JP4527724B2 - 発熱体及び型成形発熱体用包材 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、0.5mm以上の平均粒径となるように造粒した発熱組成物の製造方法、そして、添加水に粘着性バインダ成分を10〜20重量部配合することにより造粒後粒子強度を向上した発熱組成物の製造方法が提案されている。
また、特許文献2にはコーンスターチ、馬鈴著デンプン等の粉末状増粘剤を添加して形状維持性を持たせた発熱組成物からなる使い捨てカイロが提案されている。
また、特許文献3には粉末状又は粒状発熱組成物にCMC等の結合剤を混含し圧縮成型した固形発熱組成物が提案されている。
また、特許文献4には架橋剤等と吸水性ポリマーを使用し、圧力により加圧一体化した発熱体が提案されている。
また、特許文献5には増粘剤を使用し粘性を持たせた、インキ状乃至クリーム状の発熱組成物及び発熱体及びその製造方法が提案されている。
また、特許文献6には結合剤を使用した発熱組成物成形体の表面をCMC等の通気性皮膜で覆い、形状維持を図ったものが提案されている。
また、特許文献7及び特許文献8には、発熱組成物を粘体やクリーム状物にし、形状を従来の矩形から足形状や楕円形状に代え、被保温体の輸郭に適合できるようにすることが提案されている。
また、特許文献9及び特許文献10には、粉体状発熱組成物を区分けした区画に充填し、シール部で複数個の区画されている発熱部からなる発熱体が開示されている。
また、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15及び特許文献16には、凝集化剤や乾燥結合剤を使用した発熱組成物や収納ポケットを有する基材を使用して、発熱組成物発熱部を複数の区画に分けた発熱体が提案されている。
また、冷え症は、へその下を温めると症状を緩和するために有効であるといわれている。
また、従来の鉄の酸化反応を利用した発熱体は発熱部が大きく、筋肉やすじ方向に添った加温にはならなかった。
また、鉄の酸化反応を利用し、酸素透過性手段としては開口部が設けられた発熱体では、発熱組成物である発熱用化学物質は凝集助剤や凝集化剤や乾燥結合剤や集塊補助剤等を使用し、圧縮し、形を整えて、穿孔による開口部からの発熱用化学物質の漏れを防いでいる。これにより発熱用化学物質の発熱性能は悪化し、実用に耐える発熱体は大型にならざるをえない。
また、凝集助剤や凝集化剤や乾燥結合剤や集塊補助剤等を含まない発熱用化学物質を用いる場合は、収納する包材に、予め、収納用ポケットを作成する必要があり、発熱用セル及びそれを埋め込んだ発熱体には製造が煩雑になる問題もあった。
即ち、本発明の発熱体は、請求項1に記載の通り、余剰水を連結物質とした成形性発熱組成物を成形した発熱組成物成形体を、包材間に挟み、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールした発熱体であって、
1)前記包材が基材と被覆材とから構成され、
2)前記基材が実質的に平面状で、ポケットを有せず、
3)前記包材の剛軟度が100mm以下であり、
4)前記包材が、少なくとも25〜60℃において非弾性体であり、25℃において、500g/mm2以上の破断強度を有し、90℃において、30%以上の破断伸びを有し、5)前記成形性発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分とし、水含有量が1〜60重量%であり、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥バインダー、乾燥結合剤、乾燥結合材、粘着性素材、増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値0.01〜20とする前記余剰水を有し、前記余剰水による成形性を有し、且つ、前記成形性発熱組成物中の水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こし、
6)前記ヒートシールすることにより形成された区分け部により区画された複数の区分発熱部を有し、
7)前記発熱体の厚み方向と直交する面において、直交方向の剛軟度比が2以上の領域を有し、
8)前記発熱体の少なくとも一部が通気性を有し、
9)前記発熱体の露出部の少なくとも一部に固定取り付け手段を有することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記包材が、繊維状物とフィルム状物の積層体により構成され、前記繊維状物と前記フィルム状物の素材が、メタロセン触媒を使用して製造したものも含むポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、鹸化したエチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、天然ゴム、再生ゴム、合成ゴム又はそれらの混合物からなる材料であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発熱体は、請求項2に記載の発熱体において、前記繊維状物が不織布であり、前記フィルム状物がポリエチレン製多孔質フィルムであり、前記不織布と前記ポリエチレン製多孔質フィルムが通気性粘着層を介して積層されていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記基材又は前記被覆材は90℃において非収縮性であることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記包材が、90℃において、100%以上の破断伸びを有することを特徴とする。
また、請求項6に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記発熱組成物が、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、水素発生抑制剤、骨材、繊維状物、機能性物質、界面活性剤、有機ケイ素化合物、焦電物質、保湿剤、肥料成分、疎水性高分子化合物、発熱助剤、鉄以外の金属、酸化鉄以外の金属酸化物、酸性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする。
また、請求項7に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記ヒートシール部は、粘着剤層により仮着した後に、ヒートシールし、ヒートシール部には、前記粘着剤層を構成する粘着剤成分とヒートシール層を構成するヒートシール材の成分が共存することを特徴とする。
本発明の型成形発熱体用包材は、請求項8に記載の通り、請求項1に記載の発熱体に使用される包材であって、少なくとも25〜60℃において、非弾性体であり、25℃において、500g/mm2以上の破断強度を有し、90℃において、30%以上の破断伸びを有する熱可塑性樹脂製の繊維状物と、熱可塑性樹脂製フィルム状物との積層体からなることを特徴とする。
また、前記発熱体において、前記発熱組成物成形体の最大の高さが0.1〜10mmであり、前記区分け部の幅が0.3〜50mmであることが好ましい。
また、前記発熱体において、前記発熱組成物成形体及び前記区分発熱部が、円盤形状であり、前記円盤が1〜50mmの直径と、0.1cm〜10mmの最大高さとを有し、前記区分発熱部に前記発熱性組成物成形体を封入した時に、前記発熱組成物成形体の体積に対して前記区分発熱部容積の比率を0.6〜1.0とすることが好ましい。
また、前記発熱体において、前記固定手段は、粘着剤層であり、前記粘着剤層が保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、疎水性高分子化合物、焦電物質、酸化防止剤、骨材、繊維状物、保湿剤、機能性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有してなることが好ましい。
即ち、発熱部を予め作成しておいてそれを包材に埋め込むのでのではなく、成形性発熱組成物と基材と被覆材から直接製造する一体型発熱体であり、発熱部を区分発熱部及びそれに添った区分け部から構成することにより、発熱体の厚み方向と直交する面において、一方向とそれと直交する方向の剛軟度において、剛軟度比が2以上であり、更に発熱体の厚み方向と直交する面における一方向の最小剛軟度が100mm以下にすることで、被着体へのフィット性と取り扱い性が著しく向上した。
そして、肩こり、腰痛、関節痛、筋肉疲労、生理痛等の症状を緩和し、特に、生理痛の症状の緩和のために効果的に使用することができる。
また、繊維状物とフィルム状物の積層体を使用することにより、実質的に平面状の基材に発熱組成物成形体を積層し、被覆材を被せ、ヒートシールすることにより、一段で、発熱体ができ、製造速度の向上と、コストダウンができた。
また、繊維状物とフィルム状物の積層体を使用することにより、発熱組成物成形体を含有する区分発熱部が区分け部を介して間隔を置いて設けられた発熱体が効率良く製造でき、前記発熱体の厚み方向と直交する面において、剛軟度比が2以上の領域を少なくとも発熱体の一部に有しているので、簡単に身体等の曲面に添うようにして固定できる。
また、区分発熱部を有する発熱体の一方向の剛軟度が低いので、簡単にその方向へ巻くことができたり、折り曲げることができ、保存用非通気性収納である外袋にコンパクトに収納保存でき、発熱組成物の劣化も緩和できる。
1)前記包材が基材と被覆材とから構成され、
2)前記基材が実質的に平面状で、ポケットを有せず、
3)前記包材の剛軟度が100mm以下であり、
4)前記包材が、少なくとも25〜60℃において非弾性体であり、25℃において、500g/mm2以上の破断強度を有し、90℃において、30%以上の破断伸びを有し、
5)前記成形性発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分とし、水含有量が1〜60重量%であり、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥バインダー、乾燥結合剤、乾燥結合材、粘着性素材、増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値0.01〜20とする前記余剰水を有し、前記余剰水による成形性を有し、且つ、前記成形性発熱組成物中の水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こし、
6)前記ヒートシールすることにより形成された区分け部により区画された複数の区分発熱部を有し、
7)前記発熱体の厚み方向と直交する面において、直交方向の剛軟度比が2以上の領域を有し、
8)前記発熱体の少なくとも一部が通気性を有し、
9)前記発熱体の露出部の少なくとも一部に固定取り付け手段を有するものである。
また、少なくとも包材のどちらか一方が90度の破断伸びが30%以上の包材(通常は被覆材)を使用しているので、実質的に平面上の基材に積層された発熱物成形体に実質的に平面上の被覆材を被せて発熱組成物整形体の周縁部をヒートシールする場合、シール漏れを生ずるしわが発生せず、シール切れのないシール部が形成できる。尚、被覆材は一部に凹部を有していてもよい。また、基材又は被覆材を90℃において非伸縮性の包材を使用することにより発熱体にシワが生じるのを防ぐことができる。
また、基材又は被覆材のいずれか1種を90℃において、非伸縮性の包材を使用することにより発熱体のシワ発生を防止している。これにより、剛軟度比2以上を持つ発熱体は柔軟性と剛性を併せ持つ。
また、区分発熱部と区分け部の組み合わせにより身体に適合することができ、取り付け手段を有するため、形態性、熱の効果的伝達性を備えることができる発熱体となり、発熱体を使用した効果的な緩和・治療法を提供できる。
また、本発明の発熱体は凸部区分発熱部の大きさや間隔を調整することにより、柔軟で、均一温度分布を示す発熱部や模様状温度分布を示す発熱部が得られる。模様状温度分布により、加温部のつぼ効果を向上させることができる。
また、剛軟度100mm以下、好ましくは60mm以下、より好ましくは10〜60mm、更に、好ましくは10〜50mmの素材を基材や被覆材に使用することにより、身体への接触時や使用時に好感触が得られる。
前記包材は、発熱組成物成形体又はその圧縮体である発熱組成物圧縮体を含有する区分発熱部は剛軟度が高く、その間に存在し、発熱組成物成形体又はその圧縮体である発熱組成物圧縮体(以下発熱組成物成形体と言う)を含有せず、ヒートシール部である区分け部は剛軟度が低い。前記区分発熱部と区分け部からなる発熱部は約0℃から約80℃の間で、剛軟度を保つことができるので、区分け部がヒンジとして機能し、区分発熱部より優先的に曲がる。区分発熱部と区分け部からなる発熱体は少なくとも常温から加熱時(約23〜約50℃)まで、区分け部がヒンジとして機能し、区分発熱部より優先的に曲がる。加熱時の良好な剛軟度差は尚維持される。この結果、発熱体は区分発熱部の構造的支持を維持し、製造中又は使用中十分な剛性を有する、一方、加熱された時の優れた剛軟度を尚維持する。
通常、基材は非通気性フィルム又はシートからなり、被覆材は通気性フィルム又はシート又は不織布からなるが、逆でもかまわないし、双方が通気性を有していてもよい。また、敷材は通気性や非通気性は適宜使い分ければよい。
