WO2000008968A1

WO2000008968A1 - Heater

Info

Publication number: WO2000008968A1
Application number: PCT/JP1999/004303
Authority: WO
Inventors: Masaru Tsuchiya; Takashi Ito; Akira Shiga; Takao Orii; Hiroaki Kobayashi; Masamichi Shigekane; Akira Noda; Koji Mimura
Original assignee: Kao Corporation
Priority date: 1998-08-11
Filing date: 1999-08-09
Publication date: 2000-02-24
Also published as: JP4010662B2; DE69935525T2; DE69935525D1; EP1112702B1; US6500201B1; JP2000050941A; EP1112702A1; EP1112702A4

Description

明細書

加温具

技術分野

本発明は、簡便に頭髪又は頭皮に加熱を施し、頭髪のカールやゥェ一ビング、トリートメント、髪の柔軟化、くせ矯正、弾性付与、髪質改善、 - 染色等の頭髪処理：養毛 ·育毛処理、スカルプケア等の頭髪処理用途に好適な加温具及びその製造方法に関する。

背景技術

毛髪対象の加温具として、家庭で手軽に頭髪へのカールゃゥービングを行うためのヘア用キャップ等が提案されている。その熱源としては、鉄粉カイロ、パラフィンやポリエチレングリコール等の蓄熱体、二クロム線等への通電により発熱する発熱体等が提案されている。特に、鉄粉カイロは、簡便性、安全性、持続性等において他に優っているため、鉄粉カイロを用いた頭髪用の加温具が種々提案されている。

特開平 1 0 — 1 0 8 7 1 9号公報に、キヤップ部材の内面あるいは外面に装備したポケットに、市販カイロを挿入して使用する頭髪頭皮加温用キヤップが提案されているが、使用時の操作が煩雑であるという問題があり、また、複数の市販矩形カイロで頭部を完全に被覆することは不可能であると共に、カイロの頭髪への密着性が悪いため、頭髪の温度厶ラが生じ易いという問題があった。

また、実開平 6 2 - 2 3 6 0 2号公報に、内皮と外皮と両者間に封入された発熱粉体とからなる加温用キャップが提案されているが、発熱粉体を分割するのが困難な構造であるため、発熱粉体の均一な封入が困難であり、そのための温度ムラが生じ易い、折り畳むことができない等の問題もあった。

また、鉄粉カイロは酸素を含む空気に曝されると発熱するという特徴をもっため、とりわけ、カイロを発熱体としたキャップを製造する際には、単にシート状のカイロを製造するのに比べ、キャップにカイロを組み込むのに余分の時間を要するため、発熱と、その為のカイロ粉の失活の問題はより深刻になる。このため、鉄粉カイロを発熱体とする加温具は製造が簡単なものである必要がある。

発明の開示

従って、本発明の目的は、使用時の操作が簡単で、温度ムラが少なく、製造が簡単な加温具を提供することにある。

本発明は、加温部を有するキャップを具備した加温具であって、前記加温部は、耐水性の内層シートと、該内層シートを覆って配された通気性シ一トと、該内層シ一ト及び該通気性シートとにより狭持固定された空気に触れると発熱する複数の発熱体とからなり、前記発熱体は、実質上キヤップ全面に亘つて配置されている加温具を提供することにより、前記目的を達成したものである。

本発明の加温具は、製造時の発熱による鉄粉のロスを最小限にとどめることができ、使用時の操作が簡単で、温度ムラが少なく、製造が簡単なものである。

図面の簡単な説明

図 1は、本発明の加温具の好ましい 1実施形態を示す斜視図である。図 2は、図 1に示す加温具の X - X断面図である。

図 3は、図 1に示す加温具の製造方法の要部を示す工程図である。図 4は、図 1に示す加温具の他の製造方法の要部を示す工程図である。図 5は、本発明の加温具の第 2の実施形態を示す斜視図である。

図 6は、図 5に示す加温具の製造方法の要部を示す工程図である。図 7は、図 5に示す加温具の他の製造方法の要部を示す工程図である。図 8は、本発明の加温具の第 3の実施形態を示す斜視図である。図 9は、本発明の加温具の第 4の実施形態を示す斜視図である。図 1 0は、図 9に示す加温具の 2枚の加温甩シートを当接させた状態を示す平面図である。

発明の詳細な説明

以下、本発明の加温具の好ましい 1実施形態について説明する。図 1及び 2に示す本実施形態（第 1の実施形態）の加温具 1は、加温部を有するキャップを具備する。

本実施形態においては、 2枚の略同形で半楕円形状である発熱体含有シート 1 0における互いの周縁部としての湾曲周縁部 1 0 aを接合固定してなるキャップ 2 0を具備し、発熱体含有シート 1 0は、耐水性の内層シート 2と、該内層シート 2の表面全面を覆って配された通気性シ一ト 5と、内層シート 2及び通気性シ一ト 5により狭持固定された空気に触れると発熱する複数の発熱体 3とからなり、発熱体 3は、実質上キヤップ 2 0全面に亘つて配置されて加温部を形成しており、発熱体含有シート 1 0は、それぞれ内層シート 2が内面に位置するように接合固定されている。

ここで、前記の「実質上キャップ 2 0の全面に亘つて配置」とは、使用時に被加温物を全体的に加温できるように発熱体を配置することを意味する。

更に詳述すると、本実施形態の加温具 1は、前記キャップ 2 0のみからなる。また、湾曲周縁部 1 O aは、通気性シート 5同士を当接させてヒートシールして接合固定されており、シールされた部分 1 0 a ' は、加温具の内面側に位置している。

