JPWO2006006647A1 - 活性鉄粉及び発熱体 - Google Patents

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Abstract

発熱体の原料として好適で、発熱組成物の発熱立ち上がり性に優れ、かつ、経済性に優れた活性鉄粉を提供する。空気と接触して発熱する発熱組成物に含有される活性鉄粉であって、鉄粉に含まれるウスタイトの量が鉄とのX線ピーク強度比として、5.01〜50重量%であることを特徴とする。

Description

本発明は、発熱体に用いられる活性鉄粉、発熱組成物及び発熱体に関する。
鉄粉と反応助剤等の混合物に空気(酸素)を作用させて使用する製品としては、一般には使い捨てカイロと各種食品の包装体中に装着して包装体中の酸素を効率よく吸収して食品の鮮度を保持する、いわゆる脱酸素剤がよく知られている。
これらの製品に使用される金属粉としては、鉄粉が最も一般的であり、反応助剤としては、食塩、水等が用いられ、これらの物質を担持する保水剤として活性炭、バーミキュライト、珪藻土、木粉或いは吸水性高分子等を混合して使用されることもよく知られている。
使い捨てカイロにおける鉄粉の役割は、酸化による反応熱を利用し、その目的を果たすことにある。従って、これらの製品の性能は鉄粉の特性によって左右され、換言すれば活性の高い鉄粉を使用することにより良質な製品が生産されることになる。
使い捨てカイロにあっては、開封後すみやかに昇温することが製品価値を高めるため、発熱立ち上がり特性の優れた鉄粉を供給することが望まれている(例えば、特許文献1及び2)。
通常、市販されている鉄粉は還元程度が強く鉄の純度が高く、発熱体に使用した場合、発熱立ち上がり性が不十分であり、主に活性炭等の炭素成分の添加量の調整により、発熱立ち上がり性を改良する試みがなされているが、性能的に満足のいくものではなかった。
そこで、鉄粉の表面に、導電性炭素質物質の薄膜を局部的に一定量形成せしめることにより、使い捨てカイロや脱酸素剤用原料として、酸化反応が促進されるように表面改質された活性鉄粉がある。
特開昭53−60885号公報 特開昭57−10673号公報
しかしながら、前記鉄表面に導電性炭素質物質の薄膜を局部的に一定量形成する方法では、発熱組成物の発熱立ち上がり性が改善されるものの、その効果は不十分であり、その製造工程が複雑になり、コスト的に問題があった。
本発明は、発熱体の原料として好適で、発熱組成物の発熱立ち上がり性に優れ、かつ、経済性に優れた活性鉄粉を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意研究を重ね、鉄粉の製造方法を調べたり、還元鉄粉を酸化性ガスで処理し、その条件や配合等を変えて作製した種々の鉄粉を使用し、発熱組成物の発熱立ち上がり性を調べた結果、発熱組成物の発熱立ち上がり性のよい鉄粉はウスタイト相(FeO)が存在しており、ウスタイトと鉄の存在比をX線ピーク強度比で調べた結果、ウスタイトの強度比が下がると発熱立ち上がり性が悪くなる関係があり、ウスタイトがある試料では発熱立ち上がり性ガスがよいことを発見した。
本発明の活性鉄粉は、請求項1に記載の通り、空気と接触して発熱する発熱組成物に含有される活性鉄粉であって、鉄粉に含まれるウスタイトの量が鉄とのX線ピーク強度比として、5.01〜50重量%であることを特徴とする。
また、請求項2に記載の活性鉄粉は、請求項1に記載の活性鉄粉において、前記鉄粉が、還元鉄粉、アトマイズ鉄粉及び表面が導電性炭素質物質で部分的に被覆された鉄粉から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする。
本発明の発熱組成物は、請求項3に記載の通り、請求項1に記載の鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分とする発熱組成物であって、前記活性鉄粉が、前記発熱組成物中の鉄粉の30〜100重量%を占めることを特徴とする。
本発明の発熱体は、請求項4に記載の通り、請求項3に記載の発熱組成物を含有することを特徴とする。
また、請求項5に記載の発熱体は、請求項4に記載の発熱体において、前記発熱体は、少なくとも一部に固定手段を有することを特徴とする。
また、請求項6に記載の発熱体は、請求項5に記載の発熱体において、前記固定手段は、粘着剤層であり、前記粘着剤層が保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、疎水性高分子化合物、焦電物質、酸化防止剤、骨材、繊維状物、保湿剤、機能性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有してなることを特徴とする。
以上の説明から明らかなごとく、酸化鉄の還元により製造される鉄粉の少なくとも表面に、又は、市場に出ている鉄粉又は加工生産中間工程品として産出される鉄粉の少なくとも表面にウスタイトをウスタイトの量が鉄とのX線ピーク強度比として、5.01〜50重量%に形成することにより、発熱体の原料として好適であるとともに、発熱立ち上がり性に優れ、かつ、経済的に優れた発熱体用活性鉄粉が得られる。
本発明の活性鉄粉は、空気と接触して発熱する発熱組成物に含有される活性鉄粉であって、鉄粉に含まれるウスタイトの量が鉄とのX線ピーク強度比として、5.01〜50重量%である。
ウスタイトの量が多いとガスが発生し、保存中に非通気性収納袋である外袋が膨れる問題が発生したが、水素ガス発生抑制剤を少量用いることで解決した。
前記鉄粉としては、鋳鉄鉄粉、アトマイズド鉄粉、電解鉄粉、還元鉄粉、鉄粉表面が導電性炭素質物質で部分的に被覆された鉄粉等及びそれらの鉄合金が一例として挙げられる。
ウスタイト相のX線解析はX線解析装置を用いて評価を行い、ウスタイトの量を鉄の110面のピークの積分強度とウスタイトの220面のピークの積分強度の比として評価した。
本発明では、この鉄粉の少なくとも表面にウスタイト領域が存在し、鉄粉に含まれるウスタイトの量は鉄とのX線ピーク強度比として、5.01〜50重量%であり、好ましくは5.01〜30重量%、より好ましくは7〜30重量%であり、更に好ましくは7〜20重量%である。
5.01重量%未満では発熱組成物の発熱立ち上がり性に寄与できず、50重量%を超えても特別の効果が増進せず、発熱組成物や発熱体の発熱時間が短くなる。
また、本発明の活性鉄粉はウスタイト及び/又はウスタイト以外の鉄酸化物が存在していてもよく、鉄酸化物としては、鉄の酸化物、水酸化物、オキシ水酸化物等の酸素を含む鉄である。
通常、還元鉄粉は鉄酸化物であるウスタイトの存在は保存中等の空気酸化により生成される可能性はあるが、これらの形態でのウスタイト分では発熱組成物の発熱立ち上がり性に寄与することはない。
本発明の活性鉄粉を発熱体用鉄粉として使用すれば、発熱特性、特に初期立ち上がり特性が改善される他、助燃剤、有効成分中の活性炭使用量を節減することができる。
即ち、本発明は、現在一般的に製造されている鉄粉を用い、その機能を発熱体の原料として好適な活性鉄粉に改質することにある。
前記鉄粉又は活性鉄粉は鉄以外の金属、半導体及びそれらの酸化物を含有していてもよい。
前記鉄合金粉とは鉄を50%以上含む鉄の合金粉であり、合金成分は鉄以外の半導体を含む金属成分であり、鉄成分が発熱組成物の成分として働けば、特に制限はなく、ケイ素、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、マンガン、ニッケルや銅等が一例として挙げられる。
前記鉄粉が炭素成分を含有及び/又は炭素成分で部分的に被覆された鉄粉であってもよい。
特に、鉄成分が鉄粉又は鉄合金粉で表面が0.3〜3.0重量%の導電性炭素質物質で部分的に被覆された鉄粉又は鉄合金粉は有用である。
前記酸素を含有及び/又は被覆された鉄成分中の鉄酸化物以外の金属酸化物としては、酸化性ガスによる鉄の酸化を阻害しなければ如何なるものでもよいが二酸化マンガン、酸化第二銅等が一例として挙げられる。
前記発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分とする発熱組成物であって、前記活性鉄粉が、前記発熱組成物中の鉄粉の30〜100重量%を占めるものである。
前記水としては、適当なソースからのものでよい。その純度及び種類等には制限はない。
水の含有量は、発熱組成物の場合、発熱組成物の1〜70重量%、より好ましくは1〜60重量%、更に好ましくは7〜60重量%、更に好ましくは10〜50重量%、更に好ましくは20〜50重量%を含有する。
