JPWO2006006654A1 - ヒートクロス及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
肘や膝等の屈曲自在箇所に容易かつ確実にフィットし、肩や腕、首や足等の湾曲部などの人体各所に追随変形性よく適用できるヒートクロス及びその製造方法を提供する。発熱組成物成形体を収納袋に収納したヒートクロスであって、前記収納袋が基材と被覆材とから構成され、前記基材上に設けられた前記発熱組成物成形体を前記被覆材が覆い、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより凹凸部を形成し、前記発熱組成物成形体を収納した凸部の区分発熱部が、ヒートシール部である凹部の区分け部を存して配置され、前記区分発熱部の集合から発熱部が形成され、前記発熱組成物成形体の体積が0.1〜30cm3であり、前記発熱組成物成形体の体積と前記区分発熱部の容積との比率が0.6〜1.0であり、前記区分発熱部の最大高さが0.1〜10mmであり、前記区分発熱部の間隔である区分け部の幅が0.3〜50mmであり、少なくともヒートクロスの厚みと直交する面における最小剛軟度が100mm以下であることを特徴とする。
Description
本発明は発熱組成物成形体を製造後、包材や吸水性シートに発熱組成物成形体中の水分を移動させることなく発熱する発熱組成物を使用し、布のようにしなやかで、屈曲性に優れて、肘や膝等の屈曲自在箇所に容易かつ確実にフィットし、採暖することができ、肩や腕、首や足等の湾曲部などの人体各所に追随変形性よく適用できて違和感を生じにくいヒートクロス及びその製造方法に関する。
鉄等の金属の酸化反応を利用した発熱組成物は粉体又は粒状、粘体やクリーム体として提供されてきた。それらを利用したヒートクロスは、コスト、安全性、発熱温度等からみて非常に優れており、例えば、通気性を有する袋に充填されたいわゆる化学カイロとして既に実用に供せられている。
より快適な使用感を得るため、発熱組成物の片寄り防止や多種の形状によるフィット性を求めて、増粘剤、結合剤等を用い、形状維持性と発熱特性の維持を図った発熱組成物がいろいろ提案されている。
例えば、特許文献1には0.5mm以上の平均粒径となるように造粒した発熱組成物の製造方法、及び添加水に粘着性バインダ成分を10〜20重量部配合することにより造粒後粒子強度を向上した発熱組成物の製造方法が提案されている。
また、特許文献2にはコーンスターチ、馬鈴薯デンプン等の粉末状増粘剤を添加して形状維持性を持たせた発熱組成物からなる使い捨てカイロが提案されている。
また、特許文献3には粉末状又は粒状発熱組成物にCMC等の結合剤を混合し、圧縮成型した固形発熱組成物が提案されている。
また、特許文献4には架橋剤等と吸水性ポリマーを使用し、圧力により加圧一体化した発熱体が提案されている。
また、特許文献5には増粘剤を使用し粘性を持たせた、インキ状乃至クリーム状の発熱組成物及び発熱体及びその製造方法が提案されている。
また、特許文献6には結合剤を使用した発熱組成物成形体の表面をCMC等の通気性皮膜で覆い、形状維持を図ったものが提案されている。
また、特許文献7や、特許文献8には発熱組成物を粘体やクリーム状物にし、形状を従来の矩形から足形状や楕円形状に代え、被保温体の輸郭に適合できるようにすることが提案されている。
また、少なくとも一面が通気性を有する包材間に発熱組成物を封入した発熱部をシール部で区画された複数個の小発熱部から構成し、柔軟構造を有する発熱体が開示されている。特許文献9、特許文献10では、粉体状発熱組成物を区分けした区画に充填し、シール部で複数個の区画されている発熱部からなる発熱体が開示されている。
また、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16には、凝集化剤や乾燥結合剤を使用した発熱組成物や収納ポケットを有する基材を使用して、発熱組成物発熱部を複数の区画に分けた発熱体が提案されている。
例えば、特許文献1には0.5mm以上の平均粒径となるように造粒した発熱組成物の製造方法、及び添加水に粘着性バインダ成分を10〜20重量部配合することにより造粒後粒子強度を向上した発熱組成物の製造方法が提案されている。
また、特許文献2にはコーンスターチ、馬鈴薯デンプン等の粉末状増粘剤を添加して形状維持性を持たせた発熱組成物からなる使い捨てカイロが提案されている。
また、特許文献3には粉末状又は粒状発熱組成物にCMC等の結合剤を混合し、圧縮成型した固形発熱組成物が提案されている。
また、特許文献4には架橋剤等と吸水性ポリマーを使用し、圧力により加圧一体化した発熱体が提案されている。
また、特許文献5には増粘剤を使用し粘性を持たせた、インキ状乃至クリーム状の発熱組成物及び発熱体及びその製造方法が提案されている。
また、特許文献6には結合剤を使用した発熱組成物成形体の表面をCMC等の通気性皮膜で覆い、形状維持を図ったものが提案されている。
また、特許文献7や、特許文献8には発熱組成物を粘体やクリーム状物にし、形状を従来の矩形から足形状や楕円形状に代え、被保温体の輸郭に適合できるようにすることが提案されている。
また、少なくとも一面が通気性を有する包材間に発熱組成物を封入した発熱部をシール部で区画された複数個の小発熱部から構成し、柔軟構造を有する発熱体が開示されている。特許文献9、特許文献10では、粉体状発熱組成物を区分けした区画に充填し、シール部で複数個の区画されている発熱部からなる発熱体が開示されている。
また、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16には、凝集化剤や乾燥結合剤を使用した発熱組成物や収納ポケットを有する基材を使用して、発熱組成物発熱部を複数の区画に分けた発熱体が提案されている。
しかしながら、肩や腕、首や足などの人体の各所に適用することを目的とした使い捨てカイロの用途分散に伴い、発熱組成物を増粘剤等で固めても、単包形態では例えば接着保持が困難で容易に脱落したり、装着に強い違和感を生じたりする問題点があった。かかる問題点は、発熱体の反応進行に伴う塊状化による柔軟性の低下でより助長される。また収納袋を形成する延伸フィルムが発熱で収縮カールして単包袋の端部が捲れ上がり、そこへの引っ掛りで接着保持のカイロが簡単に剥がれて落下する問題点もあった。
また、発熱部を複数の分室に区画しても、凝集助剤等で、発熱組成物を固めた形態のものは、発熱性能が悪化する問題もあった。
また、従来、発熱体は充填方式で製造されたり、凝集剤や結合剤を含有させた発熱組成物を凝集体や圧縮体を減圧成形された収納区画を有する包材へ充填され製造されていた。また、基材に充填用ポケットを予め作製しておき、そのポケットに発熱組成物を充填し、包材をその上に被せ、シールすることにより製造されていた。
また、粉状発熱組成物や粒状発熱組成物を発熱組成物として用い、区分化した発熱部を有する発熱体を製造する場合、充填方式を用いる方法では、粉状発熱組成物や粒状発熱組成物を一部シールをした袋状の収納体に収納し全体をシールするため、区分領域のサイズに製造上制限があった。即ち、粉状発熱組成物や粒状発熱組成物を部分シールしながら充填する方法では小サイズの区分領域を複数個有する発熱体を製造することは機械的には実質的に不可能であり、更に発熱組成物がシール部に混入し、シール不足等による問題が生じていた。特に、サイズが20mm以下の部分形状を持つものや20mm以下の小さい形状の連続生産は実質的に不可能であった。また、特許文献17に開示されている回転磁石方式を用いる方法では、複雑な操作を行なわなければならないし、構造も複雑である。したがって、発熱層形成時の操作が面倒であり、使用する装置が複雑且つ高価で、故障しやすくメンテナンスに手間がかかり、取扱が不便であるという問題を有し、更に発熱部サイズの小型化にも限界があった。
また、ポケット方式を用いる方法では、凝集剤や結合剤を含む発熱組成物を用い、凝集剤や結合剤を含む発熱成分の乾燥粉末混合物をそのままか、圧縮して顆粒、ペレット、錠剤又はスラグに整形した発熱組成物を、予め、包材に作成されてある凹状のポケット内に充填し、圧縮し、発熱部を作成する。ところで、複数の区分発熱部を有する発熱体では、凝集剤や結合剤が混入されていないものに比ベ、発熱時間が著しく落ち、特に最短の長さが15mm以下であるような狭い領域を有する区分発熱部や小さいサイズの区分発熱部にすると発熱持続時間が著しく短くなり、実用上問題があった。発熱持続時間を長くしようとすると区分化された発熱部1個の寸法を大きくとる必要が生じ、大きいサイズの区分発熱部を有する発熱体になってしまう問題があった。また、粉体状又は粒状発熱組成物を用いるでも予め包材に凹状のポケットを設けなければならず、複雑な操作が伴っていた。また、ポケットに収納し、包材で、発熱組成物を封入後、更にポケット内の発熱組成物に水分を添加し、空気と接して発熱可能な発熱組成物にする必要があり、その工程の設けなければならず、工程が複雑になり、コスト的にも問題があった。
また、発熱部を複数の分室に区画しても、凝集助剤等で、発熱組成物を固めた形態のものは、発熱性能が悪化する問題もあった。
また、従来、発熱体は充填方式で製造されたり、凝集剤や結合剤を含有させた発熱組成物を凝集体や圧縮体を減圧成形された収納区画を有する包材へ充填され製造されていた。また、基材に充填用ポケットを予め作製しておき、そのポケットに発熱組成物を充填し、包材をその上に被せ、シールすることにより製造されていた。
また、粉状発熱組成物や粒状発熱組成物を発熱組成物として用い、区分化した発熱部を有する発熱体を製造する場合、充填方式を用いる方法では、粉状発熱組成物や粒状発熱組成物を一部シールをした袋状の収納体に収納し全体をシールするため、区分領域のサイズに製造上制限があった。即ち、粉状発熱組成物や粒状発熱組成物を部分シールしながら充填する方法では小サイズの区分領域を複数個有する発熱体を製造することは機械的には実質的に不可能であり、更に発熱組成物がシール部に混入し、シール不足等による問題が生じていた。特に、サイズが20mm以下の部分形状を持つものや20mm以下の小さい形状の連続生産は実質的に不可能であった。また、特許文献17に開示されている回転磁石方式を用いる方法では、複雑な操作を行なわなければならないし、構造も複雑である。したがって、発熱層形成時の操作が面倒であり、使用する装置が複雑且つ高価で、故障しやすくメンテナンスに手間がかかり、取扱が不便であるという問題を有し、更に発熱部サイズの小型化にも限界があった。
また、ポケット方式を用いる方法では、凝集剤や結合剤を含む発熱組成物を用い、凝集剤や結合剤を含む発熱成分の乾燥粉末混合物をそのままか、圧縮して顆粒、ペレット、錠剤又はスラグに整形した発熱組成物を、予め、包材に作成されてある凹状のポケット内に充填し、圧縮し、発熱部を作成する。ところで、複数の区分発熱部を有する発熱体では、凝集剤や結合剤が混入されていないものに比ベ、発熱時間が著しく落ち、特に最短の長さが15mm以下であるような狭い領域を有する区分発熱部や小さいサイズの区分発熱部にすると発熱持続時間が著しく短くなり、実用上問題があった。発熱持続時間を長くしようとすると区分化された発熱部1個の寸法を大きくとる必要が生じ、大きいサイズの区分発熱部を有する発熱体になってしまう問題があった。また、粉体状又は粒状発熱組成物を用いるでも予め包材に凹状のポケットを設けなければならず、複雑な操作が伴っていた。また、ポケットに収納し、包材で、発熱組成物を封入後、更にポケット内の発熱組成物に水分を添加し、空気と接して発熱可能な発熱組成物にする必要があり、その工程の設けなければならず、工程が複雑になり、コスト的にも問題があった。
本発明の目的は上記問題点を解決して、薄く、柔軟性があり、通気発熱性のヒートクロスが反応進行して発熱組成物が塊状化し柔軟性が低下しても、また発熱による収縮カールで収納袋の一部が捲れ上がっても接着保持状態を良好に維持して簡単に脱落せず、布のようにしなやかで、屈曲性に優れて、肘や膝等の屈曲自在箇所に容易かつ確実にフィットし、採暖することができ、肩や腕、首や足等の湾曲部などの人体各所に追随変形性よく適用できて違和感を生じにくいヒートクロス及びその製造方法を提供するものである。
本発明の目的は上記問題点を解決して、薄く、柔軟性があり、通気発熱性のヒートクロスが反応進行して発熱組成物が塊状化し柔軟性が低下しても、また発熱による収縮カールで収納袋の一部が捲れ上がっても接着保持状態を良好に維持して簡単に脱落せず、布のようにしなやかで、屈曲性に優れて、肘や膝等の屈曲自在箇所に容易かつ確実にフィットし、採暖することができ、肩や腕、首や足等の湾曲部などの人体各所に追随変形性よく適用できて違和感を生じにくいヒートクロス及びその製造方法を提供するものである。
即ち、本発明のヒートクロスは、請求項1に記載の通り、余剰水を連結物質とした発熱組成物を成形して発熱組成物成形体とし、前記発熱組成物成形体を収納袋に収納したヒートクロスであって、前記収納袋が基材と被覆材とから構成され、前記基材上に設けられた前記発熱組成物成形体を前記被覆材が覆い、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより凹凸部を形成し、前記発熱組成物成形体を収納した凸部の区分発熱部が、ヒートシール部である凹部の区分け部を存して配置され、前記区分発熱部の集合から発熱部が形成され、且つ、
1)前記基材が実質的に平面状で、ポケット、収納区画又は収納区域を有せず、
2)前記発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分として含有し、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥バインダー、乾燥結合剤、乾燥結合材、粘着性素材、増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値0.01〜20とする余剰水を有し、発熱組成物中の水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こし、
3)前記発熱組成物成形体の体積が0.1〜30cm3であり、
4)前記発熱組成物成形体の体積と前記区分発熱部の容積との比率が0.6〜1.0であり、
5)前記区分発熱部の最大高さが0.1〜10mmであり、
6)前記区分発熱部の間隔である区分け部の幅が0.3〜50mmであり、
7)少なくともヒートクロスの厚みと直交する面における最小剛軟度が100mm以下であり、
8)前記収納袋の一部が通気性を有し、且つ、
9)前記収納袋の周辺部がシールされていることを特徴とするヒートクロス。
また、請求項2に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、前記発熱組成物が、少なくとも鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分とした混合物を酸化性ガスによる接触処理をした成分を含有することを特徴とする。
また、請求項3に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、前記鉄粉が、少なくとも表面の一部が鉄酸化物皮膜で覆われ、前記鉄酸化物皮膜の厚さが3nm以上であり、且つ、少なくとも前記鉄粉の中心部領域及び前記鉄酸化物皮膜の下の領域から選ばれた少なくとも1領域において酸素を含まない鉄成分の領域を有する活性鉄粉を20〜100重量%含有することを特徴とする。
また、請求項4に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、前記鉄粉が、少なくとも表面の一部がウスタイト皮膜で覆われ、鉄とのX線ピーク強度比として、ウスタイト量が2〜50重量%である活性鉄粉を20〜100重量%含有することを特徴とする。
また、請求項5に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、
前記発熱組成物成形体が、圧縮されていることを特徴とする。
また、請求項6に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、前記ヒートシール部は、粘着剤層による仮着した後に、前記ヒートシール部が形成され、前記ヒートシール部の少なくとも一部には、前記粘着剤層を構成する粘着剤成分と前記ヒートシール部を構成するヒートシール材の成分が共存することを特徴とする。
また、請求項7に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、前記ヒートシール後、前記発熱組成物成形体の少なくとも一部をヒートシールされていない仮着部に移動させることにより、ヒートシールされていない仮着部を開着することを特徴とする。
また、請求項8に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、前記区分発熱部が連接された発熱部の通気面の少なくとも一部が、通気調整材で覆われていることを特徴とする。
また、請求項9に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、前記区分け部において、ミシン目を設けることを特徴とする。
また、請求項10に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、前記区分け部の少なくとも一部が凹凸状の模様を有していることを特徴とする。
また、請求項11に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、前記収納袋において、露出面の少なくとも一部に固定手段を有することを特徴とする。
また、請求項12に記載のヒートクロスは、請求項11に記載のヒートクロスにおいて、前記固定手段が、粘着剤層であり、必要に応じてセパレータを設けることを特徴とする。
また、請求項13に記載のヒートクロスは、請求項12に記載のヒートクロスにおいて、前記粘着剤層が親水性粘着剤層であり、前記親水性粘着剤層と前記発熱組成物成形体との間の包材が透湿度2g/m2/24hr以下であることを特徴とする。
また、請求項14に記載のヒートクロスは、請求項12に記載のヒートクロスにおいて、前記粘着剤層が、通気性を有することを特徴とする。
また、請求項15に記載のヒートクロスは、請求項12に記載のヒートクロスにおいて、前記固定手段が非伸縮性を有する部分と伸縮性を有する部分がシート状に一体に形成されたシート状物であり、前記シート状物の非伸縮性を有する部分にヒートクロスを設けたことを特徴とする。
また、請求項16に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、前記ヒートクロスの厚み方向と直交する面における、最少剛軟度が100mm以下であることを特徴とする。
また、請求項17に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、前記発熱組成物が、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、水素発生抑制剤、骨材、繊維状物、機能性物質、界面活性剤、有機ケイ素化合物、焦電物質、保湿剤、肥料成分、疎水性高分子化合物、発熱助剤、鉄以外の金属、酸化鉄以外の金属酸化物、酸性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする。
また、本発明のヒートクロスの製造方法は、請求項18に記載の通り、通気性収納袋に発熱組成物成形体を収納したヒートクロスの製造方法であって、
1)前記通気性収納袋が基材と被覆材とから構成され、余剰水を連結物質とした発熱組成物を成形して発熱組成物成形体とし、前記基材上に設けられた前記発熱組成物成形体を前記被覆材が覆い、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより凹凸部を形成し、前記発熱組成物成形体を収納した凸部の区分発熱部が、ヒートシール部である凹部の区分け部を存して配置され、前記区分発熱部の集合から発熱部が形成され、
2)前記基材が実質的に平面状で、ポケット及び収納区画及び収納区域を有せず、
3)前記発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分として含有し、前記発熱組成物中の水の含有量が1〜60重量%であり、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥結合材、乾燥結合剤、乾燥バインダ、粘着素材、増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値0.01〜20とする余剰水を有し、発熱組成物中の水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こし、
4)前記発熱組成物成形体の体積が0.1〜30cm3であり、前記発熱組成物成形体の体積と前記区分発熱部の容積との比率が0.6〜1.0とし、
5)前記区分発熱部の最大高さが0.1〜10mmとし、
6)区分発熱部の間隔である区分け部の幅が0.3〜50mmであり、
7)少なくともヒートクロスの厚みと直交する面における最小剛軟度が100mm以下であり、
8)前記収納袋の一部が通気性を有し、
9)収納袋の周辺部をヒートシールすることを特徴とする。
また、請求項19に記載のヒートクロスの製造方法は、請求項18に記載のヒートクロスの製造方法において、前記基材及び前記被覆材は、ヒートシール層を有し、少なくとも一方のヒートシール層の上に粘着剤からなる粘着剤層を設け、前記発熱組成物成形体の周縁部にて、前記基材と前記被覆材を前記粘着層を介して、仮着した後に、ヒートシールすることを特徴とする。
また、請求項20に記載のヒートクロスの製造方法は、請求項19に記載のヒートクロスの製造方法において、前記仮着シール部の幅より狭く、ヒートシールをし、その後、仮着シール部内でヒートシールされていない領域に、前記発熱組成物を移動させることにより、開着することを特徴とする。
また、上記ヒートクロスにおいて、前記粘着剤層の中央部に温熱緩衝シートを設けることが好ましい。
また、上記ヒートクロスの製造方法において、前記発熱組成物の成形として、型通し成形又は鋳込み成形を使用することが好ましい。
また、上記ヒートクロスの製造方法において、前記発熱組成物を型内において圧縮することを特徴とする。
即ち、本発明のヒートクロスは、請求項1に記載の通り、余剰水を連結物質とした発熱組成物を成形して発熱組成物成形体とし、前記発熱組成物成形体を収納袋に収納したヒートクロスであって、前記収納袋が基材と被覆材とから構成され、前記基材上に設けられた前記発熱組成物成形体を前記被覆材が覆い、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより凹凸部を形成し、前記発熱組成物成形体を収納した凸部の区分発熱部が、ヒートシール部である凹部の区分け部を存して配置され、前記区分発熱部の集合から発熱部が形成され、且つ、
1)前記基材が実質的に平面状で、ポケット、収納区画又は収納区域を有せず、
2)前記発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分として含有し、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥バインダー、乾燥結合剤、乾燥結合材、粘着性素材、増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値0.01〜20とする余剰水を有し、発熱組成物中の水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こし、
3)前記発熱組成物成形体の体積が0.1〜30cm3であり、
4)前記発熱組成物成形体の体積と前記区分発熱部の容積との比率が0.6〜1.0であり、
5)前記区分発熱部の最大高さが0.1〜10mmであり、
6)前記区分発熱部の間隔である区分け部の幅が0.3〜50mmであり、
7)少なくともヒートクロスの厚みと直交する面における最小剛軟度が100mm以下であり、
8)前記収納袋の一部が通気性を有し、且つ、
9)前記収納袋の周辺部がシールされていることを特徴とするヒートクロス。
また、請求項2に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、前記発熱組成物が、少なくとも鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分とした混合物を酸化性ガスによる接触処理をした成分を含有することを特徴とする。
また、請求項3に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、前記鉄粉が、少なくとも表面の一部が鉄酸化物皮膜で覆われ、前記鉄酸化物皮膜の厚さが3nm以上であり、且つ、少なくとも前記鉄粉の中心部領域及び前記鉄酸化物皮膜の下の領域から選ばれた少なくとも1領域において酸素を含まない鉄成分の領域を有する活性鉄粉を20〜100重量%含有することを特徴とする。
また、請求項4に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、前記鉄粉が、少なくとも表面の一部がウスタイト皮膜で覆われ、鉄とのX線ピーク強度比として、ウスタイト量が2〜50重量%である活性鉄粉を20〜100重量%含有することを特徴とする。
また、請求項5に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、
前記発熱組成物成形体が、圧縮されていることを特徴とする。
また、請求項6に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、前記ヒートシール部は、粘着剤層による仮着した後に、前記ヒートシール部が形成され、前記ヒートシール部の少なくとも一部には、前記粘着剤層を構成する粘着剤成分と前記ヒートシール部を構成するヒートシール材の成分が共存することを特徴とする。
また、請求項7に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、前記ヒートシール後、前記発熱組成物成形体の少なくとも一部をヒートシールされていない仮着部に移動させることにより、ヒートシールされていない仮着部を開着することを特徴とする。
また、請求項8に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、前記区分発熱部が連接された発熱部の通気面の少なくとも一部が、通気調整材で覆われていることを特徴とする。
また、請求項9に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、前記区分け部において、ミシン目を設けることを特徴とする。
また、請求項10に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、前記区分け部の少なくとも一部が凹凸状の模様を有していることを特徴とする。
また、請求項11に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、前記収納袋において、露出面の少なくとも一部に固定手段を有することを特徴とする。
また、請求項12に記載のヒートクロスは、請求項11に記載のヒートクロスにおいて、前記固定手段が、粘着剤層であり、必要に応じてセパレータを設けることを特徴とする。
また、請求項13に記載のヒートクロスは、請求項12に記載のヒートクロスにおいて、前記粘着剤層が親水性粘着剤層であり、前記親水性粘着剤層と前記発熱組成物成形体との間の包材が透湿度2g/m2/24hr以下であることを特徴とする。
また、請求項14に記載のヒートクロスは、請求項12に記載のヒートクロスにおいて、前記粘着剤層が、通気性を有することを特徴とする。
また、請求項15に記載のヒートクロスは、請求項12に記載のヒートクロスにおいて、前記固定手段が非伸縮性を有する部分と伸縮性を有する部分がシート状に一体に形成されたシート状物であり、前記シート状物の非伸縮性を有する部分にヒートクロスを設けたことを特徴とする。
また、請求項16に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、前記ヒートクロスの厚み方向と直交する面における、最少剛軟度が100mm以下であることを特徴とする。
また、請求項17に記載のヒートクロスは、請求項1に記載のヒートクロスにおいて、前記発熱組成物が、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、水素発生抑制剤、骨材、繊維状物、機能性物質、界面活性剤、有機ケイ素化合物、焦電物質、保湿剤、肥料成分、疎水性高分子化合物、発熱助剤、鉄以外の金属、酸化鉄以外の金属酸化物、酸性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする。
また、本発明のヒートクロスの製造方法は、請求項18に記載の通り、通気性収納袋に発熱組成物成形体を収納したヒートクロスの製造方法であって、
1)前記通気性収納袋が基材と被覆材とから構成され、余剰水を連結物質とした発熱組成物を成形して発熱組成物成形体とし、前記基材上に設けられた前記発熱組成物成形体を前記被覆材が覆い、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより凹凸部を形成し、前記発熱組成物成形体を収納した凸部の区分発熱部が、ヒートシール部である凹部の区分け部を存して配置され、前記区分発熱部の集合から発熱部が形成され、
2)前記基材が実質的に平面状で、ポケット及び収納区画及び収納区域を有せず、
3)前記発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分として含有し、前記発熱組成物中の水の含有量が1〜60重量%であり、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥結合材、乾燥結合剤、乾燥バインダ、粘着素材、増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値0.01〜20とする余剰水を有し、発熱組成物中の水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こし、
4)前記発熱組成物成形体の体積が0.1〜30cm3であり、前記発熱組成物成形体の体積と前記区分発熱部の容積との比率が0.6〜1.0とし、
5)前記区分発熱部の最大高さが0.1〜10mmとし、
6)区分発熱部の間隔である区分け部の幅が0.3〜50mmであり、
7)少なくともヒートクロスの厚みと直交する面における最小剛軟度が100mm以下であり、
8)前記収納袋の一部が通気性を有し、
9)収納袋の周辺部をヒートシールすることを特徴とする。
また、請求項19に記載のヒートクロスの製造方法は、請求項18に記載のヒートクロスの製造方法において、前記基材及び前記被覆材は、ヒートシール層を有し、少なくとも一方のヒートシール層の上に粘着剤からなる粘着剤層を設け、前記発熱組成物成形体の周縁部にて、前記基材と前記被覆材を前記粘着層を介して、仮着した後に、ヒートシールすることを特徴とする。
また、請求項20に記載のヒートクロスの製造方法は、請求項19に記載のヒートクロスの製造方法において、前記仮着シール部の幅より狭く、ヒートシールをし、その後、仮着シール部内でヒートシールされていない領域に、前記発熱組成物を移動させることにより、開着することを特徴とする。
また、上記ヒートクロスにおいて、前記粘着剤層の中央部に温熱緩衝シートを設けることが好ましい。
また、上記ヒートクロスの製造方法において、前記発熱組成物の成形として、型通し成形又は鋳込み成形を使用することが好ましい。
また、上記ヒートクロスの製造方法において、前記発熱組成物を型内において圧縮することを特徴とする。
以上の説明から明らかなように、
1.本発明のヒートクロスは発熱組成物を使用した発熱組成物成形体を基材と被覆材で封入した、薄く、細やかな形状で、発熱組成物の偏らない発熱部を有するので、布のようにしなやかで、屈曲性に優れて、肘や膝等の屈曲自在箇所に容易かつ確実にフィットし、採暖することができ、肩や腕、首や足等の湾曲部などの人体各所に追随変形性よく適用できて違和感を生じにくい。また、薄く、小形の形状を生かし、痔用具や生理用ナプキンに適用できる。
2.本発明のヒートクロスは、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥結合材、乾燥結合剤、乾燥バインダ、粘着剤バインダ、増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値0.01〜20の余剰水を結合物質に用い、成形性を付与しているので、基材に収納用ポケットを設ける必要がなく、実質的な平面上の基材を使用して、製造でき、発熱特性に優れ、超薄型のヒートクロスでも十分に有効な発熱時間が取れる。
3.仮着手法を合わせ用いることにより、ヒートクロスを更に高速で製造できる。
4.発熱部がストライプ状に区分発熱部からできており、ヒートクロスの厚み方向と直交する面における、一方向の最少剛軟度が60mm以下であるので、身体の曲面への密着性が優れている。
5.区分発熱部が高部を構成し区分け部が底部を構成し、高低部が交互に存在する形になり、通気調整材を組み合わせることにより、しっかりとした空間が維持でき、発熱組成物に沿って空間が存在することにより、通気と同時に発熱組成物全体が発熱反応を開始できるので、ヒートクロスの周縁部から中央部まで、同時に温度むらなく温めることができ、発熱組成物の保温、発熱の均一性、発熱時間の長時間化ができた。
1.本発明のヒートクロスは発熱組成物を使用した発熱組成物成形体を基材と被覆材で封入した、薄く、細やかな形状で、発熱組成物の偏らない発熱部を有するので、布のようにしなやかで、屈曲性に優れて、肘や膝等の屈曲自在箇所に容易かつ確実にフィットし、採暖することができ、肩や腕、首や足等の湾曲部などの人体各所に追随変形性よく適用できて違和感を生じにくい。また、薄く、小形の形状を生かし、痔用具や生理用ナプキンに適用できる。
2.本発明のヒートクロスは、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥結合材、乾燥結合剤、乾燥バインダ、粘着剤バインダ、増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値0.01〜20の余剰水を結合物質に用い、成形性を付与しているので、基材に収納用ポケットを設ける必要がなく、実質的な平面上の基材を使用して、製造でき、発熱特性に優れ、超薄型のヒートクロスでも十分に有効な発熱時間が取れる。
3.仮着手法を合わせ用いることにより、ヒートクロスを更に高速で製造できる。
4.発熱部がストライプ状に区分発熱部からできており、ヒートクロスの厚み方向と直交する面における、一方向の最少剛軟度が60mm以下であるので、身体の曲面への密着性が優れている。
5.区分発熱部が高部を構成し区分け部が底部を構成し、高低部が交互に存在する形になり、通気調整材を組み合わせることにより、しっかりとした空間が維持でき、発熱組成物に沿って空間が存在することにより、通気と同時に発熱組成物全体が発熱反応を開始できるので、ヒートクロスの周縁部から中央部まで、同時に温度むらなく温めることができ、発熱組成物の保温、発熱の均一性、発熱時間の長時間化ができた。
