JP5121174B2 - 膝痛改善器具 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば変形性膝関節症などの膝痛の緩和に用いられる膝痛改善器具に関する。
膝関節は股関節と比較して関節骨どうしのかみ合わせが不安定である。そのため膝関節においては、筋・靭帯や半月板といった関節軟部組織によって関節の周りをしっかり固めて安定化させ、また過度の荷重を分散させている。膝関節は全身の関節の中で体重による負担が最も大きく、歩行時には体重の約2倍、階段の昇降時には3〜4倍の負担が膝にかかると言われている。これに加えて、加齢による大腿四頭筋の萎縮や肥満等に起因して、膝のこわばりや痛みを伴う変形性膝関節症が発症する。これが発症すると、日常動作、例えば歩行、階段の昇降、正座等の日常動作に支障を来し、膝関節の曲げ制限、膝周りの軟部組織の硬化に起因する血行不良が起こる。それによって大腿四頭筋が一層萎縮し変形性膝関節症が更に悪化するという悪循環が起こる。
ところで、関節の痛みを緩和させることを目的として、膝や肘にサポータを装着して関節を固定し又は保温することが行われている。そのためのサポータとして種々のものが提案されている(例えば特許文献1ないし3参照)。これらの特許文献に記載されているサポータは、編み地から構成されるサポータの編成を工夫することで、部分的に伸縮性を変えたり、伸縮の方向性を変えたりしている。しかし、これらのサポータは、それ単独で用いられるものなので、膝痛を緩和するのには自ずと限度がある。
また関節の痛みを緩和させることを目的として、ホットパックによる温熱治療も行われている。ホットパックは一般に熱容量の高い材料を袋の中に密閉してなるものである。このような構成のホットパックは、これを専用の加温具で加熱したり、或いは湯せんで加熱したりした後に、患部に適用される。しかしホットパックは熱の持続時間が高々数十分なので、痛みの緩和効果は十分なものと言えない。
特開平9−285587号公報 特開2004−68235号公報 特開2005−185629号公報
従って本発明の目的は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る膝痛緩和器具を提供することにある。
本発明は、被酸化性金属の酸化反応による発熱を利用した水蒸気発生部を有し、皮膚に水蒸気を付与する蒸気温熱具と、該蒸気温熱具を保持固定するために用いられる、両端が開口した筒状に構成されたサポータとを備えた膝痛緩和器具であって、
前記蒸気温熱具は、JIS S4100に従い測定された到達温度が38℃〜54℃の温度範囲であり、当該温度範囲の水蒸気発生を伴う発熱が2時間〜12時間持続するようになされており、
前記サポーターは、通気性を有し且つ坪量が50〜400g/m2である膝痛緩和器具を提供するものである。
本発明によれば、変形性膝関節症を始めとする膝痛を手軽に且つ安全に緩和することができ、QOL(quality of life)が向上する。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本発明の膝痛改善器具は、その構成要素として蒸気温熱具及びそれを膝に保持固定するためにサポータを有している。以下、それぞれの構成要素について説明する。
図1には本発明の膝痛緩和器具の構成要素の一つである蒸気温熱具の一実施形態としての蒸気温熱シートの平面図が示されている。図2は、図1におけるII−II線断面図である。図1に示す蒸気温熱シート1は、略扁平な形状をしている。蒸気温熱シート1は、水蒸気発生部2及び該水蒸気発生部2を収容する収容体3を備えている。収容体3は扁平なものであり、複数のシート材を貼り合わせて、水蒸気発生部2が収容される密閉空間が形成されたものである。密閉空間が発熱部2の収容部5になっている。扁平な形状を有する収容体3は、使用者の肌に近い側に位置する第1の面1a及びそれと反対側に位置し且つ使用者の肌から遠い側に位置する第2の面1bを有している。
水蒸気発生部2は被酸化性金属を含んでいる。水蒸気発生部2は被酸化性金属が酸素と接触することによる酸化反応で生じた熱を利用して、所定温度に加熱された水蒸気を発生する部位である。
第1の面1aは空気及び水蒸気の透過が可能な面になっている。つまり第1の面1aは通気面になっている。一方、第2の面1bは、第1の面1aよりも空気及び水蒸気の透過の程度が低い面になっている。即ち、第2の面1bは、難通気面になっている。第2の面1bが難通気面になっていることに代えて、第2の面1bは、空気及び水蒸気を実質的に透過させない面になっていてもよい。即ち第2の面1bは非通気面になっていてもよい。
蒸気温熱シート1は、その第1の面1aの側が使用者の肌面に対向し、第2の面1bの側が外方を向くように使用される。水蒸気発生部2の発熱によって発生した水蒸気は、第1の面1aを通じ、対象物である肌面に付与されるようになっている。
蒸気温熱シート1における第1の面1a及び第2の面1bは何れもシート材から構成されている。そして蒸気温熱シート1の収容体3には、その周縁に、第1の面1a及び第2の面1bをそれぞれ構成するシート材の周縁部を互いに接合して形成された閉じた形状の周縁接合部4を有している。周縁接合部4は連続に形成されている。収容体3は、周縁接合部4よりも内側の部分において第1の面1aと第2の面1bとが非接合状態になっている。
