JP3633100B2 - 足温用発熱体の製造方法及び足温用発熱体 - Google Patents

足温用発熱体の製造方法及び足温用発熱体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、包材にペースト状の発熱組成物を高速で積層することによって、超薄型の足温用発熱体を簡単に、かつ、安価に製造できる上、発熱組成物の一部又は全部を包材内に固定してその移動を防止でき、しかも、装着時に足の形によく馴染んで所要の箇所を効率よく温めることができる足温用発熱体が得られる、足温用発熱体の製造方法及び足温用発熱体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、いわゆる、使い捨て型かいろとして、通気性又は気密性を有するフィルム状又はシート状の基材と、通気性を有するフィルム状又はシート状の被覆材とからなる偏平な袋体内に発熱組成物を封入した発熱体が広く利用されている。
【0003】
又、この袋体の片面に粘着剤層を付着させて、下着や生体表面に直接に貼りつけることができるようにした発熱体も利用されており、更に、この粘着剤層に湿布剤を含有又は担持させて温湿布に利用したり、経皮吸収性薬物を含有又は担持させて薬物含有層として利用することも提案されている(特開平2−149272号公報参照)。
【0004】
ところで、頭寒足熱という古言にもあるように、古来、足を温めることは健康のもとであると考えられていることから、この発熱体が普及するに連れて、足の裏を温める足温用発熱体が市販されるようになっている。
【0005】
この足温用発熱体としては、例えば特開平2−154762号、特開平2−172460号公報、特開平5−115310号公報、実開平6−21616号公、実開平5−84317号公報及び特開平5−176951号公報に開示されているものが提案されている。
【0006】
この足温用発熱体の製造方法としては、一般に、基材の所定領域に、水分を含む粉末状の発熱組成物を投下した後、通気性を有する被覆材を被せ、更にこの後、基材と被覆材の周縁部とを全周にわたってヒートシール、ホットメルト系接着剤などによって封着する方法が採用されている。
【0007】
これら従来の足温用発熱体としては、鉄粉などの金属粉及び水の他に発熱を促進するための活性炭、金属粉の表面の酸化皮膜を破壊し発熱反応を連続的に発生させる金属の塩化物、べとつきを防止するための保水剤などを伝統的に適正な配合比で配合されたものが挙げられるのであり、この発熱組成物は、水分を含む粉末状であり、基材上に投下されている。
【0008】
この粉末状の発熱組成物を投下する方法としては、基材を間欠的に移動させ、基材の停止中に発熱組成物を投下する方法と、基材を一定速度で移動させると共に、発熱組成物を投下する投下口を基材と同速度で移動させながら基材上に発熱組成物を投下する方法とがあるが、製造の高速化を図る上では後者の方が優れている。
【0009】
そして、このようにして製造された足温用発熱体は使用時までの発熱反応を抑止するために、気密性の外袋内に密封され、保存されたり、流通に供される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、成分を適正な配合比ですべて配合した発熱組成物を基材の上に投下する場合には、発熱組成物を配合した後、製造された足温用発熱体を外袋内に密封するまでに発熱反応が起こり、発熱ロスが生じると共に発熱組成物の品質が低下する上、発熱反応によって生成した生成物が凝固して種々の弊害、例えば、歩留りの低下、取り扱いの困難性、製造装置のメンテナンスの煩雑性、製造装置の稼働時間ないし作業者の就業時間に対する制約、凝固物処理の困難性などの弊害を招来する。
【0011】
又、基材を間欠的に移動させ、基材の停止中に発熱組成物を投下する方法では、基材の停止、起動を頻繁に繰り返すので、製造速度が遅くなるという問題がある。
【0012】
基材を一定速度で移動させると共に、発熱組成物を投下する投下口を基材と同速度で移動させながら基材上に発熱組成物を投下する方法では、基材の停止、起動がほとんど繰り返されないので、製造速度を高めることができる。
【0013】
しかしながら、発熱組成物を投下する投下口を基材と同速度で移動させるために複雑な機構が必要になる上、発熱組成物が粉体と水分とを含んだ流動性に乏しいものであるから、その機構を移動させる速度に大きな限界が生じるという問題がある。
【0014】
又、発熱組成物は水分によって湿潤性を与えられているが、水分の配合率が発熱反応に好適な程度と低いので、粉末状で流動性に乏しく、これを単に投下することにより基材上の所定範囲内に均等に分布させることが著しく困難であるという問題もある。
【0015】
このため、被覆材を被せてシールをする際に、ローラなどによって発熱組成物の分布をある程度、均等化させているが、この方法では袋材の送り元方向に発熱組成物の分布が偏る傾向があり、袋材の送り先方向の発熱組成物の分布量を増やすためには、袋内に形成される室の高さを高くして、例えば使用時に手で振ることにより分布量の片寄りを無くすことが必要になる。
【0016】
又、足温用発熱体全体が分厚くなると、触感がゴワゴワして風合いが悪い上、柔軟性が低下して体表面の複雑な凹凸や曲率が小さい曲面になじみ難くなり、又、伸長性又は伸縮性が低下して身体の動作に伴って変形したり、移動したりする体表面への追従性が悪くなるなどの問題がある。
【0017】
ところで、靴の中に足温用発熱体を入れて採暖するためにはこの発熱体の薄肉化を図ることが必須のこととなるが、分厚い従来の足温用発熱体では大きな不満が感じられる。
【0018】
更に、従来の足温用発熱体においては、前述のように、発熱組成物には水分によって湿潤性を与えられているが、水分の配合率が発熱反応に好適な程度と低いので、粉末状で流動性に乏しく、基材上の所定範囲内に均等に分布させることが著しく困難で、足温用発熱体の内部で発熱組成物の厚みが一定せず、身体に固定して使用する場合、発熱温度分布が一定しないため同じところに固定して使用すると低温やけどの原因となる。
【0019】
ところで、従来の足温用発熱体においては、製造工程や輸送段階において完全に片寄りを防止できないのが現状である。
【0020】
即ち、この足温用発熱体は、使用前、外袋(保存袋)内に収納された状態で輸送されるが、この輸送段階では発熱組成物が発熱体内で移動することが出来る状態にあり、また安全性を維持するためには厚みの均一性を保ち発熱時の温度分布を一定にすることが重要で、発熱組成物が片寄ったものは不良品として流通段階で返品にされたり、消費者からの交換に応じているのが現状であり、この結果、輸送段階で発熱組成物の厚みの均一性を確保することが極めて重要になっている。
【0021】
そこで、特開昭62−347号公報において、発熱組成物を接着剤で固定する方法が提案されているが、実際の製造においては、粉体の発熱組成物を袋材の内側に接着することは不可能に近く、例え、出来たとしても接着強度は弱く完全な固定が不可能で使用中に剥離を生じたり、柔軟性に乏しい板状のものになるため使用感が悪くなったり、加えて、接着剤の混在によって空気との接触が著しく悪くなる結果、温度ムラやバラツキの原因となり、実用性に欠けるのである。
【0022】
そこで、本発明者は、前記技術的課題を解決するために、発熱組成物の発熱反応を抑制して、製造時の発熱ロス、発熱組成物の品質低下及び発熱組成物の凝固に伴う種々の弊害を防止し、高速で超薄形の発熱体を製造できる上、発熱組成物を袋体内に均等に分布、固定させることによって当該発熱組成物の移動、片寄りを防止し、しかも発熱組成物の過剰な発熱反応を極力避ける足温用発熱体の製造方法及び足温用発熱体につき鋭意検討を重ねて来た。
【0023】
その結果、この種、発熱体の発熱原理は、金属粉が酸化される時の発熱を利用するものであり、この酸化反応、つまり発熱反応は、特に水分量が、その速度に大きく影響することが判明した。
【0024】
即ち、この酸化反応を促進するためには、水分が多すぎても少なすぎても反応は著しく遅く、適度な湿り気が有ることが重要である。この適度の湿り気がある状態が、金属粉への空気(酸素)の供給のバランスがとれ酸化反応、つまり発熱反応が円滑に行われる。
【0025】
水分が少過ぎると、空気は十分であるが反応に必要な水分が不足し、一方、水分が多過ぎると、この水分がバリヤー層となって金属粉への空気の供給量が減少するため反応は遅くなる。
【0026】
そこで、本発明者は、発熱組成物中の水分の配合率を高くしてペースト状に粘稠化させた発熱組成物を形成し、これによって、スクリーン印刷等の印刷やコーティング等による転写が至極容易で、且つ高速で超薄形の発熱体を製造できるのであり、しかも余剰水分がバリヤー層となるので、空気の供給量が減少して発熱反応を実質的に停止する結果、製造時の発熱ロス、発熱組成物の品質低下及び発熱組成物の凝固に伴う種々の弊害が防止されるとの知見を得た。
【0027】
又、本発明者は、発熱組成物を粘稠化させてペースト状にすることによって、スクリーン印刷等の印刷やコーティング等による転写、積層が至極容易で、しかも発熱組成物を袋材に均等に分布させることができるのであり、又、ペースト状の発熱組成物を、吸水性の発泡フィルム・シート、紙、ダンボール紙やダンボール中芯等の厚紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートの上、或いはこれらの上に形成された吸水層上に、それぞれ転写、積層すると、当該ペースト状の発熱組成物の全部或いは一部がこの発泡フィルム・シート、不織布、織布又は多孔質フィルム・シート、或いはこれらの上に形成された吸水層に固定され、その移動が防止されるとの知見も得た。
【0028】
更に、本発明者は、スクリーン印刷等の印刷やコーティング等による積層法によると、この発熱体を至極薄くすることができるのであり、又、発熱体が薄いと、単位時間当たりの発熱反応量が低下する結果、発熱組成物の過剰な発熱反応が阻止されるとの知見も得た。
【0029】
加えて、本発明者は、発熱体の製造装置において、紙、ダンボール紙やダンボール中芯等の厚紙、レーヨン不織布等の不織布などの包材にペースト状の発熱組成物をスクリーン印刷等の印刷やコーティング等で積層すれば粉体の投入工程がなくなり将来の医療用具や医薬品製造におけるGMP基準を満たす工場管理が簡単に可能になるとの知見も得た。
【0030】
更に加えて、本発明者は、水分の配合率が高いペースト状の発熱組成物の水分の一部を基材及び/又は被覆材などの包材に吸収させると、バリヤー層が喪失し、水分過剰に伴う弊害が解消されるとの知見も得た。
【0031】
又、ペースト状の発熱組成物は、基材と被覆材を接着したり、基材と被覆材の粗面に食い込み、アンカー効果や投錨効果によって発熱体内で製造工程、輸送段階、使用段階において片寄りを防止できるとの知見も得た。
【0032】
ところで、従来の足温用発熱体は、完全に発熱性がコントロールできず、靴を脱いだとき高温(約90℃)になり持続時間が極端に短くなったり、靴の種類や個人差により発熱不良や過熱によるやけどが多発しているが、足の冷えに困っている人は多く、安全な足温用発熱体が待望されている。
【0033】
足底の温度は血流と関係し、気温等の環境温度変化に対し影響を受ける度合いも、朝、昼及び夜の足底温度の変化、体調による変化、食事による影響、運動量など複雑に変化し個人差が非常に大きい。
【0034】
また、靴の種類、靴下の種類、靴の緩さ等の空気の流通度合いや保温状態など発熱に対する要因が多く、発熱条件を一定にしても、発熱条件が良い場合には過熱しやけどの危険性があり、一方、発熱条件の悪い場合には発熱不良となり用を足さなくなる。
【0035】
ところが、ペースト状の発熱組成物を転写してなる足温用発熱体においては、発熱物質である鉄粉の割合を全体の重量比の60%以上に多くしても発熱体組成物を増粘剤により転写しているため、発熱物質の鉄粉をくるんでいたペースト状の空気遮断層(水分を含有する層)が発熱反応により水分が失われるに従って通気性を発現し、しかも空気が表面から徐々に供給されるため、安定した発熱が得られ、発熱条件を変えても、良好な発熱結果が得られるとの知見も得た。
【0036】
