JPWO2006006652A1 - 発熱体 - Google Patents
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Abstract
発熱組成物の周辺に空間が確実に確保でき、発熱組成物の保温、空気取り入れ量の調整、水分の飛散防止が可能な発熱体を提供する。空気と接触して発熱する発熱組成物の成形体である発熱組成物成形体を基材に積層し、被覆材を被せ、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより、複数の凹凸を有する収納袋の凸部に、前記発熱組成物成形体を収納した発熱部を有する発熱体において、前記発熱組成物が発熱物質、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分とし、前記発熱体は、区分発熱部と区分け部からなり、前記区分発熱部は、前記発熱組成物成形体を収納し、前記区分け部がシール部であり、前記区分発熱部が区分け部を介して配置され、前記区分発熱部の少なくとも一部が通気面を有し、前記発熱組成物成形体と接触する通気面が非吸水性素材で構成され、前記区分発熱部と前記区分け部とが段差を有し、前記段差部は、接着層を介して通気調整材により覆われて、仕切られた空間部を形成し、前記空間部に主要空気取り入れ口があることを特徴とする。
Description
本発明は発熱組成物の所期の反応熱を均等にして効率よく発現させ、短時間で発熱体の発熱部全体が温かくなり、通気調整材と空間通気層により発熱組成物からの気体移動を制限し、外気温変化の影響を少なくし、発熱組成物を効果的に保温することで、冷たい外部空気の流入による発熱組成物自身の温度低下を防ぎ、発熱反応を一定に行わせ、発熱反応の立ち消えをなくし、温度のバラツキも少なく、長時間の発熱を達成し、温度特性に優れた発熱体に関する。
空気の存在によって発熱する発熱体の製造において、包材の通気度や透湿度の管理を行い、発熱体の発熱温度の管理を行ってきた。
この種、発熱体においては、包材を構成する基材或いは被覆材のうち少なくとも一方を多孔質化することによって通気性を持たせ、この通気性を管理することにより空気の供給量を制御し温度制御を行っているのが現状である。
従来、基材或いは被覆材に通気性を付与する方法としては、以下のものが提案されている。即ち、
(1)通気性の基材或いは被覆材を製造するにあたり、ナイロン不織布などの不織布にポリエチレン樹脂製フィルムなどの合成樹脂製フィルムをラミネートし、これに針を突き刺し、針大の大きさや針穴の数により通気量を管理、制御し、これによって、発熱速度を制御するものである。
(2)ポリエチレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂に炭酸カルシウムや硫酸バリウム等の微粉末を混練し、このポリオレフィン系樹順組成物を成形して得たポリオレフィン系樹脂製フィルムを延伸することにより、ポリオレフィン系樹脂製フィルムに亀裂を生じさせて多孔質化することにより通気性を付与し、通気度や透湿度を管理しながら、ナイロン不織布等の不織布を貼り合わせたものである。
つまり、このものはポリオレフィン系樹脂製フィルムの延伸率や不織布の厚さ更にポリオレフィン系樹脂製フィルムと不織布との貼り合わせ面積を制御して通気度や透湿度を管理するものである。
また、ナイロン不織布等の不織布と穿孔フィルムや多孔質フィルムとの組み合わせによる通気性を有する複層構造物を使用することにより外気温温度変化に対する人体に感ずる関知温度変化を少なくする提案もなされている。
即ち、この種、発熱体においては、包材を構成する基材或いは被覆材のうち少なくとも一方を多孔質化するにあたり、針穿孔、或いは延伸等の加工を行い通気性を持たせ、この通気性により温度制御を行っているのが現状である。
また、特許文献1では、空気の存在によって発熱する発熱組成物を、基材と被覆材とからなる扁平状包材内に収納してなる発熱体において、前記の基材と被覆材のうちその一方或いは双方における発熱組成物との接触面側に通気層を積層し、この通気層の周縁側瑞面部から当核通気層を介して空気が内部に流入するように構成してなる発熱体が開示されている。
しかしながら、前記包材内に粉体状の発熱組成物を収納した場合、この発熱組成物の粉漏れが生じて下着や肌を汚損したり、基材や被覆材に針穿孔により穴を空ける際、この基材や被覆材が伸縮し、その結果、開孔時の穴径が変化したり、時間の経過と共に穴径が変化したり、バリの発生状態によって実質的な穴径に大きなバラツキが生じて、通気度や透湿度が大きくバラツクだけでなく、その管理や制御が極めて困難である。
不織布と多孔質フィルムの積層体は、ポリオレフィン系樹脂製フィルムの延伸率や不織布の厚さ更にポリオレフィン系樹脂製フィルムと不織布との貼り合わせ面積を一定にしても必ずしも一定した通気度や透湿度の多孔質フィルムが得られるものではなく、まして、延伸して得られたポリオレフィン系樹脂製フィルムはその幅方向や長手方向においてその箇所によって、亀裂の形状や分布更に大きさが大きく異なり、非常に制御が困難で、安定性に乏しく、通気度や透湿度に大きなバラツキが生じるのでの発熱温度の管理上非常に重要な管理項目であり、実際には通気度や透湿度を管理、制御することが至極困難で、管理幅が平均値に対し、プラス側とマイナス側にそれぞれ20〜30%の範囲と極めて大きくバラツクのが現状であり、通気度や透湿度の規格幅を更に狭くするためには、ロス率(現状では20〜30%)が大きくなり著しく高価格になったり、規格外の基材や被覆材が混入する等、品質管理が著しく煩わしくなるのである。
加えて、ポリオレフィン系樹脂製フィルムの延伸には、特殊で、高価な延伸装置が必要であるうえ、工程数が増大したり、多孔質フィルムの生産性が著しく低下し、この点からも、基材や被獲材の製造コストが至極高くなるのである。
また、穿孔フィルム及び不織布と多孔質フィルムの積層体は、通気度や透湿度が大きくバラツクため、所要の発熱温度が得られず、有効な温熱効果が得られなかったり、逆に、温度が上昇し過ぎて低温やけどが発生し、安全性等の観点から、種々の問題があった。
また、古くから使用されてきた発熱体は、基材或いは被覆材が多孔質に形成され、全面に通気性が付与されているから、発熱体の全面において、その通気孔から空気が発熱体の面方向に対して垂直方向ないしほぼ垂直方向に流入し、発熱体全面が同時に発熱反応を起こす。このため、通気度のバラツキが直接、発熱温度のバラツキになる上、周辺部に比べ中心部になるほど発熱体の放熱が少ないため、発熱体の中心部の温度が周辺部より上昇する結果、低温火傷の危険性を増大させることになり、実用上問題があった。
そして、今までのところ、包材の通気度や透湿度を厳格に管理できる包材の製造技術や管理技術は確立されておらず、バラツキ幅が大きいため、ロス率が2割から3割と高く、資源の有効利用やコストの面でも問題があった。実際には通気度や透湿度を管理、制御することが極めて困難で、管理幅が平均値に対し、プラス側とマイナス側にそれぞれ20〜30%の範囲と極めて大きくバラツキが生じるのが現状であり、通気度や透湿度の規格幅を更に狭くするためには、ロス率(現状では20〜30%)が大きくなり著しく高価格になったり、規格外の基材や被覆材が混入する等、品質管理が著しく煩わしくなる。
加えて、ポリオレフィン系樹脂製フィルムの延伸には、特殊で、高価な延伸装置が必要であるうえ、工程数が増大したり、多孔質フィルムの生産性が著しく低下し、この点からも、基材や被覆材の製造コストが極めて高くなる。
穿孔フィルム及び不織布と多孔質フィルムの積層体は通気度や透湿度が大きくバラツクため、所要の発熱温度が得られず、有効な温熱効果が得られなかったり、逆に、温度が上昇し過ぎて低温やけどが発生し、安全性等の観点から、種々の問題があった。
しかし、特許文献1に開示される方法では、発熱体の面方向に対して水平方向ないし略水平方向に空気が流入し、発熱反応が発熱体の周辺部から徐々に内側に向かって進行するため、発熱体の持続時問が延長できるが、発熱体としての立ち上がり時間が遅くなり、初期は発熱体周辺部と中心部の温度差が大きく、異和感を生じる。更に、時問と共に水平に温度分布が移動するため、長い時間温度差を解消しないまま採暖が続く。同じ場所を長時間、ピーク(高い)温度で加熱しない効果があるが発熱体の周辺部は反応が終わり、冷たくなるが中心部は温かいという現象が起こり、発熱体としては、実用上問題がでる。
また、発熱体の中心部に行くほど、空気の流入量が抵抗により低下するため、発熱組成物の転写面積が大きくなればなるほど、発熱体の中心部の発熱温度が低下することも使用時の不快さを生むことになる。
更に、発熱体の面方向に対して水平方向ないし略水平方向に空気が流入し、発熱反応が発熱体の周囲から内側に向かって徐々に進行し、温度上昇が、多孔質フィルムつまり全面に通気性を付与した通気性フィルムと比較して、発熱が中心部まで行き渡るのに時間がかかり、周辺部のみ温度上昇が続き、全体として低い温度が継続するため、温度感に物足りなさが残る。温度を下げることは容易であるが、温度を上げることは難しく、用途が限られてしまう。
即ち、この種、発熱体においては、包材を構成する基材或いは被覆材のうち少なくとも一方を多孔質化するにあたり、針穿孔、或いは延伸等の加工を行い通気性を持たせ、この通気性により温度制御を行っているのが現状である。
また発熱開始から始まる発熱組成物からの水分飛散についてはほとんど手がつけられておらず、通気面全面を通して水分が飛散し、発熱物質の反応を十分に行えず、発熱物質の化学量論的な反応が完結せず、発熱物質の天命を全うできず、本来の発熱体の発熱持続時間からほど遠いものであった。
また、通常、鉄粉の酸化反応熱を利用する化学カイロの発熱反応は、当然外気雰囲気温度によって変化するが、この外気温度の影響を少なくするために包材の空気層をいかし、かつ取り入れ空気を温めながら発熱剤へ供給することによって、即ち不繊布として、使用に際しての強度をもつ特定の厚さ及び特定の体積分率を有するものを用い、発熱剤の設けられている面に平行して空気を供給する(横通気性)ことによって、カイロの断熱性及び伝熱性、保温性更には感触性(ソフト性)の改善も試みられたが、不十分であった。特に区分発熱部を有する場合、表面積が増え、制御に限界があった。
また、扁平で、発熱部が1個から構成され、表面層の中央部に穿孔により、多数の通気孔を設けた透気性シートにより形成した発熱体では、使用開始直後直ぐに適度に暖かくなるが、
(1)通気孔では最初に急激に温度が上がり過ぎる。
(2)発熱部位の経時的な移動及び異なる温度の部位を生じる。
(3)通気孔からしか空気が入っていかないので、袋の端の発熱体は利用されないまま残る可能性がある。
(4)通気孔から発熱体が洩れるため、洩れ防止に賦形剤を使う必要がある。賦形剤は発熱体自体を硬くするため、上記(2)の問題が更に起こりやすくなる。
また、扁平で、発熱部が1個から構成され、高透気性部と低透気性部とからなる透気性の異なる透気性シートにより形成した発熱体では、使用開始後直ぐに適度に暖かくなるが、発熱部位の経時的な移動及び異なる温度の部位を生じる。更に、発熱部が1個から構成されているため、身体の曲面部へのフィット性が悪く、使用感に問題があり、更に、発熱体の大型化時には、こわごわ感が増加し、使用感の悪いものになっていた。
従来、基材或いは被覆材に通気性を付与する方法としては、以下のものが提案されている。即ち、
(1)通気性の基材或いは被覆材を製造するにあたり、ナイロン不織布などの不織布にポリエチレン樹脂製フィルムなどの合成樹脂製フィルムをラミネートし、これに針を突き刺し、針大の大きさや針穴の数により通気量を管理、制御し、これによって、発熱速度を制御するものである。
(2)ポリエチレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂に炭酸カルシウムや硫酸バリウム等の微粉末を混練し、このポリオレフィン系樹順組成物を成形して得たポリオレフィン系樹脂製フィルムを延伸することにより、ポリオレフィン系樹脂製フィルムに亀裂を生じさせて多孔質化することにより通気性を付与し、通気度や透湿度を管理しながら、ナイロン不織布等の不織布を貼り合わせたものである。
つまり、このものはポリオレフィン系樹脂製フィルムの延伸率や不織布の厚さ更にポリオレフィン系樹脂製フィルムと不織布との貼り合わせ面積を制御して通気度や透湿度を管理するものである。
また、ナイロン不織布等の不織布と穿孔フィルムや多孔質フィルムとの組み合わせによる通気性を有する複層構造物を使用することにより外気温温度変化に対する人体に感ずる関知温度変化を少なくする提案もなされている。
即ち、この種、発熱体においては、包材を構成する基材或いは被覆材のうち少なくとも一方を多孔質化するにあたり、針穿孔、或いは延伸等の加工を行い通気性を持たせ、この通気性により温度制御を行っているのが現状である。
また、特許文献1では、空気の存在によって発熱する発熱組成物を、基材と被覆材とからなる扁平状包材内に収納してなる発熱体において、前記の基材と被覆材のうちその一方或いは双方における発熱組成物との接触面側に通気層を積層し、この通気層の周縁側瑞面部から当核通気層を介して空気が内部に流入するように構成してなる発熱体が開示されている。
しかしながら、前記包材内に粉体状の発熱組成物を収納した場合、この発熱組成物の粉漏れが生じて下着や肌を汚損したり、基材や被覆材に針穿孔により穴を空ける際、この基材や被覆材が伸縮し、その結果、開孔時の穴径が変化したり、時間の経過と共に穴径が変化したり、バリの発生状態によって実質的な穴径に大きなバラツキが生じて、通気度や透湿度が大きくバラツクだけでなく、その管理や制御が極めて困難である。
不織布と多孔質フィルムの積層体は、ポリオレフィン系樹脂製フィルムの延伸率や不織布の厚さ更にポリオレフィン系樹脂製フィルムと不織布との貼り合わせ面積を一定にしても必ずしも一定した通気度や透湿度の多孔質フィルムが得られるものではなく、まして、延伸して得られたポリオレフィン系樹脂製フィルムはその幅方向や長手方向においてその箇所によって、亀裂の形状や分布更に大きさが大きく異なり、非常に制御が困難で、安定性に乏しく、通気度や透湿度に大きなバラツキが生じるのでの発熱温度の管理上非常に重要な管理項目であり、実際には通気度や透湿度を管理、制御することが至極困難で、管理幅が平均値に対し、プラス側とマイナス側にそれぞれ20〜30%の範囲と極めて大きくバラツクのが現状であり、通気度や透湿度の規格幅を更に狭くするためには、ロス率(現状では20〜30%)が大きくなり著しく高価格になったり、規格外の基材や被覆材が混入する等、品質管理が著しく煩わしくなるのである。
加えて、ポリオレフィン系樹脂製フィルムの延伸には、特殊で、高価な延伸装置が必要であるうえ、工程数が増大したり、多孔質フィルムの生産性が著しく低下し、この点からも、基材や被獲材の製造コストが至極高くなるのである。
また、穿孔フィルム及び不織布と多孔質フィルムの積層体は、通気度や透湿度が大きくバラツクため、所要の発熱温度が得られず、有効な温熱効果が得られなかったり、逆に、温度が上昇し過ぎて低温やけどが発生し、安全性等の観点から、種々の問題があった。
また、古くから使用されてきた発熱体は、基材或いは被覆材が多孔質に形成され、全面に通気性が付与されているから、発熱体の全面において、その通気孔から空気が発熱体の面方向に対して垂直方向ないしほぼ垂直方向に流入し、発熱体全面が同時に発熱反応を起こす。このため、通気度のバラツキが直接、発熱温度のバラツキになる上、周辺部に比べ中心部になるほど発熱体の放熱が少ないため、発熱体の中心部の温度が周辺部より上昇する結果、低温火傷の危険性を増大させることになり、実用上問題があった。
そして、今までのところ、包材の通気度や透湿度を厳格に管理できる包材の製造技術や管理技術は確立されておらず、バラツキ幅が大きいため、ロス率が2割から3割と高く、資源の有効利用やコストの面でも問題があった。実際には通気度や透湿度を管理、制御することが極めて困難で、管理幅が平均値に対し、プラス側とマイナス側にそれぞれ20〜30%の範囲と極めて大きくバラツキが生じるのが現状であり、通気度や透湿度の規格幅を更に狭くするためには、ロス率(現状では20〜30%)が大きくなり著しく高価格になったり、規格外の基材や被覆材が混入する等、品質管理が著しく煩わしくなる。
加えて、ポリオレフィン系樹脂製フィルムの延伸には、特殊で、高価な延伸装置が必要であるうえ、工程数が増大したり、多孔質フィルムの生産性が著しく低下し、この点からも、基材や被覆材の製造コストが極めて高くなる。
穿孔フィルム及び不織布と多孔質フィルムの積層体は通気度や透湿度が大きくバラツクため、所要の発熱温度が得られず、有効な温熱効果が得られなかったり、逆に、温度が上昇し過ぎて低温やけどが発生し、安全性等の観点から、種々の問題があった。
しかし、特許文献1に開示される方法では、発熱体の面方向に対して水平方向ないし略水平方向に空気が流入し、発熱反応が発熱体の周辺部から徐々に内側に向かって進行するため、発熱体の持続時問が延長できるが、発熱体としての立ち上がり時間が遅くなり、初期は発熱体周辺部と中心部の温度差が大きく、異和感を生じる。更に、時問と共に水平に温度分布が移動するため、長い時間温度差を解消しないまま採暖が続く。同じ場所を長時間、ピーク(高い)温度で加熱しない効果があるが発熱体の周辺部は反応が終わり、冷たくなるが中心部は温かいという現象が起こり、発熱体としては、実用上問題がでる。
また、発熱体の中心部に行くほど、空気の流入量が抵抗により低下するため、発熱組成物の転写面積が大きくなればなるほど、発熱体の中心部の発熱温度が低下することも使用時の不快さを生むことになる。
更に、発熱体の面方向に対して水平方向ないし略水平方向に空気が流入し、発熱反応が発熱体の周囲から内側に向かって徐々に進行し、温度上昇が、多孔質フィルムつまり全面に通気性を付与した通気性フィルムと比較して、発熱が中心部まで行き渡るのに時間がかかり、周辺部のみ温度上昇が続き、全体として低い温度が継続するため、温度感に物足りなさが残る。温度を下げることは容易であるが、温度を上げることは難しく、用途が限られてしまう。
即ち、この種、発熱体においては、包材を構成する基材或いは被覆材のうち少なくとも一方を多孔質化するにあたり、針穿孔、或いは延伸等の加工を行い通気性を持たせ、この通気性により温度制御を行っているのが現状である。
また発熱開始から始まる発熱組成物からの水分飛散についてはほとんど手がつけられておらず、通気面全面を通して水分が飛散し、発熱物質の反応を十分に行えず、発熱物質の化学量論的な反応が完結せず、発熱物質の天命を全うできず、本来の発熱体の発熱持続時間からほど遠いものであった。
また、通常、鉄粉の酸化反応熱を利用する化学カイロの発熱反応は、当然外気雰囲気温度によって変化するが、この外気温度の影響を少なくするために包材の空気層をいかし、かつ取り入れ空気を温めながら発熱剤へ供給することによって、即ち不繊布として、使用に際しての強度をもつ特定の厚さ及び特定の体積分率を有するものを用い、発熱剤の設けられている面に平行して空気を供給する(横通気性)ことによって、カイロの断熱性及び伝熱性、保温性更には感触性(ソフト性)の改善も試みられたが、不十分であった。特に区分発熱部を有する場合、表面積が増え、制御に限界があった。
また、扁平で、発熱部が1個から構成され、表面層の中央部に穿孔により、多数の通気孔を設けた透気性シートにより形成した発熱体では、使用開始直後直ぐに適度に暖かくなるが、
(1)通気孔では最初に急激に温度が上がり過ぎる。
(2)発熱部位の経時的な移動及び異なる温度の部位を生じる。
(3)通気孔からしか空気が入っていかないので、袋の端の発熱体は利用されないまま残る可能性がある。
(4)通気孔から発熱体が洩れるため、洩れ防止に賦形剤を使う必要がある。賦形剤は発熱体自体を硬くするため、上記(2)の問題が更に起こりやすくなる。
また、扁平で、発熱部が1個から構成され、高透気性部と低透気性部とからなる透気性の異なる透気性シートにより形成した発熱体では、使用開始後直ぐに適度に暖かくなるが、発熱部位の経時的な移動及び異なる温度の部位を生じる。更に、発熱部が1個から構成されているため、身体の曲面部へのフィット性が悪く、使用感に問題があり、更に、発熱体の大型化時には、こわごわ感が増加し、使用感の悪いものになっていた。
そこで、本発明は、発熱組成物の周辺に空間が確実に確保でき、発熱組成物の保温、空気取り入れ量の調整、水分の飛散防止が可能な発熱体を提供することを目的とする。
本発明は、これらの問題を解決するために完成されたものであって、区分発熱部と区分け部の高低差を利用し、通気性素材と弱通気性素材又は非通気性素材により構成される外部区間とつながった空間領域及びそれとに付随する通気口から構成され、区分発熱部の周縁部から空気が前記空間通気層へ流入するように構成されたものである。
即ち、本発明の発熱体は、請求項1に記載の通り、空気と接触して発熱する発熱組成物の成形体である発熱組成物成形体を基材に積層し、被覆材を被せ、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより、複数の凹凸を有する収納袋の凸部に、前記発熱組成物成形体を収納した発熱部を有する発熱体において、
1)前記発熱組成物が発熱物質、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分とし、
2)前記発熱体は、区分発熱部と区分け部からなり、前記区分発熱部は、前記発熱組成物成形体を収納し、前記区分け部がシール部であり、前記区分発熱部が区分け部を介して配置され、
3)前記区分発熱部の少なくとも一部が通気面を有し、
4)前記発熱組成物成形体と接触する通気面が非吸水性素材で構成され、
5)前記区分発熱部と前記区分け部とが段差を有し、前記段差部は、通気調整材により覆われて、仕切られた空間部を形成し、
6)前記空間部に主要空気取り入れ口があることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記通気調整材の通気性が、前記発熱部の通気性以下であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記発熱組成物の易動水値が、0.01〜20であることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記発熱組成物が、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、水素発生抑制剤、骨材、繊維状物、機能性物質、界面活性剤、有機ケイ素化合物、焦電物質、保湿剤、肥料成分、疎水性高分子化合物、発熱助剤、鉄以外の金属、酸化鉄以外の金属酸化物、酸性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする。
また、請求項5に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記空間部が、直線状、曲線状及び迷路状の中から選ばれた少なくとも1種以上の空間形状を有することを特徴とする。
また、請求項6に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記通気調整材が、非通気素材であることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発熱体は、請求項6に記載の発熱体において、前記通気調整材が、熱可塑性合成樹脂フィルム、金属薄膜を有する熱可塑性合成樹脂フィルム、不織布と前記熱可塑性合成樹脂フィルムとをラミネートした非通気性を有する複層構造物、合成樹脂発泡体及びこれらを含む複層構造物から選ばれた少なくとも一種からなることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記区分発熱部が前記区分け部を挟んで、スジ状に間隔を置いて設けられていることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記空気取り入れ口が、前記発熱体の周辺部にあり、外部空間にある空気を前記空気取り入れ口を介して、前記発熱組成物へ空気が流入することを特徴とする。
また、請求項10に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記空気取り入れ口が、前記通気調整材に穿孔して設けられたことを特徴とする。
また、請求項11に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記通気調整材と前記発熱部の間に、前記区分発熱部を横断する空間が設けられていることを特徴とする。
また、請求項12に記載の発熱体は、請求項11に記載の発熱体において、前記区分発熱部を横断する空間が、前記通気面のほぼ中央部に設けられていることを特徴とする。
また、請求項13に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記区分発熱部は、最短の長さが5〜200mm、最大の高さが0.1〜10mmであり、前記区分発熱部が複数個離れて配置され、前記区分発熱部の集合から集合発熱部が形成されることを特徴とする。
また、請求項14に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記空気取り入れ口を覆うように剥離可能な状態で、非通気性のフィルムを設けたことを特徴とする。
また、請求項15に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記発熱体の露出面の一部に固定手段を設けることを特徴とする。
また、前記発熱体において、前記通気調整材が、接着層を介して接合されていることが好ましい。
また、前記発熱体において、前記発熱組成物が少なくとも鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分とした混合物を、酸化性ガスに接触処理をした成分を含有することが好ましい。
また、前記発熱体において、前記鉄粉が、少なくとも表面の一部が鉄酸化物皮膜で覆われ、前記鉄酸化物皮膜の厚さが3nm以上であり、且つ、少なくとも前記鉄粉の中心部領域及び前記鉄酸化物皮膜の下の領域から選ばれた少なくとも一領域において、酸素を含まない鉄成分の領域を有する活性鉄粉を20〜100重量%含有することが好ましい。
また、前記発熱体において、前記鉄粉が少なくとも表面の一部がウスタイト皮膜で覆われ、前記ウスタイト量が、鉄とのX線ピーク強度比で、2〜50重量%である活性鉄粉を20〜100重量%含有することが好ましい。
また、前記発熱体において、前記発熱体において、少なくとも前記発熱組成物成形体が圧縮されていることが好ましい。
また、前記発熱体において、前記ヒートシール部は、粘着剤層による仮着後、ヒートシールにより形成され、ヒートシール層には前記粘着剤層を構成する粘着剤成分と前記ヒートシール層を構成するヒートシール材の成分が共存することが好ましい。
また、前記発熱体において、前記ヒートシール後、収納された前記発熱組成物成形体の少なくとも一部を、ヒートシールされていない仮着部に移動させることより、前記仮着部を開着したことが好ましい。
また、前記発熱体において、前記固定手段は、粘着剤層であり、前記粘着剤層が保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、疎水性高分子化合物、焦電物質、酸化防止剤、骨材、繊維状物、保湿剤、機能性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有することが好ましい。
即ち、本発明の発熱体は、請求項1に記載の通り、空気と接触して発熱する発熱組成物の成形体である発熱組成物成形体を基材に積層し、被覆材を被せ、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより、複数の凹凸を有する収納袋の凸部に、前記発熱組成物成形体を収納した発熱部を有する発熱体において、
1)前記発熱組成物が発熱物質、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分とし、
2)前記発熱体は、区分発熱部と区分け部からなり、前記区分発熱部は、前記発熱組成物成形体を収納し、前記区分け部がシール部であり、前記区分発熱部が区分け部を介して配置され、
3)前記区分発熱部の少なくとも一部が通気面を有し、
4)前記発熱組成物成形体と接触する通気面が非吸水性素材で構成され、
5)前記区分発熱部と前記区分け部とが段差を有し、前記段差部は、通気調整材により覆われて、仕切られた空間部を形成し、
6)前記空間部に主要空気取り入れ口があることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記通気調整材の通気性が、前記発熱部の通気性以下であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記発熱組成物の易動水値が、0.01〜20であることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記発熱組成物が、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、水素発生抑制剤、骨材、繊維状物、機能性物質、界面活性剤、有機ケイ素化合物、焦電物質、保湿剤、肥料成分、疎水性高分子化合物、発熱助剤、鉄以外の金属、酸化鉄以外の金属酸化物、酸性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする。
