JPWO2006006648A1 - 発熱組成物、発熱体及び発熱体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

発熱立ち上がり性に優れ、長時間の発熱維持性を有する発熱組成物及び発熱体並びにそれらの製造方法を提供する。鉄粉、炭素成分、反応促進剤、水素発生抑制剤及び水を必須成分とし、前記鉄粉が、20〜100重量%の活性鉄粉を含有し、且つ、前記活性鉄粉は、鉄粉の表面の少なくとも一部が鉄酸化物皮膜で覆われ、前記鉄酸化物皮膜の厚さが3nm以上であり、且つ、少なくとも活性鉄粉の中心部領域及び鉄酸化物皮膜の下の領域から選ばれた少なくとも1領域において酸素を含まない鉄成分の領域を有する活性鉄粉、ウスタイト量が、鉄とのX線ピーク強度比として2〜50重量%である活性鉄粉の少なくとも何れかであることを特徴とする。

Description

本発明は、鉄粉の表面の少なくとも一部が鉄酸化物皮膜で覆われ、前記鉄酸化物皮膜の厚さが3nm以上である活性鉄粉を使用した発熱組成物及びそれを使用した発熱体に関し、より詳しくは、空気と接触して、発熱反応をすぐに開始し、且つ、発熱による温度上昇率が速く、発熱立ち上がり性に優れた発熱組成物及びそれを使用した発熱体に関する。
鉄粉と反応助剤等の混合物に空気(酸素)を作用させて使用する製品としては、一般には使い捨てカイロがよく知られている。
これらの製品に使用される金属粉としては、鉄粉が最も一般的であることは公知であり、反応助剤としては、食塩、水等が用いられ、これらの物質を担持する保水剤として活性炭、バーミキュライト、珪藻土、木粉、或いは、吸水性高分子等を混合して使用されることもよく知られている。
使い捨てカイロにあっては、開封後すみやかに昇温することが望まれている(例えば、特許文献1及び2)。
特許文献1には、二酸化マンガン、酸化第二銅、四三酸化鉄をその他の発熱組成物成分と混合した発熱組成物が提案されている。これらは触媒とされ、発熱物質としては、使用できない。また、それらを発熱組成物に添加した場合、四三酸化鉄等と鉄粉表面との接触が十分でなく、記載されているほどの効果はなく、通常、発熱体が人体や物体の加温用として使用される約30〜約90℃の低温領域では、発熱の立ち上がり性にはほとんど有効ではなく、その添加割合が増えるにしたがって、発熱持続時間が短くなるという問題点があった。
特許文献2には、鉄と水と食塩等の酸化促進剤を主成分とした発熱組成物を40℃に達した後に通気性容器に収納した発熱体が提案されているが発熱組成物を40℃まで到達させるまでに25分もの時間がかかり、工業的大量生産は難しかった。
また、より快適な使用感を得るため、発熱組成物の片寄り防止や多種の形状によるフィット性を求めて、増粘剤、結合剤等を用い、成形性の維持を図った発熱組成物がいろいろ提案されている。例えば、特許文献3にはコーンスターチ、馬鈴薯デンプン等の粉末状増粘剤を添加して形状維持性を持たせた発熱組成物からなる使い捨てカイロが提案されている。
また、特許文献4には粉末状発熱組成物にCMC等の結合剤を混合し、圧縮成型した固形発熱組成物が提案されている。
また、特許文献5には増粘剤を使用し、粘性を持たせたインキ状乃至クリーム状の発熱組成物及び発熱体及びその製造方法が提案されている。
これら、インキ状乃至クリーム状の粘稠性発熱組成物や粘着凝集性発熱組成物は膠やアラビアゴムやCMC等の増粘剤やアルファ化デンプン等の凝集助剤や賦形剤や結合剤を使用したものはそれら加粘性物により発熱組成物粒子を結合しているため、片寄り防止、成形性は優れているが、発熱性能が著しく悪かった。同様に増粘剤や結合剤を使用して作られている粘性発熱組成物も増粘剤や結合剤を使用して発熱組成物粒子を結合しているため、片寄り防止、成形性は優れているが、発熱性能が著しく悪かった。
即ち、遊離水を支持体、被覆材、或いは、吸水材等に吸収させても、結合剤、増粘剤、凝集助剤又は賦形剤等により発熱組成物が粘稠性であるため、遊離水が抜けきれなかったり、増粘剤等の発熱物質への悪影響等により、反応が緩慢になり、所用温度までの急速な温度上昇や長時間の加温が困難であった。
また、従来使用されている粉体又は粒状発熱組成物は余剰水がないか不足しているため、成形性がない。これら粉体状又は粒状発熱組成物は発熱特性はよいが、通気性収納袋に充填して、発熱体としているので、発熱組成物の片寄り等により発熱温度分布が一定しなかったり、使用感の悪いものであったり、被保温体の形状に含わせた形状を持つ発熱体を製造することは困難であったり、その発熱性能を十分に発揮できなかった。
特開昭53−60885号公報 特開昭57−10673号公報 特開平6−343658号公報、 特開昭59−189183号公報 特開平9−75388号公報
本発明は発熱立ち上がり性に優れ、長時間の発熱維持性を有する発熱組成物及び発熱体並びにそれらの製造方法を提供するものである。
即ち、本発明の発熱組成物は、請求項1に記載の通り、鉄粉、炭素成分、反応促進剤、水素発生抑制剤及び水を必須成分とし、前記鉄粉が、20〜100重量%の活性鉄粉を含有し、且つ、前記活性鉄粉は、
1)鉄粉の表面の少なくとも一部が鉄酸化物皮膜で覆われ、前記鉄酸化物皮膜の厚さが3nm以上であり、且つ、少なくとも活性鉄粉の中心部領域及び鉄酸化物皮膜の下の領域から選ばれた少なくとも1領域において酸素を含まない鉄成分の領域を有する活性鉄粉
2)ウスタイト量が、鉄とのX線ピーク強度比として2〜50重量%である活性鉄粉の少なくとも何れかであることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発熱組成物は、請求項1に記載の発熱組成物において、前記活性鉄粉のウスタイト量が、鉄とのX線ピーク強度比として5.01〜50重量%であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発熱組成物は、請求項1に記載の発熱組成物において、前記発熱組成物が、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、骨材、繊維状物、機能性物質、界面活性剤、有機ケイ素化合物、焦電物質、保湿剤、肥料成分、疎水性高分子化合物、発熱助剤、鉄以外の金属、酸化鉄以外の金属酸化物、酸性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発熱組成物は、請求項1に記載の発熱組成物において、前記発熱組成物の余剰水量を示す易動水値が0.01未満であることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発熱組成物は、請求項1に記載の発熱組成物において、前記発熱組成物が易動水値0.01〜20の余剰水を含有し、前記余剰水による成形性を有し、前記発熱組成物中の余剰水がバリア層として機能を発現せず、空気との発熱反応が抑制されていないことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発熱組成物は、請求項1に記載の発熱組成物において、前記発熱組成物が易動水値20を超えて50以下の余剰水を含有し、前記余剰水による成形性を有し、前記発熱組成物中の余剰水がバリア層として機能を発現し、空気との発熱反応が抑制されていることを特徴とする。
本発明の発熱体は、請求項7に記載の通り、請求項1に記載の発熱組成物が、通気性収納袋に収容されて発熱部を形成したことを特徴とする。
また、請求項8に記載の発熱体は、請求項7に記載の発熱体において、収容された前記発熱組成物が、発熱組成物成形体であることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発熱体は、請求項7に記載の発熱体において、収容された前記発熱組成物が、前記通気性収納袋内に、複数の区分にシール部により区分けされた区分発熱部を形成し、前記区分発熱部の集合から発熱部を形成したことを特徴とする。
また、請求項10に記載の発熱体は、請求項9に記載の発熱体において、前記区分発熱部の最長の幅が1〜55mm、最高の高さが0.1〜10mmであり、前記区分発熱部の間隔が0.5〜30mmであり、前記発熱組成物成形体の周辺部をヒートシールすることにより区分発熱部が形成され、前記収納袋の少なくとも一部が通気性を有し、前記発熱体となる周縁部がシールされていることを特徴とする。
また、請求項11に記載の発熱体は、請求項9に記載の発熱体において、前記発熱組成物成形体が曲面形状を有し、前記区分発熱部の形状が、曲面形状で、最短の曲率半径が0.5〜27.5mm、高さが0.1〜15mmであることを特徴とする。
また、請求項12に記載の発熱体は、請求項7に記載の発熱体において、前記発熱体の露出面に固定手段を設け、必要に応じてセパレータを設けたことを特徴とする。
本発明の発熱体の製造方法は、請求項13に記載の通り、
1)鉄粉の表面の少なくとも一部が鉄酸化物皮膜で覆われ、前記鉄酸化物皮膜の厚さが3nm以上であり、且つ、少なくとも鉄粉の中心部領域及び鉄酸化物皮膜の下の領域から選ばれた少なくとも1領域において酸素を含まない鉄成分の領域を有する活性鉄粉
2)ウスタイト量が、鉄とのX線ピーク強度比として2〜50重量%である活性鉄粉から選ばれた少なくとも1種の活性鉄粉を20〜100重量%含有する鉄粉、炭素成分、反応促進剤、水素発生抑制剤及び水を必須成分とする発熱組成物を通気性収納袋に収納することを特徴とする。
また、請求項14に記載の発熱体の製造方法は、請求項13に記載の発熱体の製造方法において、前記発熱組成物が、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、疎水性高分子化合物、焦電物質、酸化防止剤、骨材、繊維状物、保湿剤、機能性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする。
また、請求項15に記載の発熱体の製造方法は、請求項13に記載の発熱体の製造方法において、前記通気性収納袋に収納された前記発熱組成物が、前記通気性収納袋内に、複数の区分にシール部により区分けされた区分発熱部を形成したことを特徴とする。
また、請求項16に記載の発熱体の製造方法は、請求項13に記載された発熱体の製造方法において、前記発熱組成物が成形されたものであり、前記通気性収容袋を構成する基材と被覆材からなる包材間に設けられ、前記発熱組成物成形体の周辺部をシールすることにより発熱体を製造することを特徴とする。
また、前記発熱体において、前記発熱組成物成形体が、圧縮されていることをが好ましい。
また、前記発熱体において、前記区分発熱部の区分け部にミシン目を設けることが好ましい。
また、前記発熱体において、前記固定手段は、粘着剤層であり、前記粘着剤層が保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、疎水性高分子化合物、焦電物質、酸化防止剤、骨材、炭素成分、繊維状物、保湿剤、機能性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有してなることが好ましい。
また、前記発熱体において、前記粘着剤層が非親水性粘着剤層であり、前記層を構成する粘着剤が非芳香族系ホットメルト系粘着剤であることが好ましい。
また、前記発熱体において、前記粘着剤層が親水性粘着剤層であることが好ましい。
本発明の発熱組成物は、活性鉄粉を含有した発熱組成物を使用しているので、以下の効果が得られる。
1)本発明の発熱組成物は発熱立ち上がり性が優れ、従来品に比べ、2倍以上早く温まり、直ぐに、充分に発熱した発熱体が得られる。
2)発熱立ち上がり性がよいので、活性炭等の炭素成分の使用量を活性鉄粉を使用しない従来品に対して10〜20%以上削減できる。
3)成形性があるため、成形法が充填方式、型通し方式等の各種の方法が採れ、充填と積層の双方が可能で、低速から高速までの生産速度が採れるため生産環境に応じた生産体制が採れる。
4)成形性があるため超薄型から厚型まで、矩形、足形、ダンベル形、点形、線形等の直線から曲線までを入れた各種形状、極小から大までの各種大きさが採れる。
5)発熱組成物の圧縮による発熱特性の低下を著しく防止できる圧縮加工性に優れているため、超薄型化発熱体としても長時間発熱維持が可能になる。
6)発熱組成物の成形物を加圧により適量圧縮したものは、通気部の素材に多孔質フィルムの代わりに、圧力調整が難しい穿孔フィルムを使用しても、収納袋の内圧が外圧以上になっても、形くずれが起こりにくく、穿孔フィルムの使用が可能であるので、通気性素材の選択が拡がり、コストダウンができるとともに、被加温体を長時間、適度の温度で、均一に加温できる。
7)余剰水を有する発熱組成物から余剰水を有しない発熱組成物まで、製造工程の中で、製造条件を調整することで、容易に製造できるので、製造中発熱させず、製造後発熱させる発熱体や非吸水性の収納袋を使用する発熱体等、幅広い発熱体の製造が可能になる。
本発明の発熱組成物は、鉄粉、炭素成分、反応促進剤、水素発生抑制剤及び水を必須成分とし、前記鉄粉が、20〜100%の活性鉄粉を含有する発熱組成物であって、前記活性鉄粉が、
1)鉄粉の表面の少なくとも一部が鉄酸化物皮膜で覆われ、前記鉄酸化物皮膜の厚さが3nm以上であり、且つ、少なくとも鉄粉の中心部領域及び鉄酸化物皮膜の下の領域から選ばれた少なくとも1領域において酸素を含まない鉄成分の領域を有する活性鉄粉
2)ウスタイト量が、鉄とのX線ピーク強度比として2〜50重量%である活性鉄粉の少なくとも何れかであることを特徴とするものである。これにより、発熱立ち上がり性と発熱長時間持続性の優れた発熱組成物及び発熱体の実用化を可能にしたものである。
前記炭素成分としては、炭素を成分としたものであれば制限はない。導電性グラファイト、カーボンブラック、黒鉛、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、フラーレンなどが一例として挙げられる。ココナツの殻、木材、木炭、石炭、骨炭などから調製された活性炭や、動物産物、天然ガス、脂肪、油及び樹脂のような他の原料から調製されたものも一例として挙げられる。特に、吸着保持能を有する活性炭が好ましい。フラーレンは、ドーピングしたものも含む。
また、炭素成分としては、必ずしも単独で存在する必要はなく、炭素成分を含有及び/又は炭素成分で被覆された鉄粉を発熱組成物に使用した場合、炭素成分が単独に存在しなくても、前記発熱組成物は炭素成分を含むものとする。
前記反応促進剤としては、発熱物質の反応促進ができるものであれば制限はない。金属ハロゲン化物、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、金属硫酸塩類等が一例として挙げられる。金属ハロゲン化物としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化第一鉄、塩化第二鉄、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化第一鉄、臭化第二鉄、沃化ナトリウム、沃化カリウム等が一例として挙げられる。硝酸塩としては硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が一例として挙げられる。酢酸塩としては、酢酸ナトリウム等が一例として挙げられる。炭酸塩としては、炭酸第一鉄等が一例として挙げられる。金属硫酸塩類としては、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄等が一例として挙げられる。
前記水素抑制剤としては、水素の発生を抑制するものであれば制限はない。イオウ化合物、酸化剤、アルカリ性物質、イオウ、アンチモン、セレン、リン及びテルルからなる群より選ばれた少なくとも1種又は2種以上からなるものが一例として挙げられる。
前記イオウ化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属との化合物で、硫化カルシウム等の金属硫化物、亜硫酸ナトリウム等の金属亜硫酸塩やチオ硫酸ナトリウム等の金属チオ硫酸塩等が一例として挙げられる。
前記酸化剤としては、硝酸塩、酸化物、過酸化物、ハロゲン化酸素酸塩、過マンガン酸塩、クロム酸塩等が一例として挙げられる。
前記アルカリ性物質としては、アルカリ性を示す物質であれば制限はない。ケイ酸塩、リン酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物、NaPO、Ca(OH)等が一例として挙げられる。
この水素発生抑制剤の適量を加えることにより高い活性を有する発熱組成物にもかかわらず、ガスの発生が制御され、非通気性の収納袋である外袋に発熱体を収納し保存したり、輸送したり、販売店の店頭に置いても外袋の膨らみのなく、高性能な発熱体が提供できるようになった。
水素発生抑制剤としては、特に硫黄化合物とアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物との組み合わせが好ましい。