蒸気温熱シート1は、JIS S4100に従い測定されたときの到達温度が38℃〜54℃、好ましくは40℃〜50℃の温度範囲となり、当該温度範囲の水蒸気発生を伴う発熱が2時間〜12時間、好ましくは5時間〜12時間持続するように構成されている。かかる蒸気温熱シート1を用いて膝を温めると、同温度で且つ水蒸気の発生を伴わない熱によって膝を温めた場合に比べて血行が促進されることが本発明者らの検討の結果判明した。しかも、蒸気温熱シート1で温めた部位のみならず、その周囲の部位、例えばふくらはぎ、足甲、足指先の温度も上昇することが確認されている。この理由は、水蒸気の発生を伴う熱は、水蒸気の発生を伴わない熱に比較して熱の伝導が速いので、人体の深部の温度を一層高め得るからである。人体の深部の温度が高くなることで、自律神経を介して温熱中枢が刺激され、それによって血管が拡張して血流が増加すると推定される。その結果、膝関節周りの軟部組織が柔らかくなり、膝痛が緩和されると考えられる。膝痛の緩和によって、歩行、階段の昇降、正座等の日常動作が改善され、それに起因して、膝関節周りの軟部組織の柔軟性が一層向上し、またその機能が改善される。それによって、膝関節周りの軟部組織の血行が一層良好になるという良循環が起こる。このように、本発明の膝痛改善器具を継続使用することによって、後述する実施例において例証されるように、膝痛が緩和される。また水蒸気の発生を伴う熱は伝熱を効果的に行えるので、水蒸気発生部の温度が低い状態でも多くの熱を皮下深部に伝えることができる。よって低温やけどのリスクを低減させる効果もある。
なお、JIS S4100に従い測定されたときの蒸気温熱シート1の到達温度が38℃〜54℃の場合、該蒸気温熱シート1と当接する皮膚の表面温度は37℃〜42℃程度になる。この温度範囲であれば、膝痛を緩和することができる。
本発明において、蒸気温熱シート1から発熱に伴い発生する水蒸気の発生量は、次のようにして測定される。測定には、直方体状の密閉容器を備えた測定装置を用いた。容器の容積は37.87Lであった。容器内には扇風機として三洋電機製のDC San Ace25を設置し、容器内の空気を撹拌させた。この扇風機は最大風量が1.25m3/minである。また容器内には温湿度計としてSATOデータロガー(型式:SK−L200TH)を設置した。センサ部は温度センサがサーミスタ、湿度センサが高分子抵抗変化型のものであった。装置は20℃/40%RHの恒温室内に設置した。容器の正面板にはその中央部に90mm×110mmの矩形の窓部が設けられていた。蒸気温熱シート1における水蒸気発生面を該窓部に向けた状態で、蒸気温熱シート1を容器に固定した。そして、蒸気温熱シート1から発生する水蒸気を容器内に放出させた。
蒸気温熱シート1を窓部に取り付けてからの容器内の温度及び相対湿度を、センサ部によって測定してその値を記録しておく。温度及び湿度の測定は連続的でもよく、或いは一定時間おきでもよい。一定時間おきに測定する場合、その時間間隔に特に制限はない。測定を所定の時間行う。これにより温度及び相対湿度と時間との関係が得られる。得られた温度及び相対湿度の値に基づき、それまでに発生した水蒸気の積算量(g)を求める。その求め方は以下の通りである。
先ず、容器内の測定温度下における飽和蒸気圧Paを求める。飽和蒸気圧Paは、以下に示すGoffの式から算出する。
算出された飽和蒸気圧Paの値に基づき、以下の式から飽和蒸気圧Paでの絶対湿度Ds(g/m3)を算出する。
得られた飽和蒸気圧Paでの絶対湿度Dsと、同温度下における相対湿度H(%)との間には、H=D/Ds×100の関係がある。ここでDは相対湿度H(%)における絶対湿度(g/m3)である。相対湿度Hは測定から求められているので、DsとHの値から、容器11内の絶対湿度Dが算出される(D=H・Ds/100)。算出された絶対湿度Dの値に、容器11の容積(m3)を乗じることで、容器11内の水蒸気の量(g)が算出される。このようにして、放出された水蒸気の積算量と時間との関係のグラフが得られる。
本実施形態の蒸気温熱シート1においては、第1の面1a及び第2の面1bの通気度を適切に調整することで、第1の面1aを通じて水蒸気が優先的に放出されるようになっている。これに加えて、第1の面1a及び第2の面1bの通気度を適切に調整することで、水蒸気の温度及びその発生の持続時間を前記の範囲内とすることが容易となる。具体的には、本実施形態においては、第2の面1bの通気度を、第1の面1aの通気度よりも大きくしている。JIS P8117によって測定される通気度は、一定の圧力のもとで100mlの空気が通過する時間で定義されるものだから、通気度が大きいことは、空気の通過に時間がかかることを意味している。即ち通気性が低いことを意味している。逆に、通気度が小さいことは、通気性が高いことを意味している。このように、通気度の大小と通気性の高低とは逆の関係になっている。通気性に関して第1の面1a及び第2の面1bを比較すると、第1面1aの方が、第2の面1bよりも通気性が高くなっている。つまり、第2の面1bは非通気性であるか、又は難通気性(即ち、通気性を有するものの、第1の面1aよりも低い通気性を有している)である。
