JP5886028B2 - 温熱具 - Google Patents

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Description

本発明は、温熱具に関する。
鉄粉等の被酸化性金属、活性炭等の炭素成分、塩化ナトリウム等の電解質及び水を含んで構成されており、被酸化性金属の酸化反応によって発熱する発熱組成物が知られている。
中でも、発熱開始を遅延させる発熱具として、特許文献1記載のものが知られている。特許文献1には、空気の存在下で発熱し得る発熱組成物を収納するための袋であって、該袋の少なくとも一部が通気性微細孔膜からなり、該通気性微細孔膜に親水性を保持せしめたことを特微とし、発熱組成物収納用袋の一部をなす通気性微細孔膜を親水化処理することにより、数時間の遅延効果を実現し、さらにその時間を自由にコントロールできるものが記載されている。
特開平11−89868号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、発熱開始を遅らせるため、発熱組成物収納用袋の一部をなす通気性微細孔膜の親水化処理という工程が必須となり、工程が煩雑となってしまう。したがって、特許文献1の技術は、汎用性が低いという点で改善の余地がある。
本発明の課題は、簡単な工程にて発熱開始を遅らせることができる汎用性の高い温熱具を提供することにある。
本発明者は、吸水剤の少ない発熱層に多量の水を含有させ、発熱層中の自由水の割合を高めて被酸化性金属の酸化反応が進行しない状態としておくことで、使用開始時には発熱が開始しないものの、水が徐々に気化して、発熱可能な程度まで水分率が低下した後に発熱が始まるため、発熱開始を遅らせることができることを知見した。この知見に基づく温熱具によれば、添加する水の量を制御するという簡単な工程にて発熱開始のタイミングを容易に調整可能な、汎用性の高い温熱具とすることができる。
すなわち、本発明は、
被酸化性金属、吸水剤、及び、水を含有する発熱層と、基材層と、
が積層されてなる発熱体と、
前記発熱体を収容する袋体と、
を有し、
発熱層中の前記吸水剤の含有量が、前記被酸化性金属100質量部に対して、0.3〜20質量部であり、
前記発熱層における、前記吸水剤の含有量に対する前記水の含有量の質量比(水/吸水剤)が4〜20であり、
前記袋体の通気度(JIS P8117)が10,000〜40,000秒/100mlである、温熱具を提供するものである。
本発明によれば、発熱開始を容易に遅らせることができる汎用性の高い温熱具が提供される。
実施の形態に係る温熱具を模式的に示した断面図である。 実施の形態に係る温熱具の製造方法の一例を説明する図である。 実施の形態に係る温熱具の変形例を模式的に示した断面図である。 実施の形態に係る温熱具の変形例を模式的に示した断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1には、本実施の形態に係る温熱具1の断面図が示されている。温熱具1は、被酸化性金属、吸水剤、及び、水を含有する発熱層101と、基材層102とが積層されてなる発熱体10と、発熱体10を収容する袋体20と、を有する。
温熱具1は、被酸化性金属の酸化反応によって発熱して十分な温熱効果を付与するものであり、JIS規格S4100に準拠した測定において、発熱温度38〜70℃の性能を有することができる。温熱具1は、水蒸気の発生を伴う蒸気発熱具であってもよいし、水蒸気の発生を実質的に伴わずに発熱する、いわゆる使い捨てカイロであってもよい。
被酸化性金属は、酸化反応熱を発する金属であり、例えば、鉄、アルミニウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム、及びカルシウムから選択される1種又は2種以上の粉末や繊維が挙げられる。これらの中でも取り扱い性、安全性、製造コストの点から鉄、なかでも鉄粉が好ましく用いられる。鉄粉としては、例えば、還元鉄粉、及びアトマイズ鉄粉から選択される1種又は2種以上が挙げられる。
被酸化性金属が粉末である場合、酸化反応が効率的に行われるという観点から、その平均粒径が10〜200μmであることが好ましく、平均粒径が20〜150μmであることがより好ましい。なお、被酸化性金属の粒径は、粉体の形態における最大長さをいい、篩による分級、動的光散乱法、レーザー回折法等により測定される。
被酸化性金属の含有量は、坪量で表して、100〜3000g/mであることが好ましく、更に200〜1500g/mであることが好ましい。これにより、発熱体10の発熱温度をより所望の温度に上昇させることができる。ここで、発熱体10中の鉄粉の含有量は、JIS P8128に準じる灰分試験や、熱重量測定器で求めることができる。他に外部磁場を印加すると磁化が生じる性質を利用して振動試料型磁化測定試験等により定量することができる。
吸水剤は、保水能を有するものであり、例えば、炭素成分、繊維材料、吸水性ポリマー、及び吸水性の粉体から選択される1種又は2種以上が挙げられる。