以上の通り、本発明は易動水値0.01〜20の余剰水量を有する発熱組成物を成形した発熱組成物成形体を基材に積層し、被覆材を被せ、少なくとも発熱組成物成形体の周縁部をシールするだけでヒートクロスができ、基材や被覆材の包材へ収納後、水分添加も必要とせず、工程が著しく簡素化されているので、コスト的にも優位性がある。即ち、余剰水を連結物質とした、成形性のある発熱組成物を成形した発熱組成物成形体を用いたヒートクロスであって、前記発熱組成物は凝集助剤、乾燥結合剤、凝集化剤を使用せず、易動水値で表される適量の余剰水を連結物質とするものである。発熱組成物中の余剰水は適量になると、組成物の成分中の親水基に対しては双極子相互作用又は水素結合等によって水和し、又疎水基の周辺においても高い構造性を有して存在すると推定される。これにより砂ダンゴ状態になり、発熱組成物の成形性が生ずると推定される。これは何らかの意味で連結物質である連結水である。これ以外に、自由に動ける自由水と呼べる状態の水分もあり、余剰水が増加すれば構造が軟化し、自由水が増加すると思われる。また、鉄粉が酸化反応を起こすためには、水の存在量と鉄粉表面への酸素供給量とが支配因子となる。吸着水膜(〜100Å)程度へは水分が十分出なく、酸化速度は小さいと言われている。吸着膜が約1μm程度になると、水分量が十分になるとともに、水膜厚さが薄いため、鉄粉表面への酸素の供給も容易なので、大きな酸化速度を示す。更に膜が厚くなり、吸着膜が1μmを超えて厚くなると、酸素供給量が減少すると推定される。一定以上の成形性と酸化速度を示す最適水分量を表すが易動水値であり、0.01〜20であるとの知見を得、本発明を完成した。即ち、適量の余剰水を用いることにより、水分の表面張力で各成分粒子をつなぎ止めることにより、発熱組成物に成形性を生じさせ、水分が実質的にバリア層として機能しないため、本発明に用いる発熱組成物は空気と接触して発熱する。更に活性鉄粉を用いた発熱組成物や活性発熱組成物を用いることにより発熱立ち上がり性の著しく優れ、成形性の向上した発熱組成物を使用できる。又前記ヒートクロスは成形性を有する発熱組成物を成形した発熱組成物成形体を実質的に平面状の基材上に積層し、更に発熱組成物成形体の上に前記被覆材を被せ、シールすることにより、製造された2個以上の区分発熱部を有し、成形積層方式により製造した発熱組成物成形体中の水分を包材や吸水性シートに移動させることなく発熱し、且つ、ヒートクロス自身が柔軟性を有し、人体各所や曲面を有する物体等の柔軟性の要求される箇所への装着に優れ、使用感に優れたヒートクロス並びにそれらの製造方法を提供できる。また、前記基材、被覆材及び発熱組成物成形体とにおいて、少なくとも被覆材と発熱組成物成形体とを粘着層を介して、仮着してから、発熱組成物成形体の周縁部及びヒートクロス周辺部をヒートシールすることにより、ヒートシールの確実性が向上するので、ヒートクロス製造の高速化及びヒートシール幅の小幅化が図れる。
本発明のヒートクロスは、上記の通り、余剰水を連結物質とした発熱組成物を成形して発熱組成物成形体とし、前記発熱組成物成形体を収納袋に収納したヒートクロスであって、前記収納袋が基材と被覆材とから構成され、前記基材上に設けられた前記発熱組成物成形体を前記被覆材が覆い、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより凹凸部を形成し、前記発熱組成物成形体を収納した凸部の区分発熱部が、ヒートシール部である凹部の区分け部を存して配置され、前記区分発熱部の集合から発熱部が形成され、且つ、
1)前記基材が実質的に平面状で、ポケット、収納区画又は収納区域を有せず、
2)前記発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分として含有し、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥バインダー、乾燥結合剤、乾燥結合材、粘着性素材、増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値0.01〜20とする余剰水を有し、発熱組成物中の水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こし、
3)前記発熱組成物成形体の体積が0.1〜30cm3であり、
4)前記発熱組成物成形体の体積と前記区分発熱部の容積との比率が0.6〜1.0であり、
5)前記区分発熱部の最大高さが0.1〜10mmであり、
6)前記区分発熱部の間隔である区分け部の幅が0.3〜50mmであり、
7)少なくともヒートクロスの厚みと直交する面における最小剛軟度が100mm以下であり、
8)前記収納袋の一部が通気性を有し、且つ、
9)前記収納袋の周辺部がシールされていることを特徴とする。
1)前記基材が実質的に平面状で、ポケット、収納区画又は収納区域を有せず、
2)前記発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分として含有し、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥バインダー、乾燥結合剤、乾燥結合材、粘着性素材、増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値0.01〜20とする余剰水を有し、発熱組成物中の水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こし、
3)前記発熱組成物成形体の体積が0.1〜30cm3であり、
4)前記発熱組成物成形体の体積と前記区分発熱部の容積との比率が0.6〜1.0であり、
5)前記区分発熱部の最大高さが0.1〜10mmであり、
6)前記区分発熱部の間隔である区分け部の幅が0.3〜50mmであり、
7)少なくともヒートクロスの厚みと直交する面における最小剛軟度が100mm以下であり、
8)前記収納袋の一部が通気性を有し、且つ、
9)前記収納袋の周辺部がシールされていることを特徴とする。
更に、本発明のヒートクロスにおいて、ヒートシールの高速化、ヒートシール幅の細線化、ヒートシールの確実化を行うために、基材及び被覆材を粘着層を介して仮着を行った後、ヒートシールをする仮着後ヒートシールも採用している。即ち、前記通気性収納袋の基材及び被覆材はヒートシール層を有し、前記ヒートシール層によりヒートシール部が形成され、前記ヒートシール部は粘着剤層による仮着後、仮着シールが形成された後に、ヒートシールにより形成され、ヒートシール部には粘着剤層を構成する粘着剤成分とヒートシール層を構成するヒートシール材の成分が共存する。
発熱部の区分けをするヒートシール部幅を細線化することにより、区分発熱部間が狭くなり、相互に保温効果が保て、発熱部の区分けによる発熱時間の低下等の発熱特性を低下させることなく発熱部の区分けができ、柔軟性のある、発熱特性に優れたヒートクロスができる。
本発明の区分発熱部又は発熱組成物成形体は、最大幅は、通常、0.5〜60mmであり、好ましくは0.5〜50mmであり、更に好ましくは1〜50mmであり、更に好ましくは3〜50mmであり、更に好ましくは3〜30mmであり、更に好ましくは5〜20mmであり、更に好ましくは5〜15mmであり、更に好ましくは5〜10mmである。また、最高高さは、通常0.1〜30mmであり、好ましくは0.1〜10mmであり、更に好ましくは0.3〜10mmであり、更に好ましくは1〜10mmであり、更に好ましくは2〜10mmである。また、最長長さは、通常5〜300mmであり、好ましくは5〜200mmであり、より好ましくは5〜100mmであり、更に好ましくは20〜150mmであり、更に好ましくは30〜100mmである。
前記区分発熱部の容積又は発熱組成物成形体の体積は、通常、0.015〜500cm3であり、好ましくは0.04〜30cm3であり、より好ましくは0.1〜30cm3であり、更に好ましくは1〜30cm3であり、更に好ましくは3〜20cm3である。
前記区分発熱部において、発熱組成物収納領域である区分発熱部が発熱組成物成形体で満たされた時に、発熱組成物成形体占有領域である発熱組成物成形体の体積と発熱組成物収納領域である区分発熱部の容積との容積比は通常0.6〜1であり、好ましくは0.7〜1であり、より好ましくは0.8〜1であり、更に好ましくは0.9〜1.0である。
また、前記区分発熱部の間隔である区分け部の幅は区分けができれば制限はないが、通常0.1〜50mmであり、好ましくは0.3〜50mmであり、より好ましくは0.3〜50mmであり、更に好ましくは0.3〜40mmであり、更に好ましくは0.5〜30mmであり、更に好ましくは1.0〜20mmであり、更に好ましくは3〜10mmである。
尚、前記発熱組成物成形体又は区分発熱部の形状は如何なるものでもよいが、平面形状で、円、楕円、多角形状、星形状、花形状等が一例として挙げられる。立体形状では、多角錐形状、円錐形状、錐台形状、球形状、平行六面体形状、円筒体形状、半円柱体形状、半楕円柱体形状、蒲鉾形状体、円柱体形状、楕円柱体形状等が一例として挙げられる。また、これらの形状は角部にアールを設け、角部を曲線状や曲面状にしてもよいし、中央部等に凹部があってもよい。
また、本発明の発熱組成部成形体の体積とは、発熱組成物成形体又は圧縮された発熱組成物成形体の体積を意味する。
また、区分発熱部の容積とは、発熱組成物成形体を収納した区分発熱部の内部容積を意味する。
前記区分発熱部の容積又は発熱組成物成形体の体積は、通常、0.015〜500cm3であり、好ましくは0.04〜30cm3であり、より好ましくは0.1〜30cm3であり、更に好ましくは1〜30cm3であり、更に好ましくは3〜20cm3である。
前記区分発熱部において、発熱組成物収納領域である区分発熱部が発熱組成物成形体で満たされた時に、発熱組成物成形体占有領域である発熱組成物成形体の体積と発熱組成物収納領域である区分発熱部の容積との容積比は通常0.6〜1であり、好ましくは0.7〜1であり、より好ましくは0.8〜1であり、更に好ましくは0.9〜1.0である。
また、前記区分発熱部の間隔である区分け部の幅は区分けができれば制限はないが、通常0.1〜50mmであり、好ましくは0.3〜50mmであり、より好ましくは0.3〜50mmであり、更に好ましくは0.3〜40mmであり、更に好ましくは0.5〜30mmであり、更に好ましくは1.0〜20mmであり、更に好ましくは3〜10mmである。
尚、前記発熱組成物成形体又は区分発熱部の形状は如何なるものでもよいが、平面形状で、円、楕円、多角形状、星形状、花形状等が一例として挙げられる。立体形状では、多角錐形状、円錐形状、錐台形状、球形状、平行六面体形状、円筒体形状、半円柱体形状、半楕円柱体形状、蒲鉾形状体、円柱体形状、楕円柱体形状等が一例として挙げられる。また、これらの形状は角部にアールを設け、角部を曲線状や曲面状にしてもよいし、中央部等に凹部があってもよい。
また、本発明の発熱組成部成形体の体積とは、発熱組成物成形体又は圧縮された発熱組成物成形体の体積を意味する。
また、区分発熱部の容積とは、発熱組成物成形体を収納した区分発熱部の内部容積を意味する。
前記区分発熱部、収納袋、外袋(ヒートクロスの収納袋)等はシール部である区分け部やその周縁部や周辺部において、それらを構成する包材等がシールされるが、通常ヒートシールが使用されるが他シール方法も用途に合わせ使用できる。例えば、粘着剤層及び/又は接着剤層及び/又はヒートシール層を介して加圧、加温、加熱等又はそれらの組み合わせ手段により圧着シール(粘着シール)、加温圧着シール(粘着シール)、接着シール、熱接着シール、熱融着シール(ヒートシール)等で、点状(欠線状)或いは全面状等にすることが一例として挙げられるが、その何れか又はその組み合わせは所望により選択する。これらにより、区分発熱部、内袋(収納袋)及び外袋等を封着形成できる。縫製加工もシールの一手段として使用できる。
前記区分発熱部を多数連設し、前記区分け部に前記手切れ可能なミシン目を設けたヒートクロスは、人体への適用箇所等の使用目的などに基づいて使用時にそれに応じた適宜なサイズにカットでき、適用できる。その場合にはヒートクロスのサイズと区分発熱部のサイズと数を適宜に設定すればよい。それらサイズや数に制限はない。また区分け部は縦又は横方向や縦及び横方向、斜め方向などの任意な方向に形成することができる。
また前記区分発熱部が2個以上、連鎖し、前記連鎖した区分発熱部を有するヒートクロスの少なくとも片面を包材で覆ってもよい。区分発熱部を2個以上、連鎖させ、ヒートクロスとしてもよいし、前記連鎖した区分発熱部の少なくとも片面を包材で覆ってヒートクロスとしてもよい。前記包材としては、基材、被覆材、敷材に使用される素材が使用できる。
例えば、ヒートシール層を持つフィルムを包材として使用し、ヒートクロスを製造する場合、例えば、通気性包材として穿孔したヒートシール性プラスチックフィルムを使用し、ヒートクロスを製造し、その通気性側に不織布を通気性粘着剤層で貼り合わせ、使用時の保温や発熱組成物の崩れ片の漏れを防いでもよいし、両面を不織布等の包材で包み、温熱マフラー用ヒートクロスとしてもよい。
少なくとも前記発熱組成物成形体の表面の一部を網状ホットメルト系粘着剤等の通気性粘着剤層により覆ったり、また、前記通気性粘着剤層と被覆材の間に不織布等の敷材を設けてもよい。
また、発熱組成物成形体、基材、被覆材、通気性粘着剤層及び敷材の少なくとも1種の全面又はその一部に加圧処理等をしたり、また、凹凸を形成してもよい。これらにより、基材と被覆材間での発熱組成物成形体の移動を防止してもよい。
即ち、本発明の発熱組成物成形体を加圧により適量圧縮したものは成形性が格段に向上し、例えば、通気部の素材に多孔質フィルムの代わりに、圧力調整が難しい穿孔フィルムを使用しても、収納袋の内圧が外圧以上になっても、形崩れが起こりにくく、穿孔フィルムの使用が可能であるので、通気性素材の選択の幅が拡がり、コストダウンができるとともに、被加温体を長時間、適度の温度で、均一に加温できる。
尚、本発明の発熱組成物成形体が圧縮されている場合、その発熱組成物圧縮体の圧縮率は、圧縮前の厚みに対し、50〜99.5%の厚みを有することが好ましい。好ましくは、60〜99.5%であり、更に好ましくは60〜95%であり、更に好ましくは65〜95%であり、更に好ましくは70〜90%である。また、圧縮前の厚みは、型成形時の型の厚みを使用することができる。
前記発熱部において、少なくとも、一部又は1区分発熱部に磁気物質を含有させ、磁気効果による血行向上や肩こりの改善などを目的に磁石等の磁気物質を収容することもできる。
前記ヒートクロスの形状は如何なるものでもよいが、長方形状、円形状、楕円形状、多角形状、そらまめ形状、アイマスク形状、繭形状、瓢箪形状、角丸長方形状、角丸正方形状、卵形状、ブーメラン形状、まが玉形状、翼形状、鼻形状、星形状及び足形状の群の中から選ばれた形状とすることができる。
シール面である区分け部の断面形状を凹凸状に形成して模様を設けてもよい。
前記シール面の断面形状は、平面状で無地でもよいが、ファッション性を豊にし、見た目のおもしろさもさることながら、ヒートクロスを前送りする際に滑りを少なくするためにも、凹凸状形成して模様を設けることが好ましい。
この模様は、必ずしも、シール面の全てに設ける必要はなく、区分発熱部側にのみ設けて残りを無模様にしたり、これとは反対に、区分発熱部側を無模様にして残りを模様にするようにしてもよい。
例えば、シール面の模様は、断面形状が凹凸状であれば特に制限されるものではなく、直交格子状、平行縦線状、平行横線上、千鳥状、斜格子状、破断斜線状、斜め積みレンガ状、散点状等が一例として挙げられる。図14(a)〜(q)には、具体的な模様及び模様と無地の組み合わせの一例を示した。例えば、区分発熱部側を無模様にし、中心部を模様にしたり、これとは反対に、区分発熱部側を模様にして中心部である残りを無模様にしてもよい。その模様は任意に選択できる。また、ヒートクロスの外周部である周辺部の模様も同様とする。
この模様は、必ずしも、シール面の全てに設ける必要はなく、区分発熱部側にのみ設けて残りを無模様にしたり、これとは反対に、区分発熱部側を無模様にして残りを模様にするようにしてもよい。
例えば、シール面の模様は、断面形状が凹凸状であれば特に制限されるものではなく、直交格子状、平行縦線状、平行横線上、千鳥状、斜格子状、破断斜線状、斜め積みレンガ状、散点状等が一例として挙げられる。図14(a)〜(q)には、具体的な模様及び模様と無地の組み合わせの一例を示した。例えば、区分発熱部側を無模様にし、中心部を模様にしたり、これとは反対に、区分発熱部側を模様にして中心部である残りを無模様にしてもよい。その模様は任意に選択できる。また、ヒートクロスの外周部である周辺部の模様も同様とする。
前記シール面の模様の設置方法は制限はないが、シール型であるシールバーやシールロールのシール部に断面形状が凹凸状の模様を設け、前記シール型を用いてシールをする方法が一例として挙げられる。
また、本発明は、手術中の人間の身体にかけるシートを加温により保温できるようにした手術用温熱シートとすることもできる。これにより、手術中、身体を冷えから守ることができる。また、痛みに苦しんでいる人の身体の特定領域に熱を加えることによって、筋肉、骨格、痛みを含む急性・慢性の膝等を治療することができる。
手術中の身体に適用する場合には、特に制限はないが、好ましくは0.5〜24時間であり、より好ましくは3〜24時間、更に好ましくは6〜24時間、更に好ましくは8〜16時間、加熱・保温することにより、皮膚温度を約32℃から約40℃、好ましくは約32℃から約39℃、更に好ましくは約32℃から約37℃、更に好ましくは約32℃から約36℃に維持することが好ましい。
尚、上記シートサイズに制限はないが、長尺、軽量、薄いものが好ましい。
手術中の身体に適用する場合には、特に制限はないが、好ましくは0.5〜24時間であり、より好ましくは3〜24時間、更に好ましくは6〜24時間、更に好ましくは8〜16時間、加熱・保温することにより、皮膚温度を約32℃から約40℃、好ましくは約32℃から約39℃、更に好ましくは約32℃から約37℃、更に好ましくは約32℃から約36℃に維持することが好ましい。
尚、上記シートサイズに制限はないが、長尺、軽量、薄いものが好ましい。
また、基材、被覆材、発熱組成物、粘着剤層の組み合わせにより、前記ヒートクロスの厚み方向と直交する面における、一方向の最少剛軟度が100mm以下にすることで、身体等の被加温体への密着度が上がり使用感の優れたヒートクロスができる。
前記ヒートクロスを構成する基材、被覆材、通気調整材、粘着剤層、セパレータにおいて、少なくともそれらの1種又はその一部に文字、図柄、記号、数字、模様、写真、絵、着色部の何れか一種以上を設けてもよい。
前記ヒートクロスを構成する前記基材、被覆材、通気調整材、粘着剤層において、それぞれは透明、不透明、着色、無着色等如何なるものでもよい。また、各材及び層のそれぞれを構成する層のうち少なくとも1層を構成する層が他の層と異なる色に着色されていてもよい。
前記ヒートクロスは、気密性の非通気性収納袋に収納され、保管、輸送されるが、その例としては、製造されたヒートクロスを2枚の非通気性フィルム又はシートの間に介在させ、この介在と同時に、又は、この介在後に、前記2枚のフィルム又はシートを前記ヒートクロスより大きいサイズに打ち抜き、この打ち抜きと同時に、若しくは打ち抜き後に、前記ヒートクロスのサイズを超える周辺部において、前記2枚のフィルム又はシートを封着したヒートクロスが一例として挙げられる。前記外袋は非通気性のものであればそのほかの制限はなく、ラミネートされているものでもよく、通常非通気性素材から作成されたものを使用する。
本発明の収納袋は基材と被覆材からなり、更に、基材と被覆材の間に敷材を設けてもよい。前記基材及び被覆材は実質的に平面状で、ポケット、収納区画又は収納区域を有しない、前記基材上に設けられた発熱組成物を被覆材が覆い、前記発熱組成物の周縁部をヒートシールすることにより構成される区分発熱部が、2個以上複数個からなり、ヒートシール部である区分け部により、各区分発熱部が離れて配置され、前記区分発熱部の集合から発熱部が形成される。ここで、本発明における基材と被覆材は素材構成で区別するのではなく、発熱組成物成形体が積層される素材を基材と定義し、その後、基材や発熱組成物成形体に被せられる素材を被覆材と定義する。
前記基材、被覆材を構成する素材としては、発熱組成物の収納袋として機能すれば制限はない。通常化学カイロや発熱体に使用されている素材が使用できる。例えば素材として非通気性素材、通気性素材、吸水性素材、非吸水性素材、非伸長性素材、伸長性素材、伸縮性素材、非伸縮性素材、発泡素材、非発泡素材、非ヒートシール性素材、ヒートシール性素材等が一例として挙げられ、フィルム、シート、不織布、織布等及びそれらの複合体の所望の形態で、所望の用途により適宜使用できる。
通常、基材は非通気性フィルム又はシートからなり、被覆材は通気性フィルム又はシート又は不織布からなるが、逆でもかまわないし、双方が通気性を有していてもよい。また、敷材は通気性や非通気性は適宜使い分ければよい。
前記収納袋の包材は単層構造でもよく、多層構造でもよく、その構造には制限はない。また、包材は少なくとも基材及び被覆材からなるが、発熱組成物成形体を積層する包材が基材であり、発熱組成物成形体に被せる包材が被覆材であり、通気性のありなしは関係ない。一例として、非通気性の包材を基材、通気性性包材を被覆材として、多層構造の例を説明すれば、基材がA層/B層又はA層/B層/C層又はA層/B層/C層/D層からなるものや、被覆材がF層/G層又はE層/F層/G層又はF層/H層/G層からなるものが一例として挙げられる。A層は、ポリエチレン等熱可塑性樹脂フィルム、ポリエチレンやEVA等のヒートシール層や、吸水性紙類等、B層はナイロン等の熱可塑性樹脂の不織布、非吸水性紙類、吸水性紙類、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミド(ナイロン等)フィルム等熱可塑性樹脂フィルム、非吸水性紙類や吸水性紙類等の芯材等、C層は粘着剤層、非吸水性紙類、吸水性紙類、ポリエチレン等熱可塑性樹脂フィルム、滑り止め層、ポリエステルやナイロン等の熱可塑性樹脂の不織布等、D層はセパレータ、ポリエチレン等熱可塑性樹脂フィルム、不織布等、E層はヒートシール層等、F層はポリエチレン等熱可塑性樹脂製多孔質フィルムや穿孔フィルム等、ポリエチレン等熱可塑性樹脂製フィルム、非吸水性紙類、吸水性紙類等、G層はポリエステルやナイロン等の熱可塑性樹脂の不織布等、H層は非吸水性紙類、吸水性紙類等である。例えば、基材又は被覆材の例としては、メタロセン触媒使用のポリエチレン製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム、EVA製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム、EVA製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム/粘着剤層/セパレータ、EVA製ヒートシール層/ポリエチレンフィルム/ナイロン不織布、不織布/多孔質フィルム、メタロセン触媒使用のポリエチレン製ヒートシール層/ポリエチレンフィルム/ナイロン不織布、メタロセン触媒使用のポリエチレン製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム/ポリプロピレン不織布、不織布/(紙及び/又は穿孔(針、レーザー)フィルム)/多孔質フィルム、不織布/(紙及び/又は多孔質フィルム)/穿孔(針、レーザー)フィルム、不織布/(紙及び/又は多孔質フィルム)/不織布等が一例として挙げられる。各層の積層方法については制限はなく、各層の直接積層でもよく、各層は通気性粘着剤層やラミネート剤層を介して積層してもよく、熱溶融押出し等でラミネートをしてもよい。また、本発明ではメタロセン触媒を使用して製造したポリエチレンもポリエチレンに含む。
例えば、不織布、多孔質フィルム等の前記素材を通気性接着層を介して積層する場合、前記通気性接着層の形成は、接着性物質を加熱溶融下に熱風を介し吹付け展開するカーテンスプレー方式やメルトブロー方式やスロットスプレー方式などの適宜な方式で接着性物質を繊維化して多孔質フィルムや通気性基材やセパレータ等からなる適宜な支持基材上に展開堆積させ多孔状態の接着層とする方法などが一例として挙げられる。
前記基材、被覆材、敷材及びそれらを構成する素材の厚さとしては、用途によって大きく異なるが、制限はない。通常は5〜5000μm、好ましくは10〜500μm、より好ましくは20〜250μmである。
前記非通気性素材としては、非通気性があれば制限はない。ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体等ポリマーからなるフィルム、シート、塗布物及びそれらに酸化ケイ素等の金属(半導体も含む)化合物を積層したものやそれらを使った複合素材が一例として挙げられる。
例えば、前記非通気性素材の中で、非通気性の高いフィルムとしては、非通気性素材フィルム上に半導体を含む金属やその化合物の薄膜を単層又は多層に設けたものが一例として挙げられる。例えば、半導体を含む金属としては、ケイ素、アルミニウム等及びこれら金属を含む合金や混合物等が一例として挙げられる。半導体を含む金属化合物としては、上記金属又は合金や混合物の酸化物、窒化物及び酸窒化物が一例として挙げられる。例えば、酸化ケイ素層、酸化アルミニウム層、酸窒化ケイ素層やそれらの任意層をポリエステル製フィルムに積層したものや、更に、それに延伸ポリオレフィンフィルム(例えば2軸延伸ポリプロピレンフィルム)を積層したものが一例として挙げられる。
前記通気性素材としては、通気性があれば制限はない。例えば、多孔質フィルム及び穿孔フィルム等の通気性フィルムや紙類、不織布等の単独で通気性を有するもの、紙類及びそれに通気性フィルムや不織布等を少なくとも1種以上積層し通気性を持たせたもの、不織布にポリエチレンフィルムがラミネートされた非通気性の包材に針などを用いて微細な孔を設けて通気性を持たせたもの、繊維が積層され熱圧着されて通気性を制御された不織布、多孔質フィルム、或いは、多孔質フィルムに不織布を貼り合わせたもの等が一例として挙げられる。ここで、穿孔フィルムとはポリエチレンフィルムなどの非通気性フィルムに針で微細な孔を設けて通気性を持たせたものである。
通気性としては、発熱が維持できれば制限はない。通常の発熱に使用される場合、通気性はリッシー法(Lyssy法)による透湿度が、通常は50〜10,000g/m2/24hrであり、好ましくは70〜5,000g/m2/24hrであり、より好ましくは100〜2,000g/m2/24hr、更に好ましくは100〜700g/m2/24hrである。
この透湿度が、50未満であると発熱量が少なくなり、十分な温熱効果が得られないので好ましくなく、一方、10,000g/m2/24hrを越えると発熱温度が高くなって安全性に問題が生じる虞れが生じるので好ましくない。ただし、用途によっては10,000g/m2/24hrを越えたり、場合によっては開放系に近い透湿度で使用することも制限されない。
前記伸縮性包材としては、伸縮性があれば、特に限定されるものではない。即ち、全体として、伸縮性があればよく、単品でも、伸縮性基材同士又は伸縮性基材と非伸縮性基材との組み合わせによる複合品でもよい。
例えば、天然ゴム、再生ゴム、合成ゴム、エラストマー、伸縮性形状記憶ポリマー等の単品やこれらの混合物やこれらと非伸縮性素材との混合品、混抄品やこれらの組み合わせ品から構成される織物、フィルム、糸、ストランド、リボン、テープ、スクリム構造弾性状フィルム等が一例として挙げられる。
前記多孔質フィルムとしては、制限はないが、ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等と充填材からなるフィルムを延伸した多孔質フィルムで、適宜選択することができる。
前記不織布としては、制限はないが、レーヨン、ナイロン(ポリアミド)、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレン、ビニロン、ポリエチレン、ポリウレタン、キュプラ、綿、セルロース、パルプ等の材質からなる単繊維又は複合繊維の単一不織布又はそれら繊維の混抄又は累積繊維層の積層が用いられる。また、製法的には乾式不織布、湿式不織布、スパンボンド、スパンレース等を使用することができる。芯鞘構造の複合繊維からなる不織布でもよい。肌と接する面の不織布は起毛の(毛羽立てた)不織布が好ましい。また、伸縮性不織布や非伸縮性不織布も使用できる。
前記吸水性素材としては、吸水性を有するフィルム状ないしシート状のものであれば特に限定されるものではない。
この吸水性素材としては、その素材自体が吸水性を有するか否かを問わず、結果として吸水性を有するものであれば特に限定されるものではない。
具体的には、例えば、吸水性を有する発泡フィルム・シート(吸水性発泡ポリウレタン等の発泡体)や紙類、吸水性を有する繊維で形成された不織布や織布、或いは、吸水性を有する繊維を含む不織布や織布、又は吸水性の多孔質フィルム・シートなどの吸水材の他、吸水性の有無を問わず、発泡フィルム・シート、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、吸水剤を含有、含浸、練り込み、転写又は担持させて吸水性を付与ないし増大させたり、吸水性の有無を問わず、発泡フィルム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、本発明物の平面形状に切断した吸水性の発泡フィルム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シート等の吸水性素材を本発明物の片面又は両面に当てがって吸水性が付与されたものが挙げられる。
特に、本発明の発熱体において、皮膚と接触する面は、汗などに対する吸水性など快適な面とするために、発汗した場合には汗が吸収されるように、皮膚と接触する面の包材を、保水率20%以上の吸水性の繊維を主成分とする不織布又は織布を用いた包装材で構成されることが好ましい。保水率20%以上の吸水性の繊維としては、綿、絹、麻、ウール、ポリアクリロニトリル系合成繊維、ポリアミド系合成繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維、アセテート繊維、トリアセテート繊維、再生繊維等を例示することができる。更に、吸水性が優れた不織布として、高吸水性ポリマーを不織布に保持させた不織布等を用いることもできる。尚、これらの繊維を主成分とする不織布又は織布は、皮膚に対して感触が比較的良好なものでもある。
更に、前記包材に、汗の吸収性の高い高吸水性の包装材を用いることもできる。例えば、表面が高吸水性樹脂で被覆された繊維を含む不織布、中空状で表面に多数の微細孔を有する繊維を含む不織布、断面形状が多数の嚢もしくは複層状等を形成することによって毛細管作用を持たせた繊維を含む不織布などが用いられる。
このほか、非粘着面の包装材に、吸水性無機化合物を保持させた不織布、或いは、フィルムを用いることもできる。例えば、不織布に珪藻土、ゼオライト、シリカゲルなどの粉末を保持させた不織布、シリカ、アルミナ等の粉末をポリエチレンなどの合成樹脂に比較的多量に保持させたフィルム等も用いることができる。
通常、基材は非通気性フィルム又はシートからなり、被覆材は通気性フィルム又はシート又は不織布からなるが、逆でもかまわないし、双方が通気性を有していてもよい。また、敷材は通気性や非通気性は適宜使い分ければよい。
前記収納袋の包材は単層構造でもよく、多層構造でもよく、その構造には制限はない。また、包材は少なくとも基材及び被覆材からなるが、発熱組成物成形体を積層する包材が基材であり、発熱組成物成形体に被せる包材が被覆材であり、通気性のありなしは関係ない。一例として、非通気性の包材を基材、通気性性包材を被覆材として、多層構造の例を説明すれば、基材がA層/B層又はA層/B層/C層又はA層/B層/C層/D層からなるものや、被覆材がF層/G層又はE層/F層/G層又はF層/H層/G層からなるものが一例として挙げられる。A層は、ポリエチレン等熱可塑性樹脂フィルム、ポリエチレンやEVA等のヒートシール層や、吸水性紙類等、B層はナイロン等の熱可塑性樹脂の不織布、非吸水性紙類、吸水性紙類、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミド(ナイロン等)フィルム等熱可塑性樹脂フィルム、非吸水性紙類や吸水性紙類等の芯材等、C層は粘着剤層、非吸水性紙類、吸水性紙類、ポリエチレン等熱可塑性樹脂フィルム、滑り止め層、ポリエステルやナイロン等の熱可塑性樹脂の不織布等、D層はセパレータ、ポリエチレン等熱可塑性樹脂フィルム、不織布等、E層はヒートシール層等、F層はポリエチレン等熱可塑性樹脂製多孔質フィルムや穿孔フィルム等、ポリエチレン等熱可塑性樹脂製フィルム、非吸水性紙類、吸水性紙類等、G層はポリエステルやナイロン等の熱可塑性樹脂の不織布等、H層は非吸水性紙類、吸水性紙類等である。例えば、基材又は被覆材の例としては、メタロセン触媒使用のポリエチレン製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム、EVA製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム、EVA製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム/粘着剤層/セパレータ、EVA製ヒートシール層/ポリエチレンフィルム/ナイロン不織布、不織布/多孔質フィルム、メタロセン触媒使用のポリエチレン製ヒートシール層/ポリエチレンフィルム/ナイロン不織布、メタロセン触媒使用のポリエチレン製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム/ポリプロピレン不織布、不織布/(紙及び/又は穿孔(針、レーザー)フィルム)/多孔質フィルム、不織布/(紙及び/又は多孔質フィルム)/穿孔(針、レーザー)フィルム、不織布/(紙及び/又は多孔質フィルム)/不織布等が一例として挙げられる。各層の積層方法については制限はなく、各層の直接積層でもよく、各層は通気性粘着剤層やラミネート剤層を介して積層してもよく、熱溶融押出し等でラミネートをしてもよい。また、本発明ではメタロセン触媒を使用して製造したポリエチレンもポリエチレンに含む。
例えば、不織布、多孔質フィルム等の前記素材を通気性接着層を介して積層する場合、前記通気性接着層の形成は、接着性物質を加熱溶融下に熱風を介し吹付け展開するカーテンスプレー方式やメルトブロー方式やスロットスプレー方式などの適宜な方式で接着性物質を繊維化して多孔質フィルムや通気性基材やセパレータ等からなる適宜な支持基材上に展開堆積させ多孔状態の接着層とする方法などが一例として挙げられる。
前記基材、被覆材、敷材及びそれらを構成する素材の厚さとしては、用途によって大きく異なるが、制限はない。通常は5〜5000μm、好ましくは10〜500μm、より好ましくは20〜250μmである。
前記非通気性素材としては、非通気性があれば制限はない。ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体等ポリマーからなるフィルム、シート、塗布物及びそれらに酸化ケイ素等の金属(半導体も含む)化合物を積層したものやそれらを使った複合素材が一例として挙げられる。
例えば、前記非通気性素材の中で、非通気性の高いフィルムとしては、非通気性素材フィルム上に半導体を含む金属やその化合物の薄膜を単層又は多層に設けたものが一例として挙げられる。例えば、半導体を含む金属としては、ケイ素、アルミニウム等及びこれら金属を含む合金や混合物等が一例として挙げられる。半導体を含む金属化合物としては、上記金属又は合金や混合物の酸化物、窒化物及び酸窒化物が一例として挙げられる。例えば、酸化ケイ素層、酸化アルミニウム層、酸窒化ケイ素層やそれらの任意層をポリエステル製フィルムに積層したものや、更に、それに延伸ポリオレフィンフィルム(例えば2軸延伸ポリプロピレンフィルム)を積層したものが一例として挙げられる。
前記通気性素材としては、通気性があれば制限はない。例えば、多孔質フィルム及び穿孔フィルム等の通気性フィルムや紙類、不織布等の単独で通気性を有するもの、紙類及びそれに通気性フィルムや不織布等を少なくとも1種以上積層し通気性を持たせたもの、不織布にポリエチレンフィルムがラミネートされた非通気性の包材に針などを用いて微細な孔を設けて通気性を持たせたもの、繊維が積層され熱圧着されて通気性を制御された不織布、多孔質フィルム、或いは、多孔質フィルムに不織布を貼り合わせたもの等が一例として挙げられる。ここで、穿孔フィルムとはポリエチレンフィルムなどの非通気性フィルムに針で微細な孔を設けて通気性を持たせたものである。
通気性としては、発熱が維持できれば制限はない。通常の発熱に使用される場合、通気性はリッシー法(Lyssy法)による透湿度が、通常は50〜10,000g/m2/24hrであり、好ましくは70〜5,000g/m2/24hrであり、より好ましくは100〜2,000g/m2/24hr、更に好ましくは100〜700g/m2/24hrである。
