇間空間の皮膚に、より好ましくは小陰唇の内部表面に接着する。着用者Wが立っている場合、陰唇壁は陰唇間デバイス20の凹部分28を閉じる傾向にある。
【0028】
陰唇間デバイス20が、着用者の小陰唇、大陰唇、またはその両方の内表面に、わずかに側面に沿って外向きの圧力を付加することによって、少なくとも部分的にその部位で保持されることが好ましい。排出された体液は凸部分26の吸収性部材30により吸収される。加えて、陰唇間デバイス20はまた、身体接触面22の材料に本来湿っている陰唇表面を引き込むことにより保持されてもよい。デバイス20が着用者の陰唇内部表面へ接着しやすくするため、デバイス20の身体接触面22に生体適合性粘着剤を提供してもよい。このような接着剤の強度は、陰唇間デバイス20をその場に留めるのに役立ち、その一方で着用者の陰唇間空間からデバイスを確実かつ快適に取り外すことができるように選択すべきである。
【0029】
デバイス20の周辺領域PRは、好ましくは少なくとも着用者の陰唇、より好ましくはその周囲の区域も覆い、デバイス20と着用者の皮膚との間の空間を通じて生じうる漏れを防ぐ。従って、体液は凸部分26だけでなく周辺領域PR内の吸収性部材30によっても吸収されうる。
【0030】
陰唇間デバイス20は、着用者の身体から排出された体液(または体外排出物)を吸収し保持するために、十分な吸収性を有することが好ましい。ただし、製品の収容力は、少なくとも部分的には陰唇間デバイスデバイス20の物理的体積に左右される。吸収性陰唇間デバイスの収容力は、湿ると伸張する吸収性ゲルまたはフォームを使用して、0.9重量%食塩水溶液の少なくとも約1グラムであることが好ましく、約30グラムまでにすることができる。食塩水に対する収容力は、通常約2グラム〜約20グラムの範囲であってよい。好ましくは、デバイス20の食塩水に対する収容力は、約10gを超える。経血などの体外排出物の吸収能力は、通常、食塩水の吸収に関して前述した収容力より小さいことが、当業者には認識されよう。吸収能力の測定方法については、次の試験方法の項で説明する。陰唇間空間が拡張するので、流体を身体の圧力に適合するゲルとして保管する場合には、より大きな体積を陰唇間空間に保管することができる。さらに、陰唇間デバイス20が、完全には着用者の陰唇間空間内にない場合、吸収された排出物のうちのいくらかを、着用者の陰唇間空間の外側に保管することができる。
【0031】
陰唇間デバイス20の様々な実施形態にふさわしい1つまたは複数の個々の構成要素について、図1を参照してさらに詳細に、以降、説明する。
一実施形態では、陰唇間デバイス20は吸収性部材30を形成する単一または均一の材料により形成される。好ましい材料は、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、及び木材パルプを含む不織布材(および所望であれば吸収性ゲル材料)を含む。好ましい製造工程では、単一または均一の材料が真空ロール上で加熱された後、加熱された材料に押さえ棒により圧力が加えられて凸部分28が形成される。陰唇間デバイス20の周縁を形づくるため圧力カッターが用いられる。
【0032】
あるいは好ましい実施形態では、陰唇間デバイス20は、共に接合して吸収性部材30を形成する複数の構成材料を含む。例えば、再び図1を参照すると、吸収性部材30は、身体面表面42と身体面表面42の対向側に位置する衣類面表面44とを有する吸収性コア40を含む。好ましくは、陰唇間デバイス20は吸収性コア40の身体面表面42上に配置された液体透過性トップシート36をさらに含む。トップシート36は陰唇間デバイス20の身体接触面22を有する。より好ましくは、陰唇間デバイス20は吸収性コア40の衣類面表面44上に配置された液体不透過性バックシート38をさらに含む。バックシート38は陰唇間デバイス20の衣類面表面24を有する。
【0033】
トップシート36は、液体透過性構成要素を含む。トップシート36は、しなやかで、柔軟感があり、着用者の皮膚に対して非炎症性であるべきである。さらにトップシート36は液体透過性があり、体液(例えば、経血及び/または尿)が容易にその厚さ(またはキャリパー)を通過することを可能にする。好適なトップシート36は、織布材料及び不織布材料、孔あき成形熱可塑性フィルムや孔あきプラスチックフィルムやハイドロフォーミングされた熱可塑性フィルムなどの高分子材料、多孔質発泡体、網状発泡体、網状熱可塑性フィルム、並びに熱可塑性スクリムなどの、広範な材料により製造することができる。好適な織布材料及び不織布材料は、天然繊維(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル、レーヨン、ポリプロピレン、若しくはポリエチレン繊維のようなポリマー繊維)、または天然繊維と合成繊維との組み合わせから成ることができる。本発明で使用される適切なトップシート36は、坪量約15g/m〜約30g/mのレーヨン繊維で形成された不織布材料である。