炭素成分としては、保水能、酸素供給能、及び、導電性を有するものであり、例えば、活性炭、アセチレンブラック、黒鉛から選択される1種又は2種以上を用いることができるが、湿潤時酸素を吸着しやすいことや、発熱層101中の自由水の割合を高めておくことで使用開始時には被酸化性金属の酸化反応が進行しない状態とする点から活性炭が好ましく用いられる。より好ましくは、椰子殻炭、木粉炭、及びピート炭から選択される1種又は2種以上の微細な粉末状物又は小粒状物が用いられる。中でも、発熱層101中の自由水の割合を高めておくことで使用開始時には被酸化性金属の酸化反応が進行しない状態とするため、木粉炭が好ましい。
炭素成分は、接触面積を広くして被酸化性金属と反応しやすい混合状態を形成する観点や、発熱層101中の自由水の割合を高めておくことで使用開始時には被酸化性金属の酸化反応が進行しない状態とする点から、平均粒径が10〜200μmのものを用いることが好ましく、平均粒径が12〜100μmのものを用いることがより好ましい。なお、炭素成分の平均粒径は、粉体の形態における最大長さをいい、動的光散乱法、レーザー回折法等により測定される。炭素成分は粉体状の形態のものを用いることが好ましいが、粉体状以外の形態のものを用いることもでき、例えば、繊維状の形態のものを用いることもできる。
繊維材料としては、親水性繊維、中でもセルロース繊維を用いることがより好ましい。セルロース繊維としては、化学繊維(合成繊維)や天然繊維を用いることができる。
吸水性ポリマーとしては、自重の20倍以上の液体を吸収・保持でき且つゲル化し得るヒドロゲル材料が挙げられる。
吸水性の粉体としては、バーミキュライト、おがくず、シリカゲル、及びパルプ粉末から選択される1種又は2種以上などが挙げられる。
吸水剤の含有量は、被酸化性金属100質量部に対して、0.3〜20質量部であるが、1〜15質量部がより好ましく、3〜13質量部が更に好ましい。こうすることで、得られる発熱体10中に、酸化反応を持続させるために必要な水分を蓄積できる。また、発熱体10への酸素供給が十分に得られて発熱効率が高い発熱体が得られる。また、得られる発熱量に対する発熱体10の熱容量を小さく抑えることができるため、発熱温度上昇が大きくなり、所望の温度上昇が得られる。なお、吸水剤の含有量は、坪量で表して、4〜290g/mであることが好ましく、更に7〜160g/mであることが好ましい。
吸水剤中、炭素成分の含有量が、吸水剤の全質量に対して、60質量%以上であることが発熱層101中の自由水の割合を高めておくことで使用開始時には被酸化性金属の酸化反応が進行しない状態とする点で好ましく、より好ましくは95質量%以上であり、更に好ましくは98質量%以上であり、また更に好ましくは吸水剤が炭素成分からなることが好ましい。
更に、吸水性ポリマーの含有量は、吸水剤全量に対して40質量%以下、好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下、発熱層101中に吸水性ポリマーを含まないことが、発熱開始を遅らせることができる点や、得られる発熱量に対する発熱体の熱容量を小さく抑えることができるため、発熱温度上昇が大きくなり、所望の温度上昇が得られる点でより好ましい。
発熱層101における、吸水剤の含有量に対する水の含有量の質量比(水/吸水剤)は、4〜20であり、好ましくは4.5〜19であり、更に好ましくは5.5〜18である。こうすることで、発熱層101中の自由水の割合を高め使用開始時には被酸化性金属の酸化反応が進行しない状態とすることができ、且つ、発熱開始後において十分な発熱特性を得ることができ、好ましい。
発熱層101中の水の含有量は、被酸化性金属100質量部に対して、30〜85質量部が好ましく、30〜70質量部がより好ましく、30〜60質量部が更に好ましい。こうすることで、発熱層101中の自由水の割合を高め使用開始時には被酸化性金属の酸化反応が進行しない状態とすることができ、且つ、発熱開始後において十分な発熱特性を得ることができ、好ましい。
基材層102は、発熱層101を積層することができればよく、通気性の有無を問わないが、通気性を有するものが好ましい。水を吸収した状態での基材層102の通気度は、500秒/100ml以下が好ましく、1〜300秒/100mlがより好ましい。このような通気度とすることで、発熱層101中の自由水の割合を高めておくことで使用開始時には被酸化性金属の酸化反応が進行しない状態とすることができ、被酸化性金属の酸化反応が良好となる上、多量の水蒸気を発生することを可能とし得る。ここで、本明細書において、通気度は、JIS P8117によって測定される値であり、一定の圧力のもとで100mlの空気が6.45cm2の面積を通過する時間で定義される。通気度は、王研式通気度計もしくはそれに準じた測定機で測定することができる。
基材層102は、吸水性を有する材料から形成されることが好ましい。具体的には、基材層102は、繊維材料を含むシート、例えば、一層の繊維シートから形成されていてもよいし、二層以上が積層された繊維シートから形成されていてもよい。繊維シートとしては、具体的には、後述する繊維材料から製造される紙、不織布、又は紙と不織布の積層したものなどが挙げられる。繊維材料を含むシートとしては、具体的には、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンシート、及びポリプロピレンシートから選択される1種又は2種以上の吸水性のない素材に繊維材料を積層またはラミネートした紙や不織布などのシート材でも良く、パルプ繊維やレーヨン繊維などの繊維材料に、更に別の繊維材料を積層または混合した抄紙や不織布などのシート材でも良い。基材層102に繊維材料を含むシートを用いることで、発熱層101中の自由水の割合を高めておくことで使用開始時には被酸化性金属の酸化反応が進行しない状態とすることが容易にでき、好ましい。