この透湿度が、50未満であると発熱量が少なくなり、十分な温熱効果が得られないので好ましくなく、一方、10,000g/m2/24hrを越えると発熱温度が高くなって安全性に問題が生じる虞れが生じるので好ましくない。ただし、用途によっては10,000g/m2/24hrを越えたり、場合によっては開放系に近い透湿度で使用することも制限されない。
前記伸縮性包材としては、伸縮性があれば、特に限定されるものではない。即ち、全体として、伸縮性があればよく、単品でも、伸縮性基材同士又は伸縮性基材と非伸縮性基材との組み合わせによる複合品でもよい。
例えば、天然ゴム、再生ゴム、合成ゴム、エラストマー、伸縮性形状記憶ポリマー等の単品やこれらの混合物やこれらと非伸縮性素材との混合品、混抄品やこれらの組み合わせ品から構成される織物、フィルム、糸、ストランド、リボン、テープ、スクリム構造弾性状フィルム等が一例として挙げられる。
前記多孔質フィルムとしては、制限はないが、ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等と充填材からなるフィルムを延伸した多孔質フィルムで、適宜選択することができる。
前記不織布としては、制限はないが、レーヨン、ナイロン(ポリアミド)、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレン、ビニロン、ポリエチレン、ポリウレタン、キュプラ、綿、セルロース、パルプ等の材質からなる単繊維又は複合繊維の単一不織布又はそれら繊維の混抄又は累積繊維層の積層が用いられる。また、製法的には乾式不織布、湿式不織布、スパンボンド、スパンレース等を使用することができる。芯鞘構造の複合繊維からなる不織布でもよい。肌と接する面の不織布は起毛の(毛羽立てた)不織布が好ましい。また、伸縮性不織布や非伸縮性不織布も使用できる。
前記吸水性素材としては、吸水性を有するフィルム状ないしシート状のものであれば特に限定されるものではない。
この吸水性素材としては、その素材自体が吸水性を有するか否かを問わず、結果として吸水性を有するものであれば特に限定されるものではない。
具体的には、例えば、吸水性を有する発泡フィルム・シート(吸水性発泡ポリウレタン等の発泡体)や紙類、吸水性を有する繊維で形成された不織布や織布、或いは、吸水性を有する繊維を含む不織布や織布、又は吸水性の多孔質フィルム・シートなどの吸水材の他、吸水性の有無を問わず、発泡フィルム・シート、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、吸水剤を含有、含浸、練り込み、転写又は担持させて吸水性を付与ないし増大させたり、吸水性の有無を問わず、発泡フィルム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、本発明物の平面形状に切断した吸水性の発泡フィルム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シート等の吸水性素材を本発明物の片面又は両面に当てがって吸水性が付与されたものが挙げられる。
特に、本発明の発熱体において、皮膚と接触する面は、汗などに対する吸水性など快適な面とするために、発汗した場合には汗が吸収されるように、皮膚と接触する面の包材を、保水率20%以上の吸水性の繊維を主成分とする不織布又は織布を用いた包装材で構成されることが好ましい。保水率20%以上の吸水性の繊維としては、綿、絹、麻、ウール、ポリアクリロニトリル系合成繊維、ポリアミド系合成繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維、アセテート繊維、トリアセテート繊維、再生繊維等を例示することができる。更に、吸水性が優れた不織布として、高吸水性ポリマーを不織布に保持させた不織布等を用いることもできる。尚、これらの繊維を主成分とする不織布又は織布は、皮膚に対して感触が比較的良好なものでもある。
更に、前記包材に、汗の吸収性の高い高吸水性の包装材を用いることもできる。例えば、表面が高吸水性樹脂で被覆された繊維を含む不織布、中空状で表面に多数の微細孔を有する繊維を含む不織布、断面形状が多数の嚢もしくは複層状等を形成することによって毛細管作用を持たせた繊維を含む不織布などが用いられる。
このほか、非粘着面の包装材に、吸水性無機化合物を保持させた不織布、或いは、フィルムを用いることもできる。例えば、不織布に珪藻土、ゼオライト、シリカゲルなどの粉末を保持させた不織布、シリカ、アルミナ等の粉末をポリエチレンなどの合成樹脂に比較的多量に保持させたフィルム等も用いることができる。
本発明においてヒートシール層を構成するヒートシール材としては、単独素材でもよく、ヒートシール層を有する複合素材でもよく、加熱によって少なくともその一部が接合しうるものであれば制限はない。一例を挙げると、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンやオレフィン共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合樹脂などのエチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂等のエチレン系ホットメルト樹脂、ポリアミド系ホットメルト樹脂、ブチラール系ホットメルト樹脂、ポリエステル系ホットメルト樹脂、ポリアミド系ホットメルト樹脂、ポリエステル系ホットメルト樹脂、ポリメチルメタクリレート系ホットメルト樹脂、ポリビニルエーテル系ホットメルト樹脂、ポリウレタン系ホットメルト樹脂、ポリカーボネート系ホットメルト樹脂、酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のホットメルト系樹脂及びそのフィルムやシートが一例として挙げられる。また、ホットメルト系樹脂及びそのフィルムやシートには、種々の酸化防止剤等添加剤を配合したものも使用することができる。特に、低密度ポリエチレン、メタロセン触媒使用のポリエチレンが有用である。
本発明において仮着とは、基材と被覆材との間に発熱組成物成形体を挟持する場合に、粘着剤からなる粘着層を介して、少なくとも基材と被覆材を粘着し、ヒートシールをするまでの間、収納した発熱組成物成形体を保留しておくための弱い感圧接着又は粘着をいう。
また、開着とは、ヒートシール後の仮着シール部において、未ヒートシール部領域の発熱組成物を前記領域に移動させること等により仮着を解くことである。
仮着シール部は、粘着層を介して形成されるが、粘着層を構成する粘着剤は、常温でタックがある高分子組成物で形成された層で、仮着後ヒートシールができれば限定はない。
また、仮着に使用される粘着層を構成する粘着剤としては、前記粘着剤層の粘着剤が使用できるが、非親水性の粘着剤が好ましい。粘着層を構成する粘着剤はヒートシールを構成するヒートシール材と相溶性が良いものが好ましく、粘着剤のベースポリマーの融点はヒートシール材の融点以下が好ましい。特に、ホットメルト系粘着剤が好ましい。また、ヒートシール材がオレフィン系の素材である場合は粘着剤としては、オレフィン系の粘着剤が好ましい一例として挙げられる。
尚、仮着のための粘着層の設けかたには制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。
また、開着とは、ヒートシール後の仮着シール部において、未ヒートシール部領域の発熱組成物を前記領域に移動させること等により仮着を解くことである。
仮着シール部は、粘着層を介して形成されるが、粘着層を構成する粘着剤は、常温でタックがある高分子組成物で形成された層で、仮着後ヒートシールができれば限定はない。
また、仮着に使用される粘着層を構成する粘着剤としては、前記粘着剤層の粘着剤が使用できるが、非親水性の粘着剤が好ましい。粘着層を構成する粘着剤はヒートシールを構成するヒートシール材と相溶性が良いものが好ましく、粘着剤のベースポリマーの融点はヒートシール材の融点以下が好ましい。特に、ホットメルト系粘着剤が好ましい。また、ヒートシール材がオレフィン系の素材である場合は粘着剤としては、オレフィン系の粘着剤が好ましい一例として挙げられる。
尚、仮着のための粘着層の設けかたには制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。
本発明において、通気調整材とは、区分発熱部と区分け部とからなり、高低差のある発熱部を粘着層等を介して覆い、区分発熱部への通気性を調整するものである。即ち、通気調整材は、前記区分発熱部と区分け部との高低差を利用して、発熱部を通気調整材で覆うことにより、少なくとも区分発熱部の周縁部の一部に仕切られた空間を形成し、外部と区分発熱部との間の通気性を調整し、合わせて保温効果も付与する。
通気調整材の通気性は、少なくとも、区分発熱部の周縁部の一部に空気溜まりや通気調整ができれば制限はないが、発熱組成物成形体を被覆する被覆部である区分発熱部の通気面の通気性より低くすることが好ましい。
また、穿孔等で、通気調整材の局部領域に発熱組成物成形体を被覆する被覆部の通気性よりも通気性の高い領域を設け、他の領域は前記区分発熱部の通気面の通気性より通気性を低く保つようにしてもよい。これにより、空気等の通気路を制御できる。
通気調整材の通気性は、少なくとも、区分発熱部の周縁部の一部に空気溜まりや通気調整ができれば制限はないが、発熱組成物成形体を被覆する被覆部である区分発熱部の通気面の通気性より低くすることが好ましい。
また、穿孔等で、通気調整材の局部領域に発熱組成物成形体を被覆する被覆部の通気性よりも通気性の高い領域を設け、他の領域は前記区分発熱部の通気面の通気性より通気性を低く保つようにしてもよい。これにより、空気等の通気路を制御できる。
前記通気調整材と発熱部との固定領域は双方が固定でき、少なくとも区分発熱部の周縁部から空気が出入りできれば制限はないが、
1)発熱部又は発熱パッドの両端部に固定する2)発熱部のほぼ中央部全域に空間部を設け、他の発熱部領域を固定領域とする3)各区分発熱部のほぼ頂部と各区分け部のほぼ中央部を固定領域とする等が一例として挙げられる。
1)発熱部又は発熱パッドの両端部に固定する2)発熱部のほぼ中央部全域に空間部を設け、他の発熱部領域を固定領域とする3)各区分発熱部のほぼ頂部と各区分け部のほぼ中央部を固定領域とする等が一例として挙げられる。
ここで、通気調整材としては、区分発熱部の周辺部に外部と通じる空間部が設けられれば如何なるものでもよいが、プラスチックフィルムを利用した、接着層を有する通気調整材としては、PE/粘着剤、PP/粘着剤、ポリエステル/粘着剤、PE/不織布/通気性粘着剤PE/不織布/PE/粘着剤、PE/PET/M/PE/不織布/通気性粘着剤、PE/ヒートシール材、PE/不織布/ヒートシール材PE/不織布/PE/ヒートシール材、PE/ポリエステル/M/PE/不織布/ヒートシール材等が一例として挙げられる。ここで、Mはアルミニウム、銀等の金属や酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム等の半導体や金属の酸化物、酸窒化物、窒化物を示す。また、粘着剤層、ヒートシール剤層等の固定手段の設置部分は制限はなく、一部分又は全面に設けるかは、適宜使い分ければよい。
通気調整材を固定する接着層は、通気調整材が発熱パッドに固定できれば制限はなく、通常使用されている接着剤や粘着剤から構成される。特に粘着剤は有用であり、後記粘着剤層を構成する粘着剤が使用できる。
また、接着層の設ける方法については通気調整材が固定できれば制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。その厚さについても、特に限定されるものではないが、5〜1000μmの範囲、好ましくは10〜500μmの範囲、更に好ましくは15〜250μmの範囲とする。接着層の厚さが、5μm未満になると所要の粘着力が得られない場合があり、一方、1000μmを超えると嵩張って使用感が悪くなるだけでなく、経済性が悪くなるので好ましくない。
通気調整材を固定する接着層は、通気調整材が発熱パッドに固定できれば制限はなく、通常使用されている接着剤や粘着剤から構成される。特に粘着剤は有用であり、後記粘着剤層を構成する粘着剤が使用できる。
また、接着層の設ける方法については通気調整材が固定できれば制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。その厚さについても、特に限定されるものではないが、5〜1000μmの範囲、好ましくは10〜500μmの範囲、更に好ましくは15〜250μmの範囲とする。接着層の厚さが、5μm未満になると所要の粘着力が得られない場合があり、一方、1000μmを超えると嵩張って使用感が悪くなるだけでなく、経済性が悪くなるので好ましくない。
本発明のヒートクロスは少なくとも一方向の剛軟度が100mm以下であるので、柔軟性で、身体等の曲面のある被加温体への密着度があり、使い勝手が著しくよい。従来のカイロは扁平状の収納袋に発熱組成物が収納されているので、柔軟性が無く、曲面のある被加温体への密着性に問題があり、フィットした使い方ができなかった。本発明のヒートクロスは凹凸状の発熱体である。凹部が柔軟性を有しているので、部分的に軟、部分的に剛が混在し、全体として布のような柔軟性を有することができる。
また、剛軟度が一方向とそれと直交する方向で異なるようにすることにより、方向に寄る剛軟のメリハリが出て、取り扱い方が容易になる。
ここで、ほぼ直角方向になる2方向における剛軟度の差の絶対値が最大に異なるヒートクロスの製造方法として、例えば、型通し成形にて、長辺の長さが120mm×短辺の長さが6mm×高さ2mmの発熱組成物成形体を作成し、ナイロン性不織布とポリエチレンフィルムの積層体からなる基材上に前記発熱組成物成形体を10mm間隔で、ほぼ平行に12個を等間隔で積層し、その上にナイロン性不織布とポリエチレン製多孔質フィルムの積層体からなる通気性被覆材の多孔質フィルム側を発熱組成物成形体に向かうようにして被せ、各発熱組成物成形体の周縁部より2mm外側の周辺部を4mm幅でヒートシールし、更に各発熱組成物成形体で構成されるヒートクロスの外周辺部を8mm幅でヒートシールし、ヒートクロスの外周辺部のヒートシールを残しカットし、ヒートクロスを製造方法が一例として挙げられる。この製造方法で製造したヒートクロスはほぼ直角方向になる2方向における剛軟度の差の絶対値が最大に異なっており、一方は柔軟性があり、密着性を有し、他方は剛性で、腰があり、使い勝手が非常に優れている。
前記外袋は非通気性のものであればそのほかの制限はなく、ラミネートされているものでもよいたとえばOPP、CPP、ポリ塩化ビニリデン、酸化アルミニウムや酸化ケイ素等の酸化金属(半導体を含む)などにより防湿処理されたナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンフィルム、更にはアルミニウム箔又はアルミニウム蒸着されたプラスチックフィルムなどがあげられる。その例としては、製造されたヒートクロスを2枚の非通気性フィルム又はシートの間に封着したヒートクロスが一例として挙げられる。
固定手段としては、関節周囲部用温熱包装体や発熱部を有するものを所要部に固定できる固定能力を有するものであれば制限はない。
前記固定手段として一般的に採用されている、粘着剤層、鍵ホック、ホックボタン、ベルクロ等の面ファスナー、マグネット、バンド、ひも等及びそれらを組み合わせたものを任意に使用できる。
尚、バンドの場合、面ファスナーと粘着剤層との組み合わせで調整用固定手段を更に構成しても構わない。
ここで、面ファスナーとは、マジックテープ(登録商標)、マジックファスナー(登録商標)、ベルクロファスナー、フックアンドループテープ等の商品名で知られているもので、雌ファスナーであるループと前記雌ファスナー締結し得る雄ファスナーであるフックとの組み合わせで締結機能を有するものである。前記ループ機能を有するものとして、不織布や、毛羽立ち、わなを有する糸の織布等あるが、バンドを形成する芯材の表面にこれらループ機能(雌ファスナー機能)を有するものを被覆してもよいが、これ自体でバンドを構成してもよい。雄ファスナー部材であるフック部材は特に制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂やポリアミド、ポリエステル等から形成されたものが一例として挙げられる。フックの形状は特に限定されるものではないが、断面がI字型、逆L字型、逆J字型、いわゆるきのこ型等の形状のフックがループに引っかかり易く、かつ肌に極度の刺激感を与えない点で好ましい。尚、フックがファスニングテープの全面積に粘着されていてもよく、更にテープ基体を省略してフックのみで、ファスニングテープとして使用してもよい。
前記粘着剤層は、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、疎水性高分子化合物、焦電物質、酸化防止剤、骨材、繊維状物、保湿剤、機能性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有してもよい。
本発明の粘着剤は、非親水性粘着剤、混合粘着剤、親水性粘着剤(ジェル等)に分類される。
前記粘着剤層を構成する粘着剤としては、皮膚や衣服に付着するに必要な粘着力を有するものであれば、制限はなく、溶剤系、水性系、エマルジョン型、ホットメルト型、反応性、感圧系、或いは、非親水性粘着剤、親水性粘着剤などの各種形態が用いられる。
前記粘着剤層は、前記非親水性粘着剤から構成される非親水性粘着剤1層と前記非親水性粘着剤から構成される非親水性粘着剤層とがある。
前記非親水性粘着剤層が吸水性ポリマーや保水剤を含有して吸水性を改良したものは非親水性粘着剤層として扱う。
前記親水性粘着剤層と基材又は被覆材との間にホットメルト系の粘着剤を設けてもよい。
また、前記親水性粘着剤を関節周囲部用温熱包装体に設ける場合制限はなく、関節周囲部用温熱包装体のシール処理後に親水性粘着剤層を関節周囲部用温熱包装体に設けてもよい。
また、粘着剤層としては、通気性を有するものであっても、通気性を有しないものであってもよい。用途に応じて適宜選択をすればよい。通気性としては、全体として通気性があればよい。例えば、部分的に粘着剤が存在し、部分的に粘着剤の存在しない部分があり、領域全体として通気性がある粘着剤層が一例として挙げられる。
通気性の基材及び/又は被覆材に粘着剤をそのまま層状に積層するにあたり、その通気性を維持する方法としては、例えば、粘着剤を印刷、或いは、転写により、粘着剤層を部分的に積層し、その非積層部を通気部とする方法と、粘着剤を糸状に円を描きながら、一方向に移動させたり、ジグザグに移動させたりするなど適宜二次元方向に運行させ、その糸状の粘着剤の隙間が通気性ないし透湿性を推持させたり、粘着剤を発泡させる方法やメルトブロー方式で形成された層とが一例として挙げられる。
非親水性粘着剤層を構成する粘着剤はアクリル系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤(酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル樹脂系ホットメルト粘着剤)、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルアセタール系粘着剤、塩化ビニル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ポリエチレン系粘着剤、セルロース系粘着剤、クロロプレン(ネオプレン)系粘着剤、ニトリルゴム系粘着剤、ポリサルファイド系粘着剤、ブチルゴム系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤、スチレン系粘着剤(例えば、スチレン系ホットメルト粘着剤)、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が一例として挙げられる。これらのうち、粘着力が高く、安価で、長期安定性が良く、しかも温熱を与えても粘着力の低下が少ない等の理由より、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤又はホットメルト系高分子物質を含有する粘着剤が望ましい。
前記粘着剤に前記ベースポリマーの他に、所望により、他の成分、例えば、ロジン類、クマロンインデン樹脂、水添石油樹脂、無水マレイン酸変性ロジン、ロジン誘導体類又はC5系石油樹脂等の脂環族系石油樹脂に代表される石油樹脂類等の粘着付与剤やテルペンフェノール系樹脂、ロジンフェノール系樹脂、アルキルフェノール系樹脂等のフェノール系粘着付与剤(特にアニリン点が50℃以下の粘着付与剤)、ヤシ油、ヒマシ油、オリーブ油、ツバキ油、流動パラフィン等の軟化剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤、骨材、粘着調整剤、粘着改良剤、着色剤、消泡剤、増粘剤、改質剤等が適宜配合し、ナイロン製衣類や混紡布製衣類への粘着性向上等の性能向上をしてもよい。
前記ホットメルト系の粘着剤としては、粘着性を付与した公知のホットメルト系粘着剤が挙げられ、具体的には、例えば、SIS、SBS、SEBS又はSIPS等のA−B−A型ブロック共重合体をベースポリマーとするスチレン系粘着剤、塩化ビニル樹脂をベースポリマーとする塩化ビニル系粘着剤、ポリエステルをベースポリマーとするポリエステル系粘着剤、ポリアミドをベースポリマーとするポリアミド系粘着剤、アクリル樹脂をベースポリマーとするアクリル系粘着剤、ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィンをベースポリマーとするポリオレフィン系粘着剤、1,2−ポリブタジエンをベースポリマーとする1,2−ポリブタジエン系粘着剤又はポリウレタンをベースポリマーとするポリウレタン系粘着剤、或いは、接着性の改善や安定性等を変えたこれらの変性体からなる粘着剤、若しくはこれらの粘着剤の2種以上の混合物が挙げられる。また、発泡させた粘着剤から構成される粘着剤層や粘着剤が架橋されたものから構成される粘着剤層も使用できる。
前記非芳香族系ホットメルト系粘着剤とは、ベースポリマーが芳香族環を含有しないホットメルト系粘着剤であれば、制限はない。オレフィン系ホットメルト系粘着剤やアクリル系ホットメルト系粘着剤等が一例として挙げられる。芳香族環を含有しないベースポリマーである非芳香族系ポリマーとは、オレフィンやジエン等のポリマーやコポリマーが挙げられる。一例としてオレフィン系ポリマーが挙げられる。オレフィン系ポリマーは、エチレン、αオレフィンの重合体又は共重合体である。また、他のモノマーとしてブタジエン、イソプレン等のジエンも加えたものもよい。
αオレフィンとしては、二重結合が末端にあるモノマーであれば制限はなく、プロピレン、ブテン、ヘプテン、ヘキセン、オクテン等が一例として挙げられる。
芳香族系ホットメルト系粘着剤とは、ベースポリマーが芳香族環を含有するホットメルト系粘着剤で、A−B−A型ブロック共重合体に代表されるスチレン系のホットメルト系粘着剤等が一例として挙げられる。
前記A−B−A型ブロック共重合体において、Aブロックはスチレン、メチルスチレン等のモノビニル置換芳香族化合物Aで、非弾性重合体ブロックであり、Bブロックはブタジエン、イソプレン等の共役ジエンの弾性重合体ブロックであり、具体的には、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、又はこれらの水添タイプ(SEBS、SIPS)等が挙げられ、また、これらを混合して用いてもよい。
上記非親水性粘着剤層の水分増加による粘着力低下防止対策として上記非親水性粘着剤に更に吸水性ポリマーが配合された粘着剤層も使用できる。
前記親水性粘着剤層を構成する親水性粘着剤としては、親水性ポリマーや水溶性ポリマーを主成分として、粘着性を有し、粘着剤として親水性であれば特に制限はない。
前記親水性粘着剤の構成成分としては、ポリアクリル酸等の親水性ポリマーやポリアクリル酸ナトリウムやポリビニルピロリドン等の水溶性ポリマー、乾燥水酸化アルミニウムやメタケイ酸アルミン酸金属塩等の架橋剤類、グリセリンやプロピレングリコール等の軟化剤類、また、軽質流動パラフィンやポリブテン等の高級炭化水素やミリスチン酸イソプロピル等の一級アルコール脂肪酸エステル、シリコーン油等の含ケイ素化合物、モノグリセリド等の脂肪酸グリセリンエステル、オリーブ油等の植物油等の油性成分、また、パラオキシ安息香酸メチルやパラオキシ安息香酸プロピル等の防腐剤、N−メチル−2−ピロリドン等の溶解剤、カルボキシメチルセルロース等の増粘剤、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油やソルビタン脂肪酸エステル等の界面活性剤、酒石酸等のオキシカルボン酸、軽質無水ケイ酸、吸水性ポリマー、カオリン等の賦形剤、D−ソルビトール等の保湿剤、エデト酸ナトリウムやパラオキシ安息香酸エステルや酒石酸等の安定化剤、架橋型吸水性ポリマー、ホウ酸等のホウ素化合物、水等が一例として挙げられる。また、これらの任意の組み合わせから構成される。
仮着シール部は、粘着層を介して形成されるが、粘着層を構成する粘着剤は、常温でタックがある高分子組成物で形成された層で、仮着後ヒートシールができれば限定はない。
また、仮着に使用される粘着層を構成する粘着剤は前記粘着剤層の粘着剤が使用できる。非親水性の粘着剤が好ましい。粘着層を構成する粘着剤はヒートシールを構成するヒートシール材と相溶性が良く、粘着剤のベースポリマーの融点はヒートシール材の融点以下が好ましい。特に、ホットメルト系接着剤にはホットメルト系粘着剤が好ましい。また、ヒートシール材がオレフィン系の素材である場合は粘着剤としては、オレフィン系の粘着剤が好ましい一例として挙げられる。
通気調整材を固定する接着層は通常使用されている接着剤や粘着剤から構成される。特に粘着剤は有用であり、前記粘着剤層を構成する粘着剤が使用できる。
また、接着層の設ける方法については通気調整材が固定できれば制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。
また、粘着剤層を親水性粘着剤層にした場合、前記親水性粘着剤層と発熱組成物成形体との間に水分保持力の差がある場合にはその間にある基材等の包材を介して、水分の移動が起こり、双方に取って、不都合が起こる。特に保存中に多く起こる。これを防止するために、これらの間に介在する包材は、透湿度が、少なくとも、リッシー法(Lyssy法)による透湿度で、2g/m2/day以下であることが好ましい。これを使用することにより、発熱体を非通気性収納袋である外袋に収納し保存する場合、水分移動が防げる。
粘着剤層に親水性粘着剤層を使用した場合、発熱組成物成形体と親水性粘着剤層との間に設けられた防湿性包装材の透湿度は、発熱性能に影響しない範囲で、水分の移動が防止できれば制限はないが、リッシー法(Lyssy法)による透湿度で、通常、2g/m2/day以下であり、好ましくは1.0g/m2/day以下であり、より好ましくは0.5g/m2/day以下であり、更に好ましくは0.01〜0.5g/m2/dayである。ここで、大気圧下、40℃、90%RHという条件下の値である。尚、前記防湿性包装材は基材や被覆材としても使用できるし、単独で基材や被覆材等に積層してもよい。
前記防湿性包材は、発熱組成物成形体と親水性粘着剤層の間の水分移動が防止できれば、制限はないが、金属蒸着フィルム、金属酸化物の蒸着フィルム、金属箔ラミネートフィルム、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合物、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物)系フィルム、二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニリデンコートフィルム、ポリ塩化ビニリデンをポリプロピレン等の基材フィルムに塗布してなるポリ塩化ビニリデンコートフィルム、アルミニウム箔等の金属箔、ポリエステルフィルム基材にアルミニウム等の金属を真空蒸着やスパッタリングしてなる非通気性包材、可撓性プラスチック基材の上に、酸化ケイ素、酸化アルミニウムを設けた構造の透明バリア性フィルムを使用した包装用積層体が一例として挙げられる。前記外袋等に使用されている非通気性包材も使用できる。
また、特開平2002−200108号公報の防湿性包材等の包材も使用でき、この記載内容を本発明に組み入れる。
水含有の親水性粘着剤(ジェル等)を粘着剤層に使用する場合、発熱組成物と前記粘着剤層の水分平衡を調整するために、発熱組成物中の塩化ナトリウム等の反応促進剤や吸水性ポリマー等の水分確保力のある物質の含有量を発熱組成物に対して、10〜40重量%の範囲で、好ましくは15〜40重量%の範囲で、更に好ましくは15〜30重量%の範囲で調整してもよい。
また、透湿性がよく、皮膚への刺激性が低い粘着剤としては、特開平10−265373号公報、特開平9−87173号公報等の含水粘着剤(親水性粘着剤、ジェル)や特開平6−145050号公報、特開平6−199660号公報に記載されているホットメルト塗工できる粘着剤や特開平10−279466号公報や特開平10−182408号公報に記載されているゴム系粘着剤も有用であり、本各文献を引用し、全文を本明細書に組み入れる。
前記粘着剤層に含ませる機能性物質としては、機能を有する物質であれば制限はないが、芳香化合物、植物エキス、生薬、香料、スリム化剤、鎮痛剤、血行促進剤、むくみ改善剤、抗菌剤、殺菌剤、防かび剤、消臭剤、脱臭剤、経皮吸収性薬剤、脂肪分解成分、マイナスイオン発生体、遠赤外線放射体、磁気体、湿布剤、化粧料、竹酢液又は木酢液等から選ばれた少なくとも一種を一例として挙げられる。
具体的には、メントール、ベンツアルデヒド等の芳香族化合物、ヨモギエキス等の植物エキス、モグサ等の生薬、ラベンダー、ローズマリー等の香料、アミノフィリン、茶エキス等のスリム化剤、インドメタシン、d1−カンフル等の鎮痛剤、酸性ムコポリサッカライド、カミツレ等の血行促進剤、セイヨウトチンキ、フラボン誘導体等のむくみ改善剤、ホウ酸水、生理的食塩水、アルコール水等の湿布剤、タイソウ抽出液、カフェイン、トナリン等の脂肪分解成分、アロエエキス、ビタミン剤、ホルモン剤、抗ヒスタミン剤、アミノ酸類等の化粧料、石炭酸誘導体、ホウ酸、ヨード剤、逆性石鹸、サリチル酸系の物質、イオウ、抗生物質等の抗菌剤や殺菌剤、或いは、防かび剤が一例として挙げられる。
経皮吸収性薬剤としては、経皮吸収性のものであれば特に限定されるものではないが、コルチコステロイド類、消炎鎮痛剤、高血圧剤、麻酔剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗菌性物質、抗真菌物質、皮膚刺激剤、炎症抑制剤、抗てんかん剤、鎮痛剤、解熱剤、麻酔剤、殺菌剤、抗微生物抗生物質、ビタミン類、抗ウィルス剤、むくみ改善剤、利尿剤、血圧降下剤、冠血管拡張剤、鎮咳去痰剤、スリム化剤、抗ヒスタミン剤、不整脈用剤、強心剤、副腎皮質ホルモン剤、血行促進剤、局所麻酔剤、脂肪分解成分等及びそれらの混合物が一例として挙げられるが、これらに限定されない。これら薬物は、1種又は必要に応じて2種以上配合されて用いられる。
この機能性物質の含有量としては、薬効を期待できる範囲であれば特に限定されるものではないが、薬理効果や経済性、更に、粘着力等の観点より、機能性物質の含有量が粘着剤100重量部に対して、好ましくは0.01〜25重量部、更に好ましくは0.5〜15重量部である。
また、粘着剤層の設ける方法については関節周囲部用温熱包装体が固定できれば制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。
前記固定手段として一般的に採用されている、粘着剤層、鍵ホック、ホックボタン、ベルクロ等の面ファスナー、マグネット、バンド、ひも等及びそれらを組み合わせたものを任意に使用できる。
尚、バンドの場合、面ファスナーと粘着剤層との組み合わせで調整用固定手段を更に構成しても構わない。
ここで、面ファスナーとは、マジックテープ(登録商標)、マジックファスナー(登録商標)、ベルクロファスナー、フックアンドループテープ等の商品名で知られているもので、雌ファスナーであるループと前記雌ファスナー締結し得る雄ファスナーであるフックとの組み合わせで締結機能を有するものである。前記ループ機能を有するものとして、不織布や、毛羽立ち、わなを有する糸の織布等あるが、バンドを形成する芯材の表面にこれらループ機能(雌ファスナー機能)を有するものを被覆してもよいが、これ自体でバンドを構成してもよい。雄ファスナー部材であるフック部材は特に制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂やポリアミド、ポリエステル等から形成されたものが一例として挙げられる。フックの形状は特に限定されるものではないが、断面がI字型、逆L字型、逆J字型、いわゆるきのこ型等の形状のフックがループに引っかかり易く、かつ肌に極度の刺激感を与えない点で好ましい。尚、フックがファスニングテープの全面積に粘着されていてもよく、更にテープ基体を省略してフックのみで、ファスニングテープとして使用してもよい。
前記粘着剤層は、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、疎水性高分子化合物、焦電物質、酸化防止剤、骨材、繊維状物、保湿剤、機能性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有してもよい。
本発明の粘着剤は、非親水性粘着剤、混合粘着剤、親水性粘着剤(ジェル等)に分類される。
前記粘着剤層を構成する粘着剤としては、皮膚や衣服に付着するに必要な粘着力を有するものであれば、制限はなく、溶剤系、水性系、エマルジョン型、ホットメルト型、反応性、感圧系、或いは、非親水性粘着剤、親水性粘着剤などの各種形態が用いられる。
前記粘着剤層は、前記非親水性粘着剤から構成される非親水性粘着剤1層と前記非親水性粘着剤から構成される非親水性粘着剤層とがある。
前記非親水性粘着剤層が吸水性ポリマーや保水剤を含有して吸水性を改良したものは非親水性粘着剤層として扱う。
前記親水性粘着剤層と基材又は被覆材との間にホットメルト系の粘着剤を設けてもよい。
また、前記親水性粘着剤を関節周囲部用温熱包装体に設ける場合制限はなく、関節周囲部用温熱包装体のシール処理後に親水性粘着剤層を関節周囲部用温熱包装体に設けてもよい。
また、粘着剤層としては、通気性を有するものであっても、通気性を有しないものであってもよい。用途に応じて適宜選択をすればよい。通気性としては、全体として通気性があればよい。例えば、部分的に粘着剤が存在し、部分的に粘着剤の存在しない部分があり、領域全体として通気性がある粘着剤層が一例として挙げられる。
通気性の基材及び/又は被覆材に粘着剤をそのまま層状に積層するにあたり、その通気性を維持する方法としては、例えば、粘着剤を印刷、或いは、転写により、粘着剤層を部分的に積層し、その非積層部を通気部とする方法と、粘着剤を糸状に円を描きながら、一方向に移動させたり、ジグザグに移動させたりするなど適宜二次元方向に運行させ、その糸状の粘着剤の隙間が通気性ないし透湿性を推持させたり、粘着剤を発泡させる方法やメルトブロー方式で形成された層とが一例として挙げられる。
非親水性粘着剤層を構成する粘着剤はアクリル系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤(酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル樹脂系ホットメルト粘着剤)、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルアセタール系粘着剤、塩化ビニル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ポリエチレン系粘着剤、セルロース系粘着剤、クロロプレン(ネオプレン)系粘着剤、ニトリルゴム系粘着剤、ポリサルファイド系粘着剤、ブチルゴム系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤、スチレン系粘着剤(例えば、スチレン系ホットメルト粘着剤)、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が一例として挙げられる。これらのうち、粘着力が高く、安価で、長期安定性が良く、しかも温熱を与えても粘着力の低下が少ない等の理由より、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤又はホットメルト系高分子物質を含有する粘着剤が望ましい。