詳細には、収容体3は、通気面である第1の面1aと、それに対向する難通気面である第2の面1bとを有する扁平な形態をしており、通気面である第1の面1aを通じて水蒸気が発生するようになされている。或いは、収容体3は、通気面である第1の面1aと、それに対向する非通気面である第2の面1bとを有する扁平な形態をしており、通気面である第1の面1aを通じて蒸気温熱が発生するようになされている。
第2の面1bが難通気性である場合、該面1bの通気度を好ましくは1万〜12万秒/(100ml・6.42cm2)、更に好ましくは3万〜9万秒/(100ml・6.42cm2)、一層好ましくは5万〜7万秒/(100ml・6.42cm2)とすることで、空気は第2の面1bを通じて優先的に収容体3内に流入すると共に、水蒸気は第1の面1aを通じて優先的に放出されることが本発明者らの検討の結果判明した。その結果、水蒸気発生部11の全体にわたって空気の供給が安定的に行われ、水蒸気発生部2が均一に発熱する。そして発熱によって発生した水蒸気は、第1の面1aを通じて使用者の肌面に均一に付与される。
シート材料の気体の透過させやすさを表す物性値としては、前述の通気度の他に透湿度(JIS Z0208、40℃、90%RH、以下、透湿度というときにはこの方法の測定値をいう)が知られている。そして、使い捨てカイロのような発熱具における通気性シート材料の水蒸気の透過のさせやすさは、専ら透湿度によって表されている。これに対して本実施形態においては、透湿度ではなく、通気度によって気体の透過のさせやすさを評価している。そして、通気度の値を調整することで、第2の面1bが通気性を有する場合であっても、優先的に第1の面1aから水蒸気を放出させることが可能となったものである。この理由は、通気度と透湿度とで、その測定条件が相違することに起因していると本発明者らは考えている。透湿度は静水圧下で測定されるのに対し、通気度は加圧下で測定される。本実施形態の蒸気温熱シート1においては、水蒸気発生部2の発熱によって水蒸気が発生し、収容体3内は正圧状態になっている。このような状態下での気体の透過のさせやすさを評価するには、静水圧下で測定される透湿度を用いるよりも、加圧下で測定される通気度を用いた方が、実際の状態に合っていると考えられる。
先に述べた通り、外方を向く面である第2の面1bが難通気性である場合、該面1bは、外部から空気を流入させるものの、外部への水蒸気の放出量は、第1の面1aよりも低いものとなっている。即ち、第2の面1bを通じての空気の流入量が多いからと言って、水蒸気の放出量も多いとは言えないのである。この理由の一つは、収容体3の各面が通気性を有していることにある。つまり、第1の面1aと第2の面1bの通気度のバランスが、第2の面1bにおける空気の流入量及び水蒸気の放出量に影響している。そこで、第2の面1bを通じての空気の流入を確保しつつ、水蒸気の放出を抑制させる観点から、第1の面1aの通気度と第2の面1bの通気度との比(第1の面/第2の面)を0.01〜0.7、特に0.1〜0.5、とりわけ0.2〜0.4とすることが好ましい。これによって、第2の面1bを通じての水蒸気の放出を一層減じさせることができ、且つ第1の面1aを通じての水蒸気の放出を一層増加させることができる。一方、第2の面1bが非通気性である場合、収容体3内への空気の流入、及び水蒸気の発生は、専ら第1の面1aを通じて行われる。
第1の面1aの通気度そのものは、第2の面1bが難通気性であるか又は非通気性であるかを問わず、100〜5万秒、特に1000〜4万秒、とりわけ1万〜3万秒であることが好ましい。
先に述べた通り、蒸気温熱シート10における第1の面1a及び第2の面1bは何れもシート材から構成されている。どのようなシート材を用いるかは、シート材の通気度、透湿度、風合い、肌触り、強度、被酸化性金属等の粉体の漏れ出し防止等を考慮して適宜決定すればよい。通気度を支配し且つ粉体の漏れ出しを防止するシート材としては、メルトブローン不織布や透湿性フィルムが好適に用いられる。透湿性フィルムは、熱可塑性樹脂及び該樹脂と相溶性のない有機又は無機のフィラーの溶融混練物をフィルム状に成形し、一軸又は二軸延伸して得られたものであり、微細な多孔質構造になっている。強度を付与する目的で用いられるシート材としては、スパンボンド不織布が好適に用いられる。また風合いを良好にする目的で用いられるシート材としては、サーマルボンド不織布が好適に用いられる。種々の通気度及び透湿度を有するシート材を組み合わせて積層シートを構成することで、各通気面の通気度及び透湿度を所望の値に設定する自由度が増す。
図2に示す収容体3においては、第1の面1aが第2の透湿性シート3bと不織布3cから構成されている。第2の面1bは、透湿性シート3aと不織布3dから構成されている。従って図2に示す収容体3は第1の通気面1a及びそれに対向する第2の通気面1bを有するものである。透湿性シート3aと不織布3d、透湿性シート3bと不織布3cは、それらの周縁でのみ接合されていても良いし、シート面内で部分的に接合されていても良い。なお、本実施形態においては、第1の面1aは透湿性シート3b及び不織布3cからなり、第2の面1bは透湿性シート3a及び不織布3dからなるが、第1及び2の面1a,1bはそれぞれ透湿性シートのみで構成されていてもよい。