基材層102は、さらに吸水性ポリマーを含んでいても良い。基材層102に吸水性ポリマーを含む場合、基材層102は、(i)繊維材料及び吸水性ポリマーが均一に混合された状態で1枚シートとしたもの、(ii)繊維材料を含む同一の又は異なるシート間に、吸水性ポリマーが配置されたもの(iii)成分(b)を散布してシート状としたものを例示することができる。中でも、発熱層101の含水量のコントロールを容易に行うことができるため、発熱層101中の自由水の割合を高めておくことで使用開始時には被酸化性金属の酸化反応が進行しない状態とすることを容易にでき、好ましいものは、(ii)の形態のものである。なお、(ii)の形態の基材層102は、例えば、繊維材料を含むシート上に吸水性ポリマーを均一に散布し、その上から200g/mの量の水を噴霧した後、更にその上に繊維材料を含む同一の又は異なるシートを積層し、100±0.5℃、5kg/cmの圧力にてプレス乾燥して含水率が5質量%以下になるまで乾燥して製造することが可能である。
基材層102において、繊維材料としては、親水性繊維及び疎水性繊維のいずれをも用いることができるが、親水性繊維を用いることが好ましく、中でもセルロース繊維を用いることが、発熱層101中の自由水の割合を高めておくことで使用開始時には被酸化性金属の酸化反応が進行しない状態とすることを容易にでき、より好ましい。セルロース繊維としては、化学繊維(合成繊維)や天然繊維を用いることができる。
セルロース繊維のうち化学繊維としては、例えばレーヨンやアセテートを用いることができる。一方、セルロース繊維のうち天然繊維としては、例えば、各種の植物繊維、木材パルプ繊維、非木材パルプ繊維、木綿繊維、麻繊維、麦藁繊維、ヘンプ繊維、ジュート繊維、カポック繊維、やし繊維、いぐさ繊維から選択される1種又は2種以上を用いることができる。これらのセルロース繊維のうち、木材パルプ繊維を用いることが、発熱層101中の自由水の割合を高めておくことで使用開始時には被酸化性金属の酸化反応が進行しない状態とすることを容易にでき好ましい。
各種の繊維材料は、その繊維長が0.5〜6mmであることが好ましく、更に0.8〜4mmであることが、発熱層101中の自由水の割合を高めておくことで使用開始時には被酸化性金属の酸化反応が進行しない状態とすることを容易にでき好ましい。
基材層102には、親水性繊維に加え、必要に応じて疎水性繊維を配合してもよく、中でも熱融着性繊維を配合してもよい。熱融着性繊維の配合量は、基材層102における繊維の全量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、更に0.5〜5質量%であることが好ましい。
基材層102において、吸水性ポリマーとしては、上述の繊維材料と同様、自重の20倍以上の液体を吸収・保持できる架橋構造を持つ親水性のポリマーを用いることが、発熱層101中の自由水の割合を高めておくことで使用開始時には被酸化性金属の酸化反応が進行しない状態とすることを容易にでき好ましい。吸水性ポリマーの形状としては、球状、塊状、ブドウ房状、繊維状から選択される1種又は2種以上が挙げられる。吸水性ポリマーの粒径は、1〜1000μmであることが好ましく、更に10〜500μmであることが好ましい。なお、吸水性ポリマー粒子の粒径は動的光散乱法、レーザー回折法等により測定される。
吸水性ポリマーの具体例としては、例えば、デンプン、架橋カルボキシルメチル化セルロース、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体等、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体から選択される1種又は2種以上が挙げられる。中でも、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又は共重合体等、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体を用いることが、発熱層101中の自由水の割合を高めておくことで使用開始時には被酸化性金属の酸化反応が進行しない状態とすることを容易にでき好ましい。
基材層102に占める吸水性ポリマーの割合は、乾燥状態で10〜70質量%であることが好ましく、更に20〜65質量%であることが、基材層102への速やかな水分移動を促しつつ、発熱層101中の自由水の割合を高めておくことで使用開始時には被酸化性金属の酸化反応が進行しない状態とすることを容易にでき好ましい。
基材層102は、発熱層101中の自由水の割合を高めておくことで使用開始時には被酸化性金属の酸化反応が進行しない状態とすることを容易にできる点から、乾燥状態でその坪量が20〜200g/mであることが好ましく、更に35〜150g/mであることが好ましく、更に好ましくは50〜140g/mである。基材層102に含まれる吸水性ポリマーの坪量は、発熱層101中の自由水の割合を高めておく点から、乾燥状態で5〜150g/mであることが好ましく、更に10〜100g/mであることが好ましく、更に好ましくは30〜90g/mである。
