JPH08231386A - 温熱貼付剤 - Google Patents

温熱貼付剤

Info

Publication number
JPH08231386A
JPH08231386A JP6713095A JP6713095A JPH08231386A JP H08231386 A JPH08231386 A JP H08231386A JP 6713095 A JP6713095 A JP 6713095A JP 6713095 A JP6713095 A JP 6713095A JP H08231386 A JPH08231386 A JP H08231386A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive layer
heat
sheet
film
support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6713095A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiji Miyashita
永二 宮下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FELIX KK
Original Assignee
FELIX KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by FELIX KK filed Critical FELIX KK
Priority to JP6713095A priority Critical patent/JPH08231386A/ja
Publication of JPH08231386A publication Critical patent/JPH08231386A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Thermotherapy And Cooling Therapy Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、温熱貼付剤において、発熱組成物
を封入する偏平状袋体を伸長性のフィルム或いはシート
で形成したり、或いは発熱体が複数に分割され、しかも
支持体が伸長性の材料で形成されていることにより、肘
や膝等の関節部更に肩や腕等の人体における湾曲部や伸
縮部更に屈伸部に追従して密着し、又、使用中に突っ張
り感や違和感がないので使用感が良好であり、しかも使
用中に剥離の発生がなく、更に、人体との密着性が良好
であるから、優れた温熱効果や患部の治療効果が得られ
る温熱貼付剤を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、少なくとも片面が通気性フィルム
・シートで形成された開放部のない偏平状袋体の内部
に、空気の存在によって発熱する発熱組成物を封入して
なる発熱体と、この発熱体における皮膚貼着面側に形成
された粘着層からなり、上記偏平状袋体が伸長性のフィ
ルム或いはシートで形成されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外皮に貼付されて温熱
効果や患部の治療効果を発現させる温熱貼付剤に関する
ものであり、特に、肘や膝等の関節部更に肩や腕等の人
体における湾曲部や伸縮部更に屈伸部に追従して密着
し、しかも使用中に突っ張り感や違和感がないので使用
感が良好である上、使用中に剥離がない温熱貼付剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、種々の目的で人体に適用され
る貼付剤には粘着剤が用いられているが、この粘着剤と
してはその目的によって多種、多用のものが用いられて
いる。
【0003】又、この貼付剤を大別すると、発熱体を備
えるものと、発熱体を備えないものとに分類されている
が、最近、温熱治療が注目されており、発熱体を備える
シップ剤等が大量に生産、販売されている。
【0004】この場合、発熱体としては、通気性フィル
ムで構成された開放部のない偏平状袋体の内部に、発熱
組成物、例えば鉄粉、活性炭及び塩類等からなる発熱組
成物を封入してなるものが提案されている(特開昭50
−54188号公報、特開昭53−47154号公報、
特開昭53−60885号公報、特開昭54−1559
84号公報、特開昭55−14067号公報、特開昭5
5−166147号公報、特開昭62−103014号
公報、実公昭58−22733号公報等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
温熱型の貼付剤は一つの発熱体で形成され、しかも偏平
状袋体が伸長性の無いフィルムやシートで形成されてい
るから、伸長性が全くない上、屈曲性も殆ど無いのであ
り、従って、この種、温熱型貼付剤を肩や腕更に肘や膝
等の人体における湾曲部や伸縮部更に屈伸部に適用して
使用した場合、温熱型貼付剤の復元力によって使用中に
剥離し、外皮との密着性が悪くなって、所要の温熱効果
や患部の治療効果を発現させることができないなどの致
命的な欠陥がある。
【0006】又、従来の温熱型の貼付剤は、上述のごと
く、伸縮性等の伸長性がないから、この温熱型貼付剤を
肘や膝等の関節部のような湾曲部や伸縮部更に屈伸部に
適用して使用した場合、人体の伸縮運動や屈伸運動に追
従できない結果、使用中に突っ張り感や違和感が生じて
使用感が悪いという課題もある。
【0007】更に、この温熱型の貼付剤は外皮に直接当
てて使用するものであり、皮膚との密着性にバラツキが
生じると、密着部位と剥離部位とで温度のバラツキが生
じ、この点からも使用感が悪くなる。
【0008】特に、この温熱型の貼付剤において、薬物
含有の粘着層を用いた場合、皮膚との密着性にバラツキ
が生じると、薬物の経皮吸収性にバラツキが生じ、その
結果、所要の薬理効果が得られないという、致命的な欠
陥も生じるのである。
【0009】本発明は、上記技術的課題を解決するため
に完成されたものであって、この種、温熱貼付剤におい
て、発熱組成物を封入する偏平状袋体を伸長性のフィル
ム或いはシートで形成したり、発熱体が複数に分割され
ており、しかも上記支持体が伸長性の材料で形成されて
いることにより、肘や膝等の関節部更に肩や腕等の人体
における湾曲部や伸縮部更に屈伸部に追従して密着し、
又、使用中に突っ張り感や違和感がないので使用感が良
好であり、しかも使用中に剥離の発生がなく、更に、人
体との密着性が良好であるから、優れた温熱効果や患部
の治療効果が得られる温熱貼付剤を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願の第1発明(以下、
本願第1発明という)に係る温熱貼付剤は、上記の目的
を達成するために、少なくとも片面が通気性フィルム・
シートで形成された開放部のない偏平状袋体の内部に、
空気の存在によって発熱する発熱組成物を封入してなる
発熱体と、この発熱体における皮膚貼着面側に形成され
た粘着層からなり、上記偏平状袋体が伸長性のフィルム
或いはシートで形成されていることを特徴とするもので
ある。
【0011】本願の第2発明(以下、本願第2発明とい
う)に係る温熱貼付剤は、上記の目的を達成するため
に、支持体に保持され、且つ外皮に貼着される粘着層
と、この支持体における粘着層側と反対側に積層された
複数の発熱体からなり、この発熱体が所定の間隔を隔て
て隔設されており、しかも上記支持体が伸長性のフィル
ム或いはシートで形成されていることを特徴とするもの
である。
【0012】本願の第3発明(以下、本願第3発明とい
う)に係る温熱貼付剤は、上記の目的を達成するため
に、支持体に保持され、且つ外皮に貼着される粘着層
と、少なくとも片面が通気性フィルム・シートで形成さ
れた開放部のない偏平状袋体が複数の部屋に隔設されて
おり、この各部屋の内部に、空気の存在によって発熱す
る発熱組成物を封入して形成された発熱体からなり、上
記偏平状袋体には、発熱体と発熱体の間に切り込みが形
成されており、しかも上記支持体が伸長性のフィルム或
いはシートで形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0013】本願の第4発明(以下、本願第4発明とい
う)に係る温熱貼付剤は、上記の目的を達成するため
に、非伸長性の支持体上に積層され、且つ少なくとも片
面が通気性フィルム・シートで形成された開放部のない
偏平状袋体が複数の部屋に隔設されており、この各部屋
の内部に、空気の存在によって発熱する発熱組成物を封
入して形成された発熱体と、上記支持体の露出面に形成
された粘着層からなり、上記の支持体或いは支持体と粘
着層には、発熱体と発熱体の対応する箇所において、切
り込みが形成されており、しかも上記偏平状袋体が伸長
性のフィルム或いはシートで形成されていることを特徴
とするものである。
【0014】本願の第5発明(以下、本願第5発明とい
う)に係る温熱貼付剤は、上記の目的を達成するため
に、非伸長性の支持体の片面に積層され、且つ少なくと
も片面が通気性フィルム・シートで形成された開放部の
ない偏平状袋体が複数の部屋に隔設されており、この各
部屋の内部に、空気の存在によって発熱する発熱組成物
を封入して形成された発熱体と、上記偏平状袋体の露出
面に形成された粘着層からなり、上記支持体には、発熱
体と発熱体の対応する箇所において、切り込みが形成さ
れており、しかも上記偏平状袋体が伸長性のフィルム或
いはシートで形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0015】この明細書において、本発明とは、本願第
1〜5発明を含む意味であり、又、外皮とは、健常なも
のだけでなく、患部も含めた意味である。
【0016】更に、この温熱貼付剤においては、単に外
皮に熱を与えて寒さを凌ぐために用いられるものの他、
患部に温熱を加えることにより、例えば薬物治療効果が
乏しい慢性疾患や温熱による治療効果が期待できる人体
に適用されたり、経皮吸収性の薬物投与によって治療効
果が期待できる人体に適用されるものである。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。本願第1
発明に係る温熱貼付剤は、少なくとも片面が通気性フィ
ルム・シートで形成された開放部のない偏平状袋体の内
部に、空気の存在によって発熱する発熱組成物を封入し
てなる発熱体と、この発熱体における皮膚貼着面側に形
成された粘着層からなり、上記偏平状袋体が伸長性のフ
ィルム或いはシートで形成されていることを特徴とする
ものである。
【0018】本願第1発明の温熱貼付剤においては、少
なくとも片面が通気性フィルム・シートで形成された開
放部のない偏平状袋体の内部に、空気の存在によって発
熱する発熱組成物を封入してなる発熱体と、この発熱体
における皮膚貼着面側に形成された粘着層からなる基本
的な構成を有する。
【0019】そして、本発明においては、上記偏平状袋
体が伸長性のフィルム或いはシートで形成されている
点、に最も大きな特徴を有する。
【0020】本発明で用いられる支持体としては、使用
中や取扱中に破損しない程度の強度を有し、しかも伸長
性を有するものであれば特に限定されるものではない。
【0021】本発明において、伸長性とは、引っ張り力
を与えると破損する事なく伸びる性質、特に、元の長さ
の1.2倍以上伸長することができる性質のことであ
り、この引っ張り力を除くと元の状態にもどるか否かは
問わない。
【0022】従って、本発明においては、偏平状袋体
が、引っ張り力を与えると破損する事なく伸びるフィル
ム或いはシート、特に、元の長さの1.2倍以上伸長す
るフィルム或いはシートで形成されたものであれば特に
限定されるものではない。
【0023】具体的には、厚さ15μm以下の合成樹脂