前記収納袋の包材は単層構造でもよく、多層構造でもよく、その構造には制限はない。また、包材は少なくとも基材及び被覆材からなるが、発熱組成物成形体を積層する包材が基材であり、発熱組成物成形体に被せる包材が被覆材であり、通気性のありなしは関係ない。一例として、非通気性の包材を基材、通気性性包材を被覆材として、多層構造の例を説明すれば、基材がA層/B層又はA層/B層/C層又はA層/B層/C層/D層からなるものや、被覆材がF層/G層又はE層/F層/G層又はF層/H層/G層からなるものが一例として挙げられる。A層は、ポリエチレン等熱可塑性樹脂フィルム、ポリエチレンやEVA等のヒートシール層や、吸水性紙類等、B層はナイロン等の熱可塑性樹脂の不織布、非吸水性紙類、吸水性紙類、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミド(ナイロン等)フィルム等熱可塑性樹脂フィルム、非吸水性紙類や吸水性紙類等の芯材等、C層は粘着剤層、非吸水性紙類、吸水性紙類、ポリエチレン等熱可塑性樹脂フィルム、滑り止め層、ポリエステルやナイロン等の熱可塑性樹脂の不織布等、D層はセパレータ、ポリエチレン等熱可塑性樹脂フィルム、不織布等、E層はヒートシール層等、F層はポリエチレン等熱可塑性樹脂製多孔質フィルムや穿孔フィルム等、ポリエチレン等熱可塑性樹脂製フィルム、非吸水性紙類、吸水性紙類等、G層はポリエステルやナイロン等の熱可塑性樹脂の不織布等、H層は非吸水性紙類、吸水性紙類等である。例えば、基材又は被覆材の例としては、メタロセン触媒使用のポリエチレン製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム、EVA製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム、EVA製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム/粘着剤層/セパレータ、EVA製ヒートシール層/ポリエチレンフィルム/ナイロン不織布、不織布/多孔質フィルム、メタロセン触媒使用のポリエチレン製ヒートシール層/ポリエチレンフィルム/ナイロン不織布、メタロセン触媒使用のポリエチレン製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム/ポリプロピレン不織布、不織布/(紙及び/又は穿孔(針、レーザー)フィルム)/多孔質フィルム、不織布/(紙及び/又は多孔質フィルム)/穿孔(針、レーザー)フィルム、不織布/(紙及び/又は多孔質フィルム)/不織布等が一例として挙げられる。各層の積層方法については制限はなく、各層の直接積層でもよく、各層は通気性粘着剤層やラミネート剤層を介して積層してもよく、熱溶融押出し等でラミネートをしてもよい。また、本発明ではメタロセン触媒を使用して製造したポリエチレンもポリエチレンに含む。
例えば、不織布、多孔質フィルム等の前記素材を通気性接着層を介して積層する場合、前記通気性接着層の形成は、接着性物質を加熱溶融下に熱風を介し吹付け展開するカーテンスプレー方式やメルトブロー方式やスロットスプレー方式などの適宜な方式で接着性物質を繊維化して多孔質フィルムや通気性基材やセパレータ等からなる適宜な支持基材上に展開堆積させ多孔状態の接着層とする方法などが一例として挙げられる。
前記基材、被覆材、敷材及びそれらを構成する素材の厚さとしては、用途によって大きく異なるが、制限はない。通常は5〜5000μm、好ましくは10〜500μm、より好ましくは20〜250μmである。
前記非通気性素材としては、非通気性があれば制限はない。ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体等ポリマーからなるフィルム、シート、塗布物及びそれらに酸化ケイ素等の金属(半導体も含む)化合物を積層したものやそれらを使った複合素材が一例として挙げられる。
例えば、前記非通気性素材の中で、非通気性の高いフィルムとしては、非通気性素材フィルム上に半導体を含む金属やその化合物の薄膜を単層又は多層に設けたものが一例として挙げられる。例えば、半導体を含む金属としては、ケイ素、アルミニウム等及びこれら金属を含む合金や混合物等が一例として挙げられる。半導体を含む金属化合物としては、上記金属又は合金や混合物の酸化物、窒化物及び酸窒化物が一例として挙げられる。例えば、酸化ケイ素層、酸化アルミニウム層、酸窒化ケイ素層やそれらの任意層をポリエステル製フィルムに積層したものや、更に、それに延伸ポリオレフィンフィルム(例えば2軸延伸ポリプロピレンフィルム)を積層したものが一例として挙げられる。
前記通気性素材としては、通気性があれば制限はない。例えば、多孔質フィルム及び穿孔フィルム等の通気性フィルムや紙類、不織布等の単独で通気性を有するもの、紙類及びそれに通気性フィルムや不織布等を少なくとも1種以上積層し通気性を持たせたもの、不織布にポリエチレンフィルムがラミネートされた非通気性の包材に針などを用いて微細な孔を設けて通気性を持たせたもの、繊維が積層され熱圧着されて通気性を制御された不織布、多孔質フィルム、或いは、多孔質フィルムに不織布を貼り合わせたもの等が一例として挙げられる。ここで、穿孔フィルムとはポリエチレンフィルムなどの非通気性フィルムに針で微細な孔を設けて通気性を持たせたものである。
通気性としては、発熱が維持できれば制限はない。通常の発熱に使用される場合、通気性はリッシー法(Lyssy法)による透湿度が、通常は50〜10,000g/m2/24hrであり、好ましくは70〜5,000g/m2/24hrであり、より好ましくは100〜2,000g/m2/24hr、更に好ましくは100〜700g/m2/24hrである。
この透湿度が、50未満であると発熱量が少なくなり、十分な温熱効果が得られないので好ましくなく、一方、10,000g/m2/24hrを越えると発熱温度が高くなって安全性に問題が生じる虞れが生じるので好ましくない。ただし、用途によっては10,000g/m2/24hrを越えたり、場合によっては開放系に近い透湿度で使用することも制限されない。
前記伸縮性包材としては、伸縮性があれば、特に限定されるものではない。即ち、全体として、伸縮性があればよく、単品でも、伸縮性基材同士又は伸縮性基材と非伸縮性基材との組み合わせによる複合品でもよい。
例えば、天然ゴム、再生ゴム、合成ゴム、エラストマー、伸縮性形状記憶ポリマー等の単品やこれらの混合物やこれらと非伸縮性素材との混合品、混抄品やこれらの組み合わせ品から構成される織物、フィルム、糸、ストランド、リボン、テープ、スクリム構造弾性状フィルム等が一例として挙げられる。
前記多孔質フィルムとしては、制限はないが、ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等と充填材からなるフィルムを延伸した多孔質フィルムで、適宜選択することができる。
前記不織布としては、制限はないが、レーヨン、ナイロン(ポリアミド)、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレン、ビニロン、ポリエチレン、ポリウレタン、キュプラ、綿、セルロース、パルプ等の材質からなる単繊維又は複合繊維の単一不織布又はそれら繊維の混抄又は累積繊維層の積層が用いられる。また、製法的には乾式不織布、湿式不織布、スパンボンド、スパンレース等を使用することができる。芯鞘構造の複合繊維からなる不織布でもよい。肌と接する面の不織布は起毛の(毛羽立てた)不織布が好ましい。また、伸縮性不織布や非伸縮性不織布も使用できる。
前記吸水性素材としては、吸水性を有するフィルム状ないしシート状のものであれば特に限定されるものではない。
この吸水性素材としては、その素材自体が吸水性を有するか否かを問わず、結果として吸水性を有するものであれば特に限定されるものではない。
具体的には、例えば、吸水性を有する発泡フィルム・シート(吸水性発泡ポリウレタン等の発泡体)や紙類、吸水性を有する繊維で形成された不織布や織布、或いは、吸水性を有する繊維を含む不織布や織布、又は吸水性の多孔質フィルム・シートなどの吸水材の他、吸水性の有無を問わず、発泡フィルム・シート、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、吸水剤を含有、含浸、練り込み、転写又は担持させて吸水性を付与ないし増大させたり、吸水性の有無を問わず、発泡フィルム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、本発明物の平面形状に切断した吸水性の発泡フィルム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シート等の吸水性素材を本発明物の片面又は両面に当てがって吸水性が付与されたものが挙げられる。
特に、本発明の発熱体において、皮膚と接触する面は、汗などに対する吸水性など快適な面とするために、発汗した場合には汗が吸収されるように、皮膚と接触する面の包材を、保水率20%以上の吸水性の繊維を主成分とする不織布又は織布を用いた包装材で構成されることが好ましい。保水率20%以上の吸水性の繊維としては、綿、絹、麻、ウール、ポリアクリロニトリル系合成繊維、ポリアミド系合成繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維、アセテート繊維、トリアセテート繊維、再生繊維等を例示することができる。更に、吸水性が優れた不織布として、高吸水性ポリマーを不織布に保持させた不織布等を用いることもできる。尚、これらの繊維を主成分とする不織布又は織布は、皮膚に対して感触が比較的良好なものでもある。
更に、前記包材に、汗の吸収性の高い高吸水性の包装材を用いることもできる。例えば、表面が高吸水性樹脂で被覆された繊維を含む不織布、中空状で表面に多数の微細孔を有する繊維を含む不織布、断面形状が多数の嚢もしくは複層状等を形成することによって毛細管作用を持たせた繊維を含む不織布などが用いられる。
このほか、非粘着面の包装材に、吸水性無機化合物を保持させた不織布、或いは、フィルムを用いることもできる。例えば、不織布に珪藻土、ゼオライト、シリカゲルなどの粉末を保持させた不織布、シリカ、アルミナ等の粉末をポリエチレンなどの合成樹脂に比較的多量に保持させたフィルム等も用いることができる。
前記固定手段として一般的に採用されている、粘着剤層、鍵ホック、ホックボタン、ベルクロ等の面ファスナー、マグネット、バンド、ひも等及びそれらを組み合わせたものを任意に使用できる。
尚、バンドの場合、面ファスナーと粘着剤層との組み合わせで調整用固定手段を更に構成しても構わない。
ここで、面ファスナーとは、マジックテープ(登録商標)、マジックファスナー(登録商標)、ベルクロファスナー、フックアンドループテープ等の商品名で知られているもので、雌ファスナーであるループと前記雌ファスナーと締結し得る雄ファスナーであるフックとの組み合わせで締結機能を有するものである。前記ループ機能を有するものとして、不織布や、毛羽立ち、わなを有する糸の織布等あるが、バンドを形成する芯材の表面にこれらループ機能(雌ファスナー機能)を有するものを被覆してもよいが、これ自体でバンドを構成してもよい。雄ファスナー部材であるフック部材は特に制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂やポリアミド、ポリエステル等から形成されたものが一例として挙げられる。フックの形状は特に限定されるものではないが、断面がI字型、逆L字型、逆J字型、いわゆるきのこ型等の形状のフックがループに引っかかり易く、かつ肌に極度の刺激感を与えない点で好ましい。尚、フックがファスニングテープの全面積に粘着されていてもよく、更にテープ基体を省略してフックのみで、ファスニングテープとして使用してもよい。
前記粘着剤層は、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、疎水性高分子化合物、焦電物質、酸化防止剤、骨材、繊維状物、保湿剤、機能性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有してもよい。
本発明の粘着剤は、非親水性粘着剤、混合粘着剤、親水性粘着剤(ジェル等)に分類される。
前記粘着剤層を構成する粘着剤としては、皮膚や衣服に付着するに必要な粘着力を有するものであれば、制限はなく、溶剤系、水性系、エマルジョン型、ホットメルト型、反応性、感圧系、或いは、非親水性粘着剤、親水性粘着剤などの各種形態が用いられる。
前記粘着剤層は、前記非親水性粘着剤から構成される非親水性粘着剤1層と前記非親水性粘着剤から構成される非親水性粘着剤層とがある。
前記非親水性粘着剤層が吸水性ポリマーや保水剤を含有して吸水性を改良したものは非親水性粘着剤層として扱う。
前記親水性粘着剤層と基材又は被覆材との間にホットメルト系の粘着剤を設けてもよい。
また、前記親水性粘着剤を関節周囲部用温熱包装体に設ける場合制限はなく、関節周囲部用温熱包装体のシール処理後に親水性粘着剤層を関節周囲部用温熱包装体に設けてもよい。
また、粘着剤層としては、通気性を有するものであっても、通気性を有しないものであってもよい。用途に応じて適宜選択をすればよい。通気性としては、全体として通気性があればよい。例えば、部分的に粘着剤が存在し、部分的に粘着剤の存在しない部分があり、領域全体として通気性がある粘着剤層が一例として挙げられる。
通気性の基材及び/又は被覆材に粘着剤をそのまま層状に積層するにあたり、その通気性を維持する方法としては、例えば、粘着剤を印刷、或いは、転写により、粘着剤層を部分的に積層し、その非積層部を通気部とする方法と、粘着剤を糸状に円を描きながら、一方向に移動させたり、ジグザグに移動させたりするなど適宜二次元方向に運行させ、その糸状の粘着剤の隙間が通気性ないし透湿性を維持させたり、粘着剤を発泡させる方法やメルトブロー方式で形成された層とが一例として挙げられる。
非親水性粘着剤層を構成する粘着剤はアクリル系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤(酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル樹脂系ホットメルト粘着剤)、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルアセタール系粘着剤、塩化ビニル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ポリエチレン系粘着剤、セルロース系粘着剤、クロロプレン(ネオプレン)系粘着剤、ニトリルゴム系粘着剤、ポリサルファイド系粘着剤、ブチルゴム系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤、スチレン系粘着剤(例えば、スチレン系ホットメルト粘着剤)、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が一例として挙げられる。これらのうち、粘着力が高く、安価で、長期安定性が良く、しかも温熱を与えても粘着力の低下が少ない等の理由より、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤又はホットメルト系高分子物質を含有する粘着剤が望ましい。