前記粘着剤に前記ベースポリマーの他に、所望により、他の成分、例えば、ロジン類、クマロンインデン樹脂、水添石油樹脂、無水マレイン酸変性ロジン、ロジン誘導体類又はC5系石油樹脂等の脂環族系石油樹脂に代表される石油樹脂類等の粘着付与剤やテルペンフェノール系樹脂、ロジンフェノール系樹脂、アルキルフェノール系樹脂等のフェノール系粘着付与剤(特にアニリン点が50℃以下の粘着付与剤)、ヤシ油、ヒマシ油、オリーブ油、ツバキ油、流動パラフィン等の軟化剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤、骨材、粘着調整剤、粘着改良剤、着色剤、消泡剤、増粘剤、改質剤等が適宜配合し、ナイロン製衣類や混紡布製衣類への粘着性向上等の性能向上をしてもよい。
前記ホットメルト系の粘着剤としては、粘着性を付与した公知のホットメルト系粘着剤が挙げられ、具体的には、例えば、SIS、SBS、SEBS又はSIPS等のA−B−A型ブロック共重合体をベースポリマーとするスチレン系粘着剤、塩化ビニル樹脂をベースポリマーとする塩化ビニル系粘着剤、ポリエステルをベースポリマーとするポリエステル系粘着剤、ポリアミドをベースポリマーとするポリアミド系粘着剤、アクリル樹脂をベースポリマーとするアクリル系粘着剤、ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィンをベースポリマーとするポリオレフィン系粘着剤、1,2−ポリブタジエンをベースポリマーとする1,2−ポリブタジエン系粘着剤又はポリウレタンをベースポリマーとするポリウレタン系粘着剤、或いは、接着性の改善や安定性等を変えたこれらの変性体からなる粘着剤、若しくはこれらの粘着剤の2種以上の混合物が挙げられる。また、発泡させた粘着剤から構成される粘着剤層や粘着剤が架橋されたものから構成される粘着剤層も使用できる。
前記非芳香族系ホットメルト系粘着剤とは、ベースポリマーが芳香族環を含有しないホットメルト系粘着剤であれば、制限はない。オレフィン系ホットメルト系粘着剤やアクリル系ホットメルト系粘着剤等が一例として挙げられる。芳香族環を含有しないベースポリマーである非芳香族系ポリマーとは、オレフィンやジエン等のポリマーやコポリマーが挙げられる。一例としてオレフィン系ポリマーが挙げられる。オレフィン系ポリマーは、エチレン、αオレフィンの重合体又は共重合体である。また、他のモノマーとしてブタジエン、イソプレン等のジエンも加えたものもよい。
αオレフィンとしては、二重結合が末端にあるモノマーであれば制限はなく、プロピレン、ブテン、ヘプテン、ヘキセン、オクテン等が一例として挙げられる。
芳香族系ホットメルト系粘着剤とは、ベースポリマーが芳香族環を含有するホットメルト系粘着剤で、A−B−A型ブロック共重合体に代表されるスチレン系のホットメルト系粘着剤等が一例として挙げられる。
前記A−B−A型ブロック共重合体において、Aブロックはスチレン、メチルスチレン等のモノビニル置換芳香族化合物Aで、非弾性重合体ブロックであり、Bブロックはブタジエン、イソプレン等の共役ジエンの弾性重合体ブロックであり、具体的には、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、又はこれらの水添タイプ(SEBS、SIPS)等が挙げられ、また、これらを混合して用いてもよい。
上記非親水性粘着剤層の水分増加による粘着力低下防止対策として上記非親水性粘着剤に更に吸水性ポリマーが配合された粘着剤層も使用できる。
前記親水性粘着剤層を構成する親水性粘着剤としては、親水性ポリマーや水溶性ポリマーを主成分として、粘着性を有し、粘着剤として親水性であれば特に制限はない。
前記親水性粘着剤の構成成分としては、ポリアクリル酸等の親水性ポリマーやポリアクリル酸ナトリウムやポリビニルピロリドン等の水溶性ポリマー、乾燥水酸化アルミニウムやメタケイ酸アルミン酸金属塩等の架橋剤類、グリセリンやプロピレングリコール等の軟化剤類、また、軽質流動パラフィンやポリブテン等の高級炭化水素やミリスチン酸イソプロピル等の一級アルコール脂肪酸エステル、シリコーン油等の含ケイ素化合物、モノグリセリド等の脂肪酸グリセリンエステル、オリーブ油等の植物油等の油性成分、また、パラオキシ安息香酸メチルやパラオキシ安息香酸プロピル等の防腐剤、N−メチル−2−ピロリドン等の溶解剤、カルボキシメチルセルロース等の増粘剤、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油やソルビタン脂肪酸エステル等の界面活性剤、酒石酸等のオキシカルボン酸、軽質無水ケイ酸、吸水性ポリマー、カオリン等の賦形剤、D−ソルビトール等の保湿剤、エデト酸ナトリウムやパラオキシ安息香酸エステルや酒石酸等の安定化剤、架橋型吸水性ポリマー、ホウ酸等のホウ素化合物、水等が一例として挙げられる。また、これらの任意の組み合わせから構成される。
仮着シール部は、粘着層を介して形成されるが、粘着層を構成する粘着剤は、常温でタックがある高分子組成物で形成された層で、仮着後ヒートシールができれば限定はない。
また、仮着に使用される粘着層を構成する粘着剤は前記粘着剤層の粘着剤が使用できる。非親水性の粘着剤が好ましい。粘着層を構成する粘着剤はヒートシールを構成するヒートシール材と相溶性が良く、粘着剤のベースポリマーの融点はヒートシール材の融点以下が好ましい。特に、ホットメルト系接着剤にはホットメルト系粘着剤が好ましい。また、ヒートシール材がオレフィン系の素材である場合は粘着剤としては、オレフィン系の粘着剤が好ましい一例として挙げられる。
通気調整材を固定する接着層は通常使用されている接着剤や粘着剤から構成される。特に粘着剤は有用であり、前記粘着剤層を構成する粘着剤が使用できる。
また、接着層の設ける方法については通気調整材が固定できれば制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。
また、粘着剤層を親水性粘着剤層にした場合、前記親水性粘着剤層と発熱組成物成形体との間に水分保持力の差がある場合にはその間にある基材等の包材を介して、水分の移動が起こり、双方に取って、不都合が起こる。特に保存中に多く起こる。これを防止するために、これらの間に介在する包材は、透湿度が、少なくとも、リッシー法(Lyssy法)による透湿度で、2g/m2/day以下であることが好ましい。これを使用することにより、発熱体を非通気性収納袋である外袋に収納し保存する場合、水分移動が防げる。
粘着剤層に親水性粘着剤層を使用した場合、発熱組成物成形体と親水性粘着剤層との間に設けられた防湿性包装材の透湿度は、発熱性能に影響しない範囲で、水分の移動が防止できれば制限はないが、リッシー法(Lyssy法)による透湿度で、通常、2g/m2/day以下であり、好ましくは1.0g/m2/day以下であり、より好ましくは0.5g/m2/day以下であり、更に好ましくは0.01〜0.5g/m2/dayである。ここで、大気圧下、40℃、90%RHという条件下の値である。尚、前記防湿性包装材は基材や被覆材としても使用できるし、単独で基材や被覆材等に積層してもよい。
前記防湿性包材は、発熱組成物成形体と親水性粘着剤層の間の水分移動が防止できれば、制限はないが、金属蒸着フィルム、金属酸化物の蒸着フィルム、金属箔ラミネートフィルム、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合物、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物)系フィルム、二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニリデンコートフィルム、ポリ塩化ビニリデンをポリプロピレン等の基材フィルムに塗布してなるポリ塩化ビニリデンコートフィルム、アルミニウム箔等の金属箔、ポリエステルフィルム基材にアルミニウム等の金属を真空蒸着やスパッタリングしてなる非通気性包材、可撓性プラスチック基材の上に、酸化ケイ素、酸化アルミニウムを設けた構造の透明バリア性フィルムを使用した包装用積層体が一例として挙げられる。前記外袋等に使用されている非通気性包材も使用できる。
また、特開平2002−200108号公報の防湿性包材等の包材も使用でき、この記載内容を本発明に組み入れる。
水含有の親水性粘着剤(ジェル等)を粘着剤層に使用する場合、発熱組成物と前記粘着剤層の水分平衡を調整するために、発熱組成物中の塩化ナトリウム等の反応促進剤や吸水性ポリマー等の水分確保力のある物質の含有量を発熱組成物に対して、10〜40重量%の範囲で、好ましくは15〜40重量%の範囲で、更に好ましくは15〜30重量%の範囲で調整してもよい。
また、透湿性がよく、皮膚への刺激性が低い粘着剤としては、特開平10−265373号公報、特開平9−87173号公報等の含水粘着剤(親水性粘着剤、ジェル)や特開平6−145050号公報、特開平6−199660号公報に記載されているホットメルト塗工できる粘着剤や特開平10−279466号公報や特開平10−182408号公報に記載されているゴム系粘着剤も有用であり、本各文献を引用し、全文を本明細書に組み入れる。
前記粘着剤層に含ませる機能性物質としては、機能を有する物質であれば制限はないが、芳香化合物、植物エキス、生薬、香料、スリム化剤、鎮痛剤、血行促進剤、むくみ改善剤、抗菌剤、殺菌剤、防かび剤、消臭剤、脱臭剤、経皮吸収性薬剤、脂肪分解成分、マイナスイオン発生体、遠赤外線放射体、磁気体、湿布剤、化粧料、竹酢液又は木酢液等から選ばれた少なくとも一種を一例として挙げられる。
具体的には、メントール、ベンツアルデヒド等の芳香族化合物、ヨモギエキス等の植物エキス、モグサ等の生薬、ラベンダー、ローズマリー等の香料、アミノフィリン、茶エキス等のスリム化剤、インドメタシン、d1−カンフル等の鎮痛剤、酸性ムコポリサッカライド、カミツレ等の血行促進剤、セイヨウトチンキ、フラボン誘導体等のむくみ改善剤、ホウ酸水、生理的食塩水、アルコール水等の湿布剤、タイソウ抽出液、カフェイン、トナリン等の脂肪分解成分、アロエエキス、ビタミン剤、ホルモン剤、抗ヒスタミン剤、アミノ酸類等の化粧料、石炭酸誘導体、ホウ酸、ヨード剤、逆性石鹸、サリチル酸系の物質、イオウ、抗生物質等の抗菌剤や殺菌剤、或いは、防かび剤が一例として挙げられる。
経皮吸収性薬剤としては、経皮吸収性のものであれば特に限定されるものではないが、コルチコステロイド類、消炎鎮痛剤、高血圧剤、麻酔剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗菌性物質、抗真菌物質、皮膚刺激剤、炎症抑制剤、抗てんかん剤、鎮痛剤、解熱剤、麻酔剤、殺菌剤、抗微生物抗生物質、ビタミン類、抗ウィルス剤、むくみ改善剤、利尿剤、血圧降下剤、冠血管拡張剤、鎮咳去痰剤、スリム化剤、抗ヒスタミン剤、不整脈用剤、強心剤、副腎皮質ホルモン剤、血行促進剤、局所麻酔剤、脂肪分解成分等及びそれらの混合物が一例として挙げられるが、これらに限定されない。これら薬物は、1種又は必要に応じて2種以上配合されて用いられる。
この機能性物質の含有量としては、薬効を期待できる範囲であれば特に限定されるものではないが、薬理効果や経済性、更に、粘着力等の観点より、機能性物質の含有量が粘着剤100重量部に対して、好ましくは0.01〜25重量部、更に好ましくは0.5〜15重量部である。
また、粘着剤層の設ける方法については関節周囲部用温熱包装体が固定できれば制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。
前記発熱組成物としては、鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分として含有し、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥結合材、乾燥結合剤、乾燥バインダ、粘着剤バインダ、増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値を0.01〜20とする余剰水を有し、前記余剰水による成形性を持ち、且つ発熱組成物中の水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こす発熱組成物であれば制限はない。
尚、本発明において、バリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こすとは、発熱組成物中の水分が空気遮断層としてのバリア層として機能せず、発熱組成物製造直後に、空気と接触して直ちに発熱反応を起こすことをいう。
更に所望により、前記発熱組成物は、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、水素発生抑制剤、骨材、繊維状物、機能性物質、界面活性剤、有機ケイ素化合物、焦電物質、保湿剤、肥料成分、疎水性高分子化合物、発熱助剤、鉄以外の金属、酸化鉄以外の金属酸化物、酸性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を加えてもよい。
また、本発明の発熱組成物等は、その配合割合は特に限定されるものではないが、鉄粉100重量部に対して、反応促進剤1.0〜50重量部であり、水は1.0〜60重量部で、炭素成分1.0〜50重量部、保水剤0.01〜10重量部、吸水性ポリマー0.01〜20重量部、pH調整剤0.01〜5重量部、水素発生抑制剤0.01〜12重量部、発熱組成物として易動水値が0.01〜20になるように配合割合を選択するのが好ましい。
更に、前記発熱組成物に下記のものを鉄粉に対して、下記の配合割合で加えてもよい。即ち、鉄以外の金属1.0〜50重量部、酸化鉄以外の金属酸化物1.0〜50重量部、界面活性剤0.01〜5重量部、疎水性高分子化合物、骨材、繊維状物、機能性物質、有機ケイ素化合物、焦電物質はそれぞれ0.01〜10重量部、保湿剤、肥料成分、発熱助剤はそれぞれ0.01〜10重量部、酸性物質0.01〜1重量部である。尚、磁性体を更に配合するようにしてもよく、配合割合は所望により適宜決めればよい。
尚、この配合割合は、反応混合物、発熱混合物にも適用することができる。また、反応混合物の易動水値は通常0.01未満である。
更に、前記発熱組成物に下記のものを鉄粉に対して、下記の配合割合で加えてもよい。即ち、鉄以外の金属1.0〜50重量部、酸化鉄以外の金属酸化物1.0〜50重量部、界面活性剤0.01〜5重量部、疎水性高分子化合物、骨材、繊維状物、機能性物質、有機ケイ素化合物、焦電物質はそれぞれ0.01〜10重量部、保湿剤、肥料成分、発熱助剤はそれぞれ0.01〜10重量部、酸性物質0.01〜1重量部である。尚、磁性体を更に配合するようにしてもよく、配合割合は所望により適宜決めればよい。
尚、この配合割合は、反応混合物、発熱混合物にも適用することができる。また、反応混合物の易動水値は通常0.01未満である。
前記水としては、適当なソースからのものでよい。その純度及び種類等には制限はない。
水の含有量は、発熱組成物の場合、発熱組成物の1〜70重量%、より好ましくは1〜60重量%、更に好ましくは7〜60重量%、更に好ましくは10〜50重量%、更に好ましくは20〜50重量%を含有する。
また、酸化性ガスによる接触処理をする前の反応混合物及び発熱混合物の場合、反応混合物又は発熱混合物の0.5〜20重量%、より好ましくは1〜20重量%、更に好ましくは3〜20重量%、更に好ましくは4〜15重量%を含有する。
水の含有量は、発熱組成物の場合、発熱組成物の1〜70重量%、より好ましくは1〜60重量%、更に好ましくは7〜60重量%、更に好ましくは10〜50重量%、更に好ましくは20〜50重量%を含有する。
また、酸化性ガスによる接触処理をする前の反応混合物及び発熱混合物の場合、反応混合物又は発熱混合物の0.5〜20重量%、より好ましくは1〜20重量%、更に好ましくは3〜20重量%、更に好ましくは4〜15重量%を含有する。
前記炭素成分としては、炭素を成分としたものであれば制限はない。カーボンブラック、黒鉛、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、フラーレンなどが一例として挙げられる。ドーピング等により導電性を有するものであってもよい。ココナツの殻、木材、木炭、石炭、骨炭などから調製された活性炭や、動物産物、天然ガス、脂肪、油及び樹脂のような他の原料から調製されたものも一例として挙げられる。特に、吸着保持能を有する活性炭が好ましい。
また、炭素成分としては、必ずしも単独で存在する必要はなく、炭素成分を含有及び/又は炭素成分で被覆された鉄粉を発熱組成物に使用した場合、炭素成分が単独に存在しなくても、前記発熱組成物は炭素成分を含むものとする。
また、炭素成分としては、必ずしも単独で存在する必要はなく、炭素成分を含有及び/又は炭素成分で被覆された鉄粉を発熱組成物に使用した場合、炭素成分が単独に存在しなくても、前記発熱組成物は炭素成分を含むものとする。
前記反応促進剤としては、発熱物質の反応促進ができるものであれば制限はない。金属ハロゲン化物、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、金属硫酸塩類等が一例として挙げられる。金属ハロゲン化物としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化第一鉄、臭化第二鉄、沃化ナトリウム、沃化カリウム等が一例として挙げられる。硝酸塩としては硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が一例として挙げられる。酢酸塩としては、酢酸ナトリウム等が一例として挙げられる。炭酸塩としては、炭酸第一鉄等が一例として挙げられる。金属硫酸塩類としては、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄等が一例として挙げられる。
前記保水剤としては、保水できれば制限はない。木粉、パルプ粉、活性炭、おがくず、多くの綿毛を有する綿布、綿の短繊維、紙屑、植物質材料及び他の大きい毛細管機能と親水性とを有する植物性多孔質材料、活性白土、ゼオライト等の含水ケイ酸マグネシウム質粘土鉱物、パーライト、バーミキュライト、シリカ系多孔質物質、珊瑚化石、火山灰系物質(テラバルーン、シラスバルーン、タイセツバルーン等)等が一例として挙げられる。尚、これら保水剤の保水力の増加、形状維持力の強化等のため、焼成及び/又は粉砕等の加工処理をしたものもよい。
前記吸水性ポリマーは、架橋構造を有し、かつ自重に対するイオン交換水の吸水倍率が3倍以上の樹脂であれば特に限定されるものではない。また、表面を架橋したものでもよい。従来公知の吸水性ポリマーや市販のものも用いることもできる。
吸水性ポリマーとしては、ポリ(メタ)アクリル酸架橋体、ポリ(メタ)アクリル酸塩架橋体、スルホン酸基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリオキシアルキレン基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリ(メタ)アクリルアミド架橋体、(メタ)アクリル酸塩と(メタ)アクリルアミドとの共重合架橋体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルと(メタ)アクリル酸塩との共重合架橋体、ポリジオキソラン架橋体、架橋ポリエチレンオキシド、架橋ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリスチレン架橋体、架橋ポリビニルピリジン、デンプン−ポリ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸(塩)グラフト架橋共重合体、ポリビニルアルコールと無水マレイン酸(塩)との反応生成物、架橋ポリビニルアルコールスルホン酸塩、ポリビニルアルコール−アクリル酸グラフト共重合体、ポリイソブチレンマレイン酸(塩)架橋重合体等が一例として挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記吸水性ポリマー中の生分解性を有する吸水性ポリマーとしては、生分解性を有する吸水性ポリマーであれば制限はない。ポリエチレンオキシド架橋体、ポリビニルアルコール架橋体、カルボキシメチルセルロース架橋体、アルギン酸架橋体、澱粉架橋体、ポリアミノ酸架橋体、ポリ乳酸架橋体などが一例として挙げられる。
前記pH調整剤としては、pHが調整できれば制限はない。アルカリ金属の弱酸塩、水酸化物など、或いは、アルカリ土類金属の弱酸塩、水酸化物などがあり、Na2CO3、NaHCO3、Na3PO4、Na2HPO4、Na5P3O10、NaOH、KOH、Ca(OH)2、Mg(OH)2、Ca3(PO4)2などが一例として挙げられる。
前記水素発生抑制剤としては、水素の発生を抑制するものであれば制限はない。イオウ化合物、酸化剤、アルカリ性物質、イオウ、アンチモン、セレン、リン及びテルルからなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種以上からなるものが一例として挙げられる。尚、イオウ化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属との化合物で、硫化カルシウム等の金属硫化物、亜硫酸ナトリウム等の金属亜硫酸塩やチオ硫酸ナトリウム等金属チオ硫酸塩等が一例として挙げられる。
前記酸化剤としては、硝酸塩、酸化物、過酸化物、ハロゲン化酸素酸塩、過マンガン酸塩、クロム酸塩等が一例として挙げられる。
前記骨材としては、充填剤として有用であり、及び/又は、発熱組成物の多孔質化に有用であれば制限はない。化石サンゴ(サンゴ化石、風化造礁サンゴ等)、竹炭、備長炭、シリカ−アルミナ粉、シリカ−マグネシア粉、カオリン、結晶セルロース、コロイダルシリカ、軽石、シリカゲル、シリカ粉、マイカ粉、クレー、タルク、合成樹脂の粉末やペレット、発泡ポリエステル及びポリウレタンのような発泡合成樹脂、藻土、アルミナ、繊維素粉末等が一例として挙げられる。尚、カオリン及び結晶セルロースは、本発明の発熱組成物には含まないものとする。
前記繊維状物としては、無機系の繊維状物及び/又は有機系の繊維状物である、ロックウール、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維、パルプ、紙、不織布、織物、綿や麻等の天然繊維、レーヨン等再生繊維、アセテート等の半合成繊維、合成繊維及びそれらの粉砕品が一例として挙げられる。
前記機能性物質としては、機能を有する物質であれば制限はないが、マイナスイオン発生物質や遠赤外線放射物質等から選ばれた少なくとも1種が一例として挙げられる。前記マイナスイオン発生物質としては、直接、間接を問わず、結果としてマイナスイオンは発生すれば制限はない。トルマリン、化石サンゴ、花崗岩、プロピオン酸カルシウムストロンチウムなどの共誘電体、ラジウム、ラドン等の放射性物質を含む鉱石等が一例として挙げられる。前記遠赤外線放射物質としては、遠赤外線を放射するものであれば制限はない。セラミック、アルミナ、ゼオライト、ジルコニウム、シリカ等が一例として挙げられる。
前記界面活性剤としては、アニオン、カチオン、ノニオン、両性イオンを含む界面活性剤を包含する。特に、ノニオン界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルフェノール・エチレンオキサイド付加物、高級アルコール燐酸エステル等が一例として挙げられる。
前記有機ケイ素化合物としては、少なくともSi−O−R及び又はSi−N−R及び又はSi−Rの結合を持つ化合物であれば制限はない。モノマー、低縮合物、ポリマー等の形態で、メチルトリエトキシシラン等の有機シラン化合物、ジメチルシリコーンオイル、ポリオルガノシロキサン又はそれらを含有するシリコーン樹脂組成物等が一例として挙げられる。
前記焦電物質としては、焦電性(パイロ電気又はピロ電気)を有する物であれば制限はない。電気石、イキョク鉱物焦電性鉱物が一例として挙げられる。特に電気石の一種であるトルマリンが好ましい。トルマリンとしては、ドラバイト(苦土電気石)、ショール(鉄電気石)、エルバイト(リチア電気石)等が挙げられる。
前記保湿剤としては、保湿ができれば制限はない。ヒアルロン酸、コラーゲン、グリセリン、尿素等が一例として挙げられる。
前記肥料成分としては、窒素、燐酸、カリウムの3要素のうち少なくとも1種を含む成分であれば制限はない。骨粉、尿素、硫安、過燐酸石灰、塩化カリウム、硫酸カルシウム等が一例として挙げられる。
前記疎水性高分子化合物としては、組成物中の水抜けをよくするため、水との接触角が40°以上、より好ましくは50°以上、更に好ましくは60°以上の高分子化合物であれば制限はない。形状も制限はなく、粉体、顆粒、粒、錠等が一例として挙げられる。ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等が一例として挙げられる。
前記発熱助成剤としては、金属粉、金属塩、金属酸化物などがあり、Cu、Mn、CuCl2、FeCl2、二酸化マンガン、酸化第二銅、四三酸化鉄等やそれらの混合物等が一例として挙げられる。
前記酸化鉄以外の金属酸化物としては、酸化性ガスによる鉄の酸化を阻害しなければ如何なるものでもよいが二酸化マンガン、酸化第2銅等が一例として挙げられる。
前記酸性物質としては、無機酸、有機酸、及び酸性塩の何れでもよく、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、クロル酢酸、塩化鉄、硫酸鉄、シュウ酸鉄、クエン酸鉄、塩化アルミニウム、塩化アンモニウム、次亜塩素酸等が一例として挙げられる。
前記吸水性ポリマーは、架橋構造を有し、かつ自重に対するイオン交換水の吸水倍率が3倍以上の樹脂であれば特に限定されるものではない。また、表面を架橋したものでもよい。従来公知の吸水性ポリマーや市販のものも用いることもできる。
吸水性ポリマーとしては、ポリ(メタ)アクリル酸架橋体、ポリ(メタ)アクリル酸塩架橋体、スルホン酸基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリオキシアルキレン基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリ(メタ)アクリルアミド架橋体、(メタ)アクリル酸塩と(メタ)アクリルアミドとの共重合架橋体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルと(メタ)アクリル酸塩との共重合架橋体、ポリジオキソラン架橋体、架橋ポリエチレンオキシド、架橋ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリスチレン架橋体、架橋ポリビニルピリジン、デンプン−ポリ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸(塩)グラフト架橋共重合体、ポリビニルアルコールと無水マレイン酸(塩)との反応生成物、架橋ポリビニルアルコールスルホン酸塩、ポリビニルアルコール−アクリル酸グラフト共重合体、ポリイソブチレンマレイン酸(塩)架橋重合体等が一例として挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記吸水性ポリマー中の生分解性を有する吸水性ポリマーとしては、生分解性を有する吸水性ポリマーであれば制限はない。ポリエチレンオキシド架橋体、ポリビニルアルコール架橋体、カルボキシメチルセルロース架橋体、アルギン酸架橋体、澱粉架橋体、ポリアミノ酸架橋体、ポリ乳酸架橋体などが一例として挙げられる。
前記pH調整剤としては、pHが調整できれば制限はない。アルカリ金属の弱酸塩、水酸化物など、或いは、アルカリ土類金属の弱酸塩、水酸化物などがあり、Na2CO3、NaHCO3、Na3PO4、Na2HPO4、Na5P3O10、NaOH、KOH、Ca(OH)2、Mg(OH)2、Ca3(PO4)2などが一例として挙げられる。
前記水素発生抑制剤としては、水素の発生を抑制するものであれば制限はない。イオウ化合物、酸化剤、アルカリ性物質、イオウ、アンチモン、セレン、リン及びテルルからなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種以上からなるものが一例として挙げられる。尚、イオウ化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属との化合物で、硫化カルシウム等の金属硫化物、亜硫酸ナトリウム等の金属亜硫酸塩やチオ硫酸ナトリウム等金属チオ硫酸塩等が一例として挙げられる。
前記酸化剤としては、硝酸塩、酸化物、過酸化物、ハロゲン化酸素酸塩、過マンガン酸塩、クロム酸塩等が一例として挙げられる。
前記骨材としては、充填剤として有用であり、及び/又は、発熱組成物の多孔質化に有用であれば制限はない。化石サンゴ(サンゴ化石、風化造礁サンゴ等)、竹炭、備長炭、シリカ−アルミナ粉、シリカ−マグネシア粉、カオリン、結晶セルロース、コロイダルシリカ、軽石、シリカゲル、シリカ粉、マイカ粉、クレー、タルク、合成樹脂の粉末やペレット、発泡ポリエステル及びポリウレタンのような発泡合成樹脂、藻土、アルミナ、繊維素粉末等が一例として挙げられる。尚、カオリン及び結晶セルロースは、本発明の発熱組成物には含まないものとする。
前記繊維状物としては、無機系の繊維状物及び/又は有機系の繊維状物である、ロックウール、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維、パルプ、紙、不織布、織物、綿や麻等の天然繊維、レーヨン等再生繊維、アセテート等の半合成繊維、合成繊維及びそれらの粉砕品が一例として挙げられる。
前記機能性物質としては、機能を有する物質であれば制限はないが、マイナスイオン発生物質や遠赤外線放射物質等から選ばれた少なくとも1種が一例として挙げられる。前記マイナスイオン発生物質としては、直接、間接を問わず、結果としてマイナスイオンは発生すれば制限はない。トルマリン、化石サンゴ、花崗岩、プロピオン酸カルシウムストロンチウムなどの共誘電体、ラジウム、ラドン等の放射性物質を含む鉱石等が一例として挙げられる。前記遠赤外線放射物質としては、遠赤外線を放射するものであれば制限はない。セラミック、アルミナ、ゼオライト、ジルコニウム、シリカ等が一例として挙げられる。
前記界面活性剤としては、アニオン、カチオン、ノニオン、両性イオンを含む界面活性剤を包含する。特に、ノニオン界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルフェノール・エチレンオキサイド付加物、高級アルコール燐酸エステル等が一例として挙げられる。
前記有機ケイ素化合物としては、少なくともSi−O−R及び又はSi−N−R及び又はSi−Rの結合を持つ化合物であれば制限はない。モノマー、低縮合物、ポリマー等の形態で、メチルトリエトキシシラン等の有機シラン化合物、ジメチルシリコーンオイル、ポリオルガノシロキサン又はそれらを含有するシリコーン樹脂組成物等が一例として挙げられる。
前記焦電物質としては、焦電性(パイロ電気又はピロ電気)を有する物であれば制限はない。電気石、イキョク鉱物焦電性鉱物が一例として挙げられる。特に電気石の一種であるトルマリンが好ましい。トルマリンとしては、ドラバイト(苦土電気石)、ショール(鉄電気石)、エルバイト(リチア電気石)等が挙げられる。
前記保湿剤としては、保湿ができれば制限はない。ヒアルロン酸、コラーゲン、グリセリン、尿素等が一例として挙げられる。
前記肥料成分としては、窒素、燐酸、カリウムの3要素のうち少なくとも1種を含む成分であれば制限はない。骨粉、尿素、硫安、過燐酸石灰、塩化カリウム、硫酸カルシウム等が一例として挙げられる。
前記疎水性高分子化合物としては、組成物中の水抜けをよくするため、水との接触角が40°以上、より好ましくは50°以上、更に好ましくは60°以上の高分子化合物であれば制限はない。形状も制限はなく、粉体、顆粒、粒、錠等が一例として挙げられる。ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等が一例として挙げられる。
前記発熱助成剤としては、金属粉、金属塩、金属酸化物などがあり、Cu、Mn、CuCl2、FeCl2、二酸化マンガン、酸化第二銅、四三酸化鉄等やそれらの混合物等が一例として挙げられる。
前記酸化鉄以外の金属酸化物としては、酸化性ガスによる鉄の酸化を阻害しなければ如何なるものでもよいが二酸化マンガン、酸化第2銅等が一例として挙げられる。
前記酸性物質としては、無機酸、有機酸、及び酸性塩の何れでもよく、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、クロル酢酸、塩化鉄、硫酸鉄、シュウ酸鉄、クエン酸鉄、塩化アルミニウム、塩化アンモニウム、次亜塩素酸等が一例として挙げられる。
前記鉄粉とは、通常の鉄粉、鉄合金粉、鉄粉の表面の少なくとも一部に酸素含有皮膜を有する鉄粉又は鉄合金粉からなる活性鉄粉が好ましい。尚、鉄酸化物皮膜とは、鉄の酸化物、水酸化物、オキシ水酸化物等の酸素を含む鉄からなる皮膜である。また、活性鉄粉とは、鉄粉表面に鉄酸化物皮膜を少なくとも局部的に形成したもので、地鉄と鉄酸化物皮膜間に形成される局部電池や鉄酸化物皮膜内外のピットによる酸化反応促進効果が得られるものである。
前記鉄粉は、限定はされないが、鋳鉄鉄粉、アトマイズ鉄粉、電解鉄粉、還元鉄粉、スポンジ鉄粉及びそれらの鉄合金粉等が一例として使用できる。更に、これら鉄粉が炭素や酸素を含有していてもよく、また、鉄を50%以上含む鉄で、他の金属を含んでいてもよい。合金等として含まれる金属の種類は鉄成分が発熱組成物の成分として働けば特に制限はないが、アルミニウム、マンガン、銅、ニッケル、ケイ素、コバルト、パラジウム及びモリブデン等の金属、半導体が一例として挙げられる。本発明の金属には半導体も含める。これらの金属及び合金は表面のみ又は内部のみに有していても表面と内部との両方に有していてもよい。
本発明の鉄粉において、前記鉄以外の金属の含有量は、鉄粉全体に対して通常0.01〜50重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%である。
前記鉄粉は、限定はされないが、鋳鉄鉄粉、アトマイズ鉄粉、電解鉄粉、還元鉄粉、スポンジ鉄粉及びそれらの鉄合金粉等が一例として使用できる。更に、これら鉄粉が炭素や酸素を含有していてもよく、また、鉄を50%以上含む鉄で、他の金属を含んでいてもよい。合金等として含まれる金属の種類は鉄成分が発熱組成物の成分として働けば特に制限はないが、アルミニウム、マンガン、銅、ニッケル、ケイ素、コバルト、パラジウム及びモリブデン等の金属、半導体が一例として挙げられる。本発明の金属には半導体も含める。これらの金属及び合金は表面のみ又は内部のみに有していても表面と内部との両方に有していてもよい。
本発明の鉄粉において、前記鉄以外の金属の含有量は、鉄粉全体に対して通常0.01〜50重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%である。
前記鉄の表面の少なくとも一部に酸素含有皮膜を有する鉄粉としては、
A.発熱組成物の必須成分又はそれに酸性物質やその他必要成分を加えたものを酸化性ガスとの接触処理し、鉄成分を部分酸化し、鉄成分の表面を少なくとも部分酸化した活性鉄粉
B.ウスタイトの含有量が、鉄とのX線ピーク強度比で、2〜50重量%の活性鉄粉
C.厚さ3nm以上の鉄酸化物皮膜を表面に有する鉄粉
D.活性鉄粉と活性鉄粉以外の鉄粉の混合物等が一例として挙げられる。