また、請求項5に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記空間部が、直線状、曲線状及び迷路状の中から選ばれた少なくとも1種以上の空間形状を有することを特徴とする。
また、請求項6に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記通気調整材が、非通気素材であることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発熱体は、請求項6に記載の発熱体において、前記通気調整材が、熱可塑性合成樹脂フィルム、金属薄膜を有する熱可塑性合成樹脂フィルム、不織布と前記熱可塑性合成樹脂フィルムとをラミネートした非通気性を有する複層構造物、合成樹脂発泡体及びこれらを含む複層構造物から選ばれた少なくとも一種からなることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記区分発熱部が前記区分け部を挟んで、スジ状に間隔を置いて設けられていることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記空気取り入れ口が、前記発熱体の周辺部にあり、外部空間にある空気を前記空気取り入れ口を介して、前記発熱組成物へ空気が流入することを特徴とする。
また、請求項10に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記空気取り入れ口が、前記通気調整材に穿孔して設けられたことを特徴とする。
また、請求項11に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記通気調整材と前記発熱部の間に、前記区分発熱部を横断する空間が設けられていることを特徴とする。
また、請求項12に記載の発熱体は、請求項11に記載の発熱体において、前記区分発熱部を横断する空間が、前記通気面のほぼ中央部に設けられていることを特徴とする。
また、請求項13に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記区分発熱部は、最短の長さが5〜200mm、最大の高さが0.1〜10mmであり、前記区分発熱部が複数個離れて配置され、前記区分発熱部の集合から集合発熱部が形成されることを特徴とする。
また、請求項14に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記空気取り入れ口を覆うように剥離可能な状態で、非通気性のフィルムを設けたことを特徴とする。
また、請求項15に記載の発熱体は、請求項1に記載の発熱体において、前記発熱体の露出面の一部に固定手段を設けることを特徴とする。
また、前記発熱体において、前記通気調整材が、接着層を介して接合されていることが好ましい。
また、前記発熱体において、前記発熱組成物が少なくとも鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分とした混合物を、酸化性ガスに接触処理をした成分を含有することが好ましい。
また、前記発熱体において、前記鉄粉が、少なくとも表面の一部が鉄酸化物皮膜で覆われ、前記鉄酸化物皮膜の厚さが3nm以上であり、且つ、少なくとも前記鉄粉の中心部領域及び前記鉄酸化物皮膜の下の領域から選ばれた少なくとも一領域において、酸素を含まない鉄成分の領域を有する活性鉄粉を20〜100重量%含有することが好ましい。
また、前記発熱体において、前記鉄粉が少なくとも表面の一部がウスタイト皮膜で覆われ、前記ウスタイト量が、鉄とのX線ピーク強度比で、2〜50重量%である活性鉄粉を20〜100重量%含有することが好ましい。
また、前記発熱体において、前記発熱体において、少なくとも前記発熱組成物成形体が圧縮されていることが好ましい。
また、前記発熱体において、前記ヒートシール部は、粘着剤層による仮着後、ヒートシールにより形成され、ヒートシール層には前記粘着剤層を構成する粘着剤成分と前記ヒートシール層を構成するヒートシール材の成分が共存することが好ましい。
また、前記発熱体において、前記ヒートシール後、収納された前記発熱組成物成形体の少なくとも一部を、ヒートシールされていない仮着部に移動させることより、前記仮着部を開着したことが好ましい。
また、前記発熱体において、前記固定手段は、粘着剤層であり、前記粘着剤層が保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、疎水性高分子化合物、焦電物質、酸化防止剤、骨材、繊維状物、保湿剤、機能性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有することが好ましい。
以上のように、本発明は、通気調整材と発熱組成物に密着した通気層から空間通気層を構成する事により、発熱組成物の周辺に空間が確実に確保でき、これにより、発熱組成物の保温、空気取り入れ量の調整、水分の飛散防止が可能になった。即ち、
1.発熱組成物が2個以上複数の別れた区分発熱組成物として、ある間隔を隔てて、設けられ、更に、前記区分発熱組成物に第1通気層が接触して設けられることにより、複数の区分発熱部が区分け部を挟んで存在する構成になり、固定された区分発熱組成物が凸部を形成する凹凸部が交互に存在する形になり、この凹部と通気調整材を組み合わせることにより、しっかりとした空間が維持できた。
2.発熱組成物に沿って空間が存在することにより、通気と同時に発熱組成物全体が発熱反応を開始できるので、発熱体の周縁部から中央部まで、同時に温度むらなく温めることができる。
3.空気取り入れ口を集約し、空間通気層と組み合わせることにより、発熱組成物中の水分の過度の飛散を防止し、長時間に渡る発熱を得ることができる。
4.通気調整材とそれに付随した通気口の開口量を調節することにより、空間通気層と外気との圧差を利用して、外気の取り入れ調整が可能になり、反応が激しいときは空間通気層の空間も減圧になり、通気調整材は通気性素材(発熱組成物)側に引き寄せられることにより空間が小さくなるともに、通気口も小さくなり、区間通気口に流入する空気量が少なくなり、反応は停滞する。反応が停滞すると減圧度が低くなり、通気口が大きくなる。そのため空気の流入量が増え、又反応が激しくなる。これの繰り返しにより、空気の流入量が反応の程度と反比例する事になり、通気調整材は空気流入調節弁として働き、空気取り入れが安定化し、発熱が一定になり温度のバラツキも著しく少なくなる。
5.空間通気層を空間から構成することにより、発熱組成物の断熱保温が実現でき、発熱組成物の所期の反応熱を均等にして効率よく発現させ、短時間で発熱体の発熱部全体が温かくなり、空間通気層により発熱組成物からの気体移動を制限し、外気温変化の影響を少なくし、発熱組成物を効果的に保温することで、冷たい外部空気の流入による発熱組成物自身の温度低下を防ぎ、発熱反応を一定に行わせ、発熱反応の立ち消えをなくし、発熱時間の長時間化を達成する、温度特性に優れた発熱体を提供することができる。
6.所望により区分発熱部にまたがる第2の空間通気層を設けることにより、発熱組成物の保温、発熱の均一性、水分の飛散防止がより向上できる。
7.集合発熱部の過剰な反応を抑制するため、人体等と接触する採暖部を充分に加熱保温する一方で集合発熱部の過剰な加熱を抑制できる効果をも兼備する。
8.通気調整材に合成樹脂フィルムにアルミニウムや酸化ケイ素などを蒸着した保温シートや発泡体等の断熱体を使用する事により、保温効果を上げ、発熱組成物が発する遠赤外線を発熱組成物側に反射させ、寒気を反射側へ反射させ、発熱組成物を防寒・保温するため、発熱組成物の反応立ち消えを防止し、薄い発熱体でありながら、長時間暖かさが得られる。
1.発熱組成物が2個以上複数の別れた区分発熱組成物として、ある間隔を隔てて、設けられ、更に、前記区分発熱組成物に第1通気層が接触して設けられることにより、複数の区分発熱部が区分け部を挟んで存在する構成になり、固定された区分発熱組成物が凸部を形成する凹凸部が交互に存在する形になり、この凹部と通気調整材を組み合わせることにより、しっかりとした空間が維持できた。
2.発熱組成物に沿って空間が存在することにより、通気と同時に発熱組成物全体が発熱反応を開始できるので、発熱体の周縁部から中央部まで、同時に温度むらなく温めることができる。
3.空気取り入れ口を集約し、空間通気層と組み合わせることにより、発熱組成物中の水分の過度の飛散を防止し、長時間に渡る発熱を得ることができる。
4.通気調整材とそれに付随した通気口の開口量を調節することにより、空間通気層と外気との圧差を利用して、外気の取り入れ調整が可能になり、反応が激しいときは空間通気層の空間も減圧になり、通気調整材は通気性素材(発熱組成物)側に引き寄せられることにより空間が小さくなるともに、通気口も小さくなり、区間通気口に流入する空気量が少なくなり、反応は停滞する。反応が停滞すると減圧度が低くなり、通気口が大きくなる。そのため空気の流入量が増え、又反応が激しくなる。これの繰り返しにより、空気の流入量が反応の程度と反比例する事になり、通気調整材は空気流入調節弁として働き、空気取り入れが安定化し、発熱が一定になり温度のバラツキも著しく少なくなる。
5.空間通気層を空間から構成することにより、発熱組成物の断熱保温が実現でき、発熱組成物の所期の反応熱を均等にして効率よく発現させ、短時間で発熱体の発熱部全体が温かくなり、空間通気層により発熱組成物からの気体移動を制限し、外気温変化の影響を少なくし、発熱組成物を効果的に保温することで、冷たい外部空気の流入による発熱組成物自身の温度低下を防ぎ、発熱反応を一定に行わせ、発熱反応の立ち消えをなくし、発熱時間の長時間化を達成する、温度特性に優れた発熱体を提供することができる。
6.所望により区分発熱部にまたがる第2の空間通気層を設けることにより、発熱組成物の保温、発熱の均一性、水分の飛散防止がより向上できる。
7.集合発熱部の過剰な反応を抑制するため、人体等と接触する採暖部を充分に加熱保温する一方で集合発熱部の過剰な加熱を抑制できる効果をも兼備する。
8.通気調整材に合成樹脂フィルムにアルミニウムや酸化ケイ素などを蒸着した保温シートや発泡体等の断熱体を使用する事により、保温効果を上げ、発熱組成物が発する遠赤外線を発熱組成物側に反射させ、寒気を反射側へ反射させ、発熱組成物を防寒・保温するため、発熱組成物の反応立ち消えを防止し、薄い発熱体でありながら、長時間暖かさが得られる。
空気と接触して発熱する発熱組成物の成形体である発熱組成物成形体を基材に積層し、被覆材を被せ、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより、複数の凹凸を有する収納袋の凸部に、前記発熱組成物成形体を収納した発熱部を有する発熱体において、
1)前記発熱組成物が発熱物質、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分とし、
2)前記発熱体は、区分発熱部と区分け部からなり、前記区分発熱部は、前記発熱組成物成形体を収納し、前記区分け部がシール部であり、前記区分発熱部が区分け部を介して配置され、
3)前記区分発熱部の少なくとも一部が通気面を有し、
4)前記発熱組成物成形体と接触する通気面が非吸水性素材で構成され、
5)前記区分発熱部と前記区分け部とが段差を有し、前記段差部は、接着層を介して通気調整材により覆われて、仕切られた空間部を形成し、
6)前記空間部に空気取り入れ口があることを特徴とする発熱体である。
通気調整材は発熱部への通気性や通気経路を制御するものである。また、通気調整材を構成する素材の通気性は空気溜まりや通気調整ができれば制限はないが、発熱部の通気面の通気性以下とすることが好ましい。
また、通気孔の位置は、制限はなく、中央部でも空間部でも端部でもよい。
1)前記発熱組成物が発熱物質、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分とし、
2)前記発熱体は、区分発熱部と区分け部からなり、前記区分発熱部は、前記発熱組成物成形体を収納し、前記区分け部がシール部であり、前記区分発熱部が区分け部を介して配置され、
3)前記区分発熱部の少なくとも一部が通気面を有し、
4)前記発熱組成物成形体と接触する通気面が非吸水性素材で構成され、
5)前記区分発熱部と前記区分け部とが段差を有し、前記段差部は、接着層を介して通気調整材により覆われて、仕切られた空間部を形成し、
6)前記空間部に空気取り入れ口があることを特徴とする発熱体である。
通気調整材は発熱部への通気性や通気経路を制御するものである。また、通気調整材を構成する素材の通気性は空気溜まりや通気調整ができれば制限はないが、発熱部の通気面の通気性以下とすることが好ましい。
また、通気孔の位置は、制限はなく、中央部でも空間部でも端部でもよい。
次に、図を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の発熱体の平面図で、図2は、図1のZ−Zの断面図である。
図示される発熱体1では、非通気性の基材8の上に、発熱組成物成形体3が積層され、発熱組成物成形体3は通気性を有する被覆材5により被覆される。尚、基材8は、非通気性ポリエチレンフィルムにポリエチレン製不織布をラミネートしたものであり、基材8の下面には、粘着剤10を介してセパレータ11が設けられている。また、被覆材5はポリエチレン製多孔質フィルムにポリプロピレン製不織布を積層したものである。
前記発熱体1には、発熱組成物成形体3が存在する区分発熱部4と、発熱組成物成形体3が存在しない区分け部6が存在することになり、区分け部6において被覆材5と基材8とは貼着されることになる。また、発熱体1の周縁部においても同様に基材8と被覆材5とが貼着されている。
また、隣接する発熱組成物成形体3の頂部を被覆するようにして通気調整材12が設けられており、通気調整剤12の下側と区分け部6との間には、実質的に空間である空間通気層13が形成され、その端部が空気取り入れ口となっている。
図1は、本発明の発熱体の平面図で、図2は、図1のZ−Zの断面図である。
図示される発熱体1では、非通気性の基材8の上に、発熱組成物成形体3が積層され、発熱組成物成形体3は通気性を有する被覆材5により被覆される。尚、基材8は、非通気性ポリエチレンフィルムにポリエチレン製不織布をラミネートしたものであり、基材8の下面には、粘着剤10を介してセパレータ11が設けられている。また、被覆材5はポリエチレン製多孔質フィルムにポリプロピレン製不織布を積層したものである。
前記発熱体1には、発熱組成物成形体3が存在する区分発熱部4と、発熱組成物成形体3が存在しない区分け部6が存在することになり、区分け部6において被覆材5と基材8とは貼着されることになる。また、発熱体1の周縁部においても同様に基材8と被覆材5とが貼着されている。
また、隣接する発熱組成物成形体3の頂部を被覆するようにして通気調整材12が設けられており、通気調整剤12の下側と区分け部6との間には、実質的に空間である空間通気層13が形成され、その端部が空気取り入れ口となっている。
図3は図1のX−X断面図を示す。図4は、図2の空間通気層13近傍の拡大図である。
図5は、隣接する発熱組成物成形体3間の区分け部6のほぼ中央部に、通気調整材12が被覆材5に貼着することにより、空間通気層13を2つ設けるようにした例である。
図6は、図1の通気調整材12の中央部12bを除き、接着層12a、12aが設けられた通気調整材12を使用した例である。
図7は、図1において、隣り合う区分発熱部4,4を1組として、区分け部6に分割できるようにミシン目7を設けた例である。
図8は、複数の区分発熱部4全体を覆うようにして、通気調整材12を設けた発熱体1の例である。通気調整材12の区分け部6に対向する位置に通気孔16が設けられている。この通気孔16が空気取り入れ口となる。
図9は、発熱体1の長尺方向全てに亘って通気調整材12を設けた発熱体1の例である。通気調整材12の区分け部6に対向する位置に通気孔16が設けられ、この通気孔16が空気取り入れ口となる。
図10は、発熱体1の長尺方向全てに亘って通気調整材12を設けた発熱体1の例である。空気取り入れ口は、通気調整材12と区分け部6とで構成される空間の両端部に形成される。
図11は、発熱体1の長尺方向全てに亘って通気調整材12を設けた発熱体1の例である。この例では、通気調整材12の両端部13は貼着されておらず、通気調整材12の中央部14は通気可能となっている。また、空気取り入れ口は、通気調整材12と区分け部6とで構成される空間の両端部に形成される。
図12は、全足型発熱体で、発熱体の全面に通気調整材が設けられ、通気調整材は各区分発熱部の頂部で粘着シール部を介して取り付けられている。また、発熱体の側部が空気取り入れ口になっている。
図12は、全足型発熱体で、発熱体の全面に通気調整材が設けられ、通気調整材は各区分発熱部の頂部で粘着シール部を介して取り付けられている。また、発熱体の側部が空気取り入れ口になっている。
本発明において、通気調整材とは、区分発熱部と区分け部とからなり、高低差のある発熱部を粘着層等を介して覆い、区分発熱部への通気性を調整するものである。即ち、通気調整材は、前記区分発熱部と区分け部との高低差を利用して、発熱部を通気調整材で覆うことにより、少なくとも区分発熱部の周縁部の一部に仕切られた空間を形成し、外部と区分発熱部との間の通気性を調整し、合わせて保温効果も付与する。
通気調整材の通気性は、少なくとも、区分発熱部の周縁部の一部に空気溜まりや通気調整ができれば制限はないが、発熱組成物成形体を被覆する被覆部である区分発熱部の通気面の通気性より低くすることが好ましい。
また、穿孔等で、通気調整材の局部領域に発熱組成物成形体を被覆する被覆部の通気性よりも通気性の高い領域を設け、他の領域は前記区分発熱部の通気面の通気性より通気性を低く保つようにしてもよい。また、区分発熱部を横断する空間に位置する通気調整材の部分に空気取り入れ口を設けてもよい。例えば、通気調整材で少なくとも発熱部の通気性領域を全て覆い、前記空間に相当する通気調整材の領域に主要空気取り入れ口を設けてもよい。
通気調整材の通気性は、少なくとも、区分発熱部の周縁部の一部に空気溜まりや通気調整ができれば制限はないが、発熱組成物成形体を被覆する被覆部である区分発熱部の通気面の通気性より低くすることが好ましい。
また、穿孔等で、通気調整材の局部領域に発熱組成物成形体を被覆する被覆部の通気性よりも通気性の高い領域を設け、他の領域は前記区分発熱部の通気面の通気性より通気性を低く保つようにしてもよい。また、区分発熱部を横断する空間に位置する通気調整材の部分に空気取り入れ口を設けてもよい。例えば、通気調整材で少なくとも発熱部の通気性領域を全て覆い、前記空間に相当する通気調整材の領域に主要空気取り入れ口を設けてもよい。
前記通気調整材と発熱部との固定領域は双方が固定でき、少なくとも区分発熱部の周縁部から空気が出入りできれば制限はないが、
1)発熱部又は発熱体の両端部に固定する、
2)発熱部のほぼ中央部全域に空間部を設け、他の発熱部領域を固定領域とする、
3)各区分発熱部のほぼ頂部と各区分け部のほぼ中央部を固定領域とする、等が一例として挙げられる。
1)発熱部又は発熱体の両端部に固定する、
2)発熱部のほぼ中央部全域に空間部を設け、他の発熱部領域を固定領域とする、
3)各区分発熱部のほぼ頂部と各区分け部のほぼ中央部を固定領域とする、等が一例として挙げられる。
ここで、通気調整材としては、区分発熱部の周辺部に外部と通じる空間部が設けられれば如何なるものでもよいが、プラスチックフィルムを利用した、接着層を有する通気調整材としては、PE/粘着剤、PP/粘着剤、ポリエステル/粘着剤、PE/不織布/通気性粘着剤PE/不織布/PE/粘着剤、PE/PET/M/PE/不織布/通気性粘着剤、PE/ヒートシール材、PE/不織布/ヒートシール材PE/不織布/PE/ヒートシール材、PE/ポリエステル/M/PE/不織布/ヒートシール材等が一例として挙げられる。ここで、Mはアルミニウム、銀等の金属や酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム等の半導体や金属の酸化物、酸窒化物、窒化物を示す。また、粘着剤層、ヒートシール剤層等の固定手段の設置部分は制限はなく、一部分又は全面に設けるかは、適宜使い分ければよい。
通気調整材を固定する接着層は、通気調整材が発熱体に固定できれば制限はなく、通常使用されている接着剤や粘着剤から構成される。特に粘着剤は有用であり、前記粘着剤層を構成する粘着剤が使用できる。
また、接着層の設ける方法については通気調整材が固定できれば制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。その厚さについても、特に限定されるものではないが、5〜1000μmの範囲、好ましくは10〜500μmの範囲、更に好ましくは15〜250μmの範囲とする。接着層の厚さが、5μm未満になると所要の粘着力が得られない場合があり、一方、1000μmを超えると嵩張って使用感が悪くなるだけでなく、経済性が悪くなるので好ましくない。
通気調整材を固定する接着層は、通気調整材が発熱体に固定できれば制限はなく、通常使用されている接着剤や粘着剤から構成される。特に粘着剤は有用であり、前記粘着剤層を構成する粘着剤が使用できる。
また、接着層の設ける方法については通気調整材が固定できれば制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。その厚さについても、特に限定されるものではないが、5〜1000μmの範囲、好ましくは10〜500μmの範囲、更に好ましくは15〜250μmの範囲とする。接着層の厚さが、5μm未満になると所要の粘着力が得られない場合があり、一方、1000μmを超えると嵩張って使用感が悪くなるだけでなく、経済性が悪くなるので好ましくない。
前記発熱体において、ヒートシールの高速化、ヒートシール幅の細線化、ヒートシールの確実化を行うために、基材及び被覆材を粘着層を介して仮着を行った後、ヒートシールをする仮着後ヒートシールも採用できる。即ち、前記通気性収納袋の基材及び被覆材はヒートシール層を有し、前記ヒートシール層によりヒートシール部が形成され、前記ヒートシール部は粘着剤層による仮着後、仮着シールが形成された後に、ヒートシールにより形成され、ヒートシール部には粘着剤層を構成する粘着剤成分とヒートシール層を構成するヒートシール材の成分が共存する。
本発明においてヒートシール層を構成するヒートシール材としては、単独素材でもよく、ヒートシール層を有する複合素材でもよく、加熱によって少なくともその一部が接合しうるものであれば制限はない。一例を挙げると、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンやオレフィン共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合樹脂などのエチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂等のエチレン系ホットメルト樹脂、ポリアミド系ホットメルト樹脂、ブチラール系ホットメルト樹脂、ポリエステル系ホットメルト樹脂、ポリアミド系ホットメルト樹脂、ポリエステル系ホットメルト樹脂、ポリメチルメタクリレート系ホットメルト樹脂、ポリビニルエーテル系ホットメルト樹脂、ポリウレタン系ホットメルト樹脂、ポリカーボネート系ホットメルト樹脂、酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のホットメルト系樹脂及びそのフィルムやシートが一例として挙げられる。また、ホットメルト系樹脂及びそのフィルムやシートには、種々の酸化防止剤等添加剤を配合したものも使用することができる。特に、低密度ポリエチレン、メタロセン触媒使用のポリエチレンが有用である。
本発明において仮着とは、基材と被覆材との間に発熱組成物成形体を挟持する場合に、粘着剤からなる粘着層を介して、少なくとも基材と被覆材を粘着し、ヒートシールをするまでの間、収納した発熱組成物成形体を保留しておくための弱い感圧接着又は粘着をいう。
また、開着とは、ヒートシール後の仮着シール部において、未ヒートシール部領域の発熱組成物を前記領域に移動させること等により仮着を解くことである。
仮着シール部は、粘着層を介して形成されるが、粘着層を構成する粘着剤は、常温でタックがある高分子組成物で形成された層で、仮着後ヒートシールができれば限定はない。
また、仮着に使用される粘着層を構成する粘着剤としては、前記粘着剤層の粘着剤が使用できるが、非親水性の粘着剤が好ましい。粘着層を構成する粘着剤はヒートシールを構成するヒートシール材と相溶性が良いものが好ましく、粘着剤のベースポリマーの融点はヒートシール材の融点以下が好ましい。特に、ホットメルト系粘着剤が好ましい。また、ヒートシール材がオレフィン系の素材である場合は粘着剤としては、オレフィン系の粘着剤が好ましい一例として挙げられる。
尚、仮着のための粘着層の設けかたには制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。
また、開着とは、ヒートシール後の仮着シール部において、未ヒートシール部領域の発熱組成物を前記領域に移動させること等により仮着を解くことである。
仮着シール部は、粘着層を介して形成されるが、粘着層を構成する粘着剤は、常温でタックがある高分子組成物で形成された層で、仮着後ヒートシールができれば限定はない。
また、仮着に使用される粘着層を構成する粘着剤としては、前記粘着剤層の粘着剤が使用できるが、非親水性の粘着剤が好ましい。粘着層を構成する粘着剤はヒートシールを構成するヒートシール材と相溶性が良いものが好ましく、粘着剤のベースポリマーの融点はヒートシール材の融点以下が好ましい。特に、ホットメルト系粘着剤が好ましい。また、ヒートシール材がオレフィン系の素材である場合は粘着剤としては、オレフィン系の粘着剤が好ましい一例として挙げられる。
尚、仮着のための粘着層の設けかたには制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。
本発明の区分発熱部又は発熱組成物成形体は、最大幅は、通常、0.5〜60mmであり、好ましくは0.5〜50mmであり、更に好ましくは1〜50mmであり、更に好ましくは3〜50mmであり、更に好ましくは3〜30mmであり、更に好ましくは5〜20mmであり、更に好ましくは5〜15mmであり、更に好ましくは5〜10mmである。また、最高高さは、通常0.1〜30mmであり、好ましくは0.1〜10mmであり、更に好ましくは0.3〜10mmであり、更に好ましくは1〜10mmであり、更に好ましくは2〜10mmである。また、最長長さは、通常5〜300mmであり、好ましくは5〜200mmであり、より好ましくは5〜100mmであり、更に好ましくは20〜150mmであり、更に好ましくは30〜100mmである。
前記区分発熱部の容積又は発熱組成物成形体の体積は、通常、0.015〜500cm3であり、好ましくは0.04〜30cm3であり、より好ましくは0.1〜30cm3であり、更に好ましくは1〜30cm3であり、更に好ましくは3〜20cm3である。
前記区分発熱部において、発熱組成物収納領域である区分発熱部が発熱組成物成形体で満たされた時に、発熱組成物成形体占有領域である発熱組成物成形体の体積と発熱組成物収納領域である区分発熱部の容積との容積比は通常0.6〜1であり、好ましくは0.7〜1であり、より好ましくは0.8〜1であり、更に好ましくは0.9〜1.0である。
また、前記区分発熱部の間隔である区分け部の幅は区分けができれば制限はないが、通常0.1〜50mmであり、好ましくは0.3〜50mmであり、より好ましくは0.3〜50mmであり、更に好ましくは0.3〜40mmであり、更に好ましくは0.5〜30mmであり、更に好ましくは1.0〜20mmであり、更に好ましくは3〜10mmである。
尚、前記発熱組成物成形体又は区分発熱部の形状は如何なるものでもよいが、平面形状で、円、楕円、多角形状、星形状、花形状等が一例として挙げられる。立体形状では、多角錐形状、円錐形状、錐台形状、球形状、平行六面体形状、円筒体形状、半円柱体形状、半楕円柱体形状、蒲鉾形状体、円柱体形状、楕円柱体形状等が一例として挙げられる。また、これらの形状は角部にアールを設け、角部を曲線状や曲面状にしてもよいし、中央部等に凹部があってもよい。
また、本発明の発熱組成部成形体の体積とは、発熱組成物成形体又は圧縮された発熱組成物成形体の体積を意味する。
また、区分発熱部の容積とは、発熱組成物成形体を収納した区分発熱部の内部容積を意味する。
前記区分発熱部の容積又は発熱組成物成形体の体積は、通常、0.015〜500cm3であり、好ましくは0.04〜30cm3であり、より好ましくは0.1〜30cm3であり、更に好ましくは1〜30cm3であり、更に好ましくは3〜20cm3である。