収容体3に収容される水蒸気発生部2は、被酸化性金属、反応促進剤、電解質及び水を含む。そのような水蒸気発生部2は、例えば発熱シート又は発熱粉体からなる。水蒸気発生部2が発熱シートからなる場合には、発熱シートは被酸化性金属、反応促進剤、繊維状物、電解質及び水を含む繊維シートから構成されていることが好ましい。つまり、発熱シートは、被酸化性金属、反応促進剤、繊維状物及び電解質を含む繊維シートが含水状態となっているものであることが好ましい。特に、発熱シートは、被酸化性金属、反応促進剤及び繊維状物を含有する成形シートに、電解質水溶液を含有させて構成されていることが好ましい。発熱シートとしては、湿式抄造により得られたシート状物や、発熱粉体を紙等で挟持してなる積層体等が挙げられる。そのような発熱シートは、例えば本出願人の先の出願に係る特開2003−102761号公報に記載の湿式抄造法や、ダイコーターを用いたエクストルージョン法を用いて製造することができる。一方、水蒸気発生部2が発熱粉体からなる場合には、発熱粉体は被酸化性金属、反応促進剤、保水剤、電解質及び水を含んで構成されていることが好ましい。発熱シート及び発熱粉体のうち、どのような姿勢においても膝へ水蒸気を均一に適用し得る点から、発熱シートを用いることが好ましい。また、発熱シートは、発熱粉体に比較して、発熱の温度分布を均一化する事が容易であり、また、被酸化性金属の担持能力が優れている点からも有利である。
水蒸気発生部2が発熱シートからなる場合、該発熱シートは60〜90重量%の被酸化性金属、5〜25重量%の反応促進剤及び5〜35重量%の繊維状物を含む成形シートに、該成形シート100重量部に対して、1〜15重量%の電解質を含む電解質水溶液が30〜80重量部含有されて構成されていることが好ましい。一方、水蒸気発生部2が発熱粉体からなる場合、該発熱粉体は、30〜80重量%の被酸化性金属、1〜25重量%の反応促進剤、3〜25重量%の保水剤、0.3〜12重量%の電解質、20〜60重量%の水から構成されていることが好ましい。発熱シートや発熱粉体を構成する各種材料としては、当該技術分野において通常用いられているものと同様のものを用いることができる。また、先に述べた特開2003−102761号公報に記載の材料を用いることもできる。
収容体3は、側縁S1及びS2を有している。また端縁E1及びE2を有している。一方の側縁S1は、収容体3の縦中心線Lに対して外向きの凸状となるような曲線形状をしている。他方の側縁S2は、縦中心線Lに向かう内向きの凸状となるような曲線形状をしている。端縁E1,E2はそれぞれ外向きの凸状となるような曲線形状をしている。これら側縁S1,S2及び端縁E1,E2は滑らかに連接しており、収容体全体としてみると湾曲した長円形となっている。
透湿性シート3a及び不織布3dは、収容体3の長手方向において、収容部5を囲繞する接合部4から外方に延出しており一対の耳部6,6を形成している。耳部6は、接合部4寄りに位置する基部6aと、先端寄りに位置し且つ基部6aと連接する先端部6bとから構成されている。
各先端部6bにおける肌に近い側の面上には、蒸気温熱シート1を使用者の身体に固定するための固定部7が設けられている。固定部7は、水蒸気発生部2の収容部よりも外方の位置(周縁部)に設けられている。固定部7は2カ所設けられている。
固定部7としては、蒸気温熱シート1を使用者の身体に固定可能な様々な手段を用いることができる。典型的には、先端部6bに粘着剤を施すことによって固定部7を形成することができる。粘着剤としては、当該技術分野において通常用いられているものと同様のものを用いることができる。例えばゴム系樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂などを用いることができる。これらの樹脂は非転着性であることが好ましい。
水蒸気発生部2の収容部5と固定部7との間の位置、即ち耳部7の基部6aは伸長可能になっている。基部6aは、2つの固定部7,7を結ぶ方向、つまり縦中心線Lの方向に伸長可能になっている。本実施形態においては、基部6aに多数のスリット8を形成することによって基部6aを伸長可能にしてある。基部6aにおいて、各スリット8は縦中心線Lと交差する方向に延びている。これによって、温熱具1をその長手方向に引っ張ると、スリット8が開口して基部6aが伸長する。その結果、蒸気温熱シート1を使用者の身体に取り付けた場合、使用者の動作に基部6aが追従して伸長し、使用者につっぱり感を与えにくくなる。また固定部7が身体から外れにくくなる。図1においては、スリット8は縦中心線Lと直交する方向に延びているが、スリット8が縦中心線Lと交差していれば直交する必要はない。尤も、基部6aの伸長性を考慮すると、スリット8と縦中心線Lとのなす角度は直角に近いほど好ましい。