製単層フィルムで形成された偏平状袋体、特に、厚さ5
〜12.5μmの合成樹脂製単層フィルムで形成された
偏平状袋体が挙げられるのであり、厚さが15μmを超
えると、所要の伸長性が得られない場合があるので好ま
しくない。
【0024】この合成樹脂としては、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体等が挙げられる。
【0025】ところで、本発明においては、人体におけ
る湾曲部や伸縮部更に屈伸部に好適に適用されるように
したものであるから、伸長性の材料が、伸縮性の材料、
特に、伸縮性のフィルム、シート、織布又は不織布或い
はこれらの積層体であるものが、至極伸縮し易く、肘や
膝等の関節部更に肩や腕等の人体における湾曲部や伸縮
部更に屈伸部に一層追従して優れた密着性を有し、しか
も使用中に突っ張り感や違和感がないので、一層使用感
が良好である上、使用中の剥離が確実に防止されるの
で、一層優れた温熱効果や患部の治療効果を発現させる
ので最も望ましい。
【0026】本発明においては、伸縮性のフィルム、シ
ート、織布又は不織布或いはこれらの積層体が天然ゴ
ム、合成ゴムまたは熱可塑性エラストマーで形成された
ものが、伸縮性が大で取り扱い易く、しかも熱可塑性エ
ラストマーは熱融着性を有するので、温熱貼付剤の製造
がしごく容易であるので望ましい。
【0027】勿論、本発明においては、支持体が熱融着
性を有するか否かは問うものではなく、熱融着性の無い
支持体であれば、ホットメルト系の接着剤を用いて接着
すれば良いのである。
【0028】上記合成ゴムとしては、具体的には、例え
ばブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジ
エンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロ
プレンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、ポリアル
キレン・スルフィド、シリコーンゴム、ポリ(クロル・
トリフルオロエチレン)、フッ化ビニリデン−6フッ化
プロピレン・コポリマー、ウレタンゴム、プロピレンオ
キシドゴム、エピクロルヒトリンゴム、アクリル酸エス
テル−アクリロニトリル・コポリマー又はアクリル酸エ
ステル−2−クロルエチルビニルエーテル・コポリマー
等が挙げられる。
【0029】又、上記熱可塑性エラストマーとしては、
具体的には、例えばオレフィン系エラストマー、ポリウ
レタン系エラストマー又はポリエステル系エラストマー
等が挙げられる。
【0030】上記オレフィン系エラストマーとしては、
具体的には、例えばエチレン−プロピレン・コポリマ
ー、エチレン−プロピレン−ジエン・ターポリマー、ク
ロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン又は
エチレン−酢酸ビニル・コポリマー等が挙げられる。
【0031】上記伸縮性のフィルム、シート、織布又は
不織布或いはこれらの積層体の厚さとしては、これらを
用いて形成された偏平状袋体に引っ張り力を与えると、
当該偏平状袋体が破損する事なく、元の長さの1.2倍
以上伸縮するものであれば特に限定されるものではな
い。
【0032】具体的には、厚さが500μm以下の伸縮
性の材料で形成された偏平状袋体、特に、厚さが10〜
200μmの伸縮性の材料で形成された偏平状袋体が挙
げられるのであり、厚さが500μmを超えると、材料
コストが嵩む上、厚くなり過ぎて取扱性が悪くなり、し
かも使用感も悪化するので好ましくない。
【0033】本発明においては、上記の少なくとも片面
が通気性を有し、且つ伸長性を有する偏平状袋体の内部
には、空気の存在によって発熱する発熱組成物が封入さ
れ、これによって、発熱体が形成される。
【0034】発熱体において、化学的な反応熱を利用す
るものとしては空気の存在下で発熱する、いわゆる発熱
カイロ等が挙げられる。この発熱組成物としては、例え
ば特公昭60−12381号公報、特公昭61−811
6号公報及び特公昭63−24030号公報等、種々の
ものが提案されているが、特に、その組成としては金属
粉系、反応助剤、水及び保水剤から構成されるもので、
空気の存在下で発熱する物質が好ましい。具体的には還
元鉄粉、活性炭、保水剤、塩化ナトリウムや塩化カリウ
ム等の金属の塩化物等を適宜配合したものが挙げられ
る。
【0035】この場合、発熱体の温度条件としては特に
限定されるものではないが、特に、低温火傷が発生しな
い範囲に制御することが好ましいのであり、この観点か
ら、粘着層の表面温度を38〜43℃に制御するのが好
ましい。
【0036】この温熱型の温熱貼付剤は、冬期におい
て、単に、人体に温熱を供給して快適に過ごすことがで
きるだけでなく、局所のこり、疼痛及び冷え等を伴う症
状、例えば肩こり、筋肉痛、筋肉のこり、腰痛、手足の
冷え、神経痛、リューマチ、打ち身、捻挫等の疾患に使
用され、温熱による治療効果を充分に期待できるのであ
る。
【0037】本発明で用いられる発熱体としては特に限
定されるものではないが、特に、以下に述べる発熱体
が、低温火傷の発生がなく安全であり、又、優れた温熱
効果を比較的長時間にわたって提供できるうえ、使用中
に異臭がなく、しかも発熱組成物の偏りがないので使用
感が優れる結果、至極有益である。
【0038】又、本発明に用いられる発熱組成物は、空
気の存在下で発熱反応を起こすものが用いられるが、こ
の発熱組成物としては、例えば、鉄粉と、この鉄粉の酸
化反応を起こさせたり、pHの調整及び触媒作用を有す
る活性炭、鉄粉表面の酸化皮膜を破壊し、鉄粉の酸化反
応を円滑に進行させるための塩化ナトリウム、更に水、
及び該水によるベトツキをなくするために用いられる保
水剤からなる。
【0039】この場合、上記発熱組成物は上記偏平状袋
体に均一に封入されるが、その充填量は、特に限定され
るものではないが、一般に100〜5000g/m2の範
囲とするのが望ましく、その充填量が、100g/m2
満であると発熱組成物の充填量が少な過ぎて所望の温度
を長時間に亘って維持できず優れた温熱効果が得られな
いのであり、一方、5000g/m2を超えると発熱組成
物の充填量が過剰になって袋詰めが困難になったり、貼
付剤が厚くなり過ぎて使用感や携帯性が悪くなるうえ、
不経済であるから好ましくない。
【0040】ところで、上記発熱組成物中の各成分は製
法、用途によって種々のものがあるが、使捨てカイロに
用いられるものであれば、種類、形状、純度を問わず、
使用が可能である。
【0041】又、上記保水剤としては、保水性が高く、
発熱組成物においてそのベトツキを無くするものであれ
ば特に限定されるものではないが、具体的には、例えば
バーミキュライト、シリカ粉、木粉、吸水性ポリマーの
うち少なくとも一種が挙げられる。
【0042】ところで、この発熱組成物を封入する袋
は、少なくとも片面が通気性を有するフィルムからなる
側面シール型、2方シール型、三方シール型、封筒型、
中央合掌シール型などのプラスチック小袋に形成すれば
よく、発熱組成物を投入あるいは挟入してから開放部を
シールすることにより密封される。
【0043】この袋のシール方法としてはヒートシール
が多用されるが、表裏両側のフィルム或いはシートが互
いにヒートシールできない素材で作られている場合に
は、両側の樹脂フィルムの間にホットメルト系接着剤な
どの接着剤、或いは、ホットメルト系の接着フィルムを
介在させて接合させることができる。
【0044】本発明において、特に好適な発熱体として
は、上記特定の偏平状袋体の内部に、鉄粉30〜75重
量%、活性炭1〜10重量%、塩化ナトリウム等の塩化
物1〜10重量%、水10〜40重量%及び保水剤1〜
30重量%からなる発熱組成物を封入してなるものが挙
げられる。
【0045】この場合において、発熱体からの温熱を一
層厳格に制御して、一層安全で、しかも一層優れた温熱
効果を確保するために、特に、通気性フィルムの透湿量
がASTM法(E−96−80D法)で50〜800g
/m・24hrのものが望ましい。
【0046】このように、透湿度で通気性フィルムを管
理するのは、温度が安定するだけでなく、発熱時間もほ
ぼ一定化するからである。
【0047】即ち、このように、温度範囲を38〜43
℃という微妙な範囲に設定するには、発熱組成物の組成
と、フィルムを通気度で管理するのではなく、透湿度で
管理する必要があり、しかも通気性フィルムの透湿度を
ASTM法(E−96−80D法)で50〜800g/
・24hrとすることにより、空気(酸素)と発熱
組成物との酸化反応による発熱と、水の蒸散等による放
熱のバランスによって温度が制御されるのである。
【0048】又、透湿度を上記範囲にコントロールする
ことにより、空気(酸素)と発熱組成物との酸化反応に
よって酸素が消費され(減圧状態)、一方、発熱によっ
て蒸気圧が上昇するが、この両方の相殺によっても上記
特定の偏平状袋体内は減圧状態になり(蒸気圧の上昇よ
り空気中の酸素の消費による体積の減少の方が大)、こ
のため発熱組成物は偏平状袋体によって押圧されるので
発熱組成物が固定され、偏りがなく、従って、温熱型の
温熱貼付剤の形状が一定で、しかも温熱貼付剤全面の温
度が均一になるので、優れた温熱貼付剤が得られるので
ある。
【0049】事実、このように水蒸気透過性を制御した
通気性フィルムを用いると、使用中の温度変化が小さ
く、しかもロット間のバラツキが極めて小さく安定した
温度特性が再現性良く得られる。
【0050】又、上記特定の偏平状袋体においてその他
面は上記の通気性フィルムと同様のものを用いて形成し
てもよく、或いは他のフィルムやシートを用いて形成し
てもよいのであり、通気性や透湿性の有無は問わない。
【0051】又、上記特定の偏平状袋体は、目的に応じ
て2層以上の樹脂層で形成されたものでもよいが、その
素材の選択に当たり、ヒートシール性があり、簡単に熱
融着できるものを選ぶのが好ましい。この場合、2層以
上の樹脂層が熱融着できないときには、その間にホット
メルト系の接着フィルムを介在させてこれらの樹脂層を
接合してもよいが、このように構成することにより、片
面の通気性フィルムの透湿性が失われないように注意す
ることを要する。
【0052】ところで、この特定の偏平状袋体の強度を
増大させるために、更に、伸長性の織布又は不織布から
なる通気性補強用フィルムを積層するのが望ましく、こ
の場合、この伸長性の織布又は不織布からなる通気性補
強用フィルムで偏平状袋体の片面、或いは両面を補強し
てもよい。上記ASTM法(E−96−80D法)とは
以下に述べる方法である。
【0053】即ち、カップ内径(直径)6.18cm、
高さ1.5cmの容器内に純水20mlを入れ、該容器
の上面を通気性フィルムで閉蓋してロウで固定し、これ
を恒温(32.2℃)、恒湿(50%)の中に24時間
放置する。次いで、この容器内の水を減少量を測定し、
放出(蒸散)した水の量を[g/m2・24hr]に換
算して表示する。
【0054】通気性フィルムの透湿量が、50g/m2
・24hr未満であると発熱量が少な過ぎて温湿布効果
が乏しくなるので好ましくなく、一方、800g/m2
・24hrを超えると温度が上昇して最高温度が50℃
を超える場合があり、このため、低温火傷の危険性があ
るのでこの場合も好ましくなく、従って、通気性フィル
ムの透湿量が、好ましくは75〜700g/m2・24
hr、特に、100〜450g/m2・24hrの範囲
のものが最も望ましい。
【0055】又、本発明で用いられる粘着層としては、
外皮に貼着可能なものであれば特に限定されるものでは
なく、具体的には、例えば湿布層又は粘着剤で形成され
た層、つまり粘着剤層が挙げられる。
【0056】上記粘着剤層としては、溶剤型粘着剤、エ
マルジョン型粘着剤又はホットメルト型粘着剤で形成さ
れた層が挙げられる。