前記区分発熱部において、発熱組成物収納領域である区分発熱部が発熱組成物成形体で満たされた時に、発熱組成物成形体占有領域である発熱組成物成形体の体積と発熱組成物収納領域である区分発熱部の容積との容積比は通常0.6〜1であり、好ましくは0.7〜1であり、より好ましくは0.8〜1であり、更に好ましくは0.9〜1.0である。
また、前記区分発熱部の間隔である区分け部の幅は区分けができれば制限はないが、通常0.1〜50mmであり、好ましくは0.3〜50mmであり、より好ましくは0.3〜50mmであり、更に好ましくは0.3〜40mmであり、更に好ましくは0.5〜30mmであり、更に好ましくは1.0〜20mmであり、更に好ましくは3〜10mmである。
尚、前記発熱組成物成形体又は区分発熱部の形状は如何なるものでもよいが、平面形状で、円、楕円、多角形状、星形状、花形状等が一例として挙げられる。立体形状では、多角錐形状、円錐形状、錐台形状、球形状、平行六面体形状、円筒体形状、半円柱体形状、半楕円柱体形状、蒲鉾形状体、円柱体形状、楕円柱体形状等が一例として挙げられる。また、これらの形状は角部にアールを設け、角部を曲線状や曲面状にしてもよいし、中央部等に凹部があってもよい。
また、本発明の発熱組成部成形体の体積とは、発熱組成物成形体又は圧縮された発熱組成物成形体の体積を意味する。
また、区分発熱部の容積とは、発熱組成物成形体を収納した区分発熱部の内部容積を意味する。
前記区分発熱部を多数連設し、前記区分け部に前記手切れ可能なミシン目を設けた発熱体は、人体への適用箇所等の使用目的などに基づいて使用時にそれに応じた適宜なサイズにカットでき、適用できる。その場合には発熱体のサイズと区分発熱部のサイズと数を適宜に設定すればよい。それらサイズや数に制限はない。また区分け部は縦又は横方向や縦及び横方向、斜め方向などの任意な方向に形成することができる。
本発明のミシン目とは、区分け部の曲げ性を上げるために断続的に切断されたものや手切れが可能なほどに断続的に切断されたものである。その程度、長さ、口径には制限はなく、所望により決める。このミシン目はすべての区分け部に設けてもよいし、部分的に設けてもよい。形状は制限はなく、円形、楕円形、矩形、正方形、切れ目(線状)等が一例として挙げられる。例えば、手切れ可能なほどに断続的に切断されたミシン目は口径φ10〜1200μmの円形の穴が一例として挙げられる。穴の口径は、より好ましくはφ20〜500μmである。
上記穴は縦横それぞれ整列した位置にあることが好ましい。また、縦横それぞれ隣り合う穴の外周の最短間の間隔は、曲げ性や手切れ可能性を満足するものであれば制限はないが、好ましくは10〜2000μmであり、より好ましくは10〜1500μmであり、更に好ましくは20〜1000μmであり、更に好ましくは20〜500μmであり、更に好ましくは20〜200μmである。孔の口径と縦横それぞれ隣り合う穴の外周の最短間の間隔のバランスにより、手切れ性が著しく向上されるものである。
前記穴が切れ目でもよく、その長さは孔の口径に相当する長さでもよく、それよりも大きいものでもよい。縦横それぞれ隣り合う切れ目の端部の最短間の間隔は縦横それぞれ隣り合う穴の外周の最短間の間隔に相当する。
例えば、口径φ10〜2000μmの穴は10〜2000μmの長さであり、縦横それぞれ隣り合う穴の外周の最短間の間隔10〜2000μmは、縦横それぞれ隣り合う切れ目の端部の最短間の間隔10〜2000μmに相当する。
切れ目の場合、一方向に長くなるので、その長さは長くでき、10〜50,000μmでもよく、縦横それぞれ隣り合う切れ目の最短間の間隔は、1〜5,000μmでもよい。
本発明のミシン目とは、区分け部の曲げ性を上げるために断続的に切断されたものや手切れが可能なほどに断続的に切断されたものである。その程度、長さ、口径には制限はなく、所望により決める。このミシン目はすべての区分け部に設けてもよいし、部分的に設けてもよい。形状は制限はなく、円形、楕円形、矩形、正方形、切れ目(線状)等が一例として挙げられる。例えば、手切れ可能なほどに断続的に切断されたミシン目は口径φ10〜1200μmの円形の穴が一例として挙げられる。穴の口径は、より好ましくはφ20〜500μmである。
上記穴は縦横それぞれ整列した位置にあることが好ましい。また、縦横それぞれ隣り合う穴の外周の最短間の間隔は、曲げ性や手切れ可能性を満足するものであれば制限はないが、好ましくは10〜2000μmであり、より好ましくは10〜1500μmであり、更に好ましくは20〜1000μmであり、更に好ましくは20〜500μmであり、更に好ましくは20〜200μmである。孔の口径と縦横それぞれ隣り合う穴の外周の最短間の間隔のバランスにより、手切れ性が著しく向上されるものである。
前記穴が切れ目でもよく、その長さは孔の口径に相当する長さでもよく、それよりも大きいものでもよい。縦横それぞれ隣り合う切れ目の端部の最短間の間隔は縦横それぞれ隣り合う穴の外周の最短間の間隔に相当する。
例えば、口径φ10〜2000μmの穴は10〜2000μmの長さであり、縦横それぞれ隣り合う穴の外周の最短間の間隔10〜2000μmは、縦横それぞれ隣り合う切れ目の端部の最短間の間隔10〜2000μmに相当する。
切れ目の場合、一方向に長くなるので、その長さは長くでき、10〜50,000μmでもよく、縦横それぞれ隣り合う切れ目の最短間の間隔は、1〜5,000μmでもよい。
また、発熱組成物成形体、基材、被覆材、通気性粘着剤層及び敷材の少なくとも1種の全面又はその一部に加圧処理等をしたり、また、凹凸を形成してもよい。これらにより、基材と被覆材間での発熱組成物成形体の移動を防止してもよい。
即ち、本発明の発熱組成物成形体を加圧により適量圧縮したものは成形性が格段に向上し、例えば、通気部の素材に多孔質フィルムの代わりに、圧力調整が難しい穿孔フィルムを使用しても、収納袋の内圧が外圧以上になっても、形崩れが起こりにくく、穿孔フィルムの使用が可能であるので、通気性素材の選択の幅が拡がり、コストダウンができるとともに、被加温体を長時間、適度の温度で、均一に加温できる。
前記発熱部において、少なくとも、一部又は1区分発熱部に磁気物質を含有させ、磁気効果による血行向上や肩こりの改善などを目的に磁石等の磁気物質を収容することもできる。
また、発熱体の形状についても特に制限はないが、長方形状、円形状、楕円形状、多角形状、そらまめ形状、アイマスク形状、提灯形状、繭形状、瓢箪形状、角丸長方形状、角丸正方形状、卵形状、ブーメラン形状、まが玉形状、翼形状、鼻形状、星形状及び足形状の群の中から選ばれた形状とすることができる。
また、発熱体又は収納袋には、少なくとも一部に文字、図柄、記号、数字、模様、写真、絵、着色の何れか一種以上を設けることもできる。
固定手段としては、関節周囲部用温熱包装体や発熱部を有するものを所要部に固定できる固定能力を有するものであれば制限はない。
前記固定手段として一般的に採用されている、粘着剤層、鍵ホック、ホックボタン、ベルクロ等の面ファスナー、マグネット、バンド、ひも等及びそれらを組み合わせたものを任意に使用できる。
尚、バンドの場合、面ファスナーと粘着剤層との組み合わせで調整用固定手段を更に構成しても構わない。
ここで、面ファスナーとは、マジックテープ(登録商標)、マジックファスナー(登録商標)、ベルクロファスナー、フックアンドループテープ等の商品名で知られているもので、雌ファスナーであるループと前記雌ファスナー締結し得る雄ファスナーであるフックとの組み合わせで締結機能を有するものである。前記ループ機能を有するものとして、不織布や、毛羽立ち、わなを有する糸の織布等あるが、バンドを形成する芯材の表面にこれらループ機能(雌ファスナー機能)を有するものを被覆してもよいが、これ自体でバンドを構成してもよい。雄ファスナー部材であるフック部材は特に制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂やポリアミド、ポリエステル等から形成されたものが一例として挙げられる。フックの形状は特に限定されるものではないが、断面がI字型、逆L字型、逆J字型、いわゆるきのこ型等の形状のフックがループに引っかかり易く、かつ肌に極度の刺激感を与えない点で好ましい。尚、フックがファスニングテープの全面積に粘着されていてもよく、更にテープ基体を省略してフックのみで、ファスニングテープとして使用してもよい。
前記粘着剤層は、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、疎水性高分子化合物、焦電物質、酸化防止剤、骨材、繊維状物、保湿剤、機能性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有してもよい。
本発明の粘着剤は、非親水性粘着剤、混合粘着剤、親水性粘着剤(ジェル等)に分類される。
前記粘着剤層を構成する粘着剤としては、皮膚や衣服に付着するに必要な粘着力を有するものであれば、制限はなく、溶剤系、水性系、エマルジョン型、ホットメルト型、反応性、感圧系、或いは、非親水性粘着剤、親水性粘着剤などの各種形態が用いられる。
前記粘着剤層は、前記非親水性粘着剤から構成される非親水性粘着剤1層と前記非親水性粘着剤から構成される非親水性粘着剤層とがある。
前記非親水性粘着剤層が吸水性ポリマーや保水剤を含有して吸水性を改良したものは非親水性粘着剤層として扱う。
前記親水性粘着剤層と基材又は被覆材との間にホットメルト系の粘着剤を設けてもよい。
また、前記親水性粘着剤を関節周囲部用温熱包装体に設ける場合制限はなく、関節周囲部用温熱包装体のシール処理後に親水性粘着剤層を関節周囲部用温熱包装体に設けてもよい。
また、粘着剤層としては、通気性を有するものであっても、通気性を有しないものであってもよい。用途に応じて適宜選択をすればよい。通気性としては、全体として通気性があればよい。例えば、部分的に粘着剤が存在し、部分的に粘着剤の存在しない部分があり、領域全体として通気性がある粘着剤層が一例として挙げられる。
通気性の基材及び/又は被覆材に粘着剤をそのまま層状に積層するにあたり、その通気性を維持する方法としては、例えば、粘着剤を印刷、或いは、転写により、粘着剤層を部分的に積層し、その非積層部を通気部とする方法と、粘着剤を糸状に円を描きながら、一方向に移動させたり、ジグザグに移動させたりするなど適宜二次元方向に運行させ、その糸状の粘着剤の隙間が通気性ないし透湿性を推持させたり、粘着剤を発泡させる方法やメルトブロー方式で形成された層とが一例として挙げられる。
非親水性粘着剤層を構成する粘着剤はアクリル系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤(酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル樹脂系ホットメルト粘着剤)、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルアセタール系粘着剤、塩化ビニル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ポリエチレン系粘着剤、セルロース系粘着剤、クロロプレン(ネオプレン)系粘着剤、ニトリルゴム系粘着剤、ポリサルファイド系粘着剤、ブチルゴム系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤、スチレン系粘着剤(例えば、スチレン系ホットメルト粘着剤)、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が一例として挙げられる。これらのうち、粘着力が高く、安価で、長期安定性が良く、しかも温熱を与えても粘着力の低下が少ない等の理由より、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤又はホットメルト系高分子物質を含有する粘着剤が望ましい。
前記粘着剤に前記ベースポリマーの他に、所望により、他の成分、例えば、ロジン類、クマロンインデン樹脂、水添石油樹脂、無水マレイン酸変性ロジン、ロジン誘導体類又はC5系石油樹脂等の脂環族系石油樹脂に代表される石油樹脂類等の粘着付与剤やテルペンフェノール系樹脂、ロジンフェノール系樹脂、アルキルフェノール系樹脂等のフェノール系粘着付与剤(特にアニリン点が50℃以下の粘着付与剤)、ヤシ油、ヒマシ油、オリーブ油、ツバキ油、流動パラフィン等の軟化剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤、骨材、粘着調整剤、粘着改良剤、着色剤、消泡剤、増粘剤、改質剤等が適宜配合し、ナイロン製衣類や混紡布製衣類への粘着性向上等の性能向上をしてもよい。
前記ホットメルト系の粘着剤としては、粘着性を付与した公知のホットメルト系粘着剤が挙げられ、具体的には、例えば、SIS、SBS、SEBS又はSIPS等のA−B−A型ブロック共重合体をベースポリマーとするスチレン系粘着剤、塩化ビニル樹脂をベースポリマーとする塩化ビニル系粘着剤、ポリエステルをベースポリマーとするポリエステル系粘着剤、ポリアミドをベースポリマーとするポリアミド系粘着剤、アクリル樹脂をベースポリマーとするアクリル系粘着剤、ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィンをベースポリマーとするポリオレフィン系粘着剤、1,2−ポリブタジエンをベースポリマーとする1,2−ポリブタジエン系粘着剤又はポリウレタンをベースポリマーとするポリウレタン系粘着剤、或いは、接着性の改善や安定性等を変えたこれらの変性体からなる粘着剤、若しくはこれらの粘着剤の2種以上の混合物が挙げられる。また、発泡させた粘着剤から構成される粘着剤層や粘着剤が架橋されたものから構成される粘着剤層も使用できる。
前記非芳香族系ホットメルト系粘着剤とは、ベースポリマーが芳香族環を含有しないホットメルト系粘着剤であれば、制限はない。オレフィン系ホットメルト系粘着剤やアクリル系ホットメルト系粘着剤等が一例として挙げられる。芳香族環を含有しないベースポリマーである非芳香族系ポリマーとは、オレフィンやジエン等のポリマーやコポリマーが挙げられる。一例としてオレフィン系ポリマーが挙げられる。オレフィン系ポリマーは、エチレン、αオレフィンの重合体又は共重合体である。また、他のモノマーとしてブタジエン、イソプレン等のジエンも加えたものもよい。
αオレフィンとしては、二重結合が末端にあるモノマーであれば制限はなく、プロピレン、ブテン、ヘプテン、ヘキセン、オクテン等が一例として挙げられる。
芳香族系ホットメルト系粘着剤とは、ベースポリマーが芳香族環を含有するホットメルト系粘着剤で、A−B−A型ブロック共重合体に代表されるスチレン系のホットメルト系粘着剤等が一例として挙げられる。
前記A−B−A型ブロック共重合体において、Aブロックはスチレン、メチルスチレン等のモノビニル置換芳香族化合物Aで、非弾性重合体ブロックであり、Bブロックはブタジエン、イソプレン等の共役ジエンの弾性重合体ブロックであり、具体的には、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、又はこれらの水添タイプ(SEBS、SIPS)等が挙げられ、また、これらを混合して用いてもよい。
上記非親水性粘着剤層の水分増加による粘着力低下防止対策として上記非親水性粘着剤に更に吸水性ポリマーが配合された粘着剤層も使用できる。
前記親水性粘着層を構成する親水性粘着剤としては、親水性ポリマーや水溶性ポリマーを主成分として、粘着性を有し、粘着剤として親水性であれば特に制限はない。
前記親水性粘着剤の構成成分としては、ポリアクリル酸等の親水性ポリマーやポリアクリル酸ナトリウムやポリビニルピロリドン等の水溶性ポリマー、乾燥水酸化アルミニウムやメタケイ酸アルミン酸金属塩等の架橋剤類、グリセリンやプロピレングリコール等の軟化剤類、また、軽質流動パラフィンやポリブテン等の高級炭化水素やミリスチン酸イソプロピル等の一級アルコール脂肪酸エステル、シリコーン油等の含ケイ素化合物、モノグリセリド等の脂肪酸グリセリンエステル、オリーブ油等の植物油等の油性成分、また、パラオキシ安息香酸メチルやパラオキシ安息香酸プロピル等の防腐剤、N−メチル−2−ピロリドン等の溶解剤、カルボキシメチルセルロース等の増粘剤、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油やソルビタン脂肪酸エステル等の界面活性剤、酒石酸等のオキシカルボン酸、軽質無水ケイ酸、吸水性ポリマー、カオリン等の賦形剤、D−ソルビトール等の保湿剤、エデト酸ナトリウムやパラオキシ安息香酸エステルや酒石酸等の安定化剤、架橋型吸水性ポリマー、ホウ酸等のホウ素化合物、水等が一例として挙げられる。また、これらの任意の組み合わせから構成される。
仮着シール部は、粘着層を介して形成されるが、粘着層を構成する粘着剤は、常温でタックがある高分子組成物で形成された層で、仮着後ヒートシールができれば限定はない。
また、仮着に使用される粘着層を構成する粘着剤は前記粘着剤層の粘着剤が使用できる。非親水性の粘着剤が好ましい。粘着層を構成する粘着剤はヒートシールを構成するヒートシール材と相溶性が良く、粘着剤のベースポリマーの融点はヒートシール材の融点以下が好ましい。特に、ホットメルト系接着剤にはホットメルト系粘着剤が好ましい。また、ヒートシール材がオレフィン系の素材である場合は粘着剤としては、オレフィン系の粘着剤が好ましい一例として挙げられる。
通気調整材を固定する接着層は通常使用されている接着剤や粘着剤から構成される。特に粘着剤は有用であり、前記粘着剤層を構成する粘着剤が使用できる。
また、接着層の設ける方法については通気調整材が固定できれば制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。
また、粘着剤層を親水性粘着剤層にした場合、前記親水性粘着剤層と発熱組成物成形体との間に水分保持力の差がある場合にはその間にある基材等の包材を介して、水分の移動が起こり、双方に取って、不都合が起こる。特に保存中に多く起こる。これを防止するために、これらの間に介在する包材は、透湿度が、少なくとも、リッシー法(Lyssy法)による透湿度で、2g/m2/day以下であることが好ましい。これを使用することにより、発熱体を非通気性収納袋である外袋に収納し保存する場合、水分移動が防げる。
粘着剤層に親水性粘着剤層を使用した場合、発熱組成物成形体と親水性粘着剤層との間に設けられた防湿性包装材の透湿度は、発熱性能に影響しない範囲で、水分の移動が防止できれば制限はないが、リッシー法(Lyssy法)による透湿度で、通常、2g/m2/day以下であり、好ましくは1.0g/m2/day以下であり、より好ましくは0.5g/m2/day以下であり、更に好ましくは0.01〜0.5g/m2/dayである。ここで、大気圧下、40℃、90%RHという条件下の値である。尚、前記防湿性包装材は基材や被覆材としても使用できるし、単独で基材や被覆材等に積層してもよい。
前記防湿性包材は、発熱組成物成形体と親水性粘着剤層の間の水分移動が防止できれば、制限はないが、金属蒸着フィルム、金属酸化物の蒸着フィルム、金属箔ラミネートフィルム、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合物、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物)系フィルム、二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニリデンコートフィルム、ポリ塩化ビニリデンをポリプロピレン等の基材フィルムに塗布してなるポリ塩化ビニリデンコートフィルム、アルミニウム箔等の金属箔、ポリエステルフィルム基材にアルミニウム等の金属を真空蒸着やスパッタリングしてなる非通気性包材、可撓性プラスチック基材の上に、酸化ケイ素、酸化アルミニウムを設けた構造の透明バリア性フィルムを使用した包装用積層体が一例として挙げられる。前記外袋等に使用されている非通気性包材も使用できる。
また、特開平2002−200108号公報の防湿性包材等の包材も使用でき、この記載内容を本発明に組み入れる。
水含有の親水性粘着剤(ジェル等)を粘着剤層に使用する場合、発熱組成物と前記粘着剤層の水分平衡を調整するために、発熱組成物中の塩化ナトリウム等の反応促進剤や吸水性ポリマー等の水分確保力のある物質の含有量を発熱組成物に対して、10〜40重量%の範囲で、好ましくは15〜40重量%の範囲で、更に好ましくは15〜30重量%の範囲で調整してもよい。
また、透湿性がよく、皮膚への刺激性が低い粘着剤としては、特開平10−265373号公報、特開平9−87173号公報等の含水粘着剤(親水性粘着剤、ジェル)や特開平6−145050号公報、特開平6−199660号公報に記載されているホットメルト塗工できる粘着剤や特開平10−279466号公報や特開平10−182408号公報に記載されているゴム系粘着剤も有用であり、本各文献を引用し、全文を本明細書に組み入れる。
前記粘着剤層に含ませる機能性物質としては、機能を有する物質であれば制限はないが、芳香化合物、植物エキス、生薬、香料、スリム化剤、鎮痛剤、血行促進剤、むくみ改善剤、抗菌剤、殺菌剤、防かび剤、消臭剤、脱臭剤、経皮吸収性薬剤、脂肪分解成分、マイナスイオン発生体、遠赤外線放射体、磁気体、湿布剤、化粧料、竹酢液又は木酢液等から選ばれた少なくとも一種を一例として挙げられる。
具体的には、メントール、ベンツアルデヒド等の芳香族化合物、ヨモギエキス等の植物エキス、モグサ等の生薬、ラベンダー、ローズマリー等の香料、アミノフィリン、茶エキス等のスリム化剤、インドメタシン、d1−カンフル等の鎮痛剤、酸性ムコポリサッカライド、カミツレ等の血行促進剤、セイヨウトチンキ、フラボン誘導体等のむくみ改善剤、ホウ酸水、生理的食塩水、アルコール水等の湿布剤、タイソウ抽出液、カフェイン、トナリン等の脂肪分解成分、アロエエキス、ビタミン剤、ホルモン剤、抗ヒスタミン剤、アミノ酸類等の化粧料、石炭酸誘導体、ホウ酸、ヨード剤、逆性石鹸、サリチル酸系の物質、イオウ、抗生物質等の抗菌剤や殺菌剤、或いは、防かび剤が一例として挙げられる。
経皮吸収性薬剤としては、経皮吸収性のものであれば特に限定されるものではないが、コルチコステロイド類、消炎鎮痛剤、高血圧剤、麻酔剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗菌性物質、抗真菌物質、皮膚刺激剤、炎症抑制剤、抗てんかん剤、鎮痛剤、解熱剤、麻酔剤、殺菌剤、抗微生物抗生物質、ビタミン類、抗ウィルス剤、むくみ改善剤、利尿剤、血圧降下剤、冠血管拡張剤、鎮咳去痰剤、スリム化剤、抗ヒスタミン剤、不整脈用剤、強心剤、副腎皮質ホルモン剤、血行促進剤、局所麻酔剤、脂肪分解成分等及びそれらの混合物が一例として挙げられるが、これらに限定されない。これら薬物は、1種又は必要に応じて2種以上配合されて用いられる。
この機能性物質の含有量としては、薬効を期待できる範囲であれば特に限定されるものではないが、薬理効果や経済性、更に、粘着力等の観点より、機能性物質の含有量が粘着剤100重量部に対して、好ましくは0.01〜25重量部、更に好ましくは0.5〜15重量部である。
また、粘着剤層の設ける方法については関節周囲部用温熱包装体が固定できれば制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。
前記固定手段として一般的に採用されている、粘着剤層、鍵ホック、ホックボタン、ベルクロ等の面ファスナー、マグネット、バンド、ひも等及びそれらを組み合わせたものを任意に使用できる。
尚、バンドの場合、面ファスナーと粘着剤層との組み合わせで調整用固定手段を更に構成しても構わない。
ここで、面ファスナーとは、マジックテープ(登録商標)、マジックファスナー(登録商標)、ベルクロファスナー、フックアンドループテープ等の商品名で知られているもので、雌ファスナーであるループと前記雌ファスナー締結し得る雄ファスナーであるフックとの組み合わせで締結機能を有するものである。前記ループ機能を有するものとして、不織布や、毛羽立ち、わなを有する糸の織布等あるが、バンドを形成する芯材の表面にこれらループ機能(雌ファスナー機能)を有するものを被覆してもよいが、これ自体でバンドを構成してもよい。雄ファスナー部材であるフック部材は特に制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂やポリアミド、ポリエステル等から形成されたものが一例として挙げられる。フックの形状は特に限定されるものではないが、断面がI字型、逆L字型、逆J字型、いわゆるきのこ型等の形状のフックがループに引っかかり易く、かつ肌に極度の刺激感を与えない点で好ましい。尚、フックがファスニングテープの全面積に粘着されていてもよく、更にテープ基体を省略してフックのみで、ファスニングテープとして使用してもよい。
前記粘着剤層は、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、疎水性高分子化合物、焦電物質、酸化防止剤、骨材、繊維状物、保湿剤、機能性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有してもよい。
本発明の粘着剤は、非親水性粘着剤、混合粘着剤、親水性粘着剤(ジェル等)に分類される。
前記粘着剤層を構成する粘着剤としては、皮膚や衣服に付着するに必要な粘着力を有するものであれば、制限はなく、溶剤系、水性系、エマルジョン型、ホットメルト型、反応性、感圧系、或いは、非親水性粘着剤、親水性粘着剤などの各種形態が用いられる。
前記粘着剤層は、前記非親水性粘着剤から構成される非親水性粘着剤1層と前記非親水性粘着剤から構成される非親水性粘着剤層とがある。
前記非親水性粘着剤層が吸水性ポリマーや保水剤を含有して吸水性を改良したものは非親水性粘着剤層として扱う。
前記親水性粘着剤層と基材又は被覆材との間にホットメルト系の粘着剤を設けてもよい。
また、前記親水性粘着剤を関節周囲部用温熱包装体に設ける場合制限はなく、関節周囲部用温熱包装体のシール処理後に親水性粘着剤層を関節周囲部用温熱包装体に設けてもよい。
また、粘着剤層としては、通気性を有するものであっても、通気性を有しないものであってもよい。用途に応じて適宜選択をすればよい。通気性としては、全体として通気性があればよい。例えば、部分的に粘着剤が存在し、部分的に粘着剤の存在しない部分があり、領域全体として通気性がある粘着剤層が一例として挙げられる。
通気性の基材及び/又は被覆材に粘着剤をそのまま層状に積層するにあたり、その通気性を維持する方法としては、例えば、粘着剤を印刷、或いは、転写により、粘着剤層を部分的に積層し、その非積層部を通気部とする方法と、粘着剤を糸状に円を描きながら、一方向に移動させたり、ジグザグに移動させたりするなど適宜二次元方向に運行させ、その糸状の粘着剤の隙間が通気性ないし透湿性を推持させたり、粘着剤を発泡させる方法やメルトブロー方式で形成された層とが一例として挙げられる。
非親水性粘着剤層を構成する粘着剤はアクリル系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤(酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル樹脂系ホットメルト粘着剤)、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルアセタール系粘着剤、塩化ビニル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ポリエチレン系粘着剤、セルロース系粘着剤、クロロプレン(ネオプレン)系粘着剤、ニトリルゴム系粘着剤、ポリサルファイド系粘着剤、ブチルゴム系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤、スチレン系粘着剤(例えば、スチレン系ホットメルト粘着剤)、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が一例として挙げられる。これらのうち、粘着力が高く、安価で、長期安定性が良く、しかも温熱を与えても粘着力の低下が少ない等の理由より、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤又はホットメルト系高分子物質を含有する粘着剤が望ましい。
前記粘着剤に前記ベースポリマーの他に、所望により、他の成分、例えば、ロジン類、クマロンインデン樹脂、水添石油樹脂、無水マレイン酸変性ロジン、ロジン誘導体類又はC5系石油樹脂等の脂環族系石油樹脂に代表される石油樹脂類等の粘着付与剤やテルペンフェノール系樹脂、ロジンフェノール系樹脂、アルキルフェノール系樹脂等のフェノール系粘着付与剤(特にアニリン点が50℃以下の粘着付与剤)、ヤシ油、ヒマシ油、オリーブ油、ツバキ油、流動パラフィン等の軟化剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤、骨材、粘着調整剤、粘着改良剤、着色剤、消泡剤、増粘剤、改質剤等が適宜配合し、ナイロン製衣類や混紡布製衣類への粘着性向上等の性能向上をしてもよい。