図3(a)には、本実施形態の膝痛緩和器具のもう一方の構成要素であるサポータの斜視図が示されている。図3(a)に示すサポータ10はその両端が開口した筒状の形態をしている。サポータ10はその全体が編成により形成されている。サポータ10はその長手方向に延びているストレートな筒状の形態であり、一本の直線状の軸線Xに沿って延びている。換言すれば、サポータ10には屈曲部が存在していない。屈曲していないとは、互いに交差する2本以上の軸線に沿ってサポータが延びていないことをいう。
サポータ10は、その長手方向の長さが、図1及び図2に示す蒸気温熱シート1の長さよりも大きくなっている。またサポータ10は周方向に伸張していないときの周長が180〜550mm程度であることが、十分な締め付け感をもって膝に装着し得る点から好ましい。なお、図3(a)においては、サポータ10はその長手方向全長にわたって周長が同じであるが、これに代えて、長手方向の一部分の周長を他の部分の周長と異ならせてもよい。
上述の通り、サポータ10はその全体が編成によって形成されており、その全体が伸縮性を有している。具体的には、伸縮性を有する繊維を用いて丸編みによって形成されている。サポータ10を構成する繊維は、伸縮性を有することに加え、疎水性の材料から構成されていることが好適である。この理由は、サポータ10を構成する繊維が、例えばコットンやレーヨンなどの親水性繊維である場合、サポータ10が蒸気温熱シート1から発生した水蒸気を吸収して湿気を帯びる場合があるからである。サポータ10が湿気を帯びると装着感が悪くなる傾向にある。伸縮性で且つ疎水性の繊維としては、例えばポリウレタンからなる繊維や、ポリウレタンとポリアミドとの複合繊維などが挙げられる。
サポータ10は編成によって形成されているので、その全体が通気性を有する。その通気度(JIS P8117)は、蒸気温熱シート1の収容体3の通気度よりもその値が小さければ、その値に特に制限はない。サポータ10は、主として蒸気温熱シート1を使用者の膝に違和感なく保持固定するために用いられるものであるから、従来のサポータと異なり分厚い生地で保温効果を高くする必要はない。患部への保温効果は蒸気温熱シート1で温めることで十分に奏されるからである。
蒸気温熱シート1を用いて温めることで、膝のこわばりや痛みが緩和し、関節が動かしやすくなる。従って、蒸気温熱具による関節が動かしやすくなる効果を引き立たせるためにも、サポータ10は伸縮性を有することに加え、歩行や階段昇降時などの膝関節の屈曲及び進展時の動きを妨げない、薄手で軽量のものが望ましい。また、冬場などは特に膝下をズボンなどの衣服で覆うことが多いことから、ズボンの下に履いても膝関節の動きを妨げることなく着用でき、また外観的にも目立たないものがよい。
これらの観点からサポータ10は薄手で軽量のものとすることが重要である。薄手で軽量にするためには、例えばサポータ10を編成する場合に、目の粗い編み方をして坪量を低くすればよい。それによってサポータ10の通気性を一層高めることができ、サポータ10の装着中における蒸れの発生やそれに起因する肌のかぶれ等を防止することが可能となる。サポータ10の坪量は例えば50〜400g/m2、特に200〜300g/m2とすることができる。この範囲内とすることで、蒸気温熱シート1を保持するというサポータ本来の役割を発現させた上で、歩行や階段昇降時などの膝関節の屈曲及び進展時の動きが妨げられにくくなる。
サポータ10が伸縮性を有していることは先に述べた通りである。この場合、サポータ10はその長手方向の伸長性よりも、周方向の伸長性の方が高くなっていることが好ましい。つまり、長手方向よりも周方向に伸びやすいことが好ましい。これによって、サポータ10を膝に装着したときのフィット性が良好になる。この観点から、サポータ10を周方向に200%伸長させたときの伸長応力と同じ伸長応力でサポータ10を長手方向に伸長させたときの伸長応力が20%〜180%であることが好ましい。
伸縮性に関し、サポータ10はその周方向の伸縮性が適切な程度になっていることが、蒸気温熱シート1を確実に保持固定する観点及び血流を過度に妨げないようにする観点から必要である。この目的のために、サポータ10がその周方向において好ましくは200%以上、更に好ましくは300%以上の伸びを有することが適切である。のびの上限値は400%程度が適切である。これに加えてサポータ10は、これを周方向に300%伸長させたときの引張強さが好ましくは2〜25N/50mm、更に好ましくは8〜10N/50mmであることが適切である。サポータ10の周方向の伸び及び引張強さは引張試験機を用いて測定される。試験片は、サポータ10を、その周方向に100mm、長手方向に50mmの矩形に切り出して作製する。測定は、把持長50mm、引張速度100mm/minで行う。
図3(b)には別の実施形態のサポータ10が示されている。このサポータ10は、その長手方向の中央域に対して上側及び下側の位置に、サポータ10の周方向に延び且つ互いに隣接する第1の領域11と第2の領域12を有している。第1の領域11及び第2の領域12はそれぞれサポータ10の半周面を構成している。第1の領域11は凹凸編みによって形成されている。サポータ10の長手方向の伸長性は、第1の領域11に比べて第2の領域12の方が低くなっている。