【0057】粘着層としては、具体的には、例えばゴム
系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤、エチレンー酢酸ビニル
系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニル
アセタール系粘着剤、塩化ビニル系粘着剤、アクリル系
粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ポリエチレン系粘着剤、
セルロース系粘着剤、ポリサルファイド粘着剤又はホッ
トメルト型高分子物質を含有する粘着剤で形成された層
が挙げられるが、これらのうち、皮膚貼着性が良好で、
しかも皮膚刺激が少ない上、温熱を与えても粘着力の低
下が少ない等の理由より、ゴム系粘着剤、アクリル系粘
着剤又はホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤で
形成された層が望ましく、特に、ホットメルト型高分子
物質を含有する粘着剤は、初期タック力が強く、加温時
の粘着性が非常に優れ、しかも、後述のように、発泡等
によって多数の微細な連通孔を有する粘着層を簡単に形
成できるので最も有利である。
【0058】これらの粘着剤は、溶剤型の粘着剤やエマ
ルジョン型の粘着剤のいずれでも良いのである。
【0059】この粘着層の厚さとしては特に限定される
ものではないが、5〜1000μm、特に、10〜50
0μm、更に好ましくは15〜250μmとするのが好
ましく、粘着層の厚さが、5μm未満になると所要の皮
膚粘着力を得られない場合があり、一方、1000μm
を超えると嵩張って使用感が悪くなるだけでなく、経済
性が悪くなるので好ましくない。
【0060】本発明で用いられるホットメルト型高分子
物質としては、上記目的を達成できるものであれば特に
限定されるものではないが、具体的には、例えばA−B
−A型ブロック共重合体、飽和ポリエステル系高分子物
質、ポリアミド系高分子物質、アクリル系高分子物質、
ウレタン系高分子物質、ポリオレフィン系高分子物質又
はポリオレフィン系共重合体或いはこれらの変性体、若
しくはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0061】この変性体とは、ホットメルト型高分子物
質の成分の一部を他の成分に置き換えてホットメルト型
高分子物質の性質、例えばホットメルト型高分子物質の
粘着性の改善や安定性等を変えたものをいう。
【0062】上記A−B−A型ブロック共重合体におい
て、Aブロックはスチレン、メチルスチレン等のモノビ
ニル置換芳香族化合物Aで、非弾性重合体ブロックであ
り、Bブロックはブタジエン、イソプレン等の共役ジエ
ンの弾性重合体ブロックであり、具体的には、例えばス
チレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチ
レン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が挙げ
られるのであり、また、これらを混合して用いても良い
のである。
【0063】A−B−A型ブロック共重合体の市販品の
例としては、具体的にはカリフレックスTR−110
1、カリフレックスTR−1107、カリフレックスT
R−1111(シェル化学製)、或いはフィリップペト
ロリアム製のソルプレン418等が挙げられる。
【0064】本発明において、粘着剤がホットメルト型
高分子物質、脂環族系石油樹脂及び軟化剤で形成されて
いるものが有益である。
【0065】本発明において、ホットメルト型高分子物
質としては、上述のものが挙げられる。
【0066】このホットメルト型高分子物質は、粘着剤
中の主ポリマーであり、これを用いて形成した粘着層
は、優れた皮膚接着性や保形性を有し、しかも初期タッ
クがあり、加温時の粘着性が良好で、且つ粘着後におけ
る粘着力が安定しているのである。
【0067】又、本発明において、脂環族系石油樹脂
は、粘着性賦与剤であり、ホットメルト型高分子物質と
の組み合せにより、所要の粘着特性が得られる。
【0068】脂環族系石油樹脂とは、環状骨格を持った
石油系樹脂であり、具体的には、例えばロジン、脱水ロ
ジン、脱水素ロジンのグリセリンエステル類、ガムロジ
ンのグリセリンエステル類、水添ロジン、水添ロジンの
メチルエステル類、水添ロジンのグリセリンエステル
類、水添ロジンのペンタエリトリットロジン類、重合ロ
ジン、重合ロジンのグリセリンエステル類、クマロンイ
ンデン樹脂、水添石油樹脂、無水マレイン酸変性ロジ
ン、ロジン誘導体類又はC系石油樹脂等が挙げられる
のであり、温熱貼付剤に所要の粘着力を賦与するため
に、単独或いは2種以上を組み合わせて適宜用いられ
る。
【0069】その具体的な市販品の例としては、例えば
アルコンP−85、アルコンP−100、アルコンP−
125(荒川化学製)等、クイントン(日本ゼオン
製)、エスコレッツ3000(エクソン製)等が挙げら
れる。
【0070】又、本発明で用いられる軟化剤はホットメ
ルト型高分子物質を溶解ないし分散させて軟化させるも
のであり、ホットメルト型高分子物質と脂環族系石油樹
脂の組み合わせによって、適度の保形性や柔軟性更に粘
着力を発現させるのである。この軟化剤としては高級脂
肪酸、液化ゴム、鉱油等が挙げられる。
【0071】この軟化剤としては、例えばヤシ油、ヒマ
シ油、オリーブ油、ツバキ油、アーモンド油、パーシッ
ク油、ラッカセイ油、ゴマ油、大豆油、ミンク油、綿実
油、トウモロコシ油、サフラワー油、オレイン酸、流動
パラフィン等が挙げられる。
【0072】本発明においては、密着性、粘着性、使用
感及び皮膚からの剥離性等の観点から、粘着層がホット
メルト型高分子物質5〜40重量部、脂環族系石油樹脂
5〜55重量部及び軟化剤5〜55重量部で形成された
もの、特に、粘着層がホットメルト型高分子物質10〜
30重量部、脂環族系石油樹脂10〜50重量部及び軟
化剤15〜45重量部で形成されたものが、優れた皮膚
接着性や保形性を有し、しかも初期タックがあり、加温
時の粘着性が良好で、且つ粘着後における粘着力が安定
しているのであり、又、この粘着層は、粘着性及び使用
感が良好である上、剥離時の苦痛が少ないので望まし
い。
【0073】又、本発明の温熱貼付剤においては、上述
の粘着剤に更に吸水性ポリマーが配合された粘着層、つ
まり用いられる粘着層がホットメルト型高分子物質、脂
環族系石油樹脂、軟化剤及び吸水性ポリマーで形成され
たものが、この吸水性ポリマーによって、皮膚からの汗
や分泌物等の体液を、吸収、吸着し、常に外皮表面を清
潔に保つので衛生面から望ましい。
【0074】この粘着層の粘着剤は、上述の粘着剤に更
に吸水性ポリマーが配合されたものであり、従って、用
いられるホットメルト型高分子物質、脂環族系石油樹脂
及び軟化剤は上述の場合と同様であるので、重複説明を
避けるために省略する。
【0075】この吸水性ポリマーとしては、自重の10
倍以上、特に50倍以上の水を吸収してゲル化するもの
であれば特に限定されるものではないが、特に、架橋結
合を導入して水に対する溶解性を制御した吸水性ポリマ
ーが望ましい。
【0076】具体的には、特公昭49−43395号公
報に開示されている澱粉−ポリアクリロニトリル共重合
体、特公昭51−39672号公報に開示されている架
橋ポリアルキレンオキシド、特公昭53−13495号
公報に開示されているビニルエステル−エチレン系不飽
和カルボン酸共重合体ケン化物、特公昭54−3071
0号公報に開示されている逆相懸濁重合法によって得ら
れる自己架橋ポリアクリル酸塩、特開昭54−2009
3号公報に開示されているポリビニルアルコール系重合
体と環状無水物との反応生成物、特開昭59−8430
5号公報に開示されているポリアクリル酸塩架橋物、ポ
リアクリル酸ソーダ、CMC、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ア
ラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセル
ロース、アルギン酸ソーダ、ペクチン、カルボキシビニ
ルポリマー、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド等から
選ばれた1種又は2種以上の混合物が挙げられる。
【0077】この吸水性ポリマーの市販品の例として
は、例えば三洋化成社製のサンウェットIM−300、
サンウェットIM−300MPS、サンウェットIM−
1000又はサンウェットIM−1000MPS等の
他、製鉄化学社製のアクアキープ4Sやアクアキープ4
SH等が挙げられるのであり、又、住友化学社製のスミ
カゲルNP−1020、スミカゲルNP−1040、ス
ミカゲルSP−520及びスミカゲルN−1040等が
挙げられるのであり、更に、クラレ社製のKIゲル20
1−KやKIゲルー201K−F2等が挙げられるので
あり、又、荒川化学社製のアラソープ800やアラソー
プ800F等が挙げられるのであり、これらのうち、吸
水性が高く、しかも加温しても粘着層のダレがなく、粘
着層の保形性が良好である等の理由より、三洋化成社製
のサンウェットIM−300MPSやサンウェットIM
−1000MPS、住友化学社製のスミカゲルNP−1
020やスミカゲルNP−1040、クラレ社製のKI
ゲル−201K−F2、荒川化学社製のアラソープ80
0F等が特に好ましい。
【0078】本発明においては、粘着層が、密着性、粘
着力、皮膚からの汗や分泌物等の体液の吸収・吸着性、
使用感及び皮膚からの剥離性等の観点から、粘着層がホ
ットメルト型高分子物質5〜40重量部、脂環族系石油
樹脂5〜55重量部、軟化剤5〜55重量部及び吸水性
ポリマー0.5〜10重量部の粘着剤で形成されたも
の、特に、粘着層がホットメルト型高分子物質10〜3
0重量部、脂環族系石油樹脂10〜50重量部、軟化剤
15〜45重量部及び吸水性ポリマー1〜8重量部の粘
着剤で形成されたものが、至極有益である。
【0079】この場合、吸水性ポリマーが、粘着(剤)
層と親和性が悪く、均一に分散しない恐れが有るときに
は、界面活性剤で処理するのが望ましい。
【0080】本発明で用いられる界面活性剤としては吸
水性ポリマーを処理することによって当該吸水性ポリマ
ーが粘着剤の粘着層中に分散し易くなるものであれば特
に限定されるものではなく、具体的には、陰イオン界面
活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤又は
両性界面活性剤が挙げられる。
【0081】本発明で好適に用いられる界面活性剤とし
ては、例えばドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、カプ
リル酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナト
リウム、ラウリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウ
ム、或いは、リン酸エステル塩型の界面活性剤、高級ア
ルコールリン酸モノエステルジナトリウム塩、高級アル
コールリン酸ジエステルナトリウム塩等の界面活性剤、
オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、ラウリン酸、
パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸
やその金属塩、低重合度ポリカルボン酸の塩、例えば低
重合度ポリアクリル酸ソーダ、低重合度ポリアクリル酸
ブチル、低重合度ポリメタアクリル酸ソーダ、更に、ス
ルホン化ポリスチレン等の界面活性剤等が挙げられる。
【0082】本発明においては、粘着層が通水性を有
し、しかも発熱体と粘着層の間に吸水層が介在されてい