また、本実施形態の加温具 1は、図 1に示すように、各発熱体 3の側部にそれぞれひも状の弾性部材 1 1力各発熱体 3を連結するように、内層シート 2に接着されて配されており、加温具 1の幅方向に並ぶ複数の発熱体 3間にギャザーが形成されている。即ち、内層シート 2は、弾性部材の配されたシ一トである。

また、各発熱体 3は、それぞれ、内層シート 2と通気性シート 5とを接合させることにより、それぞれ分離されている。

内層シート 2としては、耐水性と柔軟性とを備える素材、例えばポリエチレンのシート、ポリプ αピレンのシート、塩化ビニルのシート等が用いられる。

通気性シート 5としては、通常の使い捨てカイロ等に用いられているものの他、通気性のあるシートであれば、特に制限なく用いることができる。

前記発熱体 3は、通常の使い捨てカイ πと同様に、鉄粉を主成分とした発熱体組成物により形成されている。尚、内袋（図示せず）等に封入して用いても良い。

弾性部材としては、ゴム材料、例えば、ポリウレタンゴム、架橋天然ゴム、おむつ用エラスティックテープ、伸縮性不織布等が用いられる。なお、第 1の実施形態において、弾性部材 1 1 は通気性シート 5に接着して設けて、通気性シート 5を弾性部材の配されたシートとしても良レ、。また、弾性部材 1 1を用いずに、前記内層シート 2及び前記通気性シート 5のいずれか一方を、弾性を有するシートで形成して、各発熱体間にギャザーが形成されるようにしても良い。また、発熱体含有シートの形状は、半楕円形状でなく、長方形状等の矩形状等としてもよい。また、熱伝導性を高め、頭髪の温度ムラをさけることを目的として、各発熱体間に薄い金属シート（アルミホイル等）を貼り付けることもできる。

本実施形態の加温具の発熱温度及び発熱時間は、外層シートの通気性と発熱体発熱体組成物組成により適宜調節することができるが、 2 5 °C の室内において水等で濡れた頭髪に被せた場合に、 1 0分以内に 3 5〜 4 0 °Cにまで上昇し、 4 0〜6 0 °Cで 1 0〜 1 2 0分間維持されるような温度特性を有するように調節するのが、特に頭髪頭皮の加温用として用いる場合に好ましい。

本実施形態の加温具は、頭髮 ·頭皮の加温用として好適である他、食品の保温等に用いることができる。頭髪 ·頭皮の加温用として用いる場合には、後述するように密封している袋を開封して取り出し、使用に際しては開口から頭部に被せる等して用いられる。

そして、本実施形態の加温具によれば、簡便な使用操作で用いることができ、安全に頭髪 ·頭皮の加温を行うことができる。また、本実施形態の加温具は、後述するように製造できるため、鉄粉のロスが少なく、効率良く製造できる。

次に、本実施形態の加温具の好ましい製造方法について説明する。本実施形態の加温具は、内層シートと通気性シートとを貼り合わせつつ、両シート間の所定位置に発熱体を封入して発熱体含有シートを作成する発熱体含有シート作成工程、得られた発熱体含有シートを、通気性シート側を内側にして 2つ折りに折り畳むか、又は得られた発熱体含有シートを通気性シートを内側にして 2枚重ね合わせる重ね合わせ工程、及び重ね合わせられた縁部を封止して、発熱体を外気から絶縁する封止工程を行うことにより、製造できる。

そして、前記製造方法においては、発熱体含有シートを楕円形状とする場合（この場合を「製造方法 A」という）及び半楕円形状とする場合 (この場合を「製造方法 B」という）の 2つの方法を採り得る。

以下、両方法に分けて説明する。

<製造方法 Aについて〉

図 3に示すように、先ず、発熱体含有シート作成工程（i ) において、楕円形状の発熱体含有シート 1 0を作成する。発熱体含有シート作成ェ程（i) は、通常の鉄粉を用いた使い捨てカイロの製造方法と同様に、内層シ一卜の原反シートと通気性シ一トの原反シ一トとを貼り合わせながら所定箇所に発熱体組成物を封入して、発熱体が形成され内層シ一トと通気性シートとが貼り合わせられた連続シートを作成し、この連続シ一 - トを所望の楕円形状に切断する等して行うことができ（図示せず）、これにより図 3に示すように楕円形状の発熱体含有シート 1 0が得られる。尚、原反シート自体を楕円形状としても良い。

次に、重ね合わせ工程（i i)を、図 3に示すように、発熱体含有シートの長手方向略中央部に位置する折り込み線において、通気性シート 5同士が当接するように矢印方向に折り畳むことにより行う。

更に、封止工程（i i i) を、図 3に示すように、 2枚の発熱体含有シートが重ね合わせられた湾曲周縁部を接合固定することにより行う。「接合固定」は、ヒートシールや接着剤を用いる等、外気が発熱体 3側に侵入しないようにできれば特に制限されないが、本形態においてはヒートシールにより行っている。

そして、更に必要に応じて、図 3に示すように、周縁部が封止された発熱体含有シート 1 0の外表面に位置する内層シート 2の所定位置に弾性部材 1 1を貼り付ける弾性部材貼付工程（iv)、封止された発熱体含有シー卜における直線状縁部を縁部に沿って切断 ·開封して円形状開口部を有するキャップを形成し（図示せず）、得られたキャップを通気性シ一トが外表面となるように裏返して（図示せず）、各発熱体単位で折り畳んで、脱気しつつ、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリエステル等の酸素不透過性の材料からなる非通気性のシートで密封する包装工程