第1の領域11には凹凸編みによって多数の凹凸部が形成されている。凹凸編みは、編み物の技術分野において公知の編み方である。凸部と凹部とは千鳥格子状の配置パターンで形成されている。凸部及び凹部は何れも同形の矩形状であり且つ同寸になっている。第1の領域11をサポータ10の内面側からみると、やはり該領域11には多数の凹凸部が形成されている。しかし、内面側に形成されている凹凸部は、表面側に形成されている凹凸部を表裏反転させた形状にはなっていない。本実施形態のサポータ10を装着した場合、第1の領域11に凹凸部が形成されていることに起因して、該凹凸部がサポータ10の位置ずれに対する抵抗になって、サポータ10の位置ずれが起こりづらくなるという利点がある。この利点は、サポータ10の周方向において第1の領域11に隣接して、サポータ10の長手方向における伸長性が第1の領域11よりも低い第2の領域12が形成されていることによって一層顕著なものとなる。
図3(b)に示すサポータ10においては、これを膝に装着した場合、第1の領域11が前側に位置し、且つ第2の領域12が後ろ側に位置するように装着されることが、サポータ10の位置ずれ防止の観点から好ましい。前側とは、サポータ10が装着される膝の関節における外側に対応する側をいう。後ろ側とは、サポータ10が装着される膝の関節における内側(膝窩側)に対応する側をいう。
本実施形態の膝痛緩和器具においては、使用前の蒸気温熱シート1は、その全体が酸素バリア性を有する包装材(図示せず)によって包装されて、水蒸気発生部2が空気中の酸素と接触しないようになっている。酸素バリア性の材料としては、例えばその酸素透過係数(ASTM D3985)が10cm3・mm/(m2・day・MPa)以下、特に2cm3・mm/(m2・day・MPa)以下であるようなものが好ましい。具体的にはエチレン−ビニルアルコール共重合体やポリアクリロニトリル等のフィルム、又はそのようなフィルムにセラミック若しくはアルミニウム等を蒸着したフィルムが挙げられる。
包装材には、本実施形態の膝痛緩和器具における蒸気温熱シート1を膝に当接させた状態下に該蒸気温熱シート1から発生する水蒸気を膝に所定時間適用することで、膝痛が緩和される旨の表示を付すことが好ましい。このような表示によって、消費者に対して、従来知られていた一般の使い捨てカイロ、つまり水蒸気の発生を伴わない熱が生じるカイロでは達成し得なかった膝痛の緩和効果が、本発明によって達成されることを知らせることができる。従って消費者は、本発明の改良された性能の十分な価値を容易に認識することになる。前記の表示には、文字はもちろんのこと、記号や図形等、本発明の改良された性能を消費者に伝え得るあらゆる情報手段が含まれる。また前記の表示には、本発明が、他の製品に比して優れている旨の情報を含めることができる。更に、前記の表示を包装袋に付すことに加えて、又はそれに代えて、当該表示を含む指示書を、蒸気温熱シート1及びサポータ10を包装する包装の中に入れてもよい。また、当該表示を、蒸気温熱シート1及びサポータ10を包装する包装に記載してもよい。或いは、蒸気温熱シート1そのもの及び/又はサポータ10そのものに、当該表示を記載してもよい。
図4には、本実施形態の膝痛緩和器具の使用形態の一例が示されている。先ず図4(a)に示すように、膝を若干曲げた状態で、蒸気温熱シート1を膝の内側及び外側に直接貼り付ける。次に、図4(b)に示すように、サポータ10を装着する。このとき、サポータ10はその全体が少なくとも幅方向に伸縮するものであるから、その装着状態においてサポータ10は使用者の脚にぴったりとフィットする。しかもサポータ10によれば、膝を屈伸させてもサポータ10の位置ずれが起こりづらく、蒸気温熱シート1が確実に保持される。蒸気温熱シート1を貼り付けて所定時間、例えば2〜12時間、好ましくは5〜12時間にわたって膝に水蒸気を伴う温熱を施す。この操作を毎日繰り返すことで、継続使用による膝痛の緩和効果が得られる。
なお図4においては膝の内側及び外側の2箇所の位置に蒸気温熱シートを取り付けたが、使用者の症状に応じ例えば膝の内側の1箇所にのみ蒸気温熱シートを取り付けてもよい。尤も、膝痛の緩和効果を最大限得る観点からは、膝の内側及び外側の2箇所の位置に蒸気温熱シートを取り付けることが望ましい。この観点から、本発明の膝痛改善器具は、2つの蒸気温熱具と1つのサポータとの組み合わせから構成されることが好ましい。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されるものではない。例えば本発明の蒸気温熱具はシート以外の形態でもよい。サポータ10についても、前記の実施形態以外の形状であってもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕
図1及び図2に示す実施形態の蒸気温熱シートを、以下の手順で作製した。
<シート状発熱部の調製>
原料組成物配合
・繊維状物:パルプ繊維(NBKP、製造者:フレッチャー チャレンジ カナダ、商品名「Mackenzie」、CSF140ml)8重量%
・被酸化性金属:鉄粉(同和鉄粉鉱業(株)製、商品名「RKH」)84重量%