るものが、以下に述べる理由より、至極有益である。
【0083】即ち、本発明においては、発熱体による温
熱によって適用部位の皮膚温度が高くなり、発汗作用が
促進されるが、この発汗作用によって皮膚から滲出した
汗等の体液が皮膚と粘着層の間に滞留し、この体液によ
って、粘着層の粘着力が低下し、剥がれ易くなったり、
皮膚がふやけたり、皮膚炎や皮膚の痒み等が発生する。
【0084】又、このように皮膚表面と粘着層の間に汗
等の体液が滞留すると、皮膚との密着性が低下して、後
述する薬物の経皮吸収性が低下したり、低温やけどが生
じ易く、薬理効果や安全性が低下する。
【0085】ところが、粘着層が通水性を有し、しかも
発熱体と粘着層の間に吸水層が介在されていると、汗等
の体液が粘着層を透過し、この透過した体液が吸水層に
吸収されて粘着力の低下を防止する結果、温熱貼付剤の
剥がれが防止されたり、外皮との密着性の低下を阻止
し、これによって、後述する薬物の経皮吸収性を向上さ
せたり、又、吸水層が皮膚から滲出した体液を吸収する
結果、皮膚のふやけや皮膚炎更に皮膚の痒み等が長期間
にわたって防止されるので、低温やけどが生じ難く安全
性が著しく高くなるのである。
【0086】本発明において、通水性とは皮膚から滲出
した汗等の体液が支持体側に透過できる機能を有するこ
とであって、粘着層に多数の微細な連通孔を有するもの
などが挙げられる。
【0087】具体的には、例えば以下の粘着層が挙げら
れる。即ち、例えば粘着層に、高エネルギーの電子線や
レーザー等の照射線を照射して連通孔(貫通孔)を形成
した層でも良く、或いは粘着層が、上述のホットメルト
型高分子物質を含有する粘着剤の発泡体で形成され、且
つこの発泡体が連通孔を有する層でも良いのである。
【0088】又、本発明に用いられる他の粘着層として
は、粘着層が、上述のホットメルト型高分子物質を含有
する粘着剤の糸状体で形成された層、つまり粘着剤の糸
状体を重ねて形成した粘着層、或いは粘着層が、上述の
ホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤の発泡体と
糸状体の混合体で形成された層、等が挙げられる。
【0089】本発明で用いられる粘着剤としては、通水
性の粘着層が得られるものであれば特に限定されるもの
ではなく、具体的には、例えば上述のもの、特に、ゴム
系粘着剤、アクリル系粘着剤或いはホットメルト型高分
子物質を含有する粘着剤等が挙げられるが、これらのう
ち、ホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤は、初
期タック力が強く、低温ないし常温での粘着性が非常に
優れ、しかも、上述のように、発泡等によって多数の微
細な連通孔を有する粘着層を簡単に形成できるので最も
有利である。
【0090】例えば、ホットメルト型高分子物質を含有
する粘着剤をノズルから糸状に吐出するにあたり、ノズ
ルが円を描くように一方向に移動させつつ加圧、強制的
に糸状の粘着剤を吐出させたり、或いはノズルをジグザ
グに移動させつつ加圧、強制的に糸状の粘着剤を適宜二
次元方向に吐出させる等、担持面の全面或いは部分的に
粘着層を形成しても良いのである。
【0091】このように構成すると、交差された糸状体
の間が連通し、通水性を有する粘着層が形成される。
【0092】更に、ホットメルト型高分子物質を含有す
る粘着剤を用いる場合には、この粘着剤を発泡させるこ
とにより通水性を有する粘着層を形成することができ、
この粘着剤を発泡させて形成した粘着層は以下の理由で
最も好ましい。
【0093】まず、この粘着層は、ホットメルト型高分
子物質を含有する粘着剤を、空気もしくは窒素ガス、炭
酸ガス等を用いて発泡させたものであり、この発泡によ
って体積が元の粘着剤の1倍を超え数倍に膨張するので
ある。
【0094】この発泡体の特性としては、本来の粘着性
を維持することは勿論、発泡によって原料の削減、多孔
質面や粗大面に対する接着性の向上及びシール性の向上
等の利点があるが、特に、このような発泡体を用いる
と、弾力性が著しく向上して人体皮膚の凹凸面にも追従
して密着し、しかも粘着性及び使用感が良好である上、
剥離時の苦痛が無く、又、温熱を与えたとき、粘着層が
発泡体であり、この発泡体が熱伝導を制御して低温火傷
が生じ難い等、温熱貼付剤に適用することによって、極
めて多くの利点を発現するのである。
【0095】つまり、この粘着発泡体は、粘着力が大で
あり、粘着発泡体内に形成される気孔内の気体が弾性変
形するので、弾力性、伸縮性及び柔軟性が著しく高めら
れ、人体の動作によって凹凸が変化する体表面に全面的
になじませて密着させることが容易になり、換言する
と、外皮との追従性が良好で、外皮との密着性が一層増
大するのである。その結果、外皮の凹凸面に対しても弾
力的に順応して粘着するので、粘着強度の低下は生じ難
い上、使用感が高められる。
【0096】又、ホットメルト型高分子物質を含有する
粘着剤の発泡倍率を制御することによって、弾力性、凹
凸面への追従性や密着性、更に粘着性及び使用感、剥離
時の苦痛、断熱性や熱伝導性等を容易に制御できるので
ある。
【0097】更に、発泡率を制御することにより、容易
に熱伝導性を制御することができるので、発熱体から体
表面への熱伝導を制御して低温火傷を防止することが容
易になる。
【0098】加えて、この粘着剤の発泡体とは、化学的
発泡或いは物理的発泡に拘わらず、又、連通孔又は独立
気泡と連通孔が混在したものなど、いずれのものでも良
いが、外皮に適用されるものであるから、常温で粘着性
を有するものであることを要する。
【0099】上記化学的発泡方法とは無機系発泡剤又は
有機系発泡剤もしくはこれらの混合物を用い、その分解
反応の際に発生する窒素ガスや炭酸ガスを利用して発泡
させる方法であり、上記物理的発泡とは粘着剤に圧縮空
気、圧縮窒素、圧縮炭酸ガスなどの気体を圧力などの物
理力によって混入させ、大気圧の環境下に吐出すること
によって発泡させる方法である。
【0100】これらの発泡方法の中では、特に、特公昭
60−3350号公報、特開昭62−87267号公
報、特公昭63−17295号公報、特開平1−590
23号公報に記載されている物理的発泡方法が以下に述
べる理由より、望ましい。
【0101】これらの物理的発泡方法は、ホットメルト
型高分子物質を含有する粘着剤中に、空気や窒素ガス更
に炭酸ガス等の加圧気体を機械的に、しかも加熱混入し
て均一に分散した後、大気圧下で発泡させたものである
から、発泡剤を用いるものに比べて圧力条件、加熱温度
条件等の設定が容易であり、しかも無数の微細な連通孔
が形成された比較的均質な発泡体が再現性良く得られ
る。
【0102】つまり、その発泡率は粘着剤の粘度に関連
する温度と、加圧気体の圧力とに依存するので、発泡剤
を用いる場合に比べて、所要の発泡率の粘着剤発泡体を
得るための温度条件及び圧力条件を設定し易い。
【0103】また、この物理的発泡方法において、発泡
率を安定させるためにはノズルからの粘着剤の噴出量な
いし噴出速度と加圧空気の圧力とを安定させればよいの
で、均質な粘着剤の発泡体、つまり粘着層を得ることが
容易である。
【0104】この物理的発泡方法を実施する場合、発泡
率の制御精度を高めるためには、ノズルから噴出する粘
着剤にできるだけ早く圧縮気体を接触させることが好ま
しいので、例えば、粘着剤を噴出する粘着剤噴出口の周
囲に圧縮気体を噴出する噴気口を開口させ、粘着剤の噴
出と同時に圧縮気体を粘着剤に接触させることが好まし
い。
【0105】又、粘着剤を噴出する粘着剤噴出口は、同
時にできるだけ広範囲に粘着剤を噴出して、塗工時間を
短縮するため、スリット状にしたり、多数の粘着剤噴出
口を列状に順に隣接させて設けたりすることが好まし
い。
【0106】更に、予め所定の形状の粘着発泡体を形成
した後、この粘着発泡体を支持体に転着させてもよい
が、工程数の削減によるコストダウンを図るため、圧縮
気体を接触させながら支持体の粘着層担持面に向かって
粘着剤を噴射して、直接に粘着層担持面に形成する方法
が好ましい。
【0107】本願第1発明において、上記粘着層には、
所望により、他の成分、例えば他の粘着剤、粘着賦与
剤、老化防止剤、充填剤、粘着調整剤、粘着改良剤、着
色剤、消泡剤、増粘剤、改質剤、防カビ剤、抗菌剤、殺
菌剤、消臭剤又は脱臭剤等が配合されていても良いので
ある。
【0108】本願第1発明においては、粘着層に経皮吸
収性の薬物を配合することにより、局所治療効果を向上
させたり、全身治療効果を向上させたり、温熱効果によ
って循環が活発になった血液などに薬物を吸収させて一
層効果的に生体内の各部に薬物を循環させることができ
るので、局所ないし全身の薬物投与効果を一層高める上
で至極好ましい。
【0109】本願第1発明で用いられる薬物としては、
経皮吸収性のものであれば特に限定されるものではない
が、具体的には、例えば皮膚刺激剤、鎮痛消炎剤、中枢
神経作用剤(睡眠鎮静剤、抗てんかん剤、精神神経用
剤)、利尿剤、血圧降下剤、冠血管拡張剤、鎮咳去痰
剤、抗ヒスタミン剤、不整脈用剤、強心剤、副腎皮質ホ
ルモン剤、局所麻酔剤等が挙げられる。これら薬効成分
は、一種又は必要に応じて二種以上配合されて用いられ
る。
【0110】この薬物の含有量としては薬効を期待でき
る範囲であれば特に限定されるものではないが、薬理効
果や経済性更に粘着力等の観点より、経皮吸収性の薬物
の含有量が粘着剤100重量部に対し0.01〜25重
量部、特に0.5〜15重量部の範囲で適宜決定され
る。
【0111】本願第1発明においては、粘着剤が架橋さ
れているものが、以下に述べる理由より、至極有益であ
る。
【0112】即ち、粘着剤が架橋されていると、熱安定
性が向上し、加温時のダレやべたつき更に糊残りが極め
て少なくなって使用感が良好になり、しかも加温時の粘
着力や保形性も良好になる上、薬物の保持性が向上する
のである。
【0113】この粘着剤の架橋方法としては特に限定さ
れるものではないが、具体的には、例えば紫外線や電子
線等の照射線を、粘着剤に直接照射したり、支持体又は
ライナーの上で形成した粘着層に、直接、照射線を照射
して架橋を行ったり、あらかじめ別の装置で照射線架橋
を行い、転写により粘着層を発熱体上に転着しても良い
のである。
【0114】照射線架橋としては、例えば特公昭62−
39184号公報に準じて行うことができる。そして、
例えば、紫外線の場合、通常300〜680nmで5〜
30分間照射、電子線の場合、通常1〜20Mrad
で、照射時間0.01〜5秒である。勿論、粘着剤に種
々の化学的架橋剤を加え、化学的に架橋しても良いので
ある。
【0115】ところで、本願第1発明においては、粘着
剤を上述の方法で架橋し、次いで、これを支持体又はラ
イナーの上に形成して粘着層を得た後、この粘着層を発
熱体に転着しても良いのである。
【0116】本願第1発明においては、粘着剤がホット
メルト型高分子物質とアクリル系粘着剤の混合物からな
るものが、これらの混合比を変更することによって、粘
着力を変化させたり、皮膚刺激性を調整できるので望ま
しい。
【0117】この場合、ホットメルト型高分子物質とア
クリル系粘着剤の混合比は、ホットメルト型高分子物質
70〜99重量%とアクリル系粘着剤1〜30重量%の
範囲から、温熱貼付剤の用途や形態、つまり後述する発
熱体を具備するものか否か等によって、任意に決定され
る。
【0118】本願第1発明においては、遠赤外線効果を
発現させるうえで、発熱組成物中及び/又は発熱体にお
ける粘着層側に、遠赤外線を放射するセラミックスの粉
末或いは成形体が設けるのが望ましい。
【0119】即ち、上記発熱組成物と共に遠赤外線を放
射するセラミックスを用いることができるのであり、こ
のセラミックスは発熱組成物と共に偏平状袋体に封入し
たり、このセラミックスを発熱体と粘着層の間に塗工し
たり、このセラミックスで形成した成形体を発熱体と粘