本発明は、前記技術的知見に基づき完成されたものであって、発熱組成物の発熱反応を抑制して、製造時の発熱反応によるロス、発熱組成物の品質低下及び発熱組成物の凝固に伴う種々の弊害を防止するのであり、またスクリーン印刷等の印刷やコーティング等の転写・積層法を採用しているから、ペースト状の発熱組成物の均等な分布を可能にし、しかも積層の精度がさらに向上して製品の品質の安定化を図ることができる上、高速で超薄形の発熱体を簡便に製造できるのであり、更に、ペースト状の発熱組成物を、吸水性の発泡フィルム・シート、紙、ダンボール紙やダンボール中芯等の厚紙、レーヨン不織布等の不織布、織布又は多孔質フィルム・シートの上、或いはこれらの上に形成された吸水層上に積層することによって、ペースト状の発熱組成物を袋材に均等に分布、固定させることができる結果、発熱組成物の移動、片寄りを防止するのであり、加えて、発熱体の薄型化によって、ペースト状の発熱組成物の過剰な発熱反応を極力避ける足温用発熱体の製造方法及び足温用発熱体を提供することを目的とするものである。
【0037】
また本発明は、紙、ダンボール紙やダンボール中芯等の厚紙、レーヨン不織布等の不織布などの包材にペースト状の発熱組成物をスクリーン印刷で転写すれば粉体の転写工程がなくなり将来の医療用具や医薬品製造におけるGMP基準を満たす工場管理が簡単に可能になる足温用発熱体の製造方法及び足温用発熱体を提供することを目的とするものである。
【0038】
ところで、本発明者は、フィルム状又はシート状の基材上にペースト状の発熱組成物を積層し、次いで、その上からフィルム状又はシート状の被覆材を被せて、前記ペースト状の発熱組成物の粘性により、前記の基材と被覆材とを張り合わせ、次いで、得られた積層体を足の任意の部位を覆う形状に打ち抜いて形成しても、超薄形の足温用発熱体を製造できるのであり、しかもペースト状の発熱組成物を袋体内に均等に分布、固定させることによって当該ペースト状の発熱組成物の移動、片寄りを防止し、且つ発熱組成物の過剰な発熱反応を極力避ける足温用発熱体が得られるとの知見も得た。
【0039】
本発明は、前記技術的知見に基づき完成されたものであり、基材或いは被覆材のうち少なくとも一方のが吸水性を有するか、或いは吸水加工を施したものであり、フィルム状又はシート状の基材上にペースト状の発熱組成物を積層し、次いで、その上からフィルム状又はシート状の被覆材を被せて、前記ペースト状の発熱組成物の粘性により、前記の基材と被覆材とを張り合わせ、次いで、得られた積層体を足の任意の部位を覆う形状に打ち抜いて発熱体を製造することにより、ペースト状の発熱組成物の発熱反応を抑制して、製造時の発熱ロス、ペースト状の発熱組成物の品質低下及びペースト状の発熱組成物の凝固に伴う種々の弊害を防止し、超薄形の発熱体を製造できるのであり、しかも発熱組成物の移動、片寄りを防止し得る上、発熱組成物の過剰な発熱反応を極力避ける足温用発熱体の製造方法及び足温用発熱体を提供することを目的とするものである。
【0040】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の足温用発熱体の製造方法(以下、本発明第1方法という。)は、上記の目的を達成するため、水でペースト状に粘稠化させることによって当該水が発熱物質と空気との接触を制限するバリヤー層となるように形成した発熱組成物を、フィルム状又はシート状の基材上面における少なくとも1箇所の所定領域に、印刷或いはコーティングによって足の任意の部位を覆う形状に積層した後、このペースト状の発熱組成物を覆うようにフィルム状又はシート状の被覆材を被せて、当該発熱組成物の水分の一部を基材及び/又は被覆材などの包材に吸収させて前記バリヤー層を喪失させることにより空気との接触を良好にし、しかも前記の基材と被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が通気性を有するものであることを特徴とする。
【0042】
以下、まず本発明第1方法について詳細に説明する。
本発明第1方法においては、発熱組成物として、従来のように粉末状のものではなく、水でペースト状に粘稠化させることによって当該水が発熱物質と空気との接触を制限するバリヤー層となるように形成した発熱組成物を用いる点に特徴を有するものである。
【0043】
そして、このペースト状の発熱組成物としては、空気中の酸素と反応して発熱反応を起こす成分からなり、しかも外力を加えると流動する性質を有するものであれば特に限定されるものではなく、つまりスクリーン印刷等の印刷やコーティング等によって転写、積層できるものであれば特に限定されるものではなく、このペースト状の発熱組成物はこれを構成する各成分において、水分や吸水性ポリマー更に増粘剤と、他の成分との配合割合を調整することによって得られる。
【0044】
本発明第1方法においては、特に、発熱組成物として、ペースト状の発熱組成物を用いているから、以下に述べる種々のメリットが発生するのである。
【0045】
即ち、このように、本発明第1方法においては、ペースト状の発熱組成物を用いると、スクリーン印刷等の印刷やコーティング等による積層が至極容易で、且つ高速で超薄型の足温用発熱体を製造できるのであり、しかも発熱組成物を袋材に均等に分布させることができる上、ペースト状の発熱組成物を、発泡フィルム・シート、紙、レーヨン不織布等の不織布、織布又は多孔質フィルム・シートの上に積層すると、このペースト状の発熱組成物は浸透・投錨性が高く、これらのフィルムないしシートの細孔に食い込み、その移動、偏りが阻止される。
【0046】
この場合、特にこれらのフィルムないしシートが吸水性を有し、このフィルムないしシートの上にペースト状の発熱組成物を積層するか、或いは前記のフィルムないしシートの上に更に吸水層を形成し、この吸水層上に、ペースト状の発熱組成物を積層すると、当該発熱組成物の全部或いは一部がこの発泡フィルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シート、或いはこれらの上に形成された吸水層に一層固定され易くなる結果、その移動、偏りが防止される。
【0047】
又、スクリーン印刷等の印刷やコーティングなどによる積層法によると、この発熱体を至極薄くすることができるのであり、又、ペースト状の発熱組成物は、従来の粉末状の発熱組成物と比較して、空気との接触面積が制限され、単位時間当たりの発熱量が制限される結果、発熱組成物の過剰な発熱反応が阻止されるのであり、しかも発熱組成物がペースト状で、且つ層厚が薄いから、発熱組成物の移動、偏りも阻止される。
【0048】
加えて、本発明第1方法において、吸水性を有する発泡フィルム・シート、紙、ダンボール紙やダンボール中芯等の厚紙、レーヨン不織布等の不織布、織布又は多孔質フィルム・シートなどの包材に、ペースト状の発熱組成物をスクリーン印刷等の印刷やコーティング等で転写、積層すれば粉体の投入工程がなくなり将来の医療用具や医薬品製造におけるGMP基準を満たす工場管理が簡単に可能になるのである。
【0049】
又、本発明第1方法においては、ペースト状の発熱組成物を用いているから、前述のような種々のメリットがある。そして特に、ペースト状の発熱組成物を製造するにあたり、発熱組成物中の水分の配合率を高くし、更に吸水性ポリマー及び/又は増粘剤を配合、調整してペースト状に粘稠化させた発熱組成物を形成しているので、印刷やコーティングなどによる転写、積層が至極容易で、且つ高速で超薄形の発熱体を製造できるのであり、しかも余剰水分がバリヤー層となるので、空気の供給量が減少して発熱反応を実質的に停止する結果、製造時の発熱ロス、発熱組成物の品質低下及び発熱組成物の凝固に伴う種々の弊害が防止されるので望ましい。
【0050】
即ち、従来の発熱組成物においては、発熱反応に適した割合の水分量のみ配合されており、金属粉の表面、特に鉄粉の表面に水分に基づくバリヤー層が形成されていないから、空気との接触によって、直ちに発熱反応が円滑に、且つ継続して進行し、その結果、発熱組成物を配合した後、製造された発熱体を外袋内に密封するまでに発熱反応が起こり、発熱反応によるロスが生じると共に発熱組成物の品質が低下する上、発熱反応によって生成した生成物が凝固して種々の弊害、例えば、歩留りの低下、取り扱いの困難性、製造装置のメンテナンスの煩雑性、製造装置の稼働時間ないし作業者の就業時間に対する制約、凝固物処理の困難性などの弊害を招来する。
【0051】
本発明第1方法において、ペースト状に粘稠化させた発熱組成物を基材に積層させる方法は、特に限定されないが、例えば厚塗印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、吹き付けなどの公知の印刷技術を用いて印刷したり、ヘッドコーター、ローラー、アプリケーター等により塗工やコーティングしたり、転写したりすることが望ましい。
【0052】
又、従来の発熱組成物は、水分によって湿潤性が与えられているが、水分の配合率が発熱反応に適した量しか配合されていないから、流動性が極めて乏しく、これを単に投下することにより基材上の所定範囲内に均等に分布させることが著しく困難である。
【0053】
ところが、本発明第1方法において、ペースト状の発熱組成物を製造するにあたり、当該発熱組成物中の水分の配合率を高くしてペースト状に粘稠化させた発熱組成物を形成しているから、スクリーン印刷等の印刷やコーティング等による転写が容易で、且つ高速で超薄形の発熱体を製造できるのであり、しかもこの余剰水分がバリヤー層となるので、空気の供給量が減少して発熱反応が殆ど生じないのである。
【0054】
ところで、ペースト状の発熱組成物において、水分の配合率が高く、余剰水分がバリヤー層となっている場合には、このペースト状発熱組成物の水分の一部を基材及び/又は被覆材などの袋材或いは基材及び/又は被覆材の上に形成された吸水層に吸収させると、バリヤー層が喪失し、水分過剰に伴う弊害が解消されるのである。
【0055】
本発明第1方法において、ペースト状の発熱組成物を構成する発熱組成物の成分としては、水分や吸水性ポリマー更に増粘剤と、他の成分、つまり発熱反応に必須である発熱物質の他に、発熱を促進するためのカーボンや活性炭などの炭素成分、金属粉の表面の酸化皮膜を破壊し、発熱反応を連続的に発生させる金属の塩化物を必須成分とするものであり、所望により、無機系或いは有機系の保水剤、pH調整剤、分散性を高める界面活性剤、消泡剤などが配合され、全体としてペースト状に形成されたものでる。
【0056】
発熱組成物の配合割合としては、用いられる吸水性ポリマーや増粘剤の種類、発熱物質更に炭素成分の種類、金属の塩化物の種類等によっても異なるが、一般に、発熱物質100重量部に対し、吸水性ポリマー0.1〜7.5重量部、増粘剤0.5〜10重量部、炭素成分1.5〜20重量部及び金属の塩化物1〜10重量部の範囲とするのが好ましく、本発明第1方法においては、特に、この混合物には水を加えて、全体としてペースト状に形成される。この場合において、金属の塩化物の所定量を水に溶解ないし分散し、これを吸水性ポリマー、増粘剤及び炭素成分からなる混合物に加えて、全体としてペースト状に形成しても良いのである。
【0057】
そして、本発明第1方法においては、前述のように、発熱組成物がペースト状に形成されるが、このペースト状の発熱組成物は、その粘度(温度20℃)が、以下の方法で、一般に、1,000〜6,500,000cpsの範囲とするのが望ましい。
【0058】
ペースト状の発熱組成物の粘度が1,000cps未満と低すぎると、発熱組成物の印刷やコーティングなどによる転写性が悪くなったり、又、水分が至極過剰になり過ぎて他の成分の転写量が不足し、発熱時間が短くなる上、粘度が低く鉄粉等の金属粉が分離して成分の均一性の維持が困難になり、更に、ペースト状の発熱組成物が基材上の所定の領域外に滲み出たり、転写後に水分を多量に基材及び/又は被覆材に吸収させる必要があり、特殊な構造の基材及び/又は被覆材を用いたり、発熱体の構造を複雑にする必要があるので好ましくなく、一方、6,500,000cpsを超えると転写性が悪くなって転写量にバラツキが生じたり、表面で発熱反応が生じる恐れがあるから好ましくない。従って、これらの理由から、10,000〜5,000,000cpsの範囲、特に好ましくは50,000〜4,500,000cpsの範囲とするのが望ましい。
【0059】
この粘度とは、TOKIMEC INC.製(VISCOMETER BH型粘度計)で、しかも#7のローターを用い、回転数2rpmとし、ビーカー内径(85φmm)のビーカーを用いて測定温度20℃で測定した値である。
【0060】