(V) を行う等して、本形態の加温具 1 (加温具 1の包装体 1 ' ) を得ることができる。尚、包装工程は行わずに周縁部が封止された発熱体含有シート 1 0をそのまま使用者に提供することもできる。この場合には、使用者は、使用時に、所定の切取線で切断して開封し、開口を形成して使用する。

<製造方法 Bについて >

以下の説明においては、製造方法 Aと同じところは省略して、特に異なる点について説明する。特に説明しない点については、製造方法 Aの説明における説明が適宜適用される。

この方法においては、図 4に示すように、先ず、発熱体含有シート作成工程（i) において、半楕円形状の発熱体含有シート 1 0を 2枚作成する。発熱体含有シート作成工程（i) は、この点以外製造方法 Aと同様に行うことができる。

次に、重ね合わせ工程（i i)を、図 4に示すように、 2枚の発熱体含有シート 1 0を、それらの通気性シート 5同士が当接するように重ね合わせて行い、封止工程（i i i) を重ね合わされた湾曲及び直線状周縁部 1 0 a、 1 0 bを接合固定することにより行う。

そして、更に必要に応じて、図 4に示すように、弾性部材貼付工程（i v)、包装工程 (v) を行う等して、本形態の加温具（加温具の包装体）を得ることができる。

本形態の製造方法によれば、弾性部材の貼り付け等を、発熱体を外気から遮断した状態で行うことができるため、発熱体のロスが少なくて済み、操作性にも優れるため生産性にも優れる。

次に、本発明の加温具の好ましい第 2の実施形態について説明する。なお、上述した第 1の実施形態と異なる点について特に説明し、同じ部分については、説明を省略する。特に説明しない点については、第 1 の実施形態の説明でした説明が適宜適用される。

第 2の実施形態の加温具 1は、図 5に示すように、図 1に示す加温具に、キヤップ 2 0の通気性シ一ト 5の外側に、通気性且つ非透水性の外層シ一ト 4からなる外層キヤップ 4 0を配し、キャップ 2 0と外層キヤップ 4 0 とは、両者の開口部側で固定されている。即ち、本実施形態においては、図 1及び 2に示す形態の加温具に更に外層キャップ 4 0が設けられている。

外層シート 4は、通気 '非通水シートであり、耐水性と保温性とを与えているもので、例えば、使い捨ておむつ等に使用される通気/非通水シート等が用いられる。

この場合に外層シートを形成する通気■非通水シートは、透湿シートであるのが好ましく、該透湿シートは、非透水性であり、通気性シートより透湿性が大きいものが好ましい。即ち、その透湿度が、 4 0 0 g / m ² · d a y以上であるのが好ましく、特に 1 0 0 0 g Zm ² - d a y 以上であるのが好ましい。

前記透湿度は、 J I S Z 0 2 0 8の方法に従い、温度 2 5で、湿度 9 0 %の条件で測定される。

前記透湿度を満たす透湿シートとしては、具体的には、使い捨ておむつ等に通常使用されるポリェチレン性の透湿性で非透水性のシート等が挙げられる。

本実施形態の加温具 1 は、非透水性の外層キャップ 4 0を具備するので、お風呂の中等の加温具に水がかかる恐れがある場所でも使用できる。通気性シート 5は、発熱体 3を良好に発熱させる程度に通気性を持たせる必要があり、非透水性を持たせる迄には至らないことから、お風呂の中等で使用可能とするには、本実施形態の構成とするのが好ましい。本実施形態の加温具は、例えば、下記製造方法 C及び Dにより製造することができる。

ぐ製造方法 C > 内層シ一トと通気性シートとを貼り合わせつつ、両シ一ト間の所定位置に発熱体を封入して楕円形状又は半楕円形状の発熱体含有シートを作成する発熱体含有シート作成工程、

前記発熱体含有シートにおける前記通気性シ一ト上に、該通気性シートと略同形状の外層シ一トを固着する外層シート固着工程、

得られた楕円形状の発熱体含有シートを、通気性シート側を内側にして 2つ折りに折り畳むか、又は得られた半楕円形状の発熱体含有シ—トを通気性シートを内側にして 2枚重ね合わせる重ね合わせ工程、及び重ね合わせられた縁部を封止して、発熱体を外気から絶縁する封止ェ程を行う製造方法。

<製造方法 D >

内層シートと通気性シートとを貼り合わせつつ、両シート間の所定位置に発熱体を封入して楕円形状又は半楕円形状の発熱体含有シ一トを作成する発熱体含有シート作成工程、

得られた楕円形状の発熱体含有シートを、通気性シ一ト側を内側にして 2つ折りに折り畳むか、又は得られた半楕円形状の発熱体含有シ—トを通気性シートを内側にして 2枚重ね合わせる重ね合わせ工程、重ね合わせられた縁部を封止して、発熱体を外気から絶縁する封止ェ程、及び

封止された発熱体含有シートにおける直線状縁部を縁部に沿つて切断 -開封して円形状開口部を有するキャップを形成し、得られたキヤップを通気性シートが外表面となるように裏返し、更に通気性シート上に別途作成した外層キャップを被せて、該外層キャップと該キャップとの所定位置を固定する外層キヤップ固定工程を行う製造方法。

以下、各製造方法について更に詳述する。

なお、前述の製造方法 A及び Bと異なる箇所について特に説明し、同 P T/JP じ箇所については省略する。特に説明しない点については前記製造方法

A及び Bにおいてした説明が適宜適用される。

〔製造方法 Cについて〕

発熱体含有シート作成工程（i) は、製造方法 Aと同様に行われる。外層シート固着工程（vi)は、図 6に示すように、発熱体含有シート作成工程で得られた楕円形状の発熱体含有シ一トにおける通気性シート上に外層シートを重ね合わせ、外層シートを長手方向中央部に位置し所定幅を有する固定部 4 1で接合固定することにより行う。