着層の担持させても良いのである。
【0120】本願第1発明において、経皮吸収性の薬物
を用いる場合には、上述した発熱体、或いは遠赤外線を
放射するセラミックスなどを併用し、温熱効果により血
行促進などの全身作用を高めたり、薬物の経皮吸収性を
高めて全身治療効果や局所治療効果を一層促進すること
ができる。
【0121】このようにして得られた温熱貼付剤は、冬
期において、単に、人体に温熱を供給して寒さを凌ぎ、
快適に過ごすことができるだけでなく、局所のこり、疼
痛及び冷え等を伴う症状、例えば肩こり、筋肉痛、筋肉
のこり、腰痛、手足の冷え、神経痛、リューマチ、打ち
身、捻挫等の疾患に使用され、温熱による治療効果を充
分に期待できるのである。
【0122】本願第2発明においては、支持体に保持さ
れ、且つ外皮に貼着される粘着層と、この支持体におけ
る粘着層側と反対側に積層された複数の発熱体からな
り、この発熱体が所定の間隔を隔てて隔設されており、
しかも上記支持体が伸長性のフィルム或いはシートで形
成されていることを特徴とするものである。
【0123】即ち、本願第2発明においては、支持体に
おける粘着層側と反対側に積層された複数の発熱体が所
定の間隔を隔てて隔設されており、しかも上記支持体が
伸長性のフィルム或いはシートで形成されている点、に
最も大きな特徴を有する。
【0124】本願第2発明で用いられる支持体として
は、使用中や取扱中に破損しない程度の強度を有し、し
かも伸長性を有するものであれば特に限定されるもので
はないが、具体的には、本願第1発明で用いられるもの
と同様のものが挙げられる。
【0125】本願第2発明においては、支持体における
粘着層側と反対側に積層された複数の発熱体が所定の間
隔を隔てて隔設されており、しかも支持体が伸長性のフ
ィルム或いはシートで形成されているから、肘や膝等の
関節部更に肩や腕等の人体における湾曲部や伸縮部更に
屈伸部に追従して密着し、又、使用中に突っ張り感や違
和感がないので使用感が良好であり、しかも使用中に剥
離の発生がなく、更に、人体との密着性が良好であるか
ら、優れた温熱効果や患部の治療効果が得られるのであ
る。
【0126】本願第2発明で用いられる発熱体として
は、外皮に適用されて温熱効果を発現するものであれば
特に限定されるものではないが、化学的な反応熱を利用
する上述の発熱体のほか、例えば、抵抗体に電力を供給
して発生するジュール熱を利用するもの、等が挙げられ
る。
【0127】この抵抗体に電力を供給して発生するジュ
ール熱を利用するものの例としては、発熱体が、順に積
層された薄膜抵抗、断熱層及び充電可能な電池、更にス
イッチとを備えるものが、温度の制御が一層容易で、取
り扱い易く、しかも低温やけどを確実に防止できるの
で、至極有益である。
【0128】即ち、本願第2発明においては、発熱体と
して、抵抗に電流を流した時に生じるジュール熱を利用
するものも挙げられるが、この場合、抵抗に電力を供給
する電源が必要になる。
【0129】この電源としては、携帯性を高めるために
電池を使用することが好ましく、更に、繰り返し使用を
可能にするため、充電可能な乾電池を用いることが一層
好ましい。
【0130】この充電可能な乾電池としては、コイン
型、円筒型、ピン型、薄膜型などのニッカド電池やリチ
ウム電池などが挙げられるが、使用感を高める上では薄
膜型のものを用いることが好ましい。
【0131】又、上記電池が抵抗の発熱によって過剰に
加熱されることを防止したり、放熱を極力避けてジュー
ル熱の有効利用を図るために、電池と抵抗との間に断熱
層を設けることが好ましい。
【0132】更に、この場合、電池から抵抗への電力の
供給を断続させるために、スイッチを設けることが好ま
しく、このスイッチは、抵抗の発熱から保護するため
に、断熱層で抵抗から断熱されていることが好ましい。
【0133】なお、この場合、電池から抵抗に供給され
る電流を制御する可変抵抗を設け、温熱効果が得られ、
且つ低温やけどが発生しない温度範囲に制御できるよう
にすることが好ましい。
【0134】本願第2発明に用いられる発熱体におい
て、少なくとも片面が通気性フィルム・シートで形成さ
れた開放部のない偏平状袋体の内部に、空気の存在によ
って発熱する発熱組成物を封入して形成されているもの
である場合には、この偏平状袋体が伸長性のフィルム或
いはシートで形成されていると、支持体の伸長性に加え
て、この発熱体は伸長性を有するから、肘や膝等の関節
部更に肩や腕等の人体における湾曲部や伸縮部更に屈伸
部に一層追従して確実に密着し、又、使用中に突っ張り
感や違和感が一層無くなるので使用感が一層良好になる
のであり、しかも使用中に剥離の発生がなく、更に、人
体との密着性が一層良好であるから、一層優れた温熱効
果や患部の治療効果が得られるのである。
【0135】本願第2発明において、粘着層やその形成
方法並びに粘着層の架橋、吸水性ポリマーや吸水層更に
経皮吸収性の薬物、或いは遠赤外線を放射するセラミッ
クス、或いはその成形体の使用等については、本願第1
発明の場合と同様であるから、重複説明を避けるために
省略する。
【0136】本願第3発明においては、支持体に保持さ
れ、且つ外皮に貼着される粘着層と、少なくとも片面が
通気性フィルム・シートで形成された開放部のない偏平
状袋体が複数の部屋に隔設されており、この各部屋の内
部に、空気の存在によって発熱する発熱組成物を封入し
て形成された発熱体からなり、上記偏平状袋体には、発
熱体と発熱体の間に切り込みが形成されており、しかも
上記支持体が伸長性のフィルム或いはシートで形成され
ていることを特徴とするものである。
【0137】即ち、本願第2発明は独立した複数の発熱
体が支持体における粘着層側と反対側に所定の間隔を隔
てて隔設されているのに対し、本願第3発明は、1個の
偏平状袋体が複数の部屋に隔設され、この各部屋の内部
に、空気の存在によって発熱する発熱組成物を封入して
発熱体が形成されており、上記偏平状袋体には、発熱体
と発熱体の間に切り込みが形成されており、しかも上記
支持体が伸長性のフィルム或いはシートで形成されてい
る点、に最も大きな特徴を有する。
【0138】本願第3発明においては、1個の偏平状袋
体が複数の部屋に隔設され、この各部屋の内部に、空気
の存在によって発熱する発熱組成物を封入して発熱体が
形成されており、上記偏平状袋体には、発熱体と発熱体
の間に切り込みが形成されており、しかも上記支持体が
伸長性のフィルム或いはシートで形成されているから、
肘や膝等の関節部更に肩や腕等の人体における湾曲部や
伸縮部更に屈伸部に追従して密着し、又、使用中に突っ
張り感や違和感がないので使用感が良好であり、しかも
使用中に剥離の発生がなく、更に、人体との密着性が良
好であるから、優れた温熱効果や患部の治療効果が得ら
れるのである。
【0139】そして、本願第3発明において、偏平状袋
体には発熱体と発熱体の間に切り込みが形成されている
から、この袋体は伸長性を有するフィルム或いはシート
で形成されているか否かは問うものではない。
【0140】しかしながら、本願第3発明に用いられる
発熱体において、少なくとも片面が通気性フィルム・シ
ートで形成された開放部のない偏平状袋体の内部に、空
気の存在によって発熱する発熱組成物を封入して形成さ
れているものである場合には、この偏平状袋体が伸長性
のフィルム或いはシートで形成されていると、支持体の
伸長性に加えて、この発熱体は伸長性を有するから、肘
や膝等の関節部更に肩や腕等の人体における湾曲部や伸
縮部更に屈伸部に一層追従して確実に密着し、又、使用
中に突っ張り感や違和感が一層無くなるので使用感が一
層良好になるのであり、しかも使用中に剥離の発生がな
く、更に、人体との密着性が一層良好であるから、一層
優れた温熱効果や患部の治療効果が得られるのである。
【0141】本願第3発明で用いられる伸長性を有する
支持体としては、使用中や取扱中に破損しない程度の強
度を有し、しかも伸長性を有するものであれば特に限定
されるものではないが、具体的には、本願第1発明で用
いられるものと同様のものが挙げられる。
【0142】本願第3発明において、粘着層やその形成
方法並びに粘着層の架橋、吸水性ポリマーや吸水層更に
経皮吸収性の薬物、或いは遠赤外線を放射するセラミッ
クス、或いはその成形体の使用等については、本願第1
発明の場合と同様であるから、重複説明を避けるために
省略する。
【0143】尚、本願第3発明において、1個の偏平状
袋体における各部屋の内部に封入される発熱体は、上述
のように化学的な反応熱を利用する発熱体のほか、例え
ば、抵抗体に電力を供給して発生するジュール熱を利用
するものも使用可能であるが、この場合には、伸長性に
対する配慮が必要である。
【0144】本願第4発明においては、非伸長性の支持
体上に積層され、且つ少なくとも片面が通気性フィルム
・シートで形成された開放部のない偏平状袋体が複数の
部屋に隔設されており、この各部屋の内部に、空気の存
在によって発熱する発熱組成物を封入して形成された発
熱体と、上記支持体の露出面に形成された粘着層からな
り、上記の支持体或いは支持体と粘着層には、発熱体と
発熱体の対応する箇所において、切り込みが形成されて
おり、しかも上記偏平状袋体が伸長性のフィルム或いは
シートで形成されていることを特徴とするものである。
【0145】即ち、本願第4発明は、支持体として非伸
長性のものを用い、これに積層された偏平状袋体が複数
の部屋に隔設されており、この各部屋の内部に、空気の
存在によって発熱する発熱組成物を封入して形成された
発熱体と、上記支持体の露出面に形成された粘着層から
なり、上記の支持体或いは支持体と粘着層には、発熱体
と発熱体の対応する箇所において、切り込みが形成され
ており、しかも上記偏平状袋体が伸長性のフィルム或い
はシートで形成されている点、に最も大きな特徴を有す
るものであり、従って、偏平状袋体において、支持体側
と反対側が、通気性を有するのである。
【0146】そして、本願第4発明は、このような構成
を有するから、肘や膝等の関節部更に肩や腕等の人体に
おける湾曲部や伸縮部更に屈伸部に追従して密着し、
又、使用中に突っ張り感や違和感がないので使用感が良
好であり、しかも使用中に剥離の発生がなく、更に、人
体との密着性が良好であるから、優れた温熱効果や患部
の治療効果が得られるのである。
【0147】本願第4発明で用いられる非伸長性を有す
る支持体としては、従来の発熱体を製造する際に用いら
れていた、少なくとも片面が通気性フィルム・シートで
形成された開放部のない偏平状袋体製造用フィルム・シ
ートが挙げられる。
【0148】本願第4発明において、伸長性の偏平状袋
体、粘着層やその形成方法並びに粘着層の架橋、吸水性
ポリマーや吸水層更に経皮吸収性の薬物、或いは遠赤外
線を放射するセラミックス、或いはその成形体の使用等
については、本願第1発明の場合と同様であるから、重
複説明を避けるために省略する。
【0149】本願第5発明においては、非伸長性の支持
体の片面に積層され、且つ少なくとも片面が通気性フィ
ルム・シートで形成された開放部のない偏平状袋体が複
数の部屋に隔設されており、この各部屋の内部に、空気
の存在によって発熱する発熱組成物を封入して形成され
た発熱体と、上記偏平状袋体の露出面に形成された粘着
層からなり、上記支持体には、発熱体と発熱体の対応す
る箇所において、切り込みが形成されており、しかも上
記偏平状袋体が伸長性のフィルム或いはシートで形成さ
れていることを特徴とするものである。
【0150】即ち、本願第4発明が非伸長性の支持体の
露出面に粘着層が形成されており、偏平状袋体におい
て、支持体側と反対側が、通気性を有するのに代えて、
本願第5発明においては、粘着層が偏平状袋体の露出面
に形成されており、よって、偏平状袋体において支持体
側が通気性を有する以外は、本願第4発明と同様であ
る。
【0151】従って、本願第5発明において、伸長性の