また、酸化性ガスによる接触処理をする前の反応混合物及び発熱混合物の場合、反応混合物又は発熱混合物の0.5〜20重量%、より好ましくは1〜20重量%、更に好ましくは3〜20重量%、更に好ましくは4〜15重量%を含有する。
前記炭素成分としては、炭素を成分としたものであれば制限はない。カーボンブラック、黒鉛、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、フラーレンなどが一例として挙げられる。ドーピング等により導電性を有するものであってもよい。ココナツの殻、木材、木炭、石炭、骨炭などから調製された活性炭や、動物産物、天然ガス、脂肪、油及び樹脂のような他の原料から調製されたものも一例として挙げられる。特に、吸着保持能を有する活性炭が好ましい。
また、炭素成分としては、必ずしも単独で存在する必要はなく、炭素成分を含有及び/又は炭素成分で被覆された鉄粉を発熱組成物に使用した場合、炭素成分が単独に存在しなくても、前記発熱組成物は炭素成分を含むものとする。
前記反応促進剤としては、発熱物質の反応促進ができるものであれば制限はない。金属ハロゲン化物、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、金属硫酸塩類等が一例として挙げられる。金属ハロゲン化物としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化第一鉄、臭化第二鉄、沃化ナトリウム、沃化カリウム等が一例として挙げられる。硝酸塩としては硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が一例として挙げられる。酢酸塩としては、酢酸ナトリウム等が一例として挙げられる。炭酸塩としては、炭酸第一鉄等が一例として挙げられる。金属硫酸塩類としては、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄等が一例として挙げられる。
本発明の活性鉄粉の製造方法としては、鉄粉に含まれるウスタイトの量を鉄とのX線ピーク強度比として、5.01〜50重量%にすることができれば制限はないが、一例として、発熱組成物の成分を混合した反応混合物又は発熱組成物を酸化性ガス雰囲気又は酸化ガス吹き込み等により、酸化性ガス(酸素や空気等)と連続的又は断続的に接触させて鉄成分を部分酸化する、酸化性ガス接触処理が一例として挙げられる。
酸化程度を決める方法は制限はないが、前記反応混合物又は発熱組成物の易動水値、酸化性ガスとの接触時間、接触時の発熱温度上昇速度、接触時の発熱温度、接触時の最高発熱温度、接触時の最高発熱温度を過ぎ、降下した所定温度等又はその組み合わせにより、前記混合物又は発熱組成物と酸化性ガスとの接触程度を決め、酸化程度を決める方法が一例として挙げられる。
更に、具体的には、
1.鉄粉の原料として用いるミルスケールや鉱石を水素、又はチャー炭、コークス等の還元剤を用いて、1300℃程度以下の温度で還元した後、還元ケーキをハンマーミルやジョークラッシャー等で粗粉砕し、ノボローター、パルペライザーや振動ボールで微粉砕する製造方法、
2.鉄酸化物を含有する鉄粉を還元し、製造する製造方法、
3.鉄粉、反応促進剤及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させ、鉄粉を部分酸化し、表面に鉄酸化物皮膜を有する鉄粉を含有する発熱混合物の製造方法、
4.鉄粉、反応促進剤、酸性物質及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させる発熱混合物の製造方法、
5.鉄粉、反応促進剤、炭素成分及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させる発熱混合物の製造方法、
6.鉄粉、反応促進剤、酸性物質、炭素成分及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させる発熱混合物の製造方法、
7.1乃至6の何れかに記載の反応混合物又は発熱混合物が上記成分以外の成分を含有し、1乃至6の何れかに記載の方法を行う部分酸化鉄粉を含有する発熱混合物の製造方法、
8.1乃至7の何れかに記載の方法を、環境温度より10℃以上に加温した環境で行う発熱混合物の製造方法、
9.1乃至8の何れかに記載の方法を酸化性ガスを吹き込んで行う発熱混合物の製造方法、
10.9に記載の方法で、環境温度より10℃以上に加温した酸化性ガスを吹き込んで行う発熱混合物の製造方法、
11.1乃至10の何れかに記載の方法で、発熱反応による温度上昇の最高点である最高温度を超えるまで、酸化性ガス接触処理を行う発熱組成物の製造方法、
12.1乃至11の何れかに記載の方法で、発熱反応による最高温度を超え、更に、前記最高温度から少なくとも10〜20℃下がるまで、酸化性ガス接触処理を行う発熱混合物の製造方法、
13.1乃至11の何れかに記載の方法で、発熱反応による温度上昇の最高点である最高温度を超えるまで、酸化性ガス接触処理を行い、その後酸化性ガスを遮断し、少なくとも反応混合物の温度が前記最高温度から少なくとも10〜20℃下がるまで、保持する発熱組成物の製造方法、
14.1乃至7の何れかに記載された反応混合物又は発熱混合物を酸化性ガス環境下で、温度上昇分を1℃以上にする発熱混合物の製造方法、等が一例として挙げられる
更に、発熱混合物に他の成分を加え、更に、酸化性ガス処理を行い、発熱混合物としてもよい。
尚、酸化性ガス接触処理時の反応混合物の環境は0℃以上の環境下で、酸化性ガスと接触させ、10分以内に、反応混合物の温度上昇分を1℃にさせれば制限はなく、容器の中に存在する状態でも、不織布等の通気性シート状物の中に存在する状態でもよい。
また、酸化性ガス接触処理は撹拌下、非撹拌下、流動下又は非流動下の何れでもよく、バッチ式でも連続式でもよい。
ここで、酸化性ガスとの接触処理時の反応混合物の状態は鉄粉が部分酸化され鉄粉に含まれるウスタイトの量が鉄とのX線ピーク強度比として、5.01〜50重量%になれば、静置状態、移動状態、撹拌等による流動状態の何れでもよく、適宜選択すればよい。また、反応混合物、発熱混合物及び発熱組成物の各成分の混合時並びに水分調整時の混合時は酸化性ガス雰囲気中や酸化性ガスの吹き込みの何れでもよい。
発熱組成物としては、活性鉄粉を30〜100%含有する鉄粉と他の必須成分からなる発熱組成物又はそれに必須成分以外の成分を含有する発熱組成物であれば制限はないが、前記発熱組成物製造方法は、
1)上記1乃至14の何れかに記載の方法で製造された活性鉄粉と鉄粉以外の必須成分を含有する発熱組成物製造方法、
2)上記1乃至14の何れかに記載の方法で製造された活性鉄粉と鉄粉以外の必須成分を混合する発熱組成物製造方法、
3)上記1乃至14の何れかに記載の方法で製造された活性鉄粉と鉄粉を混合し、更に鉄粉以外の必須成分を添加し混合する発熱組成物製造方法、
4)1)乃至3)で製造されたものを水分調整し、混合する発熱組成物製造方法、等が一例として挙げられる。尚、必須成分及び他の成分を加え、混合した反応混合物を酸化性ガス接触処理し、その後、水分調整を行う、発熱組成物の製造方法が特に好ましい。
本発明の活性鉄粉を鉄粉として使用すると、発熱組成物の発熱立ち上がり性がよくなり、発熱組成物中の活性炭等の炭素成分を10〜20%以上減らすことができる。炭素成分添加量を減少することにより、コストを下げることができる。
本発明の活性鉄粉を、発熱体用鉄粉として使用すると、発熱組成物の発熱立ち上がり性がよくなる機構については、詳しくはわからないが、鉄の酸化に対するウスタイトの触媒効果及び酸化性ガスと成分の接触により、成分の酸化、特に鉄粉の酸化により、鉄粉の表面に鉄鉄酸化物皮膜、即ち、酸素含有皮膜が形成されるとともに、活性炭の表面にも酸化された鉄成分が付着し、ともに親水性が付与され又向上し、水の仲立ちによる成分間の結合や構造化が起きていると推定している。また、鉄鉄酸化物皮膜中にマグネタイト(Fe)が存在する場合、導電性に優れるので好ましく、また、ヘマタイト(Fe)が存在する場合もポーラスとなるので好ましい。
前記発熱組成物が、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、水素発生抑制剤、骨材、繊維状物、機能性物質、界面活性剤、有機ケイ素化合物、焦電物質、保湿剤、肥料成分、疎水性高分子化合物、発熱助剤、鉄以外の金属、酸化鉄以外の金属酸化物、酸性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有することが好ましい。