次いで、外層シート 4同士が当接するように折り畳む以外は、製造方法 Aにおける重ね合わせ工程と同様にして外層シ一ト 4が固着された発熱体含有シート 1 0を折り畳み、重ね合わせ工程（i i)を行い、製造方法 Aと同様にして封止工程（i i i) を行う。

そして、更に必要に応じて、弾性部材貼付工程（iv；)、包装工程（V) を行う等して、本形態の加温具（加温具の包装体）を得ることができる。また、製造方法 Cにおいては、図 7に示すように、製造方法 Bと同様に、発熱体含有シート作成工程（0 で半楕円形状の発熱体含有シート 1 0を作成し、外層シート固着工程（vi)においては、半楕円形状の発熱体含有シート 1 0に半楕円形状の外層シート 4を両者の直線状周縁部 4 1 ' において固着する。

次いで、外層シート 4同士が当接するように重ね合わせる以外は、製造方法 Bにおける重ね合わせ工程と同様にして外層シート 4が固着された発熱体含有シート 1 0を重ね合わせて、重ね合わせ工程（i i)を行い、製造方法 Bと同様にして封止工程（i i i) を行う。

そして、更に必要に応じて、弾性部材貼付工程（iv；)、包装工程（V) を行う等して、本形態の加温具 1 (加温具 1の包装体 1 ' ) を得ることもできる。なお、製造方法 Cにより得られる加温具 1は、湾曲状及び直線状周縁部 1 0 a、 1 0 bにおいて外層シ一ト 4が固定されたものとなる。

〔製造方法 D (図示せず）について〕

製造方法 Dにおいては、製造方法 A又は Bと同様に発熱体含有シ一ト作成工程、重ね合わせ工程及び封止工程を行った後、直線状縁部に沿つ - て切断開封してキヤップを作成し、得られたキヤップを通気性シートが外表面となるように裏返して、図 1に示す形態のキャップ 2 0を作成する。

次いで、得られたキャップ 2 0に外層キャップ 4 0を被せて、前記所定位置としての両者の開口部側を固定して、図 5に示す本実施形態の加温具を得る。

尚、外層キャップの製造方法は特に制限されない。また、固定の手段も、ヒートシールや接着剤を用いる方法等特に制限されない。

次に、本発明の第 3の実施形態について詳細に説明する。

なお、上述した第 1及び第 2の実施形態と異なる点について特に説明し、同じ部分については、説明を省略する。特に説明しない点については、第 1及び第 2の実施形態の説明でした説明が適宜適用される。

本実施形態の加熱具 1 0 1は、図 8に示すように、加温部 1 2 0を有するキヤップとしての加温用キヤップ 1 0 2からなる頭髪 ·頭皮加温用の加温具である。

本実施形態における加温具 1 0 1は、加温部 1 2 0が複数の加温体 1 2 4により形成され、加温用キヤップ 1 0 2は、加温部 1 2 0を有する発熱体含有シー卜としての加温用シ一ト 1 2 1を 2枚接合してなる。従つて、加温部 1 2 0は、加温具 1 0 1の前後両側に 2つ設けられている。加温用シート 1 2 1及び加温部 1 2 0は、耐水性の内層シ一ト 1 2 3 と、内層シート 1 2 3の表面全面を覆って配された通気性シ一ト 1 2 5 と、内層シート 1 2 3及び通気性シート 1 2 5 とにより発熱体を狭持固定して形成された複数の加温体 1 2 4 とからなる。

そして、加温用キヤップ 1 0 2は、 2枚の略同形の加温用シート 1 2 1 における互いの周縁部（湾曲周縁部 1 2 2 a ) を、キャップの開口部 1 0 4が形成されるように且つそれぞれ内層シ一ト 1 2 3がキヤップ内面を形成するように接合固定されている。

湾曲周縁部 1 2 2 aは、通気性シート 1 2 5同士を当接させてヒ一トシールして接合固定されており、シールされた部分は、加温用キャップ 1 0 2 (加温具 1 0 1 ) の内面側に位置している。

また、各加温体 1 2 4は、それぞれ、内層シート 1 2 3と通気性シート 1 2 5とを接合させることにより、それぞれ分離されている。

加温部 1 2 0は、複数個の加温体 1 2 4を略楕円形状に配して、楕円の長手方向両端部を切り欠いた形状となされている。

本実施形態においては、 6つの加温体 1 2 4が配されて、 6つに分割された形態の加温部 1 2 0が形成されている。

また、本実施形態の加温用キャップ 1 0 2は、開口部 1 0 4側に位置し、加温用キャップの横断面積が頂部 1 1 1に向かって順次減少する開口部側領域 1 4 2と、頂部 1 1 1側に位置し、加温用キャップの横断面積が頂部に向かって順次減少する頂部側領域 1 1 2とからなり、開口部側領域 1 4 2と頂部側領域 1 1 2とは、加温用キヤップ 1 0 2の横断面積が急激に減少する段差部 1 0 8により区分されている。頂部側領域 1 1 2が狭く、開口部側領域 1 4 2が広いことにより、キャップの頭部への密着性と、被りやすさが両立される。