【0034】
好ましくは、トップシート36として使用するのに特にふさわしい材料は生分解性材料である。本明細書で「生分解性材料」とは、シュトゥルム試験(Sturm Test)にしがたって測定したとき、28日後に、生分解性(理論的な二酸化炭素放出量のパーセンテージ)が約70%以上の材料を言う。シュトゥルム試験は、経済協力開発機構によって301B方法に指定されている。好ましい材料は約80%を超える生分解を有し、より好ましくは生分解は約90%以上である。
【0035】
トップシート36もまた孔あき成形フィルムを備えてもよい。孔あき成形フィルムは、体外排出物に透過性であり、適切に孔があいていれば、流体が逆に戻って着用者の皮膚を再び濡らす傾向を低減する。したがって、身体に接触する該成形フィルムの表面を乾燥した状態に保つことで、身体の汚れを低減させ、着用者にさらに快適感をもたらす。適切に形成されたフィルムが、1975年12月30日にトンプソン(Thompson)に対して発行された米国特許第3,929,135号、1982年4月13日にミュラン(Mullane)らに対して発行された米国特許第4,324,246号、1982年8月3日にラデル(Radel)らに対して発行された米国特許第4,342,314号、1984年7月31にアール(Ahr)に対して発行された米国特許第4,463,045号、及び1991年4月9日にベアード(Baird)に対して発行された米国特許第5,006,394号に記載されている。
【0036】
好ましい実施形態において、トップシート36の身体接触面22は親水性であり、身体接触面22が親水性でない場合よりも速く流体がトップシート36を通って移動するのを促進するため、月経の流体が吸収性コア40に流れ込んで吸収されるのではなくトップシート36から離れて流れる可能性を減らす。トップシート36の身体接触面22は、オズボーン(Osborn)IIIに対して発行された米国特許第4,950,254号に記載されるような界面活性剤で処理することで親水性にすることができる。好ましい実施態様では、界面活性剤が成形フィルムトップシートの高分子材料に組み込まれている。
【0037】
トップシート36の内表面は、下にある吸収層と接触関係に固定することができる。この接触関係により、トップシート36の液体浸透が早められる。トップシート36を下層に結合させることによって、トップシート36と下層の接触関係を維持してもよい。ただし、必ずしもトップシート36の表面を下層の表面に結合させる必要はない。トップシート36は、下層の繊維をトップシートに絡ませることにより、複数の分離性の個々なる融着によってトップシート36を下の吸収層に癒合させることにより、あるいは当分野で既知の任意の手段により、下の吸収性構成要素との接触を維持することができる。
【0038】
トップシート36は、吸収性コア40から分離または別個である層または材料を備える必要はない。トップシート36および吸収性コア40は、吸収性コア40の身体接触面が液体透過性トップシート36としての機能を果たすよう1つの単一構造からなっていてもよい。このような実施形態では、液体透過性身体接触面22は親水性であってもよく、または親水性となるように流体が表面22を通って吸収性コア40の内部に容易に浸透するように処理されてもよい。加えて、吸収性コア40の内部での吸収及び保持を助けるため、トップシート36及び吸収性コア40に、孔径、毛管、または親水性勾配が提供されてもよい。
【0039】
吸収性コア40は、トップシート36とバックシート38との間に配置される。吸収性コア40は、経血やその他の体液などの排出物を吸収する手段を提供する。吸収剤コア40は、一般に、圧縮可能で適合性があり、使用者の皮膚にとって非炎症性であることが好ましい。
【0040】
吸収性コア40は、流体(例えば、経血及び/または尿)を吸収かつ/または保持できる、任意の好適な材料をも含むこともできる。好ましくは、吸収剤コア40が、吸収性陰唇間デバイス20全体と同じ一般形状を有する。吸収性コア40(および吸収性陰唇間デバイス20全体)は多種多様な形状に製造してよい。吸収性コア40の形状の非限定的な例としては、図1のように上面から見て、卵形、楕円形、台形、方形、三角形、菱形、またはこれらの組み合わせが挙げられる。図1に示すように、吸収性コア22と吸収性陰唇間デバイス20全体の好ましい形状は、一般に、卵形または楕円形である。