前記粘着剤に前記ベースポリマーの他に、所望により、他の成分、例えば、ロジン類、クマロンインデン樹脂、水添石油樹脂、無水マレイン酸変性ロジン、ロジン誘導体類又はC5系石油樹脂等の脂環族系石油樹脂に代表される石油樹脂類等の粘着付与剤やテルペンフェノール系樹脂、ロジンフェノール系樹脂、アルキルフェノール系樹脂等のフェノール系粘着付与剤(特にアニリン点が50℃以下の粘着付与剤)、ヤシ油、ヒマシ油、オリーブ油、ツバキ油、流動パラフィン等の軟化剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤、骨材、粘着調整剤、粘着改良剤、着色剤、消泡剤、増粘剤、改質剤等が適宜配合し、ナイロン製衣類や混紡布製衣類への粘着性向上等の性能向上をしてもよい。
前記ホットメルト系の粘着剤としては、粘着性を付与した公知のホットメルト系粘着剤が挙げられ、具体的には、例えば、SIS、SBS、SEBS又はSIPS等のA−B−A型ブロック共重合体をベースポリマーとするスチレン系粘着剤、塩化ビニル樹脂をベースポリマーとする塩化ビニル系粘着剤、ポリエステルをベースポリマーとするポリエステル系粘着剤、ポリアミドをベースポリマーとするポリアミド系粘着剤、アクリル樹脂をベースポリマーとするアクリル系粘着剤、ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィンをベースポリマーとするポリオレフィン系粘着剤、1,2−ポリブタジエンをベースポリマーとする1,2−ポリブタジエン系粘着剤又はポリウレタンをベースポリマーとするポリウレタン系粘着剤、或いは、接着性の改善や安定性等を変えたこれらの変性体からなる粘着剤、若しくはこれらの粘着剤の2種以上の混合物が挙げられる。また、発泡させた粘着剤から構成される粘着剤層や粘着剤が架橋されたものから構成される粘着剤層も使用できる。
前記非芳香族系ホットメルト系粘着剤とは、ベースポリマーが芳香族環を含有しないホットメルト系粘着剤であれば、制限はない。オレフィン系ホットメルト系粘着剤やアクリル系ホットメルト系粘着剤等が一例として挙げられる。芳香族環を含有しないベースポリマーである非芳香族系ポリマーとは、オレフィンやジエン等のポリマーやコポリマーが挙げられる。一例としてオレフィン系ポリマーが挙げられる。オレフィン系ポリマーは、エチレン、αオレフィンの重合体又は共重合体である。また、他のモノマーとしてブタジエン、イソプレン等のジエンも加えたものもよい。
αオレフィンとしては、二重結合が末端にあるモノマーであれば制限はなく、プロピレン、ブテン、ヘプテン、ヘキセン、オクテン等が一例として挙げられる。
芳香族系ホットメルト系粘着剤とは、ベースポリマーが芳香族環を含有するホットメルト系粘着剤で、A−B−A型ブロック共重合体に代表されるスチレン系のホットメルト系粘着剤等が一例として挙げられる。
前記A−B−A型ブロック共重合体において、Aブロックはスチレン、メチルスチレン等のモノビニル置換芳香族化合物Aで、非弾性重合体ブロックであり、Bブロックはブタジエン、イソプレン等の共役ジエンの弾性重合体ブロックであり、具体的には、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、又はこれらの水添タイプ(SEBS、SIPS)等が挙げられ、また、これらを混合して用いてもよい。
上記非親水性粘着剤層の水分増加による粘着力低下防止対策として上記非親水性粘着剤に更に吸水性ポリマーが配合された粘着剤層も使用できる。
前記親水性粘着剤層を構成する親水性粘着剤としては、親水性ポリマーや水溶性ポリマーを主成分として、粘着性を有し、粘着剤として親水性であれば特に制限はない。
前記親水性粘着剤の構成成分としては、ポリアクリル酸等の親水性ポリマーやポリアクリル酸ナトリウムやポリビニルピロリドン等の水溶性ポリマー、乾燥水酸化アルミニウムやメタケイ酸アルミン酸金属塩等の架橋剤類、グリセリンやプロピレングリコール等の軟化剤類、また、軽質流動パラフィンやポリブテン等の高級炭化水素やミリスチン酸イソプロピル等の一級アルコール脂肪酸エステル、シリコーン油等の含ケイ素化合物、モノグリセリド等の脂肪酸グリセリンエステル、オリーブ油等の植物油等の油性成分、また、パラオキシ安息香酸メチルやパラオキシ安息香酸プロピル等の防腐剤、N−メチル−2−ピロリドン等の溶解剤、カルボキシメチルセルロース等の増粘剤、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油やソルビタン脂肪酸エステル等の界面活性剤、酒石酸等のオキシカルボン酸、軽質無水ケイ酸、吸水性ポリマー、カオリン等の賦形剤、D−ソルビトール等の保湿剤、エデト酸ナトリウムやパラオキシ安息香酸エステルや酒石酸等の安定化剤、架橋型吸水性ポリマー、ホウ酸等のホウ素化合物、水等が一例として挙げられる。また、これらの任意の組み合わせから構成される。
仮着シール部は、粘着層を介して形成されるが、粘着層を構成する粘着剤は、常温でタックがある高分子組成物で形成された層で、仮着後ヒートシールができれば限定はない。
また、仮着に使用される粘着層を構成する粘着剤は前記粘着剤層の粘着剤が使用できる。非親水性の粘着剤が好ましい。粘着層を構成する粘着剤はヒートシールを構成するヒートシール材と相溶性が良く、粘着剤のベースポリマーの融点はヒートシール材の融点以下が好ましい。特に、ホットメルト系接着剤にはホットメルト系粘着剤が好ましい。また、ヒートシール材がオレフィン系の素材である場合は粘着剤としては、オレフィン系の粘着剤が好ましい一例として挙げられる。
通気調整材を固定する接着層は通常使用されている接着剤や粘着剤から構成される。特に粘着剤は有用であり、前記粘着剤層を構成する粘着剤が使用できる。
また、接着層の設ける方法については通気調整材が固定できれば制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。
また、粘着剤層を親水性粘着剤層にした場合、前記親水性粘着剤層と発熱組成物成形体との間に水分保持力の差がある場合にはその間にある基材等の包材を介して、水分の移動が起こり、双方にとって、不都合が起こる。特に保存中に多く起こる。これを防止するために、これらの間に介在する包材は、透湿度が、少なくとも、リッシー法(Lyssy法)による透湿度で、2g/m2/day以下であることが好ましい。これを使用することにより、発熱体を非通気性収納袋である外袋に収納し保存する場合、水分移動が防げる。
粘着剤層に親水性粘着剤層を使用した場合、発熱組成物成形体と親水性粘着剤層との間に設けられた防湿性包装材の透湿度は、発熱性能に影響しない範囲で、水分の移動が防止できれば制限はないが、リッシー法(Lyssy法)による透湿度で、通常、2g/m2/day以下であり、好ましくは1.0g/m2/day以下であり、より好ましくは0.5g/m2/day以下であり、更に好ましくは0.01〜0.5g/m2/dayである。ここで、大気圧下、40℃、90%RHという条件下の値である。尚、前記防湿性包装材は基材や被覆材としても使用できるし、単独で基材や被覆材等に積層してもよい。
前記防湿性包材は、発熱組成物成形体と親水性粘着剤層の間の水分移動が防止できれば、制限はないが、金属蒸着フィルム、金属酸化物の蒸着フィルム、金属箔ラミネートフィルム、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合物、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物)系フィルム、二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニリデンコートフィルム、ポリ塩化ビニリデンをポリプロピレン等の基材フィルムに塗布してなるポリ塩化ビニリデンコートフィルム、アルミニウム箔等の金属箔、ポリエステルフィルム基材にアルミニウム等の金属を真空蒸着やスパッタリングしてなる非通気性包材、可撓性プラスチック基材の上に、酸化ケイ素、酸化アルミニウムを設けた構造の透明バリア性フィルムを使用した包装用積層体が一例として挙げられる。前記外袋等に使用されている非通気性包材も使用できる。
また、特開平2002−200108号公報の防湿性包材等の包材も使用でき、この記載内容を本発明に組み入れる。
水含有の親水性粘着剤(ジェル等)を粘着剤層に使用する場合、発熱組成物と前記粘着剤層の水分平衡を調整するために、発熱組成物中の塩化ナトリウム等の反応促進剤や吸水性ポリマー等の水分確保力のある物質の含有量を発熱組成物に対して、10〜40重量%の範囲で、好ましくは15〜40重量%の範囲で、更に好ましくは15〜30重量%の範囲で調整してもよい。
また、透湿性がよく、皮膚への刺激性が低い粘着剤としては、特開平10−265373号公報、特開平9−87173号公報等の含水粘着剤(親水性粘着剤、ジェル)や特開平6−145050号公報、特開平6−199660号公報に記載されているホットメルト塗工できる粘着剤や特開平10−279466号公報や特開平10−182408号公報に記載されているゴム系粘着剤も有用であり、本各文献を引用し、全文を本明細書に組み入れる。
前記粘着剤層に含ませる機能性物質としては、機能を有する物質であれば制限はないが、芳香化合物、植物エキス、生薬、香料、スリム化剤、鎮痛剤、血行促進剤、むくみ改善剤、抗菌剤、殺菌剤、防かび剤、消臭剤、脱臭剤、経皮吸収性薬剤、脂肪分解成分、マイナスイオン発生体、遠赤外線放射体、磁気体、湿布剤、化粧料、竹酢液又は木酢液等から選ばれた少なくとも一種を一例として挙げられる。
具体的には、メントール、ベンツアルデヒド等の芳香族化合物、ヨモギエキス等の植物エキス、モグサ等の生薬、ラベンダー、ローズマリー等の香料、アミノフィリン、茶エキス等のスリム化剤、インドメタシン、dl−カンフル等の鎮痛剤、酸性ムコポリサッカライド、カミツレ等の血行促進剤、セイヨウトチノキ、フラボン誘導体等のむくみ改善剤、ホウ酸水、生理的食塩水、アルコール水等の湿布剤、タイソウ抽出液、カフェイン、トナリン等の脂肪分解成分、アロエエキス、ビタミン剤、ホルモン剤、抗ヒスタミン剤、アミノ酸類等の化粧料、石炭酸誘導体、ホウ酸、ヨード剤、逆性石鹸、サリチル酸系の物質、イオウ、抗生物質等の抗菌剤や殺菌剤、或いは、防かび剤が一例として挙げられる。
経皮吸収性薬剤としては、経皮吸収性のものであれば特に限定されるものではないが、コルチコステロイド類、消炎鎮痛剤、高血圧剤、麻酔剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗菌性物質、抗真菌物質、皮膚刺激剤、炎症抑制剤、抗てんかん剤、鎮痛剤、解熱剤、麻酔剤、殺菌剤、抗微生物抗生物質、ビタミン類、抗ウィルス剤、むくみ改善剤、利尿剤、血圧降下剤、冠血管拡張剤、鎮咳去痰剤、スリム化剤、抗ヒスタミン剤、不整脈用剤、強心剤、副腎皮質ホルモン剤、血行促進剤、局所麻酔剤、脂肪分解成分等及びそれらの混合物が一例として挙げられるが、これらに限定されない。これら薬物は、1種又は必要に応じて2種以上配合されて用いられる。
この機能性物質の含有量としては、薬効を期待できる範囲であれば特に限定されるものではないが、薬理効果や経済性、更に、粘着力等の観点より、機能性物質の含有量が粘着剤100重量部に対して、好ましくは0.01〜25重量部、更に好ましくは0.5〜15重量部である。
また、粘着剤層の設ける方法については関節周囲部用温熱包装体が固定できれば制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。
1)発熱体を衣服の内側に固定し身体に直接接触して身体を温める場合、発熱体の通気性面に固定手段である粘着剤層を設け、通気性の粘着剤層面とし、衣服の内側に発熱体を固定し、他の面を身体に接触させ、前記面により、直接皮膚を加温することになり、直に発熱体を皮膚に貼らないので、皮膚に貼り付けた時の冷たさや張り付け部位上のかゆみやかぶれの発生等が解決される。
2)身体の皮膚に直接固定し身体を温める場合、皮膚との密着性が良好であるので、十分に加温効果を上げることができ、温熱効果によって循環が活発になり血流などに粘着剤層等に含有させた薬物等活性物質を吸収させて、局所治療効果や全身治療効果を向上させる医薬品としても有益である。
3)下着等の衣服の外側に付け、衣服を通して身体を温める場合、衣服を通しているので、皮膚への温度刺激が穏和になり、やけど等を防ぎながら、穏和な採暖ができる。
4)発熱体にバンドを付けたり、バンド内に取り込むことにより、かける機能が加わり、膝、肘、脚、腕、背中等の曲面や関節周りの部位に発熱体が固定できるので、曲面や関節周りの部位の加温や緩和、治療を効果的に行うことができる。
また、前記包材は不織布と熱可塑性樹脂のフィルム状物との積層体が好ましいが、前記破断伸びを確保すれば制限はないが、好ましくは10μm以上であり、より好ましくは10〜100μmであり、更に好ましくは20〜80μmであり、更に好ましくは25から80μmであり、更に好ましくは25〜60μmであり、更に好ましくは25〜50μmである。
フィルム状の材料はポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、又はポリスチレンと、鹸化したエチレン酢酸ビニル共重合体又はエチレン酢酸ビニル共重合等のヒートシール層とを有する共有押し出し成形の材料であり、フィルム状物の厚みは制限はないが、好ましくは約80μmであり、より好ましくは約50μmであり、更に好ましくは約40μmであり、更に好ましくは約30μmである。