・反応促進剤:活性炭(日本エンバイロケミカル(株)製、商品名「カルボラフィン」)8重量%
前記原料組成物の固形分(繊維状物、被酸化性金属及び反応促進剤の合計)100重量部に対し、カチオン系凝集剤であるポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(星光PMC(株)製、商品名「WS4020」)0.7重量部およびアニオン系凝集剤であるカルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬(株)製、商品名「HE1500F」0.18重量部を添加した。更に、水(工業用水)を、固形分濃度が12重量%となるまで添加し、スラリーを得た。
<抄造条件>
前記スラリーを用い、これを抄紙ヘッドの直前で0.3重量%に水希釈し、傾斜型短網抄紙機によって、ライン速度15m/分にて抄紙して湿潤状態の成形シートを作製した。
<乾燥条件>
成形シートをフェルトで挟持して加圧脱水し、そのまま140℃の加熱ロール間に通し、含水率が5重量%以下になるまで乾燥した。乾燥後の坪量は450g/m2、厚さは0.45mmであった。このようにして得られた成形シートの組成を熱重量測定装置(セイコーインスツルメンツ社製、TG/DTA6200)を用いて測定した結果、鉄84重量%、活性炭8重量%、パルプ8重量%であった。
<発熱シートの作製>
得られた成形シートを100mm×55mmに切り取り、3枚を重ね合わせ、成形シート100重量部に対し電解液量が50重量部となるように、下記電解液を注入した。毛管現象を利用して成形シート全体に電解液を浸透させて発熱シート(シート状の発熱部)を得た。
<電解液>
電解質:精製塩(NaCl)
水:工業用水
電解液濃度:5重量%
<収容体への収容>
図1及び図2に示す透湿性シート3a,3bとして、ポリエチレン製の多孔質透湿性フィルムを用いた。透湿性シート3aの透湿度は150g/(m2・24hr)であった。透湿性シート3bの透湿度は340g/(m2・24hr)であった。透湿性シート3aの外面には、坪量40g/m2のナイロン系不織布3dをラミネートした。透湿性シート3bの外面にも、坪量40g/m2のナイロン系不織布3cを配した。この収容体の中に発熱シートを収容した。このようにして蒸気温熱シートを得た。
<サポータの作製>
蒸気温熱シートの作製とは別に、図3(a)に示すサポータを丸編みで作製した。繊維は、ポリウレタン及びポリアミドの複合繊維を用いた。サポータの坪量は240g/m2であった。サポータを周方向に200%伸長させたときの伸長応力と同じ伸長応力で、サポータを長手方向に伸長させたときの伸びは30%であった。サポータはその周方向に300%伸長させたときの引張強さが3N/50mmであった。
〔比較例1〕
実施例1で得られた蒸気温熱シートと同様の発熱温度を有する化学カイロ(水蒸気の発生を伴わない熱を生じるカイロ)を以下の手順で作製した。
<化学カイロの作製>
装着時の膝の皮膚表面温度が実施例1の蒸気温熱シートを装着時の膝の皮膚表面温度と同じ温度になるように設計された化学カイロを作製した。人体適用面である非透湿性シートには、スパンボンド不織布(坪量30g/m2)と非透湿性である低密度ポリエチレンフィルム(坪量34g/m2)とのラミネート品を用いた。人体に適用しない面には、透湿度260g/(m2・24hr)のポリエチレン製の多孔質フィルムを用いた。発熱シートには前記蒸気温熱シートに用いられたものと同様の発熱シートを使用し、この発熱シートを収容して化学カイロを得た。
〔評価〕
実施例1で得られた蒸気温熱シート及び比較例1で得られた化学カイロについて(1)WOMAC(Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index)による評価及び(2)JOA score(日本整形外科学会 膝OA治療成績判定基準)による評価を行った。(1)及び(2)の何れの評価においても、変形性膝関節症を有する45−69際の女性を被験者とした。被験者は全員、試験前にレントゲン撮影及び臨床によって変形性膝関節症であると診断された者である。被験者を、実施例1で得られた蒸気温熱シートを装着する群(実施例群)と比較例1で得られた化学カイロを装着する群(比較例群)に無作為に分けた。被験者には、自分がどちらの群に属しているかを知らせなかった。実施例群は20人、比較例群は17であった。実施例群においては、実施例1で得られた蒸気温熱シートを図4に示すように痛みの気になる左右何れか片側の膝に2枚装着させた。比較例群においては、比較例1で得られた化学カイロを同様に2枚装着させた。何れの群とも、1日の装着時間は6時間を限度とし、4週間にわたって継続使用させた。
WOMACによる評価
WOMACは、近年欧米において変形性関節症の機能評価や介入効果を検討する場合に非常によく用いられている自己記載式の評価法である。質問内容は、以下の表1に示すように(イ)疼痛、(ロ)こわばり、(ハ)機能に関してのものであり、5段階評価で点数化する(最高点96点)。結果を図5及び図6に示す。図5は、(イ)疼痛、(ロ)こわばり、(ハ)機能の総合評価の結果であり、図6は(ロ)こわばりのみの評価結果である。