【0041】
吸収性コア40は、一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプなど、通常、吸収性物品にて使用される多種多様な流体吸収性材料から製造することができる。その他の好適な吸収性材料の例としては、綿繊維または綿リンテル、縮みセルロース詰め物;コンフォームを含むメルトブローポリマー;化学的に剛化、変性、または架橋されたセルロース繊維;織縮ポリエステル繊維などの合成繊維;ピートモス;ティッシュラップ及びティッシュラミネートを含むティッシュ;吸収性発泡体;吸収性スポンジ;超吸収性ポリマー(繊維または粒子形態);吸収性ゲル化材料;または任意の同等材料または材料の組み合わせ;あるいはこれらの混合物が挙げられる。好ましい吸収性材料は、折り曲げたティッシュ、綿バット、織布材料、不織布ウェブ、ニードルパンチしたレーヨンを含めたレーヨン、及び発泡体の薄層を含む。吸収性コア40は単一の材料から成ってもよい。あるいは、吸収性コア40は、材料の組み合わせから成ってもよい。吸収性コア40に特に好ましい材料の1つは、レーヨンまたはレーヨン/綿混合のバットである。
【0042】
バックシート38は、吸収性コア40に吸収され且つ保持されている排出物が、陰唇間デバイス20に接触することのある、物品、及び/または、パンツ、パジャマ、下着、陰毛、着用者の大腿部などの身体の部分を濡らすのを防ぐ。バックシート38は、柔軟性があり、流体(例えば、経血及び/または尿)に不透過性にすべきである。
バックシート38は、流体(例えば、経血及び/または尿)に不透過性であり、好ましくは可撓性がある。本明細書で「可撓性」とは、順応性があって、ヒトの身体の一般的な形や輪郭に容易に順応することのできる材料を指す。バックシート38はまた、陰唇間デバイス20を挿入するときに、またはデバイスを任意選択的に指で取り外すときに、着用者の指を保護する。
【0043】
バックシート38は、織布または不織布材料、ポリエチレンまたはポリプロピレンの熱可塑性フィルムなどのポリマーフィルム、フィルムコーティング不織布材料などの複合材料、コラーゲンフィルムなどの有機材料を含むことができる。バックシートを、厚さが約0.012mm(0.5ミル)〜約0.051mm(2.0ミル)のポリエチレンフィルムから製造してもよい。代表的なポリエチレンフィルムは、オハイオ州シンシナティのクロペイ・コーポレーション(Clopay Corporation)で表記P18−0401として製造される。バックシートは蒸気をデバイス20から逃がしてもよい(すなわち通気性がある)が、依然として排泄物がバックシートを通過するのを阻止する。
【0044】
好ましくは、バックシート38は、分散性及び/または水溶性である。ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコールのコポリマーを含む)が、溶解性バックシート38用の材料として好適であることがわかっている。ポリビニルアルコールは、水への溶解率を減らすため、組織、ろう、またはその他の疎水性塗被でコーティングされてもよい。これにより、デバイス20の処分時の水溶性能力を保持しながら、使用時のバックシート38の一体性を維持することができる。あるいは、レーヨンで形成された不織布材料は、溶解性バックシート38に用いられ得る。
【0045】
前述の陰唇間デバイス20の構成要素(即ち、トップシート36、バックシート38、及び/または吸収性コア40)は、任意の適切な方式でも組み立てることができる。図1に示される好ましい実施形態では、主要本体部分の構成要素は、陰唇間デバイス20の縁Eを形成するよう寸法合わせされた全ての構成要素により「サンドイッチ」形状(即ち、トップシート36、吸収性コア40、及びバックシート38が積層されて積層体構造を形成する)で組み立てられている。別の好ましい実施形態において、トップシート36及びバックシート38は、トップシート36及びバックシート38の縁が吸収性コア40の縁(図示せず)を超えて外側に伸張するよう寸法合わせされている。トップシート36及びバックシート38は、公知の技術を用いて好ましくは少なくとも部分的かつ局所的に接合されている。即ち、好ましくは液体不透過性の継ぎ目に沿ってトップシート36が好ましくはバックシート38に固定されている。このような継ぎ目は、接着剤、圧着、ヒートシールなど、当分野でこの目的のために主に使用されるどのような手段によっても形成することができる。