A.発熱組成物の必須成分又はそれに酸性物質やその他必要成分を加えたものを酸化性ガスとの接触処理し、鉄成分を部分酸化し、鉄成分の表面を少なくとも部分酸化した活性鉄粉
B.ウスタイトの含有量が、鉄とのX線ピーク強度比で、2〜50重量%の活性鉄粉
C.厚さ3nm以上の鉄酸化物皮膜を表面に有する鉄粉
D.活性鉄粉と活性鉄粉以外の鉄粉の混合物等が一例として挙げられる。
上記Aについて
機構としては、詳しくはわからないが、酸化性ガスと成分の接触により、成分の酸化、特に鉄粉の酸化により、鉄粉の表面に鉄酸化物皮膜、即ち、酸素含有皮膜が形成されるとともに、活性炭の表面も酸化され、及び/又は酸化された鉄成分が付着し、ともに親水性が付与され、又、向上し、水の仲立ちによる成分間の結合や構造化が起きていると推定される。
即ち、鉄粉の表面に鉄酸化物皮膜が形成されたり、鉄粉粒子が不規則形状になったり、酸化により歪みが発生したり、含水ピットが形成されたり、何らかの機能変化が起こり、鉄粉が活性化され、発熱立ち上がり性が向上すると推定される。
また、鉄酸化物皮膜中にマグネタイト(Fe3O4)が存在する場合、導電性に優れるので好ましく、また、へマタイト(Fe2O3)が存在する場合もポーラスとなるので好ましい。また、炭素成分も表面が酸化され、表面酸化物の多い炭素成分になり、親水性も増加し、活性も増加すると推定される。
前記鉄粉の表面を覆う酸素含有皮膜である鉄酸化物皮膜の厚さは、オージェ電子分光法を用いて、通常3nm以上であり、好ましくは3nm〜100μmであり、より好ましくは30nm〜100μmであり、更に好ましくは30nm〜50μmであり、更に好ましくは30nm〜1μmであり、更に好ましくは30nm〜500nmであり、更に好ましくは50nm〜300nmである。鉄の酸素含有皮膜の厚さを3nm以上とすることにより、鉄の酸素含有皮膜の厚さが酸化反応の促進効果を発揮でき、空気等の酸化性ガスと接触して、酸化反応をすぐに開始させることができる。鉄の酸素含有皮膜の厚さが100μm以上であると、発熱時間が短くなるおそれがあるが、用途によっては使用できる。
機構としては、詳しくはわからないが、酸化性ガスと成分の接触により、成分の酸化、特に鉄粉の酸化により、鉄粉の表面に鉄酸化物皮膜、即ち、酸素含有皮膜が形成されるとともに、活性炭の表面も酸化され、及び/又は酸化された鉄成分が付着し、ともに親水性が付与され、又、向上し、水の仲立ちによる成分間の結合や構造化が起きていると推定される。
即ち、鉄粉の表面に鉄酸化物皮膜が形成されたり、鉄粉粒子が不規則形状になったり、酸化により歪みが発生したり、含水ピットが形成されたり、何らかの機能変化が起こり、鉄粉が活性化され、発熱立ち上がり性が向上すると推定される。
また、鉄酸化物皮膜中にマグネタイト(Fe3O4)が存在する場合、導電性に優れるので好ましく、また、へマタイト(Fe2O3)が存在する場合もポーラスとなるので好ましい。また、炭素成分も表面が酸化され、表面酸化物の多い炭素成分になり、親水性も増加し、活性も増加すると推定される。
前記鉄粉の表面を覆う酸素含有皮膜である鉄酸化物皮膜の厚さは、オージェ電子分光法を用いて、通常3nm以上であり、好ましくは3nm〜100μmであり、より好ましくは30nm〜100μmであり、更に好ましくは30nm〜50μmであり、更に好ましくは30nm〜1μmであり、更に好ましくは30nm〜500nmであり、更に好ましくは50nm〜300nmである。鉄の酸素含有皮膜の厚さを3nm以上とすることにより、鉄の酸素含有皮膜の厚さが酸化反応の促進効果を発揮でき、空気等の酸化性ガスと接触して、酸化反応をすぐに開始させることができる。鉄の酸素含有皮膜の厚さが100μm以上であると、発熱時間が短くなるおそれがあるが、用途によっては使用できる。
また、上記活性鉄粉によれば、鉄粉と反応促進剤と水を必須成分とし、含水量が0.5〜20重量%で、余剰水量を示す易動水値が0.01未満の反応混合物を用いることにより、酸化性ガスと接触処理時の反応速度を上げ、反応混合物の温度上昇分を1℃以上にする時間を10分以内で達成できる。所定温度以上に達する時間を短くすることにより、適正な活性化をすることができ、鉄粉上の不必要な酸化を防止できる。
また、反応混合物を酸化性ガス接触処理することにより製造された発熱混合物に炭素成分等の添加や水分調整を行い、易動水値を0.01〜50にした発熱組成物は適度にべたつき、優れた成形性を有し、型通し成形法や鋳込み成形法の成形法が適用でき各種形状のヒートクロスが生産できる。特に易動水値が0.01〜20の発熱組成物は空気と接触してすぐに発熱反応を始め、優れた発熱立ち上がり性を有し、且つ、優れた成形性を有する優れたものである。
反応混合物の酸化性ガスの接触処理方法は、鉄粉と反応促進剤と水を必須成分とし、含水量が0.5〜20重量%で、易動水値が0.01未満の反応混合物を、酸化性ガスと接触処理し、反応混合物の温度上昇分を1℃以上にさせるものであれば特に制限はないが、
具体例として更に一例を挙げれば、
1.鉄粉、反応促進剤及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させ、鉄粉を部分酸化し、表面に鉄酸化物皮膜を有する鉄粉を含有する発熱混合物の製造方法、
2.鉄粉、反応促進剤、酸性物質及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させる発熱混合物の製造方法、
3.鉄粉、反応促進剤、炭素成分及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させる発熱混合物の製造方法、
4.鉄粉、反応促進剤、酸性物質、炭素成分及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させる発熱混合物の製造方法、
5.1乃至4の何れかに記載の反応混合物又は発熱混合物が上記成分以外の成分を含有し、1乃至4の何れかに記載の方法を行う部分酸化鉄粉を含有する発熱混合物の製造方法、
6.1乃至5の何れかに記載の方法を、環境温度より10℃以上に加温した環境で行う発熱混合物の製造方法、
7.1乃至6の何れかに記載の方法を酸化性ガスを吹き込んで行う発熱混合物の製造方法、
8.7に記載の方法で、環境温度より10℃以上に加温した酸化性ガスを吹き込んで行う発熱混合物の製造方法、
9.1乃至8の何れかに記載の方法で、発熱反応による温度上昇の最高点である最高温度を超えるまで、酸化性ガス接触処理を行う発熱組成物の製造方法、
10.1乃至8の何れかに記載の方法で、発熱反応による最高温度を超え、更に、前記最高温度から少なくとも10〜20℃下がるまで、酸化性ガス接触処理を行う発熱混合物の製造方法、
11.1乃至8の何れかに記載の方法で、発熱反応による温度上昇の最高点である最高温度を超えるまで、酸化性ガス接触処理を行い、その後酸化性ガスを遮断し、少なくとも反応混合物の温度が前記最高温度から少なくとも10〜20℃下がるまで、保持する発熱組成物の製造方法、
12.1乃至5の何れかに記載された反応混合物又は発熱混合物を酸化性ガス環境下で、温度上昇分を1℃以上にする発熱混合物の製造方法、等が一例として挙げられる
更に、発熱混合物に他の成分を加え、更に、酸化性ガス処理を行い、発熱混合物としてもよい。
尚、酸化性ガス接触処理時の反応混合物の環境は0℃以上の環境下で、酸化性ガスと接触させ、10分以内に、反応混合物の温度上昇分を1℃にさせれば制限はなく、開放系で行う場合、フタのない容器の中に存在する状態でも、不織布等の通気性シート状物を通じて空気等の酸化性ガスが入る状態でもよい。
また、酸化性ガス接触処理は撹拌下、非撹拌下、流動下又は非流動下の何れでもよく、バッチ式でも連続式でもよい。
最終的な発熱組成物としては、
1)上記1乃至12の何れかに記載の方法で製造された発熱混合物を発熱組成物原料とする発熱組成物、
2)1)の発熱組成物に他の成分を加えた発熱組成物、
3)1)又は2)の何れかに記載の発熱組成物を水分調整した発熱組成物、の何れかが挙げられる。また、前記必須成分以外の成分を添加する時期と水分調整の時期の順序の制限はない
ここで、反応混合物、更に酸化性ガス処理を行う前の発熱混合物中の含水量は通常0.5〜20重量%であり、好ましくは1〜15重量%であり、より好ましくは2〜10重量%であり、更に好ましくは3〜10重量%であり、更に好ましくは6〜10重量%である。
前記酸化性ガスとの接触後の反応混合物の温度は温度上昇分が1℃以上であれば制限はないが、好ましくは1〜80℃であり、より好ましくは1〜70℃であり、更に好ましくは1〜60℃であり、更に好ましくは1〜40℃である。
反応混合物と酸化性ガスとの接触時の環境温度は反応混合物の温度が所定以上に上がれば、制限はないが、好ましくは0℃以上であり、より好ましくは0〜250℃であり、更に好ましくは10〜200℃であり、更に好ましくは20〜150℃であり、更に好ましくは25〜100℃であり、更に好ましくは25〜50℃である。
反応混合物と酸化性ガスとの接触時の反応混合物の温度上昇分が1℃以上になる時間が10分以内であれば制限はないが、好ましくは1秒〜10分であり、より好ましくは1秒〜7分であり、更に好ましくは1秒〜5分であり、更に好ましくは2秒〜5分であり、更に好ましくは2秒〜3分であり、更に好ましくは2秒〜1分である。
酸化性ガスの温度は前記環境温度が保たれれば、制限はない。
酸化性ガスとは、気体で酸化性があれば如何なるものでもよいが、酸素ガス、空気、又は窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガスと酸素ガスとの混合気体が一例として挙げられる。前記混合気体としては、酸素が含まれていれば制限はないが、10%以上の酸素ガスを含むことが好ましく、これらの中で、特に、空気が好ましい。所望ならば、白金、パラジュウム、イリジュウム及びそれらの化合物などの触媒を用いることもできる。
酸化反応は、撹拌下に酸化性ガス雰囲気中で、所望により加圧下で、更に/若しくは、超音波照射下で行うことができる。
酸化反応の最適条件は実験的に適宜決めればよい。
酸化性ガスの使用量は、制限はなく、酸化性ガスの種類、鉄粉の種類や粒度、水分量、処理温度、処理方法などによって調整をすればよい。
開放系の場合は、必要酸素量が取り込めれば制限はない。反応混合物の飛散やゴミ等の混入を防ぐため、不織布や織布等の通気性素材で回りを囲んでもよく、通気性がある状態であれば開放系とする。
酸化性ガスを吹き込む方式で、空気を使用した場合、一例として、鉄粉200gに対して、1気圧下、空気の量は、好ましくは0.01〜1000リットル/分、より好ましくは0.01〜100リットル/分、更に好ましくは0.1〜50リットル/分である。他の酸化性ガスの場合、空気の場合を基準として、酸素の濃度により換算すればよい。
所望により、過酸化物を添加してもよい。過酸化水素、オゾンが一例として挙げられる。
ここで、酸化性ガスとの接触処理時の反応混合物又は発熱混合物の状態は鉄粉が部分酸化されれば、静置状態でも、移動状態でも、撹拌等による流動状態でも何れでもよく、適宜選択すればよい。また、反応混合物、発熱混合物及び発熱組成物の各成分の混合時並びに水分調整時の混合酸化性ガスとの接触処理時の環境に制限はなく、酸化性ガス雰囲気中や酸化性ガスの吹き込み等が一例として挙げられる。
また、反応混合物を酸化性ガス接触処理することにより製造された発熱混合物に炭素成分等の添加や水分調整を行い、易動水値を0.01〜50にした発熱組成物は適度にべたつき、優れた成形性を有し、型通し成形法や鋳込み成形法の成形法が適用でき各種形状のヒートクロスが生産できる。特に易動水値が0.01〜20の発熱組成物は空気と接触してすぐに発熱反応を始め、優れた発熱立ち上がり性を有し、且つ、優れた成形性を有する優れたものである。
反応混合物の酸化性ガスの接触処理方法は、鉄粉と反応促進剤と水を必須成分とし、含水量が0.5〜20重量%で、易動水値が0.01未満の反応混合物を、酸化性ガスと接触処理し、反応混合物の温度上昇分を1℃以上にさせるものであれば特に制限はないが、
具体例として更に一例を挙げれば、
1.鉄粉、反応促進剤及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させ、鉄粉を部分酸化し、表面に鉄酸化物皮膜を有する鉄粉を含有する発熱混合物の製造方法、
2.鉄粉、反応促進剤、酸性物質及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させる発熱混合物の製造方法、
3.鉄粉、反応促進剤、炭素成分及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させる発熱混合物の製造方法、
4.鉄粉、反応促進剤、酸性物質、炭素成分及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させる発熱混合物の製造方法、
5.1乃至4の何れかに記載の反応混合物又は発熱混合物が上記成分以外の成分を含有し、1乃至4の何れかに記載の方法を行う部分酸化鉄粉を含有する発熱混合物の製造方法、
6.1乃至5の何れかに記載の方法を、環境温度より10℃以上に加温した環境で行う発熱混合物の製造方法、
7.1乃至6の何れかに記載の方法を酸化性ガスを吹き込んで行う発熱混合物の製造方法、
8.7に記載の方法で、環境温度より10℃以上に加温した酸化性ガスを吹き込んで行う発熱混合物の製造方法、
9.1乃至8の何れかに記載の方法で、発熱反応による温度上昇の最高点である最高温度を超えるまで、酸化性ガス接触処理を行う発熱組成物の製造方法、
10.1乃至8の何れかに記載の方法で、発熱反応による最高温度を超え、更に、前記最高温度から少なくとも10〜20℃下がるまで、酸化性ガス接触処理を行う発熱混合物の製造方法、
11.1乃至8の何れかに記載の方法で、発熱反応による温度上昇の最高点である最高温度を超えるまで、酸化性ガス接触処理を行い、その後酸化性ガスを遮断し、少なくとも反応混合物の温度が前記最高温度から少なくとも10〜20℃下がるまで、保持する発熱組成物の製造方法、
12.1乃至5の何れかに記載された反応混合物又は発熱混合物を酸化性ガス環境下で、温度上昇分を1℃以上にする発熱混合物の製造方法、等が一例として挙げられる
更に、発熱混合物に他の成分を加え、更に、酸化性ガス処理を行い、発熱混合物としてもよい。
尚、酸化性ガス接触処理時の反応混合物の環境は0℃以上の環境下で、酸化性ガスと接触させ、10分以内に、反応混合物の温度上昇分を1℃にさせれば制限はなく、開放系で行う場合、フタのない容器の中に存在する状態でも、不織布等の通気性シート状物を通じて空気等の酸化性ガスが入る状態でもよい。
また、酸化性ガス接触処理は撹拌下、非撹拌下、流動下又は非流動下の何れでもよく、バッチ式でも連続式でもよい。
最終的な発熱組成物としては、
1)上記1乃至12の何れかに記載の方法で製造された発熱混合物を発熱組成物原料とする発熱組成物、
2)1)の発熱組成物に他の成分を加えた発熱組成物、
3)1)又は2)の何れかに記載の発熱組成物を水分調整した発熱組成物、の何れかが挙げられる。また、前記必須成分以外の成分を添加する時期と水分調整の時期の順序の制限はない
ここで、反応混合物、更に酸化性ガス処理を行う前の発熱混合物中の含水量は通常0.5〜20重量%であり、好ましくは1〜15重量%であり、より好ましくは2〜10重量%であり、更に好ましくは3〜10重量%であり、更に好ましくは6〜10重量%である。
前記酸化性ガスとの接触後の反応混合物の温度は温度上昇分が1℃以上であれば制限はないが、好ましくは1〜80℃であり、より好ましくは1〜70℃であり、更に好ましくは1〜60℃であり、更に好ましくは1〜40℃である。
反応混合物と酸化性ガスとの接触時の環境温度は反応混合物の温度が所定以上に上がれば、制限はないが、好ましくは0℃以上であり、より好ましくは0〜250℃であり、更に好ましくは10〜200℃であり、更に好ましくは20〜150℃であり、更に好ましくは25〜100℃であり、更に好ましくは25〜50℃である。
反応混合物と酸化性ガスとの接触時の反応混合物の温度上昇分が1℃以上になる時間が10分以内であれば制限はないが、好ましくは1秒〜10分であり、より好ましくは1秒〜7分であり、更に好ましくは1秒〜5分であり、更に好ましくは2秒〜5分であり、更に好ましくは2秒〜3分であり、更に好ましくは2秒〜1分である。
酸化性ガスの温度は前記環境温度が保たれれば、制限はない。
酸化性ガスとは、気体で酸化性があれば如何なるものでもよいが、酸素ガス、空気、又は窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガスと酸素ガスとの混合気体が一例として挙げられる。前記混合気体としては、酸素が含まれていれば制限はないが、10%以上の酸素ガスを含むことが好ましく、これらの中で、特に、空気が好ましい。所望ならば、白金、パラジュウム、イリジュウム及びそれらの化合物などの触媒を用いることもできる。
酸化反応は、撹拌下に酸化性ガス雰囲気中で、所望により加圧下で、更に/若しくは、超音波照射下で行うことができる。
酸化反応の最適条件は実験的に適宜決めればよい。
酸化性ガスの使用量は、制限はなく、酸化性ガスの種類、鉄粉の種類や粒度、水分量、処理温度、処理方法などによって調整をすればよい。
開放系の場合は、必要酸素量が取り込めれば制限はない。反応混合物の飛散やゴミ等の混入を防ぐため、不織布や織布等の通気性素材で回りを囲んでもよく、通気性がある状態であれば開放系とする。
酸化性ガスを吹き込む方式で、空気を使用した場合、一例として、鉄粉200gに対して、1気圧下、空気の量は、好ましくは0.01〜1000リットル/分、より好ましくは0.01〜100リットル/分、更に好ましくは0.1〜50リットル/分である。他の酸化性ガスの場合、空気の場合を基準として、酸素の濃度により換算すればよい。
所望により、過酸化物を添加してもよい。過酸化水素、オゾンが一例として挙げられる。
ここで、酸化性ガスとの接触処理時の反応混合物又は発熱混合物の状態は鉄粉が部分酸化されれば、静置状態でも、移動状態でも、撹拌等による流動状態でも何れでもよく、適宜選択すればよい。また、反応混合物、発熱混合物及び発熱組成物の各成分の混合時並びに水分調整時の混合酸化性ガスとの接触処理時の環境に制限はなく、酸化性ガス雰囲気中や酸化性ガスの吹き込み等が一例として挙げられる。
上記発熱組成物の温度上昇を測定する方法は次の通りである。
1)周囲温度20±1℃の条件下、発熱組成物を非通気性の外袋封入状態で1時間放置する。
2)脚付き支持台の塩化ビニル製支持板(厚さ3mm×長さ縦600mm×幅横600mm)の裏面の中央部付近に成形型の抜き穴形状を覆うように磁石を設ける。
3)温度センサーを支持板中央部上に置く。
4)厚さ約80μmの粘着剤層付き厚さ25μm×長さ250mm×幅200mmのポリエチレンフィルムの中央がセンサーのところにくるようにして、粘着層を介して支持板に貼り付ける。
5)外袋から発熱組成物を取り出す。
6)前記ポリエチレンフィルムの中央部上に、長さ80mm×幅50mm×高さ3mmの抜き穴を持つ長さ250mm×幅200mmの型板を置き、その抜き穴付近に試料を置き、押し込み板を型板上に沿って動かし、試料を押し込みながら抜き穴へ入れ、型板面に沿って、試料を押し込みながら擦り切り(型押し込み成形)、型内に試料を充填する。次に、支持板下の磁石を除き、温度測定を開始する。
発熱温度の測定はデータコレクタを用い、測定タイミング2秒で、10分間温度測定をし、3分後の温度をもって、発熱立ち上がり性を判定する。
ヒートクロスの発熱試験については、JIS温度特性試験に従うものとする。
1)周囲温度20±1℃の条件下、発熱組成物を非通気性の外袋封入状態で1時間放置する。
2)脚付き支持台の塩化ビニル製支持板(厚さ3mm×長さ縦600mm×幅横600mm)の裏面の中央部付近に成形型の抜き穴形状を覆うように磁石を設ける。
3)温度センサーを支持板中央部上に置く。
4)厚さ約80μmの粘着剤層付き厚さ25μm×長さ250mm×幅200mmのポリエチレンフィルムの中央がセンサーのところにくるようにして、粘着層を介して支持板に貼り付ける。
5)外袋から発熱組成物を取り出す。
6)前記ポリエチレンフィルムの中央部上に、長さ80mm×幅50mm×高さ3mmの抜き穴を持つ長さ250mm×幅200mmの型板を置き、その抜き穴付近に試料を置き、押し込み板を型板上に沿って動かし、試料を押し込みながら抜き穴へ入れ、型板面に沿って、試料を押し込みながら擦り切り(型押し込み成形)、型内に試料を充填する。次に、支持板下の磁石を除き、温度測定を開始する。
発熱温度の測定はデータコレクタを用い、測定タイミング2秒で、10分間温度測定をし、3分後の温度をもって、発熱立ち上がり性を判定する。
ヒートクロスの発熱試験については、JIS温度特性試験に従うものとする。
前記酸化性ガス処理をした発熱組成物中の鉄粉又は活性鉄粉は、表面の少なくとも一部が鉄の酸素含有皮膜で被覆されている。鉄の酸素含有皮膜の表面の被覆程度は表面の少なくとも一部が被覆されていれば、制限はなく、全面でもよい。本発明の発熱組成物の場合、塩素イオン等の反応促進剤のイオンが発熱組成物に含まれるので、塩素イオン等の反応促進剤のイオンによる腐食効果により、酸化皮膜の防食効果がないので、一種の腐食である酸化反応が阻害されることはない。特に鉄の酸素含有皮膜が塩素イオン等の反応促進剤のイオンと共存して作成される場合は、その効果は大である。上記鉄以外の金属が表面にある場合はそれら鉄以外の金属以外の部分の少なくとも一部が鉄の酸素含有皮膜で被覆されていればよい。
本発明の鉄粉には、
1.全面(均一)腐食、
2.孔食、すきま腐食、
3.応力腐食割れ等がおこり、等する領域が生じるとともに、凹凸やすき間も生ずる。このため、親水性及び酸化触媒性(FeO等)を自らの部分に持つことになると推定される。混合でなく、自らの部分に酸素含有皮膜を持つことが発熱組成物を製造する上に重要である。特に鉄成分を反応促進剤、水を必須成分として酸化性ガスとの接触処理をした鉄成分には、酸化物、水酸化物、塩素イオン、水素イオン等を主体とする反応活性部が生じ、発熱反応性、親水性が向上し、発熱立ち上がり性、成形性が著しく向上すると思われる。
本発明の鉄粉には、
1.全面(均一)腐食、
2.孔食、すきま腐食、
3.応力腐食割れ等がおこり、等する領域が生じるとともに、凹凸やすき間も生ずる。このため、親水性及び酸化触媒性(FeO等)を自らの部分に持つことになると推定される。混合でなく、自らの部分に酸素含有皮膜を持つことが発熱組成物を製造する上に重要である。特に鉄成分を反応促進剤、水を必須成分として酸化性ガスとの接触処理をした鉄成分には、酸化物、水酸化物、塩素イオン、水素イオン等を主体とする反応活性部が生じ、発熱反応性、親水性が向上し、発熱立ち上がり性、成形性が著しく向上すると思われる。
上記Bについて
前記所定量のウスタイトを含む鉄成分に含まれるFeO(ウスタイト)量は、鉄とのX線ピーク強度比で、通常は2〜50重量%であり、好ましくは2〜40重量%、より好ましくは2〜30重量%であり、更に好ましくは5〜30重量%であり、更に好ましくは6〜30重量%である。50重量%を超えても発熱立ち上がり性はよいが、発熱持続時間が短くなる。2重量%未満であると発熱立ち上がり性が鈍くなる。
前記所定量の酸素含有皮膜やウスタイトを有する鉄粉の酸素含有皮膜の厚さやウスタイト量は積層時の発熱組成物又は発熱組成物成形体に適用する。
前記所定量のウスタイトを含む鉄成分に含まれるFeO(ウスタイト)量は、鉄とのX線ピーク強度比で、通常は2〜50重量%であり、好ましくは2〜40重量%、より好ましくは2〜30重量%であり、更に好ましくは5〜30重量%であり、更に好ましくは6〜30重量%である。50重量%を超えても発熱立ち上がり性はよいが、発熱持続時間が短くなる。2重量%未満であると発熱立ち上がり性が鈍くなる。
前記所定量の酸素含有皮膜やウスタイトを有する鉄粉の酸素含有皮膜の厚さやウスタイト量は積層時の発熱組成物又は発熱組成物成形体に適用する。
前記鉄粉が炭素成分を含有及び/又は炭素成分で被覆された鉄粉も好ましく、前記炭素成分に対して、鉄成分が50重量%以上であれば前記炭素成分の割合は制限はないが、鉄粉表面が0.3〜3.0重量%の導電性炭素質物質で部分的に被覆された鉄粉は有用である。導電性炭素質物質は、カーボンブラック、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、フラーレン等が一例として挙げられ、ドーピングによって導電性を有するものであってもよく、鉄粉は、還元鉄粉、アトマイズ鉄粉、スポンジ鉄粉が一例として挙げられ、特に、導電性炭素質物質が活性炭で、鉄粉が還元鉄粉である場合がヒートクロスには有用である。
また、導電性炭素質物質被覆を効率よく行うために鉄粉の流動性を害さない程度に0.01〜0.05重量%の油分、例えばスピンドル油等を添加してもよい。
また、導電性炭素質物質被覆を効率よく行うために鉄粉の流動性を害さない程度に0.01〜0.05重量%の油分、例えばスピンドル油等を添加してもよい。
ヒートクロス中の発熱組成物の易動水値及び混合物やヒートクロス中の発熱組成物中の鉄粉の鉄酸化物皮膜の厚さ、ウスタイト量を測定する場合は、発熱組成物や混合物を各項目に従って測定すればよい。即ち、
1)易動水値
ヒートクロスから発熱組成物を取り出し、前記易動水値の測定法に従って測定する。
2)鉄粉の鉄酸化物皮膜の厚さ、ウスタイト量
窒素雰囲気下、窒素置換されたイオン交換水に発熱組成物、発熱組成物成形体、発熱組成物圧縮体又は混合物を分散させ、磁石で鉄粉を分離し、窒素雰囲気下で乾燥させたものを測定用試料とする。
1)易動水値
ヒートクロスから発熱組成物を取り出し、前記易動水値の測定法に従って測定する。
2)鉄粉の鉄酸化物皮膜の厚さ、ウスタイト量
窒素雰囲気下、窒素置換されたイオン交換水に発熱組成物、発熱組成物成形体、発熱組成物圧縮体又は混合物を分散させ、磁石で鉄粉を分離し、窒素雰囲気下で乾燥させたものを測定用試料とする。
本発明の発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤、水を必須成分とし、その製造方法は、工業的に実用化が可能で、鉄粉と反応促進剤と水を必須成分とし、含水量が1〜20重量%で、余剰水量を示す易動水値が0.01未満の反応混合物を、0℃以上の環境下、酸化性ガスと接触させ、10分以内に反応混合物の温度上昇分を1℃以上にし、発熱混合物を製造し、該発熱混合物を原料とし、発熱組成物とするか、又は、その後、更に水分調整をし発熱組成物とするか、炭素成分等の添加や水分調整をし、発熱組成物としてもよい。
本発明は反応混合物の含水量を一定量以下、特に余剰水量を一定量以下にし、酸化性接触処理をすることで、短時間に酸化性ガス接触処理が行えるようにした。余剰水量の特定化と短時間処理により、発熱組成物の初期の発熱立ち上がりがよくなかったり、発熱保持時間が短くなったりする等の酸化性ガス接触処理に起因する悪影響が回避でき、工業的大量生産方法が確立できた。また、酸化性ガス接触処理中は、攪拌等をしなくてもよいが、攪拌等をした方が酸化性ガス接触処理が確実に行える。
ここで、酸化性ガスとの接触処理の反応混合物又は発熱混合物の状態は鉄粉が部分酸化されれば、静置状態でも、移動状態でも、撹拌等による流動状態でも何れでもよく、適宜選択すればよい。また、反応混合物、発熱混合物及び発熱組成物の各成分の混合時並びに水分調整時の混合時の環境に制限はなく、酸化性ガス雰囲気中や酸化性ガスの吹き込み等が一例として挙げられる。
本発明は反応混合物の含水量を一定量以下、特に余剰水量を一定量以下にし、酸化性接触処理をすることで、短時間に酸化性ガス接触処理が行えるようにした。余剰水量の特定化と短時間処理により、発熱組成物の初期の発熱立ち上がりがよくなかったり、発熱保持時間が短くなったりする等の酸化性ガス接触処理に起因する悪影響が回避でき、工業的大量生産方法が確立できた。また、酸化性ガス接触処理中は、攪拌等をしなくてもよいが、攪拌等をした方が酸化性ガス接触処理が確実に行える。
ここで、酸化性ガスとの接触処理の反応混合物又は発熱混合物の状態は鉄粉が部分酸化されれば、静置状態でも、移動状態でも、撹拌等による流動状態でも何れでもよく、適宜選択すればよい。また、反応混合物、発熱混合物及び発熱組成物の各成分の混合時並びに水分調整時の混合時の環境に制限はなく、酸化性ガス雰囲気中や酸化性ガスの吹き込み等が一例として挙げられる。
水分調整とは発熱混合物を酸化性ガスと接触処理した後に水又反応促進剤の水溶液を加えることである。加える量には制限はないが、接触処理により、減量した重量を加えることや、所望の易動水値となる重量を加えることが一例として挙げられる。
水分調整を行うかどうかは用途により適宜決めればよい。
水分調整を行うかどうかは用途により適宜決めればよい。
本発明の発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤、水を必須成分とし、鉄粉、反応促進剤及び水を必須成分とした反応混合物を酸化性ガスで接触処理したものを原料にしたもので、通常は発熱混合物を水分調整したもので、発熱立ち上がりがよく、適量の余剰水と相まって、優れた成形性を有する発熱組成物である。また、これを使用して、使用時にすぐに温まるヒートクロスが製造できる。
したがって、少なくとも鉄粉は、更に炭素成分も含め、酸化性ガスの接触処理による酸化の履歴を有し、これが優れた発熱立ち上がり性、発熱持続性及び優れた成形性に深くかかわっていると思われる。
したがって、少なくとも鉄粉は、更に炭素成分も含め、酸化性ガスの接触処理による酸化の履歴を有し、これが優れた発熱立ち上がり性、発熱持続性及び優れた成形性に深くかかわっていると思われる。
本発明の酸化性ガスの接触処理をした鉄粉を使用すると、発熱組成物中の活性炭等の炭素成分を、例えば、20%以上減らすことができる。炭素成分添加量を減少することにより、コストが下がる。
本発明の発熱混合物の製造方法によれば、優れた発熱立ち上がり性、優れた親水性、優れた成形性を有する発熱組成物を得ることができる。易動水値0.01〜50、特に0.01〜20との併用により著しく優れた成形性と発熱特性を併せ持つ発熱組成物が得られる。
本発明の製造方法により製造された発熱組成物は発熱立ち上がり性が著しく向上されているので、発熱組成物中の活性炭等の炭素成分の添加量を、例えば、20%以上減少でき、コストダウンに貢献できる。
また、親水性が著しく向上されているので、型を使った成形性が著しく向上するので、成形後に発熱組成物成形体の周辺に発熱組成物の崩れ片をまき散らさないので、シールが的確にでき、シール切れのないヒートクロスが製造できる。これにより、種々の形状の発熱組成物成形体が製造でき、種々の形状のヒートクロスができる。
本発明の製造方法により製造された発熱組成物は発熱立ち上がり性が著しく向上されているので、発熱組成物中の活性炭等の炭素成分の添加量を、例えば、20%以上減少でき、コストダウンに貢献できる。
また、親水性が著しく向上されているので、型を使った成形性が著しく向上するので、成形後に発熱組成物成形体の周辺に発熱組成物の崩れ片をまき散らさないので、シールが的確にでき、シール切れのないヒートクロスが製造できる。これにより、種々の形状の発熱組成物成形体が製造でき、種々の形状のヒートクロスができる。
また、発熱組成物の発熱立ち上がり性を向上させる意味から、下記のものが好ましい。
1)発熱組成物の必須成分又はそれに酸性物質やその他必要成分を加えたものを酸化性ガスとの接触処理(自己発熱等)したもの、それを水分調整したもの又はその他の成分を加え混合し、発熱組成物としたもの。
2)表面の少なくとも一部に酸化物等の酸素含有皮膜を有する下記いずれかの活性鉄粉を鉄粉として使用する。a)鉄粉の表面についてオージェ電子分光法で求めた3nm以上の厚さの鉄の酸素含有皮膜を有する鉄粉。b)ウスタイトの含有量が鉄とのX線ピーク強度比で、2〜50重量%の鉄粉。
3)鉄粉の表面の少なくとも一部に酸化物等の酸素含有皮膜を有する活性鉄粉を酸素含有皮膜を有しない鉄粉に混合したものを鉄粉とて使用する。この場合、活性鉄粉が60重量%以上で、活性鉄粉以外の鉄粉を40重量%未満とした混合物とすることが好ましい。
1)発熱組成物の必須成分又はそれに酸性物質やその他必要成分を加えたものを酸化性ガスとの接触処理(自己発熱等)したもの、それを水分調整したもの又はその他の成分を加え混合し、発熱組成物としたもの。
2)表面の少なくとも一部に酸化物等の酸素含有皮膜を有する下記いずれかの活性鉄粉を鉄粉として使用する。a)鉄粉の表面についてオージェ電子分光法で求めた3nm以上の厚さの鉄の酸素含有皮膜を有する鉄粉。b)ウスタイトの含有量が鉄とのX線ピーク強度比で、2〜50重量%の鉄粉。
3)鉄粉の表面の少なくとも一部に酸化物等の酸素含有皮膜を有する活性鉄粉を酸素含有皮膜を有しない鉄粉に混合したものを鉄粉とて使用する。この場合、活性鉄粉が60重量%以上で、活性鉄粉以外の鉄粉を40重量%未満とした混合物とすることが好ましい。
前記酸化性ガス処理をした発熱組成物又は活性鉄粉を含有する発熱組成物及びそれを利用してものを長時間保存する場合は、水素発生抑制剤を組み合わせるのが好ましい。これにより、水素発生が抑制され、保存時等に外袋の膨らみもなく、発熱立ち上がり性のよい発熱特性の優れたヒートクロスが得られるからである。
また、前記易動水値0.01〜20以外の発熱組成物は、立ち上がり特性に影響しない範囲において、水溶性高分子、凝集助剤、凝集化助剤、集塊補助剤、乾燥結合材、乾燥結合剤、乾燥バインダ、粘着素材、増粘剤、賦形剤、凝集剤、可溶性粘着性素材を含有することができる。
また、市場に提供される、発熱組成物を収納袋に収納したヒートクロスは非通気性の収納袋である外袋に収納して長期保存可能を前提として提供されるので、水素発生抑制剤を含有した発熱組成物を使用することが好ましい。酸化性ガスの接触処理を経た発熱組成物は活性な組成物であるので、水素発生抑制剤を含有する事が肝要である。また、pH調整剤を併用するとその効力はより強化される。
また、易動水値0.01未満の発熱組成物は、その反応特性や発熱特性に影響しない範囲において、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥バインダー、乾燥結合剤、乾燥結合材、粘着性素材、増粘剤、賦形剤、水溶性高分子をそれぞれ0.01〜3重量部の範囲内で含有してもよい。
前記凝集助剤とは、特許第3161605号公報(特表平11−508314号公報)に記載されている凝集助剤で、ゼラチン、天然ガム、コーンシロップ等である。
前記凝集化剤とは、特表平2002−514104号公報に記載されている凝集化剤で、コーンシロップ、マルチトールシロップ等である。
前記集塊補助剤とは、特表平2001−507593号公報に記載されている集塊補助剤で、コーンシロップ等である。
前記乾燥バインダーとは、特表平2002−514104号公報に記載されている乾燥バインダーで、微結晶セルロース、マルトデクストリン等又はこれらの混合物である。
前記乾燥結合剤とは、特表平2001−507593号公報に記載されている乾燥結合剤で、マルトデクストリン、噴霧された乳糖等である。
前記乾燥結合材とは、特表平11−508314号公報に記載されている乾燥結合材で、微晶質セルロース、マルトデクストリン等又はこれらの混合物である。
前記粘着性素材又はバインダーとは、特開平4−293989号公報に記載されている粘着性素材又はバインダーで、水ガラス、ポリビニールアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等である。
前記増粘剤とは、特開平6−343658号公報に記載されている増粘剤で、コーンスターチ、馬鈴薯デンプン等である。
前記賦形剤とは、特開平7−194641号公報に記載されている賦形剤で、α化でんぷん、アルギン酸ナトリウム等である。
前記水溶性高分子とは、粘着剤層での水溶性高分子が使用できる。
前記凝集助剤とは、特許第3161605号公報(特表平11−508314号公報)に記載されている凝集助剤で、ゼラチン、天然ガム、コーンシロップ等である。
前記凝集化剤とは、特表平2002−514104号公報に記載されている凝集化剤で、コーンシロップ、マルチトールシロップ等である。
前記集塊補助剤とは、特表平2001−507593号公報に記載されている集塊補助剤で、コーンシロップ等である。
前記乾燥バインダーとは、特表平2002−514104号公報に記載されている乾燥バインダーで、微結晶セルロース、マルトデクストリン等又はこれらの混合物である。