基材層102は、図1に示すように発熱層101が基材層102の片面に形成されたものであっても良く、発熱層101が基材層102の両面に形成されたものであっても良い。また、図3で示すように、第1基材層102aと第2基材層102bとから形成されていてもよい。この場合、発熱体10は、第1基材層102aと第2基材層102bとの間に発熱層101が挟まれた構造、所謂サンドイッチ構造をとることができる。第1基材層102aと第2基材層102bとは、同一の材料からなるものであってもよいし、異なる材料からなるものであってもよい。例えば、第1基材層102aを二層以上の繊維シートを積層したものや、繊維材料及び吸水性ポリマーを含むものとし、第2基材層102bを一層の繊維シートから形成すると、発熱層101中の自由水の割合を高めておくことで使用開始時には被酸化性金属の酸化反応が進行しない状態とすることが容易となり、好ましい。この場合、第2基材層102bは、発熱層101の少なくとも一部を覆うものであればよいが、発熱層101の全面を覆うことが好ましい。
発熱体10は、さらに、反応促進剤を含むことができる。反応促進剤は、発熱体10において、被酸化性金属の酸化反応を持続させる目的で用いられる。また、反応促進剤を用いることにより、酸化反応に伴い被酸化性金属に形成される酸化被膜を破壊して、酸化反応を促進することができる。反応促進剤には、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属の硫酸塩、塩化物から選択される1種又は2種以上が挙げられる。中でも、導電性、化学的安定性、生産コストに優れる点から、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、第1塩化鉄、第2塩化鉄等の各種塩化物、硫酸ナトリウムから選択される1種又は2種以上が用いられるが、中でも汎用性で塩化ナトリウムが好ましい。
発熱体10中の反応促進剤の含有量は、十分な発熱量が長時間持続する点から被酸化性金属100質量部に対して2〜15質量部とすることが好ましく、更に好ましくは3〜13質量部である。
発熱体10は、さらに、増粘剤を含むことができる。増粘剤には主として、水分を吸収して稠度を増大させるか、チキソトロピー性を付与する物質を用いることができ、アルギン酸ソーダ等のアルギン酸塩、アラビアゴム、トラガカントゴム、ローカストビーンガム、グアーガム、アラビアガム、カラギーナン、寒天、キサンタンガムなどの多糖類系増粘剤;デキストリン、α化澱粉、加工用澱粉などの澱粉系増粘剤;カルボキシメチルセルロース、酢酸エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体系増粘剤;ステアリン酸塩などの金属石鹸系増粘剤;ベントナイトなどの鉱物系増粘剤等から選ばれた1種又は2種以上の混合物を用いることができる。中でも、良好な塗工性能や発熱層101中の自由水の割合を高めておくことで使用開始時には被酸化性金属の酸化反応が進行しない状態とすることができる点から、多糖類系増粘剤が好ましく、更に、分子量100万以上5,000万以下の多糖類系増粘剤が好ましく、殊更、分子量200万以上4,000万以下の多糖類系増粘剤が好ましく、加えて良好な塗工性能や耐塩性を有する観点から、キサンタンガムが好ましい。
発熱体10中の増粘剤の含有量は、被酸化性金属100質量部に対して、0.05〜5質量部であることが好ましく、更に0.1〜4質量部であることが好ましい。この範囲とすることで、被酸化性金属や吸水剤等の固形分を安定に分散させることができる。また、チキソトロピー性を付与し、塗工性能をさらに向上させることができる。更に、発熱層101中の自由水の割合を高めておくことで使用開始時には被酸化性金属の酸化反応が進行しない状態とすることができ好ましい。
発熱体10には、必要に応じて、界面活性剤、薬剤、凝集剤、着色剤、紙力増強剤、増粘剤、pHコントロール剤、嵩高剤等を含むこともできる。
発熱体10は、発熱粉体を紙等で挟持してなるものや、発熱粉体を水等に分散させたものを紙等に塗布してなるもの等が挙げられる。
発熱層101は、基材層102上に存在していてもよいし、発熱層101の下部が基材層102に少なくとも一部埋没していてもよい。また、発熱層101は、基材層102の一方の面に設けられてもよいし、両面に設けられていてもよい。図1には、基材層102の片面に発熱層101が設けられている例を示す。
つづいて、発熱体10の製造方法の一例として、発熱粉体を水等に分散させたものを基材に塗布して作製する方法について説明する。発熱体10は、例えば、被酸化性金属、吸水剤、及び水を含む発熱粉体水分散物を基材に塗布して作製することができる。発熱粉体水分散物は、前述した成分を全て一度に混合することで調製されても良いが、予め、被酸化性金属と水とを混合してから、その他成分を追加しても良い。
反応促進剤は、発熱粉体水分散物中の他の成分と同時に混合しても良いが、発熱粉体水分散物を塗工した後に別途水等に溶解させた反応促進剤を浸透、噴霧又は滴下等により添加しても良いし、反応促進剤の粉末を散布しても良い。