前記水としては、適当なソースからのものでよい。その純度及び種類等には制限はない。水の含有量は、発熱組成物の場合、発熱組成物の1〜60重量%、より好ましくは1〜40重量%、更に好ましくは7〜40重量%、更に好ましくは10〜35重量%、更に好ましくは20〜30重量%を含有する。また、酸化性ガス接触処理する前の反応混合物及び発熱混合物の場合、反応混合物又は発熱混合物の1〜30重量%、より好ましくは1〜20重量%、更に好ましくは5〜20重量%、更に好ましくは7〜15重量%を含有する。
前記鉄粉としては、活性鉄粉を20〜100重量%含有する鉄粉である。
前記活性鉄粉を形成する鉄粉及び/又は活性鉄粉でない鉄粉としては、鋳鉄鉄粉、アトマイズド鉄粉、電解鉄粉、還元鉄粉等及びそれらの鉄合金が一例として挙げられる。
前記鉄粉又は活性鉄粉は、鉄以外の金属、半導体及びそれらの酸化物を含有していてもよい。
前記鉄合金粉とは鉄を50重量%以上含む鉄の合金粉であり、合金成分は鉄以外の半導体を含む金属成分であり、鉄成分が発熱組成物の成分として働けば、特に制限はなく、ケイ素、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、マンガン、ニッケルや銅等が一例として挙げられる。
前記鉄粉が炭素成分を含有及び/又は炭素成分で被覆された鉄粉であってもよい。
特に、鉄成分が鉄粉又は鉄合金粉で表面が0.3〜3.0重量%の導電性炭素質物質で部分的に被覆された鉄粉又は鉄合金粉は有用である。
前記酸素を含有及び/又は酸素で被覆された鉄成分中の酸化鉄以外の金属酸化物としては、酸化性ガスによる鉄の酸化を阻害しなければ如何なるものでもよいが、二酸化マンガン、酸化第二銅等が一例として挙げられる。
前記活性鉄粉とは、鉄粉の表面の少なくとも一部が鉄酸化物皮膜で覆われ、一つは前記鉄酸化物皮膜の厚さが3nm以上であり、且つ、少なくとも活性鉄粉の中心部領域及び鉄酸化物皮膜の下の領域から選ばれた少なくとも1領域において酸素を含まない鉄成分の領域を有する活性鉄粉である。
前記鉄粉の表面を覆う酸素含有皮膜である鉄酸化物皮膜の厚さは、オージェ電子分光法を用いて、通常3nm以上であり、好ましくは3nm〜100μmであり、より好ましくは30〜100μmであり、更に好ましくは30nm〜50μmであり、更に好ましくは30nm〜1μmであり、更に好ましくは30nm〜500nmであり、更に好ましくは50nm〜300nmである。鉄の酸素含有皮膜の厚さを3nm以上とすることにより、鉄の酸素含有皮膜が酸化反応の促進効果を発揮でき、空気等の酸化性ガスと接触して、酸化反応をすぐに開始させることができる。
鉄の酸素含有皮膜の厚さが100nm以上であると、発熱時間が短くなるおそれがあるが、用途によっては使用できる。
また、もう一つはウスタイトを有する活性鉄粉で、ウスタイト量は、鉄とのX線ピーク強度比として、通常は2〜50重量%であり、好ましくは5.01〜50重量%であり、より好ましくは5.01〜40重量%であり、更に好ましくは6〜40重量%であり、更に好ましくは7〜30重量%であり、更に好ましくは7〜25重量%である。50重量%を超えても発熱立ち上がり性はよいが、発熱持続時間が短くなる。2重量%未満であると発熱立ち上がり性が鈍くなる。
また、本発明の活性鉄粉は、鉄粉の表面に鉄の酸化物、水酸化物、オキシ水酸化物等の酸素を含む鉄からなる皮膜である鉄酸物皮膜が存在することは言うまでもないが、他の成分を加えた発熱組成物の中にあっては、表面が少なくとも部分酸化されており、酸化物、水酸化物、塩素イオン、水素イオン等を主体とする反応活性部が生じ、発熱反応性、親水性が向上し、成形性、発熱立ち上がり性、鉄の利用率が著しく向上する。水和酸化鉄(無定形)の表面は化学活性を持ち、水等の他の物質を吸着するので、部分酸化されている鉄粉は親水性が生じ、成形性が向上し、鉄酸化物皮膜を構成する鉄酸化化合物は発熱立ち上がり性の向上に効果を発揮すると思われる。
前記活性鉄粉又は活性鉄粉を20〜100重量%含有する鉄粉の製造方法としては、制限はないが、一例として、発熱組成物の成分を混合した反応混合物又は発熱組成物を酸化性ガス雰囲気又は酸化ガス吹き込み等により、酸化性ガス(酸素や空気等)と連続的又は断続的に接触させて鉄成分を部分酸化する、酸化性ガス接触処理が一例として挙げられる。酸化程度を決める方法は制限はないが、前記反応混合物又は発熱組成物の易動水値、酸化性ガスとの接触時間、接触時の発熱温度上昇速度、接触時の発熱温度、接触時の最高発熱温度、接触時の最高発熱温度を過ぎ、降下した所定温度等又はその組み合わせにより、前記混合物又は発熱組成物と酸化性ガスとの接触程度を決め、酸化程度を決める方法が一例として挙げられる。
更に、具体的には、
1.鉄粉の原料として用いるミルスケールや鉱石を水素、チャー炭、コークス等の還元剤を用いて、1300℃程度以下の温度で還元した後、還元ケーキをハンマーミルやジョークラッシャー等で粗粉砕し、ノボローター、パルペライザーや振動ボールで微粉砕する製造方法、
2.鉄酸化物を含有する鉄粉を還元し、製造する製造方法、
3.鉄粉を空気中に暴露・放置し、製造する製造方法、
4.鉄粉、反応促進剤、水の混合物を空気中に暴露・放置し、製造する製造方法、
5.鉄粉、反応促進剤及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させ、鉄粉を部分酸化し、部分酸化鉄粉を製造する製造方法、
6.鉄粉、反応促進剤、酸性物質及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させ、鉄粉を部分酸化し、部分酸化鉄粉を製造する製造方法、
7.鉄粉、反応促進剤、炭素成分及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させ、鉄粉を部分酸化し、部分酸化鉄粉を製造する製造方法、
8.鉄粉、反応促進剤、酸性物質、炭素成分及び水の反応混合物を酸化性ガス雰囲気中、自己発熱反応させ、鉄粉を部分酸化し、部分酸化鉄粉を製造する製造方法、
9.鉄粉、反応促進剤、炭素成分及び水を必須成分とし、含水量が1〜30重量%で、易動水値が0.01未満の反応混合物を酸化性ガスと接触処理し、接触時の反応混合物の温度を40℃以上、2秒以上保持し、活性鉄粉を製造する製造方法、
10.7乃至9の何れかに記載の反応混合物が必須成分以外の成分を含有し、部分酸化鉄粉を製造する製造方法、
尚、必須成分以外の成分とは、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、骨材、繊維状物、機能性物質、界面活性剤、有機ケイ素化合物、焦電物質、保湿剤、肥料成分、疎水性高分子化合物、発熱助剤、鉄以外の金属、酸化鉄以外の金属酸化物、酸性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種をいう。更に、所望により磁性体を加えてもよい。
11.易動水値0.01未満の反応混合物を使い、1乃至5の何れかに記載の方法を行う部分酸化鉄粉を製造する製造方法、
12.易動水値0.01未満で、且つ、含水量が0.01〜20重量%である反応混合物を使い、1乃至6の何れかに記載の方法を行う部分酸化鉄粉を製造する製造方法。
13.易動水値0.01以上の反応混合物を使い、1乃至5の何れかに記載の方法を行う部分酸化鉄粉を製造する製造方法、
14.1乃至8の何れかに記載の方法を10℃以上に加温して行う部分酸化鉄粉を製造する製造方法、
15.1乃至8の何れかに記載の方法を酸化性ガスを吹き込んで行う部分酸化鉄粉を製造する製造方法、
16.11に記載の方法で、10℃以上に加温した酸化性ガスを吹き込んで行う製造方法、
17.1乃至12の何れかに記載の方法で、酸化性ガス接触処理をする前の混合物中の水分量が0.5〜30%で、発熱反応による温度上昇の最高点である最高温度まで、又は、最高温度を超えるまで、酸化性ガス接触処理を行い部分酸化鉄粉を製造する製造方法、
この場合、前記最高温度から少なくとも10〜20℃下がるまで、酸化性ガス接触処理を行うのが好ましい。
等が一例として挙げられる。
尚、酸化性ガス接触処理時の反応混合部の環境は制限はなく、開放系でフタのない容器中に存在する状態や不織布等の通気性シート状物を通じて空気等の酸化性ガスが入る状態が一例として挙げられる。また、酸化性ガス接触処理は撹拌下、又は非撹拌下の何れでもよく、バッチ式でも連続式でもよい。
前記活性鉄粉の鉄酸化物皮膜の厚さの分析法はオージェ電子分光法が、ウスタイト量の測定にはX線解析法が使用される。
前記オージェ電子分光法は、深さ方向にFe換算でのスパッタリング速度11nm/分でArでスパッタリングした場合に、0のピーク強度(Io)とFeのピーク強度(Ii)の比(Io/Ii)が0.05以上となる部分をいう。したがって、前記鉄粉表面の鉄の酸素含有皮膜の厚さは、鉄粉表面から(Io/Ii)が0.05となる深さまでのFe換算での距離である。測定条件は、スパッタリング時間:15分間、スパッタリング速度:11nm/分(Fe換算)である。前記オージェ電子分光法のスパッタリング時間の経過とともにIoが減少し、Iiが増加する。鉄粉表面から(Io/Ii)が0.05となる深さまでのスパッタリング時間を厚さに換算することにより、鉄酸化物皮膜の厚さを算出することができる。
前記ウスタイト量とは、X線解析装置を用い、鉄(αFe)の110面のピークの積分強度とFeO(ウスタイト)の220面のピークの積分強度から次式により、鉄とのX線ピーク強度比として、%表示で表したものである。
ウスタイト量(%)=100×KFeO/(KαFe)
KFeO:FeO(ウスタイト)の220面のピークの積分強度
KαFe:鉄(αFe)の110面のビークの積分強度
尚、鉄酸化物皮膜を有する鉄粉が鉄粉以外の物質(炭素成分、反応促進剤や水等)を含む混合物を使用して、作成されている場合は、作成後の混合物から磁石等により鉄粉を分離し、それを試料として測定すればよい。発熱組成物の外、発熱体の中の発熱組成物や発熱組成物成形体を分析する場合は窒素雰囲気下、窒素置換されたイオン交換水に発熱組成物や発熱組成物成形体を分散させ、磁石で、鉄粉を分離し、窒素雰囲気下で乾燥させたものを測定用試料とする。
発熱パッド中の発熱組成物の易動水値及び混合物や発熱パッド中の発熱組成物中の鉄粉の鉄酸化物皮膜の厚さ、ウスタイト量を測定する場合は、発熱組成物や混合物を各項目に従って測定すればよい。即ち、
1)易動水値
発熱パッドから発熱組成物を取り出し、前記易動水値の測定法に従って測定する。
2)鉄粉の鉄酸化物皮膜の厚さ、ウスタイト量
窒素雰囲気下、窒素置換されたイオン交換水に発熱組成物、発熱組成物成形体、発熱組成物圧縮体又は混合物を分散させ、磁石で鉄粉を分離し、窒素雰囲気下で乾燥させたものを測定用試料とする。
本発明の活性鉄粉を鉄粉として使用すると、発熱組成物の発熱立ち上がり性がよくなり、発熱組成物中の活性炭等の炭素成分を10〜20%以上減らすことができる。炭素成分添加量を減少することにより、コストが下がり、最高発熱温度を下げることができる。発熱立ち上がり性は鉄表面の酸素含有皮膜を有する鉄粉で、保持できるので、経時的な発熱特性が山型から高原型へと変わり、長時間発熱が可能になる。
本発明の発熱組成物の優れた発熱立ち上がり性の機構については、詳しくはわからないが、鉄の酸化に対するウスタイトの触媒作用及び酸化性ガスと成分の接触により、成分の酸化、特に鉄粉の酸化により、鉄粉の表面に鉄酸化物皮膜、即ち、酸素含有皮膜が形成され、鉄成分表面に、酸化物、オキシ水酸化物や水酸化物等の鉄の酸素化合物が生成され、更に、腐食による凹凸やすき間等が生じ、この結果、親水性を鉄成分自らの部分に持つことになると推定される。活性炭の表面にも酸化された鉄成分が付着し、ともに親水性が付与され又向上し、水の仲立ちによる成分間の結合や構造化が起きていると推定される。また、鉄酸化物皮膜中にマグネタイト(Fe)が存在する場合、導電性に優れるので好ましく、また、ヘマタイト(Fe)が存在する場合もポーラスとなるので、好ましい。
即ち、本発明の活性鉄粉には、
1.全面(均一)腐食、
2.孔食、すきま腐食
3.応力腐食割れ
等がおこり、鉄粉に水酸基や酸素結合部を有する領域が生じるとともに、凹凸やすき間も生ずる。このため、親水性及び酸化触媒性を自らの部分に持つことになると推定される。
酸化鉄粉や鉄水酸化物粉を鉄粉と混合しただけの発熱組成物では発熱立ち上がり性や親水性は発現しない。本発明の発熱組成物のような低温酸化反応では鉄と鉄酸化物が密着して存在することが必要である。鉄の表面が部分酸化していること、即ち、鉄と鉄の酸素化合物が共存することで初めて、本発明の優れた諸特性である、優れた、発熱立ち上がり性、発熱時間持続性、成形性、耐圧縮性を発現できるものと推定される。
従って、本発明の発熱組成物において、前記発熱組成物に吸収された水は、他成分中の親水基に対しては双極子相互作用又は水素結合によって水和し、また、疎水部分の周辺においても高い構造性を有して存在し、これらはなんらかの意味で結合水として働くものと推定される。これ以外に自由水とよべる状態の余剰水もあり、水分量により調整することにより結合水と余剰水を適量発熱組成物の中に存在させ、成形性と発熱性を両立させることができるものと推定される。
本発明の発熱組成物は、活性鉄粉を20〜100重量%含有する鉄粉、炭素成分、反応促進剤、水素発生抑制剤及び水を必須成分とするものであり、所望により、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、骨材、繊維状物、機能性物質、界面活性剤、有機ケイ素化合物、焦電物質、保湿剤、肥料成分、疎水性高分子化合物、発熱助剤、鉄以外の金属、酸化鉄以外の金属酸化物、酸性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を加えてもよい。
更に所望により磁性体を加えてもよい。また、発熱組成物を構成する成分及びその成分内の種類は単独で又は組み合わせて使用することができる。
また、本発明の発熱組成物は、その配合割合は特に限定されるものではないが、例えば、活性鉄粉を20〜100重量%含有する鉄粉100重量部に対して、炭素成分1.0〜50重量部、反応促進剤1.0〜50重量部、水素発生抑制剤0.01〜12重量部、保水剤0.01〜10重量部、吸水性ポリマー0.01〜20重量部、pH調整剤0.01〜5重量部、水5〜60重量部からなり、易動水値50以下としたもの等である。
更に、下記のものを加えてもよい。
即ち、鉄以外の金属1.0〜50重量部、酸化鉄以外の金属酸化物1.0〜50重量部、界面活性剤0.01〜5重量部、消泡剤0.01〜5重量部、疎水性高分子化合物、骨材、繊維状物、焦電物質、遠赤外線放射物質、マイナスイオン発生物質、有機ケイ素化合物はそれぞれ0.01〜10重量部、水溶性高分子化合物、凝集化剤はそれぞれ0.01〜3重量部、保湿剤、肥料成分、発熱助剤はそれぞれ0.01〜10重量部である。磁性体の配合割合は所望により適宜決めればよい。また、反応混合物の場合、又は、反応混合物を使用して発熱組成物を製造する場合は、前記活性鉄粉を20〜100重量%含む鉄粉100重量部の箇所を、活性鉄粉を20重量%未満含む鉄粉又は活性鉄粉を含有しない鉄粉100重量部とする。
前記保水剤としては、保水できれば制限はない。木粉、パルプ粉、活性炭、おがくず、多くの綿毛を有する綿布、綿の短繊維、紙屑、植物質材料及び他の大きい毛細管機能と親水性とを有する植物性多孔質材料、活性白土、ゼオライト等の含水ケイ酸マグネシウム質粘土鉱物、パーライト、バーミキュライト、シリカ系多孔質物質、珊瑚化石、火山灰系物質(テラバルーン、シラスバルーン、タイセツバルーン等)等が一例として挙げられる。尚、これら保水剤の保水力の増加、形状維持力の強化等のため、焼成及び/又は粉砕等の加工処理をしたものもよい。
前記吸水性ポリマーは、架橋構造を有し、水を吸水することによって膨潤し、かつ自重に対するイオン交換水の吸水倍率が3倍以上の樹脂であれば特に限定されるものではない。また、表面を架橋したものでもよい。従来公知の吸水性ポリマーや市販のものも用いることもできる。