前記乾燥結合剤とは、特表平2001−507593号公報に記載されている乾燥結合剤で、マルトデクストリン、噴霧された乳糖等である。
前記乾燥結合材とは、特表平11−508314号公報に記載されている乾燥結合材で、微晶質セルロース、マルトデクストリン等又はこれらの混合物である。
前記粘着性素材又はバインダーとは、特開平4−293989号公報に記載されている粘着性素材又はバインダーで、水ガラス、ポリビニールアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等である。
前記増粘剤とは、特開平6−343658号公報に記載されている増粘剤で、コーンスターチ、馬鈴薯デンプン等である。
前記賦形剤とは、特開平7−194641号公報に記載されている賦形剤で、α化でんぷん、アルギン酸ナトリウム等である。
前記水溶性高分子とは、粘着剤層での水溶性高分子が使用できる。
本発明の発熱組成物を構成する非水溶性固形成分の粒径は、発熱組成物が成形性を有すれば制限はない。発熱組成物を成形した発熱組成物成形体のサイズである縦、横、高さの何れかが小さくなる場合は粒径を小さくする方が成形性が向上する。
更に、発熱組成物を構成する固形成分の粒径を小さくすることは成形上好ましい。発熱組成物を構成する成分中、反応促進剤と水を除く非水溶性固形成分の最大粒径は好ましくは2.5mm以下であり、より好ましくは930μm以下であり、更に好ましくは500μm以下であり、更に好ましくは300μm以下であり、更に好ましくは250μm以下であり、更に好ましくは200μm以下であり、且つ、前記固形成分の粒径の80%以上が、通常500μm以下で有り、好ましくは300μm以下で有り、より好ましくは250μm以下であり、更に好ましくは200μm以下であり、更に好ましくは150μm以下であり、更に好ましくは100μm以下である。
尚、非水溶性固形成分の粒径とは、篩を使って分離し、前記篩を通過したものをその篩の口径から算出した粒径である。即ち、篩を、上から8、12、20、32、42、60、80、100、115、150、200、250及び280メッシュ等の篩並びに受皿の順に組み合せる。最上段の8メッシュ篩に非水溶性固形成分粒子を約50g入れ、自動振盈機で1分間振盈させる。各篩及び受皿上の非水溶性固形成分粒子の重量を秤量し、その合計を100%として重量分率により粒径分布を求める。特定メッシュの櫛の下のすべての受け皿の合計が前記粒径分布の合計値である100%になった場合、前記特定メッシュの口径から算出した大きさ(μm)をもって、その非水溶性固形成分の粒径とする。尚、各メッシュ篩は他のメッシュ篩を組み合わせてもよい。ここで、16メッシュパスは粒径1mm以下、20メッシュパスは粒径850μm以下、48メッシュパスは粒径300μm以下、60メッシュパスは粒径250μm以下、65メッシュパスは粒径200μm以下、80メッシュパスは粒径180μm以下、100メッシュパスは粒径150μm以下、115メッシュパスは粒径120μm以下、150メッシュパスは粒径100μm以下、250メッシュパスは粒径63μm以下とする。以下のメッシュも同様とする。
更に、発熱組成物を構成する固形成分の粒径を小さくすることは成形上好ましい。発熱組成物を構成する成分中、反応促進剤と水を除く非水溶性固形成分の最大粒径は好ましくは2.5mm以下であり、より好ましくは930μm以下であり、更に好ましくは500μm以下であり、更に好ましくは300μm以下であり、更に好ましくは250μm以下であり、更に好ましくは200μm以下であり、且つ、前記固形成分の粒径の80%以上が、通常500μm以下で有り、好ましくは300μm以下で有り、より好ましくは250μm以下であり、更に好ましくは200μm以下であり、更に好ましくは150μm以下であり、更に好ましくは100μm以下である。
尚、非水溶性固形成分の粒径とは、篩を使って分離し、前記篩を通過したものをその篩の口径から算出した粒径である。即ち、篩を、上から8、12、20、32、42、60、80、100、115、150、200、250及び280メッシュ等の篩並びに受皿の順に組み合せる。最上段の8メッシュ篩に非水溶性固形成分粒子を約50g入れ、自動振盈機で1分間振盈させる。各篩及び受皿上の非水溶性固形成分粒子の重量を秤量し、その合計を100%として重量分率により粒径分布を求める。特定メッシュの櫛の下のすべての受け皿の合計が前記粒径分布の合計値である100%になった場合、前記特定メッシュの口径から算出した大きさ(μm)をもって、その非水溶性固形成分の粒径とする。尚、各メッシュ篩は他のメッシュ篩を組み合わせてもよい。ここで、16メッシュパスは粒径1mm以下、20メッシュパスは粒径850μm以下、48メッシュパスは粒径300μm以下、60メッシュパスは粒径250μm以下、65メッシュパスは粒径200μm以下、80メッシュパスは粒径180μm以下、100メッシュパスは粒径150μm以下、115メッシュパスは粒径120μm以下、150メッシュパスは粒径100μm以下、250メッシュパスは粒径63μm以下とする。以下のメッシュも同様とする。
また、発熱組成物は、水分調整状態や余剰水量により、粉体又は粒状発熱組成物(易動水値が0.01未満)、発熱組成物(易動水値が0.01〜20)、シャーベット状発熱組成物(易動水値が20を超え50以下)に分類することができる。易動水値により分類された発熱組成物は前記通りである。
本発明における成形性とは、抜き穴を有する抜き型を用いた型通し成形や凹状の型を用いた鋳込み成形により、抜き穴や凹状型の形状で発熱組成物の積層体ができ、型離れを含め成形後、発熱組成物成形体の成形形状を維持することを示すものである。成形性があると発熱組成物成形体が少なくとも被覆材に覆われ、基材と被覆材の間にシール部が形成されるまで、形状が維持されるので、所望の形状でその形状周縁部でシールが出来、シール部に発熱組成物の崩れ片であるいわゆるゴマが散在しないので、シール切れがなくシールできる。ゴマの存在はシール不良の原因となる。
次に、上記成形性について、測定装置、測定方法及び判定法について説明する。
1)測定装置
測定装置については、走行可能な無端状ベルトの上側にステンレス製成形型(中央部に縦60mm×横40mmの四隅がR5に処理された抜き穴を有する厚さ2mm×縦200mm×横200mmの板〉と固定可能な擦り切り板を配置し、それと反対側である無端状ベルトの下側に磁石(厚さ12.5mm×縦24mm×横24mm、磁石が並列に2個)を配置する。前記磁石は、擦り切り板及びその近傍の領域、且つ、成形型の抜き穴の進行方向と垂直な方向の断辺(40mm)で覆われる領域より大きい領域を覆うものとする。
2)測定方法
測定方法については、前記測定装置の無端状ベルトの上に厚さ1mm×縦200mm×横200mmのステンレス板を置き、その上に厚み70μm×縦200mm×横200mmのポリエチレンフィルムを置き、更にその上にステンレス製成形型を置く。その後、前記成形型の抜き穴の無端状ベルトの進行側端部から50mmの位置に擦り切り板を固定後、前記擦り切り板と前記抜き穴の間で擦り切り板付近に発熱組成物50gを置き、無端状ベルトを1.8m/minで動かし、発熱組成物を擦り切りながら成形型の抜き穴へ充填する。
成形型が擦り切り板を完全に通過後、無端状ベルトの走行を停止しする。次に成形型を外し、ポリエチレンフィルム上に積層された発熱組成物成形体を観察する。
3)判定方法
判定方法については、前記発熱組成物成形体の周縁部において、最大長さが800μmを超える発熱組成物成形体の崩れ片が無く、最大長さ300から800μmの発熱組成物成形体の崩れ片が5個以内である場合に、前記発熱組成物は成形性があるとする。前記成形性は、成形方式に使用する発熱組成物には必須の性質である。これがないと成形方式によるヒートクロスの製造は不可能である。
次に、上記成形性について、測定装置、測定方法及び判定法について説明する。
1)測定装置
測定装置については、走行可能な無端状ベルトの上側にステンレス製成形型(中央部に縦60mm×横40mmの四隅がR5に処理された抜き穴を有する厚さ2mm×縦200mm×横200mmの板〉と固定可能な擦り切り板を配置し、それと反対側である無端状ベルトの下側に磁石(厚さ12.5mm×縦24mm×横24mm、磁石が並列に2個)を配置する。前記磁石は、擦り切り板及びその近傍の領域、且つ、成形型の抜き穴の進行方向と垂直な方向の断辺(40mm)で覆われる領域より大きい領域を覆うものとする。
2)測定方法
測定方法については、前記測定装置の無端状ベルトの上に厚さ1mm×縦200mm×横200mmのステンレス板を置き、その上に厚み70μm×縦200mm×横200mmのポリエチレンフィルムを置き、更にその上にステンレス製成形型を置く。その後、前記成形型の抜き穴の無端状ベルトの進行側端部から50mmの位置に擦り切り板を固定後、前記擦り切り板と前記抜き穴の間で擦り切り板付近に発熱組成物50gを置き、無端状ベルトを1.8m/minで動かし、発熱組成物を擦り切りながら成形型の抜き穴へ充填する。
成形型が擦り切り板を完全に通過後、無端状ベルトの走行を停止しする。次に成形型を外し、ポリエチレンフィルム上に積層された発熱組成物成形体を観察する。
3)判定方法
判定方法については、前記発熱組成物成形体の周縁部において、最大長さが800μmを超える発熱組成物成形体の崩れ片が無く、最大長さ300から800μmの発熱組成物成形体の崩れ片が5個以内である場合に、前記発熱組成物は成形性があるとする。前記成形性は、成形方式に使用する発熱組成物には必須の性質である。これがないと成形方式によるヒートクロスの製造は不可能である。
本発明の発熱組成物は、耐圧縮性を有するもので、ここで耐圧縮性とは成形型に収容した発熱組成物成形体を型内圧縮し、型厚みの70%の厚みを有する発熱組成物圧縮体が、圧縮前の発熱組成物成形体の発熱立ち上がり性(発熱組成物の発熱試験での試験開始後1分と3分での温度差)の80%以上の発熱立ち上がり性を保持することである。
ここで、耐圧縮性のための発熱立ち上がり性の測定法について説明する。
1.発熱組成物成形体、
1)脚付き支持台の塩化ビニル製支持板(厚さ3mm×長さ600mm×幅600mm)の裏面の中央部付近に成形型の抜き穴形状を覆うように磁石を設ける。
2)温度センサーを支持板の表面中央部上に置く。
3)厚さ約80μmの粘着剤層付き厚さ25μm×長さ250mm×幅200mmのポリエチレンフィルムの中央がセンサーのところにくるようにして、粘着層を介して支持板に貼り付ける。
4)長さ280mm×幅150mm×厚さ50μm〜2mmの敷板上に長さ230mm×幅155mm×厚さ25μm〜100μmのポリエチレンフィルムの一端が敷板の外側に約20mm出るようにし、且つ、その長さ方向は一端が敷板の一端とほぼ一致するようにポリエチレンを設置する。
5)前記敷板上のポリエチレンフィルム上に長さ80mm×幅50mm×高さ3mmの抜き穴を持つ長さ230mm×幅120mm×厚さ3mmの型板を置く。その場合、型板の長さ方向の一端を敷板とポリエチレンフィルムが一致して置かれている一端に合わせ、更に、幅方向において、ポリエチレンフィルムが敷板より外側にはみ出している側と反対の端部より約20mm中央部の位置に型板の幅の一端部がくるようにして、型板をポリエチレンフィルム上に設置する。次に、支持板上に敷板とともに置く。
6)その抜き穴付近に試料を置き、押し込み板を型板上に沿って動かし、試料を押し込みながら抜き穴へ入れ、型板面に沿って、試料を押し込みながら擦り切り(型押し込み成形)、型内に試料を充填する。
7)支持板下の磁石を除き、更に、はみ出したポリエチレンフィルムの端部を押さえ、敷板を除き、温度測定を開始する。
2.発熱組成物圧縮体
1)〜6)は、発熱組成物成形体の場合と同じである。
8)抜き穴と凹凸の関係で、ほぼぴったりと抜き穴に入る、厚さ0.9mmの凸部を有する押し型を抜き穴に合わせておき、ロールプレスや板プレスにて圧縮して、厚さ2.1mmの発熱組成物圧縮体を型内に作成する(型厚みの70%に圧縮)。
9)支持板上に敷板とともに置き、支持板下の磁石を除き、更に、はみ出したポリエチレンフィルムの端部を押さえ、敷板を除き、温度測定を開始する。
発熱温度の測定は、データコレクタを用い、測定タイミング2秒で、5分間温度測定をし、1分後と3分後の温度差をもって耐圧縮性を判定する。
圧縮後の厚みは、好ましくは型厚みの50〜99.5%であり、より好ましくは60〜99.5%であり、更に好ましくは60〜95%である。
尚、本発明において、発熱組成物成形体には、発熱組成物圧縮体を含むものとする。
ここで、耐圧縮性のための発熱立ち上がり性の測定法について説明する。
1.発熱組成物成形体、
1)脚付き支持台の塩化ビニル製支持板(厚さ3mm×長さ600mm×幅600mm)の裏面の中央部付近に成形型の抜き穴形状を覆うように磁石を設ける。
2)温度センサーを支持板の表面中央部上に置く。
3)厚さ約80μmの粘着剤層付き厚さ25μm×長さ250mm×幅200mmのポリエチレンフィルムの中央がセンサーのところにくるようにして、粘着層を介して支持板に貼り付ける。
4)長さ280mm×幅150mm×厚さ50μm〜2mmの敷板上に長さ230mm×幅155mm×厚さ25μm〜100μmのポリエチレンフィルムの一端が敷板の外側に約20mm出るようにし、且つ、その長さ方向は一端が敷板の一端とほぼ一致するようにポリエチレンを設置する。
5)前記敷板上のポリエチレンフィルム上に長さ80mm×幅50mm×高さ3mmの抜き穴を持つ長さ230mm×幅120mm×厚さ3mmの型板を置く。その場合、型板の長さ方向の一端を敷板とポリエチレンフィルムが一致して置かれている一端に合わせ、更に、幅方向において、ポリエチレンフィルムが敷板より外側にはみ出している側と反対の端部より約20mm中央部の位置に型板の幅の一端部がくるようにして、型板をポリエチレンフィルム上に設置する。次に、支持板上に敷板とともに置く。
6)その抜き穴付近に試料を置き、押し込み板を型板上に沿って動かし、試料を押し込みながら抜き穴へ入れ、型板面に沿って、試料を押し込みながら擦り切り(型押し込み成形)、型内に試料を充填する。
7)支持板下の磁石を除き、更に、はみ出したポリエチレンフィルムの端部を押さえ、敷板を除き、温度測定を開始する。
2.発熱組成物圧縮体
1)〜6)は、発熱組成物成形体の場合と同じである。
8)抜き穴と凹凸の関係で、ほぼぴったりと抜き穴に入る、厚さ0.9mmの凸部を有する押し型を抜き穴に合わせておき、ロールプレスや板プレスにて圧縮して、厚さ2.1mmの発熱組成物圧縮体を型内に作成する(型厚みの70%に圧縮)。
9)支持板上に敷板とともに置き、支持板下の磁石を除き、更に、はみ出したポリエチレンフィルムの端部を押さえ、敷板を除き、温度測定を開始する。
発熱温度の測定は、データコレクタを用い、測定タイミング2秒で、5分間温度測定をし、1分後と3分後の温度差をもって耐圧縮性を判定する。
圧縮後の厚みは、好ましくは型厚みの50〜99.5%であり、より好ましくは60〜99.5%であり、更に好ましくは60〜95%である。
尚、本発明において、発熱組成物成形体には、発熱組成物圧縮体を含むものとする。
本発明のヒートクロスの製造方法は成形方式により、発熱組成物成形体を基材上に積層し、更に被覆材で覆い、前記発熱組成物成形体の周辺部をシールすることにより、通気性を有する収納袋を構成する包材間に、発熱組成物成形体から構成される区分発熱部を設け、2個以上複数個離れて配置、固定され、前記区分発熱部の集合から発熱部が形成されたヒートクロスの製造方法において、前記区分発熱部の最大の幅が1〜20mmであり、最大の直径が1〜20mm(楕円等の径が2つ以上あるものは短径等の最も短い径を言う)であり、最高の高さが0.1〜20mmであり、区分発熱部の間隔が1〜20mmであり、前記発熱組成物は発熱物質、炭素成分、反応促進剤、水を必須成分とし、易動水値が0.01〜20であり、発熱組成物を構成する非水溶性固形成分の80%以上が粒径300m以下であり、且つ、最大粒径が1mm以下であり、前記包材が基材及び被覆材からなり、前記基材及び被覆材の少なくとも一方又は一部が通気性を有し、少なくともヒートクロスの周辺部がシールされていることを特徴とするヒートクロスの製造方法である。更に、前記基材及び被覆材はヒートシール層を有し、少なくとも一方のヒートシール層の上に粘着剤からなる粘着剤層を設け、基材、発熱組成物成形体、被覆材が少なくとも発熱組成物成形体の周縁部にて基材と被覆材を前記粘着層を介して、仮着し、仮着シール部を形成した後に、前記仮着シール部をヒートシールしヒートシール部を形成する。また、前記仮着シール部の幅より狭く、ヒートシールをし、その後、仮着シール部内でヒートシールされていない領域を発熱組成物を移動させることにより開着することを特徴とするヒートクロスの製造方法である。これにより、発熱組成物成形体が安定し、ヒートシールによる本格的シールが容易になり、シールずれ等がなくなり、高速で、細線のヒートシール幅化がシールなく、具現化でき、発熱部の区分けによる発熱時間の低下等の発熱特性を低下させることなく発熱部の区分けができる。
本発明の成形方式による、発熱部が区分化された区分発熱部を有するヒートクロスの好ましい製造方法は、型を使った成形法であれば如何なるものでもよいが、型通し成形法や鋳込み成形法が一例として挙げられる。
所望により、発熱組成物や発熱組成物成形体に型内圧縮や型外圧縮を行ってもよい。型内圧縮とは、発熱組成物が型内に存在している間に、柔軟性のあるゴムロール等により発熱組成物をするものであり、型外圧縮とは発熱組成物が型からはなれ、発熱組成物成形体になった後、前記発熱組成物成形体をロール等で圧縮するものである。これは通常、発熱組成物成形体を敷材及び/又は被覆材で覆った後に行うが、覆わなくてもよい。
本発明のヒートクロスは前記収納の工程後、シール工程、カット工程等を経てヒートクロスを製造する。前記シール工程、カット工程等は従来方法、装置から適宜選択して使用すればよい。
また、前記シール工程において、シールはシールできれば制限はないが、通常、ヒートシール又は圧着シール及びその混合が使用される。シール部の表面は無地、断面形状が凹凸状の模様、無地と断面形状が凹凸状の模様の混合の何れでもよい。模様の混合とはシール部の内側が無地で外側が模様又はシール部の内側が模様で外側が無地又は部分的に無地、部分的に模様のことである。また、裏が無地で、表が模様でもよいし、その逆でもよい。また模様の一部又は全部が重複模様であってもよい。従ってシールロールもそれに準じた無地や模様のシールロールを使用する。また、一対のシールロールで行ってもよいし、二対以上複数設置し、多重シールをしてもよい。例えば、2連、3連、4連、5連等の多重シールである。シール幅は同じであっても、異なっていてもよく適宜決めればよい。高速シールになるほど、連数は多くするのが好ましい。シールロールや温度をかけた圧着シールロールを使用する場合、一対のロールの温度は同じでもよいし、一つのロールと他のロールの温度が異なってもよい。
型通し成形法とは、抜き型を使用し、長尺の基材の上に型の抜き形状の発熱組成物成形体を積層する成形機とそれを長尺の被覆材で覆い、目的とする区分け部分及び基材と被覆材の周辺部をシール(ヒートシールや圧着シールや熱圧着シール等)できる回転式のシール器を用いて、そのシール器を介し、発熱組成物成形体の周辺部及び区分け部分の必要箇所をヒートシールし、封入処理する連続形成方法などである。
また、本発明の発熱組成物の成形には、磁石を使用してもよい。磁石を利用すると、発熱組成物の型内への収容や、その成形体の型からの離脱が容易にでき、発熱組成物成形体の成形がより容易になる。
鋳込み成形法とは、凹部を有する鋳込み型への充填と基材への移設により、発熱組成物成形体を長尺基材上へ積層する成型法である。連続式の場合は、ドラム状回転体による凹部への充填と基材への移設により、発熱組成物成形体を長尺基材上へ積層する成形機とそれを長尺の被覆材で覆い、目的とする区分け部分及び基材と被覆材の周辺部をシール(ヒートシールや圧着シールや熱圧着シール等)できる回転式のシール器を用いて、そのシール器を介し、発熱組成物成形体の縁部及び区分け部分の必要箇所をヒートシールし、封入処理する連続形成方法などである。
尚、少なくとも前記発熱組成物成形体と被覆材の間に通気性粘着剤層を設けたり、発熱組成物成形体と被覆材の間に不織布等の敷材を設けたりして、ヒートクロスを製造してもよい。少なくとも前記発熱組成物成形体と被覆材の間に通気性粘着剤層を設ける場合は、少なくとも前記発熱組成物成形体と被覆材の間に通気性粘着剤層が存在していれば、制限はない。例えば被覆材の発熱組成物成形体と対する面に設けてもよいし、前記発熱組成物成形体上や積層された前記発熱組成物成形体と基材に通気性粘着剤層設け、被覆材と発熱組成物成形体及び/又は基材と間での加圧等による仮着が一例として挙げられる。
また、前記基材及び基材上に積層された発熱組成物成形体と被覆材間を、粘着剤層により仮着してから、発熱組成物成形体の周辺部及びヒートクロスの周辺部である周辺シール部をヒートシールするヒートクロスの高速製造方法が可能になる。
前記製造方法により製造されたヒートクロスは剛軟度の低い柔軟性を有するヒートクロスや一方向は剛軟度が低く、他方向は剛軟度が高い柔軟性と強腰性を有するヒートクロスが製造できる。
易動水値とは、発熱組成物中に存在する水分の中で発熱組成物外へ移動できる余剰水分の量を示す値である。この易動水値について、図16乃至図20を使って説明する。図16に示すように、中心点から放射状に45度間隔で8本の線が書かれたNO.2(JIS P 3801 2種)の濾紙17を、図17及び図18に示すように、ステンレス板21上に置き、前記濾紙17の中心に、内径20mm×高さ8mmの中空円筒状の穴19を持つ長さ150mm×幅100mmの型板18を置き、その中空円筒状の穴19付近に試料20を置き、押し込み板14を型板18上に沿って動かし、試料20を押し込みながら中空円筒状の穴19へ入れ、型板18面に沿って、試料を擦り切る(型押し込み成形)。次に、図19に示すように、前記穴19を覆うように非吸水性の70μmポリエチレンフィルム16Aを置き、更にその上に、厚さ5mm×長さ150mm×幅150mmのステンレス製平板16を置き、発熱反応が起こらないようにして、5分間保持する。その後、図20に示すように、濾紙17を取り出し、放射状に書かれた線に沿って、水又は水溶液の浸みだし軌跡を中空円筒の穴の縁である円周部23から浸みだし先端までの距離22として、mm単位で読み取る。同様にして、各線上からその距離22を読み取り、合計8個の値を得る。読み取った8個の各値(a,b,c,d,e,f,g,h)を測定水分値とする。その8個の測定水分値を算術平均したものをその試料の水分値(mm)とする。また、真の水分値を測定するための水分量は内径20mm×高さ8mmの前記発熱組成物等の重量に相当する前記発熱組成物等の配合水分量とし、その水分量に相当する水のみで同様に測定し、同様に算出したものを真の水分値(mm)とする。水分値を真の水分値で除したものに100をかけた値が易動水値である。
即ち、
易動水値=[水分値(mm)/真の水分値(mm)]×100
同一試料に対して、5点測定し、その5個の易動水値を平均し、その平均値をその試料の易動水値とする。また、ヒートクロス中の発熱組成物の易動水値を測定する場合、真の水分値を測定する水分量は発熱組成物の赤外線水分計による水分量測定から発熱組成物の含水率を算出し、それを基に、測定に必要な水分量を算出し、前記水分量により真の水分値を測定算出する。
即ち、
易動水値=[水分値(mm)/真の水分値(mm)]×100
同一試料に対して、5点測定し、その5個の易動水値を平均し、その平均値をその試料の易動水値とする。また、ヒートクロス中の発熱組成物の易動水値を測定する場合、真の水分値を測定する水分量は発熱組成物の赤外線水分計による水分量測定から発熱組成物の含水率を算出し、それを基に、測定に必要な水分量を算出し、前記水分量により真の水分値を測定算出する。
本発明において、易動水値0.01〜20の余剰水量を有する発熱組成物を成形した発熱組成物成形体は、基材に積層し、被覆材を被せ、少なくとも発熱組成物成形体の周縁部をシールするだけでヒートクロスとすることができる。基材や被覆材等の包材に収納した後は、水分を添加する必要がない。従って、工程が著しく簡素化されるので、コスト的にも優位性がある。
本発明での易動水値(0〜100)は、0.01〜20であり、より好ましくは0.01〜18であり、更に好ましくは0.01〜15であり、更に好ましくは0.01〜13であり、更に好ましくは1〜13であり、更に好ましくは3〜13である。
本発明の余剰水を連結物質とした、成形性のある発熱組成物を成形した発熱組成物成形体を用いたヒートクロスは、前記発熱組成物は凝集助剤、乾燥結合剤、凝集化剤等を使用せず、易動水値0.01〜20で表される適量の余剰水を連結物質とするものである。
発熱組成物中の余剰水は適量になると、組成物の成分中の親水基に対しては双極子相互作用又は水素結合等によって水和し、また、疎水基の周辺においても高い構造性を有して存在すると推定される。これにより砂ダンゴ状態になり、発熱組成物の成形性が生ずると推定される。これは何らかの意味で連結物質である連結水である。これ以外に、自由に動ける自由水と呼べる状態の水分もあり、余剰水が増加すれば構造が軟化し、自由水が増加すると思われる。また、鉄粉が酸化反応を起こす支配因子は、水の存在量と鉄粉表面への酸素供給量である。吸着水膜(100Å未満)程度では水分が十分でなく、酸化速度は小さいといわれている。吸着膜が約1μm程度になると、水分量が十分になる。また、水膜の厚さが薄いため、鉄粉表面への酸素の供給も容易となり、大きな酸化速度を示す。更に膜が厚くなり、吸着膜が1μmを超えると、酸素供給量が減少すると推定される。一定以上の成形性と酸化速度を示す最適水分量を表す易動水値が0.01〜20であるとの知見を得、本発明を完成した。
即ち、適量の余剰水を用いることにより、水分の表面張力で各成分粒子をつなぎ止め、発熱組成物に成形性を生じさせ、水分が実質的にバリア層として機能しないため、発熱組成物は空気と接触して発熱する。更に、活性鉄粉を用いた発熱組成物や活性発熱組成物を用いることにより発熱立ち上がり性の著しく優れ、また、成形性の高い発熱組成物となる。また、成形積層方式により製造した発熱組成物成形体中の水分を包材や吸水性シートに移動させることなく発熱する。更に、発熱組成物成形体をシール部により区分けした区分発熱部を複数設けることにより、ヒートクロス自身が柔軟性を有し、人体各所や曲面を有する物体等の柔軟性の要求される箇所への装着に優れ、使用感に優れたヒートクロスを提供できる。
また、前記基材、被覆材及び発熱組成物成形体において、少なくとも被覆材と発熱組成物成形体とを粘着層を介して、仮着してから、発熱組成物成形体の周縁部及びヒートクロス周辺部をヒートシールすることにより、ヒートシールの確実性が向上するので、ヒートクロス製造の高速化及びヒートシール幅の小幅化が図れる。
本発明での易動水値(0〜100)は、0.01〜20であり、より好ましくは0.01〜18であり、更に好ましくは0.01〜15であり、更に好ましくは0.01〜13であり、更に好ましくは1〜13であり、更に好ましくは3〜13である。
本発明の余剰水を連結物質とした、成形性のある発熱組成物を成形した発熱組成物成形体を用いたヒートクロスは、前記発熱組成物は凝集助剤、乾燥結合剤、凝集化剤等を使用せず、易動水値0.01〜20で表される適量の余剰水を連結物質とするものである。
発熱組成物中の余剰水は適量になると、組成物の成分中の親水基に対しては双極子相互作用又は水素結合等によって水和し、また、疎水基の周辺においても高い構造性を有して存在すると推定される。これにより砂ダンゴ状態になり、発熱組成物の成形性が生ずると推定される。これは何らかの意味で連結物質である連結水である。これ以外に、自由に動ける自由水と呼べる状態の水分もあり、余剰水が増加すれば構造が軟化し、自由水が増加すると思われる。また、鉄粉が酸化反応を起こす支配因子は、水の存在量と鉄粉表面への酸素供給量である。吸着水膜(100Å未満)程度では水分が十分でなく、酸化速度は小さいといわれている。吸着膜が約1μm程度になると、水分量が十分になる。また、水膜の厚さが薄いため、鉄粉表面への酸素の供給も容易となり、大きな酸化速度を示す。更に膜が厚くなり、吸着膜が1μmを超えると、酸素供給量が減少すると推定される。一定以上の成形性と酸化速度を示す最適水分量を表す易動水値が0.01〜20であるとの知見を得、本発明を完成した。
即ち、適量の余剰水を用いることにより、水分の表面張力で各成分粒子をつなぎ止め、発熱組成物に成形性を生じさせ、水分が実質的にバリア層として機能しないため、発熱組成物は空気と接触して発熱する。更に、活性鉄粉を用いた発熱組成物や活性発熱組成物を用いることにより発熱立ち上がり性の著しく優れ、また、成形性の高い発熱組成物となる。また、成形積層方式により製造した発熱組成物成形体中の水分を包材や吸水性シートに移動させることなく発熱する。更に、発熱組成物成形体をシール部により区分けした区分発熱部を複数設けることにより、ヒートクロス自身が柔軟性を有し、人体各所や曲面を有する物体等の柔軟性の要求される箇所への装着に優れ、使用感に優れたヒートクロスを提供できる。
また、前記基材、被覆材及び発熱組成物成形体において、少なくとも被覆材と発熱組成物成形体とを粘着層を介して、仮着してから、発熱組成物成形体の周縁部及びヒートクロス周辺部をヒートシールすることにより、ヒートシールの確実性が向上するので、ヒートクロス製造の高速化及びヒートシール幅の小幅化が図れる。
本発明の成形性とは抜き穴を有する抜き型を用いた型通し成形や、凹状の型を用いた鋳込み成形により、抜き穴や凹状型の形状で発熱組成物の成形体ができ、型離れを含め成形後、発熱組成物成形体の成形形状を維持することを示すものである。
成形性があると発熱組成物成形体が少なくとも被覆材に覆われ、基材と被覆材の間にシール部が形成されるまで、形状が維持されるので、所望の形状でその形状周縁部でシールができ、シール部に発熱組成物の崩れ片であるいわゆるゴマが散在しないので、シール切れがなくシールできる。ゴマの存在はシール不良の原因となる。
1)測定装置としては、
走行可能な無端状ベルトの上側にステンレス製成形型(中央部に縦60mm×横40mmの四隅がR5に処理された抜き穴を有する厚さ2mm×縦200mm×横200mmの板)と固定可能な擦り切り板を配置し、それと反対側である無端状ベルトの下側に磁石(厚さ12.5mm×縦24mm×横24mmの磁石が並列に2個)を配置する。
前記磁石は、擦り切り板及びその近傍の領域、且つ、成形型の抜き穴の進行方向に対する最大断面の領域(40mm)より大きい領域を覆う。
2)測定法としては、
前記測定装置の無端状ベルトの上に厚さ1mm×縦200mm×横200mmのステンレス板を置き、その上に厚み70μm×縦200mm×横200mmのポリエチレンフィルムを置き、更にその上にステンレス製成形型を置く。
その後、前記成形型の抜き穴の無端状ベルトの進行側端部から50mmの位置に擦り切り板を固定後、前記擦り切り板と前記抜き穴の間で擦り切り板付近に発熱組成物50gを置き、無端状ベルトを1.8m/minで動かし、発熱組成物を擦り切りながら成形型の抜き穴へ充填する。成形型が擦り切り板を完全に通過後、無端状ベルトの走行を停止する。次に成形型を外し、ポリエチレンフィルム上に積層された発熱組成物成形体を観察する。
3)判定法としては、
前記発熱組成物成形体の周縁部において、最大長さが800μmを超える発熱組成物成形体の崩れ片がなく、最大長さ300から800μmの発熱組成物成形体の崩れ片が5個以内である場合に、前記発熱組成物は成形性があるとする。
成形方式に使用する発熱組成物には必須の性質である。これがないと成形方式によるヒートクロスの製造は不可能である。
成形性があると発熱組成物成形体が少なくとも被覆材に覆われ、基材と被覆材の間にシール部が形成されるまで、形状が維持されるので、所望の形状でその形状周縁部でシールができ、シール部に発熱組成物の崩れ片であるいわゆるゴマが散在しないので、シール切れがなくシールできる。ゴマの存在はシール不良の原因となる。
1)測定装置としては、
走行可能な無端状ベルトの上側にステンレス製成形型(中央部に縦60mm×横40mmの四隅がR5に処理された抜き穴を有する厚さ2mm×縦200mm×横200mmの板)と固定可能な擦り切り板を配置し、それと反対側である無端状ベルトの下側に磁石(厚さ12.5mm×縦24mm×横24mmの磁石が並列に2個)を配置する。
前記磁石は、擦り切り板及びその近傍の領域、且つ、成形型の抜き穴の進行方向に対する最大断面の領域(40mm)より大きい領域を覆う。
2)測定法としては、
前記測定装置の無端状ベルトの上に厚さ1mm×縦200mm×横200mmのステンレス板を置き、その上に厚み70μm×縦200mm×横200mmのポリエチレンフィルムを置き、更にその上にステンレス製成形型を置く。
その後、前記成形型の抜き穴の無端状ベルトの進行側端部から50mmの位置に擦り切り板を固定後、前記擦り切り板と前記抜き穴の間で擦り切り板付近に発熱組成物50gを置き、無端状ベルトを1.8m/minで動かし、発熱組成物を擦り切りながら成形型の抜き穴へ充填する。成形型が擦り切り板を完全に通過後、無端状ベルトの走行を停止する。次に成形型を外し、ポリエチレンフィルム上に積層された発熱組成物成形体を観察する。
3)判定法としては、
前記発熱組成物成形体の周縁部において、最大長さが800μmを超える発熱組成物成形体の崩れ片がなく、最大長さ300から800μmの発熱組成物成形体の崩れ片が5個以内である場合に、前記発熱組成物は成形性があるとする。
成形方式に使用する発熱組成物には必須の性質である。これがないと成形方式によるヒートクロスの製造は不可能である。
本発明のミシン目とは、区分け部の曲げ性を上げるために断続的に切断されたものや手切れが可能なほどに断続的に切断されたものである。その程度、長さ、口径には制限はなく、所望により決める。このミシン目はすべての区分け部に設けてもよいし、部分的に設けてもよい。形状は制限はなく、円形、楕円形、矩形、正方形、切れ目(線状)等が一例として挙げられる。例えば、手切れ可能なほどに断続的に切断されたミシン目は口径φ10〜1200μmの円形の穴が一例として挙げられる。穴の口径は、より好ましくはφ20〜500μmである。
上記穴は縦横それぞれ整列した位置にあることが好ましい。また、縦横それぞれ隣り合う穴の外周の最短間の間隔は、曲げ性や手切れ可能性を満足するものであれば制限はないが、好ましくは10〜2000μmであり、より好ましくは10〜1500μmであり、更に好ましくは20〜1000μmであり、更に好ましくは20〜500μmであり、更に好ましくは20〜200μmである。孔の口径と縦横それぞれ隣り合う穴の外周の最短間の間隔のバランスにより、手切れ性が著しく向上されるものである。
前記穴が切れ目でもよく、その長さは孔の口径に相当する長さでもよく、それよりも大きいものでもよい。縦横それぞれ隣り合う切れ目の端部の最短間の間隔は縦横それぞれ隣り合う穴の外周の最短間の間隔に相当する。
例えば、口径φ10〜2000μmの穴は10〜2000μmの長さであり、縦横それぞれ隣り合う穴の外周の最短間の間隔10〜2000μmは、縦横それぞれ隣り合う切れ目の端部の最短間の間隔10〜2000μmに相当する。
切れ目の場合、一方向に長くなるので、その長さは長くでき、10〜50,000μmでもよく、縦横それぞれ隣り合う切れ目の最短間の間隔は、1〜5,000μmでもよい。
上記穴は縦横それぞれ整列した位置にあることが好ましい。また、縦横それぞれ隣り合う穴の外周の最短間の間隔は、曲げ性や手切れ可能性を満足するものであれば制限はないが、好ましくは10〜2000μmであり、より好ましくは10〜1500μmであり、更に好ましくは20〜1000μmであり、更に好ましくは20〜500μmであり、更に好ましくは20〜200μmである。孔の口径と縦横それぞれ隣り合う穴の外周の最短間の間隔のバランスにより、手切れ性が著しく向上されるものである。
前記穴が切れ目でもよく、その長さは孔の口径に相当する長さでもよく、それよりも大きいものでもよい。縦横それぞれ隣り合う切れ目の端部の最短間の間隔は縦横それぞれ隣り合う穴の外周の最短間の間隔に相当する。