好ましくはポリエチレン層とメタロセン触媒使用のポリエチレン層ポリエチレン層とを有する共有押し出し成形の材料又はポリエチレン層とエチレン酢酸ビニル共重合体層とを有する共有押し出し成形の材料で、この場合、前記ポリエチレンの厚みは好ましくは前記材料の全体厚さの10%から90%であり、より好ましくは約40%から60%である。
繊維状物とフィルム状物との積層体の製造方法は制限はないが、押し出し成形されたフィルムに繊維状物を直接積層する方法や、繊維状物とフィルム状物とを粘着剤層、接着剤層、通気性粘着剤層や有機性接着剤層等の接着層を介して積層する方法が一例として挙げられる。
尚、本明細書において、ポリエチレンはメタロセン触媒を使用して製造したポリエチレンも含む。
前記型成形発熱体用包材としては、可撓性ではあるが、少なくとも、25〜60℃において、非弾性体であり、25℃において、好ましくは40g/mm2以上、より好ましくは500g/mm2以上、更に好ましくは800g/mm2以上の破断強度を有し、90℃において20%以上の破断伸びを有することが好ましい。90℃における破断伸びは、好ましくは30%以上であり、より好ましくは50%以上であり、更に好ましくは100%以上であり、より更に好ましくは150%以上である。これにより発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールする時に、前記包材は余熱によりヒートシールに必要な量を伸びることができるので、シール切れなしに発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることができ、発熱体の使用時には発熱体の形状を維持できる。
前記フィルム状物とは、前記基材や被覆材で記載した素材をフィルム状にしたもので、前記繊維状物としては、不織布や織物等が一例として挙げられる。積層方法は制限はない。化学カイロ等の発熱体で使用する包材の作成時に使用する方法が一例として挙げられる。
この透湿度が、50g/m2/24hr未満であると発熱量が少なくなり、十分な温熱効果が得られないので好ましくなく、一方、10,000g/m2/24hrを越えると発熱温度が高くなって安全性に問題が生じる虞れが生じるので好ましくない。
更に、前記発熱組成物に下記のものを鉄粉に対して、下記の配合割合で加えてもよい。即ち、鉄以外の金属1.0〜50重量部、酸化鉄以外の金属酸化物1.0〜50重量部、界面活性剤0.01〜5重量部、疎水性高分子化合物、骨材、繊維状物、機能性物質、有機ケイ素化合物、焦電物質はそれぞれ0.01〜10重量部、保湿剤、肥料成分、発熱助剤はそれぞれ0.01〜10重量部、酸性物質0.01〜1重量部である。尚、磁性体を更に配合するようにしてもよく、配合割合は所望により適宜決めればよい。
尚、この配合割合は、反応混合物、発熱混合物にも適用することができる。また、反応混合物の易動水値は通常0.01未満である。
水の含有量は、発熱組成物の場合、発熱組成物の1〜70重量%、より好ましくは1〜60重量%、更に好ましくは7〜60重量%、更に好ましくは10〜50重量%、更に好ましくは20〜50重量%を含有する。
また、酸化性ガスによる接触処理をする前の反応混合物及び発熱混合物の場合、反応混合物又は発熱混合物の0.5〜20重量%、より好ましくは1〜20重量%、更に好ましくは3〜20重量%、更に好ましくは4〜15重量%を含有する。
また、炭素成分としては、必ずしも単独で存在する必要はなく、炭素成分を含有及び/又は炭素成分で被覆された鉄粉を発熱組成物に使用した場合、炭素成分が単独に存在しなくても、前記発熱組成物は炭素成分を含むものとする。
前記吸水性ポリマーは、架橋構造を有し、かつ自重に対するイオン交換水の吸水倍率が3倍以上の樹脂であれば特に限定されるものではない。また、表面を架橋したものでもよい。従来公知の吸水性ポリマーや市販のものも用いることもできる。
吸水性ポリマーとしては、ポリ(メタ)アクリル酸架橋体、ポリ(メタ)アクリル酸塩架橋体、スルホン酸基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリオキシアルキレン基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリ(メタ)アクリルアミド架橋体、(メタ)アクリル酸塩と(メタ)アクリルアミドとの共重合架橋体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルと(メタ)アクリル酸塩との共重合架橋体、ポリジオキソラン架橋体、架橋ポリエチレンオキシド、架橋ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリスチレン架橋体、架橋ポリビニルピリジン、デンプン−ポリ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸(塩)グラフト架橋共重合体、ポリビニルアルコールと無水マレイン酸(塩)との反応生成物、架橋ポリビニルアルコールスルホン酸塩、ポリビニルアルコール−アクリル酸グラフト共重合体、ポリイソブチレンマレイン酸(塩)架橋重合体等が一例として挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記吸水性ポリマー中の生分解性を有する吸水性ポリマーとしては、生分解性を有する吸水性ポリマーであれば制限はない。ポリエチレンオキシド架橋体、ポリビニルアルコール架橋体、カルボキシメチルセルロース架橋体、アルギン酸架橋体、澱粉架橋体、ポリアミノ酸架橋体、ポリ乳酸架橋体などが一例として挙げられる。
前記pH調整剤としては、pHが調整できれば制限はない。アルカリ金属の弱酸塩、水酸化物など、或いは、アルカリ土類金属の弱酸塩、水酸化物などがあり、Na2CO3、NaHCO3、Na3PO4、Na2HPO4、Na5P3O10、NaOH、KOH、Ca(OH)2、Mg(OH)2、Ca3(PO4)2などが一例として挙げられる。
前記水素発生抑制剤としては、水素の発生を抑制するものであれば制限はない。イオウ化合物、酸化剤、アルカリ性物質、イオウ、アンチモン、セレン、リン及びテルルからなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種以上からなるものが一例として挙げられる。尚、イオウ化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属との化合物で、硫化カルシウム等の金属硫化物、亜硫酸ナトリウム等の金属亜硫酸塩やチオ硫酸ナトリウム等金属チオ硫酸塩等が一例として挙げられる。
前記酸化剤としては、硝酸塩、酸化物、過酸化物、ハロゲン化酸素酸塩、過マンガン酸塩、クロム酸塩等が一例として挙げられる。
前記骨材としては、充填剤として有用であり、及び/又は、発熱組成物の多孔質化に有用であれば制限はない。化石サンゴ(サンゴ化石、風化造礁サンゴ等)、竹炭、備長炭、シリカ−アルミナ粉、シリカ−マグネシア粉、カオリン、結晶セルロース、コロイダルシリカ、軽石、シリカゲル、シリカ粉、マイカ粉、クレー、タルク、合成樹脂の粉末やペレット、発泡ポリエステル及びポリウレタンのような発泡合成樹脂、藻土、アルミナ、繊維素粉末等が一例として挙げられる。尚、カオリン及び結晶セルロースは、本発明の発熱組成物には含まないものとする。
前記繊維状物としては、無機系の繊維状物及び/又は有機系の繊維状物である、ロックウール、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維、パルプ、紙、不織布、織物、綿や麻等の天然繊維、レーヨン等再生繊維、アセテート等の半合成繊維、合成繊維及びそれらの粉砕品が一例として挙げられる。
前記機能性物質としては、機能を有する物質であれば制限はないが、マイナスイオン発生物質や遠赤外線放射物質等から選ばれた少なくとも1種が一例として挙げられる。前記マイナスイオン発生物質としては、直接、間接を問わず、結果としてマイナスイオンは発生すれば制限はない。トルマリン、化石サンゴ、花崗岩、プロピオン酸カルシウムストロンチウムなどの共誘電体、ラジウム、ラドン等の放射性物質を含む鉱石等が一例として挙げられる。前記遠赤外線放射物質としては、遠赤外線を放射するものであれば制限はない。セラミック、アルミナ、ゼオライト、ジルコニウム、シリカ等が一例として挙げられる。
前記界面活性剤としては、アニオン、カチオン、ノニオン、両性イオンを含む界面活性剤を包含する。特に、ノニオン界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルフェノール・エチレンオキサイド付加物、高級アルコール燐酸エステル等が一例として挙げられる。
前記有機ケイ素化合物としては、少なくともSi−O−R及び又はSi−N−R及び又はSi−Rの結合を持つ化合物であれば制限はない。モノマー、低縮合物、ポリマー等の形態で、メチルトリエトキシシラン等の有機シラン化合物、ジメチルシリコーンオイル、ポリオルガノシロキサン又はそれらを含有するシリコーン樹脂組成物等が一例として挙げられる。
前記焦電物質としては、焦電性(パイロ電気又はピロ電気)を有する物であれば制限はない。電気石、イキョク鉱物焦電性鉱物が一例として挙げられる。特に電気石の一種であるトルマリンが好ましい。トルマリンとしては、ドラバイト(苦土電気石)、ショール(鉄電気石)、エルバイト(リチア電気石)等が挙げられる。
前記保湿剤としては、保湿ができれば制限はない。ヒアルロン酸、コラーゲン、グリセリン、尿素等が一例として挙げられる。
前記肥料成分としては、窒素、燐酸、カリウムの3要素のうち少なくとも1種を含む成分であれば制限はない。骨粉、尿素、硫安、過燐酸石灰、塩化カリウム、硫酸カルシウム等が一例として挙げられる。
前記疎水性高分子化合物としては、組成物中の水抜けをよくするため、水との接触角が40°以上、より好ましくは50°以上、更に好ましくは60°以上の高分子化合物であれば制限はない。形状も制限はなく、粉体、顆粒、粒、錠等が一例として挙げられる。ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等が一例として挙げられる。
前記発熱助成剤としては、金属粉、金属塩、金属酸化物などがあり、Cu、Mn、CuCl2、FeCl2、二酸化マンガン、酸化第二銅、四三酸化鉄等やそれらの混合物等が一例として挙げられる。
前記酸化鉄以外の金属酸化物としては、酸化性ガスによる鉄の酸化を阻害しなければ如何なるものでもよいが二酸化マンガン、酸化第2銅等が一例として挙げられる。
前記酸性物質としては、無機酸、有機酸、及び酸性塩の何れでもよく、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、クロル酢酸、塩化鉄、硫酸鉄、シュウ酸鉄、クエン酸鉄、塩化アルミニウム、塩化アンモニウム、次亜塩素酸等が一例として挙げられる。
前記鉄粉は、限定はされないが、鋳鉄鉄粉、アトマイズ鉄粉、電解鉄粉、還元鉄粉、スポンジ鉄粉及びそれらの鉄合金粉等が一例として使用できる。更に、これら鉄粉が炭素や酸素を含有していてもよく、また、鉄を50%以上含む鉄で、他の金属を含んでいてもよい。合金等として含まれる金属の種類は鉄成分が発熱組成物の成分として働けば特に制限はないが、アルミニウム、マンガン、銅、ニッケル、ケイ素、コバルト、パラジウム及びモリブデン等の金属、半導体が一例として挙げられる。本発明の金属には半導体も含める。これらの金属及び合金は表面のみ又は内部のみに有していても表面と内部との両方に有していてもよい。
本発明の鉄粉において、前記鉄以外の金属の含有量は、鉄粉全体に対して通常0.01〜50重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%である。
A.発熱組成物の必須成分又はそれに酸性物質やその他必要成分を加えたものを酸化性ガスとの接触処理し、鉄成分を部分酸化し、鉄成分の表面を少なくとも部分酸化した活性鉄粉
B.ウスタイトの含有量が、鉄とのX線ピーク強度比で、2〜50重量%の活性鉄粉
C.厚さ3nm以上の鉄酸化物皮膜を表面に有する鉄粉
D.活性鉄粉と活性鉄粉以外の鉄粉の混合物等が一例として挙げられる。
機構としては、詳しくはわからないが、酸化性ガスと成分の接触により、成分の酸化、特に鉄粉の酸化により、鉄粉の表面に鉄酸化物皮膜、即ち、酸素含有皮膜が形成されるとともに、活性炭の表面も酸化され、及び/又は酸化された鉄成分が付着し、ともに親水性が付与され、又、向上し、水の仲立ちによる成分間の結合や構造化が起きていると推定される。
即ち、鉄粉の表面に鉄酸化物皮膜が形成されたり、鉄粉粒子が不規則形状になったり、酸化により歪みが発生したり、含水ピットが形成されたり、何らかの機能変化が起こり、鉄粉が活性化され、発熱立ち上がり性が向上すると推定される。
また、鉄酸化物皮膜中にマグネタイト(Fe3O4)が存在する場合、導電性に優れるので好ましく、また、へマタイト(Fe2O3)が存在する場合もポーラスとなるので好ましい。また、炭素成分も表面が酸化され、表面酸化物の多い炭素成分になり、親水性も増加し、活性も増加すると推定される。
前記鉄粉の表面を覆う酸素含有皮膜である鉄酸化物皮膜の厚さは、オージェ電子分光法を用いて、通常3nm以上であり、好ましくは3nm〜100μmであり、より好ましくは30nm〜100μmであり、更に好ましくは30nm〜50μmであり、更に好ましくは30nm〜1μmであり、更に好ましくは30nm〜500nmであり、更に好ましくは50nm〜300nmである。鉄の酸素含有皮膜の厚さを3nm以上とすることにより、鉄の酸素含有皮膜の厚さが酸化反応の促進効果を発揮でき、空気等の酸化性ガスと接触して、酸化反応をすぐに開始させることができる。鉄の酸素含有皮膜の厚さが100μm以上であると、発熱時間が短くなるおそれがあるが、用途によっては使用できる。
また、反応混合物を酸化性ガス接触処理することにより製造された発熱混合物に炭素成分等の添加や水分調整を行い、易動水値を0.01〜50にした発熱組成物は適度にべたつき、優れた成形性を有し、型通し成形法や鋳込み成形法の成形法が適用でき各種形状の発熱体が生産できる。特に易動水値が0.01〜20の発熱組成物は空気と接触してすぐに発熱反応を始め、優れた発熱立ち上がり性を有し、且つ、優れた成形性を有する優れたものである。