【0046】
陰唇間デバイス20の構成要素は、粘着剤、縫製、熱及び/または圧力結合、動的機械的結合、超音波結合、繊維または陰唇間デバイス20の構成要素を含むその他の構造要素の混合またはもつれ、例えば一構成要素を含む繊維を別の構成要素上にメルトブローすることによって、一構成要素を別の構成要素に押出し成形することによって、あるいは当分野での既知の任意の他の技術によって、共に接合することができる。陰唇間デバイス20の構成要素は、デバイス20が穏やかに攪拌した水(トイレ内など)に複数の断片となって分散する傾向を高めるために、水溶性粘着剤によって接合することができる。
【0047】
陰唇間デバイス20の1つまたは複数の構成材料は好ましくは分散性及び/または水溶性である。本明細書で「分散性」とは、吸収性陰唇間デバイスまたはその1つあるいは複数の構成材料が、穏やかに攪拌した水の中で少なくとも2つの断片に分散する材料を指す。このようなデバイスまたはその1つあるいは複数の構成材料は、従来のトイレ及び/または家庭の配管系でばらばらになり、最終的には汚水処理系を通じて効果的に処理される。本明細書で「溶解性」とは、吸収性陰唇間デバイスまたはその1つまたは複数の構成材料が、少なくとも部分的には溶解し、本質的に流体とみなせるか、あるいはそれが溶解した液体媒質からは肉眼で識別不可能なことを指す。
【0048】
好ましい実施形態において、陰唇間吸収性デバイス20はトイレ処分可能である。本明細書で「トイレ処分可能」は、吸収性陰唇間デバイスの次の特徴、即ちフラッシャブル性、分散性、定着性、及び生分解性を含む。本明細書で「フラッシャブル」及び「フラッシャブル性」とは、製品が、製品の物理構造に直接的に関係することのある、詰まりや同様の問題を引き起こさずに通常市販されている家庭用のトイレ及び下水配管系を通過できる能力を指す。ただし、様々なタイプの市販のトイレには、多くの相違があり得ることが認識されている。したがって、添付の請求項のために、本明細書の試験方法の項で、吸収性陰唇間デバイスなどの月経用製品のフラッシャブル性を決定するための試験を実施する。
【0049】
「定着性」とは、吸収性陰唇間デバイス20などの吸収性陰唇間デバイスが、汚水浄化槽または処理する汚水の表面に浮くのではなく、最終的に汚水浄化槽またはその他の汚水処理系の底に沈む傾向を指す。
好ましくは、本発明の陰唇間デバイス20はトイレに捨てることができ、次の試験方法での項の水分散性試験で説明するように、穏やかに攪拌した室温の水に暴露すると2時間以内に少なくとも2つの断片に分散する。より好ましくは、水分散性試験による測定において、陰唇間吸収性デバイス20が、約60分以内に、より好ましくは約30以内に、最も好ましくは約15分以内に、複数の断片に分散する。好ましくは、製品は39cm(6in)未満、より好ましくは13cm未満(2in)、最も好ましくは10cm(1.5in)未満の断片に分断する。
【0050】
本発明の特に好ましい実施形態では、陰唇間吸収性デバイス20の各構成要素は、穏やかに攪拌した水に浸すと、複数の断片に分散する。あるいは、陰唇間デバイス20の構成要素は、複数の断片に分断せずに、相互に分離することもできる(例えば、トップシート36、バックシート38、及びコア44が、それぞれ完全な状態を保持したまま、互いに分離することができる)。
好ましくは、陰唇間デバイス20は生分解性材料を含む。陰唇間デバイス20には生分解性材料が好ましいが、使用する各材料及びあらゆる材料が必ずしも生分解性である必要はない。例えば、デバイス20が生分解性ではない超吸収性粒子を含むことができるが、そのことは、全体的なデバイス20が汚水処理系で効果的に処理される能力に影響を及ぼさず、デバイス20はトイレで処理可能なままである。
【0051】
本発明の陰唇間デバイス20は、「スタンドアロン」製品として装着できる。さらに、女性用衛生製品の「システム」の一部として陰唇間デバイス20を使用することによって、延長された着用期間(一晩中など)にわたり、身体及び衣類の汚れを軽減する優れた性能を得ることができる。汚れを軽減するのに有効なこのようなシステムは、生理用ナプキンと同時に着用される、陰唇間デバイス20などの吸収性陰唇間デバイスである。
【0052】