易動水値とは、発熱組成物中に存在する水分の中で発熱組成物外へ移動できる余剰水分の量を示す値である。この易動水値について、図6乃至図10を使って説明する。図6に示すように、中心点から放射状に45度間隔で8本の線が書かれたNO.2(JIS P 3801 2種)の濾紙12を、図7及び図8に示すように、ステンレス板16上に置き、前記濾紙12の中心に、内径20mm×高さ8mmの中空円筒状の穴14を持つ長さ150mm×幅100mmの型板13を置き、その中空円筒状の穴14付近に試料15を置き、押し込み板9を型板13上に沿って動かし、試料15を押し込みながら中空円筒状の穴14へ入れ、型板13面に沿って、試料を擦り切る(型押し込み成形)。次に、図9に示すように、前記穴14を覆うように非吸水性の70μmポリエチレンフィルム11を置き、更にその上に、厚さ5mm×長さ150mm×幅150mmのステンレス製平板10を置き、発熱反応が起こらないようにして、5分間保持する。その後、図10に示すように、濾紙12を取り出し、放射状に書かれた線に沿って、水又は水溶液の浸みだし軌跡を中空円筒の穴の縁である円周部18から浸みだし先端までの距離17として、mm単位で読み取る。同様にして、各線上からその距離17を読み取り、合計8個の値を得る。読み取った8個の各値(a,b,c,d,e,f,g,h)を測定水分値とする。その8個の測定水分値を算術平均したものをその試料の水分値(mm)とする。また、真の水分値を測定するための水分量は内径20mm×高さ8mmの前記発熱組成物等の重量に相当する前記発熱組成物等の配合水分量とし、その水分量に相当する水のみで同様に測定し、同様に算出したものを真の水分値(mm)とする。水分値を真の水分値で除したものに100をかけた値が易動水値である。即ち、易動水値=[水分値(mm)/真の水分値(mm)]×100
同一試料に対して、5点測定し、その5個の易動水値を平均し、その平均値をその試料の易動水値とする。
本発明での易動水値(0〜100)は、好ましくは0.01〜20であり、より好ましくは0.01〜18であり、更に好ましくは0.01〜15であり、更に好ましくは0.01〜13であり、更に好ましくは1〜13であり、更に好ましくは3〜13である。
易動水値が0.01未満の発熱組成物は成形性が不足する。易動水値が0.01〜50の発熱組成物は成形性を有するので成形性発熱組成物である。易動水値が20を超えると発熱組成物の一部水分を吸水や脱水等により除去する必要がある。即ち、吸水性包材等を使用して発熱組成物成形体中の一部水分を吸水や脱水等により除去しないと、実用的な発熱反応を起こさない。尚、吸水速度の遅い吸水性ポリマーを使用し、成形時には高い易動水値を示すが、一定時間後、余剰水の一部が吸水性ポリマーに取り込まれ、易動水値0.01〜20の発熱状態になる場合は、易動水値が高い発熱組成物でも余剰水がバリア層になっていない発熱組成物として扱う。易動水値が50を超える発熱組成物は、余剰水が多すぎ、スラリー状になり、成形性がなく、余剰水がバリア層になり、そのままでは空気と接触して発熱反応は起こさない。
また、易動水値とは、発熱組成物や混合物等に含まれる水分のうち、容易に、自由に系外へしみ出せる水分量である余剰水を数値化したものである。発熱組成物や混合物等のいくつかの成分を混合した混合物では、保水剤、炭素成分、吸水性ポリマー等の保水能力を持つ成分量、各成分の濡れ性により、その余剰水量は種々変化し、加えた水分量からは予想が非常に難しい。従って、易動水値からその発熱組成物や混合物等の余剰水量が決まるので、これによって、加える水分量、他の成分量を決めれば、ほぼ一定量の余剰水量を持つ発熱組成物や混合物等が再現性よく得られる。即ち、予め、易動水値と発熱組成物や混合物等の組成比を調べておけば、その組成比に従って配合した発熱組成物や混合物等は一定範囲内の易動水値、即ち、一定範囲内の余剰水量を持つので、空気と接触して発熱するが、成形性のない粉体状の発熱組成物、空気と接触して発熱し、しかも成形性のある発熱組成物、吸水等により一定の余剰水量を系外に出した後に、空気と接触して発熱し、しかも成形性のある発熱組成物等の種々の発熱組成物が容易に製造できる。従って、易動水値がわかればその発熱組成物や混合物等が上記の何れの状態にあるのかがわかる。
易動水値を使えば、簡単な測定により、所望の状態を再現よく具現化できるので、その測定より得た易動水値と成分比を基に、発熱組成物の成分比を決定し、発熱組成物の実生産が簡単に可能になる。
易動水値の使用例としては、水分(又は反応促進剤水溶液)を除いた他の発熱組成物成分を特定量で混合した混合物に水分(又は反応促進剤水溶液)を加え、混合し、水分量の異なる発熱組成物を複数個製造する。次に、その各発熱組成物の易動水値を測定し、添加水分量(又は反応促進剤水溶液)と易動水値の関係を求める。
成形性があり、空気と接触して発熱する発熱組成物の易動水値は0.01〜20である。これにより各成分の配合を決め、その配合で混合物を作製すれば、水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱し、成形性を有する発熱組成物が再現よく製造できる。
これにより、余剰水を連結物質とし、凝集助剤や乾燥結合材を使用していないので、鉄粉の反応効率も落ちないので、凝集助剤や乾燥結合材を使用した場合に比べ、少量で高い発熱性能が得られる。
尚、本発明において、バリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こすとは、発熱組成物中の水分が空気遮断層としてのバリア層として機能せず、発熱組成物製造直後に、空気と接触して直ちに発熱反応を起こすことをいう。
この余剰水を連結物質とした成形性発熱組成物を使用することにより、一例として、実質的に平面状の基材上に発熱組成物成形体を最大幅で、好ましくは1〜50mm、より好ましくは1〜20mm、又は最大直径で、好ましくは1〜50mm、より好ましくは1〜20mm(楕円等の径が2つ以上ある場合は、長径を長さ、短径を幅として扱う)の区分発熱部を複数持つ、超薄形、超柔軟性の発熱体が製造可能になる。
前記余剰水とは、発熱組成物中に余剰に存在する水分で容易に発熱組成物外へ移動する水分又は水溶液分をいい、前記発熱組成物等の中から濾紙により吸い出される水分値又は水溶液分値である易動水値として定義される。発熱組成物が適量の余剰水を有すると、発熱組成物の成分中の親水基に対しては双極子相互作用又は水素結合によって水和し、また、疎水基の周辺において高い構造性を有して存在すると推定される。
これは何らかの意味で連結物質である連結水である。これ以外に自由水と呼べる状態の水分もある。余剰水が増加すれば構造が軟化し、自由水も認められる。
本発明の成形性とは抜き穴を有する抜き型を用いた型通し成形や、凹状の型を用いた鋳込み成形により、抜き穴や凹状型の形状で発熱組成物の成形体ができ、型離れを含め成形後、発熱組成物成形体の成形形状を維持することを示すものである。
成形性があると発熱組成物成形体が少なくとも被覆材に覆われ、基材と被覆材の間にシール部が形成されるまで、形状が維持されるので、所望の形状でその形状周縁部でシールができ、シール部に発熱組成物の崩れ片であるいわゆるゴマが散在しないので、シール切れがなくシールできる。ゴマの存在はシール不良の原因となる。
1)測定装置としては、
走行可能な無端状ベルトの上側にステンレス製成形型(中央部に縦60mm×横40mmの四隅がR5に処理された抜き穴を有する厚さ2mm×縦200mm×横200mmの板)と固定可能な擦り切り板を配置し、それと反対側である無端状ベルトの下側に磁石(厚さ12.5mm×縦24mm×横24mmの磁石が並列に2個)を配置する。
前記磁石は、擦り切り板及びその近傍の領域、且つ、成形型の抜き穴の進行方向に対する最大断面の領域(40mm)より大きい領域を覆う。
2)測定法としては、
前記測定装置の無端状ベルトの上に厚さ1mm×縦200mm×横200mmのステンレス板を置き、その上に厚み70μm×縦200mm×横200mmのポリエチレンフィルムを置き、更にその上にステンレス製成形型を置く。
その後、前記成形型の抜き穴の無端状ベルトの進行側端部から50mmの位置に擦り切り板を固定後、前記擦り切り板と前記抜き穴の間で擦り切り板付近に発熱組成物50gを置き、無端状ベルトを1.8m/minで動かし、発熱組成物を擦り切りながら成形型の抜き穴へ充填する。成形型が擦り切り板を完全に通過後、無端状ベルトの走行を停止する。次に成形型を外し、ポリエチレンフィルム上に積層された発熱組成物成形体を観察する。
3)判定法としては、