前記ホットメルト系の粘着剤としては、粘着性を付与した公知のホットメルト系粘着剤が挙げられ、具体的には、例えば、SIS、SBS、SEBS又はSIPS等のA−B−A型ブロック共重合体をベースポリマーとするスチレン系粘着剤、塩化ビニル樹脂をベースポリマーとする塩化ビニル系粘着剤、ポリエステルをベースポリマーとするポリエステル系粘着剤、ポリアミドをベースポリマーとするポリアミド系粘着剤、アクリル樹脂をベースポリマーとするアクリル系粘着剤、ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィンをベースポリマーとするポリオレフィン系粘着剤、1,2−ポリブタジエンをベースポリマーとする1,2−ポリブタジエン系粘着剤又はポリウレタンをベースポリマーとするポリウレタン系粘着剤、或いは、接着性の改善や安定性等を変えたこれらの変性体からなる粘着剤、若しくはこれらの粘着剤の2種以上の混合物が挙げられる。また、発泡させた粘着剤から構成される粘着剤層や粘着剤が架橋されたものから構成される粘着剤層も使用できる。
前記非芳香族系ホットメルト系粘着剤とは、ベースポリマーが芳香族環を含有しないホットメルト系粘着剤であれば、制限はない。オレフィン系ホットメルト系粘着剤やアクリル系ホットメルト系粘着剤等が一例として挙げられる。芳香族環を含有しないベースポリマーである非芳香族系ポリマーとは、オレフィンやジエン等のポリマーやコポリマーが挙げられる。一例としてオレフィン系ポリマーが挙げられる。オレフィン系ポリマーは、エチレン、αオレフィンの重合体又は共重合体である。また、他のモノマーとしてブタジエン、イソプレン等のジエンも加えたものもよい。
αオレフィンとしては、二重結合が末端にあるモノマーであれば制限はなく、プロピレン、ブテン、ヘプテン、ヘキセン、オクテン等が一例として挙げられる。
芳香族系ホットメルト系粘着剤とは、ベースポリマーが芳香族環を含有するホットメルト系粘着剤で、A−B−A型ブロック共重合体に代表されるスチレン系のホットメルト系粘着剤等が一例として挙げられる。
前記A−B−A型ブロック共重合体において、Aブロックはスチレン、メチルスチレン等のモノビニル置換芳香族化合物Aで、非弾性重合体ブロックであり、Bブロックはブタジエン、イソプレン等の共役ジエンの弾性重合体ブロックであり、具体的には、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、又はこれらの水添タイプ(SEBS、SIPS)等が挙げられ、また、これらを混合して用いてもよい。
上記非親水性粘着剤層の水分増加による粘着力低下防止対策として上記非親水性粘着剤に更に吸水性ポリマーが配合された粘着剤層も使用できる。
前記親水性粘着層を構成する親水性粘着剤としては、親水性ポリマーや水溶性ポリマーを主成分として、粘着性を有し、粘着剤として親水性であれば特に制限はない。
前記親水性粘着剤の構成成分としては、ポリアクリル酸等の親水性ポリマーやポリアクリル酸ナトリウムやポリビニルピロリドン等の水溶性ポリマー、乾燥水酸化アルミニウムやメタケイ酸アルミン酸金属塩等の架橋剤類、グリセリンやプロピレングリコール等の軟化剤類、また、軽質流動パラフィンやポリブテン等の高級炭化水素やミリスチン酸イソプロピル等の一級アルコール脂肪酸エステル、シリコーン油等の含ケイ素化合物、モノグリセリド等の脂肪酸グリセリンエステル、オリーブ油等の植物油等の油性成分、また、パラオキシ安息香酸メチルやパラオキシ安息香酸プロピル等の防腐剤、N−メチル−2−ピロリドン等の溶解剤、カルボキシメチルセルロース等の増粘剤、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油やソルビタン脂肪酸エステル等の界面活性剤、酒石酸等のオキシカルボン酸、軽質無水ケイ酸、吸水性ポリマー、カオリン等の賦形剤、D−ソルビトール等の保湿剤、エデト酸ナトリウムやパラオキシ安息香酸エステルや酒石酸等の安定化剤、架橋型吸水性ポリマー、ホウ酸等のホウ素化合物、水等が一例として挙げられる。また、これらの任意の組み合わせから構成される。
仮着シール部は、粘着層を介して形成されるが、粘着層を構成する粘着剤は、常温でタックがある高分子組成物で形成された層で、仮着後ヒートシールができれば限定はない。
また、仮着に使用される粘着層を構成する粘着剤は前記粘着剤層の粘着剤が使用できる。非親水性の粘着剤が好ましい。粘着層を構成する粘着剤はヒートシールを構成するヒートシール材と相溶性が良く、粘着剤のベースポリマーの融点はヒートシール材の融点以下が好ましい。特に、ホットメルト系接着剤にはホットメルト系粘着剤が好ましい。また、ヒートシール材がオレフィン系の素材である場合は粘着剤としては、オレフィン系の粘着剤が好ましい一例として挙げられる。
通気調整材を固定する接着層は通常使用されている接着剤や粘着剤から構成される。特に粘着剤は有用であり、前記粘着剤層を構成する粘着剤が使用できる。
また、接着層の設ける方法については通気調整材が固定できれば制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。
また、粘着剤層を親水性粘着剤層にした場合、前記親水性粘着剤層と発熱組成物成形体との間に水分保持力の差がある場合にはその間にある基材等の包材を介して、水分の移動が起こり、双方に取って、不都合が起こる。特に保存中に多く起こる。これを防止するために、これらの間に介在する包材は、透湿度が、少なくとも、リッシー法(Lyssy法)による透湿度で、2g/m2/day以下であることが好ましい。これを使用することにより、発熱体を非通気性収納袋である外袋に収納し保存する場合、水分移動が防げる。
粘着剤層に親水性粘着剤層を使用した場合、発熱組成物成形体と親水性粘着剤層との間に設けられた防湿性包装材の透湿度は、発熱性能に影響しない範囲で、水分の移動が防止できれば制限はないが、リッシー法(Lyssy法)による透湿度で、通常、2g/m2/day以下であり、好ましくは1.0g/m2/day以下であり、より好ましくは0.5g/m2/day以下であり、更に好ましくは0.01〜0.5g/m2/dayである。ここで、大気圧下、40℃、90%RHという条件下の値である。尚、前記防湿性包装材は基材や被覆材としても使用できるし、単独で基材や被覆材等に積層してもよい。
前記防湿性包材は、発熱組成物成形体と親水性粘着剤層の間の水分移動が防止できれば、制限はないが、金属蒸着フィルム、金属酸化物の蒸着フィルム、金属箔ラミネートフィルム、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合物、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物)系フィルム、二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニリデンコートフィルム、ポリ塩化ビニリデンをポリプロピレン等の基材フィルムに塗布してなるポリ塩化ビニリデンコートフィルム、アルミニウム箔等の金属箔、ポリエステルフィルム基材にアルミニウム等の金属を真空蒸着やスパッタリングしてなる非通気性包材、可撓性プラスチック基材の上に、酸化ケイ素、酸化アルミニウムを設けた構造の透明バリア性フィルムを使用した包装用積層体が一例として挙げられる。前記外袋等に使用されている非通気性包材も使用できる。
また、特開平2002−200108号公報の防湿性包材等の包材も使用でき、この記載内容を本発明に組み入れる。
水含有の親水性粘着剤(ジェル等)を粘着剤層に使用する場合、発熱組成物と前記粘着剤層の水分平衡を調整するために、発熱組成物中の塩化ナトリウム等の反応促進剤や吸水性ポリマー等の水分確保力のある物質の含有量を発熱組成物に対して、10〜40重量%の範囲で、好ましくは15〜40重量%の範囲で、更に好ましくは15〜30重量%の範囲で調整してもよい。
また、透湿性がよく、皮膚への刺激性が低い粘着剤としては、特開平10−265373号公報、特開平9−87173号公報等の含水粘着剤(親水性粘着剤、ジェル)や特開平6−145050号公報、特開平6−199660号公報に記載されているホットメルト塗工できる粘着剤や特開平10−279466号公報や特開平10−182408号公報に記載されているゴム系粘着剤も有用であり、本各文献を引用し、全文を本明細書に組み入れる。
前記粘着剤層に含ませる機能性物質としては、機能を有する物質であれば制限はないが、芳香化合物、植物エキス、生薬、香料、スリム化剤、鎮痛剤、血行促進剤、むくみ改善剤、抗菌剤、殺菌剤、防かび剤、消臭剤、脱臭剤、経皮吸収性薬剤、脂肪分解成分、マイナスイオン発生体、遠赤外線放射体、磁気体、湿布剤、化粧料、竹酢液又は木酢液等から選ばれた少なくとも一種を一例として挙げられる。
具体的には、メントール、ベンツアルデヒド等の芳香族化合物、ヨモギエキス等の植物エキス、モグサ等の生薬、ラベンダー、ローズマリー等の香料、アミノフィリン、茶エキス等のスリム化剤、インドメタシン、d1−カンフル等の鎮痛剤、酸性ムコポリサッカライド、カミツレ等の血行促進剤、セイヨウトチンキ、フラボン誘導体等のむくみ改善剤、ホウ酸水、生理的食塩水、アルコール水等の湿布剤、タイソウ抽出液、カフェイン、トナリン等の脂肪分解成分、アロエエキス、ビタミン剤、ホルモン剤、抗ヒスタミン剤、アミノ酸類等の化粧料、石炭酸誘導体、ホウ酸、ヨード剤、逆性石鹸、サリチル酸系の物質、イオウ、抗生物質等の抗菌剤や殺菌剤、或いは、防かび剤が一例として挙げられる。
経皮吸収性薬剤としては、経皮吸収性のものであれば特に限定されるものではないが、コルチコステロイド類、消炎鎮痛剤、高血圧剤、麻酔剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗菌性物質、抗真菌物質、皮膚刺激剤、炎症抑制剤、抗てんかん剤、鎮痛剤、解熱剤、麻酔剤、殺菌剤、抗微生物抗生物質、ビタミン類、抗ウィルス剤、むくみ改善剤、利尿剤、血圧降下剤、冠血管拡張剤、鎮咳去痰剤、スリム化剤、抗ヒスタミン剤、不整脈用剤、強心剤、副腎皮質ホルモン剤、血行促進剤、局所麻酔剤、脂肪分解成分等及びそれらの混合物が一例として挙げられるが、これらに限定されない。これら薬物は、1種又は必要に応じて2種以上配合されて用いられる。
この機能性物質の含有量としては、薬効を期待できる範囲であれば特に限定されるものではないが、薬理効果や経済性、更に、粘着力等の観点より、機能性物質の含有量が粘着剤100重量部に対して、好ましくは0.01〜25重量部、更に好ましくは0.5〜15重量部である。
また、粘着剤層の設ける方法については関節周囲部用温熱包装体が固定できれば制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。
前記発熱体は気密性の非通気性収納袋に収納され、保管、輸送されるが、その例としては、製造された発熱体を2枚の非通気性フィルム又はシートの間に介在させ、この介在と同時に、又は、この介在後に、前記2枚のフィルム又はシートを前記発熱体より大きいサイズに打ち抜き、この打ち抜きと同時に、若しくは打ち抜き後に、前記発熱体のサイズを超える周辺部において、前記2枚のフィルム又はシートを封着した発熱体が一例として挙げられる。前記外袋は非通気性のものであればそのほかの制限はなく、ラミネートされているものでもよく、通常非通気性素材から作成されたものを使用する。
通常、本発明の収納袋は基材と被覆材からなり、更に、基材と被覆材の間に敷材を設けてもよい。前記基材が実質的に平面状で、収納ポケットを有しない、前記基材上に設けられた発熱組成物を被覆材が覆い、前記発熱組成物の周縁部をヒートシールすることにより構成される区分発熱部が、2個以上複数個からなり、ヒートシール部である区分け部により、各区分発熱部が離れて配置され、前記区分発熱部の集合から発熱部が形成される。ここで、本発明における基材と被覆材は素材構成で区別するのではなく、発熱組成物成形体が積層される素材を基材と定義し、その後、基材や発熱組成物成形体に被せられる素材を被覆材と定義する。
前記基材、被覆材を構成する素材としては、発熱組成物の収納袋として機能すれば制限はない。通常化学カイロや発熱体に使用されている素材が使用できる。例えば素材として非通気性素材、通気性素材、吸水性素材、非吸水性素材、非伸長性素材、伸長性素材、伸縮性素材、非伸縮性素材、発泡素材、非発泡素材、非ヒートシール性素材、ヒートシール性素材等が一例として挙げられ、フィルム、シート、不織布、織布等及びそれらの複合体の所望の形態で、所望の用途により適宜使用できる。
通常、基材は非通気性フィルム又はシートからなり、被覆材は通気性フィルム又はシート又は不織布からなるが、逆でもかまわないし、双方が通気性を有していてもよい。また、敷材は通気性や非通気性は適宜使い分ければよい。
前記収納袋の包材は単層構造でもよく、多層構造でもよく、その構造には制限はない。また、包材は少なくとも基材及び被覆材からなるが、発熱組成物成形体を積層する包材が基材であり、発熱組成物成形体に被せる包材が被覆材であり、通気性のありなしは関係ない。一例として、非通気性の包材を基材、通気性性包材を被覆材として、多層構造の例を説明すれば、基材がA層/B層又はA層/B層/C層又はA層/B層/C層/D層からなるものや、被覆材がF層/G層又はE層/F層/G層又はF層/H層/G層からなるものが一例として挙げられる。A層は、ポリエチレン等熱可塑性樹脂フィルム、ポリエチレンやEVA等のヒートシール層や、吸水性紙類等、B層はナイロン等の熱可塑性樹脂の不織布、非吸水性紙類、吸水性紙類、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミド(ナイロン等)フィルム等熱可塑性樹脂フィルム、非吸水性紙類や吸水性紙類等の芯材等、C層は粘着剤層、非吸水性紙類、吸水性紙類、ポリエチレン等熱可塑性樹脂フィルム、滑り止め層、ポリエステルやナイロン等の熱可塑性樹脂の不織布等、D層はセパレータ、ポリエチレン等熱可塑性樹脂フィルム、不織布等、E層はヒートシール層等、F層はポリエチレン等熱可塑性樹脂製多孔質フィルムや穿孔フィルム等、ポリエチレン等熱可塑性樹脂製フィルム、非吸水性紙類、吸水性紙類等、G層はポリエステルやナイロン等の熱可塑性樹脂の不織布等、H層は非吸水性紙類、吸水性紙類等である。例えば、基材又は被覆材の例としては、メタロセン触媒使用のポリエチレン製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム、EVA製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム、EVA製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム/粘着剤層/セパレータ、EVA製ヒートシール層/ポリエチレンフィルム/ナイロン不織布、不織布/多孔質フィルム、メタロセン触媒使用のポリエチレン製ヒートシール層/ポリエチレンフィルム/ナイロン不織布、メタロセン触媒使用のポリエチレン製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム/ポリプロピレン不織布、不織布/(紙及び/又は穿孔(針、レーザー)フィルム)/多孔質フィルム、不織布/(紙及び/又は多孔質フィルム)/穿孔(針、レーザー)フィルム、不織布/(紙及び/又は多孔質フィルム)/不織布等が一例として挙げられる。各層の積層方法については制限はなく、各層の直接積層でもよく、各層は通気性粘着剤層やラミネート剤層を介して積層してもよく、熱溶融押出し等でラミネートをしてもよい。また、本発明ではメタロセン触媒を使用して製造したポリエチレンもポリエチレンに含む。
例えば、不織布、多孔質フィルム等の前記素材を通気性接着層を介して積層する場合、前記通気性接着層の形成は、接着性物質を加熱溶融下に熱風を介し吹付け展開するカーテンスプレー方式やメルトブロー方式やスロットスプレー方式などの適宜な方式で接着性物質を繊維化して多孔質フィルムや通気性基材やセパレータ等からなる適宜な支持基材上に展開堆積させ多孔状態の接着層とする方法などが一例として挙げられる。
前記基材、被覆材、敷材及びそれらを構成する素材の厚さとしては、用途によって大きく異なるが、制限はない。通常は5〜5000μm、好ましくは10〜500μm、より好ましくは20〜250μmである。
前記非通気性素材としては、非通気性があれば制限はない。ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体等ポリマーからなるフィルム、シート、塗布物及びそれらに酸化ケイ素等の金属(半導体も含む)化合物を積層したものやそれらを使った複合素材が一例として挙げられる。
例えば、前記非通気性素材の中で、非通気性の高いフィルムとしては、非通気性素材フィルム上に半導体を含む金属やその化合物の薄膜を単層又は多層に設けたものが一例として挙げられる。例えば、半導体を含む金属としては、ケイ素、アルミニウム等及びこれら金属を含む合金や混合物等が一例として挙げられる。半導体を含む金属化合物としては、上記金属又は合金や混合物の酸化物、窒化物及び酸窒化物が一例として挙げられる。例えば、酸化ケイ素層、酸化アルミニウム層、酸窒化ケイ素層やそれらの任意層をポリエステル製フィルムに積層したものや、更に、それに延伸ポリオレフィンフィルム(例えば2軸延伸ポリプロピレンフィルム)を積層したものが一例として挙げられる。
前記通気性素材としては、通気性があれば制限はない。例えば、多孔質フィルム及び穿孔フィルム等の通気性フィルムや紙類、不織布等の単独で通気性を有するもの、紙類及びそれに通気性フィルムや不織布等を少なくとも1種以上積層し通気性を持たせたもの、不織布にポリエチレンフィルムがラミネートされた非通気性の包材に針などを用いて微細な孔を設けて通気性を持たせたもの、繊維が積層され熱圧着されて通気性を制御された不織布、多孔質フィルム、或いは、多孔質フィルムに不織布を貼り合わせたもの等が一例として挙げられる。ここで、穿孔フィルムとはポリエチレンフィルムなどの非通気性フィルムに針で微細な孔を設けて通気性を持たせたものである。
通気性としては、発熱が維持できれば制限はない。通常の発熱に使用される場合、通気性はリッシー法(Lyssy法)による透湿度が、通常は50〜10,000g/m2/24hrであり、好ましくは70〜5,000g/m2/24hrであり、より好ましくは100〜2,000g/m2/24hr、更に好ましくは100〜700g/m2/24hrである。
この透湿度が、50未満であると発熱量が少なくなり、十分な温熱効果が得られないので好ましくなく、一方、10,000g/m2/24hrを越えると発熱温度が高くなって安全性に問題が生じる虞れが生じるので好ましくない。ただし、用途によっては10,000g/m2/24hrを越えたり、場合によっては開放系に近い透湿度で使用することも制限されない。
前記伸縮性包材としては、伸縮性があれば、特に限定されるものではない。即ち、全体として、伸縮性があればよく、単品でも、伸縮性基材同士又は伸縮性基材と非伸縮性基材との組み合わせによる複合品でもよい。
例えば、天然ゴム、再生ゴム、合成ゴム、エラストマー、伸縮性形状記憶ポリマー等の単品やこれらの混合物やこれらと非伸縮性素材との混合品、混抄品やこれらの組み合わせ品から構成される織物、フィルム、糸、ストランド、リボン、テープ、スクリム構造弾性状フィルム等が一例として挙げられる。
前記多孔質フィルムとしては、制限はないが、ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等と充填材からなるフィルムを延伸した多孔質フィルムで、適宜選択することができる。
前記不織布としては、制限はないが、レーヨン、ナイロン(ポリアミド)、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレン、ビニロン、ポリエチレン、ポリウレタン、キュプラ、綿、セルロース、パルプ等の材質からなる単繊維又は複合繊維の単一不織布又はそれら繊維の混抄又は累積繊維層の積層が用いられる。また、製法的には乾式不織布、湿式不織布、スパンボンド、スパンレース等を使用することができる。芯鞘構造の複合繊維からなる不織布でもよい。肌と接する面の不織布は起毛の(毛羽立てた)不織布が好ましい。また、伸縮性不織布や非伸縮性不織布も使用できる。
前記吸水性素材としては、吸水性を有するフィルム状ないしシート状のものであれば特に限定されるものではない。
この吸水性素材としては、その素材自体が吸水性を有するか否かを問わず、結果として吸水性を有するものであれば特に限定されるものではない。
具体的には、例えば、吸水性を有する発泡フィルム・シート(吸水性発泡ポリウレタン等の発泡体)や紙類、吸水性を有する繊維で形成された不織布や織布、或いは、吸水性を有する繊維を含む不織布や織布、又は吸水性の多孔質フィルム・シートなどの吸水材の他、吸水性の有無を問わず、発泡フィルム・シート、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、吸水剤を含有、含浸、練り込み、転写又は担持させて吸水性を付与ないし増大させたり、吸水性の有無を問わず、発泡フィルム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、本発明物の平面形状に切断した吸水性の発泡フィルム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シート等の吸水性素材を本発明物の片面又は両面に当てがって吸水性が付与されたものが挙げられる。
特に、本発明の発熱体において、皮膚と接触する面は、汗などに対する吸水性など快適な面とするために、発汗した場合には汗が吸収されるように、皮膚と接触する面の包材を、保水率20%以上の吸水性の繊維を主成分とする不織布又は織布を用いた包装材で構成されることが好ましい。保水率20%以上の吸水性の繊維としては、綿、絹、麻、ウール、ポリアクリロニトリル系合成繊維、ポリアミド系合成繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維、アセテート繊維、トリアセテート繊維、再生繊維等を例示することができる。更に、吸水性が優れた不織布として、高吸水性ポリマーを不織布に保持させた不織布等を用いることもできる。尚、これらの繊維を主成分とする不織布又は織布は、皮膚に対して感触が比較的良好なものでもある。
更に、前記包材に、汗の吸収性の高い高吸水性の包装材を用いることもできる。例えば、表面が高吸水性樹脂で被覆された繊維を含む不織布、中空状で表面に多数の微細孔を有する繊維を含む不織布、断面形状が多数の嚢もしくは複層状等を形成することによって毛細管作用を持たせた繊維を含む不織布などが用いられる。
このほか、非粘着面の包装材に、吸水性無機化合物を保持させた不織布、或いは、フィルムを用いることもできる。例えば、不織布に珪藻土、ゼオライト、シリカゲルなどの粉末を保持させた不織布、シリカ、アルミナ等の粉末をポリエチレンなどの合成樹脂に比較的多量に保持させたフィルム等も用いることができる。
通常、基材は非通気性フィルム又はシートからなり、被覆材は通気性フィルム又はシート又は不織布からなるが、逆でもかまわないし、双方が通気性を有していてもよい。また、敷材は通気性や非通気性は適宜使い分ければよい。
前記収納袋の包材は単層構造でもよく、多層構造でもよく、その構造には制限はない。また、包材は少なくとも基材及び被覆材からなるが、発熱組成物成形体を積層する包材が基材であり、発熱組成物成形体に被せる包材が被覆材であり、通気性のありなしは関係ない。一例として、非通気性の包材を基材、通気性性包材を被覆材として、多層構造の例を説明すれば、基材がA層/B層又はA層/B層/C層又はA層/B層/C層/D層からなるものや、被覆材がF層/G層又はE層/F層/G層又はF層/H層/G層からなるものが一例として挙げられる。A層は、ポリエチレン等熱可塑性樹脂フィルム、ポリエチレンやEVA等のヒートシール層や、吸水性紙類等、B層はナイロン等の熱可塑性樹脂の不織布、非吸水性紙類、吸水性紙類、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミド(ナイロン等)フィルム等熱可塑性樹脂フィルム、非吸水性紙類や吸水性紙類等の芯材等、C層は粘着剤層、非吸水性紙類、吸水性紙類、ポリエチレン等熱可塑性樹脂フィルム、滑り止め層、ポリエステルやナイロン等の熱可塑性樹脂の不織布等、D層はセパレータ、ポリエチレン等熱可塑性樹脂フィルム、不織布等、E層はヒートシール層等、F層はポリエチレン等熱可塑性樹脂製多孔質フィルムや穿孔フィルム等、ポリエチレン等熱可塑性樹脂製フィルム、非吸水性紙類、吸水性紙類等、G層はポリエステルやナイロン等の熱可塑性樹脂の不織布等、H層は非吸水性紙類、吸水性紙類等である。例えば、基材又は被覆材の例としては、メタロセン触媒使用のポリエチレン製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム、EVA製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム、EVA製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム/粘着剤層/セパレータ、EVA製ヒートシール層/ポリエチレンフィルム/ナイロン不織布、不織布/多孔質フィルム、メタロセン触媒使用のポリエチレン製ヒートシール層/ポリエチレンフィルム/ナイロン不織布、メタロセン触媒使用のポリエチレン製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム/ポリプロピレン不織布、不織布/(紙及び/又は穿孔(針、レーザー)フィルム)/多孔質フィルム、不織布/(紙及び/又は多孔質フィルム)/穿孔(針、レーザー)フィルム、不織布/(紙及び/又は多孔質フィルム)/不織布等が一例として挙げられる。各層の積層方法については制限はなく、各層の直接積層でもよく、各層は通気性粘着剤層やラミネート剤層を介して積層してもよく、熱溶融押出し等でラミネートをしてもよい。また、本発明ではメタロセン触媒を使用して製造したポリエチレンもポリエチレンに含む。
例えば、不織布、多孔質フィルム等の前記素材を通気性接着層を介して積層する場合、前記通気性接着層の形成は、接着性物質を加熱溶融下に熱風を介し吹付け展開するカーテンスプレー方式やメルトブロー方式やスロットスプレー方式などの適宜な方式で接着性物質を繊維化して多孔質フィルムや通気性基材やセパレータ等からなる適宜な支持基材上に展開堆積させ多孔状態の接着層とする方法などが一例として挙げられる。
前記基材、被覆材、敷材及びそれらを構成する素材の厚さとしては、用途によって大きく異なるが、制限はない。通常は5〜5000μm、好ましくは10〜500μm、より好ましくは20〜250μmである。
前記非通気性素材としては、非通気性があれば制限はない。ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体等ポリマーからなるフィルム、シート、塗布物及びそれらに酸化ケイ素等の金属(半導体も含む)化合物を積層したものやそれらを使った複合素材が一例として挙げられる。
例えば、前記非通気性素材の中で、非通気性の高いフィルムとしては、非通気性素材フィルム上に半導体を含む金属やその化合物の薄膜を単層又は多層に設けたものが一例として挙げられる。例えば、半導体を含む金属としては、ケイ素、アルミニウム等及びこれら金属を含む合金や混合物等が一例として挙げられる。半導体を含む金属化合物としては、上記金属又は合金や混合物の酸化物、窒化物及び酸窒化物が一例として挙げられる。例えば、酸化ケイ素層、酸化アルミニウム層、酸窒化ケイ素層やそれらの任意層をポリエステル製フィルムに積層したものや、更に、それに延伸ポリオレフィンフィルム(例えば2軸延伸ポリプロピレンフィルム)を積層したものが一例として挙げられる。
前記通気性素材としては、通気性があれば制限はない。例えば、多孔質フィルム及び穿孔フィルム等の通気性フィルムや紙類、不織布等の単独で通気性を有するもの、紙類及びそれに通気性フィルムや不織布等を少なくとも1種以上積層し通気性を持たせたもの、不織布にポリエチレンフィルムがラミネートされた非通気性の包材に針などを用いて微細な孔を設けて通気性を持たせたもの、繊維が積層され熱圧着されて通気性を制御された不織布、多孔質フィルム、或いは、多孔質フィルムに不織布を貼り合わせたもの等が一例として挙げられる。ここで、穿孔フィルムとはポリエチレンフィルムなどの非通気性フィルムに針で微細な孔を設けて通気性を持たせたものである。
通気性としては、発熱が維持できれば制限はない。通常の発熱に使用される場合、通気性はリッシー法(Lyssy法)による透湿度が、通常は50〜10,000g/m2/24hrであり、好ましくは70〜5,000g/m2/24hrであり、より好ましくは100〜2,000g/m2/24hr、更に好ましくは100〜700g/m2/24hrである。
この透湿度が、50未満であると発熱量が少なくなり、十分な温熱効果が得られないので好ましくなく、一方、10,000g/m2/24hrを越えると発熱温度が高くなって安全性に問題が生じる虞れが生じるので好ましくない。ただし、用途によっては10,000g/m2/24hrを越えたり、場合によっては開放系に近い透湿度で使用することも制限されない。