生理用ナプキン(または所望の場合はパンティライナー)と組み合わせた陰唇間デバイスのこのようなシステムは、生理用ナプキンまたは陰唇間パッドのいずれかを単独で着用するより有効である。このシステムで使用される吸収性陰唇間デバイスは、前述の陰唇間デバイス20の好ましいすべての特質を有してもよいし、好ましくは有する。このようなシステムで使用される生理用ナプキンは任意の適切な従来の生理用ナプキンであってよい。下着をその通常の着用位置で着用しているときに、生理用ナプキンは、着用者の身体の外陰部領域に隣接して置かれる。前述のシステムでの使用に好適な生理用ナプキンは、次の米国特許第4,342,314号、第4,463,045号、第4,556,146号、第B14,589,876号、第4,687,478号、第4,950,264号、第5,009,653号、第5,267,992号、第5,413,568号、第5,460,623号、第5,462,166号、第5,489,283号、第5,569,231号および再発行特許第32,649号の、1つまたは複数に基づいて、オハイオ州シンシナティのプロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Company)で製造され包装される、「ALWAYS」極薄マキシ・ウイング付き生理用ナプキン(”ALWAYS” Ultra thin Maxi with Wings sanitary napkin)である。ウイングなしまたは「極薄(Ultra−thin)」タイプでないものなど、その他の生理用ナプキンも可能である。
【0053】
女性用衛生製品のシステムとして吸収性陰唇間デバイスおよび生理用ナプキンを使用するために、着用者は、吸収性陰唇間デバイスを自身の陰唇間空間に挿入し、生理用ナプキンをパンティタイプの下着のクロッチ部分に設置する。これらの2つのステップは、いずれの順序で実施してもよい。吸収性陰唇間デバイスを挿入できる前に解放される可能性のある経血滴を捕捉し吸収するために、最初に生理用ナプキンをパンティのクロッチに設置することを好む女性もいる。最初に吸収性陰唇間デバイスを挿入することを選択する女性もいる。吸収性陰唇間デバイスを挿入し、生理用ナプキンを下着のクロッチに位置付けた後、下着をその通常の着用位置に引き上げる。その結果、生理用ナプキンが着用者の身体の外陰部領域に隣接して置かれ、同時に吸収性陰唇間デバイスが着用される。
好ましくは、上述のシステムと共に使用される吸収性陰唇間デバイスは着用者の各排尿時に交換される。関係する生理用ナプキンは、より長い時間着用することができる(すなわち、吸収性陰唇間デバイスの交換より長く)が、それは大部分の体液が、生理用ナプキンでなく陰唇間デバイスに付着し吸収されるからである。
【0054】
生理用ナプキン及び上述のシステムの吸収性陰唇間デバイスは、女性用衛生「キット」として共通の包装内に包装することもできる。このようなキットは、本発明のシステムの使用を容易にする。好ましくは、このようなキットに関係する包装は、女性衛生製品のシステムとして前述の方法に従い、吸収性陰唇間デバイス及び生理用ナプキンの使用方法に関する取扱い説明書を含む。
【0055】
女性衛生製品の代替的な好適なシステムは、吸収性タンポンと同時に使用する本発明の陰唇間デバイス20を含む。女性衛生製品のこのシステムの吸収性タンポンは、オハイオ州シンシナティのプロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Company)により、商標「タンパックス(TAMPAX)」として販売されるどのようなタンポンも含め、いかなる好適な従来の月経用タンポンであってもよい。使用するタンポンは、アプリケータ挿入または指挿入タイプにすることができ、当分野で既知のどのような好適なアプリケータを使用することもできる。初めにタンポンを着用者の膣腔内に挿入する。タンポン挿入に続いて、吸収性陰唇間デバイスを着用者の陰唇間空間に挿入する。次いで、陰唇間デバイスとタンポンを一定時間、同時に着用する。吸収性陰唇間デバイスは、着用者の各排尿時に取り外して交換してもよく、または、取り外して、排尿後に再度挿入してもよい。
【0056】
同様に、吸収性タンポン及びこのシステムの陰唇間デバイス20は、女性衛生キットとして共通の包装内に包装することもできる。このキットにより本発明の別のシステムの使用が容易になる。
システム及び関係キットはまた、吸収性陰唇間デバイス、タンポン、及び生理用ナプキンの同時使用をも包含することもできる。3つのタイプの女性衛生製品のすべてを含むキットもまた、共通の包装内に包装し、このようなシステムの使用のための適切な取扱い説明書を含むことができる。
【0057】