例えば、口径φ10〜2000μmの穴は10〜2000μmの長さであり、縦横それぞれ隣り合う穴の外周の最短間の間隔10〜2000μmは、縦横それぞれ隣り合う切れ目の端部の最短間の間隔10〜2000μmに相当する。
切れ目の場合、一方向に長くなるので、その長さは長くでき、10〜50,000μmでもよく、縦横それぞれ隣り合う切れ目の最短間の間隔は、1〜5,000μmでもよい。
本発明における剛軟度とは、剛性(ハリ、コシ)又は柔軟性を示し、JIS−L−1096A法(45°カンチレバー法)に準じ、試料としてヒートクロス自身を用いたこと以外は同法に従ったものである。即ち、一端が45度の斜面をもつ表面の滑らかな水平台の上にヒートクロスの一辺をスケール基線に合わせて置く。次に、適当な方法によってヒートクロスを斜面の方向に緩やかに滑らせて、ヒートクロスの一端の中央点が斜面Aと接したときに他端の位置をスケールによって読む。剛軟度はヒートクロスが移動した長さ(mm)で示され、それぞれヒートクロス5枚を測り、縦方向及び横方向、又は、一方向及びそれと直交する方向それぞれの平均値でそれぞれの方向の剛軟度を表す(整数位まで)。ただし、測定にあたって、粘着剤層付きヒートクロスの粘着剤側面を水平台側面と相対するようにして測定する場合には、セパレータを付けた粘着剤側面が水平台側面に相対するようにおく。いずれにしても、最小の剛軟度が測定される側の測定値を採用する。
また、
1)水平台にはヒートクロスの発熱組成物入り発熱部が幅5mm以上×長さ20mm以上残っていること。ただし、長さは発熱組成物が存在している領域を横断していること又は発熱組成物が存在している領域と存在していない領域を直線的に横断していること。
2)粘着剤層付きヒートクロスの場合は粘着剤層のセパレータとして剛軟度30mm以下のプラスチックフィルム、或いは、厚み50μm以下、好ましくは25μm以下の腰のない、或いは、軽く揉んでシワができるプラスチックフィルム等の腰のない、柔らかいフィルムを使用し、粘着剤層に添って設けること。また、基材及び/又は被覆材の剛軟度は100mm×200mmの試験片を作成し、200mm方向の剛軟度を採用する。
本発明では、少なくとも一方向の剛軟度は、通常100mm以下であり、好ましくは80mm以下であり、より好ましくは50mm以下であり、更に好ましくは30mm以下であり、更に好ましくは20mm以下である。
また、
1)水平台にはヒートクロスの発熱組成物入り発熱部が幅5mm以上×長さ20mm以上残っていること。ただし、長さは発熱組成物が存在している領域を横断していること又は発熱組成物が存在している領域と存在していない領域を直線的に横断していること。
2)粘着剤層付きヒートクロスの場合は粘着剤層のセパレータとして剛軟度30mm以下のプラスチックフィルム、或いは、厚み50μm以下、好ましくは25μm以下の腰のない、或いは、軽く揉んでシワができるプラスチックフィルム等の腰のない、柔らかいフィルムを使用し、粘着剤層に添って設けること。また、基材及び/又は被覆材の剛軟度は100mm×200mmの試験片を作成し、200mm方向の剛軟度を採用する。
本発明では、少なくとも一方向の剛軟度は、通常100mm以下であり、好ましくは80mm以下であり、より好ましくは50mm以下であり、更に好ましくは30mm以下であり、更に好ましくは20mm以下である。
本発明におけるヒートクロス又は発熱部の剛軟度率とは、一方向におけるヒートクロス又は発熱部の全長に対する剛軟度率であり、次式により算出される。
剛軟度率=(A/B)×100
A:一方向におけるヒートクロス又は発熱部の剛軟度
B:前記一方向におけるヒートクロス又は発熱部の全長
本発明では、少なくとも一方向の剛軟度率は、通常50以下であり、好ましくは40以下であり、より好ましくは30以下である。
剛軟度率=(A/B)×100
A:一方向におけるヒートクロス又は発熱部の剛軟度
B:前記一方向におけるヒートクロス又は発熱部の全長
本発明では、少なくとも一方向の剛軟度率は、通常50以下であり、好ましくは40以下であり、より好ましくは30以下である。
本発明における剛軟度比とは、ヒートクロス又は発熱部の厚み方向と直交する面において、一方向の剛軟度と、それと直交する方向の剛軟度において小さい剛軟度に対する比である。剛軟度比は、好ましくは2以上である。
本発明におけるスジ状に間隔をおいて設けた区分発熱部を有するヒートクロスの場合は、直角方向になる2方向における剛軟度の差の絶対値が最大になる、平行六面体形状の区分発熱部をスジ状に間隔をおいて設けたヒートクロスや、更に粘着剤層を設けたヒートクロスや、その粘着剤層をスジ状に間隔をおいて設けたヒートクロスは、一方向に対して非常に柔軟性であり、一方向に対しては剛性であるので、肩こり、腰痛、筋肉疲労等の症状を緩和し、特に生理痛の症状緩和する等の効能を発揮する。更に、ヒートクロスの幅方向に、ほぼ幅寸法の大きさで巻けて、コンパクトになり、収納にも便利である。またセパレータ付きの場合は剛軟度の低いセパレータを使用すれば巻くことができる。
また、身体に沿わせてヒートクロスを設ける場合、身体は二次的曲面が多く、肩、脚、腹、腰、腕等は1方向は、ほぼ直線的になっており、他の2方向はほぼ曲面から造られる。従って、1方向はほぼ直線的であり、他の2方向は曲面を造ることができる本発明のヒートクロスは2次元的曲面が造れるので、身体にうまく沿わすことができ、身体の採暖や諸症状の緩和、治療に最適である。
また、本発明のヒートクロスは凸部区分発熱部の大きさや間隔を調整することにより、柔軟で、均一温度分布を示す発熱部や模様状温度分布を示す発熱部が得られる。模様状温度分布により、加温部のつぼ効果を向上させることができる。
スジ状に間隔をおいて設けた区分発熱部を有するヒートクロスにおいて、厚み方向に直交する面における剛軟度の最小剛軟度は、好ましくは50mm以下であり、より好ましくは40mm以下であり、更に好ましくは30mm以下であり、更に好ましくは5〜30mmである。
この剛軟度及び剛軟度比は、少なくとも20〜60℃の間で保持される。
また、身体に沿わせてヒートクロスを設ける場合、身体は二次的曲面が多く、肩、脚、腹、腰、腕等は1方向は、ほぼ直線的になっており、他の2方向はほぼ曲面から造られる。従って、1方向はほぼ直線的であり、他の2方向は曲面を造ることができる本発明のヒートクロスは2次元的曲面が造れるので、身体にうまく沿わすことができ、身体の採暖や諸症状の緩和、治療に最適である。
また、本発明のヒートクロスは凸部区分発熱部の大きさや間隔を調整することにより、柔軟で、均一温度分布を示す発熱部や模様状温度分布を示す発熱部が得られる。模様状温度分布により、加温部のつぼ効果を向上させることができる。
スジ状に間隔をおいて設けた区分発熱部を有するヒートクロスにおいて、厚み方向に直交する面における剛軟度の最小剛軟度は、好ましくは50mm以下であり、より好ましくは40mm以下であり、更に好ましくは30mm以下であり、更に好ましくは5〜30mmである。
この剛軟度及び剛軟度比は、少なくとも20〜60℃の間で保持される。
保水率とは、下記の方法で測定、算出したものである。約5cmの長さにカットし、よく開繊された試料繊維約1gを純水中に浸漬し、20分間(20℃)経過後、遠心脱水機を用いて2000rpmの回転で繊維間の水を除去する。このようにして調整した試料の重量(W1)を測定する。次に前記試料を80℃の真空乾燥機中で恒量になるまで乾燥して重量(W2)を測定する。次式により保水率を算出する。
保水率(%)=[(W1−W2)/W2]×100
本発明においては保水率20%以上が好ましい。
保水率(%)=[(W1−W2)/W2]×100
本発明においては保水率20%以上が好ましい。
本発明において、実質的に平面状とは、発熱組成物を収納するために予め設けられた収納用のポケット、収納区画、収納区域等の収納用凹部を有しない平らな面をいう。従って、意図的に発熱組成物を収納しない凹凸は存在してもよい。
本発明のポケットとは、発熱組成物を収納するために、予め包材に設けられた収納用ポケットであり、特表2001−507593号公報に記載されているようなポケットである。意図的な発熱組成物成形体の収納用でない凹凸はポケットではないので、そのような凹凸が基材にあっても、実質的な平面状の基材とする。
前記収納区画とは、発熱組成物を収納するために、予め包材に設けられた収納用収納区画であり、特許316160号公報、特表平11−508314号公報に記載されているような収納区画である。意図的な発熱組成物成形体の収納用でない凹凸は収納区画ではないので、そのような凹凸が基材にあっても、実質的な平面状の基材とする。
前記収納区域とは、発熱組成物を収納するために、予め包材に設けられた収納用収納区域であり、特許316160号公報、特表平11−508314号公報に記載されているような収納区域である。意図的な発熱組成物成形体の収納用でない凹凸は収納区域ではないので、そのような凹凸が基材にあっても、実質的な平面状の基材とする。
本発明のポケットとは、発熱組成物を収納するために、予め包材に設けられた収納用ポケットであり、特表2001−507593号公報に記載されているようなポケットである。意図的な発熱組成物成形体の収納用でない凹凸はポケットではないので、そのような凹凸が基材にあっても、実質的な平面状の基材とする。
前記収納区画とは、発熱組成物を収納するために、予め包材に設けられた収納用収納区画であり、特許316160号公報、特表平11−508314号公報に記載されているような収納区画である。意図的な発熱組成物成形体の収納用でない凹凸は収納区画ではないので、そのような凹凸が基材にあっても、実質的な平面状の基材とする。
前記収納区域とは、発熱組成物を収納するために、予め包材に設けられた収納用収納区域であり、特許316160号公報、特表平11−508314号公報に記載されているような収納区域である。意図的な発熱組成物成形体の収納用でない凹凸は収納区域ではないので、そのような凹凸が基材にあっても、実質的な平面状の基材とする。
本発明のヒートクロスは、各種形状、厚み、温度帯のものが得られるため、通常の身体採暖用の外、関節用、美顔用、目用、痩身用、点滴液加温・保温用、温熱湿布用、薬剤カイロ用、頚部用、腰用、マスク用、手袋用、痔瘻用、或いは、肩痛、筋肉痛、生理痛等の症状緩和用、座布団用、手術中の人体加温・保温用、温熱シート用、蒸散芳香用、腹部用、蒸散殺虫用、癌治療用等の各用途に用いることができる。更に、機械類やペット等への加温・保温用等へ利用できる。
例えば、症状緩和用として使用する場合は、本発明のヒートクロスを身体の必要部位に直接あてがうか、布等を介して間接的にあてがう。また、手術中の人体加温・保温用として使用する場合は、
1.加温・保温を必要とする身体にヒートクロスを直接あてがう、
2.カバー等にヒートクロスを固定して身体にかける、
3.身体の下側に敷く敷物等にヒートクロスを固定する、
4.予め、ヒートクロスを備える製品としてのカバーや敷物として使用する、等の使用方法が一例として挙げられる。尚、筋肉や骨格等の痛みとは、急性筋肉痛、急性骨格痛、急性関連痛、既往筋肉痛、既往骨格痛、慢性関連痛、膝や肘等の関節痛等が一例として挙げられる。
前記維持時間は制限はないが、好ましくは20秒〜24時間であり、より好ましくは1時間〜24時間であり、更に好ましくは8時間〜24時間である。
維持温度は、好ましくは30〜50℃であり、より好ましくは32〜50℃であり、更に好ましくは32〜43℃であり、更に好ましくは32〜41℃であり、更に好ましくは32〜39℃である。
1.加温・保温を必要とする身体にヒートクロスを直接あてがう、
2.カバー等にヒートクロスを固定して身体にかける、
3.身体の下側に敷く敷物等にヒートクロスを固定する、
4.予め、ヒートクロスを備える製品としてのカバーや敷物として使用する、等の使用方法が一例として挙げられる。尚、筋肉や骨格等の痛みとは、急性筋肉痛、急性骨格痛、急性関連痛、既往筋肉痛、既往骨格痛、慢性関連痛、膝や肘等の関節痛等が一例として挙げられる。
前記維持時間は制限はないが、好ましくは20秒〜24時間であり、より好ましくは1時間〜24時間であり、更に好ましくは8時間〜24時間である。
維持温度は、好ましくは30〜50℃であり、より好ましくは32〜50℃であり、更に好ましくは32〜43℃であり、更に好ましくは32〜41℃であり、更に好ましくは32〜39℃である。
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
1 ヒートクロス
2 区分発熱部
2B 発熱組成物成形体
3 区分け部
3A 周辺シール部
4 ミシン目
4A ノッチ
5 基材
6 被覆材
7 粘着剤層
7A 温熱緩衝シート
8 バンド
8A 長手方向と交わる方向に伸縮可能な素材
8B 空間
9 固定手段(面ファスナー等)
10 セパレータ
11 ダイス
11a ダイスの穴
12 型
12a 型穴
13 磁石
14 押し込み板
15 擦り切り板
16 平板
16A 非吸水性フィルム(ポリエチレンフィルム等)
17 中心点から放射状に45度間隔で8本の線がかかれた濾紙
18 中空円筒状の穴を持つ型板
19 穴
20 試料
21 ステンレス板
22 水又は溶液の浸みだし先端までの距離
23 濾紙上の中空円筒状の穴相当位置
2 区分発熱部
2B 発熱組成物成形体
3 区分け部
3A 周辺シール部
4 ミシン目
4A ノッチ
5 基材
6 被覆材
7 粘着剤層
7A 温熱緩衝シート
8 バンド
8A 長手方向と交わる方向に伸縮可能な素材
8B 空間
9 固定手段(面ファスナー等)
10 セパレータ
11 ダイス
11a ダイスの穴
12 型
12a 型穴
13 磁石
14 押し込み板
15 擦り切り板
16 平板
16A 非吸水性フィルム(ポリエチレンフィルム等)
17 中心点から放射状に45度間隔で8本の線がかかれた濾紙
18 中空円筒状の穴を持つ型板
19 穴
20 試料
21 ステンレス板
22 水又は溶液の浸みだし先端までの距離
23 濾紙上の中空円筒状の穴相当位置
(実施例1)
発熱組成物として、還元鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)7.0重量部、木粉(粒度300μm以下)5.0重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)0.8重量部、消石灰0.2重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水を混合した易動水値10の発熱組成物を使用した。
次に、図1、図2(a)及び図3に示すように、幅5mm×長さ80mmの抜き穴が5mm間隔で8個ある抜き型を用いた型通し成形で、前記発熱組成物を用いて、セパレータ10付き厚さ30μmのアクリル系粘着剤層7を設けたポリエチレンフィルム5Bからなる基材5のポリエチレンフィルム5B面上に、8個の区分発熱部2を形成するようにして発熱組成物成形体2Bを設け、次に、その上にポリエチレン製多孔質フィルム6Bを目付量40g/m2のナイロン製不織布6Aとを積層した通気性被覆材6を被せ、各発熱組成物成形体2Bの周縁部及びヒートクロス1の外周部をシールした。
隣接する発熱組成物成形体2B間のシール部である区分け部3は、3mmのシール幅でヒートシールした。また、ヒートクロス1の外周部は8mmのシール幅でシールすることにより、外寸で長さ98mm×幅91mmのヒートクロス1を得た。
尚、通気性被覆材6の通気性はリッシー法の透湿度で、400g/m2/24hrであった。また、剛軟度は、発熱部の長辺方向(ストライプ方向と直交する方向)が最少の剛軟度を示し、20mmであったため、使用感が非常に優れていた。また、このヒートクロス1は巻回することができ、コンパクトになり、収納にも便利である。このヒートクロス1を非通気性収納袋(以下、外袋と言う)に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からヒートクロスを取り出し、身体発熱試験を行ったが、3分で、温かく感じ、温かさが7時間続いた。同時に、曲面フィット性、巻回性、使い勝手について評価したがすべて優秀であった。
尚、図2(b)は、粘着剤層の中央部に温熱緩衝シート7Aを設けた他の実施例の断面図である。
図4は、ポリエチレンフィルム5Bにポリプロピレン製不織布5Aをラミネートした基材5とした例である。
発熱組成物として、還元鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)7.0重量部、木粉(粒度300μm以下)5.0重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)0.8重量部、消石灰0.2重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水を混合した易動水値10の発熱組成物を使用した。
次に、図1、図2(a)及び図3に示すように、幅5mm×長さ80mmの抜き穴が5mm間隔で8個ある抜き型を用いた型通し成形で、前記発熱組成物を用いて、セパレータ10付き厚さ30μmのアクリル系粘着剤層7を設けたポリエチレンフィルム5Bからなる基材5のポリエチレンフィルム5B面上に、8個の区分発熱部2を形成するようにして発熱組成物成形体2Bを設け、次に、その上にポリエチレン製多孔質フィルム6Bを目付量40g/m2のナイロン製不織布6Aとを積層した通気性被覆材6を被せ、各発熱組成物成形体2Bの周縁部及びヒートクロス1の外周部をシールした。
隣接する発熱組成物成形体2B間のシール部である区分け部3は、3mmのシール幅でヒートシールした。また、ヒートクロス1の外周部は8mmのシール幅でシールすることにより、外寸で長さ98mm×幅91mmのヒートクロス1を得た。
尚、通気性被覆材6の通気性はリッシー法の透湿度で、400g/m2/24hrであった。また、剛軟度は、発熱部の長辺方向(ストライプ方向と直交する方向)が最少の剛軟度を示し、20mmであったため、使用感が非常に優れていた。また、このヒートクロス1は巻回することができ、コンパクトになり、収納にも便利である。このヒートクロス1を非通気性収納袋(以下、外袋と言う)に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からヒートクロスを取り出し、身体発熱試験を行ったが、3分で、温かく感じ、温かさが7時間続いた。同時に、曲面フィット性、巻回性、使い勝手について評価したがすべて優秀であった。
尚、図2(b)は、粘着剤層の中央部に温熱緩衝シート7Aを設けた他の実施例の断面図である。
図4は、ポリエチレンフィルム5Bにポリプロピレン製不織布5Aをラミネートした基材5とした例である。
(比較例1)
易動水値0.01以下にした以外は、実施例1と同様にして発熱組成物成形体を製造した。実施例1と同様にしてヒートクロスを製造したが、発熱組成物成形体の周縁部に発熱組成物成形体の崩れ片が散在し、シール部でシール切れが生じた。また、身体発熱試験を行ったが、温度が上がり過ぎたり、温度が一定せず、ヒートクロスとしては、使用できなかった。
易動水値0.01以下にした以外は、実施例1と同様にして発熱組成物成形体を製造した。実施例1と同様にしてヒートクロスを製造したが、発熱組成物成形体の周縁部に発熱組成物成形体の崩れ片が散在し、シール部でシール切れが生じた。また、身体発熱試験を行ったが、温度が上がり過ぎたり、温度が一定せず、ヒートクロスとしては、使用できなかった。
(比較例2)
隣接する発熱組成物成形体2B間をシールしない以外は、実施例1と同様にしてヒートクロスの外周部を8mmのシール幅でシールし、実施例1と同様の(長さ91mm×幅96mm)外寸長さ134mm×幅96mmのヒートクロスを得た。また、実施例1と同様にしてヒートクロスの実用性について評価したが、曲面フィット性、巻回性、使い勝手についてともに、悪かった。
隣接する発熱組成物成形体2B間をシールしない以外は、実施例1と同様にしてヒートクロスの外周部を8mmのシール幅でシールし、実施例1と同様の(長さ91mm×幅96mm)外寸長さ134mm×幅96mmのヒートクロスを得た。また、実施例1と同様にしてヒートクロスの実用性について評価したが、曲面フィット性、巻回性、使い勝手についてともに、悪かった。
(実施例2)
酸化性ガス処理装置として換気扇の羽形状の回転翼を備えたミキサーからなるバッチ式撹拌槽を酸化性ガス接触処理装置として使い、酸化性ガスとして空気を用いた。まず、還元鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、11%食塩水5重量部からなる、易動水値0.01以下の反応混合物を接触処理装置容器内に入れた。次に、20℃の環境下、前記接触処理装置容器の上部は開放形で、空気中に開放した状態で、撹拌しながら、自己発熱させ、約20秒後、反応混合物の温度上昇分が15℃になった時点で非通気性収納袋に封入し、室温まで冷やし、発熱混合物を得た。前記発熱混合物のウスタイトの量10%であった。次に前記接触処理済み反応混合物に活性炭(粒度300μm以下)5.3重量部、木粉(粒度300μm以下)5重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)1.2重量部、消石灰0.2重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水を混合し、易動水値5の発熱組成物を得た。
次に、中心部に幅10mmのスペースを設け、それを挟んで、それぞれ幅5mm×長さ35mmの抜き穴が5mm間隔で8個、合計16個の抜き穴を有する抜き型により成形された発熱組成物を基材に積層した。
基材としては、80μmのヒートシール層付きポリエチレンフィルムを、通気性被覆材としては、80μmのヒートシール層付きポリエチレン製多孔質フィルムに目付量40g/m2のナイロン不織布からなる包材の多孔質フィルム側にSIS系粘着剤をメルトブロー法にて蜘蛛の巣状に設けた粘着剤層設けたものを使用した。
そして、図5に示すように、最長外寸の横223mm×縦95mmのヒートクロス1にSIS系粘着剤をメルトブロー法にて蜘蛛の巣状に設けた粘着剤層付きヒートクロス1とした。このヒートクロス1は、幅10mm×長さ45mm×高さ2mmの区分発熱部2を有しており、隣接する区分発熱部2間のシールは、幅5mmでシールされ、8個の区分発熱部2のグループが2つ形成されている。各グループは、中央の幅7mmの間隔を存して設けられている。
前記基材、発熱組成物成形体及び被覆材が通気性粘着剤層にて仮着された後に、前記発熱組成物成形体の周縁部及びヒートクロス周辺部をヒートシールした。仮着シール部の20℃でのシール強度は200g/25mmであった。また仮着後ヒートシールしたヒートシール部の60℃ヒートシール強度は1500g/25mmであった。区分発熱部のシール幅は5mm、ヒートクロス周辺部のシール幅は、横方向端部10mm、他部は8mmである。尚、通気性被覆材の通気度はリッシー法の透湿度で、260g/m2/24hrであった。通気性を有する面の表面は不織布が、非通気性の他面には、SIS系粘着剤をメルトブロー法にて蜘蛛の巣状に設けた、セパレータ付き粘着剤層が設けられてけられているヒートクロスを得た。そのヒートクロスを外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からヒートクロスを取り出し、身体発熱試験を行ったが、3分で、温かく感じ、温かさが7時間続いた。同時に、曲面フィット性、巻回性、使い勝手について評価したがすべて優秀であった。
尚、上記区分発熱部2の幅は、等幅であるが、中央部の区分発熱部2の幅を最長となるようにして、両端部を最短となるようにすることもできる。
酸化性ガス処理装置として換気扇の羽形状の回転翼を備えたミキサーからなるバッチ式撹拌槽を酸化性ガス接触処理装置として使い、酸化性ガスとして空気を用いた。まず、還元鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、11%食塩水5重量部からなる、易動水値0.01以下の反応混合物を接触処理装置容器内に入れた。次に、20℃の環境下、前記接触処理装置容器の上部は開放形で、空気中に開放した状態で、撹拌しながら、自己発熱させ、約20秒後、反応混合物の温度上昇分が15℃になった時点で非通気性収納袋に封入し、室温まで冷やし、発熱混合物を得た。前記発熱混合物のウスタイトの量10%であった。次に前記接触処理済み反応混合物に活性炭(粒度300μm以下)5.3重量部、木粉(粒度300μm以下)5重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)1.2重量部、消石灰0.2重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水を混合し、易動水値5の発熱組成物を得た。
次に、中心部に幅10mmのスペースを設け、それを挟んで、それぞれ幅5mm×長さ35mmの抜き穴が5mm間隔で8個、合計16個の抜き穴を有する抜き型により成形された発熱組成物を基材に積層した。
基材としては、80μmのヒートシール層付きポリエチレンフィルムを、通気性被覆材としては、80μmのヒートシール層付きポリエチレン製多孔質フィルムに目付量40g/m2のナイロン不織布からなる包材の多孔質フィルム側にSIS系粘着剤をメルトブロー法にて蜘蛛の巣状に設けた粘着剤層設けたものを使用した。
そして、図5に示すように、最長外寸の横223mm×縦95mmのヒートクロス1にSIS系粘着剤をメルトブロー法にて蜘蛛の巣状に設けた粘着剤層付きヒートクロス1とした。このヒートクロス1は、幅10mm×長さ45mm×高さ2mmの区分発熱部2を有しており、隣接する区分発熱部2間のシールは、幅5mmでシールされ、8個の区分発熱部2のグループが2つ形成されている。各グループは、中央の幅7mmの間隔を存して設けられている。
前記基材、発熱組成物成形体及び被覆材が通気性粘着剤層にて仮着された後に、前記発熱組成物成形体の周縁部及びヒートクロス周辺部をヒートシールした。仮着シール部の20℃でのシール強度は200g/25mmであった。また仮着後ヒートシールしたヒートシール部の60℃ヒートシール強度は1500g/25mmであった。区分発熱部のシール幅は5mm、ヒートクロス周辺部のシール幅は、横方向端部10mm、他部は8mmである。尚、通気性被覆材の通気度はリッシー法の透湿度で、260g/m2/24hrであった。通気性を有する面の表面は不織布が、非通気性の他面には、SIS系粘着剤をメルトブロー法にて蜘蛛の巣状に設けた、セパレータ付き粘着剤層が設けられてけられているヒートクロスを得た。そのヒートクロスを外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からヒートクロスを取り出し、身体発熱試験を行ったが、3分で、温かく感じ、温かさが7時間続いた。同時に、曲面フィット性、巻回性、使い勝手について評価したがすべて優秀であった。
尚、上記区分発熱部2の幅は、等幅であるが、中央部の区分発熱部2の幅を最長となるようにして、両端部を最短となるようにすることもできる。
(実施例3)
実施例1の還元鉄粉を、スポンジ鉄を活性炭で被覆処理した炭素成分2重量%含有の鉄粉(粒度300μm以下)に変えた以外は、実施例1と同様の発熱組成物及び基材、被覆材を使用し、幅5mm×長さ80mmの抜き穴が7mm間隔で12個ある抜き型を用いた型通し成形で、発熱組成物成形体を成形し、基材上に積層し、被覆材で覆い、発熱組成物成形体2Bの周縁部をシール幅5mmでシールし、区分け部3を形成し、ヒートクロス1の周縁部をシール幅8mmでシールし、且つ、その区分け部3に手切れ可能なミシン目4を設けて、12個の長方形の区分発熱部2を有する長さ153mm×幅98mmのミシン目4付きヒートクロス1を得た(図6)。
このヒートクロス1を、非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からヒートクロス1を取り出し、発熱試験を行ったが、3分で、34℃に達し、34℃以上の発熱維持時間は8時間と長かった。また、ヒートクロス1を前記中央部の端より、ミシン目4に沿って手で左右に引くことにより、簡単に、6個の区分発熱部を有するヒートクロス1を2個作成できた。発熱試験の結果も満足いく結果であった。また、ヒートクロス1の身体試験にて、曲面フィット性、巻回性、使い勝手について評価したが手切れ前のヒートクロス1も手切れ後のヒートクロス1も全て優秀であった。
実施例1の還元鉄粉を、スポンジ鉄を活性炭で被覆処理した炭素成分2重量%含有の鉄粉(粒度300μm以下)に変えた以外は、実施例1と同様の発熱組成物及び基材、被覆材を使用し、幅5mm×長さ80mmの抜き穴が7mm間隔で12個ある抜き型を用いた型通し成形で、発熱組成物成形体を成形し、基材上に積層し、被覆材で覆い、発熱組成物成形体2Bの周縁部をシール幅5mmでシールし、区分け部3を形成し、ヒートクロス1の周縁部をシール幅8mmでシールし、且つ、その区分け部3に手切れ可能なミシン目4を設けて、12個の長方形の区分発熱部2を有する長さ153mm×幅98mmのミシン目4付きヒートクロス1を得た(図6)。
このヒートクロス1を、非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からヒートクロス1を取り出し、発熱試験を行ったが、3分で、34℃に達し、34℃以上の発熱維持時間は8時間と長かった。また、ヒートクロス1を前記中央部の端より、ミシン目4に沿って手で左右に引くことにより、簡単に、6個の区分発熱部を有するヒートクロス1を2個作成できた。発熱試験の結果も満足いく結果であった。また、ヒートクロス1の身体試験にて、曲面フィット性、巻回性、使い勝手について評価したが手切れ前のヒートクロス1も手切れ後のヒートクロス1も全て優秀であった。
(実施例4)
実施例3と同様なヒートクロス1を作成し、ミシン目の両端部に引き裂きようVノッチ4Aを設けた例である(図7)。
実施例3と同様なヒートクロス1を作成し、ミシン目の両端部に引き裂きようVノッチ4Aを設けた例である(図7)。
(実施例5)
発熱組成物として、FeOを15重量%含有する鉄粉(粒度300μm以下)100重量部と11%食塩水(食塩4.4重量部、水35.6重量部)40重量部の混合物をフライパンの中に入れ、水分が無くなるまで、空気中で、加熱混合した。次に活性炭5.3重量部、100メッシュパス木粉5重量部、吸水性ポリマー1.0重量部、消石灰0.2重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部を加え、水35.6重量部を加え、混合し、易動水値8の発熱組成物を作成した。次に、前記発熱組成物を使用し、実施例1と同様にして、縦10mm×横10mm×高さ2mmの発熱組成物成形体2が7mm間隔で、縦4列、横5列に配し、区分け部のヒートシール幅を5mm、ヒートクロスの周辺部のヒートシール幅を8mmとし、外寸で、96mm×77mmのヒートクロス1とした。
実施例1と同様にして、そのヒートクロス1を外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からヒートクロスを取り出し、身体発熱試験を行ったが、3分で、温かく感じ、温かさが8時間続いた。同時に、曲面フィット性、巻回性、使い勝手について評価したがすべて優秀であった。
発熱組成物として、FeOを15重量%含有する鉄粉(粒度300μm以下)100重量部と11%食塩水(食塩4.4重量部、水35.6重量部)40重量部の混合物をフライパンの中に入れ、水分が無くなるまで、空気中で、加熱混合した。次に活性炭5.3重量部、100メッシュパス木粉5重量部、吸水性ポリマー1.0重量部、消石灰0.2重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部を加え、水35.6重量部を加え、混合し、易動水値8の発熱組成物を作成した。次に、前記発熱組成物を使用し、実施例1と同様にして、縦10mm×横10mm×高さ2mmの発熱組成物成形体2が7mm間隔で、縦4列、横5列に配し、区分け部のヒートシール幅を5mm、ヒートクロスの周辺部のヒートシール幅を8mmとし、外寸で、96mm×77mmのヒートクロス1とした。
実施例1と同様にして、そのヒートクロス1を外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からヒートクロスを取り出し、身体発熱試験を行ったが、3分で、温かく感じ、温かさが8時間続いた。同時に、曲面フィット性、巻回性、使い勝手について評価したがすべて優秀であった。
(実施例6)
酸化性ガス処理装置として撹拌翼を備えたミキサーからなるバッチ式撹拌槽を、酸化性ガスとして空気を用いた。還元鉄粉(粒径300μm以下)100重量部、活性炭(粒径300μm以下)5.3重量部、木粉(粒径300μm以下)5重量部、吸水性ポリマー(粒径300μm以下)0.8重量部、消石灰(粒径300μm以下)0.2重量部、亜硫酸ナトリウム(粒径300μm以下)0.7重量部、11%食塩水5重量部からなる易動水値0.01以下の反応混合物を装置容器内に充填した。つぎに、20℃に調整された装置容器は空気中に開放した状態で、攪拌しながら、前記反応混合物の発熱上昇分が40℃になった時点で前記反応混合物に11%食塩水を加え、水分調整を行い、易動水値8の発熱組成物を得た。
次に、ポリエチレンフィルムにセパレータ付粘着剤層を設けた基材上に型通し成形で、発熱組成物成形体2Bを直径10mmの円柱状区分発熱部2を7mm間隔で、縦4列、横5列に積層した。次にその上に、不織布付ポリエチレン製多孔質フィルムからなる被覆材をポリエチレンフィルムと多孔質フィルム同士が向かい合うように置いた。
そして、発熱組成物成形体2Bの周縁部をヒートシールして、図8に示すような20個の区分発熱部2からなる発熱部を有するヒートクロス1を得た。区分け部3のヒートシール幅を5mm、ヒートクロス1周辺部のヒートシール幅を8mmとした、長さ96mm×幅77mmのヒートクロス1である。
酸化性ガス処理装置として撹拌翼を備えたミキサーからなるバッチ式撹拌槽を、酸化性ガスとして空気を用いた。還元鉄粉(粒径300μm以下)100重量部、活性炭(粒径300μm以下)5.3重量部、木粉(粒径300μm以下)5重量部、吸水性ポリマー(粒径300μm以下)0.8重量部、消石灰(粒径300μm以下)0.2重量部、亜硫酸ナトリウム(粒径300μm以下)0.7重量部、11%食塩水5重量部からなる易動水値0.01以下の反応混合物を装置容器内に充填した。つぎに、20℃に調整された装置容器は空気中に開放した状態で、攪拌しながら、前記反応混合物の発熱上昇分が40℃になった時点で前記反応混合物に11%食塩水を加え、水分調整を行い、易動水値8の発熱組成物を得た。
次に、ポリエチレンフィルムにセパレータ付粘着剤層を設けた基材上に型通し成形で、発熱組成物成形体2Bを直径10mmの円柱状区分発熱部2を7mm間隔で、縦4列、横5列に積層した。次にその上に、不織布付ポリエチレン製多孔質フィルムからなる被覆材をポリエチレンフィルムと多孔質フィルム同士が向かい合うように置いた。
そして、発熱組成物成形体2Bの周縁部をヒートシールして、図8に示すような20個の区分発熱部2からなる発熱部を有するヒートクロス1を得た。区分け部3のヒートシール幅を5mm、ヒートクロス1周辺部のヒートシール幅を8mmとした、長さ96mm×幅77mmのヒートクロス1である。
(実施例7)
実施例6の円形状の区分発熱部2の代わりに、正方形状の区分発熱部2を形成した以外は、実施例6と同様のヒートクロス1を作製した(図9)。
図9(b)に示すように、隣接する区分発熱部2間には空間部6Dが存在する。次に全面に粘着剤層を設けた、長さ96×幅61mmのポリエチレンフィルからなる通気調整材6Cを区分発熱部2の両端5mmを残すようにして、前記被覆材6の不織布上に貼った。区分け部3が凹部、区分発熱部2が凸部になり、前記区分発熱部2が通気調整材支持体になり、区分け部3ととも空間部6Dを構成する。この空間部6Dは、空間通気層となり、区分け部3の両端周縁部が空気取り入れ口となる。
このヒートクロス1を、非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からヒートクロスを取り出し、30℃に調整されたプレート上で発熱試験を行ったが、1分で、35℃に達し、50〜59℃で、発熱持続時間は10時間と長かった。図9(c)は、区分け部2に通気調整材6Cの一部が接着層を介して固定され、各区分発熱部2が独立した空間部6Cを有する一例である。