又、本発明第1方法で用いられるペースト状の発熱組成物においては、前述のように、水分や吸水性ポリマー更に増粘剤と、他の成分、つまり発熱物質や炭素成分更に金属の塩化物からなるものでも所望の発熱特性が得られるが、加えて、温度の安定生を一層向上し、且つ発熱時間の一層の向上を図るために、更に、所望により、無機系或いは有機系の保水剤、pH調整剤、分散性を高める界面活性剤、消泡剤などが配合され、全体としてペースト状に形成されたものも有益である。
【0061】
即ち、発熱物質100重量部に対し、吸水性ポリマー0.1〜7.5重量部、増粘剤0.5〜10重量部、炭素成分1.5〜20重量部及び金属の塩化物1〜10重量部、無機系或いは有機系の保水剤0.5〜10重量部、pH調整剤0.1〜5重量部、分散性を高める界面活性剤0.1〜5重量部及び消泡剤0.1〜5重量部の範囲とするのが好ましく、本発明第1方法においては、特に、この混合物には水を加えて、全体としてペースト状に形成される。この場合において、金属の塩化物の所定量を水に溶解ないし分散し、これを吸水性ポリマー、増粘剤、炭素成分、無機系或いは有機系の保水剤、pH調整剤、界面活性剤及び消泡剤からなる混合物に加えて、全体としてペースト状に形成しても良いのである。
【0062】
そして、この場合においても、前記の場合と同様に、このペースト状の発熱組成物は、その粘度(温度20℃)が、前記の方法で、一般に、1,000〜6,500,000cpsの範囲とするのが望ましい。
【0063】
本発明第1方法において、吸水性ポリマーとしては、主として、水や金属の塩化物水溶液を円滑、且つ大量に吸収する高分子材料が挙げられるのであり、具体的には、例えば特公昭49−43395号公報に開示されている澱粉−ポリアクリロニトリル共重合体、特公昭51−39672号公報に開示されている架橋ポリアルキレンオキシド、特公昭53−13495号公報に開示されているビニルエステル−エチレン系不飽和カルボン酸共重合体ケン化物、特公昭54−30710号公報に開示されている逆相懸濁重合法によって得られる自己架橋ポリアクリル酸塩、特開昭54−20093号公報に開示されているポリビニルアルコール系重合体と環状無水物との反応生成物、特開昭59−84305号公報に開示されているポリアクリル酸塩架橋物、N−ビニルアセトアミド架橋体(吸水剤)(昭和電工株式会社製 商品名NA−010)等から選ばれた1種又は2種以上の混合物が挙げられるのであり、更に、これらを界面活性剤で処理したり、これらにと界面活性剤を組み合せて親水性を向上しても良いのである。これらの吸水性ポリマーの中には水や金属の塩化物水溶液を吸収して増粘性を付与するものがあるが、主として、水や金属の塩化物水溶液を円滑、且つ大量に吸収する機能を有するものである。
【0064】
この吸水性ポリマーとしては、市販のものを用いればよく、例えば三洋化成社製のサンウェットIM−300、サンウェットIM−300MPS、サンウェットIM−1000、サンウェットIM−300MS、サンウェットIM−1000MPS、製鉄化学社製のアクアキープ4Sやアクアキープ4SH、住友化学社製のスミカゲルNP−1020、スミカゲルNP−1040、スミカゲルSP−520、スミカゲルN−1040、クラレ社製のKIゲル201−K、KIゲル201K−F2、荒川化学社製のアラソープ800、アラソープ800Fなどがその例として挙げられる。
【0065】
これら市販の吸水性ポリマーの中では、水や金属の塩化物水溶液を迅速に吸収し、しかもそれらの吸収量が高い、三洋化成社製のサンウェットIM−300MPS、サンウェットIM−1000MPS、住友化学社製のスミカゲルNP−1020、スミカゲルNP−1040、クラレ社製のKIゲル201−K、KIゲル201−F2、荒川化学社製のアラソープ800Fなどが特に好ましい。
【0066】
本発明第1方法において、増粘剤としては、主として、水や金属の塩化物水溶液を吸収し、稠度を増大させるか、チキソトロピー性を付与する物質が挙げられるのであり、ベントナイト、ステアリン酸塩、ポリアクリル酸ソーダ等のポリアクリル酸塩、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、トラガカントゴム、ローカストビーンガム、グアーガム、アラビアガム、アルギン酸ソーダ等のアルギン酸塩、ペクチン、カルボキシビニルボリマー、デキストリン、α化澱粉、加工用澱粉などの澱粉系吸水剤、カラギーナン、寒天などの多糖類系増粘剤、CMC、酢酸エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体系増粘剤、アクリルスルホン酸系高分子物質(例えば、日本触媒株式会社製、商品名:CS−6HS)、水溶性セルロースエーテル又はポリーN−ビニルアセトアミド等から選ばれた1種又は2種以上の混合物が挙げられるのであり、更に、これらを界面活性剤で処理したり、これらにと界面活性剤を組み合せて親水性を向上しても良いのである。これらの増粘剤は、主として、水や金属の塩化物水溶液を吸収し、稠度を増大させるか、チキソトロピー性を付与する機能を有するものである。
【0067】
前記水溶性セルロースエーテルとしては、具体的には、例えばセルローズをメトキシル基でエーテル化したメチルセルロース(信越化学工業株式会社製、商品名:メトローズSM15、メトローズSM25、メトローズSM400、メトローズSM4000など)、セルローズをヒドロキシプロポキシル基でエーテル化したヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業株式会社製、商品名:メトローズ60SH−50、メトローズ60SH−4000、メトローズ90SH−4000、メトローズ90SH−30000、メトローズ90SH−100000など)、セルローズをヒドロキシエトキシル基でエーテル化したヒドロキシエチルメチルセルロースなどの水溶性セルロースエーテル(信越化学工業株式会社製、商品名:メトローズ60SH−50、メトローズ60SH−4000、メトローズ90SH−4000、メトローズ90SH−30000、メトローズ90SH−100000など)などの水溶性セルロースエーテルが挙げられる。
【0068】
この水溶性セルロースエーテルの水溶液を加熱すると、例えば所定温度(増粘開始温度)までは粘度が低下するが、更にこの温度以上に加熱すると、吸着水分を放出して粘度が高まってゲル化し(以下、この現象を熱ゲル化現象と呼ぶ。)、この遊離水分がバリヤー層となって発熱反応を減少させ、一方、このゲルを冷却すると、水分を吸着して元の状態に戻るという性質を有している。
【0069】
水溶性セルロースエーテルの増粘開始温度は、エーテル化剤の種類、置換率、セルロース分子量、溶液として添加する場合にはその濃度、他の添加物を添加した場合にはその添加剤の種類や添加量(濃度)等の他、昇温速度や冷却速度の影響を受ける。従って、増粘剤として水溶性セルロースエーテルを用いる場合には、エーテル化剤の種類、置換率、セルロース分子量、溶液の濃度、他の添加物の種類や添加量(濃度)などを適宜選択したり、発熱体組成物の組成、使用量などを適宜選択して昇温速度や冷却速度を制御することにより、最高発熱温度を適宜、決定できるのである。
【0070】
例えば、前記水溶性セルロースエーテル(例えば、信越化学工業株式会社製、商品名:メトローズSM4000)の2重量%水溶液では、添加物がない場合、増粘開始温度は55℃であるが、塩化ナトリウム(NaCl)、或いは炭酸ナトリウム(NaCO・10HO)を5重量%添加した場合などには増粘開始温度は40℃となり、人体に直接適用する場合には、メトローズSM4000は、安全温度(43℃)以下で、吸着水分を放出して発熱反応を抑制する。
【0071】
このメトローズSM4000の増粘開始温度はAl(SO・18HOを5重量%添加した場合にも45℃となり、この温度で、メトローズSM4000は吸着水分を金属粉の周囲に放出して発熱反応を抑制する。
【0072】
又、例えば水溶性セルロースエーテル(例えば、信越化学工業株式会社製、商品名:メトローズ60SHー4000)の2重量%水溶液では、添加物がない場合、増粘開始温度は75℃であるが、塩化ナトリウム(NaCl)を5重量%添加した場合などには増粘開始温度は70℃となり、炭酸ナトリウム(NaCO・10HO)を5重量%添加した場合などには増粘開始温度は45℃となり、これらの温度で、メトローズ60SHー4000は吸着水分を周囲に放出して発熱反応を抑制する。
【0073】
更に、メトローズ60SH−4000の増粘開始温度はAl(SO・18HOを5重量%添加した場合にも50℃となり、この温度で、メトローズ60SH−4000が吸着水分を放出し、金属粉周囲の遊離水分量を増大させて発熱反応を抑制する。
【0074】
前記増粘剤の増粘開始温度を調整する添加物としては、前記の塩化ナトリウムや炭酸ナトリウム更に硫酸アルミニウム等の無機物や水和物、エタノール等の低級アルコール、ポリエチレングリコールやグリセリン等の多価アルコール、前記の吸水性ポリマーや増粘剤などをその例として挙げることができる。
【0075】
前記ポリーN−ビニルアセトアミドとしては、N−ビニルアセトアミドをラジカル重合させて得られるものであり、水に可溶性の直鎖構造のものと、水に不溶性の架橋構造を有するものとがあり、この不溶性のポリーN−ビニルアセトアミドには、その架橋密度の差により、ゲル化剤として作用するミクロゲルが挙げられるのであり、具体的には、例えばN−ビニルアセトアミドーアクリル酸ナトリウム共重合体(昭和電工株式会社製 商品名GE−167)、N−ビニルアセトアミドホモポリマー(昭和電工株式会社製 商品名GE−191)又はN−ビニルアセトアミド架橋体(ミクロゲル)(昭和電工株式会社製 商品名GX−205)などから選ばれた1種又は2種以上の混合物が挙げられるのであり、更に、これらを界面活性剤で処理したり、これらにと界面活性剤を組み合せて親水性を向上しても良いのである。これらの増粘剤は、主として、水や金属の塩化物水溶液を吸収し、稠度を増大させるか、チキソトロピー性を付与する機能を有するものである。
【0076】
勿論、前記の吸水性ポリマーと増粘剤は厳格に区別されるものではなく、又、吸水性ポリマーや増粘剤としては温度変化によって水分の吸収と放出を繰り返し温度制御が可能になるものが望ましい。
【0077】
本発明第1方法では発熱物質として、有機物を用いることも可能であるが、反応に伴って異臭が発生しない鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉又はマグネシウム粉或いはこれらの2種以上の金属からなる合金の粉末、更に、これらのうちの2種以上を混合した混合金属粉などが用いられるが、特に、これらの金属粉の中では、安全性、取扱性、コスト、保存性及び安定性などの観点を総合して最も優れている鉄粉を用いることが望ましい。
【0078】
炭素成分としてはカーボンブラック、黒鉛又は活性炭などがその例として挙げられるのであり、金属の塩化物としては塩化ナトリウム、塩化カリウムなどのアルカリ金属の塩化物、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどのアルカリ土金属の塩化物などをその例として挙げることができる。
【0079】
前記無機系或いは有機系の保水剤としては、水を保水し、発熱組成物中の水分が不足し、発熱反応が鈍化すると水を放出するだけでなく、発熱組成物中の空隙率を向上させて空気と発熱組成物との接触を良好にするものである。
【0080】
具体的には、例えばパーライト、クリストバライト、バーミキュライト、シリカ系多孔質物質、ケイ酸カルシウム等のケイ酸塩、ケイ石、ケイソウ土、アルミナ等の礬土、マイカ粉やクレー等の礬土ケイ酸質、タルク等の苦土ケイ酸質、シリカ粉又は木粉やパルプ粉等が挙げられる。
【0081】
又、前記pH調整剤や界面活性剤更に消泡剤としてはポリリン酸ナトリウム等の通常のpH調整剤の他、この分野で用いられるものが用いられる。
【0082】
前記のペースト状の発熱組成物において、余剰水分が存在するときは水分の一部、つまり余剰水分を基材及び/又は被覆材に吸収させれば良いのである。
【0083】
即ち、基材及び/又は被覆材が吸水性を有するものが望ましいが、この吸水性の素材としては吸水性を有するフィルム状ないしシート状のものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、例えば吸水性を有する発泡フィルム・シート、紙、ダンボール紙やダンボール中芯等の厚紙、レーヨン不織布等の不織布、織布又は多孔質フィルム・シートが挙げられる。
【0084】