前述のシステムに加え、陰唇間デバイス20は、パンティライナー、あるいは月経用または失禁用の失禁パッドと同時に着用することができる。上述の陰唇間デバイス20は、パンティライナー、失禁パッド、または生理用ナプキンと組み合わせて包装して、女性用尿失禁キットを形成することもできる。このような失禁キットが、女性衛生製品を軽度の失禁保護のために使用する方法を着用者に指示する適切な包装材料を含むことが好ましい。陰唇間デバイス20は、従来のパンティ内に着用することができ、または月経用ショーツと併せて使用することもできる。
【0058】
本発明の吸収性陰唇間デバイスの数多くの別の実施形態が可能である。例えば、これらの製品はまた、皮膚軟化剤及び/または医薬品治療と併せて使用してもよい。例えば、陰唇間デバイス20上に使用する適切な皮膚軟化剤は、約50%ワセリン、約39%セテアリルアルコール、及び約15%セテアレス−10から構成される。約0.03g/パッドの皮膚軟化剤塗被が好適であることがわかった。
【0059】
所望であれば、陰唇間デバイス20は、個々の包装に包装することができる。このような個々の包装は、フィルム及びトイレ処分可能な材料を含む数々の当技術分野において既知の好適な材料で構成されてもよい。例えば、包装は、縁部で壊れやすく密封されたフィルムで製造する。壊れやすい密封包装のための好適な方法については、スワンソン(Swanson)に対して発行された米国特許第4,556,146号、及びミントン(Minton)らに対して発行された米国特許第5,462,166号に記載されている。
【0060】
図7は、本発明の好ましい一実施形態である吸収性陰唇間デバイス製作の製造工程の簡略平面図である。図7を参照すると、相互に対向側に位置にする第一面51及び第二面52を有する単一の吸収性部剤50が機械方向MDに沿って供給される(工程61)。単一の吸収性部材50は所定の折り曲げ線54を有する。折り曲げ線54は好ましくは機械方向MDに平行である。折り曲げ線54は、図7に示すように単一の吸収性部材50の区域を等分する線上に好ましく定められる。
【0061】
工程62では、相互に対向側に位置する第一面及び第二面を各々有する2つの吸収性部材50a及び50bを提供するため、単一の吸収性部材50が折り曲げ線54に沿って折り曲げられる。図8は、図7に示される折り曲げた吸収性部材50の切断線8−8に沿った断面図である。図8に示すように、2つの吸収性部材50a及び50bの表面52a及び52bは互いに向き合っている(即ち、それらは対面する関係にある)。
別の実施形態において、相互に対向側に位置する第一面及び第二面を各々有する2つの別個の吸収性部材50a及び50bが工程61及び工程62の代わりに供給されうる。
【0062】
工程63では、2つの吸収性部材50a及び50bが得られる吸収性陰唇間デバイスの凸部分及び凹部分を形成するよう所定の継ぎ目線56に沿って2つの吸収性部材50a及び50bの一部が縫い合わされる。2つの吸収性部材50a及び50bに採用された具体的な材料にふさわしい当技術分野で既知の任意の縫い合わせ手法が継ぎ目線56の製造のために採用され得る。好ましい縫い合わせ手法は、音波シール、熱シール、粘着剤結合及び縫製を含む。
【0063】
工程64では、吸収性部材50a及び50bは所定の間隔または空間で横機械方向CDに沿って断続的に切断される。所定の間隔は、得られる吸収性陰唇間デバイスの長手方向の長さL1を画定する。加えて、吸収性部材50a及び50bの不必要な断片57は工程63で切り取られて除去される。その結果、衣類面表面24を露出させる個々の吸収性陰唇間デバイス58が生産される。このような結果生産される吸収性陰唇間デバイス58は好ましくは保管されて出荷用の製品包装により梱包される。
【0064】
あるいは(及び所望であれば)、陰唇間デバイス58の身体接触面22が露出して凸部分26及び凹部分28を形成するよう各々の陰唇間デバイス58がひっくり返された(または反転された)後は、得られる吸収性陰唇間デバイス58は保管可能であり製品包装により梱包可能である(工程65)。
【0065】
図9は、図7の工程64で生産される吸収性陰唇間デバイス58の簡略平面図である。図9に示すように、本実施形態の継ぎ目線56は2つの平坦部分56a及び2つの平坦部分56aの間に配置される凸部分56bを有する。2つの平坦部分56aは機械方向MDに平行である。
【0066】
図10は、本発明の他の好ましい実施形態である吸収性陰唇間デバイス58’の簡略平面図である。この図は、図7の工程64で示される吸収性陰唇間デバイス58に対応する。図9で示される実施形態と同様、本実施形態の継ぎ目線56は2つの平坦部分56a’及び2つの平坦部分56a’の間に入る凸部分56bを有する。しかしながら、本実施形態では図10に示すように継ぎ目線56の2つの平坦部分56a’は機械方向MDに対し(角度AGで)傾いている。図7の製造工程における吸収性陰唇間デバイス58にこのような傾いた継ぎ目線56を提供することにより、図4に示すように水平面HPに対して傾いた周辺領域PRを有する吸収性陰唇間デバイス58を結果的に得ることができる。