図5及び図6に示す結果から明らかなように、実施例群においては、総合評価及びこわばりの評価の何れについても、2週から4週にかけて有意なスコア改善がみられる。この理由は、実施例1で得られた蒸気温熱シートを適用することで血行が促進され、膝関節周りの軟部組織が柔らかくなり、膝痛が緩和され、それによって被験者の活動度が高まり、それに起因して、膝関節周りの軟部組織の機能が高まったことによるものと考えられる。
(2)JOA scoreによる評価
以下の表2に示す評価項目について、医師による診察・問診で評価する。同表に示すスコアで点数化し、試験の前後の点数を比較する。点数は最高100点であり、点数が低いほど重症であることを意味する。試験終了時には、治療に対する被験者の満足度を同表に示す基準で評価させた。結果を図7及び図8に示す。図7はJOA scoreによる評価結果であり、図8は治療後の被験者の満足度の評価結果である。
図7及び図8に示す結果から明らかなように、実施例群及び比較例群の何れにおいても階段昇降能及び総計について有意な改善結果が得られた。特に注目すべき点は、実施例群においては歩行能に関しても有意な改善結果が得られたことである。
以上の結果から、WOMAC及びJOA scoreという異なる種類の評価法の何れにおいても、蒸気温熱シートとサポータの組み合わせを用いることで変形性膝関節症の緩和効果が確認され、それによってQOLが改善されることが判る。
図1は、本発明の膝痛緩和器具における蒸気温熱具の一実施形態を示す平面図である。 図2は、図1におけるII−II線断面図である。 図3(a)及び(b)は、本発明の膝痛緩和器具におけるサポータの一実施形態を示す斜視図である。 図4(a)及び(b)は、本実施形態の膝痛緩和器具の使用形態の一例が示す説明図である。 図5は、WOMACによる評価結果を示すグラフである。 図6は、WOMACによる評価結果を示すグラフである。 図7は、JOA scoreによる評価結果を示すグラフである。 図8は、JOA scoreによる評価結果を示すグラフである。
符号の説明
1 蒸気温熱シート(蒸気温熱具)
1a 第1の面
1b 第2の面
2 水蒸気発生部
3 収容体
10 サポータ

Claims (8)

  1. 被酸化性金属の酸化反応による発熱を利用した水蒸気発生部を有し、皮膚に水蒸気を付与する蒸気温熱具と、該蒸気温熱具を保持固定するために用いられる、両端が開口した筒状に構成されたサポータとを備えた膝痛緩和器具であって、
    前記蒸気温熱具は、水蒸気発生部及び該水蒸気発生部を収容する収容体を備えており、
    前記蒸気温熱具における使用者の肌に近い側の面上に、該蒸気温熱具を使用者の身体に固定するための固定部が、粘着剤を施すことによって設けられており、
    前記粘着剤は、前記収容体における使用者の肌に近い側の面上であって、かつ前記水蒸気発生部の収容部よりも面方向の外方の位置に施されて前記固定部が設けられており、
    前記蒸気温熱具は、JIS S4100に従い測定された到達温度が38℃〜54℃の温度範囲であり、当該温度範囲の水蒸気発生を伴う発熱が2時間〜12時間持続するようになされており、
    前記サポータは、通気性を有し且つ坪量が50〜400g/m2であり、
    前記サポータは、その長手方向の中央域に対して上側及び/又は下側の位置に、該サポータの周方向に延び且つ互いに隣接する第1の領域と第2の領域を有し、
    第1の領域は凹凸編みによって形成されており、前記サポータの長手方向の伸長性は、第1の領域に比べて第2の領域の方が低く、
    第1の領域及び第2の領域はそれぞれ前記サポータの半周面を構成している膝痛緩和器具。
  2. 前記水蒸気発生部が、被酸化性金属、反応促進剤及び繊維状物を含有する成形シートに、電解質水溶液を含浸させてなる発熱シートからなる請求項1記載の膝痛緩和器具。
  3. 前記蒸気温熱具が、第1の通気面及びそれと対向する第2の通気面とを有する扁平な収容体内に前記水蒸気発生部を収容してなる請求項1又は2記載の膝痛緩和器具。
  4. 前記蒸気温熱具を膝に当接させた状態下に該蒸気温熱具から発生する水蒸気を膝に所定時間適用することで、膝痛が緩和される旨の表示が該蒸気温熱具又は前記サポータに記載されている請求項1ないし3の何れかに記載の膝痛緩和器具。
  5. 前記サポータが、伸縮性で且つ疎水性の繊維を編成して形成されている請求項1ないしの何れかに記載の膝痛緩和器具。
  6. 前記サポータはその通気度(JIS P8117)の値が、前記蒸気温熱具の収容体の通気度よりも小さくなっている請求項3に記載の膝痛緩和器具。
  7. 前記サポータは、これを周方向に300%伸長させたときの引張強さが2〜25N/50mmである請求項1ないしの何れかに記載の膝痛緩和器具。
  8. 前記サポータは、これを膝に装着した場合、第1の領域が前側に位置し、且つ第2の領域が後ろ側に位置するように装着されるものである請求項1ないし7の何れかに記載の膝痛緩和器具。
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