前記発熱組成物成形体の周縁部において、最大長さが800μmを超える発熱組成物成形体の崩れ片がなく、最大長さ300から800μmの発熱組成物成形体の崩れ片が5個以内である場合に、前記発熱組成物は成形性があるとする。
成形方式に使用する発熱組成物には必須の性質である。これがないと成形方式による発熱体の製造は不可能である。
水分調整とは発熱混合物を酸化性ガスと接触処理した後に水又反応促進剤の水溶液を加えることである。加える量には制限はないが、接触処理により、減量した重量を加えることや、所望の易動水値となる重量を加えることが一例として挙げられる。
水分調整を行うかどうかは用途により適宜決めればよい。
上記発熱組成物の温度上昇を測定する方法は次の通りである。
1)周囲温度20±1℃の条件下、発熱組成物を非通気性の外袋封入状態で1時間放置する。
2)脚付き支持台の塩化ビニル製支持板(厚さ3mm×長さ縦600mm×幅横600mm)の裏面の中央部付近に成形型の抜き穴形状を覆うように磁石を設ける。
3)温度センサーを支持板中央部上に置く。
4)厚さ約80μmの粘着剤層付き厚さ25μm×長さ250mm×幅200mmのポリエチレンフィルムの中央がセンサーのところにくるようにして、粘着層を介して支持板に貼り付ける。
5)外袋から発熱組成物を取り出す。
6)前記ポリエチレンフィルムの中央部上に、長さ80mm×幅50mm×高さ3mmの抜き穴を持つ長さ250mm×幅200mmの型板を置き、その抜き穴付近に試料を置き、押し込み板を型板上に沿って動かし、試料を押し込みながら抜き穴へ入れ、型板面に沿って、試料を押し込みながら擦り切り(型押し込み成形)、型内に試料を充填する。次に、支持板下の磁石を除き、温度測定を開始する。
発熱温度の測定はデータコレクタを用い、測定タイミング2秒で、10分間温度測定をし、3分後の温度をもって、発熱立ち上がり性を判定する。
発熱体の発熱試験については、JIS温度特性試験に従うものとする。
酸化性ガス接触処理とは、発熱組成物の成分を混合した混合物又は発熱組成物を酸化性ガス雰囲気中又は酸化ガス吹き込み等により、酸化性ガス(酸素や空気等)と連続的又は断続的に接触させて鉄成分を部分酸化する方法である。酸化程度を決める方法は制限はないが、前記混合物又は発熱組成物の易動水値、酸化性ガスとの接触時間、接触時の発熱温度上昇速度、接触時の発熱温度、接触時の最高発熱温度、接触時の最高発熱温度を過ぎ、降下した所定温度等又はその組み合わせにより、前記混合物又は発熱組成物と酸化性ガスとの接触程度を決め、酸化程度を決める方法が一例として挙げられる。
例えば、
1)易動水値が20以下(例えば0.01未満、0.01以上から20以下)の発熱組成物を撹拌等で流動化させながら空気に暴露し、自己発熱させ、発熱最高温度を超えるまで、所望の時間で、空気を遮断し、室温に戻し、発熱組成物とする。特に、易動水値が0.01未満の発熱混合物又は発熱組成物を撹拌しながら、空気に暴露し、自己発熱させる酸化性ガス接触処理が好ましい。
2)易動水値が20を超える発熱組成物を空気と接触させ所望の時間で、空気を遮断し、発熱組成物とする。
3)1)又は2)の何れかで得た発熱組成物に、水又は反応促進剤水溶液を加え、水分調整し、混合し、所望の易動水値としたものを発熱組成物とする。水分調整に加える水又は反応促進剤水溶液の重量は、制限はないが、前記混合物又は発熱組成物を空気に暴露する前即ち自己発熱する前の重量に対して減量した重量又はそれを超える重量に相当する重量が一例として挙げられる。所望により、前記接触処理前及び又は接触処理時に、前記混合物の加温、発熱組成物の加温及び反応容器の加温、保温、冷却等又はその組み合わせにより、混合物及び発熱組成物の温度状態を制御してもよい。これにより発熱立ち上がり性の著しく優れた発熱組成物が得られる。
前記酸化性ガスとは、気体で酸化性があれば如何なるものでもよいが、酸素ガス、空気、又は窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガスと酸素を含むガスとの混合気体が一例として挙げられる。前記混合気体としては、10%以上の酸素ガスを含むことが好ましい。これらの中で特に、空気が好ましい。
酸化性ガスの温度、接触処理温度、接触処理時間は接触処理領域の雰囲気が酸欠にならず、鉄成分の酸化反応が起これば制限はなく所望により適宜決めればよいが、酸化性ガスの温度は好ましくは0〜200℃、より好ましくは10〜150℃、更に好ましくは20〜100℃、また処理時間は好ましくは1秒〜10分であり、より好ましくは5秒〜7分であり、更に好ましくは15秒〜5分である。工程においては処理時間は短い方が好ましい。
酸化性ガスの使用量は、酸化性ガスの種類、鉄粉の種類や粒度、水分量、処理温度、処理方法などによって調整をすればよいが、空気を使用した場合を一例として挙げれば、鉄粉200gに対して、1気圧下、100℃の空気で、空気の量は、好ましくは1〜1000リットル/分である。他の酸化性ガスの場合、空気の場合を基準として、酸素の濃度により換算すればよい。
所望により、酸化性ガス接触処理時に酸性物質や過酸化物を添加してもよい。過酸化物としては、過酸化水素、オゾンが一例として挙げられる。開放系での酸化性ガス処理を行う場合、フタのない容器中で行うか、不織布等の通気性シート状物を通じて空気等の酸化性ガスが入るようにしてもよい。
発熱混合物とは、鉄粉と炭素成分と反応促進剤と水を必須成分とし、含水量が1〜20重量%で、易動水値が0.01未満の反応混合物を、流動下、酸化性ガス接触処理し、10分以内に反応混合物の温度上昇分を1℃以上にしたものである。酸化性ガス接触処理により、反応混合物に何らかの特性に変化を起こさせればよく必ずしも鉄粉が酸化されている必要はないが、酸化されている方が好ましい。その場合、鉄粉は活性鉄粉になっていることが好ましい。
ウスタイト量とは、X線解析装置を用い、鉄(αFe)の110面のピークの積分強度とFeO(ウスタイト)の220面のピークの積分強度から次式により%表示で表したものである。
ウスタイト量(%)=100×KFeO/(KαFe)
KFeO:FeO(ウスタイト)の220面のピークの積分強度
KαFe:鉄(αFe)の110面のピークの積分強度
活性鉄粉とはウスタイトの含有量が5.01〜50重量%の鉄粉である。また、活性鉄粉が鉄粉及びその他の必須成分(炭素成分、反応促進剤、水)の少なくとも何れかを含む混合物を使用して作成された場合や発熱体の発熱組成物中の鉄粉の活性鉄粉量を求める場合は、作成後の混合物又は発熱体の発熱組成物から磁石等により鉄粉を分離し、それを試料としてX線解析装置を用い、ウスタイト量を求め、その量が2〜50重量%以上あれば前記鉄粉は活性鉄粉であるとする。
発熱混合物とは、鉄粉と炭素成分と反応促進剤と水を必須成分とし、含水量が1〜30重量%で、易動水値が0.01未満の反応混合物を、流動下、酸化性ガス接触処理し、接触後の反応混合物の温度が40℃以上、2秒以上保持されたものである。酸化性ガス接触処理により、反応混合物に何らかの特性に変化を起こさせればよく、必ずしも鉄粉が酸化されている必要はないが、酸化されている方が好ましい。その場合、鉄粉は活性鉄粉になっていることが好ましい。
また、本発明の活性鉄粉を使用した発熱組成物を用いた発熱体を長期保存する必要がある場合は、発熱組成物に水素発生抑制剤を加えておけば発熱体の膨らみもなく長期保存可能であり、長期保存後、初期立上り特性の優れた発熱体を使用することができる。
本発明の発熱体は、空気中の酸素と接触して発熱する発熱体で、前記活性鉄粉を含有する発熱組成物を通気性収納袋に収納して発熱体となる。更に、発熱組成物間をヒートシールすることにより、複数の発熱部を有するようにしてもよい。
また、保存や輸送のために、発熱体を非通気性収納袋である外袋に封入してもよい。
発熱体の製造方法は制限はないが、次の様な製造方法が一例として挙げられる。
1)充填方式
接着剤や縫製加工やヒートシール方式等の適宜な方式で基材の端部や間仕切り箇所を結合して袋体を形成し、発熱組成物をその袋体に充填し、その後袋体端を接着する方法である。一例として、充填方式による分室化された発熱体の製造方法としては、例えば長尺の基材と、目的とする間仕切り部分及び基材の周縁をヒートシールできる回転式の加熱圧着器を用いて、その加熱圧着器を介し対向配置した長尺基材の縁部及び間仕切り部分の必要箇所をヒートシールしつつ、形成された基材間の空隙からなる分室に通気発熱性の発熱体を供給して封入処理し、その封入処理でカイロ端を接着しつつ次の分室の形成を開始する連続形成方法などである。
2)ポケット方式