また、本実施形態においては、開口部 1 0 4の縁部 1 4 1を着用者の頭部に密着させる開口縁部密着手段 1 0 5を有する。具体的には、開口縁部密着手段 1 0 5は、開口部 1 0 4の縁部 1 4 1のほぼ全域に亘つて P P 設けられ、 2つの端部 1 5 1 aを有するチューブ状の縁取り部 1 5 1 と、縁取り部 1 5 1の両端部 1 5 1 a， 1 5 1 aから端部が延出されるように該縁取り部 1 5 1の内部を挿通して配されたひも部材 1 5 2とからなる。

開口縁部密着手段 1 0 5が設けられていることにより、本発明の頭髪 - •頭皮加温用の加温具 1 0 1を、装着した際に、開口部 1 0 4の縁部 1 4 1を頭部に密着させて固定することができる。

更に、本実施形態においては、開口部 1 0 4側に位置する開口部側領域 1 4 2を着用者の頭部に密着させる開口部側領域密着手段 1 0 6を有する。具体的には、開口部側領域密着手段 1 0 6は、開口部 1 0 4周縁に沿って配された係合部材 1 6 1 としての機械的ファスナーのメス材と、係合部材 1 6 1に着脱自在に係合される止着部 1 6 3としての機械的ファスナ一のォス材を有する止着テープからなる止着部材 1 6 2とにより構成されている。

止着部材 1 6 2は、幅広の固定部 1 6 4と固定部 1 6 4に比して幅細で先端側に止着部 1 6 3が配された自由部 1 6 5とからなる。そして、自由部 1 6 5が下方に向くように、固定部 1 6 4を斜め下向きに、図 8 における裏面側の加温用シ一ト 1 2 0にヒートシ一ルされている。また、係合部材 1 6 1は、長方形状であり、図 8における表面側の加温用シート 1 2 0に、開口部 1 0 4側即ちキャップ下方に位置するように配されている。尚、端部 1 5 1 a , 1 5 1 aも、係合部材 1 6 1の下方に位置されており、係合部材 1 6 1及び端部 1 5 1 a , 1 5 1 aを共に着用者の正面に向けて着用するのが、最も装着性に優れるような形態になされている。

複数個の加温体 1 2 4間には、高熱伝導シートが配されている（図示せず）。この高熱伝導シートは、各加温体 1 2 4を連結するように、各加温体間の隙間を埋めて配される。これにより、加熱ムラをより減少させることができる。

内層シート 1 2 3としては、耐水性と柔軟性とを備える素材、例えばポリエチレンのシート、ポリプロピレンのシート、塩化ビニルのシート等が用いられる。

通気性シート 1 2 5としては、通常の使い捨てカイロ等に用いられているものの他、通気性のあるシートであれば、特に制限なく用いることができる。

本実施形態において、加温体 1 2 4は、通常の使い捨てカイロと同様に、鉄粉を主成分とし、空気に触れることにより発熱する発熱体である。本実施形態の加温具 1 0 1は、所望の形態におり畳んだ後、通常の使い捨てカイ πと同様に非通気性のシートで密封して市販等され、使用時においては、該シートを開封して密封状態を開放し、加温部 1 2 0が着用者の正面を向くようにする以外は、通常のヘアキヤップと同様にして、頭部に装着して、頭髪 ·頭皮の加温処理を行うことができる。

本実施形態の加温用キャップ 1 0 2の発熱温度及び発熱時間は、通気性シートの通気性と発熱体組成物の組成により適宜調節することができるが、 2 5 °Cの室内において水等で濡れた頭髪に被せた場合に、 1 0分以内で 3 5〜4 0 °Cにまで上昇し、 4 0〜6 0 °Cで 1 0〜 1 2 0分間維持されるような温度特性を有するように調節するのが頭髪頭皮の加温用として好ましい。

本実施形態の加温具 1 0 1は、開口部 1 0 4から頭部に被せて、ひも部材を締めて開口縁部密着手段により開口縁部を頭部に密着させると共に、止着部材の止着部を係合部材に係合させて、開口部側領域を頭部に密着させる。

本実施形態の加温具 1 0 1は、このように簡便な使用操作で、安全に頭髪 '頭皮の加温及び処理を行うことができ、頭部に密着するので、加温ムラが生じにくし、。

尚、第 3の実施形態においては、加温具は、加温用キャップのみからなるものを例示して説明したが、さらに、通気性シートの外側に、通気性且つ非透水性の外層シートからなる外層キャップを配し、両者をそれ - らの開口部側で固定した、外層キヤップを有するものを用いることもできる。この際用いられる外層シートは、通気 ·非通水シートであり、耐水性と保温性とを与えているもので、例えば、使い捨ておむつ等に使用される通気/非通水シート等が用いられる。非透水性の外層キヤップを具備することにより、お風呂の中等の加温具に水がかかる恐れがある場所でも使用できる。

尚、外層キャップを用い、開口部側領域密着手段を設ける場合、例えば、前記止着部材及び前記係合部材を設ける場合には、両者ともに外層シ一ト上に設ける。

また、加温用キャップは、 2枚の加温用シートにより形成する必要はなく、 1枚若しくは 3枚以上の多数枚の加温用シートで形成したり、加温用シー卜と加温体を含まない通常の樹脂製シート等とを組み合わせて形成しても良い。

開口縁部密着手段としては、上述のひも部材の他に、ゴムなどの弾性体により形成しても良い。

また、開口部側領域密着手段は、止着部材及ぴ係合部材を、機械的ファスナ一のォス部材及びメス部材に代えて、粘着テープと剝離テープ、ボタンとひも状部材、フック状部材等により形成することができる。また、左右一対ではなく、片側のみとしても良い。

次に、本発明の加温具の第 4の実施形態について説明する。

尚、以下の説明においては、第 1〜3の実施形態と異なる点について、特に説明する。特に説明しない点については、上述した第 1〜3の実施形態における説明が適宜適用される。