反応混合物の酸化性ガスの接触処理方法は、鉄粉と反応促進剤と水を必須成分とし、含水量が0.5〜20重量%で、易動水値が0.01未満の反応混合物を、酸化性ガスと接触処理し、反応混合物の温度上昇分を1℃以上にさせるものであれば特に制限はないが、
具体例として更に一例を挙げれば、
1.鉄粉、反応促進剤及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させ、鉄粉を部分酸化し、表面に鉄酸化物皮膜を有する鉄粉を含有する発熱混合物の製造方法、
2.鉄粉、反応促進剤、酸性物質及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させる発熱混合物の製造方法、
3.鉄粉、反応促進剤、炭素成分及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させる発熱混合物の製造方法、
4.鉄粉、反応促進剤、酸性物質、炭素成分及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させる発熱混合物の製造方法、
5.1乃至4の何れかに記載の反応混合物又は発熱混合物が上記成分以外の成分を含有し、1乃至4の何れかに記載の方法を行う部分酸化鉄粉を含有する発熱混合物の製造方法、
6.1乃至5の何れかに記載の方法を、環境温度より10℃以上に加温した環境で行う発熱混合物の製造方法、
7.1乃至6の何れかに記載の方法を酸化性ガスを吹き込んで行う発熱混合物の製造方法、
8.7に記載の方法で、環境温度より10℃以上に加温した酸化性ガスを吹き込んで行う発熱混合物の製造方法、
9.1乃至8の何れかに記載の方法で、発熱反応による温度上昇の最高点である最高温度を超えるまで、酸化性ガス接触処理を行う発熱組成物の製造方法、
10.1乃至8の何れかに記載の方法で、発熱反応による最高温度を超え、更に、前記最高温度から少なくとも10〜20℃下がるまで、酸化性ガス接触処理を行う発熱混合物の製造方法、
11.1乃至8の何れかに記載の方法で、発熱反応による温度上昇の最高点である最高温度を超えるまで、酸化性ガス接触処理を行い、その後酸化性ガスを遮断し、少なくとも反応混合物の温度が前記最高温度から少なくとも10〜20℃下がるまで、保持する発熱組成物の製造方法、
12.1乃至5の何れかに記載された反応混合物又は発熱混合物を酸化性ガス環境下で、温度上昇分を1℃以上にする発熱混合物の製造方法、等が一例として挙げられる。
更に、発熱混合物に他の成分を加え、更に、酸化性ガス処理を行い、発熱混合物としてもよい。
尚、酸化性ガス接触処理時の反応混合物の環境は0℃以上の環境下で、酸化性ガスと接触させ、10分以内に、反応混合物の温度上昇分を1℃にさせれば制限はなく、開放系で行う場合、フタのない容器の中に存在する状態でも、不織布等の通気性シート状物を通じて空気等の酸化性ガスが入る状態でもよい。
また、酸化性ガス接触処理は撹拌下、非撹拌下、流動下又は非流動下の何れでもよく、バッチ式でも連続式でもよい。
最終的な発熱組成物としては、
1)上記1乃至12の何れかに記載の方法で製造された発熱混合物を発熱組成物原料とする発熱組成物、
2)1)の発熱組成物に他の成分を加えた発熱組成物、
3)1)又は2)の何れかに記載の発熱組成物を水分調整した発熱組成物、の何れかが挙げられる。また、前記必須成分以外の成分を添加する時期と水分調整の時期の順序の制限はない。
ここで、反応混合物、更に酸化性ガス処理を行う前の発熱混合物中の含水量は通常0.5〜20重量%であり、好ましくは1〜15重量%であり、より好ましくは2〜10重量%であり、更に好ましくは3〜10重量%であり、更に好ましくは6〜10重量%である。
前記酸化性ガスとの接触後の反応混合物の温度は温度上昇分が1℃以上であれば制限はないが、好ましくは1〜80℃であり、より好ましくは1〜70℃であり、更に好ましくは1〜60℃であり、更に好ましくは1〜40℃である。
反応混合物と酸化性ガスとの接触時の環境温度は反応混合物の温度が所定以上に上がれば、制限はないが、好ましくは0℃以上であり、より好ましくは0〜250℃であり、更に好ましくは10〜200℃であり、更に好ましくは20〜150℃であり、更に好ましくは25〜100℃であり、更に好ましくは25〜50℃である。
反応混合物と酸化性ガスとの接触時の反応混合物の温度上昇分が1℃以上になる時間が10分以内であれば制限はないが、好ましくは1秒〜10分であり、より好ましくは1秒〜7分であり、更に好ましくは1秒〜5分であり、更に好ましくは2秒〜5分であり、更に好ましくは2秒〜3分であり、更に好ましくは2秒〜1分である。
酸化性ガスの温度は前記環境温度が保たれれば、制限はない。
酸化性ガスとは、気体で酸化性があれば如何なるものでもよいが、酸素ガス、空気、又は窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガスと酸素ガスとの混合気体が一例として挙げられる。前記混合気体としては、酸素が含まれていれば制限はないが、10%以上の酸素ガスを含むことが好ましく、これらの中で、特に、空気が好ましい。所望ならば、白金、パラジュウム、イリジュウム及びそれらの化合物などの触媒を用いることもできる。
酸化反応は、撹拌下に酸化性ガス雰囲気中で、所望により加圧下で、更に/若しくは、超音波照射下で行うことができる。
酸化反応の最適条件は実験的に適宜決めればよい。
酸化性ガスの使用量は、制限はなく、酸化性ガスの種類、鉄粉の種類や粒度、水分量、処理温度、処理方法などによって調整をすればよい。
開放系の場合は、必要酸素量が取り込めれば制限はない。反応混合物の飛散やゴミ等の混入を防ぐため、不織布や織布等の通気性素材で回りを囲んでもよく、通気性がある状態であれば開放系とする。
酸化性ガスを吹き込む方式で、空気を使用した場合、一例として、鉄粉200gに対して、1気圧下、空気の量は、好ましくは0.01〜1000リットル/分、より好ましくは0.01〜100リットル/分、更に好ましくは0.1〜50リットル/分である。他の酸化性ガスの場合、空気の場合を基準として、酸素の濃度により換算すればよい。
所望により、過酸化物を添加してもよい。過酸化水素、オゾンが一例として挙げられる。
ここで、酸化性ガスとの接触処理時の反応混合物又は発熱混合物の状態は鉄粉が部分酸化されれば、静置状態でも、移動状態でも、撹拌等による流動状態でも何れでもよく、適宜選択すればよい。また、反応混合物、発熱混合物及び発熱組成物の各成分の混合時並びに水分調整時の混合酸化性ガスとの接触処理時の環境に制限はなく、酸化性ガス雰囲気中や酸化性ガスの吹き込み等が一例として挙げられる。
1)周囲温度20±1℃の条件下、発熱組成物を非通気性の外袋封入状態で1時間放置する。
2)脚付き支持台の塩化ビニル製支持板(厚さ3mm×長さ縦600mm×幅横600mm)の裏面の中央部付近に成形型の抜き穴形状を覆うように磁石を設ける。
3)温度センサーを支持板中央部上に置く。
4)厚さ約80μmの粘着剤層付き厚さ25μm×長さ250mm×幅200mmのポリエチレンフィルムの中央がセンサーのところにくるようにして、粘着層を介して支持板に貼り付ける。
5)外袋から発熱組成物を取り出す。
6)前記ポリエチレンフィルムの中央部上に、長さ80mm×幅50mm×高さ3mmの抜き穴を持つ長さ250mm×幅200mmの型板を置き、その抜き穴付近に試料を置き、押し込み板を型板上に沿って動かし、試料を押し込みながら抜き穴へ入れ、型板面に沿って、試料を押し込みながら擦り切り(型押し込み成形)、型内に試料を充填する。次に、支持板下の磁石を除き、温度測定を開始する。
発熱温度の測定はデータコレクタを用い、測定タイミング2秒で、10分間温度測定をし、3分後の温度をもって、発熱立ち上がり性を判定する。
発熱体の発熱試験については、JIS温度特性試験に従うものとする。
本発明の鉄粉には、
1.全面(均一)腐食、
2.孔食、すきま腐食、
3.応力腐食割れ等がおこり、等する領域が生じるとともに、凹凸やすき間も生ずる。このため、親水性及び酸化触媒性(FeO等)を自らの部分に持つことになると推定される。混合でなく、自らの部分に酸素含有皮膜を持つことが発熱組成物を製造する上に重要である。特に鉄成分を反応促進剤、水を必須成分として酸化性ガスとの接触処理をした鉄成分には、酸化物、水酸化物、塩素イオン、水素イオン等を主体とする反応活性部が生じ、発熱反応性、親水性が向上し、発熱立ち上がり性、成形性が著著しく向上すると思われる。
前記所定量のウスタイトを含む鉄成分に含まれるFeO(ウスタイト)量は、鉄とのX線ピーク強度比で、通常は2〜50重量%であり、好ましくは2〜40重量%、より好ましくは2〜30重量%であり、更に好ましくは5〜30重量%であり、更に好ましくは6〜30重量%である。50重量%を超えても発熱立ち上がり性はよいが、発熱持続時間が短くなる。2重量%未満であると発熱立ち上がり性が鈍くなる。
前記所定量の酸素含有皮膜やウスタイトを有する鉄粉の酸素含有皮膜の厚さやウスタイト量は積層時の発熱組成物又は発熱組成物成形体に適用する。
また、導電性炭素質物質被覆を効率よく行うために鉄粉の流動性を害さない程度に0.01〜0.05重量%の油分、例えばスピンドル油等を添加してもよい。
1)易動水値
発熱体から発熱組成物を取り出し、前記易動水値の測定法に従って測定する。
2)鉄粉の鉄酸化物皮膜の厚さ、ウスタイト量
窒素雰囲気下、窒素置換されたイオン交換水に発熱組成物、発熱組成物成形体、発熱組成物圧縮体又は混合物を分散させ、磁石で鉄粉を分離し、窒素雰囲気下で乾燥させたものを測定用試料とする。
本発明は反応混合物の含水量を一定量以下、特に余剰水量を一定量以下にし、酸化性接触処理をすることで、短時間に酸化性ガス接触処理が行えるようにした。余剰水量の特定化と短時間処理により、発熱組成物の初期の発熱立ち上がりがよくなかったり、発熱保持時間が短くなったりする等の酸化性ガス接触処理に起因する悪影響が回避でき、工業的大量生産方法が確立できた。また、酸化性ガス接触処理中は、攪拌等をしなくてもよいが、攪拌等をした方が酸化性ガス接触処理が確実に行える。
ここで、酸化性ガスとの接触処理の反応混合物又は発熱混合物の状態は鉄粉が部分酸化されれば、静置状態でも、移動状態でも、撹拌等による流動状態でも何れでもよく、適宜選択すればよい。また、反応混合物、発熱混合物及び発熱組成物の各成分の混合時並びに水分調整時の混合時の環境に制限はなく、酸化性ガス雰囲気中や酸化性ガスの吹き込み等が一例として挙げられる。
水分調整を行うかどうかは用途により適宜決めればよい。
したがって、少なくとも鉄粉は、更に炭素成分も含め、酸化性ガスの接触処理による酸化の履歴を有し、これが優れた発熱立ち上がり性、発熱持続性及び優れた成形性に深くかかわっていると思われる。
本発明の製造方法により製造された発熱組成物は発熱立ち上がり性が著しく向上されているので、発熱組成物中の活性炭等の炭素成分の添加量を、例えば、20%以上減少でき、コストダウンに貢献できる。
また、親水性が著しく向上されているので、型を使った成形性が著しく向上するので、成形後に発熱組成物成形体の周辺に発熱組成物の崩れ片をまき散らさないので、シールが的確にでき、シール切れのない発熱体が製造できる。これにより、種々の形状の発熱組成物成形体が製造でき、種々の形状の発熱体ができる。
1)発熱組成物の必須成分又はそれに酸性物質やその他必要成分を加えたものを酸化性ガスとの接触処理(自己発熱等)したもの、それを水分調整したもの又はその他の成分を加え混合し、発熱組成物としたもの。
2)表面の少なくとも一部に酸化物等の酸素含有皮膜を有する下記いずれかの活性鉄粉を鉄粉として使用する。a)鉄粉の表面についてオージェ電子分光法で求めた3nm以上の厚さの鉄の酸素含有皮膜を有する鉄粉。b)ウスタイトの含有量が鉄とのX線ピーク強度比で、2〜50重量%の鉄粉。
3)鉄粉の表面の少なくとも一部に酸化物等の酸素含有皮膜を有する活性鉄粉を酸素含有皮膜を有しない鉄粉に混合したものを鉄粉とて使用する。この場合、活性鉄粉が60重量%以上で、活性鉄粉以外の鉄粉を40重量%未満とした混合物とすることが好ましい。
前記凝集助剤とは、特許第3161605号公報(特表平11−508314号公報)に記載されている凝集助剤で、ゼラチン、天然ガム、コーンシロップ等である。
前記凝集化剤とは、特表平2002−514104号公報に記載されている凝集化剤で、コーンシロップ、マルチトールシロップ等である。
前記集塊補助剤とは、特表平2001−507593号公報に記載されている集塊補助剤で、コーンシロップ等である。
前記乾燥バインダーとは、特表平2002−514104号公報に記載されている乾燥バインダーで、微結晶セルロース、マルトデクストリン等又はこれらの混合物である。
前記乾燥結合剤とは、特表平2001−507593号公報に記載されている乾燥結合剤で、マルトデクストリン、噴霧された乳糖等である。
前記乾燥結合材とは、特表平11−508314号公報に記載されている乾燥結合材で、微晶質セルロース、マルトデクストリン等又はこれらの混合物である。
前記粘着性素材又はバインダーとは、特開平4−293989号公報に記載されている粘着性素材又はバインダーで、水ガラス、ポリビニールアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等である。
前記増粘剤とは、特開平6−343658号公報に記載されている増粘剤で、コーンスターチ、馬鈴薯デンプン等である。
前記賦形剤とは、特開平7−194641号公報に記載されている賦形剤で、α化でんぷん、アルギン酸ナトリウム等である。
前記水溶性高分子とは、粘着剤層での水溶性高分子が使用できる。