特表平11−508786号公報に開示されているように、予め基材に熱成形、機械的エンボス、真空エンボス又は他の許容しうる手段によりポケットを造っておき、前記ポケットに発熱組成物及びその圧縮体等を充填し、更に別の基材で、そのポケットを覆い、2つの基材の周囲を結合し、発熱体を製造する方法である。
3)成形方式
抜き型を使った型通し成形法や鋳込み型を使った鋳込み成形法により、所望の形状に成形性発熱組成物を成形し、収納用ポケットを有しない、実質的に平面状の基材等に、その成形体を積層し、更に別の基材を被せ、シールして発熱体を製造する方法である。ここで型通し成形法とは抜き型を使用し、長尺の基材の上に型の抜き形状の発熱組成物成形体を積層する成形機と、それを長尺の被覆材で覆い、目的とする区分け部分及び基材と被覆材の周辺部をシール(ヒートシールや圧着シールや熱圧着シール等)できる回転式のシール器を用いて、そのシール器を介し、発熱組成物成形体の周辺部及び区分け部分の必要箇所をヒートシールし、封入処理する連続形成方法である。また鋳込み成形法とは凹部を有する鋳込み型への充填と基材への移設により、発熱組成物成形体を長尺基材上へ積層する成形法である。連続式の場合は、ドラム状回転体による凹部への充填と基材への移設により、発熱組成物成形体を長尺基材上へ積層する成形機と、それを長尺の被覆材で覆い、目的とする区分け部分及び基材と被覆材の周辺部をシール(ヒートシールや圧着シールや熱圧着シール等)できる回転式のシール器を用いて、そのシール器を介し、発熱組成物成形体の縁部及び区分け部分の必要箇所をヒートシールし、封入処理する連続形成方法などである。
上記方法及びその他方法を使った本発明の発熱組成物使用の発熱体製造には、磁石を使用してもよい。磁石を利用すると、発熱組成物の袋体や型内への収容や、その成形体の型からの離脱が容易にでき、発熱組成物成形体の成形や発熱体の製造がより容易になる。
固定手段としては、関節周囲部用温熱包装体や発熱部を有するものを所要部に固定できる固定能力を有するものであれば制限はない。
前記固定手段として一般的に採用されている、粘着剤層、鍵ホック、ホックボタン、ベルクロ等の面ファスナー、マグネット、バンド、ひも等及びそれらを組み合わせたものを任意に使用できる。
尚、バンドの場合、面ファスナーと粘着剤層との組み合わせで調整用固定手段を更に構成しても構わない。
ここで、面ファスナーとは、マジックテープ(登録商標)、マジックファスナー(登録商標)、ベルクロファスナー、フックアンドループテープ等の商品名で知られているもので、雌ファスナーであるループと前記雌ファスナー締結し得る雄ファスナーであるフックとの組み合わせで締結機能を有するものである。前記ループ機能を有するものとして、不織布や、毛羽立ち、わなを有する糸の織布等あるが、バンドを形成する芯材の表面にこれらループ機能(雌ファスナー機能)を有するものを被覆してもよいが、これ自体でバンドを構成してもよい。雄ファスナー部材であるフック部材は特に制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂やポリアミド、ポリエステル等から形成されたものが一例として挙げられる。フックの形状は特に限定されるものではないが、断面がI字型、逆L字型、逆J字型、いわゆるきのこ型等の形状のフックがループに引っかかり易く、かつ肌に極度の刺激感を与えない点で好ましい。尚、フックがファスニングテープの全面積に粘着されていてもよく、更にテープ基体を省略してフックのみで、ファスニングテープとして使用してもよい。
前記粘着剤層は、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、疎水性高分子化合物、焦電物質、酸化防止剤、骨材、繊維状物、保湿剤、機能性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有してもよい。
本発明の粘着剤は、非親水性粘着剤、混合粘着剤、親水性粘着剤(ジェル等)に分類される。
前記粘着剤層を構成する粘着剤としては、皮膚や衣服に付着するに必要な粘着力を有するものであれば、制限はなく、溶剤系、水性系、エマルジョン型、ホットメルト型、反応性、感圧系、或いは、非親水性粘着剤、親水性粘着剤などの各種形態が用いられる。
前記粘着剤層は、前記非親水性粘着剤から構成される非親水性粘着剤1層と前記非親水性粘着剤から構成される非親水性粘着剤層とがある。
前記非親水性粘着剤層が吸水性ポリマーや保水剤を含有して吸水性を改良したものは非親水性粘着剤層として扱う。
前記親水性粘着剤層と基材又は被覆材との間にホットメルト系の粘着剤を設けてもよい。
また、前記親水性粘着剤を関節周囲部用温熱包装体に設ける場合制限はなく、関節周囲部用温熱包装体のシール処理後に親水性粘着剤層を関節周囲部用温熱包装体に設けてもよい。
また、粘着剤層としては、通気性を有するものであっても、通気性を有しないものであってもよい。用途に応じて適宜選択をすればよい。通気性としては、全体として通気性があればよい。例えば、部分的に粘着剤が存在し、部分的に粘着剤の存在しない部分があり、領域全体として通気性がある粘着剤層が一例として挙げられる。
通気性の基材及び/又は被覆材に粘着剤をそのまま層状に積層するにあたり、その通気性を維持する方法としては、例えば、粘着剤を印刷、或いは、転写により、粘着剤層を部分的に積層し、その非積層部を通気部とする方法と、粘着剤を糸状に円を描きながら、一方向に移動させたり、ジグザグに移動させたりするなど適宜二次元方向に運行させ、その糸状の粘着剤の隙間が通気性ないし透湿性を推持させたり、粘着剤を発泡させる方法やメルトブロー方式で形成された層とが一例として挙げられる。
非親水性粘着剤層を構成する粘着剤はアクリル系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤(酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル樹脂系ホットメルト粘着剤)、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルアセタール系粘着剤、塩化ビニル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ポリエチレン系粘着剤、セルロース系粘着剤、クロロプレン(ネオプレン)系粘着剤、ニトリルゴム系粘着剤、ポリサルファイド系粘着剤、ブチルゴム系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤、スチレン系粘着剤(例えば、スチレン系ホットメルト粘着剤)、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が一例として挙げられる。これらのうち、粘着力が高く、安価で、長期安定性が良く、しかも温熱を与えても粘着力の低下が少ない等の理由より、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤又はホットメルト系高分子物質を含有する粘着剤が望ましい。
前記粘着剤に前記ベースポリマーの他に、所望により、他の成分、例えば、ロジン類、クマロンインデン樹脂、水添石油樹脂、無水マレイン酸変性ロジン、ロジン誘導体類又はC5系石油樹脂等の脂環族系石油樹脂に代表される石油樹脂類等の粘着付与剤やテルペンフェノール系樹脂、ロジンフェノール系樹脂、アルキルフェノール系樹脂等のフェノール系粘着付与剤(特にアニリン点が50℃以下の粘着付与剤)、ヤシ油、ヒマシ油、オリーブ油、ツバキ油、流動パラフィン等の軟化剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤、骨材、粘着調整剤、粘着改良剤、着色剤、消泡剤、増粘剤、改質剤等が適宜配合し、ナイロン製衣類や混紡布製衣類への粘着性向上等の性能向上をしてもよい。
前記ホットメルト系の粘着剤としては、粘着性を付与した公知のホットメルト系粘着剤が挙げられ、具体的には、例えば、SIS、SBS、SEBS又はSIPS等のA−B−A型ブロック共重合体をベースポリマーとするスチレン系粘着剤、塩化ビニル樹脂をベースポリマーとする塩化ビニル系粘着剤、ポリエステルをベースポリマーとするポリエステル系粘着剤、ポリアミドをベースポリマーとするポリアミド系粘着剤、アクリル樹脂をベースポリマーとするアクリル系粘着剤、ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィンをベースポリマーとするポリオレフィン系粘着剤、1,2−ポリブタジエンをベースポリマーとする1,2−ポリブタジエン系粘着剤又はポリウレタンをベースポリマーとするポリウレタン系粘着剤、或いは、接着性の改善や安定性等を変えたこれらの変性体からなる粘着剤、若しくはこれらの粘着剤の2種以上の混合物が挙げられる。また、発泡させた粘着剤から構成される粘着剤層や粘着剤が架橋されたものから構成される粘着剤層も使用できる。