前記伸縮性包材としては、伸縮性があれば、特に限定されるものではない。即ち、全体として、伸縮性があればよく、単品でも、伸縮性基材同士又は伸縮性基材と非伸縮性基材との組み合わせによる複合品でもよい。
例えば、天然ゴム、再生ゴム、合成ゴム、エラストマー、伸縮性形状記憶ポリマー等の単品やこれらの混合物やこれらと非伸縮性素材との混合品、混抄品やこれらの組み合わせ品から構成される織物、フィルム、糸、ストランド、リボン、テープ、スクリム構造弾性状フィルム等が一例として挙げられる。
前記多孔質フィルムとしては、制限はないが、ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等と充填材からなるフィルムを延伸した多孔質フィルムで、適宜選択することができる。
前記不織布としては、制限はないが、レーヨン、ナイロン(ポリアミド)、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレン、ビニロン、ポリエチレン、ポリウレタン、キュプラ、綿、セルロース、パルプ等の材質からなる単繊維又は複合繊維の単一不織布又はそれら繊維の混抄又は累積繊維層の積層が用いられる。また、製法的には乾式不織布、湿式不織布、スパンボンド、スパンレース等を使用することができる。芯鞘構造の複合繊維からなる不織布でもよい。肌と接する面の不織布は起毛の(毛羽立てた)不織布が好ましい。また、伸縮性不織布や非伸縮性不織布も使用できる。
前記吸水性素材としては、吸水性を有するフィルム状ないしシート状のものであれば特に限定されるものではない。
この吸水性素材としては、その素材自体が吸水性を有するか否かを問わず、結果として吸水性を有するものであれば特に限定されるものではない。
具体的には、例えば、吸水性を有する発泡フィルム・シート(吸水性発泡ポリウレタン等の発泡体)や紙類、吸水性を有する繊維で形成された不織布や織布、或いは、吸水性を有する繊維を含む不織布や織布、又は吸水性の多孔質フィルム・シートなどの吸水材の他、吸水性の有無を問わず、発泡フィルム・シート、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、吸水剤を含有、含浸、練り込み、転写又は担持させて吸水性を付与ないし増大させたり、吸水性の有無を問わず、発泡フィルム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、本発明物の平面形状に切断した吸水性の発泡フィルム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シート等の吸水性素材を本発明物の片面又は両面に当てがって吸水性が付与されたものが挙げられる。
特に、本発明の発熱体において、皮膚と接触する面は、汗などに対する吸水性など快適な面とするために、発汗した場合には汗が吸収されるように、皮膚と接触する面の包材を、保水率20%以上の吸水性の繊維を主成分とする不織布又は織布を用いた包装材で構成されることが好ましい。保水率20%以上の吸水性の繊維としては、綿、絹、麻、ウール、ポリアクリロニトリル系合成繊維、ポリアミド系合成繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維、アセテート繊維、トリアセテート繊維、再生繊維等を例示することができる。更に、吸水性が優れた不織布として、高吸水性ポリマーを不織布に保持させた不織布等を用いることもできる。尚、これらの繊維を主成分とする不織布又は織布は、皮膚に対して感触が比較的良好なものでもある。
更に、前記包材に、汗の吸収性の高い高吸水性の包装材を用いることもできる。例えば、表面が高吸水性樹脂で被覆された繊維を含む不織布、中空状で表面に多数の微細孔を有する繊維を含む不織布、断面形状が多数の嚢もしくは複層状等を形成することによって毛細管作用を持たせた繊維を含む不織布などが用いられる。
このほか、非粘着面の包装材に、吸水性無機化合物を保持させた不織布、或いは、フィルムを用いることもできる。例えば、不織布に珪藻土、ゼオライト、シリカゲルなどの粉末を保持させた不織布、シリカ、アルミナ等の粉末をポリエチレンなどの合成樹脂に比較的多量に保持させたフィルム等も用いることができる。
前記外袋は非通気性のものであればそのほかの制限はなく、ラミネートされているものでもよい。たとえばOPP、CPP、ポリ塩化ビニリデン、酸化アルミニウムや酸化ケイ素等の酸化金属(半導体を含む)などにより防湿処理されたナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンフィルム、更にはアルミ箔又はアルミ蒸着されたプラスチックフィルムなどがあげられる。その例としては、製造された発熱体を2枚の非通気性フィルム又はシートの間に封着した発熱体が一例として挙げられる。
前記発熱組成物としては、空気と接触して発熱するものであれば特に制限はないが、一例として、鉄粉、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分として含有し、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥結合材、乾燥結合剤、乾燥バインダ、粘着剤バインダ、増粘剤及び賦形剤を含有せず、易動水値を0.01〜20とする余剰水を有し、前記余剰水による成形性を持ち、且つ発熱組成物中の水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こす発熱組成物を使用することができる。
更に所望により、前記発熱組成物は、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、水素発生抑制剤、骨材、繊維状物、機能性物質、界面活性剤、有機ケイ素化合物、焦電物質、保湿剤、肥料成分、疎水性高分子化合物、発熱助剤、鉄以外の金属、酸化鉄以外の金属酸化物、酸性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を加えてもよい。
また、本発明の発熱組成物等は、その配合割合は特に限定されるものではないが鉄粉100重量部に対して、反応促進剤1.0〜50重量部であり、水は1.0〜60重量部で、炭素成分1.0〜50重量部、保水剤0.01〜10重量部、吸水性ポリマー0.01〜20重量部、pH調整剤0.01〜5重量部、水素発生抑制剤0.01〜12重量部、発熱組成物として易動水値が0.01〜20になるように配合割合を選択するのが好ましい。
更に、前記発熱組成物に下記のものを鉄粉に対して、下記の配合割合で加えてもよい。即ち、鉄以外の金属1.0〜50重量部、酸化鉄以外の金属酸化物1.0〜50重量部、界面活性剤0.01〜5重量部、疎水性高分子化合物、骨材、繊維状物、機能性物質、有機ケイ素化合物、焦電物質はそれぞれ0.01〜10重量部、保湿剤、肥料成分、発熱助剤はそれぞれ0.01〜10重量部、酸性物質0.01〜1重量部である。尚、磁性体を更に配合するようにしてもよく、配合割合は所望により適宜決めればよい。
尚、この配合割合は、反応混合物、発熱混合物にも適用することができる。また、反応混合物の易動水値は通常0.01未満である。
更に、前記発熱組成物に下記のものを鉄粉に対して、下記の配合割合で加えてもよい。即ち、鉄以外の金属1.0〜50重量部、酸化鉄以外の金属酸化物1.0〜50重量部、界面活性剤0.01〜5重量部、疎水性高分子化合物、骨材、繊維状物、機能性物質、有機ケイ素化合物、焦電物質はそれぞれ0.01〜10重量部、保湿剤、肥料成分、発熱助剤はそれぞれ0.01〜10重量部、酸性物質0.01〜1重量部である。尚、磁性体を更に配合するようにしてもよく、配合割合は所望により適宜決めればよい。
尚、この配合割合は、反応混合物、発熱混合物にも適用することができる。また、反応混合物の易動水値は通常0.01未満である。
前記水としては、適当なソースからのものでよい。その純度及び種類等には制限はない。
水の含有量は、発熱組成物の場合、発熱組成物の1〜70重量%、より好ましくは1〜60重量%、更に好ましくは7〜60重量%、更に好ましくは10〜50重量%、更に好ましくは20〜50重量%を含有する。
また、酸化性ガスによる接触処理をする前の反応混合物及び発熱混合物の場合、反応混合物又は発熱混合物の0.5〜20重量%、より好ましくは1〜20重量%、更に好ましくは3〜20重量%、更に好ましくは4〜15重量%を含有する。
水の含有量は、発熱組成物の場合、発熱組成物の1〜70重量%、より好ましくは1〜60重量%、更に好ましくは7〜60重量%、更に好ましくは10〜50重量%、更に好ましくは20〜50重量%を含有する。
また、酸化性ガスによる接触処理をする前の反応混合物及び発熱混合物の場合、反応混合物又は発熱混合物の0.5〜20重量%、より好ましくは1〜20重量%、更に好ましくは3〜20重量%、更に好ましくは4〜15重量%を含有する。
前記炭素成分としては、炭素を成分としたものであれば制限はない。カーボンブラック、黒鉛、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、フラーレンなどが一例として挙げられる。ドーピング等により導電性を有するものであってもよい。ココナツの殻、木材、木炭、石炭、骨炭などから調製された活性炭や、動物産物、天然ガス、脂肪、油及び樹脂のような他の原料から調製されたものも一例として挙げられる。特に、吸着保持能を有する活性炭が好ましい。
また、炭素成分としては、必ずしも単独で存在する必要はなく、炭素成分を含有及び/又は炭素成分で被覆された鉄粉を発熱組成物に使用した場合、炭素成分が単独に存在しなくても、前記発熱組成物は炭素成分を含むものとする。
また、炭素成分としては、必ずしも単独で存在する必要はなく、炭素成分を含有及び/又は炭素成分で被覆された鉄粉を発熱組成物に使用した場合、炭素成分が単独に存在しなくても、前記発熱組成物は炭素成分を含むものとする。
前記反応促進剤としては、発熱物質の反応促進ができるものであれば制限はない。金属ハロゲン化物、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、金属硫酸塩類等が一例として挙げられる。金属ハロゲン化物としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化第一鉄、臭化第二鉄、沃化ナトリウム、沃化カリウム等が一例として挙げられる。硝酸塩としては硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が一例として挙げられる。酢酸塩としては、酢酸ナトリウム等が一例として挙げられる。炭酸塩としては、炭酸第一鉄等が一例として挙げられる。金属硫酸塩類としては、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄等が一例として挙げられる。
前記保水剤としては、保水できれば制限はない。木粉、パルプ粉、活性炭、おがくず、多くの綿毛を有する綿布、綿の短繊維、紙屑、植物質材料及び他の大きい毛細管機能と親水性とを有する植物性多孔質材料、活性白土、ゼオライト等の含水ケイ酸マグネシウム質粘土鉱物、パーライト、バーミキュライト、シリカ系多孔質物質、珊瑚化石、火山灰系物質(テラバルーン、シラスバルーン、タイセツバルーン等)等が一例として挙げられる。尚、これら保水剤の保水力の増加、形状維持力の強化等のため、焼成及び/又は粉砕等の加工処理をしたものもよい。
前記吸水性ポリマーは、架橋構造を有し、かつ自重に対するイオン交換水の吸水倍率が3倍以上の樹脂であれば特に限定されるものではない。また、表面を架橋したものでもよい。従来公知の吸水性ポリマーや市販のものも用いることもできる。
吸水性ポリマーとしては、ポリ(メタ)アクリル酸架橋体、ポリ(メタ)アクリル酸塩架橋体、スルホン酸基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリオキシアルキレン基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリ(メタ)アクリルアミド架橋体、(メタ)アクリル酸塩と(メタ)アクリルアミドとの共重合架橋体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルと(メタ)アクリル酸塩との共重合架橋体、ポリジオキソラン架橋体、架橋ポリエチレンオキシド、架橋ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリスチレン架橋体、架橋ポリビニルピリジン、デンプン−ポリ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸(塩)グラフト架橋共重合体、ポリビニルアルコールと無水マレイン酸(塩)との反応生成物、架橋ポリビニルアルコールスルホン酸塩、ポリビニルアルコール−アクリル酸グラフト共重合体、ポリイソブチレンマレイン酸(塩)架橋重合体等が一例として挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記吸水性ポリマー中の生分解性を有する吸水性ポリマーとしては、生分解性を有する吸水性ポリマーであれば制限はない。ポリエチレンオキシド架橋体、ポリビニルアルコール架橋体、カルボキシメチルセルロース架橋体、アルギン酸架橋体、澱粉架橋体、ポリアミノ酸架橋体、ポリ乳酸架橋体などが一例として挙げられる。
前記pH調整剤としては、pHが調整できれば制限はない。アルカリ金属の弱酸塩、水酸化物など、或いは、アルカリ土類金属の弱酸塩、水酸化物などがあり、Na2CO3、NaHCO3、Na3PO4、Na2HPO4、Na5P3O10、NaOH、KOH、Ca(OH)2、Mg(OH)2、Ca3(PO4)2などが一例として挙げられる。
前記水素発生抑制剤としては、水素の発生を抑制するものであれば制限はない。イオウ化合物、酸化剤、アルカリ性物質、イオウ、アンチモン、セレン、リン及びテルルからなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種以上からなるものが一例として挙げられる。尚、イオウ化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属との化合物で、硫化カルシウム等の金属硫化物、亜硫酸ナトリウム等の金属亜硫酸塩やチオ硫酸ナトリウム等金属チオ硫酸塩等が一例として挙げられる。
前記酸化剤としては、硝酸塩、酸化物、過酸化物、ハロゲン化酸素酸塩、過マンガン酸塩、クロム酸塩等が一例として挙げられる。
前記骨材としては、充填剤として有用であり、及び/又は、発熱組成物の多孔質化に有用であれば制限はない。化石サンゴ(サンゴ化石、風化造礁サンゴ等)、竹炭、備長炭、シリカ−アルミナ粉、シリカ−マグネシア粉、カオリン、結晶セルロース、コロイダルシリカ、軽石、シリカゲル、シリカ粉、マイカ粉、クレー、タルク、合成樹脂の粉末やペレット、発泡ポリエステル及びポリウレタンのような発泡合成樹脂、藻土、アルミナ、繊維素粉末等が一例として挙げられる。尚、カオリン及び結晶セルロースは、本発明の発熱組成物には含まないものとする。
前記繊維状物としては、無機系の繊維状物及び/又は有機系の繊維状物である、ロックウール、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維、パルプ、紙、不織布、織物、綿や麻等の天然繊維、レーヨン等再生繊維、アセテート等の半合成繊維、合成繊維及びそれらの粉砕品が一例として挙げられる。
前記機能性物質としては、機能を有する物質であれば制限はないが、マイナスイオン発生物質や遠赤外線放射物質等から選ばれた少なくとも1種が一例として挙げられる。前記マイナスイオン発生物質としては、直接、間接を問わず、結果としてマイナスイオンは発生すれば制限はない。トルマリン、化石サンゴ、花崗岩、プロピオン酸カルシウムストロンチウムなどの共誘電体、ラジウム、ラドン等の放射性物質を含む鉱石等が一例として挙げられる。前記遠赤外線放射物質としては、遠赤外線を放射するものであれば制限はない。セラミック、アルミナ、ゼオライト、ジルコニウム、シリカ等が一例として挙げられる。
前記界面活性剤としては、アニオン、カチオン、ノニオン、両性イオンを含む界面活性剤を包含する。特に、ノニオン界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルフェノール・エチレンオキサイド付加物、高級アルコール燐酸エステル等が一例として挙げられる。
前記有機ケイ素化合物としては、少なくともSi−O−R及び又はSi−N−R及び又はSi−Rの結合を持つ化合物であれば制限はない。モノマー、低縮合物、ポリマー等の形態で、メチルトリエトキシシラン等の有機シラン化合物、ジメチルシリコーンオイル、ポリオルガノシロキサン又はそれらを含有するシリコーン樹脂組成物等が一例として挙げられる。
前記焦電物質としては、焦電性(パイロ電気又はピロ電気)を有する物であれば制限はない。電気石、イキョク鉱物焦電性鉱物が一例として挙げられる。特に電気石の一種であるトルマリンが好ましい。トルマリンとしては、ドラバイト(苦土電気石)、ショール(鉄電気石)、エルバイト(リチア電気石)等が挙げられる。
前記保湿剤としては、保湿ができれば制限はない。ヒアルロン酸、コラーゲン、グリセリン、尿素等が一例として挙げられる。
前記肥料成分としては、窒素、燐酸、カリウムの3要素のうち少なくとも1種を含む成分であれば制限はない。骨粉、尿素、硫安、過燐酸石灰、塩化カリウム、硫酸カルシウム等が一例として挙げられる。
前記疎水性高分子化合物としては、組成物中の水抜けをよくするため、水との接触角が40°以上、より好ましくは50°以上、更に好ましくは60°以上の高分子化合物であれば制限はない。形状も制限はなく、粉体、顆粒、粒、錠等が一例として挙げられる。ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等が一例として挙げられる。
前記発熱助成剤としては、金属粉、金属塩、金属酸化物などがあり、Cu、Mn、CuCl2、FeCl2、二酸化マンガン、酸化第二銅、四三酸化鉄等やそれらの混合物等が一例として挙げられる。
前記酸化鉄以外の金属酸化物としては、酸化性ガスによる鉄の酸化を阻害しなければ如何なるものでもよいが二酸化マンガン、酸化第2銅等が一例として挙げられる。
前記酸性物質としては、無機酸、有機酸、及び酸性塩の何れでもよく、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、クロル酢酸、塩化鉄、硫酸鉄、シュウ酸鉄、クエン酸鉄、塩化アルミニウム、塩化アンモニウム、次亜塩素酸等が一例として挙げられる。
前記吸水性ポリマーは、架橋構造を有し、かつ自重に対するイオン交換水の吸水倍率が3倍以上の樹脂であれば特に限定されるものではない。また、表面を架橋したものでもよい。従来公知の吸水性ポリマーや市販のものも用いることもできる。
吸水性ポリマーとしては、ポリ(メタ)アクリル酸架橋体、ポリ(メタ)アクリル酸塩架橋体、スルホン酸基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリオキシアルキレン基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリ(メタ)アクリルアミド架橋体、(メタ)アクリル酸塩と(メタ)アクリルアミドとの共重合架橋体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルと(メタ)アクリル酸塩との共重合架橋体、ポリジオキソラン架橋体、架橋ポリエチレンオキシド、架橋ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリスチレン架橋体、架橋ポリビニルピリジン、デンプン−ポリ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸(塩)グラフト架橋共重合体、ポリビニルアルコールと無水マレイン酸(塩)との反応生成物、架橋ポリビニルアルコールスルホン酸塩、ポリビニルアルコール−アクリル酸グラフト共重合体、ポリイソブチレンマレイン酸(塩)架橋重合体等が一例として挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記吸水性ポリマー中の生分解性を有する吸水性ポリマーとしては、生分解性を有する吸水性ポリマーであれば制限はない。ポリエチレンオキシド架橋体、ポリビニルアルコール架橋体、カルボキシメチルセルロース架橋体、アルギン酸架橋体、澱粉架橋体、ポリアミノ酸架橋体、ポリ乳酸架橋体などが一例として挙げられる。
前記pH調整剤としては、pHが調整できれば制限はない。アルカリ金属の弱酸塩、水酸化物など、或いは、アルカリ土類金属の弱酸塩、水酸化物などがあり、Na2CO3、NaHCO3、Na3PO4、Na2HPO4、Na5P3O10、NaOH、KOH、Ca(OH)2、Mg(OH)2、Ca3(PO4)2などが一例として挙げられる。
前記水素発生抑制剤としては、水素の発生を抑制するものであれば制限はない。イオウ化合物、酸化剤、アルカリ性物質、イオウ、アンチモン、セレン、リン及びテルルからなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種以上からなるものが一例として挙げられる。尚、イオウ化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属との化合物で、硫化カルシウム等の金属硫化物、亜硫酸ナトリウム等の金属亜硫酸塩やチオ硫酸ナトリウム等金属チオ硫酸塩等が一例として挙げられる。
前記酸化剤としては、硝酸塩、酸化物、過酸化物、ハロゲン化酸素酸塩、過マンガン酸塩、クロム酸塩等が一例として挙げられる。
前記骨材としては、充填剤として有用であり、及び/又は、発熱組成物の多孔質化に有用であれば制限はない。化石サンゴ(サンゴ化石、風化造礁サンゴ等)、竹炭、備長炭、シリカ−アルミナ粉、シリカ−マグネシア粉、カオリン、結晶セルロース、コロイダルシリカ、軽石、シリカゲル、シリカ粉、マイカ粉、クレー、タルク、合成樹脂の粉末やペレット、発泡ポリエステル及びポリウレタンのような発泡合成樹脂、藻土、アルミナ、繊維素粉末等が一例として挙げられる。尚、カオリン及び結晶セルロースは、本発明の発熱組成物には含まないものとする。
前記繊維状物としては、無機系の繊維状物及び/又は有機系の繊維状物である、ロックウール、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維、パルプ、紙、不織布、織物、綿や麻等の天然繊維、レーヨン等再生繊維、アセテート等の半合成繊維、合成繊維及びそれらの粉砕品が一例として挙げられる。
前記機能性物質としては、機能を有する物質であれば制限はないが、マイナスイオン発生物質や遠赤外線放射物質等から選ばれた少なくとも1種が一例として挙げられる。前記マイナスイオン発生物質としては、直接、間接を問わず、結果としてマイナスイオンは発生すれば制限はない。トルマリン、化石サンゴ、花崗岩、プロピオン酸カルシウムストロンチウムなどの共誘電体、ラジウム、ラドン等の放射性物質を含む鉱石等が一例として挙げられる。前記遠赤外線放射物質としては、遠赤外線を放射するものであれば制限はない。セラミック、アルミナ、ゼオライト、ジルコニウム、シリカ等が一例として挙げられる。
前記界面活性剤としては、アニオン、カチオン、ノニオン、両性イオンを含む界面活性剤を包含する。特に、ノニオン界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルフェノール・エチレンオキサイド付加物、高級アルコール燐酸エステル等が一例として挙げられる。
前記有機ケイ素化合物としては、少なくともSi−O−R及び又はSi−N−R及び又はSi−Rの結合を持つ化合物であれば制限はない。モノマー、低縮合物、ポリマー等の形態で、メチルトリエトキシシラン等の有機シラン化合物、ジメチルシリコーンオイル、ポリオルガノシロキサン又はそれらを含有するシリコーン樹脂組成物等が一例として挙げられる。
前記焦電物質としては、焦電性(パイロ電気又はピロ電気)を有する物であれば制限はない。電気石、イキョク鉱物焦電性鉱物が一例として挙げられる。特に電気石の一種であるトルマリンが好ましい。トルマリンとしては、ドラバイト(苦土電気石)、ショール(鉄電気石)、エルバイト(リチア電気石)等が挙げられる。
前記保湿剤としては、保湿ができれば制限はない。ヒアルロン酸、コラーゲン、グリセリン、尿素等が一例として挙げられる。
前記肥料成分としては、窒素、燐酸、カリウムの3要素のうち少なくとも1種を含む成分であれば制限はない。骨粉、尿素、硫安、過燐酸石灰、塩化カリウム、硫酸カルシウム等が一例として挙げられる。
前記疎水性高分子化合物としては、組成物中の水抜けをよくするため、水との接触角が40°以上、より好ましくは50°以上、更に好ましくは60°以上の高分子化合物であれば制限はない。形状も制限はなく、粉体、顆粒、粒、錠等が一例として挙げられる。ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等が一例として挙げられる。
前記発熱助成剤としては、金属粉、金属塩、金属酸化物などがあり、Cu、Mn、CuCl2、FeCl2、二酸化マンガン、酸化第二銅、四三酸化鉄等やそれらの混合物等が一例として挙げられる。
前記酸化鉄以外の金属酸化物としては、酸化性ガスによる鉄の酸化を阻害しなければ如何なるものでもよいが二酸化マンガン、酸化第2銅等が一例として挙げられる。
前記酸性物質としては、無機酸、有機酸、及び酸性塩の何れでもよく、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、クロル酢酸、塩化鉄、硫酸鉄、シュウ酸鉄、クエン酸鉄、塩化アルミニウム、塩化アンモニウム、次亜塩素酸等が一例として挙げられる。
前記鉄粉とは、通常の鉄粉、鉄合金粉、鉄粉の表面の少なくとも一部に酸素含有皮膜を有する鉄粉又は鉄合金粉からなる活性鉄粉が好ましい。尚、鉄酸化物皮膜とは、鉄の酸化物、水酸化物、オキシ水酸化物等の酸素を含む鉄からなる皮膜である。また、活性鉄粉とは、鉄粉表面に鉄酸化物皮膜を少なくとも局部的に形成したもので、地鉄と鉄酸化物皮膜間に形成される局部電池や鉄酸化物皮膜内外のピットによる酸化反応促進効果が得られるものである。
前記鉄粉は、限定はされないが、鋳鉄鉄粉、アトマイズ鉄粉、電解鉄粉、還元鉄粉、スポンジ鉄粉及びそれらの鉄合金粉等が一例として使用できる。更に、これら鉄粉が炭素や酸素を含有していてもよく、また、鉄を50%以上含む鉄で、他の金属を含んでいてもよい。合金等として含まれる金属の種類は鉄成分が発熱組成物の成分として働けば特に制限はないが、アルミニウム、マンガン、銅、ニッケル、ケイ素、コバルト、パラジウム及びモリブデン等の金属、半導体が一例として挙げられる。本発明の金属には半導体も含める。これらの金属及び合金は表面のみ又は内部のみに有していても表面と内部との両方に有していてもよい。
本発明の鉄粉において、前記鉄以外の金属の含有量は、鉄粉全体に対して通常0.01〜50重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%である。
前記鉄粉は、限定はされないが、鋳鉄鉄粉、アトマイズ鉄粉、電解鉄粉、還元鉄粉、スポンジ鉄粉及びそれらの鉄合金粉等が一例として使用できる。更に、これら鉄粉が炭素や酸素を含有していてもよく、また、鉄を50%以上含む鉄で、他の金属を含んでいてもよい。合金等として含まれる金属の種類は鉄成分が発熱組成物の成分として働けば特に制限はないが、アルミニウム、マンガン、銅、ニッケル、ケイ素、コバルト、パラジウム及びモリブデン等の金属、半導体が一例として挙げられる。本発明の金属には半導体も含める。これらの金属及び合金は表面のみ又は内部のみに有していても表面と内部との両方に有していてもよい。
本発明の鉄粉において、前記鉄以外の金属の含有量は、鉄粉全体に対して通常0.01〜50重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%である。
前記鉄の表面の少なくとも一部に酸素含有皮膜を有する鉄粉としては、
A.発熱組成物の必須成分又はそれに酸性物質やその他必要成分を加えたものを酸化性ガスとの接触処理し、鉄成分を部分酸化し、鉄成分の表面を少なくとも部分酸化した活性鉄粉
B.ウスタイトの含有量が2〜50重量%の活性鉄粉
C.厚さ3nm以上の鉄酸化物皮膜を表面に有する鉄粉
D.活性鉄粉と活性鉄粉以外の鉄粉の混合物等が一例として挙げられる。
A.発熱組成物の必須成分又はそれに酸性物質やその他必要成分を加えたものを酸化性ガスとの接触処理し、鉄成分を部分酸化し、鉄成分の表面を少なくとも部分酸化した活性鉄粉
B.ウスタイトの含有量が2〜50重量%の活性鉄粉
C.厚さ3nm以上の鉄酸化物皮膜を表面に有する鉄粉
D.活性鉄粉と活性鉄粉以外の鉄粉の混合物等が一例として挙げられる。
上記Aについて
機構としては、詳しくはわからないが、酸化性ガスと成分の接触により、成分の酸化、特に鉄粉の酸化により、鉄粉の表面に鉄酸化物皮膜、即ち、酸素含有皮膜が形成されるとともに、活性炭の表面も酸化され、及び/又は酸化された鉄成分が付着し、ともに親水性が付与され、又、向上し、水の仲立ちによる成分間の結合や構造化が起きていると推定される。