本発明の第 4の実施形態としての本実施形態の加温具 2 0 1は、図 9 に示すように、加温部 2 2 0を有するキャップとしての加温用キャップ 2 0 2からなる頭髪 ·頭皮加温用の加温具である。

本実施形態における加温具 2 0 1において、加温部 2 2 0は、複数個の長方形状の加温体 2 2 4 , 2 2 4 aを配設して形成されており、加温部 2 2 0の上方両隅部分における 2個の加温体 2 2 4 a , 2 2 4 aは、それぞれ折り曲げられて、 2枚の加温用シート 2 2 1、 2 2 1にまたがつている。なお、本明細書において、「長方形状」とは、正方形も含む概念である。

更に詳述すると、加温用シート 2 2 1は、耐水性の内層シート 2 2 3 と、内層シート 2 2 3の片表面に設けられた複数の加温体 2 2 4 とからなる。

また、各加温体 2 2 4、 2 2 4 aは、図 1 0に示すように、裏面に粘着剤が塗布されてなる拈着性シ一ト 2 2 6と、通気性シート 2 2 5と、両シートにより挟持固定された発熱体 2 2 7とからなる。加温体 2 2 4 を形成する粘着性シ一ト 2 2 6と通気性シ一ト 2 2 5とは、それぞれ凸字状であり、各加温体 2 2 4は、長方形状に配置された各発熱体 2 2 7 を、粘着性シ一ト 2 2 6と通気性シート 2 2 5とをシールして形成された封止部 2 2 9で収納部 2 2 8が長方形状となるように区切って形成されて、発熱体 2 2 7は通気性シート 2 2 5及び内層シート 2 2 3で挟持固定されており、これにより加温部 2 2 0が形成されている。通気性シート 2 2 5は、内層シ一ト 2 2 3の一部を覆い、表面全面を覆っていないが、このように一部を覆っていればよい。また、本実施形態のように、通気性シ一トと内層シートとの間に発熱体が位置するようになされていれば、例えば内層シ一トと発熱体との間に粘着性シート等の他のシートを介在させても良い。

また、加温体 2 2 4 aは、収納部 2 2 8が長方形状となるように、発熱体 2 2 7を、互いに略同じ長方形状の通気性シート 2 2 5及び粘着性シート 2 2 6で挟持固定して、加温体 2 2 4の周縁全体に亘つて封止部 2 2 9を形成している。

そして、加温体 2 2 4は、粘着性シート 2 2 6の粘着剤を介して、内層シート 2 2 3に固定されている。

なお、加温体は、発熱体を内層シート上に載置し、通気性シートで発熱体を覆い、発熱体の外周縁部において通気性シートと内層シートとを接合固定して形成してもよい。

各加温体 2 2 4は、各加温用シ一ト 2 2 1において、それぞれ加温部 2 2 0の全体形状が、長方形に近い形状になるように配設されている。具体的には、本実施形態においては、加温部 2 2 0は、いずれの加温用シート 2 2 1においても略同形状で、両加温用シート 2 2 1において、それぞれ、長方形状の加温体 2 2 4を 1 0個凸字状となるように、 4列、 4列、 2列で配して形成された加温体集合体 2 2 4 ' と、加温部 2 2 0 の上方両隅部に位置する 2つの加温体 2 2 4 a , 2 2 4 aとからなる。この加温体 2 2 4 a , 2 2 4 aは、それぞれ、その略対角線に沿って折り曲げられて、反対側の加温用シ一ト 2 2 1にまたがって配されている。これにより、片側の加温用シート 2 2 1における加温部 2 2 0の全体形状が長方形の上方隅部を切った 6角形状となされ、加温部 2 2 0は、両加温用シ一ト 2 2 し 2 2 1にまたがって連絡されている。

本実施形態の加温具 2 0 1は、このように複数の加温体 2 2 4 , 2 2 4 aで加温部 2 2 0が形成されているので、キャップを簡単に折りたたむ事ができる。また、加温用シートの全域に亘つて加温部が形成されているので、高い頭髪被覆性を実現でき、加温ムラなく頭髪 ·頭皮を加温することができる。

各加温体 2 2 4は、長方形状であり、それらの大きさは、長さし' 力 4〜 1 3 cm、幅 W' が 4〜9 cmであるのが好ましく、特に面積が 1 5〜5 5 cm² であるものが好ましい。

また、加温部 2 2 0の長さ L''は、 2 0〜2 8 cmであるのが好ましく、幅 W''は 1 5〜 1 9 cmであるのが好ましい。

加温部 2 2 0における各加温体 2 4間の距離 tは 8 Omm以下であるのが好ましく、 4 0 mm以下、特に 2 0 mm以下とするのが更に好ましレ、。 8 0 mm以下とすることにより、加温ムラが生じることがなくなる。ここで、加温体 2 2 4間の距離とは、加温部 2 2 0における直接発熱等して温度が上昇する部位（図 1 0の点線部分）同士の間の距離、具体的には、発熱体 2 2 7間の距離を意味する。

本実施形態において、加温体 2 2 4, 2 2 4 aに用いられる発熱体としては、通常の使い捨てカイロと同様に、鉄粉を主成分とし、空気に触れることにより発熱する発熱体が用いられる。