ところで、本発明第1方法において、基材と被覆材は基本的に同様のものが挙げられるが、空気との接触により発熱する発熱組成物を熱源としている結果、基材と被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が通気性を有するものであることを要する。
【0085】
このように超薄形の足温用発熱体を形成すると、袋体内における発熱組成物による空気中の酸素の消費に基づく減圧のみでは、当該発熱体のさらなる薄型化(厚み1mm程度以下)、軽量化を図ると、単位時間当たりの発熱反応量が低下する結果、発熱組成物の移動、片寄りを防止しうる程度の減圧状態を維持できない場合がある。
【0086】
このような場合には、基材及び/又は被覆材に発熱組成物の全部又は一部を固定させてその移動、片寄りを防ぐのが好ましい。
【0087】
具体的には、例えば基材及び/又は被覆材における少なくとも発熱組成物との接触箇所において、基材及び/又は被覆材の表面が平滑な場合、その表面に物理的に凹凸を形成したり、または、その基材及び/又は被覆材の片面或いは両面に、吸水性を有する吸水材を積層し、これによって、基材及び/又は被覆材における発熱組成物との接触箇所に凹凸を形成することにより、発熱組成物からの吸水に伴う密着性とこれらの凹凸によって発熱組成物との結合性を高めてその移動、片寄りを防止するのが望ましい。
【0088】
前記吸水材としては、その素材自体が吸水性を有するか否かを問わず、結果として吸水性を有するものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、例えば吸水性を有する発泡フィルム・シート、紙、ダンボール紙やダンボール中芯等の厚紙、吸水性を有する繊維で形成したレーヨン不織布等の不織布、織布の他、吸水性の多孔質フィルム・シート等、吸水性素材で形成されたものの他、発泡フィルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、吸水剤を含有、含浸、練り込み、転写又は担持させて吸水性を付与したり、発泡フィルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、発熱組成物の平面形状に切断した吸水性の発泡フィルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートを発熱組成物上に当てがって吸水性が付与されたものが挙げられる。
【0089】
本発明第1方法においては、特に、基材及び/又は被覆材における少なくとも発熱組成物との接触箇所或いは吸水材には、吸水剤を含有、含浸、練り込み、転写又は担持させて吸水層が形成されていることにより、この凹凸及び/又は吸水層に発熱組成物の全部又は一部を埋設ないし接合し、これによって、発熱組成物の移動、片寄りを一層防止するのが望ましい。
【0090】
又、本発明第1方法において、発熱組成物の移動、片寄りを一層確実に防止するには、基材及び被覆材の両方における発熱組成物との接触箇所において、前述のように、凹凸及び/又は吸水層が形成されているのが望ましいのであり、この凹凸及び/又は吸水層によって発熱組成物の水分の一部、つまり余剰水分を基材及び/又は被覆材に吸収させても良いのである。
【0091】
このように発熱組成物が袋体内で移動することが防止されるので、発熱組成物が偏って発熱温度がばらついたり異常に高い温度に発熱するのを阻止できる。
【0092】
又、基材及び/又は被覆材の表面が平滑である場合、その表面を粗荒化(凹凸化)する方法は特に限定されるものではないが、具体的には、例えばコロナ処理等の物理的処理によって粗荒化(凹凸化)し、これによって、表面が少なくとも38ダイン以上、好ましくは40ダイン以上の濡れ指数を発現することが好ましい。
【0093】
更に、本発明第1方法において、基材及び/又は被覆材における少なくとも発熱組成物との接触箇所に、粗荒面ないし凹凸面び/又は吸水層が形成されている場合に、特に基材及び/又は被覆材が吸水性を有するもので構成すると、この粗荒面ないし凹凸面の形成によって発熱組成物の移動、偏りを防止できる作用と、吸水層によって発熱組成物の移動、偏りを防止できる作用とが相乗的に作用し、一層確実に発熱組成物の移動、偏りを防止できる上、発熱組成物の水分の一部、つまり余剰水分を基材及び/又は被覆材に吸収させる事ができるので更に一層好ましいのである。
【0094】
特に、基材及び/又は被覆材における発熱組成物の接触箇所に吸水層を形成している場合には、ペースト状の発熱組成物の水分を吸収する力によって、ペースト状の発熱組成物における水分以外の他の成分が基材及び/又は被覆材に引き寄せられ、その一部分が吸水層に浸潤して強力なアンカー効果を生じるので、特別に表面を粗荒化する処理は不要である。
【0095】
ところで、前記吸水剤としては、前述の吸水性ポリマーや増粘剤が挙げられるのであり、従って、吸水層としては前述の吸水性ポリマーや増粘剤で形成された層が挙げられる。
【0096】
前述のように、本発明第1方法で用いられる基材及び/又は被覆材としては、単一層のものと、厚み方向に複数層を積層したものとが含まれる。
【0097】
この場合において、積層とはヒートセット、接着、粘着、熱融着、ラミネーションなどによって層どうしが全面的に或いは部分的に接合されているものの他、各層が単に重ね合わされ、例えば周縁部や中央部などの局部で層どうしがヒートセット、接着、粘着、熱融着、ラミネーションなどで接合されていることをいう。
【0098】
基材及び/又は被覆材が、単一層(単一のフィルム又はシート)の場合には、前述のように、発熱組成物の移動、片寄りを防ぐために、表面平滑性のフィルム・シートではその表面を粗面(凹凸面)にしたり、発泡フィルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートを用いるのが好ましく、これらが吸水性を有する素材、例えば吸水性の繊維で形成されているときにはそのまま用いたり、これらが吸水性を有しない素材で形成されているときには、これらに吸水剤を含有、含浸、練り込み、転写、積層又は担持させて吸水性を発現させても良いのである。この場合において、スポンジ等の発泡フィルム・シート、不織布又は織布などを用いると、後述する粘着剤層との密着性が良好になる。又、基材が複数層、つまり2種以上のフィルム又はシートを積層したものとしては前述のものが挙げられる。
【0099】
前記の基材及び被覆材は引っ張り強度などの必要な機械的強度を有することが必要であり、しかも、足表面へのなじみ性を高めるために、全体として柔軟であることが好ましい。
【0100】
従って、基材及び被覆材の厚さは、用途によって大きく異なり、特に限定されるものではない。具体的には、一般に、5〜5000μm、足に直接張り付けて使用する場合、10〜1500μm程度、特に20〜1000μmとすることが更に好ましく、一般には、5〜2500μm、特に、10〜2000μmとするのが望ましい。
【0101】
基材及び被覆材の膜厚が5μmよりも薄い場合には、必要な機械的強度を得られなくなる上、膜厚を均一にすることが困難になる虞れがあるので好ましくない。
【0102】
又、基材及び被覆材の膜厚が5000μmを超える場合には、仮にスポンジ等の発泡体で形成しても柔軟性が低下して足の表面へのなじみ性が著しく低下すると共に、足表面の変形や移動に対する追従性が低下する上、ごわごわして風合が悪くなるので好ましくなく、又、足温用発熱体全体の厚さが厚くなり過ぎるので好ましいない。
【0103】
従って、特に基材及び被覆材の厚さを15〜1000μmとすれば、所要の機械的強度が得られると共に、優れた柔軟性が得られるので望ましい。
【0104】
基材及び被覆材としては、高分子材料からなる発泡或いは非発泡のフィルム又はシートが挙げられるが、発泡されたフィルム又はシートに発熱組成物を食い込ませてその移動、片寄りを一層防止できる。
【0105】
このフィルム又はシートを構成する高分子材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合けん化物又はエチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
【0106】
上記非発泡の高分子材料からなるフィルム又はシートに通気性を与える方法としては、フィルム又はシートを形成する時に延伸させて通気孔を形成する方法、更にこのフィルム又はシートから特定成分を抽出して通気孔を形成する方法の他に、フィルムに形成した後にパンチング、ニードリングなどの穿孔により機械的に通気孔を形成する方法等が挙げられるのであり、これによって、多孔質のフィルム又はシートが得られる。
【0107】
又、高分子材料からなる発泡させたフィルム又はシートは、発泡により表裏両面に開かれた独立気泡又は連続気泡が形成され、又、発泡後にフィルム又はシートを圧迫してその内部に形成された独立気泡又は連続気泡を破裂させて表裏両面に連通させことにより通気性が与えられたものと、発泡によっても、通気性を有しない気密性のものとが挙げられる。
【0108】
紙或いは織布、編布、不織布などの布は組織上、表裏両面に連通する通気孔ないし通気路が形成されているので、通気性を有する。布を構成する繊維としては天然繊維、ビスコース繊維などの天然素材を用いた再生繊維、半合成繊維、合成繊維及びこれらのうちの2種以上の混合物などを用いることができる。
【0109】
天然繊維としては、綿、麻などの植物性繊維、絹、獣毛などの動物性繊維が挙げられるのであり、又、合成繊維を構成する高分子材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合けん化物又はエチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
【0110】
本発明第1方法においては、足における湾曲部や伸縮部更に屈伸部に一層好適に適用され、しかもこの伸縮部更に屈伸部に一層追従し易くするために、基材及び被覆材が、つまり足温用発熱体の包材が、伸長性のフィルム或いはシート、特に、伸縮性のフィルム或いはシートで形成されたものが望ましい。
【0111】
即ち、基材及び被覆材、つまり包材が伸長性の素材、特に伸縮性の素材で形成されたものが、至極伸縮し易く、足における湾曲部や伸縮部更に屈伸部に一層追従して優れた密着性を有し、しかも使用中に突っ張り感や違和感がないので、一層使用感が良好である上、使用中の剥離が確実に防止されるので、一層優れた温熱効果を発現させるので最も望ましい。
【0112】
この伸長性の基材及び被覆材としては、例えば伸長性の高いポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂で形成されたものが挙げられる。
【0113】
又、伸縮性の基材及び被覆材、つまり伸縮性のフィルム或いはシートとしては、伸縮性の素材で形成されたものであれば特に限定されるものではないが、特に、伸縮性であって、且つ発熱組成物との結合性が高い、伸縮性の発泡フィルム・シート、不織布、織布又は多孔質フィルム・シート等が挙げられるのであり、これら自体が吸水性を有するか、或いは吸水性の有無を問わず、これら自体に、吸水剤を含有、含浸、付着、練り込み、転写、積層又は担持させて吸水性を付与ないし向上させたものが、発熱組成物中の余剰の水分を吸収してバリヤー層の除去、つまり発熱組成物を好適な状態にするので望ましい。
【0114】
伸縮性のフィルム或いはシートの素材としては、例えば天然ゴム、合成ゴムまたは熱可塑性エラストマーが挙げられるが、伸縮性が大で取り扱い易く、しかも熱可塑性エラストマーは熱融着性を有するので、発熱体の製造がしごく容易なので望ましい。
【0115】
勿論、本発明第1方法において、基材と被覆材が粘着性、熱融着性或いは熱接着性を有するか否かは問うものではないが、品質と信頼性の一層の向上を図るために、基材と被覆材とを発熱組成物の周囲にわたって粘着、熱融着或いは熱接着により封着するのが望ましい。
【0116】
前記合成ゴムとしては、具体的には、例えばブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、ポリアルキレン・スルフィド、シリコーンゴム、ポリ(クロル・トリフルオロエチレン)、フッ化ビニリデン−6フッ化プロピレン・コポリマー、ウレタンゴム、プロピレンオキシドゴム、エピクロルヒトリンゴム、アクリル酸エステル−アクリロニトリル・コポリマー又はアクリル酸エステル−2−クロルエチルビニルエーテル・コポリマー等が挙げられる。
【0117】