偏平状袋体、粘着層やその形成方法並びに粘着層の架
橋、吸水性ポリマーや吸水層更に経皮吸収性の薬物、或
いは遠赤外線を放射するセラミックス、或いはその成形
体の使用等については、本願第4発明の場合と同様であ
るから、重複説明を避けるために省略する。
【0152】そして、本願第5発明は、このような構成
を有するから、肘や膝等の関節部更に肩や腕等の人体に
おける湾曲部や伸縮部更に屈伸部に追従して密着し、
又、使用中に突っ張り感や違和感がないので使用感が良
好であり、しかも使用中に剥離の発生がなく、更に、人
体との密着性が良好であるから、優れた温熱効果や患部
の治療効果が得られるのである。
【0153】尚、本発明の温熱貼付剤における粘着層の
露出面には、剥離処理を施した剥離紙、セロファン又は
ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックフィル
ムを積層して被覆される。
【0154】この温熱貼付剤は1個或いは2個以上の単
位で気密性の包装材に密封包装され、流通に供される。
【0155】
【作用】本発明に係る温熱貼付剤は、上記構成を有し、
支持体又は偏平状袋体のうち少なくとも一方が伸長性の
材料で形成され、当該温熱貼付剤が、容易に伸長ないし
伸縮したり、屈曲したり、折り曲げ可能に形成されてい
るから、この温熱貼付剤を肩や腕等の人体における湾曲
部に適用して使用した場合、温熱貼付剤の剥離が防止さ
れる作用を有するのである。
【0156】又、このように、本発明の温熱貼付剤は、
伸長・伸縮性及び屈曲性を有し、しかも折り曲げ可能に
形成されているから、この温熱貼付剤を肘や膝等の関節
部のような湾曲部や伸縮部更に屈伸部に適用して使用し
た場合、人体の伸縮運動や屈伸運動に追従する結果、使
用中に突っ張り感や違和感が無く、よって、使用感が良
好である上、温熱貼付剤が使用中に剥離することがな
く、外皮との密着性が良好になる作用を有するのであ
る。
【0157】更に、この温熱貼付剤は外皮に直接当てて
使用するものであり、皮膚との密着性にバラツキが生じ
ると、密着部位と剥離部位とで温度のバラツキが生じる
が、本発明の温熱貼付剤は、上述のように皮膚との密着
性が良好であるので、適用部位の温度のバラツキが無く
なる作用を有するのである。
【0158】特に、この温熱貼付剤においては、皮膚と
の密着性が良好であるので、薬物含有の粘着層を用いた
場合、薬物の経皮吸収性が良好になる結果、所要の薬理
効果が得られる作用を有するのである。
【0159】本発明においては、粘着層が通水性を有
し、しかも支持体と粘着層の間に吸水層が介在されてい
ると、発汗作用などによって皮膚から滲出した汗等の体
液が粘着層を透過し、この透過した体液は担持体に吸収
される。
【0160】この結果、皮膚のふやけや皮膚炎更に皮膚
の痒み等が長期間にわたって防止される作用を有する。
【0161】又、このように粘着層が通水性を有し、し
かも吸水層が吸水性を有すると、粘着層と皮膚との間に
汗等の体液が滞留することが無い作用を有するのであ
る。
【0162】更に、本発明においては、上述のように皮
膚のふやけや皮膚炎更に皮膚の痒み等が長期間にわたっ
て防止されるから、皮膚組織の弱体化が防止される作用
を有するのである。
【0163】
【実施例】以下、本発明を 本願第2発明においては、伸長性の支持体に保持され、
且つ外皮に貼着される粘着層と、この支持体における粘
着層側と反対側に積層された複数の発熱体が所定の間隔
を隔てて隔設されている場合の実施例に基づき詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0164】実施例 図1〜図4に示すように、本発明の一実施例に係る温熱
貼付剤1は、支持体2に保持され、且つ外皮に貼着され
る粘着層3と、この支持体2における粘着層3側と反対
側に積層された発熱体4からなる基本的な構造を有す
る。
【0165】そして、本発明においては、複数の発熱体
4、この場合、2つの発熱体4が所定の間隔、この場
合、3mmを隔てて隔設されており、しかも上記支持体
2が伸長性の材料、この例では伸縮性の材料で形成され
ている。
【0166】この支持体2は、具体的には、熱融着性を
有し、且つ伸縮性を有する厚さ50μmの熱可塑性ポリ
エステルエラストマーフィルム(日合フィルム株式会社
製 商品名 フレクロンフィルム)で形成されているが、
伸長性の材料であれば特に限定されるものではない。
【0167】又、上記粘着層3は上記支持体2の両面
に、後述する方法で得た粘着性を有する厚さ約50μm
の層である。
【0168】即ち、まずスチレンーイソプレンースチレ
ンブロック共重合体33重量部、水素添加石油樹脂2
8.5重量部、テルペン系樹脂7.5重量部、パラフィ
ン系オイル18.5重量部、アロマ系オイル6.5重量
部、酸化チタン3重量部、亜鉛華2.5重量部及びトリ
スノニルフェニルーフォスファイト0.5重量部からな
る粘着剤を窒素気流中で165℃の温度で充分に撹拌し
て均一な溶融混合物とした。
【0169】次に、この溶融混合物を、片面の厚さが約
50μmのフィルムとなるように、T字型口金(Tダ
イ)から溶融押し出を行うと同時に、剥離紙5上に積
層、冷却する。
【0170】次いで、上記粘着層3上に、塩酸リドカイ
ンゼリーを塗工して、塩酸リドカイン含有粘着層を形成
した。この場合、塩酸リドカイン含有粘着剤層全体中の
塩酸リドカイン含有量は1重量%になるように調整し
た。
【0171】尚、図3〜図5及び図7更に図8におい
て、5は粘着層3の表面を被覆、保護する剥離紙であ
る。
【0172】次に、上記発熱体4について詳細に説明す
る。この発熱体4は、後述する表裏両フィルムを重ね合
わせ、その周縁部が熱融着された偏平袋状に形成されて
おり、しかも表フィルム4aは透湿性を有する。
【0173】又、この発熱体4は、偏平状袋体の中に空
気の存在によって発熱する発熱組成物4bが封入されて
いる。
【0174】 表フィルム4aである透湿性フィルム
の製造 ポリエチレン製の透湿性基材フィルム(厚さ40μm)
40aの片面に、ポリエステル製多孔質補強用基材(厚
さ60μm)40bをラミネートしたものを用いた[透
湿度がASTM法(E−96−80D法)で400g/
2・24hr]。
【0175】 裏フィルム4cの製造 厚さ40μmのポリエチレン製フィルムを用いた。
【0176】上記の表フィルム4aと裏フィルム4cを
重ね合わせるにあたり、裏フィルム4cと、表フィルム
4aにおける透湿性基材フィルム40aとが接触するよ
うに積層し、つまりポリエステル製多孔質補強用基材4
0bが露出するように積層し、その積層体の三周縁部を
ヒートシールして一方端開放の偏平状袋体を形成し、こ
の偏平状袋体の内部に後述する空気の存在によって発熱
する発熱組成物4bを充填し(1666.7g/
2)、この開放部をヒートシールして、上記発熱体4
を得た。
【0177】発熱組成物4bの成分 鉄粉60重量%、活性炭3重量%、塩化ナトリウム3重
量%、保水剤3重量%及び水31重量%の組成物
【0178】上記発熱体4には伸長性が全く無いことが
認められた。
【0179】ところで、この温熱貼付剤1の製造方法は
特に限定されるものではないが、この実施例では以下の
方法で製造した。
【0180】即ち、剥離紙5の片面に粘着層3を形成
し、この粘着層3付き剥離紙5における粘着層3の露出
面に伸縮性の支持体2を張り付けて支持体2の伸縮を制
限し、その後、発熱体4を支持体2に熱融着や接着剤で
張り付けた。
【0181】又、上記2個の発熱体4が所定の間隔、こ
の場合、3mmを隔てて、上記支持体2における片面の
粘着層3上に張り付けて積層した。
【0182】比較例 上記実施例に代えて、一体の発熱体、つまり1つの発熱
体で形成した以外は、実施例1と同様にして温熱貼付剤
1を得た。従って、この温熱貼付剤1には伸長性が全く
無いことが認められた。
【0183】上記の実施例及び比較例の各温熱貼付剤を
用い、肘痛を訴えるパネラー15人(男性10人、女性
5人 年令45〜65才)に適用し、粘着性、使用感、
人体皮膚への追従性及び肘痛の自覚症状の変化について
試験を行った。
【0184】この場合、肘痛の箇所に1枚貼着し、これ
を毎日張り替えつつ1週間続けた。
【0185】その結果、粘着性は実施例及び比較例共に
良好であった。
【0186】又、実施例のものは、2つの発熱体に分け
られており、しかも支持体が伸縮性の材料で形成されて
いるから、温熱貼付剤が、容易に伸縮したり、屈曲した
り、折り曲げることができるのである。
【0187】従って、実施例の温熱貼付剤を肘に適用し
て使用したところ、15人のパネラー全員が、この温熱
貼付剤が肘の伸縮に追従して使用中に剥離することがな
い上、外皮との密着性が良好であり、しかも突っ張り感
や違和感がなく、使用感が良好であると訴えた。
【0188】これに対し、比較例の温熱貼付剤は、一つ
の発熱体で形成されているから、伸縮性が全くない上、
屈曲性も殆ど無いのであり、従って、この種、温熱貼付
剤を肘に適用して使用したところ、15のパネラー全員
が温熱貼付剤の復元力によって使用中に剥離し、外皮と
の密着性が悪く、しかも突っ張り感や違和感が有り、使
用感が悪いと訴えた。
【0189】又、実施例の温熱貼付剤は外皮との密着性
が良好であり、15人のパネラーのうち11名のパネラ
ーは肘の傷みがなくなったと訴え、又、残りの4人のパ
ネラーのうち2名のパネラーは傷みが減少し、薬理効果
が優れていると訴えた。
【0190】これに対し、比較例の温熱貼付剤は剥離し
易く外皮との密着性が悪く、適用部位の温度のバラツキ
があり、15人のパネラーのうち15名のパネラー全員
が肘の傷みに変化がなく、薬理効果は殆ど認められない
と訴えた。
【0191】ところで、実施例及び比較例を皮膚(肘)に
貼着し、この皮膚(肘)側に固定した5本の熱電対を用い
て当該皮膚(肘)部の温度変化を理化工業株式会社のSB
R187−35CAにて記録したところ、実施例のもの
は41.5〜42.2℃の範囲であったが、比較例のも
のは35.8〜42.1℃の範囲で、温度のバラツキが
大であることが認められた。
【0192】以上の実験から、本発明の温熱貼付剤は、
2つの発熱体4が所定の間隔、この場合、3mmを隔て
て隔設されており、しかも上記支持体2が伸長性の材
料、この例では伸縮性の材料で形成されているから、肘
や膝等の関節部更に肩や腕等の人体における湾曲部や伸
縮部更に屈伸部に追従して密着し、しかも使用中に突っ
張り感や違和感がないので使用感が良好である上、使用
中に剥離がないので、優れた温熱効果や患部の治療効果
を発現させることが認められる。
【0193】従って、本発明の温熱貼付剤は、冬期にお
いて、単に、人体に温熱を供給して快適に過ごすことが
できるだけでなく、局所のこり、疼痛及び冷え等を伴う
症状、例えば肩こり、筋肉痛、筋肉のこり、腰痛、手足
の冷え、神経痛、リューマチ、打ち身、捻挫等の疾患に
使用され、温熱による治療効果を充分に期待できるので
ある。
【0194】ところで、図10〜図12は、本発明に係
る温熱貼付剤1の他の実施例を示し、この温熱貼付剤1
は、長方形の支持体2に保持され、且つ外皮に貼着され
る粘着層3と、この支持体2における粘着層3側と反対
側に積層された発熱体4からなる基本的な構造を有す
る。
【0195】そして、本発明においては、発熱体4は、
複数、この場合、図10に示すように、図示において、
幅方向に5つの発熱体4が所定の間隔を隔てて隔設され
ており、しかも上記支持体2が伸長性の材料、この場
合、伸縮性の材料で形成されている。
【0196】この実施例において、支持体2や粘着層3
更に剥離紙5については、上記実施例と同様なので、重
複説明を避けるために省略する。
【0197】更に、図13及び図14は、図10〜図1
2に示す温熱貼付剤1の変形例であり、この場合、図示
において、長手方法に4つに隔設されている以外は、図
10〜図12に示す温熱貼付剤1と同様なので重複説明