即ち、鉄粉の表面に鉄酸化物皮膜が形成されたり、鉄粉粒子が不規則形状になったり、酸化により歪みが発生したり、含水ピットが形成されたり、何らかの機能変化が起こり、鉄粉が活性化され、発熱立ち上がり性が向上すると推定される。
また、鉄酸化物皮膜中にマグネタイト(Fe3O4)が存在する場合、導電性に優れるので好ましく、また、へマタイト(Fe2O3)が存在する場合もポーラスとなるので好ましい。また、炭素成分も表面が酸化され、表面酸化物の多い炭素成分になり、親水性も増加し、活性も増加すると推定される。
前記鉄粉の表面を覆う酸素含有皮膜である鉄酸化物皮膜の厚さは、オージェ電子分光法を用いて、通常3nm以上であり、好ましくは3nm〜100μmであり、より好ましくは30nm〜100μmであり、更に好ましくは30nm〜50μmであり、更に好ましくは30nm〜1μmであり、更に好ましくは30nm〜500nmであり、更に好ましくは50nm〜300nmである。鉄の酸素含有皮膜の厚さを3nm以上とすることにより、鉄の酸素含有皮膜の厚さが酸化反応の促進効果を発揮でき、空気等の酸化性ガスと接触して、酸化反応をすぐに開始させることができる。鉄の酸素含有皮膜の厚さが100μm以上であると、発熱時間が短くなるおそれがあるが、用途によっては使用できる。
機構としては、詳しくはわからないが、酸化性ガスと成分の接触により、成分の酸化、特に鉄粉の酸化により、鉄粉の表面に鉄酸化物皮膜、即ち、酸素含有皮膜が形成されるとともに、活性炭の表面も酸化され、及び/又は酸化された鉄成分が付着し、ともに親水性が付与され、又、向上し、水の仲立ちによる成分間の結合や構造化が起きていると推定される。
即ち、鉄粉の表面に鉄酸化物皮膜が形成されたり、鉄粉粒子が不規則形状になったり、酸化により歪みが発生したり、含水ピットが形成されたり、何らかの機能変化が起こり、鉄粉が活性化され、発熱立ち上がり性が向上すると推定される。
また、鉄酸化物皮膜中にマグネタイト(Fe3O4)が存在する場合、導電性に優れるので好ましく、また、へマタイト(Fe2O3)が存在する場合もポーラスとなるので好ましい。また、炭素成分も表面が酸化され、表面酸化物の多い炭素成分になり、親水性も増加し、活性も増加すると推定される。
前記鉄粉の表面を覆う酸素含有皮膜である鉄酸化物皮膜の厚さは、オージェ電子分光法を用いて、通常3nm以上であり、好ましくは3nm〜100μmであり、より好ましくは30nm〜100μmであり、更に好ましくは30nm〜50μmであり、更に好ましくは30nm〜1μmであり、更に好ましくは30nm〜500nmであり、更に好ましくは50nm〜300nmである。鉄の酸素含有皮膜の厚さを3nm以上とすることにより、鉄の酸素含有皮膜の厚さが酸化反応の促進効果を発揮でき、空気等の酸化性ガスと接触して、酸化反応をすぐに開始させることができる。鉄の酸素含有皮膜の厚さが100μm以上であると、発熱時間が短くなるおそれがあるが、用途によっては使用できる。
また、上記活性鉄粉によれば、鉄粉と反応促進剤と水を必須成分とし、含水量が0.5〜20重量%で、余剰水量を示す易動水値が0.01未満の反応混合物を用いることにより、酸化性ガスと接触処理時の反応速度を上げ、反応混合物の温度上昇分を1℃以上にする時間を10分以内で達成できる。所定温度以上に達する時間を短くすることにより、適正な活性化をすることができ、鉄粉上の不必要な酸化を防止できる。
また、反応混合物を酸化性ガス接触処理することにより製造された発熱混合物に炭素成分等の添加や水分調整を行い、易動水値を0.01〜50にした発熱組成物は適度にべたつき、優れた成形性を有し、型通し成形法や鋳込み成形法の成形法が適用でき各種形状のマイクロヒーターが生産できる。特に易動水値が0.01〜20の発熱組成物は空気と接触してすぐに発熱反応を始め、優れた発熱立ち上がり性を有し、且つ、優れた成形性を有する優れたものである。
反応混合物の酸化性ガスの接触処理方法は、鉄粉と反応促進剤と水を必須成分とし、含水量が0.5〜20重量%で、易動水値が0.01未満の反応混合物を、酸化性ガスと接触処理し、反応混合物の温度上昇分を1℃以上にさせるものであれば特に制限はないが、
具体例として更に一例を挙げれば、
1.鉄粉、反応促進剤及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させ、鉄粉を部分酸化し、表面に鉄酸化物皮膜を有する鉄粉を含有する発熱混合物の製造方法、
2.鉄粉、反応促進剤、酸性物質及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させる発熱混合物の製造方法、
3.鉄粉、反応促進剤、炭素成分及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させる発熱混合物の製造方法、
4.鉄粉、反応促進剤、酸性物質、炭素成分及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させる発熱混合物の製造方法、
5.1乃至4の何れかに記載の反応混合物又は発熱混合物が上記成分以外の成分を含有し、1乃至4の何れかに記載の方法を行う部分酸化鉄粉を含有する発熱混合物の製造方法、
6.1乃至5の何れかに記載の方法を、環境温度より10℃以上に加温した環境で行う発熱混合物の製造方法、
7.1乃至6の何れかに記載の方法を酸化性ガスを吹き込んで行う発熱混合物の製造方法、
8.7に記載の方法で、環境温度より10℃以上に加温した酸化性ガスを吹き込んで行う発熱混合物の製造方法、
9.1乃至8の何れかに記載の方法で、発熱反応による温度上昇の最高点である最高温度を超えるまで、酸化性ガス接触処理を行う発熱組成物の製造方法、
10.1乃至8の何れかに記載の方法で、発熱反応による最高温度を超え、更に、前記最高温度から少なくとも10〜20℃下がるまで、酸化性ガス接触処理を行う発熱混合物の製造方法、
11.1乃至8の何れかに記載の方法で、発熱反応による温度上昇の最高点である最高温度を超えるまで、酸化性ガス接触処理を行い、その後酸化性ガスを遮断し、少なくとも反応混合物の温度が前記最高温度から少なくとも10〜20℃下がるまで、保持する発熱組成物の製造方法、
12.1乃至5の何れかに記載された反応混合物又は発熱混合物を酸化性ガス環境下で、温度上昇分を1℃以上にする発熱混合物の製造方法、等が一例として挙げられる
更に、発熱混合物に他の成分を加え、更に、酸化性ガス処理を行い、発熱混合物としてもよい。
尚、酸化性ガス接触処理時の反応混合物の環境は0℃以上の環境下で、酸化性ガスと接触させ、10分以内に、反応混合物の温度上昇分を1℃にさせれば制限はなく、開放系で行う場合、フタのない容器の中に存在する状態でも、不織布等の通気性シート状物を通じて空気等の酸化性ガスが入る状態でもよい。
また、酸化性ガス接触処理は撹拌下、非撹拌下、流動下又は非流動下の何れでもよく、バッチ式でも連続式でもよい。
最終的な発熱組成物としては、
1)上記1乃至12の何れかに記載の方法で製造された発熱混合物を発熱組成物原料とする発熱組成物、
2)1)の発熱組成物に他の成分を加えた発熱組成物、
3)1)又は2)の何れかに記載の発熱組成物を水分調整した発熱組成物、の何れかが挙げられる。また、前記必須成分以外の成分を添加する時期と水分調整の時期の順序の制限はない
ここで、反応混合物、更に酸化性ガス処理を行う前の発熱混合物中の含水量は通常0.5〜20重量%であり、好ましくは1〜15重量%であり、より好ましくは2〜10重量%であり、更に好ましくは3〜10重量%であり、更に好ましくは6〜10重量%である。
前記酸化性ガスとの接触後の反応混合物の温度は温度上昇分が1℃以上であれば制限はないが、好ましくは1〜80℃であり、より好ましくは1〜70℃であり、更に好ましくは1〜60℃であり、更に好ましくは1〜40℃である。
反応混合物と酸化性ガスとの接触時の環境温度は反応混合物の温度が所定以上に上がれば、制限はないが、好ましくは0℃以上であり、より好ましくは0〜250℃であり、更に好ましくは10〜200℃であり、更に好ましくは20〜150℃であり、更に好ましくは25〜100℃であり、更に好ましくは25〜50℃である。
反応混合物と酸化性ガスとの接触時の反応混合物の温度上昇分が1℃以上になる時間が10分以内であれば制限はないが、好ましくは1秒〜10分であり、より好ましくは1秒〜7分であり、更に好ましくは1秒〜5分であり、更に好ましくは2秒〜5分であり、更に好ましくは2秒〜3分であり、更に好ましくは2秒〜1分である。
酸化性ガスの温度は前記環境温度が保たれれば、制限はない。
酸化性ガスとは、気体で酸化性があれば如何なるものでもよいが、酸素ガス、空気、又は窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガスと酸素ガスとの混合気体が一例として挙げられる。前記混合気体としては、酸素が含まれていれば制限はないが、10%以上の酸素ガスを含むことが好ましく、これらの中で、特に、空気が好ましい。所望ならば、白金、パラジュウム、イリジュウム及びそれらの化合物などの触媒を用いることもできる。
酸化反応は、撹拌下に酸化性ガス雰囲気で、所望により加圧下で、更に/若しくは、超音波照射下で行うことができる。
酸化反応の最適条件は実験的に適宜決めればよい。
酸化性ガスの使用量は、制限はなく、酸化性ガスの種類、鉄粉の種類や粒度、水分量、処理温度、処理方法などによって調整をすればよい。
開放系の場合は、必要酸素量が取り込めれば制限はない。反応混合物の飛散やゴミ等の混入を防ぐため、不織布や織布等の通気性素材で回りを囲んでもよく、通気性がある状態であれば開放系とする。
酸化性ガスを吹き込む方式で、空気を使用した場合、一例として、鉄粉200gに対して、1気圧下、空気の量は、好ましくは0.01〜1000リットル/分、より好ましくは0.01〜100リットル/分、更に好ましくは0.1〜50リットル/分である。他の酸化性ガスの場合、空気の場合を基準として、酸素の濃度により換算すればよい。
所望により、過酸化物を添加してもよい。過酸化水素、オゾンが一例として挙げられる。
ここで、酸化性ガスとの接触処理時の反応混合物又は発熱混合物の状態は鉄粉が部分酸化されれば、静置状態でも、移動状態でも、撹拌等による流動状態でも何れでもよく、適宜選択すればよい。また、反応混合物、発熱混合物及び発熱組成物の各成分の混合時並びに水分調整時の混合酸化性ガスとの接触処理時の環境に制限はなく、酸化性ガス雰囲気中や酸化性ガスの吹き込み等が一例として挙げられる。
また、反応混合物を酸化性ガス接触処理することにより製造された発熱混合物に炭素成分等の添加や水分調整を行い、易動水値を0.01〜50にした発熱組成物は適度にべたつき、優れた成形性を有し、型通し成形法や鋳込み成形法の成形法が適用でき各種形状のマイクロヒーターが生産できる。特に易動水値が0.01〜20の発熱組成物は空気と接触してすぐに発熱反応を始め、優れた発熱立ち上がり性を有し、且つ、優れた成形性を有する優れたものである。
反応混合物の酸化性ガスの接触処理方法は、鉄粉と反応促進剤と水を必須成分とし、含水量が0.5〜20重量%で、易動水値が0.01未満の反応混合物を、酸化性ガスと接触処理し、反応混合物の温度上昇分を1℃以上にさせるものであれば特に制限はないが、
具体例として更に一例を挙げれば、
1.鉄粉、反応促進剤及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させ、鉄粉を部分酸化し、表面に鉄酸化物皮膜を有する鉄粉を含有する発熱混合物の製造方法、
2.鉄粉、反応促進剤、酸性物質及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させる発熱混合物の製造方法、
3.鉄粉、反応促進剤、炭素成分及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させる発熱混合物の製造方法、
4.鉄粉、反応促進剤、酸性物質、炭素成分及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させる発熱混合物の製造方法、
5.1乃至4の何れかに記載の反応混合物又は発熱混合物が上記成分以外の成分を含有し、1乃至4の何れかに記載の方法を行う部分酸化鉄粉を含有する発熱混合物の製造方法、
6.1乃至5の何れかに記載の方法を、環境温度より10℃以上に加温した環境で行う発熱混合物の製造方法、
7.1乃至6の何れかに記載の方法を酸化性ガスを吹き込んで行う発熱混合物の製造方法、
8.7に記載の方法で、環境温度より10℃以上に加温した酸化性ガスを吹き込んで行う発熱混合物の製造方法、
9.1乃至8の何れかに記載の方法で、発熱反応による温度上昇の最高点である最高温度を超えるまで、酸化性ガス接触処理を行う発熱組成物の製造方法、
10.1乃至8の何れかに記載の方法で、発熱反応による最高温度を超え、更に、前記最高温度から少なくとも10〜20℃下がるまで、酸化性ガス接触処理を行う発熱混合物の製造方法、
11.1乃至8の何れかに記載の方法で、発熱反応による温度上昇の最高点である最高温度を超えるまで、酸化性ガス接触処理を行い、その後酸化性ガスを遮断し、少なくとも反応混合物の温度が前記最高温度から少なくとも10〜20℃下がるまで、保持する発熱組成物の製造方法、
12.1乃至5の何れかに記載された反応混合物又は発熱混合物を酸化性ガス環境下で、温度上昇分を1℃以上にする発熱混合物の製造方法、等が一例として挙げられる
更に、発熱混合物に他の成分を加え、更に、酸化性ガス処理を行い、発熱混合物としてもよい。
尚、酸化性ガス接触処理時の反応混合物の環境は0℃以上の環境下で、酸化性ガスと接触させ、10分以内に、反応混合物の温度上昇分を1℃にさせれば制限はなく、開放系で行う場合、フタのない容器の中に存在する状態でも、不織布等の通気性シート状物を通じて空気等の酸化性ガスが入る状態でもよい。
また、酸化性ガス接触処理は撹拌下、非撹拌下、流動下又は非流動下の何れでもよく、バッチ式でも連続式でもよい。
最終的な発熱組成物としては、
1)上記1乃至12の何れかに記載の方法で製造された発熱混合物を発熱組成物原料とする発熱組成物、
2)1)の発熱組成物に他の成分を加えた発熱組成物、
3)1)又は2)の何れかに記載の発熱組成物を水分調整した発熱組成物、の何れかが挙げられる。また、前記必須成分以外の成分を添加する時期と水分調整の時期の順序の制限はない
ここで、反応混合物、更に酸化性ガス処理を行う前の発熱混合物中の含水量は通常0.5〜20重量%であり、好ましくは1〜15重量%であり、より好ましくは2〜10重量%であり、更に好ましくは3〜10重量%であり、更に好ましくは6〜10重量%である。
前記酸化性ガスとの接触後の反応混合物の温度は温度上昇分が1℃以上であれば制限はないが、好ましくは1〜80℃であり、より好ましくは1〜70℃であり、更に好ましくは1〜60℃であり、更に好ましくは1〜40℃である。
反応混合物と酸化性ガスとの接触時の環境温度は反応混合物の温度が所定以上に上がれば、制限はないが、好ましくは0℃以上であり、より好ましくは0〜250℃であり、更に好ましくは10〜200℃であり、更に好ましくは20〜150℃であり、更に好ましくは25〜100℃であり、更に好ましくは25〜50℃である。
反応混合物と酸化性ガスとの接触時の反応混合物の温度上昇分が1℃以上になる時間が10分以内であれば制限はないが、好ましくは1秒〜10分であり、より好ましくは1秒〜7分であり、更に好ましくは1秒〜5分であり、更に好ましくは2秒〜5分であり、更に好ましくは2秒〜3分であり、更に好ましくは2秒〜1分である。
酸化性ガスの温度は前記環境温度が保たれれば、制限はない。
酸化性ガスとは、気体で酸化性があれば如何なるものでもよいが、酸素ガス、空気、又は窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガスと酸素ガスとの混合気体が一例として挙げられる。前記混合気体としては、酸素が含まれていれば制限はないが、10%以上の酸素ガスを含むことが好ましく、これらの中で、特に、空気が好ましい。所望ならば、白金、パラジュウム、イリジュウム及びそれらの化合物などの触媒を用いることもできる。
酸化反応は、撹拌下に酸化性ガス雰囲気で、所望により加圧下で、更に/若しくは、超音波照射下で行うことができる。
酸化反応の最適条件は実験的に適宜決めればよい。
酸化性ガスの使用量は、制限はなく、酸化性ガスの種類、鉄粉の種類や粒度、水分量、処理温度、処理方法などによって調整をすればよい。
開放系の場合は、必要酸素量が取り込めれば制限はない。反応混合物の飛散やゴミ等の混入を防ぐため、不織布や織布等の通気性素材で回りを囲んでもよく、通気性がある状態であれば開放系とする。
酸化性ガスを吹き込む方式で、空気を使用した場合、一例として、鉄粉200gに対して、1気圧下、空気の量は、好ましくは0.01〜1000リットル/分、より好ましくは0.01〜100リットル/分、更に好ましくは0.1〜50リットル/分である。他の酸化性ガスの場合、空気の場合を基準として、酸素の濃度により換算すればよい。
所望により、過酸化物を添加してもよい。過酸化水素、オゾンが一例として挙げられる。
ここで、酸化性ガスとの接触処理時の反応混合物又は発熱混合物の状態は鉄粉が部分酸化されれば、静置状態でも、移動状態でも、撹拌等による流動状態でも何れでもよく、適宜選択すればよい。また、反応混合物、発熱混合物及び発熱組成物の各成分の混合時並びに水分調整時の混合酸化性ガスとの接触処理時の環境に制限はなく、酸化性ガス雰囲気中や酸化性ガスの吹き込み等が一例として挙げられる。
上記発熱組成物の温度上昇を測定する方法は次の通りである。
1)周囲温度20±1℃の条件下、発熱組成物を非通気性の外袋封入状態で1時間放置する。
2)脚付き支持台の塩化ビニル製支持板(厚さ3mm×長さ縦600mm×幅横600mm)の裏面の中央部付近に成形型の抜き穴形状を覆うように磁石を設ける。
3)温度センサーを支持板中央部上に置く。
4)厚さ約80μmの粘着剤層付き厚さ25μm×長さ250mm×幅200mmのポリエチレンフィルムの中央がセンサーのところにくるようにして、粘着層を介して支持板に貼り付ける。
5)外袋から発熱組成物を取り出す。
6)前記ポリエチレンフィルムの中央部上に、長さ80mm×幅50mm×高さ3mmの抜き穴を持つ長さ250mm×幅200mmの型板を置き、その抜き穴付近に試料を置き、押し込み板を型板上に沿って動かし、試料を押し込みながら抜き穴へ入れ、型板面に沿って、試料を押し込みながら擦り切り(型押し込み成形)、型内に試料を充填する。次に、支持板下の磁石を除き、温度測定を開始する。
発熱温度の測定はデータコレクタを用い、測定タイミング2秒で、10分間温度測定をし、3分後の温度をもって、発熱立ち上がり性を判定する。
マイクロヒーターの発熱試験については、JIS温度特性試験に従うものとする。
1)周囲温度20±1℃の条件下、発熱組成物を非通気性の外袋封入状態で1時間放置する。
2)脚付き支持台の塩化ビニル製支持板(厚さ3mm×長さ縦600mm×幅横600mm)の裏面の中央部付近に成形型の抜き穴形状を覆うように磁石を設ける。
3)温度センサーを支持板中央部上に置く。
4)厚さ約80μmの粘着剤層付き厚さ25μm×長さ250mm×幅200mmのポリエチレンフィルムの中央がセンサーのところにくるようにして、粘着層を介して支持板に貼り付ける。
5)外袋から発熱組成物を取り出す。
6)前記ポリエチレンフィルムの中央部上に、長さ80mm×幅50mm×高さ3mmの抜き穴を持つ長さ250mm×幅200mmの型板を置き、その抜き穴付近に試料を置き、押し込み板を型板上に沿って動かし、試料を押し込みながら抜き穴へ入れ、型板面に沿って、試料を押し込みながら擦り切り(型押し込み成形)、型内に試料を充填する。次に、支持板下の磁石を除き、温度測定を開始する。
発熱温度の測定はデータコレクタを用い、測定タイミング2秒で、10分間温度測定をし、3分後の温度をもって、発熱立ち上がり性を判定する。
マイクロヒーターの発熱試験については、JIS温度特性試験に従うものとする。
前記酸化性ガス処理をした発熱組成物中の鉄粉又は活性鉄粉は、表面の少なくとも一部が鉄の酸素含有皮膜で被覆されている。鉄の酸素含有皮膜の表面の被覆程度は表面の少なくとも一部が被覆されていれば、制限はなく、全面でもよい。本発明の発熱組成物の場合、塩素イオン等の反応促進剤のイオンが発熱組成物に含まれるので、塩素イオン等の反応促進剤のイオンによる腐食効果により、酸化皮膜の防食効果がないので、一種の腐食である酸化反応が阻害されることはない。特に鉄の酸素含有皮膜が塩素イオン等の反応促進剤のイオンと共存して作成される場合は、その効果は大である。上記鉄以外の金属が表面にある場合はそれら鉄以外の金属以外の部分の少なくとも一部が鉄の酸素含有皮膜で被覆されていればよい。
本発明の鉄粉には、
1.全面(均一)腐食、
2.孔食、すきま腐食、
3.応力腐食割れ
等がおこり、等する領域が生じるとともに、凹凸やすき間も生ずる。このため、親水性及び酸化触媒性(FeO等)を自らの部分に持つことになると推定される。混合でなく、自らの部分に酸素含有皮膜を持つことが発熱組成物を製造する上に重要である。特に鉄成分を反応促進剤、水を必須成分として酸化性ガスとの接触処理をした鉄成分には、酸化物、水酸化物、塩素イオン、水素イオン等を主体とする反応活性部が生じ、発熱反応性、親水性が向上し、発熱立ち上がり性、成形性が著しく向上すると思われる。
本発明の鉄粉には、
1.全面(均一)腐食、
2.孔食、すきま腐食、
3.応力腐食割れ
等がおこり、等する領域が生じるとともに、凹凸やすき間も生ずる。このため、親水性及び酸化触媒性(FeO等)を自らの部分に持つことになると推定される。混合でなく、自らの部分に酸素含有皮膜を持つことが発熱組成物を製造する上に重要である。特に鉄成分を反応促進剤、水を必須成分として酸化性ガスとの接触処理をした鉄成分には、酸化物、水酸化物、塩素イオン、水素イオン等を主体とする反応活性部が生じ、発熱反応性、親水性が向上し、発熱立ち上がり性、成形性が著しく向上すると思われる。
上記Bについて
前記所定量のウスタイトを含む鉄成分に含まれるFeO(ウスタイト)量は、鉄とのX線ピーク強度比で、通常は2〜50重量%であり、好ましくは2〜40重量%、より好ましくは2〜30重量%であり、更に好ましくは5〜30重量%であり、更に好ましくは6〜30重量%である。50重量%を超えても発熱立ち上がり性はよいが、発熱持続時間が短くなる。2重量%未満であると発熱立ち上がり性が鈍くなる。
前記所定量の酸素含有皮膜やウスタイトを有する鉄粉の酸素含有皮膜の厚さやウスタイト量は積層時の発熱組成物又は発熱組成物成形体に適用する。
前記所定量のウスタイトを含む鉄成分に含まれるFeO(ウスタイト)量は、鉄とのX線ピーク強度比で、通常は2〜50重量%であり、好ましくは2〜40重量%、より好ましくは2〜30重量%であり、更に好ましくは5〜30重量%であり、更に好ましくは6〜30重量%である。50重量%を超えても発熱立ち上がり性はよいが、発熱持続時間が短くなる。2重量%未満であると発熱立ち上がり性が鈍くなる。
前記所定量の酸素含有皮膜やウスタイトを有する鉄粉の酸素含有皮膜の厚さやウスタイト量は積層時の発熱組成物又は発熱組成物成形体に適用する。
前記鉄粉が炭素成分を含有及び/又は炭素成分で被覆された鉄粉も好ましく、前記炭素成分に対して、鉄成分が50重量%以上であれば前記炭素成分の割合は制限はないが、鉄粉表面が0.3〜3.0重量%の導電性炭素質物質で部分的に被覆された鉄粉は有用である。導電性炭素質物質は、カーボンブラック、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、フラーレン等が一例として挙げられ、ドーピングによって導電性を有するものであってもよく、鉄粉は、還元鉄粉、アトマイズ鉄粉、スポンジ鉄粉が一例として挙げられ、特に、導電性炭素質物質が活性炭で、鉄粉が還元鉄粉である場合がマイクロヒーターには有用である。
また、導電性炭素質物質被覆を効率よく行うために鉄粉の流動性を害さない程度に0.01〜0.05重量%の油分、例えばスピンドル油等を添加してもよい。
また、導電性炭素質物質被覆を効率よく行うために鉄粉の流動性を害さない程度に0.01〜0.05重量%の油分、例えばスピンドル油等を添加してもよい。
マイクロヒーター中の発熱組成物の易動水値及び混合物やマイクロヒーター中の発熱組成物中の鉄粉の鉄酸化物皮膜の厚さ、ウスタイト量を測定する場合は、発熱組成物や混合物を各項目に従って測定すればよい。即ち、
1)易動水値
マイクロヒーターから発熱組成物を取り出し、前記易動水値の測定法に従って測定する。
2)鉄粉の鉄酸化物皮膜の厚さ、ウスタイト量
窒素雰囲気下、窒素置換されたイオン交換水に発熱組成物、発熱組成物成形体、発熱組成物圧縮体又は混合物を分散させ、磁石で鉄粉を分離し、窒素雰囲気下で乾燥させたものを測定用試料とする。
1)易動水値
マイクロヒーターから発熱組成物を取り出し、前記易動水値の測定法に従って測定する。
2)鉄粉の鉄酸化物皮膜の厚さ、ウスタイト量
窒素雰囲気下、窒素置換されたイオン交換水に発熱組成物、発熱組成物成形体、発熱組成物圧縮体又は混合物を分散させ、磁石で鉄粉を分離し、窒素雰囲気下で乾燥させたものを測定用試料とする。
本発明の発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤、水を必須成分とし、その製造方法は、工業的に実用化が可能で、鉄粉と反応促進剤と水を必須成分とし、含水量が1〜20重量%で、余剰水量を示す易動水値が0.01未満の反応混合物を、0℃以上の環境下、酸化性ガスと接触させ、10分以内に反応混合物の温度上昇分を1℃以上にし、発熱混合物を製造し、該発熱混合物を原料とし、発熱組成物とするか、又は、その後、更に水分調整をし発熱組成物とするか、炭素成分等の添加や水分調整をし、発熱組成物としてもよい。
本発明は反応混合物の含水量を一定量以下、特に余剰水量を一定量以下にし、酸化性接触処理をすることで、短時間に酸化性ガス接触処理が行えるようにした。余剰水量の特定化と短時間処理により、発熱組成物の初期の発熱立ち上がりがよくなかったり、発熱保持時間が短くなったりする等の酸化性ガス接触処理に起因する悪影響が回避でき、工業的大量生産方法が確立できた。また、酸化性ガス接触処理中は、攪拌等をしなくてもよいが、攪拌等をした方が酸化性ガス接触処理が確実に行える。
ここで、酸化性ガスとの接触処理の反応混合物又は発熱混合物の状態は鉄粉が部分酸化されれば、静置状態でも、移動状態でも、撹拌等による流動状態でも何れでもよく、適宜選択すればよい。また、反応混合物、発熱混合物及び発熱組成物の各成分の混合時並びに水分調整時の混合時の環境に制限はなく、酸化性ガス雰囲気中や酸化性ガスの吹き込み等が一例として挙げられる。
本発明は反応混合物の含水量を一定量以下、特に余剰水量を一定量以下にし、酸化性接触処理をすることで、短時間に酸化性ガス接触処理が行えるようにした。余剰水量の特定化と短時間処理により、発熱組成物の初期の発熱立ち上がりがよくなかったり、発熱保持時間が短くなったりする等の酸化性ガス接触処理に起因する悪影響が回避でき、工業的大量生産方法が確立できた。また、酸化性ガス接触処理中は、攪拌等をしなくてもよいが、攪拌等をした方が酸化性ガス接触処理が確実に行える。
ここで、酸化性ガスとの接触処理の反応混合物又は発熱混合物の状態は鉄粉が部分酸化されれば、静置状態でも、移動状態でも、撹拌等による流動状態でも何れでもよく、適宜選択すればよい。また、反応混合物、発熱混合物及び発熱組成物の各成分の混合時並びに水分調整時の混合時の環境に制限はなく、酸化性ガス雰囲気中や酸化性ガスの吹き込み等が一例として挙げられる。
水分調整とは発熱混合物を酸化性ガスと接触処理した後に水又反応促進剤の水溶液を加えることである。加える量には制限はないが、接触処理により、減量した重量を加えることや、所望の易動水値となる重量を加えることが一例として挙げられる。
水分調整を行うかどうかは用途により適宜決めればよい。
水分調整を行うかどうかは用途により適宜決めればよい。
本発明の発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤、水を必須成分とし、鉄粉、反応促進剤及び水を必須成分とした反応混合物を酸化性ガスで接触処理したものを原料にしたもので、通常は発熱混合物を水分調整したもので、発熱立ち上がりがよく、適量の余剰水と相まって、優れた成形性を有する発熱組成物である。また、これを使用して、使用時にすぐに温まる発熱体が製造できる。
したがって、少なくとも鉄粉は、更に炭素成分も含め、酸化性ガスの接触処理による酸化の履歴を有し、これが優れた発熱立ち上がり性、発熱持続性及び優れた成形性に深くかかわっていると思われる。
したがって、少なくとも鉄粉は、更に炭素成分も含め、酸化性ガスの接触処理による酸化の履歴を有し、これが優れた発熱立ち上がり性、発熱持続性及び優れた成形性に深くかかわっていると思われる。
本発明の酸化性ガスの接触処理をした鉄粉を使用すると、発熱組成物中の活性炭等の炭素成分を、例えば、20%以上減らすことができる。炭素成分添加量を減少することにより、コストが下がる。