又、前記熱可塑性エラストマーとしては、具体的には、例えばオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー又はポリエステル系エラストマー等が挙げられる。
【0118】
前記オレフィン系エラストマーとしては、具体的には、例えばエチレン−プロピレン・コポリマー、エチレン−プロピレン−ジエン・ターポリマー、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン又はエチレン−酢酸ビニル・コポリマー等が挙げられる。
【0119】
ところで、足温用発熱体は足に直接接触させて使用する場合の他、靴下の外側に張り付けて使用したり、或いは靴底に張り付けて使用する場合があり、従って、身体の他の部位、例えば腰等に用いる発熱体と異なり、発熱体の適用状況、歩行中と靴を脱いだ状態、つまり使用状態では発熱体への空気の供給状況に大きな差異が生じる。
【0120】
即ち、足温用発熱体は歩行などに伴って押さえられる力が強弱変動し、これによって、包材がスポンジ等の発泡体で形成されている場合、包材自体の空間が増減する結果、一種のポンプ作用によって身体の他の部位に用いる発熱体よりも発熱組成物に供給される空気量が多く成りがちである。
【0121】
従って、これら包材の透湿度は、足以外の部位に用いる発熱体の包材の透湿度よりも低く制限しても良く、片面のフィルム又はシート、或いは、両面又はその片面の一部のみに限って通気性を有するように構成しても良いのである。
【0122】
このため、発熱体自体の内部温度が上昇し過ぎて低温火傷が発生する虞れがある場合には吸水性ポリマー及び/又は増粘剤が保持している水分を放出してバリヤー層の形成などによって発熱反応を抑制し、温度を下げたり、逆に、発熱体自体の内部温度が低下し、所望の温熱効果が得られない場合には吸水性ポリマー及び/又は増粘剤に遊離水分を吸収させてバリヤー層を喪失させ、これによって、空気との接触を良好にするのが望ましい。
【0123】
本発明第1方法においては、基材と被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が通気性を有することが必要であるが、この通気性は、発熱組成物の反応速度ないし発熱温度の制御に大きな影響を与えるので、効果的な温熱効果を得ると共に、低温火傷を防止して安全性を確保するために、通気性を管理することが好ましい。又、この通気性を高精度に管理するためには透湿度でフィルムの通気性を管理することが好ましく、具体的には、透湿度がASTM法(E−96−80D法)で50〜10,000g/m ・24hrの範囲内にすべきであり、特に100〜5,000g/m ・24hrの範囲内にすることが好ましい。
【0124】
この透湿度が、50g/m ・24hr未満では発熱量が少なくなり、十分な温熱効果が得られないので好ましくなく、一方、10,000g/m ・24hrを超えると発熱温度が上昇し過ぎて低温火傷が発生する虞れが生じるので好ましくない。従って、通気性フィルムの透湿度を100〜5,000g/m ・24hrの範囲にすると十分な温熱効果が得られると同時に低温火傷が防止される微妙な最適温度の発熱が得られるので、特に好ましい。
【0125】
尚、基材又は被覆材の一部が通気性を有するように構成する方法としては特に限定されるものではないが、例えば基材又は被覆材が一層の場合には、通気性の基材又は被覆材においてその全面にわたって部分的に接着剤で目止めを行ったり、積層型の基材又は被覆材の場合には、通気性のフィルムないしシートに、通気孔を全面にわたって部分的に設けたフィルムないしシートを積層すれば良いのである。
【0126】
本発明第1方法においては、ペースト状の発熱組成物を用いているので、ロールフィルム状又はロールシート状の基材を一定速度、例えば毎分160〜200m/分程度の高速で送りながら、その基材の少なくとも1箇所の所定領域上にペースト状の発熱組成物を、例えば転写、印刷、吹き付け又はコーティング等により積層することによって、例えば0.02〜1.5mm程度の薄い膜厚に、好ましくは0.1〜1.0mm程度に薄く積層させることができる上、厚みを均一にして積層させることが可能になり、その結果、処理の高速化、付着領域制御の高精度化、薄肉化及び膜厚の均一化を図ることができる。
【0127】
この場合において、ペースト状の発熱組成物が接着剤と同様の役割を果し、基材と被覆材を接合するから、必ずしも、発熱組成物の周囲を封着する必要がないが、足温用発熱体の品質及び信頼性を一層向上するために、基材と被覆材とを、ペースト状の発熱組成物の周囲において、熱接着、粘着又は熱融着によって封着するのが望ましい。
【0128】
本発明第1方法において、ペースト状の発熱組成物を積層する所定領域の形状は、足の任意の部位を覆う形状に形成されておればよく、例えば足の裏側の一部分を覆う形状、足の裏側の全部を覆う形状、足の甲側の一部分を覆う形状、足の甲側の全部を覆う形状の他、足の裏側又は甲側の一部又は全部と、足の横側の一部又は全部とを覆う形状、或いは足の裏側の一部又は全部と、足の横側の一部又は全部と、足の甲側の一部又は全部とを覆う形状などをその例として挙げることができる。
【0129】
足の裏側の一部としては、指、指の付け根、肉球部、土踏まず、踵などが代表的であり、指の裏側を覆う足温用発熱体の形状としては半円形や半楕円形をその例として挙げることができる。又、指の付け根、肉球部、土踏まず、踵等を覆う基材及び被覆材の形状としては長方形、正方形、台形、小判形、楕円形、円形、半楕円形、半円形、馬蹄形などをその例として挙げることができる。
【0130】
足の裏側全部を覆う形状としては、靴の中敷と同様の形状の中敷形を挙げることができる他、この中敷形の土踏まずに対応してくびれさせた部分に、土踏まずに対応する膨出部を延設させた形状を挙げることができる。
【0131】
なお、この場合には、例えば土踏まずには横側から見て一定の高さがあると解釈することができるので、次に説明する足の裏側、特に足の裏側における土踏まず箇所全部と足の横側の一部を覆う形状と解釈することもできる。
【0132】
足の裏側の一部又は全部と足の横側の一部を覆う形状としては、足の裏全部と、足の裏から踵側を回って足首にわたる部分のくるぶしから後側の部分を覆う形状がその例として挙げられる。この場合、足の裏全部を中敷形にかかと側を回って足首にわたる部分の踝から後側の部分を覆う膨出部が連続させた形状に形成すればよい。基材及び被覆材は踵の膨らみに対応して容易にかかとの膨らみに馴染むように変形する。
【0133】
ここで、基材及び被覆材に伸長性ないし伸縮性が有る場合には、基材及び被覆材が例えば踵の膨らみに対応して部分的に伸長して踵の膨らみに良く馴染むように変形するなど、基材及び被覆材を足の複雑な凹凸形状に良く馴染むように変形し、馴染み性を一層高めることができる。
【0134】
足の裏側の一部分又は全部と、足の横側の一部分又は全部と、甲側の一部分を覆う形状としては、足の裏全体又は足の指の裏側から爪先をまわって足の指の甲側にわたる部分を覆う形状、足袋形状ないし靴下形状などが挙げられる。
【0135】
ここで、足の裏全体又は足の指の裏側から爪先をまわって足の指の甲側にわたる部分を覆う形状の例としては、足の裏全体を覆う中敷形に爪先及び指の甲側を覆う膨出部を連設させた形状が挙げられる。この場合、指の凹凸には大小があるが、膨出部が指の凹凸に対応して伸長し、指及び爪先を覆う複雑な凹凸を有するようになって指先に馴染むのである。
【0136】
又、足袋形状ないし靴下形状としては、靴下を底の中央で連続させ、左右に対称的に分割した形状に形成し、積層後、これを底の中央で折り畳み、爪先から甲を通って足首に至る端縁と踵から足首に至る端縁とを接合した形状、靴下のくるぶしから爪先側の部分を左右に分割し、底の中心で連続させるとともにその後端部の中央に踵から後側の足首までを覆う膨出部を連続させた形状に形成され、積層後、膨出部の両側縁とくるぶしから爪先側の部分の後端縁とを接合する共に、くるぶしから爪先側の部分の両側縁を接合した形状などをその例として挙げることができる。
【0137】
勿論、基材及び被覆材の形状及び大きさは、基材上に積層されたペースト状の発熱組成物の形状及び大きさ以上であれば特に限定されないが、特に、積層されたペースト状の発熱組成物の形状と相似型或いはほぼ相似型であって、その形状より数mm〜20mm幅程度全周囲にわたって延出された大形に形成することが好ましい。
【0138】
ところで、基材上の複数箇所にペースト状の発熱組成物を積層している場合には、このペースト状の発熱組成物で基材と被覆材とを接着しても良い。勿論、足温用発熱体の品質及び信頼性を一層向上するために、基材と被覆材とを、ペースト状の発熱組成物の周囲において、熱接着、粘着又は熱融着によって封着するのが望ましい。
【0139】
これら基材及び被覆材を所定の形状に形成する方法は、特に限定されないが、基材と発熱組成物と被覆材を積層する時、又はこれ以後に例えば打ち抜き、溶断などにより行うことができる。
【0140】
これらの方法としては、工程数及び工程時間を削減してコストダウンを図るという観点から、基材及び被覆材の周縁部をヒートセットやヒートシールによって接合することを前提とし、この接合と同時にヒートセット用ローラ或いはヒートシール用ローラで打ち抜いたり、溶断したりすることが好ましい。
【0141】
この土踏まずに対応する膨出部を連続させた本発明の足温用発熱体によれば、柔軟性を有する基材及び被覆材の間に薄膜状に発熱組成物を積層したものであるから、全体として薄肉になり、膨出部を土踏まずの凹みに対応して容易に変形させることができる結果、土踏まずの凹みに馴染ませて足の裏全体を効率良く温めることができる。
【0142】
上述のように、本発明第1方法においては、ペースト状の発熱組成物を印刷或いはコーティング等により基材上面に積層するので、ペースト状の発熱組成物を薄膜状に、しかも、均一に積層することができるが、ペースト状の発熱組成物の層厚を部分的に厚くし、温熱効果に加えて、更に、指圧的な効果が得られるように形成することが可能である。
【0143】
即ち、基材上面に積層されたペースト状の発熱組成物の上面の一部に更にペースト状の発熱組成物を少なくとも1回積層して部分的に重厚な部位を形成したり、基材上面に積層されたペースト状の発熱組成物の上面の一部に金属粉、吸水剤或いは炭素成分から選ばれた少なくとも金属粉を転写或いは散布して当該発熱組成物の一部を重厚にしたりすることができる。
【0144】
このようにして、ペースト状の発熱組成物の一部を重厚にすれば、発熱量分布を制御したりすることができ、爪先などの冷えやすい部位でペースト状の発熱組成物を重厚にして採暖効果を高めたり、金属粉、吸水剤或いは炭素成分から選ばれた少なくとも金属粉を転写或いは散布し、これによって、バリヤー層を形成している水分を吸収させて気密性の外袋材から取り出した足温用発熱体の初期温度の立ち上がりを急速にしたりすることができる。
【0145】
この場合、基材上面に積層されたペースト状の発熱組成物の層厚が、足の経穴及び/又はその近傍部に対応する局所で厚く形成して温灸的・指圧的効果を高めたりすることができる。
【0146】
もちろん、ペースト状の発熱組成物を重厚にする部位の数は1部位に限定されるものではなく、2部位以上の複数部位でペースト状の発熱組成物を重厚にしてもよい。
【0147】
加えて、本発明第1方法においては、完成した足温用発熱体を気密性の外袋材に封入するまでの任意の時点で、基材又は被覆材において、そのいずれか一方の露出面に粘着剤層が形成されており、且つそのいずれか他方の少なくとも一部が通気性を有するものが、足温用発熱体を足表面や靴下更に靴に貼着、固定できるので望ましい。
【0148】
この粘着剤層としては足表面や靴下更に靴に貼着可能なものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、例えば湿布剤層又は以下に説明する粘着剤で形成された層が挙げられる。
【0149】
この粘着剤層を形成する粘着剤としては、溶剤型粘着剤、エマルジョン型粘着剤又はホットメルト型粘着剤がその例として挙げられ、これらのいずれのものを用いてもよい。
【0150】
又、これらの粘着剤としては、例えばゴム系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤、エチレンー酢酸ビニル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルアセタール系粘着剤、塩化ビニル系粘着剤、アクリル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ポリエチレン系粘着剤、セルロース系粘着剤、ポリサルファイド粘着剤又はホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤などが挙げられる。
【0151】
このホットメルト型高分子物質としては、具体的には、例えばA−B−A型ブロック共重合体、飽和ポリエステル系高分子物質、ポリアミド系高分子物質、アクリル系高分子物質、ウレタン系高分子物質、ポリオレフィン系高分子物質又はポリオレフィン系共重合体或いはこれらの変性体、若しくはこれらの1種或いは2種以上の混合物が挙げられる。
【0152】
この変性体とは、ホットメルト型高分子物質の成分の一部を他の成分に置き換えてホットメルト型高分子物質の性質、例えばホットメルト型高分子物質の粘着性の改善や安定性等を変えたものをいう。
【0153】
前記A−B−A型ブロック共重合体において、Aブロックはスチレン、メチルスチレン等のモノビニル置換芳香族化合物Aで、非弾性重合体ブロックであり、Bブロックはブタジエン、イソプレン等の共役ジエンの弾性重合体ブロックであり、具体的には、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられるのであり、また、これらを混合して用いても良いのである。
【0154】
A−B−A型ブロック共重合体の市販品の例としては、具体的にはカリフレックスTR−1101、カリフレックスTR−1107、カリフレックスTR−1111(シェル化学製)、或いはフィリップペトロリアム製のソルプレン418等が挙げられる。
【0155】
これらのうち、足表面や靴下更に靴が良好で、しかも温熱を与えても粘着力の低下が少ない等の理由より、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤又はホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤で形成された層が望ましく、特に、ホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤の層は、初期タック力が強く、加温時の粘着性が非常に優れるので一層好ましい。
【0156】
この粘着剤層の厚さとしては特に限定されるものではないが、5〜1000μm、特に、10〜500μm、更に好ましくは15〜250μmとするのが好ましく、粘着剤層の厚さが、5μm未満になると所要の粘着力を得難いのであり、一方、1000μmを超えると意味がないだけでなく、経済性が悪くなるので好ましくない。
【0157】
又、本発明第1方法において、足温用発熱体の露出面に粘着剤層を形成する場合には、粘着剤層の基材又は被覆材への結合力を高めるために、基材又は被覆材の露出面を粗荒化したり、基材又は被覆材の露出面を紙、ダンボール紙やダンボール中芯等の厚紙、織布、レーヨン不織布等の不織布、発泡フィルムなどの表面が粗荒なフィルム又はシートで構成することが好ましい。
【0158】
本発明第1方法において、このように発熱体の片面に粘着剤層を形成する場合には、所望により、この粘着剤層には、湿布薬、遠赤外線放射体、磁気体又は経皮吸収性薬物のうちの少なくとも1種が含有又は担持されている。これにより、発熱体の発熱による温熱効果により血行などの全身作用が高められる効果と、湿布効果、遠赤外線効果、磁気治療効果、経皮投薬効果などとが相乗的に作用して、その全身治療効果や局所治療効果が一層高められるのである。
【0159】
前記経皮吸収性薬物としては、経皮吸収性の薬物であれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えば皮膚刺激剤、鎮痛消炎剤、中枢神経作用剤(睡眠鎮静剤、抗てんかん剤、精神神経用剤)、利尿剤、血圧降下剤、冠血管拡張剤、鎮咳去痰剤、抗ヒスタミン剤、不整脈用剤、強心剤、副腎皮質ホルモン剤、局所麻酔剤、水虫等の治療薬である酢酸などの有機酸が挙げられる。もちろん、これらの薬物は、一種のみを用いてもよく、必要に応じて二種以上配合して用いてもよい。
【0160】
この薬物の含有量としては薬効を期待できる範囲であれば特に限定されるものではないが、薬理効果や経済性、更に粘着力等の観点より、経皮吸収性の薬物の含有量が粘着剤100重量部に対し0.01〜25重量部、特に0.5〜15重量部の範囲で適宜決定される。
【0161】
前記遠赤外線放射体としてはその形状が特に限定されるものではないが、具体的には、例えば指圧材として指圧効果が得られるような成形体であってもよいが、足温用発熱体の柔軟性や足表面への馴染み性を高めるために粉末状であることが好ましい。
【0162】
本発明第1方法において、前記粘着剤層には、所望により、他の成分、例えば他の粘着剤、粘着賦与剤、老化防止剤、充填剤、粘着調整剤、粘着改良剤、着色剤、消泡剤、増粘剤、改質剤、防黴剤、抗菌剤、殺菌剤、消臭剤、脱臭剤などを適宜配合してもよいのである。
【0189】
本発明に係る足温用発熱体は、前述の本発明第1方法によって得られたものであり、この足温用発熱体としてはその形状が限定されるものではないが、特に、足の任意の部位を覆う形状、具体的には、例えば足の裏側又は甲側の一部或いは全部を覆う形状のものが挙げられる。
【0190】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0191】
本発明の第1の実施例は、本発明第1方法により足の指の裏側を加温するための足温用発熱体を製造する方法とこの方法により製造された足温用発熱体の1例であり、図1にこの足温用発熱体の平面図を示している。
【0192】
この足温用発熱体は、吸水性を有する基材1を繰り出しながら、この基材1上にペースト状発熱組成物2を任意の形状にスクリーン印刷し、次いで、このペースト状発熱組成物2の周囲の露出面に接着剤を塗布し、この上に被覆材3をローラで案内、積層し、これによって、基材1と被覆材3とを前記ペースト状の発熱組成物2をサンドして接着した後、前記基材1の露出面に厚さ50μmの粘着剤層5を形成し、かくして得られた長尺状の発熱シートをロールプレスでペースト状発熱組成物2から7mm程度の大きさだけ拡げ、しかも足の指の裏側を覆う略不等脚台形状に打ち抜くという手順で製造されたものである。
【0193】
図2の断面模式図に示すように前記基材1としては、目付量80g/m程度の吸水性のレーヨン不織布1aと非通気性及び非通水性を有する厚さ50μmm程度のポリエチレンシート1bとをラミネートし、この基材1において、そのレーヨン不織布1a上にペースト状の発熱組成物2が直接接触するように印刷されている。
【0194】
又、前記被覆材3は目付量80g/m程度の吸水性のレーヨン不織布3aの上に通気性を有する厚さ50μm程度のポリエチレンシート3bをラミネートしたものであってその透湿度は1000g/m ・24hrのものであり、この被覆材3において、そのレーヨン不織布3a上にペースト状の発熱組成物2が直接接触するように当該被覆材3が積層されている。
【0195】
前記粘着剤層5には、アクリル系粘着剤が使用され、この粘着剤層5の基材1への粘着性を高めるために、予め、前記基材1のポリエチレンシート1bの露出面をコロナ処理により40ダイン以上の濡れ指数を有する程度に粗荒化してある。
【0196】
前記ペースト状の発熱組成物2は、発熱物質である鉄粉(同和鉄粉社製 DKP)100重量部に対し、吸水性ポリマーとして(三洋化成社製 商品名5000MPS)0.5重量部、増粘剤として(第一工業製薬社製 商品名セロゲンEP)1.4重量部、活性炭(ノリット社製 SAーSUPER)8.6重量部、金属の塩化物として塩化ナトリウム4.3重量部及びpH調整剤としてポリリン酸ナトリウム0.3重量部を混合し、この配合物に過剰の水を加えて、温度20℃での粘度が500,000cps程度になるように調製している。
【0197】
この粘度とは、TOKIMEC INC.製(VISCOMETER BH型粘度計)で、しかも#7のローターを用い、回転数2rpmとし、ビーカー内径(85φmm)のビーカーを用いて測定温度20℃で測定した値である。
【0198】
従って、このペースト状の発熱組成物2には過剰の水分が含まれており、この過剰水分が鉄粉と空気との接触を妨げるバリアー層として機能し、その結果、発熱反応が殆ど生じないことが認められた。
【0199】
基材1上に前記ペースト状の発熱組成物2を、厚さ820μmになるように、スクリーン印刷すると、このペースト状の発熱組成物中の過剰水分が、基材1における吸水性のレーヨン不織布1aに吸収されはじめ、又、被覆材3を被せた後には、この被覆材3におけるレーヨン不織布3aに吸収され、やがて、発熱組成物2の水分の配合率が設定された発熱温度を生じるに最適の状態になる。
【0200】
しかしながら、前記過剰水分が、基材1及び被覆材3に吸収されて、所定の配合率に達するまでにはそれ相当の時間がかかるのに対し、基材1上にペースト状の発熱組成物2をスクリーン印刷してから非通気性袋に封入するまでの時間は精々0.数秒であり、得られた足温用発熱体を非通気性袋に封入するまでの間にペースト状の発熱組成物2の水分配合率が所定の発熱温度を生じるに最適の配合率になることはない。
【0201】
従って、この足温用発熱体を非通気性袋に封入するまでにペースト状の発熱組成物2が発熱することはなく、発熱反応の生成物が凝固して種々の弊害、例えば歩留りの低下、取扱いの困難性、製造装置のメンテナンスの煩雑性、製造装置の稼働時間ないし作業者の就業時間に対する制約、凝固物処理の困難性などの弊害が生じるおそれもない。
【0202】
ところで、この足温用発熱体が非通気性袋に封入され、流通を経てユーザーの手に届くまでには、ペースト状の発熱組成物2中の余剰水分が基材1における吸水性のレーヨン不織布1aと被覆材3における吸水性のレーヨン不織布3aに吸収されて、所定の発熱温度を得るに適した水分配合率になっているので、非通気性袋が破られて空気に触れるまでに発熱組成物2の品質が低下することがなく、発熱組成物2の品質を高品質に保持できる上、非通気性袋を破ってこの足温用発熱体を取り出すとただちに発熱反応が開始され、速やかに所定の発熱温度まで昇温する。
【0203】
しかも、ペースト状の発熱組成物2は、流動性が高いから、印刷やコーティングという技術によって基材1上に積層できる結果、流動性がない従来の粉末状発熱組成物を単に基材1上に投下する場合に比べて、正確に且つ高速で所定の範囲に、しかも均一な厚さに積層することができる。
【0204】
前記足温用発熱体を非通気性袋に封入し、これを10日間放置後、非通気性袋を破ってこの足温用発熱体を取り出し、次いで、これを粘着剤層5を用いて、足の指からその付け根の肉球にわたる部分の裏側に直接粘着させて使用したところ、6時間以上にわたって優れた温熱効果が得られた。
【0205】
前記足温用発熱体の適用に際し、この発熱体が超薄型に形成されているので、全体として柔軟になる結果、足への感触が柔和になったり、足の湾曲部に容易に沿わせて変形させたり、足の指の裏の凹凸に馴染ませたり、足の裏の動きに非常に良く追従して変形したり、適用部位に対する密着性が良好であり、又、足温用発熱体が使用中に適用部位から剥がれることがなく、優れた採暖効果が得られ、足の指を裏側から効果的に温めることが認められた。
【0206】
即ち、この使用に際し、足温用発熱体における粘着剤層5を足の裏側に直接貼り着けることができる結果、爪先から足指の付け根の肉球にわたる範囲を足の裏側から効果的に温めることができるのである。
【0207】
更に、この使用に際し、発熱組成物2の移動がなく、足温用発熱体の発熱温度分布が均一で、低温火傷もなく、安全性が高くなる。
【0208】
本発明に係る足温用発熱体はその形状が前記実施例に限定されるものではなく、例えば、図3の平面図に示す本発明の第2の実施例に係る足温用発熱体では、ペースト状の発熱組成物2(2a,2b)が、中敷状の基材1と被覆材3からなる包材において、足の指からその付け根の肉球にわたる半楕円形の部分と土踏まずの部分とに分けてそれぞれ印刷され、このペースト状の発熱組成物以外の部位は接着によって封着されている。
【0209】
この場合、図示しないが、半楕円形の基材上にこれより小さく、且つこれと相似形にペースト状の発熱組成物を印刷し、その上から前記基材と同形の被覆材を被せて封着させた半楕円形で、しかもつま先用の足温用発熱体でも良く、或いは三日月形の基材上にこれより小さく、且つこれと相似形にペースト状の発熱組成物を印刷し、その上から前記基材と同形の被覆材を被せて封着させた三日月で、しかも土踏まず用の足温用発熱体でも良い。