基材として、吸水性を有するものを用いる場合、基材の少なくとも一方の面に、上述の発熱粉体水分散物が塗布されると、基材が発熱粉体水分散物中の水の少なくとも一部、及び、これに溶解している水溶性成分を吸収して基材層102となり、基材層102上に発熱層101が形成される。すなわち、発熱層101は、基材に吸収されなかった残余の成分から構成される。
以下、温熱具1の製造方法の一例として、吸水性を有する基材に発熱粉体水分散物を塗布するものを挙げて、図2を用いつつ説明する。まず、塗工槽501に、被酸化性金属、吸水剤、水を含む発熱粉体水分散物502を用意する。
発熱粉体水分散物502は、攪拌器503により攪拌して、被酸化性金属、及び、吸水剤等、水に不溶な成分をより均一に分散させてもよい。発熱粉体水分散物は、前述した成分を全て一度に混合することで調製されても良いが、予め、増粘剤を水に溶解したものに反応促進剤を溶解して水溶液を準備し、次に被酸化性金属と吸水剤とをプレ混合したものを水溶液と混合しても良い。
ついで、ポンプ504により発熱粉体水分散物502をダイヘッド505までくみ上げる。くみ上げた発熱粉体水分散物502は、ダイヘッド505を用いて、加圧して押し出しながら基材506に塗工する。このとき、発熱粉体水分散物502の塗工坪量は、160〜4,800g/mが好ましく、320〜2,520g/mとすることがより好ましい。
なお、図2では、ダイコーティングによる塗工を例示したが、塗工方法は、これに限定されず、例えば、ロール塗布、スクリーン印刷、ロールグラビア、ナイフコーディング、カーテンコーター等などを用いることもできる。
発熱粉体水分散物502の塗工後に、発熱体10の発熱層101が形成されていない面から吸引を行ってもよい。こうすることで、基材層102と発熱層101との一体性を増加させることができる。このとき、吸引する場合の吸引力は、100〜10,000Paであることが好ましく、更に500〜5,000Paとすることが好ましい。吸引力は、サクションコンベア内のボックスにマノスターケージを取り付けて測定することができる。
以上の操作により、基材層102と発熱層101とを備える連続長尺物が得られるので、これを任意の大きさに裁断することで、発熱体10が形成される。
なお、基材506に発熱粉体水分散物502を塗工した後、さらに水分を加えてもよい。これにより、発熱層101中の水分量をより制御しやすくなる。
図3で示す発熱体10Aを得る場合は、発熱体10と同様に、基材506に発熱粉体水分散物502を塗工し、基材506に発熱粉体水分散物502中の水の少なくとも一部、及びこれに溶解した水溶性成分を吸収させて、第1基材層102aを形成し、基材506に吸収されなかった発熱粉体水分散物502の残余分を含む発熱層101を形成させることができる。発熱層101中の水分量を調整した後、発熱層101をシートで被覆することで、発熱層101上に第2基材層102bを形成することができる。発熱層101を被覆するシートは、通気性があってもなくてもよく、吸水性があってもなくてもよいが、通気性を有し、かつ、吸水性を有するものが好ましい。具体的には、基材として用いられる材料、例えば、前述の繊維材料や、前述の吸水性ポリマーを有する繊維シートを用いることができる。
なお、上述の方法においては、製造過程での被酸化性金属の酸化を抑制するために、必要に応じて非酸化性雰囲気に保つ手段を用いても良い。
その後、発熱体10を、通気度(JIS P8117)が10,000〜40,000秒/100mlである袋体20に入れて袋体20の周囲を密閉接合することで、通気度が10,000〜40,000秒/100mlの通気性を有する袋体20に包囲された温熱具1(図3で示すように、発熱体10Aを袋体20で包囲した場合は、温熱具1A)を得ることができる。
袋体20に収容されている発熱体10は、1枚でもよく、複数枚を積層させた多層構造を有していてもよい。
袋体20は、10,000〜40,000秒/100mlの通気度を有するものであればよいが、この通気度は、15,000〜38,000秒/100mlであることが好ましく、18,000〜35,000秒/100mlであることがより好ましい。このような通気度を有する袋体20としては、例えば透湿性は有するが透水性を有さない合成樹脂製の多孔性シートを用いることが好適である。具体的には、ポリエチレンに炭酸カルシウム等を含有させ延伸したフィルムを用いることができる。かかる多孔性シートを用いる場合には、多孔性シートの外面にニードルパンチ不織布、エアスルー不織布、スパンボンド不織布から選択される1種又は2種以上の不織布を始めとする各種の繊維シートをラミネートして、袋体20の風合いを高めてもよい。
袋体20は、好ましくは、第1袋体シート201と第2袋体シート202とから構成される。
第1袋体シート201と第2袋体シート202とは、発熱体10の周縁から外方に延出する延出域をそれぞれ有し、各延出域において接合されていることが好ましい。この接合は周縁の連続した気密の接合であることが好ましい。第1袋体シート201と第2袋体シート202との接合によって形成された袋体20は、その内部に発熱体10を収容するための空間を有している。この空間内に発熱体10が収容されている。発熱体10は、袋体20に対して固定された状態であってもよいし、固定されていない状態であってもよい。