前記非芳香族系ホットメルト系粘着剤とは、ベースポリマーが芳香族環を含有しないホットメルト系粘着剤であれば、制限はない。オレフィン系ホットメルト系粘着剤やアクリル系ホットメルト系粘着剤等が一例として挙げられる。芳香族環を含有しないベースポリマーである非芳香族系ポリマーとは、オレフィンやジエン等のポリマーやコポリマーが挙げられる。一例としてオレフィン系ポリマーが挙げられる。オレフィン系ポリマーは、エチレン、αオレフィンの重合体又は共重合体である。また、他のモノマーとしてブタジエン、イソプレン等のジエンも加えたものもよい。
αオレフィンとしては、二重結合が末端にあるモノマーであれば制限はなく、プロピレン、ブテン、ヘプテン、ヘキセン、オクテン等が一例として挙げられる。
芳香族系ホットメルト系粘着剤とは、ベースポリマーが芳香族環を含有するホットメルト系粘着剤で、A−B−A型ブロック共重合体に代表されるスチレン系のホットメルト系粘着剤等が一例として挙げられる。
前記A−B−A型ブロック共重合体において、Aブロックはスチレン、メチルスチレン等のモノビニル置換芳香族化合物Aで、非弾性重合体ブロックであり、Bブロックはブタジエン、イソプレン等の共役ジエンの弾性重合体ブロックであり、具体的には、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、又はこれらの水添タイプ(SEBS、SIPS)等が挙げられ、また、これらを混合して用いてもよい。
上記非親水性粘着剤層の水分増加による粘着力低下防止対策として上記非親水性粘着剤に更に吸水性ポリマーが配合された粘着剤層も使用できる。
前記親水性粘着剤層を構成する親水性粘着剤としては、親水性ポリマーや水溶性ポリマーを主成分として、粘着性を有し、粘着剤として親水性であれば特に制限はない。
前記親水性粘着剤の構成成分としては、ポリアクリル酸等の親水性ポリマーやポリアクリル酸ナトリウムやポリビニルピロリドン等の水溶性ポリマー、乾燥水酸化アルミニウムやメタケイ酸アルミン酸金属塩等の架橋剤類、グリセリンやプロピレングリコール等の軟化剤類、また、軽質流動パラフィンやポリブテン等の高級炭化水素やミリスチン酸イソプロピル等の一級アルコール脂肪酸エステル、シリコーン油等の含ケイ素化合物、モノグリセリド等の脂肪酸グリセリンエステル、オリーブ油等の植物油等の油性成分、また、パラオキシ安息香酸メチルやパラオキシ安息香酸プロピル等の防腐剤、N−メチル−2−ピロリドン等の溶解剤、カルボキシメチルセルロース等の増粘剤、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油やソルビタン脂肪酸エステル等の界面活性剤、酒石酸等のオキシカルボン酸、軽質無水ケイ酸、吸水性ポリマー、カオリン等の賦形剤、D−ソルビトール等の保湿剤、エデト酸ナトリウムやパラオキシ安息香酸エステルや酒石酸等の安定化剤、架橋型吸水性ポリマー、ホウ酸等のホウ素化合物、水等が一例として挙げられる。また、これらの任意の組み合わせから構成される。
仮着シール部は、粘着層を介して形成されるが、粘着層を構成する粘着剤は、常温でタックがある高分子組成物で形成された層で、仮着後ヒートシールができれば限定はない。
また、仮着に使用される粘着層を構成する粘着剤は前記粘着剤層の粘着剤が使用できる。非親水性の粘着剤が好ましい。粘着層を構成する粘着剤はヒートシールを構成するヒートシール材と相溶性が良く、粘着剤のベースポリマーの融点はヒートシール材の融点以下が好ましい。特に、ホットメルト系接着剤にはホットメルト系粘着剤が好ましい。また、ヒートシール材がオレフィン系の素材である場合は粘着剤としては、オレフィン系の粘着剤が好ましい一例として挙げられる。
通気調整材を固定する接着層は通常使用されている接着剤や粘着剤から構成される。特に粘着剤は有用であり、前記粘着剤層を構成する粘着剤が使用できる。
また、接着層の設ける方法については通気調整材が固定できれば制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。
また、粘着剤層を親水性粘着剤層にした場合、前記親水性粘着剤層と発熱組成物成形体との間に水分保持力の差がある場合にはその間にある基材等の包材を介して、水分の移動が起こり、双方に取って、不都合が起こる。特に保存中に多く起こる。これを防止するために、これらの間に介在する包材は、透湿度が、少なくとも、リッシー法(Lyssy法)による透湿度で、2g/m/day以下であることが好ましい。これを使用することにより、発熱体を非通気性収納袋である外袋に収納し保存する場合、水分移動が防げる。
粘着剤層に親水性粘着剤層を使用した場合、発熱組成物成形体と親水性粘着剤層との間に設けられた防湿性包装材の透湿度は、発熱性能に影響しない範囲で、水分の移動が防止できれば制限はないが、リッシー法(Lyssy法)による透湿度で、通常、2g/m/day以下であり、好ましくは1.0g/m/day以下であり、より好ましくは0.5g/m/day以下であり、更に好ましくは0.01〜0.5g/m/dayである。ここで、大気圧下、40℃、90%RHという条件下の値である。尚、前記防湿性包装材は基材や被覆材としても使用できるし、単独で基材や被覆材等に積層してもよい。
前記防湿性包材は、発熱組成物成形体と親水性粘着剤層の間の水分移動が防止できれば、制限はないが、金属蒸着フィルム、金属酸化物の蒸着フィルム、金属箔ラミネートフィルム、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合物、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物)系フィルム、二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニリデンコートフィルム、ポリ塩化ビニリデンをポリプロピレン等の基材フィルムに塗布してなるポリ塩化ビニリデンコートフィルム、アルミニウム箔等の金属箔、ポリエステルフィルム基材にアルミニウム等の金属を真空蒸着やスパッタリングしてなる非通気性包材、可撓性プラスチック基材の上に、酸化ケイ素、酸化アルミニウムを設けた構造の透明バリア性フィルムを使用した包装用積層体が一例として挙げられる。前記外袋等に使用されている非通気性包材も使用できる。
また、特開平2002−200108号公報の防湿性包材等の包材も使用でき、この記載内容を本発明に組み入れる。
水含有の親水性粘着剤(ジェル等)を粘着剤層に使用する場合、発熱組成物と前記粘着剤層の水分平衡を調整するために、発熱組成物中の塩化ナトリウム等の反応促進剤や吸水性ポリマー等の水分確保力のある物質の含有量を発熱組成物に対して、10〜40重量%の範囲で、好ましくは15〜40重量%の範囲で、更に好ましくは15〜30重量%の範囲で調整してもよい。
また、透湿性がよく、皮膚への刺激性が低い粘着剤としては、特開平10−265373号公報、特開平9−87173号公報等の含水粘着剤(親水性粘着剤、ジェル)や特開平6−145050号公報、特開平6−199660号公報に記載されているホットメルト塗工できる粘着剤や特開平10−279466号公報や特開平10−182408号公報に記載されているゴム系粘着剤も有用であり、本各文献を引用し、全文を本明細書に組み入れる。
前記保水剤としては、保水できれば制限はない。木粉、パルプ粉、活性炭、おがくず、多くの綿毛を有する綿布、綿の短繊維、紙屑、植物質材料及び他の大きい毛細管機能と親水性とを有する植物性多孔質材料、活性白土、ゼオライト等の含水ケイ酸マグネシウム質粘土鉱物、パーライト、バーミキュライト、シリカ系多孔質物質、珊瑚化石、火山灰系物質(テラバルーン、シラスバルーン、タイセツバルーン等)等が一例として挙げられる。尚、これら保水剤の保水力の増加、形状維持力の強化等のため、焼成及び/又は粉砕等の加工処理をしたものもよい。
前記吸水性ポリマーは、架橋構造を有し、かつ自重に対するイオン交換水の吸水倍率が3倍以上の樹脂であれば特に限定されるものではない。また、表面を架橋したものでもよい。従来公知の吸水性ポリマーや市販のものも用いることもできる。