吸水性ポリマーとしては、ポリ(メタ)アクリル酸架橋体、ポリ(メタ)アクリル酸塩架橋体、スルホン酸基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリオキシアルキレン基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリ(メタ)アクリルアミド架橋体、(メタ)アクリル酸塩と(メタ)アクリルアミドとの共重合架橋体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルと(メタ)アクリル酸塩との共重合架橋体、ポリジオキソラン架橋体、架橋ポリエチレンオキシド、架橋ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリスチレン架橋体、架橋ポリビニルピリジン、デンプン−ポリ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸(塩)グラフト架橋共重合体、ポリビニルアルコールと無水マレイン酸(塩)との反応生成物、架橋ポリビニルアルコールスルホン酸塩、ポリビニルアルコール−アクリル酸グラフト共重合体、ポリイソブチレンマレイン酸(塩)架橋重合体等が一例として挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記吸水性ポリマー中の生分解性を有する吸水性ポリマーとしては、生分解性を有する吸水性ポリマーであれば制限はない。ポリエチレンオキシド架橋体、ポリビニルアルコール架橋体、カルボキシメチルセルロース架橋体、アルギン酸架橋体、澱粉架橋体、ポリアミノ酸架橋体、ポリ乳酸架橋体などが一例として挙げられる。
前記pH調整剤としては、pHが調整できれば制限はない。アルカリ金属の弱酸塩、水酸化物など、或いは、アルカリ土類金属の弱酸塩、水酸化物などがあり、NaCO、NaHCO、NaPO、NaHPO、Na10、NaOH、KOH、Ca(OH)、Mg(OH)、Ca(POなどが一例として挙げられる。
前記骨材としては、充填剤として有用であり、及び/又は、発熱組成物の多孔質化に有用であれば制限はない。化石サンゴ(サンゴ化石、風化造礁サンゴ等)、竹炭、備長炭、シリカ−アルミナ粉シリカ−マグネシア粉、カオリン、結晶セルロース、コロイダルシリカ、軽石、シリカゲル、シリカ粉、マイカ粉、クレー、タルク、合成樹脂の粉末やペレット、発泡ポリエステル及びポリウレタンのような発泡合成樹脂、藻土、アルミナ、繊維素粉末等が一例として挙げられる。尚、カオリン及び結晶セルロースは、本発明の発熱組成物には含まれず、粘着剤に用いる場合のみに含まれるものとする。
前記繊維状物としては、無機系の繊維状物及び/又は有機系の繊維状物である、ロックウール、ガラス繊維、カーボン繊維、金属繊維、パルプ、紙、不織布、織物、綿や麻等の天然繊維、レーヨン等再生繊維、アセテート等の半合成繊維、合成繊維及びそれらの粉砕品が一例として挙げられる。
前記機能性物質としては、機能を有する物質であれば制限はないが、マイナスイオン発生物質、遠赤外線放射物質等から選ばれた少なくとも1種が一例として挙げられる。
前記マイナスイオン発生物質としては、直接、間接を問わず、結果としてマイナスイオンは発生すれば制限はない。トルマリン、化石サンゴ、花崗岩、プロピオン酸カルシウムストロンチウムなどの共誘電体、ラジウム、ラドン等の放射性物質を含む鉱石等が一例として挙げられる。
前記遠赤外線放射物質としては、遠赤外線を放射するものであれば制限はない。セラミック、アルミナ、ゼオライト、ジルコニウム、シリカ等が一例として挙げられる。
前記界面活性剤としては、アニオン、カチオン、ノニオン、両性イオンを含む界面活性剤を包含する。特に、ノニオン界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルフェノール・エチレンオキサイド付加物、高級アルコール燐酸エステル等が一例として挙げられる。
前記有機ケイ素化合物としては、少なくともSi−O−R及び又はSi−N−R及び又はSi−Rの結合を持つ化合物であれば制限はない。モノマー、低縮合物、ポリマー等の形態で、メチルトリエトキシシラン等の有機シラン化合物、ジメチルシリコーンオイル、ポリオルガノシロキサン又はそれらを含有するシリコーン樹脂組成物等が一例として挙げられる。
前記焦電物質としては、焦電性(パイロ電気又はピロ電気)を有する物であれば制限はない。電気石、イキョク鉱物焦電性鉱物が一例として挙げられる。特に電気石の一種であるトルマリンが好ましい。トルマリンとしては、ドラバイト(苦土電気石)、ショール(鉄電気石)、エルバイト(リチア電気石)等が挙げられる。
前記保湿剤としては、保湿ができれば制限はない。ヒアルロン酸、コラーゲン、グリセリン、尿素等が一例として挙げられる。
前記肥料成分としては、窒素、燐酸、カリウムの3要素のうち少なくとも1種を含む成分であれば制限はない。骨粉、尿素、硫安、過燐酸石灰、塩化カリウム、硫酸カルシウム等が一例として挙げられる。
前記疎水性高分子化合物としては、組成物中の水抜けをよくするため、水との接触角が40°以上、より好ましくは50°以上、更に好ましくは60°以上の高分子化合物であれば制限はない。形状も制限はなく、粉体、顆粒、粒、錠等が一例として挙げられる。ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等が一例として挙げられる。
前記発熱助成剤としては、金属粉、金属塩、金属酸化物などがあり、Cu、Mn、CuCl、FeCl、二酸化マンガン、酸化第二銅、四三酸化鉄等やそれらの混合物等が一例として挙げられる。
前記酸性物質としては、無機酸、有機酸、及び酸性塩の何れでもよく、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、クロル酢酸、塩化鉄、硫酸鉄、シュウ酸鉄、クエン酸鉄、塩化アルミニウム、塩化アンモニウム、次亜塩素酸等が一例として挙げられる。
本発明の発熱組成物の製造方法は最終的に発熱組成物が必須成分を含有し、その鉄粉が活性鉄粉を20〜100重量%含有する鉄粉であれば、制限はない。例えば、下記製造方法が挙げられる。

1)上記1乃至18の何れかに記載の方法で製造された活性鉄粉と鉄粉以外の必須成分を含有し混合する発熱組成物の製造方法、
2)上記1乃至18の何れかに記載の方法で製造された活性鉄粉を鉄粉とし、鉄粉以外の必須成分を含有し、混合する発熱組成物の製造方法、
3)1)又は2)で製造された発熱組成物に必須成分以外の他の成分を含有し、混合する発熱組成物の製造方法、
4)1)又は2)で製造されたものを水分調整し、混合する発熱組成物の製造方法。等が一例として挙げられる。尚、必須成分及び他の成分を加え、混合した反応混合物を酸化性ガス接触処理し、その後、水分調整を行う、発熱組成物の製造方法が特に好ましい。
水分調整とは、発熱混合物を酸化性ガスと接触処理した後に水又反応促進剤の水溶液を加えることである。加える量には制限ないが、接触処理により、減量した重量を加えることや所望の易動水値となる重量を加えることが一例として挙げられる。水分調整を行うかどうかは用途により適宜決めればよい。
ここで、酸化性ガスとの接触処理時の反応混合物の状態は、鉄粉が部分酸化されれば、静置状態、移動状態、撹拌等による流動状態の何れでもよく、適宜選択すればよい。また、反応混合物、発熱混合物及び発熱組成物の各成分の混合時並びに水分調整時の混合時は酸化性ガス雰囲気中や酸化性ガスの吹き込みの何れでもよい。
反応混合物と酸化性ガスとの接触時の環境温度は、酸化鉄皮膜及び/又はウスタイトが鉄粉の少なくとも表面に生じれば、制限はないが、好ましくは0℃以上であり、好ましくは10〜200℃であり、より好ましくは20〜200℃であり、更に好ましくは30〜150℃であり、更に好ましくは45〜100℃であり、更に好ましくは50〜80℃である。
反応混合物と酸化性ガスとの接触時の接触時間は、特に制限はないが、好ましくは2秒〜10分であり、より好ましくは3秒〜10分であり、更に好ましくは5秒〜5分であり、更に好ましくは5秒〜3分である。
酸化性ガス処理温度は、前記環境温度が保たれれば、制限はないが、好ましくは0〜200℃であり、より好ましくは10〜200℃であり、更に好ましくは20〜150℃である。また、処理時間は、好ましくは1秒から30分であり、より好ましくは1秒から10分であり、更に好ましくは2秒から8分である。
酸化性ガスとは、気体で酸化性があれば如何なるものでもよいが、酸素ガス、空気又は窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガスと酸素ガスとの混合気体が一例として挙げられる。前記混合気体としては、10%以上の酸素ガスを含むことが好ましい。これらの中で、空気が好ましい。所望ならば、白金、パラジュウム、イリジュウム及びそれらの化合物などの触媒を用いることもできる。処理に際し、前記混合物の濃度は、特に制限されるものではない。酸化反応は、攪拌して酸化性ガス雰囲気中で、所望により加圧下更に/若しくは超音波照射下で行なうことができる。酸化反応の最適条件は実験的に適宜決めればよい。
酸化性ガスの使用量は、制限はなく、酸化性ガスの種類、鉄粉の種類や粒度、水分量、処理温度、処理方法などによって調整をすればよい。開放系の場合は、必要酸素量が取り込めれば制限はない。酸化性ガスを吹き込む方式で、空気を使用した場合、一例として、鉄粉200gに対して、1気圧下、空気の量は、好ましくは0.01〜1000リットル/分、より好ましくは0.01〜100リットル/分、更に好ましくは0.1〜50リットル/分である。他の酸化性ガスの場合、空気の場合を基準として、酸素の濃度により換算すればよい。
所望により、過酸化物を添加してもよい。過酸化水素、オゾンが一例として挙げられる。
また、本発明の発熱組成物の成形に磁石を使用してもよい。磁石を利用すると、発熱組成物の型ヘの収容やその成形体の型からの離脱が容易にでき、発熱組成物成形体の成形がより容易になる。特に、固定磁石は簡単に設けられる。
易動水値とは、発熱組成物中に存在する水分の中で発熱組成物外へ移動できる余剰水分の量を示す値である。この易動水値について、図12乃至図16を使って説明する。図12に示すように、中心点から放射状に45度間隔で8本の線が書かれたNO.2(JIS P 3801 2種)の濾紙17を、図13及び図14に示すように、ステンレス板21上に置き、前記濾紙17の中心に、内径20mm×高さ8mmの中空円筒状の穴19を持つ長さ150mm×幅100mmの型板18を置き、その中空円筒状の穴19付近に試料20を置き、押し込み板14を型板18上に沿って動かし、試料20を押し込みながら中空円筒状の穴19へ入れ、型板18面に沿って、試料を擦り切る(型押し込み成形)。次に、図15に示すように、前記穴19を覆うように非吸水性の70μmポリエチレンフィルム16Aを置き、更に、その上に、厚さ5mm×長さ150mm×幅150mmのステンレス製平板16を置き、発熱反応が起こらないようにして、5分間保持する。その後、図16に示すように、濾紙17を取り出し、放射状に書かれた線に沿って、水又は水溶液の浸みだし軌跡を中空円筒の穴の縁である円周部24から浸みだし先端までの距離22として、mm単位で読み取る。同様にして、各線上からその距離22を読み取り、合計8個の値を得る。読み取った8個の各値(a,b,c,d,e,f,g,h)を測定水分値とする。その8個の測定水分値を算術平均したものをその試料の水分値(mm)とする。また、真の水分値を測定するための水分量は内径20mm×高さ8mmの前記発熱組成物等の重量に相当する前記発熱組成物等の配合水分量とし、その水分量に相当する水のみで同様に測定し、同様に算出したものを真の水分値(mm)とする。水分値を真の水分値で除したものに100をかけた値が易動水値である。即ち、
易動水値=[水分値(mm)/真の水分値(mm)]×100
同一試料に対して、5点測定し、その5個の易動水値を平均し、その平均値をその試料の易動水値とする。
本発明での易動水値(0〜100)は、好ましくは0.01〜20であり、より好ましくは0.01〜18であり、更に好ましくは0.01〜15であり、更に好ましくは0.01〜13であり、更に好ましくは1〜13であり、更に好ましくは3〜13である。
易動水値が0.01未満の発熱組成物は成形性が不足する。易動水値が0.01〜50の発熱組成物は成形性を有するので成形性発熱組成物である。易動水値が20を超えると発熱組成物の一部水分を吸水や脱水等により除去する必要がある。即ち、吸水性包材等を使用して発熱組成物成形体中の一部水分を吸水や脱水等により除去しないと、実用的な発熱反応を起こさない。尚、吸水速度の遅い吸水性ポリマーを使用し、成形時には高い易動水値を示すが、一定時間後、余剰水の一部が吸水性ポリマーに取り込まれ、易動水値0.01〜20の発熱状態になる場合は、易動水値が高い発熱組成物でも余剰水がバリア層になっていない発熱組成物として扱う。易動水値が50を超える発熱組成物は、余剰水が多すぎ、スラリー状になり、成形性がなく、余剰水がバリア層になり、そのままでは空気と接触して発熱反応は起こさない。
また、易動水値とは、発熱組成物や混合物等に含まれる水分のうち、容易に、自由に系外へしみ出せる水分量である余剰水を数値化したものである。発熱組成物や混合物等のいくつかの成分を混合した混合物では、保水剤、炭素成分、吸水性ポリマー等の保水能力を持つ成分量、各成分の濡れ性により、その余剰水量は種々変化し、加えた水分量からは予想が非常に難しい。従って、易動水値からその発熱組成物や混合物等の余剰水量が決まるので、これによって、加える水分量、他の成分量を決めれば、ほぼ一定量の余剰水量を持つ発熱組成物や混合物等が再現性よく得られる。即ち、予め、易動水値と発熱組成物や混合物等の組成比を調べておけば、その組成比に従って配合した発熱組成物や混合物等は一定範囲内の易動水値、即ち、一定範囲内の余剰水量を持つので、空気と接触して発熱するが、成形性のない粉体状の発熱組成物、空気と接触して発熱し、しかも成形性のある発熱組成物、吸水等により一定の余剰水量を系外に出した後に、空気と接触して発熱し、しかも成形性のある発熱組成物等の種々の発熱組成物が容易に製造できる。従って、易動水値がわかればその発熱組成物や混合物等が上記の何れの状態にあるのかがわかる。
易動水値を使えば、簡単な測定により、所望の状態を再現よく具現化できるので、その測定より得た易動水値と成分比を基に、発熱組成物の成分比を決定し、発熱組成物の実生産が簡単に可能になる。
易動水値の使用例としては、水分(又は反応促進剤水溶液)を除いた他の発熱組成物成分を特定量で混合した混合物に水分(又は反応促進剤水溶液)を加え、混合し、水分量の異なる発熱組成物を複数個製造する。次に、その各発熱組成物の易動水値を測定し、添加水分量(又は反応促進剤水溶液)と易動水値の関係を求める。
成形性があり、空気と接触して発熱する発熱組成物の易動水値は0.01〜20である。これにより各成分の配合を決め、その配合で混合物を作製すれば、水分がバリア層として機能せず、空気と接触して発熱し、成形性を有する発熱組成物が再現よく製造できる。
これにより、余剰水を連結物質とし、凝集助剤や乾燥結合材を使用していないので、鉄粉の反応効率も落ちないので、凝集助剤や乾燥結合材を使用した場合に比べ、少量で高い発熱性能が得られる。
尚、本発明において、バリア層として機能せず、空気と接触して発熱反応を起こすとは、発熱組成物中の水分が空気遮断層としてのバリア層として機能せず、発熱組成物製造直後に、空気と接触して直ちに発熱反応を起こすことをいう。
この余剰水を連結物質とした成形性発熱組成物を使用することにより、一例として、実質的に平面状の基材上に発熱組成物成形体を最大幅で、好ましくは1〜50mm、より好ましくは1〜20mm、又は最大直径で、好ましくは1〜50mm、より好ましくは1〜20mm(楕円等の径が2つ以上ある場合は、長径を長さ、短径を幅として扱う)の区分発熱部を複数持つ、超薄形、超柔軟性の発熱体が製造可能になる。
前記余剰水とは、発熱組成物中に余剰に存在する水分で容易に発熱組成物外へ移動する水分又は水溶液分をいい、前記発熱組成物等の中から濾紙により吸い出される水分値又は水溶液分値である易動水値として定義される。発熱組成物が適量の余剰水を有すると、発熱組成物の成分中の親水基に対しては双極子相互作用又は水素結合によって水和し、また、疎水基の周辺において高い構造性を有して存在すると推定される。
これは何らかの意味で連結物質である連結水である。これ以外に自由水と呼べる状態の水分もある。余剰水が増加すれば構造が軟化し、自由水も認められる。
本発明の成形性とは抜き穴を有する抜き型を用いた型通し成形や、凹状の型を用いた鋳込み成形により、抜き穴や凹状型の形状で発熱組成物の成形体ができ、型離れを含め成形後、発熱組成物成形体の成形形状を維持することを示すものである。
成形性があると発熱組成物成形体が少なくとも被覆材に覆われ、基材と被覆材の間にシール部が形成されるまで、形状が維持されるので、所望の形状でその形状周縁部でシールができ、シール部に発熱組成物の崩れ片であるいわゆるゴマが散在しないので、シール切れがなくシールできる。ゴマの存在はシール不良の原因となる。
1)測定装置としては、
走行可能な無端状ベルトの上側にステンレス製成形型(中央部に縦60mm×横40mmの四隅がR5に処理された抜き穴を有する厚さ2mm×縦200mm×横200mmの板)と固定可能な擦り切り板を配置し、それと反対側である無端状ベルトの下側に磁石(厚さ12.5mm×縦24mm×横24mmの磁石が並列に2個)を配置する。
前記磁石は、擦り切り板及びその近傍の領域、且つ、成形型の抜き穴の進行方向に対する最大断面の領域(40mm)より大きい領域を覆う。