【0210】
又、図示しないが、前記に代えて、中敷状の基材1と被覆材3からなる包材において、その周縁部の封着箇所を除くほぼ全面にペースト状の発熱組成物が印刷されていても良く、これによって、足の裏のほぼ全面を加温するようにしても良いのである。
【0211】
図4の平面図に示す本発明の第3の実施例に係る足温用発熱体では、中敷状の基材1と被覆材3からなる包材において、土踏まずの横で足の裏が接地する部分を除いた足の裏の全面にわたって帯状にペースト状の発熱組成物2が印刷され、このペースト状の発熱組成物以外の部位は接着によって封着されていても良く、或いは図5の平面図に示す本発明の第4の実施例に係る足温用発熱体では、足のうらの先側の部分2(2a)と、踏まず及びこの土踏まずから延出された部分2(2b)と、かかとの部分2(2c)とにペースト状の発熱組成物2がそれぞれ印刷され、このペースト状の発熱組成物以外の部位は接着によって封着されていても良いのである。
【0212】
又、本発明第1方法によれば、足温用発熱体の形状は、足の任意の部位を覆う形状に形成すればよいので、例えば図3或いは図4に示すように足温用発熱体をいわゆる中敷形に形成したり、図5及び図6の第4実施例に示すようにこの中敷形の足形部分Aの周縁の一部、例えば土踏まずに対応する部分を延出した形状に形成することができる。
【0213】
このように、土踏まずに対応する部分から足温用発熱体を延出し、この中にも土踏まずに連続してペースト状の発熱組成物2を配置する場合には、この足温用発熱体を靴の中に入れた時、或いは、足の裏に貼り付けた時に図6の斜視図に示すように、足形部分Aとこれに連続して延出された延出部分Bとを土踏まずからこれに連続する足の側面に沿って変形させ、土踏まずからこれに連続する足の側面にいたる部分を発熱組成物2で覆うことができるのであり、これによって、土踏まずにおいて、その側と下から温熱を供給して多数の経穴が集中している部分を効果的に温める結果、優れた温灸効果を得ることかできる。
【0214】
図7の斜視図に示す本発明の第5の実施例では、前例の構成に加えて、爪先から指の付け根の上側を覆う甲先7と、踵に対応する部分の後縁に連設して足首の上方まで延びる膨出部8と、この膨出部8の先端部の左右両側に連続させた粘着部9,10とを備えている。
【0215】
ペースト状の発熱組成物2(2a,2b,2c,2d,2e)は、肉球から爪先に対応する馬蹄形の部分(2a)、足形部分Aと膨出部Bとにわたる土踏まずに対応する部分(2b)、かかとに対応する部分(2c)、足首の後上側に対応する部分(2d)及び指の上側の部分(2e)とに分けて配置される。
【0216】
この足温用発熱体は、つっかけに好適に適用され、しかもつっかけを履くように、爪先を甲先7と足形部分Aとの間に差込み、つまり爪先を肉球から爪先に対応する馬蹄形の部分(2a)と指の上側の部分(2e)との間に差込み、粘着部9,10を足首の上側に張り付けて使用される。
【0217】
肉球から爪先に対応する馬蹄形の部分に配置した発熱組成物(2a)と、指の上側の部分に配置した発熱組成物(2e)は爪先から足の付け根の肉球にわたる部位を上下から加温し、足形部分Aと膨出部Bとにわたる土踏まずに対応する部分に配置した発熱組成物(2b)は土踏まずの凹曲面に馴染んで土踏まずを効率良く加温する。又、踵に対応する部分に配置した発熱組成物(2c)は踵を下側から加温し、足首の後上側に対応する部分に配置した発熱組成物(2c)はアキレス腱及びその周囲を加温する。
【0218】
この足首の後上側に対応する部分に配置した発熱組成物(2c)には湿布剤を含有させて例えばアキレス腱通を治療するための湿布効果が得られるように構成されている。
【0219】
図8の展開図に示す本発明の第6の実施例では、基材1と被覆材3からなる包材が、あたかも、靴下を左右対称的に分割すると共に、靴下の底の中央でこれら左右の部分を連続させた形に形成される。
【0220】
即ち、吸水性と通気性を有する伸縮性不織布(厚さ40g/m)/多孔質フィルム(厚さ40μm)/ポリエステル不織布(厚さ60g/mで、しかも10g/mのCMCを含浸させてなる。)からなる基材1の原反の上に、所定のパターンにペースト状の発熱組成物2を分割して印刷し、これらの上から吸水性と通気性を有する伸縮性不織布(厚さ40g/m)/多孔質フィルム(厚さ40μm)/ポリエステル不織布(厚さ60g/mで、しかも10g/mのCMCを含浸させてなる。)からなる被覆材3の原反を重ね合わせて、基材1及び被覆材3の周縁部を溶断カットして製造される。
【0221】
この場合、基材1と被覆材3との周縁部は封着させていると共に、基材1と被覆材3とはペースト状の発熱組成物2で接着され、これによって、使用中に発熱組成物が外部に漏れたり、或いは基材1と被覆材3との間で発熱組成物2が移動するのを防止されている。又、くるぶしに対応する部分は使用中に擦れることが嫌われるので、この部分を除いた部分にペースト状の発熱組成物2が配置されている。
【0222】
この後、溶断カットして得られた足温用発熱体を靴下の底の中央で折り畳み、爪先から甲を通って足首に至る端縁部11とかかとから足首に至る端縁部12とを包むようにして、例えば長靴の中で使用すれば良いのである。
【0223】
この実施例に係る足温用発熱体は、くるぶしの部分を除いて、足首の上側から足の先までの裏側、甲側及び横側が全体的に加温される。足の皮膚には被覆材3の発泡ポリエチレンシートが触れるので、柔軟性が一層高められて肌触りがよくなる。
【0224】
図9の要部断面図及び図10の平面図に示す本発明の第7の実施例に係る足温用発熱体は、基材1と被覆材3との間に挟むボール紙を省略したものであり、基材1上にペースト状の発熱組成物2をスクリーン印刷し、次いで、基材1及びペースト状の発熱組成物2の上から被覆材3を被せる時に接着剤で接着することにより当該ペースト状の発熱組成物2の全周囲を接合すると同時に接着箇所を、しかも所定の形状に打ち抜く。
【0225】
この実施例において、前記被覆材3は、外層としてポリプレン不織布(出光社製、銘柄:2030、目付量30g/m)3aと、多孔質フィルム(三井東圧社製、銘柄エスポアール、透湿度4000g/m・hr)3bと、内層としてのダンボールKライナー(日本紙業製、銘柄:NSライナー、目付量200g/m、吸水量114g/m )3cとを、メルトブローによって形成した接着剤(NSC製、銘柄:5Q543)を介して積層し、形成されたものであり、この接着剤の目付量は不織布3a・多孔質フィルム3b間では5g/m 、多孔質フィルム3b・ダンボールKライナー3c間では30g/m としている。
【0226】
又、この実施例では、図10に示すように、ペースト状の発熱組成物2の印刷パターンは踵の部分を除いて足の裏全体にわたって形成され、かつ、格子状の非印刷部分により複数の領域に分割されている。この格子状の非印刷部分において基材1と被覆材3とが接着されると同時に外周縁部が接着されており、従って、この実施例では、前記各領域を越えての発熱組成物2の移動が一層確実に防止されると共に、全体としての柔軟性が著しく高められる。
尚、この実施例では全体が中敷形状をしているので、実施例1の場合と異なり、粘着剤層5は形成しなかった。
【0227】
この実施例において、前記構造が異なる点を除く他の構成、即ち、ペースト状の発熱組成物の組成及びその厚さ等は実施例1の場合と同様にした。
【0228】
前記足温用発熱体を気密性袋に封入し、これを30日間放置後、気密性袋を破ってこの足温用発熱体を取り出し、次いで、これを靴底に敷いて使用したところ、7時間30分にわたって優れた温熱効果が得られた。
【0229】
図11の平面図に示す本発明の第8の実施例に係る足温用発熱体、図12の平面図に示す本発明の第9の実施例に係る足温用発熱体、及び図13に示す本発明の第10の実施例に係る足温用発熱体は、足形部分Aの土踏まずの部分に連続する膨出部分B(B1)の他に、爪先の部分から爪先の先端面を覆う膨出部分B(B2)と、この膨出部分B(B2)に連続して爪先から足の甲を覆う膨出部分B(B3)とを備え、使用時に小さく折り曲げられる爪先と膨出部分B(B2)との間の部分及び爪先の二つの膨出部分B(B2,B3)をつなぐ部分を除いて全面的にペースト状の発熱組成物2が配置される。
【0230】
また、図12に示す本発明の第9の実施例に係る足温用発熱体及び図13に示す本発明の第10の実施例に係る足温用発熱体では、特に足指などの動作が活発な部位に対応する爪先側の膨出部分B(B2,B3)がペースト状の発熱組成物2を細かく分けて配置され、この部分の発熱組成物2の移動を一層確実に、かつ、きめ細かに防止するようにしている。
【0231】
これらの足温用発熱体によれば、使用時に膨出部分B(B2,B3)を爪先から甲の上に極めて容易に折り返すことにより、爪先部分を足の裏と、爪先側と、甲側との三方から温めることができる。
【0232】
又、図12に示す本発明の第9の実施例に係る足温用発熱体及び図13に示す本発明の第10の実施例に係る足温用発熱体の場合には、ペースト状の発熱組成物2を複数の領域に小分けして印刷し、発熱組成物2や発熱反応の生成物が移動することを一層確実に防止するようにしている。
【0233】
更に、図13に示す本発明の第10の実施例に係る足温用発熱体の場合には、足形部分Aの足先側の両側部から止め帯13が連出され、これら止め帯13の先端部には粘着層14を積層させている。
【0234】
使用時には、図14の平面図に示すように、甲の上に折り返した膨出部分B(B3)の上に、両止め帯13を被せ、その粘着層14を膨出部分B(B3)上に接着させることにより、スリッパのような形状に形成される。
【0235】
前記各実施例に係る複雑な足温用発熱体は、発熱組成物として、特にペースト状の発熱組成物を用いているから、従来では到底不可能な印刷等の手法によって、基材上に任意のパターンでペースト状の発熱組成物を積層できるのである。
【0236】
図示しないが、基材であるダンボール中芯180g/mの全面に、実施例1で用いたものと同様のペースト状発熱組成物を820μmの厚みに転写し、さらにその上に被覆材として前記基材と同様のダンボール中芯180g/mを重ねロールを通して前記ペースト状の発熱組成物の粘性により、前記の基材と被覆材とを張り合わせ、これによって、長尺状の発熱シートを製造し、次いで、この長尺状の発熱シートをロールプレスを用い連続的に中敷状に打ち抜いた後、この打ち抜いて得られた足温用発熱体をポリエチレンフィルム40μm/ポリエステルフィルム12μmからなる積層フィルムとポリエチレン多孔質フィルム40μm/ポリプロピレン不織布30g/mからなる積層フィルム(透湿度850g/m・hr)の間に介在させ、この積層体を、前記足温用発熱体よりその全周にわたって7mm程度大きくなるように打ち抜くと同時にヒートシールし足温用発熱体を得た。
【0237】
次いで、この足温用発熱体を非通気性袋に封入し、1日経過後、この非通気性袋を破ってこの足温用発熱体を取り出し、これを靴底に敷いて使用したところ、6時間以上にわたって優れた温熱効果が得られた。
【0238】
この場合、基材および被覆材が安価であり、しかも2枚のフィルムがヒートシールによって封着可能であるから連続的に足温用発熱体が得られるのである。
【0239】
又、基材と被覆材がペースト状の発熱組成物の粘性によって接着されているから、発熱シートの製造が至極容易で、しかも廉価にできるのである。
【0240】
更に、発熱体が通気性のダンボール中芯を用い、接着されないでサンドされた状態で包装されているため、歩行中に空気がその表裏に回り易くなる結果、発熱体の空気との接触面積が表裏となるので、片面通気でも反応効率が高まるのである。
【0241】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明第1方法は水でペースト状に粘化させた発熱組成物を用いているので、従来の湿潤性で、且つ粉末状の発熱組成物に比べて、流動性が著しく高く、高速で送られる基材の上に印刷あるいはコーティングによって連続して正確に所定の範囲に、均一に、かつ、非常に薄く積層することができるのである
【0242】
従って、まず、基材上にペースト状の発熱組成物を非常に薄く積層できるので、靴の中にいれても厚さが問題にならない程度の超薄形の足温用発熱体を得ることができるのであり、このように、足温用発熱体を超薄形にできることから、柔軟で使用に際しての違和感がなく、又、足の湾曲部や屈曲部等、任意の部位の複雑な凹凸形状に対する馴染性の高い足温用発熱体を得ることができる、という格別顕著な効果が得られる。