本発明の発熱混合物の製造方法によれば、優れた発熱立ち上がり性、優れた親水性、優れた成形性を有する発熱組成物を得ることができる。易動水値0.01〜50、特に0.01〜20との併用により著しく優れた成形性と発熱特性を併せ持つ発熱組成物が得られる。
本発明の製造方法により製造された発熱組成物は発熱立ち上がり性が著しく向上されているので、発熱組成物中の活性炭等の炭素成分の添加量を、例えば、20%以上減少でき、コストダウンに貢献できる。
また、親水性が著しく向上されているので、型を使った成形性が著しく向上するので、成形後に発熱組成物成形体の周辺に発熱組成物の崩れ片をまき散らさないので、シールが的確にでき、シール切れのない発熱体が製造できる。これにより、種々の形状の発熱組成物成形体が製造でき、種々の形状の発熱体ができる。
本発明の製造方法により製造された発熱組成物は発熱立ち上がり性が著しく向上されているので、発熱組成物中の活性炭等の炭素成分の添加量を、例えば、20%以上減少でき、コストダウンに貢献できる。
また、親水性が著しく向上されているので、型を使った成形性が著しく向上するので、成形後に発熱組成物成形体の周辺に発熱組成物の崩れ片をまき散らさないので、シールが的確にでき、シール切れのない発熱体が製造できる。これにより、種々の形状の発熱組成物成形体が製造でき、種々の形状の発熱体ができる。
また、発熱組成物の発熱立ち上がり性を向上させる意味から、下記のものが好ましい。
1)発熱組成物の必須成分又はそれに酸性物質やその他必要成分を加えたものを酸化性ガスとの接触処理(自己発熱等)したもの、それを水分調整したもの又はその他の成分を加え混合し、発熱組成物としたもの。
2)表面の少なくとも一部に酸化物等の酸素含有皮膜を有する下記いずれかの活性鉄粉を鉄粉として使用する。
a)鉄粉の表面についてオージェ電子分光法で求めた3nm以上の厚さの鉄の酸素含有皮膜を有する鉄粉。
b)ウスタイトの含有量が鉄とのX線ピーク強度比で、2〜50重量%の鉄粉。
3)鉄粉の表面の少なくとも一部に酸化物等の酸素含有皮膜を有する活性鉄粉を酸素含有皮膜を有しない鉄粉に混合したものを鉄粉とて使用する。この場合、活性鉄粉が60重量%以上で、活性鉄粉以外の鉄粉を40重量%未満とした混合物とすることが好ましい。
1)発熱組成物の必須成分又はそれに酸性物質やその他必要成分を加えたものを酸化性ガスとの接触処理(自己発熱等)したもの、それを水分調整したもの又はその他の成分を加え混合し、発熱組成物としたもの。
2)表面の少なくとも一部に酸化物等の酸素含有皮膜を有する下記いずれかの活性鉄粉を鉄粉として使用する。
a)鉄粉の表面についてオージェ電子分光法で求めた3nm以上の厚さの鉄の酸素含有皮膜を有する鉄粉。
b)ウスタイトの含有量が鉄とのX線ピーク強度比で、2〜50重量%の鉄粉。
3)鉄粉の表面の少なくとも一部に酸化物等の酸素含有皮膜を有する活性鉄粉を酸素含有皮膜を有しない鉄粉に混合したものを鉄粉とて使用する。この場合、活性鉄粉が60重量%以上で、活性鉄粉以外の鉄粉を40重量%未満とした混合物とすることが好ましい。
また、前記易動水値0.01〜20以外の発熱組成物は、立ち上がり特性に影響しない範囲において、水溶性高分子、凝集助剤、凝集化助剤、集塊補助剤、乾燥結合材、乾燥結合剤、乾燥バインダ、粘着素材、増粘剤、賦形剤、凝集剤、可溶性粘着性素材を含有することができる。
また、市場に提供される、発熱組成物を収納袋に収納した発熱体は非通気性の収納袋である外袋に収納して長期保存可能を前提として提供されるので、水素発生抑制剤を含有した発熱組成物を使用することが好ましい。酸化性ガスの接触処理を経た発熱組成物は活性な組成物であるので、水素発生抑制剤を含有する事が肝要である。また、pH調整剤を併用するとその効力はより強化される。
また、易動水値0.01未満の発熱組成物は、その反応特性や発熱特性に影響しない範囲において、凝集助剤、凝集化剤、集塊補助剤、乾燥バインダー、乾燥結合剤、乾燥結合材、粘着性素材、増粘剤、賦形剤、水溶性高分子をそれぞれ0.01〜3重量部の範囲内で含有してもよい。
前記凝集助剤とは、特許第3161605号公報(特表平11−508314号公報)に記載されている凝集助剤で、ゼラチン、天然ガム、コーンシロップ等である。
前記凝集化剤とは、特表平2002−514104号公報に記載されている凝集化剤で、コーンシロップ、マルチトールシロップ等である。
前記集塊補助剤とは、特表平2001−507593号公報に記載されている集塊補助剤で、コーンシロップ等である。
前記乾燥バインダーとは、特表平2002−514104号公報に記載されている乾燥バインダーで、微結晶セルロース、マルトデクストリン等又はこれらの混合物である。
前記乾燥結合剤とは、特表平2001−507593号公報に記載されている乾燥結合剤で、マルトデクストリン、噴霧された乳糖等である。
前記乾燥結合材とは、特表平11−508314号公報に記載されている乾燥結合材で、微晶質セルロース、マルトデクストリン等又はこれらの混合物である。
前記粘着性素材又はバインダーとは、特開平4−293989号公報に記載されている粘着性素材又はバインダーで、水ガラス、ポリビニールアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等である。
前記増粘剤とは、特開平6−343658号公報に記載されている増粘剤で、コーンスターチ、馬鈴薯デンプン等である。
前記賦形剤とは、特開平7−194641号公報に記載されている賦形剤で、α化でんぷん、アルギン酸ナトリウム等である。
前記水溶性高分子とは、粘着剤層での水溶性高分子が使用できる。
前記凝集助剤とは、特許第3161605号公報(特表平11−508314号公報)に記載されている凝集助剤で、ゼラチン、天然ガム、コーンシロップ等である。
前記凝集化剤とは、特表平2002−514104号公報に記載されている凝集化剤で、コーンシロップ、マルチトールシロップ等である。
前記集塊補助剤とは、特表平2001−507593号公報に記載されている集塊補助剤で、コーンシロップ等である。
前記乾燥バインダーとは、特表平2002−514104号公報に記載されている乾燥バインダーで、微結晶セルロース、マルトデクストリン等又はこれらの混合物である。
前記乾燥結合剤とは、特表平2001−507593号公報に記載されている乾燥結合剤で、マルトデクストリン、噴霧された乳糖等である。
前記乾燥結合材とは、特表平11−508314号公報に記載されている乾燥結合材で、微晶質セルロース、マルトデクストリン等又はこれらの混合物である。
前記粘着性素材又はバインダーとは、特開平4−293989号公報に記載されている粘着性素材又はバインダーで、水ガラス、ポリビニールアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等である。
前記増粘剤とは、特開平6−343658号公報に記載されている増粘剤で、コーンスターチ、馬鈴薯デンプン等である。
前記賦形剤とは、特開平7−194641号公報に記載されている賦形剤で、α化でんぷん、アルギン酸ナトリウム等である。
前記水溶性高分子とは、粘着剤層での水溶性高分子が使用できる。
本発明の成形性発熱組成物を構成する非水溶性固形成分の粒径は、発熱組成物が成形性を有すれば制限はない。発熱組成物を成形した発熱組成物成形体のサイズである縦、横、高さの何れかが小さくなる場合は粒径を小さくする方が成形性が向上する。
更に、成形性発熱組成物を構成する固形成分の粒径を小さくすることは成形上好ましい。成形性発熱組成物を構成する成分中、反応促進剤と水を除く非水溶性固形成分の最大粒径は好ましくは2.5mm以下であり、より好ましくは930μm以下であり、更に好ましくは500μm以下であり、更に好ましくは300μm以下であり、更に好ましくは250μm以下であり、更に好ましくは200μm以下であり、且つ、前記固形成分の粒径の80%以上が、通常500μm以下で有り、好ましくは300μm以下で有り、より好ましくは250μm以下であり、更に好ましくは200μm以下であり、更に好ましくは150μm以下であり、更に好ましくは100μm以下である。
尚、非水溶性固形成分の粒径とは、篩を使って分離し、前記篩を通過したものをその篩の口径から算出した粒径である。即ち、篩を、上から8、12、20、32、42、60、80、100、115、150、200、250及び280メッシュ等の篩並びに受皿の順に組み合せる。最上段の8メッシュ篩に非水溶性固形成分粒子を約50g入れ、自動振盈機で1分間振盈させる。各篩及び受皿上の非水溶性固形成分粒子の重量を秤量し、その合計を100%として重量分率により粒径分布を求める。特定メッシュの櫛の下のすべての受け皿の合計が前記粒径分布の合計値である100%になった場合、前記特定メッシュの口径から算出した大きさ(μm)をもって、その非水溶性固形成分の粒径とする。尚、各メッシュ篩は他のメッシュ篩を組み合わせてもよい。ここで、16メッシュパスは粒径1mm以下、20メッシュパスは粒径850μm以下、48メッシュパスは粒径300μm以下、60メッシュパスは粒径250μm以下、65メッシュパスは粒径200μm以下、80メッシュパスは粒径180μm以下、100メッシュパスは粒径150μm以下、115メッシュパスは粒径120μm以下、150メッシュパスは粒径100μm以下、250メッシュパスは粒径63μm以下とする。以下のメッシュも同様とする。
更に、成形性発熱組成物を構成する固形成分の粒径を小さくすることは成形上好ましい。成形性発熱組成物を構成する成分中、反応促進剤と水を除く非水溶性固形成分の最大粒径は好ましくは2.5mm以下であり、より好ましくは930μm以下であり、更に好ましくは500μm以下であり、更に好ましくは300μm以下であり、更に好ましくは250μm以下であり、更に好ましくは200μm以下であり、且つ、前記固形成分の粒径の80%以上が、通常500μm以下で有り、好ましくは300μm以下で有り、より好ましくは250μm以下であり、更に好ましくは200μm以下であり、更に好ましくは150μm以下であり、更に好ましくは100μm以下である。
尚、非水溶性固形成分の粒径とは、篩を使って分離し、前記篩を通過したものをその篩の口径から算出した粒径である。即ち、篩を、上から8、12、20、32、42、60、80、100、115、150、200、250及び280メッシュ等の篩並びに受皿の順に組み合せる。最上段の8メッシュ篩に非水溶性固形成分粒子を約50g入れ、自動振盈機で1分間振盈させる。各篩及び受皿上の非水溶性固形成分粒子の重量を秤量し、その合計を100%として重量分率により粒径分布を求める。特定メッシュの櫛の下のすべての受け皿の合計が前記粒径分布の合計値である100%になった場合、前記特定メッシュの口径から算出した大きさ(μm)をもって、その非水溶性固形成分の粒径とする。尚、各メッシュ篩は他のメッシュ篩を組み合わせてもよい。ここで、16メッシュパスは粒径1mm以下、20メッシュパスは粒径850μm以下、48メッシュパスは粒径300μm以下、60メッシュパスは粒径250μm以下、65メッシュパスは粒径200μm以下、80メッシュパスは粒径180μm以下、100メッシュパスは粒径150μm以下、115メッシュパスは粒径120μm以下、150メッシュパスは粒径100μm以下、250メッシュパスは粒径63μm以下とする。以下のメッシュも同様とする。
易動水値とは、発熱組成物中に存在する水分の中で発熱組成物外へ移動できる余剰水分の量を示す値である。この易動水値について、図14乃至図18を使って説明する。図14に示すように、中心点から放射状に45度間隔で8本の線が書かれたNO.2(JIS P 3801 2種)の濾紙28を、図15及び図16に示すように、ステンレス板32上に置き、前記濾紙28の中心に、内径20mm×高さ8mmの中空円筒状の穴30を持つ長さ150mm×幅100mmの型板29を置き、その中空円筒状の穴30付近に試料31を置き、押し込み板25を型板29上に沿って動かし、試料31を押し込みながら中空円筒状の穴30へ入れ、型板29面に沿って、試料を擦り切る(型押し込み成形)。次に、図17に示すように、前記穴30を覆うように非吸水性の70μmポリエチレンフィルム27を置き、更にその上に、厚さ5mm×長さ150mm×幅150mmのステンレス製平板26を置き、発熱反応が起こらないようにして、5分間保持する。その後、図18に示すように濾紙28を取り出し、放射状に書かれた線に沿って、水又は水溶液の浸みだし軌跡を中空円筒の穴の縁である円周部34から浸みだし先端までの距離33として、mm単位で読み取る。同様にして、各線上からその距離33を読み取り、合計8個の値を得る。読み取った8個の各値(a,b,c,d,e,f,g,h)を測定水分値とする。その8個の測定水分値を算術平均したものをその試料の水分値(mm)とする。また、真の水分値を測定するための水分量は内径20mm×高さ8mmの前記発熱組成物等の重量に相当する前記発熱組成物等の配合水分量とし、その水分量に相当する水のみで同様に測定し、同様に算出したものを真の水分値(mm)とする。水分値を真の水分値で除したものに100をかけた値が易動水値である。即ち、
易動水値=[水分値(mm)/真の水分値(mm)]×100
同一試料に対して、5点測定し、その5個の易動水値を平均し、その平均値をその試料の易動水値とする。
易動水値=[水分値(mm)/真の水分値(mm)]×100
同一試料に対して、5点測定し、その5個の易動水値を平均し、その平均値をその試料の易動水値とする。
本発明での易動水値(0〜100)は、好ましくは0.01〜20であり、より好ましくは0.01〜18であり、更に好ましくは0.01〜15であり、更に好ましくは0.01〜13であり、更に好ましくは1〜13であり、更に好ましくは3〜13である。
易動水値が0.01未満の発熱組成物は成形性が不足する。易動水値が0.01〜50の発熱組成物は成形性を有するので成形性発熱組成物である。易動水値が20を超えると発熱組成物の一部水分を吸水や脱水等により除去する必要がある。即ち、吸水性包材等を使用して発熱組成物成形体中の一部水分を吸水や脱水等により除去しないと、実用的な発熱反応を起こさない。尚、吸水速度の遅い吸水性ポリマーを使用し、成形時には高い易動水値を示すが、一定時間後、余剰水の一部が吸水性ポリマーに取り込まれ、易動水値0.01〜20の発熱状態になる場合は、易動水値が高い発熱組成物でも余剰水がバリア層になっていない発熱組成物として扱う。易動水値が50を超える発熱組成物は、余剰水が多すぎ、スラリー状になり、成形性がなく、余剰水がバリア層になり、そのままでは空気と接触して発熱反応は起こさない。
易動水値が0.01未満の発熱組成物は成形性が不足する。易動水値が0.01〜50の発熱組成物は成形性を有するので成形性発熱組成物である。易動水値が20を超えると発熱組成物の一部水分を吸水や脱水等により除去する必要がある。即ち、吸水性包材等を使用して発熱組成物成形体中の一部水分を吸水や脱水等により除去しないと、実用的な発熱反応を起こさない。尚、吸水速度の遅い吸水性ポリマーを使用し、成形時には高い易動水値を示すが、一定時間後、余剰水の一部が吸水性ポリマーに取り込まれ、易動水値0.01〜20の発熱状態になる場合は、易動水値が高い発熱組成物でも余剰水がバリア層になっていない発熱組成物として扱う。易動水値が50を超える発熱組成物は、余剰水が多すぎ、スラリー状になり、成形性がなく、余剰水がバリア層になり、そのままでは空気と接触して発熱反応は起こさない。
また、易動水値とは、発熱組成物や混合物等に含まれる水分のうち、容易に、自由に系外へしみ出せる水分量である余剰水を数値化したものである。発熱組成物や混合物等のいくつかの成分を混合した混合物では、保水剤、炭素成分、吸水性ポリマー等の保水能力を持つ成分量、各成分の濡れ性により、その余剰水量は種々変化し、加えた水分量からは予想が非常に難しい。従って、易動水値からその発熱組成物や混合物等の余剰水量が決まるので、これによって、加える水分量、他の成分量を決めれば、ほぼ一定量の余剰水量を持つ発熱組成物や混合物等が再現性よく得られる。即ち、予め、易動水値と発熱組成物や混合物等の組成比を調べておけば、その組成比に従って配合した発熱組成物や混合物等は一定範囲内の易動水値、即ち、一定範囲内の余剰水量を持つので、空気と接触して発熱するが、成形性のない粉体状の発熱組成物、空気と接触して発熱し、しかも成形性のある発熱組成物、吸水等により一定の余剰水量を系外に出した後に、空気と接触して発熱し、しかも成形性のある発熱組成物等の種々の発熱組成物が容易に製造できる。従って、易動水値がわかればその発熱組成物や混合物等が上記の何れの状態にあるのかがわかる。
易動水値を使えば、簡単な測定により、所望の状態を再現よく具現化できるので、その測定より得た易動水値と成分比を基に、発熱組成物の成分比を決定し、発熱組成物の実生産が簡単に可能になる。
易動水値を使えば、簡単な測定により、所望の状態を再現よく具現化できるので、その測定より得た易動水値と成分比を基に、発熱組成物の成分比を決定し、発熱組成物の実生産が簡単に可能になる。
易動水値の使用例としては、水分(又は反応促進剤水溶液)を除いた他の発熱組成物成分を特定量で混合した混合物に水分(又は反応促進剤水溶液)を加え、混合し、水分量の異なる発熱組成物を複数個製造する。次に、その各発熱組成物の易動水値を測定し、添加水分量(又は反応促進剤水溶液)と易動水値の関係を求める。
成形性があり、空気と接触して発熱する発熱組成物の易動水値は0.01〜20である。これにより各成分の配合を決め、その配合で混合物を作製すれば、水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱し、成形性を有する発熱組成物が再現よく製造できる。
これにより、余剰水を連結物質とし、凝集助剤や乾燥結合材を使用していないので、鉄粉の反応効率も落ちないので、凝集助剤や乾燥結合材を使用した場合に比べ、少量で高い発熱性能が得られる。
成形性があり、空気と接触して発熱する発熱組成物の易動水値は0.01〜20である。これにより各成分の配合を決め、その配合で混合物を作製すれば、水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱し、成形性を有する発熱組成物が再現よく製造できる。
これにより、余剰水を連結物質とし、凝集助剤や乾燥結合材を使用していないので、鉄粉の反応効率も落ちないので、凝集助剤や乾燥結合材を使用した場合に比べ、少量で高い発熱性能が得られる。
尚、本発明において、バリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こすとは、発熱組成物中の水分が空気遮断層としてのバリア層として機能せず、発熱組成物製造直後に、空気と接触して直ちに発熱反応を起こすことをいう。
この余剰水を連結物質とした成形性発熱組成物を使用することにより、一例として、実質的に平面状の基材上に発熱組成物成形体を最大幅で、好ましくは1〜50mm、より好ましくは1〜20mm、又は最大直径で、好ましくは1〜50mm、より好ましくは1〜20mm(楕円等の径が2つ以上ある場合は、長径を長さ、短径を幅として扱う)の区分発熱部を複数持つ、超薄形、超柔軟性の発熱体が製造可能になる。
前記余剰水とは、発熱組成物中に余剰に存在する水分で容易に発熱組成物外へ移動する水分又は水溶液分をいい、前記発熱組成物等の中から濾紙により吸い出される水分値又は水溶液分値である易動水値として定義される。発熱組成物が適量の余剰水を有すると、発熱組成物の成分中の親水基に対しては双極子相互作用又は水素結合によって水和し、また、疎水基の周辺において高い構造性を有して存在すると推定される。
これは何らかの意味で連結物質である連結水である。これ以外に自由水と呼べる状態の水分もある。余剰水が増加すれば構造が軟化し、自由水も認められる。
前記余剰水とは、発熱組成物中に余剰に存在する水分で容易に発熱組成物外へ移動する水分又は水溶液分をいい、前記発熱組成物等の中から濾紙により吸い出される水分値又は水溶液分値である易動水値として定義される。発熱組成物が適量の余剰水を有すると、発熱組成物の成分中の親水基に対しては双極子相互作用又は水素結合によって水和し、また、疎水基の周辺において高い構造性を有して存在すると推定される。
これは何らかの意味で連結物質である連結水である。これ以外に自由水と呼べる状態の水分もある。余剰水が増加すれば構造が軟化し、自由水も認められる。
本発明の成形性とは抜き穴を有する抜き型を用いた型通し成形や、凹状の型を用いた鋳込み成形により、抜き穴や凹状型の形状で発熱組成物の成形体ができ、型離れを含め成形後、発熱組成物成形体の成形形状を維持することを示すものである。
成形性があると発熱組成物成形体が少なくとも被覆材に覆われ、基材と被覆材の間にシール部が形成されるまで、形状が維持されるので、所望の形状でその形状周縁部でシールができ、シール部に発熱組成物の崩れ片であるいわゆるゴマが散在しないので、シール切れがなくシールできる。ゴマの存在はシール不良の原因となる。
1)測定装置としては、
走行可能な無端状ベルトの上側にステンレス製成形型(中央部に縦60mm×横40mmの四隅がR5に処理された抜き穴を有する厚さ2mm×縦200mm×横200mmの板)と固定可能な擦り切り板を配置し、それと反対側である無端状ベルトの下側に磁石(厚さ12.5mm×縦24mm×横24mmの磁石が並列に2個)を配置する。
前記磁石は、擦り切り板及びその近傍の領域、且つ、成形型の抜き穴の進行方向に対する最大断面の領域(40mm)より大きい領域を覆う。
2)測定法としては、
前記測定装置の無端状ベルトの上に厚さ1mm×縦200mm×横200mmのステンレス板を置き、その上に厚み70μm×縦200mm×横200mmのポリエチレンフィルムを置き、更にその上にステンレス製成形型を置く。
その後、前記成形型の抜き穴の無端状ベルトの進行側端部から50mmの位置に擦り切り板を固定後、前記擦り切り板と前記抜き穴の間で擦り切り板付近に発熱組成物50gを置き、無端状ベルトを1.8m/minで動かし、発熱組成物を擦り切りながら成形型の抜き穴へ充填する。成形型が擦り切り板を完全に通過後、無端状ベルトの走行を停止する。次に成形型を外し、ポリエチレンフィルム上に積層された発熱組成物成形体を観察する。
3)判定法としては、
前記発熱組成物成形体の周縁部において、最大長さが800μmを超える発熱組成物成形体の崩れ片がなく、最大長さ300から800μmの発熱組成物成形体の崩れ片が5個以内である場合に、前記発熱組成物は成形性があるとする。
成形方式に使用する発熱組成物には必須の性質である。これがないと成形方式による発熱体の製造は不可能である。
成形性があると発熱組成物成形体が少なくとも被覆材に覆われ、基材と被覆材の間にシール部が形成されるまで、形状が維持されるので、所望の形状でその形状周縁部でシールができ、シール部に発熱組成物の崩れ片であるいわゆるゴマが散在しないので、シール切れがなくシールできる。ゴマの存在はシール不良の原因となる。
1)測定装置としては、
走行可能な無端状ベルトの上側にステンレス製成形型(中央部に縦60mm×横40mmの四隅がR5に処理された抜き穴を有する厚さ2mm×縦200mm×横200mmの板)と固定可能な擦り切り板を配置し、それと反対側である無端状ベルトの下側に磁石(厚さ12.5mm×縦24mm×横24mmの磁石が並列に2個)を配置する。
前記磁石は、擦り切り板及びその近傍の領域、且つ、成形型の抜き穴の進行方向に対する最大断面の領域(40mm)より大きい領域を覆う。
2)測定法としては、
前記測定装置の無端状ベルトの上に厚さ1mm×縦200mm×横200mmのステンレス板を置き、その上に厚み70μm×縦200mm×横200mmのポリエチレンフィルムを置き、更にその上にステンレス製成形型を置く。
その後、前記成形型の抜き穴の無端状ベルトの進行側端部から50mmの位置に擦り切り板を固定後、前記擦り切り板と前記抜き穴の間で擦り切り板付近に発熱組成物50gを置き、無端状ベルトを1.8m/minで動かし、発熱組成物を擦り切りながら成形型の抜き穴へ充填する。成形型が擦り切り板を完全に通過後、無端状ベルトの走行を停止する。次に成形型を外し、ポリエチレンフィルム上に積層された発熱組成物成形体を観察する。
3)判定法としては、
前記発熱組成物成形体の周縁部において、最大長さが800μmを超える発熱組成物成形体の崩れ片がなく、最大長さ300から800μmの発熱組成物成形体の崩れ片が5個以内である場合に、前記発熱組成物は成形性があるとする。
成形方式に使用する発熱組成物には必須の性質である。これがないと成形方式による発熱体の製造は不可能である。
本発明の発熱組成物は、耐圧縮性を有するもので、ここで耐圧縮性とは成形型に収容した発熱組成物成形体を型内圧縮し、型厚みの70%の厚みを有する発熱組成物圧縮体が、圧縮前の発熱組成物成形体の発熱立ち上がり性(発熱組成物の発熱試験での試験開始後1分と3分での温度差)の80%以上の発熱立ち上がり性を保持することである。
ここで、耐圧縮性のための発熱立ち上がり性の測定法について説明する。
1.発熱組成物成形体、
1)脚付き支持台の塩化ビニル製支持板(厚さ3mm×長さ600mm×幅600mm)の裏面の中央部付近に成形型の抜き穴形状を覆うように磁石を設ける。
2)温度センサーを支持板の表面中央部上に置く。
3)厚さ約80μmの粘着剤層付き厚さ25μm×長さ250mm×幅200mmのポリエチレンフィルムの中央がセンサーのところにくるようにして、粘着層を介して支持板に貼り付ける。
4)長さ280mm×幅150mm×厚さ50μm〜2mmの敷板上に長さ230mm×幅155mm×厚さ25μm〜100μmのポリエチレンフィルムの一端が敷板の外側に約20mm出るようにし、且つ、その長さ方向は一端が敷板の一端とほぼ一致するようにポリエチレンを設置する。
5)前記敷板上のポリエチレンフィルム上に長さ80mm×幅50mm×高さ3mmの抜き穴を持つ長さ230mm×幅120mm×厚さ3mmの型板を置く。その場合、型板の長さ方向の一端を敷板とポリエチレンフィルムが一致して置かれている一端に合わせ、更に、幅方向において、ポリエチレンフィルムが敷板より外側にはみ出している側と反対の端部より約20mm中央部の位置に型板の幅の一端部がくるようにして、型板をポリエチレンフィルム上に設置する。次に、支持板上に敷板とともに置く。
6)その抜き穴付近に試料を置き、押し込み板を型板上に沿って動かし、試料を押し込みながら抜き穴へ入れ、型板面に沿って、試料を押し込みながら擦り切り(型押し込み成形)、型内に試料を充填する。
7)支持板下の磁石を除き、更に、はみ出したポリエチレンフィルムの端部を押さえ、敷板を除き、温度測定を開始する。
2.発熱組成物圧縮体
1)〜6)は、発熱組成物成形体の場合と同じである。
8)抜き穴と凹凸の関係で、ほぼぴったりと抜き穴に入る、厚さ0.9mmの凸部を有する押し型を抜き穴に合わせておき、ロールプレスや板プレスにて圧縮して、厚さ2.1mmの発熱組成物圧縮体を型内に作成する(型厚みの70%に圧縮)。
9)支持板上に敷板とともに置き、支持板下の磁石を除き、更に、はみ出したポリエチレンフィルムの端部を押さえ、敷板を除き、温度測定を開始する。
発熱温度の測定は、データコレクタを用い、測定タイミング2秒で、5分間温度測定をし、1分後と3分後の温度差をもって耐圧縮性を判定する。
圧縮後の厚みは、好ましくは型厚みの50〜99.5%であり、より好ましくは60〜99.5%であり、更に好ましくは60〜95%である。
尚、本発明において、発熱組成物成形体には、発熱組成物圧縮体を含むものとする。
ここで、耐圧縮性のための発熱立ち上がり性の測定法について説明する。
1.発熱組成物成形体、
1)脚付き支持台の塩化ビニル製支持板(厚さ3mm×長さ600mm×幅600mm)の裏面の中央部付近に成形型の抜き穴形状を覆うように磁石を設ける。
2)温度センサーを支持板の表面中央部上に置く。
3)厚さ約80μmの粘着剤層付き厚さ25μm×長さ250mm×幅200mmのポリエチレンフィルムの中央がセンサーのところにくるようにして、粘着層を介して支持板に貼り付ける。
4)長さ280mm×幅150mm×厚さ50μm〜2mmの敷板上に長さ230mm×幅155mm×厚さ25μm〜100μmのポリエチレンフィルムの一端が敷板の外側に約20mm出るようにし、且つ、その長さ方向は一端が敷板の一端とほぼ一致するようにポリエチレンを設置する。
5)前記敷板上のポリエチレンフィルム上に長さ80mm×幅50mm×高さ3mmの抜き穴を持つ長さ230mm×幅120mm×厚さ3mmの型板を置く。その場合、型板の長さ方向の一端を敷板とポリエチレンフィルムが一致して置かれている一端に合わせ、更に、幅方向において、ポリエチレンフィルムが敷板より外側にはみ出している側と反対の端部より約20mm中央部の位置に型板の幅の一端部がくるようにして、型板をポリエチレンフィルム上に設置する。次に、支持板上に敷板とともに置く。
6)その抜き穴付近に試料を置き、押し込み板を型板上に沿って動かし、試料を押し込みながら抜き穴へ入れ、型板面に沿って、試料を押し込みながら擦り切り(型押し込み成形)、型内に試料を充填する。
7)支持板下の磁石を除き、更に、はみ出したポリエチレンフィルムの端部を押さえ、敷板を除き、温度測定を開始する。
2.発熱組成物圧縮体
1)〜6)は、発熱組成物成形体の場合と同じである。