2)測定法としては、
前記測定装置の無端状ベルトの上に厚さ1mm×縦200mm×横200mmのステンレス板を置き、その上に厚み70μm×縦200mm×横200mmのポリエチレンフィルムを置き、更にその上にステンレス製成形型を置く。
その後、前記成形型の抜き穴の無端状ベルトの進行側端部から50mmの位置に擦り切り板を固定後、前記擦り切り板と前記抜き穴の間で擦り切り板付近に発熱組成物50gを置き、無端状ベルトを1.8m/minで動かし、発熱組成物を擦り切りながら成形型の抜き穴へ充填する。成形型が擦り切り板を完全に通過後、無端状ベルトの走行を停止する。次に成形型を外し、ポリエチレンフィルム上に積層された発熱組成物成形体を観察する。
3)判定法としては、
前記発熱組成物成形体の周縁部において、最大長さが800μmを超える発熱組成物成形体の崩れ片がなく、最大長さ300から800μmの発熱組成物成形体の崩れ片が5個以内である場合に、前記発熱組成物は成形性があるとする。
成形方式に使用する発熱組成物には必須の性質である。これがないと成形方式による発熱体の製造は不可能である。
次に、発熱体について説明する。本発明の発熱体は少なくとも一部が通気性を有する収納袋に発熱立ち上がり性のよい発熱組成物が収納された発熱体である。更に、好ましい本発明の発熱体は、1区分で発熱部を形成してもよいし、2個以上複数個離れて配置された区分からなる区分発熱部から発熱部を形成してもよい。
前記基材、被覆材を構成する素材としては、発熱組成物の収納袋として機能すれば制限はない。通常化学カイロや発熱体に使用されている素材が使用できる。例えば素材として非通気性素材、通気性素材、吸水性素材、非吸水性素材、非伸長性素材、伸長性素材、伸縮性素材、非伸縮性素材、発泡素材、非発泡素材、非ヒートシール性素材、ヒートシール性素材等が一例として挙げられ、フィルム、シート、不織布、織布等及びそれらの複合体の所望の形態で、所望の用途により適宜使用できる。
通常、基材は非通気性フィルム又はシートからなり、被覆材は通気性フィルム又はシート又は不織布からなるが、逆でもかまわないし、双方が通気性を有していてもよい。また、敷材は通気性や非通気性は適宜使い分ければよい。
前記収納袋の包材は単層構造でもよく、多層構造でもよく、その構造には制限はない。また、包材は少なくとも基材及び被覆材からなるが、発熱組成物成形体を積層する包材が基材であり、発熱組成物成形体に被せる包材が被覆材であり、通気性のありなしは関係ない。一例として、非通気性の包材を基材、通気性性包材を被覆材として、多層構造の例を説明すれば、基材がA層/B層又はA層/B層/C層又はA層/B層/C層/D層からなるものや、被覆材がF層/G層又はE層/F層/G層又はF層/H層/G層からなるものが一例として挙げられる。A層は、ポリエチレン等熱可塑性樹脂フィルム、ポリエチレンやEVA等のヒートシール層や、吸水性紙類等、B層はナイロン等の熱可塑性樹脂の不織布、非吸水性紙類、吸水性紙類、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミド(ナイロン等)フィルム等熱可塑性樹脂フィルム、非吸水性紙類や吸水性紙類等の芯材等、C層は粘着剤層、非吸水性紙類、吸水性紙類、ポリエチレン等熱可塑性樹脂フィルム、滑り止め層、ポリエステルやナイロン等の熱可塑性樹脂の不織布等、D層はセパレータ、ポリエチレン等熱可塑性樹脂フィルム、不織布等、E層はヒートシール層等、F層はポリエチレン等熱可塑性樹脂製多孔質フィルムや穿孔フィルム等、ポリエチレン等熱可塑性樹脂製フィルム、非吸水性紙類、吸水性紙類等、G層はポリエステルやナイロン等の熱可塑性樹脂の不織布等、H層は非吸水性紙類、吸水性紙類等である。例えば、基材又は被覆材の例としては、メタロセン触媒使用のポリエチレン製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム、EVA製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム、EVA製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム/粘着剤層/セパレータ、EVA製ヒートシール層/ポリエチレンフィルム/ナイロン不織布、不織布/多孔質フィルム、メタロセン触媒使用のポリエチレン製ヒートシール層/ポリエチレンフィルム/ナイロン不織布、メタロセン触媒使用のポリエチレン製ヒートシール層/ポリプロピレンフィルム/ポリプロピレン不織布、不織布/(紙及び/又は穿孔(針、レーザー)フィルム)/多孔質フィルム、不織布/(紙及び/又は多孔質フィルム)/穿孔(針、レーザー)フィルム、不織布/(紙及び/又は多孔質フィルム)/不織布等が一例として挙げられる。各層の積層方法については制限はなく、各層の直接積層でもよく、各層は通気性粘着剤層やラミネート剤層を介して積層してもよく、熱溶融押出し等でラミネートをしてもよい。また、本発明ではメタロセン触媒を使用して製造したポリエチレンもポリエチレンに含む。
例えば、不織布、多孔質フィルム等の前記素材を通気性接着層を介して積層する場合、前記通気性接着層の形成は、接着性物質を加熱溶融下に熱風を介し吹付け展開するカーテンスプレー方式やメルトブロー方式やスロットスプレー方式などの適宜な方式で接着性物質を繊維化して多孔質フィルムや通気性基材やセパレータ等からなる適宜な支持基材上に展開堆積させ多孔状態の接着層とする方法などが一例として挙げられる。
前記基材、被覆材、敷材及びそれらを構成する素材の厚さとしては、用途によって大きく異なるが、制限はない。通常は5〜5000μm、好ましくは10〜500μm、より好ましくは20〜250μmである。
前記非通気性素材としては、非通気性があれば制限はない。ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体等ポリマーからなるフィルム、シート、塗布物及びそれらに酸化ケイ素等の金属(半導体も含む)化合物を積層したものやそれらを使った複合素材が一例として挙げられる。
例えば、前記非通気性素材の中で、非通気性の高いフィルムとしては、非通気性素材フィルム上に半導体を含む金属やその化合物の薄膜を単層又は多層に設けたものが一例として挙げられる。例えば、半導体を含む金属としては、ケイ素、アルミニウム等及びこれら金属を含む合金や混合物等が一例として挙げられる。半導体を含む金属化合物としては、上記金属又は合金や混合物の酸化物、窒化物及び酸窒化物が一例として挙げられる。例えば、酸化ケイ素層、酸化アルミニウム層、酸窒化ケイ素層やそれらの任意層をポリエステル製フィルムに積層したものや、更に、それに延伸ポリオレフィンフィルム(例えば2軸延伸ポリプロピレンフィルム)を積層したものが一例として挙げられる。
前記通気性素材としては、通気性があれば制限はない。例えば、多孔質フィルム及び穿孔フィルム等の通気性フィルムや紙類、不織布等の単独で通気性を有するもの、紙類及びそれに通気性フィルムや不織布等を少なくとも1種以上積層し通気性を持たせたもの、不織布にポリエチレンフィルムがラミネートされた非通気性の包材に針などを用いて微細な孔を設けて通気性を持たせたもの、繊維が積層され熱圧着されて通気性を制御された不織布、多孔質フィルム、或いは、多孔質フィルムに不織布を貼り合わせたもの等が一例として挙げられる。ここで、穿孔フィルムとはポリエチレンフィルムなどの非通気性フィルムに針で微細な孔を設けて通気性を持たせたものである。
通気性としては、発熱が維持できれば制限はない。通常の発熱に使用される場合、通気性はリッシー法(Lyssy法)による透湿度が、通常は50〜10,000g/m/24hrであり、好ましくは70〜5,000g/m/24hrであり、より好ましくは100〜2,000g/m/24hr、更に好ましくは100〜700g/m/24hrである。
この透湿度が、50未満であると発熱量が少なくなり、十分な温熱効果が得られないので好ましくなく、一方、10,000g/m/24hrを越えると発熱温度が高くなって安全性に問題が生じる虞れが生じるので好ましくない。ただし、用途によっては10,000g/m/24hrを越えたり、場合によっては開放系に近い透湿度で使用することも制限されない。
前記伸縮性包材としては、伸縮性があれば、特に限定されるものではない。即ち、全体として、伸縮性があればよく、単品でも、伸縮性基材同士又は伸縮性基材と非伸縮性基材との組み合わせによる複合品でもよい。
例えば、天然ゴム、再生ゴム、合成ゴム、エラストマー、伸縮性形状記憶ポリマー等の単品やこれらの混合物やこれらと非伸縮性素材との混合品、混抄品やこれらの組み合わせ品から構成される織物、フィルム、糸、ストランド、リボン、テープ、スクリム構造弾性状フィルム等が一例として挙げられる。
前記多孔質フィルムとしては、制限はないが、ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等と充填材からなるフィルムを延伸した多孔質フィルムで、適宜選択することができる。
前記不織布としては、制限はないが、レーヨン、ナイロン(ポリアミド)、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレン、ビニロン、ポリエチレン、ポリウレタン、キュプラ、綿、セルロース、パルプ等の材質からなる単繊維又は複合繊維の単一不織布又はそれら繊維の混抄又は累積繊維層の積層が用いられる。また、製法的には乾式不織布、湿式不織布、スパンボンド、スパンレース等を使用することができる。芯鞘構造の複合繊維からなる不織布でもよい。肌と接する面の不織布は起毛の(毛羽立てた)不織布が好ましい。また、伸縮性不織布や非伸縮性不織布も使用できる。
前記吸水性素材としては、吸水性を有するフィルム状ないしシート状のものであれば特に限定されるものではない。
この吸水性素材としては、その素材自体が吸水性を有するか否かを問わず、結果として吸水性を有するものであれば特に限定されるものではない。
具体的には、例えば、吸水性を有する発泡フィルム・シート(吸水性発泡ポリウレタン等の発泡体)や紙類、吸水性を有する繊維で形成された不織布や織布、或いは、吸水性を有する繊維を含む不織布や織布、又は吸水性の多孔質フィルム・シートなどの吸水材の他、吸水性の有無を問わず、発泡フィルム・シート、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、吸水剤を含有、含浸、練り込み、転写又は担持させて吸水性を付与ないし増大させたり、吸水性の有無を問わず、発泡フィルム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シートに、本発明物の平面形状に切断した吸水性の発泡フィルム・シート、紙類、不織布、織布又は多孔質フィルム・シート等の吸水性素材を本発明物の片面又は両面に当てがって吸水性が付与されたものが挙げられる。
特に、本発明の発熱体において、皮膚と接触する面は、汗などに対する吸水性など快適な面とするために、発汗した場合には汗が吸収されるように、皮膚と接触する面の包材を、保水率20%以上の吸水性の繊維を主成分とする不織布又は織布を用いた包装材で構成されることが好ましい。保水率20%以上の吸水性の繊維としては、綿、絹、麻、ウール、ポリアクリロニトリル系合成繊維、ポリアミド系合成繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維、アセテート繊維、トリアセテート繊維、再生繊維等を例示することができる。更に、吸水性が優れた不織布として、高吸水性ポリマーを不織布に保持させた不織布等を用いることもできる。尚、これらの繊維を主成分とする不織布又は織布は、皮膚に対して感触が比較的良好なものでもある。
更に、前記包材に、汗の吸収性の高い高吸水性の包装材を用いることもできる。例えば、表面が高吸水性樹脂で被覆された繊維を含む不織布、中空状で表面に多数の微細孔を有する繊維を含む不織布、断面形状が多数の嚢もしくは複層状等を形成することによって毛細管作用を持たせた繊維を含む不織布などが用いられる。
このほか、非粘着面の包装材に、吸水性無機化合物を保持させた不織布、或いは、フィルムを用いることもできる。例えば、不織布に珪藻土、ゼオライト、シリカゲルなどの粉末を保持させた不織布、シリカ、アルミナ等の粉末をポリエチレンなどの合成樹脂に比較的多量に保持させたフィルム等も用いることができる。
前記発熱部や区分発熱部や発熱組成物成形体の形状は如何なるものでもよいが、円形状、三角形状、星形状、長方形状、正方形状、花形状、楕円形状、立方体形状、平行六面体形状、多角錐形状、円錐形状、円柱体形状、楕円柱形状、半円柱体形状、半楕円柱体形状、円筒形状及び球形状等が一例として挙げられる。また、発熱組成物成形体の中央部等に凹部があってもよい。
本発明の発熱部は、1区分で発熱部を形成してもよいし、2個以上複数区分を離れて配置、固定された区分発熱部を形成し、前記区分発熱部の集合から発熱部を形成し、それを発熱部としてもよい。また、区分発熱部を有する発熱部の場合、基材上の発熱組成物成形体の大きさが区分発熱部の大きさ以下で前記発熱組成物成形体の周縁部をヒートシールすることにより区分発熱部及び発熱部を構成している。区分発熱部及び発熱部の容積は充填発熱組成物の容積又は発熱組成物成形体の容積とそれを取り巻く空間容積(例えば、被覆材と基材とで囲まれた空間)からなる。
本発明の区分発熱部又は発熱組成物成形体は、最大幅は、通常、0.5〜60mmであり、好ましくは0.5〜50mmであり、更に好ましくは1〜50mmであり、更に好ましくは3〜50mmであり、更に好ましくは3〜30mmであり、更に好ましくは5〜20mmであり、更に好ましくは5〜15mmであり、更に好ましくは5〜10mmである。また、最高高さは、通常0.1〜30mmであり、好ましくは0.1〜10mmであり、更に好ましくは0.3〜10mmであり、更に好ましくは1〜10mmであり、更に好ましくは2〜10mmである。また、最長長さは、通常5〜300mmであり、好ましくは5〜200mmであり、より好ましくは5〜100mmであり、更に好ましくは20〜150mmであり、更に好ましくは30〜100mmである。
前記区分発熱部の容積又は発熱組成物成形体の体積は、通常、0.015〜500cmであり、好ましくは0.04〜30cmであり、より好ましくは0.1〜30cmであり、更に好ましくは1〜30cmであり、更に好ましくは3〜20cmである。
前記区分発熱部において、発熱組成物収納領域である区分発熱部が発熱組成物成形体で満たされた時に、発熱組成物成形体占有領域である発熱組成物成形体の体積と発熱組成物収納領域である区分発熱部の容積との容積比は通常0.6〜1であり、好ましくは0.7〜1であり、より好ましくは0.8〜1であり、更に好ましくは0.9〜1.0である。
また、前記区分発熱部の間隔である区分け部の幅は区分けができれば制限はないが、通常0.1〜50mmであり、好ましくは0.3〜50mmであり、より好ましくは0.3〜50mmであり、更に好ましくは0.3〜40mmであり、更に好ましくは0.5〜30mmであり、更に好ましくは1.0〜20mmであり、更に好ましくは3〜10mmである。
前記区分発熱部、収納袋、外袋(発熱体の収納袋)等は、区分け部やその周辺部等において、それらを構成する包材等がシールされるが、そのシールに制限はなく、所望により適宜選択する。例えば、粘着剤層及び/又は接着剤層及び/又はヒートシール層を介して加圧、加温、加熱等又はそれらの組み合わせ手段により圧着シール(粘着シール)、加温圧着シール(粘着シール)、接着シール、熱接着シール、熱融着シール(ヒートシール)等で、点状(欠線状)或いは全面状等にすることが一例として挙げられるが、その何れか又はその組み合わせは所望により選択する。これらにより、区分発熱部、内袋(収納袋)及び外袋等を封着形成できる。縫製加工もシールの一手段として使用できる。
前記において、基材や被覆材等の収納袋を形成する基材における周縁部や区分け部のシール部の幅は適宜に決定しうる。通常は50mm以下であり、好ましくは1〜30mmであり、より好ましくは3〜20mmである。
発熱体の柔軟性の観点からは前記区分発熱部を形成する場合はそのサイズはできるだけ小さい方が発熱体全体として、柔軟性が得られる。平面図において、少なくとも長さの異なる2辺で構成される区分発熱部の1辺はできるだけ短い方がよい。また、正方形等の同一辺や円等の一つの径で構成される区分発熱部はその最長の長さはできるだけ短い方がよい。
本発明の発熱体の製造方法には制限はないが、充填機による充填方式や型を用いた成形方式が一例として挙げられる。
即ち、例えば、
1)通気性収納袋に充填方式で発熱組成物を充填する従来の製造方法である。