第1袋体シート201及び第2袋体シート202は同種のものでもよく、あるいは異種のものでもよい。第1袋体シート201及び第2袋体シート202bのどちらか一方を通気性にしてもよいし、両方を通気性としてもよい。両方を通気性とする場合、どちらか一方をもう片方よりも通気性の低いものとしてもよい。
第1袋体シート201は、その一部又は全部が通気性を有していると良い。具体的には、第1袋体シート201の通気度(JIS P8117)は、10,000〜40,000秒/100mlが好ましく、15,000〜38,000秒/100mlがより好ましく、18,000〜35,000秒/100mlが更に好ましい。このような通気度を有する第1袋体シート201としては、例えば透湿性は有するが透水性を有さない合成樹脂製の多孔性シートを用いることが好適である。具体的には、ポリエチレンに炭酸カルシウム等を含有させ延伸したフィルムを用いることができる。かかる多孔性シートを用いる場合には、多孔性シートの外面にニードルパンチ不織布、エアスルー不織布、スパンボンド不織布から選択される1種又は2種以上の不織布を始めとする各種の繊維シートをラミネートして、第1袋体シート201の風合いを高めてもよい。
第2袋体シート202は、その一部又は全部が通気性を有する通気性シートであってもよいし、通気性を有しない非通気性シートであってもよいが、第1の被覆シート20aよりも通気性の低いシート(即ち通気度の高いシート)であることが好ましい。
第2袋体シート202を非通気性シートとする場合、一層又は多層の合成樹脂製のフィルムや、該一層又は多層の合成樹脂製のフィルムの外面にニードルパンチ不織布、エアスルー不織布、スパンボンド不織布から選択される1種又は2種以上の不織布を始めとする各種の繊維シートをラミネートして、第1の袋体シート20bの風合いを高めてもよい。具体的には、ポリエチレンフィルムとポリエチレンテレフタレートフィルムからなる2層フィルム、ポリエチレンフィルムと不織布とからなるラミネートフィルム、ポリエチレンフィルムとパルプシートからなるラミネートフィルムなどが用いられるが、ポリエチレンフィルムとパルプシートからなるラミネートフィルムが中でも好ましい。
第2袋体シート202が通気性シートである場合には、第1袋体シート201と同一のものを用いることができる、或いは、異なるものを用いることができる。異なるものを用いる場合、第2袋体シート202の通気性は、第1袋体シート201の通気性よりも低いことを条件として、第2袋体シート202の通気度は20,000〜180,000秒/100mlが好ましく、65,000〜120,000秒/100mlがより好ましい。なかでも、第1袋体シート201の通気度を18,000〜35,000秒/100mlとし、第2袋体シート202の通気度を65,000〜12,000秒/100mlとすると、殊更好ましい。このような通気度とすることで、発熱層101中の自由水の割合を高めておくことで使用開始時には被酸化性金属の酸化反応が進行しない状態とすることができ、被酸化性金属の酸化反応が良好となる上、第1袋体シート201側から多量の水蒸気を発生することを可能とし得る。
なお、基材層102が発熱層101の片面のみに形成されている場合、例えば、第1基材層102aのみ用いて第2基材層102bを用いず、発熱層101が第2袋体シート202に直接接触してしまう場合、第2袋体シート202の通気性が発熱層101の付着により変化してしまうので、第2袋体シート202を非通気性シートとすることが好ましい。
図3で示す温熱具1Aの場合、発熱層101に基材層102や、第1、第2基材層102a、102bを積層させることで、袋体20の内面に発熱層101が付着するのを防止することができる。したがって、袋体20の通気性を制御どおりに確保することができるため、発熱開始時間の遅延をより正確に制御することができる。中でも、温熱具1Aでは、発熱層101が第1基材層102aと第2基材層102bとの間に挟まれているため、袋体20に発熱層101が付着するのを防止することができる。
発熱体10又は10Aを収容する袋体20は、前述のとおり、その風合いを高めるため各種の繊維シートをラミネートしても良いが、さらに、通気性を有する外装体(図示せず)に収容されることで、その風合いや使用性を高めてもよい。
図4には、図3で示す発熱体10Aを収容した袋体20を、さらに外装体30に収容した温熱具1Bを示す。図4に示すように、外装体30は、好ましくは、第1外装シート301aと第2外装シート301bとから構成される。具体的には、第1外装シート301aにより袋体20の一方の面を覆い、第2外装シート301bにより袋体20の他方の面を覆って、袋体20の周縁から外方に延出する延出域において、第1外装シート301aと第2外装シート301bとが接合され、好ましくは密閉接合されることによって形成されていることが好ましい。
こうすることで、外装体30の内部には、袋体20を収容するための空間が形成され、この空間内に袋体20で包囲された発熱体10を収容することができる。袋体20は、外装体30に対して固定された状態であってもよいし、非固定状態であってもよい。