図9(a)は発熱組成物成形体2の周辺部をシールすることにより形成された区分発熱部2の周辺部を含め、複数の区分発熱部2全体とヒートクロス1の両端部を含む領域を通気調整材6Cで覆い、区分け部3が凹部、区分発熱部2が凸部になり、前記区分発熱部2が通気調整材6Cの支持体になり、通気調整材6Cと区分け部3から構成される空間部6Dからなる空間通気層とし、空気取り入れ口としては、区分け部3の両端部と区分発熱部2と通気調整材6Cとから構成される通気孔16を空気通気口としたヒートクロスの一実施例の平面図である。図9(b)は、図9(a)のX−Xの断面図である。図9(c)は通気調整材6Cが区分け部3のほぼ中央部に固定され、図9(b)における空間部6Dが通気調整材6Cにより、2分割されている例である。
実施例6の円形状の区分発熱部2の代わりに、正方形状の区分発熱部2を形成した以外は、実施例6と同様のヒートクロス1を作製した(図9)。
図9(b)に示すように、隣接する区分発熱部2間には空間部6Dが存在する。次に全面に粘着剤層を設けた、長さ96×幅61mmのポリエチレンフィルからなる通気調整材6Cを区分発熱部2の両端5mmを残すようにして、前記被覆材6の不織布上に貼った。区分け部3が凹部、区分発熱部2が凸部になり、前記区分発熱部2が通気調整材支持体になり、区分け部3ととも空間部6Dを構成する。この空間部6Dは、空間通気層となり、区分け部3の両端周縁部が空気取り入れ口となる。
このヒートクロス1を、非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からヒートクロスを取り出し、30℃に調整されたプレート上で発熱試験を行ったが、1分で、35℃に達し、50〜59℃で、発熱持続時間は10時間と長かった。図9(c)は、区分け部2に通気調整材6Cの一部が接着層を介して固定され、各区分発熱部2が独立した空間部6Cを有する一例である。
図9(a)は発熱組成物成形体2の周辺部をシールすることにより形成された区分発熱部2の周辺部を含め、複数の区分発熱部2全体とヒートクロス1の両端部を含む領域を通気調整材6Cで覆い、区分け部3が凹部、区分発熱部2が凸部になり、前記区分発熱部2が通気調整材6Cの支持体になり、通気調整材6Cと区分け部3から構成される空間部6Dからなる空間通気層とし、空気取り入れ口としては、区分け部3の両端部と区分発熱部2と通気調整材6Cとから構成される通気孔16を空気通気口としたヒートクロスの一実施例の平面図である。図9(b)は、図9(a)のX−Xの断面図である。図9(c)は通気調整材6Cが区分け部3のほぼ中央部に固定され、図9(b)における空間部6Dが通気調整材6Cにより、2分割されている例である。
(実施例8)
基材に2軸延伸ポリプロピレンと酸化ケイ素を蒸着したポリエステルフィルムを積層した、ヒートシール層付き積層体(0.3g/m2/day)を使用し、粘着剤を親水性粘着剤に代えて、実施例6と同様にして、同形の親水性粘着剤層付きヒートクロスを作製した。前記ヒートクロスを非通気性外袋に密封収納し、24時間、60℃で放置した。24時間後に室温に戻した後、外袋からヒートクロスを取り出し、セパレータを外し、身体に貼り、身体発熱試験を行ったが、3分で、温かく感じ、程良い温かさが8時間以上続いた。また、曲面フィット性、カール性、使い勝手について評価したがすべて優秀であった。
また、前記ヒートクロスを非通気性外袋に密封収納し、10日間、50℃で保持したが、保持前後のヒートクロスの発熱特性は変わらなかった。
尚、親水性粘着剤層は、以下のようにして作製した。
ポリアクリル酸4.5重量%、ポリアクリル酸ナトリウム1.5重量%、カルボキシメチルセルロース4.0重量%、グリセリン15.0重量%、ポリピレングリコール5.0重量%、水酸化アルミニウム0.1重量%、カオリン6.0重量%、水62.85重量%からなる成分を混合機内に入れペースト状になるまで、十分に攪拌して親水性粘着剤を調整し、これを厚さ40μmのポリエチレンテレフタレート(PET)をシリコーン処理したセパレータ上に均一に塗布した。この親水性粘着剤層面をヒートクロスの基材の露出面に貼り合わせた。
基材に2軸延伸ポリプロピレンと酸化ケイ素を蒸着したポリエステルフィルムを積層した、ヒートシール層付き積層体(0.3g/m2/day)を使用し、粘着剤を親水性粘着剤に代えて、実施例6と同様にして、同形の親水性粘着剤層付きヒートクロスを作製した。前記ヒートクロスを非通気性外袋に密封収納し、24時間、60℃で放置した。24時間後に室温に戻した後、外袋からヒートクロスを取り出し、セパレータを外し、身体に貼り、身体発熱試験を行ったが、3分で、温かく感じ、程良い温かさが8時間以上続いた。また、曲面フィット性、カール性、使い勝手について評価したがすべて優秀であった。
また、前記ヒートクロスを非通気性外袋に密封収納し、10日間、50℃で保持したが、保持前後のヒートクロスの発熱特性は変わらなかった。
尚、親水性粘着剤層は、以下のようにして作製した。
ポリアクリル酸4.5重量%、ポリアクリル酸ナトリウム1.5重量%、カルボキシメチルセルロース4.0重量%、グリセリン15.0重量%、ポリピレングリコール5.0重量%、水酸化アルミニウム0.1重量%、カオリン6.0重量%、水62.85重量%からなる成分を混合機内に入れペースト状になるまで、十分に攪拌して親水性粘着剤を調整し、これを厚さ40μmのポリエチレンテレフタレート(PET)をシリコーン処理したセパレータ上に均一に塗布した。この親水性粘着剤層面をヒートクロスの基材の露出面に貼り合わせた。
(実施例9)
実施例2の発熱組成物を使用し、基材にヒートシール層付きポリエチレンフィルムにエンボス加工した不織布を積層し、更に、起毛のある(毛羽立てた)不織布を積層した積層からだを使用し、被覆材にヒートシール層付き穿孔ポリエチレンフィルムに目付80g/m2の不織布を積層した。通気性は、実施例2と同等の積層体を使用した。
実施例2と同様にして、図5に示す形状のヒートクロス1を作製した。
ヒートクロス1の発熱試験を行ったが実施例2と同様の結果を得た。
実施例2の発熱組成物を使用し、基材にヒートシール層付きポリエチレンフィルムにエンボス加工した不織布を積層し、更に、起毛のある(毛羽立てた)不織布を積層した積層からだを使用し、被覆材にヒートシール層付き穿孔ポリエチレンフィルムに目付80g/m2の不織布を積層した。通気性は、実施例2と同等の積層体を使用した。
実施例2と同様にして、図5に示す形状のヒートクロス1を作製した。
ヒートクロス1の発熱試験を行ったが実施例2と同様の結果を得た。
(実施例10)
図10は、本発明ヒートクロスの一例を示す平面図である。図中2は扁平形状に形成された厚み5mm×長さ100mm×幅55mmの長方形状の通気性袋内に、7個の発熱組成物成形体2Bを収容したヒートクロス1である。不織布として伸長性、通気性のあるものを採用し、固定性、通気性の高いものとした。この通気性のある伸縮性不織布製バンド8は、長手方向に伸長させた状態で微孔を形成されたウレタン系エラストマーフィルムの両面に不繊布を部分融着し、解放することにより、伸縮性と通気性を与えるように形成されたものである。このバンド8は、厚み1mm×長さ250mm×幅60mmの2倍伸張可能で、固定性、通気性の良いものとした。重量は、6gで、100%伸長時の応力は300g/25mm、100%伸長時の回復率は95%であった。
そして、バンド8の両面には面ファスナーの雌ファスナー機能を持つ不織布から構成されている。
また、ヒートクロス1は、図1のパターンと同様に、長さ55mm×幅5mmの帯状で10mm間隔で簾状に、接着剤(アクリル系粘着剤)を介して貼着されている。
前記ヒートクロス1の構成を詳細に説明すると、発熱組成物として、実施例2と同様のものを用いた。また、通気性包材として、目付40g/m2のナイロン不織布に厚さ70μmの徴細多孔質ポリエチレンフィルムがラミネートされた、リッシー法の透湿度が700g/m2/24hrのものを使用した。非通気性包材として、厚さ50μmのポリエチレンフィルムを使用した。
非通気性包材の基材上に、型通し成形にて長さ25mm、幅5mmの発熱組成物成形体7個を6mm間隔で積層した。次に、通気性包材のポリエチレン面と非通気牲包材のポリエチレンを向かい合わせて重ね、即ち、不織布が露出するように積層して、発熱組成物成形体の周縁部を4mm幅でヒートシールし区分け部を作成し、更に、発熱組成物成形体の最外周辺部であるヒートクロスの周辺部を8mm幅でヒートシールし、周辺シール部を作成し、外径長さ100mm、幅55mmのヒートクロス1とした。
そして、バンド8に前記ヒートクロス1をアクリル系粘着剤を介して貼り付けて、バンドカイロ形ヒートクロス1を作成した。尚、図10(b)は中央部ヒ12にヒートクロス1を設けた例である。
図10は、本発明ヒートクロスの一例を示す平面図である。図中2は扁平形状に形成された厚み5mm×長さ100mm×幅55mmの長方形状の通気性袋内に、7個の発熱組成物成形体2Bを収容したヒートクロス1である。不織布として伸長性、通気性のあるものを採用し、固定性、通気性の高いものとした。この通気性のある伸縮性不織布製バンド8は、長手方向に伸長させた状態で微孔を形成されたウレタン系エラストマーフィルムの両面に不繊布を部分融着し、解放することにより、伸縮性と通気性を与えるように形成されたものである。このバンド8は、厚み1mm×長さ250mm×幅60mmの2倍伸張可能で、固定性、通気性の良いものとした。重量は、6gで、100%伸長時の応力は300g/25mm、100%伸長時の回復率は95%であった。
そして、バンド8の両面には面ファスナーの雌ファスナー機能を持つ不織布から構成されている。
また、ヒートクロス1は、図1のパターンと同様に、長さ55mm×幅5mmの帯状で10mm間隔で簾状に、接着剤(アクリル系粘着剤)を介して貼着されている。
前記ヒートクロス1の構成を詳細に説明すると、発熱組成物として、実施例2と同様のものを用いた。また、通気性包材として、目付40g/m2のナイロン不織布に厚さ70μmの徴細多孔質ポリエチレンフィルムがラミネートされた、リッシー法の透湿度が700g/m2/24hrのものを使用した。非通気性包材として、厚さ50μmのポリエチレンフィルムを使用した。
非通気性包材の基材上に、型通し成形にて長さ25mm、幅5mmの発熱組成物成形体7個を6mm間隔で積層した。次に、通気性包材のポリエチレン面と非通気牲包材のポリエチレンを向かい合わせて重ね、即ち、不織布が露出するように積層して、発熱組成物成形体の周縁部を4mm幅でヒートシールし区分け部を作成し、更に、発熱組成物成形体の最外周辺部であるヒートクロスの周辺部を8mm幅でヒートシールし、周辺シール部を作成し、外径長さ100mm、幅55mmのヒートクロス1とした。
そして、バンド8に前記ヒートクロス1をアクリル系粘着剤を介して貼り付けて、バンドカイロ形ヒートクロス1を作成した。尚、図10(b)は中央部ヒ12にヒートクロス1を設けた例である。
前記バンドカイロ形ヒートクロスを、外袋に封入し、24時間経過してから、外袋を破って、足のふくらはぎにバンドで巻き付け、固定し、通常の使用をしたところ、ヒートクロスの下面である身体と接触する部分が伸縮と非伸縮が繰り返されているので、伸縮部がもりあがり、身体を押す形になり、押しつけ状態が面から点又は線に変わるため、フィット性が非常によくなるとともに、肌当たりも良い。3分程度で、温かく感じ、以後、6時間以上温かかった。使用中、動いたが、伸縮部がもりあがり、点又は線状に身体を押す形になっているので、動きによる歪みをその伸縮性で吸収し、身体の動きに応じて、離れたり、外れたりすることがなく、バンドカイロ形ヒートクロス1のズレや外れはなかった。本発明物中の発熱剤も全く袋体内で移動することはなく、全面にわたって平均化した発熱が認められ、蒸れもなかった。使用後、前記ヒートクロス1を取り外しも簡単に、スムーズに行え、痛みもなく、皮膚の炎症もなかった。動きながら使用実験をしたところ、ヒートクロス1はズレ落ちることはなかった。
(実施例11)
図11は、本発明バンドカイロの他の一例を示す平面図である。
図中1は扁平形状に形成された厚み5mm×長さ100mm×幅55mmの長方形状の通気性袋内に発熱組成物成形体2Bを収容して、7個の区分発熱部2から形成されたヒートクロス1,1を一対有するヒートクロス1である。前記一対のヒートクロス1、1が、空間8Bを挟んで、厚み1mm×長さ400mm×幅60mmの伸縮性不織布製バンドの表面の一端側に非伸縮性領域であるアクリル系粘着層を介して貼着されている。また、一対のヒートクロス1,1の両側外方には、伸縮可能な基材8A、8Aが設けられている。
この通気性のある、面ファスナーの雌ファスナー機能を有する伸縮性不織布製バンド8は、15μm径の連続フィラメントからなる長手方向に伸長可能なポリエステル製の不織布を、伸縮性ウレタン系エラストマーフィルムの両面に熱融着し、次に加熱エンボスをかけ、融着を強化するとともに、微孔を形成して得られたものである。
また、ヒートクロス1、1の表面側の通気性シートとしても不織布を用い、面ファスナーの雌ファスナーが形成されている。尚、図中9は、雄ファスナーである。
図11は、本発明バンドカイロの他の一例を示す平面図である。
図中1は扁平形状に形成された厚み5mm×長さ100mm×幅55mmの長方形状の通気性袋内に発熱組成物成形体2Bを収容して、7個の区分発熱部2から形成されたヒートクロス1,1を一対有するヒートクロス1である。前記一対のヒートクロス1、1が、空間8Bを挟んで、厚み1mm×長さ400mm×幅60mmの伸縮性不織布製バンドの表面の一端側に非伸縮性領域であるアクリル系粘着層を介して貼着されている。また、一対のヒートクロス1,1の両側外方には、伸縮可能な基材8A、8Aが設けられている。
この通気性のある、面ファスナーの雌ファスナー機能を有する伸縮性不織布製バンド8は、15μm径の連続フィラメントからなる長手方向に伸長可能なポリエステル製の不織布を、伸縮性ウレタン系エラストマーフィルムの両面に熱融着し、次に加熱エンボスをかけ、融着を強化するとともに、微孔を形成して得られたものである。
また、ヒートクロス1、1の表面側の通気性シートとしても不織布を用い、面ファスナーの雌ファスナーが形成されている。尚、図中9は、雄ファスナーである。
尚、前記7個の区分発熱部2を有するヒートクロス1の構成を詳細に説明すると、発熱組成物として実施例1の発熱組成物を使用した。また、通気性包材として、面ファスナーの雌ファスナー機能を有する、目付40g/m2のナイロン不織布に厚さ70μmのポリエチレン性多孔質フィルムがラミネートされた、リッシー法の透湿度が700g/m2/24hrの包材を使用した。非通気性包材として、厚さ50μmのポリエチレンフィルムを使用した。幅7mm×長さ25mm×深さ2mmの長方体が5mm間隔で10個設けられた鋳込み型を使った鋳込み成形にて、非通気性包材のポリエチレンフィルムの上に、幅7mm×長さ25mm×高さ2mmの長方体が5mm間隔で10個の発熱組成物成形体を設けた。次に、通気性包材の多孔質フィルム面と非通気牲包材のポリエチレンフィルム面とを向かい合わせて重ね、即ち、不織布が露出するように積層して、発熱組成物成形体の周辺部をシール幅3mmで、ヒートクロス1の周辺部をシール幅8mmで、ヒートシールし、ヒートクロス1を製造した。
前記バンドカイロ形ヒートクロス1’を、外袋に封入し、24時間経過してから、外袋から取り出した。膝頭を前記バンドカイロの空間8Bに入れてから、バンドで巻き付け、固定し、通常の使用をしたところ、3分程度で、温かく感じ、以後6時間以上にわたって温かかった。本発明物中の発熱剤も全く袋体内で移動することはなく、全面にわたって、平均化した発熱が認められた。長時間使用も快適で、使用後の全面ヒートクロス1’取り外しも簡単に、スムーズに行え、痛みもなく、皮膚の炎症もなかった。
図12は、図11の固定用手段である面ファスナーの雄ファスナー9として、バンド8,8の一端側が分離しないように、バンド8,8間を横断するようにして設けた例である。
図12は、図11の固定用手段である面ファスナーの雄ファスナー9として、バンド8,8の一端側が分離しないように、バンド8,8間を横断するようにして設けた例である。
(実施例12)
ウスタイト含有量が1重量%未満である鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)2.5重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)3重量部、消石灰0.5重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水5重量部からなる、易動水値0.01以下の発熱混合物を接触処理装置容器内に入れた。次に、20℃環境下、接触処理装置容器の上部は開放形で、空気中に開放した状態で、撹拌しながら、自己発熱させ、反応混合物の温度上昇分が10℃になった時点で、11%食塩水を混合し、易動水値10の発熱組成物を得た。次に、幅5mm×長さ80mmの抜き穴が5mm間隔で20個ある抜き型を用いた型通し成形で、前記発熱組成物を用いて、実施例1と同様の基材、被覆材を使用し、同様の方法で、ナイロン製不織布とポリエチレンフィルムの積層体からなる基材のポリエチレンフィルム面上に20個の区分発熱部を構成する発熱組成物成形体を設け、次に、その上にポリエチレン製多孔質フィルムとナイロン製不織布とを積層した通気性被覆材を被せた後、各発熱組成物成形体の周縁部及びヒートクロスの周辺部をシールした。各区分発熱部の周辺部を3mmのシール幅でヒートシールし、ヒートクロスの周辺部を8mmのシール幅で、且つ、中心の区分け部を8mm幅でシールし、外寸長さ211mm×幅96mmのヒートクロスを得た。そのヒートクロスを外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からヒートクロスを取り出し、身体発熱試験を行ったが、3分で、温かく感じ、温かさが8時間続いた。同時に、曲面フィット性、巻回性、使い勝手について評価したがすべて優秀であった。尚、外寸については特に制限はなく、例えば、外寸1m×幅96mmとすることもできる。
ウスタイト含有量が1重量%未満である鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)2.5重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)3重量部、消石灰0.5重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水5重量部からなる、易動水値0.01以下の発熱混合物を接触処理装置容器内に入れた。次に、20℃環境下、接触処理装置容器の上部は開放形で、空気中に開放した状態で、撹拌しながら、自己発熱させ、反応混合物の温度上昇分が10℃になった時点で、11%食塩水を混合し、易動水値10の発熱組成物を得た。次に、幅5mm×長さ80mmの抜き穴が5mm間隔で20個ある抜き型を用いた型通し成形で、前記発熱組成物を用いて、実施例1と同様の基材、被覆材を使用し、同様の方法で、ナイロン製不織布とポリエチレンフィルムの積層体からなる基材のポリエチレンフィルム面上に20個の区分発熱部を構成する発熱組成物成形体を設け、次に、その上にポリエチレン製多孔質フィルムとナイロン製不織布とを積層した通気性被覆材を被せた後、各発熱組成物成形体の周縁部及びヒートクロスの周辺部をシールした。各区分発熱部の周辺部を3mmのシール幅でヒートシールし、ヒートクロスの周辺部を8mmのシール幅で、且つ、中心の区分け部を8mm幅でシールし、外寸長さ211mm×幅96mmのヒートクロスを得た。そのヒートクロスを外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からヒートクロスを取り出し、身体発熱試験を行ったが、3分で、温かく感じ、温かさが8時間続いた。同時に、曲面フィット性、巻回性、使い勝手について評価したがすべて優秀であった。尚、外寸については特に制限はなく、例えば、外寸1m×幅96mmとすることもできる。
(実施例13)
発熱組成物として、還元鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)7.0重量部、木粉(粒度300μm以下)5.0重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)0.8重量部、消石灰0.2重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水を混合した易動水値8の発熱組成物を使用した。次に、幅5mm×長さ80mmの抜き穴が5mm間隔で5個ある抜き型を用いた型通し成形で、前記発熱組成物を用いて、セパレータ付き厚さ30μmのアクリル系粘着剤層を設けたポリエチレンフィルムからなる基材のポリエチレンフィルム面上に、5個の区分発熱部を構成する発熱組成物成形体を設けた。
次に、その上にポリエチレン製多孔質フィルムを目付量40g/m2のナイロン製不織布とを積層した通気性被覆材を、一対の凹凸部からなる面を有する折り込み具からなる折り込み機を通し、波形に折り込み、一方の凸凹部からなる面を有する折り込み具で被覆材の谷部を基材に押さえつけ、被覆材の山部内に区分発熱部を形成する発熱組成物成形体を包み覆い、区分け部相当領域の被覆材と基材をヒートシールし、次に、発熱組成物成形体周縁部をヒートシールし、更にヒートクロスの周辺部をヒートシールし、ストライプ状の区分発熱部からなる発熱部を有するヒートクロスを得た。各発熱組成物成形体の周縁部のシール部である区分け部は3mmのシール幅でヒートシールし、区分け部により区分けされた区分発熱部を作成した。また、前記ヒートクロスの周辺部は8mmのシール幅でシールすることにより、外寸は長さ98mm×幅91mmのストライプ状の区分発熱部を有するヒートクロスを得た。尚、通気性被覆材の通気性はリッシー法の透湿度で、400g/m2/24hrであった。そのヒートクロスを非通気性収納袋(以下、外袋と言う)に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からヒートクロスを取り出し、身体発熱試験を行ったが、3分で、温かく感じ、温かさが7時間続いた。同時に、曲面フィット性、巻回性、使い勝手について評価したがすべて優秀であった。
発熱組成物として、還元鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)7.0重量部、木粉(粒度300μm以下)5.0重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)0.8重量部、消石灰0.2重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水を混合した易動水値8の発熱組成物を使用した。次に、幅5mm×長さ80mmの抜き穴が5mm間隔で5個ある抜き型を用いた型通し成形で、前記発熱組成物を用いて、セパレータ付き厚さ30μmのアクリル系粘着剤層を設けたポリエチレンフィルムからなる基材のポリエチレンフィルム面上に、5個の区分発熱部を構成する発熱組成物成形体を設けた。
次に、その上にポリエチレン製多孔質フィルムを目付量40g/m2のナイロン製不織布とを積層した通気性被覆材を、一対の凹凸部からなる面を有する折り込み具からなる折り込み機を通し、波形に折り込み、一方の凸凹部からなる面を有する折り込み具で被覆材の谷部を基材に押さえつけ、被覆材の山部内に区分発熱部を形成する発熱組成物成形体を包み覆い、区分け部相当領域の被覆材と基材をヒートシールし、次に、発熱組成物成形体周縁部をヒートシールし、更にヒートクロスの周辺部をヒートシールし、ストライプ状の区分発熱部からなる発熱部を有するヒートクロスを得た。各発熱組成物成形体の周縁部のシール部である区分け部は3mmのシール幅でヒートシールし、区分け部により区分けされた区分発熱部を作成した。また、前記ヒートクロスの周辺部は8mmのシール幅でシールすることにより、外寸は長さ98mm×幅91mmのストライプ状の区分発熱部を有するヒートクロスを得た。尚、通気性被覆材の通気性はリッシー法の透湿度で、400g/m2/24hrであった。そのヒートクロスを非通気性収納袋(以下、外袋と言う)に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋からヒートクロスを取り出し、身体発熱試験を行ったが、3分で、温かく感じ、温かさが7時間続いた。同時に、曲面フィット性、巻回性、使い勝手について評価したがすべて優秀であった。
(実施例14)
図13は、本発明のヒートクロスの形状の一例を示す。
(a)はそらまめ形、(b)はアイマスク形(c)繭形、(d)は瓢箪形、(e)は角丸長方形形、(f)は長方形、(g)は角丸正方形、(h)は正方形、(i)は卵形、(j)はブーメラン形、(k)はマガ玉形、(l)は翼形、(m)は翼形、(n)は星形、(o)は鼻形、(p)は提灯形、(q)は提灯形の形状を示す。
また、区分発熱部の長方形の長辺に沿った長軸の方向は平行になっているが、任意の方向へそろえることもできるし、バラバラの方向にした区分発熱部の集合体であってもよい。これらを基本骨格として変形した変形形状も使用できる。
図13は、本発明のヒートクロスの形状の一例を示す。
(a)はそらまめ形、(b)はアイマスク形(c)繭形、(d)は瓢箪形、(e)は角丸長方形形、(f)は長方形、(g)は角丸正方形、(h)は正方形、(i)は卵形、(j)はブーメラン形、(k)はマガ玉形、(l)は翼形、(m)は翼形、(n)は星形、(o)は鼻形、(p)は提灯形、(q)は提灯形の形状を示す。
また、区分発熱部の長方形の長辺に沿った長軸の方向は平行になっているが、任意の方向へそろえることもできるし、バラバラの方向にした区分発熱部の集合体であってもよい。これらを基本骨格として変形した変形形状も使用できる。
(実施例15)
図14は示す擦り切り板15を用いた型通し成形法の一例を示す。即ち、幅130mmのロールフィルム状の基材3を厚さ1mmで、型の中央に所望の形状が抜かれた成形用の厚さ1.5mmの型12と合わせて、上面にダイス11、下面に磁石13を配すようにそれらの間を所定の速度で水平に送る。前記型12の上面より、本発明の発熱組成物2をダイス11の穴11aを通して、型穴12aに送り込む。発熱組成物2’は進行方向前方に置かれた擦り切り板15により、型12と面一に擦り切られると共に、型穴12aに収納され、厚さ1.5mmの形状が基材3上に成形される。その後、その型12を外し、基材5上に積層された成形物が得られる。図示されていないが、その後、前記成形物の表面に、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)系の粘着性高分子をメルトブロー法にて網状に設け、被覆材を被せ、その成形物領域の周囲をヒートシールによって封着し、形状に裁断することにより、所望の形状を持つヒートクロスが得られる。更に、裁断された本発明ヒートクロスは、引き続いて包装工程に送り込まれ、気密性を有する外袋内に封入される。また上記擦り切り板を押し込み擦り切り板に代えても同様の成形が可能である。図15は擦り切り板15の拡大図を示す。
図14は示す擦り切り板15を用いた型通し成形法の一例を示す。即ち、幅130mmのロールフィルム状の基材3を厚さ1mmで、型の中央に所望の形状が抜かれた成形用の厚さ1.5mmの型12と合わせて、上面にダイス11、下面に磁石13を配すようにそれらの間を所定の速度で水平に送る。前記型12の上面より、本発明の発熱組成物2をダイス11の穴11aを通して、型穴12aに送り込む。発熱組成物2’は進行方向前方に置かれた擦り切り板15により、型12と面一に擦り切られると共に、型穴12aに収納され、厚さ1.5mmの形状が基材3上に成形される。その後、その型12を外し、基材5上に積層された成形物が得られる。図示されていないが、その後、前記成形物の表面に、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)系の粘着性高分子をメルトブロー法にて網状に設け、被覆材を被せ、その成形物領域の周囲をヒートシールによって封着し、形状に裁断することにより、所望の形状を持つヒートクロスが得られる。更に、裁断された本発明ヒートクロスは、引き続いて包装工程に送り込まれ、気密性を有する外袋内に封入される。また上記擦り切り板を押し込み擦り切り板に代えても同様の成形が可能である。図15は擦り切り板15の拡大図を示す。
Claims (20)
- 余剰水を連結物質とした発熱組成物を成形して発熱組成物成形体とし、前記発熱組成物成形体を収納袋に収納したヒートクロスであって、前記収納袋が基材と被覆材とから構成され、前記基材上に設けられた前記発熱組成物成形体を前記被覆材が覆い、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより凹凸部を形成し、前記発熱組成物成形体を収納した凸部の区分発熱部が、ヒートシール部である凹部の区分け部を存して配置され、前記区分発熱部の集合から発熱部が形成され、且つ、
1)前記基材が実質的に平面状で、ポケット、収納区画又は収納区域を有せず、
2)前記発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分として含有し、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥バインダー、乾燥結合剤、乾燥結合材、粘着性素材、増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値0.01〜20とする余剰水を有し、発熱組成物中の水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こし、
3)前記発熱組成物成形体の体積が0.1〜30cm3であり、
4)前記発熱組成物成形体の体積と前記区分発熱部の容積との比率が0.6〜1.0であり、
5)前記区分発熱部の最大高さが0.1〜10mmであり、
6)前記区分発熱部の間隔である区分け部の幅が0.3〜50mmであり、
7)少なくともヒートクロスの厚みと直交する面における最小剛軟度が100mm以下であり、
8)前記収納袋の一部が通気性を有し、且つ、
9)前記収納袋の周辺部がシールされていることを特徴とするヒートクロス。 - 前記発熱組成物が、少なくとも鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分とした混合物を酸化性ガスによる接触処理をした成分を含有することを特徴とする請求項1に記載のヒートクロス。
- 前記鉄粉が、少なくとも表面の一部が鉄酸化物皮膜で覆われ、前記鉄酸化物皮膜の厚さが3nm以上であり、且つ、少なくとも前記鉄粉の中心部領域及び前記鉄酸化物皮膜の下の領域から選ばれた少なくとも1領域において酸素を含まない鉄成分の領域を有する活性鉄粉を20〜100重量%含有することを特徴とする請求項1に記載のヒートクロス。
- 前記鉄粉が、少なくとも表面の一部がウスタイト皮膜で覆われ、鉄とのX線ピーク強度比として、ウスタイト量が2〜50重量%である活性鉄粉を20〜100重量%含有することを特徴とする請求項1に記載のヒートクロス。
- 前記発熱組成物成形体が、圧縮されていることを特徴とする請求項1に記載のヒートクロス。
- 前記ヒートシール部は、粘着剤層による仮着した後に、前記ヒートシール部が形成され、前記ヒートシール部の少なくとも一部には、前記粘着剤層を構成する粘着剤成分と前記ヒートシール部を構成するヒートシール材の成分が共存することを特徴とする請求項1に記載のヒートクロス。
- 前記ヒートシール後、前記発熱組成物成形体の少なくとも一部をヒートシールされていない仮着部に移動させることにより、ヒートシールされていない仮着部を開着することを特徴とする請求項1に記載のヒートクロス。
- 前記区分発熱部が連接された発熱部の通気面の少なくとも一部が、通気調整材で覆われていることを特徴とする請求項1に記載のヒートクロス。
- 前記区分け部において、ミシン目を設けることを特徴とする請求項1に記載のヒートクロス。
- 前記区分け部の少なくとも一部が凹凸状の模様を有していることを特徴とする請求項1に記載のヒートクロス。
- 前記収納袋において、露出面の少なくとも一部に固定手段を有することを特徴とする請求項1に記載のヒートクロス。
- 前記固定手段が、粘着剤層であり、必要に応じてセパレータを設けることを特徴とする請求項11に記載のヒートクロス。
- 前記粘着剤層が親水性粘着剤層であり、前記親水性粘着剤層と前記発熱組成物成形体との間の包材が透湿度2g/m2/24hr以下であることを特徴とする請求項12に記載のヒートクロス。
- 前記粘着剤層が、通気性を有することを特徴とする請求項12に記載のヒートクロス。
- 前記固定手段が非伸縮性を有する部分と伸縮性を有する部分がシート状に一体に形成されたシート状物であり、前記シート状物の非伸縮性を有する部分にヒートクロスを設けたことを特徴とする請求項12に記載のヒートクロス。
- 前記ヒートクロスの厚み方向と直交する面における、最少剛軟度が100mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のヒートクロス。
- 前記発熱組成物が、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、水素発生抑制剤、骨材、繊維状物、機能性物質、界面活性剤、有機ケイ素化合物、焦電物質、保湿剤、肥料成分、疎水性高分子化合物、発熱助剤、鉄以外の金属、酸化鉄以外の金属酸化物、酸性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載のヒートクロス。
- 通気性収納袋に発熱組成物成形体を収納したヒートクロスの製造方法であって、
1)前記通気性収納袋が基材と被覆材とから構成され、余剰水を連結物質とした発熱組成物を成形して発熱組成物成形体とし、前記基材上に設けられた前記発熱組成物成形体を前記被覆材が覆い、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより凹凸部を形成し、前記発熱組成物成形体を収納した凸部の区分発熱部が、ヒートシール部である凹部の区分け部を存して配置され、前記区分発熱部の集合から発熱部が形成され、
2)前記基材が実質的に平面状で、ポケット及び収納区画及び収納区域を有せず、
3)前記発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分として含有し、前記発熱組成物中の水の含有量が1〜60重量%であり、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥結合材、乾燥結合剤、乾燥バインダ、粘着素材、増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値0.01〜20とする余剰水を有し、発熱組成物中の水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こし、
4)前記発熱組成物成形体の体積が0.1〜30cm3であり、前記発熱組成物成形体の体積と前記区分発熱部の容積との比率が0.6〜1.0とし、
5)前記区分発熱部の最大高さが0.1〜10mmとし、
6)区分発熱部の間隔である区分け部の幅が0.3〜50mmであり、
7)少なくともヒートクロスの厚みと直交する面における最小剛軟度が100mm以下であり、
8)前記収納袋の一部が通気性を有し、
9)収納袋の周辺部をヒートシールすることを特徴とするヒートクロスの製造方法。 - 前記基材及び前記被覆材は、ヒートシール層を有し、少なくとも一方のヒートシール層の上に粘着剤からなる粘着剤層を設け、前記発熱組成物成形体の周縁部にて、前記基材と前記被覆材を前記粘着層を介して、仮着した後に、ヒートシールすることを特徴とする請求項18に記載のヒートクロスの製造方法。
- 前記仮着シール部の幅より狭く、ヒートシールをし、その後、仮着シール部内でヒートシールされていない領域に、前記発熱組成物を移動させることにより、開着することを特徴とする請求項19に記載のヒートクロスの製造方法。
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