長尺の基材と、目的とする間仕切り部分及び基材の周縁部をヒートシールできる回転式の加熱圧着器を用いて、その加熱圧着器を介し対向配置した長尺基材の周辺部及び間仕切り部分の必要箇所をヒートシールしつつ、形成された基材間の空隙からなる分室に通気発熱性の発熱体を供給して封入処理し、その封入処理でカイロ端を接着しつつ次の分室の形成を開始する連続形成方法である発熱体の製造方法である。
2)真空成形等により基材に凹状のポケットを予め設けておいて、そのポケットに発熱組成物又はその圧縮成形体を充填し、更に被覆材を被せ、ポケット周辺部をシールする発熱体の製造方法である。
3)ドラム状回転体の周面に凹状のくぼみを設け、その凹状のくぼみに基材を沿わせ、磁気により発熱組成物を凹状のくぼみ中の基材上に充填し、更に被覆材を被せ、磁気により発熱組成物を固定しながら凹状のくぼみ周縁部で基材と被覆材をシールする発熱体の製造方法である。
4)抜き穴を有する抜き形への充填による成形と基材への移設により、発熱組成物成形体を長尺基材上へ積層する成形法(型通し成形法)である。
連続式の場合はドラム状等の回転体による抜き型の抜き穴へ発熱組成物を充填し、長尺の基材上に抜き穴形状の発熱組成物成形体を成形し、積層する成形機を用いて成形し基材の上に発熱組成物成形体を積層し、それを長尺の被覆材で覆い、目的とする区分け部分及び発熱体の周辺部をシール(ヒートシールや圧着シールや熱圧着シール等)できる回転式のシール器を用いて、そのシール器を介し、目的とする区分け部分及び発熱体の周辺部をシールし、封入処理する発熱体の製造方法(連続式型通し成形法)である。
また、磁石を使用してもよい。磁石を利用すると、発熱組成物の型内への収容や、その成形体の型からの離脱が容易にでき、発熱組成物成形体の成形がより容易になる。特に固定磁石は取り付けや維持が簡単である。
5)凹部を有する鋳込み型への充填と基材への移設により、発熱組成物成形体を長尺基材上へ積層する成形法(鋳込み成形法)である。
連続式の場合は、ドラム状等の回転体による凹部への充填、成形と基材への移設により、発熱組成物成形体を長尺基材上へ積層する成形機を用いて成形し、基材の上に発熱組成物成形体を積層し、それを長尺の被覆材で覆い、発熱組成物成形体の周縁部をシール(ヒートシールや圧着シールや熱圧着シール等)できる回転式のシール器を用いて、そのシール器を介し、発熱組成物成形体の周縁部をシールし、封入処理する連続形成方法である鋳込み成形法による発熱体の製造方法(連続式鋳込み成形法)である。
また、磁石を使用してもよい。磁石を利用すると、発熱組成物の型内への収容や、その成形体の型からの離脱が容易にでき、発熱組成物成形体の成形がより容易になる。
また、区分発熱部の形成については、特公平5−81261号公報に記載されているように、基材ヘの特定量の発熱組成物を磁力輸送することによって行うことができる。また、ポケットを有する基材を使用する場合も同様にして、ポケットヘの特定量の発熱組成物を磁力輸送することによって行うことができる。
また、特表平11−508786号公報、特表平2002−514104号公報及び特許第3164605号公報に記載されているように、2つフィルム層基材シート間のポケットヘの特定量の発熱組成物を充填し、シールして作ることもできる。また、真空を使用してポケットを形成してもよい。これら公報の記載の全体を引用して本文に組み入れる。
上記収納の工程後、シール工程、カット工程等を経て発熱体を製造する。
前記シール工程、カット工程等は従来方法、装置から適宜選択して使用すればよい。尚、成形方式の場合、抜き型を使用した型通し成形や凹状の鋳込み型を使用した鋳込み成形が一例として挙げられる。
成形方式の場合は、成形順序は発熱組成物成形体の大きさが決まり、次に前記区分発熱部の大きさ決まる。
本発明の成形性発熱組成物を構成する非水溶性固形成分の粒径は、発熱組成物が成形性を有すれば制限はない。発熱組成物を成形した発熱組成物成形体のサイズである縦、横、高さの何れかが小さくなる場合は粒径を小さくする方が成形性が向上する。
更に、成形性発熱組成物を構成する固形成分の粒径を小さくすることは成形上好ましい。成形性発熱組成物を構成する成分中、反応促進剤と水を除く非水溶性固形成分の最大粒径は好ましくは2.5mm以下であり、より好ましくは930μm以下であり、更に好ましくは500μm以下であり、更に好ましくは300μm以下であり、更に好ましくは250μm以下であり、更に好ましくは200μm以下であり、且つ、前記固形成分の粒径の80%以上が、通常500μm以下で有り、好ましくは300μm以下で有り、より好ましくは250μm以下であり、更に好ましくは200μm以下であり、更に好ましくは150μm以下であり、更に好ましくは100μm以下である。
尚、非水溶性固形成分の粒径とは、篩を使って分離し、前記篩を通過したものをその篩の口径から算出した粒径である。即ち、篩を、上から8、12、20、32、42、60、80、100、115、150、200、250及び280メッシュ等の篩並びに受皿の順に組み合せる。最上段の8メッシュ篩に非水溶性固形成分粒子を約50g入れ、自動振盈機で1分間振盈させる。各篩及び受皿上の非水溶性固形成分粒子の重量を秤量し、その合計を100%として重量分率により粒径分布を求める。特定メッシュの櫛の下のすべての受け皿の合計が前記粒径分布の合計値である100%になった場合、前記特定メッシュの口径から算出した大きさ(μm)をもって、その非水溶性固形成分の粒径とする。尚、各メッシュ篩は他のメッシュ篩を組み合わせてもよい。ここで、16メッシュパスは粒径1mm以下、20メッシュパスは粒径850μm以下、48メッシュパスは粒径300μm以下、60メッシュパスは粒径250μm以下、65メッシュパスは粒径200μm以下、80メッシュパスは粒径180μm以下、100メッシュパスは粒径150μm以下、115メッシュパスは粒径120μm以下、150メッシュパスは粒径100μm以下、250メッシュパスは粒径63μm以下とする。以下のメッシュも同様とする。
また、発熱組成物は、水分調整状態や余剰水量により、粉体又は粒状発熱組成物(易動水値が0.01未満)、成形性発熱組成物(易動水値が0.01〜20)、シャーベット状発熱組成物(易動水値が20を超え50以下)に分類することができる。易動水値により分類された発熱組成物は前記通りである。
前記基材、被覆材、通気性粘着剤層、敷材、発熱組成物成形体を含む発熱組成物の中で、少なくとも前記発熱組成物が圧縮処理されていてもよい。特に、本発明の発熱組成物成形体を加圧により適量圧縮したものは形状維持性が格段に向上し、例えば、通気部の素材に多孔質フィルムの代わりに、圧力調整が難しい穿孔フィルムを使用しても、収納袋の内圧が外圧以上になっても、形崩れが起こりにくく、穿孔フィルムの使用が可能であるので、通気性素材の選択の幅が拡がり、コストダウンができるとともに、被加温体を長時間、適度の温度で、均一に加温できる。
前記区分発熱部を多数、間隔を空けて、連設し、前記区分け部に前記手切れ可能なミシン目を設けた発熱体は、人体への適用箇所等の使用目的などに基づいて使用時にそれに応じた適宜なサイズにカットでき、適用できる。その場合には発熱体のサイズと区分発熱部のサイズと数を適宜に設定すればよい。それらサイズや数に制限はない。また区分け部は縦又は横方向や縦及び横方向、斜め方向などの任意な方向に形成することができる。
本発明のミシン目とは、区分け部の曲げ性を上げるために断続的に切断されたものや手切れが可能なほどに断続的に切断されたものである。その程度、長さ、口径には制限はなく、所望により決める。このミシン目はすべての区分け部に設けてもよいし、部分的に設けてもよい。形状は制限はなく、円形、楕円形、矩形、正方形、切れ目(線状)等が一例として挙げられる。例えば、手切れ可能なほどに断続的に切断されたミシン目は口径φ10〜1200μmの円形の穴が一例として挙げられる。穴の口径は、より好ましくはφ20〜500μmである。
上記穴は縦横それぞれ整列した位置にあることが好ましい。また、縦横それぞれ隣り合う穴の外周の最短間の間隔は、曲げ性や手切れ可能性を満足するものであれば制限はないが、好ましくは10〜2000μmであり、より好ましくは10〜1500μmであり、更に好ましくは20〜1000μmであり、更に好ましくは20〜500μmであり、更に好ましくは20〜200μmである。孔の口径と縦横それぞれ隣り合う穴の外周の最短間の間隔のバランスにより、手切れ性が著しく向上されるものである。
前記穴が切れ目でもよく、その長さは孔の口径に相当する長さでもよく、それよりも大きいものでもよい。縦横それぞれ隣り合う切れ目の端部の最短間の間隔は縦横それぞれ隣り合う穴の外周の最短間の間隔に相当する。
例えば、口径φ10〜2000μmの穴は10〜2000μmの長さであり、縦横それぞれ隣り合う穴の外周の最短間の間隔10〜2000μmは、縦横それぞれ隣り合う切れ目の端部の最短間の間隔10〜2000μmに相当する。
切れ目の場合、一方向に長くなるので、その長さは長くでき、10〜50,000μmでもよい。
固定手段としては、関節周囲部用温熱包装体や発熱部を有するものを所要部に固定できる固定能力を有するものであれば制限はない。
前記固定手段として一般的に採用されている、粘着剤層、鍵ホック、ホックボタン、ベルクロ等の面ファスナー、マグネット、バンド、ひも等及びそれらを組み合わせたものを任意に使用できる。
尚、バンドの場合、面ファスナーと粘着剤層との組み合わせで調整用固定手段を更に構成しても構わない。
ここで、面ファスナーとは、マジックテープ(登録商標)、マジックファスナー(登録商標)、ベルクロファスナー、フックアンドループテープ等の商品名で知られているもので、雌ファスナーであるループと前記雌ファスナー締結し得る雄ファスナーであるフックとの組み合わせで締結機能を有するものである。前記ループ機能を有するものとして、不織布や、毛羽立ち、わなを有する糸の織布等あるが、バンドを形成する芯材の表面にこれらループ機能(雌ファスナー機能)を有するものを被覆してもよいが、これ自体でバンドを構成してもよい。雄ファスナー部材であるフック部材は特に制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂やポリアミド、ポリエステル等から形成されたものが一例として挙げられる。フックの形状は特に限定されるものではないが、断面がI字型、逆L字型、逆J字型、いわゆるきのこ型等の形状のフックがループに引っかかり易く、かつ肌に極度の刺激感を与えない点で好ましい。尚、フックがファスニングテープの全面積に粘着されていてもよく、更にテープ基体を省略してフックのみで、ファスニングテープとして使用してもよい。
前記粘着剤層は、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、疎水性高分子化合物、焦電物質、酸化防止剤、骨材、繊維状物、保湿剤、機能性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有してもよい。
本発明の粘着剤は、非親水性粘着剤、混合粘着剤、親水性粘着剤(ジェル等)に分類される。
前記粘着剤層を構成する粘着剤としては、皮膚や衣服に付着するに必要な粘着力を有するものであれば、制限はなく、溶剤系、水性系、エマルジョン型、ホットメルト型、反応性、感圧系、或いは、非親水性粘着剤、親水性粘着剤などの各種形態が用いられる。
前記粘着剤層は、前記非親水性粘着剤から構成される非親水性粘着剤1層と前記非親水性粘着剤から構成される非親水性粘着剤層とがある。
前記非親水性粘着剤層が吸水性ポリマーや保水剤を含有して吸水性を改良したものは非親水性粘着剤層として扱う。
前記親水性粘着剤層と基材又は被覆材との間にホットメルト系の粘着剤を設けてもよい。
また、前記親水性粘着剤を関節周囲部用温熱包装体に設ける場合制限はなく、関節周囲部用温熱包装体のシール処理後に親水性粘着剤層を関節周囲部用温熱包装体に設けてもよい。
また、粘着剤層としては、通気性を有するものであっても、通気性を有しないものであってもよい。用途に応じて適宜選択をすればよい。通気性としては、全体として通気性があればよい。例えば、部分的に粘着剤が存在し、部分的に粘着剤の存在しない部分があり、領域全体として通気性がある粘着剤層が一例として挙げられる。
通気性の基材及び/又は被覆材に粘着剤をそのまま層状に積層するにあたり、その通気性を維持する方法としては、例えば、粘着剤を印刷、或いは、転写により、粘着剤層を部分的に積層し、その非積層部を通気部とする方法と、粘着剤を糸状に円を描きながら、一方向に移動させたり、ジグザグに移動させたりするなど適宜二次元方向に運行させ、その糸状の粘着剤の隙間が通気性ないし透湿性を推持させたり、粘着剤を発泡させる方法やメルトブロー方式で形成された層とが一例として挙げられる。
非親水性粘着剤層を構成する粘着剤はアクリル系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤(酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル樹脂系ホットメルト粘着剤)、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルアセタール系粘着剤、塩化ビニル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ポリエチレン系粘着剤、セルロース系粘着剤、クロロプレン(ネオプレン)系粘着剤、ニトリルゴム系粘着剤、ポリサルファイド系粘着剤、ブチルゴム系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤、スチレン系粘着剤(例えば、スチレン系ホットメルト粘着剤)、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が一例として挙げられる。これらのうち、粘着力が高く、安価で、長期安定性が良く、しかも温熱を与えても粘着力の低下が少ない等の理由より、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤又はホットメルト系高分子物質を含有する粘着剤が望ましい。
前記粘着剤に前記ベースポリマーの他に、所望により、他の成分、例えば、ロジン類、クマロンインデン樹脂、水添石油樹脂、無水マレイン酸変性ロジン、ロジン誘導体類又はC5系石油樹脂等の脂環族系石油樹脂に代表される石油樹脂類等の粘着付与剤やテルペンフェノール系樹脂、ロジンフェノール系樹脂、アルキルフェノール系樹脂等のフェノール系粘着付与剤(特にアニリン点が50℃以下の粘着付与剤)、ヤシ油、ヒマシ油、オリーブ油、ツバキ油、流動パラフィン等の軟化剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤、骨材、粘着調整剤、粘着改良剤、着色剤、消泡剤、増粘剤、改質剤等が適宜配合し、ナイロン製衣類や混紡布製衣類への粘着性向上等の性能向上をしてもよい。
前記ホットメルト系の粘着剤としては、粘着性を付与した公知のホットメルト系粘着剤が挙げられ、具体的には、例えば、SIS、SBS、SEBS又はSIPS等のA−B−A型ブロック共重合体をベースポリマーとするスチレン系粘着剤、塩化ビニル樹脂をベースポリマーとする塩化ビニル系粘着剤、ポリエステルをベースポリマーとするポリエステル系粘着剤、ポリアミドをベースポリマーとするポリアミド系粘着剤、アクリル樹脂をベースポリマーとするアクリル系粘着剤、ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィンをベースポリマーとするポリオレフィン系粘着剤、1,2−ポリブタジエンをベースポリマーとする1,2−ポリブタジエン系粘着剤又はポリウレタンをベースポリマーとするポリウレタン系粘着剤、或いは、接着性の改善や安定性等を変えたこれらの変性体からなる粘着剤、若しくはこれらの粘着剤の2種以上の混合物が挙げられる。また、発泡させた粘着剤から構成される粘着剤層や粘着剤が架橋されたものから構成される粘着剤層も使用できる。
前記非芳香族系ホットメルト系粘着剤とは、ベースポリマーが芳香族環を含有しないホットメルト系粘着剤であれば、制限はない。オレフィン系ホットメルト系粘着剤やアクリル系ホットメルト系粘着剤等が一例として挙げられる。芳香族環を含有しないベースポリマーである非芳香族系ポリマーとは、オレフィンやジエン等のポリマーやコポリマーが挙げられる。一例としてオレフィン系ポリマーが挙げられる。オレフィン系ポリマーは、エチレン、αオレフィンの重合体又は共重合体である。また、他のモノマーとしてブタジエン、イソプレン等のジエンも加えたものもよい。
αオレフィンとしては、二重結合が末端にあるモノマーであれば制限はなく、プロピレン、ブテン、ヘプテン、ヘキセン、オクテン等が一例として挙げられる。
芳香族系ホットメルト系粘着剤とは、ベースポリマーが芳香族環を含有するホットメルト系粘着剤で、A−B−A型ブロック共重合体に代表されるスチレン系のホットメルト系粘着剤等が一例として挙げられる。