通気性シート 2 2 5及び粘着性シ一ト 2 2 6 としては、通常の使い捨てカイロ等に用いられているものを用いることができる。

そして、本実施形態の加温用キャップ 2 0 2は、その開口部 2 0 4の半周縁の長さが、好ましくは 3 2〜4 2 cm、更に好ましくは 3 5〜 3 9 cmである。また、加温用キャップ 1 0 2の深さ Tが好ましくは 1 5〜2 3 cm、更に好ましくは 1 7〜2 1 cmである。

前記長さしカ 3 2 cm未満であると、多くの人にとって、加温用キヤップを被る事が困難になり、 4 2 cmを超えると、加温用キャップと頭部の間に大きな隙間ができ、加温効率が悪いので、前記範囲内とするのが好ましい。前記深さ Tを、 1 5 cm以上とすることにより、多くの人にとって加温具を被る事が容易となり、 2 3 cm以下とすることにより、加温具と頭部との間に隙間を生じさせずに、加温効率を向上させることができる。

ここで、前記「深さ」は、加温用キヤップ 2 0 2の内面の高さであり、キャップを畳んで（本実施形態においてはキャップの前方と後方とが当 - 接するように畳んで半円形とする）開口部周縁を直線状とし、直線状になされた開口部周縁の中心点とキヤップ頂点とを結ぶ線の長さを意味する o

通気性シ一ト 2 2 5は、その透湿度が好ましくは 3 0 0〜4 0 0 0 g rZm² · d a y、更に好ましくは 5 0 0〜2 0 0 0 g rZm² - d a yであるのが好ましい。

前記透湿度が、 4 0 0 g rZm² - d a y未満であると、頭髪処理剤で濡れた頭髪が充分加温されないという問題があり、透湿度が 4 0 0 0 g r/m² · dayを超えると、加温体の温度が上がりすぎて危険な他、加温体から発生する水蒸気のために、加温部が膨れるという問題がある。前記透湿度は、 J I S Z 0 2 0 8の方法により、温度 2 5°C、相対湿度 9 0 %の条件下で測定する。

このような透湿度を有する通気性シ一ト 2 2 5としては、上述の透湿度を満足するものであれば、特に制限なく用いることができ、例えば、ポリェチレン樹脂を延伸した多孔質ポリエチレンフィル厶や、ポリェチレンラミネートフイルムに針穴を開けたもの等が挙げられ、具体的には、前者としては、日東電工製，商品名「プレスロン」、興人製，商品名

「TS F」等が挙げられ、後者としては、日本マタイ針開孔シート等が挙げられる。

上述の透湿度を有する通気性シートを用いた場合には、頭髪処理剤により濡れた髪でも迅速且つ十分に加熱することができる。本実施形態の加温用キャップ 2 0 2の発熱温度及び発熱時間は、第 3 の実施形態の加温具と同じである。

なお、本発明の加温具は、完成品が上述のように 2枚の加温用シートを貼り合わせて形成されたような形態となつていれば、必ずしも 2枚のシートを貼り合わせて作製したものである必要はなく、 3枚以上のシ一トを貼り合わせて形成したものでもよい。

本実施形態の加温具 2 0 1は、所望の形態におり畳んだ後、通常の使い捨てカイロと同様に非通気性のシー卜で密封して市販等され、使用時においては、該シートを開封して密封状態を開放し、加温部 2 2 0が着用者の正面を向くようにする以外は、通常のへアキヤップと同様にして、頭部に装着して、頭髪 ·頭皮の加温処理を行うことができる。

そして、本実施形態の加温具 2 0 1は、上述の如く、長方形状の加温体を配置してなるので、長方形状の加温体の製造が容易であることから、生産性に優れ、しかも、上方の隅部に加温体を配置するのが容易な形態であると共に、該隅部に加温体を配置していることにより、頭部の全体に亘り均一な加温が可能で、加温ムラの生じないものである。

また、本実施形態の加温具 2 0 1は、このように簡便な使用操作で、安全に頭髪 ·頭皮の加温及び処理を行うことができ、しかも上述のように、加温部 2 2 0が形成されているので、加熱ムラが生じない。

本実施形態の加温具 1は、内層シート上に、常法により得られた加温体を所定形状に貼り付け、所定形状の加温部が形成された加温用シートを作成し、得られた加温用シートを、通気性シート側を内側にして 2つ折りに折り畳むか、又は得られた加温用シ一トを通気性シ一トを内側にして 2枚重ね合わせて、重ね合わせられた縁部を封止する等して得られ o

また、他の好ましい製造方法としては、個々の加温体 2 2 4 , 2 2 4 aを製造しておき、これらを一旦酸素不透過性のフィルムで密封 ·包装し、次いで、別途製造しておいた加温部が未だ形成されていないキヤップに、接着剤を介するか又はヒートシールにより、該フイルムを開封して取り出した加温体 2 2 4， 2 2 4 aを貼り付けて加温用キヤップ 2 0 2を製造し、最終に加温用キャップ 2 0 2を酸素不透過性のフィルムで - 個装する方法が挙げられる。

尚、第 4の実施形態の加温具は、前記の加温用キャップにおける通気性シートの外側に、通気性且つ非透水性の外層シー卜からなる外層キヤップを配し、両者をそれらの開口部側で固定した、外層キャップを有するものとしてもよい。この際用いられる外層シートは、通気 '非通水シ —トであり、耐水性と保温性とを与えているもので、例えば、使い捨ておむつ等に使用される通気 Z非通水シート等が用いられる。非透水性の外層キヤップを具備することにより、お風呂の中等の加温具に水がかかる恐れがある場所でも使用できる。