8)抜き穴と凹凸の関係で、ほぼぴったりと抜き穴に入る、厚さ0.9mmの凸部を有する押し型を抜き穴に合わせておき、ロールプレスや板プレスにて圧縮して、厚さ2.1mmの発熱組成物圧縮体を型内に作成する(型厚みの70%に圧縮)。
9)支持板上に敷板とともに置き、支持板下の磁石を除き、更に、はみ出したポリエチレンフィルムの端部を押さえ、敷板を除き、温度測定を開始する。
発熱温度の測定は、データコレクタを用い、測定タイミング2秒で、5分間温度測定をし、1分後と3分後の温度差をもって耐圧縮性を判定する。
圧縮後の厚みは、好ましくは型厚みの50〜99.5%であり、より好ましくは60〜99.5%であり、更に好ましくは60〜95%である。
尚、本発明において、発熱組成物成形体には、発熱組成物圧縮体を含むものとする。
本発明の発熱体は、各種形状、厚み、温度帯のものが得られるため、通常の身体採暖用の外、関節用、美顔用、目用、痩身用、点滴液加温・保温用、温熱湿布用、薬剤カイロ用、頚部用、腰用、マスク用、手袋用、痔瘻用、或いは、肩痛、筋肉痛、生理痛等の症状緩和用、座布団用、手術中の人体加温・保温用、温熱シート用、蒸散芳香用、腹部用、蒸散殺虫用、癌治療用等の各用途に用いることができる。更に、機械類やペット等への加温・保温用等へ利用できる。
例えば、症状緩和用として使用する場合は、本発明の発熱体を身体の必要部位に直接あてがうか、布等を介して間接的にあてがう。また、手術中の人体加温・保温用として使用する場合は、
1.加温・保温を必要とする身体に発熱体を直接あてがう、
2.カバー等に発熱体を固定して身体にかける、
3.身体の下側に敷く敷物等に発熱体を固定する、
4.予め、発熱体を備える製品としてのカバーや敷物として使用する、等の使用方法が一例として挙げられる。尚、筋肉や骨格等の痛みとは、急性筋肉痛、急性骨格痛、急性関連痛、既往筋肉痛、既往骨格痛、慢性関連痛、膝や肘等の関節痛等が一例として挙げられる。
前記維持時間は制限はないが、好ましくは20秒〜24時間であり、より好ましくは1時間〜24時間であり、更に好ましくは8時間〜24時間である。
維持温度は、好ましくは30〜50℃であり、より好ましくは32〜50℃であり、更に好ましくは32〜43℃であり、更に好ましくは32〜41℃であり、更に好ましくは32〜39℃である。
1.加温・保温を必要とする身体に発熱体を直接あてがう、
2.カバー等に発熱体を固定して身体にかける、
3.身体の下側に敷く敷物等に発熱体を固定する、
4.予め、発熱体を備える製品としてのカバーや敷物として使用する、等の使用方法が一例として挙げられる。尚、筋肉や骨格等の痛みとは、急性筋肉痛、急性骨格痛、急性関連痛、既往筋肉痛、既往骨格痛、慢性関連痛、膝や肘等の関節痛等が一例として挙げられる。
前記維持時間は制限はないが、好ましくは20秒〜24時間であり、より好ましくは1時間〜24時間であり、更に好ましくは8時間〜24時間である。
維持温度は、好ましくは30〜50℃であり、より好ましくは32〜50℃であり、更に好ましくは32〜43℃であり、更に好ましくは32〜41℃であり、更に好ましくは32〜39℃である。
発熱体中の発熱組成物の易動水値及び混合物や発熱体中の発熱組成物中の鉄粉の鉄酸化物皮膜の厚さ、ウスタイト量を測定する場合は、発熱組成物や混合物を各項目に従って測定すればよい。即ち、
1)易動水値
発熱体から発熱組成物を取り出し、前記易動水値の測定法に従って測定する。
2)鉄粉の鉄酸化物皮膜の厚さ、ウスタイト量
窒素雰囲気下、窒素置換されたイオン交換水に発熱組成物、発熱組成物成形体、発熱組成物圧縮体又は混合物を分散させ、磁石で鉄粉を分離し、窒素雰囲気下で乾燥させたものを測定用試料とする。
1)易動水値
発熱体から発熱組成物を取り出し、前記易動水値の測定法に従って測定する。
2)鉄粉の鉄酸化物皮膜の厚さ、ウスタイト量
窒素雰囲気下、窒素置換されたイオン交換水に発熱組成物、発熱組成物成形体、発熱組成物圧縮体又は混合物を分散させ、磁石で鉄粉を分離し、窒素雰囲気下で乾燥させたものを測定用試料とする。
次に本発明を実施例により、更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1 発熱体
3 発熱組成物成形体
4 区分発熱部
5 被覆材
6 区分け部
7 ミシン目
8 基材
10 粘着剤層
11 セパレータ
12 通気調整材
12a 粘着シール部
12b 非粘着シール部
13 空間部
25 押し込み板
26 平板
27 非吸収性フィルム(ポリエチレンフィルム等)
28 中心点から放射状に45度間隔で8本の線がかかれた濾紙
29 型板
30 穴
31 試料
32 ステンレス板
33 水又は溶液の浸みだし先端までの距離
34 濾紙上の中空円筒状の穴相当位置
3 発熱組成物成形体
4 区分発熱部
5 被覆材
6 区分け部
7 ミシン目
8 基材
10 粘着剤層
11 セパレータ
12 通気調整材
12a 粘着シール部
12b 非粘着シール部
13 空間部
25 押し込み板
26 平板
27 非吸収性フィルム(ポリエチレンフィルム等)
28 中心点から放射状に45度間隔で8本の線がかかれた濾紙
29 型板
30 穴
31 試料
32 ステンレス板
33 水又は溶液の浸みだし先端までの距離
34 濾紙上の中空円筒状の穴相当位置
(実施例1)
還元鉄粉(粒径300μm以下)100重量部、活性炭(粒径300μm以下)7.0重量部、木粉(粒径300μm以下)5重量部、吸水性ポリマー(粒径300μm以下)0.8重量部、消石灰0.2重量部、亜硫酸ナトリウム(粒径300μm以下)0.7重量部、11%食塩水を混合して、易動水値5の発熱組成物を得た。次に、ポリエチレンフィルムにセパレータ付粘着剤層を設けた基材上に型通し成形で、発熱組成物成形体を幅5mm×長さ60mm×厚さ2mmで5mm間隔で12個設けた。次に、その上に、不織布付ポリエチレン製多孔質フィルムからなる被覆材を、互いにポリエチレン同士が向かい合うように置いた。発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールして、12個の区分発熱部からなる発熱部を有する発熱体を得た。尚、シール部である区分発熱部間の区分け部のシール幅は3mm、区分発熱部の幅は7mmで、発熱体の周辺部のシール幅は10mmで、区分け部からの区分発熱部の段差は約2.5mmであった。発熱体の外寸は長さ135mm×幅100mmであった。次に全面に粘着剤から構成される接着層を設けた。幅50mm×135mmのポリエチレンフィルからなる通気調整材を区分発熱部の両端5mmを残すようにして、前記不織布上に貼った。
この発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、30℃に調整されたプレート上で発熱試験を行ったが、1分で、35℃に達し、35〜39℃で、発熱持続時間は10時間と長かった。
還元鉄粉(粒径300μm以下)100重量部、活性炭(粒径300μm以下)7.0重量部、木粉(粒径300μm以下)5重量部、吸水性ポリマー(粒径300μm以下)0.8重量部、消石灰0.2重量部、亜硫酸ナトリウム(粒径300μm以下)0.7重量部、11%食塩水を混合して、易動水値5の発熱組成物を得た。次に、ポリエチレンフィルムにセパレータ付粘着剤層を設けた基材上に型通し成形で、発熱組成物成形体を幅5mm×長さ60mm×厚さ2mmで5mm間隔で12個設けた。次に、その上に、不織布付ポリエチレン製多孔質フィルムからなる被覆材を、互いにポリエチレン同士が向かい合うように置いた。発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールして、12個の区分発熱部からなる発熱部を有する発熱体を得た。尚、シール部である区分発熱部間の区分け部のシール幅は3mm、区分発熱部の幅は7mmで、発熱体の周辺部のシール幅は10mmで、区分け部からの区分発熱部の段差は約2.5mmであった。発熱体の外寸は長さ135mm×幅100mmであった。次に全面に粘着剤から構成される接着層を設けた。幅50mm×135mmのポリエチレンフィルからなる通気調整材を区分発熱部の両端5mmを残すようにして、前記不織布上に貼った。
この発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、30℃に調整されたプレート上で発熱試験を行ったが、1分で、35℃に達し、35〜39℃で、発熱持続時間は10時間と長かった。
(比較例1)
通気調整材の付いていない以外実施例1と同様の発熱体を作成し、実施例1と同様にして、その発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、実施例1と同様の発熱試験を行ったが、1分で、35℃に達し、更に43℃まで温度が上がり以後少しずつ温度が下がりながら進行し、やがて35℃以下になった。35℃以上の発熱持続時間は5時間と短かった。また、温度幅も35〜43℃と大きかった。
通気調整材の付いていない以外実施例1と同様の発熱体を作成し、実施例1と同様にして、その発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、実施例1と同様の発熱試験を行ったが、1分で、35℃に達し、更に43℃まで温度が上がり以後少しずつ温度が下がりながら進行し、やがて35℃以下になった。35℃以上の発熱持続時間は5時間と短かった。また、温度幅も35〜43℃と大きかった。
(実施例2)
実施例1と同様の12個の区分発熱部からなる発熱部を有する発熱体を使って、幅の両側に幅10mmの粘着剤から構成される接着層を設けた、幅50mm×135mmのポリエチレンフィルムからなる通気調整材を区分発熱部の両端5mmを残すようにして、前記不織布上に貼り、発熱体を得た。
この発熱体の区分け部の両端周縁部10mmは空気取り入れ口として形成され、発熱体の中央部は通気調整材と区分発熱部は粘着されておらず、各区分発熱部を横断する空間部からなる空間通気層になっている。
実施例1と同様にして、その発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、30℃に調整されたプレート上で発熱試験を行ったが、1分で、35℃に達し、35〜39℃で、発熱持続時間は9時間と長かった。
実施例1と同様の12個の区分発熱部からなる発熱部を有する発熱体を使って、幅の両側に幅10mmの粘着剤から構成される接着層を設けた、幅50mm×135mmのポリエチレンフィルムからなる通気調整材を区分発熱部の両端5mmを残すようにして、前記不織布上に貼り、発熱体を得た。
この発熱体の区分け部の両端周縁部10mmは空気取り入れ口として形成され、発熱体の中央部は通気調整材と区分発熱部は粘着されておらず、各区分発熱部を横断する空間部からなる空間通気層になっている。
実施例1と同様にして、その発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、30℃に調整されたプレート上で発熱試験を行ったが、1分で、35℃に達し、35〜39℃で、発熱持続時間は9時間と長かった。
(実施例3)
酸化性ガス処理装置として撹拌翼を備えたミキサーからなるバッチ式攪拌槽を、酸化性ガスとして空気を用いた。還元鉄粉(粒径300μm以下)100重量部、活性炭(粒径300μm以下)5.3重量部、木粉(粒径300μm以下)5重量部、吸水性ポリマー(粒径300μm以下)0.8重量部、消石灰(粒径300μm以下)0.2重量部、亜硫酸ナトリウム(粒径300μm以下)0.7重量部、11%食塩水5重量部からなる易動水値0.01以下の反応混合物を装置容器内に充填した。次に、20℃に調整された装置容器は空気中に開放した状態で、攪拌しながら、前記反応混合物を3分間の酸化性ガス処理を行い、発熱混合物を得た。反応混合物の温度上昇分は10℃以上であった。次に、前記発熱混合物に11%食塩水を加え、水分調整を行い、易動水値8の発熱組成物を得た。次に、ポリエチレンフィルムにセパレータ付粘着材層を設けた基材上に型通し成形で、発熱組成物成形体を幅5mm×長さ60mm×厚さ2mmで5mm間隔で12個設けた。次にその上に、不織布付ポリエチレン製多孔質フィルムからなる被覆をポリエチレン同士が向かい合うように置いた。発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールして、12個の区分発熱部からなる発熱部を有する発熱体を得た。尚、シール部である区分発熱部間の区分け部のシール幅は3mm、区分発熱部の幅は7mmで、発熱体の周辺部のシール幅は10mmで、区分け部〜の区分発熱部の高さは約2.5mmであった。発熱体の外寸は長さ135mm×幅100mmであった。次に全面に粘着剤層を設けた、幅50mm×135mmのポリエチレンフィルからなる通気調整材を区分発熱部の両端5mmを残すようにして、前記不織布上に貼った。区分け部が凹部、区分発熱部が凸部になり、前記区分発熱部が間隔保持片状物になり、区分け部が空間通気層とし、区分け部の両端周縁部10mmが空気取り入れ口とした発熱体を作成した。
この発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、発熱試験を行ったが、1分で、35℃に達し、35〜9℃で、発熱持続時間は10時間と長かった。
酸化性ガス処理装置として撹拌翼を備えたミキサーからなるバッチ式攪拌槽を、酸化性ガスとして空気を用いた。還元鉄粉(粒径300μm以下)100重量部、活性炭(粒径300μm以下)5.3重量部、木粉(粒径300μm以下)5重量部、吸水性ポリマー(粒径300μm以下)0.8重量部、消石灰(粒径300μm以下)0.2重量部、亜硫酸ナトリウム(粒径300μm以下)0.7重量部、11%食塩水5重量部からなる易動水値0.01以下の反応混合物を装置容器内に充填した。次に、20℃に調整された装置容器は空気中に開放した状態で、攪拌しながら、前記反応混合物を3分間の酸化性ガス処理を行い、発熱混合物を得た。反応混合物の温度上昇分は10℃以上であった。次に、前記発熱混合物に11%食塩水を加え、水分調整を行い、易動水値8の発熱組成物を得た。次に、ポリエチレンフィルムにセパレータ付粘着材層を設けた基材上に型通し成形で、発熱組成物成形体を幅5mm×長さ60mm×厚さ2mmで5mm間隔で12個設けた。次にその上に、不織布付ポリエチレン製多孔質フィルムからなる被覆をポリエチレン同士が向かい合うように置いた。発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールして、12個の区分発熱部からなる発熱部を有する発熱体を得た。尚、シール部である区分発熱部間の区分け部のシール幅は3mm、区分発熱部の幅は7mmで、発熱体の周辺部のシール幅は10mmで、区分け部〜の区分発熱部の高さは約2.5mmであった。発熱体の外寸は長さ135mm×幅100mmであった。次に全面に粘着剤層を設けた、幅50mm×135mmのポリエチレンフィルからなる通気調整材を区分発熱部の両端5mmを残すようにして、前記不織布上に貼った。区分け部が凹部、区分発熱部が凸部になり、前記区分発熱部が間隔保持片状物になり、区分け部が空間通気層とし、区分け部の両端周縁部10mmが空気取り入れ口とした発熱体を作成した。
この発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、発熱試験を行ったが、1分で、35℃に達し、35〜9℃で、発熱持続時間は10時間と長かった。
(比較例2)
通気調整材を使用せず、空間通気層のない以外は実施例3の発熱体と同様な発熱体を作成し、同様にして、区分発熱部2個おきに、区分け部に手切り可能なミシン目を設けた発熱体を作成した。その発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、前記ミシン目にて切り離し、区分発熱2個を有する発熱体を作成し、発熱試験を行った。1分で、40℃に達し、45以上で、発熱持続時間は2時間と短かった。最高温度は60℃であった。
通気調整材を使用せず、空間通気層のない以外は実施例3の発熱体と同様な発熱体を作成し、同様にして、区分発熱部2個おきに、区分け部に手切り可能なミシン目を設けた発熱体を作成した。その発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、前記ミシン目にて切り離し、区分発熱2個を有する発熱体を作成し、発熱試験を行った。1分で、40℃に達し、45以上で、発熱持続時間は2時間と短かった。最高温度は60℃であった。
(実施例4)
酸化性ガス処理装置として攪拌翼を備えたミキサーからなるバッチ式攪拌槽を、酸化性ガスとして空気を用いた。還元鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)2.8重量部、木粉(粒度300μm以下)3重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)2重量部、消石灰(粒度300μm以下)0.2重量部、亜硫酸ナトリウム(粒度300μm以下)0.9重量部の混合物に8%食塩水を混合し、易動水値0.01以下の反応混合物を得た。次にその反応混合物を装置容器内に入れた。つぎに、20℃に調整した装置容器は空気中に開放した状態で、攪拌しながら、前記反応混合物に1分間の酸化性ガス処理を行い、発熱混合物を得た。次に、前記発熱混合物に8%食塩水を加え、水分調整を行い、易動水値10の発熱組成物を得た。反応混合物の温度上昇分は約20℃であった。次に、ポリエチレンフィルムにセパレータ付粘着剤層を設けた基材上に型通し成形で、発熱組成物積層体を幅5mm×長さ60mm×厚さ2mmで5mm間隔で12個設けた。次にその上に、不織布付ポリエチレン製多孔質フィルムからなる被覆材をポリエチレン同士が向かい合うように置いた。発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールして、12個の区分発熱部からなる発熱部を有する発熱体を得た。尚、シール部である区分発熱部間の区分け部のシール幅は3mm、区分発熱部の幅は7mmで、発熱体の周辺部のシール幅は10mmで、区分け部〜の区分発熱部の高さは約2.5mmであった。発熱体の外寸は長さ135mm×幅100mmであった。次に全面に粘着剤から構成される接着層を設けた、幅50mm×135mmのポリエチレンフィルムからなり、区分け部の端部付近に相当する領域に1mmの孔16を有する通気調整材を発熱体全体を覆うようにして不織布上に貼り、図8の発熱体を得た。
この発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、発熱試験を行ったが、1分で、36℃に達し、36〜39℃で、発熱持続時間は10時間と長かった。
また、図9には、通気調整材の中央部には、接着層がなく中央部が貼られていない発熱体の変形例の平面図を示す。
酸化性ガス処理装置として攪拌翼を備えたミキサーからなるバッチ式攪拌槽を、酸化性ガスとして空気を用いた。還元鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)2.8重量部、木粉(粒度300μm以下)3重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)2重量部、消石灰(粒度300μm以下)0.2重量部、亜硫酸ナトリウム(粒度300μm以下)0.9重量部の混合物に8%食塩水を混合し、易動水値0.01以下の反応混合物を得た。次にその反応混合物を装置容器内に入れた。つぎに、20℃に調整した装置容器は空気中に開放した状態で、攪拌しながら、前記反応混合物に1分間の酸化性ガス処理を行い、発熱混合物を得た。次に、前記発熱混合物に8%食塩水を加え、水分調整を行い、易動水値10の発熱組成物を得た。反応混合物の温度上昇分は約20℃であった。次に、ポリエチレンフィルムにセパレータ付粘着剤層を設けた基材上に型通し成形で、発熱組成物積層体を幅5mm×長さ60mm×厚さ2mmで5mm間隔で12個設けた。次にその上に、不織布付ポリエチレン製多孔質フィルムからなる被覆材をポリエチレン同士が向かい合うように置いた。発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールして、12個の区分発熱部からなる発熱部を有する発熱体を得た。尚、シール部である区分発熱部間の区分け部のシール幅は3mm、区分発熱部の幅は7mmで、発熱体の周辺部のシール幅は10mmで、区分け部〜の区分発熱部の高さは約2.5mmであった。発熱体の外寸は長さ135mm×幅100mmであった。次に全面に粘着剤から構成される接着層を設けた、幅50mm×135mmのポリエチレンフィルムからなり、区分け部の端部付近に相当する領域に1mmの孔16を有する通気調整材を発熱体全体を覆うようにして不織布上に貼り、図8の発熱体を得た。
この発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、発熱試験を行ったが、1分で、36℃に達し、36〜39℃で、発熱持続時間は10時間と長かった。
また、図9には、通気調整材の中央部には、接着層がなく中央部が貼られていない発熱体の変形例の平面図を示す。
(実施例5)
実施例1の発熱体と同じ発熱体を、図12に示す様に、足型に形成した。
この足温用発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、30℃に調整されたプレート上で発熱試験を行った。1分で、35℃に達し、35〜37℃で、発熱持続時間は9時間であった。また、60℃×30日の劣化促進試験では1分で、35℃に達し、35〜37℃で、発熱持続時間は7時間であった。空間通気層のない場合は5時間であった。大幅に長期保存時の劣化が防止できた。
実施例1の発熱体と同じ発熱体を、図12に示す様に、足型に形成した。
この足温用発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、30℃に調整されたプレート上で発熱試験を行った。1分で、35℃に達し、35〜37℃で、発熱持続時間は9時間であった。また、60℃×30日の劣化促進試験では1分で、35℃に達し、35〜37℃で、発熱持続時間は7時間であった。空間通気層のない場合は5時間であった。大幅に長期保存時の劣化が防止できた。
(実施例6)
実施例5の半分の長さである半足型足温形発熱体を作成した。その半足型足温用発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、30℃に調整されたプレート上で発熱試験を行った。1分で、35℃に達し、35〜37℃で、発熱持続時間は8時間であった。
実施例5の半分の長さである半足型足温形発熱体を作成した。その半足型足温用発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、30℃に調整されたプレート上で発熱試験を行った。1分で、35℃に達し、35〜37℃で、発熱持続時間は8時間であった。
(実施例7)
実施例5の半分の長さである半足型足温形発熱体を作成した。その半足型足温用発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、30℃に調整されたプレート上で発熱試験を行った。1分で、35℃に達し、35〜37℃で、発熱持続時間は8時間であった。
実施例5の半分の長さである半足型足温形発熱体を作成した。その半足型足温用発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、30℃に調整されたプレート上で発熱試験を行った。1分で、35℃に達し、35〜37℃で、発熱持続時間は8時間であった。
(実施例8)
図13は本発明の発熱体の形状の変更例を示すものである。
(a)はそらまめ形、(b)はアイマスク形(c)繭形、(d)は瓢箪形、(e)は角丸長方形形、(f)は長方形、(g)は角丸正方形、(h)は正方形、(i)卵形、(j)はブーメラン形、(k)はまが玉形、(l)は星形、(m)は翼形、(n)は翼形、(o)は鼻形の形状を示す。また、区分発熱部の長方形の長辺に沿った長軸の方向は平行になうているが、任意の方向へそろえることもできるし、バラバラの方向にした区分発熱部の集合体であってもよい。これらを基本骨格として変形した変形形状も使用できる。
図13は本発明の発熱体の形状の変更例を示すものである。
(a)はそらまめ形、(b)はアイマスク形(c)繭形、(d)は瓢箪形、(e)は角丸長方形形、(f)は長方形、(g)は角丸正方形、(h)は正方形、(i)卵形、(j)はブーメラン形、(k)はまが玉形、(l)は星形、(m)は翼形、(n)は翼形、(o)は鼻形の形状を示す。また、区分発熱部の長方形の長辺に沿った長軸の方向は平行になうているが、任意の方向へそろえることもできるし、バラバラの方向にした区分発熱部の集合体であってもよい。これらを基本骨格として変形した変形形状も使用できる。
Claims (15)
- 空気と接触して発熱する発熱組成物の成形体である発熱組成物成形体を基材に積層し、被覆材を被せ、前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより、複数の凹凸を有する収納袋の凸部に、前記発熱組成物成形体を収納した発熱部を有する発熱体において、
1)前記発熱組成物が発熱物質、炭素成分、反応促進剤及び水を必須成分とし、
2)前記発熱体は、区分発熱部と区分け部からなり、前記区分発熱部は、前記発熱組成物成形体を収納し、前記区分け部がシール部であり、前記区分発熱部が区分け部を介して配置され、
3)前記区分発熱部の少なくとも一部が通気面を有し、
4)前記発熱組成物成形体と接触する通気面が非吸水性素材で構成され、
5)前記区分発熱部と前記区分け部とが段差を有し、前記段差部は、通気調整材により覆われて、仕切られた空間部を形成し、
6)前記空間部に主要空気取り入れ口があることを特徴とする発熱体。 - 前記通気調整材の通気性が、前記発熱部の通気性以下であることを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
- 前記発熱組成物の易動水値が、0.01〜20であることを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
- 前記発熱組成物が、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、水素発生抑制剤、骨材、繊維状物、機能性物質、界面活性剤、有機ケイ素化合物、焦電物質、保湿剤、肥料成分、疎水性高分子化合物、発熱助剤、鉄以外の金属、酸化鉄以外の金属酸化物、酸性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
- 前記空間部が、直線状、曲線状及び迷路状の中から選ばれた少なくとも1種以上の空間形状を有することを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
- 前記通気調整材が、非通気素材であることを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
- 前記通気調整材が、熱可塑性合成樹脂フィルム、金属薄膜を有する熱可塑性合成樹脂フィルム、不織布と前記熱可塑性合成樹脂フィルムとをラミネートした非通気性を有する複層構造物、合成樹脂発泡体及びこれらを含む複層構造物から選ばれた少なくとも一種からなることを特徴とする請求項6に記載の発熱体。
- 前記区分発熱部が前記区分け部を挟んで、スジ状に間隔を置いて設けられていることを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
- 前記空気取り入れ口が、前記発熱体の周辺部にあり、外部空間にある空気を前記空気取り入れ口を介して、前記発熱組成物へ空気が流入することを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
- 前記空気取り入れ口が、前記通気調整材に穿孔して設けられたことを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
- 前記通気調整材と前記発熱部の間に、前記区分発熱部を横断する空間が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
- 前記区分発熱部を横断する空間が、前記通気面のほぼ中央部に設けられていることを特徴とする請求項11に記載の発熱体。
- 前記区分発熱部は、最短の長さが5〜200mm、最大の高さが0.1〜10mmであり、前記区分発熱部が複数個離れて配置され、前記区分発熱部の集合から集合発熱部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
- 前記空気取り入れ口を覆うように剥離可能な状態で、非通気性のフィルムを設けたことを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
- 前記発熱体の露出面の一部に固定手段を設けることを特徴とする請求項1に記載の発熱体。
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