を避けるために省略する。
【0198】図15及び図16は、本発明に係る温熱貼
付剤1の更に他の実施例を示し、この温熱貼付剤1は、
切り欠き2aを有する支持体2に保持され、且つ外皮に
貼着される粘着層3と、この支持体2における粘着層3
側と反対側に積層された発熱体4からなる基本的な構造
を有する。
【0199】そして、本発明においては、発熱体4は、
複数、この場合、図15に示すように、図示において、
発熱体4が円形になるように、幅方向に5つに隔設され
ており、しかも上記支持体2が伸長性の材料、この場
合、伸縮性の材料で形成されている。
【0200】この実施例において、支持体2や粘着層3
更に剥離紙5については、上記実施例と同様なので、重
複説明を避けるために省略する。
【0201】更に、図17及び図18は、本発明に係る
温熱貼付剤1の更に他の実施例を示し、この温熱貼付剤
1は、略長方形の支持体2に保持され、且つ外皮に貼着
される粘着層3と、この支持体2における粘着層3側と
反対側に積層された発熱体4からなる基本的な構造を有
する。
【0202】そして、本発明においては、発熱体4は、
複数、この場合、図17に示すように、図示において、
発熱体4が円形になるように、長手方向に5つに隔設さ
れており、しかも上記支持体2が伸長性の材料、この場
合、伸縮性の材料で形成されている。
【0203】この実施例において、支持体2や粘着層3
更に剥離紙5については、上記実施例と同様なので、重
複説明を避けるために省略する。
【0204】図15〜図18に示す温熱貼付剤1を人体
に適用するにあたり、図19に示すように、特に、肩や
肘更に膝等の人体における湾曲部や伸縮部更に屈伸部に
好適に適用できる。
【0205】即ち、上記の図15〜図18に示す実施例
では、発熱体4が4つ又は5つに隔設されており、しか
も支持体2が伸縮性の材料で形成されているから、温熱
貼付剤1が、容易に伸縮したり、屈曲したり、折り曲げ
ることができる。
【0206】従って、この温熱貼付剤1から剥離紙5を
剥離し、図19に示すように、この温熱貼付剤1を肩や
腰更に腕等の人体における湾曲部等に適用して使用した
場合、温熱貼付剤1の剥離が防止されるのであり、従っ
て、外皮との密着性が良好になって、肩や腰更に腕等の
人体における湾曲部等に所要の温熱効果や患部の治療効
果を発現させることができるのである。
【0207】又、この温熱貼付剤1は、伸縮性及び屈曲
性を有し、しかも折り曲げ可能であるから、この温熱貼
付剤1を肘や膝等の関節部のような湾曲部や伸縮部更に
屈伸部に適用して使用した場合、人体の伸縮運動や屈伸
運動に追従する結果、使用中に突っ張り感や違和感が無
く、よって、使用感が良好である上、温熱貼付剤1が使
用中に剥離することがなく、外皮との密着性が良好にな
って、肘や膝等の関節部のような湾曲部や伸縮部更に屈
伸部に所要の温熱効果や患部の治療効果を発現させるこ
とができる。
【0208】ところで、本発明の温熱貼付剤1は外皮に
直接当てて使用するものであり、皮膚との密着性にバラ
ツキが生じると、密着部位と剥離部位とで温度のバラツ
キが生じるが、本発明の温熱貼付剤1は、上述のように
皮膚との密着性が良好であるので、適用部位の温度のバ
ラツキが無く、この点からも使用感が良好になるのであ
る。
【0209】
【発明の効果】本発明に係る温熱貼付剤は、上記構成を
有し、支持体又は偏平状袋体のうち少なくとも一方が伸
長性の材料で形成され、当該温熱貼付剤が、容易に伸長
ないし伸縮したり、屈曲したり、折り曲げ可能に形成さ
れているから、この温熱貼付剤を肩や腕等の人体におけ
る湾曲部に適用して使用した場合、温熱貼付剤の剥離が
防止されるのであり、従って、外皮との密着性が良好に
なって、肩や腕等の人体における湾曲部に所要の温熱効
果や患部の治療効果を発現させる効果を有するのであ
る。
【0210】又、このように、本発明の温熱貼付剤は、
伸縮性及び屈曲性を有し、しかも折り曲げ可能であるか
ら、この温熱貼付剤を肘や膝等の関節部のような湾曲部
や伸縮部更に屈伸部に適用して使用した場合、人体の伸
縮運動や屈伸運動に追従する結果、使用中に突っ張り感
や違和感が無く、よって、使用感が良好である上、温熱
貼付剤が使用中に剥離することがなく、外皮との密着性
が良好になって、肘や膝等の関節部のような湾曲部や伸
縮部更に屈伸部に所要の温熱効果や患部の治療効果を発
現させる効果を有するのである。
【0211】更に、この温熱型の貼付剤は外皮に直接当
てて使用するものであり、皮膚との密着性にバラツキが
生じると、密着部位と剥離部位とで温度のバラツキが生
じるが、本発明の温熱貼付剤は、上述のように皮膚との
密着性が良好であるので、適用部位の温度のバラツキが
無く、この点からも適用部位全体に優れた温熱効果を付
与するのである。
【0212】特に、この温熱貼付剤においては、皮膚と
の密着性が良好であるので、薬物含有の粘着層を用いた
場合、温熱効果によって、循環が活発になった血液など
に薬物を吸収させて一層効果的に生体内の各部に薬物を
循環させることができるので、局所治療効果を一層向上
させたり、全身治療効果を一層向上させて、薬理効果を
一層高める結果、医薬品として至極有益である。
【0213】本発明においては、粘着層が通水性を有
し、しかも支持体と粘着層の間に吸水層が介在されてい
ると、発汗作用などによって皮膚から滲出した汗等の体
液が粘着層を透過し、この透過した体液は担持体に吸収
される。
【0214】この結果、皮膚のふやけや皮膚炎更に皮膚
の痒み等が長期間にわたって防止されるので、安全性が
著しく高くなる効果を有する。
【0215】即ち、このように皮膚のふやけや皮膚炎更
に皮膚の痒み等が長期間にわたって防止されるから、皮
膚組織の弱体化が防止される結果、外皮に温熱を与えた
とき、低温やけどが生じ難く、安全性が著しく高くなる
効果を有する。
【0216】本発明においては、貼付剤の片面に発熱体
が積層されていると、この発熱体により、冬期におい
て、単に、人体に温熱を供給して快適に過ごすことがで
きるだけでなく、局所のこり、疼痛及び冷え等を伴う症
状、例えば肩こり、筋肉痛、筋肉のこり、腰痛、手足の
冷え、神経痛、リューマチ、打ち身、捻挫等の疾患に使
用されると、温熱による治療効果を発現するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る温熱貼付剤の斜
視図である。
【図2】図2はその平面図である。
【図3】図3はその要部断面図である。
【図4】図4はその伸縮箇所を説明するための要部断面
図である。
【図5】図5はその背面図である。
【図6】図6はその折り曲げを説明するための説明図で
ある。
【図7】図7はその裏側から見た斜視図である。
【図8】図8は本発明の一実施例に係る温熱貼付剤から
剥離紙を除去する状態を示す斜視図である。
【図9】図9はその使用例を示す説明図である。
【図10】図10は本発明の他の実施例に係る温熱貼付
剤の平面図である。
【図11】図11はその背面の構造を示す説明図であ
る。
【図12】図12はその断面図である。
【図13】図13は本発明の他の実施例に係る温熱貼付
剤の平面図である。
【図14】図14はその背面の構造を示す説明図であ
る。
【図15】図15は本発明の更に他の実施例に係る温熱
貼付剤の平面図である。
【図16】図16はその背面の構造を示す説明図であ
る。
【図17】図17は本発明の更に又他の実施例に係る温
熱貼付剤の平面図である。
【図18】図18はその背面の構造を示す説明図であ
る。
【図19】図19はその使用例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 温熱貼付剤 2 支持体 3 粘着層 4 発熱体 4a 表フィルム 4b 発熱組成物 4c 裏フィルム 5 剥離紙

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも片面が通気性フィルム・シー
    トで形成された開放部のない偏平状袋体の内部に、空気
    の存在によって発熱する発熱組成物を封入してなる発熱
    体と、この発熱体における皮膚貼着面側に形成された粘
    着層からなり、上記偏平状袋体が伸長性のフィルム或い
    はシートで形成されていることを特徴とする温熱貼付
    剤。
  2. 【請求項2】 支持体に保持され、且つ外皮に貼着され
    る粘着層と、この支持体における粘着層側と反対側に積
    層された複数の発熱体からなり、この発熱体が所定の間
    隔を隔てて隔設されており、しかも上記支持体が伸長性
    のフィルム或いはシートで形成されていることを特徴と
    する温熱貼付剤。
  3. 【請求項3】 発熱体は少なくとも片面が通気性フィル
    ム・シートで形成された開放部のない偏平状袋体の内部
    に、空気の存在によって発熱する発熱組成物を封入して
    形成されており、しかもこの偏平状袋体が伸長性のフィ
    ルム或いはシートで形成されている請求項2に記載の温
    熱貼付剤。
  4. 【請求項4】 支持体に保持され、且つ外皮に貼着され
    る粘着層と、少なくとも片面が通気性フィルム・シート
    で形成された開放部のない偏平状袋体が複数の部屋に隔
    設されており、この各部屋の内部に、空気の存在によっ
    て発熱する発熱組成物を封入して形成された発熱体から
    なり、上記偏平状袋体には、発熱体と発熱体の間に切り
    込みが形成されており、しかも上記支持体が伸長性のフ
    ィルム或いはシートで形成されていることを特徴とする
    温熱貼付剤。
  5. 【請求項5】 非伸長性の支持体上に積層され、且つ少
    なくとも片面が通気性フィルム・シートで形成された開
    放部のない偏平状袋体が複数の部屋に隔設されており、
    この各部屋の内部に、空気の存在によって発熱する発熱
    組成物を封入して形成された発熱体と、上記支持体の露
    出面に形成された粘着層からなり、上記の支持体或いは
    支持体と粘着層には、発熱体と発熱体の対応する箇所に
    おいて、切り込みが形成されており、しかも上記偏平状
    袋体が伸長性のフィルム或いはシートで形成されている
    ことを特徴とする温熱貼付剤。
  6. 【請求項6】 非伸長性の支持体の片面に積層され、且
    つ少なくとも片面が通気性フィルム・シートで形成され
    た開放部のない偏平状袋体が複数の部屋に隔設されてお
    り、この各部屋の内部に、空気の存在によって発熱する
    発熱組成物を封入して形成された発熱体と、上記偏平状
    袋体の露出面に形成された粘着層からなり、上記支持体
    には、発熱体と発熱体の対応する箇所において、切り込
    みが形成されており、しかも上記偏平状袋体が伸長性の
    フィルム或いはシートで形成されていることを特徴とす
    る温熱貼付剤。
  7. 【請求項7】 伸長性のフィルム或いはシートが伸縮性
    のフィルム或いはシートである請求項1ないし6のいず
    れか1項に記載の温熱貼付剤。
  8. 【請求項8】 伸長性のフィルム或いはシートが伸縮性
    のフィルム、シート、織布又は不織布或いはこれらの積
    層体である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の温
    熱貼付剤。
  9. 【請求項9】 伸縮性のフィルム、シート、織布又は不
    織布或いはこれらの積層体が天然ゴム、合成ゴムまたは
    熱可塑性エラストマーで形成されたものである請求項8
    に記載の温熱貼付剤。
  10. 【請求項10】 粘着層が湿布層又は粘着剤層である請
    求項1ないし9のいずれか1項に記載の温熱貼付剤。
  11. 【請求項11】 粘着剤層が溶剤型粘着剤、エマルジョ
    ン型粘着剤又はホットメルト型粘着剤で形成された層で