外装体30、すなわち、第1外装シート301a及び第2外装シート301bの通気性は、袋体20の通気性(通気度(JIS P8117)10,000〜40,000秒/100ml)よりも高いことを条件として、500秒/100ml以下が好ましく、1〜100秒/100mlがより好ましい。このような通気度とすることで、発熱層101中の自由水の割合を高めておくことで使用開始時には被酸化性金属の酸化反応が進行しない状態とすることを容易にでき、被酸化性金属の酸化反応が良好となる上、多量の水蒸気を発生することを可能とし得る。
外装体30を構成する第1、第2の外装シート301a、301bは、通気性を有していれば、例えば、不織布を始めとする各種の繊維シート等、種類は特に限定されないが、例えば、ニードルパンチ不織布、エアスルー不織布、スパンボンド不織布から選択される1種又は2種以上を用いることができる。
温熱具は、袋体20が通気性を有し、外装体30を袋体20の通気性に影響を与えない程度に通気性が高い通気性のシートとすることにより、被酸化性金属の酸化反応とともに水蒸気の発生が可能な蒸気温熱具とすることができる。
温熱具1、1A、1Bは、その外面に、粘着剤が塗工されて形成された粘着層(図示せず)を有していてもよい。粘着層は、温熱具を人体の肌や衣類等に取り付けるために用いられる。粘着層を構成する粘着剤としては、ホットメルト粘着剤を始めとする当該技術分野において、これまで用いられてきたものと同じ物を用いることができる。通気性を阻害しない観点から、温熱具1A、1Bの周縁部のシール部に粘着層が設けられていることが好ましい。
温熱具1、1A、1Bは、使用直前まで、酸素バリア性を有する包装袋(図示せず)内に密封収容されることが好ましい。
温熱具1、1A、1Bは、被酸化性金属、吸水剤、及び、水を含有する発熱層101と、基材層102と、が積層されてなる発熱体であって、吸水剤の含有量が、被酸化性金属100質量部に対して、0.3〜20質量部であり、発熱層101中に含まれる水の含有量が、被酸化性金属100質量部に対して、30〜85質量部である発熱体10を有する。このように発熱体10を構成させることで、発熱に最適な水分量よりも多めの水分を発熱層101に存在させることができる。そして、温熱具1A、1B、1Cでは、この発熱体10が、通気度10,000〜40,000秒/100mlの袋体20に収容されている。このため、使用開始時(酸素バリア性を有する包装袋の開封直後)は、被酸化性金属の酸化反応が過剰な水の存在により阻害された状態であるため、急激な発熱は開始しないものの、水が徐々に気化して、発熱可能な程度まで水分率が低下した後に発熱を開始させることができる。
また、温熱具1、1A、1Bでは、発熱層101に含まれる水分量を調整することで、発熱開始時間を容易に制御することが可能であるため、汎用性の高い温熱具を容易に製造することが可能である。
また、温熱具1、1A、1Bは、肌に適用後、一定時間後に発熱するものであるため、就寝時に装着したとき、就寝から3〜8時間後に発熱し始め、翌朝の早朝から起床時にかけて温熱を得ることも可能である。したがって、就寝時に使用しても低温火傷のリスクを回避でき、ひざ痛、腰痛、肩痛を抱える人の起床時の痛みを緩解して、起床時に動きやすくすることが可能である。
また、温熱具1、1A、1Bは、例えば、就寝前に人体に直接適用されるか、又は衣類に装着されて、人体の起床時の加温に好適に用いられる。人体における適用部位としては、例えば、肩、首、目、目の周囲、腰、肘、膝、大腿、下腿、腹、下腹部、手、足裏などが挙げられ、これらの部位の起床時の痛みをよりいっそう緩解できる温熱具とすることができる。また、人体のほかに、各種の物品に適用されてその加温や保温等にも好適に用いられる。また、温熱具1、1A、1Bが、水蒸気が発生するタイプの温熱具である場合は、加温とともに水蒸気を適用することも可能である。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
実施例1
図4に示す温熱具1Bを作製した。
〔発熱粉体水分散物の調製〕
表1に示す配合比で、鉄粉(鉄粉RKH、DOWA IP CREATION株式会社製、平均粒径45μm)、活性炭(カルボラフィン、日本エンバイロケミカルズ株式会社製、平均粒径40μm)、水道水、キサンタンガム(エコーガムBT、DSP五協フード&ケミカル株式会社製)、塩化ナトリウム(局方塩化ナトリウム、大塚化学株式会社製)、吸水性ポリマー(アクアリックCA、株式会社日本触媒製)を混合し、ディスクタービン型攪拌羽根で150rpm、10分間攪拌して発熱粉体水分散物を得た。
〔発熱体の調製〕
得られた発熱粉体水分散物を、木材パルプ製の紙(坪量20g/m、伊野紙株式会社製)/吸水性ポリマー(アクアリックCA、株式会社日本触媒製、坪量30g/m)/木材パルプ製の紙(坪量30g/m、伊野紙株式会社製)からなる基材(坪量80g/m)25cmの表面に略厚み3mmで塗工し、その上から木材パルプ製の紙からなるシート(坪量50g/m)で被覆した。なお、このとき基材に塗工した発熱粉体水分散物の塗工量は、5g/25cmであった。基材に塗工された後の発熱粉体水分散物中の水分を水分計(製品名:FD−240、株式会社ケット科学研究所製)で測定し、さらに水分を加えた。こうすることで、第1基材層と第2基材層との間に、吸水剤の含有量に対する水の含有量の質量比(水/吸水剤)が10.9である発熱層を備えたサンドイッチ構造の発熱体を作製した。