【0067】
(試験方法)
1.吸収収容力試験
吸収能力は、次のように決定することができる。試験前の2時間、相対湿度50%、23℃(73°F)の室温内に置くことによって調湿したサンプルに、試験を実施した。試験は、同様の条件下で実施すべきである。
【0068】
物品は、0.1グラムの精度で重量を量る。次いで、物品が全体的に水中に沈み、曲がったり、あるいはねじれたり折り曲げられたりしないように、滅菌0.9%食塩水溶液(イリノイ州ディアフィールドのバクスター・トラベノール社(Baxter Travenol Company)から入手可能)のビーカーに物品を沈める。物品を10分間沈める。物品を食塩水から取り出し、0.25インチ×0.25インチ(0.64cm×0.64cm)正方形開口部を有する金網ふるい上に5分間水平に横たえて、物品から食塩水の水分をきる。次いで、物品の両側を、ペンシルベニア州マウントホリースプリングのフィルトレーション・サイエンス・コーポレーション(Filtration Science Corp.)イートン・ダイクマン部門(Eaton−Dikeman Division)から入手可能な濾紙#631などの吸収性吸取り紙で覆う。1平方インチ当り1ポンド(7kPa)の均一な荷重を物品の上に置いて、過剰な流体を搾り出す。吸収性吸取紙に移動する流体の量が30秒間で0.5グラム未満になるまで、30秒毎に吸収性吸取り紙を交換する。次に、物品の重量を0.1グラムの精度で量り、製品の乾燥重量を引く。グラム数の相違が、物品の吸収収容力になる。
【0069】
2.水分散性試験
デバイス
振盪器 イリノイ州メルローズパークのラボ・ライン・インスツルメンツ(Lab Line Instruments)から入手可能なジュニア・オービット・シェイカー(Junior Orbit Shaker)
温度計 1区間1°で30〜120°F(−1〜49℃)
タイマー デジタルストップウォッチ
蓋つき瓶 16オンス蓋つきガラス瓶
空調室 温度及び湿度は次の制限内にあるよう制御されるべきである。
温度:73±3°F(23℃±2℃)
湿度:50±2%相対湿度
【0070】
試験設定
1.ガラス瓶を3±3°F(−16℃±2℃)の300ml水道水で満たす。
2.製造業者の指示に従って、ジュニア・オービット・シェイカー(Junior Orbit Shaker)の速度を250rpmに設定する。
【0071】
手順
1.サンプル(例えば、吸収性陰唇間デバイス20)を、瓶内の水の表面より3〜4インチ(7.6〜10.2センチメートル)上で保持する。サンプルを水面上に静かに落下させる。
2.瓶の上に蓋を置く。
3.瓶が側部を向くようジュニア・オービット・シェイカーの中に瓶を置く。
4.オン/オフスイッチでジュニア・オービット・シェイカーを起動し、シェイカーがオンになったときにタイマーを開始する。
5.サンプルが少なくとも2片に分離するまでに要した時間を記録する。分離とは、もともとは損傷のないサンプルから個々のいくつかの繊維が分裂することを含まない。時間とは、サンプルを振盪する合計時間である。
6.さらに3つのサンプルにステップ1〜5を繰り返す。
【0072】
計算および報告
試験した4つのサンプルに関し、水分散能力時間の平均値および標準偏差を計算し報告する。
【0073】
本明細書で説明した実施例および実施形態は例示目的だけであって、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者においては様々な修正案または変更案が想起されるものと考える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい一実施形態である吸収性陰唇間デバイスの斜視図である。
【図2】図1で示される吸収性陰唇間デバイスの身体接触面を示す簡略平面図である。
【図3】図2で示される吸収性陰唇間デバイスの切断線3−3に沿った断面図である。
【図4】本発明の好ましい他の実施形態である吸収性陰唇間デバイスの断面図である。
【図5】図1に示される吸収性陰唇間デバイスを使用する際の挿入構造の斜視図である。
【図6】図1に示された吸収性陰唇間デバイスの着用者の陰唇間空間内における配置を示すヒト女性着用者の矢状断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態である吸収性陰唇間デバイス製作の製造工程の簡略平面図である。