前記A−B−A型ブロック共重合体において、Aブロックはスチレン、メチルスチレン等のモノビニル置換芳香族化合物Aで、非弾性重合体ブロックであり、Bブロックはブタジエン、イソプレン等の共役ジエンの弾性重合体ブロックであり、具体的には、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、又はこれらの水添タイプ(SEBS、SIPS)等が挙げられ、また、これらを混合して用いてもよい。
上記非親水性粘着剤層の水分増加による粘着力低下防止対策として上記非親水性粘着剤に更に吸水性ポリマーが配合された粘着剤層も使用できる。
前記親水性粘着剤層を構成する親水性粘着剤としては、親水性ポリマーや水溶性ポリマーを主成分として、粘着性を有し、粘着剤として親水性であれば特に制限はない。
前記親水性粘着剤の構成成分としては、ポリアクリル酸等の親水性ポリマーやポリアクリル酸ナトリウムやポリビニルピロリドン等の水溶性ポリマー、乾燥水酸化アルミニウムやメタケイ酸アルミン酸金属塩等の架橋剤類、グリセリンやプロピレングリコール等の軟化剤類、また、軽質流動パラフィンやポリブテン等の高級炭化水素やミリスチン酸イソプロピル等の一級アルコール脂肪酸エステル、シリコーン油等の含ケイ素化合物、モノグリセリド等の脂肪酸グリセリンエステル、オリーブ油等の植物油等の油性成分、また、パラオキシ安息香酸メチルやパラオキシ安息香酸プロピル等の防腐剤、N−メチル−2−ピロリドン等の溶解剤、カルボキシメチルセルロース等の増粘剤、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油やソルビタン脂肪酸エステル等の界面活性剤、酒石酸等のオキシカルボン酸、軽質無水ケイ酸、吸水性ポリマー、カオリン等の賦形剤、D−ソルビトール等の保湿剤、エデト酸ナトリウムやパラオキシ安息香酸エステルや酒石酸等の安定化剤、架橋型吸水性ポリマー、ホウ酸等のホウ素化合物、水等が一例として挙げられる。また、これらの任意の組み合わせから構成される。
仮着シール部は、粘着層を介して形成されるが、粘着層を構成する粘着剤は、常温でタックがある高分子組成物で形成された層で、仮着後ヒートシールができれば限定はない。
また、仮着に使用される粘着層を構成する粘着剤は前記粘着剤層の粘着剤が使用できる。非親水性の粘着剤が好ましい。粘着層を構成する粘着剤はヒートシールを構成するヒートシール材と相溶性が良く、粘着剤のベースポリマーの融点はヒートシール材の融点以下が好ましい。特に、ホットメルト系接着剤にはホットメルト系粘着剤が好ましい。また、ヒートシール材がオレフィン系の素材である場合は粘着剤としては、オレフィン系の粘着剤が好ましい一例として挙げられる。
通気調整材を固定する接着層は通常使用されている接着剤や粘着剤から構成される。特に粘着剤は有用であり、前記粘着剤層を構成する粘着剤が使用できる。
また、接着層の設ける方法については通気調整材が固定できれば制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。
また、粘着剤層を親水性粘着剤層にした場合、前記親水性粘着剤層と発熱組成物成形体との間に水分保持力の差がある場合にはその間にある基材等の包材を介して、水分の移動が起こり、双方に取って、不都合が起こる。特に保存中に多く起こる。これを防止するために、これらの間に介在する包材は、透湿度が、少なくとも、リッシー法(Lyssy法)による透湿度で、2g/m/day以下であることが好ましい。これを使用することにより、発熱体を非通気性収納袋である外袋に収納し保存する場合、水分移動が防げる。
粘着剤層に親水性粘着剤層を使用した場合、発熱組成物成形体と親水性粘着剤層との間に設けられた防湿性包装材の透湿度は、発熱性能に影響しない範囲で、水分の移動が防止できれば制限はないが、リッシー法(Lyssy法)による透湿度で、通常、2g/m/day以下であり、好ましくは1.0g/m/day以下であり、より好ましくは0.5g/m/day以下であり、更に好ましくは0.01〜0.5g/m/dayである。ここで、大気圧下、40℃、90%RHという条件下の値である。尚、前記防湿性包装材は基材や被覆材としても使用できるし、単独で基材や被覆材等に積層してもよい。
前記防湿性包材は、発熱組成物成形体と親水性粘着剤層の間の水分移動が防止できれば、制限はないが、金属蒸着フィルム、金属酸化物の蒸着フィルム、金属箔ラミネートフィルム、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合物、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物)系フィルム、二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニリデンコートフィルム、ポリ塩化ビニリデンをポリプロピレン等の基材フィルムに塗布してなるポリ塩化ビニリデンコートフィルム、アルミニウム箔等の金属箔、ポリエステルフィルム基材にアルミニウム等の金属を真空蒸着やスパッタリングしてなる非通気性包材、可撓性プラスチック基材の上に、酸化ケイ素、酸化アルミニウムを設けた構造の透明バリア性フィルムを使用した包装用積層体が一例として挙げられる。前記外袋等に使用されている非通気性包材も使用できる。
また、特開平2002−200108号公報の防湿性包材等の包材も使用でき、この記載内容を本発明に組み入れる。
水含有の親水性粘着剤(ジェル等)を粘着剤層に使用する場合、発熱組成物と前記粘着剤層の水分平衡を調整するために、発熱組成物中の塩化ナトリウム等の反応促進剤や吸水性ポリマー等の水分確保力のある物質の含有量を発熱組成物に対して、10〜40重量%の範囲で、好ましくは15〜40重量%の範囲で、更に好ましくは15〜30重量%の範囲で調整してもよい。
また、透湿性がよく、皮膚への刺激性が低い粘着剤としては、特開平10−265373号公報、特開平9−87173号公報等の含水粘着剤(親水性粘着剤、ジェル)や特開平6−145050号公報、特開平6−199660号公報に記載されているホットメルト塗工できる粘着剤や特開平10−279466号公報や特開平10−182408号公報に記載されているゴム系粘着剤も有用であり、本各文献を引用し、全文を本明細書に組み入れる。
前記粘着剤層に含ませる機能性物質としては、機能を有する物質であれば制限はないが、芳香化合物、植物エキス、生薬、香料、スリム化剤、鎮痛剤、血行促進剤、むくみ改善剤、抗菌剤、殺菌剤、防かび剤、消臭剤、脱臭剤、経皮吸収性薬剤、脂肪分解成分、マイナスイオン発生体、遠赤外線放射体、磁気体、湿布剤、化粧料、竹酢液又は木酢液等から選ばれた少なくとも一種を一例として挙げられる。
具体的には、メントール、ベンツアルデヒド等の芳香族化合物、ヨモギエキス等の植物エキス、モグサ等の生薬、ラベンダー、ローズマリー等の香料、アミノフィリン、茶エキス等のスリム化剤、インドメタシン、d1−カンフル等の鎮痛剤、酸性ムコポリサッカライド、カミツレ等の血行促進剤、セイヨウトチンキ、フラボン誘導体等のむくみ改善剤、ホウ酸水、生理的食塩水、アルコール水等の湿布剤、タイソウ抽出液、カフェイン、トナリン等の脂肪分解成分、アロエエキス、ビタミン剤、ホルモン剤、抗ヒスタミン剤、アミノ酸類等の化粧料、石炭酸誘導体、ホウ酸、ヨード剤、逆性石鹸、サリチル酸系の物質、イオウ、抗生物質等の抗菌剤や殺菌剤、或いは、防かび剤が一例として挙げられる。
経皮吸収性薬剤としては、経皮吸収性のものであれば特に限定されるものではないが、コルチコステロイド類、消炎鎮痛剤、高血圧剤、麻酔剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗菌性物質、抗真菌物質、皮膚刺激剤、炎症抑制剤、抗てんかん剤、鎮痛剤、解熱剤、麻酔剤、殺菌剤、抗微生物抗生物質、ビタミン類、抗ウィルス剤、むくみ改善剤、利尿剤、血圧降下剤、冠血管拡張剤、鎮咳去痰剤、スリム化剤、抗ヒスタミン剤、不整脈用剤、強心剤、副腎皮質ホルモン剤、血行促進剤、局所麻酔剤、脂肪分解成分等及びそれらの混合物が一例として挙げられるが、これらに限定されない。これら薬物は、1種又は必要に応じて2種以上配合されて用いられる。
この機能性物質の含有量としては、薬効を期待できる範囲であれば特に限定されるものではないが、薬理効果や経済性、更に、粘着力等の観点より、機能性物質の含有量が粘着剤100重量部に対して、好ましくは0.01〜25重量部、更に好ましくは0.5〜15重量部である。
また、粘着剤層の設ける方法については関節周囲部用温熱包装体が固定できれば制限はなく、全面に設けても、部分的や間欠的に設けてもよい。網状、ストライプ状、ドット状、帯状等、各種形状が一例として挙げられる。
前記発熱体は、非通気性収納袋である外袋に収納され、保管、輸送されるが、前記外袋は非通気性のものであればそのほかの制限はなく、ラミネートされているものでもよい。たとえばOPP、CPP、ポリ塩化ビニリデン、酸化アルミニウムや酸化ケイ素等の酸化金属(半導体を含む)などにより防湿処理されたナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンフィルム、更にはアルミ箔又はアルミ蒸着されたプラスチックフィルムなどの非通気性素材が挙げられる。
また、前記非通気性素材の中で、非通気性の高いフィルムとしては、非通気性素材フィルム上に半導体を含む金属やその化合物の薄膜を単層又は多層に設けたものが一例として挙げられる。例えば、半導体を含む金属としては、ケイ素、アルミニウム、チタン、スズ、インジウム等及びこれら金属を含む合金や混合物等が一例として挙げられる。半導体を含む金属化合物としては、上記金属又は合金や混合物の酸化物、窒化物及び酸窒化物が一例として挙げられる。例えば、酸化ケイ素層、酸化アルミニウム層、酸窒化ケイ素層やそれらの任意層を積層したもの等が一例として挙げられる。また、これらに延伸ポリオレフィンフィルム(例えば2軸延伸ポリプロピレンフィルム)を積層したものが一例として挙げられる。外袋に収納された例としては、製造された発熱体を2枚の非通気性フィルム又はシートの間に封着した発熱体が一例として挙げられる。
前記発熱体を構成する基材、被覆材、粘着剤層、セパレータにおいて、少なくともそれらの1種又はその一部に文字、図柄、記号、数字、模様、写真、絵、着色部のいずれか1種以上を設けてもよい。
前記発熱体を構成する前記基材、被覆材、粘着剤層、セパレータには、それぞれは透明、不透明、着色、無着色等如何なるものでもよい。また、各材及び層のそれぞれを構成する層のうち少なくとも1層を構成する層が他の層と異なる色に着色された着色部を有していてもよい。
本発明の発熱体に使用できる発熱組成物は、粉体又は粒状発熱組成物(易動水値が0.01未満)、成形性発熱組成物(易動水値が0.01〜20)、シャーベット状発熱組成物(易動水値が20〜50)があり、製造方法について制限はないが、通常、易動水値が0.01未満の粉体又は粒状発熱組成物は充填方式や磁気固定方式で、易動水値が0.01以上、20以下の発熱組成物は成形方式、充填方式、磁気固定方式で、易動水値が20を超え50以下の発熱組成物は成形方式で、発熱体が製造される。
また、発熱組成物成形体、基材、被覆材及び敷材の少なくとも1種の全面又はその一部に加圧処理等をしたり、また、凹凸を形成してもよい。これらにより、基材と被覆材間での積層体の移動を防止してもよい。
本発明の発熱組成物は、耐圧縮性を有するもので、ここで耐圧縮性とは成形型に収容した発熱組成物成形体を型内圧縮し、型厚みの70%の厚みを有する発熱組成物圧縮体が、圧縮前の発熱組成物成形体の発熱立ち上がり性(発熱組成物の発熱試験での試験開始後1分と3分での温度差)の80%以上の発熱立ち上がり性を保持することである。
ここで、耐圧縮性のための発熱立ち上がり性の測定法について説明する。
1.発熱組成物成形体、
1)脚付き支持台の塩化ビニル製支持板(厚さ3mm×長さ600mm×幅600mm)の裏面の中央部付近に成形型の抜き穴形状を覆うように磁石を設ける。
2)温度センサーを支持板の表面中央部上に置く。
3)厚さ約80μmの粘着剤層付き厚さ25μm×長さ250mm×幅200mmのポリエチレンフィルムの中央がセンサーのところにくるようにして、粘着層を介して支持板に貼り付ける。
4)長さ280mm×幅150mm×厚さ50μm〜2mmの敷板上に長さ230mm×幅155mm×厚さ25μm〜100μmのポリエチレンフィルムの一端が敷板の外側に約20mm出るようにし、且つ、その長さ方向は一端が敷板の一端とほぼ一致するようにポリエチレンを設置する。
5)前記敷板上のポリエチレンフィルム上に長さ80mm×幅50mm×高さ3mmの抜き穴を持つ長さ230mm×幅120mm×厚さ3mmの型板を置く。その場合、型板の長さ方向の一端を敷板とポリエチレンフィルムが一致して置かれている一端に合わせ、更に、幅方向において、ポリエチレンフィルムが敷板より外側にはみ出している側と反対の端部より約20mm中央部の位置に型板の幅の一端部がくるようにして、型板をポリエチレンフィルム上に設置する。次に、支持板上に敷板とともに置く。
6)その抜き穴付近に試料を置き、押し込み板を型板上に沿って動かし、試料を押し込みながら抜き穴へ入れ、型板面に沿って、試料を押し込みながら擦り切り(型押し込み成形)、型内に試料を充填する。
7)支持板下の磁石を除き、更に、はみ出したポリエチレンフィルムの端部を押さえ、敷板を除き、温度測定を開始する。
2.発熱組成物圧縮体
1)〜6)は、発熱組成物成形体の場合と同じである。
8)抜き穴と凹凸の関係で、ほぼぴったりと抜き穴に入る、厚さ0.9mmの凸部を有する押し型を抜き穴に合わせておき、ロールプレスや板プレスにて圧縮して、厚さ2.1mmの発熱組成物圧縮体を型内に作成する(型厚みの70%に圧縮)。
9)支持板上に敷板とともに置き、支持板下の磁石を除き、更に、はみ出したポリエチレンフィルムの端部を押さえ、敷板を除き、温度測定を開始する。
発熱温度の測定は、データコレクタを用い、測定タイミング2秒で、5分間温度測定をし、1分後と3分後の温度差をもって耐圧縮性を判定する。
圧縮後の厚みは、好ましくは型厚みの50〜99.5%であり、より好ましくは60〜99.5%であり、更に好ましくは60〜95%である。
尚、本発明において、発熱組成物成形体には、発熱組成物圧縮体を含むものとする。
上記発熱組成物の温度上昇を測定する方法は次の通りである。
1)周囲温度20±1℃の条件下、発熱組成物を非通気性の外袋封入状態で1時間放置する。
2)脚付き支持台の塩化ビニル製支持板(厚さ5mm×長さ縦600mm×幅横600mm)の裏面の中央部付近に成形型の抜き穴形状を覆うように磁石を設ける。
3)温度センサーを支持板中央部上に置く。
4)厚さ約80μmの粘着剤層付き厚さ25μm×長さ250mm×幅200mmのポリエチレンフィルムの中央がセンサーのところにくるようにして、粘着層を介して支持板に貼り付ける。
5)外袋から発熱組成物を取り出す。
6)前記ポリエチレンフィルムの中央部上に、長さ80mm×幅50mm×高さ3mmの抜き穴を持つ長さ250mm×幅200mmの型板を置き、その抜き穴付近に試料を置き、押し込み板を型板上に沿って動かし、試料を押し込みながら抜き穴へ入れ、型板面に沿って、試料を押し込みながら擦り切り(型押し込み成形)、型内に試料を充填する。次に、支持板下の磁石を除き、温度測定を開始する。
発熱温度の測定はデータコレクタを用い、測定タイミング2秒で、10分間温度測定をし、3分後の温度をもって、発熱立ち上がり性を判定する。
発熱体の発熱試験については、JIS温度特性試験に従うものとする。
本発明の発熱体は、各種形状、厚み、温度帯のものが得られるため、通常の身体採暖用の外、関節用、美顔用、目用、痩身用、点滴液加温・保温用、温熱湿布用、薬剤カイロ用、頚部用、腰用、マスク用、手袋用、痔瘻用、或いは、肩痛、筋肉痛、生理痛等の症状緩和用、座布団用、手術中の人体加温・保温用、温熱シート用、蒸散芳香用、腹部用、蒸散殺虫用、癌治療用等の各用途に用いることができる。更に、機械類やペット等への加温・保温用等へ利用できる。
例えば、症状緩和用として使用する場合は、本発明の発熱体を身体の必要部位に直接あてがうか、布等を介して間接的にあてがう。また、手術中の人体加温・保温用として使用する場合は、
1.加温・保温を必要とする身体に発熱体を直接あてがう
2.カバー等に発熱体を固定して身体にかける
3.身体の下側に敷く敷物等に発熱体を固定する
4.予め、発熱体を備える製品としてのカバーや敷物として使用する
等の使用方法が一例として挙げられる。尚、筋肉や骨格等の痛みとは、急性筋肉痛、急性骨格痛、急性関連痛、既往筋肉痛、既往骨格痛、慢性関連痛、膝や肘等の関節痛等が一例として挙げられる。
前記維持時間は制限はないが、好ましくは20秒〜24時間であり、より好ましくは1時間〜24時間であり、更に好ましくは8時間〜24時間である。