〔温熱具の調整〕
発熱体(5cm×5cm)を袋体20(6.5cm×6.5cm。第一の袋体シートの通気度25,000秒、第二の袋体シートの通気度100,000秒。)に入れて密閉シールした。ついで、エアスルー不織布(坪量30g/m)から形成された外装体30(7.5cm×7.5cm。通気度2秒/100ml)に、片面周辺部に粘着剤を長さ4cm、幅1cm、100g/mで塗工して、粘着部を形成した後、この粘着部を剥離紙で被覆し、外装体の中に発熱体を収容した袋体を入れて温熱具とした。得られた温熱具は、評価を行うまで酸素遮断袋に入れて保管した。
実施例2
表1に示す組成からなる発熱粉体水分散物を調製した。また、発熱体の調製において、第1基材層と第2基材層との間に、吸水剤の含有量に対する水の含有量の質量比(水/吸水剤)が5.3である発熱層を備えたサンドイッチ構造の発熱体を作製した。その他は実施例1と同様にして、温熱具を作製した。
実施例3
表1に示す組成からなる発熱粉体水分散物を調製した。また、発熱体の調製において、第1基材層と第2基材層との間に、吸水剤の含有量に対する水の含有量の質量比(水/吸水剤)が4.3である発熱層を備えたサンドイッチ構造の発熱体を作製した。その他は実施例1と同様にして、温熱具を作製した。
実施例4
表1に示す組成からなる発熱粉体水分散物を調製した。また、発熱体の調製において、第1基材層と第2基材層との間に、吸水剤の含有量に対する水の含有量の質量比(水/吸水剤)が7.7である発熱層を備えたサンドイッチ構造の発熱体を作製した。その他は実施例1と同様にして、温熱具を作製した。
比較例1
表1に示す組成からなる発熱粉体水分散物を調製した。また、発熱体の調製において、第1基材層と第2基材層との間に、発吸水剤の含有量に対する水の含有量の質量比(水/吸水剤)が3.3である発熱層を備えたサンドイッチ構造の発熱体を作製した。その他は実施例1と同様にして、温熱具を作製した。
比較例2
表1に示す組成からなる発熱粉体水分散物を調製した。また、発熱体の調製において、第1基材層と第2基材層との間に、吸水剤の含有量に対する水の含有量の質量比(水/吸水剤)が3.7である発熱層を備えたサンドイッチ構造の発熱体を作製した。その他は実施例1と同様にして、温熱具を作製した。
評価
1.発熱温度の測定(1)
JIS S4100に準拠した測定機を用いて粘着面を測定面に貼り付けて、発熱測定を行った。測定開始後、発熱を開始した時間(42℃到達時間)、平均温度(発熱を開始した時間から10〜60分間の平均値)及び、最高温度(℃)を表1に示す。
2.発熱温度の測定(2)
被験者2名の肌(肩)に貼り付けて皮膚温度を測定した。発熱開始時間(分)、及び、プラトー温度(平衡時の温度)の平均を表1に示す。
Figure 0005886028
実施例1〜4の温熱具は、発熱開始を遅らせることができ、かつ、良好な発熱特性が認められ、特に、実施例2〜4の温熱具は、平均温度も高かった。一方、比較例1、2の温熱具では、発熱開始の遅れが見られなかった。
1 温熱具
1A 温熱具
1B 温熱具
10 発熱体
10A 発熱体
20 袋体
30 外装体
101 発熱層
102 基材層
102a 第1基材層
102b 第2基材層
201 第1袋体シート
202 第2袋体シート
301a 第1外装シート
301b 第2外装シート
501 塗工槽
502 発熱粉体水分散物
503 攪拌器
504 ポンプ
505 ダイヘッド
506 基材

Claims (7)

  1. 被酸化性金属、吸水剤、及び、水を含有する発熱層と、基材層と、
    が積層されてなる発熱体と、
    前記発熱体を収容する袋体と、
    を有し、
    前記発熱層中の前記吸水剤の含有量が、前記被酸化性金属100質量部に対して、0.3〜20質量部であり、
    前記発熱層における、前記吸水剤の含有量に対する前記水の含有量の質量比(水/吸水剤)が4〜20であり、
    前記袋体の通気度(JIS P8117)が10,000〜40,000秒/100mlである、温熱具。
  2. 前記発熱層中の水の含有量が、前記被酸化性金属100質量部に対して、30〜85質量部である、請求項1に記載の温熱具。
  3. 前記吸水剤は少なくとも炭素成分を含み、前記炭素成分の含有量が、前記吸水剤の全質量に対して、60質量%以上である、請求項1または2に記載の温熱具。
  4. 前記発熱層が更に増粘剤を含む、請求項1乃至3いずれか一項に記載の温熱具。
  5. 前記増粘剤が分子量100万以上5,000万以下の多糖類系増粘剤を含む、請求項に記載の温熱具。
  6. 前記基材層は、第1基材層と、第2基材層とから形成されており、
    前記発熱層が前記第1基材層と前記第2基材層との間に挟まれている、請求項1乃至いずれか1項に記載の温熱具。
  7. 前記発熱体は、前記被酸化性金属の酸化に伴い水蒸気を発生するものである、請求項1乃至いずれか1項に記載の温熱具。
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