また、上述の実施形態において、開口部 2 0 4側に位置する開口部側領域を着用者の頭部に密着させる開口部側領域密着手段を設けてもよい。開口部側領域密着手段の具体例としては、開口部 2 0 4周縁に沿って配された係合部材としての機械的ファスナーのメス材と、係合部材に着脱自在に係合される止着部としての機械的ファスナーのォス材を有する止着テープからなる止着部材とにより構成することができる。止着部材は、幅広の固定部と固定部に比して幅細で先端側に止着部が配された自由部とからなり、自由部が下方に向くように、固定部を斜め下向きに、図 1 における裏面側の加温用シ一トに接着剤を介して固着するのが好ましい。また、係合部材は、長方形状とし、図 9における表面側の加温シートに、開口部側即ちキャップ下方に位置するように配するのが好ましい。

また、複数個の加温体 2 2 4間には、高熱伝導シートを配してもよい。この高熱伝導シートは、各加温体 2 2 4を連結するように、各加温体間の隙間を埋めて配される。これにより、加熱ムラをより減少させることができる。

また、前述の実施形態においては、粘着性シートを用いているが、粘着性シートを用いずに、粘着テープを用いたり、接着剤を介して貼り付けたりすることができる。

実施例

〔実施例 1：)

通気性シート、内層シート及び発熱体として、下記するものを用い、半周縁の長さが 3 7 cm, 高さが 2 1 cm、各加温体間の距離が 2 cm であり、加温部の大きさが略楕円体の高さ 1 7 cmx幅 2 4 cmである図 8に示す加温具を作成した。

-通気性シート；厚さ 0. 2111111、透湿度8 0 0 § 111² - d a •内層シ一ト；ポリエチレンを原料とする厚さ 0. 0 6 mmであるシ一ト。

•発熱体；鉄粉を主成分とし、更に、塩化ナトリウム、活性炭、珪酸カルシウム、バーミキユライト、水を主成分 1 0 0重量部にそれぞれ 1. 8、 1 1. 4、 4. 8、 1 0. 4、 3 1. 6重量部添加してなる粉体の集合物。なお、各加温体について 1 0. 6〜 1 0. 7 g用いた。

〔比較例 1〕

通気性シ一卜の透湿度を 2 8 0 g r /m² · d a yとした以外は、実施例 1 と同様にして加温具を得た。

〔比較例 2〕

通気性シ一卜の透湿度を 4 3 0 0 g r /m² · d a yとした以外は、実施例 1 と同様にして加温具を得た。

得られた加温具について、下記使用法に従って使用し、下記の試験を行って試験した。その結果を〔表 1〕に示す。

使用法；キサンタンガムを 2 g r用いて、増粘させた水 1 0 0 g rをミディアムヘア（3 8 c m ) のモニタ一 5名の頭髪に塗布した後、頭髪内の適当な場所に熱電対を複数配置し、更に加温具を装着し、温度のモ二夕一を行うと同時に被験者の感じ方を記録し、下記の評価項目について評価した。

•迅速性；迅速に加温できるか否かを下記の評価項目により評価した _c ◎；各熱電対の平均が 1分以内で 4 0でに達した。

〇；各熱電対の平均が 1〜 5分で 4 0 °Cに達した。

X ；各熱電対の平均が 5分以上かかって 4 0 °Cに達した。

•加温性能；モニターがあたたかさを、丁度よいと感じるか、熱さを厚さを感じないか又は熱すぎると感じるかで評価した。

•均一性；各熱電対間での温度差が土 5で以内であれば、均一であるとし、〇とした。

-加温部のふくれについて目視で確認し、膨れていると感じた場合には「あり」とし、膨れがないと感じた場合には「なし」とした。

〔表 1〕実施例 1 比較例 1 比較例 2 迅速性〇 X ◎

熱さを

加温性能丁度よい熱すぎる

感じない均一性〇〇〇加温部のふくれなしなしあり産業上の利用可能性

本発明によれば、頭髪のカールやゥヱ一ビング、トリートメント、髪の柔軟化、くせ矯正、弾性付与、髪質改善、染色等の頭髪処理：養毛 · 育毛処理、スカルプケア等の頭髪処理用途に好適で、製造時の発熱による鉄粉のロスを最小限にとどめることができ、使用時の操作が簡単で、温度ムラが少なく、製造が簡単な加温具を提供できる。

Claims

請求の範囲

1. 加温部を有するキャップを具備した加温具であって、

前記加温部は、耐水性の内層シートと、該内層シートを覆って配された通気性シートと、該内層シート及び該通気性シートとにより狭持固定された空気に触れると発熱する複数の発熱体とからなり、

前記発熱体は、実質上キヤップ全面に亘つて配置されている加温具。

2. 前記キャップの前記通気性シートの外側に、通気性且つ非透水性の外層シー卜からなる外層キヤップが配されており、該キャップと該外層キヤップとは、少なくとも両者の開口部側で固定されている請求項 1 記載の加温具。

3. 前記加温部は、複数個の加温体で形成され、隣接する 2つの加温体間の間隔が 8 Omm以下である請求項 1又は 2記載の加温具。

4. 開口部縁部を着用者の頭部に密着させる開口縁部密着手段を有する請求項 1〜 3の何れかに記載の加温具。

5. 開口部側に位置する開口部側領域を着用者の頭部に密着させる開口部側領域密着手段を有する請求項 1〜4の何れかに記載の加温具。

6. 前記通気性シートは、その透湿度が 3 0 0〜4 0 0 0 g r /m² - d a yである請求項 1〜5の何れかに記載の加温具。

7. 前記外層シートは、非透水性で、前記通気性シートより透湿性の高い透湿シートにより形成されており、該透湿シ一卜の透湿度は 4 0 0 g/m² · d a y以上である請求項 2記載の加温具。