維持温度は、好ましくは30〜50℃であり、より好ましくは32〜50℃であり、更に好ましくは32〜43℃であり、更に好ましくは32〜41℃であり、更に好ましくは32〜39℃である。
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
本発明の発熱体一実施例の平面図 同Z−Zの断面図 実施例1及び実施例2の発熱特性図 実施例2及び実施例3の発熱特性図 本発明の発熱体の他実施例の断面図 本発明の発熱体の他実施例の斜視図 本発明の発熱体の他実施例の平面図 本発明の発熱体の他実施例の平面図 本発明の発熱体の擦り切り板を用いた型通し成形の模式図 同擦り切り板の説明図 同押し込み擦り切り板の説明図 本発明の易動水値測定用濾紙の平面図 本発明の易動水値測定を説明するための斜視図 本発明の易動水値測定を説明するための断面図 本発明の易動水値測定を説明するための断面図 本発明の易動水値測定実施後の濾紙の平面図
符号の説明
1 発熱体
2B 発熱性組成物成形体
3 基材
4 被覆材
9 セパレータ
10 図柄
11 ダイス
11a ダイスの穴
12 型
12a 型穴
13 磁石
14 押し込み板
15 擦り切り板
15A 押し込み擦り切り板
16 平板
16A 非吸水性フィルム(ポリエチレンフィルム等)
17 中心点から放射状に45度間隔で8本の線がかかれた濾紙
18 型板
19 穴
20 試料
21 ステンレス板
22 水又は溶液の浸みだし先端までの距離
24 濾紙上の中空円筒状の穴相当位置
(実施例1)
酸化性ガス接触処理装置として撹拌用の回転翼を備えたミキサーからなる撹拌付きバッチ式酸化性ガス接触処理装置として使い、酸化性ガスとして空気を用いた。まず、還元鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)5.2重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水10重量部からなる、易動水値0.01未満の反応混合物を撹拌付きバッチ式酸化性ガス接触処理装置内に充填した。
次に、20℃の環境下、前記接触処理装置の上部は開放形で、空気中に開放した状態で、撹拌しながら、自己発熱させ、最高発熱温度が55℃で、発熱温度が35℃になるまで、酸化性ガス接触処理をし、前記接触処理済み反応混合物を得た。前記接触処理済み反応混合物の鉄粉について、鉄酸化物の厚さはオージェ電子分光法を用いて、鉄粉表面の鉄酸化物皮膜の厚さを測定した。鉄酸化物皮膜の厚さは100nmであった。次に前記接触処理済み反応混合物に11%食塩水を混合し、易動水値10の発熱組成物を得た。
(比較例1)
酸化性ガス接触処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして易動水値10の熱組成物を作成した。
実施例1及び比較例1で得られた発熱組成物の発熱試験を行ったところ、図3に示した結果が得られた。比較例1は発熱立ち上がり性が悪く、実施例1の発熱組成物は発熱立ち上がり性に優れていた。
(実施例2)
酸化性ガス接触処理装置を撹拌用の回転翼を備えたミキサーからなる撹拌付きバッチ式酸化性ガス接触処理装置として使い、酸化性ガスとして空気を用いた。まず、還元鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)5.2重量部、木粉(粒度300μm以下)2.3重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)2.3重量部、消石灰0.2重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水10重量部からなる、易動水値0.01未満の反応混合物を接触処理装置容器内に充填した。
次に、25℃の環境下、前記接触処理装置容器の上部は開放形で、空気中に開放した状態で、撹拌しながら、自己発熱させ、最高発熱温度が68℃で、発熱温度が35℃になるまで、酸化性ガス接触処理をし、前記接触処理済み反応混合物を得た。前記接触処理済み反応混合物の鉄粉について、鉄酸化物の厚さはオージェ電子分光法を用いて、鉄粉表面の鉄酸化物皮膜の厚さを測定した。鉄酸化物皮膜の厚さは200nmであった。次に、前記接触処理済み反応混合物に11%食塩水を混合し、易動水値8の発熱組成物を得た。
この発熱組成物の発熱組成物発熱試験を行ったところ、3分後には、約50℃(5個の平均)であった。
また、発熱組成物の成形性試験を行ったところ、発熱組成物成形体から抜き型を分離しても、前記発熱組成物成形体の形崩れもなく、前記発熱組成物成形体の周辺部への前記の崩れ片も生じなかった。
次に、図1及び図2に示すように、ポリエチレンフィルム3Aにセパレータ9を粘着剤層8を介して設けた非通気性の基材3のポリエチレンフィルム3A上に、厚さ2mm、長さ110mm、幅80mmの長方形の抜き穴を有する抜き型を用いて型通し成形した発熱組成物成形体2Bを積層した。更にその上に、ナイロン製不織布4Aと多孔質フィルム4Bが積層された通気性の被覆材4を、ポリエチレンフィルム面3Aと多孔質フィルム面4Bが互いに接するようにして重ね合わせて、周辺部をシール幅8mmで、ヒートシールした後、切断して、長さ130mm、幅100mm、シール幅8mmの矩形状の扁平状発熱体1を作成した。発熱組成物成形体2Bから抜き型を分離しても、前記積層体の形崩れもなく、前記発熱組成物成形体の周辺部へ前記発熱組成物成形体の崩れ片も生じず、シール部へ前記発熱組成物成形体の崩れ片の混入もなくシールも完璧におこなえ、シール不良も起こらなかった。尚、被覆材4の通気性はリッシー法の透湿度で370g/m/24hrであった。
次に、その発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。
24時間後に外袋から前記発熱体を取り出し、発熱体の身体試験を行ったが、3分後に、温かく感じ、その後、10時間以上、温かった。
図5は、図2の発熱体1の基材3をポリエチレンフィルム3A/不織布3Bからなる基材に代えたものである。図6は発熱体1の片面に文字10を設けた例である。
(比較例2)
酸化性ガス接触処理を行わないこと以外は実施例2と同様にして、発熱組成物を得、発熱体を得た。実施例2と同様に、人体による発熱体の発熱試験を行ったが、温かく感じるまでに、6分かかった。
実施例2と比較例2について発熱体の発熱試験を行ったところ、図4に示すように、実施例2の場合は30分後、50℃で、3時間後、58℃であったが、比較例2の場合は、30分後、28℃で、3時間後、44℃であった。本発明の発熱組成物を使用した発熱体の発熱立ち上がり性は優れていた。
(実施例3)
ウスタイト含有量が11重量%である鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)5.3重量部、木粉(粒度300μm以下)5重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)1.2重量部、消石灰0.2重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水を混合し、易動水値5の発熱組成物を得た。
また、発熱組成物の成形性試験を行ったところ、発熱組成物成形体から抜き型を分離しても、前記発熱組成物成形体の形崩れもなく、前記発熱組成物成形体の周辺部への前記の崩れ片も生じなかった。
次に、ポリエチレンフィルムにセパレータ付き粘着剤層を設けた非通気の基材のポリエチレンフィルム上に、厚さ2mm、長さ110mm、幅80mmの長方形の抜き穴を有する抜き型を用いて型通し成形にて成形された発熱組成物成形体を積層した。更に、その上に、ナイロン製不織布と多孔質フィルムが積層された通気性の被覆材を用い、ポリエチレンフィルム面と多孔質フィルム面が互いに接するようにして重ね合わせて、周辺部をシール幅8mmで、ヒートシールした後、切断して、長さ130mm、幅100mm、シール幅8mmの矩形状の扁平状発熱体を作成した。発熱組成物成形体から抜き型を分離しても、前記積層体の形崩れもなく、前記発熱組成物成形体の周辺部へ前記発熱組成物成形体の崩れ片も生じず、シール部へ前記発熱組成物成形体の崩れ片の混入もなくシールも完璧におこなえ、シール不良も起こらなかった。尚、被覆材の通気性はリッシー法の透湿度で380g/m/24hrであった。
次に、その発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。
24時間後に外袋から前記発熱体を取り出し、発熱体の身体発熱試験を行ったが、3分で温かく感じ、その後10時間以上温かかった。
(実施例4)
実施例3と同様にして、活性鉄粉を含まない鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)3.4重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)3重量部、消石灰0.5重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水8重量部からなる、易動水値0.01未満の発熱混合物を接触処理装置容器内に充填した。次に、20℃環境下、接触処理装置容器の上部は開放形で、空気中に開放した状態で、撹拌しながら、自己発熱させ、最高発熱温度が67℃で、発熱温度が35℃になるまで、酸化性ガス接触処理をし、前記酸化性ガス接触処理済み発熱混合物を得た。前記酸化性ガス接触処理済み発熱混合物中の鉄粉の鉄酸化物皮膜の厚さは200nmであった。11%食塩水を混合し、易動水値5の発熱組成物を得た。
この発熱組成物の発熱組成物発熱試験を行ったところ、3分後には、約50℃(5個の平均)であった。
また、発熱組成物の成形性試験を行ったところ、発熱組成物成形体から抜き型を分離しても、前記発熱組成物成形体の形崩れもなく、前記発熱組成物成形体の周辺部への前記の崩れ片も生じなかった。
次に、実施例3と同様にして、長さ130mm、幅100mm、シール幅8mmの矩形状の扁平状発熱体を作成した。
次に、その発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。
24時間後に外袋から前記発熱体を取り出し、発熱体の発熱試験を行ったが、3分で、温かく感じ、その後10時以上温かかった。
(比較例3)
実施例3の発熱組成物中から亜硫酸ナトリウムを除いた成分で、易動水値8の発熱組成物を得、実施例3と同様に、前記発熱体を非通気性外袋に密封収納した。
実施例4及び比較例3で作成し、非通気性外袋に収容された発熱体を、60℃で30日間保存し、外袋の膨らみを測定した。実施例4の発熱体の膨らみは3%と実用範囲内であったが、比較例4の発熱体の膨らみは30%と非常に大きく実用向けではなかった。この結果から、ウスタイト量が大きい鉄粉と水素発生抑制剤との組み合わせにより、ガス発生量を押さえた、外袋の膨らみのない、発熱立ち上がり性に優れ、発熱持続性のある発熱体を提供できることが分かった。
(実施例5)
実施例3と同様にして、ウスタイト含有量が1重量%未満である鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)5.3重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)3重量部、消石灰0.5重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水8重量部からなる、易動水値0.01未満の発熱混合物を接触処理装置容器内に充填した。次に、20℃環境下、接触処理装置容器の上部は開放形で、空気中に開放した状態で、撹拌しながら、自己発熱させ、最高発熱温度が58℃で、発熱温度が35℃になるまで、酸化性ガス接触処理をし、前記酸化性ガス接触処理済み発熱混合物を得た。前記接触処理済み発熱混合物中の鉄粉の鉄酸化物皮膜の厚さは100nmであった。前記酸化性ガス接触処理混合物に11%食塩水を加え、水分調整した後に混合し、易動水値8の発熱組成物を得た。不織布にポリエチレンフィルムがラミネートされた非通気性包材を基材として、そのポリエチレン上に、厚さ2mm、長さ110mm、幅80mmの長方形の抜き穴を有する抜き型を用いて型通し成形にて前記発熱組成物を成形し、積層し、発熱組成物成形体を得た。更に、その上に、ナイロン製不織布と多孔質フィルムがその順に積層された通気性包装材を被覆材に用い、ポリエチレン面と多孔質フィルム面が互いに接するようにして重ね合わせて、周辺をヒートシールした後、切断して、長さ130mm、幅100mm、シール幅8mmの矩形状の扁平状発熱体を作成した。発熱組成物成形体から抜き型を分離しても、前記発熱組成物成形体の形崩れもなく、前記発熱組成物成形体の周辺部へ前記発熱組成物成形体の崩れ片も生じず、シール部へ前記発熱組成物成形体の崩れ片の混入もなくシールも完璧に行うことができ、シール不良も起こらなかった。尚、被覆材の通気性は、リッシー法の透湿度で370g/m/24hrであった。
次に、その発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、発熱試験を行ったが、3分で、34℃に達し、34℃以上の発熱維持時間は8時間であった。また、前記発熱体を非通気性外袋に密封収納し、60℃で30日間保存し、外袋の膨らみを測定したが、2%であった。発熱体として実用化可能であった。
(実施例6)
実施例5と同様にして、厚さ2mm、長さ110mm、幅80mmの発熱組成物成形体を抜き型を使った型通し成形法で基材上に設け、その上に被覆材を覆い、その後、ロール圧縮により発熱組成物成形体の厚みを1mmにし、周辺をシールし、周辺をカットし、長さ130mm、幅100mm、シール幅8mmの発熱体を作成した。発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、発熱試験を行ったが、3.5分で、34℃に達し、34℃以上の発熱維持時間は8時間であった。圧縮による発熱特性の低下はほとんどなかった。
(比較例5)
易動水値を3、鉄粉に鉄酸化物皮膜の厚さが30nm未満の鉄粉を使用した以外は、実施例6で作成した、酸化ガス処理を行う前の発熱組成物と同じようにして、作成した発熱組成物を使い、厚さ2mm、長さ110mm、幅80mmの発熱組成物成形体を抜き型を使った型通し成形法で基材上に設け、その上に被覆材を覆い、その後、ロール圧縮により発熱組成物成形体の厚みを1mmにし、周辺をシールし、周辺をカットし、シール幅8mmの発熱体を作成した。実施例1と同様にして、その発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、発熱試験を行ったが、34℃に達するのに、10分かかり、34℃以上の発熱維持時間は3時間であった。圧縮による発熱特性の低下があった。
(実施例7)
実施例5と同様の発熱組成物20gを非吸水性の通気性収納袋に充填、封入し、長さ130mm、幅100mm、シール幅8mmの発熱体を作成した。尚、被覆材の通気性はリッシー法の透湿度で370g/m/24hrであった。その発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、身体発熱試験を行ったが、3分で、温かく感じ、その後10時間以上温かかった。
(実施例8)
実施例3と同様にして得た発熱組成物を使い、一辺15mmの正方形状抜き穴9個からなる、厚さ2mmの抜き型を使用して型通し成形により、厚さ2mm、一辺25mmの正方形状発熱組成物成形体12個を成形し、基材上に積層し、その上を通気性被覆材で覆い、各正方形状発熱組成物成形体の周辺部をシール幅5mmでヒートシール(6)し、収納袋周辺シール部のシール幅8mmでヒートシール(6A)し、外寸131mm×101mmの、12個の区分発熱部1Bからなる集合発熱部発熱体1を作成した(図8)。尚、被覆材の通気性はリッシー法の透湿度で370g/m/24hrであった。実施例3と同様にして、その発熱体1を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から発熱体を取り出し、身体発熱試験を行ったが、3分で、温かく感じ、その後10時間以上、温かかった。使用前中後にわたり、発熱体の柔軟性が保たれた。本発熱体の区分け部シール部6下の粘着剤層は、区分発熱部1Bの下の粘着剤層より粘着力は弱かった。尚、図7はシール部が無地であるシールの例であり、図8は、この変形例で、シール部に、手切れ可能なミシン目7を設けた例である。
(実施例9)
鉄酸化物皮膜の厚さが300nmの鉄粉67重量部及びウスタイトの量1重量%未満の鉄粉33重量部からなる鉄粉、活性炭(粒度300μm以下)6重量部、木粉(粒度300μm以下)5重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)4重量部、消石灰0.3重量部、亜硫酸ナトリウム1重量部、11%食塩水を混合し、易動水値10の発熱組成物を得た。