【図8】図7に示される吸収性部材の切断線8−8に沿った断面図である。
【図9】図7に示される吸収性陰唇間デバイスの簡略平面図である。
【図10】本発明のさらなる他の好ましい実施形態である吸収性陰唇間デバイスの簡略平面図である。

Claims (17)

  1. 身体接触面と、該身体接触面の反対側に位置する衣類面表面と、内部領域と、内部領域を囲む周辺領域とを有し、該身体接触面は液体透過性である吸収性陰唇間デバイスであり、
    該吸収性陰唇間デバイスは該衣類面表面と該身体接触面との間に配置された吸収性部材を備え、該吸収性部材は身体面表面と該身体面表面の対向側に位置する衣類面表面とを有し、
    該吸収性陰唇間デバイスは、該内部領域内の該身体接触面上に凸部分と、該内部領域内の該衣類面表面上に凹部分とを有し、該凸部分と該凹部分とは対面する関係になるように形成されている吸収性陰唇間デバイス。
  2. 前記吸収性部材は身体面表面と該身体面表面に位置する衣類面表面とを有する吸収性コアであり、前記吸収性陰唇間デバイスは該吸収性コアの該身体面表面上に配置された液体透過性表面トップシートをさらに備え、該トップシートは前記身体接触面を有する、請求項1に記載の吸収性陰唇間デバイス。
  3. 前記吸収性陰唇間デバイスは、前記吸収性コアの前記衣類面表面上に配置される液体不透過性バックシートをさらに備え、該バックシートは該衣類面表面を有する、請求項2に記載の吸収性陰唇間デバイス。
  4. 前記トップシートと前記吸収性コアと前記バックシートとは積層構造を形成するように層をなす、請求項3に記載の吸収性陰唇間デバイス。
  5. 前記凸部分および前記凹部分は半球形状、円錐形、または柱形状を形成する、請求項1に記載の吸収性陰唇間デバイス。
  6. 前記周辺領域内の前記身体接触面が水平面内に存在する請求項1に記載の吸収性陰唇間デバイス。
  7. 前記周辺領域内の前記身体接触面が前記水平面から傾いている請求項1に記載の吸収性陰唇間デバイス。
  8. 前記吸収性陰唇間デバイスは、長手方向の長さ約60mm〜約150mm、および横幅約20mm〜約80mmである、請求項1に記載の吸収性陰唇間デバイス。
  9. 前記凸部分の長手方向の長さと前記吸収性陰唇間デバイスの長手方向の長さとの比が約1:1.1〜約1:10である、請求項8に記載の吸収性陰唇間デバイス。
  10. 前記凸部分が長手方向の長さ約10mm〜80mmである請求項9に記載の吸収性陰唇間デバイス。
  11. 前記凸部分が高さ約5mm〜約50mmである請求項8に記載の吸収性陰唇間デバイス。
  12. 前記吸収性陰唇間デバイスの前記周辺領域は、円、楕円、三角形、矩形、または瓢箪形を形成する外周縁を有する、請求項1に記載の吸収性陰唇間デバイス。
  13. 身体接触面と、身体接触面の対向側に位置する衣類面表面と、内部領域と、内部領域を囲む周辺領域と、該内部領域内の該身体接触面上に凸部分と、該内部領域内の該衣類面表面上に凹部分とを有し、該凸部分と該凹部分とは対面する関係になるように形成されている吸収性陰唇間デバイスの製造方法であり、
    該製造方法は、相互に向き合う第一面および第二面をそれぞれ有する2つの吸収性部材であり、該2つの吸収性部材の第一面同士が対面する関係である2つの吸収性部材を提供する工程と、
    該2つの吸収性部材が該凸部分および該凹部分を形成するように所定の継ぎ目線に沿って該2つの吸収性部材の一部を縫い合わせる工程、とを含む吸収性陰唇間デバイスの製造方法。
  14. 前記2つの吸収性部材の第一面および第二面の1つが液体透過性である請求項13に記載の吸収性陰唇間デバイスの製造方法。
  15. 前記2つの吸収性部材の第一面は液体透過性であり、前記吸収性陰唇間デバイスの製造方法は、該2つの吸収性部材の該第一面が露出するよう該2つの吸収性部材を反転する工程をさらに含む、請求項14に記載の吸収性陰唇間デバイスの製造方法。
  16. 前記2つの吸収性部材は、相互に向き合う第一面と第二面、および所定の折り曲げ線を有する単一の吸収性部材により形成され、該2つの吸収性部材を提供する工程は、該単一の吸収性部材を提供する工程と、該所定の折り曲げ線に沿って該単一の吸収性部材を折り曲げる工程、とを含む請求項13に記載の吸収性陰唇間デバイスの製造方法。
  17. 前記吸収性部材は、層をなす液体透過性トップシート材料および吸収性コア材料を含む請求項13に記載の吸収性陰唇間デバイスの製造方法。
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