更に、成形性発熱組成物を構成する固形成分の粒径を小さくすることは成形上好ましい。成形性発熱組成物を構成する成分中、反応促進剤と水を除く非水溶性固形成分の最大粒径は好ましくは2.5mm以下であり、より好ましくは930μm以下であり、更に好ましくは500μm以下であり、更に好ましくは300μm以下であり、更に好ましくは250μm以下であり、更に好ましくは200μm以下であり、且つ、前記固形成分の粒径の80%以上が、通常500μm以下で有り、好ましくは300μm以下で有り、より好ましくは250μm以下であり、更に好ましくは200μm以下であり、更に好ましくは150μm以下であり、更に好ましくは100μm以下である。
尚、非水溶性固形成分の粒径とは、篩を使って分離し、前記篩を通過したものをその篩の口径から算出した粒径である。即ち、篩を、上から8、12、20、32、42、60、80、100、115、150、200、250及び280メッシュ等の篩並びに受皿の順に組み合せる。最上段の8メッシュ篩に非水溶性固形成分粒子を約50g入れ、自動振盈機で1分間振盈させる。各篩及び受皿上の非水溶性固形成分粒子の重量を秤量し、その合計を100%として重量分率により粒径分布を求める。特定メッシュの櫛の下のすべての受け皿の合計が前記粒径分布の合計値である100%になった場合、前記特定メッシュの口径から算出した大きさ(μm)をもって、その非水溶性固形成分の粒径とする。尚、各メッシュ篩は他のメッシュ篩を組み合わせてもよい。ここで、16メッシュパスは粒径1mm以下、20メッシュパスは粒径850μm以下、48メッシュパスは粒径300μm以下、60メッシュパスは粒径250μm以下、65メッシュパスは粒径200μm以下、80メッシュパスは粒径180μm以下、100メッシュパスは粒径150μm以下、115メッシュパスは粒径120μm以下、150メッシュパスは粒径100μm以下、250メッシュパスは粒径63μm以下とする。以下のメッシュも同様とする。
次に、上記成形性について、測定装置、測定方法及び判定法について説明する。
1)測定装置
測定装置については、走行可能な無端状ベルトの上側にステンレス製成形型(中央部に縦60mm×横40mmの四隅がR5に処理された抜き穴を有する厚さ2mm×縦200mm×横200mmの板〉と固定可能な擦り切り板を配置し、それと反対側である無端状ベルトの下側に磁石(厚さ12.5mm×縦24mm×横24mm、磁石が並列に2個)を配置する。前記磁石は、擦り切り板及びその近傍の領域、且つ、成形型の抜き穴の進行方向と垂直な方向の断辺(40mm)で覆われる領域より大きい領域を覆うものとする。
2)測定方法
測定方法については、前記測定装置の無端状ベルトの上に厚さ1mm×縦200mm×横200mmのステンレス板を置き、その上に厚み70μm×縦200mm×横200mmのポリエチレンフィルムを置き、更にその上にステンレス製成形型を置く。その後、前記成形型の抜き穴の無端状ベルトの進行側端部から50mmの位置に擦り切り板を固定後、前記擦り切り板と前記抜き穴の間で擦り切り板付近に発熱組成物50gを置き、無端状ベルトを1.8m/minで動かし、発熱組成物を擦り切りながら成形型の抜き穴へ充填する。
成形型が擦り切り板を完全に通過後、無端状ベルトの走行を停止しする。次に成形型を外し、ポリエチレンフィルム上に積層された発熱組成物成形体を観察する。
3)判定方法
判定方法については、前記発熱組成物成形体の周縁部において、最大長さが800μmを超える発熱組成物成形体の崩れ片が無く、最大長さ300から800μmの発熱組成物成形体の崩れ片が5個以内である場合に、前記発熱組成物は成形性があるとする。前記成形性は、成形方式に使用する発熱組成物には必須の性質である。これがないと成形方式による発熱体の製造は不可能である。
ここで、耐圧縮性のための発熱立ち上がり性の測定法について説明する。
1.発熱組成物成形体、
1)脚付き支持台の塩化ビニル製支持板(厚さ3mm×長さ600mm×幅600mm)の裏面の中央部付近に成形型の抜き穴形状を覆うように磁石を設ける。
2)温度センサーを支持板の表面中央部上に置く。
3)厚さ約80μmの粘着剤層付き厚さ25μm×長さ250mm×幅200mmのポリエチレンフィルムの中央がセンサーのところにくるようにして、粘着層を介して支持板に貼り付ける。
4)長さ280mm×幅150mm×厚さ50μm〜2mmの敷板上に長さ230mm×幅155mm×厚さ25μm〜100μmのポリエチレンフィルムの一端が敷板の外側に約20mm出るようにし、且つ、その長さ方向は一端が敷板の一端とほぼ一致するようにポリエチレンを設置する。
5)前記敷板上のポリエチレンフィルム上に長さ80mm×幅50mm×高さ3mmの抜き穴を持つ長さ230mm×幅120mm×厚さ3mmの型板を置く。その場合、型板の長さ方向の一端を敷板とポリエチレンフィルムが一致して置かれている一端に合わせ、更に、幅方向において、ポリエチレンフィルムが敷板より外側にはみ出している側と反対の端部より約20mm中央部の位置に型板の幅の一端部がくるようにして、型板をポリエチレンフィルム上に設置する。次に、支持板上に敷板とともに置く。
6)その抜き穴付近に試料を置き、押し込み板を型板上に沿って動かし、試料を押し込みながら抜き穴へ入れ、型板面に沿って、試料を押し込みながら擦り切り(型押し込み成形)、型内に試料を充填する。
7)支持板下の磁石を除き、更に、はみ出したポリエチレンフィルムの端部を押さえ、敷板を除き、温度測定を開始する。
2.発熱組成物圧縮体
1)〜6)は、発熱組成物成形体の場合と同じである。
8)抜き穴と凹凸の関係で、ほぼぴったりと抜き穴に入る、厚さ0.9mmの凸部を有する押し型を抜き穴に合わせておき、ロールプレスや板プレスにて圧縮して、厚さ2.1mmの発熱組成物圧縮体を型内に作成する(型厚みの70%に圧縮)。
9)支持板上に敷板とともに置き、支持板下の磁石を除き、更に、はみ出したポリエチレンフィルムの端部を押さえ、敷板を除き、温度測定を開始する。
発熱温度の測定は、データコレクタを用い、測定タイミング2秒で、5分間温度測定をし、1分後と3分後の温度差をもって耐圧縮性を判定する。
圧縮後の厚みは、好ましくは型厚みの50〜99.5%であり、より好ましくは60〜99.5%であり、更に好ましくは60〜95%である。
尚、本発明において、発熱組成物成形体には、発熱組成物圧縮体を含むものとする。
前記区分発熱部の容積又は発熱組成物成形体の体積は、通常、0.015〜500cm3であり、好ましくは0.04〜30cm3であり、より好ましくは0.1〜30cm3であり、更に好ましくは1〜30cm3であり、更に好ましくは3〜20cm3である。
前記区分発熱部において、発熱組成物収納領域である区分発熱部が発熱組成物成形体で満たされた時に、発熱組成物成形体占有領域である発熱組成物成形体の体積と発熱組成物収納領域である区分発熱部の容積との容積比は通常0.6〜1であり、好ましくは0.7〜1であり、より好ましくは0.8〜1であり、更に好ましくは0.9〜1.0である。
また、前記区分発熱部の間隔である区分け部の幅は区分けができれば制限はないが、通常0.1〜50mmであり、好ましくは0.3〜50mmであり、より好ましくは0.3〜50mmであり、更に好ましくは0.3〜40mmであり、更に好ましくは0.5〜30mmであり、更に好ましくは1.0〜20mmであり、更に好ましくは3〜10mmである。
尚、前記発熱組成物成形体又は区分発熱部の形状は如何なるものでもよいが、平面形状で、円、楕円、多角形状、星形状、花形状等が一例として挙げられる。立体形状では、多角錐形状、円錐形状、錐台形状、球形状、平行六面体形状、円筒体形状、半円柱体形状、半楕円柱体形状、蒲鉾形状体、円柱体形状、楕円柱体形状等が一例として挙げられる。また、これらの形状は角部にアールを設け、角部を曲線状や曲面状にしてもよいし、中央部等に凹部があってもよい。
また、本発明の発熱組成部成形体の体積とは、発熱組成物成形体又は圧縮された発熱組成物成形体の体積を意味する。
また、区分発熱部の容積とは、発熱組成物成形体を収納した区分発熱部の内部容積を意味する。
また、開着とは、ヒートシール後の仮着シール部において、未ヒートシール部領域の発熱組成物を前記領域に移動させること等により仮着を解くことである。
仮着シール部は、粘着層を介して形成されるが、粘着層を構成する粘着剤は、常温でタックがある高分子組成物で形成された層で、仮着後ヒートシールができれば限定はない。
また、仮着に使用される粘着層を構成する粘着剤としては、前記粘着剤層の粘着剤が使用できるが、非親水性の粘着剤が好ましい。粘着層を構成する粘着剤はヒートシールを構成するヒートシール材と相溶性が良いものが好ましく、粘着剤のベースポリマーの融点はヒートシール材の融点以下が好ましい。特に、ホットメルト系粘着剤が好ましい。また、ヒートシール材がオレフィン系の素材である場合は粘着剤としては、オレフィン系の粘着剤が好ましい一例として挙げられる。
尚、仮着のための粘着層の設けかたには制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。
図9に示すように、中心点から放射状に45度間隔で8本の線が書かれたNO.2(JIS P 3801 2種)の濾紙13を、図10及び図11に示すように、ステンレス板17上に置き、前記濾紙13の中心に、内径20mm×高さ8mmの中空円筒状の穴15を持つ長さ150mm×幅100mmの型板14を置き、その中空円筒状の穴15付近に試料16を置き、押し込み板10を型板14上に沿って動かし、試料16を押し込みながら中空円筒状の穴15へ入れ、型板14面に沿って、試料を擦り切る(型押し込み成形)。
次に、図12に示すように、前記穴15を覆うように非吸水性の70μmポリエチレンフィルム12を置き、更に、その上に、厚さ5mm×長さ150mm×幅150mmのステンレス製平板11を置き、発熱反応が起こらないようにして、5分間保持する。その後、図13に示すように、濾紙13を取り出し、放射状に書かれた線に沿って、水又は水溶液の浸みだし軌跡を中空円筒の穴の縁である円周部19から浸みだし先端までの距離18として、mm単位で読み取る。同様にして、各線上からその距離18を読み取り、合計8個の値を得る。読み取った8個の各値(a,b,c,d,e,f,g,h)を測定水分値とする。その8個の測定水分値を算術平均したものをその試料の水分値(mm)とする。また、真の水分値を測定するための水分量は内径20mm×高さ8mmの前記発熱組成物等の重量に相当する前記発熱組成物等の配合水分量とし、その水分量に相当する水のみで同様に測定し、同様に算出したものを真の水分値(mm)とする。水分値を真の水分値で除したものに100をかけた値が易動水値である。即ち、
易動水値=[水分値(mm)/真の水分値(mm)]×100
同一試料に対して、5点測定し、その5個の易動水値を平均し、その平均値をその試料の易動水値とする。また、発熱体中の発熱組成物の易動水値を測定する場合、真の水分値を測定する水分量は発熱組成物の赤外線水分計による水分量測定から発熱組成物の含水率を算出し、それを基に、測定に必要な水分量を算出し、前記水分量により真の水分値を測定算出する。
本発明での易動水値(0〜100)は、0.01〜20であり、より好ましくは0.01〜18であり、更に好ましくは0.01〜15であり、更に好ましくは0.01〜13であり、更に好ましくは1〜13であり、更に好ましくは3〜13である。
本発明の余剰水を連結物質とした、成形性のある発熱組成物を成形した発熱組成物成形体を用いた発熱体は、前記発熱組成物は凝集助剤、乾燥結合剤、凝集化剤等を使用せず、易動水値0.01〜20で表される適量の余剰水を連結物質とするものである。
発熱組成物中の余剰水は適量になると、組成物の成分中の親水基に対しては双極子相互作用又は水素結合等によって水和し、また、疎水基の周辺においても高い構造性を有して存在すると推定される。これにより砂ダンゴ状態になり、発熱組成物の成形性が生ずると推定される。これは何らかの意味で連結物質である連結水である。これ以外に、自由に動ける自由水と呼べる状態の水分もあり、余剰水が増加すれば構造が軟化し、自由水が増加すると思われる。また、鉄粉が酸化反応を起こす支配因子は、水の存在量と鉄粉表面への酸素供給量である。吸着水膜(100Å未満)程度では水分が十分でなく、酸化速度は小さいといわれている。吸着膜が約1μm程度になると、水分量が十分になる。また、水膜の厚さが薄いため、鉄粉表面への酸素の供給も容易となり、大きな酸化速度を示す。更に膜が厚くなり、吸着膜が1μmを超えると、酸素供給量が減少すると推定される。一定以上の成形性と酸化速度を示す最適水分量を表す易動水値が0.01〜20であるとの知見を得、本発明を完成した。
即ち、適量の余剰水を用いることにより、水分の表面張力で各成分粒子をつなぎ止め、発熱組成物に成形性を生じさせ、水分が実質的にバリア層として機能しないため、発熱組成物は空気と接触して発熱する。更に、活性鉄粉を用いた発熱組成物や活性発熱組成物を用いることにより発熱立ち上がり性の著しく優れ、また、成形性の高い発熱組成物となる。また、成形積層方式により製造した発熱組成物成形体中の水分を包材や吸水性シートに移動させることなく発熱する。更に、発熱組成物成形体をシール部により区分けした区分発熱部を複数設けることにより、発熱体自身が柔軟性を有し、人体各所や曲面を有する物体等の柔軟性の要求される箇所への装着に優れ、使用感に優れた発熱体を提供できる。
また、前記基材、被覆材及び発熱組成物成形体において、少なくとも被覆材と発熱組成物成形体とを粘着層を介して、仮着してから、発熱組成物成形体の周縁部及び発熱体周辺部をヒートシールすることにより、ヒートシールの確実性が向上するので、発熱体製造の高速化及びヒートシール幅の小幅化が図れる。
成形性があると発熱組成物成形体が少なくとも被覆材に覆われ、基材と被覆材の間にシール部が形成されるまで、形状が維持されるので、所望の形状でその形状周縁部でシールができ、シール部に発熱組成物の崩れ片であるいわゆるゴマが散在しないので、シール切れがなくシールできる。ゴマの存在はシール不良の原因となる。
1)測定装置としては、
走行可能な無端状ベルトの上側にステンレス製成形型(中央部に縦60mm×横40mmの四隅がR5に処理された抜き穴を有する厚さ2mm×縦200mm×横200mmの板)と固定可能な擦り切り板を配置し、それと反対側である無端状ベルトの下側に磁石(厚さ12.5mm×縦24mm×横24mmの磁石が並列に2個)を配置する。