【0243】
又、水でペースト状に粘稠化させた発熱組成物を基材上における所定の範囲に正確に積層できることから、当該ペースト状の発熱組成物を無駄無く足の任意の部位に対応する範囲に正確に分布させることができるのであり、このように加温が必要な足の任意の部位を効果的に加温することができる結果、優れた採暖効果が得られると共に、血行促進などの全身作用を効果的に得られる上、従来のように周囲への発熱組成物の粉末の放散がない、という格別顕著な効果が得られる。
【0244】
更に、前述のように、基材上にペースト状の発熱組成物を均一に積層できることから、発熱組成物の分布の偏りによる異常高温点ないし異常高温部が生じることが防止され、低温火傷の発生を防止でき、使用時の安全性が高められる、という効果が得られる。
【0245】
特に、本発明第1方法においては、水でペースト状に粘稠化させることによって当該水が発熱物質と空気との接触を制限するバリヤー層となるように形成した発熱組成物を用いる点に最も大きな特徴を有し、即ち、このペースト状の発熱組成物は、印刷やコーティング等による転写が至極容易で、且つ高速で超薄形の発熱体を製造できるのであり、しかも従来の発熱組成物と比較して水分を余剰に含む場合、この余剰水分がバリヤー層となるので、空気の供給量が減少して発熱反応を実質的に停止する結果、製造時の発熱ロス、発熱組成物の品質低下及び発熱組成物の凝固に伴う種々の弊害が防止される効果を有する。
【0246】
次に、本発明第1方法においては、このペースト状の発熱組成物を基材上面における少なくとも1箇所の所定領域に、印刷或いはコーティングによって足の任意の部位を覆う形状に積層した後、この発熱組成物を覆うようにフィルム状又はシート状の被覆材が被せられるが、例えば高速で送られる基材及びペースト状の発熱組成物上に被覆材をローラで案内することにより、高速で送られる基材及びペースト状の発熱組成物を停止させることなく、それらの上に被覆材を被せることができる。又、本発明第1方法では、従来と同様に被覆材を被せた後に発熱体が所定の形状に形成され、更に形成された発熱体を気密性袋に封入されるが、この発熱体の形成及び気密袋への封入は被覆材を被せることに同調させて行える。
【0247】
従って、本発明第1方法によれば、基材の送り出しに同調して、ペースト状の発熱組成物を積層するペースト状発熱組成物積層装置、被覆材を被せる被覆材積層装置、足温用発熱体を形成する発熱体形成装置、及び足温用発熱体を気密性袋に封入する包装装置を作動させることにより、例えば基材を従来の数倍も速い毎分160m以上の高速で連続して送り出しながら、足温用発熱体を製造し、包装することができ、多量生産により安価に足温用発熱体を製造できる、という効果が得られる。
【0248】
又、基材上にペースト状の発熱組成物と被覆材とを積層して足温用発熱体を形成し、更に、この足温用発熱体を成形し、包装するまでの工程を一貫して例えば0.1〜0.数秒程度の極短時間内に行うことができるので、製造工程において発熱組成物が発熱可能な条件になることがなく、製造工程においてペースト状の発熱組成物が発熱することを完全に防止できる。
【0249】
この結果、製造工程における発熱が原因となる発熱ロス、発熱組成物の品質低下、凝固などを完全に防止できる結果、歩留りの低下、取り扱いの困難性、製造装置のメンテナンスの煩雑性、製造装置の稼働時間ないし作業者の就業時間に対する制約、凝固物処理の困難性などの種々の弊害を無くすことができ、高品質で、しかも、この高品質に対する信頼性の高い発熱体を一層安価に得られる、という効果が得られる。
【0250】
しかも、このような高速製造を行うに当り、基材の供給装置、ペースト状の発熱組成物の積層装置、被覆材の積層装置、足温用発熱体の打抜装置などの成形装置、足温用発熱体を気密性袋に封入する包装装置などを連続運転して製造できるので、ペースト状の発熱組成物を基材に投下するためにこれらの装置の間欠駆動を余儀なくされていた従来の発熱体の製造方法に比べて、これらを同調させるには運転速度を同調させるという調整をすればよく、各操作の動作タイミングの調整が不要になり、著しく簡単な制御の調整をすればよく、又、各装置の動作タイミングを制御する手段が不要になり、各装置の構成を簡単にできるという効果が得られる。
【0251】
本発明第1方法において、基材及び被覆材が伸長性ないし伸縮性を有する場合には、足の任意の部位の複雑な凹凸形状に発熱体を馴染ませるのが一層容易になる上、足の動作によるこの凹凸形状の変化に対する追従性が高められ、足温用発熱体の剥離ないし着用部位からの浮き上がりが確実に防止され、この剥離や浮き上がりにより採暖効果や血行促進などの全身作用促進効果の低下を防止できる。
【0252】
更に、本発明第1方法において、基材及び/又は被覆材が吸水性を有するものである場合には、使用時までにペースト状の発熱組成物の余剰水分を基材及び/又は被覆材に吸収させて、ペースト状の発熱組成物中の水分配合率を発熱に適した配合率に調整することができる結果、使用に際して気密性袋を破ることにより直ちに発熱が開始されるようにすることができ、速やかに所要の発熱温度が得られるようになると共に、発熱反応の進行に伴い発熱組成物から蒸散した水分を基材及び/又は被覆材からの放水により補充でき、長時間にわたって所要の発熱温度を保持できるようになる、という効果が得られる。
【0253】
又、本発明第1方法において、基材及び/又は被覆材が吸水性を有するものである場合には、ペースト状の発熱組成物中の余剰水分を吸収することに伴って当該発熱組成物が基材及び/又は被覆材に引き寄せられ、ペースト状の発熱組成物の一部が基材及び/又は被覆材に食い込んでアンカー効果を生じ、このアンカー効果によりペースト状の発熱組成物を基材及び/又は被覆材に固定できる効果が得られる。
【0254】
従って、発熱反応に伴う減圧を利用して発熱組成物を包材内で固定する従来方法に比べて、確実にペースト状の発熱組成物を固定することができ、足温用発熱体が超薄形に形成されることと相まってペースト状の発熱組成物が包材内で移動したり、偏ったりすることを確実に防止できる。この結果、例えば使用に際して足温用発熱体を手で振って分布量の偏り無くす必要がなくなり、簡便に使用できるようになる上、ペースト状の発熱組成物の偏在による異常高温点ないし異常高温部が生じることが確実に防止され、低温火傷の発生を確実に防止でき、使用時の安全性が一層高められる、という効果が得られる。
【0255】
ここで、基材及び/又は被覆材における少なくともペースト状の発熱組成物との接触箇所には吸水層が形成されている場合は、基材及び/又は被覆材に要求される吸水性が損なわれることなく、資材費用を節約できる、という効果が得られる。
【0256】
又、基材及び/又は被覆材が、気密性或いは通気性のフィルム又はシートの内面或いは両面に、吸水性を有する吸水材を積層している場合には、気密性或いは通気性のフィルム又はシートにより基材及び/又は被覆材に必要な機械的強度が充分に得られるとともに、吸水材の積層範囲を選択することにより、基材及び/又は被覆材の一部、例えば発熱組成物との接触箇所のみに吸水性を賦与することが容易になる、という効果が得られる。
【0257】
この場合、吸水材が、発泡フィルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、吸水剤を含有、含浸、積層又は担持させて吸水性が付与或いは増大されたものである場合には、吸水材の吸水性を任意に調整できる、という効果が得られる。
【0258】
本発明第1方法において、例えばペースト状の発熱組成物の上面の一部に更にペースト状の発熱組成物が印刷やコーティング等により積層されていることにより発熱組成物の層厚が部分的に厚く形成されている場合、或いは、ペースト状の発熱組成物の上面の一部に金属粉、吸水剤或いは炭素成分から選ばれた少なくとも金属粉を積層して当該発熱組成物の一部を重厚にしている場合には、この発熱組成物を重厚にした部分の発熱量を高くしたり、指圧的効果を発現させたり、初期温度の立ち上がりを急速にしたりすることができる。
【0259】
従って、これらの場合には、特に加温の有用性が高い、足の経穴及び/又はその近傍部に対応する局所で厚くして、温灸効果を得たり、爪先などの冷え易い部位の採暖効果を高めたりすることができ、しかも、発熱温度管理によって低温火傷の発生を防止し、使用時の安全性を高めることができる、という効果が得られる。
【0260】
本発明第1方法において、基材又は被覆材において、そのいずれか一方の露出面に粘着剤層が形成されており、且つそのいずれか他方の少なくとも一部が通気性を有するものである場合には、発熱組成物と空気との接触を妨げることなく、粘着剤層を足の皮膚に直接に貼付けたり、靴下や靴底に貼付けたりすることができる結果、しごく簡便に足温用発熱体を足の任意の部位に固定することができる、という効果が得られる。
【0261】
この場合に、粘着剤層に遠赤外線放射体、磁気体又は経皮吸収性薬物のうちの少なくとも1種が含有又は担持させていると、遠赤外線加熱効果、遠赤外線治療効果、磁気治療効果、薬物による治療効果などが得られることはもとより、これらの効果が発熱体の発熱による血行促進などの全身作用促進効果と相乗的に作用して一層その効果が高められる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の平面図である。
【図2】本発明の第1の実施例の断面模式図である。
【図3】本発明の第2の実施例の平面図である。
【図4】本発明の第3の実施例の平面図である。
【図5】本発明の第4の実施例の平面図である。
【図6】本発明の第4の実施例の斜視図である。
【図7】本発明の第5の実施例の斜視図である。
【図8】本発明の第6の実施例の展開図である。
【図9】本発明の第7の実施例の断面模式図である。
【図10】本発明の第7の実施例の平面図である。
【図11】本発明の第8の実施例の平面図である。
【図12】本発明の第9の実施例の平面図である。
【図13】本発明の第10の実施例の平面図である。
【図14】本発明の第10の実施例の使用時の平面図である。
【符号の説明】
1 基材
2 ペースト状の発熱組成物
3 被覆材

Claims (8)

  1. 水でペースト状に粘稠化させることによって当該水が発熱物質と空気との接触を制限するバリヤー層となるように形成した発熱組成物を、フィルム状又はシート状の基材上面における少なくとも1箇所の所定領域に、印刷或いはコーティングによって足の任意の部位を覆う形状に積層した後、このペースト状の発熱組成物を覆うようにフィルム状又はシート状の被覆材を被せて、当該発熱組成物の水分の一部を基材及び/又は被覆材などの包材に吸収させて前記バリヤー層を喪失させることにより空気との接触を良好にし、しかも前記の基材と被覆材のうち少なくとも一方或いは一部が通気性を有するものであることを特徴とする足温用発熱体の製造方法。
  2. ペースト状の発熱組成物の外周囲部において、基材と被覆材とが粘着又は熱接着若しくは熱融着によって封着されている請求項1に記載の足温用発熱体の製造方法。
  3. 基材及び/又は被覆材が吸水性を有するものである請求項1又は2に記載の足温用発熱体の製造方法。
  4. 基材及び/又は被覆材における少なくとも発熱組成物との接触箇所には吸水層が形成されている請求項1ないしのいずれか1項に記載の足温用発熱体の製造方法。
  5. 基材及び/又は被覆材が、非通気性或いは通気性のフィルム又はシートの内面に、吸水性を有する吸水材を積層している請求項1ないしのいずれか1項に記載の足温用発熱体の製造方法。
  6. 吸水材が、吸水性を有する発泡フィルム・シート、紙、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートである請求項に記載の足温用発熱体の製造方法。
  7. ペースト状の発熱組成物の上面の一部又は全部に金属粉、吸水剤或いは炭素成分から選ばれた少なくとも金属粉を転写或いは散布して当該発熱組成物の一部又は全部を重厚にしている請求項1ないし6のいずれか1項に記載の足温用発熱体の製造方法。
  8. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の足温用発熱体の製造方法で得られた足温用発熱体
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