吸水性ポリマーとしては、ポリ(メタ)アクリル酸架橋体、ポリ(メタ)アクリル酸塩架橋体、スルホン酸基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリオキシアルキレン基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリ(メタ)アクリルアミド架橋体、(メタ)アクリル酸塩と(メタ)アクリルアミドとの共重合架橋体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルと(メタ)アクリル酸塩との共重合架橋体、ポリジオキソラン架橋体、架橋ポリエチレンオキシド、架橋ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリスチレン架橋体、架橋ポリビニルピリジン、デンプン−ポリ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸(塩)グラフト架橋共重合体、ポリビニルアルコールと無水マレイン酸(塩)との反応生成物、架橋ポリビニルアルコールスルホン酸塩、ポリビニルアルコール−アクリル酸グラフト共重合体、ポリイソブチレンマレイン酸(塩)架橋重合体等が一例として挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記吸水性ポリマー中の生分解性を有する吸水性ポリマーとしては、生分解性を有する吸水性ポリマーであれば制限はない。ポリエチレンオキシド架橋体、ポリビニルアルコール架橋体、カルボキシメチルセルロース架橋体、アルギン酸架橋体、澱粉架橋体、ポリアミノ酸架橋体、ポリ乳酸架橋体などが一例として挙げられる。
前記pH調整剤としては、pHが調整できれば制限はない。アルカリ金属の弱酸塩、水酸化物など、或いは、アルカリ土類金属の弱酸塩、水酸化物などがあり、NaCO、NaHCO、NaPO、NaHPO、Na10、NaOH、KOH、Ca(OH)、Mg(OH)、Ca(POなどが一例として挙げられる。
前記界面活性剤としては、アニオン、カチオン、ノニオン、両性イオンを含む界面活性剤を包含する。特に、ノニオン界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルフェノール・エチレンオキサイド付加物、高級アルコール燐酸エステル等が一例として挙げられる。
前記有機ケイ素化合物としては、少なくともSi−O−R及び又はSi−N−R及び又はSi−Rの結合を持つ化合物であれば制限はない。モノマー、低縮合物、ポリマー等の形態で、メチルトリエトキシシラン等の有機シラン化合物、ジメチルシリコーンオイル、ポリオルガノシロキサン又はそれらを含有するシリコーン樹脂組成物等が一例として挙げられる。
前記疎水性高分子化合物としては、組成物中の水抜けをよくするため、水との接触角が40°以上、より好ましくは50°以上、更に好ましくは60°以上の高分子化合物であれば制限はない。形状も制限はなく、粉体、顆粒、粒、錠等が一例として挙げられる。ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等が一例として挙げられる。
前記焦電物質としては、焦電性(パイロ電気又はピロ電気)を有する物であれば制限はない。電気石、イキョク鉱物焦電性鉱物が一例として挙げられる。特に電気石の一種であるトルマリンが好ましい。トルマリンとしては、ドラバイト(苦土電気石)、ショール(鉄電気石)、エルバイト(リチア電気石)等が挙げられる。
前記骨材としては、充填剤として有用であり、及び/又は、発熱組成物の多孔質化に有用であれば制限はない。化石サンゴ(サンゴ化石、風化造礁サンゴ等)、竹炭、備長炭、シリカ−アルミナ粉、シリカ−マグネシア粉、カオリン、結晶セルロース、コロイダルシリカ、軽石、シリカゲル、シリカ粉、マイカ粉、クレー、タルク、合成樹脂の粉末やペレット、発泡ポリエステル及びポリウレタンのような発泡合成樹脂、藻土、アルミナ、繊維素粉末等が一例として挙げられる。尚、カオリン及び結晶セルロースは、本発明の発熱組成物には含まないものとする。
前記繊維状物としては、無機系の繊維状物及び/又は有機系の繊維状物である、ロックウール、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維、パルプ、紙、不織布、織物、綿や麻等の天然繊維、レーヨン等再生繊維、アセテート等の半合成繊維、合成繊維及びそれらの粉砕品が一例として挙げられる。
前記保湿剤としては、保湿ができれば制限はない。ヒアルロン酸、コラーゲン、グリセリン、尿素等が一例として挙げられる。
前記機能性物質としては、機能を有する物質であれば制限はないが、芳香化合物、植物エキス、生薬、香料、スリム化剤、鎮痛剤、血行促進剤、むくみ改善剤、抗菌剤、殺菌剤、防かび剤、消臭剤、脱臭剤、経皮吸収性薬剤、脂肪分解成分、マイナスイオン発生体、遠赤外線放射体、磁気体、湿布剤、化粧料、竹酢液又は木酢液等から選ばれた少なくとも一種を一例として挙げられる。
具体的には、メントール、ベンツアルデヒド等の芳香族化合物、ヨモギエキス等の植物エキス、モグサ等の生薬、ラベンダー、ローズマリー等の香料、アミノフィリン、茶エキス等のスリム化剤、インドメタシン、d1−カンフル等の鎮痛剤、酸性ムコポリサッカライド、カミツレ等の血行促進剤、セイヨウトチンキ、フラボン誘導体等のむくみ改善剤、ホウ酸水、生理的食塩水、アルコール水等の湿布剤、タイソウ抽出液、カフェイン、トナリン等の脂肪分解成分、アロエエキス、ビタミン剤、ホルモン剤、抗ヒスタミン剤、アミノ酸類等の化粧料、石炭酸誘導体、ホウ酸、ヨード剤、逆性石鹸、サリチル酸系の物質、イオウ、抗生物質等の抗菌剤や殺菌剤、或いは、防かび剤が一例として挙げられる。
経皮吸収性薬剤としては、経皮吸収性のものであれば特に限定されるものではないが、コルチコステロイド類、消炎鎮痛剤、高血圧剤、麻酔剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗菌性物質、抗真菌物質、皮膚刺激剤、炎症抑制剤、抗てんかん剤、鎮痛剤、解熱剤、麻酔剤、殺菌剤、抗微生物抗生物質、ビタミン類、抗ウィルス剤、むくみ改善剤、利尿剤、血圧降下剤、冠血管拡張剤、鎮咳去痰剤、スリム化剤、抗ヒスタミン剤、不整脈用剤、強心剤、副腎皮質ホルモン剤、血行促進剤、局所麻酔剤、脂肪分解成分等及びそれらの混合物が一例として挙げられるが、これらに限定されない。これら薬物は、1種又は必要に応じて2種以上配合されて用いられる。
この機能性物質の含有量としては、薬効を期待できる範囲であれば特に限定されるものではないが、薬理効果や経済性、更に、粘着力等の観点より、機能性物質の含有量が粘着剤100重量部に対して、好ましくは0.01〜25重量部、更に好ましくは0.5〜15重量部である。
また、粘着剤層の設ける方法については関節周囲部用温熱包装体が固定できれば制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。
本発明の発熱体は、各種形状、厚み、温度帯のものが得られるため、通常の身体採暖用の外、関節用、美顔用、目用、痩身用、点滴液加温・保温用、温熱湿布用、薬剤カイロ用、頚部用、腰用、マスク用、手袋用、痔瘻用、或いは、肩痛、筋肉痛、生理痛等の症状緩和用、座布団用、手術中の人体加温・保温用、温熱シート用、蒸散芳香用、腹部用、蒸散殺虫用、癌治療用等の各用途に用いることができる。更に、機械類やペット等への加温・保温用等へ利用できる。
例えば、症状緩和用として使用する場合は、本発明の発熱体を身体の必要部位に直接あてがうか、布等を介して間接的にあてがう。また、手術中の人体加温・保温用として使用する場合は、
1.加温・保温を必要とする身体に発熱体を直接あてがう
2.カバー等に発熱体を固定して身体にかける
3.身体の下側に敷く敷物等に発熱体を固定する
4.予め、発熱体を備える製品としてのカバーや敷物として使用する
等の使用方法が一例として挙げられる。尚、筋肉や骨格等の痛みとは、急性筋肉痛、急性骨格痛、急性関連痛、既往筋肉痛、既往骨格痛、慢性関連痛、膝や肘等の関節痛等が一例として挙げられる。
前記維持時間は制限はないが、好ましくは20秒〜24時間であり、より好ましくは1時間〜24時間であり、更に好ましくは8時間〜24時間である。
維持温度は、好ましくは30〜50℃であり、より好ましくは32〜50℃であり、更に好ましくは32〜43℃であり、更に好ましくは32〜41℃であり、更に好ましくは32〜39℃である。
以下、実施例等に基づいて本発明を更に詳細に説明する。次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