    ある請求項10に記載の温熱貼付剤。
  12. 【請求項12】 粘着層が通水性を有し、しかも発熱体
    と粘着層の間に吸水層が介在されている請求項1ないし
    11のいずれか1項に記載の温熱貼付剤。
  13. 【請求項13】 粘着層に経皮吸収性の薬物が含有され
    ている請求項1ないし12のいずれか1項に記載の温熱
    貼付剤。
  14. 【請求項14】 粘着層が架橋された粘着剤で形成され
    ている請求項1ないし13のいずれか1項に記載の温熱
    貼付剤。
  15. 【請求項15】 発熱組成物中及び/又は発熱体におけ
    る粘着層側に、遠赤外線を放射するセラミックスの粉末
    或いは成形体が設けられる請求項1ないし14のいずれ
    か1項に記載の温熱貼付剤。
JP6713095A 1995-02-28 1995-02-28 温熱貼付剤 Pending JPH08231386A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6713095A JPH08231386A (ja) 1995-02-28 1995-02-28 温熱貼付剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6713095A JPH08231386A (ja) 1995-02-28 1995-02-28 温熱貼付剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08231386A true JPH08231386A (ja) 1996-09-10

Family

ID=13336019

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6713095A Pending JPH08231386A (ja) 1995-02-28 1995-02-28 温熱貼付剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08231386A (ja)

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19990064549A (ko) * 1999-04-08 1999-08-05 우재영 자기발열체를 이용한 매트릭스형 경피투여시스템 및 그 제조방법
KR100382347B1 (ko) * 2000-10-30 2003-05-01 에스케이케미칼주식회사 시트상 자기발열체 및 이의 제조방법
JP2005349024A (ja) * 2004-06-11 2005-12-22 Hakugen:Kk 足用温熱体
WO2006006657A1 (ja) * 2004-07-14 2006-01-19 Mycoal Products Corporation 関節周囲部用温熱包装体
WO2006006656A1 (ja) * 2004-07-14 2006-01-19 Mycoal Products Corporation 発熱体
EP1632202A1 (en) * 2003-06-09 2006-03-08 Uni-Charm Corporation Humidifying body for installation on face
US7047970B2 (en) 2000-04-18 2006-05-23 Kao Corporation Mask
WO2007081009A1 (ja) * 2006-01-13 2007-07-19 Mycoal Co., Ltd. 成形性含余剰水発熱組成物及び発熱体
WO2007081010A1 (ja) * 2006-01-13 2007-07-19 Mycoal Co., Ltd. 両面凹凸状発熱体
JP2008029743A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Kao Corp 発熱具
JP2008206685A (ja) * 2007-02-26 2008-09-11 Maikooru Kk 充電式膝当てカイロ及び膝用サポーター
JP2010221017A (ja) * 2009-02-27 2010-10-07 Yoshiaki Aizawa 貼布
KR101020037B1 (ko) * 2008-08-08 2011-03-09 신승한 뒷목 근육 통증 완화용 목파스
JP4777650B2 (ja) * 2002-09-10 2011-09-21 アメリカン ナショナル レッド クロス 止血用包帯
JP2013075025A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Daio Paper Corp 目用温熱具
KR200476372Y1 (ko) * 2014-08-21 2015-02-24 유미 주식회사 듀얼 발열포가 포함된 패드
JP2021029374A (ja) * 2019-08-19 2021-03-01 株式会社オーシンエムエルピー 発熱体

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19990064549A (ko) * 1999-04-08 1999-08-05 우재영 자기발열체를 이용한 매트릭스형 경피투여시스템 및 그 제조방법
US7047970B2 (en) 2000-04-18 2006-05-23 Kao Corporation Mask
KR100382347B1 (ko) * 2000-10-30 2003-05-01 에스케이케미칼주식회사 시트상 자기발열체 및 이의 제조방법
JP4777650B2 (ja) * 2002-09-10 2011-09-21 アメリカン ナショナル レッド クロス 止血用包帯
EP1632202A1 (en) * 2003-06-09 2006-03-08 Uni-Charm Corporation Humidifying body for installation on face
US7036503B2 (en) 2003-06-09 2006-05-02 Uni-Charm Corporation Face-wearing humidifier
EP1632202A4 (en) * 2003-06-09 2006-08-09 Uni Charm Corp HUMIDIFIER DEVICE APPLY ON THE FACE
JP2005349024A (ja) * 2004-06-11 2005-12-22 Hakugen:Kk 足用温熱体
JP4628699B2 (ja) * 2004-06-11 2011-02-09 株式会社白元 足用温熱体
WO2006006657A1 (ja) * 2004-07-14 2006-01-19 Mycoal Products Corporation 関節周囲部用温熱包装体
EP1774934A1 (en) * 2004-07-14 2007-04-18 Mycoal Products Corporation Heating element
WO2006006656A1 (ja) * 2004-07-14 2006-01-19 Mycoal Products Corporation 発熱体
EP1774934A4 (en) * 2004-07-14 2007-12-19 Mycoal Prod Corp HEATING ELEMENT
WO2007081009A1 (ja) * 2006-01-13 2007-07-19 Mycoal Co., Ltd. 成形性含余剰水発熱組成物及び発熱体
WO2007081010A1 (ja) * 2006-01-13 2007-07-19 Mycoal Co., Ltd. 両面凹凸状発熱体
JP2008029743A (ja) * 2006-07-31 2008-02-14 Kao Corp 発熱具
JP2008206685A (ja) * 2007-02-26 2008-09-11 Maikooru Kk 充電式膝当てカイロ及び膝用サポーター
KR101020037B1 (ko) * 2008-08-08 2011-03-09 신승한 뒷목 근육 통증 완화용 목파스
JP2010221017A (ja) * 2009-02-27 2010-10-07 Yoshiaki Aizawa 貼布
JP2013075025A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Daio Paper Corp 目用温熱具
KR200476372Y1 (ko) * 2014-08-21 2015-02-24 유미 주식회사 듀얼 발열포가 포함된 패드
JP2021029374A (ja) * 2019-08-19 2021-03-01 株式会社オーシンエムエルピー 発熱体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH08231386A (ja) 温熱貼付剤
KR0173549B1 (ko) 잉크상태 내지 크림상태의 발열조성물 및 이를 이용한 발열체 및 이 발열체의 제조방법
US8261734B2 (en) Heat generating body, heat insulating method using the same and packaging material for die molding heat generation
US20080269850A1 (en) Flexible Heat Generating Body
JP3344686B2 (ja) インキ状ないしクリーム状の発熱組成物及びこれを用いた発熱体並びにこの発熱体の製造方法
US20070277806A1 (en) Heat Generating Pad And Method Of Use Of The Same
JP4490971B2 (ja) 発熱体
US20080202490A1 (en) Heat Generating Body and Process For Producing Heat Generating Body
JPH09276317A (ja) 足温用発熱体の製造方法及び足温用発熱体
US20090000610A1 (en) Microheater and Process For Producing the Same
WO2006006654A1 (ja) ヒートクロス及びその製造方法
JPWO2006006658A1 (ja) 足温用発熱体及び足温用発熱体の製造方法
KR20040108331A (ko) 발 보온용 발열체 및 발 보온용 발열체의 제조방법
US20200138625A1 (en) Exothermically heated elastic adhesive tape and wrap with improvements
JPWO2006006647A1 (ja) 活性鉄粉及び発熱体
JP2826667B2 (ja) 吸汗性温熱体構造物
JPWO2006006657A1 (ja) 関節周囲部用温熱包装体
JPWO2006006665A1 (ja) 発熱組成物及び発熱体
WO2006006663A1 (ja) 温灸器
JP3544230B2 (ja) 貼付剤
WO2006006660A1 (ja) 発熱ラップ
JPH08336554A (ja) 発熱体及びこれを用いる貼付剤
JP3511412B2 (ja) 貼付剤
WO2006006659A1 (ja) 発熱パック及びその使用方法
JPH09140741A (ja) 発熱体

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20040302

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02