前記磁石は、擦り切り板及びその近傍の領域、且つ、成形型の抜き穴の進行方向に対する最大断面の領域(40mm)より大きい領域を覆う。
2)測定法としては、
前記測定装置の無端状ベルトの上に厚さ1mm×縦200mm×横200mmのステンレス板を置き、その上に厚み70μm×縦200mm×横200mmのポリエチレンフィルムを置き、更にその上にステンレス製成形型を置く。
その後、前記成形型の抜き穴の無端状ベルトの進行側端部から50mmの位置に擦り切り板を固定後、前記擦り切り板と前記抜き穴の間で擦り切り板付近に発熱組成物50gを置き、無端状ベルトを1.8m/minで動かし、発熱組成物を擦り切りながら成形型の抜き穴へ充填する。成形型が擦り切り板を完全に通過後、無端状ベルトの走行を停止する。次に成形型を外し、ポリエチレンフィルム上に積層された発熱組成物成形体を観察する。
3)判定法としては、
前記発熱組成物成形体の周縁部において、最大長さが800μmを超える発熱組成物成形体の崩れ片がなく、最大長さ300から800μmの発熱組成物成形体の崩れ片が5個以内である場合に、前記発熱組成物は成形性があるとする。
成形方式に使用する発熱組成物には必須の性質である。これがないと成形方式による発熱体の製造は不可能である。
本発明のポケットとは、発熱組成物を収納するために、予め包材に設けられた収納用ポケットであり、特表2001−507593号公報に記載されているようなポケットである。意図的な発熱組成物成形体の収納用でない凹凸はポケットではないので、そのような凹凸が基材にあっても、実質的な平面状の基材とする。
前記収納区画とは、発熱組成物を収納するために、予め包材に設けられた収納用収納区画であり、特許316160号公報、特表平11−508314号公報に記載されているような収納区画である。意図的な発熱組成物成形体の収納用でない凹凸は収納区画ではないので、そのような凹凸が基材にあっても、実質的な平面状の基材とする。
前記収納区域とは、発熱組成物を収納するために、予め包材に設けられた収納用収納区域であり、特許316160号公報、特表平11−508314号公報に記載されているような収納区域である。意図的な発熱組成物成形体の収納用でない凹凸は収納区域ではないので、そのような凹凸が基材にあっても、実質的な平面状の基材とする。
また、
1)水平台には発熱体の発熱組成物入り発熱部が幅5mm以上×長さ20mm以上残っていること。ただし、長さは発熱組成物が存在している領域を横断していること又は発熱組成物が存在している領域と存在していない領域を直線的に横断していること。
2)粘着剤層付き発熱体の場合は粘着剤層のセパレータとして剛軟度30mm以下のプラスチックフィルム、或いは、厚み50μm以下、好ましくは25μm以下の腰のない、或いは、軽く揉んでシワができるプラスチックフィルム等の腰のない、柔らかいフィルムを使用し、粘着剤層に添って設けること。また、基材及び/又は被覆材の剛軟度は100mm×200mmの試験片を作成し、200mm方向の剛軟度を採用する。
本発明では、少なくとも一方向の剛軟度は、200mm以下であり、好ましくは100mm以下であり、更に好ましくは60mm以下であり、より好ましくは50mm以下であり、更に好ましくは30mm以下であり、更に好ましくは20mm以下である。また、剛軟度比は、好ましくは2以上である。
剛軟度率=(A/B)×100
A:一方向における発熱体又は発熱部の剛軟度
B:前記一方向における発熱体又は発熱部の全長
本発明では、少なくとも一方向の剛軟度率は、通常50以下であり、好ましくは40以下であり、より好ましくは30以下である。
また、身体に沿わせて発熱体を設ける場合、身体は二次的曲面が多く、肩、脚、腹、腰、腕等は1方向は、ほぼ直線的になっており、他の2方向はほぼ曲面から造られる。従って、1方向はほぼ直線的であり、他の2方向は曲面を造ることができる本発明の発熱体は2次元的曲面が造れるので、身体にうまく沿わすことができ、身体の採暖や諸症状の緩和、治療に最適である。
また、本発明の発熱体は凸部区分発熱部の大きさや間隔を調整することにより、柔軟で、均一温度分布を示す発熱部や模様状温度分布を示す発熱部が得られる。模様状温度分布により、加温部のつぼ効果を向上させることができる。
区分発熱部を有する発熱体において、厚み方向に直交する面における剛軟度の最小剛軟度は、好ましくは50mm以下であり、より好ましくは40mm以下であり、更に好ましくは30mm以下であり、更に好ましくは5〜30mmである。
この剛軟度及び剛軟度比は、少なくとも20〜60℃の間で保持される。
保水率(%)=[(W1−W2)/W2]×100
本発明においては保水率20%以上が好ましい。
1)非弾性体判定試験
試料は25℃に安定化された後、クロスヘッド速度を約50cm/分で、チャック間を5mm伸ばし、その後装置から取り出される。
伸長後の長さが伸長前の長さより長い場合は永久歪みが生じているので、非弾性体であるとする。
また、伸びと引張強度との一次関数関係からのズレを生じ、弾性変形外と認められた試料も非弾性体とする。
また、異方向性のある試料では少なくとも一方向において、非弾性が認められたものは非弾性体とする。
2)25℃破断強度
25℃の試験温度に安定化された後、破断するまで、装置を稼働させ、試料が破断した時の強度をチャートから読みとり、破断強度とする。
3)90℃破断強度
90℃の試験温度に安定化された後、破断するまで、装置を稼働させ、試料が破断した時の強度をチャートから読みとり、90℃破断強度とする。
4)90℃の破断伸び
90℃の試験温度に安定化された後、破断するまで、装置を稼働させ、試料が破断した時の伸びをチャートから読みとり、90℃の破断伸びとする。
非弾性体とは、JIS L1096 に準じて、環境温度での引張試験によって、幅2.5cm×長さ20cmの試料をチャック間10cmのチャックに挟み、クロスヘッド速度を約50cm/分で、チャック間が5mm増加がするまで引っ張る。前記試験後の試料が試料の伸長方向の永久伸びを生じたもの、又は、伸びと引張強度との一次関数関係からのズレを生じ、弾性変形外と認められた試料をいう。また、異方向性のある試料では少なくとも一方向において、非弾性が認められたものは非弾性体とする。
弾性とは、引張り力を受けた場合に、それにより材料が力の方向に伸びるか広がり、そして力が除去されると張力がかかっていないその元の寸法に戻る材料の特性を指している。
より具体的に述べると、弾性とは、エレメント又は構造体が、50%より大きなパーセンテージ歪みH%を受けた後その最初の長さLbの約10%以内に回復する方向的特性を意味している。
この明細書で用いているパーセンテージ歪みH%は次のように定義される:
H%=[(Lx−Lb)/Lb]×100
ここで、Lx=伸びた時の長さ
Lb=最初の長さ
一貫性のある比較をするためには、エレメント又は構造体の回復は、その伸びた時の長さLfから緩められた後30秒に測定するのが好ましい。エレメント又は構造体が50%のパーセンテージ歪みH%から緩められた後30秒以内に約10%以内に回復しなければ、これらはすべて非弾性的と考えられる。非弾性的エレメント又は構造体には、50%のパーセンテージ歪みH%を受けた場合に、壊れたり及び/又は永久的又は可塑的に変形するエレメントや構造体もある。
90℃非収縮性とは、90℃で3分保持後、室温にもどした時、元の長さより長さが短くならないことである。更に詳しく述べると、90℃非伸縮性とは、90℃で3分保持後、室温にもどした後の収縮率が好ましくは15%以下である。より好ましくは10%以下であり、更に好ましくは8%以下であり、更に好ましくは5%以下であり、更に好ましくは1%以下である。
この収縮率は次のように定義される。
S =[(Lb−L90)/Lb]×100
S:収縮率(%)
Lb:もとの長さ
L90:90℃で3分保持後、室温にもどした後の長さ
特に、型成形により、収納用ポケットを有しない包材上に発熱組成物成形体(本発明では発熱組成物圧縮体も含む)を積層し、更に包材を被せ、シールして区分発熱部を有する発熱部や発熱体を作成する場合には少なくともどちらか一方の包材は熱可塑性樹脂製の繊維状物と熱可塑性樹脂製のフィルム状物との積層体を使用することが好ましい。
前記型成形発熱体用包材としては、可撓性ではあるが少なくとも25〜60℃において非弾性体であり、25℃において、好ましくは400g/mm2以上、より好ましくは500g/mm2以上、更に好ましくは800g/mm2以上の破断強度を有し、90℃において20%以上の破断伸びを有することが好ましい。90℃における破断伸びは、より好ましくは30%以上であり、更に好ましくは50%以上であり、更に好ましくは100%以上であり、更に好ましくは150%以上である。これにより発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールする時に前記包材は余熱によりヒートシールに必要な料を伸びることができるので、シール切れなしに発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールでき、発熱体の使用時には発熱体の形状を維持できる。
前記フィルム状物とは、前記基材や被覆材で記載した素材をフィルム状にしたもので、前記繊維状物としては、不織布や織布等が一例として挙げられる。積層方法は制限はない。化学カイロ等の発熱体で使用する包材の作成時に使用する方法が一例として挙げられる。
前記伸長性とは、引張力を与えると破損する事なく伸びる性質、特に、元の長さの1.1倍以上伸長することができる性質のことであり、この引張力を除くと元の状態にもどるか否かは問わない。
前記伸長性材料は、伸長性を有するフィルム、シート、不織布、編布、織布、或いは、これらの積層体が一例として挙げられる。その厚さとしては、少なくとも、これらを用いて形成された可撓性保持部に引張り力を与えると、可撓性保持部が破損する事なく、元の長さの1.2倍以上伸長するものであれば特に限定されるものではない。合成樹脂製単層フィルムや合成樹脂製積層体が一例として挙げられる。
例えば、合成樹脂製単層フィルムの厚さとしては、制限はないが、好ましくは15μm以下であり、より好ましくは5〜12.5μmである。厚さが15μmを超えると、所要の伸長性が得られない場合がある。
前記非伸長性材料は、前記伸長性材料以外の材料である。
伸縮性とは、引張り力を与えると破損することなく、力の方向に伸び、引張り力を取り除くと、張力がかかっていない時の、元の長さに戻る材料の特性を示している。
不織布と熱可塑性樹脂のフィルム状物との積層体が好ましい一例として挙げられる。
少なくとも1つの包材は繊維状物とフィルム状物との積層体で、ヒートシール可能で、可撓性の素材である。また、少なくとも25〜60℃の環境において、500g/mm2以上の破断強度を有し、90℃において、100%以上の破断伸びを有する。本発明の前記包材を使用した発熱体において、発熱組成物成形体又はその圧縮体である発熱組成物圧縮体を含有する区分発熱部は剛軟度が高く、その間に存在し、発熱組成物成形体又はその圧縮体である発熱組成物圧縮体(以下発熱組成物成形体という)を含有せず、ヒートシール部である区分け部は剛軟度が低い。前記区分発熱部と区分け部からなる発熱部は約0℃から約80℃の間で、剛軟度を保つことができるので、区分け部がヒンジとして機能し、区分発熱部より優先的に曲がる。区分発熱部と区分け部からなる発熱体は少なくとも常温から加熱時(約23〜約50℃)まで、区分け部がヒンジとして機能し、区分発熱部より優先的に曲がる。加熱時の良好な剛軟度差は尚維持される。この結果、発熱体は区分発熱部の構造的支持を維持し、製造中又は使用中十分な剛性を有する。一方、加熱された時の優れた剛軟度を尚維持する。
基材又は被覆の少なくとも1種に前記包材を使用する発熱体は、発熱組成物成形体を実質的に平面状の基材上に積層し、それに被覆材を被せ、発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールし、シール部である区分け部が形成されるが、一例として被覆材に前記包材を使用した場合、可撓性で、少なくとも25〜60℃において、25℃における破断強度が500g/mm2以上あるので、撓むが、腰があって、発熱組成物成形体を確実に覆うことができる。更にヒートシール時には、90℃において100%以上の破断伸びを有するため、ヒートシール時の温度により被覆材は破断することなく、シール切れもなく、確実ヒートシール部を形成できる。従って、発熱組成物成形体を含有する区分発熱部と含有しない区分け部からなる発熱部を有する本発明の発熱体において、発熱組成物成形体又はその圧縮体である発熱組成物圧縮体を含有する区分発熱部は剛軟度が高く、その間に存在し、発熱組成物成形体又はその圧縮体である発熱組成物圧縮体を含有せず、ヒートシール部である区分け部は剛軟度が低い。前記区分発熱部と区分け部からなる発熱部は約0℃から約80℃の間で、剛軟度を保つことができるので、区分け部がヒンジとして機能し、区分発熱部より優先的に曲がる。区分発熱部と区分け部からなる発熱体は少なくとも使用温度における変化が少ない包材を使用しているため、使用時、包材による寸法変化が少なく、剛軟度による構造的柔軟性が保持されるため、発熱体に安定した適度の柔軟性が保たれる。また、少なくとも包材のどちらか一方が90℃の破断伸びが100%以上の包材(通常は被覆材)を使用しているので、実質的に平面上の基材に積層された発熱物成形体に実質的に平面上の被覆材を被せて発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールする場合、シール漏れを生ずるしわが発生せず、シール切れのないシール部が形成できる。被覆材は一部に凹部を有していてもよい。
前記実施例で使用した通気性被覆材は、すべての実施例において、25〜60℃の間で永久伸びが0.5%〜1.7%である非弾性体であり、25℃において、400g/mm2以上の破断強度を有し、90℃において、20%以上の破断伸びを有した積層体であった。