本発明の発熱体の一実施例の平面図 同Z−Zの断面図 実施例1及び比較例1の発熱特性図 実施例2及び比較例2の発熱特性図 本発明の発熱体の他実施例の平面図 本発明の易動水値測定用濾紙の平面図 本発明の易動水値測定を説明するための斜視図 本発明の易動水値測定を説明するための断面図 本発明の易動水値測定を説明するための断面図 本発明の易動水値測定実施後の濾紙の平面図
符号の説明
1 発熱体
1C 区分け部(シール部)
2 発熱組成物成形体
2’ 発熱組成物成形体(区分発熱部)
3 基材
4 被覆材
8 ミシン目
9 押し込み板
10 平板
11 非吸水性フィルム(ポリエチレンフィルム等)
12 中心点から放射状に45度間隔で8本の線がかかれた濾紙
13 型板
14 穴
15 試料
16 ステンレス板 17 水又は溶液の浸みだし先端までの距離
18 濾紙上の中空円筒状の穴相当位置
(実施例1)
酸化性ガス接触処理装置として撹拌用の回転翼を備えたミキサーからなる撹拌付きバッチ式酸化性ガス接触処理装置として使い、酸化性ガスとして空気を用いた。まず、還元鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)3.0重量部、11%食塩水10重量部からなる、易動水値0.01未満の反応混合物を撹拌付きバッチ式酸化性ガス接触処理装置内に充填した。次に、20℃の環境下、前記接触処理装置の上部は開放形で、空気中に開放した状態で、撹拌しながら、自己発熱させ、最高発熱温度が68℃で、発熱温度が35℃になるまで、酸化性ガス接触処理をし、前記接触処理済み反応混合物を得た。前記接触処理済み反応混合物の鉄粉について、X線解析装置を用いて鉄(αFe)の110面のピーク(58.28、64.92、82.22(2θ/deg))の積分強度及びFeO(ウスタイト)の220面のピーク(35.24、41.59、60.95,72.70、76.51(2θ/deg))の積分強度より積分強度の比を求め、ウスタイトの量を求めた。
前記反応混合物のウスタイトの量10%であった。
そして、前記接触処理済み反応混合物に11%食塩水を混合し、易動水値10の発熱組成物を得た。
(比較例1)
酸化性ガス接触処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして易動水値10の熱組成物を作成した。
実施例1及び比較例1で得られた発熱組成物の発熱試験を行ったところ、図3に示した結果が得られた。比較例1は発熱立ち上がり性が悪かった。
(実施例2)
酸化性ガス接触処理装置として撹拌用の回転翼を備えたミキサーからなる撹拌付きバッチ式酸化性ガス接触処理装置を使い、酸化性ガスとして空気を用いた。まず、還元鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)5.2重量部、木粉(粒度300μm以下)2.3重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)2.3重量部、消石灰0.2重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水10重量部からなる、易動水値0.01未満の反応混合物を接触処理装置容器内に充填した。次に、20℃の環境下、前記接触処理装置容器の上部は開放形で、空気中に開放した状態で、撹拌しながら、自己発熱させ、最高発熱温度が68℃で、発熱温度が35℃になるまで、酸化性ガス接触処理をし、前記接触処理済み反応混合物を得た。前記接触処理済み反応混合物の鉄粉について、X線解析装置を用いて鉄(αFe)の110面のピークの積分強度及びFeO(ウスタイト)の220面のピークの積分強度より積分強度の比を求め、ウスタイトの量を求めた。前記反応混合物のウスタイトの量は10%であった。次に、前記接触処理済み反応混合物に11%食塩水を混合し、易動水値8の発熱組成物を得た。
この発熱組成物の発熱組成物発熱試験を行ったところ、3分後には、約50℃(5個の平均)であった。
また、発熱組成物の成形性試験を行ったところ、発熱組成物成形体から抜き形を分離しても、前記発熱組成物成形体の形崩れもなく、前記発熱組成物成形体の周辺部への前記の崩れ片も生じなかった。
次に、実施例2の発熱組成物を使用し、図1及び図2に示すように、ポリエチレンフィルム3Aにセパレータ3C付き粘着剤層3Bを設けた非通気性の基材3のポリエチレンフィルム3A上に、厚さ2mm、長さ110mm、幅80mmの長方形の抜き穴を有する抜き型により、発熱組成物成形体2を積層した。更にその上に、ナイロン製不織布4Aと多孔質フィルム4Bが積層された通気性の被覆材4を、ポリエチレンフィルム面3Aと多孔質フィルム面4Bが互いに接するようにして重ね合わせて、周辺部をシール幅8mmで、ヒートシールした後、切断して、長さ130mm、幅100mm、シール幅8mmの矩形状の扁平状発熱体1を作成した。
発熱組成物成形体2を抜き型から分離しても、積層体の形崩れもなく、前記発熱組成物成形体2の周辺部へ前記発熱組成物成形体2の崩れ片も生じず、シール部へ前記発熱組成物成形体2の崩れ片の混入もなくシールも完璧にでき、シール不良も起こらなかった。尚、被覆材4の通気性はリッシー法の透湿度で370g/m/24hrであった。
次に、その発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。
24時間後に外袋から前記発熱体を取り出し、発熱体の身体試験を行ったが、3分後に、温かく感じ、その後、10時間以上、温かった。
(比較例2)
酸化性ガス接触処理を行わないこと以外は実施例2と同様にして、発熱組成物を得、発熱体を得た。人体への発熱体の発熱試験を行ったが、温かく感じるまでに、6分かかった。
実施例2と比較例2について発熱体の発熱試験を行ったところ、図4に示すように、実施例2の場合は3分後34℃で、10分後37℃であったが、比較例2の場合は、30分後22℃で、10分後34℃であった。本発明の発熱組成物を使用した発熱体の発熱立ち上がり性は優れていた。
(実施例3)
実施例2の発熱組成物を使用し、ポリエチレンフィルムにセパレータ付き粘着材層が設けられた非通気性の基材のポリエチレンフィルム側に、一辺15mmの正方形状抜き穴9個からなる、厚さ2mmの抜き型を使用して、型通し成形により、図5に示すように、厚さ2mm、縦115mm、横80mmの直方形状の発熱組成物成形体2’(区分発熱部)を積層した。更に、その上に、ナイロン製不織布とポリエチレン製多孔質フィルムが積層された通気性の被覆材を用い、前記ポリエチレンフィルム面と多孔質フィルム面が互いに接するようにして重ね合わせて、シール幅8mmで発熱組成物成形体2’(区分発熱部)の周縁部をヒートシールしてシール部1Cを設け、長さ135mm、幅100mm、シール幅8mmの矩形状の凹凸状発熱体1を製造した。尚、図中符号8は手切り可能なミシン目である。また、被覆材の通気性はリッシー法の透湿度で、370g/m/24hrであった。その発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。身体による発熱試験を行ったが、3分後に、温かく感じ、その後10時間以上、温かかった。

Claims (6)

  1. 空気と接触して発熱する発熱組成物に含有される活性鉄粉であって、鉄粉に含まれるウスタイトの量が鉄とのX線ピーク強度比として、5.01〜50重量%であることを特徴とする活性鉄粉。
  2. 前記鉄粉が、還元鉄粉、アトマイズ鉄粉及び表面が導電性炭素質物質で部分的に被覆された鉄粉から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の活性鉄粉。
  3. 請求項1に記載の鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分とする発熱組成物であって、前記活性鉄粉が、前記発熱組成物中の鉄粉の30〜100重量%を占めることを特徴とする発熱組成物。
  4. 請求項3に記載の発熱組成物を含有することを特徴とする発熱体。
  5. 前記発熱体は、少なくとも一部に固定手段を有することを特徴とする請求項4に記載の発熱体。
  6. 前記固定手段は、粘着剤層であり、前記粘着剤層が保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、疎水性高分子化合物、焦電物質、酸化防止剤、骨材、繊維状物、保湿剤、機能性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有してなることを特徴とする請求項5に記載の発熱体。
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