発熱組成物の成形性試験を行ったところ、発熱組成物成形体から抜き型を分離しても、前記発熱組成物成形体の形崩れもなく、前記発熱組成物成形体の周辺部への前記の崩れ片も生じなかった。また、前記発熱組成物の発熱試験を行ったところ、その測温結果は、10分後で約60℃(5個の平均)であった。
次に、不織布にポリエチレンフィルムがラミネートされた非通気性包材を基材として、そのポリエチレン上に、厚さ2mm、長さ120mm、幅84mmの長方形の抜き穴を有する抜き型を用いた型通し成形にて前記発熱組成物を成形し、積層し、発熱組成物成形体を得た。更にその上に、ナイロン製不織布と多孔質フィルムがその順に積層された通気性包装材を被覆材に用い、ポリエチレン面と多孔質フィルム面が互いに接するようにして重ね合わせて、周辺をヒートシールした後、切断して、長さ136mm、幅100mm、シール幅8mmの矩形状の扁平状発熱体1(図1、図2)を作成した。発熱組成物成形体2Bから抜き型を分離しても、前記発熱組成物成形体の形崩れもなく、前記発熱組成物成形体の周辺部へ前記発熱組成物成形体の崩れ片も生じず、シール部へ前記発熱組成物成形体の崩れ片の混入もなくシールも完璧におこなえ、シール不良も起こらなかった。尚、被覆材の通気性はリッシー法の透湿度で370g/m/24hrであった。次に、その発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から前記発熱体を取り出し、発熱体の身体発熱試験を行ったが、3分で、温かく感じ、その後、10時間以上温かかった。
(実施例10)
酸化性ガス接触処理装置として撹拌用の回転翼を備えたミキサーからなる撹拌付きバッチ式酸化性ガス接触処理装置を使い、酸化性ガスとして空気を用いた。まず、還元鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)5.2重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水10重量部からなる、易動水値0.01未満の反応混合物を撹拌付きバッチ式酸化性ガス接触処理装置内に充填した。次に、20℃の環境下、前記接触処理装置の上部は開放形で、空気中に開放した状態で、撹拌しながら、自己発熱させ、最高発熱温度が68℃で、発熱温度が35℃になるまで、酸化性ガス接触処理をし、前記接触処理済み反応混合物を得た。前記接触処理済み反応混合物の鉄粉について、X線解析装置を用いて鉄(αFe)の110面のピーク(58.28、64.92、82.22(2θ/deg))の積分強度及びFeO(ウスタイト)の220面のピーク(35.24、41.59、60.95,72.70、76.51(2θ/deg))の積分強度より積分強度の比を求め、ウスタイトの量を求めた。前記反応混合物のウスタイトの量は10重量%であった。次に、前記接触処理済み反応混合物に11%食塩水を混合し、易動水値10の発熱組成物を得た。
(比較例6)
酸化性ガス接触処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして易動水値10の熱組成物を作成した。また、実施例1と同様にして発熱体を作成し、その発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。24時間後に外袋から前記発熱体を取り出し、発熱体の発熱試験を行ったところ、3分で、24℃であり、発熱立ち上がり性は悪かった。
(実施例11)
実施例10及び比較例6で得られた発熱組成物の発熱試験を行ったところ、比較例6は発熱立ち上がり性が悪く、実施例10の発熱組成物は発熱立ち上がり性に優れていた。
(実施例12)
酸化性ガス接触処理装置として撹拌用の回転翼を備えたミキサーからなる撹拌付きバッチ式酸化性ガス接触処理装置を使い、酸化性ガスとして空気を用いた。まず、還元鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)5.2重量部、木粉(粒度300μm以下)2.3重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)2.3重量部、消石灰0.2重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水10重量部からなる、易動水値0.01未満の反応混合物を接触処理装置容器内に充填した。次に、20℃の環境下、前記接触処理装置容器の上部は開放形で、空気中に開放した状態で、撹拌しながら、自己発熱させ、最高発熱温度が68℃で、発熱温度が35℃になるまで、酸化性ガス接触処理をし、前記接触処理済み反応混合物を得た。前記接触処理済み反応混合物の鉄粉について、X線解析装置を用いて鉄(αFe)の110面のピークの積分強度及びFeO(ウスタイト)の220面のピークの積分強度より積分強度の比を求め、ウスタイトの量を求めた。前記反応混合物のウスタイトの量10重量%であった。次に前記接触処理済み反応混合物に11%食塩水を混合し、易動水値8の発熱組成物を得た。
この発熱組成物の発熱組成物発熱試験を行ったところ、3分後には、約50℃(5個の平均)であった。
また、発熱組成物の成形性試験を行ったところ、発熱組成物成形体から抜き形を分離しても、前記発熱組成物成形体の形崩れもなく、前記発熱組成物成形体の周辺部への前記の崩れ片も生じなかった。
次に、ポリエチレンフィルムにセパレータ付き粘着剤層を設けた非通気性の基材のポリエチレンフィルム上に、厚さ2mm、長さ110mm、幅80mmの長方形の抜き穴を有する抜き型を用いて型通し成形にて形成された発熱組成物成形体を積層した。更にその上に、ナイロン製不織布と多孔質フィルムが積層された通気性の被覆材を用い、ポリエチレンフィルム面と多孔質フィルム面が互いに接するようにして重ね合わせて、周辺部をシール幅8mmで、ヒートシールした後、切断して、長さ130mm、幅100mm、シール幅8mmの矩形状の扁平状発熱体を作成した。発熱組成物成形体から抜き型を分離しても、前記積層体の形崩れもなく、前記発熱組成物成形体の周辺部へ前記発熱組成物成形体の崩れ片も生じず、シール部へ前記発熱組成物成形体の崩れ片の混入もなくシールも完璧におこなえ、シール不良も起こらなかった。尚、被覆材の通気性はリッシー法の透湿度で370g/m/24hrであった。
次に、その発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。
24時間後に外袋から前記発熱体を取り出し、発熱体の身体試験を行ったが、3分後に、温かく感じ、その後、10時間以上、温かった。
(比較例7)
酸化性ガス接触処理を行わないこと以外は実施例3と同様にして、発熱組成物を得、発熱体を得た。実施例3と同様に、人体による発熱体の発熱試験を行ったが、温かく感じるまでに、6分かかった。
実施例13と比較例7について発熱体の発熱試験を行ったところ、実施例2の場合は30分後、50℃で、3時間後、58℃であったが、比較例7の場合は、30分後、45℃で、3時間後、55℃であった。本発明の発熱組成物を使用した発熱体の発熱立ち上がり性は優れていた。
(実施例14)
ウスタイト含有量が11重量%である鉄粉(粒度300μm以下)100重量部、活性炭(粒度300μm以下)5.3重量部、木粉(粒度300μm以下)5重量部、吸水性ポリマー(粒度300μm以下)1.2重量部、消石灰0.2重量部、亜硫酸ナトリウム0.7重量部、11%食塩水を混合し、易動水値5の発熱組成物を得た。
また、発熱組成物の成形性試験を行ったところ、発熱組成物成形体から抜き型を分離しても、前記発熱組成物成形体の形崩れもなく、前記発熱組成物成形体の周辺部への前記発熱組成物成形体の崩れ片も生じなかった。
次にポリエチレンフィルムにセパレータ付き粘着剤層を設けた非通気性の基材3のポリエチレンフィルム上に、厚さ2mm、長さ110mm、幅80mmの長方形の抜き穴を有する抜き型を用いた型通し成形された前記発熱組成物を積層し発熱組成物成形体を得た。更にその上に、ナイロン製不織布と多孔質フィルムが積層された通気性包装材を被覆材に用い、ポリエチレンフィルム面と多孔質フィルム面が互いに接するようにして重ね合わせて、周辺部をシール幅8mmで、ヒートシールした後、切断して、長さ130mm、幅100mm、シール幅8mmの矩形状の扁平状発熱体を作成した。発熱組成物成形体2Bから抜き型を分離しても、前記積層体の形崩れもなく、前記発熱組成物成形体の周辺部へ前記発熱組成物成形体の崩れ片も生じず、シール部へ前記発熱組成物成形体の崩れ片の混入もなくシールも完璧におこなえ、シール不良も起こらなかった。尚、被覆材の通気性はリッシー法の透湿度で380g/m/24hrであった。
次に、その発熱体を非通気性外袋に密封収納し、24時間、室温で放置した。
24時間後に外袋から前記発熱体を取り出し、発熱体の身体発熱試験を行ったが、3分で温かく感じ、その後10時間以上温かかった。
(実施例14)
実施例3の水分調整のみ変えて、同様にして、易動水値20の発熱組成物を得た。また、前記成形性の測定法により、前記発熱組成物の成形性を測定したが発熱組成物成形体の崩れ片が見られず成形性を有する発熱組成物であった。次に、ライナー紙(厚さ300μm)の片面に、厚さ40μmの非通気性ポリエチレンフィルムを貼り合わせた非通気性包材を基材して、前記基材のライナー紙上に、厚さ2mm、長さ110mm、幅80mmの長方形の抜き穴を有する抜き型を用いて型通し成形にて前記発熱組成物を成形し、積層し、発熱組成物成形体を得た。更にその上に、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体系の粘着性ポリマーをメルトブロー法にて網状に設けた網状粘着剤層をポリエチレン製多孔質フィルム側に設けた被覆材を前記被覆材の網状粘着剤層面と発熱組成物成形体が互いに接するようにして重ね合わせて、前記発熱組成物成形体周辺部を圧着シールによって封着し、周囲を切断し、長さ130mm、幅100mm、シール幅8mmの矩形状の扁平状発熱体を製造し、非通気性収納袋である外袋に密封し、24時間静置した。ここで、前記被覆材は厚さ30μmのクラフト紙、厚さ50μmのポリエチレン製多孔質フィルム、厚さ150μmのナイロン不織布をこの順で積層したものを用いた。前記網状粘着剤層はクラフト紙上に設けた。尚、被覆材の通気性はリッシー法の透湿度で、650g/m/24hrであった。
24時間後、前記外袋から発熱体を取り出し、発熱体の発熱特性試験を行ったが、3分で、温かく感じ、その後、10時間以上温かかった。
実施例1〜実施例14に見られるように本発明の発熱組成物及び発熱体は発熱立ち上がり性がよく、圧縮による発熱特性の低下もなく、発熱特性に優れていた。
(実施例15)
図9は、擦り切り板15を用いた型通し成形法の一例を示す。
幅130mmのロールフィルム状の基材3を、厚さ1mmで、型の中央に所望の形状が抜かれた成形用の型12と合わせて、上面にダイス11、下面に磁石13を配すようにそれらの間を所定の速度で水平に送る。前記型12の上面より、実施例5の発熱組成物2をダイス11の穴11aを通して、型穴12aに送り込む。発熱組成物は進行方向前方に置かれた擦り切り板15により、型12と面一に擦り切られると共に、型穴12aに収納され、厚さ1.5mmの形状が基材3上に成形される。その後、その型12を外し、基材3上に積層された発熱組成物成形体が得られる。
図示されていないが、その後、前記発熱組成物成形体の表面に、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)系の粘着性高分子をメルトブロー法にて網状に設け、被覆材を被せ、その成形物領域の周囲をヒートシールによって封着し、形状に裁断することにより、所望の形状を持つ発熱体が得られる。更に、裁断された発熱体は、引き続いて包装工程に送り込まれ、気密性を有する外袋内に封入される。また、上記擦り切り板15を押し込み擦り切り板に代えても同様の成形が可能である。
図10は擦り切り板15を示し、図11は押し込み擦り切り板15Aを示す。尚、押し込み擦り切り機能を維持すれば、押し込み擦り切り板の先端部をトリムして丸み、即ち、アールをつける等の如何なる変形をしてもよい。

Claims (16)

  1. 鉄粉、炭素成分、反応促進剤、水素発生抑制剤及び水を必須成分とし、前記鉄粉が、20〜100重量%の活性鉄粉を含有し、且つ、前記活性鉄粉は、
    1)鉄粉の表面の少なくとも一部が鉄酸化物皮膜で覆われ、前記鉄酸化物皮膜の厚さが3nm以上であり、且つ、少なくとも活性鉄粉の中心部領域及び鉄酸化物皮膜の下の領域から選ばれた少なくとも1領域において酸素を含まない鉄成分の領域を有する活性鉄粉
    2)ウスタイト量が、鉄とのX線ピーク強度比として2〜50重量%である活性鉄粉の少なくとも何れかであることを特徴とする発熱組成物。
  2. 前記活性鉄粉のウスタイト量が、鉄とのX線ピーク強度比として5.01〜50重量%であることを特徴とする請求項1に記載の発熱組成物。
  3. 前記発熱組成物が、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、骨材、繊維状物、機能性物質、界面活性剤、有機ケイ素化合物、焦電物質、保湿剤、肥料成分、疎水性高分子化合物、発熱助剤、鉄以外の金属、酸化鉄以外の金属酸化物、酸性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載の発熱組成物。
  4. 前記発熱組成物の余剰水量を示す易動水値が0.01未満であることを特徴とする請求項1に記載の発熱組成物。
  5. 前記発熱組成物が易動水値0.01〜20の余剰水を含有し、前記余剰水による成形性を有し、前記発熱組成物中の余剰水がバリア層として機能を発現せず、空気との発熱反応が抑制されていないことを特徴とする請求項1に記載の発熱組成物。
  6. 前記発熱組成物が易動水値20を超えて50以下の余剰水を含有し、前記余剰水による成形性を有し、前記発熱組成物中の余剰水がバリア層として機能を発現し、空気との発熱反応が抑制されていることを特徴とする請求項1に記載の発熱組成物。
  7. 請求項1に記載の発熱組成物が、通気性収納袋に収容されて発熱部を形成したことを特徴とする発熱体。
  8. 収容された前記発熱組成物が、発熱組成物成形体であることを特徴とする請求項7に記載の発熱体。
  9. 収容された前記発熱組成物が、前記通気性収納袋内に、複数の区分にシール部により区分けされた区分発熱部を形成し、前記区分発熱部の集合から発熱部を形成したことを特徴とする請求項7に記載の発熱体。
  10. 前記区分発熱部の最長の幅が1〜55mm、最高の高さが0.1〜10mmであり、前記区分発熱部の間隔が0.5〜30mmであり、前記発熱組成物成形体の周辺部をヒートシールすることにより区分発熱部が形成され、前記収納袋の少なくとも一部が通気性を有し、前記発熱体となる周縁部がシールされていることを特徴とする請求項9に記載の発熱体。
  11. 前記発熱組成物成形体が曲面形状を有し、前記区分発熱部の形状が、曲面形状で、最短の曲率半径が0.5〜27.5mm、高さが0.1〜15mmであることを特徴とする請求項9に記載の発熱体。
  12. 前記発熱体の露出面に固定手段を設け、必要に応じてセパレータを設けたことを特徴とする請求項7に記載の発熱体。
  13. 1)鉄粉の表面の少なくとも一部が鉄酸化物皮膜で覆われ、前記鉄酸化物皮膜の厚さが3nm以上であり、且つ、少なくとも鉄粉の中心部領域及び鉄酸化物皮膜の下の領域から選ばれた少なくとも1領域において酸素を含まない鉄成分の領域を有する活性鉄粉
    2)ウスタイト量が、鉄とのX線ピーク強度比として2〜50重量%である活性鉄粉から選ばれた少なくとも1種の活性鉄粉を20〜100重量%含有する鉄粉、炭素成分、反応促進剤、水素発生抑制剤及び水を必須成分とする発熱組成物を通気性収納袋に収納することを特徴とする発熱体の製造方法。
  14. 前記発熱組成物が、保水剤、吸水性ポリマー、pH調整剤、界面活性剤、有機ケイ素化合物、疎水性高分子化合物、焦電物質、酸化防止剤、骨材、繊維状物、保湿剤、機能性物質又はこれらの混合物からなる付加的な成分から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項13に記載の発熱体の製造方法。
  15. 前記通気性収納袋に収納された前記発熱組成物が、前記通気性収納袋内に、複数の区分にシール部により区分けされた区分発熱部を形成したことを特徴とする請求項13に記載の発熱体の製造方法。
  16. 前記発熱組成物が成形されたものであり、前記通気性収容袋を構成する基材と被覆材からなる包材間に設けられ、前記発熱組成物成形体の周辺部をシールすることにより発熱体を製造することを特徴とする請求項13に記載された発熱体の製造方法。
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