前記仮着部のシール強度としては、20℃環境下で、好ましくは0.5kg/25mm以上であり、より好ましくは0.5〜1kg/25mmであり、更に好ましくは0.5〜0.9kg/25mmであり、更に好ましくは0.5〜0.8kg/25mmである。また、60℃シール強度は好ましくは0.8kg/25mm未満であり、より好ましくは0.01〜0.8kg/25mm未満であり、更に好ましくは0.01〜0.5kg/25mm未満であり、更に好ましくは0.01〜0.4kg/25mm未満である。
仮着部の粘着層は粘着剤から構成され、60℃シール強度が0.01〜0.8Kg/25mmであり、基材と被覆材との間の発熱組成物成形体の動きを止めることができ、高速ヒートシールを可能にする。更に、所望により、仮着時に加温をしてもよい。加温は粘着剤層を形成するホットメルト系粘着剤中のベースポリマーの融点以下で加圧処理されるのが好ましい。
仮着後ヒートシールしたヒートシール部の20℃環境下でのシール強度は、好ましくは1.0kg/25mm以上であり、より好ましくは1.2kg/25mm以上であり、更に好ましくは1.5kg/25mm以上であり、更に好ましくは1.5〜3kg/25mmである。また、60℃環境下での60℃シール強度は、好ましくは0.8kg/25mm以上であり、より好ましくは1.0kg/25mm以上であり、更に好ましくは1.2kg/25mm以上であり、更に好ましくは1.5kg/25mm以上である。ここで、20℃環境下でのシール強度は、測定環境温度が20℃である以外は60℃シール強度の条件と同じである。
図1は、そらまめ形状を有する発熱体1の平面図であり、複数の区分発熱部3は、ヒートシールされた区分け部4を介して、スジ状に設けたものである。尚、図中5は、発熱体1の周縁部のシール部である。また、図2は、図1のZ−Z線断面図であり、図3は、図1の発熱体1の平面図であり、図中9はセパレータである。
図4は、区分発熱部3をスジ状に連接し、中央部近傍には、区分発熱部2を設けていない提灯形の発熱体の実施の形態を示す平面図である。上記発熱体1は肩用として、肩に掛け、両端部の粘着層を介して肩の皮膚に発熱体1を貼着する。このとき、肩に添ってうまくフィットし、使用中、ズレや脱落もなく、使用感に優れている。また、図5は、図4のY−Y断面図を示している。
図6は、楕円状の凸状の区分発熱部3と凹状の区分け部4からなるそらまめ形の形状の発熱体1の平面図である。
図7は、円状の凸状の区分発熱部3と凹状の区分け部4を有する提灯形の発熱体1であり、中央部近傍には、区分発熱部3,3間で折り曲げることができるように、区分発熱部3は、間隔を存して設けられている。尚、発熱体1の両端部に固定手段である粘着剤層8Bが設けられ、その上にセパレータ8が設けられている。
図8(a)〜(q)は、本発明の発熱体の形状の変形例を示す。(a)はそらまめ形、(b)はアイマスク形(c)繭形、(d)は瓢箪形、(e)は角丸長方形形、(f)は長方形、(g)は角丸正方形、(h)は正方形、(i)は卵形、(j)はブーメラン形、(k)はマガ玉形、(i)は星形、(m)は翼形、(n)も翼形、(o)は鼻形、(p)は提灯形、(q)も提灯形の形状を示す。
2 発熱組成物
3 区分発熱部
4 区分け部
5 周辺シール部
6 基材
7 被覆材
8 粘着剤層
9 セパレータ
10 押し込み板
11 平板
12 非吸水性フィルム(ポリエチレンフィルム等)
13 中心点から放射状に45度間隔で8本の線がかかれた濾紙
14 中空円筒状の穴を持つ型板
15 穴
16 試料
17 ステンレス板
18 水又は溶液の浸みだし先端までの距離
19 濾紙上の中空円筒状の穴相当位置
本実施例について、図1及び図2を参照して説明する。
発熱組成物として、還元鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)7.0重量部、木粉(粒度300μm以下)5.0重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)0.8重量部、消石灰0.2重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水を混合した易動水値8の発熱組成物を使用した。
次に、スジ状に左右7本ずつの抜き孔を設けた抜き型を使用して、発熱組成物を成形するようにした。尚、抜き孔は、中央部のみ10mmの間隔を存して設けられており、それ以外は、5mm間隔で設けるようにした。また、抜き孔の寸法は、幅7mm×長さ80mmとした。
前記抜き型により成型された発熱組成物は、セパレータ9が厚さ30μmのアクリル系粘着剤層8を介して積層されたポリエチレンフィルムからなる基材6上に、14個の区分発熱部3を構成する発熱組成物成形体2を設け、次に、その上にポリエチレン製多孔質フィルムに目付量40g/m2のナイロン製不織布を積層した通気性被覆材7を被せた後、各発熱組成物成形体2の周縁部及び発熱体1となる外周部をシールした。各発熱組成物成形体2の周縁部のシール部は3mmのシール幅でヒートシールした。また、発熱体1の外周部は8mmのシール幅でシール(5)した。これにより、外寸で最大長さ158mm×最大幅98mmの発熱体1を得た。尚、通気性被覆材7の通気性はリッシー法の透湿度で、400g/m2/24hrであった。また、セパレータの剛軟度は20mmであり、発熱体1の長辺方向(スジ方向と直交する方向)で、30mmであり、短辺方向(スジ方向)で、80mm以上であった。剛軟度比は2以上であった。一方向の剛軟度が非常に高く、それにほぼ直角な方向の剛軟度が非常に低いので、取り扱い性及び使用感が非常に優れていた。
また、この発熱体1は、巻回することができるので、コンパクトになり、収納にも便利である。また、上記のようにセパレータ9を設ける場合には、剛軟度の低いセパレータ9を使用すればよい。
上記発熱体1を非通気性収納袋(以下、外袋と言う)に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、パンティの外側に貼り付けて、身体発熱試験を行ったが、3分で、温かく感じ、温かさが7時間続いた。同時に、曲面フィット性、巻回性、使い勝手について評価したがすべて優秀であった。
発熱組成物として、還元鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)3.5重量部、木粉(粒度300μm以下)4.0重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)2.2重量部、消石灰0.2重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水を混合した易動水値0.01未満の反応混合物を接触処理装置容器内に入れた。次に、20℃の環境下、前記接触処理装置容器の上部は開放形で、空気中に開放した状態で、攪拌しながら、自己発熱させ、反応混合物の温度上昇分が40℃になった時点で、非通気性収納袋に封入し、室温まで冷却し、発熱混合物を得た。前記発熱混合物に11%食塩水を混合し、易動水値12の発熱組成物を得た。そして、実施例1と同様の被覆材7を使用し、基材としては、毛羽立てた不織布とポリエチレンフィルムとの積層体からなる基材6を使用した。抜き型としては、10mm幅の中心部を挟んで、幅5mm×長さ80mmの抜き穴が7mm間隔でスジ状に5個、合計10の抜き穴を備える抜き型を使用した。
次に、オレフィン系ホットメルト系粘着剤をメルトブロー法にて、網目状の通気性粘着剤層を通気性被覆材7の多孔質フィルム側に設け、発熱組成物成形体2と基材6に被せた。その後、仮着板を使用し、発熱組成物成形体2の頂部及び発熱組成物成形体2の表面から8mm外側を長手方向に直線状に、10mm幅で仮着した。次に、ヒートシール板を用いて、区分発熱部3の周辺部をシール幅3mmでシールし、発熱体1となる外周部をシール幅8mmでシールし、長さ153mm×幅98mmの発熱体1を得た。
次に、図3に示すように、オレフィン系ホットメルト系粘着剤をメルトブロー法にて、網目状としたホットメルト系粘着剤層を通気性被覆材7の上に設け、その上にセパレータ9を被せてから裁断して、発熱体1を得た。
セパレータ9の剛軟度は、20mm以下であった。発熱体1の剛軟度は発熱部3の長辺方向(スジ方向と直交する方向)で、30mm以下であり、短辺方向(スジ方向)で、80mm以上であった。剛軟度は、2以上であった。一方向の剛軟度が非常に高く、それにほぼ直角な方向の剛軟度が非常に低いので、取り扱い性及び使用感が非常に優れていた。また、この発熱体1は、巻回することができるので、コンパクトになり、収納にも便利であった。尚、本実施例では剛軟度の低いセパレータを使用したため、セパレータ付きでも巻回することができた。
前記発熱体1を、非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体1を取り出し、発熱試験を行ったが、3分で、34℃に達し、34℃以上の発熱維持時間は8時間と長かった。また、パンティの内側に発熱体を貼り付けて、毛羽立てた不織布側を肌に接触させて、発熱体の身体試験を行った。温度特性、曲面フィット性、巻回性、使い勝手について評価したがすべて優秀であった。
実施例2と同様にして、図4及び図5に示すように、スジ状区分発熱部3を有する提灯形状の発熱体1を製造した。但し、本実施例では、粘着剤層8Bとして、長手方向の両端部の通気面とは反対側の面に両面粘着テープを設けた。粘着剤層8Bで発熱体1を肩に固定し、身体試験を行った。肩への適合性も良く、温度特性、曲面フィット性、巻回性、使い勝手について評価したがすべて優秀であった。
実施例1の還元鉄粉をスポンジ鉄を1重量%の活性炭で被覆処理した炭素成分0.21重量%含有の鉄粉(粒度300μm以下)に代えた以外は、実施例1と同様にした。
そして、図6に示すように、楕円形状の区分発熱部3を有するそらまめ形状の発熱体1を作製した。この発熱体1について、身体試験を行ったが、何れも、温度特性、曲面フィット性、巻回性、使い勝手について評価したがすべて優秀であった。
Claims (8)
- 余剰水を連結物質とした成形性発熱組成物を成形した発熱組成物成形体を、包材間に挟み、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールした発熱体であって、
1)前記包材が基材と被覆材とから構成され、
2)前記基材が実質的に平面状で、ポケットを有せず、
3)前記包材の剛軟度が100mm以下であり、
4)前記包材が、少なくとも25〜60℃において非弾性体であり、25℃において、500g/mm2以上の破断強度を有し、90℃において、30%以上の破断伸びを有し、5)前記成形性発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分とし、水含有量が1〜60重量%であり、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥バインダー、乾燥結合剤、乾燥結合材、粘着性素材、増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値0.01〜20とする前記余剰水を有し、前記余剰水による成形性を有し、且つ、前記成形性発熱組成物中の水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こし、
6)前記ヒートシールすることにより形成された区分け部により区画された複数の区分発熱部を有し、
7)前記発熱体の厚み方向と直交する面において、直交方向の剛軟度比が2以上の領域を有し、
8)前記発熱体の少なくとも一部が通気性を有し、
9)前記発熱体の露出部の少なくとも一部に固定取り付け手段を有することを特徴とする発熱体。 - 前記包材が、繊維状物とフィルム状物の積層体により構成され、前記繊維状物と前記フィルム状物の素材が、メタロセン触媒を使用して製造したものも含むポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、鹸化したエチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、天然ゴム、再生ゴム、合成ゴム又はそれらの混合物からなる材料であることを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
- 前記繊維状物が不織布であり、前記フィルム状物がポリエチレン製多孔質フィルムであり、前記不織布と前記ポリエチレン製多孔質フィルムが通気性粘着層を介して積層されていることを特徴とする請求項2に記載の発熱体。
- 前記基材又は前記被覆材は90℃において非収縮性であることを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
- 前記包材が、90℃において、100%以上の破断伸びを有することを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
- 前記発熱組成物が、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、水素発生抑制剤、骨材、繊維状物、機能性物質、界面活性剤、有機ケイ素化合物、焦電物質、保湿剤、肥料成分、疎水性高分子化合物、発熱助剤、鉄以外の金属、酸化鉄以外の金属酸化物、酸性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
- 前記ヒートシール部は、粘着剤層により仮着した後に、ヒートシールし、ヒートシール部には、前記粘着剤層を構成する粘着剤成分とヒートシール層を構成するヒートシール材の成分が共存することを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
- 請求項1に記載の発熱体に使用される包材であって、少なくとも25〜60℃において、非弾性体であり、25℃において、500g/mm2以上の破断強度を有し、90℃において、30%以上の破断伸びを有する熱可塑性樹脂製の繊維状物と、熱可塑性樹脂製フィルム状物との積層体からなることを特徴とする型成形発熱体用包材。
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